断熱材用複合材料のための接着剤としてのフォーム

申请号 JP2018504636 申请日 2016-07-06 公开(公告)号 JP2018527220A 公开(公告)日 2018-09-20
申请人 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア; BASF SE; 发明人 グプタ,アノープ; トゥルシンスカス,サルナス; アルプレヒト,ゲルハルト; ギュンター,エファ; ヴァイス,サムエル; クチュエラ,ミヒャエル; シェファー,ルッツ;
摘要 本発明は、少なくとも、層(L1)、(L2)及び(LB)を含む断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L1)、及び25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L2)、を準備する工程; 層(L1)又は層(L2)、又は層(L1)及び(L2)の所定の表面に、無機バインダーを含む組成物(C1)を付ける工程、及び層(L1)及び(L2)を、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合させる工程、を含み、組成物(C1)がフォームの状態で付けられる方法、及び少なくとも、層(L1)、(L2)及び層(L1)と層(L2)の間に配置された層(LB)を含む断熱材用の複合材料、及び上記複合材料を断熱のために使用する方法に関する。
权利要求

少なくとも、層(L1)、(L2)及び層(L1)と層(L2)の間に配置されたバインダー層(LB)を含む断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、以下の工程、 (i) (ia)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L1)、及び (ib)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L2)、 を準備する工程、 (ii)層(L1)又は層(L2)、又は層(L1)及び(L2)の所定の表面に、無機バインダーを含む組成物(C1)を付ける工程、 (iii)層(L1)及び(L2)を、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合させる工程、 を含み、組成物(C1)がフォームの状態で付けられることを特徴とする方法。複合材料が更なる層を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。前記フォームが機械的又は物理的に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。前記フォームの機械的形成が、攪拌、超音波発泡によって、他の適切な手段を使用して機械的エネルギーを導入することによって、又は前記組成物にガスを吹込むことによって行われることを特徴とする請求項3に記載の方法。前記フォームが化学的に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。フォームの化学的形成が、適切なガスを放出する作用物質を使用して、又は発泡剤を使用して行われることを特徴とする請求項5に記載の方法。前記エアロゲルが、シリコン、アルミニウム、及び/又はチタニウムに基づく、少なくとも1種のエアロゲルであることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。前記充てん材が、無機充てん材であることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。前記充てん材が、二酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化マンガン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物から選ばれる無機充てん材であることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の方法。前記ファイバーが、無機ファイバー及び有機ファイバーから選ばれることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の方法。前記ファイバーが、ガラスファイバー、ロックファイバー、金属ファイバー、ボロンファイバー、セラミックファイバー、及び/又はバサルトファイバーから成る群から選ばれる無機ファイバーであることを特徴とする請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。前記ファイバーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、又はポリエステルに基づくファイバーから成る群から選ばれる有機ファイバーであることを特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載の方法。組成物(C1)が、界面活性剤、有機、及び/又は無機ファイバー、分散剤、赤外線反射剤、及び/又は吸収剤、加速剤、抑制剤、増粘剤、保剤、分散剤、レオロジー調整剤、消泡剤、エアロゲル、焼成シリカ、中空球、及び/又は充てん材から成る群から選ばれる少なくとも1種の更なる成分を含むことを特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載の方法。成分(C1)が、少なくとも1種の界面活性剤、及び/又はピッケリング安定剤を含むことを特徴とする請求項1〜13の何れか1項に記載の方法。組成物(C1)が付けられる表面が、組成物(C1)を付ける前に処理に付されることを特徴とする請求項1〜14の何れか1項に記載の方法。前記処理が、表面のプラズマ処理、表面コーティング、表面からのダストの除去、及び埋め込まれたファイバーを表面から部分的に引き抜くことから選ばれることを特徴とする請求項15に記載の方法。前記無機バインダーが、アルカリケイ酸塩、セメント、及びアルカリ活性化アルミノケイ酸塩から成る群から選ばれる、少なくとも1種の要素であることを特徴とする請求項1〜16の何れか1項に記載の方法。少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含み、請求項1〜17の何れか1項に記載の方法によって得られた、又は得ることができる断熱材用の複合材料。少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料であって、 層(LB)が、層(L1)と層(L2)の間に配置され、及び − 層(L1)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、 − 層(L2)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、及び − 層(LB)が、少なくとも1種の無機バインダーを含み、及び密度が2700kg/m3未満であり、及び任意に孔を含むことを特徴とする複合材料。請求項18又は請求項19に記載の複合材料を、断熱のために使用する方法。

