薬剤供給装置及び薬剤計数装置

申请号 JP2014506175 申请日 2013-03-14 公开(公告)号 JP6213459B2 公开(公告)日 2017-10-18
申请人 株式会社湯山製作所; 发明人 小池 直樹; 見谷 光弘; 深田 政雄;
摘要
权利要求

平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記薬剤の形状を特定するための薬剤形状特定部と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記薬剤形状特定部によって特定された薬剤の形状に基づいて、前記検出部によって検出される薬剤の間隔がほぼ同じとなるように前記回転体の回転速度を制御する制御部と、 を備えたことを特徴とする薬剤供給装置。水平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記検出部によって検出される薬剤の間隔と、該薬剤の間隔を所望の値にするための前記回転体の回転速度とを紐づけたスピードテーブルに基づいて、前記検出部によって検出される薬剤の間隔から特定される回転速度で前記回転体を回転させる制御部と、 を備えたことを特徴とする薬剤供給装置。水平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記薬剤の形状を特定するための薬剤形状特定部と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記薬剤形状特定部によって特定された薬剤の形状に基づいて、前記検出部によって検出される薬剤の間隔がほぼ同じとなるように前記回転体を回転させ、前記検出部によって検出される薬剤の排出数が処方データに含まれる薬剤の処方数に到達することにより、前記回転体を停止させる制御部と、 を備えたことを特徴とする薬剤計数装置。水平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記検出部によって検出される薬剤の間隔と前記回転体の回転速度とを紐づけるスピードテーブルに基づいて、前記検出部によって検出された薬剤の間隔から特定される回転速度で前記回転体を回転させ、前記検出部によって検出される薬剤の排出数が処方データに含まれる薬剤の処方数に到達することにより、前記回転体を停止させる制御部と、 を備えたことを特徴とする薬剤計数装置。前記薬剤形状特定部は、薬剤の平面形状と側面形状を選択することにより薬剤の形状を特定するものであることを特徴とする請求項3に記載の薬剤計数装置。前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記薬剤の形状と、薬剤体積係数とを紐づける薬剤体積係数テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される薬剤体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積が、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積を超えていれば薬剤の排出数が1であるとして計数することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記回転体の回転速度と、薬剤体積係数とを紐づける薬剤体積係数テーブルに基づいて、前記スピードテーブルにより決定した回転速度から特定される薬剤体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積が、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積を超えていれば薬剤の排出数が1であるとして計数することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積である実測値が、前記薬剤の形状と、異物体積係数とを紐づける異物体積係数テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される異物体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積である異物演算値以下であれば計数しないことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記回転体の回転速度と、異物体積係数とを紐づける異物体積係数テーブルに基づいて、前記スピードテーブルにより決定した回転速度から特定される異物体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積が、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積を超えていれば計数しないことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。前記制御部は、処方データに含まれる薬剤の処方数から前記検出部で検出された薬剤の排出数を引いた数が、予め設定した排出残数に到達すれば、前記回転体の回転速度を低下させることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。前記排出残数は、前記薬剤の形状に応じて相違させることを特徴とする請求項10に記載の薬剤計数装置。前記排出残数は、前記回転体の回転速度に応じて相違させることを特徴とする請求項10に記載の薬剤計数装置。前記制御部は、前記回転体の回転速度の低下を多段階で行わせることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。前記制御部は、前記検出部によって検出される薬剤の排出数が処方データに含まれる薬剤の処方数に到達することにより前記回転体を逆回転させることを特徴とする請求項1又は2に記載の薬剤計数装置。前記回転体の上方に、上下方向に移動可能に設けられた高さ規制部材と、 前記薬剤の基準高さを特定するための薬剤高さ特定部と、 をさらに備え、 前記制御部は、前記薬剤の形状と、高さ補正係数とを紐づける高さ補正テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される高さ補正係数と、前記薬剤高さ特定部によって特定される基準高さとに基づいて、前記高さ規制部材の位置を調整することを特徴とする請求項1から14のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。前記回転体の上面に、前記回転体の径方向に移動可能に設けられた幅規制部材と、 前記薬剤の基準幅を特定するための薬剤幅特定部と、 をさらに備え、 前記制御部は、前記薬剤の形状と、幅補正計数とを紐づける幅補正テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される幅補正係数と、前記薬剤幅特定部によって特定される基準幅とに基づいて、前記幅規制部材の位置を調整することを特徴とする請求項1から15のいずれか1項に記載の薬剤計数装置。

说明书全文

本発明は、形状や大きさが異なる錠剤やカプセル剤等の薬剤を1個ずつ供給可能な薬剤供給装置、及び、この薬剤供給装置を備えた薬剤計数装置に関するものである。

従来、小物を整列して供給する供給装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。

この供給装置は、第1駆動手段によって回転される円板状の第1回転体と、第2駆動手段によって回転される円環状の第2回転体とを有する。第1回転体の第1回転軸は、所定度で傾斜するように配置され、第2回転体の第2回転軸は、垂直方向に延びるように配置されている。また、第1回転体は、傾斜によって上端に位置する部分が、第2回転体の内周部と同一高さに位置するように構成されている。さらに、第2回転体の内周部には、第1回転体の外周部を囲繞する枠壁が一体に設けられている。

前記構成の供給装置では、第1回転体の回転により供給物が上端部から第2回転体に移動する。そして、第2回転体上に設けた規制体により、所定姿勢となっている供給物だけを下流側へ通過させ、異なる姿勢の供給物は第2回転体の内周部から第1回転体上へ落下される。そのため、供給する供給物同士が衝突し合うことを防止できる。

しかしながら、前記従来の供給装置では、薬剤の供給に使用した場合、2以上の供給物が同時に規制体を通過して、径方向に2列並んだ状態で排出口への案内部に供給される可能性がある。その結果、案内部の入口で詰まりを生じさせるという問題がある。

特公平1−51403号公報

本発明は、薬剤を1つずつ確実に、かつ、効率的に排出することのできる薬剤供給装置及び薬剤計数装置を提供することを課題とする。

本発明は、前記課題を解決するための手段として、 薬剤供給装置を、 平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記薬剤の形状を特定するための薬剤形状特定部と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記薬剤形状特定部によって特定された薬剤の形状に基づいて、前記検出部によって検出される薬剤の間隔がほぼ同じとなるように前記回転体の回転速度を制御する制御部と、 を備えた構成としたものである。

薬剤の形状の違いにより、回転体の回転速度が同じであったとしても、払出部からスムーズに排出されるものもあるし、中々排出されないものもある。前記構成により、薬剤の形状の違いに伴う回転体による搬送状態の違いを考慮し、その形状の違いに応じて回転体の回転速度を設定することで、薬剤を1つずつ確実に、かつ、効率的に排出することが可能となる。

また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、 薬剤供給装置を、 水平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記検出部によって検出される薬剤の間隔と、該薬剤の間隔を所望の値にするための前記回転体の回転速度とを紐づけたスピードテーブルに基づいて、前記検出部によって検出される薬剤の間隔から特定される回転速度で前記回転体を回転させる制御部と、 を備えた構成としたものである。

この構成により、薬剤の間隔の違いに応じて回転体の回転速度を変更しているので、例えば、形状等の異なるいずれの薬剤であっても一定間隔で排出させることができる。これにより、薬剤を1つずつ確実に、かつ、効率的に排出することが可能となる。

本発明は、前記課題を解決するための手段として、 薬剤計数装置を、 水平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記薬剤の形状を特定するための薬剤形状特定部と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記薬剤形状特定部によって特定された薬剤の形状に基づいて、前記検出部によって検出される薬剤の間隔がほぼ同じとなるように前記回転体を回転させ、前記検出部によって検出される薬剤の排出数が処方データに含まれる薬剤の処方数に到達することにより、前記回転体を停止させる制御部と、 を備えた構成としたものである。

この構成により、薬剤を形状の違いに応じて回転体の回転速度を設定することで、薬剤を1つずつ確実に、かつ、効率的に排出することができる。この結果、検出部による計数を、間隔が空きすぎたり、逆に短くて適切に行うことができなくなったりすることを防止しつつ行うことが可能となる。

また、本発明は、前記課題を解決するための手段として、 薬剤計数装置を、 水平面内で回転することにより、薬剤を周方向に移動させる回転体と、 前記回転体に対して外径側と内径側の位置にそれぞれ設けられ、前記回転体の回転により移動してきた薬剤を外径側へと案内する外側ガイド及び内側ガイドと、 前記外側ガイド及び前記内側ガイドによって案内された薬剤が排出される間隔を検出する検出部と、 前記検出部によって検出される薬剤の間隔と前記回転体の回転速度とを紐づけるスピードテーブルに基づいて、前記検出部によって検出された薬剤の間隔から特定される回転速度で前記回転体を回転させ、前記検出部によって検出される薬剤の排出数が処方データに含まれる薬剤の処方数に到達することにより、前記回転体を停止させる制御部と、 を備えた構成としたものである。

この構成により、検出部で検出される薬剤の間隔に基づいて、直接的に薬剤の間隔が適切なものとなるように回転体の回転速度を制御することができる。したがって、検出部での検出を、薬剤の形状等の条件に違いに拘わらず、常に所望の間隔で行うことができ、正確かつ効率的な計数を実現することができる。

前記薬剤形状特定部は、薬剤の平面形状と側面形状を選択することにより薬剤の形状を特定するものであるのが好ましい。

この構成により、薬剤の形状の特定を、平面及び側面の2方向から捉えるだけで、機械的に簡単に行うことができる。

前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記薬剤の形状と、薬剤体積係数とを紐づける薬剤体積係数テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される薬剤体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積が、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積を超えていれば薬剤の排出数が1であるとして計数するようにすればよい。

前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記回転体の回転速度と、薬剤体積係数とを紐づける薬剤体積係数テーブルに基づいて、前記スピードテーブルにより決定した回転速度から特定される薬剤体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積が、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積を超えていれば薬剤の排出数が1であるとして計数するようにしてもよい。

ここに、基準体積とは、ある薬剤について、公知の種々の手法により測定した体積や、製薬メーカーから提示された体積を意味する。回転体を回転させて薬剤を払い出し、検出部の検出信号に基づいて算出した体積を使用することもできる。この場合、算出した体積は2回以降の処方の払い出しの際に使用すればよい。

前記構成により、薬剤の形状、あるいは、回転体の回転速度の違いに応じて、薬剤の排出数を正確に検出することができ、誤って排出過剰となることを防止することが可能となる。

前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積である実測値が、前記薬剤の形状と、異物体積係数とを紐づける異物体積係数テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される異物体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積である異物演算値以下であれば計数しないようにすればよい。

前記薬剤の基準体積を特定する薬剤体積特定部を、さらに備え、 前記制御部は、前記回転体の回転速度と、異物体積係数とを紐づける異物体積係数テーブルに基づいて、前記スピードテーブルにより決定した回転速度から特定される異物体積係数と、前記薬剤体積特定部によって特定された基準体積との積が、前記検出部からの検出信号に基づいて算出した薬剤の体積を超えていれば計数しないようにしてもよい。

前記構成により、薬剤の形状、あるいは、回転体の回転速度の違いに応じて、薬剤の排出数を正確に検出することができ、誤って排出不足となることを防止することが可能となる。

前記制御部は、処方データに含まれる薬剤の処方数から前記検出部で検出された薬剤の排出数を引いた数が、予め設定した排出残数に到達すれば、前記回転体の回転速度を低下させるようにするのが好ましい。

この構成により、最終の錠剤を排出する前段階で、回転体の回転速度を低下させることができ、回転体の停止後に誤って薬剤が排出されてしまうことを防止することが可能となる。

前記排出残数は、前記薬剤の形状に応じて相違させるのが好ましい。

前記排出残数は、前記回転体の回転速度に応じて相違させるようにしてもよい。

前記構成により、薬剤の搬送状態に適した排出残数で回転体の速度を低下させることができ、より一層適切に、回転体の停止後に誤って薬剤が排出されてしまうことを防止することが可能となる。

前記制御部は、前記回転体の回転速度の低下を多段階で行わせるようにしてもよい。

この構成により、よりきめ細かく回転体の回転速度を制御することができ、排出過剰を防止しつつ、効率的な排出が可能となる。

前記制御部は、前記検出部によって検出される薬剤の排出数が処方データに含まれる薬剤の処方数に到達することにより前記回転体を逆回転させるのが好ましい。

この構成により、特に、回転体の停止後に移動しやすい薬剤であっても、確実に排出されることを防止することができる。

前記回転体の上方に、上下方向に移動可能に設けられた高さ規制部材と、 前記薬剤の基準高さを特定するための薬剤高さ特定部と、 をさらに備え、 前記制御部は、前記薬剤の形状と、高さ補正係数とを紐づける高さ補正テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される高さ補正係数と、前記薬剤高さ特定部によって特定される基準高さとに基づいて、前記高さ規制部材の位置を調整するのが好ましい。

この構成により、高さ規制部材によって回転体で搬送可能な薬剤の高さ寸法を制限しつつ、間隙寸法を補正することで、効率的な薬剤の排出が可能となる。

前記回転体の上面に、前記回転体の径方向に移動可能に設けられた幅規制部材と、 前記薬剤の基準幅を特定するための薬剤幅特定部と、 をさらに備え、 前記制御部は、前記薬剤の形状と、幅補正計数とを紐づける幅補正テーブルに基づいて、前記薬剤形状特定部によって特定された形状から特定される幅補正係数と、前記薬剤幅特定部によって特定される基準幅とに基づいて、前記幅規制部材の位置を調整するのが好ましい。

この構成により、幅規制部材によって回転体で搬送可能な薬剤の幅寸法を制限しつつ、幅寸法を補正することで、効率的な薬剤の排出が可能となる。

本発明によれば、特定された薬剤の形状の違いに応じて回転体の回転速度を設定するようにしたので、その形状に応じた適切な速度で搬送することができ、排出される薬剤を正確かつ効率的に計数することが可能となる。

