薬剤鑑査システム、巻取装置、操出装置、及びホルダー

申请号 JP2016182511 申请日 2016-09-20 公开(公告)号 JP6288198B2 公开(公告)日 2018-03-07
申请人 株式会社湯山製作所; 发明人 天野 弘和; 津田 紘道; 吉川 泰行; 千原 博一; 清水辺 大;
摘要
权利要求

分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の巻き取り動作を実行可能な巻取装置であって、 前記分包袋連続体をロール状に巻き取り可能なホルダーと、 前記ホルダーを軸心位置を中心として前記分包袋連続体を巻き取る方向に回転させることが可能な動作部と、 前記ホルダーに対して下方において前記ホルダーに巻き取られている分包袋連続体との距離に応じて検知信号を出可能な弛緩検知装置と、 前記動作部に対して動作指令を出力することにより、前記ホルダーに対する分包袋連続体の巻き取り動作を実行させることが可能な制御装置とを有し、 前記ホルダーに対して前記分包袋連続体を巻き取る際に、前記分包袋連続体と前記弛緩検知装置との距離が所定の巻取指示距離以下となるまで近接した状態になったことを示す検知信号が出力されることを条件として、前記制御装置が前記分包袋連続体の巻き取り動作を進行させることを特徴とする巻取装置。分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の巻き取り動作を実行可能な巻取装置であって、 前記分包袋連続体をロール状に巻き取り可能なホルダーと、 前記ホルダーを軸心位置を中心として前記分包袋連続体を巻き取る方向に回転させることが可能な動作部と、 ホルダーに対して分包袋連続体の巻き取り径方向に離れた位置に配置され、ホルダーに巻き取られた分包袋連続体との距離に応じて検知信号を出力可能な巻取状態検知装置と、 前記動作部に対して動作指令を出力することにより、前記ホルダーに対する分包袋連続体の巻き取り動作を実行させることが可能な制御装置とを有し、 前記巻取状態検知手段と分包袋連続体との距離が所定の巻取上限距離以下になったことを示す検知信号が出力されることを条件として、前記制御装置が巻き取り動作を停止させることを特徴とする巻取装置。分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体をロール状に保持可能なホルダーと、 前記ホルダーを軸心位置を中心として前記分包袋連続体を繰り出す方向に回転させることが可能な動作部と、 前記ホルダーに対して下方において前記ホルダーに巻き取られている分包袋連続体との距離に応じて検知信号を出力可能な弛緩検知装置と、 前記動作部に対して動作指令を出力することにより、前記ホルダーにおける分包袋連続体の繰り出し動作を実行させることが可能な制御装置とを有し、 前記ホルダーに巻き取られている前記分包袋連続体を繰り出させる際に、前記分包袋連続体と前記弛緩検知装置との距離が所定の操出指示距離以下となるまで近接した状態になったことを示す検知信号が出力されることを条件として、前記制御装置が前記分包袋連続体の繰り出し動作を停止あるいは繰り出し速度を低下させることを特徴とする操出装置。前記ホルダーが、 前記分包袋連続体が巻き付けられる筒部と、 前記筒部の両端部に設けられた一対の側板とを有し、 前記一対の側板間に亘って挿通されたピンとを有し、 前記ピンが摺動可能なガイド溝が、前記一対の側板のそれぞれに、前記筒部の外周に沿って延びるように形成されており、 前記ガイド溝に沿って前記ピンを周方向一方側に摺動させることにより、前記筒部の外周面と前記ピンとのクリアランスが小さくなり前記分包袋連続体を固定することが可能であり、 前記ピンを逆方向に摺動させることにより前記クリアランスが大きくなり、前記分包袋連続体の固定を解除することが可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の巻取装置。鑑査対象の分包袋を撮影した画像に基づき、前記分包袋内に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方を鑑査する鑑査装置に用いられ、 前記鑑査装置から排出された分包袋連続体の巻き取りを実施可能であることを特徴とする請求項1,2,4のいずれかに記載の巻取装置。前記ホルダーが、 前記分包袋連続体が巻き付けられる筒部と、 前記筒部の両端部に設けられた一対の側板とを有し、 前記一対の側板間に亘って挿通されたピンとを有し、 前記ピンが摺動可能なガイド溝が、前記一対の側板のそれぞれに、前記筒部の外周に沿って延びるように形成されており、 前記ガイド溝に沿って前記ピンを周方向一方側に摺動させることにより、前記筒部の外周面と前記ピンとのクリアランスが小さくなり前記分包袋連続体を固定することが可能であり、 前記ピンを逆方向に摺動させることにより前記クリアランスが大きくなり、前記分包袋連続体の固定を解除することが可能であることを特徴とする請求項3に記載の操出装置。鑑査対象の分包袋を撮影した画像に基づき、前記分包袋内に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方を鑑査する鑑査装置に用いられ、 前記鑑査装置から排出された分包袋連続体の巻き取りを実施可能であることを特徴とする請求項3又は6に記載の操出装置。

说明书全文

本発明は、薬剤の数量を鑑査するための薬剤鑑査装置、及び当該薬剤鑑査装置を備えた薬剤分包装置に関する。また、本発明は、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体をロール状に保持可能なホルダー、及びこれを備えた巻取装置、操出装置に関する。

従来、下記特許文献1に開示されているような薬剤払出装置が提供されている。下記特許文献1に開示されている薬剤払出装置では、粒状やカプセル状などの形状の固形薬剤を一包分ずつ分包紙に分包し、供給することが可能とされている。また、下記特許文献1に係る薬剤払出装置では、分包紙に分包された状態において固形薬剤を撮像し、これにより得られた画像に基づいて固形薬剤の数量を鑑査することができる構成とされている。

また、下記特許文献2の錠数判別装置や、下記特許文献3の物品分包機のように、薬剤を分包した後に実施される画像による鑑査の結果に基づき、何らかのマーキングや印字等を施すようにしたものがある。

特開平7−200770号公報

特開平4−17664号公報

特開平10−35626号公報

上記特許文献2の錠数判別装置では、錠数の判別結果を分包袋の適宜の箇所にマーキングすることとされているが、マーキングの際の衝撃等により分包袋や薬剤が破損することにまで配慮がなされていない。また、特許文献3の物品分包機についても、判定結果に基づいて既定のマークを分包紙に印字する構成とされているものの、分包袋や薬剤の破損等にまで十分な配慮が及んだものではない。

上述した課題を解決すべく、本発明は、分包袋や薬剤の破損等を抑制しつつ、鑑査結果を適切に出可能な薬剤鑑査システムの提供を目的とした。

上述した課題を解決すべく薬剤鑑査システムは、鑑査対象の分包袋を撮影した画像に基づき、前記分包袋内に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方を鑑査する鑑査装置と、前記鑑査装置による鑑査結果を前記分包袋に記すマーキング装置とを有し、前記分包袋が、分包紙の重複部分を圧着させて形成されたシール部を有し、前記マーキング装置により、前記鑑査結果を示す印が、前記シール部に出力されることを特徴とするものとすることができる。

上述した薬剤鑑査システムでは、圧着により形成されたシール部に対し、鑑査結果を示す印をマーキング装置によって出力することができる。すなわち、分包袋において薬剤が収容されている領域を外れた位置にあるシール部に鑑査結果を示す印が付される。これにより、印を付す際の衝撃により分包袋や薬剤が破損することを防止できる。また、シール部は、分包紙を重複させて圧着した部分であるため、他の部位よりも強度が高く、印を出力しやすい。そのため、上述した薬剤鑑査システムによれば、鑑査結果を示す印を確実に付すことが可能となる。

上述した上述した薬剤鑑査システムは、前記シール部が、圧着により形成された点状のシール痕を多数有するものである場合に好適である。

上述した薬剤鑑査システムでは、圧着により形成された点状のシール痕を多数有するシール部に対し、鑑査結果を示す印をマーキング装置によって出力することができる。すなわち、上述した薬剤鑑査システムでは、シール痕が形成されて表面が粗くなったシール部に対して印を出力するため、印の出力に用いるインク等が入り込み、摩擦等では簡単に消えない状態になる。従って、上述した薬剤鑑査システムによれば、鑑査結果を示す印が、摩擦等によって消える等の不具合を防止できる。

また、上述した薬剤鑑査システムでは、多数のシール痕が形成されたシール部に対し、マーキング装置により点状の印を付すこととしている。そのため、マーキング装置によって付された点状の印は、シール部において突出して目立った状態にならないものの、チェックする薬剤師等のオペレータにとっては十分判別可能な状態となる。従って、上述した薬剤鑑査システムによれば、分包袋の外観が損なわれることを防止しつつ、オペレータがチェックするには十分な状態となるように鑑査結果を示す印を付することが可能となる。

上述した上述した薬剤鑑査システムは、前記鑑査結果が不良であることを条件として、前記マーキング装置により前記シール部に印が出力されるものであることが望ましい。

かかる構成とすることにより、画像鑑査装置で鑑査し、鑑査結果が不良であるものを大量の帯の中から見つけ出す作業を簡便なものとし、作業効率を向上させることができる。また、シール部に印を出力することにより、少なくとも印の有無を作業者が目視により監査するまでの期間に亘って、印が消えてしまうことを防止できる。これに加えて、上述した構成とすることにより、マーキング装置によりシール部に印を付す頻度を最小限に抑制し、処理速度を高速化することができる。

上述した薬剤鑑査システムは、空の分包袋に続き、処方に則って薬剤を分包した複数の分包袋が連続的に形成された分包袋連続体を前記鑑査装置に供給することにより、前記分包袋連続体をなす各分包袋について鑑査可能とされており、前記鑑査結果を示す印とは異なる印が、前記空の分包袋に出力されるものであることが好ましい。

上述したように空の分包袋に対して鑑査結果を示すものとは異なる印を出力することにより、この印の有無に基づいてマーキング装置の動作チェックを行うことが可能となる。また、空の分包袋に印が付されていることを条件として、この空の分包袋を含む一連の分包袋連続体をなす各分包袋についての鑑査を行ったとの判断を行うことが可能となる。

上述した薬剤鑑査システムは、前記空の分包袋に出力される印の存否を識別可能な識別装置が設けられており、前記空の分包袋に出力される印が前記識別装置により識別されないことを条件として、マーキング装置において動作不良が生じているものと判定されるものであってもよい。

かかる構成とすることにより、マーキング装置の動作不良をオペレータの視認等によることなく判定することが可能となる。

上述した薬剤鑑査システムは、前記マーキング装置が、熱を付与することにより視認不可能な状態にすることが可能なインクにより前記鑑査結果を出力するものとすることが好ましい。

かかる構成とした場合、患者に対して分包袋を渡す前にマーキング装置によって分包袋に付与された印を見えない状態としたい場合に、熱を付与することによって印が見えない状態にすることができる。

上述した薬剤鑑査システムは、処方に則って薬剤を一包分ずつ分包可能な薬剤分包装置、及び前記鑑査装置の間を、前記分包袋を受け渡し可能に接続する受渡部が設けられたものであることが望ましい。

かかる構成とした場合、薬剤分包装置で薬剤を分包して形成された分包袋を、受渡部を介して順次鑑査装置に供給し、鑑査することができる。このような構成とすることにより、薬剤の分包から鑑査までを連続フローとして実施可能となり、一連の業務に要する手間や時間を最小限に抑制することができる。

また、上述した薬剤鑑査システムは、前記鑑査装置が、鑑査対象の薬剤を収容した分包袋が配置される鑑査部と、前記鑑査部に配置された分包袋を撮影する撮影装置とを有し、前記撮影装置によって鑑査部を撮影した画像中に、撮影装置自身が写り込んでいることを条件として、前記鑑査部における分包袋が存在していないとの判定を行うことを特徴とするものであることが望ましい。

