Stamp unit creation system

申请号 JP31087498 申请日 1998-10-30 公开(公告)号 JP4389281B2 公开(公告)日 2009-12-24
申请人 ブラザー工業株式会社; 发明人 照雄 今牧; 稔 山本;
摘要
权利要求
  • 光エネルギー吸収部材を含有した弾性変形可能な軟質多孔体を下面に有する印材と、前記印材をその下端部に保持するホルダ部材とを少なくとも含んでなる、前記印材の面積、及び、前記印材の下面と前記ホルダ部材の上端との距離であ る高さが互いに異なる複数種類のユニットと、
    前記印判の印面データに基づいて、透明フィルム上に非透明材料が配された原稿を作成するための原稿作成手段と、前記原稿作成手段によって作成された原稿を介して印材に光を照射するための発光手段と、前記複数種類のユニットにおける前記ホルダ部材の上端を前記印材に向かって押圧することにより前記印材をその厚さ方向に圧縮する印材押圧手段とを有するスタンプ作成装置とを備えており、
    前記複数種類のユニットの各々と、前記ホルダ部材を上下に摺動可能に保持するスカート部材と、前記ホルダ部材の上方に連結された、前記ホルダ部材を下方に移動させるためのグリップ部材とを備えており、前記ホルダ部材が、スカート部材の下から挿通されることにより、スカート部材内で上方に付勢されつつ摺動可能に保持されるとともに、その上方にグリップ部材が連結されることで、前記スカート部材及び前記グリップ部材と一体化される、複数種類のスタンプユニットを作成するためのスタンプユニット作成システムであって、
    前記複数種類のユニットは、前記印材押圧手段により押圧された状態での、前記印材の面積の差による前記発光手段及び前記印材押圧手段を構成する部材の撓み量の差を吸収することができる程度に、前記印材の面積が大きいものほど、前記高さが高くなっていることを特徴とするスタンプユニット作成システム。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、スタンプ作成装置内に、少なくとも、印材が保持されたホルダ部材を含んでなるユニットを押圧状態でセットし、前記印材から印判を作成されるスタンプユニットに関し、特に、印材のサイズに係わらず、印判作成時の印材の圧縮量を所定量にすることができるスタンプユニットに関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    現在提案されているスタンプユニットの1つとして、本出願人の提案による特願平10−52574号に係るものがある。 このスタンプユニットは、グリップ(取っ手)部材、ホルダ部材およびスカート部材を備えている。 そして、ホルダ部材がスカート部材内で上下に移動可能となるようにホルダ部材とグリップ部材とが連結され、また、ホルダ部材の下面に印材(印面形成部材)が熱接着により保持されている。 かかるスタンプユニットでは、印材は、カーボンブラック等の光エネルギ吸収物質を分散させた軟質の連続多孔性樹脂からなる下側層と、インクを貯溜するとともに下側層に均一に圧が印加されるようにする硬質の連続多孔性樹脂からなる上側層とからなる2層構造に形成されている。
    【0003】
    この印材を製版するには、まず、スタンプ製造装置内でロール状の透明フィルムを搬送しつつサーマルヘッドおよび転写リボンを介して透明フィルムに文字、画像を印刷してポジ原稿を作成し、そして、このポジ原稿と印材の下側層とが対向し且つ両者の間に透明アクリル板を介在させた状態で印材が加圧されるように、ホルダ部材をスタンプ製造装置にセットする。 この状態で、キセノン管を発光させると、ポジ原稿を通して光が印材の下側層に照射される。 これにより、原稿の透明部分に対応して光が照射された下側層の部分だけが光エネルギ吸収物質の発熱作用によって溶融後固化されるので、その部分がシールされてインクを透過しない状態となる。 一方、光が照射されず溶融固化されなかった部分の下側層は、原稿の文字等に対応してシールされないでそのまま残存することとなる。 これにより、所望パターンのシール部(非印刷部)と非シール部(印刷部)とが印材の下面に混在した印判が形成される。
    【0004】
    また、ホルダ部材には格子状の凹凸が形成された底面を有する収納部にインクパックを収納することができるようになっており、グリップ部材を押下してグリップ部材の下端に配置された板状部材と凹凸底面との間でインクパックを挟むことにより、インクパックが開封される。 開封されたインクパックから流れ出たインクは、印材の上側層および下側層に貯溜され、下側層の有効印面のうち、非シール部からのみ滲出し、シール部からは滲出ない。
    【0005】
    文字等をスタンプ印刷する場合には、スタンプユニットのスカート部材を印刷用紙上の所望位置に配置した状態で、グリップ部材を下方に押圧する。 これにより、ホルダ部材がスカート部材の中を下方に移動して印材が印刷用紙に圧着され、インクが印材の有効印面の非シール部から印刷用紙に付着させられて文字等の印刷が行われる。
    【0006】
    前記スタンプユニットでは、ホルダ部の下面に配置された印材に印判を形成するに際して、ホルダ部、スカート部及びグリップ部材を一体化したスタンプユニット全体をスタンプ製造装置内に押圧状態でセットし、印材の下面に印判を形成するように構成されている。 かかる場合、スタンプユニット全体を収納する収納部をスタンプ製造装置内に設ける必要があり、また、これに付随して各種の部材を配置するスペースが必要となる。 そこで、特願平10−065242号(本出願人により出願中)の明細書、図面に記載されているように、スタンプユニットを形成する前の印材及びホルダ部材をスタンプ製造装置内に押圧状態でセットして印材の下面に印判を形成するように、スタンプ製造装置を構成し、印判が形成された後の印材を保持するホルダ部材をスカート部材内に挿通するという簡単な作業だけで、ホルダ部材がスカート部材内で上方に付勢されて摺動可能に保持されるようにしたスタンプユニットが提案されている。