本発明の薬剤供給装置を用いた薬剤計数装置を示す斜視図である。

図1の要部断面斜視図である。

各回転体および各規制体を示す分解斜視図である。

薬剤供給装置の構成を示す斜視図である。

薬剤供給装置を異なる方向から見た斜視図である。

薬剤供給装置の構成を示す断面図である。

薬剤供給装置の各部材の位置を調整した状態を示す断面図である。

薬剤供給装置の構成を示す平面図である。

幅規制体の位置を調整した状態を示す平面図である。

薬剤計数装置の切換弁ユニットを示す斜視図である。

排出される薬剤を検出するための検出部の概念図である。

排出される薬剤を検出するための検出部の斜視図である。

薬容器への払出状態を示す正面図である。

払い出しが終了した状態を示す正面図である。

回収容器への回収状態を示す正面図である。

監査台を併設した薬剤係数装置の変形例を斜め上方から見た斜視図である。

監査台を併設した薬剤係数装置の変形例を斜め下方から見た斜視図である。

モニタに表示される、第1カメラにより撮像された薬容器の内部に払い出された薬剤の画像である。

モニタに表示される、第2カメラにより撮像された薬容器の側面の処方データの画像である。

モニタに表示される、第3カメラにより撮像された払い出し途中の薬剤の撮像画像である。

薬剤を薬容器に回収した後、保存用に撮像した画像を示す。

薬剤計数装置の構成を示すブロック図である。

図13の制御部で実行する初期動作を示すフローチャート図である。

図13の操作パネルに各種薬剤を上から見た形状(平面形状)を表示した画面を示す。

図15で平面形状を選択することにより表示される確認画面を示す。

図16でOKボタンをクリックすることにより表示される各種薬剤を側方から見た形状(側面形状)の画面を示す。

図13の制御部で実行する薬剤排出処理を示すフローチャート図である。

図13の制御部で実行する自動調整処理を示すフローチャート図である。

図13の制御部で実行する自動調整処理を示すフローチャート図である。

図13の制御部で実行するカウント処理を示すフローチャート図である。

薬剤である錠剤の供給状態を示す平面図である。

図20Aの断面図である。

薬剤であるカプセル剤の供給状態を示す平面図である。

図21Aの断面図である。

リブを設けた第2回転体の変形例を示す断面図である。

図23Aの部分拡大断面図である。

リブを有する第2回転体の他の変形例を示す部分拡大断面図である。

薬剤計数装置に於ける他の実施形態に係る全体の処理の流れを示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける残留薬剤検出処理を示すフローチャートである。

図25の残留薬剤検出処理での割込処理を示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける撮像処理を示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける薬剤排出処理を示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける薬剤排出処理を示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける欠品判定処理を示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける薬瓶外れ処理を示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける第1回収処理を示すフローチャートである。

薬剤計数装置に於ける第2回収処理を示すフローチャートである。

他の実施形態に係る薬剤計数装置のブロック図である。

他の実施形態に係る薬剤計数装置の斜視図である。

図34の薬剤計数装置の検出部に於ける薬剤の検出状態を示す概略説明図である。

図35の薬剤計数装置のサイドカメラによる薬剤の撮影状態を示す概略説明図である。

図25及び図26の残留薬剤検出処理に於ける回転体等の動作を示す概略説明図である。

図27の撮影処理に於ける回転体等の動作を示す概略説明図である。

図28及び図29の薬剤排出処理に於ける回転体等の動作を示す概略説明図である。

図32の第1回収処理に於ける回転体等の動作を示す概略説明図である。

図33の第2回収処理に於ける回転体等の動作を示す概略説明図である。

図36のモニタに表示される画像調整画面を示す図である。

高さ規制体と第2回転体との間を薬剤が通過する際の薬剤の姿勢を示す模式図である。

図7BのA−A線断面図(外側ガイド、内側ガイド及び第2回転体を示す端面図)である。

図45の外側ガイドと内側ガイド近傍の第2回転体を示す平面拡大図である。

以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。

(1.全体構成) 図1は、本実施形態に係る薬剤計数装置を示す。この薬剤計数装置は、薬剤供給装置と、切換弁ユニット76(図8参照)及び制御部83(図13参照)とを備え、薬剤供給装置の機構を自動調整し、形状や大きさが異なる多種の薬剤を1個ずつ供給して計数するものである。

図1及び図2に示すように、薬剤供給装置の外装体10は、上側に位置する外装体本体11と、下側に位置する架台16とを備えている。外装体本体11は、四方及び上下を閉塞した筺体であり、その前カバー12は、架台16より前方に膨出した形状をなす。前カバー12には、図中左側に、患者に渡す薬容器1及び薬剤を保管する回収容器2を取り付けるための容器取付部13が設けられている。また、外装体本体11の後側には上カバー14が回動可能に取り付けられている。上カバー14には、後述する枠体17内を露出させるための投入口15が設けられている。架台16は、外装体本体11を上部に配置する上端開口の筐体である。架台16は、外装体本体11に取り付けた容器1,2が載置面である机等に当接しないように、外装体本体11を所定高さに配置するために、必要に応じて使用するものである。

(1−1.薬剤供給装置) 図3に示すように、薬剤供給装置は、略筒状をなす枠体17と、円板状をなす第1回転体23と、円環状をなす第2回転体35と、供給する薬剤高を規制する高さ規制体41と、第2回転体35の移送幅を規制する幅規制体52と、を備えている。幅規制体52は、樹脂成形品で、そこには一体的に外側ガイド57が形成されている。そして、内側ガイド66と幅規制体52の外側ガイド57とで薬剤案内部65(図1参照)を構成している。

(1−1−1.枠体) 枠体17は、図3、図4及び図5に示すように、第1回転体23の外周部を覆う仕切壁18と、第2回転体35の外周部を覆う外壁20とを有する。これらは、外装体本体11の上面板に対して上下にそれぞれ固定される。仕切壁18は、第2回転体35の内周部36から第1回転体23の外周部にかけて延び、これらの間を区画する略円筒状のものである。この仕切壁18の外周部下側の一部には、第1回転体23の第1駆動モータ28を固定する回動ブラケット30の干渉を防止するための切欠部19が設けられている。外壁20は、第2回転体35上の薬剤の脱落を防止する円筒状のものである。この外壁20には、外周部上側の一部に第1切欠部21が設けられると共に、外周部下側の一部に第2切欠部22が設けられている。第1切欠部21は、第2回転体35を露出させると共に、幅規制体52及び薬剤案内部65を配置するためのものである。第2切欠部22は、第2回転体35のギア部材38を側方から露出させるためのものである。なお、枠体17は、仕切壁18及び外壁20を一体的に設けてもよい。

(1−1−2.第1回転体) 第1回転体23は円板状をなし、仕切壁18の底を塞ぐように、この仕切壁18内に傾斜して配設されている。すなわち、図6A,Bに示すように、第1回転体23の第1回転軸24は、垂直方向に対して所定角度で傾斜するように配置されている。この第1回転体23の上面には、薬剤を移動させるための抵抗(転動抑止)となる複数の突条部25が放射状に設けられている。第1回転体23の外周部には、径方向外側に向けて下向きに傾斜する斜面部26が設けられている。この斜面部26は、上端である内周縁が第2回転体35より上側に位置し、下端である外周縁が内周縁より下側に位置するように、所定の傾斜角度で配設されている。

第1回転体23には、第1回転軸24の下端に歯車27が連結されている。そして、この歯車27が第1駆動モータ28の出軸に連結された歯車29に噛み合わされ、第1回転軸24を中心として回転できるように構成されている。第1回転軸24及び第1駆動モータ28は回動ブラケット30(図5参照)に取り付けられている。この回動ブラケット30の側面には、図示しないガイド用のベアリングが配設され、このベアリングが、外装体本体11に固定した装着ブラケット31(図2参照)のガイド溝に係着されている。また、図4及び図5に示すように、回動ブラケット30の側面には、円弧状をなすギア片32が固定されている。このギア片32には、角度調整手段である角度調整モータ33の歯車34が噛み合わされている。この角度調整モータ33の駆動により、装着ブラケット31に対して回動ブラケット30を回動できる。回動ブラケット30が回動されると、第1駆動モータ28と一緒に第1回転体23が回動され、この第1回転体23の傾斜角度を調整できる。

(1−1−3.第2回転体) 第2回転体35は、第1回転体23の上側に位置するように、仕切壁18の上端に回転可能に配設された円環状のものである。図6A,Bに示すように、第2回転体35は、図示しない第2回転軸が垂直方向に延びるように、水平配置されている。これにより、第2回転体35の第2回転軸は、第1回転体23の第1回転軸24とは異なる方向(平行でなく、同一でない方向)で交差して延びる。これら回転軸の角度は、前述のように角度調整モータ33の駆動により相対的に変更可能である。また、第2回転体35は、第2回転軸の軸方向から見ると、第1回転体23の外側に位置し、内周部36内に第1回転体23が位置する。さらに、第2回転体35の内周部36と第1回転体23の外周部とは、第1回転体23の傾斜により、第2回転体35の内周部36に対して第1回転体23の外周部が低くなり、その間に所定高さの段差が形成される。この段差は、第1回転体23の傾斜により、図中左側である垂直方向下端に位置する部分が最も大きく、図中右側である垂直方向上端に位置する部分が最も小さくなる。そして、この段差が最も小さくなる部分が、第1回転体23が回転することで、第1回転体23と仕切壁18とで区画された収容空間に供給された薬剤が、第1回転体23から第2回転体35へ乗り移る移動部37を構成する。本実施形態の移動部37は、第2回転体35の内周部36を、第1回転体23の外周部に対して薬剤が脱落しない程度の隙間をあけて、かつ、略同一高さに位置するように構成している。但し、この移動部37での第2回転体35の内周部36及び第1回転体23の外周部の高さ設定は、薬剤が第1回転体23から第2回転体35へ乗り移すことが可能であれば、第2回転体35の内周部36を第1回転体23の外周部より上側に位置させてもよく、下側に位置させてもよい。

第2回転体35の下面には、図3及び図5に示すように、円環状をなすギア部材38が固定されている。このギア部材38には、第2駆動手段である第2駆動モータ39の歯車40が、外壁20の第2切欠部22を通して噛み合われている。また、ギア部材38は、外周部が図示しない支持部材によって支持されている。これにより、上側回転部材は、第2回転軸に沿って移動することなく、第2回転軸を中心として回転される。

(1−1−4.高さ規制体) 高さ規制体41は、図3に示すように、高さ規制部材42と、架設部材44と、作動受部材45とを備え、第2回転体35の移動部37に対して回転(薬剤移送)方向下流側であって、図7A,Bに示すように、第2回転体35の上方に配置されている。高さ規制部材42は、第2回転体35の外周部から内周部36にかけて延びると共に、薬剤移送方向に沿って所定角度で傾斜するガイド面43を備えている。架設部材44は、高さ規制部材42に連結され、この高さ規制部材42を幅規制体52を跨いで第2回転体35上に配設するためのものである。作動受部材45は、架設部材44に連結され、この架設部材44を介して高さ規制部材42を上下動させるための動力を受けるものである。この作動受部材45には、動力を受けるためのネジ孔46(図3参照)が垂直方向に貫通するように設けられている。

高さ規制体41のネジ孔46には、ネジ部材47が貫通されている。ネジ部材47は、外装体本体11の上面板に固定されたブラケットにより、回転可能かつ軸方向に沿って移動不可能に支持されている。また、ネジ部材47の下端には歯車48が連結されている。歯車48には、高さ調整手段である高さ調整モータ49の歯車50に噛み合わされている。高さ調整モータ49の駆動によりネジ部材47を回転させ、高さ規制体41と第2回転体35の上面との間隔が、薬剤高と略同一間隔をあけて位置するように高さ調整される。また、高さ規制体41の下流側には、この高さ規制体41の下部を通過した薬剤を検出する薬剤検出センサ51が配設されている。

(1−1−5.幅規制体) 幅規制体52は、高さ規制体41の薬剤移送方向下流側で、第2回転体35上に配置されている。幅規制体52は、第2回転体35の外周部に対して接線方向に延びる矩形部53を備えている。矩形部53は、高さ規制体41の架設部材44が迂回するように配置されているため、この架設部材44に干渉することなく、その長手方向に往復移動可能となっている。また、幅規制体52は、矩形部53の薬剤移送方向下流側に幅規制部54が連続している。幅規制部54は、第2回転体35の内周部36の直径より大きい直径の第1湾曲面部55を備えている。これにより、第2回転体35の内周部36との間隔は、周方向の一部だけが最も狭くなるように構成されている。ここで、第2回転体35の内周部36から第1湾曲面部55までの薬剤が通過可能な幅(第2回転体35の内周部36と第1湾曲面部55との最も狭い幅)のことを移送幅と定義する。また、幅規制体52は、第1湾曲面部55の幅規制部54の薬剤移送方向下流側に、薬剤案内部65を構成する外側ガイド57が連続している。外側ガイド57は、第1湾曲面部55に対して接線方向に延びると共に、矩形部53に対して直交方向に延びるように構成されている。

なお、第1湾曲面部55は、薬剤移送方向の上流側部分と下流側部分とで、曲率半径を異ならせてもよい。具体的な構成としては、上流側部分の曲率半径は、下流側部分の曲率半径よりも小さく、かつ、第1回転体23の外周縁の曲率半径よりも大きくすればよい。また、図7Aに示すように、線分A1(第2回転体35の内周部36から第1湾曲面部55までの距離が最も小さくなる部分Qと第2回転体の回転中心Tとを結ぶ線分)と、線分A2(第1湾曲面部55の薬剤移送方向の下流側の端部Rと前記回転中心Tとを結ぶ線分)とが成す角度は、20°〜70°としてもよい。このような構成により、薬剤をスムーズに排出できる。

幅規制体52の幅規制部54には、矩形部53に対して平行に延びるように連結部材58が連結されている。連結部材58には、図4に示すように、高さ規制体41と同様に作動受部材59が連結されている。作動受部材59のネジ孔60にはネジ部材61が貫通されている。ネジ部材61は、外装体本体11の上面板に固定されたブラケットに回転可能かつ軸方向に沿って移動不可能に支持されている。ネジ部材47の外端には歯車62が連結されている。歯車62には、幅規制体52を水平方向に移動させる幅調整モータ63の歯車64が噛み合わされている。幅調整モータ63によって幅規制体52が第2回転体35に対して外側に移動されると、幅規制部54と第2回転体35の内周部36との間の移送幅、及び、外側ガイド57と後述する内側ガイド66との間の間隔を広げることができる。また、第2回転体35に対して内側に移動されると、第2回転体35の移送幅、及び、各ガイド57,66間の間隔を狭めることができる。