かかる構成とすることにより、鑑査部における分包袋の存否を容易かつ適確に把握することが可能となる。

上述した薬剤鑑査システムは、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の状態で供給された薬剤につき、各分包袋毎に鑑査可能なものであり、鑑査対象の薬剤を収容した分包袋が配置される鑑査部と、前記鑑査部を通過する搬送経路で前記分包袋連続体を搬送可能な搬送装置を有し、前記搬送装置が、前記分包袋連続体の搬送方向に沿う方向に延びる搬送幅調整部材を有し、搬送幅調整部材を搬送方向に対して交差する方向に移動させることにより、前記搬送装置において前記分包袋連続体の搬送に供する搬送領域の幅を調整可能であることを特徴とするものである。

かかる構成とすることにより、鑑査対象として供給される分包袋連続体の幅が場合によって相違するようなケースにおいても、供給される分包袋連続体の幅に合わせて搬送経路幅を変更することが可能となる。これにより、分包袋連続体を鑑査部に対して略真っ直ぐに供給することが可能となり、鑑査精度の向上が見込める。すなわち、上述した薬剤鑑査システムは、様々な幅の分包袋連続体に対応して鑑査することが可能である。また、上述した構成によれば、分包袋連続体が予期せぬ方向に搬送され、装置内において詰まる等の搬送不良及びこれに伴う副次的な問題を防止できる。

上述した薬剤鑑査システムは、前記搬送幅調整部材が、板体によって形成されており、前記搬送装置が、前記搬送幅調整部材を差し込み可能な差込溝を幅方向に複数有し、当該差込溝に前記搬送幅調整部材を差し込むことにより前記分包袋連続体の搬送に供する搬送領域の幅を調整可能なものであっても良い。

かかる構成とすることにより、搬送幅調整部材を適切な場所に容易かつ確実に位置決め固定することが可能となる。また、搬送装置に差込溝を設け、搬送幅調整部材を準備するだけで搬送装置に大幅な改造等を施すことなく様々な幅の分包袋連続体に対応可能となり、ユーザーレベルでの幅調整作業が可能となる。

また、上述した薬剤鑑査システムは、鑑査対象の薬剤を収容した分包袋が配置される鑑査部と、前記鑑査部に配置された分包袋を撮影する撮影装置と、前記鑑査部を前記撮影装置側から照射可能な正面側照明装置と、前記鑑査部を前記撮影装置とは反対側から照射可能な背面側照明装置とを有し、前記正面側照明装置をオン状態とすると共に前記背面側照明装置をオフ状態として前記撮影装置により撮影した正面照明画像、及び前記正面側照明装置をオフ状態とすると共に前記背面側照明装置をオン状態として前記撮影装置により撮影した背面照明画像を用いて前記鑑査部における分包袋の存否を判定する袋切れ判定処理を実施可能なものであり、前記袋切れ判定処理が、背面側照明画像から得られた輝度情報に基づいて搬送幅調整部材が設置されている領域を検出する仕切領域検出工程と、前記仕切領域検出工程によって検出された搬送幅調整部材の設置領域を境界として分割された領域のうち、いずれの領域が鑑査対象の分包袋連続体が供給される領域であるかを特定する鑑査領域特定工程と、前記正面照明画像から得られた輝度情報から、所定の輝度よりも低輝度である低輝度領域を抽出する低輝度領域抽出工程と、前記背面照明画像において前記小領域排除工程において導出された所定の大きさ以上の領域に相当する領域内の輝度が、所定の基準輝度よりも高いことを条件として袋切れ状態であるとの判定を行う判定工程とを有することを特徴とするものであっても良い。

上述した薬剤鑑査システムによれば、袋切れ判定処理を実行することにより、搬送幅調整部材が設置されている場合であっても、鑑査部における分包袋の有無を正確かつ適確に把握することができる。

また、上述した薬剤鑑査システムにおいては、仕切領域検出工程で搬送幅調整部材の設置領域を検出し、鑑査領域特定工程において鑑査領域を特定した後、正面照明画像から得られた輝度情報に基づいて低輝度領域抽出工程及び小領域排除工程を実行し、分包袋の存否を判定するための領域を絞り込むことができる。また、このようにして絞り込まれた領域を背面照明画像に適用し、この領域内の輝度と所定の基準輝度との高低に応じて袋切れ状態であるか否かの判定を行うことができる。従って、上述した薬剤鑑査システムによれば、他のセンサ等を設けることなく鑑査に用いられる撮影装置等を有効利用して鑑査部における分包袋の有無を確認することができる。

また、本発明の巻取装置は、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の巻き取り動作を実行可能な巻取装置であって、前記分包袋連続体をロール状に巻き取り可能なホルダーと、前記ホルダーを軸心位置を中心として前記分包袋連続体を巻き取る方向に回転させることが可能な動作部と、前記ホルダーに対して下方において前記ホルダーに巻き取られている分包袋連続体との距離に応じて検知信号を出力可能な弛緩検知装置と、前記動作部に対して動作指令を出力することにより、前記ホルダーに対する分包袋連続体の巻き取り動作を実行させることが可能な制御装置とを有し、前記ホルダーに対して前記分包袋連続体を巻き取る際に、前記分包袋連続体と前記弛緩検知装置との距離が所定の巻取指示距離以下となるまで近接した状態になったことを示す検知信号が出力されることを条件として、前記制御装置が前記分包袋連続体の巻き取り動作を進行させることを特徴とするものである。

本発明の巻取装置において取り扱う分包袋連続体は、薬剤を分包した分包袋が連続したものである。そのため、分包袋連続体の巻取装置は、巻き取り動作を行う場合には、分包袋連続体に対して過度に大きな力が作用しないよう、緩やかに作動するものであることが望ましい。かかる知見に基づき、本発明の巻取装置においては、ホルダーに対して前記分包袋連続体を巻き取る際に、分包袋連続体と前記検知装置との距離が所定の巻取指示距離以下となるまで近接した状態になったことを示す検知信号が前記弛緩検知装置から出力された状態において分包袋連続体の巻き取り動作を進行させることとしている。言い換えれば、分包袋連続体がホルダーから一定量垂れ下がった状態、具体的には分包紙連続体に過度に大きな力を作用させることなく、かつ過度に緩い状態となり過ぎない状態で分包紙連続体の巻き取り動作を実施することができる。これにより、分包袋連続体に対して過度に大きな力を作用させることなく、ホルダーに対して分包袋連続体を巻き取る作業をスムーズに実施することができる。

また、本発明の巻取装置は、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の巻き取り動作を実行可能な巻取装置であって、前記分包袋連続体をロール状に巻き取り可能なホルダーと、前記ホルダーを軸心位置を中心として前記分包袋連続体を巻き取る方向に回転させることが可能な動作部と、ホルダーに対して分包袋連続体の巻き取り径方向に離れた位置に配置され、ホルダーに巻き取られた分包袋連続体との距離に応じて検知信号を出力可能な巻取状態検知装置と、前記動作部に対して動作指令を出力することにより、前記ホルダーに対する分包袋連続体の巻き取り動作を実行させることが可能な制御装置とを有し、前記巻取状態検知手段と分包袋連続体との距離が所定の巻取上限距離以下になったことを示す検知信号が出力されることを条件として、前記制御装置が巻き取り動作を停止させることを特徴とするものである。

かかる構成によれば、ホルダーに対して巻き取られた分包袋連続体が巻き取り可能な上限量に達したことを確実に検知し、適切なタイミングで巻き取り動作を停止させることが可能となる。

また、本発明の操出装置は、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体をロール状に保持可能なホルダーと、前記ホルダーを軸心位置を中心として前記分包袋連続体を繰り出す方向に回転させることが可能な動作部と、前記ホルダーに対して下方において前記ホルダーに巻き取られている分包袋連続体との距離に応じて検知信号を出力可能な弛緩検知装置と、前記動作部に対して動作指令を出力することにより、前記ホルダーにおける分包袋連続体の繰り出し動作を実行させることが可能な制御装置とを有し、前記ホルダーに巻き取られている前記分包袋連続体を繰り出させる際に、前記分包袋連続体と前記弛緩検知装置との距離が所定の操出指示距離以下となるまで近接した状態になったことを示す検知信号が出力されることを条件として、前記制御装置が前記分包袋連続体の繰り出し動作を停止あるいは繰り出し速度を低下させることを特徴とするものである。

本発明の操出装置においては、ホルダーに巻き取られている分包袋連続体を繰り出させる際に、分包袋連続体と前記検知装置との距離が所定の操出指示距離以下となるまで近接した状態、すなわち繰り出し速度が早く分包袋連続体がホルダーから垂れ下がった状態になると、分包袋連続体の繰り出し動作を停止あるいは繰り出し速度を低下させることとしている。そのため、本発明の操出装置によれば、分包袋連続体の繰り出し速度を最適なものとすることができる。

なお、上述した本発明の巻取装置及び操出装置は、それぞれ別々の装置とすることも可能であるが、ホルダー、動作部、及び弛緩検知装置等の共通する構成を共用することにより単一の装置(巻取操出装置)とすることも可能である。

また、本発明のホルダーは、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体をロール状に保持可能なホルダーであって、前記分包袋連続体が巻き付けられる筒部と、前記筒部の両端部に設けられた一対の側板とを有し、前記一対の側板間に亘って挿通されたピンとを有し、前記ピンが摺動可能なガイド溝が、前記一対の側板のそれぞれに、前記筒部の外周に沿って延びるように形成されており、前記ガイド溝に沿って前記ピンを周方向一方側に摺動させることにより、前記筒部の外周面と前記ピンとのクリアランスが小さくなり前記分包袋連続体を固定することが可能であり、前記ピンを逆方向に摺動させることにより前記クリアランスが大きくなり、前記分包袋連続体の固定を解除することが可能であることを特徴とするものである。

かかる構成よれば、筒部に対して分包袋連続体を容易かつ確実に巻き付けることが可能なホルダーを提供することができる。また、分包袋連続体の繰り出しの際に作用する力によりピンが固定解除方向に向けて自然に摺動可能なものとすることにより、常に最適な張力を保ちながら分包袋連続体を繰り出してゆき、適切なタイミングで自然にホルダーから分包袋連続体の最終端の固定を解除することが可能となる。これにより、ピンの摺動作業を手動で行うことなく、分包袋連続体の繰り出し動作を完了させることが可能となる。

本発明の薬剤鑑査システムは、上述した本発明の巻取装置、及び/又は操出装置と、巻取操出装置と、鑑査対象の分包袋を撮影した画像に基づき、前記分包袋内に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方を鑑査する鑑査装置とを備えており、前記鑑査装置に対する分包袋連続体の供給、及び前記鑑査装置から排出された分包袋連続体の巻き取りのいずれか一方又は双方を前記巻取操出装置が実施可能であることを特徴とするものであっても良い。

本発明の薬剤鑑査システムにおいては、上述した巻取装置や操出装置を用いて鑑査装置に対する分包袋連続体の供給や鑑査装置から排出された分包袋連続体の巻き取りを実施することができる。これにより、鑑査装置における分包袋連続体の鑑査作業の利便性を向上させることが可能となる。

ここで薬剤鑑査システムの鑑査精度を向上させるためには、鑑査対象である分包袋を精度良く位置決めして配置できるようにすることが望ましい。また、分包袋連続体をなす分包袋の長さが分包毎に相違している場合には、一包分の鑑査が終わる毎に所定長さだけ分包袋連続体を進めるような対応を行うだけでは鑑査対象である分包袋を鑑査に適した位置に精度良く配置できない。従って、長さの異なる分包袋が混在しているような分包袋連続体を鑑査対象として供給する場合には、位置決め精度の向上がより一層重要となる。

