画像形成装置、記録媒体のテンション制御方法

申请号 JP2013058069 申请日 2013-03-21 公开(公告)号 JP6268727B2 公开(公告)日 2018-01-31
申请人 セイコーエプソン株式会社; 发明人 ▲徳▼島 大己;
摘要
权利要求

第1ローラーと、 前記第1ローラーとの間に記録媒体が架け渡される第2ローラーと、 前記第1ローラーと前記第2ローラーの間の画像形成領域で前記記録媒体に画像形成を行うヘッドと、 装置内部を覆う外装部材と、 前記外装部材に設けられた開閉扉と、 前記開閉扉の開動作を規制する開閉規制部と、 前記ヘッドが前記画像形成を行っている間は、前記第1ローラーおよび前記第2ローラーの回転を制御して前記画像形成領域の前記記録媒体にテンションを与えつつ前記記録媒体を搬送するとともに、前記開閉規制部により前記開閉扉の開動作を規制する制御部と、 前記記録媒体を着脱自在に支持しつつ回転することで、前記画像形成領域への前記記録媒体の供給あるいは前記画像形成領域からの前記記録媒体の回収を行う回転軸と、 を備え、 前記開閉扉は、前記回転軸に対向して設けられており、 前記制御部は、前記第1ローラーおよび前記第2ローラーの回転を制御することで前記画像形成領域の前記記録媒体にテンションを与えた状態で前記記録媒体を停止させる規制解除準備動作を行ってから前記回転軸に支持される前記記録媒体のテンションを解除した以後に、前記開閉規制部による前記開閉扉の開動作の規制を解除することを特徴とする画像形成装置。前記回転軸を駆動するモーターをさらに備え、前記制御部は、前記モーターから前記回転軸への動の伝達を停止することで、前記回転軸に支持される前記記録媒体のテンションを解除する請求項1に記載の画像形成装置。前記開閉扉の開閉を検知する開閉検知部をさらに備え、 前記制御部は、前記開閉検知部の検知結果に基づいて前記開閉扉の閉状態を確認した上で、前記開閉規制部により前記開閉扉の開動作を規制する請求項1または2に記載の画像形成装置。前記制御部は、前記開閉規制部により前記開閉扉の開動作を規制した以後に、前記回転軸に支持される前記記録媒体にテンションを与える請求項3に記載の画像形成装置。作業者からの入力を受け付ける入力部をさらに備え、前記制御部は、前記開閉扉の開動作を伴う作業を実行することを示す入力が前記入力部にあると、前記規制解除準備動作を行った以後に、前記開閉規制部による前記開閉扉の開動作の規制を解除する請求項1ないし4のいずれか一項に記載の画像形成装置。記録媒体を着脱自在に支持しつつ回転することで、画像形成領域への前記記録媒体の供給あるいは前記画像形成領域からの前記記録媒体の回収を行う回転軸と、装置内部を覆う外装部材と、前記回転軸に対向して前記外装部材に設けられた開閉扉と、を備え、前記画像形成領域で前記記録媒体に画像形成を行う画像形成装置における記録媒体のテンション制御方法であって、 画像形成が実行されている間は、前記画像形成領域の前記記録媒体にテンションを与えつつ前記記録媒体を搬送するとともに、前記開閉扉の開動作を規制する工程と、 前記画像形成領域の前記記録媒体にテンションを与えた状態で前記記録媒体を停止させる規制解除準備動作を行ってから前記回転軸に支持される前記記録媒体のテンションを解除した以後に、前記開閉扉の開動作の規制を解除する工程と を備えたことを特徴とする記録媒体のテンション制御方法。

说明书全文

この発明は、記録媒体に画像形成を行う画像形成装置における記録媒体のテンション制御に関し、特に画像形成装置が具備する外装部材に設けられた開閉扉を開閉する際における記録媒体のテンション制御に関する。

特許文献1の記録装置は、連続紙を巻き掛ける2本の搬送ローラーを回転させて連続紙を搬送しつつ、2本の搬送ローラーの間の領域にある連続紙に対して印字部により画像形成を行う。特にこの記録装置では、2本の搬送ローラーの間の領域にある連続紙に対してテンションが与えられており、連続紙に弛みが無い状態で、適切な画像形成を連続紙に行えるように構成されている。

特開平10−086472号公報

ところで、このような画像形成装置では、外装部材に開閉扉を設けることで、作業者が画像形成装置に対して実行する各種作業の効率性を高めることができる。つまり、作業対象箇所を開閉する開閉扉が設けられていれば、作業者は開閉扉を開くことで、作業対象箇所に容易にアクセスすることができ、作業を効率的に行える。この際、作業のさらなる効率化のためには、作業者による作業中は記録媒体の搬送が停止していることが好ましい。そこで、作業者が開閉扉を開いた際には、記録媒体の搬送に関わる動作(特許文献1の例では、搬送ローラーの回転等)を中断して、記録媒体の搬送を停止するように構成することが考えられる。

しかしながら、記録媒体の搬送に関わる動作は、記録媒体にテンションを与えることにも寄与する。そのため、当該動作が中断されることで、画像形成が実行される画像形成領域(特許文献1の例では、2本の搬送ローラーの間の領域)において記録媒体のテンションが解除されてしまい、次のような問題が生じるおそれがあった。つまり、かかる構成では、テンションが付与されないことで緩んだ画像形成領域の記録媒体が、作業者の作業中に位置ずれを起こす場合があった。その結果、作業者の作業完了後に画像形成を再開する位置に対して記録媒体がずれて、例えば適切に画像形成を行えなかったり、記録媒体を無駄に消費したりするおそれがあった。

この発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、記録媒体を搬送しつつ画像形成領域で記録媒体に画像形成を行う画像形成装置において、画像形成装置の開閉扉を開けて作業者が行う作業中に、画像形成領域での記録媒体の位置ずれが生じることを抑制可能とする技術の提供を目的とする。

