中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ、及び印画物の形成方法

申请号 JP2017011007 申请日 2017-03-17 公开(公告)号 JPWO2017159870A1 公开(公告)日 2018-09-13
申请人 大日本印刷株式会社; 发明人 與田 晋也; 米山 泰史;
摘要 印画ムラの発生を抑制しつつ、転写層上に濃度の高い熱転写画像の形成が可能であり、且つ転写層の箔切れ性が良好な中間転写媒体や、中間転写媒体と熱転写シートとの組合せを提供すること、及びこの中間転写媒体を用いた印画物の形成方法を提供すること。 基材1上に転写層5が設けられた中間転写媒体10において、転写層5を、受容層4のみからなる単層構成、又は受容層4を含む積層構成とし、転写層5が積層構成を呈する場合には、受容層4を、転写層5を構成する層のうち基材1から最も遠くに 位置 させ、受容層4に、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有せしめ、受容層4の総質量に対する離型剤の含有量を6質量%以上とすることで上記課題を解決している。
权利要求

基材上に転写層が設けられた中間転写媒体であって、 前記転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈しており、 前記転写層が前記積層構成を呈する場合には、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記基材から最も遠くに位置し、 前記受容層は、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有しており、 前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が、6質量%以上であることを特徴とする中間転写媒体。前記数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂が、塩化ビニル系樹脂、又はポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の中間転写媒体。中間転写媒体と熱転写シートとの組合せであって、 前記中間転写媒体が、請求項1又は2に記載の中間転写媒体であり、 前記熱転写シートが、(i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せであるか、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートであることを特徴とする中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有していることを特徴とする請求項3に記載の中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、前記受容層が含有している数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂よりも、その数平均分子量(Mn)が小さく、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上のバインダー樹脂を含有していることを特徴とする請求項3に記載の中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。印画物の形成方法であって、 転写層を有する中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、 (i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せ、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、 被転写体を準備する被転写体準備工程と、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、 前記熱転写画像が形成された前記転写層上に、前記熱転写シートの前記ヒートシール層を転写するヒートシール層転写工程と、 前記ヒートシール層が転写された中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、 熱転写画像が形成された転写層、前記ヒートシール層がこの順で積層されてなる転写箔を、前記被転写体上に転写する転写箔転写工程と、 を含み、 前記中間転写媒体準備工程では、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体が準備される、 ことを特徴とする印画物の形成方法。前記熱転写シート準備工程で準備される前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有していることを特徴とする請求項6に記載の印画物の形成方法。前記熱転写シート準備工程で準備される前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、前記受容層が含有している数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂よりも、その数平均分子量(Mn)が小さく、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上のバインダー樹脂を含有していることを特徴とする請求項6に記載の印画物の形成方法。印画物の形成方法であって、 転写層を有する中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、 色材層を有する熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、 被転写体を準備する被転写体準備工程と、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、 前記熱転写画像が形成された前記転写層を有する前記中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、 前記熱転写画像が形成された前記転写層を、前記被転写体上に転写する転写工程と、 を含み、 前記中間転写媒体準備工程では、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体が準備される、 ことを特徴とする印画物の形成方法。

中間転写媒体と熱転写シートとの組合せであって、 前記中間転写媒体が、基材上に転写層が設けられ、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈しており、前記転写層が前記積層構成を呈する場合には、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記基材から最も遠くに位置し、前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有しており、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が、6質量%以上の中間転写媒体であり、 前記熱転写シートが、(i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せであるか、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートであり、前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有している熱転写シートである、 中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。中間転写媒体と熱転写シートとの組合せであって、 前記中間転写媒体が、基材上に転写層が設けられ、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈しており、前記転写層が前記積層構成を呈する場合には、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記基材から最も遠くに位置し、前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有しており、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が、6質量%以上の中間転写媒体であり、 前記熱転写シートが、(i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せであるか、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートであり、前記ヒートシール層が、前記受容層が含有している数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂よりも、その数平均分子量(Mn)が小さく、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上のバインダー樹脂を含有している、 中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。前記受容層が含有している、前記数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂が、塩化ビニル系樹脂、又はポリエステル樹脂である、 請求項1又は2に記載の中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。印画物の形成方法であって、 転写層を有する中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、 (i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せ、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、 被転写体を準備する被転写体準備工程と、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、 前記熱転写画像が形成された前記転写層上に、前記熱転写シートの前記ヒートシール層を転写するヒートシール層転写工程と、 前記ヒートシール層が転写された中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、 熱転写画像が形成された転写層、前記ヒートシール層がこの順で積層されてなる転写箔を、前記被転写体上に転写する転写箔転写工程と、 を含み、 前記中間転写媒体の前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上であり、 前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有している、 印画物の形成方法。印画物の形成方法であって、 転写層を有する中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、 (i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せ、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、 被転写体を準備する被転写体準備工程と、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、 前記熱転写画像が形成された前記転写層上に、前記熱転写シートの前記ヒートシール層を転写するヒートシール層転写工程と、 前記ヒートシール層が転写された中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、 熱転写画像が形成された転写層、前記ヒートシール層がこの順で積層されてなる転写箔を、前記被転写体上に転写する転写箔転写工程と、 を含み、 前記中間転写媒体の前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上であり、 前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、前記受容層が含有している数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂よりも、その数平均分子量(Mn)が小さく、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上のバインダー樹脂を含有している、 印画物の形成方法。中間転写媒体と熱転写シートとの組合せであって、 前記中間転写媒体が、基材上に転写層が設けられ、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈しており、前記転写層が前記積層構成を呈する場合には、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記基材から最も遠くに位置し、前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂A、及び離型剤を含有しており、前記受容層の総質量に対する前記バインダー樹脂Aの含有量が50質量%以上であり、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上であり、 前記熱転写シートが、(i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せであるか、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートであり、前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が、4000以上で前記バインダー樹脂Aの数平均分子量(Mn)以下のバインダー樹脂Bを含有しており、 前記バインダー樹脂A、及び前記バインダー樹脂Bが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又はポリエステル樹脂である、 中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ。印画物の形成方法であって、 転写層を有する中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、 (i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せ、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、 被転写体を準備する被転写体準備工程と、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、 前記熱転写画像が形成された前記転写層上に、前記熱転写シートの前記ヒートシール層を転写するヒートシール層転写工程と、 前記ヒートシール層が転写された中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、 熱転写画像が形成された転写層、前記ヒートシール層がこの順で積層されてなる転写箔を、前記被転写体上に転写する転写箔転写工程と、 を含み、 前記中間転写媒体の前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂A、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記バインダー樹脂Aの含有量が50質量%以上であり、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上であり、 前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が、4000以上で前記バインダー樹脂Aの数平均分子量(Mn)以下のバインダー樹脂Bを含有しており、 前記バインダー樹脂A、及び前記バインダー樹脂Bが、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、又はポリエステル樹脂である、 印画物の形成方法。

