Stamp for soft lithography comprising micro contact print and method of manufacturing the same

申请号 JP2005326562 申请日 2005-11-10 公开(公告)号 JP2006140493A 公开(公告)日 2006-06-01
申请人 Sony Deutsche Gmbh; ソニー ドイチュラント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; 发明人 KRON GREGOR; WESSELS JURINA; YASUDA AKIO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a stamp with which micro contact printing is realized at a resolution lower than 500 nm, and with which manufacture facilitated, thus with low, manufacturing cost. SOLUTION: In the stamp for soft lithography comprising the microcontact print, the stamp, and a method of manufacturing the stamp made of an ionomer polymer has a process of preparing a master, having a relief structure on a surface and an external surface, a process of preparing a polymer foil, such as an ionomer foil, a process of pushing the master onto the polymer foil and leaving traces of the relief structure on the polymer foil, and a process of exfoliating the master from the imprinted polymer foil. COPYRIGHT: (C)2006,JPO&NCIPI
权利要求
  • マイクロコンタクトプリントを含むソフトリソグラフィ用のスタンプにおいて、
    アイオノマポリマからできていることを特徴とするスタンプ。
  • 上記アイオノマポリマは、エチレンメタクリル酸コポリマであることを特徴とする請求項1記載のスタンプ。
  • 上記エチレンメタクリル酸コポリマは、エチレンとメタクリル酸が、10:1〜100:1の割合、好ましくは10:1以上の割合でランダム共重合されたポリマであることを特徴とする請求項2記載のスタンプ。
  • 上記エチレンメタクリル酸コポリマの平均分子量は、50000〜200000、好ましくは100000〜150000であることを特徴とする請求項2又は3記載のスタンプ。
  • 上記エチレンメタクリル酸コポリマのメタクリル酸カルボキシル基の幾つか又は全ては、カルボン酸亜鉛又はカルボン酸ナトリウムの形であることを特徴とする請求項2乃至4いずれか1項記載のスタンプ。
  • 当該スタンプのヤング率は、20MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のスタンプ。
  • 硬化シリコン系材料を更に含む請求項1乃至6いずれか1項記載のスタンプ。
  • 上記アイオノマポリマから形成された印刷のための第1の部分と、上記硬化シリコン系材料から形成され、印刷される基板表面に対して当該スタンプを均一に接触させる第2の部分とを備える請求項7記載のスタンプ。
  • 上記硬化シリコン系材料は、ポリジメチルシロキサンポリマ、好ましくはビニルポリジメチルシロキサンポリマであることを特徴とする請求項7乃至8いずれか1項記載のスタンプ。
  • 上記第1の部分は、印刷用の前面と、該前面の反対側の背面とを有し、上記第2の部分は、該第1の部分が少なくとも部分的に該第2の部分に埋め込まれるように、該第1の部分の背面上に配設されることを特徴とする請求項8乃至9いずれか1項記載のスタンプ。
  • 上記第2の部分は、上記第1の部分、好ましくは該第1の部分全体を回って広がり、印刷される表面に対して均一な接触を可能とするへりを有することを特徴とする請求項10記載のスタンプ。
