De - Takiyariya, its use and its test method

申请号 JP24513686 申请日 1986-10-15 公开(公告)号 JPH07121627B2 公开(公告)日 1995-12-25
申请人 ゲ−ア−オ− ゲゼルシヤフト フユ−ル アウトマチオンウント オルガニザチオン エム ベ− ハ−; 发明人 ロブ アーウィン; ヒエルヴェーガー アレクサンダー; カオレ ヴィティッヒ; ベッカー ヴォルフガング; ラス ジョゼフ; メルクレ ユルゲン;
摘要 The present invention relates to a data carrier (identification card, bank card, credit card, etc.) in which information is provided in an inner volume area by means of a laser beam, the information being visible in the form of changes in the optical properties of the carrier material due to an irreversible change in the material caused by the laser beam and to a method for producing the data carrier and for testing it.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】レーザ光線によって生じた材料の不可逆変化に起因する光学的性質の変化の形態で目視できる情報を内部に有するデータキャリヤにおいて、 該データキャリヤが、レンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを少なくともひとつの領域に設けた少なくとも1層の透明カバー層(7)を有し、該レーザ光線によって与えられた情報の少なくとも一部が該レンチキュラースクリーンを通してレーザ光線を照射することにより前記レンチキュラースクリーンの焦点領域に与えられたものであり、 光学的性質の変化の各々が、前記レンチキュラースクリーンの個々のレンズの直径よりも小さい領域(画素)に限定されてレンズの光学的効果により極めて限られた角度範囲でのみ観察でき、 極めて限られた角度範囲からのレーザ光線を用いて記録され、全体としてレンチキュラースクリーンに広く延在する複数の情報が、極めて限られた角度範囲において読み出しおよび/または検出できることを特徴とするデータキャリヤ。
  • 【請求項2】異なる角度で読み出せる複数の情報(10a,
    10b,10c)がレンチキュラースクリーンより下に記録されていることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項3】レンチキュラースクリーンが円柱レンズから成ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項4】レンチキュラースクリーンが球面レンズから成ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項5】レンチキュラースクリーンが円柱レンズと球面レンズの混合体から成ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項6】レンチキュラースクリーンより下に記録されたデータ(10a,10b,10c)が、レンズの縦軸に対して平行に伸びている線状画素連続物が1つの部分像に属し、レンズの縦軸に対して直角に配された隣接する画素が別の部分像に属するような画素からなる混合画像の形で存在することを特徴とする特許請求の範囲第2項または第3項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項7】複数の情報(10a,10b,10c)がシンボルマーク、有効性のマーク等の標準情報、および顧客番号、
    カード番号等のデータキャリヤに対し特有なデータであることを特徴とする特許請求の範囲第2項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項8】レーザによって書き込みのできる透明フイルム(12)を表面レリーフ(15)を有する透明カバー層(7)とコア層(6)との間に設けることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項9】透明カバー層(7)と透明フイルム(12)
    を複合フイルムの形態で設けることを特徴とする特許請求の範囲第8項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項10】レーザによって書き込みのできる透明フイルム(12)がその中に均質に分布した染料を有することを特徴とする特許請求の範囲第8項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項11】透明フイルムの内部領域の光学的変化が光線の方向に配向された棒状画素の形で存在することを特徴とする特許請求の範囲第8項または第9項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項12】レンズを触覚と視覚で認識できるパターンの形で設けることを特徴とする特許請求の範囲第5項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項13】レンチキュラースクリーンのレンズが異なる焦点距離を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項14】レンチキュラースクリーンのスクリーン周期がレンズの直径よりも小さいことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項15】スクリーン周期がレンチキュラースクリーンの異なる領域で異なることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項16】レンチキュラースクリーンが少なくとも部分的に直線でない円柱軸を有する円柱レンズから成ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項17】互いに近接して配置されたレンズの画素が、データキャリヤの表面に対して異なる高さにあることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項18】レンズ(15)の直径が150μ〜500μであることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項19】レンチキュラースクリーンと押印していないデータキャリヤ表面との間の移行領域に追加の表面押印が存在することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項20】レンチキュラースクリーンが前記追加の表面押印へ連続していることを特徴とする特許請求の範囲第19項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項21】レーザによって記録した組みひも飾り模様のようなパターンをレンチキュラースクリーンの端縁領域に有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項22】印刷技術によって与えられた他の情報を表面レリーフ(15)の少なくとも1領域に有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項23】印刷技術によって設けられた情報が不規則な背景パターンであることを特徴とする特許請求の範囲第22項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項24】背景パターンがレンチキュラースクリーン領域の外側のデータキャリヤ領域に連続することを特徴とする特許請求の範囲第23項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項25】背景パータンが高度の保護機能を提供するパターンであることを特徴とする特許請求の範囲第22
    項または第23項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項26】印刷技術によって与えられた情報(26,2
    7)が、レンチキュラースクリーンのレンズの位置と形状の点から、極めて限られた角度範囲でのみ目に見えるようになっていることを特徴とする特許請求の範囲第22
    項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項27】情報が、目の幾何学に従ってデザインされかつ同時に見たとき三次元の印象を生じさせるレンチキュラースクリーンに適応した2つの像を含むことを特徴とする特許請求の範囲第26項記載のデータキャリヤ。
  • 【請求項28】キャリヤ層と透明合成層とを有するデータキャリヤ内にレーザ光線によって情報を付与する方法であって、 透明合成層の少なくともひとつの領域にレンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを設け、 情報の少なくとも1部をレンチキュラースクリーンを通して所定の角度でレーザ光線を照射することによって付与し、これにより レーザ光線により、前記レンチキュラースクリーンの焦点領域に不可逆性の光学的に認識できる変化を生じさせ、そして レーザ光線によって情報を付与した際に用いた角度範囲に実質的に対応する極めて限られた角度範囲においてのみこの情報を再び読み出せるように、前記変化を前記レンチキュラースクリーンのレンズの直径よりも狭い領域に限定することを特徴とするデータキャリヤ内に情報を付与する方法。
  • 【請求項29】情報の円柱レンズおよび/または球面レンズからなるレンチキュラースクリーンを設けることを特徴とする特許請求の範囲第28項記載の方法。
  • 【請求項30】異なる情報を異なる書込角度にてレーザによって記すことを特徴とする特許請求の範囲第28項記載の方法。
  • 【請求項31】レンチキュラースクリーンの各レンズの光学軸に対応する角度分だけデータキャリヤを回転することによって書込角度を変化させることを特徴とする特許請求の範囲第30項記載の方法。
  • 【請求項32】レーザ光線をプリズムを横切るように照射し、そして書込角度を決定するプリズムの配置によって書込角度を変化させることを特徴とする特許請求の範囲第30項記載の方法。
  • 【請求項33】レーザ光線が、円柱レンズに対し10゜〜
    80゜の角度または直角にてレンチキュラースクリーンを横切って照射されることを特徴とする特許請求の範囲第
    29項記載の方法。
  • 【請求項34】直角(=0゜)にデータキャリヤ表面にヒットするレーザ光線を用いて第1の情報を与え、プラス10゜からプラス35゜の範囲の角度で入射するレーザ光線を用いて第2の情報を与え、マイナス10゜からマイナス35゜の範囲の角度で第3の情報を与えることを特徴とする特許請求の範囲第30項記載の方法。
  • 【請求項35】複数の情報を同じ角度距離だけ異なるレーザによって設け、この情報がカードを傾けると互いに略連続して延在するような関係をもつことを特徴とする特許請求の範囲第30項記載の方法。
  • 【請求項36】情報を点走査法によって与え、情報が各要素いわゆる画素から成ることを特徴とする特許請求の範囲第28項記載の方法。
  • 【請求項37】レンチキュラースクリーン全体に亘って走査を行う場合、複数のレーザパルスが画素ごとに各レンズにヒットするように、レーザのパルス周波数と走査速度とを互いに調整することを特徴とする特許請求の範囲第36項記載の方法。
  • 【請求項38】データキャリヤの透明層スクリーンの内部領域で光学的変化が起こりそれによって棒状の画素が形成されるように層構造と使用した材料を選択することを特徴とする特許請求の範囲第36項または第37項記載の方法。
  • 【請求項39】棒状画素がそれらの本体部においてほんの僅かだけ互いに重なるようにレーザ光線のパルスパワーを調整することを特徴とする特許請求の範囲第38項記載の方法。
  • 【請求項40】次のような情報を与えるためにレーザがさらに用いられ、該情報は画素の半径方向直径がレーザパルスパワーの適度な制御によって、大きい角度範囲でかつ任意に全観察方向において画素を認識できる程度まで広げられていることを特徴とする特許請求の範囲第38
    項記載の方法。
  • 【請求項41】表面レリーフの領域において、レーザ光線によって書込まれる情報に加えて、この情報の少なくとも一部を一定の極めて限られた角度範囲でのみ見られるようにレンチキュラースクリーンと協働して設けられデザインされた印刷情報をさらに与えることを特徴とする特許請求の範囲第28項記載の方法。
  • 【請求項42】レーザ光線によって生じた材料の不可逆変化に起因する光学的性質の変化の形態で目視できる情報を内部に有するデータキャリヤであって、 該データキャリヤが、レンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを少なくともひとつの領域に設けた少なくとも1層の透明カバー層を有し、該レーザ光線によって与えられた情報の少なくとも一部が該レンチキュラースクリーンを通してレーザ光線を照射することにより与えられたものであり、 光学的性質の変化の各々が、前記レンチキュラースクリーンの個々のレンズの直径よりも小さい領域(画素)に限定されてレンズの光学的効果により極めて限られた角度範囲でのみ観察でき、 極めて限られた角度範囲からのレーザ光線を用いて記録され、全体としてレンチキュラースクリーンに広く延在する複数の情報が、極めて限られた角度範囲において読み出しおよび/または検出できるデータキャリヤの偽造を検査する方法において、 データキャリヤのレンチキュラースクリーンの領域に対して、異なる角度範囲で照射を行い、 レンチキュラースクリーンを配置したデータキャリヤの領域からの光を、各々が所定の角度範囲でのみ光を検出する複数の検出器によって測定評価し、 検出器から得られた信号をデータ処理装置に送り、そこで処理し、そして記憶した値と比較することを特徴とするデータキャリヤを検査する方法。
  • 【請求項43】データキャリヤのレンチキュラースクリーン領域を種々の角度で列ごとに走査することを特徴とする特許請求の範囲第42項記載の方法。
  • 【請求項44】種々の角度で発せられた光をレンチキュラースクリーン領域全体にわたって一体的に検出し、 角度を特定した一体的測定値をつくり、 これらの測定値を商の形で標準化し、 標準化した値を記憶した値と比較することを特徴とする特許請求の範囲第42項記載の方法。
  • 【請求項45】レーザ光線によって生じた材料の不可逆変化に起因する光学的性質の変化の形態で目視できる情報を内部に有するデータキャリヤてあって、 該データキャリヤが、レンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを少なくともひとつの領域に設けた少なくとも1層の透明カバー層を有し、該レーザ光線によって与えられた情報の少なくとも一部が該レンチキュラースクリーンを通してレーザ光線を照射することにより与えられたものであり、 光学的性質の変化の各々が、前記レンチキュラースクリーンの個々のレンズの直径よりも小さい領域(画素)に限定されてレンズの光学的効果により極めて限られた角度範囲でのみ観察でき、 極めて限られた角度範囲からのレーザ光線を用いて記録され、全体としてレンチキュラースクリーンに広く延在する複数の情報が極めて限られた角度範囲において読み出しおよび/または検出できるデータキャリヤの偽造を検査するに当たり、 データキャリヤのレンチキュラースクリーンの領域に対して、異なる角度範囲で照射を行い、 レンチキュラースクリーンを配置したデータキャリヤの領域からの光を、各々が所定の角度範囲でのみ光を検出する複数の検出器によって測定評価し、 検出器から得られた信号をデータ処理装置に送り、そこで処理し、そして記憶した値と比較することからなるデータキャリヤを検査する方法を実施するための装置において、 検査すべきデータキャリヤに上のレンチキュラースクリーンに対して照射を行うための複数の光源と、 異なる角度で検査すべきデータキャリヤの方を向いた複数の光検出器とを有し、 前記光検出器を、信号線を介して、測定値を処理しそして記憶した値と比較するためのデータ処理装置と連結したことを特徴とするデータキャリヤの検査を実施するための装置。
  • 【請求項46】光検出器が、1表面または一列に配置した1個または複数個の各フォトダイオードを含むことを特徴とする特許請求の範囲第45項記載の装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はレーザ光線によって内側部分に与えられた情報がレーザ光線によって生じた材料の不可逆変化に起因する光学的性質の変化の形態で目に見えるデータキャリヤに関し、またこのデータキャリヤを製造し、検査する方法に関する。