分包袋を多数、連続的に形成した分包袋連続体の状態とされている場合には、各分包袋の間に例えばミシン目のような境界が形成されている。そのため、ミシン目等の境界を正確に把握できれば、この境界を基準とすることで、鑑査対象である分包袋の位置決め精度を向上させうると考えられる。しかしながら、分包袋連続体に形成されるミシン目等の境界は、分包袋連続体を撮影した画像に鮮明に現れないことが多い。そのため画像処理により境界の候補となるものを選定しようとすると、候補が多数導出されてしまい、適切なものを絞り込むのが困難であるという問題がある。従って、画像処理により得られた複数の境界の候補から、いかにして適切なものを選択するかが、鑑査精度の向上を図る上で重要な課題となる。

かかる課題解決のために提供される本発明の薬剤鑑査システムは、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の状態で供給された薬剤につき、各分包袋毎に鑑査可能なものであり、鑑査対象の薬剤を収容した分包袋が配置される鑑査部と、前記鑑査部に配置された分包袋を撮影する撮影装置と、鑑査対象の分包袋を撮影した画像に基づき、前記分包袋内に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方を鑑査する鑑査手段とを有し、前記分包袋連続体が、隣接する分包袋の間に前記分包袋連続体の幅方向に延びるように形成された境界を有し、鑑査対象である分包袋の長さの既定値を取得する既定値取得手段と、前記分包袋連続体を撮影した画像に基づき、鑑査対象である分包袋と、前記分包袋連続体の供給方向上流側、及び下流側に隣接する他の分包袋との境界として想定される一又は複数の境界候補をそれぞれ上流側境界候補、及び下流側境界候補として導出する境界候補導出手段と、前記上流側境界候補及び下流側境界候補についての位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記上流側境界候補及び前記下流側境界候補の組み合わせ候補のそれぞれについて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報に基づく演算を実施し、鑑査対象である分包袋の長さの候補値を導出する候補値導出手段と、前記候補値導出手段によって導出された前記候補値のうち、鑑査対象である分包袋の長さの既定値に近似したものを選定し、選定された候補値を構成する前記上流側境界候補及び前記下流側境界候補の組み合わせを、鑑査対象である分包袋の上流側及び下流側に位置する境界として定める境界規定手段とを有するものである。

本発明の薬剤鑑査システムは、分包袋連続体を撮影した画像に基づき、境界候補導出手段によって導出された上流側境界候補及び下流側境界候補の組み合わせ候補のそれぞれについて位置情報に基づく演算を実施し、鑑査対象である分包袋の長さの候補値を導出することができる。また、境界規定手段により、分包袋の長さの候補値のうち、最も鑑査対象である分包袋の長さの既定値に近似したものを選定し、選定された候補値を構成する上流側境界候補及び下流側境界候補の組み合わせを鑑査対象である分包袋をなす境界として定めることができる。これにより、鑑査対象である分包袋を、境界を基準として正確に位置決めすることが可能となり、鑑査精度をより一層向上させうる。

また、本発明の薬剤鑑査システムは、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の状態で供給された薬剤につき、各分包袋毎に鑑査可能なものであり、鑑査対象の薬剤を収容した分包袋が配置される鑑査部と、前記鑑査部に配置された分包袋を撮影する撮影装置と、鑑査対象の分包袋を撮影した画像に基づき鑑査する鑑査手段とを有し、前記分包袋連続体が、隣接する分包袋の間に前記分包袋連続体の幅方向に延びるように形成された境界を有し、鑑査対象である分包袋の長さの既定値を取得する既定値取得手段と、前記分包袋連続体を撮影した画像に基づき、鑑査対象である分包袋と他の分包袋との境界として想定される一又は複数の境界候補を導出する境界候補導出手段と、前記境界候補についての位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報に基づいて鑑査対象である分包袋の長さの候補値を導出する候補値導出手段と、前記候補値導出手段によって導出された前記候補値のうち、鑑査対象である分包袋の長さの既定値に近似したものを選定し、選定された候補値の根拠となる境界候補を、鑑査対象である分包袋の境界として定める境界規定手段とを有することを特徴とするものであっても良い。

本発明の薬剤鑑査システムは、分包紙によって一服用分毎に分包した分包袋が並んだ帯状の分包袋連続体の状態で供給された薬剤につき、各分包袋毎に鑑査可能なものであり、鑑査対象の薬剤を収容した分包袋が配置される鑑査部と、前記鑑査部に配置された分包袋を撮影する撮影装置と、鑑査対象の分包袋を撮影した画像に基づき、前記分包袋内に収容されている薬剤の数量及び種類のいずれか一方又は双方を鑑査する鑑査手段とを有し、前記分包袋連続体が、隣接する分包袋の間に前記分包袋連続体の幅方向に延びるように形成された境界を有し、鑑査対象である分包袋の長さの既定値を取得する既定値取得手段と、前記分包袋連続体を撮影した画像に基づき、鑑査対象である分包袋と、前記分包袋連続体の供給方向上流側、及び下流側に隣接する他の分包袋との境界として想定される一又は複数の境界候補をそれぞれ上流側境界候補、及び下流側境界候補として導出する境界候補導出手段と、前記上流側境界候補及び下流側境界候補についての位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記上流側境界候補及び前記下流側境界候補の組み合わせ候補のそれぞれについて、前記位置情報取得手段によって取得された位置情報に基づく演算を実施し、鑑査対象である分包袋の長さの候補値を導出する候補値導出手段と、前記候補値導出手段によって導出された前記候補値のうち、鑑査対象である分包袋の長さの既定値に近似したものを選定し、選定された候補値を構成する前記上流側境界候補及び前記下流側境界候補の組み合わせを、鑑査対象である分包袋の上流側及び下流側に位置する境界として定める境界規定手段とを有することを特徴とするものであっても良い。

本発明によれば、分包袋や薬剤の破損等を抑制しつつ、鑑査結果を適切に出力可能な薬剤鑑査システムを提供することができる。

本発明の一実施形態に係る薬剤鑑査システムを示す正面図である。

分包袋連続体の一例を示す平面図である。

鑑査装置の内部構造を示す斜視図である。

マーキング装置を鑑査装置側から見た状態を示す斜視図である。

マーキング装置の内部構造を排出側から見た状態を示す斜視図である。

(a)はマーキング装置が備えるプロット装置を示す斜視図であり、(b)は同底面図である。

図6に示すプロット装置の正面図である。

図6に示すプロット装置の背面図である。

マーキング装置が備える固定装置を示す斜視図である。

マーキング装置が備える固定装置を示す正面図である。

プロット装置の下方に配置される搬送路及び固定装置を示す斜視図である。

搬送路を側方から見た状態を示す側面図である。

薬剤鑑査システムの変形例を示す正面図である。

ペン保持機構を示す概念図であり、(a)はペン先挿入部にペン先を挿入した状態、(b)はペンにより分包袋に印を付す際の状態を示す図である。

搬送装置を示す斜視図である。

(a)は図15に示した搬送装置の平面図、(b)は搬送幅調整部材を示す正面図である。

巻取操出装置を示す斜視図である。

(a)は図17に示した巻取操出装置を示す正面図、(b)は巻取操出装置の左側面図である。

変形例に係る巻取操出装置の要部を拡大した斜視図であり、(a)は分包袋連続体の固定時の状態、(b)は分包袋連続体の着脱操作時の状態を示す。

搬送幅調整部材を設置していない場合の袋切れ判定処理に際して撮影装置によって得られる画像の一例を概念的に示した図であり(a)は分包袋が鑑査部に未到達である状態、(b)は分包袋が鑑査部に到達した状態を示す。

搬送幅調整部材を設置している場合の袋切れ判定処理に関するフローチャートである。

(a)〜(e)は、図21に示すフローチャートの各段階において取得される画像を示した画像図である。

巻取操出装置の変形例の要部を示した斜視図である。

巻取操出装置の変形例の要部を示した側面図である。

(a)は分包袋連続体の一例を示す正面図、(b)は境界選定処理の説明図である。

境界選定処理を実施可能とする制御装置の一例を示したブロック図である。

境界選定処理の処理フローを示すフローチャートである。

以下、本発明の一実施形態に係る薬剤鑑査システム10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すように、薬剤鑑査システム10は、処方に基づき作成された分包袋p内に、処方通りの数量及び種類の薬剤が包装されているか否かの鑑査を行うものである。薬剤鑑査システム10は、鑑査装置20と、マーキング装置50とを備えている。

薬剤鑑査システム10において鑑査対象となる分包袋pは、分包紙を二つ折りにして重ね合わせた後、図2に示すように外周部分に熱を加えつつ圧着する熱溶着等の手法により圧着させてシール部Sを形成し、袋状にしたものである。本実施形態の薬剤鑑査システム10では、分包袋pが多数、連続するように形成された分包袋連続体Pをなす各分包袋pについて、順次鑑査可能とされている。

分包袋連続体Pは、帯状の分包紙を幅方向略中央部において折り曲げてシール部Sを形成することにより形成されたものである。分包袋連続体Pは、全ての分包袋pに薬剤が収容されたものとすることが可能であるが、例えば図2に示すように、先頭又は後端の分包袋pのように所定位置に存在する分包袋pを薬剤を包装していない空の分包袋p(以下、「空包pe」とも称す)とすることが可能である。空包peは、患者名や薬品名、服用方法、処方日等の当該分包紙連続体Pの情報や、それらの情報を記録したバーコード等の識別標識を記すために使用することができる。また、シール部Sは、略全体に亘って表面が平滑なものとすることも可能であるが、圧着装置(図示せず)のローレット痕等の点状のシール痕を多数有する凹凸形状とされている。

鑑査装置20は、鑑査対象として供給されてきた分包袋pを撮影して得られた画像に基づいて薬剤の数量及び個数のいずれか一方又は双方を導出し、処方データと合致しているか否かの鑑査を行うための装置である。鑑査装置20は、適宜の構成とすることができるが、例えば図3に示すようなものとすることができる。具体的には、鑑査装置20は、鑑査装置本体22内に搬送装置24、撮影装置26、照明装置28、制御装置30(図1参照)等を備えている。

搬送装置24は、従来公知のベルトコンベア、ローラコンベア等によって形成することが可能である。本実施形態では、搬送装置24としてベルトコンベアが採用されている。搬送装置24は、鑑査装置本体22の一側面(図示例では右側面)に設けられた導入部36から導入された分包袋p(分包袋連続体P)を、他方の側面(図示例では左側面)に設けられた排出部38に向けて搬送することができる。また、搬送装置24は、鑑査対象の分包袋pを、搬送経路の略中央部分(鑑査装置本体22の幅方向略中央部)に設けられた鑑査部32に位置決めして停止させることができる。

撮影装置26は、鑑査部32に配置された分包袋p(薬剤)を撮影するためのものであり、鑑査部32に対向する位置(保実施形態では鉛直上方)に配置されている。また、照明装置28は、撮影装置26による撮影に際して鑑査部32を照射するためのものであり、撮影装置26と同様に鑑査部32よりも上方に配置されている。照明装置28をオン状態として撮影装置26により撮影することにより、鑑査部32に配置された分包袋内の薬剤の画像(正面照明画像)を取得することができる。

また、透光性を有する鑑査部32の下方(裏面側)には、背面照明装置29が設けられている。照明装置28をオフ状態とし、背面照明装置29をオン状態とした状態で撮影装置26で撮影することにより、鑑査部32に配置された分包袋内にある薬剤のシルエットが写った画像(バックライト画像)を取得することができる。