  • 上記前面は、印刷のための構造表面を有することを特徴とする請求項10乃至11いずれか1項記載のスタンプ。
  • マイクロコンタクトプリントを含むソフトリソグラフィ用のスタンプの製造方法において、
    (a)表面及び該表面上のレリーフ構造を有するマスタを準備する工程と、
    (b)高分子箔を準備する工程と、
    (c)上記マスタを上記高分子箔に押し付け、該高分子箔に上記レリーフ構造の跡を残す工程と、
    (d)上記刷り込まれた高分子箔から上記マスタを剥離する工程とを有するスタンプの製造方法。
  • 上記工程(c)は、80℃〜150℃、好ましくは100℃〜135℃、より好ましくは120℃〜130℃、最も好ましくは約125℃の高温下で実施されることを特徴とする請求項13記載のスタンプの製造方法。
  • 上記マスタ又は上記高分子箔、若しくはその両方は、上記工程(c)の間、上記高温に維持されることを特徴とする請求項14記載のスタンプの製造方法。
  • 上記エチレンメタクリル酸コポリマは、エチレンとメタクリル酸が、10:1〜100:1の割合、好ましくは10:1以上の割合でランダム共重合されたポリマであることを特徴とする請求項13乃至15いずれか1項記載のスタンプの製造方法。
  • 上記エチレンメタクリル酸コポリマの平均分子量は、50000〜200000、好ましくは100000〜150000であることを特徴とする請求項13乃至16いずれか1項記載のスタンプの製造方法。
  • 上記エチレンメタクリル酸コポリマのメタクリル酸カルボキシル基の幾つか又は全ては、カルボン酸亜鉛又はカルボン酸ナトリウムの形であることを特徴とする請求項13乃至17いずれか1項記載のスタンプの製造方法。
  • 上記高分子箔は、加熱後に20MPa以上のヤング率を達成する材料から形成されていることを特徴とする請求項13乃至18いずれか1項記載のスタンプの製造方法。
  • 上記刷り込まれた高分子箔は、印刷用の前面と、該前面の反対側の背面とを有し、上記工程(d)の後に、該刷り込まれた高分子箔の背面上に硬化可能なシリコン系材料を配設し、該硬化可能なシリコン系材料を硬化させ、該刷り込まれた高分子箔を、該硬化シリコン系材料に少なくとも部分的に埋め込む工程を有する請求項13乃至19いずれか1項記載のスタンプの製造方法。
  • 上記前面は、印刷のための構造表面を有することを特徴とする請求項20記載のスタンプの製造方法。
  • 上記硬化可能なシリコン系材料は、ポリジメチルシロキサンプレポリマ、好ましくはビニルポリジメチルシロキサンプレポリマであり、触媒、好ましくは白金触媒、及びメチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体の存在下で硬化されることを特徴とする請求項20乃至21いずれか1項記載のスタンプの製造方法。
  • 上記工程(d)の後に、上記刷り込まれた高分子箔の前面を含む表面を更に修飾する工程を有する請求項13乃至22いずれか1項記載のスタンプの製造方法。
  • 上記表面は、プラズマ処理、化学修飾及び界面活性剤による処理から選択される処理によって修飾されることを特徴とする請求項23記載のスタンプの製造方法。
  • 請求項13乃至24いずれか1項記載のスタンプの製造方法によって製造されたスタンプ。
  • 請求項1乃至12及び請求項25いずれか1項記載のスタンプを、マイクロコンタクトプリントを含むソフトリソグラフィに使用する使用方法。
  • 上記スタンプは、コンタクトインキング又はウェットインキングによってインクが付けられることを特徴とする請求項26記載の使用方法。
  • 導電リード線又は経路、特に格子構造又はクロスバー構造のマイクロコンタクトプリントに用いられ、該導電リード線又は経路の幅は、10nm〜200nmであり、好ましくは該格子構造又はクロスバー構造は、バッドを含み、該パッドのエッジ長は、好ましくは約100μmであることを特徴とする請求項26乃至27いずれか1項記載の使用方法。
  • e)請求項12及び1乃至25いずれか1項記載のスタンプを製造する工程と、
    f)コンタクトインキング又はウェットインキングを含む手法によって上記スタンプにインクを付ける工程と、
    g)上記インクが付けられたスタンプを基板に押す工程とを有するマイクロコンタクトプリント方法。
  • 請求項1乃至6いずれか1項に定義されているアイオノマ高分子材料を、マイクロコンタクトプリントを含むソフトリソグラフィに使用する使用方法。
  • 说明书全文

