印画物の形成方法、熱転写シート、及び熱転写シートと中間転写媒体との組合せ

申请号 JP2017555417 申请日 2017-03-16 公开(公告)号 JPWO2017159805A1 公开(公告)日 2018-03-29
申请人 大日本印刷株式会社; 发明人 與田 晋也; 米山 泰史;
摘要 立体画像を有する印画物を簡便に形成することができる印画物の形成方法、熱転写シート、及び熱転写シートと中間転写媒体との組合せを提供すること。支持体1から第1転写層(5)が剥離可能に設けられた中間転写媒体10と、基材50の一方の面上に、第1色材層(51)、第2転写層(55)、第2色材層(52)が面順次に設けられ、且つ第2転写層(55)が基材50から剥離可能に設けられた熱転写シート100と、被転写体200とを準備し、熱転写シート100の第1色材層(51)を用いて、中間転写媒体の第1転写層(5)上に第1画像(20)を形成し、第1画像(20)が形成された第1転写層(5)上に、熱転写シートの第2転写層(55)を転写し、次いで、熱転写シート100の第2色材層(52)を用いて、第2転写層上に第2画像(30)を形成し、その後、中間転写媒体10の第1転写層(5)を、当該第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)とともに、被転写体200上に転写することで、立体画像を有する印画物を得る。
权利要求

印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上に第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記第2転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに、前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含むことを特徴とする印画物の形成方法。前記第1転写層、及び前記第2転写層が、ともに、受容層を含む単層、或いは積層構成を呈しており、 前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であり、 前記第1画像形成工程が、前記第1転写層の前記受容層上に、前記第1色材層が含有している染料を転写することで前記第1画像を形成する工程であり、 前記第2画像形成工程が、前記第2転写層の前記受容層上に、前記第2色材層が含有している染料を転写することで前記第2画像を形成する工程である、 ことを特徴とする請求項1に記載の印画物の形成方法。前記第2転写層が、前記基材側から受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする請求項2に記載の印画物の形成方法。前記第2転写層に含まれる前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していることを特徴とする請求項2又は3記載の印画物の形成方法。前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であることを特徴とする請求項4に記載の印画物の形成方法。前記第1転写層が受容層を含む単層、或いは積層構成を呈しており、 前記第2転写層がヒートシールパネルであり、 前記第1色材層が、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であり、 前記第2色材層が、熱溶融性インキ層であり、 前記第1画像形成工程が、前記第1転写層の前記受容層上に、前記第1色材層が含有している染料を転写することで前記第1画像を形成する工程であり、 前記第2画像形成工程が、前記第2転写層上に、前記第2色材層を溶融転写することで前記第2画像を形成する工程である、 ことを特徴とする請求項1に記載の印画物の形成方法。印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上の一部に、第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1転写層の前記第1画像が形成されていない領域の少なくとも一部を露出させるようにして、前記第1画像上に、前記熱転写シートの前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記露出している前記第1転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含むことを特徴とする印画物の形成方法。色材層を有する熱転写シートであって、 基材の一方の面上に、第1色材層、転写層、第2色材層が面順次に設けられ、 前記転写層は、前記基材から剥離可能に設けられ、 前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層の集合体を1ユニットとしたときに、 前記基材の同一面上には、前記1ユニットが繰り返し並んで設けられていることを特徴とする熱転写シート。前記転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする請求項8に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層の何れか一方、又は双方の層が、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層、或いは、熱溶融性インキ層であることを特徴とする請求項8又は9に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料を含有する色材層であることを特徴とする請求項8又は9に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の何れかであることを特徴とする請求項11に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層の何れか一方、又は双方の層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の群から選択される少なくとも2つ以上の色材層が、前記基材の同一面上に並んで設けられた層からなることを特徴とする請求項11に記載の熱転写シート。前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していることを特徴とする請求項9乃至13の何れか1項に記載の熱転写シート。前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であることを特徴とする請求項14に記載の熱転写シート。熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、 前記熱転写シートが、請求項8乃至15の何れか1項に記載の熱転写シートであることを特徴とする熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであることを特徴とする熱転写シートと中間転写媒体の組合せ。

印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記熱転写シートの前記第2転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上に第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記第2転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに、前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含むことを特徴とする印画物の形成方法。印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記第1転写層、及び前記第2転写層が、ともに、受容層を含む単層、或いは積層構成を呈しており、 前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であり、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上に第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記第2転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに、前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含み、 前記第1画像形成工程が、前記第1転写層の前記受容層上に、前記第1色材層が含有している染料を転写することで前記第1画像を形成する工程であり、 前記第2画像形成工程が、前記第2転写層の前記受容層上に、前記第2色材層が含有している染料を転写することで前記第2画像を形成する工程である、 ことを特徴とする印画物の形成方法。前記第2転写層に含まれる前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の印画物の形成方法。前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であることを特徴とする請求項3に記載の印画物の形成方法。印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上の一部に、第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1転写層の前記第1画像が形成されていない領域の少なくとも一部を露出させるようにして、前記第1画像上に、前記熱転写シートの前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記露出している前記第1転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含むことを特徴とする印画物の形成方法。色材層を有する熱転写シートであって、 基材の一方の面上に、第1色材層、転写層、第2色材層が面順次に設けられ、 前記転写層は、前記基材から剥離可能に設けられ、 前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層の集合体を1ユニットとしたときに、 前記基材の同一面上には、前記1ユニットが繰り返し並んで設けられ、 前記転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする熱転写シート。前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していることを特徴とする請求項6に記載の熱転写シート。前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であることを特徴とする請求項7に記載の熱転写シート。色材層を有する熱転写シートであって、 基材の一方の面上に、第1色材層、転写層、第2色材層が面順次に設けられ、 前記転写層は、前記基材から剥離可能に設けられ、 前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層のみからなり、且つ前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層がこの順で並んでなる集合体を1ユニットとしたときに、 前記基材の同一面上には、隣り合うユニット同士が、1つの前記1ユニットの前記第2色材層と他の1つの前記1ユニットの前記第1色材層とが隣接するようにして、繰り返し並んで設けられていることを特徴とする熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層の何れか一方、又は双方の層が、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層、或いは、熱溶融性インキ層であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料を含有する色材層であることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の何れかであることを特徴とする請求項11に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層の何れか一方、又は双方の層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の群から選択される少なくとも2つ以上の色材層が、前記基材の同一面上に並んで設けられた層からなることを特徴とする請求項11に記載の熱転写シート。熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、 前記熱転写シートが、請求項6乃至13の何れか1項に記載の熱転写シートであることを特徴とする熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記熱転写シートの前記転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする熱転写シートと中間転写媒体の組合せ。印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記熱転写シートの前記第2転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上に第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記第2転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに、前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含むことを特徴とする印画物の形成方法。印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記第1転写層、及び前記第2転写層が、ともに、受容層を含む単層、或いは積層構成を呈しており、 前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であり、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上に第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記第2転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに、前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含み、 前記第1画像形成工程が、前記第1転写層の前記受容層上に、前記第1色材層が含有している染料を転写することで前記第1画像を形成する工程であり、 前記第2画像形成工程が、前記第2転写層の前記受容層上に、前記第2色材層が含有している染料を転写することで前記第2画像を形成する工程である、 ことを特徴とする印画物の形成方法。前記第2転写層に含まれる前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の印画物の形成方法。前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であることを特徴とする請求項3に記載の印画物の形成方法。印画物の形成方法であって、 支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、 熱転写シートを準備する工程と、 被転写体を準備する工程と、を含み、 前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、 前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上の一部に、第1画像を形成する第1画像形成工程と、 前記第1転写層の前記第1画像が形成されていない領域の少なくとも一部を露出させるようにして、前記第1画像上に、前記熱転写シートの前記第2転写層を転写する第1転写工程と、 前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記露出している前記第1転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、 前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに前記被転写体上に転写する第2転写工程と、 を含むことを特徴とする印画物の形成方法。色材層を有する熱転写シートであって、 基材の一方の面上に、第1色材層、転写層、第2色材層が面順次に設けられ、 前記転写層は、前記基材から剥離可能に設けられ、 前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層のみからなり、且つ前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層がこの順で並んでなる集合体を1ユニットとしたときに、 前記基材の同一面上には、隣り合うユニット同士が、1つの前記1ユニットの前記第2色材層と他の1つの前記1ユニットの前記第1色材層とが隣接するようにして、繰り返し並んで設けられており、 前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であることを特徴とする熱転写シート。色材層を有する熱転写シートであって、 基材の一方の面上に、第1色材層、転写層、第2色材層が面順次に設けられ、 前記転写層は、前記基材から剥離可能に設けられ、 前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層のみからなり、且つ前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層がこの順で並んでなる集合体を1ユニットとしたときに、 前記基材の同一面上には、隣り合うユニット同士が、1つの前記1ユニットの前記第2色材層と他の1つの前記1ユニットの前記第1色材層とが隣接するようにして、繰り返し並んで設けられており、 前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料を含有する色材層であることを特徴とする熱転写シート。前記昇華性染料を含有する色材層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の何れかであることを特徴とする請求項6又は7に記載の熱転写シート。前記第1色材層、及び前記第2色材層の何れか一方、又は双方の層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の群から選択される少なくとも2つ以上の色材層が、前記基材の同一面上に並んで設けられた層からなることを特徴とする請求項6又は7に記載の熱転写シート。前記転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする請求項6乃至9の何れか1項に記載の熱転写シート。前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していることを特徴とする請求項10に記載の熱転写シート。前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であることを特徴とする請求項11に記載の熱転写シート。熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、 前記熱転写シートが、請求項6乃至12の何れか1項に記載の熱転写シートであることを特徴とする熱転写シートと中間転写媒体との組合せ。熱転写シートと中間転写媒体との組合せであって、前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、 前記熱転写シートの前記転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする熱転写シートと中間転写媒体の組合せ。

说明书全文

本発明は、印画物の形成方法、熱転写シート、及び熱転写シートと中間転写媒体との組合せに関する。

被転写体に制約を受けることがなく印画物を形成するための媒体として、基材上に、当該基材側から保護層、受容層がこの順で積層されてなる転写層が設けられた中間転写媒体等が用いられている(例えば、特許文献1)。この中間転写媒体によれば、色材層を有する熱転写シートを用いて、中間転写媒体の最表面に位置する受容層上に熱転写画像を形成し、その後、熱転写画像が形成された受容層を含む転写層を任意の被転写体上に転写することで、被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。

近時、上記中間転写媒体を用いて、厚み方向に奥行きがある熱転写画像を有する印画物、換言すれば立体画像を有する印画物を形成したいとの要求がある。しかしながら、立体画像を有する印画物の形成には、立体画像を構成する画像の数に応じた中間転写媒体が必要となり、形成工程が煩雑になるといった問題が内在している。例えば、立体画像を構成する第1の画像と、第2の画像が厚み方向に重なるように位置する印画物の形成には、第1の画像を形成するための第1の中間転写媒体と、第2の画像を形成するための第2の中間転写媒体を準備し、形成工程においては、第1の画像が形成された受容層を含む転写層を転写する工程、及び第2の画像が形成された受容層を含む転写層を転写する工程が必要となる。なお、この例においては、第1の中間転写媒体の最表面に位置する受容層上に第1の画像を形成し、その後、第1の画像が形成された受容層を含む転写層を任意の被転写体上に転写し、次いで、第2の中間転写媒体の最表面に位置する受容層上に第2の画像を形成し、その後、被転写体上に転写され第1の画像が形成された受容層を含む転写層上に第2の画像が形成された受容層を含む転写層を転写することで、第1の画像と第2の画像が厚み方向に重なるように位置する印画物を得ることができる。