本発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するために、第1ローラーと、第1ローラーとの間に記録媒体が架け渡される第2ローラーと、第1ローラーと第2ローラーの間の画像形成領域で記録媒体に画像形成を行うヘッドと、装置内部を覆う外装部材と、外装部材に設けられた開閉扉と、開閉扉の開動作を規制する開閉規制部と、ヘッドが画像形成を行っている間は、第1ローラーおよび第2ローラーの回転を制御して画像形成領域の記録媒体にテンションを与えつつ記録媒体を搬送するとともに、開閉規制部により開閉扉の開動作を規制する制御部とを備え、制御部は、第1ローラーおよび第2ローラーの回転を制御することで画像形成領域の記録媒体にテンションを与えた状態で記録媒体を停止させる規制解除準備動作を行った以後に、開閉規制部による開閉扉の開動作の規制を解除することを特徴としている。

本発明にかかる記録媒体のテンション制御方法は、画像形成領域で記録媒体に画像形成を行う、外装部材に開閉扉を備えた画像形成装置における記録媒体のテンション制御方法であって、上記目的を達成するために、画像形成が実行されている間は、画像形成領域の記録媒体にテンションを与えつつ記録媒体を搬送するとともに、開閉扉の開動作を規制する工程と、画像形成領域の記録媒体にテンションを与えた状態で記録媒体を停止させる規制解除準備動作を行った以後に、開閉扉の開動作の規制を解除する工程とを備えたことを特徴としている。

このように構成された本発明(画像形成装置、記録媒体のテンション制御方法)では、画像形成装置の外装部材に設けられた開閉扉の開動作は、開閉規制部によって規制される。そのため、作業者は、開閉規制部により開動作が規制されている間は開閉扉を開くことができず、開閉規制部による開動作の規制が解除されている間に開閉扉を開くことができる。さらに、開閉扉の開動作の規制の解除は、規制解除準備動作の以後に行われる。したがって、作業者によって開閉扉が開かれる際には、規制解除準備動作が実行されて、記録媒体は、画像形成領域においてテンションが与えられた状態で停止している。その結果、開閉扉の開動作の後に作業者が実行する作業中において、画像形成領域での記録媒体の位置ずれが生じることが抑制可能となっている。ちなみに、規制解除準備動作を行った以後とは、規制解除準備動作の完了後はもちろん、規制解除準備動作の完了と同時も含む。

ちなみに、記録媒体を着脱自在に支持しつつ回転することで、画像形成領域への記録媒体の供給あるいは画像形成領域からの記録媒体の回収を行う回転軸をさらに備え、開閉扉は、回転軸に対向して設けられている画像形成装置に対しては、本発明を適用することが好適である。つまり、回転軸に対する記録媒体の交換等の作業に伴って、画像形成領域の記録媒体が位置ずれを起こすのを抑制できる。

また、制御部は、回転軸に支持される記録媒体のテンションを解除した以後に、開閉規制部による開閉扉の開動作の規制を解除するように、画像形成装置を構成しても良い。このような構成では、作業者が開閉扉を開いて記録媒体の交換等の作業を実行する際には、作業対象となる記録媒体のテンションは解除済みであるため、作業者は作業をスムーズに行うことができる。ちなみに、テンションを解除した以後とは、テンション解除の完了後はもちろん、テンション解除の完了と同時も含む。

この際、回転軸を駆動するモーターをさらに備え、制御部は、モーターから回転軸への動の伝達を停止することで、回転軸に支持される記録媒体のテンションを解除するように、画像形成装置を構成しても良い。このような構成では、モーターから回転軸への動力の伝達を停止することで、回転軸に支持される記録媒体のテンションを簡便に解除できる。

また、開閉扉の開閉を検知する開閉検知部をさらに備え、制御部は、開閉検知部の検知結果に基づいて開閉扉の閉状態を確認した上で、開閉規制部により開閉扉の開動作を規制するように、画像形成装置を構成しても良い。これによって、開閉扉が閉じられる前に開閉扉の開動作を規制しようとするといった状況が回避され、開閉扉が閉じられた後に、適切に開閉扉の開動作を規制することができる。

また、制御部は、開閉規制部により開閉扉の開動作を規制した以後に、回転軸に支持される記録媒体にテンションを与えるように、画像形成装置を構成しても良い。このような構成では、作業者が作業を実行中に、回転軸に支持される記録媒体に誤ってテンションを与えてしまい、作業者の作業を妨害するといった状況が回避される。ちなみに、開動作を規制した以後とは、開動作の規制の完了後はもちろん、開動作の規制の完了と同時も含む。

また、作業者からの入力を受け付ける入力部をさらに備え、制御部は、開閉扉の開動作を伴う作業を実行することを示す入力が入力部にあると、規制解除準備動作を行った以後に、開閉規制部による開閉扉の開動作の規制を解除するように、画像形成装置を構成しても良い。作業者が作業を実行するのに応じたタイミングで、規制解除準備動作を行って開閉扉の開動作の規制を解除することができる。そのため、作業者にとっての作業性が向上する。

本発明を適用可能なプリンターが備える内部構成を示す正面図。

図1に示すプリンターが備える外観構成を示す斜視図。

図1に示すプリンターを制御する電気的構成を示すブロック図。

図1に示すプリンターで実行可能な動作を示すフローチャート。

図4に示す開錠準備動作の具体例を示すフローチャート。

図1は、本発明を適用可能なプリンターが備える内部構成の一例を模式的に示す正面図である。図1に示すように、プリンター1では、その両端が繰出軸20および巻取軸40にロール状に巻き付けられた1枚のシートS(ウェブ)が、繰出軸20と巻取軸40の間に張架されており、シートSはこうして張架された搬送経路Pcに沿って、繰出軸20から巻取軸40へと搬送される。換言すれば、搬送経路PcにおけるシートSの両端のそれぞれがロール状に巻かれて繰出ロールR20および巻取ロールR40が形成されており、繰出軸20に軸支された繰出ロールR20から巻取軸40に軸支された巻取ロールR40へと、シートSがロール・トゥ・ロールで搬送される。