    本発明は、ソフトリソグラフィ用のスタンプに関する。 また、本発明は、ソフトリソグラフィ、特にマイクロコンタクトプリント用のスタンプの製造方法及びこのようなスタンプの使用方法に関する。

    マイクロ構造及びナノ構造の表面を化学的に加工するための技術として利用可能な様々な超微細加工(micro fabrication)のうち、多くの研究において、ソフトリソグラフィが最初に採用されている(Xia, Y; Whitesides, GM; Annu.Rev.Mater.Sci.28 (1998), 153-184; Michel, B. et al.; IBM J. Res.& Dev.45 (2001), 697 - 719)。 「ソフトリソグラフィ」という用語で一括される様々な技術は、スタンプとしてのパターンエラストマ(patterned elastomer)、鋳型又はマスクを用いて、マイクロパターン、マイクロ構造又はナノパターン、ナノ構造を作成する共通点を有している。 これらの技術には、マイクロコンタクトプリント(microcontact printing:μCP)、複製成形(replica moulding)、超微細転写成形(micro transfer moulding)、毛細管現象を用いた超微細成形、溶媒による超微細成形、フェーズシフトフォトリソグラフィ(phase-shift photolithography)、鋳造成形(cast moulding)、エンボス成形(embossing)、射出成形(injection moulding)等が含まれる。 様々なソフトリソグラフィ技術の特徴については、「Xia et al., 1998, Annu.Rev.Mater Sci., 28:153-184」に開示されている。 これらのソフトリソグラフィ技術のうち、マイクロコンタクトプリントの技術が最も一般的に用いられている(上述のXia他の同文献参照)。 ここでは、分子の「インク」がパターン高分子スタンプの表面に塗られる。 続いて、スタンプが基板に押される。 この時点で、分子が基板の表面に転写され、これらの分子は、理想的には、自己組織化単層膜(self assembled mono layers)を形成する(Delamarche, E. et al.; J. Phys.Chem.B 102 (1998), 3324-3334; Delamarche, E. et al.; J. Am.Chem.Soc.124 (2002), 3834-3835)。 マイクロコンタクトプリントは、通常、例えば、ポリ−(ジメチルシロキサン)(例えば、シルガード184PDMS(Sylgard 184 PDMS)として市販されている。)のスタンプを用いる。 しかしながら、このポリマは、ヤング率が3MPaであり、500nm以下の形状(feature size)を形成するには余りにも柔らか過ぎることが分かっている(Michel, B. et al.; IBM J. Res.& Dev.45 (2001), 697-719)。

    ソフトリソグラフィのスタンプ材料は、印刷の間、自己吸着(self-adhesion)及び機械的応力を受ける。 印刷の間のこれらの応力により、材料は、変形し(Schmid, H.; Michel, B.; Macromolecules 33 (2000), 3042-3049)、又は破壊される(Delamarche, E. et al.; Adv.Mater.9 (1997), 741-746)虞がある。 柔らかいシルガード184の材料特性に起因した変形及び破壊の問題を回避するために、μCPの用途に適した新たな高分子材料が研究されている。 最も有望な手法は、厚い柔軟なPDMS184スラブと、設計構造を有する薄くて固いPDMS層とからなる複合高分子スタンプを用いる手法である(Schmid, H.; Michel, B.; Macromolecules 33 (2000), 3042-3049; Odom, TW et al.; Langmuir 18 (2002), 5314-5320)。 固いPDMSは、ビニルPDMSプレポリマと、白金ジビニルテトラメチル−ジシロキサン触媒と、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン修飾物質と、ヒドロシランプレポリマとの混合物からなる。 得られる重合体のヤング率は、9.7MPaである。 この複合高分子スタンプを用いることにより、50nmの形状を有する構造が形成できる(Odom, TW et al.; J. Am.Chem.Soc.124 (2002), 12112-12113)。

    ブロック共重合熱可塑性エラストマ(Trimbach, D. et al.; Langmuir 19 (2003), 10957-10961)及びポリオレフィンプラストマ(Csucs, G. et al.; Langmuir 19 (2003), 6104-6109)等の高いヤング率を有する非PDMS材料を用いる別の試みもある。 ブロック共重合熱可塑性エラストマの場合、1μmまでの構造が実現されている。 また、ポリオレフィンプラストマを用いて、100nmまでの構造が実現されている。

    これまでマイクロコンタクトプリントに一般的に用いられている材料は、200nm以下の形状で信頼できる印刷を作成するには柔らか過ぎ、あるいは解像度がより高い複合高分子スタンプの製造は困難であった。

    したがって、本発明の目的は、少なくとも従来の技術と同様の解像度が得られるスタンプを容易に製造するためのスタンプの製造方法を提供することである。 更に、本発明の目的は、500nm未満の解像度でマイクロコンタクトプリント(microcontact printing)を実現するとともに、製造が容易で、したがって製造コストが安いスタンプを提供することである。

    上述の課題は、ソフトリソグラフィ、特にマイクロコンタクトプリント用のスタンプにおいて、アイオノマポリマ(ionomeric polymer)からできているスタンプによって解決される。

    一実施形態においては、アイオノマポリマは、エチレンメタクリル酸コポリマ(poly(ethylene-co-methacrylic acid))であり、このエチレンメタクリル酸コポリマは、エチレンとメタクリル酸が、好ましくは10:1〜100:1の割合、好ましくは10:1以上の割合でランダム共重合されたポリマである。