なお、上記の例において、1つの中間転写媒体を用い、当該中間転写媒体の最表面に位置する受容層上に第1の画像を形成し、この第1の画像上に、当該第1の画像と直接的に接するようにして第2の画像を形成し、第1の画像、及び第2の画像が形成された受容層を含む転写層を被転写体上に転写して、第1の画像と第2の画像とが厚み方向に重なる印画物を得ることができる。この方法によれば、複数の中間転写媒体を用いることなく、第1の画像と第2の画像とが厚み方向に重なる印画物を得ることができるものの、第1の画像と、第2の画像とが直接的に接していることから、各画像に含まれる色材成分等によっては、画像に滲みが生じてしまう場合がある。また、第1の画像と、第2の画像とが直接的に接している形態では、画像の奥行き感を十分に付与することができないといった問題が生ずることとなる。また、厚み方向に奥行きがある熱転写画像を有する印画物にかえて、複数の熱転写画像を有し、意匠性の高い印画物を得たいとの要求もある。

特開昭62−238791号公報

本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、立体画像を有する印画物、或いは意匠性の高い印画物を簡便に形成することができる印画物の形成方法や、この印画物の形成に用いられる熱転写シート、並びに熱転写シートと中間転写媒体との組合せを提供することを主たる課題とする。

上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、支持体上に、当該支持体から第1転写層が剥離可能に設けられた中間転写媒体を準備する工程と、基材の一方の面上に、第1色材層、第2転写層、第2色材層が面順次に設けられ、且つ前記基材から前記第2転写層が剥離可能に設けられた熱転写シートを準備する工程と、被転写体を準備する工程と、前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上に第1画像を形成する第1画像形成工程と、前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記熱転写シートの前記第2転写層を転写する第1転写工程と、前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記第2転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに、前記被転写体上に転写する第2転写工程とを含むことを特徴とする。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、熱転写シートを準備する工程と、被転写体を準備する工程と、を含み、前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上に第1画像を形成する第1画像形成工程と、前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記第2転写層を転写する第1転写工程と、前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記第2転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに、前記被転写体上に転写する第2転写工程と、を含むことを特徴とする。

また、前記第1転写層、及び前記第2転写層が、ともに、受容層を含む単層、或いは積層構成を呈しており、前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であり、前記第1画像形成工程が、前記第1転写層の前記受容層上に、前記第1色材層が含有している染料を転写することで前記第1画像を形成する工程であり、前記第2画像形成工程が、前記第2転写層の前記受容層上に、前記第2色材層が含有している染料を転写することで前記第2画像を形成する工程であってもよい。

また、前記第2転写層が、前記基材側から受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していてもよい。

また、前記第2転写層に含まれる前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していてもよく、前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であってもよい。

また、前記第1転写層が受容層を含む単層、或いは積層構成を呈しており、前記第2転写層がヒートシールパネルであり、前記第1色材層が、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であり、前記第2色材層が、熱溶融性インキ層であり、前記第1画像形成工程が、前記第1転写層の前記受容層上に、前記第1色材層が含有している染料を転写することで前記第1画像を形成する工程であり、前記第2画像形成工程が、前記第2転写層上に、前記第2色材層を溶融転写することで前記第2画像を形成する工程であってもよい。

上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、支持体上に、当該支持体から第1転写層が剥離可能に設けられた中間転写媒体を準備する工程と、基材の一方の面上に、第1色材層、隠蔽層を含む第2転写層、第2色材層が面順次に設けられ、且つ前記基材から前記第2転写層が剥離可能に設けられた熱転写シートを準備する工程と、被転写体を準備する工程と、前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上の一部に、第1画像を形成する第1画像形成工程と、前記第1転写層の前記第1画像が形成されていない領域の少なくとも一部を露出させるようにして、前記第1画像が形成された前記第1転写層上に、前記熱転写シートの前記第2転写層を転写する第1転写工程と、前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記露出している前記第1転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに前記被転写体上に転写する第2転写工程とを含むことを特徴とする。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法は、支持体上に第1転写層が設けられた中間転写媒体を準備する工程と、熱転写シートを準備する工程と、被転写体を準備する工程と、を含み、前記熱転写シートが、第1色材層、隠蔽層を含む第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、前記中間転写媒体と前記熱転写シートとを組合せ、前記熱転写シートの前記第1色材層を用いて、前記中間転写媒体の前記第1転写層上の一部に、第1画像を形成する第1画像形成工程と、前記第1転写層の前記第1画像が形成されていない領域の少なくとも一部を露出させるようにして、前記第1画像上に、前記熱転写シートの前記第2転写層を転写する第1転写工程と、前記熱転写シートの前記第2色材層を用いて、前記露出している前記第1転写層上に第2画像を形成する第2画像形成工程と、前記中間転写媒体の前記第1転写層を、当該第1転写層上に転写された前記第2転写層とともに前記被転写体上に転写する第2転写工程と、を含むことを特徴とする。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートは、色材層を有する熱転写シートであって、基材の一方の面上に、第1色材層、転写層、第2色材層が面順次に設けられ、前記転写層は、前記基材から剥離可能に設けられ、前記第1色材層、前記転写層、前記第2色材層の集合体を1ユニットとしたときに、前記基材の同一面上には、前記1ユニットが繰り返し並んで設けられていることを特徴とする。

また、前記転写層が、前記基材側から、受容層、隠蔽層がこの順で積層されてなる積層構成を呈していてもよい。

また、前記第1色材層、及び前記第2色材層の何れか一方、又は双方の層が、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層、或いは、熱溶融性インキ層であってもよい。

また、前記第1色材層、及び前記第2色材層が、ともに昇華性染料を含有する色材層であってもよい。

また、前記第1色材層、及び前記第2色材層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の何れかであってもよい。また、前記第1色材層、及び前記第2色材層の何れか一方、又は双方の層が、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の群から選択される少なくとも2つ以上の色材層が、前記基材の同一面上に並んで設けられた層からなっていてもよい。

また、前記受容層が、セルロース系樹脂を含有していてもよい。また、前記セルロース系樹脂が、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方であってもよい。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートと中間転写媒体との組合せは、熱転写シートが、上記特徴の熱転写シートであることを特徴としている。

また、上記課題を解決するための本開示の実施の形態に係る熱転写シートと中間転写媒体との組合せは、前記熱転写シートが、第1色材層、第2色材層、第2転写層を有し、(i)基材上に前記第1色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2色材層が設けられた熱転写シートと、基材上に前記第2転写層が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材上に前記第1色材層、前記第2色材層、前記第2転写層が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであることを特徴とする。

本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法、熱転写シート、及び熱転写シートと中間転写媒体との組合せによれば、立体画像を有する印画物、或いは意匠性の高い印画物を簡便に形成することができる。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる中間転写媒体の一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シートの一例を示す概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法を説明するための工程図であり、(a)〜(d)は概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法を説明するための工程図であり、(a)〜(d)は概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法を説明するための工程図であり、(a)〜(d)は概略断面図である。

一実施形態の印画物の形成方法を説明するための工程図であり、(a)〜(d)は概略断面図である。

以下、本発明について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本願明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。

<<印画物の形成方法>> 本開示の実施の形態に係る印画物の形成方法(以下、一実施形態の印画物の形成方法と言う)は、支持体1の一方の面上に、当該支持体1から第1転写層(5)が剥離可能に設けられた中間転写媒体10(図1、図2参照)を準備する工程と、熱転写シート100を準備する工程と、被転写体200を準備する工程と、を含み、熱転写シート100が、第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)を有し、(i)基材50上に第1色材層(51)が設けられた熱転写シートと、基材50上に第2色材層(52)が設けられた熱転写シートと、基材50上に第2転写層(55)が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材50上に第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材50上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材50上に第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)が面順次に設けられた熱転写シートの何れかであり、中間転写媒体10と熱転写シート100とを組合せ、熱転写シート100の第1色材層(51)を用いて、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に第1画像(20)を形成する第1画像形成工程(図9(a)、図10(a)、図11(a)参照)と、第1画像(20)が形成された第1転写層(5)上に、熱転写シート100の第2転写層(55)を転写する第1転写工程(図9(b)、図10(b)、図11(b)参照)と、熱転写シート100の第2色材層(52)を用いて、第2転写層(55)上に第2画像(30)を形成する第2画像形成工程(図9(c)、図10(c)、図11(c)参照)と、中間転写媒体の第1転写層(5)を、第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)とともに被転写体200上に転写する第2転写工程(図9(d)、図10(d)、図11(d)参照)と、を含むことを特徴としている。なお、本願明細書では、中間転写媒体10の第1転写層(5)と、当該第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)との積層体のことを転写箔60と称している。以下、一実施形態の印画物の形成方法で用いられる熱転写シート10が、基材50上に第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)が面順次に設けられた熱転写シートである場合、つまりは上記(iii)の形態である場合を中心に説明する。

一実施形態の印画物の形成方法によれば、立体的な画像を有する印画物を簡便に形成することができる。具体的には、一実施形態の印画物の形成方法によれば、中間転写媒体10の支持体1上に、第1画像(20)、第2画像(30)が、厚み方向に所定の間隔をあけて立体的に配置された転写箔60(図9(c)、図10(c)、図11(c)参照)を形成することができ、この転写箔60を被転写体200上に転写することで、第1画像(20)、第2画像(30)が、厚み方向に所定の間隔をあけて立体的に配置された印画物300を得ることができる。また、上記(iii)の形態の熱転写シートを用いた場合には、複数の中間転写媒体、或いは複数の熱転写シートを用いることなく、1つの中間転写媒体と、1つの熱転写シートとによって、第1画像(20)、第2画像(30)が立体的に配置された印画物300を得ることができる。また、一実施形態の印画物の形成方法によれば、第1画像(20)と第2画像(30)とが直接的に接することによる各種の問題、例えば、画像の滲み等を抑制することができる。

以下、各工程について具体的に説明する。なお、説明の便宜上、各図に示す形態では、各層の厚み等を誇張して示している。

<中間転写媒体を準備する工程> 本工程は、図1に示すように、支持体1、及び第1転写層(5)を有し、支持体1から第1転写層(5)が剥離可能に設けられた中間転写媒体10を準備する工程である。以下、本工程で準備される中間転写媒体10について、一例を挙げて具体的に説明する。

(支持体) 支持体1は、一実施形態の印画物の形成方法に用いられる中間転写媒体10における必須の構成であり、第1転写層(5)を保持するために設けられる。支持体について特に限定はなく、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の耐熱性の高いポリエステル、ポリプロピレン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポリエチレン誘導体、ポリアミド、ポリメチルペンテン等のプラスチックの延伸または未延伸フィルムが挙げられる。また、これらの材料を2種以上積層した複合フィルムも使用することができる。支持体の厚さは、その強度および耐熱性等が適切になるように材料に応じて適宜選択することができるが、通常は4μm以上30μm以下の範囲内であり、好ましくは6μm以上20μm以下の範囲内である。

(第1転写層) 図1、図2に示すように支持体1上には、第1転写層(5)が設けられている。第1転写層(5)は、支持体1から剥離可能に設けられており、熱転写によって、支持体1から剥離され、後述する第2画像(30)が形成された第2転写層(55)とともに、被転写体200上に転写される層である。

図2に示すように、一例としての第1転写層(5)は、受容層4(転写性受容層と称される場合もある)を含む単層構成、或いは積層構成を呈している(図2に示す形態では、支持体1側から保護層3、受容層4がこの順で積層されてなる積層構成を呈している。)。この場合における受容層4は、転写層5を構成する層のうち、支持体1から最も遠くに位置しており、換言すれば、中間転写媒体10の最表面に位置しており、後述する熱転写シート100の第1色材層(51)が含有している染料、例えば、昇華性染料や、蛍光染料等を受容する染料受容性を有している。

