【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、コントローラを介してコンピュータシステムから印刷情報を受信し、孔版印刷装置上で印刷情報の製版および印刷処理を実行する孔版印刷システム、孔版印刷方法および孔版印刷プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関し、特に、効率的な製版および印刷処理を可能にする技術に係る。 【従来の技術】一般に、PC(Personal Computer)等のコンピュータシステム内に格納された印刷情報を孔版印刷装置において出力する場合、図7に示すように、コンピュータシステム70から孔版印刷装置72への印刷情報の送信を制御するコントローラ71をコンピュータシステム70と孔版印刷装置72間に設け、孔版印刷システムを構築する。 そして、コンピュータシステム70 から孔版印刷装置72へ印刷情報を出力する際は、図8 に示す以下の処理ステップを実行する。 【0002】(1)コンピュータシステム70からコントローラ71に印刷情報を出力する(印刷情報出力ステップ、S801)。 【0003】(2)コントローラ71が、孔版印刷装置72がオンライン/オフラインのどちらであるかを判別する(オンライン/オフライン判別ステップ、S80 2)。 判別の結果、孔版印刷装置72がオンラインである場合には(製版命令出力ステップ、S803)へ、孔版印刷装置72がオフラインである場合には(オンライン切換ステップ、S804)へそれぞれ移行する。 ここで、「オフライン」とは、孔版印刷装置自身が有する印刷情報を用いて単独で製版・印刷処理を実行する状態(モード)、「オンライン」とは、コンピュータシステムからの印刷情報を用いて孔版印刷装置が製版および印刷処理を行なう状態を意味し、孔版印刷装置が「オンライン」である場合には、一般に、孔版印刷装置上の操作系から指定された処理は一切受け付けられない。 孔版印刷装置にこのような「オンライン」、「オフライン」の2つの状態を設ける理由は、孔版印刷装置が、通常の印刷装置(プリンタ)とは異なり、製版処理を有し、単独およびコンピュータシステムのどちらからでも印刷処理を実行可能な構成となっているためであり、このような2つの状態を設けることにより、コンピュータシステムからの印刷情報を用いて孔版印刷装置が製版および印刷処理を実行中に、孔版印刷装置上の操作系から誤って別の製版および印刷処理が実行させてしまうというようなトラブルを防止しているのである。 【0004】(3)孔版印刷装置72がオンラインである場合、コントローラ71が孔版印刷装置72に印刷情報の製版処理命令を送信し、孔版印刷装置72は、製版処理命令の受信に応じて、印刷情報の版を作製する製版処理を実行し(製版命令出力ステップ、S803)、製版処理終了後、(印刷処理実行ステップ、S805)へ移行する。 【0005】(4)孔版印刷装置72がオフラインである場合、コントローラ71は孔版印刷装置72がオンライン状態となるまで待機し(オンライン待機ステップ、 S804)、孔版印刷装置72がオンライン状態に切換えられた後、(製版命令出力ステップ、S803)に移行する。 【0006】(5)孔版印刷装置72が、製版処理により作製された版を用いて印刷処理を実行する(印刷処理実行ステップ、S805)。 【0007】(6)コントローラ71が、コンピュータシステム70からの他の印刷情報があるか否かを判別し、他に印刷情報がある場合は再び(印刷情報出力ステップ、S801)へ移行する。 一方、他に印刷情報がない場合は孔版印刷処理を終了する(判別ステップ、S8 06)。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】このように、従来までの孔版印刷システムにおいては、孔版印刷装置にオンラインとオフラインの2つの状態を設け、コントローラが孔版印刷装置のオンライン/オフラインを判別して、コンピュータシステム内に格納された印刷情報を孔版印刷装置に送信する構成となっているが、このような従来までの孔版印刷システムには以下に示すような解決すべき技術的課題がある。 【0009】第1に、従来までの孔版印刷システムにおいては、コンピュータシステムからの印刷情報の印刷処理が孔版印刷装置上で実行されている間に孔版印刷装置において用紙詰まり等のエラーが発生すると、孔版印刷装置はオフラインとなり停止してしまう。 このため、孔版印刷装置上で印刷処理を続行する場合には、ユーザは、孔版印刷装置上に設けられているI/Fキー等のオンライン/オフライン切換手段を用いて、孔版印刷装置を再びオンライン状態にする必要性があり、印刷処理の効率が非常に悪い。 