    エチレンメタクリル酸コポリマの平均分子量は、好ましくは50000〜200000の、特に好ましくは100000〜150000である。

    より好ましくは、エチレンメタクリル酸コポリマのメタクリル酸カルボキシル基の幾つか又は全ては、カルボン酸亜鉛又はカルボン酸ナトリウムの形である。

    一実施形態においては、スタンプのヤング率は、20MPa以上である。

    スタンプは、好ましくは硬化シリコン系材料(cured silicone-based material)を含み、更に好ましくは、アイオノマポリマから形成された印刷のための第1の部分と、硬化シリコン系材料から形成され、印刷される基板表面に対するスタンプの均一な接触(conformal contact)を可能とする第2の部分とを備える。

    一実施形態においては、硬化シリコン系材料は、ポリジメチルシロキサンポリマ、好ましくはビニルポリジメチルシロキサンポリマである。

    好ましくは、第1の部分は、印刷用の前面と、前面の反対側の背面とを有し、第2の部分は、第1の部分が少なくとも部分的に第2の部分に埋め込まれるように、第1の部分の背面上に配設され、より好ましくは、第2の部分は、第1の部分の周辺に、好ましくは第1の部分全体を回って広がるへり(margin)を有し、このへりにより、印刷される表面に対する均一な接触が可能になる。

    好ましい実施形態においては、前面は、印刷のための構造表面(structured surface)を有する。

    また、上述の課題は、ソフトリソグラフィ、好ましくはマイクロコンタクトプリント用のスタンプの製造方法において、(a)表面及び表面上のレリーフ構造(relief structure)を有するマスタを準備する工程と、(b)高分子箔(polymeric foil)を準備する工程と、(c)マスタを高分子箔に押し付け、高分子箔にレリーフ構造の跡(imprint)を残す工程と、(d)刷り込まれた高分子箔からマスタを剥離する工程とを有するスタンプの製造方法によって解決され、高分子箔は、アイオノマポリマ、好ましくはエチレンメタクリル酸コポリマ製である。

    好ましい実施形態においては、工程(d)は、例えばフッ化シラン等の剥離剤の存在下で行われる。

    好ましい実施形態では、工程(c)は、1分〜120分、好ましくは10分〜60分、より好ましくは30分〜60分、最も好ましくは40分以上で行われる。

    一実施形態においては、工程(c)は、100kPa〜250kPa、好ましくは150kPa〜200kPaの圧力下で行われる。

    好ましくは、工程(c)は、80℃〜150℃、好ましくは100℃〜135℃、より好ましくは120℃〜130℃、最も好ましくは約125℃の高温下で行われる。

    一実施形態においては、マスタ又は高分子箔、若しくはその両方は、工程(c)の間、高温に維持される。

    好ましい実施形態では、工程(d)は、室温まで冷却した後に行われる。

    高分子箔の厚さは、50μm〜500μm、好ましくは75μm〜300μm、より好ましくは100μm〜200μm、最も好ましくは約150μmである。

    一実施形態においては、エチレンメタクリル酸コポリマは、エチレンとメタクリル酸が、10:1〜100:1の割合、好ましくは10:1以上の割合でランダム共重合されたポリマである。

    エチレンメタクリル酸コポリマの平均分子量は、50000〜200000、好ましくは100000〜150000である。

    更に好ましくは、エチレンメタクリル酸コポリマのメタクリル酸カルボキシル基の幾つか又は全ては、カルボン酸亜鉛又はカルボン酸ナトリウムの形である。

    一実施形態においては、高分子箔は、加熱後に20MPa以上のヤング率を達成する材料から形成されている。

    一実施形態においては、刷り込まれた高分子箔は、印刷用の前面と、前面の反対側の背面とを有し、工程(d)の後に、刷り込まれた高分子箔の背面上に硬化可能なシリコン系材料を配設し、硬化可能なシリコン系材料を硬化させ、刷り込まれた高分子箔を、硬化シリコン系材料に少なくとも部分的に埋め込む工程を有し、前面は、好ましくは、印刷のための構造表面を有する。