    (従来の技術と問題点) 身分証明書、クレジットカード、銀行カード、現金支払カード等のデータキャリヤは種々のサービス部門、例えば現金不要の振替や企業経営において次第に利用されてきている。 これらのデータキャリヤの利用が広がっているため、それらは典形的な大量生産品となっており、それらの製造工程(すなわちカード構造の製造や各カード利用者のデータの搭載)は簡単で安価でなければならない。 また、カードは偽造や変造からできるだけ良好に保護されるよう設計されなければならない。 既に市販されているかまたは開発中の多くの種類の身分証明書には、
    これら2つの相反する条件を最適化するための関連産業の努が認められる。

    西独国特許第2907004号は上述の条件を満たす身分証明書を開示している。 この既知のカードの製造方法はレーザ光線によって本人関連データを完成した積層カードに記述することに特徴がある。 カードは透明カバー層間に封じ込まれた不透明な象眼模様を含む。 書込工程は透明なカバーフイルムを通して行われる。 これは、一方では例えば個人化(personalization)につづくさらなる製造工程が不要なのでかなり製造を単純化し、他方では例えばレーザ光線によって生じた材料の破壊により、データが変更できない形態で存在するので、偽造や変造からの保護が強化される。 レーザの強化を適当に選択する場合、象眼模様への書き込みは表面まで延在するカバーフイルムの内部に同時整合マーキングを与える。 次に個人データは異なる複数のカード層に整合して存在する。 特定例において、レリーフ構造を追加のマーキングとしてカバーフイルム表面に設けることができ、このレリーフ構造も簡単な方法で検査できる。 従って、認証マークの構成要素ともなり、これによってカードを改ざんすること、偽物の模造品を作ってこの種のカードを真似ることが一層難しくなる。

    また、目で満た場合に完全に透明に見え、レーザ光線の影響を受けるとフイルムが黒くなるように十分なレーザ光線の光を吸収する合成層をカード中の記録媒体として与えることが提案された(西独国特許第3151407号)。
    これにより高分解能または極めて優れた文字品質を有する画像またはデータをそれ自体は透明な層に与えることができる。

    このように高度な偽造防止機能や検査の比較的容易性が得られているにもかかわらず、その視覚的な印象に関してカードを設計する自由度を広げると共に、多くの技術的努力をしなければ模倣できないような追加の認証マークを導入することによって、カードを変造したり完全に偽造したりすることをより一層困難なものにするさらなる努力が行われている。

