情報処理装置及びプログラム

申请号 JP2016200676 申请日 2016-10-12 公开(公告)号 JP2018062095A 公开(公告)日 2018-04-19
申请人 コニカミノルタ株式会社; 发明人 小野 孝一;
摘要 【課題】複数の箔ロールを用いた箔押しにおいて、入稿データの画像全体に2種類以上の箔オブジェクトが点在する場合でも、箔ロールを交換することなく箔押し印刷を可能とする。 【解決手段】本発明の一態様は、箔用画像生成部が、箔画像に2つの箔ロールの境界を跨ぐ箔オブジェクトはない場合に、第1の箔用印刷データの第1箔画像及び第2の箔用印刷データの第2箔画像のそれぞれを境界で分割し、第1箔画像及び第2箔画像との間で境界を挟む一方の分割箔画像と他方の分割箔画像を入れ替えて第1合成箔画像及び第2合成箔画像を生成し、第2合成箔画像を所定の 角 度回転させる処理を行う。 【選択図】図7
权利要求

第1の色の第1箔ロールと第2の色の第2箔ロールとが通紙方向に対し垂直な方向に隣接して配置された箔押し機で箔押し処理が行われることにより用紙上に形成される、前記第1の色の箔オブジェクトのみを含む第1箔画像で構成される第1の箔用印刷データ、及び、前記第2の色の箔オブジェクトのみを含む第2箔画像で構成される第2の箔用印刷データから、箔オブジェクトを抽出し、前記第1箔ロールによる箔押し処理が行われる領域である第1領域と前記第2箔ロールによる箔押し処理が行われる領域である第2領域との境界を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する跨ぎ判定部と、 前記跨ぎ判定部が前記境界を跨ぐ箔オブジェクトはないと判定した場合に、前記第1の箔用印刷データの前記第1箔画像及び前記第2の箔用印刷データの前記第2箔画像のそれぞれを前記境界で分割し、前記第1箔画像及び前記第2箔画像との間で前記境界を挟む一方の分割箔画像と他方の分割箔画像を入れ替えて第1合成箔画像及び第2合成箔画像を生成する処理を行うとともに、前記第2合成箔画像を所定の度回転させる処理を行い、前記第1合成箔画像で構成される第1の合成箔用印刷データ、及び回転後の前記第2合成箔画像で構成される第2の合成箔用印刷データを生成する合成箔用印刷データ生成部と、を備える 情報処理装置。前記跨ぎ判定部が前記境界を跨ぐ箔オブジェクトがあると判定した場合に、前記境界を跨ぐ箔オブジェクトが前記境界を跨がなくなるよう前記第1箔画像及び前記第2箔画像の位置を変更する画像処理を行う箔画像調整部、を更に備える 請求項1に記載の情報処理装置。前記箔画像調整部は、前記第1箔画像及び前記第2箔画像を前記境界に垂直な方向へ移動させる画像処理を行う 請求項2に記載の情報処理装置。前記箔画像調整部は、前記第1箔画像及び前記第2箔画像を回転させる画像処理を行う 請求項2に記載の情報処理装置。前記箔画像調整部は、前記第1箔画像及び前記第2箔画像を前記境界に垂直な方向へ移動させた後、前記第1箔画像及び前記第2箔画像を回転させる画像処理を行う 請求項2に記載の情報処理装置。前記箔画像調整部が前記箔画像を回転させる角度は、前記箔画像が前記境界を跨がなくなる角度の中で、前記用紙のサイズが最小となる角度である 請求項4又は5に記載の情報処理装置。前記境界が、前記用紙の前記通紙方向に垂直な幅方向を二分する中心線と一致する 請求項1に記載の情報処理装置。前記跨ぎ判定部は、前記用紙の前記通紙方向に垂直な幅方向を二分する中心線と前記境界が一致しない場合には、前記第1箔画像及び前記第2箔画像の各々を回転させない状態、並びに前記第1箔画像及び前記第2箔画像の各々を180度回転させた状態で、前記境界を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かの判定を行う 請求項1に記載の情報処理装置。前記所定の角度は、180度又は90度である 請求項1に記載の情報処理装置。前記箔画像調整部は、前記第1箔画像及び前記第2箔画像に対するページ割付設定が多面付けである場合には、多面付けされる各箔画像が、前記境界を跨ぐ箔オブジェクトが前記境界を跨がなくなるよう前記多面付けされた前記第1箔画像及び前記第2箔画像の位置を変更する画像処理を行う 請求項2に記載の情報処理装置。入稿された印刷データから前記第1箔画像及び前記第2箔画像を除いた箔なし印刷データを生成する箔なし印刷データ生成部と、 入稿された前記印刷データから前記第1箔画像で構成される前記第1の箔用印刷データ、及び、前記第2箔画像で構成される前記第2の箔用印刷データを生成する箔用印刷データ生成部と、を更に備える 請求項1に記載の情報処理装置。前記箔なし印刷データにおける、前記用紙の給紙方向の先頭側の断裁領域に対応する領域に、付属情報として前記箔押し機による箔押し処理時の位置決め用画像を付与する際に、前記第1の箔用印刷データ及び前記第2の箔用印刷データの各箔押し処理時の給紙方向に対応する位置に前記位置決め用画像を付与する付属情報画像合成部、を更に備える 請求項11に記載の情報処理装置。前記付属情報画像合成部は、前記箔なし印刷データにおける、前記用紙の給紙方向の先頭側の断裁領域に対応する領域に、前記第1の箔用印刷データ及び前記第2の箔用印刷データの各箔押し処理の順番に対応するように用紙の給紙方向及び給紙順番を表す情報を付与する 請求項12に記載の情報処理装置。前記箔押し機が、前記第1箔ロール及び第2箔ロールと前記通紙方向に対し垂直な方向に隣接して配置された第3の色の第3箔ロール、を更に備えており、 前記箔用印刷データ生成部は、入稿された印刷データから前記第3の色の箔オブジェクトのみを含む第3箔画像で構成される第3の箔用印刷データを生成し、 前記跨ぎ判定部は、前記第1の箔用印刷データ、前記第2の箔用印刷データ、及び前記第3の色の箔オブジェクトのみを含む第3箔画像で構成される第3の箔用印刷データの各色の箔画像に含まれる箔オブジェクトを抽出し、各色による箔押し処理が行われる境界を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定し、前記第1〜第3の色の各箔ロールを用いて同時に箔押し処理が可能であるか否かを判定し、 前記跨ぎ判定部が各色の箔ロールを用いて同時に箔押し処理できないと判定した場合には、箔ロールの交換が最も少ない回数となるよう、各箔画像の面付けと箔押し順番の制御を行う 請求項1に記載の情報処理装置。第1の色の第1箔ロールと第2の色の第2箔ロールとが通紙方向に対し垂直な方向に隣接して配置された箔押し機で箔押し処理が行われることにより用紙上に形成される前記第1の色の箔オブジェクト及び前記第2の色の箔オブジェクトを含む入稿データから、前記第1の色の箔オブジェクトのみを含む第1箔画像で構成される第1の箔用印刷データ、及び、前記第2の色の箔オブジェクトのみを含む第2箔画像で構成される第2の箔用印刷データを生成する手順と、 前記第1の箔用印刷データの第1箔画像及び前記第2の箔用印刷データの第2箔画像に含まれるオブジェクトを抽出し、前記第1箔ロールによる箔押し処理が行われる領域である第1領域と前記第2箔ロールによる箔押し処理が行われる領域である第2領域との境界を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する手順と、 前記境界を跨ぐ箔オブジェクトはないと判定された場合に、前記第1の箔用印刷データの前記第1箔画像及び前記第2の箔用印刷データの前記第2箔画像のそれぞれを前記境界で分割し、前記第1箔画像及び前記第2箔画像との間で前記境界を挟む一方の分割箔画像と他方の分割箔画像を入れ替えて第1合成箔画像及び第2合成箔画像を生成する処理を行うとともに、前記第2合成箔画像を所定の角度回転させる処理を行い、前記第1合成箔画像で構成される第1の合成箔用印刷データ、及び回転後の前記第2合成箔画像で構成される第2の合成箔用印刷データを生成する手順を、 コンピューターに実行させるためのプログラム。

说明书全文

本発明は、箔押し処理のための箔用印刷データを生成する情報処理装置、印刷システム及びプログラムに関する。

従来、金色や銀色等の箔よりなる文字や絵柄を用紙の上に形成する箔押し印刷が知られている。箔押し印刷を、用紙状にニス等の接着材を塗布し、接着剤が塗布された箇所に金属の薄膜(箔)を接着することにより行われる。