なお、後述する第1画像形成工程において、第1色材層(51)として熱溶融性インキ層を用い、熱溶融型熱転写方式により、第1色材層(51)を第1転写層(5)上に転写して、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に第1画像を形成する場合には、第1転写層(5)は受容層4を含んでいなくともよい。例えば、第1転写層(5)を、後述するヒートシールパネルとすることもできる。つまりは、所謂保護層転写シートと称される媒体を、中間転写媒体として用いることもできる。以下、第1転写層(5)が、単層構成、或いは積層構成を呈しており、第1転写層(5)を構成する層のうち、支持体1から最も遠くに受容層4が位置する第1転写層(5)である場合を例に挙げて説明する。

「受容層」 受容層4を構成する材料としては、昇華性染料、蛍光染料等を受容可能な従来公知の樹脂材料を使用することができる。このような樹脂材料としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル系共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチレンもしくはプロピレン等のオレフィンと他のビニルポリマーとの共重合体、アイオノマーもしくはセルロースジアスターゼ等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート等を挙げることができる。

また、受容層4は、上記樹脂材料とともに、熱転写シート100の第1色材層(51)との離型性を向上させるための各種の離型剤を含有していてもよい。離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン、シリコーンオイル等を挙げることができる。

受容層4は、上述の材料の中から選択された単独または複数の材料、及び必要に応じて添加される各種添加材等を、または有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させて受容層用塗工液を調製し、この塗工液を、従来公知の塗工手段を用いて、支持体1、或いは、支持体1上に設けられる任意の層、例えば、保護層3上に塗布・乾燥して形成することができる。受容層用塗工液の塗工手段について特に限定なく、グラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバー、スクリーン印刷機等を挙げることができる。後述する各種塗工液の塗工手段についても同様である。受容層4の厚みは、通常、0.5μm以上10μm以下の範囲内である。

「保護層」 図2に示すように、第1転写層(5)を、支持体1側から、保護層3、受容層4がこの順で積層されてなる積層構成とすることもできる。保護層3を構成する材料としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、紫外線吸収性樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、これらの各樹脂の混合物、電離放射線硬化性樹脂、紫外線吸収性樹脂等を挙げることができる。

また、電離放射線硬化性樹脂を含有する保護層は、耐可塑剤性や耐擦過性が特に優れている点で保護層のバインダーとして好適に用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては特に限定されることはなく、従来公知の電離放射線硬化性樹脂の中から適宜選択して用いることができ、例えば、ラジカル重合性のポリマー又はオリゴマーを電離放射線照射により架橋、硬化させ、必要に応じて光重合開始剤を添加し、電子線や紫外線によって重合架橋させたものを用いることができる。紫外線吸収性樹脂を含有する保護層は、印画物に耐光性を付与することに優れている。

紫外線吸収性樹脂としては、例えば、反応性紫外線吸収剤を熱可塑性樹脂又は上記の電離放射線硬化性樹脂に反応、結合させて得た樹脂を使用することができる。より具体的には、サリシレート系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、置換アクリロニトリル系、ニッケルキレート系、ヒンダートアミン系のような従来公知の非反応性の有機系紫外線吸収剤に、付加重合性二重結合(例えばビニル基、アクリロイル基、メタアクリロイル基など)、アルコール性水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基のような反応性基を導入したもの等を挙げることができる。

また、必要に応じて、例えば、滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、顔料等の着色剤、その他の添加材等を添加してもよい。保護層の形成方法としては、上記に例示される樹脂材料の1種または2種以上を適当な溶剤により、溶解または分散させて保護層用塗工液を調製し、この塗工液を支持体1、或いは、支持体1上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。保護層の厚みは、通常0.1μm以上50μm以下の範囲内であり、好ましくは1μm以上20μm以下の範囲内である。

「剥離層」 また、第1転写層(5)を構成する層のうち、支持体1から最も近くに位置する層を、剥離層(図示しない)とすることもできる。剥離層を有する第1転写層(5)とすることで、支持体1からの、第1転写層(5)の転写性(剥離性と称される場合もある)を向上させることができる。

剥離層を構成する樹脂材料について特に限定はなく、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等を挙げることができる。また、昇華性染料や、蛍光染料の染料受容性を有する樹脂材料を剥離層に含有してもよい。この場合には、後述するように、被転写体上に、第1転写層(5)、第1画像(20)、第2転写層(55)、第2画像(30)がこの順で積層されてなる転写箔60を転写した後、最表面に位置する剥離層に、熱転写シートの色材層が含有している染料を転写することで、さらなる画像を形成することが可能となる。

剥離層の形成方法について特に限定はないが、上記の樹脂を適当な溶媒に溶解または分散させて剥離層用塗工液を調製し、この塗工液を支持体1上に塗布・乾燥して形成することができる。剥離層の厚みは、0.5μm以上5μm以下の範囲内あることが好ましい。

また、第1転写層(5)を構成する各層間の層間密着性の向上を図るべく、第1転写層(5)を構成する各層間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層を構成する樹脂材料としては、例えば、紫外線吸収性樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレンと酢酸ビニル或いはアクリル酸などとの共重合体、(メタ)アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリブタジエン系樹脂、ゴム系化合物などを挙げることができる。また、マイクロシリカやポリエチレンワックスなどのフィラーを併用してもよい。

<熱転写シートを準備する工程> 本工程は、第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)を有し、(i)基材50上に第1色材層(51)が設けられた熱転写シートと、基材50上に第2色材層(52)が設けられた熱転写シートと、基材50上に第2転写層(55)が設けられた熱転写シートの組合せ(図示しない)、(ii)基材50上に第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材50上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せ(図示しない)、或いは(iii)基材50上に第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)が面順次に設けられた熱転写シート(図3〜図8参照)を準備する工程である。

(基材) 基材50は、一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シート100における必須の構成であり、第1色材層(51)、第2転写層(55)、第2色材層(52)、及び基材50の他方の面上に任意に設けられる背面層を保持するために設けられる。基材50の材料については特に限定されないが、後述する第1画像形成工程、第1転写工程、及び第2画像形成工程において、熱転写シートに印加される熱に耐え、取り扱い上支障のない機械的特性を有することが望ましい。このような基材50として、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリエーテルイミド、セルロース誘導体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン等の各種プラスチックフィルムまたはシートを挙げることができる。また、基材50の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜設定することができ、通常2.5μm以上50μm以下の範囲内である。

なお、熱転写シート100として、上記(i)の形態、或いは(ii)の形態の熱転写シートを用いる場合、第1色材層(51)、第2転写層(55)、第2色材層(52)を支持する基材として、同一の基材を用いてもよく、異なる基材を用いてもよい。

(第1色材層) 第1色材層(51)は、後述する第1画像形成工程において、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に第1画像(20)を形成するために用いられる層である。以下、第1色材層(51)が、昇華型熱転写方式で用いられる色材層である場合と、熱溶融型熱転写方式で用いられる色材層である場合にわけて説明する。なお、昇華型熱転写方式は、サーマルヘッド等の加熱デバイスから画像情報に応じたエネルギーを印加し、色材層に含まれる色材成分を、染料受容性を有する被転写体上に移行して画像を形成する方式であり、熱溶融型熱転写方式は、サーマルヘッド等の加熱デバイスから画像情報に応じたエネルギーを印加してすることで溶融軟化した色材層を、被転写体上に転写して画像を形成する方式である。

「昇華型熱転写方式に用いられる第1色材層」 昇華型熱転写方式に用いられる第1色材層(51)は、バインダー樹脂と、色材成分とを含有している。色材成分としては、昇華性染料や、蛍光染料等を挙げることができる。

第1色材層(51)は、単一の層から構成してもよく、2以上の層から構成してもよい。例えば、後述する第1画像形成工程において形成される第1画像(20)がモノカラーである場合には、第1色材層(51)を、単一の色材層から構成してもよく、第1画像(20)がフルカラー画像である場合には、図7に示すように、イエロー色材層51Y、マゼンタ色材層51M、シアン色材層51C等の色相の異なる昇華性染料を含む複数の色材層を、基材50の同一面上に並べたものを第1色材層(51)としてもよい。また、イエロー色材層51Y、マゼンタ色材層51M、シアン色材層51C等の色相の異なる昇華性染料を含む複数の色材層のうちの2つの色材層を基材50の同一面上に並べたものを第1色材層(51)としてもよい。

昇華性染料としては、十分な着色濃度を有し、光、熱、温度等により変退色しないものが好ましい。このような昇華性染料としては、例えば、ジアリールメタン系染料、トリアリールメタン系染料、チアゾール系染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン系染料、インドアニリン系染料、ピラゾロメチン系染料、アセトフェノンアゾメチン、ピラゾロアゾメチン、イミダゾルアゾメチン、イミダゾアゾメチン、ピリドンアゾメチン等のアゾメチン系染料、キサンテン系染料、オキサジン系染料、ジシアノスチレン、トリシアノスチレン等のシアノスチレン系染料、チアジン系染料、アジン系染料、アクリジン系染料、ベンゼンアゾ系染料、ピリドンアゾ、チオフェンアゾ、イソチアゾールアゾ、ピロールアゾ、ピラゾールアゾ、イミダゾールアゾ、チアジアゾールアゾ、トリアゾールアゾ、ジスアゾ等のアゾ系染料、スピロピラン系染料、インドリノスピロピラン系染料、フルオラン系染料、ローダミンラクタム系染料、ナフトキノン系染料、アントラキノン系染料、キノフタロン系染料、等が挙げられる。具体的には、MSRedG(三井東圧化学(株))、Macrolex Red Violet R(バイエル社)、CeresRed 7B(バイエル社)、Samaron Red F3BS(三菱化学(株))等の赤色染料、ホロンブリリアントイエロー6GL(クラリアント社)、PTY−52(三菱化学(株))、マクロレックスイエロー6G(バイエル社)等の黄色染料、カヤセット(登録商標)ブルー714(日本化薬(株))、ホロンブリリアントブルーS−R(クラリアント社)、MSブルー100(三井東圧化学(株))、C.I.ソルベントブルー63等の青色染料等を挙げることができる。

上記昇華性染料を担持するためのバインダー樹脂としては、耐熱性を有し、昇華性染料と適度の親和性があるものが好ましい。このようなバインダー樹脂としては、例えば、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂;ポリ(メタ)アクリレート、ポリ(メタ)アクリルアミド等のアクリル樹脂;ポリウレタン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;等を挙げることができる。

蛍光染料としては、例えば、ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体、イミダゾール誘導体、クマリン誘導体、トリアゾール、カルバゾール、ピリジン、ナフタル酸、イミダゾロン等の誘導体、フロオレセイン、エオシン等の色素、アントラセン等のベンゼン環を持つ化合物等をあげることができる。なお、蛍光染料は、太陽光、電灯光、紫外線などにより刺激されてエネルギーを吸収し、刺激中にそのエネルギーを光に変えて発光(蛍光)する性質を有するものである。後述する蛍光顔料についても同様である。

上記蛍光染料を担持するためのバインダー樹脂としては、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、セルロース系樹脂、メラミン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、スチレン−ブタジエンゴム等の熱可塑性エラストマーを挙げることができる。

上記第1色材層中における、バインダー樹脂、色材成分としての昇華性染料や、蛍光染料の含有量について特に限定はなく、第1色材層(51)を用いて、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に形成される第1画像(20)に要求される画像濃度等に応じて適宜設定することができる。