说明书全文

本発明は、中間転写媒体、中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ、及び印画物の形成方法に関する。

被転写体に制約を受けることがなく印画物を形成するための媒体として、基材上に、当該基材側から保護層、受容層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた中間転写媒体等が用いられている(例えば、特許文献1)。この中間転写媒体によれば、色材層を有する熱転写シートを用いて、中間転写媒体の最表面に位置する受容層上に熱転写画像を形成し、その後、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を任意の被転写体上に転写することで、被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。

上記の中間転写媒体には、(i)転写層の最表面に位置する受容層上に濃度の高い熱転写画像の形成が可能であること、(ii)受容層上に形成された熱転写画像に印画ムラが生ずることを抑制できること、さらには、(iii)熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を、被転写体上に転写するときの箔切れ性が良好であることが求められている。特には、プリンタの高速化に対応させるべく、熱転写画像形成時における印画エネルギーを高くしていった場合であっても、これら(i)、(ii)を同時に満たすことができる中間転写媒体が求められている。また、(i)、(ii)とともに、(iii)を満たす中間転写媒体が求められている。

特開2012−71545号公報

しかしながら、現在に知られている中間転写媒体は、上記(i)〜(iii)の全ての要求を十分に満足させるまでには至っておらず、この点で改善の余地が残されている。

本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、印画ムラの発生を抑制しつつ、転写層を構成する受容層上に濃度の高い熱転写画像の形成が可能であり、且つ、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を転写するときの箔切れ性が良好な中間転写媒体や、中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ、また、この中間転写媒体を用いた印画物の形成方法を提供することを主たる課題とする。

上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る中間転写媒体は、基材上に転写層が設けられた中間転写媒体であって、前記転写層は、受容層のみからなる単層構成、又は受容層を含む積層構成を呈しており、前記転写層が前記積層構成を呈する場合には、前記受容層は、前記転写層を構成する層のうち前記基材から最も遠くに位置し、前記受容層は、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有しており、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の割合が6質量%以上であることを特徴としている。

また、前記数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂が、塩化ビニル系樹脂、又はポリエステル樹脂であってもよい。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る中間転写媒体と熱転写シートとの組合せは、前記中間転写媒体が、上記特徴を有する中間転写媒体であり、前記熱転写シートが、(i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せであるか、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートであることを特徴とする。

また、上記の組合せにおいて、前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有していてもよい。また、上記の組合せにおいて、前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、前記受容層が含有している数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂よりも、その数平均分子量(Mn)が小さく、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上のバインダー樹脂を含有していてもよい。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、転写層を有する中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、(i)色材層を有する熱転写シートと、ヒートシール層とを有する熱転写シートとの組合せ、又は、(ii)前記色材層、及び前記ヒートシール層を面順次に有する熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、被転写体を準備する被転写体準備工程と、前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、前記熱転写画像が形成された前記転写層上に、前記熱転写シートの前記ヒートシール層を転写するヒートシール層転写工程と、前記ヒートシール層が転写された中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、熱転写画像が形成された転写層、前記ヒートシール層がこの順で積層されてなる転写箔を、前記被転写体上に転写する転写箔転写工程とを含み、前記中間転写媒体準備工程では、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体が準備されることを特徴としている。

また、一実施形態の印画物の形成方法は、第1基材上に、転写層が設けられた中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、第2基材の一方の面上に、色材層、及びヒートシール層が面順次に設けられた熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、被転写体を準備する被転写体準備工程と、前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、前記熱転写画像が形成された前記転写層上に、前記熱転写シートの前記ヒートシール層を転写するヒートシール層転写工程と、前記ヒートシール層が転写された中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、前記第1基材側から、熱転写画像が形成された転写層、前記ヒートシール層がこの順で積層されてなる転写箔を、前記被転写体上に転写する転写箔転写工程とを含み、前記中間転写媒体準備工程では、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又は前記第1基材から最も遠くに受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体が準備されることを特徴としている。

また、上記の印画物の形成方法において、前記熱転写シート準備工程で準備される前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有していてもよい。また、上記の印画物の形成方法において、前記熱転写シートの前記ヒートシール層が、前記受容層が含有している数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂よりも、その数平均分子量(Mn)が小さく、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上のバインダー樹脂を含有していてもよい。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、転写層を有する中間転写媒体を準備する中間転写媒体準備工程と、色材層を有する熱転写シートを準備する熱転写シート準備工程と、被転写体を準備する被転写体準備工程と、前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、前記熱転写シートの前記色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記転写層上に熱転写画像を形成する熱転写画像形成工程と、前記熱転写画像が形成された前記転写層を有する前記中間転写媒体と、前記被転写体とを組み合わせ、前記熱転写画像が形成された前記転写層を、前記被転写体上に転写する転写工程とを含み、前記中間転写媒体準備工程では、前記転写層が、受容層のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層が位置する積層構成を呈し、且つ前記受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、前記受容層の総質量に対する前記離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体が準備されることを特徴とする。

本開示の実施の形態に係る中間転写媒体や、中間転写媒体と熱転写シートの組合せによれば、印画ムラの発生を抑制しつつ、転写層を構成する受容層上に濃度の高い熱転写画像の形成が可能であり、且つ、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を転写するときの箔切れ性を良好なものとすることができる。また、本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法によれば、高品質な印画物を形成することができる。

一実施形態の中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。

一実施形態の中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。

熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法を説明するための工程図であり、(a)〜(c)は概略断面図である。

<<中間転写媒体>> 以下、本開示の実施の形態に係る中間転写媒体(以下、一実施形態の中間転写媒体と言う)について具体的に説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。

図1、図2に示すように、一実施形態の中間転写媒体10は、基材1の一方の面上に転写層5が設けられ、転写層5は、受容層4のみからなる単層構成、又は受容層4を含む積層構成を呈している。図1に示す形態では、転写層5は、受容層4のみからなる単層構成を呈しており、図2に示す形態では、転写層5は、受容層4を含む積層構成を呈している。

(基材) 基材1は、中間転写媒体10における必須の構成であり、転写層5を保持するために設けられる。基材1について特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。基材1の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は4μm以上30μm以下の範囲内であり、好ましくは6μm以上20μm以下の範囲内である。

(転写層) 図1、図2に示すように基材1上には、転写層5が設けられている。転写層5は、基材1から剥離可能に設けられており、熱転写によって、基材1から剥離され、後述する被転写体200上に転写される層である。