本実施形態では、幅規制部54の第1湾曲面部55の直径(曲率半径)は、第2回転体35の内周部36との間の移送幅Wに対して、外側ガイド57と内側ガイド66との間の幅が約2倍(2W)となるように設定している。また、移送幅Wを、移送する薬剤幅の1/2となるように構成している。なお、平面視楕円形状や平面視長円形状の薬剤において、薬剤幅とは、短手方向を意味する。また、移送幅Wは、薬剤幅の1/2に限られず、薬剤幅の1/2以上薬剤幅以下であることが好ましい。

薬剤案内部65は、幅規制体52の幅規制部54を通過した薬剤を、薬剤排出口である後述する薬剤払出部材73に案内するものである。薬剤案内部65は、図3及び図7A,Bに示すように、幅規制体52の幅規制部54より薬剤移送方向下流側に位置するように、第2回転体35上に配設されている。薬剤案内部65を構成する内側ガイド66は、外側ガイド57に対して第2回転体35の径方向内側に平行に位置すると共に、第2回転体35の内周部36に対して接線方向に延びるように配設されている。内側ガイド66は薬剤払出部材73にかけて延び、その端部に外装体本体11の上板部に固定するブラケット部67が設けられている。薬剤案内部65を構成するガイド57,66の間隔は、幅調整モータ63の駆動により薬剤幅と略同一間隔に調整される。また、内側ガイド66には、第1回転体23と第2回転体35の段差上に位置する部分に、所定角度で上向きに傾斜する傾斜縁68が設けられている。また、傾斜縁68の内面側は、下向きに傾斜する傾斜面69(傾斜縁68の第2回転体35の回転軸側が下方に位置する傾斜面69)とされている。

薬剤計数装置は、薬剤案内部65の出口に配設した薬剤払出部材73の下部に、図8に示すように、薬剤を検出する薬剤検出ユニット70と、この薬剤検出ユニット70への薬剤の排出を許否するシャッター74と、薬剤検出ユニット70を通過した薬剤を配分する切換弁ユニット76とが配設されている。なお、薬剤払出部材73は、第2回転体35の径方向外側に設けられる薬剤排出口を構成し、薬剤案内部65から排出された薬剤を薬剤検出ユニット70に案内するものである。

第2薬剤検出手段である薬剤検出ユニット70は、図9(B)に示すように、正四角筒状をなす一対の筐体70A,70Bを有する。上側筐体70Aには、隣接面に一対の発光部71A,71Bが配設され、その対向面に一対の受光部72A,72Bが配設されている。また、下側筐体70Bには、隣接面に一対の発光部71C,71Dが配設され、その対向面に一対の受光部72C,72Dが配設されている。それぞれ対向面する発光部71Aと受光部72A、発光部71Bと受光部72B、発光部71Cと受光部72C、発光部71Dと受光部72Dは、一対で1組の光センサ(ラインセンサ)を構成する。このように2つの筐体70A,70Bに配設した各2組(合計で4組)の光センサは、軸方向に所定間隔をもって位置する。また、各筐体70A,70Bは、互いに45度の位相角度で配置することにより、検出方向を異ならせることができる。そして、このように構成した薬剤検出ユニット70は、4組の光センサを全てを配設可能な正八角形状の筐体(図9(A)参照)を用いた場合と比較すると、平面視形状(占有面積)の小型化を図ることができる。

シャッター74は、薬剤払出部材73の出口側内部に配設されている。シャッター74は、駆動モータ75によって、水平方向に延びた排出停止位置から下向きに傾斜した排出許容位置にかけて回動可能である。排出停止位置では、薬剤払出部材73の出口を閉塞して、薬剤検出ユニット70内への薬剤の排出を防止する。また、排出許容位置では、薬剤払出部材73の出口を開放して、薬剤検出ユニット70内への薬剤の排出を許容する。

(1−2.切換弁ユニット) 切換弁ユニット76は、図10Aに示すように、外装体本体11の容器取付部13に位置するように薬剤検出ユニット70の下方に配設されている。切換弁ユニット76のケーシングには、第1通路部である払出部78と第2通路部である回収部79とに分岐した逆Y字形状の薬剤通路77が形成されている。薬剤通路77内には、払出部78又は回収部79へ排出先を切り換える切換弁が設けられている。本実施形態の切換弁は、薬剤通路77の入口から払出部78及び回収部79へ向けて延びるように配設した一対の揺動部材80A,80Bを有する。図中左側の第1揺動部材80Aは払出部78を開閉するもので、図中右側の第2揺動部材80Bは回収部79を開閉するものである。これら揺動部材80A,80Bには、互いの対向面に弾性的に変形可能な弾性部81が配設されている。また、各揺動部材80A,80Bは、それぞれの駆動手段である駆動モータ82A,82Bによって個別に揺動される。本実施形態では、図10Aに示す薬剤払出位置(第1作動位置)、図10Bに示す一時停止位置(第2作動位置)、図10Cに示す薬剤回収位置(第3作動位置)の3箇所に移動可能としている。そのうち、一時停止位置では、各揺動部材80A,80Bは、互いの弾性部81,81が当接して弾性的に変形する角度に回動される。なお、揺動部材80A,80Bを弾性的に変形可能な材料で形成してもよい。

また、薬剤計数装置には、図11A,Bに示すように、監査台が併設されている。監査台には、モニタ88と、薬剤が払い出された薬容器1の開口部の上方から内部の薬剤を撮像する第1カメラ89aと,薬容器1の側方のラベルを撮像する第2カメラ89bと、が設けられている。モニタ88は、第1カメラ89a、第2カメラ89b、及び、薬剤係数装置の薬剤投入口の近傍に設けられて第1回転体23から第2回転体35への移動部37又は高さ規制体41の周囲を撮像する第3カメラ89cからの撮像画像を表示する。なお、第1カメラ89aを移動可能として、第1カメラ89aが第3カメラ89cの機能を兼ねるようにすれば、第3カメラ89cを不要とすることができる。

(1−3.制御部) 薬剤供給装置を含む薬剤計数装置は、図13に示すように、制御部83の指令によって動作する。制御部83は、操作パネル84(ここでは、タッチパネルを使用)からの入力、薬剤検出センサ51や薬剤検出ユニット70での検出信号に基づいて、メモリ87に記憶させたプログラムやデータを呼び出して実行し、切換弁ユニット82A,82Bや各種モータ28,33,39,49,63,75を駆動制御し、処方データに従って必要な数の薬剤を計数して供給する。なお、操作パネル84はモニタ88をタッチパネルで構成することにより兼用することが可能であり、本実施形態では兼用するようにしている。

メモリ87は、データとして、例えば、医師により発行された処方データのほか、薬剤データ(薬剤名、薬剤ID、効能等)、患者データ(患者名、患者ID等)、各種データテーブルを記憶している。各種データテーブルには、補正テーブル、SP(Speed:スピード)テーブル、SD(Slow Down:スローダウン)テーブル、薬剤体積係数テーブル、異物体積係数テーブルが含まれる。なお、前述の各種データは、メモリ87でなく、薬剤供給装置と通信可能に接続されたいずれかの装置の記憶手段(ハードディスク、メモリ、その他の記憶媒体)に記憶するようにしてもよい。

補正テーブルは、後述する自動調整処理で、仮の高さ規制位置及び仮の幅規制位置に対する補正比率を決めたテーブルである。仮の高さ規制位置に位置する高さ規制体41と第2回転体35の間の隙間と、仮の幅規制位置に位置する幅規制体52と一体的に形成された外側ガイド57と内側ガイド66との間の隙間を、薬剤寸法に対して一定割合で増大させ、隙間に余裕を持たせて、薬剤の通過を支障のない範囲で容易とするために利用する。なお、前記補正テーブルで規定した補正比率は、さらに薬剤の形状の違いに応じて変更するようにしてもよい。これは、幅、高さが同じ薬剤であっても、形状によって、最適な隙間が異なるためである。高さ規制体41と第2回転体35の間の隙間、又は、外側ガイド57と内側ガイド66との間の隙間の余裕が大きい場合、図44(a)に示すように、回転楕円体の薬剤は、薬剤の姿勢が不安定であるため、隙間を通過している際に傾きやすい。例えば、図44(a)に示すように、複数の薬剤が隙間を通過している際に、薬剤移送方向下流側の薬剤Z1が傾くと、この薬剤Z1の下側へ薬剤移送方向上流側の薬剤Z2が入りこみ、薬剤Z1がさらに傾いて、薬剤Z1が第2回転体35と高さ規制体41に接触し、動きが遅くなることがある。一方、図44(b)に示すように、直方体の薬剤Z3、Z4は、姿勢が安定しているので、隙間の余裕が大きくても、薬剤の傾きが生じず、薬剤の動きは遅くなりにくい。このため、例えば、回転楕円体等の姿勢が不安定な形状の薬剤は、隙間の余裕が小さくなるような補正比率を補正テーブルに設定するのが好ましい。

SPテーブルは、薬剤の形状の違いに応じてそれぞれ設けられるもので、表1に示すように、各テーブルでは、薬剤検出ユニット70で順次検出される薬剤の間隔がいずれの範囲に含まれているのかに応じて第2回転体35の回転速度がそれぞれ設定(紐づけ)されている。ある形状の薬剤に対する第2回転体35の回転速度の設定は、例えば、予め実験等で薬剤の間隔が所望の値でほぼ同じとなるように決定すればよい。なお、薬剤の形状が異なれば、検出される薬剤の間隔が同じでも第2回転体35の回転速度は相違してもよい。

Ka(a=1,2,…):薬剤の間隔 Sb(b=1,2,…):第2回転体35の回転速度(例えば、S1とS2では異なる回転速度) なお、前記SPテーブルは、薬剤の形状の違いに応じてそれぞれ第2回転体35の回転速度を設定するようにしたが、薬剤検出ユニット70で検出される薬剤の間隔の違いに基づいて、その間隔が所望の値(範囲)となるように、第2回転体35の回転速度を設定するようにしてもよい。具体的には、薬剤の間隔が大きくなればなる程、第2回転体35の回転速度を大きくし、その回転速度で第2回転体35を回転させれば、薬剤の間隔(検出部70で、ある薬剤を検出してから次の薬剤を検出するまでに要する時間)が所望の値(範囲)となるように設定すればよい。各値(範囲)は、予め実験等で決定しておけばよい。これによれば、直接薬剤の間隔を所望の値(範囲)とすることができる点で好ましい。

SDテーブルは、薬剤の形状の違いに応じてそれぞれ設け(紐づけ)られるもので、各SDテーブルでは、薬剤検出ユニット70で順次検出される薬剤の間隔がいずれの範囲に含まれているのかに応じて第2回転体35の回転速度を遅くし始める排出残数が設定されている。表2は、第2回転体35の回転速度を2段階で遅くするためのSDテーブルを示す。また、SDテーブルには、所定の排出残数で第2回転体35の回転速度を遅くしているにも拘わらず、実際に排出された薬剤数(例えば、薬容器1の重量を測定した結果から演算したり、あるいは、薬剤検出ユニット70での検出結果から直接得るようにしたりすればよい。)が処方データに含まれる処方数を超えていた場合、次回から使用する排出残数も含まれている。すなわち、1回目は表2のN(1)を使用し、1回目の排出で処方数と実際の排出数が合致していなければ、N(2)を使用し、2回目の排出で処方数と実際の排出数が合致していなければ、N(3)を使用する(以下、同じ)。

Dx1(x1=1,2,…):薬剤の間隔(x1の値が大きい程、間隔が広い)を示す。各行がそれぞれの間隔よりも大きな値の範囲を意味する。具体的には、D1では、D1以下の範囲、D2ではD1からD2の範囲となる。 N(x2)x3-1,x3-2(x2,x3=1,2,…):薬剤残数(x2,x3の値が大きい程、薬剤残数が徐々に大きくなるように設定されている。また、x3とハイフンで連なる数字1,2は第2回転体35の回転速度を2段階で遅くすることを意味し、x3-1に比べてx3-2が遅い値に設定されている。) なお、前記SDテーブルは、薬剤の形状の違いに応じてそれぞれ設定するようにしたが、第2回転体35の回転速度の違いに応じて設定ようにしてもよい。

薬剤体積係数テーブルは、表3に示すように、薬剤の形状の違いに応じてそれぞれ設け(紐づけ)られるもので、薬剤検出ユニット70を通過する薬剤を検出する際、その実測値(薬剤検出ユニット70によって検出される薬剤の体積)と、実際の薬剤の体積との間に開きがあるため、これを修正するための薬剤体積係数が設定されている(表3中、左表と右表とは形状の異なる薬剤の薬剤体積係数の一覧をそれぞれ示している。)。すなわち、後述する薬剤の基準体積に、第2回転体35の回転速度の違いに応じて設定された薬剤体積係数を乗算することにより得られた体積(演算値)が、1錠と判断することのできる最大値である。例えば、薬剤検出ユニット70を通過する薬剤の間隔が小さければ小さい程、1錠であるのか2錠であるのかの判断は難しいため、薬剤体積係数には小さい値が採用されている。そして、実測値が基準体積に薬剤体積係数を乗算した演算値を超えれば、2錠と判断されることになる。

なお、基準体積には、薬剤の体積として記憶部(メモリ87)に記憶されていない初めて取り扱う薬剤であれば、薬剤検出ユニット70で測定した値が使用される一方、記憶部(メモリ87)に記憶されている場合にはその値が使用される。薬剤の体積に薬剤検出ユニット70で測定した薬剤の体積を使用する場合、この薬剤検出ユニット70と、その検出信号に基づいて薬剤の体積を算出する制御部83とが本発明に係る薬剤体積特定部を構成する。また、薬剤の体積には、薬剤検出ユニット70によって測定した値だけではなく、予め公知の他の検出手段によって測定しておいた薬剤の体積を使用するようにしてもよい。また、製薬メーカーから提供される薬剤の体積をそのまま使用することも可能である。この場合、薬剤の体積を記憶する記憶部(メモリ87)や、この記憶部から該当するデータを呼び出す制御部83によって、本発明に係る薬剤体積特定部が構成されることになる。

また、薬剤体積係数テーブルには、薬剤体積係数を、薬剤の形状の違いに応じて紐づけするようにしたが、第2回転体35の回転速度の違いに応じて紐づけするようにしてもよい。