    【0007】
    上述したスタンプ製造装置は、少なくとも印材とホルダ部材からなるユニットを載せる発光手段と、前記ユニットを前記発光手段に押圧してセットするための蓋体を含んでなる印材押圧手段と、を備えている。 印材を下面にした前記ユニットを発光手段の上の所定位置に載せ、印材押圧手段の蓋体を閉めると、前記ユニットの特に印材に所定量の圧縮が作用するようになっている。
    【0008】
    【発明が解決しようとする課題】
    ところで、スタンプユニットには、使用する印判の大きさに応じて、大小種々のものがあるが、スタンプ製造装置にセットされるユニットの高さは一定になっている。 しかし、ユニットの高さが一定であっても、所定量の圧縮を作用させるべき印材の印面面積は大小バラバラである。 印面面積の小さい印材のユニットを所定量圧縮させた場合に、スタンプ製造装置の発光手段や印材押圧手段に作用する反力は小さいが、印面面積の大きい印材のユニットを所定量圧縮させた場合には、スタンプ製造装置の発光手段や印材押圧手段に作用する反力は大きくなる。 スタンプ製造装置に作用する反力が大きいと、発光手段や印材押圧手段を構成する部材の撓みも大きくなり、大きくなった撓みの分だけ、印材の圧縮量が少なくなり、所望の印判が得られなくなるということが判った。
    【0009】
    本発明は前記の問題点を解消するためになされたものであり、少なくとも、印材が保持されたホルダ部材を含んでなるユニットを押圧状態でセットし、前記印材から印判を作成されるスタンプユニットについて、印判のサイズに係わらず、印判作成時の印材の圧縮量を所定量にすることができるスタンプユニットを提供することを目的とする。
    【0010】
    【課題を解決するための手段】
    上記目的を達成する、請求項のスタンプユニット作成システムは、光エネルギー吸収部材を含有した弾性変形可能な軟質多孔体を下面に有する印材と、前記印材をその下端部に保持するホルダ部材とを少なくとも含んでなる、前記印材の面積、及び、前記印材の下面と前記ホルダ部材の上端との距離である高さが互いに異なる複数種類のユニットと、前記印判の印面データに基づいて、透明フィルム上に非透明材料が配された原稿を作成するための原稿作成手段と、前記原稿作成手段によって作成された原稿を介して印材に光を照射するための発光手段と、前記複数種類のユニットにおける前記ホルダ部材の上端を前記印材に向かって押圧することにより前記印材をその厚さ方向に圧縮する印材押圧手段とを有するスタンプ作成装置とを備えており、前記複数種類のユニットの各々と、前記ホルダ部材を上下に摺動可能に保持するスカート部材と、前記ホルダ部材の上方に連結された、前記ホルダ部材を下方に移動させるためのグリップ部材とを備えており、前記ホルダ部材が、スカート部材の下から挿通されることにより、スカート部材内で上方に付勢されつつ摺動可能に保持されるとともに、その上方にグリップ部材が連結されることで、前記スカート部材及び前記グリップ部材と一体化される、複数種類のスタンプユニットを作成するためのスタンプユニット作成システムであって、前記複数種類のユニットは、前記印材押圧手段により押圧された状態での、前記印材の面積の差による前記発光手段及び前記印材押圧手段を構成する部材の撓み量の差を吸収することができる程度に、前記印材の面積が大きいものほど、前記高さが高くなっていることを特徴とするものである。
    印材の面積の大小に応じて、印材を所定量だけ圧縮したときにスタンプ作成装置に作用する反力も大小に変化する。 反力の大小に応じて、スタンプ作成装置の発光手段や印材押圧手段の部材の撓みも大小に変化する。 印材の面積が大きい程、撓みが大きく、印材の面積が小さい程、撓みが小さくなる。 そこで、これらの撓みの差を吸収する程度に、印材の面積が大きくなると高くなるように、ユニットの高さを変えることにより、印材の圧縮量が略均一になる。
    【0011】
    また、弾性変形可能な軟質多孔体を有する印材が飛び出ているようなユニットでは、スタンプ作成装置に作用する反力が印材の大きさ応じて変化するため、印材の面積が大きくなると、ユニットが高くなるように変えることが有効である。
    また、スタンプ作成装置の発光手段と印材押圧手段との間で前記スタンプユニットが押圧されるため、スタンプユニットを押圧するときの反力が受けやすい構造であり、スタンプユニットの高さの差による印材圧縮量の均一化の補正が有効である。
    【0012】
    また、印材を保持するホルダ部材の最小限のユニットを、スタンプ作成装置にセットするため、ユニットの高さの差による印材圧縮量の均一化の補正が確実に行われる。 また、スタンプ作成装置の小型化も可能になる。 また、スカート部材で隠れるホルダ部材に位置決め用の溝やサイズ認識用のマークを外観を気にせずに設けることができる。
    【0013】
    【0014】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
    【0015】
    図1は、本実施の形態のスタンプユニットの概略的な全体分解斜視図であり、図2は、インクパック収納部のインクパックが開封された直後のスタンプユニットの側断面図である。 図1および図2に示すように、本実施の形態のスタンプユニット1は、スタンプ印刷時にスタンプユニット1全体を支持するスカート部材2と、スカート部材2内で上下方向に摺動可能に保持できるように配置されるとともにその下端部に熱圧により印材3が保持されたホルダ部材4と、ホルダ部材4に嵌合して連結され、スタンプ印刷時にホルダ部材4を下方に移動させて印材3を印刷用紙(図示せず)に押し付けるためのグリップ部材5と、ホルダ部材4の印材3をカバーおよび保護するためのキャップ部材60とを備えている。
    【0016】