図1、図2に示すように、一例としての転写層5は、受容層4(転写性受容層と称される場合もある)を含む単層構成、或いは積層構成を呈している(図2に示す形態では、基材1側から保護層3、受容層4がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。)。この場合における受容層4は、転写層5を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置しており、換言すれば、中間転写媒体10の最表面に位置している。また、受容層4は、熱転写シート100の色材層51(図3〜図5参照)が含有している染料、例えば、昇華性染料や、蛍光染料等を受容する染料受容性を有している。

「受容層」 一実施形態の中間転写媒体10は、転写層5に含まれる受容層4が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、且つ離型剤の含有量が、受容層4の総質量に対し6質量%以上であること特徴としている。なお、本願明細書で言う数平均分子量(Mn)とは、JIS−K−7252−1(2008)に準拠し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)により測定したポリスチレン換算による数平均分子量を意味する。

上記特徴の受容層4を備える一実施形態の中間転写媒体10によれば、印画ムラの発生を抑制しつつ、濃度の高い熱転写画像を受容層4上に形成することができる。特に、プリンタの高速化に対応させるべく、熱転写画像の形成時に印加するエネルギーを高くしていった場合であっても、印画ムラの発生を抑制しつつ、濃度の高い熱転写画像を受容層4上に形成することができる。さらに、上記特徴の受容層4を含む一実施形態の中間転写媒体10によれば、熱転写画像が形成された受容層4を含む転写層5を被転写体上に転写するときの箔切れ性を良好なものとすることができる。

本願明細書で言う印画ムラとは、受容層と当該受容層上に熱転写画像を形成するための熱転写シートの色材層との離型性に起因し、受容層上に形成された熱転写画像に焦げや、くすみ等が生ずる現象を意味する。また、本願明細書で言う転写層の箔切れ性とは、転写層を被転写体上に転写する際の尾引きの抑制度合いを示し、箔切れ性が良好であるという場合には、尾引きの発生を十分に抑制可能であることを意味する。また、本願明細書で言う尾引きとは、転写層5を被転写体200上に転写するときに、転写層5の転写領域と非転写領域の境界を起点とし、該境界から非転写領域側にはみ出すように転写層5が転写されてしまう現象を意味する。

一実施形態の中間転写媒体10では、受容層4が含有しているバインダー樹脂が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂であることを必須の条件としているが、これは、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂にかえて、数平均分子量(Mn)が8000未満のバインダー樹脂を採用した場合には、印画ムラの発生を十分に抑制することができないことによる。また、受容層が含有するバインダー樹脂として、数平均分子量(Mn)が8000未満のバインダー樹脂を採用した場合には、受容層の耐熱性が低下しすぎてしまい、受容層上に濃度の高い熱転写画像を形成することが困難となる。

一方で、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂にかえて、数平均分子量(Mn)が32000を超えるバインダー樹脂を採用した場合には、印画ムラの発生を抑制することができる一方で、濃度の高い熱転写画像の形成が困難となる。さらには、箔切れ性を十分に満足させることができない。

好ましい形態の中間転写媒体10は、受容層4が、数平均分子量(Mn)が10000以上24000以下のバインダー樹脂を含有している。好ましい形態の中間転写媒体10によれば、箔切れ性のさらなる向上を図ることができる。

また、一実施形態の中間転写媒体10は、受容層が含有しているバインダー樹脂のみならず、受容層4が含有している離型剤の含有量が、受容層4の総質量に対し6質量%以上であることを必須の条件としているが、これは、受容層4が、上記数平均分子量(Mn)を8000以上32000以下のバインダー樹脂を含有している場合であっても、離型剤を含有していない、或いは、離型剤の含有量が6質量%未満である場合には、印画ムラの発生を十分に抑制することができないことによる。

つまり、一実施形態の中間転写媒体10における上記種々の効果は、受容層4が含有するバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)を上記所定の範囲としたことや、受容層4が含有する離型剤の含有量を上記所定の範囲としたことによる単独の効果ではなく、これら双方の条件を満たすことではじめて発揮し得る相乗効果であるといえる。

受容層4が含有しているバインダー樹脂は、熱転写シートの色材層が含有している色材成分を受容可能であり、且つ数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下であるとの条件を満たすバインダー樹脂を適宜選択して用いることができる。バインダー樹脂としては、例えば、塩化ビニル系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマー若しくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。

上記で例示したバインダー樹脂の中でも、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下の塩化ビニル系樹脂や、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のポリエステル樹脂は、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下の他のバインダー樹脂と比較して、印画ムラの発生を抑制しつつも、受容層4上に、より濃度の高い熱転写画像の形成が可能となり、また、転写層5の転写性を高めることができる点で好ましいバインダー樹脂である。特に、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下の塩化ビニル系樹脂は、印画ムラの発生をより効果的に抑制することができる点で好ましい。

塩化ビニル系樹脂としては、例えば、塩化ビニルを単独重合させてなる重合体、塩化ビニルおよび塩化ビニルと共重合し得る他の単量体の共重合体、ならびに該重合体および該共重合体の混合物を挙げることができる。塩化ビニルと共重合し得る他の単量体としては、例えば、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等を挙げることができる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって製造されたものであってもよい。また、これ以外の方法によって製造されたものであってもよい。

これらの塩化ビニル系樹脂の中でも、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル単独重合体は、高い熱エネルギー条件下で、より濃度の高い熱転写画像の形成が可能となる点で好ましく、さらに受容層を形成するための塗工液の製造適性等を考慮すると、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。

受容層4は、上記数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂として、1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。

受容層4上に形成される熱転写画像の濃度、転写層5の箔切れ性、及び熱転写画像形成時における印画ムラの抑制効果の更なる向上を目的とする場合には、受容層4は、当該受容層4の総質量に対し、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂を40質量%以上含有していることが好ましく、70質量%以上含有していることがより好ましい。特には、受容層4は、当該受容層の総質量に対し、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を40質量%以上含有していることが好ましく、50質量%以上含有していることが好ましく、70質量%以上含有していることが好ましい。

また、受容層4は、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂とともに、数平均分子量(Mn)が8000未満のバインダー樹脂や、数平均分子量(Mn)が32000を超えるバインダー樹脂を含有していてもよい。この場合、数平均分子量(Mn)が8000未満のバインダー樹脂や、数平均分子量(Mn)が32000を超えるバインダー樹脂の含有量(双方を含有する場合にはその合計量)は、受容層4の総質量に対し30質量%以下であることが好ましい。

離型剤について特に限定はなく、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン、シリコーンオイル等を挙げることができる。また、これ以外の従来公知の離型剤を適宜選択して用いることもできる。また、受容層4は、離型剤の1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。なお、受容層4が、2種以上の離型剤を含有している場合には、当該2種以上の離型剤の合計質量が、受容層4の総質量に対し6質量%以上となっていればよい。