さらには、オフライン状態では孔版印刷装置単独で別の印刷処理を開始することが可能であるために、孔版印刷装置において別の印刷処理が開始された場合には、コンピュータシステムからの印刷情報は未処理のまま中断してしまい、高効率の印刷処理を実現することが難しい。 【0010】第2に、従来までの孔版印刷システムの場合、孔版印刷装置は製版処理と印刷処理の2つの処理を有するために、コントローラは製版処理命令と印刷処理命令を交互に出力するが、このようなシステムでは、例えば、コンピュータシステムから印刷情報「A」を5枚印刷する印刷処理を開始した後に、印刷枚数をさらに5 枚追加したいというような要求が発生した場合であっても、印刷処理が終了した時点で孔版印刷装置がオンライン状態であると、他の印刷情報に係る製版処理が実行されてしまう。 したがって、従来までの孔版印刷システムでは、追加分の印刷情報を印刷しようとした場合、オンライン/オフラインを切換えずに孔版印刷装置単独で印刷処理を行なう等、コントローラの状態を考慮しながら印刷方法を切換える必要があり、操作が極めて複雑なものとなってしまう。 【0011】このように、従来までの孔版印刷システムにおいては、孔版印刷装置がオンライン/オフラインという2つの動作状態を有し、コントローラが孔版印刷装置のオンライン/オフラインを判別して、コンピュータシステム内に格納された印刷情報を孔版印刷装置に出力する構成となっているために、印刷処理の操作が大変複雑であり、また、印刷処理の効率が非常に悪いものとなっている。 【0012】本発明は上記の技術的課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷処理の操作性を改善し、印刷処理の効率を高める孔版印刷装置を提供することにある。 【0013】また、本発明の他の目的は、印刷処理の操作性を改善し、印刷処理の効率を高める孔版印刷方法を提供することにある。 【0014】さらに、ユーザの印刷処理の操作性を改善し、印刷処理の効率を高める孔版印刷プログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することにある。 【0015】 【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決するために、発明者は、コントローラが動作待ち状態を孔版印刷装置に通知し、孔版印刷装置は、自身が有する操作系における操作状態と通知されたコントローラの動作待ち状態とを参照して、実行すべき処理を自動判別し、 コントローラへ処理内容を通知するようにすることにより、ユーザの印刷処理の操作性を向上し、印刷処理の効率を高めることができるという考えに至り、精力的な研究を続けてきた結果、以下の特徴を有する技術思想を発案するに至った。 【0016】このような考えに基づいた本発明の第1の特徴は、コントローラを介してコンピュータシステムから印刷情報を受信し、孔版印刷装置上で印刷情報の製版および印刷処理を実行する孔版印刷システムにおいて、 孔版印刷装置は、コントローラの動作待ち状態を検出する動作待ち状態検出部と、孔版印刷装置の動作状態を検出する印刷装置動作状態検出部と、コントローラの動作待ち状態と印刷装置の動作状態とを参照して、孔版印刷装置上で実行する処理を決定し、コントローラと孔版印刷装置を制御する判別部とを具備する孔版印刷システムであることにある。 【0017】これにより、ユーザの印刷処理の操作性を向上し、印刷処理の効率を高めることができる。 【0018】また、このような考えに基づいた本発明の第2の特徴は、コントローラを介してコンピュータシステムから印刷情報を受信し、孔版印刷装置上で印刷情報の製版および印刷処理を実行する孔版印刷方法において、コントローラの動作待ち状態を検出する動作待ち状態検出ステップと、孔版印刷装置の動作状態を検出する印刷装置動作状態検出ステップと、コントローラの動作待ち状態と印刷装置の動作状態とを参照して、孔版印刷装置上で実行する処理を決定し、コントローラと孔版印刷装置を制御する判別ステップとを有する孔版印刷方法であることにある。 【0019】これにより、ユーザの印刷処理の操作性を向上し、印刷処理の効率を高めることが可能となる。 【0020】さらに、このような考えに基づいた本発明の第3の特徴は、コントローラを介してコンピュータシステムから印刷情報を受信し、孔版印刷装置上で印刷情報の製版および印刷処理を実行する孔版印刷プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、コントローラの動作待ち状態を検出する動作待ち状態検出処理と、孔版印刷装置の動作状態を検出する印刷装置動作状態検出処理と、コントローラの動作待ち状態と印刷装置の動作状態とを参照して、孔版印刷装置上で実行する処理を決定し、コントローラと孔版印刷装置を制御する判別処理とを含み、これらの処理をコンピュータに実行させる孔版印刷プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体であることにある。 