ここで、図1〜図2を参照して、従来の箔押し機を備えた印刷システムを説明する。図1は、従来の箔押し機を備えた印刷システムの全体構成を示す概略図である。図2は、従来の箔押し印刷(箔オブジェクトが境界を跨がない場合)の説明図である。

従来の箔押し印刷においては、クライアント端末1から金箔画像及び銀箔画像を含む印刷データ(入稿データ5)が入稿されると、入稿データ5は、コントローラ2により金色及び銀色の箔オブジェクト(「箔押し画像」とも呼ばれる)を除いた箔なし印刷データ6、金箔オブジェクトを含む金箔用印刷データ7g、及び銀箔オブジェクトを含む銀箔用印刷データ7sの3種類に分割される。

次に、箔なし印刷データ6を印刷装置3により印刷し、ユーザーがその印刷物8を箔押し機4にセットする。一般的な箔押し機4では1種類ずつしか箔押しできないため、初めに箔押し機4に金色の箔ロールをセットし、箔押し機4が金箔用印刷データ7gに基づいて印刷物8に追い刷り(箔押し)する。次に、箔押し機4に銀色の箔ロールをセットし、箔押し機4が銀箔用印刷データ7sに基づいて追い刷り(箔押し)することで、金箔及び銀箔が押された印刷物9を作成することができる。

また近年、2本の箔ロールを搭載可能な箔押し機が開発されている。図2に示すように、異なる色の2本の箔ロールが通紙方向に対し垂直な方向に隣接して配置されている。境界Cは、金箔ロール10g(第1箔ロール)による箔押し処理が行われる領域である金箔領域11g(第1領域の一例)と、銀箔ロール10s(第2箔ロール)による箔押し処理が行われる領域である銀箔領域11s(第2領域の一例)との境界部分であり、入稿データの箔画像12の中心と一致する。このような箔ロールを2本搭載する箔押し機は、図2のように境界Cを挟んで金箔オブジェクト13gが左側に、銀箔オブジェクト13sが右側に偏って分かれている箔画像12であれば、金箔と銀箔を同時に箔押し可能である。

特許文献1には、転写箔を1つ又は複数に分割した部分箔列を送り出す部分箔ロールが設置された装置において、箔押しを行わない部分箔ロールを停止させておくための回転駆動部や軸受装置、巻取軸などの構成が開示されている。

特開2006−224667号公報

図3は、従来の箔押し印刷(箔オブジェクトが境界を跨ぐ場合)の説明図である。この図3のように境界Cを跨ぐ金箔オブジェクト15gと銀箔オブジェクト15sを含む箔画像14の場合、上述した箔ロールを2本搭載した箔押し機であっても一度に箔押し処理を完了することができない。このため、従来どおり箔画像14の幅方向(通紙方向に垂直な方向)の長さよりも長い金箔ロールと銀箔ロールを用意し、金箔ロールと銀箔ロールを交換しながら2回箔押し印刷を行う必要がある。

図4は、異なる複数の箔オブジェクトが点在した入稿データを示す説明図である。図4の入稿データ20は、画像内に金箔オブジェクト21g1〜21g2,23g1、銀箔オブジェクト21s1〜21s2、22s1〜22s2、23s1が、画像の左右に点在している。この図4のように金色及び銀色の箔オブジェクトが用紙全体に散らばっている場合も、上記方法では一度に箔押し印刷が完了しないため、従来どおり金箔ロールと銀箔ロールを交換しながら2回箔押し印刷を行う必要がある。

特許文献1に記載の技術も複数色の箔押しの際に手間がかかり、特許文献1には上述した複数の箔ロールを搭載した箔押し機における問題を解決する方法は開示されていない。

本発明は、上記の状況を考慮してなされたものであって、複数の箔ロールを搭載した箔押し機において、入稿データの画像全体に2種類以上の箔オブジェクトが点在する場合でも、箔ロールを交換することなく箔押し印刷を可能とすることを目的とする。

本発明の一態様の情報処理装置は、跨ぎ判定部と、合成箔用印刷データ生成部を備える。 跨ぎ判定部は、第1の色の第1箔ロールと第2の色の第2箔ロールとが通紙方向に対し垂直な方向に隣接して配置された箔押し機で箔押し処理が行われることにより用紙上に形成される、第1の色の箔オブジェクトのみを含む第1箔画像で構成される第1の箔用印刷データ、及び、第2の色の箔オブジェクトのみを含む第2箔画像で構成される第2の箔用印刷データから、箔オブジェクトを抽出し、第1箔ロールによる箔押し処理が行われる領域である第1領域と第2箔ロールによる箔押し処理が行われる領域である第2領域との境界を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する。 合成箔用印刷データ生成部は、跨ぎ判定部が境界を跨ぐ箔オブジェクトはないと判定した場合に、第1の箔用印刷データの第1箔画像及び第2の箔用印刷データの第2箔画像のそれぞれを境界で分割し、第1箔画像及び第2箔画像との間で境界を挟む一方の分割箔画像と他方の分割箔画像を入れ替えて第1合成箔画像及び第2合成箔画像を生成する処理を行うとともに、第2合成箔画像を所定の度回転させる処理を行い、第1合成箔画像で構成される第1の合成箔用印刷データ、及び回転後の第2合成箔画像で構成される第2の合成箔用印刷データを生成する。

本発明の少なくとも一態様によれば、複数の箔ロールを搭載した箔押し機において、入稿データの画像全体に2種類以上の箔オブジェクトが点在する場合でも、複数の箔ロールを交換することなく箔押し印刷が実現可能となる。 上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。

従来の箔押し機を備えた印刷システムの全体構成を示す概略図である。

従来の箔押し印刷(箔オブジェクトが境界を跨がない場合)の説明図である。

従来の箔押し印刷(箔オブジェクトが境界を跨ぐ場合)の説明図である。

異なる複数の箔オブジェクトが点在した入稿データを示す説明図である。

本発明の第1の実施形態に係る、箔押し機を備えた印刷システムの全体構成を示す概略図である。

本発明の第1の実施形態に係る印刷システムが備える各装置のハードウェア構成を示すブロック図である。

本発明の第1の実施形態に係るコントローラの入稿データ処理部の機能構成を示すブロック図である。

本発明の第1の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(1)を示すフローチャートである。

本発明の第1の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(2)を示すフローチャートである。

本発明の第1の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(3)を示すフローチャートである。

入稿データから生成された箔画像なし印刷データ、第1の色の箔用印刷データ、及び第2の色の箔用印刷データを示す説明図である。

本発明の第1の実施形態に係る、箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する手法の説明図である。

本発明の第1の実施形態に係る、第1の箔用印刷データ及び第2の箔用印刷データを作成する手法を示す説明図である。

本発明の第1の実施形態に係る、箔なし印刷データの断裁領域に付属情報を付与する処理を示す説明図である。

本発明の第1の実施形態に係る箔押し処理を示す説明図である。

本発明の第1の実施形態に係る画像調整処理(画像シフト)を示す説明図である。

本発明の第1の実施形態に係る画像調整処理(画像回転)を示す説明図である。

本発明の第2の実施形態に係る、境界が用紙の中心ではない場合における箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する手法の説明図である。

ページ割付設定が多面付けである入稿データの画像例を示す説明図である。

本発明の第3の実施形態に係る画像の面付け配置を変更した場合を示す説明図である。

本発明の第3の実施形態に係る、画像を境界と垂直な方向へ移動させた場合を示す説明図である。

本発明の第3の実施形態に係る、画像を回転させた場合を示す説明図である。

本発明の第3の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(1)を示すフローチャートである。

本発明の第3の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(2)を示すフローチャートである。

本発明の第3の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(3)を示すフローチャートである。

本発明の第3の実施形態に係る、多面付け入稿データから第1の箔用印刷データ及び第2の箔用印刷データを作成する手法を示す説明図である。

本発明の第4の実施形態に係る、3本の箔ロールを備えた箔押し機による箔押し処理の例を示す説明図である。

本発明の第4の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(1)を示すフローチャートである。

本発明の第4の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(2)を示すフローチャートである。

本発明の第4の実施形態に係る、第4の実施形態に係る、箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する方法(1)を示す説明図である。

本発明の第4の実施形態に係る、第4の実施形態に係る、箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する方法(2)を示す説明図である。