Sy1-y2(y1,y2=1,2,…):第2回転体の回転速度(y1は薬剤の形状の違いに依存する。y2の値が大きくなる程、回転速度が大きくなる。) DCy3-y4(y3,y4=1,2,…):薬剤体積係数(y3は薬剤の形状の違いに依存する。) 異物体積係数テーブルは、表4に示すように、薬剤の形状の違いに応じてそれぞれ設け(紐づけ)られるもので、薬剤検出ユニット70を通過する薬剤を検出する際、外乱や欠けた薬剤を1錠であると判断されることを防止するために、実際の薬剤の体積に乗算される異物体積係数が設定されている。例えば、異物体積係数は、卵型で最大とされ、変形錠、カプセル剤、楕円形錠、等の順で小さく設定されている。但し、楕円形錠では、第2回転体35の回転速度が大きい場合と、それ以外の場合とで異物体積係数を相違させている。

Sz1-z2(z1,z2=1,2,…):第2回転体の回転速度(z1は薬剤の形状の違いに依存する。z2の値が大きくなる程、回転速度が大きくなる。) ECz3-z4(z3,z4=1,2,…):薬剤体積係数(z3は薬剤の形状の違いに依存する。) なお、前記異物体積係数テーブルでは、異物体積係数を、薬剤の形状の違いに応じて紐づけするようにしたが、前記薬剤体積係数テーブルと同様に、第2回転体35の回転速度の違いに応じて紐づけするようにしてもよい。

(2.動作) 次に、前記構成からなる薬剤計数装置の動作について説明する。

(2−1.初期動作) 初期動作は、図14のフローチャートに示すように、薬剤を投入する前に、オペレータによって薬瓶に印刷された薬種ID(バーコード)がバーコードリーダ86で読み取られれば(ステップS1)、この薬種IDが処方データに示された薬剤と一致しているか否かを判断する(ステップS2)。一致していれば、正しい薬剤であると認定し、薬剤の投入を許可する(ステップS3)。これにより、誤った薬剤の払出を防止できる。次に、オペレータによって薬剤を受け入れる薬容器1のラベルに印刷された処方ID(バーコード)が読み取られれば(ステップS4)、この処方IDが処方データに示された処方IDと一致しているか否かを判断する(ステップS5)。一致していれば、薬剤の払出を許可する(ステップS6)。これにより、薬容器1の取り間違いを防止することができる。

続いて、オペレータによる操作パネル84の操作に基づいて、次のようにして処方する薬剤の形状を特定する。すなわち、まず、操作パネル84に各種薬剤を上から見た形状(平面形状)を表示させる(ステップS7)。図15では、長丸、楕円、丸、及び、その他の4つに分類したものが表示されている。いずれかの分類が選択されると(ステップS8)、図16に示す確認画面を表示させ、OKボタンがクリックされると、続いて、ステップS8で選択された平面形状の薬剤を側方からみた形状(側面形状)を表示させる(ステップS9)。図17では、丸、矩形等の5つが表示されている。そして、いずれかの側面形状が選択されると(ステップS10)、この側面形状と前記ステップS8で選択した平面形状とで薬剤の形状が特定される。なお、3次元画像等を表示させて1回で薬剤の形状を特定することも可能ではあるが、前述のように2段階で選択することにより、薬剤の形状がいずれに該当するのかの判断が容易となる。また、3次元画像のように、薬剤を見る方向によっては形状が相違するといったことがなく、平面及び側面と決められた方向からの形状であるので、形状の選択を確実なものとすることができる。また、後述する自動調整処理での補正処理等を的確に行わせることが可能となる。

薬剤の形状が特定され、第1回転体23と仕切壁18で区画された薬剤投入用の空間に薬剤が投入され、処方する薬剤数が入力されれば、薬剤排出処理を開始する。

この場合、予め薬剤を投入した時点で、各回転体23,35を薬剤検出センサ51によって最初の薬剤が検出されるまで回転させておく。これにより、薬剤の投入直後から薬剤を払い出すまでの時間を短縮することができる。また、払出部78の手前近傍に別途薬剤検出センサを設け、薬剤を、予め搬送方向に対して薬剤案内部65の内側ガイド66と外側ガイド57の間に至る手前の位置まで搬送しておくことも可能である。

(2−2.薬剤排出処理) 薬剤排出処理では、図18に示すように、第1回転体23の角度調整処理を行い(ステップS11)、制御部83が薬剤に応じて各規制体41,52の自動調整(オートキャリブレーション)処理を実行すると共に(ステップS12)、実際に薬剤をカウントするカウント処理を実行する(ステップS13)。なお、薬剤排出処理は、自動調整処理中であっても実行することにより、自動調整処理中に薬剤検出ユニット70を通過する薬剤を計数し損ねることのないようにしている。

(2−2−1.第1回転体の角度調整処理) 第1回転体23の角度調整処理は、投入する薬剤量及び薬剤の大きさや形状に応じて行う。すなわち、薬剤の量や形状の違いに応じて、薬剤が第1回転体23から第2回転体35へとスムーズに移動できるように調整する。具体的には、投入する薬剤量が多い場合、仕切壁18と第1回転体23と第2回転体35の間に形成される収容空間が広くなるように、第1回転体23の傾斜角度を急勾配(垂直に近く)とする。また、第1回転体23を回転させても上面で転動(自転)して第2回転体35へ移動しない球状の薬剤等の場合、第1回転体23の傾斜角度を緩勾配(水平に近く)とする。

なお、角度調整処理は、第2回転体35の移動部37上等に薬剤検出手段を配設し、自動調整可能な構成としてもよい。この場合、角度調整処理は、自動調整処理の第1段階で実行すればよい。また、第2回転体35上に薬剤が存在しないと判断すれば、傾斜角度を小さくするような調整をしてもよい。

(2−2−2.自動調整処理) 自動調整処理では、新薬等の初めて計数する薬剤の場合、メモリ87にはその薬剤に関する体積データが記憶されていない。そこで、次のようにして薬剤の体積を測定する。また、薬剤検出ユニット70を通過する薬剤の間隔を測定し、第2回転体35の回転速度や、制御方法を決定し、その薬剤に関するデータ(ここでは、薬剤ID)に関連付けてメモリ87に記憶させる。

図19Aに示すように、まず、高さ規制体41及び幅規制体52を原点位置に移動させる(ステップS21)。すなわち、高さ規制体41を最も低い位置に降下させる。また、幅規制体52を内向きに移動させ、第2回転体35の上面の薬剤を搬送する部分の幅寸法をほぼ0とする。これにより、各回転体23,35を回動させても薬剤が排出されることはない。

この状態で、図10Aに示すように、切換弁ユニット76の揺動部材80A,80Bをそれぞれ払出部78側へと回動させ、払出部78を開放すると共に回収部79を閉塞し、各回転体23,35を回転させる初期動作を実行する(ステップS22)。第1回転体23の回転速度は速度の異なる2段階、第2回転体35の回転速度は速度の異なる7段階にそれぞれ設定可能となっている。ここでは、第2回転体35の回転速度は、速度3の一定速度(基準速度)で回転させている。

そして、高さ規制体41を徐々に上方向へ移動させる(ステップS23)。薬剤検出センサ51によって高さ規制体41を通過した薬剤が検出されれば(ステップS24)、高さ規制体41の移動を停止し(ステップS25)、この位置を仮の高さ規制位置(規制高さ)とする。そして、この仮の高さ規制位置をメモリ87に記憶させる(ステップS26)。また同時に、第3カメラ89cで、高さ規制体41の付近の薬剤を撮像する(ステップS27)。

続いて、幅規制体52を徐々に広がるように外方向へ移動させる(ステップS28)。幅規制体52の下流側に設けたセンサ又は薬剤検出ユニット70によって薬剤が検出されれば(ステップS29)、幅規制体52の移動を停止し(ステップS30)、この位置を仮の幅規制位置(仮の移送幅)とする。そして、この仮の幅規制位置をメモリ87に記憶させる(ステップS31)。この場合、高さ規制体41の仮の高さ規制位置と、幅規制体52の仮の幅規制位置とを、前記バーコードリーダで読み取った薬剤IDと関連付けて記憶させる。

次に、前記初期動作で特定された薬剤の形状に基づいて、補正テーブルに従って仮の高さ規制位置及び仮の幅規制位置に対する補正値を決定する(ステップS32)。そして、決定した補正値に基づいて仮の高さ規制位置及び仮の幅規制位置を調整することにより、高さ規制位置及び幅規制位置を決定する(ステップS33)。これにより、薬剤が通過する間隔に若干の余裕を持たせることで、薬剤のスムーズな排出が可能となる。

このようにして、高さ規制体41及び幅規制体52の位置が決定されれば、図19Bに示すように、第2回転体35の回転速度を前述の通り一定速度に維持したままで、薬剤検出ユニット70にて順次払い出される薬剤の体積を測定する(ステップS34)。

すなわち、薬剤検出ユニット70では、排出によって自重(定速)で落下する薬剤が、各ラインセンサ(71A,72A)〜(71D,72D)により異なる4方向から検出される。そして、受光部72A〜72Dからの入力値により、通過した薬剤の幅及び高さ等の形状を含む体積を判断する。具体的には、各受光部72A〜72Dの各受光素子からの入力により、異なる4方向からの薬剤の幅を判断する。そして、上側筐体70Aの受光部72A,72Bと下側筐体70Bの受光部72C,72Dとは垂直方向の高さが異なるため、落下による検出時間差を考慮して各受光部72A〜72Dで判断した幅に基づいて、落下している薬剤の水平断面形状を正確に判断できる。また、この判断を所定時間毎に繰り返し実行することにより、時間毎の水平断面形状を判断できる。そして、時間毎の全ての水平断面形状に基づいて、落下中の薬剤の形状を含む体積(3次元形状)を算出する。

この場合、第2回転体35をゆっくりとした速度3の一定速度(基準速度)で回転させているので、誤って薬剤が重なって排出される等の不具合も発生しにくい。このため、後述するような誤検出防止のための処理は行わない。そして、全ての薬剤が払い出されれば、測定された薬剤の体積(実測値)の平均値を算出し、これを薬剤の基準体積として薬剤IDに関連付けてメモリ87に記憶させる。但し、基準体積としてメモリ87に記憶させるのは、薬剤の払出数が一定値(例えば、30錠)を超える場合とするのが好ましい。払出数が少ないと検出誤差の影響が出やすいためである。また、薬剤の払出数が一定値(例えば、30錠)を超える場合、実測値の平均値を算出することで、検出誤差を抑制して正確な判断が行えるようになる。なお、算出された体積のうち、最も大きい値に薬剤体積係数を乗算して閾値を算出するようにしてもよい。

また、薬剤検出ユニット70を順次通過する薬剤の間隔を求める(ステップS35)。

すなわち、薬剤検出ユニット70で落下する薬剤が検出されなくなってから、次の薬剤の検出が開始されるまでの時間を算出する。

このようにして薬剤の体積と間隔が算出されれば、前記初期動作で決定した薬剤の形状の違いに応じたSPテーブルを選択する(ステップS36)。そして、選択したSPテーブルにより、算出された薬剤の間隔に基づいて、第2回転体35の回転速度を決定する(ステップS37)。薬剤検出ユニット70を通過する薬剤の間隔が、予め設定した基準範囲(実験等により求めることができる。)よりも大きければ、薬剤の計数時間の短縮化を図れるように回転速度を大きな値に決定する。一方、小さければ、薬剤が誤って計数されるのを防止できるように回転速度を小さな値に決定する。このようにして決定された回転速度は、薬剤IDに関連付けてメモリ87に記憶させる。

また、前記初期動作で決定した薬剤の形状の違いに応じて薬剤体積係数テーブルを選択する(ステップS38)。この場合、薬剤体積係数テーブルが第2回転体35の回転速度の違いに応じて薬剤体積係数を設定するようにしたものであれば、変更した第2回転体35の回転速度の違いに応じて薬剤体積係数テーブルを選択すればよい。

そして、選択した薬剤体積係数テーブルにより、第2回転体35の回転速度に基づいて、1錠と判断する薬剤体積係数を決定する(ステップS39)。このようにして薬剤体積係数が決定されれば、薬剤の基準体積に乗算して1錠と判断する体積(薬剤演算値)を求め(ステップS40)、これを薬剤IDと関連付けてメモリ87に記憶させる。

さらに、前記初期動作で決定した薬剤の形状の違いに応じて異物体積係数テーブルを選択する(ステップS41)。この場合、異物体積係数テーブルが第2回転体35の回転速度の違いに応じて異物体積係数を設定するようにしたものであれば、変更した第2回転体35の回転速度に基づいて異物体積係数テーブルを選択するようにすればよい。

そして、選択した異物体積係数テーブルにより、算出された薬剤の間隔に基づいて、ゴミ等の異物であると判断する異物体積係数を決定する(ステップS42)。このようにして異物体積係数が決定されれば、薬剤の基準体積に乗算して異物と判断する体積(異物演算値)を求め、これを薬剤IDと関連付けてメモリ87に記憶させる(ステップS43)。

さらに、前記初期動作で決定した薬剤の形状の違いに応じてSDテーブルを選択する(ステップS44)。この場合、SDテーブルを第2回転体35の回転速度の違いに応じて選択するようにしたものであれば、変更した第2回転体35の回転速度に基づいてSDテーブルを選択するようにすればよい。

そして、選択したSDテーブルにより、検出された薬剤の間隔に基づいて、第2回転体35の回転速度を遅くし始める薬剤数(排出残数)を2段階(第1残数及び第2残数)で決定し、薬剤IDに関連付けてメモリ87に記憶させる(ステップS45)。すなわち、薬剤案内部65からの薬剤の排出速度を、排出残数が決定した第1残数となることにより第1速度にする。その後、さらに第2残数となることにより、第1速度よりもさらに遅い第2速度にする。

一方、既に計数したことのある薬剤の場合、前述のように、メモリ87にはその薬剤に関する体積データが記憶されている。そこで、薬瓶に印刷された薬種のID(バーコード)をバーコードリーダ88で読み取り、メモリ87から、このIDに対応する薬剤と関連付けされた高さ規制体41の規制高さと幅規制体52の移送幅とを呼び出す。そして、高さ規制体41及び幅規制体52の位置をこの値に調整する。

なお、規制高さと移送幅の記憶情報は、モニタ89に表示してオペレータが確認できるようにし、必要に応じて微調整して、微調整後の規制高さと移送幅を上書きできるようにしてもよい。

(2−2−3.カウント処理) 新薬等の初めて計数する薬剤の場合、及び、既に計数したことのある薬剤の場合、図20のフローチャートに示すように、まず、薬剤検出ユニット70での検出信号に基づいて、薬剤の体積(実測値)を算出する(ステップS51)。そして、この実測値と、メモリ87に記憶させてある薬剤演算値とを比較する(ステップS52)。その結果、実測値が薬剤演算値以上であれば(ステップS52:NO)、誤って2錠が排出されたと判断し、2を計数する(ステップS53)。