【0021】これにより、ユーザの印刷処理の操作性を向上し、印刷処理の効率を高めることができる。 【0022】ここで、記録媒体としては、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるようなコンピュータ読み取り可能な媒体などが含まれる。 【0023】また、コントローラの動作待ち状態としては、出力無し状態、製版処理待ち状態および印刷処理待ち状態、印刷装置の動作状態としては、製版処理状態および印刷処理状態を設定し、これらの状態を参照して孔版印刷装置上で実行する処理を決定すると良い。 【0024】 【発明の実施の形態】以下、図1乃至図6を参照して、 本発明の実施形態に係る孔版印刷システム、孔版印刷方法および孔版印刷プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体の構成および動作について詳しく説明する。 ここで、本実施形態においては、孔版印刷装置として、印刷情報を読み取るためのスキャナ(走査読取り装置)を備えないものを想定する。 一般に、スキャナを備えない孔版印刷装置は、製版処理を単独で実行することはできないが、印刷処理については、版が完成している限り単独でも実行可能である。 なお、孔版印刷装置がスキャナを備えるものである場合には、製版処理の開始命令が、スキャナによるものなのか、コンピュータシステムからのものであるのかを判別する手段(図示せず)を備えることにより、本発明の孔版印刷システムおよびその方法を実現し、同様の効果を得ることができる。 【0025】始めに、本発明の孔版印刷システムおよびその方法の根幹にある技術思想について説明する。 【0026】本発明の孔版印刷システムおよびその方法においては、従来までのものと異なり、孔版印刷装置が有する、製版処理と印刷処理の切換キー、処理開始キー等の孔版印刷装置の単独操作のために用いる操作系、オンライン/オフライン切換手段(I/Fキー)等のコンピュータシステムからの出力を制御するために用いる操作系という区分けを取り除き、さらに、オンライン/オフライン切換手段を除去する。 そして、本発明の孔版印刷システムおよびその方法においては、図3に示すように、コントローラが、「出力無し」、「製版処理待ち」、「印刷処理待ち」等の動作待ち状態を孔版印刷装置に通知すると、孔版印刷装置は、自身が有する操作系における操作状態と通知されたコントローラの動作待ち状態とを参照して、実行すべき処理を判別し、コントローラへ処理内容を通知する、インタラクティブな構成となっている。 【0027】それでは、以下、図1乃至図6を参照して、この技術思想を具現化した本発明の実施形態に係る孔版印刷システムおよびその方法について説明する。 【0028】図1は、本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの構成を示す模式図である。 【0029】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムは、図1に示すように、印刷情報を用いて製版処理および印刷処理を実行する孔版印刷装置10、印刷情報を格納したコンピュータシステム16、孔版印刷装置10とコンピュータシステム16の間における印刷情報の送受を制御するコントローラ17から構成される。 【0030】また、本発明の実施形態に係る孔版印刷装置10は、孔版印刷処理を制御するCPU11、孔版印刷プログラムを格納する記憶手段12、コントローラ1 7と孔版印刷装置10間の印刷情報の送受を制御する製版/印刷処理インタフェイス部13、孔版印刷装置10 に係る入出力信号を制御する入出力インタフェイス部1 4を有し、製版/印刷処理インタフェイス部13は、コントローラ17の動作待ち状態を検出するコントローラ動作待ち状態検出部13a、孔版印刷装置10の動作状態を検出する印刷装置動作状態検出部13b、コントローラ17および孔版印刷装置10の動作状態に基づいて、実行すべき処理を決定する判別部13cを備える。 【0031】さらに、本発明の実施形態に係るコントローラ17は、孔版印刷装置10に動作待ち状態状態を通知する動作待ち状態通知部17aを有する。 