制御装置30は、上述した搬送装置24や撮影装置26、照明装置28、及び背面照明装置29の動作制御を実施することにより、分包袋連続体Pをなす各分包袋pを鑑査部32に位置決めした状態で撮影を実施させることができる。また、制御装置30は、撮影装置26により取得された画像に基づき、分包袋p内に収容されている薬剤の数量や個数を導出することができる。制御装置30による薬剤の数量や個数の導出方法は、適宜のものとすることができる。

また、制御装置30は、鑑査対象である各分包袋pについての画像に基づいて導出された結果と、別途設けられた薬剤分包装置200(図13参照)等から取得した処方データとを照合することにより、鑑査作業を実施することができる。制御装置30は、鑑査装置20の正面側に設けられたパネル34(図1参照)に表示する等して、オペレータに対して鑑査結果を報知することができる。また、鑑査結果を示すデータ(鑑査データ)を後に詳述するマーキング装置50に出力することができる。

マーキング装置50は、上述した鑑査装置20による鑑査結果を分包袋に記すための装置である。図1に示すように、マーキング装置50は、鑑査装置20に対して分包袋連続体P(分包袋p)の流れ方向下流側に配置されている。すなわち、マーキング装置50は、鑑査装置20に対して排出部38側(図示例では左側面)に隣接するように配置されている。

図4及び図5に示すように、マーキング装置50は、マーキング装置本体52内に搬送路54とプロット装置56と、固定装置58と、識別装置59とを備えている。図1に示すように、マーキング装置本体52は、箱形の外観形状を基調としつつ、側面52aに分包袋p(分包袋連続体P)を排出するための排出部38が膨出するように形成された形状とされている。マーキング装置本体52は、排出部38において下方に向けて開口しており、内部に導入された分包袋p(分包袋連続体P)を側面52aに沿って下方に排出させることができる。マーキング装置本体52の天面52b側には、蝶番を介して開閉可能とされた蓋部52cが設けられている。マーキング装置本体52は、蓋部52cを開くことにより後に詳述するプロット装置56に対するペン98の交換等の作業を行える。

搬送路54は、マーキング装置本体52内において鑑査装置20の排出部38に連続するように形成されている。図4や図5、図11、図12等に示すように、搬送路54は、フロア部54aと、側壁54b,54cとを有する。フロア部54aは、鑑査装置20の排出部38から排出された分包袋p(分包袋連続体P)の幅以上の平板によって形成されている。

プロット装置56は、搬送路54を通過する分包袋pに対して、ペン98によって点状のプロットを出力するための装置である。図4〜図8に示すように、プロット装置56は、動力源たるモータ62と、支持体64とを備えている。プロット装置56は、支持体64に対して第一リンク機構70及び第二リンク機構80を作動可能なように取り付けると共に、第一リンク機構70及び第二リンク機構80に対してペンホルダ90を接続した構成とされている。

図4及び図5に示すように、支持体64は、搬送路54を跨ぐように形成された構造体である。図5や図6に示すように、支持体64の天面64aには、搬送路54に対して上方側の領域に切欠64bが設けられている。これにより、ペンホルダ90が搬送路54の幅方向に移動可能とされている。また、切欠64bに対して搬送路54の幅方向一方側に隣接する位置に、モータ62が設置されている。モータ62の回転軸は、天面64aに対して上方から支持体64の内側に向けて略垂直に挿入されている。図6(b)に示すように、モータ62の回転軸には、傘歯車66が接続されている。傘歯車66は、支持体64の正面64c及び背面64dに亘って装着された第一ピン67に固定された傘歯車68と噛合している。そのため、モータ62を作動させることにより、傘歯車66,68を介して第一ピン67に伝達し、第一ピン67を回転させることができる。

第一リンク機構70は、支持体64の正面64c側において作動可能とされたリンク機構である。図5及び図7に示すように、第一リンク機構70は、正面64c側に突出した第一ピン67の突出部に接続された第一アーム71、第二ピン72を介して第一アーム71に対して接続された第二アーム73、第二アーム73に対して第三ピン74を介して接続された第三アーム75を備えている。第三アーム75の端部は、第四ピン76を介して支持体64に対して接続されている。

第一アーム71と第三アーム75は、略平行に配置されている。また、第一ピン67及び第四ピン76は、略同一の高さに設置されており、それぞれ搬送路54を介して一方側及び他方側に設けられている。第二アーム73は、搬送路54の上方側において略平に延びるように設置されている。第二アーム73の中間部分には、後に詳述するペンホルダ90の側面が固定されている。第一リンク機構70は、モータ62を作動させて第一ピン67を回転させることにより作動する。第一リンク機構70を作動させると、第二アーム73、及び第二アーム73の中間に取り付けられたペンホルダ90が上下方向への移動を伴いつつ、搬送路54の幅方向に移動する。

第二リンク機構80は、第一リンク機構70とは反対側、すなわち支持体64の背面64d側において作動可能とされたリンク機構である。図6及び図8に示すように、第二リンク機構80は、第一ピン67の背面64d側への突出部に接続された第一アーム81、第二ピン82を介して第一アーム81に対して接続された第二アーム83、第二アーム83に対して第三ピン84を介して接続された第三アーム85を備えている。第三アーム85の端部は、第四ピン86を介して支持体64に対して接続されている。また、第二アーム83の中間部分には、第五ピン87を介して第四アーム88が接続されている。第四アーム88の端部は、後に詳述するペンホルダ90の側面に対し、第六ピン89により接続されている。

第一アーム81と第三アーム85は、略平行に配置されている。また、第一ピン67及び第四ピン86は、略同一の高さに設置されており、それぞれ搬送路54を介して一方側及び他方側に設けられている。第二アーム83は、搬送路54の上方側において略水平に延びるように設置されている。第二リンク機構80は、第一リンク機構70と同様に、モータ62を作動させて第一ピン67を回転させることにより作動する。第一ピン67が回転すると、第二アーム83が、上下方向への移動を伴いつつ搬送路54の幅方向に移動する。このようにして第二アーム83を作動させることにより、第二アーム83に対して第四アーム88を介して接続されたペンホルダ90を上下方向への移動を伴いつつ、搬送路54の幅方向に移動させることができる。

ペンホルダ90は、第一リンク機構70及び第二リンク機構80に対して接続される接続部92と、接続部92に対して一体的に取り付けられた保持部94とを有する。保持部94には、上下方向に連通したペン挿通孔96が設けられており、ペン挿通孔96にペン98を挿通させて着脱自在に保持させることができる。ペン98については、いかなるものであっても良いが、例えば熱を付与することにより視認不可能な状態にすることが可能なインクを用いたものとすることが可能である。これにより、ペン98により付された印を必要に応じて消去することが可能となる。

第一リンク機構70及び第二リンク機構80によるペンホルダ90の可動範囲のうちモータ62の設置側の位置であって、ペン98の先端が到達する位置(以下、「待機位置」とも称す)には、ペン98の先端を挿入可能なペン先挿入部100が設けられている(図11参照)。これにより、ペン98が待機位置において待機している間に、ペン98の先端が乾燥することを防止することができる。また、第一リンク機構70及び第二リンク機構80によるペンホルダ90の可動範囲のうち、待機位置とは反対側にペンホルダ90を移動させると、ペン98の先端が搬送路54を通過する分包袋pのシール部Sに相当する位置(以下、「プロット位置」とも称す)に到来する。そのため、ペンホルダ90を移動させ、ペン98をプロット位置に到達させることにより、分包袋pのシール部Sにペン98によって印を付すことができる。

図4や図5、図11等に示すように、固定装置58は、搬送路54に対して隣接する位置に設けられている。固定装置58は、搬送路54における分包袋p(分包袋連続体P)の搬送方向に二基並べて設置されている。固定装置58は、ペン98によって印を付す際に、分包袋p(分包袋連続体P)を位置ズレすることなく固定しするために使用される。図9及び図10に示すように、固定装置58は、駆動源として作動するシリンダ装置110と、支持壁112と、シリンダ装置110に接続された作動片114と、作動片114を上方に付勢するバネ116とを備えている。

支持壁112は、搬送路54の側壁54bの側方において、側壁54bに対して略直交するように配置された平板状の壁面である。作動片114は、作動片本体118と、押圧部120とを有する。作動片本体118は、支持壁112に沿って配置された平板状の部材である。作動片本体118の側壁54b側の端部(以下、「先端部118a」とも称す)の下端側には、シリンダ装置110の軸110aが接続されている。また、作動片本体118は、先端部118aとは反対側の端部(以下、「基端部118b」とも称す)において、支軸118cによって支持壁112に対して回転自在に支持されている。作動片114は、バネ116によって上方に付勢されており、常時は支持壁112の上端部を折り曲げることにより形成された当接片113に当接している。作動片114は、シリンダ装置110への通電により軸110aを下方に後退させることにより、作動片本体118の先端部118aを降下させることができる。

押圧部120は、作動片本体118の先端部118aの上辺に連続するように形成された部分である。押圧部120は、略L字状に形成された押圧部本体120xと、押圧部本体120xに連続するように形成された接触部120yとに大別される。押圧部本体120xは、側壁54bを跨ぎ、搬送路54の外側から内側に向けて延び、搬送路54の内側において側壁54bに沿って上方から略鉛直下方に降下するように形成されている。

識別装置59は、搬送路54を通過する分包袋p(分包袋連続体P)に対して付される鑑査チェックを実施したものであることを示す印(以下、「チェック済マーキング」とも称す)を検出するためのセンサである。識別装置59は、チェック済マーキングを検出可能なものであればいかなるものであっても良い。図12に示すように、識別装置59は、上方から搬送路54を通過する分包袋p(分包袋連続体P)を検知可能なように設置されている。また、識別装置59は、マーキング装置50よりも下流側に配置されている。

薬剤鑑査システム10においては、上述した鑑査装置20が備える制御装置30により、マーキング装置50の各部についての動作制御も実施される。

≪薬剤鑑査システム10の動作について≫ 続いて、薬剤鑑査システム10の動作について、特徴的部分を中心に説明する。薬剤鑑査システム10は、先ず制御装置30により鑑査装置20の各部を作動させることにより、各分包袋pに包装されている薬剤の数量や種類を導出する。制御装置30は、導出された薬剤の数量や種類について、処方データと照合することにより鑑査を行う。

制御装置30は、各分包袋pの鑑査結果を適宜パネル34に表示させる。また、制御装置30は、鑑査結果が不良である場合にマーキング装置50を作動させ、鑑査不良と判定された分包袋pのシール部Sに印を付す。具体的には、鑑査不良と判定された分包袋pがマーキング装置50の搬送路54に差し掛かると、固定装置58,58が作動する。これにより、包袋pが搬送路54に固定される。その後、プロット装置56のモータ62が作動し、第一リンク機構70及び第二リンク機構80が作動する。これにより、ペンホルダ90が側壁54bを乗り越えて搬送路54側に向けて移動し、ペン98によりシール部Sにドット状の印(以下、「鑑査不良マーキング」とも称する)が付される。ペン98により鑑査不良マーキングが付されると、モータ62が逆回転し、第一リンク機構70及び第二リンク機構80が逆方向に作動する。これにより、ペンホルダ90が搬送路54から退避した状態になる。この状態においては、ペン98の先端部が、ペンホルダ90に収まり、乾燥しない状態とされる。

また、薬剤鑑査システム10においては、分包袋連続体Pの先頭に設けられる空の分包袋p(空包pe)に、鑑査結果が不良である場合に付される鑑査不良マーキングとは異なる印(チェック済マーキング)が付される。具体的には、空包peが搬送路54に差し掛かると、固定装置58,58が非作動のまま、プロット装置56が作動し、ペン98の先端部が空包peのシール部Sに接触した状態とされる。固定装置58,58が非作動であるため、空包peは、シール部Sにペン98が接触したまま下流側に進行する。そのため、シール部Sにはペン98により線状のマーキング(チェック済マーキング)が付される。チェック済みマーキングは、分包袋連続体Pが鑑査済みであることを示す印として機能するだけでなく、ペン98がインク切れ等せず使用可能な状態であることを確認するためにも使用することができる。空包peにおけるチェック済みマーキングの有無は、オペレータの視認によるだけでなく、識別装置59の検出結果に基づいて制御装置30により確認することができる。