そして、プリンター1では、この搬送経路Pcに沿って搬送されるシートSに対して画像が記録される。シートSの種類は、紙系とフィルム系に大別される。具体例を挙げると、紙系には上質紙、キャスト紙、アート紙、コート紙等があり、フィルム系には合成紙、PET(Polyethylene terephthalate)、PP(polypropylene)等がある。概略的には、プリンター1は、繰出軸20からシートSを繰り出す繰出部2(繰出領域)と、繰出部2から繰り出されたシートSに画像を記録するプロセス部3(プロセス領域)と、プロセス部3で画像の記録されたシートSを巻取軸40に巻き取る巻取部4(巻取領域)を備える。なお、以下の説明では、シートSの両面のうち、画像が記録される面を表面と称する一方、その逆側の面を裏面と称する。

繰出部2は、シートSの端を巻き付けた繰出軸20と、繰出軸20から引き出されたシートSを巻き掛ける従動ローラー21とを有する。繰出軸20は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き付けて支持する。そして、繰出軸20が図1の時計回りに回転することで、繰出軸20に巻き付けられたシートSが従動ローラー21を経由してプロセス部3へと繰り出される。ちなみに、シートSは、繰出軸20に着脱自在な芯管22を介して繰出軸20に巻き付けられている。したがって、繰出軸20のシートSが使い切られた際には、ロール状のシートS(繰出ロールR20)が巻き付けられた新たな芯管22を繰出軸20に装着して、繰出軸20のシートSを取り換えることが可能となっている。

プロセス部3は、繰出部2から繰り出されたシートSをプラテンドラム30で支持しつつ、プラテンドラム30の外周面に沿って配置された各機能部51、52、61、62、63により処理を適宜行って、シートSに画像を記録するものである。このプロセス部3では、プラテンドラム30の両側に前駆動ローラー31と後駆動ローラー32とが設けられており、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSがプラテンドラム30に支持されて、画像記録を受ける。

前駆動ローラー31は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、繰出部2から繰り出されたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、前駆動ローラー31は図1の時計回りに回転することで、繰出部2から繰り出されたシートSを搬送経路Pcの下流側へと搬送する。なお、前駆動ローラー31に対してはニップローラー31nが設けられている。このニップローラー31nは、前駆動ローラー31側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、前駆動ローラー31との間でシートSを挟み込む。これによって、前駆動ローラー31とシートSの間の摩擦力が確保され、前駆動ローラー31によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。

プラテンドラム30は図示を省略する支持機構により回転自在に支持された、例えば400[mm]の直径を有する円筒形状のドラムであり、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSを裏面側から巻き掛ける。このプラテンドラム30は、シートSとの間の摩擦力を受けてシートSの搬送方向Dsに従動回転しつつ、シートSを裏面側から支持するものである。ちなみに、プロセス部3では、プラテンドラム30への巻き掛け部の両側でシートSを折り返す従動ローラー33、34が設けられている。これらのうち従動ローラー33は、前駆動ローラー31とプラテンドラム30の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。一方、従動ローラー34は、プラテンドラム30と後駆動ローラー32の間でシートSの表面を巻き掛けて、シートSを折り返す。このように、プラテンドラム30に対して搬送方向Dsの上・下流側それぞれでシートSを折り返すことで、プラテンドラム30へのシートSの巻き掛け部を長く確保することができる。

後駆動ローラー32は、溶射によって形成された複数の微小突起を外周面に有しており、プラテンドラム30から従動ローラー34を経由して搬送されてきたシートSを裏面側から巻き掛ける。そして、後駆動ローラー32は図1の時計回りに回転することで、シートSを巻取部4へと搬送する。なお、後駆動ローラー32に対してはニップローラー32nが設けられている。このニップローラー32nは、後駆動ローラー32側へ付勢された状態でシートSの表面に当接しており、後駆動ローラー32との間にシートSを挟み込む。これによって、後駆動ローラー32とシートSの間の摩擦力が確保され、後駆動ローラー32によるシートSの搬送を確実に行なうことができる。

このように、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32へと搬送されるシートSは、プラテンドラム30の外周面に支持される。そして、プロセス部3では、プラテンドラム30に支持されるシートSの表面に対してカラー画像を記録するために、互いに異なる色に対応した複数の記録ヘッド51が設けられている。具体的には、イエロー、シアン、マゼンタおよびブラックに対応する4個の記録ヘッド51が、この色順で搬送方向Dsに並ぶ。各記録ヘッド51は、プラテンドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、対応する色のインク(有色インク)をノズルからインクジェット方式で吐出する。そして、搬送方向Dsへ搬送されるシートSに対して各記録ヘッド51がインクを吐出することで、シートSの表面にカラー画像が形成される。

ちなみに、インクとしては、紫外線(光)を照射することで硬化するUV(ultraviolet)インク(光硬化性インク)が用いられる。そこで、プロセス部3では、インクを硬化させてシートSに定着させるために、UV照射器61、62(光照射部)が設けられている。なお、このインク硬化は、仮硬化と本硬化の二段階に分けて実行される。複数の記録ヘッド51の各間には、仮硬化用のUV照射器61が配置されている。つまり、UV照射器61は弱い紫外線を照射することで、インクの形状が崩れない程度にインクを硬化(仮硬化)させるものであり、インクを完全に硬化させるものではない。一方、複数の記録ヘッド51に対して搬送方向Dsの下流側には、本硬化用のUV照射器62が設けられている。つまり、UV照射器62は、UV照射器61より強い紫外線を照射することで、インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。