    一実施形態においては、硬化可能なシリコン系材料は、ポリジメチルシロキサンプレポリマ、好ましくはビニルポリジメチルシロキサンプレポリマであり、触媒、好ましくは白金触媒、及びメチルヒドロシロキサンとジメチルシロキサンの共重合体の存在下で硬化される。

    好ましくは、工程(d)の後に、刷り込まれた高分子箔の前面を含む表面を更に修飾し、更に好ましくは、表面は、プラズマ処理、化学修飾及び界面活性剤による処理から選択される処理によって修飾される。

    なお、このような表面修飾は、表面に対するインクの粘着力を低下させ、転写プロセスを容易にする目的で行う。

    また、上述の課題は、上述した本発明に基づく製造方法によって製造されたスタンプによって解決される。

    また、上述の課題は、本発明に基づくスタンプを、ソフトリソグラフィ、特にマイクロコンタクトプリントに用いる使用方法によって解決され、このスタンプは、好ましくは、コンタクトインキング(contact inking)又はウェットインキング(wet inking)によってインクが付けられる。

    好ましくは、この使用方法は、導電リード線又は経路のマイクロコンタクトプリント、好ましくは格子構造又はクロスバー構造のマイクロコンタクトプリントのために用いられる。 特に、この使用方法は、導電リード線又は経路のマイクロコンタクトプリント、好ましくは互いに交差及び/又は互いに横断する導電リード線又は経路(以下、交差する導電リード線/経路又は横断する導電リード線/経路という。)のマイクロコンタクトプリントに用いられる。

    好ましくは、格子構造及び/又はクロスバー構造は、導電リード線、好ましくは10nm〜200nm幅の導電リード線からなる構造である。 一実施形態においては、格子構造及び/又はクロスバー構造は、パッド、好ましくは約100μmのエッジ長を有するパッドを含む。

    このような導電リード線又は経路は、無機インク、例えば金属インクを用いて、10nm〜100μm、好ましくは10nm〜200nmの線幅を有する構造を印刷することによって実現される。 他の実施形態として、約100μmのエッジ長を有するパッドを印刷してもよい。

    ここで用いる「クロスバー構造」という用語は、例えばライン等の印刷された形状が互いに交差するあらゆる構造を含むものとする。

    また、上述の課題は、e)本発明に基づくスタンプを製造する工程と、f)スタンプにインクを付ける、好ましくはコンタクトインキング又はウェットインキングによってインクを付ける工程と、g)インクが付けられたスタンプを基板に押す工程とを有するマイクロコンタクトプリント方法によって解決される。

    また、上述の課題は、上述したアイオノマ高分子材料を、ソフトリソグラフィ、特にマイクロコンタクトプリントに使用する使用方法によって解決される。

    発明者は、アイオノマポリマ、特にエチレンメタクリル酸コポリマにより、特にマイクロコンタクトプリントに適したスタンプを製造できることを見出した。 具体的には、熱エンボス法(hot embossing)とポリマのアイオノマ箔(polymeric ionomeric foil)の使用との組合せによって、マイクロコンタクトプリント用いられる高品質のスタンプを製造することができる。 このようにして製造されたスタンプは、例えば2.0を上回る高アスペクト比を実現できる。 特に、アイオノマ高分子箔がこのような用途に有用と思われることが分かった。 本発明に基づくスタンプは、製造コストが安く、容易に製造することができる。 経験的に、アイオノマポリマの高分子構造には、非晶質ポリマ、結晶性ポリマ及びイオン性クラスタの3つの領域があると考えられている。 これらの特徴は、優れた耐摩耗性、熱可塑性及び高い硬度の要因であると考えられる。 この目的に特に有用な材料の一例としては、エチレンメタクリル酸コポリマがあり、これは、例えばデュポン社(DuPont)からサーリン(Surlyn:米国デュポン社の登録商標、商品名ハイミラン(Himilan))として市販されている。 サーリンは、デュポン社が1960年代前半に発売した商業用の熱可塑性アイオノマ樹脂である。 その商業的な用途は、包装業界で用いられている。 このような包装用途に優れたサーリンの幾つかの特性としては、密封性、成形性、透明性、耐油/脂性、高い引張強度(hot draw strength)等がある。 優れた引張強度により、包装ラインの速度を高めるとともに、包装の失敗を減らすことができる。 サーリンの他の周知の用途としては、ゴルフボールの外部被覆がある。 発明者の知る限りでは、マイクロコンタクトプリント用のスタンプの製造のために、サーリン又は他のアイオノマポリマを用いている例はない。 サーリンでは、メタクリル酸部の幾つかのカルボキシル基は、カルボン酸亜鉛及び/又はカルボン酸ナトリウムの形をしている。