また、第1色材層(51)は、バインダー樹脂、色材成分とともに、無機粒子、有機微粒子等の添加材を含有していてもよい。無機粒子としては、タルク、カーボンブラック、アルミニウム、二硫化モリブデン等を挙げることができ、有機微粒子としては、ポリエチレンワックス、シリコーン樹脂微粒子等を挙げることができる。また、一例としての第1色材層(51)は、離型剤を含有していてもよい。離型剤としては、変性或いは未変性のシリコーンオイル(シリコーン樹脂と称されるものも含む)、リン酸エステル、脂肪酸エステル等を挙げることができる。

上記形態の第1色材層(51)の形成方法としては、例えば、バインダー樹脂、色材成分、必要に応じて添加される添加材や、離型剤を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、第1色材層用塗工液を調製し、この塗工液を基材50、或いは基材50上に設けられる任意の層上に塗布・乾燥して形成することができる。第1色材層(51)の厚みは、0.2μm以上2.0μm以下の範囲が一般的である。

「熱溶融型熱転写方式に用いられる第1色材層」 熱溶融型熱転写方式に用いられる第1色材層(51)(以下、第2形態の第1色材層と言う)は、バインダーと、着色剤を含有している。第2形態の第1色材層は、所謂熱溶融性インキ層としての役割を果たす。

熱溶融型熱転写方式に用いられる第1色材層(51)が含有しているバインダーとしては、樹脂成分、或いはワックス成分等を挙げることができ、樹脂成分としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリブデン、石油樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニリデン樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリビニルフォルマール、ポリビニルブチラール、アセチルセルロース、ニトロセルロース、ポリ酢酸ビニル、ポリイソブチレン、エチルセルロース又はポリアセタール等を挙げることができる。また、ワックス成分としては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス等がある。更に、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、ポリエステルワックス、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックス等を挙げることができる。

熱溶融型熱転写方式に用いられる第1色材層(51)が含有している着色剤としては、従来公知の有機または無機の顔料、あるいは染料の中から適宜選択することができ、例えば、十分な着色濃度を有し、光、熱等により変色、退色しないものが好ましい。また、加熱により発色する物質や、被転写体の表面に塗布されている成分と接触することにより発色するような物質であってもよい。着色剤の色としては、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックに限定されるものではなく、種々の色の着色剤を使用することができる。例えば、蛍光顔料等を用いることもできる。蛍光顔料は、主に無機系の蛍光体材料であり、Ca、Ba、Mg、Zn、Cdなどの酸化物、硫化物、ケイ酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩などの結晶を主成分とし、Mn、Zn、Ag、Cu、Sb、Pbなどの金属元素もしくはランタノイド類などの希土類元素を活性剤として添加して焼成して得られる顔料である。これら無機系の蛍光体材料の具体的化合物としては、例えば、タングステン酸カルシウム、タングステン酸マグネシウム等の酸化物系、或いは硫化カルシウム・ビスマス、硫化亜鉛・銀、硫化亜鉛・銅、硫化亜鉛・金・アルミニウム等の硫化物系、酸化亜鉛・亜鉛、バナジウム酸イットリウム・ユーロピウム、酸化イットリウム・ユーロピウム、硫酸化イットリウム・ユーロピウム、硫酸化イットリウム・テルビウム、硫酸化ガドリニウム・テルビウム、硫酸化ランタン・テルビウム、酸臭化ランタン・テルビウム等の酸化物系等の蛍光体材料等を挙げることができる。

上記形態の第1色材層中における、バインダー、着色剤の含有量について特に限定はなく、第1色材層(51)を用いて、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に形成される第1画像(20)に要求される画像濃度等に応じて適宜設定することができる。

上記形態の第1色材層(51)の形成方法としては、例えば、バインダー、着色剤、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、第1色材層用塗工液を調製し、この塗工液を基材50、或いは基材50上に設けられる任意の層上、例えば、離型層上に塗布・乾燥して形成することができる。第2形態の第1色材層(51)の厚みは、0.5μm以上10μm以下の範囲が一般的である。

また、第1色材層(51)を有する熱転写シートとして、色相が異なる複数の熱転写シートを用いてもよい。例えば、第1色材層(51)を有する熱転写シートとして、イエロー色材層を有する熱転写シート、マゼンタ色材層を有する熱転写シート、シアン色材層を有する熱転写シートを組合せて用いてもよい。このことは、後述する第2色材層(52)についても同様である。

(第2転写層) 一実施形態の印画物の形成方法に用いられる熱転写シート100は、第2転写層(55)を有している。一例としての熱転写シート100は、図3〜図9に示すように、基材50上に、第1色材層(51)と面順次に第2転写層(55)が設けられた構成を呈している。この形態の熱転写シートにかえて、基材50上に、第2転写層(55)が設けられた熱転写シートを、第1色材層(51)、第2色材層(52)を有する熱転写シートと組合せて用いることもできる。

第2転写層(55)は、基材50から剥離可能に設けられており、熱転写によって、基材50から剥離され、第1画像(20)が形成された中間転写媒体10の第1転写層(5)上に転写される層である。また、後述する第2画像形成工程において、第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)上には、熱転写シート100の第2色材層(52)によって、第2画像(30)が形成される。

第2転写層は、熱転写シートの第2色材層(52)に応じて適宜設定することができ、例えば、昇華型熱転写方式によって、第2色材層(52)が含有する色材成分を第2転写層(55)上に移行させて第2画像(30)を形成する場合には、第2転写層(55)は、受容層(転写性受容層と称される場合もある)を含んでいる。一方で、熱溶融型熱転写方式によって、溶融軟化した第2色材層(52)を第2転写層(55)上に転写して第2画像(30)を形成する場合には、第2転写層(55)は受容層を含んでいなくともよい。

一例としての第2転写層(55)は、図3、図4に示すように、受容層55Aを含む単層構成、或いは積層構成を呈している。この場合における受容層55Aは、第2転写層(55)を構成する層のうち、基材50から最も近くに位置しており、後述する熱転写シート100の第2色材層(55)が含有している色材成分を受容する染料受容性を有している。

受容層55Aとしては、上記中間転写媒体10で説明した受容層を適宜選択して用いることができる。

好ましい形態の第2転写層(55)は、受容層55Aがセルロース系樹脂を含有している。セルロース系樹脂を含有する受容層55Aを含む第2転写層(55)によれば、転写界面に位置する層である受容層の転写性を十分に満足させることができ、第2転写層(55)を第1転写層(5)上に転写するときに熱転写シート100に印加されるエネルギーを高めていった場合であっても、受容層55Aを含む第2転写層(55)の転写性を良好なものとすることができる。つまりは、広いエネルギー範囲において、第1転写層(5)上に受容層55Aを含む第2転写層(55)を転写するときの転写性を良好なものとすることができる。なお、ここで言う第2転写層(55)の転写性とは、第2転写層(55)を中間転写媒体10の第1転写層(5)上に転写するときに、第2転写層(55)が、基材50側に残存することなく、或いは、中間転写媒体10の第1転写層(5)と、熱転写シート100の第2転写層(55)とが一体化してしまうことなく、第2転写層(55)を、第1転写層(5)上に正確に転写する(移行する)ことができるか否かを示す指標であり、転写性が高いとは、熱転写シート100にエネルギーを印加して、中間転写媒体の第1転写層(5)上に第2転写層(55)を転写するときに、エネルギーが印加された領域に対応する第2転写層(55)が基材50側に残存することや、中間転写媒体10の第1転写層(5)と、熱転写シート100の第2転写層(55)とが一体化することなく、第2転写層(55)を第1転写層(5)上に正確に移行可能であることを意味する。一方で、転写性が低いとは、熱転写シート100にエネルギーを印加して、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に、熱転写シート100の第2転写層(55)を転写するときに、エネルギーが印加された領域に対応する第2転写層(55)の一部、或いは全部の領域において、基材50、或いは基材50上に任意に設けられる層(例えば、後述する任意の離型層)と、第2転写層(55)とが熱融着を起こし、換言すれば、基材50、或いは基材50上に任意に設けられる層と、第2転写層(55)に含まれる受容層55Aとが熱融着を起こし、基材50から第2転写層(55)を剥離することができずに、第1転写層(5)と熱転写シートとが一体化してしまう、或いは、基材50、或いは基材50上に任意に設けられる層と、第2転写層(55)に含まれる受容層55Aが熱融着を起こし、本来であれば、基材、或いは基材上に設けられる任意の層との界面において剥離されるべき第2転写層(55)が、第2転写層(55)を構成する層間で剥離してしまい、第1転写層(5)上に転写されるべき受容層55Aの全部、或いは一部が基材50側に残存してしまうことを意味する。以下、セルロース系樹脂を含有する受容層について具体的に説明する。

セルロース系樹脂としては、例えば、セルロースアセテート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートプロピオネート樹脂、ニトロセルロース樹脂、酢酸セルロース等を挙げることができる。好ましい形態の受容層55Aは、セルロースアセテートブチレート樹脂、及びセルロースアセテートプロピオネート樹脂の何れか一方又は双方を含有している。セルロースアセテートブチレート樹脂や、セルロースアセテートプロピオネート樹脂を含有する受容層55Aによれば、当該受容層55Aを含む第2転写層(55)の転写性の更なる向上を図ることができる。

受容層55Aは、セルロース系樹脂の1種を単独で含有していてもよく、2種以上のセルロース系樹脂を含有していてもよい。また、セルロース系樹脂とともに、他の樹脂を含有していてもよい。

より好ましい形態の受容層55Aは、数平均分子量(Mn)が70000未満、好ましくは55000以下、特に好ましくは40000以下のセルロース系樹脂を含有している。より好ましい形態の受容層55Aを含む第2転写層(55)によれば、セルロース系樹脂として、数平均分子量(Mn)が70000以上のセルロース系樹脂のみを含有する受容層55Aを含む第2転写層(55)と比較して、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に第2転写層(55)を転写するときの箔切れ性を良好なものとすることができる。

受容層55Aは、数平均分子量(Mn)が異なる2種以上のセルロース系樹脂を含有していてもよく、好ましい形態の受容層55Aは、2種以上のセルロース系樹脂の少なくとも1種のセルロース系樹脂が、上記好ましい数平均分子量(Mn)のセルロース系樹脂となっている。なお、本願明細書で言う数平均分子量(Mn)とは、JIS−K−7252−1(2008)に準拠し、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算による分子量を意味する。

セルロース系樹脂の含有量について特に限定はなく、極めて少量の添加で、例えば、受容層55Aの総質量に対するセルロース系樹脂の含有量を0.5質量%程度とした場合であっても、当該受容層55Aを含む第2転写層(55)の転写性を良好なものとすることができる。換言すれば、その含有量にかかわらず、セルロース系樹脂を含有する受容層55Aによれば、セルロース系樹脂を含有していない受容層55Aと比較して、広いエネルギー範囲において、当該受容層55Aを含む第2転写層(55)の転写性を極めて良好なものとすることができる。セルロース系樹脂の含有量の上限値についても特に限定はなく100質量%である。