    例えば、身分証明書にホログラムまたは回折グリッドのような光回折要素を与えることが知られている(西独国公開特許第2555214号およびヨーロッパ特許第105099
    号)。 これは写真複製またはゼログラフィー複製から保護される光学的効果をもカードに与える。 これらのホログラムまたは回折グリッドの生産は工業的プロセスの点で一般に非常に高価かつ精巧であるため、身分証明書に使用できるように妥当な単位価格にするためには大量生産するしかない。 しかし、大量生産は、全部のホログラムまたは回折グリッドが(主に標章またはシンボルマークの形態で)同一情報内容を有するものであることを前提とする。 情報は通常スタンプダイによってプラスチックフイルムに押印される。 プラスチックフイルムは反射層によって下張りされ、表面はその機械的感度により特別なラッカーによってシールされる。 次いで、この方法で作られたホログラムまたは回折グリッドをカード製造の際にカード表面に接着する。 しかし、このような要素はカード構造においては「外来物」であり、生産工学上の上記のごとき理由により、各カードに関連する個々のデータを与えることができない。 従って、不法に獲得した本物のカードからこれらの要素を取り除き、それらを例えば別の偽造カードに移すことは基本的に可能である。 ホログラムまたは回折グリッドの製造には多大な技術的努力が必要であるとしても、このような要素を単に交換したり、あるいは別のカードに移したりすることにより、それら要素の難しい再現を回避することが可能である。

    視覚により検査を行うのに良好な光線条件を必要とすることも、身分証明書にホログラムまたは回折グリッドを使用する場合の欠点である。 通常の室内光の元であっても、望ましい光学的効果が不鮮明であるかまたは全く認められない。 ホログラムを検査する場合、観察者は単に機械的に反射する表面を見るか、または回折格子を検査する場合、僅かに玉虫色に変化するマーキングを見る。
    どちらの効果も容易に入手可能ないわゆる「装飾材料」
    を用いてさえ非常によく模倣できるので、上記の好ましくない光線条件下で本物のホログラムまたは回折グリッドとの見分が素人にはできない。 従って、クレジットカードのような支払手段の認証検査にのみ制限して使用される。 なぜならば、それらは特別に有利な光線条件下でのみ認識可能となるからである。

    さらに、押印されたホログラムまたは回折グリッドの場合、本物のホログラムを偽造するのにも使用できるような適当な手段を用いて作ることができるレリーフ構造に特徴がある。

    さらに、認証マークを与えることによってレコードプレーヤーのレコードのような専有品を保護することが提案された(EP−A 78320)。 認証マークは表面に細かいレンチキュラースクリーン(lenticular screen)(複数の円柱レンズ)を備える透明フイルムから成る。 これらの円柱レンズは直径が約17μであり、厚さ100μのポリエステルフイルム上にあり、その裏面にはポラロイド写真用の受容層を備える。 この構造は正面から異なる度で露光させることができ、現像後、光電層に細かいラインスクリーンを取得する。 実際の画像情報は、フイルムにおいて残りの領域から仕切られた1つの領域に円柱レンズを押印することによってレンズ構造を改良することによりもたらされる。 これらの領域は適用されるモチーフに従って形成される。

    パターンは円柱レンズを部分的に仕切ることによって設けられるので、この構造は、上述の回折グリッドのように、大きな規模のものであっても同じようであるモチーフを与えるのに、経済的理由からのみ適している。

    レンチキュラースクリーンの下の光電層に必要な写真現像に起因して、この要素を別々につくりかつこれを規格部分品として専有品または所有品に結合されたラベルに取り付ける必要がさらにある。 上記要素は、このように取り外して他の物品に移すことができる外来物を構成し、それによってフイルムの裏面の光電層が取り外しをより容易なものとする。

    本発明は、レーザ書込法の技術的特性および保護特性に関する利点を保持しつつ、視覚的印象(visual impress
    ion)に関してデータキャリヤ設計の自由度を広げそれによってデータキャリヤが、写真術およびゼログラフィーによって再生できずかつ機械的にそして悪い光条件下でも視覚的に簡単な方法で検査できるマークを含むものとなるようにする、という課題に基づくものである。

    (課題を解決するための手段) この問題は、レーザ光線によって内部に与えられた情報がレーザ光線によって生じた材料の不可逆変化に起因する光学的性質の変化の形態で目視できるデータキャリヤにおいて、 該データキャリヤが、レンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを少なくともひとつの領域に設けた少なくとも1層の透明カバー層を有し、該レーザ光線によって与えられた情報の少なくとも一部が該レンチキュラースクリーンを介して与えられ、 光学的性質の変化の各々が、前記レンチキュラースクリーンの個々のレンズの直径よりも小さい領域(画素)に限定されて、レンズの光学的効果により極めて限られた角度範囲でのみ観察でき、 極めて限られた角度範囲からのレーザ光線を用いて記録され、全体としてレンチキュラースクリーンに広く延在する複数の情報が、極めて限られた角度範囲において読み出しおよび/または検出できることを特徴とするデータキャリヤによって解決される。

    また、このようなデータキャリヤの製造方法、並びにこれらの認証試験のための方法と装置は次の通りである。

    キャリヤ層と透明合成層とを有するデータキャリヤ内にレーザ光線によって情報を付与する方法であって、 透明合成層の少なくともひとつの領域にレンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを設け、 情報の少なくとも1部をレンチキュラースクリーンを通して所定の角度でレーザ光線を照射することによって付与し、これにより レーザ光線により、レンチキュラースクリーンの焦点領域に不可逆性の光学的に認識できる変化を生じさせ、そして レーザ光線によって情報を付与した際に用いた角度範囲に実質的に対応する極めて限られた角度範囲においてのみこの情報を再び読み出せるように、前記変化を前記レンチキュラースクリーンのレンズの直径よりも狭い領域に限定することを特徴とするデータキャリヤ内に情報を付与する方法; レーザ光線によって内部に与えられた情報がレーザ光線によって生じた材料の不可逆変化に起因する光学的性質の変化の形態で目視できるデータキャリヤであって、 該データキャリヤが、レンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを少なくともひとつの領域に設けた少なくとも1層の透明カバー層を有し、該レーザ光線によって与えられた情報の少なくとも一部が該レンチキュラースクリーンを介して与えられ、 光学的性の変化の各々が、前記レンチキュラースクリーンの個々のレンズの直径よりも小さい領域(画素)に限定されてレンズの光学的効果により極めて限られた角度範囲でのみ観察でき、 極めて限られた角度範囲からのレーザ光線を用いて記録され、全体としてレンチキュラースクリーンに広く延在する複数の情報が、極めて限られた角度範囲において読み出しおよび/または検出できるデータキャリヤの偽造を検査する方法において、 データキャリヤのレンチキュラースクリーンの領域に対して、異なる角度範囲で照射を行い、 レンチキュラースクリーンを配置したデータキャリヤの領域からの光を、各々が所定の角度範囲でのみ光を検出する複数の検出器によって測定評価し、 検出器から得られた信号をデータ処理装置に送り、そこで処理し、そして記憶した値と比較することを特徴とするデータキャリヤを検査する方法;および レーザ光線によって内部に与えられた情報がレーザ光線によって生じた材料の不可逆変化に起因する光学的性質の変化の形態で目視できるデータキャリヤであって、 該データキャリヤが、レンチキュラースクリーンの形態の表面レリーフを少なくともひとつの領域に設けた少なくとも1層の透明カバー層を有し、該レーザ光線によって与えられた情報の少なくとも一部が該レンチキュラースクリーンを介して与えられ、 光学的性質の変化の各々が、前記レンチキュラースクリーンの個々のレンズの直径よりも小さい領域(画素)に限定されてレンズの光学的効果により極めて限られた角度範囲でのみ観察でき、 極めて限られた角度範囲からのレーザ光線を用いて記録され、全体としてレンチキュラースクリーンに広く延在する複数の情報が、極めて限られた角度範囲において読み出しおよび/または検出できるデータキャリヤの偽造を検査するに当たり、 データキャリヤのレンチキュラースクリーンの領域に対して、異なる角度範囲で照射を行い、 レンチキュラースクリーンを配置したデータキャリヤの領域からの光を、各々が所定の角度範囲でのみ光を検出する複数の検出器によって測定評価し、 検出器から得られた信号をデータ処理装置に送り、そこで処理し、そして記憶した値と比較することからなるデータキャリヤを検査する方法を実施するための装置において、 試験すべきデータキャリヤ上のレンチキュラースクリーンに対して照射を行うための複数の光源と、 異なる角度で検査すべきデータキャリヤの方を向いた複数の光検出器とを有し、 光検出器を、信号線を介して、測定値を処理し記憶した値と比較するためのデータ処理装置と連結したことを特徴とするデータキャリヤの試験を実施するための装置。