好ましい形態の受容層4は、当該受容層4の総質量に対し、離型剤を8質量%以上含有している。好ましい形態の受容層4によれば、受容層により高い離型性を付与することができ、高速印画や、高濃度印画適性を実現することができる。離型剤の含有量の上限値について特に限定はないが、被転写体上に転写層5を転写したときの被転写体と転写層5との密着性を考慮すると20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。なお、被転写体側で転写層5との密着性を向上させるための対策がなされている場合や、後述するように、ヒートシール層を介して、被転写体上に転写層5を転写する場合には、離型剤の上限値の好ましい範囲は上記の限りではない。特に、受容層4がバインダー樹脂として、塩化ビニル系樹脂や、ポリエステル樹脂を含有する場合、受容層4の総質量に対する離型剤の含有量の上限値を上記好ましい範囲とすることで、被転写体と転写層5との密着性のさらなる向上を図ることができる。

また、受容層4は、上記数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、離型剤とともに、他の任意の添加材を含有していてもよい。

受容層4の形成方法について特に限定はないが、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、離型剤を、適当な溶媒に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、これを基材1、或いは、基材1上に設けられる任意の層、例えば、保護層3上に塗布・乾燥して形成することができる。受容層用塗工液の塗布方法について特に限定なく、従来公知の塗布方法を適宜選択して用いることができる。塗布方法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等を挙げることができる。また、これ以外の塗布方法を用いることもできる。このことは、後述する各種塗工液の塗布方法についても同様である。受容層4の厚みは、通常、0.5μm以上10μm以下の範囲内である。

「保護層」 図2に示すように、転写層5を、基材1側から、保護層3、受容層4がこの順で積層されてなる積層構成とすることもできる。保護層3を構成する材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等を挙げることができる。

また、電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている点で保護層のバインダー樹脂として好適に用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては特に限定されることはなく、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。紫外線吸収性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することに優れている。

紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したもの等を挙げることができる。

また、必要に応じて、例えば、滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他の添加材等を添加してもよい。保護層の形成方法としては、上記に例示される樹脂材料の1種または2種以上を適当な溶剤により、溶解または分散させて保護層用塗工液を調製し、これを基材1上、或いは、基材1上に設けられる任意の層上に、塗布・乾燥して形成することができる。保護層の厚みは、通常0.1μm以上50μm以下の範囲内であり、好ましくは1μm以上20μm以下の範囲内である。

「剥離層」 また、転写層5を構成する層のうち、基材1から最も近くに位置する層を、剥離層(図示しない)とすることもできる。剥離層を有する転写層5とすることで、基材1からの、転写層5の転写性(剥離性と称される場合もある)を向上させることができる。

剥離層を構成する樹脂材料について特に限定はなく、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を挙げることができる。また、熱転写シートの色材層が含有している色材成分に対する受容性を有する樹脂材料を剥離層に含有してもよい。

剥離層の形成方法について特に限定はないが、上記の樹脂を適当な溶媒に溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、これを基材1上に、塗布・乾燥して形成することができる。剥離層の厚みは、0.5μm以上5μm以下の範囲内であることが好ましい。

また、転写層5を構成する各層間の層間密着性の向上を図るべく、転写層5を構成する各層間にプライマー層(図示しない)を設けてもよい。プライマー層を構成する樹脂材料としては、例えば、紫外線吸収剤共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ゴム系化合物などを挙げることができる。また、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを併用してもよい。

また、基材1の他方の面上に背面層(図示しない)を設けてもよい。背面層としては、後述する熱転写シートの背面層として説明する種々の構成を適宜選択して用いることができる。

<<熱転写シート>> 次に、上記で説明した一実施形態の中間転写媒体10の受容層4上に熱転写画像を形成する際に用いられる熱転写シートについて一例を挙げて説明する。

図3に示すように、一例としての熱転写シート100は、熱転写シート用基材50上に色材層51が設けられた構成を呈している。また、熱転写シート100として、図4に示すように、熱転写シート用基材50の同一面上に、色材層51、ヒートシール層52が面順次に設けられた熱転写シートを用いることもできる。また、色材層51、ヒートシール層52が面順次に設けられた熱転写シートにかえて、熱転写シート用基材50の一方の面上に、色材層51が設けられた熱転写シート(図3参照)と、熱転写シート用基材50の一方の面上に、ヒートシール層52が設けられた熱転写シート(図示しない)とを組合せて用いることもできる。

(熱転写シート用基材) 熱転写シート用基材50は、当該熱転写シート用基材50の一方の面上に設けられる色材層51や、ヒートシール層52、及び基材1の他方の面上に任意に設けられる背面層を保持するために設けられる。熱転写シート用基材50の材料については特に限定されないが、中間転写媒体10の受容層4上に熱転写画像を形成する際に、熱転写シートに印加される熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような熱転写シート用基材50として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、熱転写シート用基材50の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、通常2.5μm以上50μm以下の範囲内である。一実施形態の中間転写媒体10の基材1と、熱転写シート100の熱転写シート用基材50は、同じであってもよく、異なるものであってもよい。

(色材層) 熱転写シート用基材50の一方の面上に設けられている色材層51は、昇華型熱転写方式を用いて、中間転写媒体10の受容層4上に熱転写画像を形成するための層である。なお、昇華型熱転写方式は、サーマルヘッド等の加熱デバイスから画像情報に応じたエネルギーを印加し、熱転写シート100の色材層51に含まれる色材成分を、中間転写媒体10の受容層4上に移行させて熱転写画像を形成する方式である。

色材成分としては、昇華性染料や、蛍光染料等を挙げることができる。

昇華性染料としては、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、ピラゾロメチン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル社)、CeresRed 7B(バイエル社)、Samaron Red F3BS(三菱化学(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社)、PTY−52(三菱化学(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル(株))等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント社)、MSブルー100(三井東圧化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を挙げることができる。

上記昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂としては、耐熱性を有し、昇華性染料と適度の親和性があるものが好ましい。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等を挙げることができる。

蛍光染料としては、例えば、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フロオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物等をあげることができる。なお、蛍光染料は、太陽光、電灯光、紫外線などにより刺激されてエネルギーを吸収し、刺激中にそのエネルギーを光に変えて発光(蛍光)する性質を有するものである。

上記蛍光染料を担持するためのバインダー樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーを挙げることができる。