    ホルダ部材4の下端部に保持される印材3は、例えば気孔率90%程度のポリビニルホルマールである厚さ3mmの硬質多孔性樹脂からなる上側層71と、上側層71と同じ材料からなる厚さ2mmの硬質多孔性樹脂である中間層72と、例えばカーボンブラック等の光エネルギ吸収物質を分散させた気孔率65%程度のウレタン系樹脂である軟質多孔性樹脂からなる下側層73との3層構造に形成されている。 中間層72と下側層73は格子点状に塗付された接着剤によって互いに固定されているが、上側層71と中間層72は人為的に接着されていないフリー状態である。
    【0017】
    上側層71には直径1〜2mmの断面円形の貫通孔74がそれぞれ複数設けられている。 つまり、上側層71および中間層72を1つの硬質多孔性樹脂層として考えると、硬質多孔性樹脂層には下側層73に到達していない凹部が設けられていることになる。 3層構造の印材3の上側層71に貫通孔74が設けられているので、インク供給孔24から供給されて上側層71上に拡がったインクが貫通孔74bを通って直ぐに中間層72に到達する。 そして、中間層72に達したインクは中間層72内をゆっくりと浸透して下側層73に達する。 そのため、本実施の形態のように印材3が3層構造であって硬質多孔性樹脂層の合計厚みが大きい場合であっても、インクが軟質多孔性樹脂層である下側層73に到達するまでの時間は、2層構造であって硬質多孔性樹脂層の合計厚みが比較的小さい場合とほとんど変わらない。
    【0018】
    図2において、印材3の下側層73の周縁とホルダ部材4の下端縁とは熱圧により変形され、下側層73の周縁が斜面に形成されるとともに、ホルダ部材4の下端縁が下側層73の周縁の端を引っ掛けるように押しつぶされてシールされていいる。 また、印材3の下側層73の傾斜した周縁は、気孔が熱又は樹脂で塞がれており、インクが漏れでないようになっている。 従って、印材の下側層73の周縁を除く部分に印判が形成される。
    【0019】
    図1において、スタンプユニット1を構成する部材のうち、印材3を保持するホルダ部材4からなる最小限のユニットUが、スタンプ作成装置内にセットされる。 このユニットUの高さHは、印材3の面積が大きいほど、高くなるように管理される。 図3の(a)〜(k)に、種々の大きさの印材3を有するスタンプユニット1が図示される。 印材3のサイズが12mm×12mm=144mm の最小タイプの(a)から、印材3のサイズが40mm×90mm=3600mm の最大タイプの(k)までの、11種類のスタンプユニットが例示される。 印材3のサイズが900mm の標準品の(c)と(g)が基準高さHを有する。 印材3のサイズが600mm の(e)と、印材3のサイズが1320mm の(h)は、前記標準品(c)(g)との差が少ないため、基準高さHのままとする。
    【0020】
    印材3のサイズが532mm の(f)になると、基準高さH−0.2mmと標準品より低くしている。 印材3のサイズが400mm の(b)になると、基準高さH−0.3mmと標準品より更に低くしている。 印材3のサイズが144mm の(a)になると、基準高さH−0.4mmと標準品よりより更に低くしている。
    【0021】
    印材3のサイズが1890mm の(i)や、印材3のサイズが1972mm の(j)が大きくなると、基準高さH+0.3mmと標準品より高くしている。 印材3のサイズが3600mm の(k)になると、基準高さH+0.5mmと更に標準品より高くしている。 結局、(a)〜(k)の種々の大きさの印材3に対して、印材3の面積が大きくなると、ユニットUの高さが高くなるように段階的に変化させている。
    【0022】
    つぎに、スタンプユニットの各部分の詳細を以下に説明する。 まず、スタンプユニット1のスカート部材2について、図4〜図6をさらに参照して説明する。 図4はスカート部材2の側面図、図5はスカート部材2の端面図、図6はスカート部材2の側断面図である。 これらの図において、スカート部材2は、平面視で略長方形の挿通孔10を有しており、挿通孔10にはホルダ部材4を摺動可能に挿通する内壁11が設けられている。 また、スカート部材2は、内壁11の外側で内壁11と一体に形成された外壁12を有する上部スカート部13と、外壁12に連続して若干裾広がりとなるように形成された外壁14を有する下部スカート部15とから一体に構成されている。
    【0023】
    上部スカート部13の両端面(左右端面)の内壁11の上方位置には、ホルダ部材4を挿通孔10内で常時上方に付勢すべく捻りバネ16の一方端を係止するバネ係止部17が形成されている。 また、バネ係止部17の斜め下方位置には、捻りバネ16のコイル部が外挿されてコイル部の位置決めを行う半月状の位置決め突起18が形成されている。 さらに、内壁11の略中央位置には、ホルダ部材4の両端面に形成された傾斜突起35(後述する)を上下に摺動可能に挿嵌する垂直溝19が形成されている。 かかる垂直溝19は、スタンプ印刷時にホルダ部材4が下方に移動する際に、ホルダ部材4の傾斜突起35を上下方向に案内する作用を行う。 また、垂直溝19と位置決め突起18との間には、捻りバネ16が端面から離れる方向に動くのを規制して、捻りバネ16と傾斜突起35の下端との係止が解除されないようにするために捻りバネ16が挿入される開口部(図示せず)を有するバネずれ抑制部材9が設けられている。
    【0024】
    下部スカート部材15は、スタンプ印刷時に印刷用紙上に載置されてスタンプユニット1全体を印刷用紙上で支持するものであり、下部スカート部材15を構成する外壁14の四隅の下端位置には、外壁14の下端縁を印刷用紙の紙面から離間した状態で支持する支持突起20が設けられている。 なお、下部スカート部材15における外壁14の四面中央位置には、スタンプ面の中心位置を示す矢印部21が形成されている。
    【0025】