上記のようにセルロース系樹脂の含有量について如何なる限定もされることはないが、セルロース系樹脂の含有量は、第2転写層(55)上に第2画像(30)を形成するときの第2色材層(52)との離型性を考慮して決定することが望ましい。なお、第2色材層(52)側において、離型性を向上させるための対策を図られている場合、例えば、第2色材層(52)が離型剤を含有している場合等には、セルロース系樹脂の含有量についての考慮を要さず任意の含有量とすればよい。一方で、第2色材層(52)側で離型性の対策がなされていない場合には、第2色材層(52)が含有している樹脂の種別に応じて、セルロース系樹脂の含有量を決定することが好ましい。なお、この場合における離型性は、第2色材層(52)が含有している樹脂の種別に応じて異なり、例えば、第2色材層(52)が含有している樹脂が、ポリビニルアセタール樹脂や、ポリビニルブチラール樹脂であって、且つ第2色材層(52)が離型剤を含有しない場合においては、受容層55Aの総質量に対するセルロース系樹脂の含有量は25質量%未満とすることが好ましい。また、受容層55A、第2色材層(52)の双方が離型剤等を含有していない場合であっても、セルロース系樹脂を含有する受容層55Aとの離型性が良い樹脂を含む第2色材層(52)を用いることで、セルロース系樹脂の含有量にかかわらず離型性を良好なものとすることができる。つまり、受容層55Aの総質量に対するセルロース系樹脂の含有量を100質量%とすることもできる。また、受容層55Aに離型剤を含有せしめて離型性の向上を図ることもできる。

受容層55Aは、セルロース系樹脂以外の他の樹脂や、離型剤等を含有していてもよい。セルロース系樹脂以外の他の樹脂としては、例えば、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルもしくはポリ塩化ビニリデン等のハロゲン化樹脂、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体もしくはポリアクリル酸エステル等のビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等を挙げることができる。

離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)パウダー等の固形ワックス類、フッ素系またはリン酸エステル系界面活性剤、シリコーンオイル、反応性シリコーンオイル、硬化型シリコーンオイル等の各種変性シリコーンオイル、および各種シリコーン樹脂などを挙げることができる。

セルロース系樹脂を含有する受容層55Aは、上記セルロース系樹脂、必要に応じて添加されるセルロース系樹脂以外の他の樹脂や、離型剤等の添加材を適当な溶媒に、分散ないし溶解した受容層用塗工液を調製し、この塗工液を基材50、或いは基材50上に設けられる任意の層上に、塗布・乾燥して形成することができる。受容層の厚みについて特に限定はなく、通常、0.3μm以上10μm以下の範囲である。

(機能層) 図4に示すように、受容層55A上に、機能層54を設けてもよい。なお、機能層54は、第2転写層(55)を構成する層であり、受容層55Aとともに第1転写層(5)上に転写される層である。機能層54は、第2転写層(55)に求められる機能、例えば、隠蔽性や、接着性等の機能に応じて適宜選択することができ、具体的な機能について限定されることはない。つまり、受容層55A上に設けられる層についていかなる限定もされることはなく、受容層55Aとは異なる層であればいかなる層であってもよい。機能層54は、単層構成を呈していてもよく、積層構成を呈していてもよい。以下、機能層54について一例を挙げて説明する。

一例としての機能層54は、図10(d)に示すように、一実施形態の印画物の形成方法によって最終的に形成される印画物300を被転写体200側からみたときに、第1画像(20)を隠蔽する機能を有する。換言すれば、一実施形態の印画物の形成方法によって最終的に形成される印画物300を第1転写層(5)側からみたときに、第2画像(30)を隠蔽する機能を有する。以下、この機能を有する機能層54のことを隠蔽層54と言う。

一例としての隠蔽層54は、バインダー樹脂と、着色剤とから構成されていている。バインダー樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。着色剤としては、公知の着色剤、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボンブラック、酸化鉄、鉄黄、群青、ホログラム粉末、アルミニウム粉末、メタリック顔料、パール顔料等を挙げることができる。隠蔽層54は、これらのバインダー樹脂の1種を含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。着色剤についても同様である。

隠蔽層54の形成方法について特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂、着色剤、必要に応じて添加される添加材を適当な溶媒に、分散ないし溶解した隠蔽層用塗工液を調製し、この塗工液を受容層55A上に塗布・乾燥して形成することができる。

隠蔽層54の厚みについて特に限定はないが、隠蔽層54による隠蔽性を考慮して適宜設定すればよい。なお、隠蔽層54の厚みが0.1μm未満では隠蔽性が低下していく傾向にあり、この点を考慮すると、隠蔽層54の厚みは、0.1μm以上であることが好ましい。隠蔽層の厚みの好ましい上限値について特に限定はないが5μm程度である。

また、第2転写層(55)上に形成される第2画像(30)が、熱溶融型熱転写方式により形成される画像である場合には、第2転写層(55)は受容層を有していなくともよく、例えば、第2転写層(55)を隠蔽層54のみからなる単層構成の転写層とすることもできる。

また、受容層55Aと隠蔽層54(機能層54)との間に、第2転写層(55)の箔切れ性の向上、具体的には、第2転写層(55)を転写するときに尾引きや、文字潰れなどが生ずることを抑制するため、或いは受容層55Aと隠蔽層54との密着性を向上させるための中間層(図示しない)を設けることもできる。なお、本願明細書で言う尾引きとは、第2転写層(55)を第1転写層(5)上に転写するときに、第2転写層(55)の転写領域と非転写領域の境界を起点とし、該境界から非転写領域側にはみ出すように第2転写層(55)が転写されてしまう現象を意味する。また、本願明細書で言う文字潰れとは、文字として表される転写領域に囲まれた、若しくは挟まれた被転写領域が、尾引きと同様の現象で転写してしまい、本来の文字を再現できていない現象を意味する。

一例としての中間層は、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等のバインダー樹脂、必要に応じて、アルミナ、シリカ、酸化チタン、カーボンブラック等の無機粒子を含有している。バインダー樹脂とともに、無機粒子を含有する中間層によれば、中間層を含む第2転写層(55)の箔切れ性を更に良好なものとすることができる。好ましい形態の中間層は、バインダー樹脂とともに、アルミナ微粒子や、シリカ微粒子を含有している。特に好ましい形態の中間層は、バインダー樹脂とともに、アルミナゾル由来のアルミナ微粒子や、コロイダルシリカ由来のシリカ微粒子を含有している。また、バインダー樹脂を用いずに、中間層を無機微粒子から形成することもできる。

また、離型性の向上を主眼とし、受容層55A上に、水系樹脂を含有する中間層を設けることもできる。換言すれば、水系樹脂を、水系溶媒に分散或いは溶解してなる中間層用塗工液を用いて、受容層55A上に中間層を設けることもできる。この形態の第2転写層(55)によれば、離型性の更なる向上を図ることができる。なお、本願明細書で言う「水系樹脂」とは、水溶性樹脂、或いは水系溶媒に不溶性であるが、エマルジョンやディスパージョンのように、水系溶媒に分散可能な樹脂を意味する。水系溶媒としては、水や、水とアルコールとの混合溶媒等を挙げることができる。

水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸、ポリヒドロキシエチルアクリレート、水溶性(或いは水分散)ポリエステル樹脂、水溶性(或いは水分散)ポリウレタン樹脂、水分散性塩化ビニル樹脂、水分散性塩化アクリル系樹脂、水分散性エポキシ樹脂、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース樹脂、ヒドロキシプロピルセルロース樹脂、カルボキシメチルセルロース等を挙げることができる。

中間層の形成方法について特に限定はなく、バインダー樹脂、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解又は分散した中間層用塗工液を調製し、この塗工液を受容層55A上に塗布・乾燥して形成することができる。中間層の厚みについて特に限定はないが、0.01μm以上5μm以下であることが好ましく、0.02μm以上3μm以下であることが特に好ましい。

他の一例としての機能層54は、第1転写層(5)と第2転写層(55)との接着性を高める機能を有する。以下、接着性を有する機能層54のことを接着層と言う。接着層としては、熱転写シートの分野で従来公知のものを適宜選択して用いることができる。一例としての接着層は、紫外線吸収性樹脂、アクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂等を含有している。

接着層の形成方法の形成方法について特に限定はなく、上記で例示したバインダー樹脂と、必要に応じて添加される紫外線吸収剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、無機あるいは有機のフィラー成分、界面活性剤、離型剤等を適当な溶媒に分散ないし溶解した接着層用塗工液を調製し、この塗工液を受容層55A上に塗布・乾燥して形成することができる。接着層の厚みについて特に限定はないが、0.5μm以上10μm以下の範囲が好ましく、0.8μm以上2.0μm以下の範囲がより好ましい。

上記では、昇華型熱転写方式によって、第2転写層(55)上に第2画像(30)を形成する場合を例に挙げて、第2転写層(55)が受容層を含む形態について説明を行ったが、熱溶融型熱転写方式によって、第2転写層(55)上に第2画像(30)を形成する場合には、第2転写層(55)は受容層を含んでいなくてもよく、図3、図5に示すように、第2転写層(55)をヒートシールパネル55Bとしてもよい。

第2転写層(55)としてのヒートシールパネル55Bは、熱転写によって、基材50から剥離可能であるとの条件を満たすものであればよく、これ以外の条件についていかなる限定もされることはない。例えば、ヒートシールパネル55Bは、単層構成を呈していてもよく、積層構成を呈していてもよい。なお、ヒートシールパネル55Bを構成する層のうち、基材50から最も遠くに位置する層は、第1転写層(5)との接着性を有していることが好ましい。また、第2転写層(55)を、基材50側からヒートシールパネル55B、隠蔽層4がこの順で積層されてなる積層構成とすることもできる。

ヒートシールパネル55Bとしては、上記で説明した保護層、剥離層、接着層等を適宜選択して用いることができる。また、これらの層を組合せてもよい。

(第2色材層) 第2色材層(52)は、後述する第2画像形成工程において、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)上に、第2画像(30)を形成するために用いられる層である。

第2色材層(52)は、上記第1色材層(51)で説明した各種の形態をそのまま適用することができ、ここでの詳細な説明は省略する。

(染料プライマー層) 基材50と第1色材層(51)との間や、基材50と第2色材層(52)との間に、基材50と第1色材層(51)、或いは、基材50と第2色材層(52)との密着性の向上を目的とする染料プライマー層を設けてもよい。

染料プライマー層としては、熱転写シートの分野で従来公知の染料プライマー層を適宜選択して用いることができる。一例としての染料プライマー層は、樹脂材料から構成されている。染料プライマー層を構成する樹脂材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等の樹脂等を挙げることができる。また、染料プライマー層は、これら樹脂成分とともに、有機粒子や、無機粒子等の各種の添加材を含有していてもよい。

染料プライマー層の形成方法についても特に限定はなく、上記で例示した樹脂成分、必要に応じて添加される添加材を、適当な溶媒に溶解又は分散した染料プライマー層用塗工液を調製し、この塗工液を基材50上に塗布・乾燥して形成することができる。プライマー層の厚みについて特に限定はないが、通常は、0.02μm以上1μm以下の範囲である。

(離型層) また、基材50と第2転写層(55)との間に離型層(図示しない)を設けることもできる。なお、離型層は、第2転写層(55)を構成しない層である。つまりは、第1転写層(5)上に第2転写層(55)を転写するときに、基材(55)側に残存する層である。基材50と第2転写層(55)との間に離型層を設けることで、第2転写層(55)の転写性の更なる向上を図ることができる。

離型層に含有されるバインダー樹脂としては、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、シリコーン変性樹脂、フッ素樹脂、フッ素変性樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂、熱架橋性エポキシ−アミノ樹脂及び熱架橋性アルキッド−アミノ樹脂等が挙げられる。また、離型層は、1種の樹脂からなるものであってもよく、2種以上の樹脂からなるものであってもよい。また離型層は、離型性樹脂に加えイソシアネート化合物等の架橋剤、錫系触媒、アルミニウム系触媒等の触媒を用いて形成することとしてもよい。離型層の厚みは0.2μm以上5μm以下の範囲が一般的である。離型層の形成方法としては、上記樹脂を適当な溶剤により、溶解または分散させて離型層用塗工液を調製し、この塗工液を基材50上に塗布・乾燥して形成することができる。