    本発明の好ましい実施例では、互いにまっすぐなまたはまっすぐでない円柱軸を備えた複数の円柱レンズおよび/または球面レンズの形状のレンチキュラースクリーンを、カバーフイルムを形成するデータキャリヤの透明カバー層に押印する。 各レンズの焦点距離は、例えば予定されたパターンに従って変えることができ、または円柱レンズおよび/または球面レンズを予定されたパターン内に設けることができる。 この透明カバー層の下には、
    レーザ光線の影響下で光学的性質が変化(例えば黒化)
    するさらなる透明合成層を設けることが好ましい。

    レーザ光線を使用して、上記レンズを介してそれらの下に位置するデータキャリヤの内部(valume areas)に情報を与える。 レーザ光線を透明カバー層の平面に対して一定の角度に保持する。 レンズを通過する際にレーザ光線の光は押印レンズ上に再び焦点を合わされる。 下に位置する内部領域の変化は、おそらくレーザ光線の焦点を再び合わせることによるパワー密度の増加のためもあって、レーザ光線の元の直径よりも限定される内部領域に制限される。 この方法で与えられた情報は、レンチキュラースクリーン表面にレーザ光線がぶつかる角度でのみ目に見え、変色した内部領域の大きさに応じてより大きいまたは小さい角度範囲で目に見える。 それ自体透明であるがレーザ光線に敏感に反応する(すなわち、所定のパルスエネルギーを有するレーザパルスの影響下で変色する)フイルムを記録に使用する好適例において、フイルム厚が十分である場合、これらの変色した内部領域を、レーザ光線の方向に向いた棒の形状で形成することができる。 このような棒は、小さい画素サイズ(棒直径)にもかかわらず必要な視覚で密度が高く、特にレーザ情報の認識力に特に好ましい影響をもたらす。

    このようにしてデータキャリヤに異なる情報が異なる角度で与えられ、それら異なる情報は、対応する角度ではっきりと認識できる程鮮明に個別的に見ることができる。

    ある情報、例えば垂直の入射角で、レーザによって与えられる情報には、例えば、シンボルマーク、標章または国旗等がある。 別の情報、例えば有効性のデータは、例えばカードの法線に対してプラス27゜の角度のずれで与えられ、この角度で再び読み出される。 三番目の情報は通常のデータキャリヤの法線に対して例えばマイナス27
    ゜の角度のずれで反対方向で与えられ、データキャリヤごとに変わる情報となる(例えば、銀行関係のデータキャリヤの場合の一連の数字または顧客番号)。

    このようにデータキャリヤは異なる視角で異なる情報を示す光学的特色をもつ。 回折グリッドまたはホログラムの場合のように、一定の視角においてのみ画像情報を認識できるが、光学的効果は回折現象または干渉に基づくものではない。 本発明によれば、光学的特色が周囲と対照をなす少なくとも1つの情報から成り、従来のレーザ書込のように、極めて悪い光条件下でも補助なしで十分に検査できる。

    フイルムに書き込む際にレーザパルスパワーを適切に調整することにより、変色した内部領域を広げることができ、それによって画像情報を視角にかかわらず永久的に認識できるように書き込むことができる。 以下「偏向像(tilt image)」と称する効果と、レンチキュラースクリーン領域の永久データと、レンチキュラースクリーン領域を囲むカード領域の使用者関連レーザ個人化データ(同じ書込形態と記録特色を有していてもよい)との組み合わせは、認証検査を容易にすると共に偽造および/
    または変造からの保護を強める。 レーザ光をあてたデータが、高い生産品質を有する通常の印刷パターン(例えば従来技術で開示されているような組みひも飾り模様(guilloche)の背景印刷)と重なる場合、保護技術の点で特に好ましい方法で防護要素を互いにつなぐことができる。

    本発明の方法はデータキャリヤ、例えばこの種類の偏向像を有するように仕上げられた身分証明書を提供することができ、これによってカードごとに異なる情報を、レーザ光線を適当に調整することで簡単に与えることができる。 この偏向像に各カードデータを与えることにより、認証マークとしてカードごとに特定化される。 すなわち、それは特定のカードと結びついており、上記ホログラムや回折グリッドの場合のように他のカードに移すことができない。 この個人化は、偽造に対する保護をかなり改善し、事実上コンピュータ制御レーザを使用する追加の努力をすることなく達成される。 偏向像は従来通りの個人化を行う際に記録して、全てのデータが確実に正確に関連づけられるようにすることが好ましい。 これはまた、簡単な方法で、カードごとの偏向像のデータが製造系列における他のカードの個人化データと誤まって結合されることを防ぐ。 化学的現像工程等が完全に不要となるので、書込工程は1段階に制限され、従って生産工学の点で特に好ましい。 カードの破壊を妨げない(無効として捨てる)その後の製造段階も不要である。

    カード使用者の写真を例えばシンボルマークの代りに設ける場合、この画像は各使用者に関するデータ、例えば顧客番号にしっかりと結合し、本物のカードと偽造または模倣したカードとの間で写真を交換することができない。 各使用者に関するデータと他の写真情報との間のこの変更できない結合は、比較的簡単な方法で行うことができ、偽造から身分証明書を保護するために特に有利であり大いに貢献する。

    この偏向像は、全体の情報が1つの射角(shooting ang
    le)に存在しないので、写真技術によってまたはコピー技術を用いても再生できない。 レーザレコーダに特有な書込形態のために、偏向像を変更することはできない。
    このことは、画像情報を例えば透明フイルムの内部に設ける場合、現時点で技術的問題が非常に多くかつ可能な「利益」に見合わない努力を必要とするために模倣者にとってさらなる障害となると共に、目で確認できる特徴である。

    押印した円柱または球面レンズを備えた透明カバー層および情報を担持したフイルムは、共にカード構造の全面に位置するフイルムであることが好ましく、それによってカードの一体構成要素を形成する。 従ってデータ改ざんは一般にカードの破壊をもたらす。 偽造者が簡単なカード構造の場合に層構造を分離するのに成功した場合でも、層を機能するように再結合することができない。 これは深い内部領域における黒化が棒状の画素の形で複数の層にわたって延在し、分離および/または再結合工程の間に材料を必ず処理しなければならないということからだけでも、黒変した内部領域を元の形状、位置に再構成するように再度層を元に戻すことができないからである。

    このような改ざんを試みる間に、偽造者はまた、透明カバー層をはがす際および再び接着する際の両方でレンチキュラースクリーンを維持しなければならないという問題に直面する。 改ざんを試みる場合にそうであるように、熱アイロンで透明カバー層をはがせば、偽造者はレンチキュラースクリーン面がアイロンがけによって平らになってしまったり透明カバー層がそってしまうことを避けられず、その結果透明カバー層もカードも再使用することができなくなってしまう。