    次に、ホルダ部材4について、図7〜図11をさらに参照して説明する。 図7はホルダ部材4の斜視図、図8はホルダ部材4の側面図、図9はホルダ部材4の側断面図、図10は平面図、図11は底面図である。 これらの図において、ホルダ部材4は、スカート部材2の上部スカート部13と下部スカート部15のそれぞれの形状に合わせて、上部ホルダ部30および下部ホルダ部31とから一体に構成されている。 上部ホルダ部30は、平面視で略長方形状の筒状体を構成する周壁32を有し、周壁32における前側壁および後側壁(図8中には、その一方のみを図示する)の上部には、3つの長穴状の凹溝33が平方向に整列して形成されている。 また、3つの凹溝33の間には、周壁32の壁面から外側下方に傾斜する楔状の規制突起34がそれぞれ設けられている。 ここに、各凹溝33には、グリップ部材5のリブ係止溝54(後述する)が嵌合され、これによりホルダ部材4とグリップ部材5とが固定連結されるものである。 また、規制突起34は、スタンプ印刷時にホルダ部材4を下方に移動する際に、スカート部材2における上部スカート部13の外壁12の上端縁に当接して、ホルダ部材4の下方移動量を規制する作用を行う。
    【0026】
    また、上ホルダ部30の周壁32の両端面(図8中、左右端面)には、周壁32の壁面から外側下方に向かって突出するように傾斜した楔状の傾斜突起35が設けられている。 かかる傾斜突起35は、スカート部材2の下側からホルダ部材4を挿入する際に、上スカート部13の垂直溝19内にて上下に摺動可能に挿嵌され、また、傾斜突起35の下端には、捻りバネ16の他方端が係止される。 これにより、ホルダ部材4は、傾斜突起35と垂直溝19との協働によりスカート部材2内で上下方向に摺動可能にされ、また、捻りバネ16の一端が上スカート部13のバネ係止部17の下端に係止され、且つ、他端が傾斜突起35の下端に係止されることに基づき、ホルダ部材4はスカート部材2内で常時上方に付勢されることとなる。
    【0027】
    ホルダ部材4の上部ホルダ部30の周壁32に囲まれたほぼ直方体領域であるインクパック収納部22は、その底面23が平坦面となっており、その中央には下部ホルダ部31に連通するインク供給孔24が設けられている。 また、インク供給孔24には、インクパック6を切断開封するための切断リブ25が、底面23よりも若干突出して設けられている。
    【0028】
    インクパック収納部22の内壁面には、ホルダ部材4の上端から後述する支持柱27(図11参照)の底面にまで達する長穴状の4つのインク補充孔26が設けられている。 かかるインク補充孔26は、インクパック6により供給されたインクの印材3における貯溜量が少なくなった時に、ユーザによりインクパックを用いることなく予備的にインクを補給する際に使用される。 このとき、インクは、グリップ部材5を取り外した状態でインク補充孔26から注入される。
    【0029】
    また、図11に示すように、ホルダ部材4の下部ホルダ部31には、長さ数mmの多数の円柱状の支持柱27が格子状に配置されている。 支持柱27は下部ホルダ部31の下端から若干引っ込んだ位置であってホルダ部材4に保持された印材3と接触する位置にまで伸延しており、支持柱27の底面は実質的に一つの平面を形成している。 また、下部ホルダ部31は、上部ホルダ部30から連続して一体に形成され、周壁32より外側で一回り大きい周壁38を有する。 なお、ホルダ部材4は、ABS樹脂、ポリアセタールコポリマー、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン等のポリオレフィン系樹脂、PC樹脂等のいずれかによって形成されている。
    【0030】
    切断リブ25は、グリップ部材5を押下した際に、厚紙板37との間でインクパック6を挟圧し、インクパック6を破断して開封する作用を行う。 かかるインクパック6の開封を確実に行うべく、切断リブ25の両縁部は、尖って形成されている。 また、インク供給孔24は、切断リブ25によって開封されたインクパック6から流出したインクを下方に案内するものであり、これによりインクは印材3に含浸されていく。
    【0031】
    下部ホルダ部31を構成する周壁38の長手壁の外側には、その略中央位置にて内方に向かって傾斜溝43が楔状に形成されており、また、傾斜溝43の両側には、1つまたは2つの検出溝44が形成されている。 ここに、傾斜溝43は、後述するスタンプ製造装置を使用して、印材3から印判を形成する際に、ホルダ部材4をスタンプ製造装置における所定製版位置にセットするための溝である。 このとき、傾斜溝43は、その両側が傾斜面に形成されているので、スタンプ製造装置における位置決め機構とホルダ部材4との位置関係が多少ずれた場合においても、位置決め機構の位置決め部材と傾斜面とのカム作用に基づき、ホルダ部材4は、位置決め部材が傾斜溝43の中央位置に当接するように移動されることとなる。 これにより、ホルダ部材4は、スタンプ製造装置の所定製版位置にセットされる。 また、検出溝44は、その個数および形成位置がホルダ部材4のサイズに従って変更されており、スタンプ製造装置の位置決め機構内に設けられた溝センサとの協働により、ホルダ部材4のサイズを特定するために使用される。 なお、周壁38の一壁面における傾斜溝43および検出溝44の形成位置は、他壁面における傾斜溝43、検出溝44の形成位置と回転対称となるように設定されている。 これは、ホルダ部材4をスタンプ製造装置の位置決め機構による所定製版位置にセットする際に、前壁と後壁を逆転してセットした場合においても、印材3の製版を可能とするためである。
    【0032】
    また、周壁38の長手壁における下部位置には、図8に示すように、一対の係止突起45が形成されている。 かかる係止突起45は、後述するキャップ部材60の係止溝62に係止され、キャップ部材60を下部ホルダ部31の下端に取り付けるために使用される。 これにより、周壁38の下端に保持された印材3の印面はキャップ部材60により保護される。
    【0033】
