レンチキュラー印刷物

申请号 JP2015134789 申请日 2015-07-03 公开(公告)号 JP2017013445A 公开(公告)日 2017-01-19
申请人 富士フイルム株式会社; 发明人 勝本 隆一; 日比野 亮; 車 彦龍;
摘要 【課題】文字情報を複数の言語によって高い判読性を持って表示することができ、嵩張らず、使用する場所が限定されず、安価に製造することができる印刷物を提供する。 【解決手段】半円筒形状の表面を有する複数の凸状レンズが並列したレンチキュラーレンズと、凸状レンズの前記半円筒形状の表面とは反対側に配置され、複数の言語でそれぞれ独立して表示させるための文字情報を含むレンチキュラー画像と、を有し、レンチキュラーレンズを介してレンチキュラー画像を観察したときに、観察 角 度によって文字情報を表示する言語が切り替わるレンチキュラー印刷物10。 【選択図】図1
权利要求

半円筒形状の表面を有する複数の凸状レンズが並列したレンチキュラーレンズと、前記凸状レンズの前記半円筒形状の表面とは反対側に配置され、複数の言語でそれぞれ独立して表示させるための文字情報を含むレンチキュラー画像と、を有し、 前記レンチキュラーレンズを介して前記レンチキュラー画像を観察したときに、観察度によって前記文字情報を表示する言語が切り替わるレンチキュラー印刷物。名刺である請求項1に記載のレンチキュラー印刷物。前記文字情報が、観察角度によって3つ以上の言語に切り替わる請求項1又は請求項2に記載のレンチキュラー印刷物。前記レンチキュラー画像は、前記複数の言語のうち少なくとも2つの言語間で共通する共通事項を含み、観察角度を変化させたときに、前記共通事項は、前記共通事項を含む少なくとも2つの言語間で同じ位置に表示される請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のレンチキュラー印刷物。前記レンチキュラーレンズを構成する前記凸状レンズが、2.54cm当たり100列以上並列している請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のレンチキュラー印刷物。前記レンチキュラーレンズ及び前記レンチキュラー画像を両面に有し、両面において、それぞれ観察角度によって前記文字情報を表示する言語が切り替わる請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のレンチキュラー印刷物。前記レンチキュラーレンズの前記凸状レンズの前記半円筒形状の表面とは反対側の面に紙を貼り合わせた請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のレンチキュラー印刷物。前記レンチキュラーレンズ及び前記レンチキュラー画像を両面に有し、観察角度によって、一方の面の前記レンチキュラー画像が第1言語〜第3言語の3つの言語に切り替わる文字情報を含み、他方の面のレンチキュラー画像が前記第1言語〜第3言語とはそれぞれ異なる第4言語〜第6言語の3つの言語に切り替わる文字情報を含む請求項6又は請求項7に記載のレンチキュラー印刷物。

说明书全文

本発明は、レンチキュラー印刷物に関する。

国際化社会が進む中、文字情報を含む画像を紙等の記録媒体に印刷して表示する場合、文字情報を複数の言語で表示することが求められる場合がある。 例えば、名刺の場合、所属組織名、氏名、住所などの文字情報を両面で互いに異なる言語(例えば、一方の面は日本語、他方の面は英語)で記した名刺や、文字を小さくして1つの面に複数の言語で表記した名刺が使用されている。あるいは、取引先の使用言語ごとに名刺を作成し、応対する相手に応じて手渡す名刺を使い分ける場合もある。 一方、多くの情報を表示できる名刺として、例えば、冊子状にした名刺が提案されている(特許文献1参照)。

また、名刺に限らず、空港、駅、デパート、コンビニエンスストア、飲食店、観光地などの外国からの来訪者が多い場所における掲示物やメニューなどは、外国からの来訪者も理解できるように複数の言語で表示することが望まれる。 また、使用言語が異なる複数の民族が暮らしている国や地域でも文字情報を複数の言語で表示することが望まれる。