色材層51は、単一の層から構成してもよく、2以上の層から構成してもよい。例えば、中間転写媒体10の受容層4上に形成される熱転写画像がモノカラーである場合には、色材層51を、単一の色材層から構成してもよく、熱転写画像がフルカラー画像である場合には、図5に示すように、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料等の色相の異なる昇華性染料を含む複数の色材層(イエロー色材層51Y、マゼンタ色材層51M、シアン色材層51C)を、熱転写シート用基材50の同一面上に並べたものを色材層51としてもよい。また、イエロー染料、マゼンタ染料、シアン染料等の色相の異なる昇華性染料を含む複数の色材層のうちの2つの色材層を熱転写シート用基材50の同一面上に並べたものを色材層51としてもよい。また、イエロー色材層51Yのみを有する熱転写シート、マゼンタ色材層51Mのみを有する熱転写シート、シアン色材層51Cのみを有する熱転写シートの1つを単独で、又は2つ以上の熱転写シートを組合せて用いることもできる。また、上記の色材層にかえて、或いはこれとともに、他の色材層、例えば、蛍光染料を含有する色材層を用いることもできる。また、昇華性染料を含有する色材層と面順次に、ブラックの熱溶融インキ層等を設けることもできる。また、昇華性染料を含有する色材層を有する熱転写シートと、ブラックの熱溶融インキ層を有する熱転写シートとを組合せて用いることもできる。

上記色材層中における、バインダー樹脂、色材成分としての昇華性染料や、蛍光染料の含有量について特に限定はなく、色材層51を用いて、中間転写媒体10の転写層5上に形成される熱転写画像20に要求される画像濃度等に応じて適宜設定することができる。

また、色材層51は、バインダー樹脂、色材成分とともに、無機粒子、有機微粒子等の添加材を含有していてもよい。無機粒子としては、タルク、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等を挙げることができ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂微粒子等を挙げることができる。また、一例としての色材層51は、離型剤を含有していてもよい。離型剤としては、変性或いは未変性のシリコーンオイル(シリコーン樹脂と称されるものも含む)、リン酸エステル、脂肪酸エステル等を挙げることができる。

上記形態の色材層51の形成方法としては、例えば、バインダー樹脂、色材成分、必要に応じて添加される添加材や、離型剤を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、色材層用塗工液を調製し、これを熱転写シート用基材50上、或いは熱転写シート用基材50上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。色材層51の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下の範囲が一般的である。

(染料プライマー層) 熱転写シート用基材50と色材層51との間に、熱転写シート用基材50と色材層51との密着性の向上を目的とする染料プライマー層を設けてもよい。

染料プライマー層としては、熱転写シートの分野で従来公知の染料プライマー層を適宜選択して用いることができる。一例としての染料プライマー層は、樹脂材料から構成されている。染料プライマー層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等の樹脂等を挙げることができる。また、染料プライマー層は、これら樹脂成分とともに、有機粒子や、無機粒子等の各種の添加材を含有していてもよい。

染料プライマー層の形成方法についても特に限定はなく、上記で例示した樹脂成分、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解又は分散した染料プライマー層用塗工液を調製し、これを熱転写シート用基材50上に、塗布・乾燥して形成することができる。プライマー層の厚みについて特に限定はないが、通常は、0.02μm以上1μm以下の範囲である。

(ヒートシール層) 図4に示すように、熱転写シート用基材50の一方の面上に、色材層51と、ヒートシール層52を面順次に設けることもできる。

ヒートシール層52は、熱転写シート用基材50から剥離可能に設けられており、上記一実施形態の中間転写媒体の転写層5上に転写される層である。

上記で説明したように、一実施形態の中間転写媒体10を用いて、被転写体200上に転写層5を転写したときには、転写層5を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する受容層4、つまりは、転写層5の最表面に位置する受容層4が、被転写体200と直接的に接することとなる。つまり、被転写体200と転写層5との接着性(密着性と称される場合もある)は、受容層4が有する接着性によって決定されることとなる。

受容層4の接着性は、当該受容層4が含有しているバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)や、離型剤の含有量と密接的な関係を有していると考えられ、受容層4が含有しているバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)が大きくなるにつれ、また離型剤の含有量が多くなるにつれ、その接着性は低下していく傾向にあると考えられている。上記のとおり、一実施形態の中間転写媒体10の受容層4は、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂と、受容層4の総質量に対し6質量%以上の範囲で離型剤を含有していることから、被転写体200と転写層5との接着性の更なる向上を目的とする場合には、転写層5上に、熱転写シート100のヒートシール層52を転写し、その後、ヒートシール層52が転写された転写層5を、被転写体200上に転写することが好ましい。つまりは、被転写体200とヒートシール層52とが直接的に接するようにして、被転写体200上に転写層5を転写することが好ましい。なお、このことは、一実施形態の中間転写媒体10の転写層5を、被転写体200と受容層4とが直接的に接するようにして、被転写体200上に転写した場合に、被転写体200と転写層5との接着性が不十分となってしまうことを意味するものではなく、例えば、被転写体200側で転写層5との接着性を向上させるための対策が図られている場合や、被転写体200上に転写層5を転写することで得られる印画物が過酷な環境下で使用されない場合等には、被転写体200と受容層4とが直接的に接するようにして、被転写体200上に転写層5を転写した場合であっても、被転写体200と転写層5との接着性を十分に担保することができる。

ヒートシール層52が含有しているバインダー樹脂としては、例えば、紫外線吸収剤共重合樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。ヒートシール層52は、バインダー樹脂の1種を単独で含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。

好ましい形態のヒートシール層52は、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有している。より好ましい形態のヒートシール層52は、受容層が含有しているバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)よりも、数平均分子量(Mn)が小さいバインダー樹脂を含有している。さらに好ましい形態のヒートシール層52は、受容層が含有しているバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)よりも小さいとの条件を満たし、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上、特には、4000以上20000以下のバインダー樹脂を含有している。これら好ましい形態のヒートシール層52によれば、当該ヒートシール層52を中間転写媒体10の転写層5上に転写し、ヒートシール層52が転写された転写層5を被転写体200上に転写したときの、接着性の更なる向上を図ることができる。なお、ヒートシール層が含有しているバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)が小さすぎる場合には、ブロッキングが発生しやすくなる傾向にあり、また、受容層4上に形成される熱転写画像の保存性が低下していく傾向にある。なお、ここで言う受容層4が含有しているバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)とは、上記数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂のうち、その含有量が最も多いバインダー樹脂を意味する。

ヒートシール層52の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂と、必要に応じて添加される紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、無機あるいは有機のフィラー成分、界面活性剤、離型剤等を適当な溶媒に分散ないし溶解したヒートシール層用塗工液を、熱転写シート用基材50上に、塗布・乾燥して形成することができる。ヒートシール層52の厚みについて特に限定はないが、0.5μm以上10μm以下の範囲が好ましく、0.8μm以上2μm以下の範囲がより好ましい。

(離型層) また、熱転写シート用基材50とヒートシール層52との間に、ヒートシール層52の転写性を向上させるための離型層(図示しない)を設けることもできる。離型層は、ヒートシール層52を転写層5上に転写した際に、熱転写シート用基材側に残存する層である。

離型層に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、上記で例示した樹脂や、離型性を有する樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。離型層の厚みは0.2μm以上5μm以下の範囲が一般的である。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、これを熱転写シート用基材50上に塗布・乾燥して形成することができる。