【0032】なお、本発明の実施形態に係る孔版印刷装置10は、孔版印刷装置10の印刷処理に係る種々の情報を入出力する入出力部15に接続され、入出力部15 は図2に示すような概観を有する。 【0033】ここで、図2を参照して本発明の実施形態に係る入出力部20の構成について簡単に説明する。 本発明の実施形態に係る入出力部20内の状態表示部21 は、「製版データを待ってます」、「製版できます」、 「再製版できます」、「印刷できます」、「印刷枚数をセットしてください」等の処理情報、印刷速度、印刷濃度、印刷枚数、モノクロ/カラーの別および印刷用紙の大きさ等の情報をユーザに出力する。 また、テンキー2 2は印刷枚数の入力や機能の選択等に用い、「ジョブ」 センサ23は、例えば、コントローラ17から印刷情報を受信している際は点滅、コントローラによる動作時には点灯する等して、処理状況をユーザに表示する役割を担う。 さらに、「製版/印刷」ボタン24は、孔版印刷装置の「製版モード」と「印刷モード」を切り替える役割を担い、「スタート」および「ストップ」ボタン2 5、26はそれぞれ、処理の実行および中止を孔版印刷装置10に指示する。 【0034】続いて、図4を参照して、本発明の実施形態に係る孔版印刷方法について説明する。 【0035】本発明の実施形態に係る孔版印刷方法においては、孔版印刷装置10がコントローラ17と孔版印刷装置10の動作待ち状態を検出し、それぞれの状態に応じて、図4に示す処理を実行する。 【0036】(a)コントローラが「出力なし」状態 コントローラがコンピュータシステムからの出力データの受信を開始していない状態では、コントローラの動作待ち状態通知部はコントローラ動作待ち状態検出部に「出力なし」の動作待ち状態を示す信号を送信する。 判別部は、受信した信号と印刷装置動作状態検出部が検出した孔版印刷装置の動作状態(製版モード又は印刷モード)に応じて、以下の処理の実行命令を出力する。 【0037】(a−1)孔版印刷装置が「製版モード」 である場合 コントローラが「出力なし」の動作待ち状態において、 孔版印刷装置側で「製版モード」が選択され、スタートキーが押された場合、孔版印刷装置にはスキャナが搭載されていないために、判別部が製版動作を禁止する信号を入出力部に出力する。 【0038】(a−2)孔版印刷装置が「印刷モード」 である場合 コントローラが「出力なし」の動作待ち状態において、 孔版印刷装置側で「印刷モード」が選択され、スタートキーが押された場合、孔版印刷装置に既にセットされている版を用いて、孔版印刷装置単独での印刷処理を実行する。 【0039】(b)コントローラが「製版待ち」状態 コントローラが、コンピュータシステムから出力データを受信して製版データの出力準備が完了となった時点で、動作待ち状態通知部がコントローラ動作待ち状態検出部に「製版待ち」の動作状態を示す信号を送信する。 判別部は、受信した信号と印刷装置動作状態検出部が検出した孔版印刷装置の動作状態に応じて、以下の処理を実行命令を出力する。 【0040】(b−1)孔版印刷装置が「製版モード」 である場合 コントローラが「製版待ち」の動作待ち状態において、 孔版印刷装置側で「製版モード」が選択され、スタートキーが押された場合、コントローラがコンピュータシステムからの印刷情報を用いた「製版待ち」の動作状態であるので、判別部は、コントローラに製版処理の開始の指示を出す。 コントローラは孔版印刷装置からの指示に応じて、孔版印刷装置にコンピュータシステムの印刷情報を出力し、孔版印刷装置はコンピュータシステムの印刷情報を用いて製版処理を開始する。 ここで、コントローラは、コンピュータシステムから印刷情報を受信した際は、印刷情報を展開し、展開した印刷情報に対してコンピュータシステムにおいて設定された印刷枚数、印刷速度、印刷濃度等の孔版印刷装置の制御パラメータを登録した内容を印刷情報として孔版印刷装置に送信するものとする。 【0041】(b−2)孔版印刷装置が「印刷モード」 である場合 コントローラが「製版待ち」の動作待ち状態において、 孔版印刷装置側で「印刷モード」が選択され、スタートキーが押された場合、判別部は、ユーザが、新しい製版処理の実行ではなく、既に製版されている版を用いた孔版印刷装置上での単独印刷処理を指示していると判断し、コントローラには製版処理開始の指示を出力せずに、孔版印刷装置単独での印刷処理の実行を指示する。 【0042】(c)コントローラが「印刷待ち」状態である場合 コントローラが、コンピュータシステムからの出力データの製版を完了して、次の印刷処理の実行待ちとなった時点で、動作待ち状態通知部は、コントローラ動作待ち状態検出部に「印刷待ち」の動作待ち状態を示す信号を送信する。 