    ポリマのアイオノマ箔とホットエンボス法の組合せは簡単であり、したがって、工業的規模、例えばロールツーロール製造プロセス(roll-to-roll manufacturing processes)に適している。

    本発明に基づく高分子箔への刷込に用いられるマスタは、例えば上述したXia他の文献に開示されており、当業者に周知のプロセスで製造することができる。 例えば、マスタは、フォトリゾグラフィのようなマイクロリソグラフィ技術、マイクロ機械加工、電子ビーム露光を用いて、あるいは、例えば回折格子、TEM格子、固体支持体上に組み立てられた高分子ビーズ及び金属又はSiにエッチングされたレリーフ構造等の利用可能なレリーフ構造から製造することができる。

    マイクロコンタクトプリントのプロセス自体は、上述したXia他の文献及びMichel他の文献に開示されており、当業者にとって既知である。

    本発明に基づくスタンプ及びその製造方法により、100nm以下の解像度を容易に実現できるマイクロコンタクトプリント用のスタンプを安価に製造することができる。

    更に、発明者は、本発明により、実際の印刷プロセスのための第1の部分と、第1の部分が少なくとも部分的に埋め込まれ、印刷される基板表面に対するスタンプの均一な接触を可能とする第2の部分とを備える複合高分子スタンプを製造できることを見出した。 本発明では、第1の部分は、アイオノマポリマから形成され、第2の部分は、柔らかいポリマ、好ましくはポリジメチルシロキサンポリマから形成され、これにより、本発明に基づくスタンプは、印刷が施される基板表面に対する強い接着力を有する。 第2の部分、すなわち「柔らかいポリマ」部分は、第1の部分(すなわち「アイオノマポリマ部分」)の背面に配設され、好ましくは、第1の部分の端部(エッジ)を越えて広がり、これにより、第1の部分全体を回るへりを有する。 ここで用いる「第1の部分が、少なくとも部分的に第2の部分に埋め込まれる」という表現は、第1の部分の背面は、第2の部分によって覆われ、第1の部分の前面は、完全に露出され、実際の印刷工程で使用できることを意味する。

    また、ここで用いる「アイオノマポリマ」という用語は、任意の割合の疎性モノマと、イオン基を運ぶ他の任意の割合のコモノマとを含むコポリマを意味する。 これらのイオン基は、ポリマの主鎖(バックボーン)に存在していてもよく、ポリマの側鎖に存在していてもよい。 好ましくは、疎水性モノマの割合は、イオン基を運ぶコモノマの割合よりも大きい。 好ましい実施形態では、イオン基を運ぶコモノマの割合は、15%程度とする。

    以下、本発明の実施例を説明するが、これは、本発明を例示的に示すものであり、本発明を限定するものではない。

    実施例1
    マスタの複製 サーリン(Surlyn:米国デュポン社の登録商標、商品名ハイミラン(Himilan))は、20MPa以上のヤング率を有する固いポリマである。 このポリマは、本発明に用いられるポリマの一具体例である。 この材料への構造の複製は、150μmの厚さの薄いサーリン箔を用いて、ホットエンボス法で実現される。 スタンプの製造では、ガラス板で覆われた2つのSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)の間にSiO 製のマスタ(電子ビームリソグラフィ及びその後のRIEエッチングによって作成される。)及びサーリン箔を挟み、マスタを125℃の温度で箔にプレス成形する。 略完全にパターンを複製するためには、プロセス時間を約10分にすることが妥当であることが見出された。 なお、プロセス時間を40分に延ばすと、複製に顕著な向上が確認された。 室温まで冷却した後、マスタからスタンプを剥離すると、マスタパターンと同じ高さを有する完全なパターン転写が観察された。 120℃でサーリン(商標)は、部分的に網目を形成し、これにより硬度が高まる。 ヤング率は、20MPaを超えた。 図2の(a)及び(b)は、滑らかで、殆ど欠陥がないスタンプ表面の光学顕微鏡及び走査電子顕微鏡(SEM)の写真を示している。