また、実測値が薬剤演算値よりも小さければ(ステップS52:YES)、実測値とメモリ87に記憶させてある異物演算値とを比較する(ステップS54)。その結果、実測値が異物演算値以下であれば(ステップS54:NO)、検出されたものが異物であると判断し、計数しない。これにより、外乱や異物(薬剤が欠けた場合等も含まれる。)による誤検出を防止可能となる。実測値が異物演算値よりも大きければ(ステップS54:YES)、薬剤検出ユニット70を1錠の薬剤が通過したと判断し、薬剤の排出数に1を計数する(ステップS55)。

そして、薬剤残数がメモリ87に記憶させてある第1残数となれば(ステップS56)、薬剤案内部65からの排出速度、すなわち第2回転体35の回転速度を第1速度まで低下させる(ステップS57)。その後、さらに第2残数となれば(ステップS58)、第1速度よりもさらに遅い第2速度まで低下させる(ステップS59)。これは、薬剤の形状の違いに基づく、第2回転体35を停止させた場合の薬剤の転がり等の移動量の違いを考慮したものである。例えば、薬剤が丸型であれば、第2回転体35の回転停止直後の移動量が大きく、排出予定にない薬剤が誤って排出される恐れがあるが、早い目に回転速度を遅くし始めることにより、そのような誤排出を防止することができる。また、薬剤が直方体形状であれば、第2回転体35の回転停止直後の移動量が小さいので、回転速度を遅くし始める時期を遅らせることで、薬剤の効率的な排出が可能となる。また、2段階で排出速度を低下させることで、最終錠の直前まで比較的早い速度で薬剤を搬送することができ、より排出効率を高めることができる。

この場合、前記同様にして、回転速度の低下に伴って薬剤体積係数テーブルに従って1錠と判断する体積を変更すれば、常に高精度な検出が可能となる。

また、排出速度は2段階で低下させるようにしたが、1段階だけであってもよいし、3段階以上とすることも可能である。

なお、実際の薬剤の排出数が、処方数よりも多ければ、SDテーブルで、第2回転体35の回転速度を遅くし始める薬剤数(薬剤残数)を変更する。すなわち、当初N(0)1−1,1−2で行っていたものを、次回からはN(1)1−1,1−2で行うようにする。以下同様に、実際の排出数が処方数に合致するように、順次、薬剤残数を変更すればよい。これにより、カウント処理を実行すればする程、次回から(処方数よりも多く)誤排出されることを確実に防止することができるようにすることが可能となる。

また、薬剤計数装置の違いを考慮するようにしてもよい。すなわち、薬剤計数装置は、同一機種であっても、各部品の加工誤差や組立誤差等から第2回転体35の回転速度等、若干のばらつきが発生することは避けられない。この場合、予め、実験等により各薬剤計数装置で、前述の各データテーブルの値を決めておき、その値を使用するようにすればよい。また、ある薬剤計数装置に対して決定した各データテーブルの値を基準データとし、他の薬剤計数装置では、この基準データに対するズレ量を算出する方法としても構わない。

また、処方する薬剤の残数が所定値となった時点で、高さ規制体41により規制していた高さ寸法と、幅規制体52により規制していた移送幅とを若干広げるようにすればよい。高さ寸法と移送幅の変更は、第2回転体35の回転速度の低下に合わせて行うようにするのが好ましい。これにより、第2回転体35の回転が遅くなって薬剤の排出効率が低下することを防止可能となる。但し、高さ寸法と移送幅を広げる割合は、薬剤の形状の違いによる2錠同時払出のし易さに応じて、2錠同時払出し易ければし易い程、小さく設定するのが好適である。

また、丸型等の転がりやすい薬剤であれば(転がりやすい薬剤であるか否かの判断は、選択した薬剤の形状から行えばよい。)、処方する薬剤数(処方数)がカウントされた時点で、第2回転体35を所定時間だけ逆回転させるようにすればよい。これにより、薬剤の誤排出を確実に防止することができる。逆回転は、処方数に達する前(例えば、処方数よりn錠少ない数の薬剤を払出した時点)から行ってもよい。

また、薬剤の排出途中で、薬剤の挟み込み等で、薬剤検出センサ51と薬剤検出ユニット70からの検出信号の入力がなくなった場合、検出信号の入力が回復するまで第2回転体35の回転速度を増大させるようにしてもよいし、一旦、第2回転体35を逆回転させた後、再度正回転させるようにしてもよい。

その後、薬剤が処方数だけ排出されたことが計数されれば(ステップS60)、次のようにして排出終了処理を実行する(ステップS61)。

すなわち、図10Bに示すように、払出部78側に位置する揺動部材80Aを回収部79側へ回動させ、払出部78及び回収部79の両方を閉塞する。一時停止位置では、互いの弾性部81,81が当接により弾性的に変形された圧接状態となる。この状態では、一対の揺動部材80A,80Bの上流側には、払い出された薬剤を一時的に保持できる。次いで、図10Cに示すように、回収部79側に位置する揺動部材80Bを揺動部側へ回動させ、回収部79側を開放する。これにより、一対の揺動部材80A,80Bの上流側に一時的に溜められた薬剤は、払出部78側の弾性部81が弾性的に復元することにより、回収部79側へ弾き出される。よって、払出部78側へ過剰な薬剤が払い出されることを確実に防止できる。最後に、回転体23,35の回転速度を速くして、枠体17内の全薬剤を回収容器2へ排出する。

また、薬剤の払い出しが終了すれば、薬容器1を監査台に載置する。このとき、図12A,Bに示すように、薬容器1の開口部を第1カメラ89aに向け、側面のラベルを第2カメラ89bに向けて位置決めし、各カメラ89a及び89bで撮像する。そして、薬容器1内に払い出された薬剤(図12A参照)と、薬容器1の側面に貼着されたラベル(ラベルに印刷された処方ID:図12B参照)と、第3カメラで撮像した払い出し途中の薬剤の撮像画像(図12C参照)と、をモニタ88に同時に表示させ、処方データに応じた薬剤が払い出されているか否かの監査を行えるようにする。

このとき、図12Dに示すように、薬剤を収容した患者用の薬容器1の全体を、ラベルが見える状態で、処方箋と共に撮像し、これを改ざんできないように電子透かし等を付加して保存するようにするのが好ましい。これにより、後に、適切に処方されているか否か等を確認することができる。この場合、実際にモニタ88に表示される計数結果も合わせて合成画像としておくと、より一層信頼性の高いデータとすることが可能となる。

(2−2−4.円板状の錠剤Xの薬剤移送動作) 次に、薬剤供給装置によって薬剤の1つである円板状の錠剤Xの薬剤移送動作について具体的に説明する。なお、円板状錠剤Xの移送動作は、球状の薬剤であっても同様である。

図21A,Bに示すように、第1回転体23が回転されると、錠剤Xはその上面に載って回転すると共に、遠心力によって径方向外向きに移動する。そして、第1回転体23上の錠剤Xは、第2回転体35と略同一高さに位置する移動部37で第2回転体35上に乗り移る。

第2回転体35に乗り移った錠剤Xは、薬剤案内部65側へ移動され、高さ規制体41によって下流側への移動が規制される。例えば、上下に積み重なった状態で移動している錠剤Xは、上側に位置する錠剤Xが高さ規制体41のガイド面43に当接することにより、第2回転体35上に落とされたり、内周部36から第1回転体23上に落下されたりする。

高さ規制体41を通過した錠剤Xは、移送幅を規制した幅規制体52の第1湾曲面部55に当接することにより、第2回転体35の内周部36側へ移動される。そして、第2回転体35による移送幅は、幅規制体52の第1湾曲面部55によって薬剤幅の1/2となっているため、幅規制体52の下流側へは、幅規制体52に接する錠剤Xだけしか通過できない。すなわち、錠剤Xが径方向に並んで2列で移送されている場合、内側の錠剤Xは、幅規制体52に接する外側の錠剤Xに押圧され、第2回転体35の内周部36から第1回転体23上へ落下される。また、錠剤Xが径方向に並んでいなくでも、重心が第2回転体35の内周部36より内側に位置する錠剤Xも、内周部36から第1回転体23上へ落下する。そのため、幅規制体52に接していない他の錠剤Xは下流側へ移送されない。

幅規制体52の第1湾曲面部55を通過した錠剤Xは、移送幅が広くなった第2湾曲面部56の領域を安定状態で移送される。そして、薬剤案内部65の内側ガイド66と外側ガイド57の間に移送され、1個ずつ整列した状態で出口側へ移動されて、薬剤検出ユニット70へ排出される。この際、第2回転体35の内周部36から内側へ突出した状態をなす錠剤X1は、内側ガイド66の端部に当接することにより、外側ガイド57との間に導かれたり、内周部36から第1回転体23上に落下されたりする。そして、薬剤案内部65を通過した錠剤Xだけが、薬剤排出口である薬剤払出部材73を通って薬剤検出ユニット70に供給される。

(2−2−5.カプセル剤Yの薬剤移送動作) 次に、円板状錠剤Xとは形状や大きさが異なるカプセル剤Yの薬剤移送動作について具体的に説明する。なお、カプセル剤Yの移送動作は、楕円形状等の非円形状の錠剤であっても同様である。

図22A,Bに示すように、第1回転体23が回転されると、カプセル剤Yはその上面に載って回転すると共に、遠心力によって径方向外向きに移動する。そして、第1回転体23上のカプセル剤Yは、第2回転体35と同一高さに位置する移動部37で第2回転体35上に乗り移る。

第2回転体35に乗り移ったカプセル剤Yは、薬剤案内部65側へ移動され、高さ規制体41によって下流側への移動が規制され、上下に積み重なった状態で移動しているカプセル剤Yは、第2回転体35上に落とされたり、内周部36から第1回転体23上に落下されたりする。

高さ規制体41を通過したカプセル剤Yは、移送幅を規制した幅規制体52の第1湾曲面部55に当接することにより、第2回転体35の内周部36側へ移動されると共に、長手方向の方向性(姿勢)が薬剤搬送方向に沿って延びるように補正される。そして、幅規制体52の下流側へは、幅規制体52に接するカプセル剤Yだけしか通過せず、幅規制体52に接していないカプセル剤Yは第2回転体35の内周部36から第1回転体23上へ落下される。また、第1湾曲面部55との当接によって姿勢を補正できなかったカプセル剤Y1は、第2回転体35による移送幅がカプセル剤Y1の約1/2となっているため、重心が第2回転体35の内周部36より内側に位置することによりバランスを維持できず、第2回転体35の内周部36から第1回転体23上へ落下される。

幅規制体52の第1湾曲面部55を通過したカプセル剤Yは、移送幅が広くなった第2湾曲面部56の領域を安定状態で移送される。そして、薬剤案内部65の内側ガイド66と外側ガイド57の間に移送され、1個ずつ整列した状態で出口側へ移動されて、薬剤検出ユニット70へ排出される。この際、完全には姿勢を補正できなかったカプセル剤Y2は、内側ガイド66の端部に当接することにより、姿勢が補正されて外側ガイド57との間に導かれたり、内周部36から第1回転体23上に落下されたりする。そして、薬剤案内部65を通過したカプセル剤Yだけが、薬剤排出口である薬剤払出部材73を通って薬剤検出ユニット70に供給される。

カプセル剤Yは、円板状錠剤Xのように平たくないため、第2回転体35と点接触又は線接触し、第2回転体35上を移動する際に、回転しやすい。従って、カプセル剤Yのように平たくない錠剤は、幅規制体52を通過した後、錠剤案内部65に到達するまでに、第2回転体35上で向きが変わり、第1回転体23上に落とされることがある。そこで、図23A〜Cに示すように、第2回転体35上の内周縁に、上方に突出する環状のリブ35aを設けることが好ましい。リブ35aは、図23Aのように、内周面が第2回転体35の内周面と面一で、上端が尖り、外周面が直線的に傾斜した三角形状の半径方向断面を有するもの、図23Bに示すように、外周面が凹に湾曲して傾斜したもの、図23Cに示すように、内周面が第2回転体35の内周面と面一で、上端が平坦で、外周面が垂直面からなる矩形状の半径方向断面を有するものでもよい。このようなリブ35aを設けることで、平たくない錠剤は、図23Aに示すように、第2回転体35の上面とリブ35aの2点で接触するので、第2回転体35上で回転しにくくなり、第1回転体23上に落とされるのが防止される。

このように、本発明の薬剤供給装置では、高さ規制体41及び幅規制体52によって薬剤を1個ずつ整列させて薬剤案内部65へ供給できるため、詰まり等の問題を生じさせることなく、確実に1個ずつ薬剤案内部65を通過させて薬剤払出部材73から外部へ供給することができる。また、移送する多数の薬剤は、各規制体41,52及び薬剤案内部65で堰き止めるのではなく、第1回転体23上に落とす構成であるため、規制体41,52での詰まりの発生を確実に防止できるうえ、多数の薬剤が衝突し合うことを防止できる。よって、薬剤の割れ欠けの発生を確実に防止できる。特に、幅規制体52によって第2回転体35の移送幅を薬剤幅の1/2に規制しているため、平面視非円形状の薬剤は、長手方向が薬剤移送方向に沿って延びた状態でなければ通過できない。よって、薬剤案内部65の入口での詰まりの発生を確実に防止できる。

また、高さ規制体41による規制高さ及び幅規制体52による第2回転体35の移送幅を調整できるように構成しているため、形状や大きさが異なる多種の薬剤の供給を実現できる。さらに、幅規制体52と薬剤案内部65の外側ガイド57とを一体に設け、これらを同時に調整できるようにしているため、調整に関する作業性を向上できると共に、部品点数の削減を図ることができる。しかも、本実施形態では、規制体41,52を自動調整できるように構成しているため、オペレータは何ら調整する必要がなく、使用上の利便性を大幅に向上できる。

さらに、薬剤案内部65の内側ガイド66には上向きに傾斜する傾斜縁68を設けているため、第2回転体35の内周部36から内側へ突出した状態で移送された薬剤が、薬剤案内部65の入口で詰まることを確実に防止できる。この構成は、平面視非円形状の薬剤が若干傾いて移送された際に、姿勢を補正したり、第1回転体23上へ落下させたりすることができるため、特に有効である。さらにまた、第1回転体23の第1回転軸24の傾斜角度を調整可能としているため、第1回転体23の回転により薬剤を移動部37へ確実に移送して、第2回転体35上に移動させることができる。