    このように、偏向像はまた、カバー層の層間剥離およびその後のカード内に配置したデータの改ざんからカードを保護する。

    レーザにより形成したデータ自体の改ざんもまた不可能である。 それは、レーザがカード材料の不可逆的な破壊を生じさせているからである。

    偏向像は、西独国特許第2907004号に開示された技術に従って、同じ技術(レーザ書込)を用いて個人化のプロセスの間に設けることもできる。 ブランクカード(まだ個人化していないカード)の手早い処理は重要でない。
    その理由は偏向像の形の工学認証マークがまだカードにはなく、このマークは個人化の間に最後の処理段階で比較的大きな技術的努力で設けられるからである。 偏向像を設けた場合のみ、カードは使用可能とされ、有効性のスタンプが与えられる。

    (実 施 例) 以下、本発明を、添付の図面を参照しながら好ましい実施例に基づいてさらに詳細に説明する。

    第1図は身分証明書1を示す図であり、使用者の名前2、顧客番号3、カード番号4および施設情報5のような通常のデータを備える。 使用者に関するデータ2,3は内側の内部領域に透明なカバー層を介してレーザー焼付けすることが好ましく、施設情報5のような一般情報は印刷技術を用いて複数の層からなるカード中の1層に印刷する。 カードの1領域8には、偏向像の形で光学認証マークを設けるが、その構造および製造については以下に詳細に述べる。

    このようなカードの簡単な例のカード構造を第2図に示す。 カードは紙または合成材料から作られたコア層6を含み、正面と任意に裏面には印刷技術または西独国特許第2907004号に開示されたレーザ書込法で情報を設ける。 カードコアは、偽造からの保護を強めるために、透かし模様、防護糸および/または蛍光物質のようなセーフティ(防護)マークやセーフティ(防護)プリントを備えることができる。

    カードのコア層には少なくとも片側(正面)に透明カバー層7を設ける。 互いに近接して配された複数の略円柱レンズの形状のレリーフ構造15を1領域のカバー層の表面に押印する。 これらの略円柱レンズは焦点合せ(focu
    ssing)によって視覚領域を制限し、従ってその下に配置したデータ保有層12の縞状領域のみが、カードを一定角度で見た際にレンズの焦点面に見える。

    略円柱レンズの代りに、球面レンズのごとき他の形状のレンズまたは異なる形のレンズの組合せを使用して、同じ効果を達成することもできる。 また略円柱レンズを曲線に伸ばすこともできる。 さらに、特に透明カバー層の内部に記録を行う場合のカード構造として、焦点距離および/またはレンチキュラースクリーン内のスクリーン周期を変えることは何の問題もなく可能であり、後者の場合、スクリーン周期をレンズの直径よりも小さくなるように選ぶことができる。 またレンズの位置を、両側に配置したレンズの頂部がデータキャリヤの表面に対して異なる高さにあるように変えることもできる。

    レンズの形状、各レンズの配置、スクリーン周期等を適当に選ぶことによって、レンチキュラースクリーンを特定タイプのカードに特有の形状にデザインし、これによって選択的に予定したパターンを設けることができる。

    この場合、レンチキュラースクリーン自体は、その特定のレリーフ構造により、既に視覚および/または機械により検査できる認証マークである。 さらに、これは偽造者にとって障害となり、一定のタイプの身分証明書または申請書用に特につくられたレンチキュラースクリーンを再構成することは無理である。

    レンチキュラースクリーンを備える透明カバー層に適した材料は、例えば、少なくとも一定強度までレーザ光線に対して透過性がある合成材料、例えば市販のPVCフイルムである。 これらのフイルムはカードの他の合成層または紙層に、例えば熱および圧力をかけることによって良く接合できる利点がある。 カードの各層は2つの加熱したラミネートプレート(laminating plates)の間に置き、圧力をかけて接合してユニットとする。

    レンチキュラースクリーンは、この積層工程の間にレンチキュラースクリーンのネガを対応する積層プレートに作用させて押印することができる。 熱安定性押印ダイを用いることもでき、その場合はそれを透明カバー層と積層プレートとの間に置く。

    しかし、カードを従来の方法により積層し、次にレンチキュラースクリーンをプレスダイまたはプレスローラにかけることもできる。

    好ましくは、レンズ(略円柱または球面レンズ)は幅または直径が400μであり、約350μmの全体厚を透明押印層として選ぶことが好ましい。

    カード内には好ましくはパルス操作レーザ、例えばND−
    YAGレーザによって情報を与え、レーザ光線9を一定角度でレンチキュラースクリーンにさし向ける。 最初の情報は、例えばシンボルマーク、標章またはカード使用者の写真の形で、垂直の入射角度で設ける(第2図)。 データの記録は点走査法によって行うことが好ましい。 レンチキュラースクリーンをレーザ光線によって一点ずつ走査し、レーザパルス強度を画像情報に応じて調節する。 このようにして得られた画像は個々のスクリーン点、いわゆる画素から成る。

    レーザ光線が略円柱レンズを通過する際、ビームは有効に収束される。 従って書込は各レンズの中心より下に位置する狭い縞状領域11に限られる。 次に情報は各縞状の像の形で存在し、これらの縞は一連の別々の画素により形成される。 カード構造、層材料、厚さ、レンチキュラースクリーン構造およびレーザパラメーターを適当に選ぶことにより、レーザ照射によって生じたカード材料の変化に関して、その形状および位置を選択的に変えることができる。 第2aないし2c図に示した実施例では、上記パラメータは、例示を簡素化するためにも、材料の変化をカードコア層の表面領域に制限するように選択した。
    しかし多くの場合、このようなはっきりした制限は達成し得ない。 むしろ、光学的に認識できる材料の変化は比較的大きい奥行全体に生じ、それによって近接する層、
    例えばカバー層も、おそらくレーザ光線の収束した領域における増加したエネルギー密度により、局所的に変化する。 しかしこれは、先に説明したように、層の分離および再結合を必要とする改ざんが所望の目的を達しないことを意味するので、不利ではなく有利である。 この最初の情報をカードに与える場合、カードを一定の角度、
    例えば27゜で一方の側に傾かせ、あるいは光線内に置いたプリズムによって入射角を変化させ(第2図)、例えばカードの有効期間を定める第2の情報を、縞像10bの形で同じようにして与える。 次にカードを、好ましくは正常のカードから同じ角度でもって他方の側に傾かせ、
    第3の情報(縞像10c、第2c図)を設ける。 この情報は、例えば顧客番号のようなカード特有の情報を含むことができる。

    次に偏向像を見る場合、縞像10aで表された情報のみが垂直の視角で見られ、また縞10bおよび10cで形成された第2および第3の情報は、それぞれ、データキャリヤを横から、または傾けて見た場合に見られる。 カードをさらに傾けると、これらの情報が再び見えなくなり、カードを同じ方向にさらに回転させると、接近したある円柱レンズに実際に属している近接した縞像が観察者の視野に現われる。 このようにして、情報のもう1つの変化が起こる。 第2の情報を見た後に同じ方向にカードをさらに傾けると、例えば、ある角度回転させた後に第3の情報が現われる。 というのは、その縞像が観察者の視野に入って来るからである。

    通常、カードが傾くことによって記録中にレーザ領域の有効深さから像が外れる。 しかし、円柱レンズは、どのような場合にも書込角度に応じてカード内に焦点合わせが行われるように、レーザ光線を収束させる。 ただし、
    書込深さは変わる、これは、見る人には認識されず、これらのシンボルマークの領域のどこにも焦点差が検出できない。 レーザが材料内に比較的太い線で記録するということは、偏向鏡の回転によってレーザ光線がレンチキュラースクリーンを横切る方向に向けられた際にレーザ光線が像の全ての領域に正確に同じ角度でヒットしないことが不都合ではないことを意味する。 各レンズには先行するレンズと僅かに異なる角度で命中する。

    個々の情報は混合されて存在するが、それらは対応する視角で別々に見える。 第3図は複数の角度で見た複数の像を三次元図で示している。 情報は上記の例のように互いに完全に独立しているか、または互いに一定の関係をもつ。 従って例えば個々のモチーフを各記録角度で僅かに変更した形(例えば異なる視界)で示すことができる。 カードを傾けたとき動いている像の印象を生じるように押印することもできる。