このように、複数の記録ヘッド51の各間に配置されたUV照射器61が、搬送方向Dsの上流側の記録ヘッド51からシートSに吐出された有色インクを仮硬化させる。したがって、一の記録ヘッド51がシートSに吐出したインクは、搬送方向Dsの下流側で一の記録ヘッド51に隣接する記録ヘッド51に到るまでに仮硬化される。これによって、異なる色の有色インクが混ざり合うといった混色の発生が抑制される。こうして混色が抑制された状態で、複数の記録ヘッド51は互いに異なる色の有色インクを吐出して、シートSにカラー画像を形成する。さらに、複数の記録ヘッド51より搬送方向Dsの下流側では、本硬化用のUV照射器62が設けられている。そのため、複数の記録ヘッド51により形成されたカラー画像は、UV照射器62により本硬化されてシートSに定着する。

さらに、UV照射器62に対して搬送方向Dsの下流側には、記録ヘッド52が設けられている。この記録ヘッド52は、プラテンドラム30に巻き掛けられたシートSの表面に対して若干のクリアランスを空けて対向しており、透明のUVインクをノズルからインクジェット方式でシートSの表面に吐出する。つまり、4色分の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクがさらに吐出される。この透明インクは、カラー画像の全面に吐出されて、光沢感あるいはマット感といった質感をカラー画像に与える。また、記録ヘッド52に対して搬送方向Dsの下流側には、UV照射器63が設けられている。このUV照射器63は強い紫外線を照射することで、記録ヘッド52が吐出した透明インクを完全に硬化(本硬化)させるものである。これによって、透明インクをシートS表面に定着させることができる。

このように、プロセス部3では、プラテンドラム30の外周部に巻き掛けられるシートSに対して、インクの吐出および硬化が適宜実行されて、透明インクでコーティングされたカラー画像が形成される。そして、このカラー画像の形成されたシートSが、後駆動ローラー32によって巻取部4へと搬送される。

巻取部4は、シートSの端を巻き付けた巻取軸40の他に、巻取軸40と後駆動ローラー32の間でシートSを裏面側から巻き掛ける従動ローラー41を有する。巻取軸40は、シートSの表面を外側に向けた状態で、シートSの端を巻き取って支持する。つまり、巻取軸40が図1の時計回りに回転すると、後駆動ローラー32から搬送されてきたシートSが従動ローラー41を経由して巻取軸40に巻き取られる。ちなみに、シートSは、巻取軸40に着脱自在な芯管42を介して巻取軸40に巻き取られる。したがって、巻取軸40に巻き取られたシートS(巻取ロールR40)が満杯になった際には、芯管42ごとシートSを取外すことが可能となっている。

図2は、図1に示すプリンターが備える外観構成の一例を模式的に示す斜視図である。同図では、プリンター1の内部構成のうち、繰出軸20、巻取軸40、繰出ロールR20および巻取ロールR40のみが破線で示されている。同図に示すように、プリンター1は、図1に示した各部を収容するハウジング部材7(外装部材)を具備する。ハウジング部材7は、図2左側に設けられて主として繰出部2を覆う繰出カバー72と、図2中央に設けられて主としてプロセス部3を覆うプロセスカバー73と、図2右側に設けられた主として巻取部4を覆う巻取カバー74とで構成される。

繰出カバー72は、繰出軸20および繰出ロールR20を収容する。繰出カバー72の前側では、繰出軸20および繰出ロールR20に対向して開口部721が開口する。さらに、繰出カバー72の前側には、開口部721を開閉する繰出扉723が設けられている。したがって、繰出扉723を開けることで、作業者が繰出部2にアクセスして、繰出軸20に対する繰出ロールR20の交換等の作業を実行できる。一方、繰出扉723を閉じることで、作業者による繰出部2へのアクセスを禁止できる。

巻取カバー74は、巻取軸40および巻取ロールR40を収容する。巻取カバー74の前側では、巻取軸40および巻取りロールR40に対向して開口部741が開口する。さらに、巻取カバー74の前側には、開口部741を開閉する巻取扉743が設けられている。したがって、巻取扉743を開けることで、作業者が巻取部4にアクセスして、巻取軸40に対する巻取ロールR40の交換等の作業を実行できる。一方、巻取扉743を閉じることで、作業者による巻取部4へのアクセスを禁止できる。

以上がプリンター1の装置構成の概要である。続いて、プリンター1を制御する電気的構成について説明を行なう。図3は、図1に示すプリンターを制御する電気的構成を模式的に示すブロック図である。同図に示すように、プリンター1では、プリンター1の各部を制御するプリンター制御部200が設けられている。具体的には、プリンター制御部200は、CPU(Central Processing Unit)やメモリーで構成されたコンピューターである。

プリンター1には、作業者とプリンター制御部200との間のインターフェースとして、液晶ディスプレー等で構成されるモニター210と、キーボードやマウス等で構成される操作部220とが設けられている。モニター210には、印刷対象の画像の他にメニュー画面が表示される。したがって、作業者は、モニター210を確認しつつ操作部220を操作することで、メニュー画面から印刷設定画面を開いて、印刷媒体の種類、印刷媒体のサイズ、印刷品質等の各種の印刷条件を設定することができる。さらに、作業者は、画像形成の実行を指示する入力や、繰出ロールR20や巻取ロールR40の交換作業を行う旨を通知する入力等も、モニター210や操作部220を介してプリンター制御部200へ行うことができる。なお、作業者とのインターフェースの具体的構成は種々の変形が可能であり、例えばタッチパネル式のディスプレーをモニター210として用い、このモニター210のタッチパネルで操作部220を構成しても良い。そして、作業者からの入力に応じて、プリンター制御部200は、次に示すようにプリンター1の各部を制御する。