本実施形態の薬剤鑑査システム10では、薬剤が収容されている領域を外れた位置に存在するシール部Sに対し、鑑査結果を示す印をマーキング装置50によって出力可能である。また、シール部Sは、分包紙を重ね合わせて圧着した部分であるため、薬剤が収容されている部分よりも高強度である。そのため、印を付す際の衝撃により分包袋pや薬剤が破損することを防止しつつ、印を容易かつ確実に出力できる。

分包袋pを構成するシール部Sが点状のシール痕を多数有するものである場合には、上述したようにしてマーキング装置50により点状の鑑査不良マーキングをシール部Sに付すことにより、鑑査不良マーキングが摩擦によって消える等の不具合を防止できる。また、点状のシール痕が多数形成されたシール部Sに対し、マーキング装置50により点状の鑑査不良マーキングを付すことにより、鑑査不良マーキングがシール部Sにおいて突出して目立った状態になることを防止しつつ、チェックする薬剤師等のオペレータにとっては十分判別可能な状態とすることができる。これにより、分包袋pの外観が損なわれることを防止しつつ、オペレータがチェックするには十分な状態で鑑査不良マーキングを付すことが可能となる。なお、本実施形態の薬剤鑑査システム10は、シール部Sが点状のシール痕によって構成されている等してシール部Sの表面が凹凸形状である分包袋pのみでなく、シール部Sの表面が平滑な分包袋pについても対応可能であることは言うまでもない。

本実施形態の薬剤鑑査システム10では、鑑査結果が不良であることを条件として鑑査不良マーキングをシール部Sに記すこととしており、鑑査結果が良好である場合には特に印を付さない。これにより、マーキング装置50によりシール部Sに印を付す頻度を最小限に抑制し、処理速度を高速化することができる。なお、本実施形態では、鑑査結果が不良である場合にのみマーキング装置50により印(鑑査不良マーキング)を付す例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、鑑査結果が良好である場合にも鑑査不良マーキングとは異なる印を付すようにしても良い。

また、本実施形態では、薬剤鑑査システム10により鑑査不良マーキングとして点状の印を付し、チェック済マーキングとして線状の印を付す例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、いかなる印が付されても良い。また、チェック済マーキングについては、シール部Sを外れた位置に付されても良い。

本実施形態のように分包袋連続体Pの先頭に設けられた空包peに対して鑑査結果を示すものとは異なる印(チェック済マーキング)を出力することにより、この空包peを含む一連の分包袋連続体Pをなす各分包袋pについての鑑査を行ったとの判断を行うことが可能となる。また、チェック済マーキングの有無に基づいてペン98のインク切れ等のマーキング装置50の不具合を事前に把握することが可能となる。

なお、チェック済マーキングを付す空包peは、必ずしも分包袋連続体Pの先頭に設けられたものである必要はなく、分包袋連続体Pの後端部又は中間部に設けられたものであっても良い。分包袋連続体Pの後端部又は中間部の空包peにチェック済マーキングを付す場合には、ペン98のインク切れ等の不具合を事前に把握することができないものの、鑑査済みであることの判断を容易に実施することが可能になる。

また、本実施形態では、空包peにチェック済みマーキングを付することとした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、チェック済みマーキングを付さない構成としても良い。かかる構成とすることにより、薬剤鑑査システム10の動作をより一層簡素化することが可能となる。また、空包peに付すチェック済みマーキングは上述したものに限定されるものではなく、特定の形状の型を刻印する等して形成されたものであっても良い。

本実施形態の薬剤鑑査システム10には、空包peにおけるチェック済みマーキングの存否を識別可能な識別装置59が設けられている。これにより、空包peにおいてチェック済みマーキングが検出されないことを条件として、マーキング装置50においてインク切れ等の不具合が生じていることをオペレータの視認等によることなく判定することが可能となる。なお、本実施形態では、薬剤鑑査システム10に識別装置59を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、識別装置59を設けない構成としてもよい。

上述したように、本実施形態の薬剤鑑査システム10では、マーキング装置50に取り付けられたペン98が、熱を付与することにより視認不可能な状態にすることが可能なインクにより筆記可能なものとされている。そのため、薬剤鑑査システム10による鑑査後、患者に対して分包袋pを渡す前にマーキング装置50によって分包袋pに付与された印を見えない状態としたい場合に、熱を付与することによって印が見えない状態にすることができる。なお、薬剤鑑査システム10において使用されるペン98はいかなるものであっても良く、油性又は水性のフェルトペン、ボールペン、サインペン等とすることが可能である。ペン98を紫外線等の可視光以外の光を照射することにより視認可能となるインクを用いたものとし、ペン98に付された印をブラックライト等の特別な光源の下で確認可能なものとすることも可能である。これにより、通常の環境下において患者によって分包袋pに付された印に気づかれないようにしつつ、オペレータ等が確実に視認可能な印を付することが可能となる。

上述した薬剤鑑査システム10は、鑑査装置20とマーキング装置50とを組み合わせた構成であるが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、図13に示すように、鑑査装置20に対して上流側に、処方に則って薬剤を一包分ずつ分包可能な薬剤分包装置200を配すると共に、薬剤分包装置200と鑑査装置20との間を分包袋p(分包袋連続体P)を受け渡し可能に接続した構成としても良い。また、既存の薬剤分包装置200との接続を可能とすべく、薬剤鑑査システム10に鑑査装置20と薬剤分包装置200とを繋ぐ受渡部210を設けた構成とすることも可能である。このようにして鑑査装置20と薬剤分包装置200との間で分包袋p(分包袋連続体P)を受け渡し可能とすることにより、薬剤の分包から鑑査までを連続フローとして実施可能となり、一連の業務に要する手間や時間を最小限に抑制することができる。

また、薬剤鑑査システム10を薬剤分包装置200と連携動作可能とした場合には、鑑査結果が不良である分包袋pを特定し、この分包袋pに相当する再分包作業を自動で行うよう、制御装置30から薬剤分包装置200に対して動作指令を出力するようにしても良い。また、オペレータが目視により分包不良であると判断した場合に、その分包袋pを特定することにより、分包不良とされた分について薬剤分包装置200により再度分包作業を実施するようにしても良い。かかる構成とすることにより、マーキング装置50において鑑査結果が不良である分包袋pに対して鑑査不良マーキングを施して注意喚起することに加え、鑑査不良と判断されたものについて自動で再分包することが可能となり、より一層利便性が向上する。

また、鑑査装置20により自動的になされる鑑査結果、あるいはオペレータの目視監査により分包不良と判断された分包袋pが存在する場合に、分包不良である分包袋pが存在する旨を示すジャーナル紙を出力するようにしても良い。また、分包不良である分包袋pの存在を示すジャーナル紙を出力する場合には、バーコード等の識別記号を用いる等して分包不良と判断された分包袋pを特定可能とし、印字された識別記号等を薬剤分包装置200側において読み込むことにより分包不良であった分包袋pについて再度分包するようにしても良い。かかる構成とすることにより、マーキング装置50において鑑査結果が不良である分包袋pに対して鑑査不良マーキングを施して注意喚起するだけでなく、鑑査不良と判断されたものについての再分包作業の利便性を向上させることが可能となる。

また、上述したようにジャーナル紙に印刷された情報に基づき再分包を行わせるようにする場合であって、再分包する薬剤が薬剤分包装置200の本体に常時収容されていない薬剤を、手動によって薬剤を供給する装置(いわゆる手撒装置220(図13参照)等)を利用して薬剤を供給する場合には、前述した手撒装置220における薬剤の撒き位置をジャーナル紙に印刷することが可能となる。具体的には、図13(b)に示すように、手撒装置220には、手撒マス222が複数設けられており、手動により所定の手撒マス222に薬剤を投入することにより、薬剤を分包用として1包分ずつ払い出させることができる。そのため、薬剤の撒き位置をジャーナル紙に印刷しておくことにより、手動による薬剤の供給作業がスムーズに行えるようになり、供給作業におけるミスも防止できる。さらに、薬剤分包装置200が薬剤の自動払出だけでなく手動による払い出しにも対応した装置である場合に、手動により払い出すべき薬剤についてジャーナルに印字することや、薬剤分包装置200が備える表示装置に表示する等して報知できる。従って、前述したような構成とすることにより、再分包すべき薬剤に手動による払い出しを行わねばならないものがが含まれている場合についても利便性を向上させることができる。

上述したように、マーキング装置50においては、ペン98のインクが乾燥することを防止すべく、搬送路54の側方にペン先挿入部100を設け、マーキングの待機期間中にペン98の先端をペン先挿入部100に挿入することとしている。さらにペン98の乾燥を防止するためには、ペン98をペン先挿入部100に対して押し込む方向(図中上方から下方)に押圧力を作用させることが可能な機構等を設けることが望ましい。また、ペン98により分包袋pに印を付す際に、分包袋p側への押圧力が過度に高くなると、ペン98の先端(ペン先)がつぶれてしまう可能性がある。

上述した問題を解消すべく、例えば図14に示すようなペン保持機構130を設けた構成としても良い。具体的には、ペン保持機構130は、ペンキャップ132と、キャップ受部材134と、天板136と、バネ138とを有する。ペンキャップ132は、ペン98の後端部(図中の上端側の端部)に嵌め込まれるキャップ状の部材である。ペンキャップ132は、一端側がペン98を挿入可能なように開口し、他端側が閉塞された有底の筒体である。ペンキャップ132の開口端側には、径方向外側に向けて張り出したフランジ部132aが設けられている。

また、キャップ受部材134は、ペンキャップ132を挿入可能な筒体である。キャップ受部材134は、ペンホルダ90の側方から上方に立ち上がるように設けられた板体140に対して固定されている。これにより、ペンホルダ90の略真上であって所定の距離だけ離れた位置にキャップ受部材134が固定されている。

キャップ受部材134は、その一端側(図中下端側)の略中心部に、ペン98を挿入可能な開口径の孔134aを有する。また、キャップ受部材134の他端側(図中上端側)は開口している。キャップ受部材134の内側には、ペンキャップ132がフランジ部132aを下方に向けて挿入されている。これにより、キャップ受部材134の孔134aが、ペンキャップ132の開口部と連通した状態になり、孔134aを介してペン98の後端部を差し込むことが可能となる。

天板136は、キャップ受部材134の天面側を覆うように取り付けられている。天板136には、開口136aが設けられている。開口136aの開口径は、上述したペンキャップ132をなす筒状の部分の外径と同等以上であって、フランジ部132aの外径よりも小さい。天板136は、開口136aをペンキャップ132の筒状部が通過可能なように位置決めされ、板体140に対して固定されている。

バネ138は、ペンキャップ132をなす筒状の部分の外周を包囲するように装着されている。バネ138は、天板136とペンキャップ132のフランジ部132aとの間に存在している。そのため、バネ138の付勢力により、ペンキャップ132は下方に向けて付勢されている。

ペン保持機構130は、上述したような構成とされており、これにペン98の後端部が装着されている。すなわち、ペンホルダ90に装着されたペン98の後端部が、キャップ受部材134の孔134aを介してペンキャップ132内に差し込まれている。そのため、ペン98は、バネ138の付勢力により下方に向けて付勢された状態になっている。従って、図14(a)に示すように、ペン98の先端部をペン先挿入部100に挿入すると、ペン98の先端部がしっかりとペン先挿入部100内に押し込まれた状態になり、ペン98を乾燥から保護することができる。