意匠登録第1400591号公報

文字情報を複数の言語で表示する場合、例えば1枚の紙面に複数の言語で表記すると、表示する言語数を増やすほど文字を小さくする必要がある。特に名刺のように紙面のサイズに制限がある場合、一方の面に複数の言語表示を行うと、文字を極めて小さくする必要があったり、紙面に文字を密に印刷する必要があり、判読性が著しく低下してしまう。そのため、1枚の名刺で3つ以上の言語で高い判読性を持って表示することは難しい。 例えば、特許文献1に提案されているような冊子状の名刺において、頁毎に異なる言語で表示することも考えられるが、嵩張るため、名刺の使用者、受領者とも携帯や保管に不便である。

また、例えば、ポスター等の掲示物に関しては、液晶パネル等の電子媒体によって表示言語を変化させる方法もあるが、表示装置と電源が必要であり、設置場所が限定されるとともに、表示装置は高価である。

本発明は、文字情報を複数の言語によって高い判読性を持って表示することができ、嵩張らず、使用する場所が限定されず、安価に製造することができる印刷物を提供することを目的とする。

上記目的を達成するため、以下の実施形態が提供される。 <1> 半円筒形状の表面を有する複数の凸状レンズが並列したレンチキュラーレンズと、凸状レンズの半円筒形状の表面とは反対側に配置され、複数の言語でそれぞれ独立して表示させるための文字情報を含むレンチキュラー画像と、を有し、 レンチキュラーレンズを介してレンチキュラー画像を観察したときに、観察度によって文字情報を表示する言語が切り替わるレンチキュラー印刷物。 <2> 名刺である<1>に記載のレンチキュラー印刷物。 <3> 文字情報が、観察角度によって3つ以上の言語に切り替わる<1>又は<2>に記載のレンチキュラー印刷物。 <4> レンチキュラー画像は、複数の言語のうち少なくとも2つの言語間で共通する共通事項を含み、観察角度を変化させたときに、共通事項は、共通事項を含む少なくとも2つの言語間で同じ位置に表示される<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレンチキュラー印刷物。 <5> レンチキュラーレンズを構成する凸状レンズが、2.54cm当たり100列以上並列している<1>〜<4>のいずれか1つに記載のレンチキュラー印刷物。 <6> レンチキュラーレンズ及びレンチキュラー画像を両面に有し、両面において、それぞれ観察角度によって文字情報を表示する言語が切り替わる<1>〜<5>のいずれか1つに記載のレンチキュラー印刷物。 <7> レンチキュラーレンズの凸状レンズの半円筒形状の表面とは反対側の面に紙を貼り合わせた<1>〜<6>のいずれか1つに記載のレンチキュラー印刷物。 <8> レンチキュラーレンズ及びレンチキュラー画像を両面に有し、観察角度によって、一方の面のレンチキュラー画像が第1言語〜第3言語の3つの言語に切り替わる文字情報を含み、他方の面のレンチキュラー画像が第1言語〜第3言語とはそれぞれ異なる第4言語〜第6言語の3つの言語に切り替わる文字情報を含む<6>又は<7>に記載のレンチキュラー印刷物。

本発明によれば、文字情報を複数の言語によって高い判読性を持って表示することができ、嵩張らず、使用する場所が限定されず、安価に製造することができる印刷物が提供される。

本発明に係るレンチキュラー印刷物の一例として観察角度によって3つの言語に切り替わる名刺の一例を示す概略図である。

本発明に係るレンチキュラー印刷物において1つのレンズ下に配置されている画像列の配列の一例を示す概略図である。

本発明に係るレンチキュラー印刷物におけるレンチキュラーレンズの配置の一例を示す概略図である。

本発明に係るレンチキュラー印刷物の観察角度の変化の一例を示す概略図である。

日本語表示と英語表示の切り替えが可能な名刺において共通事項を同じ位置に配置した一例を示す図である。

以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実質的に同一の部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は省略する場合がある。

本発明の実施形態に係るレンチキュラー印刷物は、半円筒形状の表面を有する複数の凸状レンズが並列したレンチキュラーレンズと、凸状レンズの前記半円筒形状の表面とは反対側に配置され、複数の言語でそれぞれ独立して表示させるための文字情報を含むレンチキュラー画像と、を有し、レンチキュラーレンズを介してレンチキュラー画像を観察したときに、観察角度によって文字情報を表示する言語が切り替わるように構成されている。