そして、薬剤供給装置を用いた薬剤計数装置は、形状や大きさが異なる薬剤を1個ずつ確実に外部へ排出し、その薬剤を薬剤検出ユニット70で検出し、制御部83で確実に計数できる。よって、確実に所定数の薬剤を払い出して患者に処方することができる。また、容器取付部13に配置した切換弁ユニット76は、患者に渡す薬容器1を配置する払出部78と、回収容器2を配置する回収部79とを有するため、処方に関する作業性を向上できる。しかも、切換弁である揺動部材80A,80Bは、処方する薬剤数を計数すると、払出部78及び回収部79の両方を閉塞した一時停止位置に作動させるため、所定数を超えた薬剤が、薬容器1へ払い出されることを防止できる。また、後に回収容器2への回収位置とした際には、弾性部81が弾性的に復元することにより、一対の揺動部材80A,80Bの上流側に保持した薬剤を回収部79へ弾き出すことができるため、払出部78を通した薬容器1への過剰な払い出しを確実に防止できる。

また、第3カメラ89cは、高さ規制体41と共に外装体10に設けると、高さ規制体41の移動が妨げられる。このため、第3カメラは、外装体10ではなく、図11Aに示すように、上カバー14に設けることが好ましい。

同様に、高さ規制体41を外装体10ではなく、上カバー14に設けるようにしてもよい。この構成によれば、第1回転体23及び第2回転体35上を掃除するために、外装体10に対して上カバー14を開放すれば、この上カバー14と共に高さ規制体41も一緒に移動するので、幅規制体52を第2回転体35の径方向外側に移動させたとしても、高さ規制体41と干渉することはありえない。したがって、幅規制体52が高さ規制体41に衝突して破損することもない。また、高さ規制体41は、第2回転体35側に、ゴム等の可撓性を有する材料を一体化するのが好ましい。これにより、外装体本体11に対して上カバー14を閉鎖した場合、高さ規制体41と第2回転体35との間にユーザの手があったり、あるいは、第2回転体35上に薬剤があったとしても、高さ規制体41が、ユーザの手に当たって怪我をさせたり、あるいは、薬剤を損傷させたりといった不具合を発生させることもない。

なお、本発明は、前記実施形態に記載された構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。

例えば、前記実施形態では、薬剤検出ユニット70での検出信号に基づいて薬剤の体積を測定するようにしたが、薬剤の体積は、予め他の公知の測定手段によって測定するようにしてもよいし、製薬メーカーから提示された体積をそのまま使用するようにしてもよい。

また、前記実施形態では、高さ規制体41を通過した薬剤を検出する薬剤検出センサ51や、払出部78の手前近傍で薬剤を検出する薬剤検出センサを設けるようにしたが、これら薬剤検出センサは、次の位置に設けるようにしてもよい。

すなわち、幅規制体52によって規制される第2回転体35上の第1位置、高さ規制体41に対して第2回転体35の回転方向下流側近傍の第2位置、及び、第2位置よりも第2回転体の回転方向上流側の第3位置に、それぞれ薬剤検出センサを設けるようにするのが好ましい。以下、第1位置の薬剤検出センサを第1センサ101、第2位置の薬剤検出センサを第2センサ102、第3位置の薬剤検出センサを第3センサ103と記載する(図38参照)。

また、前記実施形態では、制御部83によって各部材の駆動制御を行うようにしたが、この制御部83は、図34に示すように、第1制御部104と第2制御部105とで構成するようにしてもよい。すなわち、他の機器とネットワーク接続される場合には、第1制御部104で、その通信を行い、又、第2制御部105に命令を出力したり、検出値を受信したりすればよい。また、第2制御部105で、薬剤検出ユニット70、第1〜第3センサ101〜103での検出データの取得や、各駆動部材(第1回転体23、第2回転体35等)を駆動制御すればよい。

また、前記実施形態では、初期動作を行った後、自動調整処理やカウント処理等を含む薬剤排出処理を実行するようにしたが、図24に示すように、さらに追加で以下に説明する各処理を実行するようにしてもよい。すなわち、残留薬剤検出処理(ステップS101)を行い、前記初期動作(ステップS102)を行った後、薬剤排出処理(ステップS103)を行うようにしてもよい。また、薬剤排出処理では、自動調整処理(ステップS104)やカウント処理(ステップS106)のほかに、撮像処理(ステップS105)、欠品判定処理(ステップS107)、あるいは、薬瓶外れ処理(ステップS108)を実行可能としてもよい。自動調整処理と撮像処理とは順番が入れ替わってもよい。また、薬剤排出処理後は、第1回収処理(ステップS109)又は第2回収処理(ステップS110)のいずれかを行うようにしてもよい。

(残留薬剤検出処理) 残留薬剤検出処理は、初期動作の前に実行すればよい。以下、残留薬剤検出処理について、図25及び図26のフローチャートに従って説明する。 残留薬剤検出処理では、電源が投入されて薬剤計数装置が起動した場合等に、図38(a)に示すように、高さ規制体41及び幅規制体52を矢印a,b方向(但し、図中、矢印a方向は上向きとなっているが、実際には紙面に直交する手前方向。以下同じ。)に移動させ、最大開放位置に位置させる(ステップS111)。以下、最大開放位置は、高さ規制体41又は幅規制体52により形成される、第2回転体35上で薬剤が通過可能な高さ寸法又は幅寸法(第2回転体35の上方側の隙間又は第2回転体35上の径方向の隙間)が最も大きくなる位置を意味するものとして記載する。そして、高さ規制体41及び幅規制体52を最大開放位置に移動させた状態で、第2回転体35を最大速度で所定時間(ここでは、1.5秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS112)。これにより、第2回転体35上に残留する薬剤を排出方向とは逆方向に移動させることができる。

続いて、図38(b)に示すように、幅規制体52を矢印b´方向に移動させ、閉鎖位置に位置させる(ステップS113)。以下、閉鎖位置は、高さ規制体41又は幅規制体52により形成される、第2回転体35上で薬剤が通過可能な高さ寸法又は幅寸法(第2回転体35の上面の上方側の隙間又は第2回転体35上の径方向の隙間)が「0」となる位置を意味するものとして記載する。そして、図38(c)に示すように、第2回転体35を最大速度で所定時間(ここでは、0.3秒間)矢印c方向に正回転させると共に(ステップS114)、第1回転体23を最大速度で矢印d´方向に正回転させる(ステップS115)。これにより、第1回転体23上に残留する薬剤を第2回転体35上へと移動させることができる。

ここで、リピートカウンタのカウント値Cをクリアし(ステップS116)、第2回転体35が停止すれば、カウント値Cが3であるか否かを判断する(ステップS117)。カウント値が3でなければ、図38(d)に示すように、第2回転体35を、最大速度で、所定時間(ここでは、0.3秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS118)。そして、第2回転体35が停止すれば、カウント値Cに1を加算し(ステップS119)、図38(c)に戻って第2回転体35を、最大速度で、所定時間(ここでは、0.3秒)矢印c方向に正回転させる(ステップS120)。この間、第1回転体23の回転が維持され、第1回転体23上に薬剤があれば、この薬剤は第2回転体35上へと搬送される。

また、第2回転体35は、正回転及び逆回転を繰り返すので、薬剤を第2回転体35の内周縁のリブ35a(図23A〜23C参照)側に滞留させることなく、外周側へと移動させることができる。このため、第2センサ102や第3センサ103により検出可能な範囲を、第2回転体35の内周側まで大きく広げる必要がなくなり、外周側とすることができる。第2センサ102と第3センサ103の検出可能な範囲を広げると、第2回転体35のリブ35aを誤って薬剤であると検出する恐れがあるが、本実施形態ではその心配はない。

その後、カウント値Cが3になれば(ステップS117:YES)、図38(e)に示すように、第2回転体35を、最大速度で、所定時間(ここでは、1秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS121)。そして、第2回転体35が停止すれば、図38(f)に示すように、今後は、最大速度で、所定時間(ここでは、3秒間)矢印c方向に正回転させる(ステップS122)。第2回転体35が停止すれば、続いて第1回転体23を停止する(ステップS123)。このとき、図38(g)に示すように、高さ規制体35を矢印a´方向(図中、下向きとなっているが、実際には紙面に直交する奥前方向。以下同じ。)に移動させ、閉鎖位置に位置させる。

前記ステップS118〜S123の間の各処理中には、常時、第2センサ102によって薬剤が検出されたか否かを判断する(ステップS124)。 薬剤が検出されない場合(残薬無)、前記ステップS118〜S123を続行し、ステップS123を終了すれば、高さ規制体41及び幅規制体52を、閉鎖位置に移動させた後(ステップS125)、第1制御部104に「残薬無」を送信する(ステップS126)。また、後述する図35に示すように、動作表示部107の払出表示LED107a及び回収表示LED107bを点灯させることにより(ステップS127)、残留薬剤検出処理を終了する。

一方、薬剤が検出された場合(残薬有)、図38(h)に示すように、第2回転体35を、最大速度で、所定時間(ここでは、0.75秒間)矢印c´方向に逆回転させ(ステップS128)、その回転が停止した後、第1制御部に「残薬有」を送信し(ステップS129)、残留薬剤検出処理を終了する。

このように、前記残留薬剤検出処理を実行可能な薬剤供給装置の特徴は次の点にある。 すなわち、 第1の回転軸を中心として正回転することにより、薬剤を周方向及び外径方向に搬送可能な第1回転体と、 前記第1回転体の外周側に位置し、第2の回転軸を中心として正逆回転することにより、薬剤を周方向に搬送可能な第2回転体と、 前記第2回転体の外径側に配置され、搬送された薬剤を排出する払出部と、 前記払出部に対して前記第2回転体の回転方向上流側に配置され、前記第2回転体の上面との間隔を調整可能な高さ規制体と、 前記払出部と前記高さ規制体の間に配置され、前記第2回転体の内周縁との間隔を調整可能な幅規制体と、 カウント処理の前に、前記高さ規制体と前記幅規制体とを最大開放位置に移動させ、前記第2回転体を逆回転させ、幅規制体を閉鎖位置に移動させた後、正回転させる残留薬剤検出処理を実行する制御部と、 を備えたことを特徴とする薬剤供給装置。

この構成により、薬剤の詰まり等が発生していれば、高さ規制体及び幅規制体を最大開放位置に移動させた状態で、第2回転体を逆回転させることにより解消することができる。また、第2回転体を正回転させる場合には、幅規制体を閉鎖位置に移動させ、残留する薬剤の検出を行うことができる。

(撮像処理) 第2制御部105では、前記自動調整処理の後、薬剤用カメラ106(前記実施形態に記載の第3カメラ89cに相当する。)によって薬剤の外観を撮像し、その画像を記憶させる撮像処理を実行することができるようになっている。

撮像処理では、図27のフローチャートに示すように、実際に薬剤用カメラ106による撮像を開始する前に、第1制御部104からの通知により前処理がある場合(ステップS131:YES)、図39(a)に示すように、幅規制体52及び高さ規制体41を矢印a,b方向に移動させ、最大開放位置に位置させる(ステップS132)。そして、第2回転体35を最大速度で所定時間(ここでは、1.5秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS133)。また、前処理がない場合(ステップS131:NO)、ステップS132及びS133を行わず、ステップS134に移行する。

続いて、撮像領域での撮像条件(後述するが、複数ある照明部材のいずれにより照明するのか、あるいは、カメラの焦点の調整)が設定されたか否かを判断する(ステップS134)。撮像条件が設定されれば、図39(b)に示すように、幅規制体52及び高さ規制体41を矢印a´,b´方向に移動させ、閉鎖位置に位置させる(ステップS135)。

その後、第2センサ102によって薬剤が検出されたか否かを判断する(ステップS136)。薬剤が検出されなければ(ステップS136:NO)、正常な状態であると判断し、図39(c)に示すように、第2回転体35を速度5(7段階で設定された速度の5,最大速度が7)で所定時間(ここでは、1.2秒間)矢印c方向に正回転させる(ステップS137)。また同時に、第1回転体23を、低速又は高速で所定時間(ここでは、1.2秒間)矢印d方向に正回転させる(ステップS138)。この場合、第1回転体23は、第3センサ103により所定時間薬剤が検出されなければ高速で正回転させ、検出されれば低速で正回転させるようにすればよい。第1回転体23及び第2回転体35の正回転により、第1回転体23上の薬剤は第2回転体35上に、第2回転体35上の薬剤は、高さ規制体41に対して第2回転体35の回転方向上流側の所定領域(撮像領域)へと移動する。そしてこの状態で、図39(d)に示すように、第1回転体23と第2回転体35を停止し、薬剤用カメラ106による撮像を行う(ステップS140)。撮像した結果は、図43に示すように、モニタ88に表示させる。

一方、前記ステップS136で第2センサ102によって薬剤が検出された場合、本来、位置するべきでない領域に薬剤が位置する異常な状態であると判断し、図39(e)に示すように、高さ規制体41の動作を停止させる(ステップS141)。そして、図39(f)に示すように、高さ規制体41を矢印a方向に移動させ、最大開放位置に位置させる(ステップS142)。さらに、図39(g)に示すように、第2回転体35を所定時間(ここでは、0.75秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS143)。カウント値に1を加算し(ステップS144)、カウント値が所定回数(ここでは、3回)に到達するまで(ステップS145)、前記ステップS136に戻って前記同様の処理を繰り返す。前記処理を繰り返したとしても、第2センサ102によって薬剤が検出される場合、異常が発生したと判断し、エラーを報知させる(ステップS146)。

なお、前記ステップS134では、次のようにして撮像条件を設定することができる。 例えば、薬剤用カメラ106によって撮像可能な領域(撮像領域)を照明するための複数の照明部材(例えば、LED:図示せず)のいずれかにより照明するのかを決定することで行う。複数の照明部材は、外壁20のうち、高さ規制体41に対して第2回転体35の回転方向上流側の部分に、上下方向に並ぶように設けられている。撮影条件は、ユーザが自由に設定できるようにする。ここでは、モニタ88に、図43に示すような薬剤用カメラ106で撮像した画像121を含む画像調整画面を表示させ、その「light」ボタン122を操作することにより、「top」、「middle」、「bottom」、「off」のいずれかを選択できるように構成している(上位の照明部材で照明、中位の照明部材で照明、下位の照明部材で照明、照明せず、が選択される。)。これにより、薬剤の形状や、撮像領域での薬剤の向きや数等の違いに応じた撮像に最も適した状態で、薬剤を照明することができる。なお、照明部材は1つのみ設けられてもよい。1つの場合は、撮像条件の設定は、照明をするかしないかの選択によって行うことができる。