(背面層) また、熱転写シート用基材50の他方の面上に背面層(図示しない)を設けることもできる。

背面層の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物等を挙げることができる。

また、背面層は、固形あるいは液状の滑剤を含有していてもよい。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。背面層の総質量に対する滑剤の質量は、5質量%以上50質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲である。

背面層の形成方法について特に限定はなく、樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、背面層用塗工液を調製し、これを熱転写シート用基材50上に塗布・乾燥して形成することができる。背面層の厚みは、1μm以上10μm以下の範囲が好ましい。

<<印画物の形成方法>> 次に、本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法について説明する。本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法(以下、一実施形態の印画物の形成方法と言う)は、転写層5を有する中間転写媒体10を準備する中間転写媒体準備工程と、(i)色材層51を有する熱転写シート(図3参照)と、ヒートシール層52とを有する熱転写シート(図示しない)との組合せ、又は、(ii)色材層51、及びヒートシール層52を面順次に有する熱転写シート(図4、図5参照)を準備する熱転写シート準備工程と、被転写体200を準備する被転写体準備工程と、中間転写媒体10と熱転写シート100とを組合せ、熱転写シート100の色材層51を用いて、中間転写媒体10の転写層5上に熱転写画像20を形成する熱転写画像形成工程(図6(a)参照)と、熱転写画像20が形成された転写層5上に、熱転写シート100のヒートシール層52を転写するヒートシール層転写工程(図6(b)参照)と、第1基材(1)側から、熱転写画像20が形成された転写層5、ヒートシール層52がこの順で積層されてなる転写箔60を、被転写体200上に転写する転写箔転写工程(図6(c)参照)とを含み、中間転写媒体準備工程では、転写層5が、受容層4のみからなる単層構成、又は第1基材(1)から最も遠くに受容層4が位置する積層構成を呈し、且つ受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、受容層4の総質量に対する離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体10が準備されることを特徴としている。

一例としての印画物の形成方法は、第1基材(1)上に転写層5が設けられた中間転写媒体10(図1、図2参照)を準備する中間転写媒体準備工程と、第2基材(50)の一方の面上に、色材層51、ヒートシール層52が面順次に設けられた熱転写シート100(図4、図5参照)を準備する熱転写シート準備工程と、被転写体200を準備する被転写体準備工程と、中間転写媒体10と熱転写シート100とを組合せ、熱転写シート100の色材層51を用いて、中間転写媒体10の転写層5上に熱転写画像20を形成する熱転写画像形成工程(図6(a)参照)と、熱転写画像20が形成された転写層5上に、熱転写シート100のヒートシール層52を転写するヒートシール層転写工程(図6(b)参照)と、第1基材(1)側から、熱転写画像20が形成された転写層5、ヒートシール層52がこの順で積層されてなる転写箔60を、被転写体200上に転写する転写箔転写工程(図6(c)参照)とを含み、中間転写媒体準備工程では、転写層5が、受容層4のみからなる単層構成、又は第1基材(1)から最も遠くに受容層4が位置する積層構成を呈し、且つ受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、受容層4の総質量に対する離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体10が準備される。

一実施形態の印画物の形成方法によれば、印画ムラの発生を抑制しつつ、転写層5を構成する受容層4上に濃度の高い熱転写画像20を形成することができる。また、被転写体200上に、熱転写画像20が形成された転写層を箔切れ性よく転写することができる。さらには、被転写体200と転写層5との接着性が高い印画物300を得ることができる。以下、一実施形態の印画物の形成方法の各工程について説明する。

<中間転写媒体準備工程> 中間転写媒体準備工程は、図1、図2に示すように、第1基材(1)上に転写層5が設けられた中間転写媒体10を準備する工程である。そして、一実施形態の印画物の形成方法は、本工程で準備される中間転写媒体10の転写層5が、受容層4のみからなる単層構成、又は第1基材(1)から最も遠くに受容層4が位置する積層構成を呈しており、受容層4が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有しており、離型剤の含有量が、受容層4の総質量に対し6質量%以上であることを特徴の1つとしている。この特徴を有する一実施形態の印画物の形成方法によれば、後述する熱転写画像形成工程において、印画ムラの発生を抑制しつつ、濃度の高い熱転写画像20を、転写層5を構成する受容層4上に形成することができる。また、熱転写画像20が形成された転写層5を転写するときの箔切れ性を良好なものとすることができる。特に、熱転写画像20を形成するときの熱エネルギーを高くしていった場合においても、印画ムラの発生を抑制しつつ、濃度の高い熱転写画像を形成することができる。

本工程で準備される中間転写媒体10は、上記一実施形態の中間転写媒体10として説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。

<熱転写シート準備工程> 熱転写シート準備工程は、(i)色材層51を有する熱転写シート(図3参照)と、ヒートシール層52とを有する熱転写シート(図示しない)との組合せ、又は、(ii)色材層51、及びヒートシール層52を面順次に有する熱転写シート(図4、図5参照)を準備する工程である。本工程で準備される熱転写シート100としては、上記一実施形態の中間転写媒体10の受容層4上に熱転写画像を形成する際に用いられる熱転写シートとして説明したものを適宜選択して用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。なお、熱転写シート100のヒートシール層52は、数平均分子量(Mn)が4000以上32000未満、特には、4000以上20000以下のバインダー樹脂を含有していることが好ましく、受容層が含有しているバインダー樹脂の数平均分子量(Mn)よりも小さいとの条件を満たし、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上、特には、4000以上20000以下のバインダー樹脂を含有していることがより好ましい。

<被転写体を準備する工程> 本工程で準備される被転写体について如何なる限定もされることはなく、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等を挙げることができる。被転写体として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体200として透明性を有する被転写体を用いることで、最終的に形成される印画物300の表面側、及び裏面側から熱転写画像形成工程において形成された熱転写画像を視認することが可能となる。

次に、上記で準備した中間転写媒体10、熱転写シート100、被転写体200を用いて印画物300を形成する工程について、図6を用いて具体的に説明する。なお、図6は、一実施形態の印画物の形成方法を説明するための工程図であり、(a)〜(c)はいずれも概略断面図である。

<熱転写画像形成工程> 本工程は、上記で準備した中間転写媒体10と、熱転写シート100とを、中間転写媒体10の転写層5と、熱転写シート100の色材層51とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用いて、図6(a)に示すように、転写層5上に、熱転写画像20を形成する工程である。なお、図6では、中間転写媒体10として、第1基材(1)上に受容層4のみからなる単層構成の転写層5が設けられた中間転写媒体を使用しているが、図2に示すような積層構成の転写層5を有する中間転写媒体10を用いることもできる。