本発明の第5の実施形態に係る入稿データの箔画像例を示す説明図である。

本発明の第5の実施形態に係る箔用印刷データを構成する箔画像の回転角度の例を示す説明図である。

以下、本発明を実施するための形態の例について、添付図面を参照しながら説明する。説明は下記の順序で行う。なお、各図において実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。 1.第1の実施形態(異なる色の箔画像の分割箔画像を入れ替える例) 2.第2の実施形態(境界が箔用紙の中心にない場合の例) 3.第3の実施形態(多箔面付け、配置変更、シフト、中央回転) 4.第4の実施形態(箔押し機が3本の箔ロールを備える例) 5.第5の実施形態(一方の箔用印刷データの箔画像の回転角度) 6.その他

<1.第1の実施形態> [印刷システムの全体構成] 図5は、第1の実施形態に係る、箔押し機を備えた印刷システムの全体構成を示す概略図である。

図5に示す印刷システム40は、コントローラ50、印刷装置60、及び箔押し機70を備える。コントローラ50(情報処理装置の一例)、印刷装置60、及び箔押し機70は、互いにネットワークN(図6)を介して接続されている。印刷装置60は、図1の印刷装置3と同等の機能を有する。また箔押し機70は、図2及び図3に示されるように、金箔ロール10gと銀箔ロール10sが通紙方向に対し垂直な方向に隣接して配置されている。

コントローラ50には、クライアント端末1から印刷ジョブに含まれた、金箔画像及び銀箔画像を含む印刷データ(入稿データ5)が入稿される。コントローラ50により、入稿データ5から金色及び銀色の箔オブジェクトを含む箔画像(箔押し画像)を除いた箔なし印刷データ41、金箔オブジェクトと銀箔オブジェクトを含む第1の合成箔用印刷データ42a、並びに金箔オブジェクトと銀箔オブジェクトを含む第2の合成箔用印刷データ42bが生成される。第1の合成箔用印刷データ42a及び第2の合成箔用印刷データ42bについては、後に図13を参照して詳述する。本実施形態において入される印刷データ(入稿データ)は、箔画像を含まない又は箔画像を含む画像データである。

箔なし印刷データ41は印刷装置60に入力され、印刷装置60により箔なし印刷データ6に基づく印刷処理が行われる。ユーザーはその印刷物43を箔押し機70にセットする。箔押し機70は、第1の合成箔用印刷データ42aに基づいて、印刷物43に1回目の追い刷り(箔押し)を行う。次に、ユーザーは箔押し機70で1回目の追い刷りを行った印刷物43を、箔押し機70に再セットする。そして、箔押し機70は、第2の合成箔用印刷データ42bに基づいて、印刷物43に2回目の追い刷り(箔押し)を行う。このような処理により、金箔及び銀箔が押された印刷物44が作成される。

以下の実施形態では、印刷システム40の各装置がネットワークNを介して接続された環境を例に挙げたが、印刷データをUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体を用いて印刷装置60、箔押し機70に入力する構成でもよい。

[各装置のハードウェア構成] 図6は、印刷システム40が備える各装置のハードウェア構成を示すブロック図である。

クライアント端末1には、例えばパーソナルコンピューターが適用される。クライアント端末1は、ユーザーの入力操作に基づいて、文書作成又は画像作成アプリケーションにより印刷を行う画像データを生成する。またクライアント端末1は、印刷設定情報(「ジョブチケット」と呼ばれることもある)及び画像データ(印刷データ)を含む印刷ジョブを生成し、コントローラ50へ出力する機能を有する。印刷設定情報には、箔押し印刷設定の有無やページ割付けなどの情報が含まれる。

(コントローラ) コントローラ50は、図6に示すように、CPU51、メモリ52、補助記憶装置53、入稿データ処理部54、RIP処理部55及び通信部I/F56(通信部の一例)を備える。コントローラ50には、例えばパーソナルコンピューター又はサーバーが用いられる。

コントローラ50は、バスを介して互いに接続されたCPU(Central Processing Unit)51、揮発性記録媒体のメモリ52、及び不揮発性記録媒体の補助記憶装置53を備える。またコントローラ50は、入稿データ処理部54、RIP処理部55、及び通信I/F56を備える。

CPU51は、コントローラ50の各部の動作の制御及び演算処理を行う中央処理装置であり、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを補助記憶装置53から読み出して実行する。なお、コントローラ50は、CPU51の代わりに、MPU(Micro-Processing Unit)等の処理装置を備えるようにしてもよい。

メモリ52は主記憶装置であり、メモリ52には演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。メモリ52には、RAM(Random Access Memory)等が適用される。

補助記憶装置53は、メモリ52の補助的な役割を担う記憶装置であり、通常長時間データを保存することが可能な仕組みを有する。補助記憶装置53には、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード等が用いられる。この補助記憶装置53には、OS(Operating System)及び各種のパラメータの他に、コントローラ50を機能させるためのプログラムが記録されている。例えば補助記憶装置53に、図8〜図10に示すプログラム(ソフトウェア)が格納されていてもよい。

入稿データ処理部54は、コントローラ50に入稿された印刷データ(入稿データ)を処理する。入稿データ処理部54は、入稿データから箔なし印刷データ、各色の箔用印刷データ等を生成する。入稿データ処理部54で処理された印刷データは、RIP処理に供給される。入稿データ処理部54については、後に詳述する。

RIP処理部55は、印刷設定を印刷データに反映し、印刷装置60で識別できる言語(PDL:Page Description Language)に変換して出力する。印刷装置60で識別できる言語としては、PCLやPostScriptなどがある。RIP処理部55は、ページ割付設定が含まれていた場合、ページ割付設定に記載された割付け数及び配置に基づいて、印刷データを割り付ける。

通信I/F56は、例えばNIC(Network Interface Card)等が用いられ、LAN等のネットワークNを介して各装置間で各種のデータを送受信することが可能な構成とされている。

(印刷装置) 印刷装置60は、クライアント端末1から出力された印刷ジョブをネットワークNを介して受信し、印刷ジョブの印刷設定及び印刷データに基づいて用紙に画像を形成して出力(以下「印刷処理」)する。印刷装置60は、複数種類の機能(印刷機能、複写機能、スキャン機能等)を備えた複合機(MFP:Multi Function Peripheral)でもよい。

印刷装置60は、図6に示すように、CPU61、メモリ62、補助記憶装置63、操作表示部64、画像形成部65、及び通信部I/F66を備える。

CPU61は、印刷装置60の各部の動作の制御及び演算処理を行う中央処理装置であり、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを補助記憶装置63から読み出して実行する。なお、印刷装置60は、CPU61の代わりに、MPU等の処理装置を備えるようにしてもよい。

メモリ62は主記憶装置であり、メモリ62には演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。メモリ62には、RAM等が適用される。

補助記憶装置63は、メモリ62の補助的な役割を担う記憶装置であり、通常長時間データを保存することが可能な仕組みを有する。この補助記憶装置63には、OS及び各種のパラメータの他に、印刷装置60を機能させるためのプログラムが記録されている。

操作表示部64は、表示部であるフラットパネルディスプレイに、操作部であるタッチパネルが積層して構成される。操作表示部64は、ユーザーから入力される操作の内容に応じた操作信号を生成して、生成した操作信号をCPU61に供給する。また操作表示部64は、CPU61の処理結果を表示する。

画像形成部65は、コントローラ50から送信された印刷データ(箔なし印刷データ)に基づいて、画像を用紙上に形成する。画像形成部65は、プリンタエンジンとして構成される。

通信I/F66は、例えばNIC等が用いられ、ネットワークNを介して各装置間で各種のデータを送受信することが可能な構成とされている。

(箔押し機) 箔押し機70は、コントローラ50から送信された各色の箔用印刷データを読み取り、箔用印刷データを構成する箔画像の各画素に対応する用紙の位置にニスを塗布し、ニスの上に箔を接着(箔押し)する。

箔押し機70は、図6に示すように、CPU71、メモリ72、補助記憶装置73、操作表示部74、用紙搬送部75、第1箔押し処理部76、第2箔押し処理部77、及び通信部I/F78を備える。

CPU71は、箔押し機70の各部の動作の制御及び演算処理を行う中央処理装置であり、本実施形態に係る各機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを補助記憶装置73から読み出して実行する。なお、箔押し機70は、CPU71の代わりに、MPU等の処理装置を備えるようにしてもよい。

メモリ72は主記憶装置であり、メモリ72には演算処理の途中に発生した変数やパラメータ等が一時的に書き込まれる。メモリ72には、RAM等が適用される。

補助記憶装置73は、メモリ72の補助的な役割を担う記憶装置であり、通常長時間データを保存することが可能な仕組みを有する。この補助記憶装置73には、OS及び各種のパラメータの他に、箔押し機70を機能させるためのプログラムが記録されている。