(背面層) また、基材50の第2転写層(55)が設けられている面とは反対側の面に背面層(図示しない)を設けることもできる。

背面層の材料について限定はなく、例えば、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート等のセルロース系樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール等のビニル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のアクリル系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン等の天然又は合成樹脂の単体又は混合物等を挙げることができる。

また、背面層は、固形あるいは液状の滑剤を含有していてもよい。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等を挙げることができる。背面層の総質量に対する滑剤の質量は、5質量%以上50質量%以下の範囲、好ましくは10質量%以上40質量%以下の範囲である。

背面層の形成方法について特に限定はなく、樹脂、必要に応じて添加される滑剤等を、適当な溶剤中に溶解または分散させて、背面層用塗工液を調製し、この塗工液を基材50上に塗布・乾燥して形成することができる。背面層の厚みは、1μm以上10μm以下の範囲が好ましい。

また、図6に示すように、基材50の一方の面上に面順次に設けられる第1色材層(51)、第2転写層(55)、第2色材層(52)の集合体を「1ユニット」としたときに、基材50の同一面上にこの「1ユニット」を繰り返し並べて設けることもできる。この形態の熱転写シート100によれば、1つの中間転写媒体の第1転写層(5)上に、熱転写シートの「1ユニット」によって、第1画像(20)、第2画像(30)の形成を行った後に、同一の熱転写シート100が有する他の「1ユニット」によって、他の1つの中間転写媒体の第1転写層(5)上に第1画像(20)、第2画像(30)の形成を行うことができる。つまりは、1つの熱転写シートにより、複数の印画物300を形成することができる。なお、「1ユニット」とは、立体画像を有する1つの印画物を形成する際に用いられる色材層、及び第2転写層(55)の集合体を意味する。

図7、図8は、「1ユニット」の例を示す概略断面図であり、図7では、色相の異なる複数の色材層の群によって第1色材層(51)が構成され、また、色相の異なる複数の色材層の群によって第2色材層(52)が構成され、複数の色材層の群からなる第1色材層(51)、第2転写層(55)、複数の色材層の群からなる第2色材層(52)の集合体によって「1ユニット」が形成されている。図8では、基材50の同一面上に、第1色材層(51)、第2転写層(55')、第2色材層(52)、第2転写層(55'' )、第3色材層(53)が設けられ、これらの集合体によって「1ユニット」が形成されている。図8に示す形態の熱転写シートによれば、第2転写層(55')上に第2画像(30)を転写した後に、第2色材層(52)と第3色材層(53)との間に位置する第2転写層(55'')を、第2画像(30)が形成された第2転写層(55')上に転写し、この第2転写層(55'')上に、第3色材層(53)を用いて第3画像を形成することができる。また、「1ユニット」は、第4色材層、第5色材層・・・第N−1色材層、第N色材層を含んでいてもよい。この場合において、各色材層間には、第2転写層(55)が位置している。

一例としての熱転写シートは、「1ユニット」を構成する第1色材層(51)、及び第2色材層(52)の何れか一方、又は双方の層が、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層であるか、或いは熱溶融性インキ層となっている。例えば、第1色材層、及び第2色材層の双方を昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層としてもよく、第1色材層、及び第2色材層の双方を熱溶融性インキ層としてもよく、第1色材層、及び第2色材層の何れか一方の層を、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する色材層とし、他方の層を熱溶融性インキ層としてもよい。また、第1色材層、及び第2色材層の双方を、昇華性染料を含有する色材層としてもよい。また、第1色材層、及び第2色材層の双方を、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の何れかの層としてもよい。また、また、第1色材層、及び第2色材層の双方を、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層の群から選択される2以上の層から構成してもよい。例えば、イエロー色材層、マゼンタ色材層を並べたものを第1色材層とし、マゼンタ色材層とシアン色材層とを並べたものを第2色材層としてもよい。また、上記で説明した形態を適宜組合せることもできる。なお、一実施形態の熱転写シート100によれば、第1色材層(51)により形成される第1画像(20)と、第2色材層(52)により形成される第2画像(30)が所定の間隔をあけて配置された立体画像を得ることができ、換言すれば、第2転写層(55)の厚みに相当する厚み分、第1画像(20)と第2画像(30)とを離間させることができる。これにより、第1画像(20)に含まれる色材成分と、第2画像(30)に含まれる色材成分の相性が悪い場合であっても、画像に滲み等を生じさせることなく、鮮明な立体画像を形成することができる。具体的には、昇華性染料を含有する第1色材層(51)を用いて、第1画像(20)を形成し、蛍光染料を含有する第2色材層(52)を用いて、第2画像(30)を形成した場合においても、第2画像(30)の発色特性等を十分に発揮せしめることができる。

また、第1色材層(51)、第2色材層(52)、或いは、これ以外の色材層を、ホログラム転写層とすることもできる。ホログラム転写層としては、例えば、凹凸パターン(干渉縞)を備える層を使用してもよく、ホログラム上に金属蒸着等で金色、銀色等の着色したものを用いることもできる。また、上記隠蔽層54にかえて、或いは第2転写層(55)と隠蔽層54との間や、隠蔽層54上にホログラム転写層を位置させることもできる。

<被転写体を準備する工程> 後述する第2転写工程において、第1転写層(5)、第1画像(20)、第2転写層(55)、第2画像(30)がこの順で積層されてなる転写箔60が転写される被転写体について如何なる限定もされることはなく、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネートを主体として構成されるプラスチックカード等を挙げることができる。被転写体として所定の画像を有するものを用いることもできる。また、被転写体200として透明性を有する被転写体を用いることで、最終的に形成される印画物300の表面側、及び裏面側から第1画像形成工程、第2画像形成工程において形成された画像の何れか一方の画像、及び双方の画像を視認することが可能となる。特に、熱転写シート100の第2転写層(55)が、隠蔽層54を含む第2転写層(55)である場合には、隠蔽層によって印画物300の一方の面側から隠蔽された画像を、印画物の他方の面側から視認可能とすべく、透明性を有する被転写体200を用いることが好ましい。

次に、上記で準備した中間転写媒体10、熱転写シート100、被転写体200を用いて印画物300を形成する工程について、図9〜図11を用いて具体的に説明する。なお、図9は、支持体1上に染料受容性を有する受容層を含む第1転写層(5)が設けられた中間転写媒体10と、基材50の一方の面上に、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する第1色材層(51)、染料受容性を有する受容層を含む第2転写層(55)、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する第2色材層(52)が面順次に設けられた熱転写シート100とを組合せた例を示す工程図であり、図10は、支持体1上に染料受容性を有する受容層を含む第1転写層(5)が設けられた中間転写媒体10と、基材50の一方の面上に、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する第1色材層(51)、染料受容性を有する受容層55Aと隠蔽層54が積層されてなる第2転写層(55)、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する第2色材層(52)が面順次に設けられた熱転写シート100とを組合せた例を示す工程図であり、図11は、支持体1上に染料受容性を有する受容層を含む第1転写層(5)が設けられた中間転写媒体10と、基材50の一方の面上に、昇華性染料、又は蛍光染料を含有する第1色材層(51)、ヒートシールパネル55Bからなる第2転写層(55)、熱溶融性インキ層としての第2色材層(52)が面順次に設けられた熱転写シート100とを組合せた例を示す工程図である。

<第1画像形成工程> 本工程は、図9(a)、図10(a)、図11(a)に示すように、上記で準備した中間転写媒体10と、熱転写シート100とを、中間転写媒体10の第1転写層(5)と、熱転写シート100の第1色材層(51)とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用いて、第1転写層(5)上に、第1画像(20)を形成する工程である。なお、図9〜図11では、昇華型熱転写方式によって、第1転写層(5)上に、第1色材層(51)が含有している染料を転写することで第1画像(20)が形成されている。なお、上記で説明したように、第1転写層(5)としてヒートシールパネルを用い、第1色材層(51)を熱溶融性インキ層とし、熱溶融型熱転写方式によって、第1転写層(5)上に、第1色材層(51)を溶融転写して、第1画像(20)を形成することもできる。

<第1転写工程> 本工程は、上記第1画像形成工程後に、中間転写媒体10の第1転写層(5)(第1画像(20)が形成された第1転写層(5))と、熱転写シート100の第2転写層(55)とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用いて、図9(b)、図10(b)、図11(b)に示すように、第1画像(20)が形成された第1転写層(5)上に、第2転写層(55)を転写する工程である。なお、図10(b)に示す形態では、基材50側から受容層(55A)、隠蔽層54がこの順で積層されてなる第2転写層(55)が、第1画像(20)が形成された第1転写層(5)上に転写され、図11(b)に示す形態では、ヒートシールパネルから構成される第2転写層(55)が、第1画像(20)が形成された第1転写層(5)上に転写されている。第2転写層(55)を転写する方法について特に限定はなく、サーマルヘッド等による加熱デバイスを用いる方法の他、例えば、ホットスタンプ方式や、ヒートロール方式等を用いることができる。また、これ以外の方式により第2転写層(55)を転写することもできる。第2転写工程において、転写箔60を被転写体200上に転写する場合についても同様である。

<第2画像形成工程> 本工程は、上記第2転写工程後に、中間転写媒体10の第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)と、熱転写シート100の第2色材層(52)とが対向するように重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱デバイスを用いて、図9(c)、図10(c)、図11(c)に示すように、第2転写層(55)上に第2画像(30)を形成する工程である。なお、図9、図10に示す形態では、昇華型熱転写方式によって、第2転写層(55)上に、第2色材層(52)が含有している染料を移行させることで第2画像(30)が形成されており、図11に示す形態では、熱溶融型熱転写方式によって、ヒートシールパネル55Bとしての第2転写層(55)上に、熱溶融性インキ層としての第2色材層(52)を溶融転写することで、第2画像(30)が形成されている。

上記第1画像形成工程、第1転写工程、第2画像形成工程を経ることで、中間転写媒体10の支持体1上に、第1転写層(5)、第1画像(20)、第2転写層(55)、第2画像(30)がこの順で積層されてなる中間転写媒体10を得る。以下、第1転写層(5)、第1画像(20)、第2転写層(55)、第2画像(30)の積層体のことを転写箔60と称する。

第2画像(30)の形成位置について特に限定はなく、第1画像(20)の一部、又は全部と厚み方向で重なる位置に形成してもよく、第1画像(20)の一部、又は全部と厚み方向で重ならない位置に形成してもよい(図9(c)、図10(c)、図11(c)に示す形態では、第1画像(20)の一部と第2画像(30)が厚み方向で重なっている)。なお、第1画像(20)の一部、又は全部と厚み方向で重なる位置に第2画像(30)を形成することで、第1画像(20)と、第2画像(30)とが厚み方向で重なり合う部分において、見掛け上の熱転写画像の濃度の向上を図ることができる。

<第2転写工程> 本工程は、上記で準備した被転写体200と、第2画像(30)が形成された中間転写媒体10とを、被転写体200と、中間転写媒体10の転写箔60とが対向するように重ね合わせ、被転写体200上に転写箔60を転写する工程である。換言すれば、中間転写媒体10の第1転写層(5)を、当該第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)とともに被転写体200上に転写する工程である。第2転写工程を経ることで、被転写体200上に、第1画像(20)、及び第2画像(30)が厚み方向に所定の間隔をあけて配置された立体画像を有する印画物300を得る。なお、図10に示す形態によって形成された印画物300は、第1画像(20)と第2画像(30)との間に隠蔽層54が位置しており、当該印画物300を、第1転写層(5)側からみたときに、隠蔽層54によって第2画像(30)が隠蔽されている。