    マーキングは、例えば標準状態のカードに対し約30゜の記録角度で始まるレンチキュラースクリーンの一端に与える。 レーザ光線によってレンズを横切る方向にレンチキュラースクリーンを走査する間に、記録角度は、1方向にあるいは所定のステップで連続して変化する。 データ受容層の押印位置は、従って、円柱レンズの中心位置に対してシフトして、カードを僅かに傾けて見る場合、
    レンチキュラースクリーンの一端から他端まで押印が移動する効果が現われる。

    異なる角度で目に見える複数の情報を与える本発明による方法はまた、見る人に三次元の印象を伝える像をつくるために用いられる。 例えば、視覚の幾何学(eye geom
    etry)によって写した二種のモチーフを対応する角度でレンチキュラースクリーンを通して記録すると、像を見る際に一部の像は左目の視角に現われ、他の像は右目の視角に現われる。 見る人に対して、2つの部分像は結合して三次元効果をもつ像を形成する。

    レーザデータは種々の方法で記録される。

    データ保有層は、例えば第2図に示すように、防護プリントおよび場合によってはさらに他のデータを備えたカードコア層6によって直接構成することができ、これによって、好ましくはカードごとに不規則にデザインされる防護プリントをレンチキュラースクリーン領域にまで延在させることもできる。 この防護プリントはレンチキュラースクリーンを通して不完全なゆがんだ形で見えるが、全ての視角で見える。

    またレリーフ構造がカードの平滑面領域にほとんど流れ込むようにスムーズに連続していくように、縁領域にレンチキュラースクリーンを設計することもできる。 これは偏向像を取り外し、偽造カードに移すことを一層困難にする。 またパターン、例えば組ひも飾り模様をレーザによってレンチキュラースクリーンと周囲の押印していないカード領域の境界領域に設けることもできるが、本発明によってつくられた偏向像をさらにカードと融合させる。

    コア層は好ましくは着色した合成層または、変色し、例えばレーザ光線の影響で黒くなった紙の層である。

    さらに可能な変更例では、レーザ光を良く吸収する追加のデータ受容層を、コア層と、レンチキュラースクリーンを押印した透明カバー層との間に設ける。

    このため、コア層を、例えばレンチキュラースクリーンの領域で、金属のような適当な材料、着色層等で被覆する。 レーザ記録に適した材料は、例えば米国特許第4,03
    2,691号に開示されている。 さらにアルミナをベースとした適当な物質が、例えば西独国公開特許第3311882号に記載されている。 これらの層はまた、レーザ強度を適当に制御するとモチーフが異なる色で示されるようにすることができる。

    第4図は特に有利な例を示す。 追加の透明な合成層16をレンチキュラースクリーンを備える透明カバー層7とコア層6との間に設けるが、前記追加の透明な合成層は、
    使用する特定のレーザ光に対し比較的高い吸収力を示す。 このような追加の透明な合成層は西独国特許第3151
    407号と西独国公開特許第3425263号に開示されている。
    これらは添加剤を例えば着色料の形で含み、殆ど目に見える透明性を損わないが、レーザ光線に対し吸収中心となる作用があり、追加の透明な合成層において黒化を生じさせる。

    この層の厚さとレーザ光線を透過するカバー層の厚さを互いに、レンズの焦点面が追加の透明な合成層領域に入るように調整する。 好ましくは追加の透明な合成層はカードの外側寸法に相当し、その表面全体に亘ってカードに一体化させる。 その透明性のため、下にある層のデータと情報はまだ目に見える。 PVCは加熱と加圧の効果で隣接層に特に良く接合するので、追加の透明な合成層を
    PVCから作ることが好ましい。 また追加の透明な合成層は、例えばレーザ記録に敏感でない外側層とレーザ記録に敏感な内側層から成る複合フィルムとして形成された透明カバー層の一層であってもよい。 その内側層は、透明カバー層によって安定化される特に薄い設計にすることができる。

    レーザによって書込みのできる追加の透明な合成層を「データ受容層」として使用する場合、画素17、すなわち黒変領域は、前記追加の透明な合成層に書込を行う際にカード中のこの層の深さに応じて追加の透明な合成層の内部に異なって形成される。

    第4b図は、与えられた400μのレンズ直径と1.5の屈折率にて、種々の埋め込んだ深さに従って、感光フイルム(追加の透明な合成層)において予想される黒化をまとめて示した図である。 表面近くまで、ここでは約350μ
    の深さまで埋め込んだ場合、3種の角度(30,31,32)で設けられた部分像または画素(33,34,35)は重なる。 しかし、この深さより下では、画素は分離して存在し、複数の部分像が隣接する画素の影響を受けずに別々に見える(第4e〜4g参照)。 好適例において、感光しない押印透明カバー層とその下の感光性フイルム(追加の透明な合成層)のフイルム厚は、入ってくるレーザ光線の方向に向いている棒状(第4f図)または僅かに円錘形(第4g
    図)の画素を形成するように選択される。 これは、第4b
    図に示したようなレーザパラメータの場合に、例えば10
    0μ厚さのレーザ感光性フイルム(追加の透明な合成層)を約350〜600μのカード深さに埋め込んだことを意味する。 得られた部分像は互いに分離しており、従って、はっきり別々に見える。 棒状の画素は、合成材料の局部的に限られた分解によって形成される顕微鏡的に小さい黒色の各領域から成る。 棒状の画素はまた、第4a図と第5図に示すように透明カバー層に連続させることもできる。 レーザ光線の収束に起因して、特に焦点領域の付近のレーザ光線のパワー密度は通常、透明カバー層(これはあまり敏感ではない)においても光学的変化を生じさせるのに十分である。

    これらの像を円柱レンズを通して見る場合、棒状の画素は常にいろいろな角度で垂直になっていると見なされる。 それ自体は完全に黒化されていないが、数百μの長さに亘って黒化しているように光学密度を与える(レーザパルスエネルギー、レンチキュラースクリーン焦点、
    使用したフイルムの感光性と厚さに依存する)。 このため、各像は別々の部分像に属する棒状の画素が偶然互いに接触した場合にもはっきりと見える。 黒色化の程度はこれらのフイルムでレーザ強度またはパルス力を制御することによって簡単かつ再現性のある形態で調整でき、
    その結果ハーフトーン像を表現することもできる。

    特定の部分像に属していない棒状画像は問題の視角方向に配向されず、重なった際にだけ側面から見られる。 しかし、側面から見る場合、光学密度は非常に低く、従って妨げとはならない。

    レーザ密度が高くなると、棒状画素は広くなる。 この広がりにより、情報がより大きな視角範囲で見えることになる。 従って、レーザ強度を制御するだけで、狭い視角範囲でのみ読み出すことができる情報、および極端な場合にはほとんど全ての視角から見ることができる他の情報を付与することができる。 このようにして、例えば(骨組のような)全ての部分像全部に共通な像部分を、
    レーザ強度を増加させながら1つの角度において1作業段階で設けることができ、一方、種々の情報は、それに合ったより低いレーザ強度によって特定の角度で付与される。 これは、全ての部分像に比較して、記録に必要なレーザパルス数を経らし、従ってまた偏向像を形成するために必要な書込時間をも減らす。

    しかし、画像情報を直接レンチキュラースクリーンを有する透明カバー層に設けることもできる。 このため、レーザ光線に対して僅かな感光性を有し、(ここでは円柱レンズ等による場合のように)レーザ光線が追加的に収束される際にのみ黒化が起るような透明カバー層を選ぶ。 焦点領域では、パワー密度は合成材料の分解が行われる程高く、焦点の外側では、パワー密度は材料を分解するには不十分である。