また、薬剤用カメラ106はオートフォーカス機能を備えたものとしてもよいし、又、薬剤の厚さ寸法の影響を考慮し、薬剤毎に焦点を合わす位置を設定できるようにしてもよい。この焦点距離は、ある薬剤について1回目の撮像でのみ手動で設定し、それ以降は自動で設定できるようにするのが好ましい。一度設定した焦点距離は、その薬剤に紐付けして記憶させておき、次回の撮像時にそのデータを使用するようにすればよい。ここでは、前記画像特定画面で、「focus」ボタン123を操作することにより、「high」、「low」のいずれか一方を選択し、焦点を合わせる位置を上方側又は下方側のいずれか一方とすることができるようになっている。

このように、前記撮像処理を実行可能な薬剤供給装置の特徴は次の点にある。 すなわち、 第1の回転軸を中心として正回転することにより、薬剤を周方向及び外径方向に搬送可能な第1回転体と、 前記第1回転体の外周側に位置し、第2の回転軸を中心として正回転することにより、薬剤を周方向に搬送可能な第2回転体と、 前記第2回転体の外径側に配置され、搬送された薬剤を排出する払出部と、 前記払出部に対して前記第2回転体の正回転方向上流側に配置され、前記薬剤の通過を規制する規制体と、 前記規制体の前記第2回転体の正回転方向上流側の撮像領域を撮像可能な撮像部と、 前記規制体により薬剤の移動を規制し、前記第2回転体を正回転させることにより、前記撮像領域に薬剤を位置させた状態で、前記撮像部による撮像領域の撮像を行わせる撮像処理を実行する制御部と、 を備えたことを特徴とする薬剤供給装置。

この構成により、撮像領域に薬剤を位置させて、撮像部による薬剤の撮像を確実に行わせることができる。

前記制御部は、前記規制体を最大開放位置まで移動させ、前記第2回転体を逆回転させる詰まり解消処理を実行した後、前記撮像処理を実行するのが好ましい。

前記制御部は、前記詰まり解消処理を複数回実行するのが好ましい。

前記構成により、薬剤の詰まりを解消した後、薬剤の撮像を行うことができるので、より適切な状態での薬剤の撮像が可能となるばかりか、次回の薬剤の払出処理にスムーズに移行することが可能となる。

前記撮像領域を照射する照射部を、さらに備えるのが好ましい。

前記照射部は、複数からなり、いずれで照射させるのかで照射条件を設定可能であり、 前記制御部は、前記設定した照射条件のいずれかを選択した状態で、前記撮像部による撮像を行わせるのが好ましい。

この構成により、照射部で、薬剤の撮像に適した照射条件により撮像領域を照射して撮像部による撮像を行わせることができる。

(撮像不要モード) また、前記撮像処理は、法律により義務付けられている場合にのみ行い、それ以外では行わないようにすることも可能である。

(カウント処理) 前記カウント処理は、以下のような複数のモードを備えたものとすることができる。すなわち、図28及び図29のフローチャートに示すように、まず、いずれのモードによって薬剤を払い出し、かつ、計数するのかを判断する(ステップS151)。例えば、処方箋、薬容器1、又は、薬瓶のいずれかのバーコードがバーコードリーダで読み取られることにより、サーバに照会し、以下の(1)〜(3)のいずれのモードに該当するのかを判断すればよい(具体的には、処方箋のバーコードが読み取られれば(1)、薬容器1のバーコードが読み取られれば(2)、薬瓶のバーコードが読み取られれば(3)のモードに移行させるようにすればよい。)。 (1)薬瓶から薬剤計数装置に供給された薬剤から、処方箋に従って予め決められた数量だけ、患者に渡す薬容器1に払い出すための通常払出カウントモード (2)通常払出カウントモードで、他の薬剤計数装置で薬容器1に払い出した薬剤の数量を再度確認するための再カウントモード (3)薬瓶から薬剤計数装置に供給された全ての薬剤を計数し、薬瓶に収容されている在庫量を確認するための在庫量カウントモード

以下、通常払出カウントモードについて説明する。 すなわち、通常払出カウントモードでは、まず、動作表示部の払出表示LED107aを点滅させる(ステップS152)。そして、第1制御部104からの指示がある場合(ステップS153:YES)、図40(a)に示すように、第2回転体35を最大速度で所定時間(ここでは、0.3秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS154)。続いて、図40(b)に示すように、高さ規制体41及び幅規制体52を矢印a,b方向に移動させ、第1指定位置に位置させる(ステップS155)。ここで、第1指定位置とは、前記自動調整処理で決められた位置、すなわち、測定された薬剤のサイズに合わせた丁度該当する薬剤が通過可能な位置(高さ規制位置及び幅規制位置)を意味する。第1制御部104からの指示がない場合(ステップS153:NO)、ステップS154を実行することなく、直接、ステップS155を実行する。なお、前述の第1制御部104からの指示とは、例えば、前述の回収処理が行われた直後で、残留薬剤がないと判断される場合に、前記ステップS154で行った薬剤の詰まり解消処理をしない旨の指示を意味する。

図40(c)に示すように、高さ規制体41及び幅規制体52の移動が完了すれば、図40(d)に示すように、第1回転体23及び第2回転体35を矢印c,d方向に正回転させる(ステップS156)。そして、第1センサ101によって薬剤が検出されれば(ステップS157)、第1回転体23及び第2回転体35の正回転を停止させる(ステップS158)。これにより、薬剤の払出準備が完了する。排出口の直前位置まで薬剤を移動させておくことで、第1回転体23及び第2回転体35を正回転させれば、タイムラグなく直ちに薬剤の払出を開始することができる。

続いて、薬容器1が薬剤の払出位置に配置されているか否かを判断し(ステップS159)、配置されていれば、図40(e)に示すように、第1回転体23及び第2回転体35を矢印c,d方向に正回転させる(ステップS160)。第1回転体23は予め設定された一定速度で正回転させ、第2回転体35は第1制御部104で設定された指定速度で正回転させる。指定速度は、薬剤の種類毎に設定した値である。これにより、薬剤検出ユニット70で薬剤が検出されて薬剤のカウントが開始される。そして、薬剤のカウント値が、予め設定した第1設定値となれば、前記実施形態のステップS56からS59と同様にして第2回転体35の回転速度を制御するスローダウン処理を実行する。

すなわち、薬剤残数がメモリ87に記憶させてある第1残数となれば(ステップS161)、薬剤案内部65からの排出速度(第2回転体35の回転速度)を第1速度まで低下させる(ステップS162)。その後、さらに第2残数となれば(ステップS163)、第1速度よりもさらに遅い第2速度まで低下させる(ステップS164)。

払出予定数に到達する前の所定数となれば(ステップS165)、図40(f)に示すように、高さ規制体41を矢印a方向に移動させ、第2指定位置に位置させる(ステップS166)。第2指定位置は、第1制御部104から指定され、前記ステップS155の第1指定位置よりも広げることにより残留する薬剤を通過しやすくする。

ここで、特殊薬剤であるか否かを判断する(ステップS167)。すなわち、球状等の転がりやすい形状の薬剤であれば、図40(g)に示すように、第1回転体23を停止し(ステップS168)、第2回転体35を、所定時間(ここでは、1,5秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS169)。これにより、特殊錠剤が必要数を超えて排出されてしまうことを確実に防止することができる。そして、薬剤の払出が完了すれば、図40(h)に示すように、第2回転体35の逆回転を停止させる。

再カウントモードでは、前記ステップS161〜S164で行った第2回転体35のスローダウン処理を行わず、最後まで一定速度で正回転させる。これは、既に計数の済んだ薬剤の数量を確認のために再度カウントし直す場合であるので、通常払出カウントモードのように、最後の薬剤の払出時に余分に払い出される心配もないため、計数時間の短縮化を優先している。

在庫量カウントモードでも、再カウントモードと同様に、前記ステップS161〜S164で行った第2回転体35のスローダウン処理を行わず、最後まで一定速度で正回転させる。但し、この在庫量カウントモードでは、後述する欠品判定処理は行わない。

このように、前述の3つのいずれかのモードを実行可能な薬剤供給装置の特徴は次の点にある。 すなわち、 回転軸を中心として正回転することにより、薬剤を周方向に搬送可能な回転体と、 前記回転体の外径側に配置される払出部と、 前記払出部から払い出される薬剤の数量を計数する計数部と、 処方データに基づいて、前記回転体を正回転させ、前記計数部での計数値が所定値に到達すれば、前記回転体の回転速度を低下させ、前記処方データの処方数量に到達すれば、前記回転体の正回転を停止する通常払出モードを実行する制御部と、 を備えたことを特徴とする薬剤供給装置。

この構成により、処方データに含まれる薬剤の処方数に基づいて、自動的に薬剤を払い出すことができる。また、処方数量に到達する前に回転体の回転速度を低下させているので、処方数量を超えて払い出されることを防止することができる。

前記制御部は、さらに、前記回転体を一定速度で正回転させ、前記払出部から排出される全ての薬剤を、前記計数部にて計数させ、処方データに含まれる薬剤の処方数量と合致しているか否かを判断する再カウントモードを実行するのが好ましい。

この構成により、回転体の回転速度を低下させないことにより、払い出された薬剤の数量を高速で確認することが可能となる。

前記制御部は、さらに、前記回転体を一定速度で正回転させ、前記払出部から排出される全ての薬剤を、前記計数部にて計数させる在庫カウントモードを実行するのが好ましい。

さらに、水剤を収容された薬液ボトルを起立させた状態で、処方箋と共に撮像可能な撮像部と、記憶部とを備え、 前記制御部は、さらに、前記撮像部によって撮像された画像を、前記水剤を特定するための情報と共に前記記憶部に記憶させる水剤モードを実行するのが好ましい。

この構成により、薬液ボトルを起立させた状態で撮像するので、水剤の水位をも画像データとして取り込むことができる。また、処方箋も一緒に撮像するので、両者の紐付けを画像上で行うことができる。

なお、前記カウント処理では、最初に薬剤検出ユニット70のカウントセンサの汚れ状態を確認するのが好ましい。 すなわち、カウントセンサの最大A/D値を検出し、この最大A/D値が汚れ検出レベルを超えているか否かを判断する。そして、最大A/D値が汚れ検出レベルを超えていれば、カウントセンサが汚れていると判断し、第1制御部104にワーニング通知する。カウントセンサの清掃後、解除処理(例えば、解除ボタンが操作される等)が実行され、第1制御部104から解除コマンドを受信すれば、再度、カウントセンサの最大A/D値を検出する。そして、この最大A/D値が、前記汚れ検出レベルよりも小さい値に設定した汚れ解除レベルを下回っているか否かを判断する。最大A/D値が汚れ解除レベルを下回っていなければ、再度ワーニング通知を行い、下回っていれば、ワーニング解除を実行する。汚れ検出レベルと汚れ解除レベルとに差を設けることにより、ワーニング通知とワーニング解除とが頻繁に切り替わることを防止することが可能となっている。

また、前記カウント処理では、薬剤の体積を薬剤検出ユニット70によって検出するようにしているが、その際、例えば、図36に示すように、2つの薬剤が部分的にオーバーラップすることも考えられる。この場合、薬剤マスタに、薬剤毎に、その寸法に基づいて検出可能なセンサ70aの数(センサ群)を紐付けて登録しておき、この数を超えるセンサ70aで同時に薬剤が検出された場合、2つ以上であると判断させることができる。また、薬剤マスタに、薬剤毎に、薬剤が通過することによりセンサがオン状態を維持する時間を紐付けて登録しておき、この時間を超えてセンサがオン状態を維持した場合、2つ以上であると判断させることができる。これにより、誤って2以上の薬剤が払い出されたことを検出し、誤払出を防止することが可能となる。

(欠品判定処理) 欠品判定処理は、図30のフローチャートに示すように、前記通常払出カウントモードや再カウントモードの途中で、薬剤検出ユニット70で薬剤を所定時間(ここでは、3秒間)検出できない場合(ステップS171)、薬剤検出ユニット70により薬剤が検出されなくなったのが2回以上であるのか否かを判断する(ステップS172)。

薬剤検出ユニット70により薬剤が検出されなくなったのが2回以上でなければ、幅規制体52を移動させ、幅寸法を増大(ここでは、現状の1.2倍)させる(ステップS173)。そして、第1回転体23を停止すると共に、第2回転体35を最大速度で所定時間(ここでは、1秒間)逆転させる(ステップS174)。さらに、第1回転体23及び第2回転体35を、第1制御部104からの指定速度で正回転させる(ステップS175)。これにより、薬剤が残留しているにも拘わらず、詰まり等が原因で排出されないといった不具合を解消することができる。

薬剤検出ユニット70により薬剤が検出されなくなったのが2回以上であれば(ステップS172:YES)、欠品であると判断し、第1回転体23及び第2回転体35を停止させる(ステップS176)。この場合、ユーザに報知するようにすればよい。

なお、第1回転体23及び第2回転体35は、第1制御部104からの指定速度で正回転するようになっているため、この指定速度が低速である場合、薬剤検出ユニット70により薬剤が検出されなくなってから、第2回転体35を逆転させるまでの時間(逆転時間)や、欠品と判断するまでの時間(判定時間)は長く設定するようにすればよい。例えば、最低速度に設定されている場合、逆転時間は、3秒間から6秒間とし、判定時間は、6秒間から11秒間とすればよい。

(薬瓶外れ処理) 払出先である薬瓶(又は薬容器1、以下同じ)が払出位置から外された場合、次のようにして薬瓶外れ処理にて対応する。 払出位置には、図示しない薬瓶検出センサによって適切な位置に薬瓶が配置されているか否かが検出されている。そこで、薬瓶外れ処理では、図31のフローチャートに示すように、薬瓶検出センサ(図示せず)からの検出信号に基づいて、払出位置に薬瓶が配置されているか否かを判断する(ステップS181)。検出信号がオフであれば、払出位置から薬瓶が外れたと判断する。このとき、薬剤のカウント処理が完了しておらず、第1回転体23及び第2回転体35が回転中であれば、その正回転を強制的に停止する(ステップS182)。これにより、薬剤の漏出が防止される。