プリンター制御部200は、カラー画像を形成する各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを、シートSの搬送に応じて制御する。具体的には、このインク吐出タイミングの制御は、プラテンドラム30の回転軸に取り付けられて、プラテンドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力(検出値)に基づいて実行される。つまり、プラテンドラム30はシートSの搬送に伴って従動回転するため、プラテンドラム30の回転位置を検出するドラムエンコーダーE30の出力を参照すれば、シートSの搬送位置を把握することができる。そこで、プリンター制御部200は、ドラムエンコーダーE30の出力からpts(print timing signal)信号を生成し、このpts信号に基づいて各記録ヘッド51のインク吐出タイミングを制御することで、各記録ヘッド51が吐出したインクを搬送されるシートSの目標位置に着弾させて、カラー画像を形成する。

また、記録ヘッド52が透明インクを吐出するタイミングも、同様にドラムエンコーダーE30の出力に基づいてプリンター制御部200により制御される。これによって、複数の記録ヘッド51によって形成されたカラー画像に対して、透明インクを的確に吐出することができる。さらに、UV照射器61、62、63の点灯・消灯のタイミングや照射光量もプリンター制御部200によって制御される。

プリンター制御部200は、図2で示した繰出扉723および巻取扉743のロック状態も制御する。つまり、繰出カバー72には、繰出扉723の施錠および開錠を実行する繰出扉ロック機構725が設けられている。したがって、閉じている繰出扉723を開く動作は、繰出扉ロック機構725が繰出扉723を施錠している間は禁止され、繰出扉ロック機構725が繰出扉723を開錠している間のみ可能となる。そして、繰出扉723の施錠および開錠は、プリンター制御部200が繰出扉ロック機構725を制御することで実行される。同様に、巻取カバー74には、巻取扉743の施錠および開錠を実行する巻取扉ロック機構745が設けられている。したがって、閉じている巻取扉743を開く動作は、巻取扉ロック機構745が巻取扉743を施錠している間は禁止され、巻取扉ロック機構745が巻取扉743を開錠している間のみ可能となる。そして、巻取扉743の施錠および開錠は、プリンター制御部200が巻取扉ロック機構745を制御することで実行される。なお、繰出扉ロック機構725および巻取扉ロック機構745はいずれも、電磁ロックにより構成することができる。

この際、プリンター制御部200は、繰出扉723および巻取扉743のロック状態の制御を、各扉723、743の開閉を検知する扉センサーS723、S743の検知結果に基づいて行うことができる。つまり、繰出カバー72には、繰出扉723の開閉を検知する繰出扉センサーS723が設けられている。そして、プリンター制御部200は、繰出扉センサーS723の検知結果に基づいて繰出扉723が閉じていること(閉状態にあること)を確認した上で、繰出扉ロック機構725により繰出扉723を施錠する。これによって、繰出扉723が開いている状態で繰出扉723を施錠しようとする状況が回避できる。また同様に、巻取カバー74には、巻取扉743の開閉を検知する巻取扉センサーS743が設けられている。そして、プリンター制御部200は、巻取扉センサーS743の検知結果に基づいて巻取扉743が閉じていること(閉状態にあること)を確認した上で、巻取扉ロック機構745により巻取扉743を施錠する。これによって、巻取扉743が開いている状態で巻取扉743を施錠しようとする状況が回避できる。

さらに、プリンター制御部200は、図1を用いて詳述したシートSの搬送を制御する機能を司る。つまり、シート搬送系を構成する部材のうち、繰出軸20、前駆動ローラー31、後駆動ローラー32および巻取軸40それぞれにはモーターが接続されている。そして、プリンター制御部200はこれらのモーターを回転させつつ、各モーターの速度やトルクを制御して、シートSの搬送を制御する。このシートSの搬送制御の詳細は次のとおりである。

プリンター制御部200は、繰出軸20を駆動する繰出モーターM20を回転させて、繰出軸20から前駆動ローラー31にシートSを供給する。この際、プリンター制御部200は、繰出モーターM20のトルクを制御して、繰出軸20から前駆動ローラー31までのシートSのテンション(繰出テンションTa)を調整する。つまり、繰出軸20と前駆動ローラー31の間に配置された従動ローラー21には、繰出テンションTaを検出するテンションセンサーS21が取り付けられている。このテンションセンサーS21は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS21の検出結果に基づいて、繰出モーターM20のトルクをフィードバック制御して、シートSの繰出テンションTaを調整する。

また、プリンター制御部200は、前駆動ローラー31を駆動する前駆動モーターM31と、後駆動ローラー32を駆動する後駆動モーターM32とを回転させる。これによって、繰出部2から繰り出されたシートSがプロセス部3を通過する。この際、前駆動モーターM31に対しては速度制御が実行される一方、後駆動モーターM32に対してはトルク制御が実行される。つまり、プリンター制御部200は、前駆動モーターM31のエンコーダー出力に基づいて、前駆動モーターM31の回転速度を一定に調整する。これによって、シートSは、前駆動ローラー31によって一定速度で搬送される。

一方、プリンター制御部200は、後駆動モーターM32のトルクを制御して、前駆動ローラー31から後駆動ローラー32までのシートSのテンション(プロセステンションTb)を調整する。つまり、プラテンドラム30と後駆動ローラー32の間に配置された従動ローラー34には、プロセステンションTbを検出するテンションセンサーS34が取り付けられている。このテンションセンサーS34は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS34の検出結果に基づいて、後駆動モーターM32のトルクをフィードバック制御して、シートSのプロセステンションTbを調整する。