    高いパワー出力をもつレーザは一般に、合成フイルムの内部を黒化するのに必要とされる。 例えば適当なレーザは、1.064μの波長で10 4 〜10 5ワットのピークパルス出力を有するパルス動作で作動するND−YAGレーザである。

    パルス動作は点スクリーンの形で画像情報を記録し、この時各画像点はレーザパルスに対応する。 本発明の方法のように、情報をレンチキュラースクリーンを通して与える場合、種々のレンズを横切る走査はレーザのパルス周波数と同期されなければならない。 さもなければ、レーザパルスが次のレンズをヒットするかしないかによって黒化の程度が不均一となるからである。 しかし、このような同期化は技術的には極めて手が込んでおり、次に示すように、光線直径、レンズ幅、走査速度およびパルス周波数のパラメータを適当に調和させることによって避けることができる(第5図)。

    このため、レーザ光線9がレンチキュラースクリーンをヒットする際、そのレーザ光線が個々のレンズの幅より小さい直径を有し、好ましくは3個の偏向像を与える場合にレンズ直径の1/3以下の直径を有するようにする。
    次に、レンチキュラースクリーンをレーザ光線が掃引(走査)する際に複数の、例えば4本のレーザパルス1
    8,19,20,21を各レンズにヒットさせるように、走査速度とパルス周波数を選ぶ。 従って各画素17は少なくとも2
    本の連続するレーザパルスによって生じる。 この例では、最初のレーザパルス18が正確にレンズの開始部分にこない場合、そのエネルギーは2個のレンズに分離され、その結果得られたパワー密度は感光層においてさえも顕著な黒化を生じさせるには不十分である。 第2の、
    または次のパルスは完全にレンズにヒットし、画素を十分に黒化する。 この方法では、同期しない記録の場合に生じるモアレを避けることもできる。

    レーザ光線によってレンチキュラースクリーンを通して情報を与えることには、レンチキュラースクリーンの光学的品質に対する要求が比較的重要ではないという点で利点がある。 例えば記録の際の光路とその後の視認の際の光路が同一であるため、例えば近接するレンズとは異なってレーザ光線を偏向させかつそれによって記録点のシフトをまねくような個々のレンズの局部的欠陥は問題ではない。 同じ理由で、レンズ形状、レンズ配列、焦点距離および/またはスクリーン同期、並びにレンチキュラースクリーンのパラメーターを変えることは問題なく可能である。

    従ってまた、レンズの局部的欠陥または選択的局部変化は、変造からカードを保護するのに貢献する。 改ざん中にレンチキュラースクリーンが破壊し、新しいものと置き換えられた場合、レーザにより形成したデータの上に類似のレンチキュラースクリーンを正確に整合させることに偽造者が成功したとしても、改ざんは見破られる。
    従って、レンズ欠陥による記録点のシフトは置き換えられたレンチキュラースクリーンによって補正されず、見える画像は元の焦点を失っている。 透明合成層を使用する場合、棒状の画素は最大光学密度となる該画素の長手軸ではもはや正確には観察されずに、該縦軸に対してある角度ずれたところで観察される。 よって、像は黒化の程度において局部的な差を示す。

    「データ受容層」として透明合成層を用いることは、個々のカード層同士が全面にわたって同程度に均質に接合され、これら層が再び分離することがない点で、コア層の特殊コーティングにより有利である。 一方、レンチキュラースクリーン領域のコア層のコーティングは一般に、この領域においても各層間の固い結合を得るために、追加の処理が必要である。

    また、レンチキュラースクリーンより下に位置するか、
    またはその中に伸びている印刷パターンはカードのコア層の上にまだ見えている。 一般に身分証明書には背景パターンが設けられており、モチーフの位置はカードごとに不規則に変わる。 背景パターンがレンチキュラースクリーン領域まで伸びている場合、異なるカード同士の背景パターンは、正確に合致する態様で存在することがほとんどないと言えるので、これもまた、押印された偏向像をうまく他のカードに移すことを妨げる。

    第6図は本発明の偏向像を機械的に検査するための装置を示す概略図であり、この偏向像は、標準状態のカードの方向、および標準状態のカードに対し約プラス27゜およびマイナス27゜の角距離で目に見える3種の部分像を含む。

    検査装置には、複数の各フォトダイオードから成り、感光性受容面を形成する3個の光検出器21,22,23がある。
    光検出器は、カード1に位置した偏向像13にて異なる角度(0゜,+27゜,−27゜)に向いている。 適当なスクリーン配置または追加の光学部材(図には示していない)を用いて、狭い角度範囲の光のみを光検出器が感知するように確保し、光検出器の視野を検査装置内に位置した偏向像13に制限する。 また装置は偏向像を照らす光源29を含む。 各検出器配列の各フォトダイオードから得られた信号は電気的に加算させる。 画像情報は各方向で異なるので、異なる測定値A(検出器21)、B(検出器
    22)およびC(検出器23)が得られる。 これらの測定値はデータ処理装置で標準化される。 例えば商A/A+B+
    C、B/(A+B+C)、C/(A+B+C)を検出し、全輝度から独立した信号を得る。 このようにして得られた測定値を、次に記憶ユニットに存在する対応値と比較する。 偏向像は少なくとも1個の部分像にカードの各情報を含むので、測定値は像によりカードにより常に異なる。 比較値を直接カード、例えば磁気トラックまたは既知のタイプの異なる機械的に読み出せるコード(OCRコード、バーコード)に記憶させる場合、これらの値がさらにカードに結合されて得られる。 さらに、カードの検査は直接カードに記憶させた測定データの比較によって行われ、こりにより追加の中央記憶ユニット等を不要にすることができる。

    偏向像を検査する際に標準情報をもつ部分像のみが使用される場合、比較値もまた、検査装置に永久保存することができる。

    一定的測定の代りに、偏向像を複数の方向から一列ずつ走査し、対応値を比較することもできる。 顧客番号のような情報を機械的に読み出せるコード(例えばOCRコーディング)に設ける場合、文字を直接読んで検査することもできる。

    第7図は本発明の別の例を示す。 本発明の偏向像24,25
    を、印刷技術によって設けられた偏向像26,27または2
    つの像から成る3D像と結合する。 像26,27は、カードをほぼ垂直に、例えばプラス8゜およびマイナス8゜で見ると見えるように設ける。 カードをさらに1方向または他の方向に傾けると、レーザ偏向像24,25が認められる。 偏向像26,27は通常の印刷技術によってつくれるので、どんな色でもつくれる。 これらの像26,27をカードごとに変えることは、工業的加工の観点から不利である。 従って、どのカードでも同じ情報、例えばシンボルマーク、期間等を有するように使用するとよい。 カードの各人のデータを冒頭に述べたレーザ技術によって設ける。 これを色コントラスト、例えば黒を用いて行うと、
    像26,27の像24,25への移行が部分的に良く認められる。

    冒頭に述べたカードと類似した第7図に示したカードをつくることができる。 またレンチキュラースクリーンは、積層プロセスの間にラミネートプレート(laminati
    ng plates)を用いることによっても押印することができる。 像26,27は、例えば、一般の印刷パターン(背景パターン、組みひも飾り模様等)と共に設ける。 ラミネートプレートを印刷された象眼(コア層6)と共に用いる場合、印刷されたシートに設けた登録マークがラミネートプレートの登録マークと正確に整合していることを確かめるだけでよい。 この場合、レンチキュラースクリーンの平行レンズは自動的に印刷パターン26,27の列に平行になる。 カードに穴をあけた場合、登録マークはもはや利用できないので、偽造者はどんな逃げ道も与えられず、どんな改ざんをしても、本明細書第16頁第26行〜
    第17頁第3行等で述べた問題は変らないまま存在する。

    しかし、カードを製造する前に印刷パターンをカバーフイルムの内側表面に印刷し、レンチキュラースクリーンを印刷パターンと正確に整合するように押印し、あるいは逆に(押印−印刷)行うこともできる。