    図1において、ホルダ部材4のインクパック収納部22には、フィルム材から形成された袋状のパック内にインクが充填されてなるインクパック6を収納可能である。 インクパック6には印材3において貯溜可能なインク量とほぼ等しい量のインクが袋詰めされている。 そして、インクパック6とグリップ部材5の底面との間には、厚板紙37が配置される。 上記フィルム材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン等が単独で若しくはこれらを2種類以上貼り合せたものが使用されている。
    【0034】
    次に、グリップ部材5について、図12〜図14をさらに参照して説明する。 図12はグリップ部材5の側面図、図13はグリップ部材5の底面図、図12はグリップ部材5の幅方向における断面図である。
    【0035】
    これらの図において、グリップ部材5の上面には、前記のように印材3に形成したスタンプ内容を表示するラベル等を貼付するためのラベル貼付部50が形成されている。 また、グリップ部材5の内部において、その上壁下面からは、図2、図13および図14に示すように、ホルダ部材4の上部ホルダ部30の周壁32内に挿嵌される挿嵌部51が形成されている。 かかる挿嵌部51は、厚紙板37を介してホルダ部材4内に配置されたインクパック6を押圧する作用を行う。
    【0036】
    また、挿嵌部51は、底面視において図13に示すように、基本的に長方形状を有しており、その両側位置で相互に対向する位置には4つの凹部52が形成されている。 かかる凹部52は、グリップ部材5の挿嵌部51をホルダ部材4の周壁32内に挿嵌する際に、周壁32に沿って形成されたインク補充孔26に対応した位置に設けられている。 なお、凹部52が二対形成されているのは、どのような状態でグリップ部材5の挿嵌部51を周壁32内に挿嵌した場合においても、インク補充孔26の壁部が挿嵌の支障とならないようにするためである。 また、グリップ部材5の内壁面には、複数個(図13には、12個)のリブ53が垂直方向に形成されている。 また、各リブ53のうち、長方形の長辺の内側にあるものは、その下端近傍にはリブ係止溝54が一体に形成されている。 リブ係止溝54は、前記した周壁32の外面上部に形成された各凹溝33に嵌合されるものであり、これによりホルダ部材4とグリップ部材5とが一体に連結されるものである。 また、各リブ53のうち、長方形の短辺の内側にあるものは、段部55が形成されている。 段部55は、印材3による印刷が可能な程度にホルダ部材4をスカート部材2内で下方に摺動させたとき、スカート部材2の長方形の挿通孔10を形成する内壁11の短辺の上端に当たって、ホルダ部材4を印刷に十分な程度以上に摺動させないようになっている。
    【0037】
    次に、ホルダ部材4の下部ホルダ部31の下端部に取り付けられるキャップ部材60について図15および図16をさらに参照して説明する。 図15はキャップ部材60の側面図、図16はキャップ部材60の側断面図である。 各図において、キャップ部材60は上方を開放した箱状を有しており、その外壁両側面の略中央位置には、図15に示すように、キャップ部材60をホルダ部材4に取り付ける際、および、取り外す際に指により把持される把持部61が形成されている。 また、キャップ部材60の両側内壁面には、前記周壁38に形成された一対の係止突起45が係止される一対の係止溝62が設けられている。 キャップ部材60の各係止溝62が周壁38の各係止突起45に係止されることにより、キャップ部材60は周壁38に取り付けられ、これによりキャップ部材60を介して周壁38の下端に保持された印材3の印面が保護されるものである。
    【0038】
    つぎに、上述したスタンプユニットのうち、印材3とホルダ部材4とからなるユニットUに印判を作成するためのスタンプ作成装置を説明する。 図17は、スタンプ作成装置の全体斜視図である。
    【0039】
    このスタンプ作成装置101は、装置本体112に対して着脱可能であって透明の原稿フィルム108を複数枚収納可能なフィルムマガジン102と、フィルムマガジン102の近傍の装置本体112に設けられた見出しラベル用のカットシートCSの供給口103と、サーマルヘッド等を下面に備えた印刷部104と、印刷された原稿フィルム108に基づいてユニットUの下面に配された印材(図示せず)に印面を形成するためのスタンプ部106と、スタンプ部106の近傍の装置本体12に設けられたカットシートCSおよび原稿フィルム108の排出口158とを有している。
    【0040】
    フィルムマガジン102や印刷部104等が、印判の印面データに基づいて、透明フィルム上に非透明材料が配された原稿を作成するための原稿作成手段を構成する。 ヘッドホルダユニット152は、その下側にサーマルヘッド105等を有しているとともに、軸160を中心として上方に回動可能となっている(図2参照)。 スタンプ部106は、印材をその厚さ方向に圧縮する印材押圧手段を構成する上蓋136及び上前蓋156を有している。 発光ユニット(HU)110は、前記原稿作成手段によって作成された原稿を介して前記印材に光を照射するための発光手段を構成する。 この発光ユニット(HU)110は、スタンプ部106下方に着脱自在に設けられており、スライドレバー151を上方に摺動させることによってスタンプ作成装置101から取り外しが可能である。
    【0041】