また、プリンター制御部200は、巻取軸40を駆動する巻取モーターM40を回転させて、後駆動ローラー32が搬送するシートSを巻取軸40に巻き取る。この際、プリンター制御部200は、巻取モーターM40のトルクを制御して、後駆動ローラー32から巻取軸40までのシートSのテンション(巻取テンションTc)を調整する。つまり、後駆動ローラー32と巻取軸40の間に配置された従動ローラー41には、巻取テンションTcを検出するテンションセンサーS41が取り付けられている。このテンションセンサーS41は、例えばシートSから受ける力を検出するロードセルによって構成することができる。そして、プリンター制御部200は、テンションセンサーS41の検出結果に基づいて、巻取モーターM40のトルクをフィードバック制御して、シートSの巻取テンションTcを調整する。

図4は、図1に示すプリンターで実行可能な動作の一例を示すフローチャートであり、具体的には、プリンター制御部200が待機状態から画像形成モードあるいはロール交換モードを実行する場合を例示する。つまり、プリンター制御部200は、待機状態において、画像形成モードの実行の指示を示す入力、あるいはロール交換モードの実行の指示を示す入力の有無を確認する(ステップS101、S102)。そして、いずれかの入力があった場合には、プリンター制御部200は該当モードを実行する。ちなみに、待機状態においては、繰出扉723および巻取扉743はいずれも閉じられて施錠されている。

ステップS101では、画像形成モードの実行を指示する入力が、モニター210あるいは操作部220を介して作業者からあったかが確認される。そして、画像形成モードの実行を指示する入力があった場合(ステップS101で「YES」の場合)、ステップS103〜S105が順次実行される。具体的には、ステップS103では、シートSの搬送が開始される。このシート搬送は、繰出部2、プロセス部3および巻取部4のそれぞれにおいてシートSに所定のテンションTa、Tb、Tcを与えつつ実行される。これによって、繰出軸20から巻取軸40へとシートSを安定的に搬送できるとともに、プロセス部3においては、プラテンドラム30にシートSをしっかりと密着させて、プラテンドラム30によってシートSをしっかりと支持できる。その結果、シートSへの画像形成を安定して行うことができる。

ステップS103で開始されたシートSの搬送速度が、所定の画像形成用の搬送速度で安定すると、ステップS104の画像形成モードが実行され、記録ヘッド51、52およびUV照射器61〜63が上述の要領で動作することで画像形成を行う。そして、ステップS104の画像形成モードが完了すると、ステップS105でシートSの搬送が停止される。この際、停止後のシートSに与えられる各テンションTa、Tb、Tcは、画像形成モードの実行中にシートSに与えられる各テンションTa、Tb、Tcに等しい。こうして、ステップS103〜S105が終了すると、プリンター制御部200は待機状態に戻る(ステップS101、S102)。なお、ステップS103〜S105の実行中は、繰出扉723および巻取扉743はいずれも閉じられて施錠されている。

ステップS101において、画像形成モードの実行を指示する入力が無いと判断されると(「NO」と判断されると)、ステップS102に進んで、ロール交換モードの実行を指示する入力が、モニター210あるいは操作部220を介して作業者からあったかが確認される。ロール交換モードの実行を指示する入力が無い場合(ステップS102で「NO」の場合)には、プリンター制御部200はステップS101に戻って、待機状態を取る。

一方、ロール交換モードの実行を指示する入力があった場合(ステップS102で「YES」の場合)には、プリンター制御部200は、ステップS106〜S109のロール交換モードを実行する。つまり、作業者は、当該入力を行うことで、繰出ロールR20あるいは巻取ロールR40の交換を行う旨をプリンター制御部200に通知することができる。そして、当該通知を受けたプリンター制御部200がロール交換モードを実行することで、繰出ロールR20あるいは巻取ロールR40の交換のための準備が整う。

ちなみに、作業者は、繰出ロールR20および巻取ロールR40のうち交換対象となるロールを特定しつつ、ロール交換を行う旨を指示できる。これに対して、当該指示を受けて実行される一連の動作(ステップS106〜S116)は、ロールR20、R40の間で動作対象が異なっても基本的には同様である。そこで、以下の説明では、作業者が繰出ロールR20の交換を通知した場合について詳述した後に、作業者が巻取ロールR40の交換を通知した場合について要点を述べる。

ステップS106では、開錠準備動作が実行される(図5)。図5は、図4に示す開錠準備動作の具体例を示すフローチャートである。ステップS201では、プロセス部3にプロセステンションTbが付与されているか否かが判断される。例えば何らかの原因でプロセス部3のプロセステンションTbが解除されている等の場合は、ステップS201で「NO」と判断される。したがって、ステップS202において後駆動ローラー32のトルクが制御されて、プロセス部3にプロセステンションTbが与えられる(Tb>0)。

一方、ステップS201において、プロセス部3にプロセステンションTbが付与されており、「YES」と判断される場合には、ステップS202を飛ばして、ステップS203に進む。ちなみに、開錠準備動作でのプロセステンションTbは、画像形成モードや待機状態においてプロセス部に与えられていたプロセステンションTbと同じでも異なっていても良い。また、プロセステンションTbを特定値に調整する必要も必ずしもなく、プロセステンションTbが所定の閾値以上であれば、ステップS201で「YES」と判断するような制御でも構わない。

ステップS203では、シートSの搬送が停止されているか否かが判断される。そして、例えば何らかの原因でシート搬送が実行されており、ステップS203で「NO」と判断される場合には、ステップS204において各モーターM20、M31、M32、M40の回転が停止されて、シート搬送が停止される。この際、シート搬送の停止前後において、プロセス部3でシートSに与えられるプロセステンションTbが維持されるように、後駆動ローラー32へのトルク(換言すれば、後駆動モーラーM32のトルク)が制御される。一方、ステップS203において、シート搬送が停止されており、「YES」と判断される場合には、ステップS203を飛ばす。そして、ステップS201〜S204の開錠準備動作が完了すると、図4のフローチャートに戻る。