    実施例2
    アイオノマ樹脂、例えばサーリンから形成されたスタンプによる印刷 a)分子の印刷 一例としてサーリンを用いると、アイオノマ樹脂は、μCPに適切な材料であることがわかった。 転写材料としてオクタデカンエチオール(octadecanethiol)を用いて印刷実験を行った。 スタンプに、コンタクトインキング(contact inking)法及びウェットインキング(wet inking)法を用いてインクを付けた。 コンタクトインキングの場合、10 −3 Mチオール溶液(エタノール内)に一晩晒された後、乾燥されたPDMSの片(piece)上にスタンプを2分間載置した。 一方、ウェットインキングの場合、少量の分子溶液(10 −3 M)をスタンプ上に直接滴下してスタンプを覆い、30秒後に窒素流でこれを乾燥した。 そして、スタンプをAu基板に接触させた。 スタンプと基板間の均一な接触を得るために、5分間、指で圧力を加えた。 図3の(a)及び(b)は、コンタクトインキング法によってインクが付けられたスタンプを、Au基板に対して指で押すことによって得られた転写パターンのSEM写真を示している。 構造化された領域は、完全に転写されている。 更に、ある種の撓み作用(sagging effect)に起因する、分子の不特定の転写も観察され、すなわち、スタンプ表面の望ましくない領域も、基板に接触していることが観測された。 これまでに、高いヤング率を有するサーリンをスタンプ材料として用いることによって、100nmまでのより小さい構造の印刷に成功した(図3b)。

    b) 金の印刷 修飾された基板表面上へのAu電極の印刷にもサーリンを用いることが適切であることが見出された。

    1)Au基板へのAuの印刷 修飾されていないサーリンスタンプ表面に約20nmのAuを新たに熱蒸着させた。 続いて、ノナンジチオールによって覆われたAu基板にスタンプを15時間押した。 チオール基は、印刷された電極のアンカポイント(anchor point)として機能する(一方のチオール基は、Au基板に結合し、他方のチオール基は、Au上部電極に結合する)。 スタンプを取り除くと、分子によって覆われたAu表面への鮮明なAu転写が観察された(図4)。 スタンプされた電極のSEM写真(図4)からわかるように、Au層は、均一ではなく、すなわち、この構造は、多数のAu島(island)からなっている。 サーリンで印刷されたAu構造(コンタクト度約95°)に比べて、PDMSでスタンプされたAu構造(コンタクト角度、約105°)は、島が形成されることなく、平坦で均一であることがわかる。

    現時点では、この島が、転写の前にスタンプ表面上に形成されるのか、基板への転写中に形成されるのかは明確ではない。 なお、単にスタンプのAu層をより厚くするか(50nm程度)、又はサーリン表面を修飾することによって、均一なAu電極構造を実現できることが予想される。 例えばプラズマ処理によって、サーリンは、末端基を有する分子の付着に用いることができる表面OH基を含むようになり、これにより、表面の親水性を変えることができる。 表面の親水性をより高くすることにより、ポリマの表面に連続した滑らかなAu膜が形成される。

    2)SiO 基板へのAuの印刷 修飾としては、アミノシラン又はメルカプトシラン、すなわちトリメトキシシリルプロピルエチレンジアミン(Trimethoxysilylpropylethylendiamin)又はメルカプトプロピルトリエトキシシラン(Mercaptopropyltriethoxysilan)によってそれぞれ官能化されたSiO 表面にAuを印刷することができる。

    この場合、シランのSi原子は、O−ブリッジを介して、基板表面に結合し、アミノ基又はメルカプト基は、印刷されたAu電極へのアンカポイントとして機能する。 このプロセスのための前提条件は、SiO 表面が必要な官能基で均等に覆われていることである。

    3)Auの転写のための潤滑剤 SiO 表面にAuを良好に転写させるためには、スタンプ/Auと、Au/修飾されたSiO 表面との間の界面における相互作用力が重要である。 Auとサーリンスタンプとの間の粘着力が強いと、Auの転写が阻害される。 Au層とサーリン表面との間に潤滑剤膜を設けることにより、この粘着力を低下させることができ、したがって、完全で問題がない転写プロセスが実現される。 フルオロシランは、ポリマの表面にあるカルボキシル基を介してポリマの表面に結合されるので、潤滑剤として機能する。 F原子は、高い疎水性のために、Au膜のスタンプへの粘着力を最小にする。 Auをスタンプに蒸着させる前に、その表面を適切なフルオロシランで修飾する必要がある。 フルオロシラン化プロセス(fluorosilanisation process)は、気相を介した真空、又は溶液のいずれにおいても実施することができる。 いずれの場合も、ポリマの表面上の分子にアンカポイントを提供するために、OH基によってスタンプ表面を活性化する必要がある。