本発明に係るレンチキュラー印刷物は、観察角度の変化によって表示言語が切り替わる構成を有するため、1つの言語による一般的な名刺に比べ、複数の言語表示による情報量が増えるにもかかわらず、各言語の文字を小さくしたり、記録媒体自体を大きくする必要がない。そのため、例えば名刺のように表示面が小さくても、文字情報を複数の言語によって高い判読性を持って表示することができる。 また、本発明に係るレンチキュラー印刷物は、1枚で観察角度によって表示言語を切り替えることができるため、冊子のように嵩張らず、液晶パネル等の電子媒体や電源が不要であり、安価に製造することができ、使用する場所も限定されない。そのため、本発明に係るレンチキュラー印刷物は、例えば、名刺のように相手に手渡したり、衣類のポケット等に入れて携帯するようなサイズの小さい印刷物としても好適に利用することができる。

以下、本発明に係るレンチキュラー印刷物の一例である名刺について説明する。なお、本発明に係るレンチキュラー印刷物は名刺に限定されず、文字情報を含む印刷物であれば特に制限なく適用するができる。 図1は、本発明に係るレンチキュラー印刷物の一例である名刺(以下、「レンチキュラー名刺」と記す場合がある。)10を示す概略図である。名刺には、一般的に、使用者の氏名、所属組織の名称、肩書き、住所、電話番号、FAX番号、E-mailアドレス、URL等の文字情報が含まれる。図1に示すレンチキュラー名刺は、これらの文字情報が、観察する角度によって3つの言語(第1言語、第2言語、第3言語)で切り替わるように構成されている。 以下、本発明に係るレンチキュラー印刷物の構成について具体的に説明する。

(レンチキュラーレンズ) レンチキュラーレンズ(以下、レンチキュラーシートという場合がある。)は、本発明に係るレンチキュラー印刷物を観察する側において半円筒形状の表面を有する複数の凸状レンズが並列した構成を有し、光透過性を有する樹脂によって形成されている。 レンチキュラーレンズを製造する方法は特に限定されず、例えば、光透過性を有する樹脂をシート状に溶融押し出した後、片面にエンボス加工等を施して凸状レンズが並列したレンチキュラーレンズに成形することができる。

レンチキュラーレンズを構成する樹脂としては、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合樹脂(AS樹脂)、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、熱可塑性エラストマー、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。 溶融押出しやすさを考慮すると、例えば、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリレート-スチレン共重合樹脂(MS樹脂)、ポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂のような溶融粘度の低い樹脂を用いるのが好ましい。 エンボス加工によって凸状レンズを形成する際、エンボスローラの表面に形成されたレンズ形状が転写されやすく、エンボス加工時にレンズにひび割れが生じにくいという理由から、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いることがより好ましい。 なお、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂としては、アモルファスPETを使用してもよい。 また、本発明におけるレンチキュラーレンズは、複数の樹脂を含んで構成されていてもよい。

レンチキュラーレンズを構成する凸状レンズ1本当たりの幅は特に限定されず、目的によってレンズのピッチ幅を選択すればよい。通常、1インチ(2.54cm)当たりの凸状レンズの数を表したLPI(Line Per Inch)を用いることが多い。100LPIは1インチ当たり100本(100列)の凸状レンズがあることを示しており、レンズのピッチは254μmである。線数が大きくなればなるほどレンズのピッチは小さくなり、精細度が向上する。 精細度の低いレンチキュラーシート(例えば60LPIなど)は、観察位置が比較的遠い図柄を表示するポスターなどに使うには適しているが、名刺など小さい文字情報を読ませることを目的とする場合は、レンチキュラーレンズを構成する凸状レンズが、2.54cm(1インチ)当たり100列以上並列していることが好ましい。一方、レンチキュラー画像の解像度の観点から、レンチキュラーレンズを構成する凸状レンズの配列数は、2.54cm当たり200列(200LPI)以下であることがより好ましい。

(レンチキュラー画像) レンチキュラー画像は、凸状レンズの半円筒形状の表面とは反対側に配置されており、複数の言語でそれぞれ独立して表示させるための文字情報を含んでいる。レンチキュラー画像は、レンチキュラーレンズを介してレンチキュラー画像を観察したときに、観察角度によって文字情報を表示する言語が切り替わるように形成されている。