一方、ペン98により分包袋pに印を付す際には、図14(b)に矢印Fで示すように、プロット装置56が上方から分包袋pに向けて下降し、ペン98から分包袋pに押圧力が作用する。これに伴い、図14(b)に矢印Rで示すように、分包袋p側からペン98側に反力が作用する。ペン98に反力が作用すると、バネ138の付勢力に反してペンキャップ132及びペン98が上方に向けてスライドし、バネ138が圧縮される。このように、ペン保持機構130を設けることによりペン98から分包袋p側に与える押圧力に応じてペン98を上方に逃がし、ペン98の先端部(ペン先)が連続使用によって潰れるのを防止することができる。

≪搬送装置の変形例≫ 上述したように、薬剤鑑査システム10においては、鑑査装置20に搬送装置24が設けられている。鑑査装置20における鑑査精度を向上させるためには、分包袋p(分包袋連続体P)が略真っ直ぐに搬送されることが望ましい。また、分包袋p(分包袋連続体P)を略真っ直ぐに搬送可能とするためには、搬送装置24において構成される搬送経路の幅は、分包袋p(分包袋連続体P)の幅に合わせて作成されることが好ましい。

ここで、分包袋p(分包袋連続体P)の幅がいかなる場合においても一定であると想定される場合には、上述した搬送装置24のように搬送経路幅が固定されていても良い。しかしながら、鑑査対象として供給される分包袋p(分包袋連続体P)の幅が場合によって相違する場合には、供給される分包袋p(分包袋連続体P)の幅に合わせて搬送経路幅を可変としておくことが望ましい。すなわち、上述した搬送装置24に代えて分包袋連続体Pの搬送に供する搬送領域の幅を調整可能とした搬送装置を採用することが望ましい。

上述したように搬送経路幅を可変とするためには、搬送装置24に代えて、例えば図15及び図16(a)に示すような搬送装置100を採用することが可能である。以下、搬送装置100の構成について具体的に説明する。搬送装置100は、複数のローラ102を略平行に配置してフレーム104に取り付けた構成のコンベアである。複数設けられたローラ102のうち一部は、図示しないモータから動力を受けて回動可能とされている。また、隣接するローラ102,102間に亘ってベルト106が懸架されている。そのため、モータに接続されたローラ102が回動すると、他のローラ102が連動して回動する。また、フレーム104には、差込溝108が搬送方向に対して交差(本実施形態では略直交)する方向、すなわち幅方向に複数設けられている。搬送装置100により構成される搬送経路(搬送面)の高さは、鑑査部32の表面と略同一とされている。

搬送装置100は、上述したようなコンベアの構成に加えて、図16(b)に示すような搬送幅調整部材110を備えている点に特徴を有している。具体的には、搬送装置100は、搬送方向に対して交差する方向(幅方向)に搬送幅調整部材110を適宜移動させて位置決めすることにより、分包袋連続体Pの搬送に供する搬送領域の幅を調整可能としたものである。搬送幅調整部材110は、金属板等の板体によって形成された部材である。図15に示すように、搬送幅調整部材110は、略垂直に起立させた状態で使用される。

搬送幅調整部材110は、使用状態において下辺となる部分に、差込部112を有する。差込部112は、フレーム104に設けられている差込溝108に対して差し込み可能なように突出している。また、搬送幅調整部材110の下辺側であって、長手方向中間部、すなわち鑑査部32に対応する位置には、切欠114が設けられている。これにより、搬送幅調整部材110は、差込部112をフレーム104の幅方向中間部に存在する差込溝108に差し込むことで、鑑査部32との干渉を回避しつつ、搬送経路(搬送面)を幅方向の中間部分において分包袋連続体Pの搬送に供する搬送領域(図16(a)において搬送幅調整部材110よりも下方側の領域)と、搬送に供しない領域(図16(a)において搬送幅調整部材110よりも上方側の領域)とに分割することができる。また、フレーム104の側面近傍に設けられた差込溝108に差込部112を差し込んで搬送幅調整部材110をセットすることにより、搬送経路(搬送面)の略全体を分包袋連続体Pの搬送に供する搬送領域として利用することが可能となる。

薬剤鑑査システム10において、搬送装置24に代えて上述したような搬送装置100を用いることにより、分包袋p(分包袋連続体P)の幅に合わせて搬送経路の幅を調整することが可能となる。これにより、分包袋p(分包袋連続体P)を略真っ直ぐに搬送させることが可能となり、鑑査装置20における鑑査精度の向上に資することが可能となる。

上述した搬送装置100において採用されている搬送幅調整部材110を用いた搬送経路幅の切り替え構造については、本発明の一実施形態を示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。具体的には、上述した搬送装置100は、差込溝108に対する差込部112の抜き差しにより搬送幅調整部材110を位置決め固定するものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、搬送幅調整部材110の位置を調整するための位置調整機構等を設けた構成としても良い。

≪袋切れ判定について≫ 袋切れ判定処理は、鑑査部32における分包袋の有無を判定するために実施される判定処理である。具体的には、袋切れ判定処理は、鑑査対象である分包袋が鑑査部32に到達したか否かの検知のために使用される。また、袋切れ判定処理は、分包袋連続体Pとして、処方の異なる分包袋を中途に設けた空包を介して連続するように形成されたものが供給される可能性がある場合に、鑑査を終了しても良いのか否かを見極めるためにも使用される。本実施形態の薬剤鑑査システム10においては、搬送幅調整部材110を設置しているか否かによって異なる方法で袋切れ判定を行っている。以下、それぞれの場合について説明する。

<搬送幅調整部材110を設置していない場合の袋切れ判定処理> 搬送幅調整部材110を設置していない場合には、袋切れ判定処理は、撮影装置40によって鑑査部32を写した画像中に、撮影装置40自身が写り込んでいるか否かを基準として、分包袋が鑑査部32に到達しているか否かを判定することにより実施できる。具体的には、鑑査部32の台上に分包袋が未到達である場合には、図20(a)に示すように鑑査部32に相当する領域(鑑査部相当領域α)が略真っ黒に写った画像が得られる。この画像中において、撮影装置40の直下に相当する領域には、撮影装置40自身の像が周囲よりも一際暗い領域(撮影装置像領域β)として写る。そのため、鑑査部相当領域α内に撮影装置像領域βの存在が確認されたことを条件として、制御装置60は、分包袋が鑑査部32に到達していないものと判定する。

一方、鑑査部32の台上に分包袋が到達している場合には、図20(b)に示すように、分包袋の像(分包袋像γ)が写った状態になり、撮影装置像領域βが見えなくなる。そのため、撮影装置像領域βの存在が確認できない状態になったことを条件として、制御装置60は、分包袋が鑑査部32に到達しているものと判定する。

上述したようにして撮影装置40により得られる画像中における撮影装置像領域βの有無を基準として分包袋が到達しているか否かを判定することにより、画像鑑査用として設けられた撮影装置40を分包袋の到達判定にも有効利用することができる。これにより、別途センサ等を設ける必要がなくなり、装置構成をより一層シンプルなものとすることができる。

<搬送幅調整部材110を設置している場合の袋切れ判定処理> 続いて、搬送幅調整部材110を設置している場合の袋切れ判定について説明する。搬送幅調整部材110が設置されている場合には、図21に示すようなフローチャートに則って袋切れ判定がなされる。すなわち、先ずステップ1の仕切領域検出工程において、バックライト画像(背面側証明画像)から搬送幅調整部材110の設置領域を検出する画像処理がなされる(図22(a)参照)。ここで、バックライト画像とは、上述したように照明装置28をオフ状態とし、背面照明装置29をオン状態とした状態で撮影装置26で撮影して得られた画像である。また、本実施形態では、背面照明装置29として赤色に発光するものが用いられている。そこで、本実施形態では、バックライト画像をRGB分解した後、Rチャンネルの低輝度領域を抽出する。その後、オープニング処理を施すことにより、左端から右端へと連続している領域以外を除去する。これにより、バックライト画像から搬送幅調整部材110の設置領域を検出することができる。

その後、ステップ2の鑑査領域特定工程において搬送幅調整部材110により分割された領域のうち、いずれの領域が鑑査対象の分包袋連続体が供給される領域(鑑査領域)であるかの確認がなされる(図22(b)参照)。本実施形態の薬剤鑑査システム10では、鑑査領域をいずれにするかを予めユーザーが選択し、登録可能とされている。そのため、ステップ2においては、搬送幅調整部材110に対して上下いずれの領域が鑑査領域として選択されているかが確認される。図22(b)の例においては、搬送幅調整部材110の情報の領域が鑑査領域として選択されている。

ステップ2で鑑査領域の確認が終了すると、ステップ3の低輝度領域抽出工程において、正面照明画像に含まれている所定の輝度よりも低輝度の領域が導出される。ここで、上述したように正面照明画像は、照明装置28をオン状態として撮影装置26により撮影して得られた画像である。本実施形態では、正面照明画像を変換して明るさに関するチャンネル画像を取得し、このチャンネル画像に含まれている低輝度領域を導出する。明るさに関するチャンネル画像を取得する方法としては、Lab変換やHSV変換等の方法を採用できる。本実施形態では、正面照明画像をLab変換して得られたLチャンネル画像(明るさに関するチャンネル画像)を取得し、このLチャンネル画像における予め規定されている輝度閾値よりも低輝度の領域を抽出する。本実施形態では、図22(c)に示す画像において、搬送幅調整部材110に相当する位置よりも上方に存在する濃灰色の領域が低輝度領域として導出される。

ステップ3で低輝度領域の抽出が完了すると、ステップ4において小領域排除工程において低輝度かつ所定の大きさよりも大きな領域を導出する。本工程は、分包袋の存在に起因する低輝度領域の大きさに対し、黒色あるいは暗色の薬剤に起因する低輝度領域の大きさが小さいことに着目したものであり、後者の薬剤に起因する低輝度領域が誤抽出されることを防止するための工程である。本工程では、オープニング処理により所定の面積よりも大きな低輝度領域を抽出する。本実施形態では、図22(d)に示す画像において、搬送幅調整部材110に相当する位置よりも上方に存在する濃灰色の領域が低輝度大領域として抽出される。なお、オープニング処理の高さ方向のサイズは、上記ステップ2において導出した鑑査領域の高さを基準にして決定される。また、本工程における領域の大きさに関する閾値については、薬剤に起因する低輝度領域として想定される大きさを基準として決定することが可能である。

ステップ4において低輝度かつ所定の大きさよりも大きな領域が導出されると、その後ステップ5の判定工程においてバックライト画像のRチャンネル画像から、鑑査領域の中心付近の領域(確認用領域)に所定の輝度よりも低輝度な領域が存在していないかの確認がなされる。確認用領域は、鑑査領域の幅方向略中央部であって、領域幅の約60%分の幅相当分の大きさに設定された領域である。確認用領域の幅は適宜設定することが可能であるが、鑑査部32から外れた位置にある分包袋の切れ端等が写り込むことにより誤判定が生じるのを防止できるよう調整することが望ましい。本実施形態においては、図22(e)において矩形によって囲まれた領域が、確認用領域として選択される。

確認用領域に分包袋が存在する場合には、分包袋によって背面照明装置29による光が遮られる分だけ、バックライト画像における確認用領域の輝度が分包袋が存在しない場合よりも低くなる。そのため、ステップ5においては、分包袋が存在する場合を基準として予め設定された基準輝度に対し、バックライト画像における確認用領域の輝度が高いか否かによって分包袋の存否、すなわち袋切れ状態であるか否かについての確認をすることができる。すなわち、確認用領域の輝度が、基準輝度よりも高い場合には袋切れ状態であり、基準輝度以下である場合には分包袋が鑑査部32に存在するとの判定を行う。