操作表示部74は、表示部であるフラットパネルディスプレイに、操作部であるタッチパネルが積層して構成される。操作表示部74は、ユーザーから入力される操作の内容に応じた操作信号を生成して、生成した操作信号をCPU71に供給する。また操作表示部74は、CPU71の処理結果を表示する。

用紙搬送部75は、ユーザーにより箔押し機70の手差し用トレイ又は給紙トレイ(いずれも図示略)にセットされた用紙を搬送する。

第1箔押し処理部76は、金箔画像(第1箔画像の一例)及び銀箔画像(第2箔画像の一例)で構成される第1の箔用印刷データに基づいて、用紙にニスを塗布し、金箔ロール10gを駆動させるとともに箔押しを行い、ニスの上に金箔を接着する。

第2箔押し処理部77は、金箔画像(第1箔画像の一例)及び銀箔画像(第2箔画像の一例)で構成される第2の箔用印刷データに基づいて、用紙にニスを塗布し、銀箔ロール10s駆動させるとともに箔押しを行い、ニスの上に銀箔を接着する。

通信部I/F78は、例えばNIC等が用いられ、ネットワークNを介して各装置間で各種のデータを送受信することが可能な構成とされている。

[コントローラの制御系] 次に、コントローラ50の入稿データ処理部54の機能構成を説明する。図7は、コントローラ50の入稿データ処理部の機能構成を示すブロック図である。

入稿データ処理部54は、入力処理部540、入稿データ保持部541、解析処理部542、箔なし印刷データ生成部543、箔用印刷データ生成部544、跨ぎ判定部545、合成箔用印刷データ生成部546、画像調整部547、付属情報画像合成部548、及び出力処理部549を備える。

入力処理部540は、印刷設定情報と印刷データとを含む印刷ジョブの入力を受け付け、入稿データ保持部541へ供給する。

入稿データ保持部541は、入力処理部540が受け付けた印刷ジョブを一時的に保持する。

解析処理部542は、入稿データ保持部541に保持された印刷ジョブを読み出し、印刷ジョブに含まれる印刷設定情報を解析する。解析処理部542は、印刷設定情報に箔押し印刷設定が含まれる場合には、入稿された印刷データに箔画像が含まれると判断する。あるいは、印刷データの各画素を走査し、その結果を元に判断する。解析処理部542は、入稿された印刷データに箔画像がない場合には、印刷データをそのまま出力処理部へ供給する。

箔なし印刷データ生成部543は、入稿された印刷データから金箔画像及び銀箔画像を除いた箔なし印刷データを生成し、生成した箔なし印刷データを付属情報画像合成部548へ出力する。

箔用印刷データ生成部544は、入稿された印刷データから金箔画像で構成される第1の箔用印刷データ25G(図11参照)、及び、銀箔画像で構成される第2の箔用印刷データ25S(図11参照)を抽出する。そして、箔用印刷データ生成部544は、抽出した第1の箔用印刷データ25G及び第2の合成箔用印刷データ42bを、箔押し機70が読み取り可能なデータ形式、例えばTIFF(Tagged Image File Format)形式のデータに変換する。TIFF形式の箔用印刷データには、箔用印刷データを構成する各画素の座標の情報と、各画素の画素値の情報が含まれる。

なお、箔なし印刷データ生成部543及び箔用印刷データ生成部544の処理を、解析処理部542が行う構成としてもよい。

跨ぎ判定部545は、箔用印刷データ生成部544で生成された第1の箔用印刷データ25G、及び、第2の箔用印刷データ25Sから箔オブジェクトを抽出する。そして、跨ぎ判定部545は、金箔ロール10gによる箔押し処理が行われる領域である金箔領域11g(第1領域)と銀箔ロール10sによる箔押し処理が行われる領域である銀箔領域11s(第2領域)との境界を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する。そして、跨ぎ判定部545は、境界を跨ぐ箔オブジェクトが存在しない場合(OK)には、その旨を合成箔用印刷データ生成部546に通知し、境界を跨ぐ箔オブジェクトが存在する場合(NG)には、その旨を画像調整部547に通知する。

合成箔用印刷データ生成部546は、跨ぎ判定部545が境界を跨ぐ箔オブジェクトはないと判定した場合に、合成箔用印刷データを生成する処理を行う。合成箔用印刷データ生成部546は、分割/入替え部546aと、画像回転部546bを備える。

分割/入替え部546aは、第1の箔用印刷データ25Gの金箔画像及び第2の箔用印刷データ25Sの銀箔画像のそれぞれを境界で分割する。次いで、分割/入替え部546aは、金箔画像及び銀箔画像との間で境界を挟む一方の分割箔画像と他方の分割箔画像を入れ替えて第1合成箔画像及び第2合成箔画像を生成する。画像回転部546bは、分割/入替え部546aで生成された第2合成箔画像を所定の角度だけ回転させる。

このようにして合成箔用印刷データ生成部546は、第1合成箔画像で構成される第1の合成箔用印刷データ42a、及び回転後の第2合成箔画像で構成される第2の合成箔用印刷データ42bを生成する。合成箔用印刷データ生成部546は、生成した第1の合成箔用印刷データ42aと第2の合成箔用印刷データ42bを、出力処理部549へ供給する。

画像調整部547は、跨ぎ判定部545が境界を跨ぐ箔オブジェクトがあると判定した場合に、境界を跨ぐ箔オブジェクトが境界を跨がなくなるよう第1の箔用印刷データ25G(金箔画像)及び第2の箔用印刷データ25S(銀箔画像)の位置を変更する画像処理を行う。画像調整部547は、画像シフト部547aと、画像回転部547bを備える。

画像シフト部547aは、金箔画像及び銀箔画像(を含む画像全体)を境界に垂直な方向へ移動させる画像処理を行う。なお、画像シフト部547aは、箔画像を抽出する前の入稿データの画像を移動する画像処理を行ってもよい。

画像回転部547bは、金箔画像及び銀箔画像(を含む画像全体)を回転させる画像処理を行う。画像シフト部547aと画像回転部547bにより、金箔画像及び銀箔画像を境界に垂直な方向へ移動させた後、続けて金箔画像及び銀箔画像を回転させる画像処理を行ってもよい。なお、画像回転部547bは、箔画像を抽出する前の入稿データの画像を移動する画像処理を行ってもよい。

本実施形態では、画像調整部547は、箔用印刷データ生成部544で各色の箔用印刷データを生成する前の、入稿データ保持部541の印刷データの画像の位置を変更した後、入稿データ保持部541に位置変更後の画像を戻すが、この例に限定されない。箔用印刷データ生成部544から出力された各色の箔用印刷データの箔画像の位置を個別に変更する構成としてもよい。

ここで、画像調整部547で画像調整を行っても境界を跨ぐ箔オブジェクトがなくならない場合には、箔用印刷データ生成部544は、合成箔用印刷データの第1の箔用印刷データ25G、及び、第2の箔用印刷データ25Sを出力処理部549へ供給する。また、跨ぎ判定部545は、画像調整後も境界跨ぎが解消されないこと(NG)を、付属情報画像合成部548、及び箔用印刷データ生成部544に通知する。

付属情報画像合成部548は、箔なし印刷データにおける用紙の給紙方向の先頭側の断裁領域26t又は26uに対応する領域に、付属情報として箔押し機70による箔押し処理時の位置決め用画像(アイマーク画像M)(後述する図14参照)を付与する。断裁領域26t,26uは、用紙の給紙方向の端部から所定の距離の幅を持つ領域であって、用紙に画像を形成した後に断裁される。この際に、第1の合成箔用印刷データ42a及び第2の合成箔用印刷データ42bによる各箔押し処理時の給紙方向に対応する位置(即ち断裁領域)に位置決め用画像を付与する。

また付属情報画像合成部548は、箔なし印刷データにおける、用紙の給紙方向の先頭側の断裁領域に対応する領域に、第1の合成箔用印刷データ42a及び第2の合成箔用印刷データ42bの各箔押し処理の順番に対応するように用紙の給紙方向及び給紙順番を表す情報を付与する。

出力処理部549は、解析処理部542から供給された印刷データ、付属情報画像合成部548で付属情報画像が合成された箔なし印刷データ、合成箔用印刷データ生成部546で生成された合成箔用印刷データ、又は箔用印刷データ生成部544で生成された箔用印刷データを出力する。出力処理部549は、これらのデータをRIP処理部55に供給する。