図4のステップS107では、繰出モーターM20の励磁が切られる。これによって、繰出モーターM20が繰出軸20に与えるトルクが消失し(ゼロとなり)、繰出テンションTaが解除される(Ta=0)。つまり、繰出モーターM20から繰出軸20への動力の伝達を停止することで、繰出軸20に支持されるシートSのテンションTaを簡便に解除している。なお、繰出テンションTaの解除後も、プロセス部3のシートSには、開錠準備動作完了時のプロセステンションTbが継続して与えられる。

また、続くステップS108では、繰出扉723のロックが解除される(すなわち、開錠される)。この際、ステップS107、S108は、時間差を設けて順番に行っても良いし、同時に行っても良い。同時に行う場合には、繰出モーターM20の励磁を制御する回路と繰出扉ロック機構725の電磁ロックを制御する回路とを連動させて、繰出モーターM20の励磁が切られると同時に繰出扉ロック機構725が解除されるように構成すれば良い。さらに、ステップS109で繰出モーターM20への電力供給が遮断されて、ステップS106〜S109のロール交換モードが完了する。こうして、ロール交換モードが完了すると、作業者は、繰出扉723を開いて、繰出部2にアクセスすることができる。

つまり、ステップS110において、作業者は、繰出部2の繰出軸20にアクセスして、シートSを繰出軸20から取り外して、新たな繰出ロールR20を繰出軸20に装着する。また、作業者は、繰出軸20から取り外されたシートSの端を、繰出軸20に新たに装着された繰出ロールR20の端に接続してから、繰出扉723を閉じる。こうして、繰出軸20に支持される繰出ロールR20の交換が完了する。続くステップS111では、作業者は、繰出ロールR20の交換を完了した旨を示す入力を、モニター210や操作部220を介してプリンター制御部200へ行う。なお、作業者が繰出ロールR20の交換作業を実行している間中、プロセス部3のシートSには、開錠準備動作完了時のプロセステンションTbが継続して与えられる。

プリンター制御部200は、作業者からロール交換完了を示す入力を受けると、ステップS112において、繰出扉723が閉じているか否かを、繰出扉センサーS723の検知結果に基づき確認する。そして、例えば作業者が閉じ忘れて、繰出扉723が開いている場合(ステップS112で「NO」の場合)には、ステップS113において、繰出扉723の閉動作を作業者へ促す内容をモニター210に表示する。また、ステップS112において、繰出扉723が閉じていると確認できた場合(「YES」の場合)には、ステップS114が実行される。ステップS114では、繰出扉723がロックされる(すなわち、施錠される)。続いて、ステップS115で繰出モーターM20への電極供給が開始された後に、ステップS116で繰出モーターM20が励磁される。プリンター制御部200は、こうして繰出部2のシートSにプロセステンションTbを与えた上で、待機状態に戻る。

以上が、作業者が繰出ロールR20の交換を通知した場合におけるステップS106〜S116の内容である。上述のとおり、作業者が巻取ロールR40の交換を通知した場合におけるステップS106〜S116の内容も同様である。つまり、ステップS106で開錠準備動作が実行された後に、ステップS107で巻取モーターM40の励磁が切られて、巻取テンションTcが解除される。そして、巻取扉743が開錠されて(ステップS108)、巻取モーターM40への電力供給が遮断される(ステップS109)。こうして、ロール交換モードが実行される。

ロール交換モードが完了して、巻取部4へのアクセスが可能となると、ステップS110において作業者が巻取ロールR40を巻取軸40から取り外し、プロセス部3から引き込んだシートSの端を巻取軸40にロール状に取り付けて、巻取扉743を閉じる。続いて、作業者がロール交換を完了した旨を示す入力を行うと(ステップS111)、ステップS112、S113により巻取扉743の閉状態を確認した上で、巻取扉743が施錠される(ステップS114)。そして、巻取モーターM40への電力供給が開始されて(ステップS115)、巻取モーターM40が励磁される(ステップS116)。その後、プリンター制御部200は待機状態に戻る。

以上に説明したように、本実施形態のプリンター1では、プリンター1のハウジング部材7に設けられた繰出扉723の開動作は、繰出扉ロック機構725によって規制される。そのため、作業者は、繰出扉ロック機構725により開動作が規制されている間は繰出扉723を開くことができず、繰出扉ロック機構725による開動作の規制が解除されている間に繰出扉723を開くことができる。さらに、繰出扉723の開動作の規制の解除は、開錠準備動作の以後に行われる。したがって、作業者によって繰出扉723が開かれる際には、開錠準備動作が実行されて、シートSは、プロセス部3においてプロセステンションTbが与えられた状態で停止している。その結果、繰出扉723の開動作の後に作業者が実行する作業中(繰出ロールR20の交換作業中)において、プロセス部3でのシートSの位置ずれが生じることが抑制可能となっている。

また、本実施形態のプリンター1では、プリンター1のハウジング部材7に設けられた巻取扉743の開動作は、巻取扉ロック機構745によって規制される。そのため、作業者は、巻取扉ロック機構745により開動作が規制されている間は巻取扉743を開くことができず、巻取扉ロック機構745による開動作の規制が解除されている間に巻取扉743を開くことができる。さらに、巻取扉743の開動作の規制の解除は、開錠準備動作の以後に行われる。したがって、作業者によって巻取扉743が開かれる際には、開錠準備動作が実行されて、シートSは、プロセス部3においてプロセステンションTbが与えられた状態で停止している。その結果、巻取扉743の開動作の後に作業者が実行する作業中(繰出ロールR20の交換作業中)において、プロセス部3でのシートSの位置ずれが生じることが抑制可能となっている。