    実施例3
    複合高分子スタンプ パターン転写のための他の重要なパラメータは、スタンプと表面との間の接触である。 従来のスタンプは、スタンプと基板間の均一な接触を得るために、表面に押される。 これまで、2つの異なる種類のPDMSについて、複合高分子スタンプが提案及び開示されている。 これらは、厚くて柔軟なPDMS184スラブと、設計構造を有する薄くて固いPDMS層とからなる(Schmid, H.; Michel, B.; Macromolecules 33 (2000), 3042-3049; Odom, TW et al.; Langmuir 18 (2002), 5314-5320)。 固いPDMSは、ビニルPDMSプレポリマと、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン(platinumdivinyltetramethyldisiloxane)触媒と、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン(tetramethyltetravinylcyclotetrasiloxane)修飾物質と、ヒドロシランプレポリマとの混合物を含む。 これにより得られるポリマのヤング率は、9.7MPaである。 複合高分子スタンプを用いて、50nmの形状を有する構造が実現された(Odom, TW et al.; J. Am.Chem.Soc.124 (2002), 12112-12113)。

    本発明の一側面として、アイオノマ樹脂、例えばサーリンを含む複合二層スタンプを用いることにより、例えば、一方の側のサーリン材料のようなアイオノマの粘着力を低め、他方の側に圧力を加えることによる弛み作用の問題を解決できる。 これらの複合高分子スタンプは、実際のスタンプパターンを含む薄い(約150μm)第1のサーリン層と、厚い(約2mm)第2のPDMS層とを有する。 第2のPDMS層は、サーリン背面上に液体として注がれた後、硬化される。 この第2のPDMS層は、基板表面に対するスタンプ表面の均一な接触を保証する。 第2のPDMS層は、その重みとそれ自体を表面に吸引する(suck)その性質とにより、サーリン層を基板に対して柔らかく押し付け、表面の全ての凹凸を平行に合わせる。 この効果を高めるために、PDMS層をサーリンの薄い層より大きくし、これにより、サーリンの端において、PDMSと基板材料とを直接接触させてもよい。 PDMSには、それ自体を表面に吸引させる性質があるので、スタンプは、柔らかく、均一に接触するように押される。 PDMSの粘着による柔らかい圧力により、弛み作用を回避することができる(図5)。 このように、本発明に基づく複合高分子スタンプは、薄い構造化された固いポリマのアイオノマ箔、例えばサーリン箔と、重なり合うへりを有する柔らかいポリマのクッション(好ましくは、PDMS)とを備える。 高分子箔の上に柔らかい高分子材料を用いる利点は、これにより、柔軟なスタンプのバックボーンが得られることである。 より厚くて柔らかいポリマの背面及び、特にへりと基板間の粘着力により、基板表面に対する構造化された高分子箔の均一な接触が可能になり、印刷プロセスにおいて、適切な圧力が得られる。

    明細書、特許請求の範囲及び/又は図面に開示されている本発明の特徴を、それぞれ個別に及び任意に組み合わせることによって、本発明を様々な形式で実現することができる。

    200nm〜2μmの幅のバー構造を有する、シルガード184PDMSを用いた従来のスタンプを示す図である。

    (a)は、パターンサーリンスタンプ表面の光学顕微鏡写真を示し、(b)は、同じ表面の走査電子顕微鏡の写真を示す図である。

    (a)は、本発明に基づくサーリンスタンプをAu表面に指で押して転写されたチオール構造を示し、(b)は、他の転写検査におけるチオール構造を示す図である。

    本発明に基づくスタンプで印刷された厚さ約20nmのAu電極構造を示す図である。

    本発明に基づく合成サーリン/PDMSスタンプによって、柔らかい圧力により転写されたチオール構造を示す図である。

    印刷のために実際に用いられる部分である構造化された固い高分子箔(黒い)を取り囲む柔らかいポリマのクッション(灰色)を有する本発明に基づく複合高分子スタンプの原理を説明する図である。

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