[入稿データ処理手法の手順] 次に、第1の実施形態に係る入稿データ処理手法を説明する。 図8は、入稿データ処理手法の手順(1)を示すフローチャートであり、図9は、入稿データ処理手法の手順(2)を示すフローチャートであり、また図8は、入稿データ処理手法の手順(3)を示すフローチャートである。図8〜図10のフローチャートについて、図11〜図17を参照して説明する。説明の前提として、入稿データを、金色と銀色の箔画像が含まれる図4の入稿データ20とし、また境界が用紙の通紙方向に垂直な幅方向を二分する中心線と一致するものとする。

まずクライアント端末1から通信I/F56を介してコントローラ50に印刷ジョブが入力されると、入力処理部540は、印刷ジョブを入稿データ保持部541に一時的に保持する。なお、印刷ジョブに入稿された印刷データを例に挙げているが、印刷データは印刷ジョブに含まれたものでなくてもよい。

次に、解析処理部542は、印刷ジョブに含まれる印刷データに箔画像が存在するか否かを判定する(S1)。印刷データに箔画像が存在するかどうかを確認する方法として、印刷設定情報を参照したり、印刷データを画素ごとに走査したりする方法がある。

ステップS1において印刷ジョブに含まれる印刷データに箔画像が存在しない場合には(S1のNO)、解析処理部542は、印刷装置60に印刷データをそのまま出力する(S21)。ステップS21の処理が完了したら、入稿データ処理を終了する。

次に、ステップS1において解析処理部542が入稿された印刷データに箔画像が存在すると判定した場合には(S1のYES)、箔なし印刷データ生成部543は、解析処理部542から判定結果と印刷データを受けて、入稿された印刷データから箔なし印刷データを生成する(S2)。

次に、箔用印刷データ生成部544は、入稿された印刷データから金箔画像で構成される第1の箔用印刷データと銀箔画像で構成される第2の箔用印刷データを生成する(S3)。

図11に、入稿データ20から生成された箔なし印刷データ、第1の箔用印刷データ、及び第2の箔用印刷データの例を示す。ステップS2の処理により、金箔及び銀箔のオブジェクトを除いた箔なし印刷データ25Nが生成される。また、ステップS3の処理により、金箔オブジェクト21g1〜21g2,23g1のみを含む第1の箔用印刷データ25Gが生成される。銀箔オブジェクト21s1〜21s2、22s1〜22s2、23s1のみを含む第2の箔用印刷データ25Sが生成される。

図8の説明に戻る。ステップS3の処理後、箔用印刷データ生成部544は、全種類の箔画像の箔用印刷データの生成が完了したか否かを判定する(S4)。生成すべき箔画像の箔用印刷データがある場合には(S4のNO)、ステップS3に戻って該当する箔画像の箔用印刷データを生成する。

ステップS4において箔用印刷データ生成部544が、全種類の箔画像(本例では金箔画像と銀箔画像)の箔用印刷データの生成を完了したと判定した場合には(S4のYES)、跨ぎ判定部545は、各箔用印刷データから箔オブジェクトの位置を抽出する(S5)。

次に、跨ぎ判定部545は、図12に示すように、抽出した箔オブジェクトの中に用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する(S6)。

図12は、第1の実施形態に係る、箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する手法の説明図である。 第1の箔用印刷データ25Gにおいて、金箔オブジェクト21g1〜21g2,23g1のいずれも境界Cを跨いでいない。同様に、第2の箔用印刷データ25Sにおいて、銀箔オブジェクト21s1〜21s2、22s1〜22s2、23s1のいずれも境界Cを跨いでいない。

(境界を跨ぐ箔オブジェクトがある場合) 図8の説明に戻る。次に、箔用印刷データの箔画像に用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトはない場合には(S6のNO)、跨ぎ判定部545は、ステップS7の処理に進む。一方、用紙中央を跨ぐ箔オブジェクトがある場合には、用紙中央を跨がないよう後述する画像シフト又は/及び画像回転を行う。この画像シフト又は/及び画像回転については後述する。

次に、合成箔用印刷データ生成部546の分割/入替え部546aは、第1の箔用印刷データ25Gの金箔画像、及び第2の箔用印刷データ25Sの銀箔画像のそれぞれを用紙中央(境界C)で分割する(S7)。

次いで、分割/入替え部546aは、金箔画像(第1の箔用印刷データ25G)及び銀箔画像(第2の箔用印刷データ25S)との間で境界Cを挟む一方の分割箔画像と他方の分割箔画像が入れ子になるように合成し、2種類の合成箔画像(合成箔用印刷データ)を生成する(S8)。

次に、合成箔用印刷データ生成部546の画像回転部546bは、分割/入替え部546aで入れ子合成した合成箔画像の一方を所定の角度(本例では180度)回転させる(S9)。

図13は、第1の実施形態に係る、第1の箔用印刷データ25G及び第2の箔用印刷データ25Sを作成する手法を示す説明図である。 金箔画像の左側の分割箔画像25gLと、銀箔画像の右側の分割箔画像25sRとを組み合わせて合成し、第1合成箔画像(第1の合成箔用印刷データ42a)を生成する。同様に、金箔画像の右側の分割箔画像25gRと、銀箔画像の左側の分割箔画像25sLとを組み合わせて合成し、第2合成箔画像(第2の合成箔用印刷データ42b)を生成する。続いて、画像回転部546bは、第2合成箔画像(第2の合成箔用印刷データ42b)を180度回転させる。金箔画像が左側、銀箔画像が右側に面付けされるよう、一方の第2合成箔画像を180度回転させて合成処理する。これで、金箔オジェクトと銀箔オブジェクトを含む合成箔用印刷データの生成が完了する。

図8の説明に戻る。次に、付属情報画像合成部548は、箔なし印刷データにおける、用紙の給紙方向の先頭側の断裁領域26t又は26uに対応する領域に、付属情報として箔押し機70による箔押し処理時の位置決め用画像(アイマーク画像M)(後述する図14参照)を付与する(S10)。アイマーク画像Mは、二次元バーコードに限らず、十字など任意の画像でよい。

続いて、付属情報画像合成部548は、箔なし印刷データにおける、用紙の給紙方向の先頭側の断裁領域26t又は26uに対応する領域に、第1の合成箔用印刷データ42a及び第2の合成箔用印刷データ42bの各箔押し処理の順番に対応するように用紙の給紙方向及び給紙順番を表す情報を付与する(S11)。

図14は、第1の実施形態に係る、箔なし印刷データ25Nの断裁領域に付属情報を付与する処理を示す説明図である。 アイマーク画像Mは、箔画像と箔押し位置がずれないよう、用紙の断裁領域26t,26u等の余白に印刷する位置決め用のマーク(図形や記号、2次元バーコード等)であり、給紙方向の先頭に印刷される。本実施形態では、1度箔押しした後に、箔ロールを交換することなく用紙を180回転させて再度箔押しするため、断裁領域26uに180度回転したアイマーク画像Mと、給紙方向/給紙順番を示す情報D2‘金銀箔データ2の給紙方向’を箔なし印刷データ25Nの画像に付与する。

そして、出力処理部549は、アイマーク画像Mと給紙方向/給紙順番を示す情報を画像合成した、合成後の箔なし印刷データ26が出力処理部549から出力される。コントローラ50は、合成後の箔なし印刷データ26(図14)を印刷装置60へ送信する。以下、印刷装置60の印刷処理及び箔押し機70の箔押し印刷について説明する。

図8の説明に戻る。図8のステップS11の処理が終了後、コントローラ50のCPU51は、印刷装置60で印刷処理した後に箔押し機70で箔押し処理を行う設定であるか否かを判定する(図9のS12)。

ステップS12において印刷装置60で印刷処理後に箔押し機70で箔押し処理を行う設定であった場合には(S12のYES)、CPU51は、合成後の箔なし印刷データ26を印刷装置60へ送信する(S13)。

次に、CPU51は、合成後の箔用印刷データの一つ(例えば第1の合成箔用印刷データ42a)を、箔押し機70に送信する(S14)。このとき、CPU51は、操作表示部74の画面に、送信した第1の合成箔用印刷データ42aの箔画像と給紙方向を表示し、ユーザーに通知する(S15)。

次に、CPU51は、全ての箔画像(合成箔用印刷データ)の箔押しが完了したか否かを判定し(S16)、箔押しが完了していない箔画像がある場合には(S16のNO)、ステップS14に戻って次の合成箔用印刷データ(例えば第2の合成箔用印刷データ42b)を箔押し機70に送信する。

ステップS16において全ての箔画像(第1及び第2の合成箔用印刷データ)の箔押しが完了したと判定した場合には(S16のYES)、CPU51は、本入稿データ処理を終了する。