本発明におけるレンチキュラー画像は、レンチキュラーレンズの凸状レンズの半円筒形状の表面とは反対側の面に印刷されていてもよいし、紙等の記録媒体に印刷したレンチキュラー画像が光透過性を有する接着層を介してレンチキュラーレンズの平滑面側と貼り合わされていてもよい。 レンチキュラー画像の形成方法は特に限定されず、例えば、オフセット印刷、インクジェット印刷等が挙げられる。オンデマンドの観点ではインクジェット方式が好ましい。 いずれの印刷方法を採用するにせよ、レンチキュラー画像の形成において印刷されるドットは、(凸状レンズのピッチ÷レンズ1つ当たりの画像列の数)以下であることが好ましい。例えば、100LPIのレンズ(レンズピッチ:254μm)で、レンズごとに12列の画像列を形成する場合は、254μm÷12≒21μm以下のドット径であることが好ましい。ドット径が小さくなるほど、表示される画像は鮮明となり、かつ、切り替え時の残像感及び切れ(鋭さ)が改善される。 また、例えば、名刺の場合、名前は最も大きな文字とすることが多い。そのような場合、残像感を軽減するためには、ゴシック調のような線幅の太いフォントではなく、線幅の細い、例えば明朝体のような、フォントを用いることが好ましい。

なお、レンチキュラーレンズの裏面(平滑面)に直接レンチキュラー画像を印刷する場合、レンチキュラーレンズ側から観察したときにレンチキュラー印刷物の背後の景色が透けて文字情報の可読性が低下する場合がある。また、レンチキュラー画像が表面に露出したままだと、擦れなどによってレンチキュラー画像が剥離して可読性が低下し易くなる。そのため、レンチキュラーレンズの裏面(平滑面)に直接レンチキュラー画像を印刷する場合は、レンチキュラーレンズのレンチキュラー画像を形成した面(平滑面)に、レンチキュラー画像を保護するための保護層を設けることが好ましい。保護層としては、紙、樹脂フィルム、金属シート、発泡スチロール等が挙げられる。また、レンチキュラー画像の裏面に例えば白色塗料を塗布し、乾燥させることで保護層を設けてもよい。 文字情報等の画像が形成されている部分以外の領域(背景)は、通常の名刺のように白地であってもよいし、切り替わり時の文字及び文字以外の画像の残像感を軽減するために、文字の判読を邪魔しない程度に着色したり、柄模様を入れたりすることもできる。 また、レンチキュラーレンズの凸状レンズの半円筒形状の表面とは反対側(平滑面側)の面に紙を貼り合わせる場合、文字情報の言語が切り替わるレンチキュラー画像は、レンチキュラーレンズの平滑面に形成してもよいし、紙に形成してもよい。

図2は、本発明に係るレンチキュラー印刷物の一部における凸状レンズと、各表示言語を構成する画像列の配置の一例を示す概略図である。図2に示すレンチキュラー印刷物では、レンチキュラーレンズ12の平滑面側に、レンチキュラー画像14として第1言語用画像列、第2言語用画像列、第3言語用画像列が、それぞれ凸状レンズ12Aの長手方向(レンチキュラーレンズ12の平滑面において凸状レンズ12Aの配列方向yに対して垂直方向)と平行に配置されている。各言語用画素列は、1本の凸状レンズ12A下において、それぞれ4本ずつの群(画像列群)を成して凸状レンズ12Aの幅方向に配置されている。

このように各凸状レンズ12A下に、3つの言語にそれぞれ応じた画像列が配置されていることで、観察者がレンチキュラーレンズ12を通じて、例えば各凸状レンズ下に配置されている第1言語用画像列が視野に入る角度で観察したときに、各第1言語用画像列のみが文字情報として視覚的に合成される。これにより、観察者は、図1(A)に示すように第1言語による文字情報を判読することができる。第2言語用画像列、第3言語用画像列について同様であり、各凸状レンズ下に配置されている各言語用画像列が視野に入る角度で観察して合成されることで、それぞれ、図1(B)、図1(C)に示すように各言語による文字情報を判読することができる。