受信した信号と印刷装置動作状態検出部が検出した孔版印刷装置の動作状態に応じて、以下の処理を実行命令を出力する。 【0043】(c−1)孔版印刷装置が「製版モード」 である場合 コントローラが「印刷待ち」の動作待ち状態において、 孔版印刷装置側で「製版モード」が選択され、スタートキーが押された場合、判別部は、ユーザが、現在印刷している印刷物の製版処理の再実行を希望していると判断し、コントローラに再製版処理の実行開始を指示する。 なお、再製版処理は、孔版印刷装置においては、版の出来により印刷物の仕上がり具合が決定されるために存在する処理であり、通常、印刷処理の繰り返しにより版が痛んだりした場合などに実行される。 【0044】(c−2)孔版印刷装置が「印刷モード」 コントローラが「印刷待ち」の動作待ち状態において、 孔版印刷装置側で「印刷モード」が選択され、スタートキーが押された場合、判別部は、ユーザが、コントローラが実行しようとしている印刷処理の実行を指示していると判断し、コントローラに印刷処理の開始指示を出す。 コントローラは、孔版印刷処理からの指示に応じて、孔版印刷装置に印刷処理の動作開始を指示する。 【0045】これら一連の処理をまとめてフローチャート図に示すと図5のようになる。 【0046】以下、図5に示すフローチャート図を参照して、本発明の実施形態に係る孔版印刷方法について説明する。 【0047】本発明の実施形態に係る孔版印刷方法を用いた孔版印刷処理は以下のステップにより実行される。 【0048】(1)印刷装置動作状態検出部13bが、 孔版印刷装置10の動作状態を判別する(印刷装置モード判別ステップ、S501)。 【0049】判別の結果、孔版印刷装置10が「製版モード」である場合は(コントローラ判別ステップ(I I)、S502)へ、孔版印刷装置10が「印刷モード」である場合は(コントローラ判別ステップ(I V)、S504)へそれぞれ移行する。 【0050】(2)孔版印刷装置10が「製版モード」 である場合、コントローラ動作状態検出部13aが、動作待ち状態通知部17aからの信号に基づいて、コントローラ17が「出力なし」の動作待ち状態であるか否か判別する(コントローラ判別(II)ステップ、S50 2)。 【0051】判別の結果、コントローラ17が「出力なし」の動作状態である場合には(印刷処理判別ステップ、S509)へ、コントローラ17が「出力なし」の動作状態でない場合には(コントローラ判別(III) ステップ、S503)へそれぞれ移行する。 【0052】(3)孔版印刷装置10が「製版モード」 であり、コントローラ17が「出力なし」の動作待ち状態でない場合、コントローラ動作状態検出部13aが、 動作待ち状態通知部17aからの信号に基づいて、コントローラが「製版待ち」の動作待ち状態であるか否かを判別する(コントローラ判別(III)ステップ、S5 03)。 【0053】判別の結果、コントローラ17が「製版待ち」の動作待ち状態である場合には(製版実行ステップ、S505)へ、コントローラ17が「製版待ち」の動作状態でない場合には(再製版処理ステップ、S50 6)へそれぞれ移行する。 【0054】(4)孔版印刷装置10が「印刷モード」 である場合、コントローラ動作状態検出部13aが、動作待ち状態通知部17aからの信号に基づいて、コントローラ17が「製版待ち」の動作待ち状態であるか否かを判別する(コントローラ判別(IV)ステップ、S5 04)。 【0055】判別の結果、コントローラ17が「製版待ち」の動作待ち状態である場合には(単独印刷処理ステップ、S507)へ、コントローラ17が「製版待ち」 の動作待ち状態でない場合には(印刷処理ステップ、S 508)へそれぞれ移行する。 【0056】(5)判別部13cが、コントローラに製版処理の開始の指示を出す(製版処理ステップ、S50 5)。 コントローラは孔版印刷装置からの指示に応じて、孔版印刷装置に印刷情報の展開データを出力し、孔版印刷装置はコンピュータシステムの印刷情報を用いて製版処理を開始する。 【0057】(6)判別部13cが、コントローラに再製版処理の実行開始を指示する(再製版処理ステップ、 S506) (7)判別部13cが、孔版印刷装置に既にセットされている版を用いて、孔版印刷装置単独で印刷処理を実行させる(単独印刷処理ステップ、S507) (8)判別部13cが、コントローラに印刷処理の開始指示を出す(印刷処理ステップ、S508)。 コントローラは、孔版印刷処理からの指示に応じて、孔版印刷装置に印刷処理の動作開始を指示する。 【0058】(9)未処理の印刷処理があるか否か判別する(印刷処理判別ステップ、S509)。 