一方、ステップS12において箔押し機70による箔押し処理を先に行う場合には(S12のNO)、CPU51は、第1の合成箔用印刷データ42aを箔押し機70へ送信する(S17)。次いで、CPU51は、ステップS18,S19の処理を行う。ステップS18,S19の処理は、ステップS15,S16と同じである。

次に、ステップS19において全ての箔画像(第1及び第2の合成箔用印刷データ)の箔押しが完了したと判定した場合には(S19のYES)、CPU51は、合成後の箔なし印刷データ26を印刷装置60へ送信する(S20)。このステップS20の処理が終了したら、CPU51は、本入稿データ処理を終了する。

図15は、第1の実施形態に係る箔押し処理を示す説明図である。 まず、金箔画像及び銀箔画像を合成した第1の合成箔用印刷データ42a(図15では「金銀箔データ1」)を箔押し機70に送信し、ユーザーに第1の合成箔用印刷データ42aの箔押し印刷(1回目の箔押し)を通知する。通知方法は、箔押し機70の操作表示部74に表示したり、コントローラ50に表示装置を接続してその表示装置に表示したりすることが考えられる。

次に、第1の合成箔用印刷データ42a(金銀箔データ1)の箔押しが完了したら、第2の合成箔用印刷データ42b(金銀箔データ2)を箔押し機70に送信し、ユーザーに用紙を180度回転してセットするよう通知する(2回目の箔押し)。これにより、1回目の箔押し及び2回目の箔押し共に、箔押しの順番及び給紙方向を間違えることなく、 全ての金箔画像及び銀箔画像が形成された箔付き印刷物44が得られる。

なお、上述した第1の合成箔用印刷データ42a又は第2の合成箔用印刷データ42bの箔押し印刷(用紙の180度回転)を通知することは、必須ではない。ただし、ユーザーに通知を行う方が、箔押し機70での箔押しの回数や用紙の向きなどの間違えが大幅に減ることが期待できる。

上述した入稿データ処理により、複数の箔ロールを搭載した箔押し機において、入稿データの画像全体に2種類以上の箔オブジェクトが点在する場合でも、箔ロールを交換することなく2種類以上の箔押し印刷が可能となる。

(境界を跨ぐ箔オブジェクトがある場合) 次に、図8の説明に戻り、箔用印刷データを構成する用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトがある場合の処理について説明する。

ステップS6において、箔用印刷データの箔画像に用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトがある場合には(S6のYES)、跨ぎ判定部545は、図10のステップS22の処理に進む。

次に、跨ぎ判定部545は、画像調整部547により金箔画像及び銀箔画像(を含む画像全体)を用紙中央(境界C)に垂直な方向へ移動させる画像処理を行うことで、箔オブジェクトが用紙中央(境界C)を跨がなくなるかを精査する(S22)。

図16は、第1の実施形態に係る画像調整処理(画像シフト)を示す説明図である。 図16の左側の画像27では、銀箔オブジェクト21s3が境界Cにかかっており、画像27の中心線Ciと境界Cは一致している。右側の移動後の画像28では、銀箔オブジェクト21s3が境界Cの跨ぎを回避し、画像28の中心線Ciと境界Cはずれている。用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトがある場合は、用紙中央を跨ぐ箔オブジェクトがなくなる位置まで画像をシフトする。シフトする方向は境界を挟んで左右を比較し、シフト量が少ないほうにシフトする。

図8の説明に戻る。跨ぎ判定部545は、画像シフトにより箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できるか否かを判定する(S23)。ここで、箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できる場合には(S23のYES)、ステップS7に進み、画像調整後の各箔用印刷データの箔画像のそれぞれについて、分割、入れ子合成等を実行する。一方、箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できない場合には(S23のNO)、ステップS24に進む。

次に、跨ぎ判定部545は、画像調整部547により金箔画像及び銀箔画像(を含む画像全体)を回転させる画像処理を行うことで、箔オブジェクトが用紙中央(境界C)を跨がなくなるかを精査する(S24)。

図17は、第1の実施形態に係る画像調整処理(画像回転)を示す説明図である。 図17の左側の画像27では、図16と同様に、銀箔オブジェクト21s3が境界Cにかかっている。このように用紙中央を跨ぐ箔オブジェクトがある場合は、画像29の中央を跨ぐ箔オブジェクトがない位置まで画像を回転する。本例では、画像の中心点Crを回転中心として角度θ回転させているが、回転中心は任意でよい。

ここで、画像を斜めにすると面付けに要する用紙は原稿より大きいサイズが必要となるため、回転する角度は、面付けする用紙のサイズが最小となる角度に回転する。この方法には、上記の画像シフトと画像回転を組み合わせて、最小となる角度に回転する方法も含める。なお、箔ロールの経済性を考慮すると、用紙サイズは通紙方向の長さが短いほどよい。

図8の説明に戻る。跨ぎ判定部545は、画像回転により箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できるか否かを判定する(S25)。ここで、箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できる場合には(S25のYES)、ステップS7に進み、分割、入れ子合成等を実行する。一方、箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できない場合には(S25のNO)、CPU51はステップS26に進み、従来の印刷方法(S26〜S29)を実行する。

従来の印刷方法は、まず付属情報画像合成部548が、箔なし印刷データにアイマーク画像を合成する(S26)。次いで、CPU51は、合成後の箔なし印刷データを印刷装置60に送信する(S27)。次いで、CPU51は、箔用印刷データの一つ(例えば第1の合成箔用印刷データ42a)を箔押し機70に送信する(S28)。

そして、CPU51は、全ての箔画像(合成箔用印刷データ)の箔押しが完了したか否かを判定し(S29)、箔押しが完了していない箔画像がある場合には(S29のNO)、ステップS28に戻って次の合成箔用印刷データ(例えば第2の合成箔用印刷データ42b)を箔押し機70に送信する。

ステップS29において全ての箔画像(第1及び第2の合成箔用印刷データ)の箔押しが完了したと判定した場合には(S29のYES)、CPU51は、本入稿データ処理を終了する。

<2.第2の実施形態> 次に、第2の実施形態に係る、境界が用紙の中心ではない場合における箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する方法を説明する。

図18は、第2の実施形態に係る、境界が用紙の中心ではない場合における箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する手法の説明図である。 金箔画像で構成される第1の箔用印刷データ25Gを例に説明する。図18の左図では、回転角度が0度の金箔画像の中心Cに対し複数の箔ロールの境界C1が左側にずれている。図18の右図では、180度反転した金箔画像の各箔オブジェクトは、境界C1に跨っていない。よって、この第1の箔用印刷データ25Gに含まれる箔オブジェクトは、境界跨ぎはないと判断できる。同様に、銀箔画像で構成される第2の箔用印刷データ25Sについても境界跨ぎを判定する。

<3.第3の実施形態> 次に、第3の実施形態に係るページ割付設定が多面付けである入稿データの処理について説明する。

図19は、ページ割付設定が多面付けである入稿データの画像例を示す説明図である。 用紙Pに形成された印刷データ80は、1ページに9個の画像81が割り付けられている。用紙中央に縦に3個配置された画像81に含まれる金箔オブジェクト21g1が境界Cに跨っている。このように1ページ内で異種設定の印刷が存在するギャンギングや多面付けで画像中央を跨ぐ箔オブジェクトがある場合は、用紙中央を跨ぐ箔オブジェクトがないように面付け位置、個々の画像の向きを変更する。

図20は、第3の実施形態に係る画像の面付け配置を変更した場合の例である。 用紙Pに形成された印刷データ80Aは、縦方向に配置された画像81r(図19の横向きの画像81を90度回転させて縦向きに配置した状態に相当)が1ページに12個(縦3×横4)割り付けられている。2列目の画像81rと3列目の画像81rの間に境界Cが位置し、金箔オブジェクト21g1の境界跨ぎが回避されている。

図21は、第3の実施形態に係る画像を境界と垂直な方向へ移動させた場合の例である。 図21の印刷データ80Bは、図19の印刷データ80に対して、右端の列と中央の列に配置されていた画像81を右方向にシフトさせたものである。これにより、境界Cが金箔オブジェクト21g1と銀箔オブジェクト21s1の間に位置し、箔オブジェクトの境界跨ぎが回避されている。

図22は、第3の実施形態に係る画像を回転させた場合を示す説明図である。 図22の印刷データ80Cは、図19の印刷データ80に対して、中央の列に配置された画像81を回転させて画像81rとして面付けしたものである。これにより、中央の画像81rの金箔オブジェクト21g1と銀箔オブジェクト21s1が、境界Cよりも右側に位置し、箔オブジェクトの境界跨ぎが回避されている。