なお、レンチキュラーレンズ12を構成する凸状レンズ12Aの長手方向と各画像列の長手方向との関係は、平行でもよいし、垂直でもよいが、凸状レンズ12Aの長手方向と各画像列の長手方向が平行に配置されていることが好ましい。例えば、図3に示すように、各表示言語の文字列がx方向に配置されており、各表示言語を構成する各画像列の長手方向がx方向である場合、レンチキュラーレンズの凸状レンズの長手方向もx方向であることが好ましい。このように、凸状レンズ12Aの長手方向と各画像列の長手方向が平行に配置されていれば、図4に示すようにレンチキュラー印刷物10を観察したときに、観察者の視線Sに対して、x方向(各画像列の長手方向及び凸状レンズの長手方向)と垂直となるy方向の角度を相対的に変化させることで図1に示すように各表示言語に切り替えることができる。

図2に示す例では、1つの凸状レンズ12A下に3つの言語を構成する画像列がそれぞれ4本ずつ、合計12列の画像列が配列しているが、各凸状レンズ12A下の画像列の配列は図2に示す例に限定されない。例えば、1つの凸状レンズ12A下に配置されている画素列の数は12列に限定されず、表示する言語数以上(例えば、3言語で表示する場合は3列以上)であればよい。なお、1つの凸状レンズ12A下に配列される画像列の数が多いほど解像度が高くなるが、画像列群のデータ容量が大きくなるため、1つの凸状レンズ12A下に配置される画像列の数は12列以下であることが好ましい。

各言語で表示される角度は各凸状レンズ12A下に配列されている各表示言語の画像列群の幅(本数)で調整することができる。例えば、図1、図2に示すように3つの言語で表示切り替えを行い、かつ、第2言語で表示する観察角度を広げたい場合は、1つの凸状レンズ12A下における第2言語用画像列の配列数を他の言語用画像列の配列数よりも多くすればばよい。例えば、1つの凸状レンズ下において、第2言語用画素列を6列とし、第1言語用画素列及び第3言語用画素列をそれぞれ3列とすることで、第2言語での観察角度が広くなる。

また、図1、図2に示すレンチキュラー印刷物10の例では、観察角度によって3言語で切り替わる形態であるが、表示される言語は2言語以上であれば限定されず、4言語以上で切り替わるように各言語用画像列を配列してもよい。だだし、表示言語数を増やすほど解像度が低下し、小さい文字又は細い線で書かれた文字は判読し難くなる。また、表示言語数を増やすほど、各表示言語の観察角度が狭くなり、異種言語間の文字が重なって見える角度が増え易くなる。多数の言語で表示し、かつ、高い判読性を維持する観点から、片面で切り替えられる言語数は3言語以上4言語以下とすることが好ましい。

図5は、本発明に係るレンチキュラー印刷物の一例として、名刺の文字情報を日本語と英語に切り替えて表示する例を示している。図1(A)に示す日本語表示では、上から順に、所属組織のロゴマーク、所属部署、肩書き、氏名、所属組織名、住所、電話番号、FAX番号、E-mailアドレスの順で記載されている。一方、図1(B)に示す英語表示では、所属組織のロゴマーク、名前、肩書き、所属部署、所属組織名、住所、電話番号、FAX番号、E-mailアドレスの順で記載されている。

このように表示言語が異なる場合、文字自体が異なるだけでなく、表示する位置や順序が一部で異なる場合があるが、図1に示す2つの表示言語において、所属組織のロゴマークとE-mailアドレスの表示は共通する。また、電話番号の一部(3-1234-0000)とFAX番号の一部(3-1234-1111)も共通する。また、図示されていないが、URLも各言語で共通する。 このように異なる言語表示間で、文字自体が共通する事項、及び、ロゴマーク等の文字以外の画像が共通する事項(以下、「共通事項」と総称する場合がある。)が、各言語での表示面で異なる位置に表示されると、表示が切り替る際に、残像感があり、文字も小さいため判読し難くなる可能性がある。そこで、共通事項については、図1(A)及び図1(B)に示すように、観察角度が変化してもそれぞれ同じ位置に表示されるように配置されていることが好ましい。ここで「同じ位置に表示される」とは、表示言語が切り替わったときに全く位置が変化しないことを意味するのではなく、観察角度を変化させるに従って2つの言語表示が重なって表示されるときでも、見かけ上の位置が変化せず、共通事項であることを認識できることを意味する。このように共通事項については、観察角度が変化して表示言語が切り替わったり、2つの表示言語が重なったりしても、表示箇所が変化しないため、判読し易いという効果が得られる。