以上、一実施形態の印画物の形成方法について、図9〜図11を用いて説明を行ったが、本発明の印画物の形成方法は、熱転写シートと、1つの中間転写媒体を用いて、複数の画像が厚み方向に所定の間隔をあけて配置された印画物、つまりは、立体画像を有する印画物を形成可能としている点を特徴とするものであり、当該1つの中間転写媒体が、被転写体上に転写可能な第1転写層を備え、また、熱転写シートが、上記(i)〜(iii)の形態の熱転写シートである、つまりは、中間転写媒体の第1転写層上に第1画像を形成するための第1色材層と、第2転写層と、当該第2転写層上に第2画像を形成するための第2色材層を有するとの条件を満たすものであればよく、これ以外の条件について如何なる限定もされることはない。

したがって、本発明の印画物の形成方法は、図示する形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各種の変形形態ととることができる。例えば、熱転写シート100として、図8に示す形態の熱転写シートを用い、第1画像(20)、第2画像(30)とともに、他の画像を有する印画物300を得ることもできる。また、上記で説明した中間転写媒体10と、上記で説明した熱転写シート100を適宜組合せて印画物300を形成することもできる。また、昇華性染料、或いは蛍光染料を含有する第1色材層、或いは第2色材層、熱溶融性インキ層としての第1色材層、或いは第2色材層にかえて、これ以外の色材成分を含有する色材層を用いることもできる。

<<他の実施形態の印画物の形成方法>> 次に、本開示の他の実施の形態に係る印画物の形成方法(以下、他の実施形態の印画物の形成方法と言う)について説明する。他の実施形態の印画物の形成方法は、支持体1の一方の面上に、当該支持体1から第1転写層(5)が剥離可能に設けられた中間転写媒体10(図1、図2参照)を準備する工程と、熱転写シート100を準備する工程と、被転写体200を準備する工程と、を含み、熱転写シート100が、第1色材層(51)、隠蔽層54を含む第2色材層(52)、第2転写層(55)を有し、(i)基材50上に第1色材層(51)が設けられた熱転写シートと、基材50上に第2色材層(52)が設けられた熱転写シートと、基材50上に第2転写層(55)が設けられた熱転写シートの組合せであるか、(ii)基材50上に第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)のうちの何れか1つの層が設けられた熱転写シートと、基材50上に他の2つの層が面順次に設けられた熱転写シートとの組合せであるか、(iii)基材50上に第1色材層(51)、第2色材層(52)、第2転写層(55)が面順次に設けられた熱転写シート(図8参照)の何れかであり、中間転写媒体10と熱転写シート100とを組合せ、熱転写シート100の第1色材層(51)を用いて、中間転写媒体10の第1転写層(5)上の一部に第1画像(20)を形成する第1画像形成工程(図12(a)参照)と、第1転写層(5)の第1画像(20)が形成されていない領域の少なくとも一部を露出させるようにして、第1画像(20)上に、熱転写シート100の第2転写層(55)を転写する第1転写工程(図12(b)参照)と、熱転写シート100の第2色材層(52)を用いて、露出している第1転写層(5)上に第2画像(30)を形成する第2画像形成工程(図12(c)参照)と、中間転写媒体の第1転写層(5)を、第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)とともに被転写体200上に転写する第2転写工程(図12(d)参照)と、を含むことを特徴としている。

上記一実施形態の印画物の形成方法が、第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)上に第2画像(30)を形成しているのに対し、他の実施形態の印画物の形成方法では、第1転写層(5)上に、第1画像(20)、及び第2画像(30)を形成し、第1画像(20)上に、隠蔽層54を含む第2転写層(55)を転写している点で、一実施形態の印画物の形成方法と、他の実施形態の印画物の形成方法は相違し、その他の点では一致している。以下、一実施形態の印画物の形成方法との相違点を中心に他の実施形態の印画物の形成方法について説明する。

<中間転写媒体を準備する工程> 本工程で準備される中間転写媒体としては、上記一実施形態の印画物の形成方法において説明した中間転写媒体10を適宜選択して用いることができる。

<熱転写シートを準備する工程> 本工程で準備される熱転写シートは、第2転写層(55)が隠蔽層54を含んでいることを必須の条件としている点を除き、上記一実施形態の印画物の形成方法で説明した熱転写シート100を適宜選択して用いることができる。

第2転写層(55)は、隠蔽層54のみからなる単層構成を呈していてもよく、隠蔽層54を含む積層構成を呈していてもよい。例えば、第2転写層(55)上に、昇華型熱転写方式を用いて他の画像を形成する場合には、第2転写層(55)を、基材50側から、受容層55A、隠蔽層54がこの順で積層されてなる積層構成を呈していてもよい。また、隠蔽層54を含むこれ以外の構成とすることもできる。なお、隠蔽層54を含む第2転写層(55)は、第1画像(20)上に転写され、最終的に形成される印画物を一方の面側から視認したときに、第1画像(20)を隠蔽する役割を果たす。

<第1画像形成工程> 他の実施形態の第1画像形成工程は、上記で準備した中間転写媒体10と熱転写シート100とを組合せ、熱転写シート100の第1色材層(51)を用いて、図12(a)に示すように、中間転写媒体10の第1転写層(5)上の一部に第1画像(20)を形成する工程である。換言すれば、第1転写層(5)の全部ではなく、一部の領域上に第1画像(20)を形成する工程である。

<第1転写工程> 他の実施形態の第1転写工程は、図12(b)に示すように、第1転写層(5)の第1画像(20)が形成されていない領域の少なくとも一部を露出させるようにして、第1画像(20)上に、隠蔽層54を含む第2転写層(55)を転写する工程である。第2転写層(55)は、第1画像(20)の全面、及び第1転写層(5)の表面の一部を覆うように転写してもよく、第1画像(20)の全面のみを覆うように転写してもよく、第1画像(20)の一部を覆うように転写してもよい(図示する形態では、第1画像(20)と同一形状で、第2転写層(55)を転写している)。

<第2画像形成工程> 他の実施形態の第2画像形成工程は、熱転写シート100の第2色材層(52)を用いて、図12(c)に示すように、露出している第1転写層(5)上に第2画像(30)を形成する工程である。第2画像(20)は、上記露出している第1転写層(5)上、及び第2転写層(55)上に形成することもできる。

第2画像形成工程は、上記第1画像形成工程、或いは第1転写工程の前に行うこともできる。具体的には、第1転写層(50)上に第1画像(20)を形成し、次いで、第1転写層(50)上であって、第1画像(20)が形成されていない領域上に第2画像(30)を形成し、その後、第1画像(20)上に第2転写層(55)を転写してもよい。また、第1転写層(50)上に第2画像(30)を形成し、その後、第1画像形成工程、第1転写工程を行ってもよい。

<第2転写工程> 他の実施形態の第2転写工程は、図12(d)に示すように、中間転写媒体の第1転写層(5)を、第1転写層(5)上に転写された第2転写層(55)とともに被転写体200上に転写する工程である。具体的には、その表面に第1画像(20)、及び第2画像(30)が形成された第1転写層と、第1画像(20)上に転写されてなる第2転写層(55)とが積層されてなる転写箔60を、被転写体200上に転写する工程である。第2転写工程を経ることで、第1画像(20)、第2画像(30)を有し、且つ第1画像(20)が隠蔽層54を含む第2転写層(55)によって隠蔽されてなる印画物300を得る。

以上説明した他の実施形態の印画物の形成方法によれば、第1画像(20)、第2画像(30)を有し、且つ第1画像(20)が隠蔽層54を含む第2転写層(55)によって隠蔽されてなる意匠性の高い印画物300を得ることができる。なお、第1画像(20)、第2画像(30)は、昇華型熱転写方式、熱溶融型熱転写方式の何れの方法を用いて形成された画像であってもよい。また、他の実施形態の印画物の形成方法は、上記一実施形態の印画物の形成方法で説明した構成を適宜組合せることもできる。

<<熱転写シート>> 次に、本本開示の実施の形態に係る熱転写シート(以下、一実施形態の熱転写シートと言う)について説明する。一実施形態の熱転写シート100は、色材層を有する熱転写シートであって、図6〜図8に示すように、基材50の一方の面上に、第1色材層(51)、転写層(55)、第2色材層(52)が面順次に設けられ、転写層(55)は、基材50から剥離可能に設けられ、第1色材層(51)、転写層(55)、第2色材層(52)の集合体を1ユニットとしたときに、基材50の同一面上には、1ユニットが繰り返し並んで設けられていることを特徴としている。

この特徴を有する一実施形態の熱転写シートによれば、1つの中間転写媒体と組合せて、立体画像を有する印画物を形成することができる。

一実施形態の熱転写シート100は、上記印画物の形成方法において説明した熱転写シート100を適宜選択して用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。

<<熱転写シートと中間転写媒体の組合せ>> 次に、本開示の実施の形態に係る熱転写シートと中間転写媒体との組合せ(以下、一実施形態の組合せと言う)について説明する。

一実施形態の組合せは、当該組合せにおける熱転写シートが、上記一実施形態の熱転写シートであるか、或いは、上記一実施形態の印画物の形成方法で説明した熱転写シートであり、中間転写媒体が、上記一実施形態の印画物の形成方法で説明した中間転写媒体であることを特徴としている。

この特徴を有する一実施形態の組合せによれば、立体画像を有する印画物を形成することができる。

(中間転写媒体1の作成) 支持体として厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、該支持体上に、下記組成の剥離層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し剥離層を形成した。次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を乾燥時の厚みが2μmになるように塗布・乾燥し保護層を形成した。さらに該保護層の上に下記組成の受容層用塗工液Aを乾燥時の厚みが1.5μmになるように塗布・乾燥し受容層を形成することで、支持体上に、剥離層、保護層、受容層がこの順で積層されてなる第1転写層が設けられた中間転写媒体1を得た。

<剥離層用塗工液> ・アクリル樹脂 29部 (ダイヤナール(登録商標) BR−87 三菱レイヨン(株)) ・ポリエステル樹脂 1部 (バイロン(登録商標)200 東洋紡(株)) ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部

<保護層用塗工液> ・ポリエステル樹脂 30部 (バイロン200 東洋紡(株)) ・メチルエチルケトン 35部 ・トルエン 35部

<受容層用塗工液A> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 1部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 79部

(熱転写シート1の作成) 基材として、厚さ5.0μmの易接着層付きのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この基材の易接着層側に、下記組成の昇華性蛍光色材層用塗工液1を乾燥時の厚みが0.5μmになるように塗布・乾燥し昇華性蛍光色材層のみからなる第1色材層(1)を形成した。

<昇華性蛍光色材層用塗工液1> ・蛍光増白剤 2部 (ユビテックス(登録商標)OB BASF社) ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4部 (エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

次いで、上記基材の易接着層側に、下記組成の離型層用塗工液を乾燥時の厚みが0.2μmになるように塗布・乾燥し離型層を形成し、次いで、離型層上に、下記組成の受容層用塗工液1を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し受容層を形成した。次いで、受容層上に、下記組成の中間層用塗工液を乾燥時の厚みが0.15μmになるように塗布・乾燥し中間層を形成し、この中間層上に、下記組成のヒートシール層用塗工液1を乾燥時の厚みが2μmになるように塗布・乾燥しヒートシール層を形成することで、基材の一方の面上に設けられた離型層上に、受容層、中間層、ヒートシール層がこの順で積層された第2転写層(1)を、上記第1色材層(1)と面順次に形成した。

<離型層用塗工液> ・ウレタン系樹脂 25部 ・ポリビニルアセタール樹脂 75部 (エスレック(登録商標) KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 950部 ・イソプロピルアルコール 950部

<受容層用塗工液1> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 16.8部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・シリコーンオイル 1.2部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・シリコーンオイル 1.2部 (X−24−510 信越化学工業(株)) ・シリコーンオイル 0.8部 (KF−352A 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