[多面付けの入稿データ処理手法の手順] 次に、多面付け入稿データに対する入稿データ処理を説明する。

図23は、第3の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(1)を示すフローチャートであり、図24は、第3の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(2)を示すフローチャートであり、また図25は、第3の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(3)を示すフローチャートである。図23〜図25において、図8〜図10と異なる部分を中心に説明する。なお、説明の前提として、図8〜図10の場合と同様に、入稿データを、金色と銀色の箔画像が含まれる入稿データとし、また境界が用紙の通紙方向に垂直な幅方向を二分する中心線と一致するものとする。ただし、本発明はこの前提には限定されない。

まずコントローラ50に印刷ジョブが入力されると、入力処理部540は、印刷ジョブを入稿データ保持部541に一時的に保持する。次に、解析処理部542は、印刷データの印刷設定が多面付けかどうかを判定し(S41)、多面付けではない場合には(S41のNO)、多面付けなしの図8のフローチャートのステップS1へ進む処理を行う(S63)。印刷データが多面付けであるかどうかを確認する方法として、印刷設定情報を参照したり、印刷データを画素ごとに走査したりする方法がある。

一方、解析処理部542が印刷データの印刷設定が多面付けであると判定した場合には(S41のYES)、ステップS42〜S45の処理が行われ、箔なし印刷データ、第1の箔用印刷データ及び第2の箔用印刷データが生成される。このステップS43〜S45の処理は、図8のステップS1〜S4の処理と同じである。

次に、ステップS45において箔用印刷データ生成部544が全種類の箔画像(本例では金箔画像と銀箔画像)の箔用印刷データの生成を完了したと判定した場合には(S45のYES)、ステップS44で生成した箔用印刷データを印刷設定情報に基づいて多面付けする(S46)。

次に、跨ぎ判定部545は、多面付けされた各箔用印刷データから箔オブジェクトの位置を抽出する(S47)。

次に、跨ぎ判定部545は、抽出した箔オブジェクトの中に用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する(S48)。

(境界を跨ぐ箔オブジェクトがある場合) 図23の説明に戻る。次に、多面付けされた箔用印刷データを構成する用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトはない場合には(S48のNO)、跨ぎ判定部545は、ステップS49の処理に進む。一方、用紙中央を跨ぐ箔オブジェクトがある場合には、用紙中央を跨がないよう面付け配置変更、画像シフト、又は画像回転を行う。

次に、ステップS49〜S53における処理を行う。このステップS43〜S45の処理は、図8のステップS7〜S11の処理と同じである。

次に、ステップS53の処理が終了後、図24のステップS54〜S62の処理を行い、箔なし印刷データの印刷処理及び2種類の箔用印刷データの箔押し処理を行う。このステップS54〜S62の処理は、図8のステップS12〜S20の処理と同じである。このステップS62の処理が終了したら、CPU51は、本入稿データ処理を終了する。

上述した入稿データ処理により、複数の箔ロールを搭載した箔押し機において、入稿データの画像全体に多面付けされた箔画像に2種類以上の箔オブジェクトが点在する場合でも、箔ロールを交換することなく2種類以上の箔押し印刷が可能となる。

(境界を跨ぐ箔オブジェクトがある場合) 次に、図23の説明に戻り、多面付けされた箔用印刷データを構成する用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトがある場合の処理について説明する。

ステップS48において、箔用印刷データの箔画像に用紙中央(境界C)を跨ぐ箔オブジェクトがある場合には(S48のYES)、跨ぎ判定部545は、図25のステップS65の処理に進む。

次に、跨ぎ判定部545は、画像シフト後の箔オブジェクトの用紙中央跨ぎについての精査及び判定処理を行う(S65,S66)。次に、跨ぎ判定部545は、画像回転後の箔オブジェクトの用紙中央跨ぎについての精査及び判定処理を行う(S67,S68)。このステップS65〜S68の処理は、図8のステップS22〜S25の処理と同じである。

次に、跨ぎ判定部545は、画像調整部547により金箔画像及び銀箔画像(を含む画像全体)の面付けの配置を変更する画像処理を行うことで、箔オブジェクトが用紙中央(境界C)を跨がなくなるかを精査する(S69)。

次いで、跨ぎ判定部545は、面付けの配置変更により箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できるか否かを判定する(S70)。ここで、箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できる場合には(S70のYES)、ステップ49に進み、画像調整後の各箔用印刷データの箔画像のそれぞれについて、分割、入れ子合成等を実行する。

一方、箔オブジェクトが用紙中央跨ぎを回避できない場合には(S70のNO)、ステップS71に進み、従来の印刷方法(S71〜S74)を実行する。このステップS71〜S74の処理は、図8のステップS26〜S29の処理と同じである。ステップS74において全ての箔画像(第1及び第2の合成箔用印刷データ)の箔押しが完了したと判定した場合には(S74のYES)、CPU51は、本入稿データ処理を終了する。

[多面付け箔用印刷データの作成処理] 図26は、第3の実施形態に係る、多面付け入稿データから第1の合成箔用印刷データ及び第2の合成箔用印刷データを作成する手法を示す説明図である。

入稿データ20Aは、1ページの左右に2ページ分の印刷データ20−1が割り付けられている。印刷データ20−1の箔オブジェクトは用紙の中央(境界C)に跨っていないものとする。

まず入稿データ20Aから金箔用の箔用印刷データ91a(金箔データ:第1の箔用印刷データ)と、銀箔用の箔用印刷データ91b(銀箔データ:第2の箔用印刷データ)が生成される。金箔用の箔用印刷データ91aは、金箔オブジェクトのみを含む2つの金箔画像90g−1が面付けされ、銀箔用の箔用印刷データ91bは、銀箔オブジェクトのみを含む2つの銀箔画像90s−1が面付けされている。

次に、金箔用の箔用印刷データ91aの分割箔画像(金箔画像90g−1)と、銀箔用の箔用印刷データ91bの分割箔画像(銀箔画像90s−1)のそれぞれの左右を入れ替え(入れ子合成)、第1の合成箔用印刷データ92a(金銀箔データ1)、及び第2の合成箔用印刷データ92b(金銀箔データ2)を作成する。最後に、第2の合成箔用印刷データ92bを180°回転させる。

図26から理解されるように、画像が多面付けされた入稿データにおいても、箔オブジェクトの境界跨ぎを回避し、入稿データの画像全体に2種類以上の箔オブジェクトが点在する場合でも、箔ロールを交換することなく箔押し印刷を可能である。

<4.第4の実施形態> 次に、第4の実施形態として、箔押し機が3本の箔ロールを備える場合の例を説明する。

図27は、第4の実施形態に係る、3本の箔ロールを備えた箔押し機による箔押し処理の例を示す説明図である。 図27に示すように、箔押し機は、金箔ロール10g、銀箔ロール10s、及び銅箔ロール10cを備える。箔押し対象の印刷データの画像100は、金箔オブジェクト21g1,21g2,23g1と、銀箔オブジェクト21s1,21s2,22s1〜22s2,23s1と、銅箔オブジェクト21c1,21c2を有する。

画像100の各箔オブジェクトは、上記3本の箔ロールの間の2つの境界B1,B2のいずれにも跨っていない。したがって、図27(1)に示すように、1回目の箔押し処理により、金箔オブジェクト21g1と、銀箔オブジェクト21s2,22s1,23s1と、銅箔オブジェクト21c1,21c2が箔押しされる。その後、図27(2)に示すように、2回目の箔押し処理により、残りの金箔オブジェクト21g2,23g1と、銀箔オブジェクト21s1,22s2,23s1と、銅箔オブジェクト21c1,21c2が箔押しされる。

本実施形態によれば、3本の箔ロールを用いた場合でも、境界を跨ぐ箔オブジェクトがなければ2回の箔押し処理で済む。箔ロールが3本以上になると、箔ロール同士の境界が2以上となるため、全ての境界について箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を調べる必要がある。

[入稿データ処理手法の手順] 次に、箔押し機が3本の箔ロールを備える場合の入稿データ処理を説明する。

図28は、第4の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(1)を示すフローチャートであり、図29は、第4の実施形態に係る入稿データ処理手法の手順(2)を示すフローチャートである。

まずコントローラ50に印刷ジョブが入力されると、入力処理部540は、印刷ジョブを入稿データ保持部541に一時的に保持する。次に、コントローラ50は、ステップS81〜S85,S88の処理を行う。このステップS81〜S85,S88の処理は、図8のステップS1〜S5,S21の処理と同じである。