なお、文字情報を3言語以上で表示可能とする場合、共通事項は、表示する全ての言語で共通する必要はなく、少なくとも2つの言語間で共通する共通事項を同じ位置で表示させることで判読性の向上を図ることができる。例えば、日本語、英語、中国語で表示言語の切り替えを行うことができる場合、日本語と中国語のみで共通する共通事項は、日本語表示と中国語表示で同じ位置に配置されていることで判読性を向上させることができる。

また、本発明に係るレンチキュラー印刷物は、文字情報以外の画像を含んでいてもよい。例えば、レンチキュラー名刺であれば、文字以外の組織のロゴマーク、使用者の顔写真等の画像を含んでいてもよい。このような文字情報以外の画像は、観察角度によって表示言語とともに切り替わるようにしてもよいし、観察角度を変えても変化しない画像としてもよい。

レンチキュラー画像14は、レンチキュラーレンズの裏面側に配置された記録媒体に形成されていてもよいし、レンチキュラーレンズの裏面(平滑面)にレンチキュラー画像が直接形成されていてもよい。レンチキュラーレンズの平滑面側には、レンチキュラー画像を形成するためのインク受容層が設けられていてもよい。 また、例えば、紙、プラスチック等の記録媒体の表面に、表示を目的とする言語による文字情報を含むレンチキュラー画像を形成し、記録媒体のレンチキュラー画像が形成された面と、半円筒形状の表面を有する複数の凸状レンズが並列したレンチキュラーレンズの半円筒形状の表面とは反対側の面(平滑面)とを、例えば透明な接着層を介して又は接着層を介さずに貼り合わせることで本発明に係るレンチキュラー印刷物を製造することができる。ここで、レンチキュラー画像を形成した記録媒体とレンチキュラーレンズとを貼り合わせる方法は特に限定されないが、例えば、特開2010−250144号公報、特開2011−100072号公報、特開2010−250143号公報等に開示されている方法によって高精度で貼り合せを実施することができる。 また、本発明に係るレンチキュラー印刷物は、印刷後の断裁のままの四隅の角が90度の状態でもよいし、取扱い時の安全性を高めるため、角を丸める、面を取るなどの処理をしてもよい。

また、本発明に係るレンチキュラー印刷物は、一方の面のみ表示言語が変化し、他方の面は、無地又は固定した画像が表示される(画像が変化しない)構成としてもよい。また、レンチキュラーレンズ及びレンチキュラー画像を両面に有し、両面において、それぞれ観察角度によって文字情報を表示する言語が切り替わる構成としてもよい。このように両面で文字情報を表示する言語が切り替わる構成とする場合、両面で同様に言語が切り替わるようにしてもよいし、両面で互いに異なる表示言語に切り替わるようにしてもよい。例えば、レンチキュラー名刺の場合、一方の面では、第1言語〜第3言語による表示切替とし、他方の面では、第4言語〜第6言語による表示切替となるように両面にそれぞれレンチキュラーレンズとレンチキュラー画像を配置すれば、6つの言語での表示が可能となる。 また、レンチキュラー名刺の一方の面では、所属組織、氏名等の文字情報を第1言語〜第3言語で表示が切り替わる構成とし、他方の面では、所属組織の事業内容等の広告を第1言語〜第3言語で表示が切り替わる構成としてもよい。

なお、両面で表示する構成とする場合は、例えば、それぞれの面で目的の表示ができるようにレンチキュラーレンズとレンチキュラー画像とを組み合わせた2種類の印刷物を作製し、2種類の印刷物の間に背景色となる層(例えば白色層)を介在させて各印刷物のレンチキュラーレンズを外側に向けて貼り合わせればよい。 また、1枚の紙の両面にそれぞれ文字情報の言語が切り替わるレンチキュラー画像を形成し、両面にそれぞれレンチキュラーレンズを貼り合わせてもよいし、2枚のレンチキュラーレンズの平滑面側にそれぞれ文字情報の言語が切り替わるレンチキュラー画像を形成し、背景色となる紙等の支持体の両面に、それぞれ上記レンチキュラーレンズを貼り合わせてもよい。