判別の結果、他の印刷処理がある場合には(印刷装置モード判別ステップ、S501)へ、他の印刷処理がない場合には一連の孔版印刷処理を完了する。 【0059】なお、印刷処理の動作途中で用紙詰まり等のエラーが発生した場合であっても、上記と同様の処理は実行されるものとする。 つまり、エラーが解消され、 製版済みの版のままで印刷処理を続行させる場合には、 ユーザはコントローラからの指示による印刷処理であるのか、孔版印刷装置単独での印刷処理であるのかに関係なく、スタートキーを押せば良い。 これは、本発明の実施形態に係る孔版印刷方法では、コントローラによる印刷処理の途中であれば、孔版印刷装置はコントローラに印刷処理の開始を指示するので、コンピュータシステムが指定した印刷枚数で印刷処理を終了することができるためである。 一方、孔版印刷装置単独での印刷処理の途中であった場合は、孔版印刷装置は単独の印刷処理を続行することになる。 【0060】また、本発明の実施形態に係る孔版印刷方法は、プログラム化しコンピュータ読取り可能な記録媒体に保存しても良い。 そして、印刷処理を実行する際は、この記録媒体を孔版印刷装置内に読み込み、メモリ等の記憶部にプログラムを格納し、孔版印刷プログラムをCPU等の演算装置で実行することにより、本発明の実施形態に係る孔版印刷方法を実現することができる。 ここで、記録媒体とは、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのプログラムを記録することができるようなコンピュータ読み取り可能な媒体などが含まれる。 【0061】また、本発明の実施形態に係る孔版印刷システムにおいて用いるコンピュータシステムは、例えば、図6に示す構成のような概観を有する。 つまり、フロッピーディスクドライブ62および光ディスクドライブ65を備え、フロッピーディスクドライブ62に対してはフロッピーディスク63、光ディスクドライブ65 に対しては光ディスク66を挿入し、所定の読み出し操作を行うことにより、これらの記録媒体に格納されたプログラムをシステム内にインストールすることができる。 また、所定のドライブ装置を接続することにより、 例えば、メモリ装置の役割を担うROM67や、磁気テープ装置の役割を担うカートリッジ68を用いて、インストールやデータの読み書きを実行することもできる。 さらに、ユーザはディスプレイ61を介した出力により印刷処理に係る出力情報を認識することができ、キーボード64を介して印刷処理に係る入力情報を入力することも可能である。 なお、ここでは図示しないが、入力装置として、マウスポインタを用いても良い。 【0062】このように、本発明はここでは記載していない様々実施の形態等を包含するということは十分に理解すべきである。 したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲に係わる発明特定事項によってのみ限定されるものでなければならない。 【0063】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の孔版印刷システム、孔版印刷方法および孔版印刷プログラムを格納したコンピュータ読取り可能な記録媒体によれば、孔版印刷装置がコントローラの動作待ち状態と自身の動作状態を参照して実行すべき処理を自動判別するので、ユーザの印刷処理の操作性を向上し、印刷処理の効率を高めることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの構成を示すブロック図である。 【図2】本発明の実施形態に係る孔版印刷装置の入出力部を示すブロック図である。 【図3】本発明の実施形態に係る孔版印刷システムの構成を示す模式図である。 【図4】本発明の実施形態に係る孔版印刷方法を説明する図である。 【図5】本発明の実施形態に係る孔版印刷方法を示すフローチャート図である。 【図6】本発明の実施形態に係るコンピュータシステムの概観を示す図である。 【図7】従来までの孔版印刷装置の構成を示すブロック図である。 【図8】従来までの孔版印刷方法を示すフローチャート図である。 【符号の説明】 10 孔版印刷装置 11 CPU 12 記憶手段 13 製版/印刷処理インタフェイス部 13a コントローラ動作待ち状態検出部 13b 印刷装置動作状態検出部 13c 判別部 14 入出力インタフェイス部 15、20 入出力部 16 コンピュータシステム 17 コントローラ 17a 動作待ち状態通知部 21 状態表示部 22 テンキー 23 ジョブ確認キー 24 製版/印刷モード切替キー 25 スタートキー 26 ストップキー 30、60 コンピュータシステム 31、61 コントローラ 32、62 孔版印刷装置 |