次に、ステップS5の処理後、跨ぎ判定部545は、抽出した箔オブジェクトの中に境界B1を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する(S86)。

図30は、第4の実施形態に係る、箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する方法(1)を示す説明図である。 入稿データの箔画像110は、図27の画像100の箔画像成分を簡略化したものである。まず、跨ぎ判定部545は、境界B1について箔オブジェクトの跨ぎを確認する。最初に箔画像110を回転させない状態(0°)で確認し、次に箔画像110を回転させた状態(180°)で確認すする。箔ロールが3本になると箔ロール間の境界が用紙中央に位置しないため、本発明の入稿データ処理による合成箔用印刷データの生成において、通常状態と反転状態での確認処理が必要となる。図30の例では、境界B1を跨ぐ箔オブジェクトはない。

次に、箔用印刷データの箔画像に境界B1を跨ぐ箔オブジェクトはない場合には(S86のNO)、跨ぎ判定部545は、すべての境界について境界跨ぎの有無を確認(チェック)したか否かを判定する(S87)。全ての境界について確認が完了していない、即ち確認が済んでいない境界が残っている場合には(S87のNO)、跨ぎ判定部545は、ステップS86に進み、抽出した箔オブジェクトの中に次の境界B2を跨ぐ箔オブジェクトがあるか否かを判定する。

図31は、第4の実施形態に係る、箔オブジェクトの境界跨ぎの有無を判定する方法(2)を示す説明図である。 境界B1の場合と同様に、跨ぎ判定部545は、境界B2について最初に箔画像110を回転させない状態(0°)で箔オブジェクトの跨ぎを確認し、次に箔画像110を回転させた状態(180°)で確認する。図31の例では、箔画像110を回転させない状態(0°)で、金箔オブジェクト21g2が境界B2を跨いでいる。この場合、箔画像110に対して後述する画像シフト又は/及び画像回転が行われる。

その後、再度ステップS87ですべての境界について境界跨ぎの有無を確認したか否かを判定し、全ての境界について確認が完了した場合には(S87のYES)、図8のステップS7に進んで、分割、入れ子合成等を実行する。

一方、ステップS86において、箔用印刷データの箔画像に境界を跨ぐ箔オブジェクトがある場合には(S86のYES)、跨ぎ判定部545は、図29のステップS89の処理に進む。

そして、合成箔用印刷データ生成部546は、箔オブジェクトが境界を跨がないよう画像シフト又は/及び画像回転を行う(S89)。この処理は、ステップS22,S24と同じである。

次に、跨ぎ判定部545は、画像シフト又は/及び画像回転により箔オブジェクトの境界跨ぎを回避できるか否かを判定する(S90)。ここで、箔オブジェクトが境界跨ぎを回避できる場合には(S90のYES)、図8のステップS7に進む。

一方、箔オブジェクトが境界跨ぎを回避できない場合には(S90のNO)、2本の箔ロールならば境界跨ぎを回避可能かどうかを判定する(S91)。ここで、2本の箔ロールであれば境界跨ぎを回避できる場合には(S91のYES)、合成箔用印刷データ生成部546は該当する2本の箔ロールに対応する合成箔用印刷データを生成し、出力処理部549へ出力する。また付属情報画像合成部548による箔なし印刷データに対する付属情報の画像合成を行う。そして、箔なし印刷データ及び該当する箔の合成箔用印刷データを、コントローラ50から印刷装置60及び箔押し機70へ送信し、印刷処理及び箔押しを行う(S92)。

次に、合成箔用印刷データ生成部546は、上記2本の箔ロールを用いて箔押しを実施した後、残りの箔の合成箔用印刷データを生成する。そして、箔押し機70は、残りの箔ロールを用いて箔押しを実施する(S93)。

一方、ステップS91において跨ぎ判定部545が2本の箔ロールの場合でも境界跨ぎを回避できない場合には(S91のNO)、CPU51は、従来の印刷方法を実施する(S94)。ステップS93又はS94の処理が終了したら、本入稿データ処理を終了する。

上述したように、3種類以上の箔について箔押しをする場合は、まず箔押し機70に3本以上の箔ロールをセットして同時に箔押し可能かどうか精査する。そして、同時に箔押しすることが出来ない場合は、箔ロール交換が最も少ない回数となるよう面付けと箔押し順の制御を行う。

<5.第5の実施形態> 上述した実施形態では、2つの箔用印刷データを生成する際に、一方の箔用印刷データの画像を180°回転させたが、180°以外の例を説明する。

図32は、第5の実施形態に係る入稿データの箔画像例を示す説明図である。 入稿データ120は、画像中央(破線部)より左側に金箔オブジェクト21g1、銀箔オブジェクト21s1を有し、画像中央より右側に金箔オブジェクト21g2、銀箔オブジェクト21s2,23s1を有する。箔押し機70に金箔ロール10gと銀箔ロール10sがセットされているとする。

図33は、第5の実施形態に係る箔用印刷データを構成する箔画像の回転角度の例を示す。 図33に示すように、入稿データ120に対し第1の合成箔用印刷データ122aと第2の箔用印刷データ122bからなる第1の組み合わせ、或いは、第1の合成箔用印刷データ122aと第2の箔用印刷データ122b’からなる第2の組み合わせを取りうる。第1の組み合わせは、第2の箔用印刷データ122bを180°回転させている。これに対し、第2の組み合わせでは、第2の箔用印刷データ122b’を90°(−90°)回転させている。第2の組み合わせでは、第2の箔用印刷データ122b’の箔画像が縦長で、‘↑金銀箔データ2の給紙方向’の情報が、箔画像の短手方向に設けられた断裁領域26u’に形成されている。このように構成しても、箔オブジェクトが用紙中央に跨らないため、本発明の箔押し処理を適用することができる。

<6.その他> なお、上述した第1〜第5の実施形態では、コントローラ50において入稿された印刷データから箔なしの印刷データと各色の箔用印刷データを生成する例を挙げたが、印刷データは必須ではない。本発明は、各色の箔用印刷データを生成するための箔画像データをコントローラ50(入稿データ処理部54)に入稿することにより実施可能である。また、各色の箔用印刷データがコントローラ50(入稿データ処理部54)に入稿されることでも実施可能である。

さらに、クライアント端末30が印刷設定情報と入稿データ(印刷データ)を含む印刷ジョブを生成してコントローラ50へ送信したが、コントローラ50において入稿データを生成してもよい。

また、箔押し機70で箔ロールに対応する各色の箔用印刷データを生成してもよい。

また、上述した第1〜第5の実施形態では、コントローラ50が箔なし印刷データ及び各色の箔用印刷データを生成し、印刷装置60及び箔押し機70に送信する例を挙げたが、本発明はこの例に限定されない。例えばコントローラ50の機能を印刷装置60に適用し、印刷装置60がコントローラ50の機能を備える構成としてもよい。

さらに、本発明は上述した各実施形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、その他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。

例えば、上述した実施形態例は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態例の構成の一部を他の実施形態例の構成に置き換えることは可能である。また、ある実施形態例の構成に他の実施形態例の構成を加えることも可能である。また、各実施形態例の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。

また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリやハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、又はICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。

また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。

また、本明細書において、時系列的な処理を記述する処理ステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)をも含むものである。

10g…金箔ロール、 10s…銀箔ロール、 10c…銅箔ロール、 20…入稿データ、21g1〜21g2…金箔 オブジェクト、 21s1〜21s2…銀箔オブジェクト、 22s1〜22s2…銀箔オブジェクト、 23g1…金箔オブジェクト(文字)、 23s1…銀箔オブジェクト、 25N…箔なし印刷データ、 25G…第1の箔用印刷データ、 25S…第2の箔用印刷データ、 26t,26u…断裁領域、 27,28…画像、 30…クライアント端末、 31…入稿データ、 40…印刷システム、 41…箔なし印刷データ、 42a…第1の合成箔用印刷データ、 42b…第2の合成箔用印刷データ、 50…コントローラ(情報処理装置)、 51…CPU、 54…入稿データ処理部、 60…印刷装置、 70…箔押し機、 76…第1箔押し処理部、 77…第2箔押し処理部、 80,80A〜80C…印刷データ、 81…画像、 81r…回転後の画像、 544…箔用印刷データ生成部、 545…跨ぎ判定部、 546…画像調整部、 547…合成箔用印刷データ生成部、 548…付属情報画像合成部、 C…境界、 Ci…箔画像中心、 Cr…中心点、 D1,D2…付属情報、 M…アイマーク、 P…用紙

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