上述したような袋切れ判定方法によれば、搬送幅調整部材110を設置している場合であっても鑑査部32における分包袋の存否を正確に把握することができる。また、上述した袋切れ判定方法を採用することにより、別途センサ等を設けることなく、鑑査に用いる撮影装置26等を袋切れ判定のために有効利用することができる。これにより、装置構成を簡略化し、製造コストを抑制することが可能となる。

なお、本実施形態においては、ステップ3の低輝度領域抽出工程により実施された低輝度領域の抽出精度を向上させるべく、ステップ4の小領域排除工程を設けた例を示したが、本発明はこれに限定される訳ではない。すなわち、ステップ3の低輝度領域抽出工程による低輝度領域の抽出精度が十分である場合等には、ステップ4の小領域排除工程を設けないこととしても良い。

≪境界選定処理≫ ここで、薬剤鑑査システム10における鑑査精度をより一層向上させるためには、鑑査対象である分包袋の中心が鑑査部32の中心に到来するように分包袋連続体を配置させることが望ましい。そのため、鑑査対象である分包袋を鑑査部32に移動させる際には、鑑査部32に対して分包袋を位置決め精度良く配置できるよう、何らかの方策を講じることが望ましい。具体的には、例えば分包袋連続体において隣接する分包袋間に形成される溶着部分、あるいはミシン目等の境界d(図26参照)を目印とし、この目印を基準として分包袋(分包袋連続体)の位置を微調整すれば、鑑査部32に対する分包袋の位置決め精度を向上させることが可能である。

しかしながら、撮影装置26によって得られた画像を用い、画像処理を駆使する等して境界dをなすミシン目等を検出しようとした場合、境界dの候補が複数導出されることがある(図25(b)参照)。この場合、画像処理精度を向上させることにより境界dの候補を単一に絞り込むことも可能である。しかしながら、この場合は画像処理等のために制御装置30に対して相当の負荷がかかる、あるいは処理時間が長くなってしまう等の不具合が生じかねない。従って、境界dの候補が複数導出された場合に、これらの候補から適切なものを選択する処理を簡単に実行できれば、鑑査部32に対する分包袋の位置決め精度を向上させつつ、制御装置30への負荷を低減し、処理速度を向上させることが可能となる。

かかる課題を解決すべく、図27に示すような境界選定処理を制御装置30によって実行可能とすることが望ましい。具体的には、図26に示すように、制御装置30は、既定値取得部301と、境界候補導出部302と、位置情報取得部303と、候補値取得部304と、境界規定部305とを備えている。制御装置30は、CPUにより所定の制御プログラムに従った各種の処理を実行することにより、既定値取得部301と、境界候補導出部302と、位置情報取得部303と、候補値取得部304と、境界規定部305として機能する。既定値取得部301と、境界候補導出部302と、位置情報取得部303と、候補値取得部304と、境界規定部305として機能するときの制御装置30が、既定値取得手段と、境界候補導出手段と、位置情報取得手段と、候補値導出手段と、境界規定手段の一例である。

既定値取得部301は、鑑査対象である分包袋の長さの既定値を取得するためのものである。既定値取得部301は、薬剤分包装置200の制御装置や上位制御装置等から、予め規定されている各分包袋についての分包袋の長さ(分包袋長A)のデータ(袋長データ)を取得することができる。

境界候補導出部302は、鑑査対象である分包袋と、この分包袋に対して上流側、及び下流側に隣接する他の分包袋との境界d(以下、「上流側境界dU」とも称す)、及び下流側に位置する境界d(以下、「下流側境界dD」とも称す)として想定される一又は複数の境界候補を導出するものである(図25(b)参照)。境界候補導出部302は、分包袋連続体を撮影した画像の画像処理を実行することにより、上流側境界候補dUn(n=1以上の自然数)、及び下流側境界dDの候補である下流側境界候補dDm(m=1以上の自然数)を導出する。なお、境界候補導出部302による境界dの導出方法は、いかなるものであっても良く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜選択可能である。

位置情報取得部303は、上流側境界候補dUn、及び下流側境界候補dDmの全てについて、位置情報を取得するものである。具体的には、位置情報取得部303は、上流側境界候補dUn、及び下流側境界候補dDmについて、分包袋連続体の移動方向(X方向)の位置情報を撮影装置26により撮影した画像情報から取得する。

候補値取得部304は、上流側境界候補dUn及び下流側境界候補dDmの組み合わせ候補(dUn,dDm)の全てについて、位置情報取得部303によって取得された位置情報に基づく演算を実施し、鑑査対象である分包袋の長さの候補値を間隔Lx(xは(dUn,dDm)の組み合わせ数)として導出する。

境界規定部305は、候補値取得部304によって導出された間隔Lxのうち、鑑査対象である分包袋の長さの既定値である分包袋長Aに近似したものを選定する。また、境界規定部305は、選定された間隔Lxを構成する上流側境界候補dUn及び下流側境界候補dDmの組み合わせ(dUn,dDm)を、鑑査対象である分包袋の上流側及び下流側に位置する上流側境界dU、及び下流側境界dDとして定める。

上述した制御装置30による境界選定処理は、図27に示す制御フローに則って実行される。すなわち、先ずステップ101において、撮影装置26によって取得した画像を画像処理することにより、鑑査対象である分包袋について上流側境界候補dUn(n=1以上の自然数)、及び下流側境界候補dDm(m=1以上の自然数)を導出する。

続いて、ステップ102において、制御装置30は、上流側境界候補dUnと下流側境界候補dDmの組み合わせ(dUn,dDm)の全てについて差分を導出し、これを間隔Lx(xは(dUn,dDm)の組み合わせ数)として導出する。

ステップ103において、制御装置30は、薬剤分包装置200の制御装置や上位制御装置等から予め取得してある各分包袋についての分包袋長Aのデータ(袋長データ)と、ステップ102において導出された間隔Lxとを照合する。また、ステップ104において、制御装置30は、導出した間隔Lxのうち、予め規定されている分包袋長Aよりも所定の長さ(例えば5mm)以上大きくなるものに相当する(dUn,dDm)の全組み合わせをエラー候補として選定候補から除外する。

ステップ105においては、上述したステップ104で除外対象とならずに残った(dUn,dDm)の組み合わせから上流側境界dU及び下流側境界dDを選定する。具体的には、(dUn,dDm)の組み合わせのうち、間隔Lxと分包袋長Aとの差が最も小さいものをなす上流側境界候補dUn及び下流側境界候補dDmが、それぞれ上流側境界dU及び下流側境界dDとして選定される。

上述したようにして鑑査対象である分包袋の上流側境界dU及び下流側境界dDを導出し、これらを基準として鑑査部32に対して分包袋を位置決めすることにより、薬剤鑑査システム10における鑑査精度をより一層向上させることができる。また、上述したようにすることで、分包袋の長さが異なる分包袋が混在しているような場合であっても、鑑査部32に対する分包袋の位置決め精度、及び鑑査精度の向上を図ることができる。なお、上述した境界選定処理は、例えば空包peのように分包袋長Aが不明、あるいは分包袋長Aを特に定めることなく作成された分包袋については実施されない。

≪連続処方時の次処方検出について≫ ここで、上述した分包袋連続体のように、分包袋が連なった状態で形成される場合には、単一の分包袋連続体に処方の異なるものが一連に形成された、いわゆる連続処方と呼ばれる形態で処方がなされることが想定される。このように、処方の異なる分包袋が単一の分包袋連続体に含まれている場合には、図25(a)に示すように、処方違いの分包袋を区別するために、分包袋連続体の中途に空包peを設けることが望ましい。すなわち、先に鑑査される処方と、これに続いて鑑査される次の処方との間に処方区別用の空包peを設けることが望ましい。

また、処方区別用の空包peには、次処方の処方内容等を記したバーコード等の識別情報に加え、次処方の開始位置を判定するための印を付すことが望ましい。具体的には、図25(a)に示すように、特定のマーク(図示例では丸印を3つ並べたもの)を付しておき、これを基準として鑑査位置を調整することとしても良い。このようにすることで、連続処方に係る分包袋連続体についても、確実に区別・分類することができ鑑査精度をより一層向上させうる。

≪巻取操出装置について≫ 上述した薬剤鑑査システム10のように分包袋連続体Pを取り扱う場合には、分包袋連続体Pをロール状に巻き取り、必要に応じて繰り出して鑑査するようにするようにすれば、一連の作業効率を向上させることができると想定される。そのため、薬剤鑑査システム10は、分包袋連続体Pの巻き取り及び繰り出しを実施可能な巻取操出装置を備えたものであることが望ましい。また、分包袋連続体Pは、薬剤を分包した分包袋が連続したものであるため、巻取操出装置は、巻き取り動作や繰り出し動作に際して分包袋連続体に対して過度に大きな力が作用しないよう、緩やかに作動するものであることが望ましい。このような知見に基づき、薬剤鑑査システム10において好適に利用可能なものの例として、図17及び図18に示した巻取操出装置150を以下において説明する。

巻取操出装置150は、鑑査装置20に対する分包袋連続体Pの供給、及び鑑査装置20から排出された分包袋連続体Pの双方を実施可能することができる。また、巻取操出装置150は、薬剤分包装置200から排出された分包袋連続体Pを巻き取ると共に、巻き取った分包袋連続体Pを繰り出して鑑査装置20に供給することができる。すなわち、巻取操出装置150は、分包袋連続体Pの巻き取りを行う巻取装置としての機能と、分包袋連続体Pの繰り出しを行う操出装置としての機能の双方を兼ね備えたものである。

巻取操出装置150は、本体152と、ホルダー154と、動作部156と、弛緩検知装置158と、巻取状態検知装置160と、操作装置162と、制御装置164とを備えている。本体152は、台座152aから略垂直上方に向けて立ち上がる支柱152bを有する。ホルダー154は、分包袋連続体をロール状に巻き取り可能なボビン状の部材である。すなわち、ホルダー154は、軸心位置に筒部154aを有し、筒部154aの両端に円形の板154b,154bが取り付けられた形状とされている。ホルダー154は、筒部154aを芯とし、板154b,154b間に分包袋連続体Pを巻き付けることが可能とされている。

また、筒部154aの外周には、略全周に亘って滑止部材154eが装着されている。滑止部材154eは、筒部154aに対する分包袋連続体Pの巻き付け初期において、分包袋連続体Pが筒部154aの表面において滑って巻き付け不良を起こすのを防止するための部材である。滑止部材154eは、分包袋連続体Pの滑り止めとなるものであればいかなるものであっても良い。本実施形態では、滑止部材154eとしてゴム製のOリングが2本装着されている。

動作部156は、ホルダーを軸心位置を中心として正方向及び逆方向に回転させるために設けられたものである。動作部156は、本体152をなす支柱152bに内蔵されているモータの動力により回転する回転軸156aを有する。回転軸156aは、支柱152bに対して略垂直方向に突出している。回転軸156aをホルダー154の筒部154aに挿入することにより、動作部156に対してホルダー154を装着することができる。

また、回転軸156aの外周には、略全周に亘って滑止部材156bが装着されている。滑止部材156bは、回転軸156aに対してホルダー154の筒部154aが滑るのを抑制するためのものである。滑止部材156bは、ホルダー154の滑り止めとなるものであればいかなるものであっても良いが、本実施形態ではゴム製のOリングが2本、滑止部材156bとして回転軸156aに装着されている。