以上、本発明に係るレンチキュラー印刷物の一例として、レンチキュラー名刺について主に説明したが、本発明に係るレンチキュラー印刷物は名刺に限定されず、飲食店等のメニュー、地図、ポスター、交通機関の路線図、時刻表、CD(コンパクトディスク)等の光学ディスクのジャケット、ポストカード、歌詞カード、商品カタログ、カレンダーなど、文字情報を含む印刷物であれば、何ら限定されずに適用することができる。

以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。

<実施例1> (レンチキュラー名刺の作製) 200LPIの高精細レンチキュラーシート(レンチキュラーレンズ)を用い、レンチキュラーシートの平滑面側に、英語、日本語、中国語の3言語で変化(チェンジング)するレンチキュラー画像をオフセット印刷し、さらに白色インクをベタ塗りで3回重ね塗りをしてレンチキュラー名刺を作製した。なお、電話番号(国番号を除く)、E−mailアドレスは各国共通事項として同じ位置に表示されるように配置した。

<実施例2> 実施例1と同様の200LPIの高精細レンチキュラーシート(レンチキュラーレンズ)を用い、実施例1と同様に、レンチキュラーシートの平滑面側に、英語、日本語、中国語の3言語で変化(チェンジング)するレンチキュラー画像をオフセット印刷してレンチキュラー名刺を作製した。なお、電話番号(国番号を除く)、E−mailアドレスは各国共通事項であるが、各言語での表示面において、それぞれ異なる位置で表示されるように配置した。

上記実施例1及び実施例2でそれぞれ作製したレンチキュラー名刺を観察角度を変化させて言語の切り替えを行ったところ、実施例2のレンチキュラー名刺に比べ、実施例1のレンチキュラー名刺では共通事項の残像感がなく、判別し易かった。

<実施例3> 60LPIのレンチキュラーシート(レンチキュラーレンズ)を用い、実施例1と同様に、レンチキュラーシートの平滑面側に、英語、日本語、中国語の3言語で変化(チェンジング)するレンチキュラー画像をオフセット印刷してレンチキュラー名刺を作製した。 実施例1のレンチキュラー名刺と実施例3のレンチキュラー名刺をそれぞれ観察角度を変えて比較したところ、実施例1のレンチキュラー名刺ではフォントサイズが8pt以下の文字でも明りょうに判読することができた。

<実施例4> ミマキエンジニアリング社製インクジェットプリンタ UJF−6042を用い、100LPIのレンチキュラーシートの平滑面側に、英語、日本語、中国語の3言語で変化(チェンジング)するレンチキュラー画像を直接印画し、さらに白色インクをベタ塗りで3回重ね塗りをしてレンチキュラー名刺を作製した。

<実施例5> 記録媒体として画彩(登録商標、富士フイルム(株)製、菊判半裁に加工)を用い、富士フイルム(株)製インクジェットプリンタ Jet Press(登録商標)720によって英語、日本語、中国語の3言語で変化(チェンジング)するレンチキュラー画像を印画した。次いで、レンチキュラー画像を形成した面を100LPIのレンチキュラーシートの平滑面に貼り合わせた。

実施例1、4、5でそれぞれ作製したレンチキュラー名刺を見たところ、小さい文字の判別もし易かった。また、実施例5は文字が透けなくなったので実施例4よりも文字は判別し易かった。

<実施例6> 実施例1で作製したレンチキュラー名刺の凸状レンズとは反対側(白色インク側)に、接着層付きの白色合成紙を貼付した。これにより、文字が透けなくなり、実施例1よりも更に文字が判別しやすくなった。

<実施例7> レンチキュラー画像として、片側の面に日本語、英語、中国語、反対側の面には韓国語、ドイツ語、アラビア語でそれぞれ文字情報を印刷した合成紙に、両面にそれぞれレンチキュラーレンズを貼り付けて両面でそれぞれ互いに異なる3言語に切り替わるレンチキュラー名刺を作製した。これにより1枚の名刺で6ヶ国語の名刺に対応できるようになった。

10 レンチキュラー印刷物 12 レンチキュラーレンズ 12A 凸状レンズ 14 レンチキュラー画像

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