<ヒートシール層転写工程> 本工程は、上記熱転写画像形成工程後に、中間転写媒体10の転写層5(熱転写画像20が形成された転写層5)と、熱転写シート100のヒートシール層52とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用いて、図6(b)に示すように、熱転写画像20が形成された転写層5上に、ヒートシール層52を転写する工程である。ヒートシール層52を転写する方法について特に限定はなく、サーマルヘッド等による加熱デバイスを用いる方法の他、例えば、ホットスタンプ方式や、ヒートロール方式等を用いることができる。また、これ以外の方式によりヒートシール層52を転写することもできる。転写箔転写工程において、転写箔60を被転写体200上に転写する場合についても同様である。

<転写箔転写工程> 本工程は、図6(c)に示すように、上記で準備した被転写体200と、中間転写媒体10上に転写されたヒートシール層52とが対向するように重ね合わせ、被転写体200上に、熱転写画像20が形成された転写層5上にヒートシール層52が転写されてなる転写箔60を転写する工程である。本工程を経ることで、被転写体200上に、ヒートシール層52を介して、熱転写画像20が形成された転写層5が転写されてなる印画物300を得る。一実施形態の印画物の形成方法では、ヒートシール層転写工程において、熱転写画像20が形成された転写層5上にヒートシール層52を転写し、このヒートシール層52を介して、被転写体200上に転写層5の転写が行われることから、被転写体200と熱転写画像20が形成された転写層5との接着性を極めて良好なものとすることができる。

以上説明した一実施形態の印画物の形成方法では、熱転写画像20が形成された転写層5上に、ヒートシール層52を転写する工程を必須の構成としているが、他の実施形態の印画物の形成方法として、ヒートシール層転写工程を行わず、被転写体200と受容層4とが直接的に接するようにして、被転写体200上に熱転写画像が形成された転写層5を転写して印画物300を形成することもできる。以下、他の実施形態の印画物の形成方法について説明する。

<<他の実施形態の印画物の形成方法>> 他の実施形態の印画物の形成方法は、転写層5を有する中間転写媒体10(図1、図2参照)を準備する中間転写媒体準備工程と、色材層51を有する熱転写シート100(図3参照)を準備する熱転写シート準備工程と、被転写体200を準備する被転写体準備工程と、中間転写媒体10と熱転写シート100とを組合せ、熱転写シート100の色材層51を用いて、中間転写媒体10の転写層5上に熱転写画像20を形成する熱転写画像形成工程と、熱転写画像20が形成された転写層5を有する中間転写媒体10と、被転写体とを組み合わせ、熱転写画像20が形成された転写層5を、被転写体200上に転写する転写工程とを含み、中間転写媒体準備工程では、転写層5が、受容層4のみからなる単層構成、又はその最表面に受容層4が位置する積層構成を呈し、且つ受容層が、数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂、及び離型剤を含有し、受容層4の総質量に対する離型剤の含有量が6質量%以上である中間転写媒体10が準備されることを特徴としている。

上記一実施形態の印画物の形成方法が、当該印画物の形成方法で用いられる熱転写シート100が、(i)色材層51を有する熱転写シート(図3参照)と、ヒートシール層52とを有する熱転写シート(図示しない)との組合せ、又は、(ii)色材層51、及びヒートシール層52を面順次に有する熱転写シート(図4、図5参照)であるのに対し、他の実施形態の印画物の形成方法は、ヒートシール層52を必須の構成とはせず、色材層51を有する熱転写シート(図3参照)を用いている点において、他の実施形態の印画物の形成方法と、上記一実施形態の印画物の形成方法は相違している。この相違により、他の実施形態の印画物の形成方法は、一実施形態の印画物の形成方法におけるヒートシール層転写工程を必須の工程としていない点、また、ヒートシール層を介さずに、熱転写画像20が形成された転写層5を、被転写体200上に転写している点において、上記一実施形態の印画物の形成方法と相違している。他の実施形態の印画物の形成方法は、上記の点において、一実施形態の印画物の形成方法と相違し、その他の点においては共通している。

他の実施形態の印画物の形成方法によれば、印画ムラの発生を抑制しつつ、転写層5を構成する受容層4上に濃度の高い熱転写画像20を形成することができる。また、被転写体200上に、熱転写画像20が形成された転写層5を箔切れ性よく転写することができる。

<<中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ>> 次に、本開示の実施の形態に係る中間転写媒体と熱転写シートとの組合せについて説明する。本開示の実施の形態に係る中間転写媒体と熱転写シートとの組合せ(以下、一実施形態の組合せと言う)は、上記一実施形態の印画物の形成方法で説明した、中間転写媒体と熱転写シートの組合せである。

したがって、一実施形態の組合せを構成する中間転写媒体、及び熱転写シートについては、上記一実施形態の中間転写媒体や、一実施形態の印画物の形成方法で説明した中間転写媒体、熱転写シートをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。

一実施形態の組合せによれば、印画ムラの発生を抑制しつつ、転写層5を構成する受容層4上に濃度の高い熱転写画像20を形成することができる。また、被転写体200上に、熱転写画像20が形成された転写層を箔切れ性よく転写することができる。さらには、被転写体200と転写層5との接着性が高い印画物300を得ることができる。

また、好ましい一実施形態の組合せは、熱転写シートのヒートシール層が、数平均分子量(Mn)が4000以上32000以下のバインダー樹脂を含有しており、より好ましくは、熱転写シートのヒートシール層が、中間転写媒体の受容層が含有している数平均分子量(Mn)が8000以上32000以下のバインダー樹脂よりも、その数平均分子量(Mn)が小さく、且つ数平均分子量(Mn)が4000以上のバインダー樹脂を含有している。

(実施例1) 基材として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該基板上に、下記組成の剥離層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥し剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を乾燥時の厚みが2μmとなるように塗布・乾燥し保護層を形成した。次いで、該保護層の上に下記組成の受容層用塗工液1を乾燥時の厚みが1.5μmとなるように塗布・乾燥し受容層を形成して、基材上に、剥離層、保護層、受容層がこの順で積層されてなる中間転写媒体を得た。なお、剥離層、保護層、受容層は転写層を構成する層である。

<剥離層用塗工液> ・アクリル樹脂 29部 (ダイヤナール(登録商標) BR−87 三菱レイヨン(株)) ・ポリエステル樹脂 1部 (バイロン(登録商標)200 東洋紡(株)) ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部

<保護層用塗工液> ・ポリエステル樹脂 30部 (バイロン(登録商標)200 東洋紡(株)) ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部