弛緩検知装置158は、支柱152bにおいて回転軸156aよりも下方側であって、動作部156に対してホルダー154を装着した状態において、ホルダー154に対して下方に到来する位置に配置されたセンサ158a,158bを備えている。センサ158a,158bは、それぞれホルダー154を正面視した状態において左右方向に指向するように配置されている。これにより、ホルダー154に対して時計回り方向、及び反時計回り方向のいずれの方向に分包袋連続体Pが巻き取られた状態であっても、分包袋連続体Pを検知可能としている。

弛緩検知装置158は、ホルダー154に巻き取られている分包袋連続体Pとの距離に応じて検知信号を出力可能とされている。具体的には、弛緩検知装置158は、分包袋連続体Pの巻き取り時に、分包袋連続体Pとの距離が所定の巻取指示距離以下となるまで撓んで近接した状態になったことを検知し、その旨を知らせる検知信号を制御装置164に向けて発信することができる。また、弛緩検知装置158は、分包袋連続体Pの繰り出し時に、分包袋連続体Pとの距離が所定の操出指示距離以下となるまで撓んで近接した状態になったことを検知し、その旨を知らせる検知信号を制御装置164に向けて発信することができる。

巻取状態検知装置160は、ホルダー154に対して分包袋連続体Pの巻き取り径方向に離れた位置に配置されたセンサ160aを備えている。本実施形態では、支柱152bにおいて回転軸156aよりも下方側であって、弛緩検知装置158よりも上方の位置に設けられている。分包袋連続体Pの巻き取り動作及び繰り出し動作を行う場合には、分包袋連続体Pは、巻取状態検知装置160と弛緩検知装置158との間に形成された空間を通過する。センサ160aは、ホルダー154側に向けて指向するように設置されている。巻取状態検知装置160は、ホルダー154に巻き取られた分包袋連続体Pとの距離に応じて検知信号を出力可能とされている。具体的には、巻取状態検知装置160は、分包袋連続体Pまでの距離が所定の巻取上限距離以下になった場合に、その旨を示す検知信号を制御装置164に向けて出力可能とされている。

操作装置162は、巻取操出装置150の操作を行うために設けられたものである。本実施形態では、操作装置162は、支柱152bの上端部に設けられている。ユーザーは、操作装置162を操作することにより、巻取操出装置150により分包袋連続体Pの巻き取りを行うのか、繰り出しを行うのかを選択することができる。

制御装置164は、弛緩検知装置158及び巻取状態検知装置160から出力された検知信号等に基づいて動作部156に対して動作指令を出力することで、ホルダー154に対する分包袋連続体Pの巻き取り動作及び繰り出し動作の実行制御が可能とされている。図17に示すように、制御装置164は、本体152に内蔵されている。制御装置164は、ホルダー154に対して分包袋連続体Pを巻き取る際に、分包袋連続体Pと弛緩検知装置158との距離が所定の巻取指示距離以下となるまで近接した状態になったことを示す検知信号が出力されることを条件として、分包袋連続体Pの巻き取り動作が進行する方向に回転軸156aを回転させるよう、動作部156に対して動作指令を出力する。

また、ホルダー154に巻き取られている分包袋連続体Pを繰り出す動作を実行する場合には、分包袋連続体Pと弛緩検知装置158との距離が操出指示距離以下となるまで近接した状態になったことを示す検知信号が弛緩検知装置から出力されることを条件として、分包袋連続体Pの繰り出し動作が停止あるいは速度低下するように回転軸156aの回転制御を実施する。

また、制御装置164は、巻取状態検知装置160から分包袋連続体Pとの距離が巻取上限距離以下になったことを示す検知信号を受信することを条件として、回転軸156aの回転を停止させ、巻き取り動作を終了させる。

上述したように、巻取操出装置150は、分包袋連続体Pがホルダー154から一定量垂れ下がった状態において分包袋連続体の巻き取り動作を進行させるような動作を行う。すなわち、分包紙連続体Pに過度に大きな力を作用させることなく、かつ過度に緩い状態となり過ぎない状態で分包紙連続体Pの巻き取り動作を実施することができる。そのため、巻取操出装置150によれば、分包袋連続体Pに対して過度に大きな張力等を作用させることなく、ホルダー154に対して分包袋連続体Pを巻き取る作業をスムーズに実施することができる。また、巻取操出装置150は、巻取状態検知装置160の検知信号に基づき、分包袋連続体Pがホルダー154において巻き取り可能な上限量に達したことを確実に検知し、適切なタイミングで巻き取り動作を停止させることが可能である。

また、巻取操出装置150は、ホルダー154に巻き取られている分包袋連続体Pを繰り出す際に、繰り出し速度が早く分包袋連続体Pがホルダー154から垂れ下がった状態になると、分包袋連続体の繰り出し動作を停止あるいは繰り出し速度を低下させることができる。そのため、巻取操出装置150によれば、分包袋連続体Pの繰り出し速度についても最適化することができる。

本実施形態の巻取操出装置150においては、筒部154aの外周にOリングからなる滑止部材154eを設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、滑止部材154eを設けない構成としても良い。また、滑止部材154eに加えて、あるいは滑止部材154eに代えて、筒部154aに対する分包袋連続体Pの巻き付けを容易にすると共に、繰り出しの際に自然に分包袋連続体Pがホルダー154から離れるようにするための部材をホルダー154に設けてもよい。

具体的には、図19に示すように、筒部154aの両端に設けられた板154b,154bにガイド溝154c,154cを設けると共に、ガイド溝154c,154cに亘って挿通されたピン154dを設ける。ガイド溝154c,154cを筒部154aの外周近傍において、筒部154aの外周に沿って延びるように形成されたものとする。また、図19(a)に示すようにガイド溝154c,154cに沿ってピン154dを周方向一方側に摺動させることにより、筒部154aの外周面とピン154dとのクリアランスが小さくなり、図19(b)に示すようにピン154dを逆方向に摺動させることによりクリアランスが大きくなるように、ガイド溝154c,154cを形成する。これにより、ホルダー154に対して分包袋連続体Pを巻き付ける初期段階において、ピン154dと筒部154aとの間に分包袋連続体Pの端部を差し込み、その後クリアランスが小さくなる方向にピン154dを摺動させることにより、分包袋連続体Pが滑らないように固定することができる。また、ホルダー154から分包袋連続体Pを繰り出す最終段階において、分包袋連続体Pに作用する張力によってクリアランスが拡大する方向にピン154dが作動するようにしておくことにより、ピン154dの摺動作業を手動で行うことなく、分包袋連続体Pの繰り出し動作を完了させることができる。すなわち、ピン154dを操作しないと分包紙連続帯Pの最終端がホルダー154に固定されたままである構成である場合には、巻取操出装置150から鑑査装置20に向けて分包袋連続体Pを送り込む際に適切なタイミングでピン154dによる固定を解除する操作をしないと、分包袋連続体Pに大きな負荷が作用し、破損等する懸念がある。しかしながら、分包袋連続体Pの繰り出しに伴って作用する力を利用してピン154dを自然に固定解除方向に摺動させることができる構成としておくことにより、常に最適な張力を保ちながら分包袋連続体Pを繰り出してゆき、適切なタイミングで自然にホルダー154から分包袋連続体Pの最終端の固定を解除することが可能となる。これにより、ピン154dの摺動作業を手動で行うことなく、分包袋連続体Pの繰り出し動作を完了させることが可能となる。

上記実施形態において説明した巻取繰出装置150においては、図18に示すように支柱152bにおいてホルダー154が当接する面に円弧状の当接体材を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、ホルダー154の取り付けをさらに容易にし、回転を一層スムーズなものとすべく、回転軸156aの基端部に図23に示すような当接体170を設けた構成としても良い。

さらに詳細に説明すると、当接体170は、正面視が円形とされているが、面取り等を施すことによりテーパー部172を設け、回転軸156aの先端方向に向かうに連れて先細り状の形状となるように形成されている。これにより、仮にホルダー154の装着時に、当接体170に引っかかる位置までホルダー154が差し込まれたとしても、ホルダー154自身の重量等の影響により、ホルダー154がテーパー部172の傾斜に沿って滑り、回転軸156aに対して確実に装着された状態になる。

また、当接体170の表面174、すなわちホルダー154の板154bと対向する面には、外周部176と、内周部178とが同心状に設けられている。内周部178は、外周部176に対して内周側(回転軸156aの軸心側)に位置しており、外周部176よりも回転軸156aの先端側に突出している。そのため、ホルダー154を回転軸156aに対して装着すると、ホルダー154の板154bが内周部178に当接した状態になり、板154bと外周部176及び支柱152bの表面との間に必ず一定の隙間が保持される。これにより、ホルダー154は、スムーズな回転を維持することができる。

巻取操出装置150は、上述したように鑑査装置20との組み合わせにより薬剤鑑査システム10を構成するものとして使用することが可能である。これにより、鑑査装置20に対する分包袋連続体Pの供給や鑑査装置20から排出された分包袋連続体Pの巻き取りを実施し、鑑査装置20における分包袋連続体Pの鑑査作業の利便性を向上させうる。また、薬剤鑑査システム10が薬剤分包装置200を備えたものである場合には、薬剤分包装置200から排出された分包袋連続体Pを巻取繰出装置150によって巻き取ると共に、巻き取った分包袋連続体Pを繰り出して鑑査装置20に供給可能な構成としても良い。

なお、薬剤鑑査システム10において、巻取操出装置150は、必ずしも鑑査装置20に対する分包袋連続体Pの供給(繰り出し)、及び鑑査装置20から排出された分包袋連続体Pの巻き取りの双方に使用される必要はなく、繰り出し動作及び巻き取り動作のいずれか一方のみを担うものであっても良い。すなわち、本実施形態では巻取装置及び操出装置を一体化した例として巻取操出装置150を例示したが、巻取装置としての機能、あるいは操出装置としての機能のいずれか一方のみを備えたものとすることも可能である。また、巻取操出装置150は、薬剤鑑査システム10をなす鑑査装置20や薬剤分包装置200との組み合わせにおいて必ずしも使用される必要はなく、単体で使用されるものであっても良い。

上述した巻取繰出装置150を採用して薬剤鑑査システム10によって分包袋の鑑査を行うこととする場合、予め分包袋連続体が巻き付けられたホルダー154が多数準備され、ホルダー154を順次取り替えて鑑査を行うケースが想定される。このような場合には、多数準備されたホルダー154を容易かつ正確に識別可能とすることが望ましい。具体的には、ホルダー154にRF−IDなどの識別媒体を取り付け、この識別媒体に識別情報を入力可能としておくと共に、巻取繰出装置150側に前記識別媒体から識別情報を読み取り可能な読取装置を設けた構成とする。さらに詳細には、識別媒体をホルダー154の中央部近傍に設けると共に、巻取繰出装置150の回転軸156近傍に読取装置を設ける等して、ホルダー154をセットすることで識別情報を読み取り可能とする。これにより、多数準備されたホルダー154を取り違えることなく、順次取り替えつつ鑑査を行うことができる。

また他の方策として、ホルダー154に巻き取られる分包袋連続体の最終包に、バーコード等からなる処方を識別するための識別記号や文字等を印字しておくこととしても良い。これにより、バーコード等を用いてホルダー154の取り違えを回避できる。また、ホルダー154として色彩等が相違するものを準備しておき、処方に応じて使い分けるようにしても、ホルダー154の取り違えを回避できる。

本発明は上述した実施形態において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。

10 薬剤鑑査システム 20 鑑査装置 50 マーキング装置 59 識別装置 100 搬送装置 108 差込溝 110 搬送幅調整部材 112 差込部 150 巻取操出装置(巻取装置,操出装置) 154 ホルダー 154a 筒部 154b 板 154c ガイド溝 154d ピン 156 動作部 158 弛緩検知装置 160 巻取状態検知装置 164 制御装置 200 薬剤分包装置 210 受渡部 p 分包袋 pe 空包 P 分包袋連続体 S シール部

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