<中間層用塗工液> ・コロイダルアルミナ(固形分10.5%) 3.5部 (アルミナゾル200 日産化学工業(株)) ・酢酸ビニルビニルピロリドン共重合体 1.5部 (PVP/VA E−335 ISPジャパン(株) ・水 47.5部 ・イソプロピルアルコール 47.5部

<ヒートシール層用塗工液1> ・アクリル系樹脂 16部 (ダイヤナール(登録商標) BR−87 三菱レイヨン(株)) ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 4部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

次いで、上記基材の易接着層側に、下記組成のイエロー色材層用塗工液、マゼンタ色材層用塗工液、シアン色材層用塗工液を、それぞれ乾燥時の厚みが0.5μmになるように塗布・乾燥しイエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層がこの順で面順次に設けられた第2色材層(1)を、上記第1色材層(1)、及び第2転写層(1)と面順次に形成した。

<イエロー色材層用塗工液> ・ソルベントイエロー93 5部 ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 4部 (エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

<マゼンタ色材層用塗工液> ・ディスパースレッド60 3部 ・ディスパースバイオレット26 3部 ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5部 (エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

<シアン色材層用塗工液> ・ソルベントブルー63 3部 ・ディスパースブルー354 2.5部 ・ポリビニルアセトアセタール樹脂 5部 (エスレック(登録商標)KS−5 積水化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

また、基材の易接着層とは反対側の面に、下記組成の背面層用塗工液を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し背面層を形成することで、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(1)、第2転写層(1)、第2色材層(1)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シート(1)を作成した。

<背面層用塗工液> ・ポリビニルブチラール樹脂 1.8部 (エスレック(登録商標)BX−1 積水化学工業(株)) ・ポリイソシアネート 5.5部 (バーノック(登録商標) D750 DIC(株)) ・リン酸エステル系界面活性剤 1.6部 (プライサーフ(登録商標)A208N 第一工業製薬(株)) ・タルク 0.35部 (ミクロエース(登録商標)P−3 日本タルク工業(株)) ・トルエン 18.5部 ・メチルエチルケトン 18.5部

(熱転写シート2の作成) 熱転写シート1の第1色材層(1)を形成する方法にかえて、基材の易接着層側に、上記組成の離型層用塗工液を乾燥時の厚みが0.2μmになるように塗布・乾燥し離型層を形成し、次いで、離型層上に下記組成の溶融転写層用塗工液1を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し熱溶融性蛍光層を形成し、離型層上に、熱溶融性蛍光層のみからなる第1色材層(2)を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の方法にて、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(2)、第2転写層(1)、第2色材層(1)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シート2を作成した。

<溶融転写層用塗工液1(熱溶融性蛍光転写層用塗工液)> ・蛍光増白剤 0.5部 (ユビテックス(登録商標)OB BASF社) ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 9.5部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

(熱転写シート3の作成) 熱転写シート1の第1色材層(1)を形成する方法にかえて、基材の易接着層側に、上記組成の離型層用塗工液を乾燥時の厚みが0.2μmになるように塗布・乾燥し離型層を形成し、次いで、離型層上に下記組成の溶融転写層用塗工液2を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し熱溶融性顔料層を形成し、離型層上に、熱溶融性顔料層のみからなる第1色材層(3)を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の方法にて、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(3)、第2転写層(1)、第2色材層(1)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シート3を作成した。

<溶融転写層用塗工液2(熱溶融性顔料転写層用塗工液)> ・ディスパースイエロー54 4部 ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 6部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・トルエン 50部 ・メチルエチルケトン 50部

(熱転写シート4の作成) 第1色材層(1)を上記第1色材層(2)に変更し、第2色材層(1)を上記第1色材層(3)と同じ構成の第2色材層(2)に変更し、第2転写層(1)を形成する方法にかえて、基材の易接着層側に、上記組成の離型層用塗工液を乾燥時の厚みが0.2μmになるように塗布・乾燥し離型層を形成し、次いで、離型層上に下記組成のヒートシール層用塗工液2を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し、離型層上に、ヒートシール層のみからなる第2転写層(2)を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の方法にて、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(2)、第2転写層(2)、第2色材層(2)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シート4を作成した。

<ヒートシール層用塗工液2> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 20部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(熱転写シート5の作成) 熱転写シート1の第2転写層(1)を形成する方法にかえて、上記基材の易接着層側に、上記組成の離型層用塗工液を乾燥時の厚みが0.2μmになるように塗布・乾燥し離型層を形成した。次いで、離型層上に、下記組成の受容層用塗工液2を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し受容層を形成した。次いで、受容層上に、上記組成の中間層用塗工液を乾燥時の厚みが0.15μmになるように塗布・乾燥し中間層を形成した。次いで、中間層上に、上記組成のヒートシール層用塗工液1を乾燥時の厚みが2μmになるように塗布・乾燥しヒートシール層を形成することで、基材の一方の面上に形成された離型層上に、受容層、中間層、ヒートシール層がこの順で積層されてなる第2転写層(3)を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の方法にて、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(1)、第2転写層(3)、第2色材層(1)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シート5を作成した。

<受容層用塗工液2> ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15.8部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・セルロースアセテートブチレート樹脂(Mn:30000) 1.0部 (CAB381−0.5 イーストマンケミカル(株)) ・シリコーンオイル 1.2部 (X−22−3000T 信越化学工業(株)) ・シリコーンオイル 1.2部 (X−24−510 信越化学工業(株)) ・シリコーンオイル 0.8部 (KF−352A 信越化学工業(株)) ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(熱転写シート6の作成) 熱転写シート1の第2転写層(1)を形成する方法にかえて、上記基材の易接着層側に、上記組成の離型層用塗工液を乾燥時の厚みが0.2μmになるように塗布・乾燥し離型層を形成した。次いで、離型層上に、上記組成の受容層用塗工液2を乾燥時の厚みが1μmになるように塗布・乾燥し受容層を形成した。次いで、受容層上に、上記組成の中間層用塗工液を乾燥時の厚みが0.15μmになるように塗布・乾燥し中間層を形成した。次いで、中間層上に、下記組成のヒートシール層用塗工液3を乾燥時の厚みが2μmになるように塗布・乾燥しヒートシール層を形成することで、基材の一方の面上に形成された離型層上に、受容層、中間層、ヒートシール層がこの順で積層されてなる第2転写層(4)を形成した以外は、全て熱転写シート1と同様の方法にて、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(1)、第2転写層(4)、第2色材層(1)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シート6を作成した。

<ヒートシール層用塗工液3> ・アクリル系樹脂 3部 (ダイヤナール(登録商標) BR−87 三菱レイヨン(株)) ・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 1部 (ソルバイン(登録商標)CNL 日信化学工業(株)) ・酸化チタン 16部 ・メチルエチルケトン 40部 ・トルエン 40部

(熱転写シートAの作成) 第2転写層(1)を形成しなかった以外は全て熱転写シート1と同じ方法で、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(1)、第2色材層(1)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シートAを作成した。

(熱転写シートBの作成) 第1色材層(1)を第1色材層(3)に変更し、第2転写層(1)を形成しなかった以外は全て熱転写シート1と同じ方法で、基材の易接着層側である一方の面側に第1色材層(3)、第2色材層(1)がこの順で面順次に設けられ、基材の他方の面側に背面層が設けられた熱転写シートBを作成した。

(熱転写シートと中間転写媒体の組合せ) 下表1に示す熱転写シートと中間転写媒体との組合せを各実施例、及び比較例の組合せとした。

(各実施例の印画物の形成) 下表1に示される各実施例の組合せの熱転写シートと中間転写媒体とを用い、下記プリンタにより、実施例1、5、6の組合せにおいては画像パターンに応じたエネルギーを印加し、中間転写媒体の第1転写層上に、熱転写シートの第1色材層が含有している色材成分を移行させることで、また、実施例2〜4の組合せにおいては、55/255階調のエネルギーを印加し、中間転写媒体の第1転写層上に、熱転写シートの第1色材層を転写することで、第1転写層上に、第1画像を形成した。次いで、下記プリンタを用い、55/255階調の印画条件にて、第1画像上に、熱転写シートの第2転写層を転写した。次いで、下記プリンタにより、実施例1〜3、5、6の組合せにおいては画像パターンに応じたエネルギーを印加し、第2転写層上に、熱転写シートの第2色材層が含有している色材成分を移行させることで、また、実施例4の組合せにおいては、55/255階調のエネルギーを印加し、第2転写層上に、熱転写シートの第2色材層を転写することで、第2転写層上に、第2画像を形成した。次いで、カード用ラミネーター(SIP社製)を用い、180℃、2inch/sec.の条件にて、被転写体としてのポリ塩化ビニル製カード(PVCカード)(大日本印刷(株))上に、第2画像が形成された第2転写層を、第1画像が形成された第1転写層とともに、被転写体上に転写することにより各実施例の印画物を形成した。なお、実施例6の組合せにおいては、55/255階調のエネルギーを印加し、第1画像の画像形成領域上のみに第2転写層を転写し、第1転写層(第2転写層が転写されていない領域)上に第2色材層を転写することで、第2画像を形成した。

(各比較例の印画物の形成) 下表1に示される各比較例の組合せの熱転写シートと中間転写媒体とを用い、下記プリンタにより、比較例1の組合せにおいては画像パターンに応じたエネルギーを印加し、中間転写媒体の第1転写層上に、熱転写シートの第1色材層が含有している色材成分を移行させることで、また、比較例2の組合せにおいては、55/255階調のエネルギーを印加し、中間転写媒体の第1転写層上に、熱転写シートの第1色材層を転写することで、第1転写層上に、第1画像を形成した。次いで、下記プリンタにより、画像パターンに応じたエネルギーを印加して、第1画像上に、熱転写シートの第2色材層が含有している色材成分を移行させ、第2画像を形成した。次いで、カード用ラミネーター(SIP社製)を用い、180℃、2inch/sec.の条件にて、被転写体としてのポリ塩化ビニル製カード(PVCカード)(大日本印刷(株))上に、第1画像、及び第2画像が形成された第1転写層を転写することで各比較例の印画物を形成した。

(プリンタ) サーマルヘッド:KEE−57−12GAN2−STA(京セラ(株)) 発熱体平均抵抗値:3303(Ω) 主走査方向印字密度:300(dpi) 副走査方向印字密度:300(dpi) ライン周期:3.0(msec./line) 印字開始温度:35(℃) パルスDuty比:85(%) 印画電圧:18.0(V)

(蛍光評価) 実施例1、2、4〜6、比較例1の印画物に対しブラックライトを照射したときの、蛍光染料の発行を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて蛍光評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。

「評価基準」 A・・・ブラックライトを照射し、蛍光発光が鮮明に見える。 NG・・・ブラックライトを照射しても、蛍光発光がほとんど確認できない。

(奥行き評価) 各実施例、及び比較例の印画物を目視で確認し、各印画物が奥行き感を有しているかについて、具体的には、第1画像と第2画像との間に立体感が付与されているかについて、目視で確認し、以下の評価基準に基づいて奥行き評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。

「評価基準」 A・・・印画物が奥行き感(立体感)を有している。 NG・・・印画物が奥行き感(立体感)を有していない。

10・・・中間転写媒体 1・・・支持体 5・・・第1転写層 100・・・熱転写シート 50・・・基材 51・・・第1色材層 52・・・第2色材層 53・・・第3色材層 54・・・機能層、隠蔽層 55、55'、55''・・・第2転写層 55A・・・受容層 55B・・・ヒートシールパネル 20・・・第1画像 30・・・第2画像 60・・・転写箔 200・・・被転写体 300・・・印画物

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