    第7図に示したカードは、異なる技術(レーザ技術および印刷技術)を融合させて、目で見て検査できるカードマークを作るものである。 これは、一方ではバリエーションの可能性をさらに増やし、他方では、偽造からの保護を向上させる、という利点もある。

    しかし、この例では、レンチキュラースクリーンのレンズの焦点面または少なくともその付近に設けた場合に印刷パターンが「傾く」だけであることを考慮しなければならない。 従ってカバーフイルムの厚さと印刷パターンの位置をレンズの焦点距離に合わせて選ばなければならない。 また、レーザ光線によって生じかつカバーフイルムに連続する黒化は、印刷技術によって生じた印刷パターンを陰らせないことに留意しなければならない。 このような問題も、比較的反応しない透明カバー層材料、低いレーザ強度を、レーザに敏感な材料によるカードコアのコーディングとおそらく組合せて用いることによって避けられる。

    しかし、第4図に示すようなカード構成を使用する場合、レーザ記録は追加の透明な合成層の内部で行われるので、透明カバー層と追加の透明な合成層間に印刷パターンを設けることによって印刷技術により形成された追加の偏向像を任意に設けることができる。 熱に関連した積層の問題や、印刷パターンに正確に整合するようにレンチキュラースクリーンを接合する際に生じる他の問題を避けるために、カバーフイルムに予めレンチキュラースクリーンを形成し、印刷パターンをレンチキュラースクリーンのある側とは反対側にレンチキュラースクリーンと整合させて印刷し、良く接着するがレーザ光線と干渉しない適当な接着剤を用いる冷積層法によって他のカード層と結合することもできる。

    しかし、偽造からの高度の保護は、偏向像を記録するレーザを使用し、特にカードの透明層の内部に記録することと組み合わせてのみ得られるものであり、これのみが偽造や変造からの高度の保護と簡単な製造とを結びつける可能性を与える。 次に示す側面は特に偽造からの保護と生産工学に対し価値がある。

    カードごとのデータをレーザ制御によって容易に与えることができ、本物のカードから偽造カードに偏向像を移すことを無意味にする。

    工業的な処理により正確に整合するようにデータを同時に複数の層領域に与え、その結果、カードの複数層を分離してデータに接近しようとする改ざんは直ちに認識される。

    整合に関して何ら問題なくランチキュラースクリーンの下方に情報を与え、仕上げたカードでこれを行うこともできる。

    カード材料をレーザにより不可逆的に変化させ、その後の変化、すなわちデータの変造を行うことを不可能にする。

    印象的な珍しいレンチキュラースクリーン、例えば円柱レンズと球面レンズの組合せを何ら問題なく使用できる。 球面レンズを使用して、例えば偏向像の縁領域に装飾した印象的なデザインを与えることができる。 模造品をつくりたい偽造者は、従って、各タイプのカードに特殊な押印スクリーンを作ることを強いられ、レンチキュラースクリーンによる偏向像を有する既知のカードにたよることができない。 珍しい印象的なレンチキュラースクリーンを再構成する面倒は従って模造に対し有効な防壁である。

    異なる焦点距離のレンズをもつレンチキュラースクリーンを使用し、印刷または写真技術を用いる模造品の製造に対し克服できない問題を提起する。 部分像の記録がレンズの焦点面にあるようになるとしても、偏向効果(tilt effect)はこれらの模倣に存在する。 従って偽造者は三次元形態で部分像の記録を行うことを強いられる。 しかし、レーザによって生じた偏向像は好ましくは棒状の内部要素の形態で記録されるので、異なる焦点距離をもつレンチキュラースクリーンを通して記録を行う場合、この困難を伴わない。 ところで、棒形状に起因して、球面レンズの下の領域もまた、記録方向に対して垂直にのみ傾く。

    記録形状を適当に選択してレンチキュラースクリーンをつくることにより、偏向効果が得られる。 すなわちカードを傾けると情報が変化し、これはカードを1つの所定の回転軸の回りに回転させる場合だけでなく、カードを他の回転軸の周りに回転させる場合にも見られる。 例えば第8図は、円柱レンズがカードの長手軸に対し45゜の角度で伸びているレンチキュラースクリーンを示している。 部分像(10a,10b,10c)は、カードのレンチキュラースクリーン領域8を一列ごとに(line by line)走査して設けられ、この走査はカードの1端縁の方向に行われる。 種々の部分像を、上述したように、いろいろな記録角度で設ける。 しかし、ここで示した配列では、記録中にレーザ光線は円柱レンズをその長手軸に垂直に横切って掃引するのではなく、45゜の角度で掃引する。 この方法で与えられた部分像は、カードをその縦軸と横軸(a,b)の周り、およびカード対角線に対し同一線上でレンズの長手軸に対し垂直に延びている軸の周りに回転させた場合に、交互に見える。

    このような効果は、レーザ光線がもはや円柱レンズの縦軸に対して直角にレンチキュラースクリーンを横切る方向に向けられておらず、10゜〜80゜の範囲の角度に向けられると直ちに得られ、これによって種々の観察方向から目に見える部分像10a〜10eを、第8図に示した例のように、特に45゜の角度において互いにはっきりと分離して観察することができる。 レンズを走査方向に対し正確に45゜に並べる必要がないので、曲線のアーチ状または類似の形状の円筒レンズまたは他のレンズ形状も、同じ効果を達成するために使用できる。 また、レンズを違った形で、例えばヘリンボンパターンの形で、レンチキュラースクリーンの別の領域に並べることもできる。

    これらの点は個々にまたは組合わせて、身分証明書のようなデータキャリヤを、模倣することが困難または事実上不可能でコピーまたは写真技術によって再構成することができず、さらに容易に試験できる認証マークを用いて、簡単な方法で与えるために貢献する。 しかし、本発明の解決法は標準の情報(シンボルマーク、国旗等)とカードごとの情報(写真、顧客番号等)を固く結合する簡単な方法を提供する。 同じようにして、有効期間またはカードの系列を指定する情報のような他のデータを含めることもできる。

    【図面の簡単な説明】

    第1図は本発明のカードの正面図、 第2aないし2c図は複数の情報を与えるための各進行段階を示す図、 第3図は種々の角度で見た情報を示す図、 第4aないし4g図は合成層で作られた本発明の偏向像の複数の実施例を示す図、 第5図は点走査法による書込工程を示す図、 第6図は検査装置の概略図、 第7,8図は本発明の他の実施例を示す図である。 1……身分証明書、2……使用者の名前 3……顧客番号、4……カード番号 5……施設情報、6……コア層 7……透明カバー層 8……レンチキュラースクリーン領域 9……レーザ光線、10a,10b,10c……縞像 11……縞状領域、12……データ保有層 13……偏向像、15……レリーフ構造 16……追加の透明合成層、17……画素 18,19,20……レーザパルス 21,22,23……光検出器 24,25,26,17……偏向像 29……光源 33,34,35……部分像または画素

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl. 6識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 27/06 G06K 9/74 0590−5L 19/06 19/08 G11B 7/007 9464−5D (72)発明者 ユルゲン メルクレ ドイツ連邦共和国 ディー−8000 ミュン ヘン リンダッヒェル ストラーセ 9 (72)発明者 アーウィン ロブ ドイツ連邦共和国 ディー−8000 ミュン ヘン 70 ハイテルヴァンゲルストラーセ 4 (72)発明者 ジョゼフ ラス ドイツ連邦共和国 ディー−8000 ミュン ヘン 40 ヒルテンスペルゲル ストラー セ 29 (72)発明者 ヴィティッヒ カオレ ドイツ連邦共和国 ディー−8080 エメリ ング リンダッヒェル ヴェーグ 13 (56)参考文献 特開 昭49−53816(JP,A) 特開 昭57−128598(JP,A) 実開 昭58−101775(JP,U)

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