<受容層用塗工液1> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:12000)17.6部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 2.4部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(実施例2) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液2に変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして実施例2の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液2> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:31000)17.6部 (ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 2.4部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(実施例3) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液3に変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして実施例3の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液3> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:31000)18.4部 (ソルバイン(登録商標)C 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 1.6部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(実施例4) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液4に変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして実施例4の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液4> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:12000) 15部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 5部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(実施例5) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液5に変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして実施例5の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液5> ・ポリエステル樹脂(Mn:10000) 17.6部 (バイロン(登録商標)GK250 東洋紡(株)) ・シリコーンオイル 2.4部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(実施例6) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液6に変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして実施例6の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液6> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:12000) 9.6部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・ポリエステル樹脂(Mn:6000) 8部 (バイロン(登録商標)GK810 東洋紡(株)) ・シリコーンオイル 2.4部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(実施例7) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液7に変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして実施例7の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液7> ・ポリビニルブチラール樹脂(Mn:27000) 18.4部 (エスレック(登録商標)BL−2 積水化学工業(株)) ・シリコーンオイル 1.6部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(比較例1) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液Aに変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして比較例1の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液A> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:42000)19.4部 (ソルバイン(登録商標)CN 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 0.6部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(比較例2) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液Bに変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして比較例2の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液B> ・ポリエステル樹脂(Mn:6000) 19.4部 (バイロン(登録商標)GK810 東洋紡(株)) ・シリコーンオイル 0.6部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(比較例3) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液Cに変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして比較例3の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液C> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:12000)19.4部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 0.6部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(比較例4) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液Dに変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして比較例4の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液D> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:42000)18.4部 (ソルバイン(登録商標)CN 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 1.6部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(比較例5) 受容層用塗工液1を、下記組成の受容層用塗工液Eに変更して受容層を形成した以外は全て実施例1と同様にして比較例5の中間転写媒体を得た。

<受容層用塗工液E> ・ポリエステル樹脂(Mn:6000) 18.4部 (バイロン(登録商標)GK810 東洋紡(株)) ・シリコーンオイル 1.6部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(熱転写シート1の作成) 基材として、厚さ5.0μmの易接着層付きのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、当該基材の易接着層側に下記組成のイエロー色材層用塗工液、マゼンタ色材層用塗工液、シアン色材層用塗工液をそれぞれ乾燥時の厚みが0.5μmとなるように面順次に塗布・乾燥し各色材層を形成することで熱転写シート1を得た。

<イエロー色材層用塗工液> ・ソルベントイエロー93 5部 ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4部 (KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

<マゼンタ色材層用塗工液> ・ディスパースレッド60 3部 ・ディスパースバイオレット26 3部 ・マゼンタ染料(HSR−2150(三菱化学(株)) 2部 ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5部 (KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

<シアン色材層用塗工液> ・ソルベントブルー63 3部 ・ディスパースブルー354 2.5部 ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5部 (KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

(熱転写シート2の作成) 上記で得た熱転写シート1に対し、さらに、下記組成のヒートシール層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmとなるように塗布・乾燥しヒートシール層を形成した以外は全て熱転写シート1と同様の作成方法にて、基材上に各色材層、ヒートシール層が面順次に設けられた熱転写シート2を得た。

<ヒートシール層用塗工液> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 (Mn:12000) 20部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(熱転写画像の形成) 各実施例、及び比較例の中間転写媒体と、上記で作成した熱転写シート1とを組合せ、下記プリンタにより、画像パターンに応じたエネルギーを印加することで、中間転写媒体の転写層(受容層)上に黒ベタ画像(0/255階調)を形成した。熱転写画像が形成された転写層を転写箔(1)とする。

(プリンタ) サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)) 発熱体平均抵抗値:3303(Ω) 主走査方向印字密度:300(dpi) 副走査方向印字密度:300(dpi) ライン周期:2.0(msec./line) 印字開始温度:35(℃) パルスDuty比:85(%) 印画電圧:21.0(V)

(ヒートシール層の転写) 各実施例、及び比較例の中間転写媒体と、上記で作成した熱転写シート2とを組合せ、上記熱転写画像と同じ条件にて、中間転写媒体の転写層(受容層)上に黒ベタ画像を形成した。次いで、上記プリンタを用い、熱転写シート2に、黒ベタ画像(0/255階調)相当のエネルギーを印加して、黒ベタ画像が形成された転写層上に、熱転写シート2のヒートシール層を転写した。熱転写画像が形成された転写層とヒートシール層との積層体を転写箔(2)とする。

(転写箔の転写) カード用ラミネーター(SIP社)を用い、180℃、2inch/sec.の条件にて、被転写体としてのポリ塩化ビニル製カード(PVCカード)(大日本印刷(株))上に、上記中間転写媒体の転写箔(1)を転写することで、被転写体と受容層とが直接的に接してなる各実施例、及び比較例の印画物を得た。また、転写箔(1)の転写と同様の方法を用いて、被転写体上に、上記中間転写媒体の転写箔(2)を転写することで、ヒートシール層を介して、被転写体と受容層とが間接的に接してなる各実施例、及び比較例の印画物を得た。

(濃度評価) 上記熱転写シート1を用いて形成された各実施例、及び比較例の印画物が有する熱転写画像(黒ベタ画像)の反射濃度を測定し、以下の評価基準に基づいて濃度評価を行った。反射濃度の測定は、反射濃度計(RD−918 X−Rite社)により測定した。評価結果を表1に示す。

「評価基準」 A:ブラック反射濃度が1.85以上である。 B:ブラック反射濃度が1.70以上1.85未満である。 C:ブラック反射濃度が1.60以上1.70未満である。 NG:ブラック反射濃度が、1.60未満である。

(印画ムラ評価) 上記熱転写シート1を用いて形成された各実施例、及び比較例の印画物の印画ムラを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて印画ムラ評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。

「評価基準」 A:印画ムラが確認されない。 B:印画ムラが僅かに発生しているが、目立たない。 C:目立つ印画ムラが発生している。 NG:かなり目立つ印画ムラが発生している。

(箔切れ性評価) 上記熱転写シート1を用いて形成された各実施例、及び比較例の印画物の端部の尾引きの状態を確認し、以下の評価基準に基づいて箔切れ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。

「評価基準」 A:尾引きの発生なし。 B:尾引きの長さが0.2mm以下。 C:尾引きの長さが0.2mmより長く1.0mm未満。 NG:尾引きの長さが1.0mm以上。

(転写性評価) 上記転写箔(1)、転写箔(2)を転写することで得られた各実施例、及び比較例の印画物のそれぞれを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて転写性の評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。

「評価基準」 A:転写箔が完全に転写されている。 B:転写箔に未転写部がわずかに発生している。 C:転写箔に未転写部が大部分で発生している。

10・・・中間転写媒体 1・・・基材、第1基材 5・・・転写層 100・・・熱転写シート 50・・・熱転写シート用基材、第2基材 51・・・色材層 52・・・ヒートシール層 20・・・熱転写画像 60・・・転写箔 200・・・被転写体 300・・・印画物

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