    このスタンプ作成装置101は、パーソナルコンピュータ(図示せず)と接続されることによって、パーソナルコンピュータからの制御にしたがって、原稿フィルム108へのポジ原稿の印刷、カットシートCSへの見出しラベルの印刷、ポジ画像が印刷された原稿フィルム108に基づくスタンプの製版といった各種動作を実行するように構成されている。 つまり、フィルムマガジン102から印刷部104に搬送された原稿フィルム108に対して、図外のサーマルヘッド105が所定の文字、図形等のポジ画像を印刷し、その印刷された原稿フィルム108がスタンプ部106に送られる。 そして、発光ユニット110の上面に画像印刷済みの原稿フィルム108を位置させる。 上前蓋156及び上蓋136を開き、原稿フィルム108の上に下面に印材が配されたユニットUを配し、上前蓋156及び上蓋136を閉じることにより、印材を原稿フィルム108の上に圧縮した状態にする。 そして、この印材に原稿フィルム108を介して光が照射されることによって、スタンプ作成装置101による一連のスタンプ作成動作が完了する。
    【0042】
    また、カットシートCS印刷の場合には、供給口103からカットシートCSが供給され、原稿フィルム108ではなくカットシートCSに文字、図形などのポジ画像が印刷され、排出口158から排出される。 印刷されたカットシートCSは、印材に作製された印判と同じものであって、印材を有するユニットから組み立てられた図1のスタンプユニット1のグリップ部材5の頂部に貼着される。
    【0043】
    つぎに、スタンプ部に配される印材押圧手段141の詳細構造を図18により説明する。 図18は、スタンプ作成装置のフレーム構造を示す斜視図である。 断面が凹字型のメインフレーム140の前方には、ヘッドホルダユニット152が、軸160により上方に回動可能に支持されている。 メインフレーム140の後方には、印材押圧手段141がボルトにて取り付けられている。 この印材押圧手段141は、両側面フレーム142と前面フレーム143からなるフレーム体144と、上蓋136と、上前蓋156と、を有して成る。 また、フレーム体144には、ユニットの位置決め機構170が固設されている。
    【0044】
    上蓋136の回動軸136aは、両側面フレーム142によって支持されている。 そして、上蓋136は、この回動軸136aに捲回されたトーションバネ136bによって、開放時にはほぼ垂直位置となるように付勢される。 また、上蓋136の前端に回動可能に取り付けられた上前蓋156は、図外のトーションバネによって前方に開く方向に付勢されており、開放時にはやや前方に傾いた位置となる。 この結果、位置決め機構170に対してユニットUをセットする際に上蓋136及び上前蓋156が邪魔にならない。
    【0045】
    トーションバネの付勢力に抗して上蓋136および上前蓋156を閉じる方向に回動させると、上前蓋156の裏側に伸びるリブ156bの円弧状の切り込み部156cが、正フレーム143に設けられた引っかけ棒145と係合する。 これによって、上蓋136および上前蓋156を閉じた状態に維持しておくことができる。 そして、上蓋136および上前蓋156が閉じた状態では、前フレーム143に取り付けられたフォトセンサPS1の発光素子と受光素子との間をリブ156bが遮るようになっており、これによって上蓋136および上前蓋156が閉じたことを検出することができる。
    【0046】
    上蓋136の裏側には平板金属製の押圧板146が固定されている。 押圧板146は、ユニットUを位置決め機構170にセットした状態で上蓋136および上前蓋156を閉じたときに、ユニットUを発光ユニット110のステージの方向に押圧し、ユニットUの下面に設けられた印材を圧縮する。
    【0047】
    つぎに、図19及び図20により、各スタンプ作成装置によって印材押圧手段141による押圧力の差がでないようにする組立手順を説明する。 上蓋136及び上前蓋156が開いた状態に印材押圧手段141を、メインフレーム140の所定位置に対して差し込む。 そして、位置決め機構170を開いて、予め所定高さに加工された調整治具161をメインフレーム140の底に載せる。 上蓋136及び上前蓋156を閉じ、ボルト162を締め込んで、印材押圧手段141をメインフレーム140に固定する。 調整治具161を取り外すと、メインフレーム140と印材押圧手段141の上下の位置関係が決まる。 メインフレーム140の中には、後述する発光ユニット110が差し込まれるが、この発光ユニット110の高さの差は例えば±0.1mm以内に調整されてお。 そのため、発光ユニット110の上面から印材押圧手段141の押圧板146までの間隔の差が、各スタンプ作成装置で生じないようになっている。 その結果、どのスタンプ作成装置においても、ユニットUの印材の大きさに応じた高さの差が、有効に作用するようになる。
    【0048】
    更に、図21及び図22により、メインフレームの下方に着脱可能に装着される発光ユニット(HU)110の詳細構造を説明する。 図21は、発光ユニットの断面図であり、図11は発光ユニットの平面図である。 発光ユニット110は、キセノン管111と、キセノン管111の上方に配置されてユニットUとの間に介装される透明アクリル板製のステージ(光透過面)133と、キセノン管111の周囲を覆うリフレクタボックス134とを有しており、これらが一体形成されている。
    【0049】
    発光ユニット110を装置本体112と接続するコネクタ149は、装置本体112側の雌コネクタ149Aと、発光ユニット110側の雄コネクタ149Bとで構成されている。 このコネクタ149には、キセノン管111発光用の4本の端子a、b、c、dと、識別手段用の4本の端子e、f、g、hとの合計8端子が接続されている。 また、コネクタ149Bには、予め測定された単位電力当りのキセノン管11の発光量(発光性能)を示す光量指示部148が接続されている。 この発光ユニット110が装置本体112とは別体として着脱自在に設けられているので、キセノン管111などの部品交換を装置を分解する必要なく容易に行うことができるとともに、光透過面の汚れを落とすなどのメンテナンスを容易に行うことができる。 ただし、交換される発光ユニット110の何れも、ステージ133迄の高さMが、所定値に対して例えば±0.1mmの誤差範囲に入るように調整されている。 従って、発光ユニット110を交換したとしても、ステージ133から、図18で説明した印材押圧手段141が閉じたときの押圧板146迄の間隔が変わらないようになっている。