また、本実施形態では、繰出軸20あるいは巻取軸40に支持されるシートSのテンションTa、Tcを解除した以後に、繰出扉723あるいは巻取扉743の開動作の規制が解除される。そのため、作業者が繰出扉723あるいは巻取扉743を開いてシートSの交換等の作業を実行する際には、作業対象となるシートSのテンションTa、Tcは解除済みであるため、作業者は作業をスムーズに行うことができる。

さらに、本実施形態では、繰出扉センサーS723あるいは巻取扉センサーS743の検知結果に基づいて、繰出扉723あるいは巻取扉724の閉状態を確認した上で、繰出扉723あるいは巻取扉743の開動作が規制される。これによって、繰出扉723あるいは巻取扉743が閉じられる前にこれらの扉723、743の開動作を規制しようとするといった状況が回避され、繰出扉723あるいは巻取扉743が閉じられた後に、適切にこれらの扉723、742の開動作を規制することができる。

また、本実施形態では、繰出扉723あるいは巻取扉743の開動作を規制した以後に、繰出軸20あるいは巻取軸40に支持されるシートSにテンションが与えられる。このような構成では、作業者が作業を実行中に、繰出軸20あるいは巻取軸40に支持されるシートSに誤ってテンションTa、Tcを与えてしまい、作業者の作業を妨害するといった状況が回避される。

また、本実施形態では、繰出扉723あるいは巻取扉743の開動作を伴う作業(本実施形態の例では、ロールR20、R40の交換作業)を実行することを示す入力(ロール交換モード実行指示)を受け付けるモニター210、操作部220が設けられている。そして、これらのインターフェースを介して該当入力があると、開錠準備動作が実行された以後に、繰出扉723あるいは巻取扉743の開動作の規制が解除される。このような構成では、作業者が作業を実行するのに応じたタイミングで、開錠準備動作を行って繰出扉723あるいは巻取扉743の開動作の規制を解除することができる。そのため、作業者にとっての作業性が向上する。

以上のように、上記実施形態では、プリンター1が本発明の「画像形成装置」の一例に相当し、シートSが本発明の「記録媒体」の一例に相当し、前駆動ローラー31が本発明の「第1ローラー」あるいは「第2ローラー」の一例に相当し、後駆動ローラー32が本発明の「第2ローラー」あるいは「第1ローラー」の一例に相当し、プロセス部3が本発明の「画像形成領域」の一例に相当し、ハウジング部材7が本発明の「外装部材」の一例に相当し、繰出扉723あるいは巻取扉743が本発明の「開閉扉」の一例に相当し、繰出扉ロック機構725あるいは巻取扉ロック機構745が本発明の「開閉規制部」の一例に相当し、プリンター制御部200が本発明の「制御部」の一例に相当し、開錠準備動作が本発明の「規制解除準備動作」の一例に相当し、繰出軸20あるいは巻取軸40が本発明の「回転軸」の一例に相当し、繰出モーターM20あるいは巻取モーターM40が本発明の「モーター」の一例に相当し、繰出扉センサーS723あるいは巻取扉センサーS743が本発明の「開閉検知部」の一例に相当し、モニター210および操作部220が協働して本発明の「入力部」の一例として機能している。

なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したものに対して種々の変更を加えることが可能である。例えば、上記実施形態では、画像形成モードにおいて、前駆動ローラー31の回転速度を制御しつつ後駆動ローラー32のトルクを制御することで、シートSの搬送を行うプリンター1に本発明を適用した場合を例示した。しかしながら、画像形成モードにおいて、前駆動ローラー31のトルクを制御しつつ後駆動ローラー32の回転速度を制御することで、シートSの搬送を行うプリンター1に本発明を適用することも可能である。

また、上記実施形態のプリンター1は、作業者は交換対象となるロールをロールR20、R40のうちから特定して、ロール交換モードの実行をプリンター制御部200に指示するように構成されていた。しかしながら、交換対象となるロールを特定することなく、ロール交換モードの実行をプリンター制御部200に指示するように、プリンター1を構成することもできる。この場合は、ステップS106〜S109のロール交換モードを繰出部2および巻取部4の両方へ実行して、作業者がロールR20、R40のいずれを交換するとしても対応できるように構成すれば良い。

また、上記実施形態では、待機状態から開錠準備動作が実行される場合が例示されていた。しかしながら、開錠準備動作の実行タイミングはこれに限られない。したがって、例えば画像形成モードの実行中等に割り込んで開錠準備動作を実行できるように構成することもできる。

また、上記実施形態では、繰出モーターM20の励磁を切ることで、繰出モーターM20から繰出軸20への動力の伝達を停止している。しかしながら、繰出モーターM20から繰出軸20への動力伝達の停止を実現する具体的構成はこれに限られない。例えば、繰出モーターM20から繰出軸20へ動力を伝えるクラッチを切ることで、動力伝達を停止しても良い。また、巻取モーターM40と巻取軸40との動力伝達に関しても、同様に構成することができる。

また、繰出扉723や巻取扉743以外の扉をハウジング部材7に設けても良く、具体的例を挙げれば、プロセス部3を開閉するプロセス扉を別途設けても良い。この場合、上記実施形態に倣って、プロセス部3に対するプロセス扉についてもロック機構を設けておき、プロセス扉のロック機構の開錠は、開錠準備動作の以後に行われるように構成しても良い。

1…プリンター、S…シート、2…繰出部、20…繰出軸、R20…繰出ロール、3…プロセス部、30…プラテンドラム、31…前駆動ローラー、32…後駆動ローラー、4…巻取部、40…巻取軸、51…記録ヘッド、52…記録ヘッド、7…ハウジング部材、721…開口部、723…繰出扉、741…開口部、743…巻取扉、725…繰出扉ロック機構、745…巻取扉ロック機構、M20…繰出モーター、M31…前駆動モーター、M32…後駆動モーター、M40…巻取モーター、S723…繰出扉センサー、S743…巻取扉センサー、210…モニター、220…操作部

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