ここで、薬剤計数装置内に残留している薬剤の回収が指示されたか否か(薬剤回収指示があったか否か)を判断する(ステップS183)。ここで、薬剤回収指示とは、第1制御部104から第2制御部105に送信される、薬剤計数装置内に残留する薬剤が有り、その薬剤を全て回収する旨の指示を意味する。

薬剤回収指示があれば(ステップS183:YES)、残留する薬剤に関する情報(ここでは、薬剤の体積)があるか否かを判断する(ステップS184)。薬剤情報は、計数開始から設定数が計数されるまでに測定される体積の平均値であり、設定数に到達するまでは薬剤情報として確定されない。つまり、この場合には薬剤情報がない状態となる。

薬剤情報がある場合(ステップS184:YES)、所定時間(ここでは、1秒間)経過するのを待って(ステップS185)、その間に薬瓶が検出されなければ、薬剤情報を第1制御部104に送信し(ステップS186)、薬瓶外れ処理を終了する。薬剤情報がない場合(ステップS183:NO)、薬瓶外れ処理を終了する。

一方、薬剤回収指示がなければ(ステップS183:NO)、所定時間(ここでは、1秒間)経過するのを待って(ステップS187)、その間に薬瓶が検 出されなければ、それまでの薬剤の計数値を 第1制御部104に送信し(ステップS188)、薬瓶外れ処理を終了する。

(回収処理) 前記通常払出カウントモード、再カウントモード、あるいは、在庫量カウントモードが終了し、薬剤供給装置内に残留する薬剤を回収(排出)する場合、残留する薬剤に関する情報があれば第1回収処理を実行し、残留する薬剤に関する情報がなければ第2回収処理を実行する。

(第1回収処理) 第1回収処理では、図32のフローチャートに示すように、第1制御部104からの逆回転指示があれば(ステップS191)、図41(a)に示すように、第2回転体35を所定時間(ここでは、0.3秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS192)。そして、図41(b)及び(c)に示すように、高さ規制体41及び幅規制体52を作動させて、矢印a,b方向に移動させ、第1制御部104からの指定位置に位置させる(ステップS193)。なお、高さ規制体41及び幅規制体52の移動位置は、残留する薬剤のサイズに応じたものである。

薬剤の回収準備が整えば、薬瓶検出センサで、払出位置に薬瓶がセットされたことが検出されることにより出力される検出信号に基づいて(ステップS194)、図41(d)に示すように、第1回転体23及び第2回転体35を第1制御部104からの指定速度で矢印c,d方向に正回転させることにより回収処理を開始する(ステップS195)。

そして、薬剤検出ユニット70にて薬剤を所定時間(ここでは、3秒間)内に検出できる場合(ステップS196:YES)、前記ステップS195に戻って回収処理を続行する。 一方、薬剤検出ユニット70にて薬剤を所定時間内に検出できない場合(ステップS196:NO)、薬瓶が外れたか否かを判断する(ステップS197)。

薬瓶が外れていなければ、図41(e)に示すように、幅規制体52を矢印b方向に移動させ、幅寸法を増大(ここでは、現状の1.2倍)させる(ステップS198)。また、第1回転体23を停止し(ステップS199)、第2回転体35を所定時間(ここでは、1秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS200)。そして、ステップS195に戻って前記処理を繰り返すことにより、図41(f)に示すように、第1回転体23及び第2回転体35を第1制御部104からの指定速度で矢印c,d方向に正回転させる。 薬瓶が外れていれば、第1回収処理を終了する。

なお、前記一連の第1回収処理の間、薬瓶検出センサからの検出信号に基づいて、常時、払出位置から薬瓶が外れたか否かを判断する。検出信号の入力がなくなり、払出位置から薬瓶が外れたと判断されれば、その時点で、図41(g)に示すように、第1回転体23及び第2回転体35を停止させる。

(第2回収処理) 第2回収処理でも、前記第1回収処理と同様に、図33のフローチャートに示すように、第1制御部104から逆回転指示があれば(ステップS211:YES)、図42(a)に示すように、第2回転体35を所定時間(ここでは、0.3秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS212)。そして、図42(b)及び(c)に示すように、高さ規制体41を矢印a方向に作動させて、最大開放位置へと移動させる(ステップS213)。また、幅規制体52を、矢印b方向に移動させ、予め設定した所定位置(ここでは、幅寸法が8mmとなる位置)に位置させる(ステップS214)。

薬剤の回収準備が整えば、薬瓶検出センサ(図示せず)からの薬瓶の検出信号が入力されなくなったか否か、すなわち払出位置から薬瓶が外れたか否かを判断する(ステップS215)。

薬瓶が外されていなければ、図42(d)に示すように、第1回転体23及び第2回転体35を第1制御部104からの指定速度で矢印c,d方向に正回転させる(ステップS216)。回収処理中、薬剤検出ユニット70にて薬剤を所定時間(ここでは、4秒間)内に検出できた場合、前記ステップS216を続行する。一方、薬剤検出ユニット70にて薬剤を所定時間内に検出できない場合(ステップS217)、図42(e)に示すように、第1回転体23を停止し(ステップS218)、第2回転体35を所定時間(ここでは、1秒間)矢印c´方向に逆回転させる(ステップS219)。これにより、払出位置で薬剤が詰まっている等の不具合があれば、解消することができる。

ここで、薬剤検出ユニット70による薬剤の非検出が1回目であるか否かを判断する(ステップS220)。1回目であれば、ステップS215に戻って前記処理を繰り返す(図42(e),(f)参照)。一方、1回目でなければ、すなわち2回目であれば、図42(g)に示すように、幅規制体52を最大開放位置に移動させた後(ステップS221)、前記ステップS215に戻って前記処理を繰り返す。 薬瓶が外されれば、第2回収処理を終了する。

このようにして、幅規制体52の位置を変更しつつ、2度に亘って回収動作を実行することにより、残留する薬剤を全て薬瓶へと払い出すことが可能となる。

(掃除モード) なお、カウントする薬剤の種類が変更される場合等、特に、粉が発生しやすい薬剤から変更される場合には、掃除モードを実行することができるようになっている。

(水剤モード) 薬剤が水剤である場合、例えば、処方箋に水剤が含まれている場合、後述するサイドカメラ108で、処方箋と、該当する水剤が収容された薬液ボトルとを一緒に撮像することができる。この場合、サイドカメラ108は、上方から手前に旋回させ、処方箋と薬液ボトルとを立てた状態で撮像する。これにより、薬液ボトル内の水剤の水位をも一緒に撮像し、処方箋の撮像データと共に記録しておくことが可能となる。

(箱カウントモード) 薬剤が箱詰めされた状態で提供される場合、箱に付与されたバーコードをバーコードリーダ89で読み取る。そして、読み取ったバーコードから該当する薬剤の写真データを呼び出し、画面表示させる。これにより、適切な薬剤であるのか否かを視覚により確認することができる。写真データ及び薬剤データ(名称等)は、第1制御部104に送信して記憶させるようにすればよい。なお、バーコードが付与されていないものについては、コード番号等を手入力すればよい。

前記実施形態に係る薬剤計数装置は、次のように構成することもできる。 図35に示す薬剤計数装置では、薬剤の払出位置が1箇所に集約されている。そして、その払出位置の両側には動作表示部107が設けられている。動作表示部107は、払出表示LED107aと回収表示LED107bとで構成されている。各LEDの表示パターンは次表の通りである。

例えば、残薬をチェックする場合、払出表示LED107aと回収表示LED107bを共に点滅させる。これにより、ユーザは動作表示部107を見ただけで、薬剤計数装置の動作モードが初期回収処理中であることを容易に把握することができる。また、払出位置では、薬瓶を配置する関係上、十分なスペースを確保できないが、払出表示LED107aと回収表示LED107bを設けただけの簡単な構成であり、その点灯パターンを種々設定することで、現在のモードをユーザに分かりやすく示すことができる。

前記薬剤供給装置には、図35に示すように、サイドカメラ108が設けられている。サイドカメラ108は、支軸を中心として外装体10の側面に回転可能に取り付けたアーム109の先端に取り付けられている。アーム109を回動させて、サイドカメラ108が上方に位置した時点で、薬剤供給装置の側方に配置した薬剤等(水剤や箱を含む)を上方から撮像することができるようになっている。また、アーム109を回動させる位置を変更すれば、サイドカメラ108によって種々の角度から薬剤等を撮像することも可能である。

サイドカメラ108を上方に位置させた状態での撮像では、次のように行うようにしてもよい。すなわち、図37に示すように、薬剤の側方に45度に傾斜させた鏡110を配置する。これにより、1台のサイドカメラ108で、薬剤の上面と側面を同時に撮像することができる。また、薬剤を載置する面と、薬剤の側方(鏡110とは反対側の位置)とにスケール111をそれぞれ配置するのが好ましい。これにより、薬剤の寸法を同時に測定することも可能となる。

前記薬剤供給装置の第2回転体35の構成は、上面に周方向に所定間隔で、径方向に延びる複数の突条(又は凹部)を形成するようにしてもよい。つまり、第2回転体35の上面周方向に凹凸形状を連続させることで、第2回転体35が正回転する際の薬剤の滑りを防止し、スムーズに排出することができる。また、第2回転体35は、その上面が水平面に対して所定角度(ここでは、0.5〜1°、好ましくは1°)傾斜している。そして、傾斜させることにより、第2回転体35の最も高い所に位置する部分を排出口に位置させる。これにより、薬剤が誤って排出口から排出されること、特に、2錠一緒に排出されることを効果的に防止することが可能となる。

前記薬剤供給装置の高さ規制体41と幅規制体52の位置関係を逆にすることも可能である。また、高さと幅とを同時に規制するような構成を採用することも可能である。

前記薬剤供給装置の第1制御部104は、ネットワークにより他の薬剤供給装置に接続することができるように構成されている。つまり、複数台の薬剤供給装置をネットワーク接続することで、各薬剤供給装置で得られたデータを集中管理することができる。例えば、カウント処理の途中で得られた薬剤の体積等のキャリブレーションデータを集中管理することにより、各薬剤供給装置毎に、適切な制御を行わせることができる。

図45(a)に示すように、内側ガイド66の外側ガイド57と対向する面は、上方に向かうに従って外側ガイド57に近づくように傾斜する傾斜部66aを有してもよい。傾斜部66aがない場合、図45(b)に示すように、内側ガイド66と外側ガイド57の間を薬剤が通過する際に、薬剤が内側ガイド66に寄りかかって立つことがある。薬剤が立つと、薬剤が2列に並んで2つずつ排出されたり、2列に並んだ2つの薬剤が内側ガイド66と外側ガイド57との間で詰まってしまったりすることがある。傾斜部66aを有することで、薬剤が立ちにくくなり、2錠ずつの排出や詰まりが防止される。また、図45(c)に示すように、外側ガイド57の内側ガイド66と対向する面は、上側に向かうに従って内側ガイド66に近づくように傾斜する傾斜部57aを有してもよい。これにより、薬剤が外側ガイド57に寄りかかって立ちにくくなり、2錠ずつの排出や詰まりが防止される。

なお、図46の矢印Hに示すように、内側ガイド66と外側ガイド57の間においては、外側ガイド57側が回転方向上流側に、内側ガイド66側が回転方向下流側になる向きで第2回転体35が回転する。このため、内側ガイド66と外側ガイド57との間を通過する際には、薬剤は内側ガイド66に寄りかかって立つことが多い。従って、外側ガイド57が傾斜部57aを有するよりも内側ガイド66が傾斜部66aを有するのが好ましい。 また、傾斜部57a又は傾斜部66aを有する場合は、内側ガイド66と外側ガイド57との間隔は、幅が同じ回転楕円体の薬剤においても、長径と短径との比率によって異ならせる。これは、比率によって、薬剤と内側ガイド66、または、薬剤と外側ガイド57とが接触する位置が異なるためである。このため、幅補正係数は、上記比率に応じて決定してもよい。

本実施形態においては、薬剤の形状によって、第2回転体35の回転速度を決定しているために、次のような問題も防止できる。 すなわち、図44(a)に示すように、回転楕円体などの先端が細い形状の薬剤は、薬剤移送方向下流側の薬剤Z1の下側へ薬剤移送方向下流側の薬剤Z2が入りこみ、薬剤Z1の重心と薬剤Z2の重心の距離L2が、薬剤の寸法L1よりも短くなる場合がある。第2回転体35からの薬剤の排出は、薬剤の重心が第2回転体35上から外れると行われる。このため、薬剤が他の薬剤の下側に入り込み、重心間の距離が短くなる形状の薬剤では、薬剤の排出間隔が短くなる傾向がある。薬剤の排出間隔が短いと、検出部70が連続して排出された薬剤を1錠として認識するという問題が生じる。このような問題が生じる形状の薬剤については、第2回転体35の回転速度が遅くなるように、スピードテーブルに回転速度を設定し、薬剤の重心が第2回転体35上から外れる間隔を長くすることで、薬剤の排出間隔を長くし、検出部70が連続して排出された薬剤を1錠として認識するという問題の発生を防止できる。

1…薬容器 2…回収容器 18…仕切壁 23…第1回転体 24…第1回転軸 28…第1駆動モータ 33…角度調整モータ 35…第2回転体 35a…リブ 36…内周部 37…移動部 39…第2駆動モータ 41…高さ規制体 49…高さ調整モータ 51…薬剤検出センサ(検出部) 52…幅規制体 57…外側ガイド 63…幅調整モータ 65…薬剤案内部 66…内側ガイド 68…傾斜縁 69…傾斜面 70…薬剤検出ユニット 71A〜71D…発光部 72A〜72D…受光部 73…薬剤払出部材(払出部) 74…シャッター 75…駆動モータ 76…切換弁ユニット 77…薬剤通路 78…払出部 79…回収部 80A,80B…揺動部材 81…弾性部 82A,82B…駆動モータ 83…制御部(制御部) 85…操作パネル(薬剤形状特定部) 86…バーコードリーダ 87…メモリ(記憶部) 88…モニタ 89…バーコードリーダ 101…第1センサ 102…第2センサ 103…第3センサ 104…第1制御部 105…第2制御部 106…薬剤用カメラ 107…動作表示部 107a…払出表示LED 107b…回収表示LED 108…サイドカメラ 109…アーム 110…鏡 111…スケール X,X1…錠剤(薬剤) Y,Y1,Y2…カプセル剤(薬剤)

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