    【0050】
    更に、ユニットUの位置決め機構170とそれに付設されたサイズ検出機構について、図23〜図26に基づいて説明する。 図23はユニットUを位置決め機構170の所定製版位置にセットした状態を模式的に示す平面図、図24は側面図、図25および図26は断面図である。 前述したように、ユニットUのホルダ部材4に傾斜溝43および検出溝44が設けられている一方で、位置決め機構170には、傾斜溝43および検出溝44と協働してユニットUの装着の有無や様々なサイズのユニットUを識別するための機構が設けられている。
    【0051】
    図23〜図26において、位置決め機構170には、ユニットUを両側から挟んで固定する2つのホルダ固定部材171、172が設けられている。 ホルダ固定部材171は位置決め機構170内で固定されており、その内部には、3つのネジ173によって締結固定されたスイッチプレート174が配置されている。 スイッチプレート174の一端側(ユニットUと対向する側)の上面には、6個のマイクロスイッチ175A、175B、175C、175D、175E、175Fが整列配置されている。 各マイクロスイッチ175A、175B、175C、175D、175E、175Fのスイッチ端子176は、ユニットU側に付勢されており、ユニットUが装着されていない状態ではユニットU側に突出している。 マイクロスイッチ175A、175B、175C、175E、175Fは、ユニットUを位置決め機構170にセットした際におけるオンオフの組み合わせに基づいてユニットUの種類を検出するのに用いられる。 また、マイクロスイッチ175Dは、ユニットUの装着の有無を判定するために用いられる。
    【0052】
    また、ホルダ固定部材171の長手方向におけるほぼ中央位置にて、固定部材171の側端面のマイクロスイッチ175Dの上方には、ユニットUの傾斜溝43と一致した形状を有する位置決め突起177が形成されている。 なお、固定部材171の上面での位置決め突起177に対応する位置には、ユニットUをセットする際の指標となるセットマークMが設けられている。 また、固定部材172は、固定部材171に対して可動に設けられており、図示しない付勢バネによって図23中上向き方向(矢印の方向)に付勢されている。
    【0053】
    かかる位置決め機構170に対してユニットUを所定の製版位置にセットするには、まず固定部材172を付勢バネの付勢力に抗して図23中下向き方向に移動させて位置決め機構170を開く。 そして、セットマークMを大体の目安としてユニットUの長手方向のほぼ中央位置(傾斜溝43の位置)が位置決め突起177と合うように、ユニットUを位置決め機構170に配置してから、固定部材172を図24中上向き方向に移動させ、固定部材171、172の間でユニットUを挟み込む。
    【0054】
    このとき、傾斜溝43の両側が傾斜面となっているので、ユニットUの長手方向の中央位置とセットマークMとの位置関係が多少ずれた場合においても、位置決め機構170の固定部材171に形成された位置決め突起177と傾斜溝43の傾斜面との間で発生するカム作用に基づき、ユニットUは、位置決め突起177が傾斜溝43の中央位置に当接するように移動させられる。 これにより、ユニットUは、位置決め機構170の所定製版位置にセットされる。 かかる状態でユニットUのホルダ部材の下面に保持された印材に印版が形成される。
    【0055】
    図23に示すように、ユニットUが位置決め機構170にセットされると、位置決め突起177が傾斜溝43と当接し、マイクロスイッチ175Dのスイッチ端子176はユニットUの外周壁に当接して引っ越み位置にある。 また、マイクロスイッチ175A、175Fのスイッチ端子176はユニットUの外周壁に当接して引っ越み位置にある。 一方、マイクロスイッチ175B、175C、175Eのスイッチ端子176は図25に示すように検出溝44内に入り込んだ突出位置にある。 つまり、マイクロスイッチ175A、175Fはオン状態にあり、マイクロスイッチ175B、175C、175Eはオフ状態にある。 これら各マイクロスイッチのオンオフの組み合わせによって、ユニットUの種類、ひいては印材のサイズを検出することができる。 また、マイクロスイッチ175Dがオン状態にあることで、位置決め機構170内におけるユニットUの存在が検出される。
    【0056】
    なお、図23に示すように、傾斜溝43および検出溝44は、ユニットUの両方の長手方向の外周壁に互いに回転対称となる位置に形成されている。 これは、ユニットUをスタンプ作成装置101の位置決め機構170の所定製版位置にセットする際に、前壁と後壁を逆転しても傾斜溝43および検出溝44の検出を可能とするためである。
    【0057】
    つぎに、図27により、ホルダ部材4の下面に印材を保持するユニットUのセッティングの動作を説明する。 図示のように上蓋136と上前蓋156を開き、位置決め機構170のホルダ固定部材171,172も開き、ユニットUを発光ユニットのステージ133上に載せる。 なお、ステージ133上には、予め原稿フィルムが位置している。 位置決め機構170によって、ユニットUの位置が決まり、サイズも読み取られる。 そして、上蓋136と上前蓋156を閉じると、押圧板146がユニットUの下面に保持された印材を圧縮する。
    【0058】
    図19の印材押圧手段141の組付けで説明したように、印材押圧手段141による印材の押圧量は、スタンプ作成装置に係わらず一定になる構造になっている。 ただし、ユニットUの印材の面積が大きくなると、上蓋136の押圧板146や発光ユニット110のステージ133に作用する反力も大きくなり、押圧板146及びステージ133の撓みも大きくなる。 その結果、ユニットUの印材の面積が大きくなるほど、印材の圧縮量が不足することになる。 そこで、図3で説明したように、印材の面積が大きくなる程、ユニットUの高さHを高くし、押圧板146やステージ133の撓みを吸収し、印材の実質の圧縮量を略均一にする。 これにより、作成された印判に大小に応じたムラが発生しない。
    【0059】
    前述した実施の形態では、スタンプ作成装置にセットされるユニットUは、印材を保持するホルダ部材4からなる最小限にしている。 そのため、スタンプ作成装置を小型にすることができる。 また、図1で示されるように、ホルダ部材4にセンタリング用の傾斜溝43やサイズ認識用の検出溝44を設けても、スカート部材2にホルダ部材4に挿入してスタンプユニット1が形成されるため、これらの溝43,44が外観に影響を与えることがない。 また、実質的にホルダ部材4だけのユニットUであるため、印材の大きさに応じた高さ変更の管理が確実に行えるという利点がある。
    【0060】
    なお、スタンプ作成装置にセットされるユニットとしては、図1のキャップ60を外した状態のスタンプユニットであってもよい。 この場合、印材の面積が大きくなると、ホルダ部材4とグリップ部材5とを合わせた高さが高くなるように変えるとよい。
    【0061】
    【発明の効果】
    求項のスタンプユニット作成システムによると、スタンプユニットの大きさが印判の大きさお応じて大小に変化し、そのスタンプユニットのうち、少なくとも印材が保持されたホルダ部材を含んでなるユニットを押圧状態にしてスタンプ作成装置内にセットしても、印材の圧縮量が略均等になり、作成された印判に大小に応じたムラが発生しない。
    【0062】
    また、請求項のスタンプユニット作成システムによると、光エネルギー吸収部材を含有した弾性変形可能な軟質多孔体からなる印材の下面がホルダ部材の下端縁から飛び出ているようなユニットは、印材の大きさに応じてスタンプ作成装置に反力を作用させるため、印材の面積が大きくなると、ユニットが高くなるように変えることが有効である。 これにより、印材の圧縮量が略均等になり、作成された印判に大小に応じたムラが発生しない。
    【0063】
    また、請求項のスタンプユニット作成システムによると、印材を保持するホルダ部材をユニットとして、スタンプ作成装置にセットするものは、最小限の部品でユニットが成り立っているため、高さの差による印材圧縮量の補正が確実に行われる。 また、最小限の部品からなるユニットを押圧するため、スタンプ作成装置を小型化することができる。 また、スカート部材で隠れるホルダ部材をスタンプ作成装置内で位置決めするため、スカート部材に必要な位置決め用の溝やサイズ認識用のマークを外観を気にせずに設けることができる。
    【0064】
    また、請求項のスタンプユニット作成システムによると、原稿作成手段と、発光手段と、印材押圧手段とを備えるようなスタンプ作成装置で作成されるスタンプユニットでは、印材の圧縮量の変化が、作成された印判の性能に影響を及ぼし易いため、本発明が有効となる。 これにより、印材の圧縮量が略均等になり、作成された印判に大小に応じたムラが発生しない。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】 本発明の一実施の形態のスタンプユニットの全体分解斜視図である。
    【図2】 図1のスタンプユニットのインクパック開封直後の側断面図である。
    【図3】 図1のスタンプユニットの各種サイズを示す斜視図である。
    【図4】 図1に示されたスカート部材の側面図である。
    【図5】 図1に示されたスカート部材の端面図である。
    【図6】 図1に示されたスカート部材の側断面図である。
    【図7】 図1に示されたホルダ部材の斜視図である。
    【図8】 図1に示されたホルダ部材の側面図である。
    【図9】 図1に示されたホルダ部材の側断面図である。
    【図10】 図1に示されたホルダ部材の平面図である。
    【図11】 図1に示されたホルダ部材の底面図である。
    【図12】 図1に示されたグリップ部材の側面図である。
    【図13】 図1に示されたグリップ部材の底面図である。
    【図14】 図1に示されたグリップ部材の断面図である。
    【図15】 図1に示されたキャップ部材の側面図である。
    【図16】 図1に示されたキャップ部材の側断面図である。
    【図17】 スタンプ作成装置の全体斜視図である。
    【図18】 スタンプ作成装置のフレーム構造を示す斜視図である。
    【図19】 印材押圧手段の組付け状態を示す斜視図である。
    【図20】 印材押圧手段の組付け状態を示す斜視図である。
    【図21】 スタンプ作成装置の発光ユニットの断面図である。
    【図22】 スタンプ作成装置の発光ユニットの平面図である。
    【図23】 位置決め機構の所定位置にユニットをセットした状態を模式的に示す平面図である。
    【図24】 位置決め機構の所定位置にユニットをセットした状態を模式的に示す側面図である。
    【図25】 位置決め機構の所定位置にユニットをセットした状態を模式的に示す断面図である。
    【図26】 位置決め機構の所定位置にユニットをセットした状態を模式的に示す断面図である。
    【図27】 上蓋および上前蓋を開いて、ユニットをセットする状態を示す斜視図である。
    【符号の説明】
    1 スタンプユニット 2 スカート部材 3 印材 4 ホルダ部材 5 グリップ部材 U ユニット 73 下側層(軟質多孔体)
    101 スタンプ作成装置 104 印刷部(原稿作成手段)
    106 スタンプ部 110 発光ユニット(発光手段)
    141 印材押圧手段

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