说明书全文

本願発明は、少なくとも層(L1)、(L2)及び(LB)を含む断熱材用の複合材料用の方法であって、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L1)、及び25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L2)、を準備する工程;層(L1)又は層(L2)又は層(L1)及び(L2)の表面に、無機バインダーを含む組成物(C1)を付ける工程、及び層(L1)及び(L2)を、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合させる工程を含み、組成物(C1)がフォームの状態で施される方法に関し、及び少なくとも層(L1)、(L2)及び層(L1)、(L2)の間に配置される層(LB)を含む断熱材用の複合材料に関し、及び上述した複合材料を断熱材のために使用する方法に関する。

高いエネルギーコストの場合に、新しい建造物、及び古い建造物の修理の両方の断熱の重要性は、ますます大きくなる。この目的のために、建造物の内側からの伝導による熱損失を低減するために、好ましくは複合断熱系が加熱された建造物の壁、床、又は天井に付けられる(施される)。このような複合材料断熱系は断熱層を、好ましくは板材の状態で含み、該板材は通常建造物に接着接合されている。絶縁層を風化から保護するために下塗りの層が絶縁層に付けられる(施される)。通常、織物層で補強されたベース下塗りが付けられ、そしてカバリング下塗りの層によってカバーされる。合成樹脂下塗りが使用される場合、両下塗り層は共に、約2〜約7mmの厚さ、好ましくは3mm未満の厚さで付けられ、この一方で、無機下塗り系では、厚さは約8mmから約20mmの範囲に達し得る。

過去において多くの絶縁材料が複合材料絶縁系の絶縁層のために使用されてきた。特に、ポリマー性フォーム、例えばポリウレタン又はポリスチレンに基づくフォーム、ミネラルウール、ガラスファイバー、及び天然材料、例えば麻、コルク、又はパーライトが絶縁材として使用されている。しかしながら、通常の外部壁絶縁系は、対応する材料の厚い層が使用された場合にのみに断熱意義の所望の要求に合致するものであった。しかしながら、外側壁におけるこのような大量の積層は、建造物の全体的な審美的印象を損ない、及び従って望ましくない。更に、このような大量の積層は、窓とドアを撤去しなければならないことを意味し、及び内部の部屋に入る光が少なくなり、生活の品質の相当な障害をもたらすものである。ヒドロゲル、例えばガラスからゲルを沈殿させることによって製造可能であるシリカヒドロゲルを超臨界条件下に乾燥させ、微小孔性の3次元的に架橋した二酸化ケイ素粒子を形成することができることが公知である。超臨界的な乾燥の条件下で、微小孔性の3次元的に架橋した粒子に存在する液体の表面張は、完全に又は大きく除去される。ここでの目的は、乾燥の間、微小孔性の3次元的に架橋した二酸化ケイ素粒子が相当な範囲で収縮することを回避することである。この理由は、収縮で、微小孔性の3次元的に架橋した粒子の特徴的特性が完全に、又は部分的に失われるからである。超臨界的な乾燥によって得られたこのような生成物は、ゲルの場合、エアロゲルと称される。ゲルが大きな体積収縮を被り、乾膠体(xerogel)を形成する、特別な注意(precaution)の無い通常の乾燥とは異なり、臨界点周辺での乾燥の間、少量の体積収縮(15体積%未満)のみが発生する。

エアロゲル、特にケイ酸塩に基づくものは、複合断熱系に既に使用されている。この理由は、これらが良好な絶縁特性を有しており、そしてこれらが、与えられた絶縁性能において壁への増量を相当に低くするからである。大気圧での空気中のケイ酸塩エアロゲルの熱伝導率の代表値は、0.017〜0.021W/(m−K)である。ケイ酸塩エアロゲルの熱伝導度の差は本質的に、製造方法に起因する細孔の異なるサイズによって決定され、細孔は10〜100nmの範囲である。

超臨界的な乾燥を使用したエアロゲルを製造するための従来技術は、例えば、非特許文献1(Chemical Engineering,Volume5,Nos.1−4,pp.157−198 (1988))のレビューに包括的に記載されており、この文献には、Kistlerの先駆的な研究も記載されている。

特許文献1(WO95/06617A)は、疎水性シリアエアロゲルに関し、これは、水ガラス溶液を酸と、7.5〜11のpHで反応させ、水又は無機塩基の希釈水溶液で(ヒドロゲルのpHを7.5〜11の範囲に維持しつつ)洗浄することによって、形成されたヒドロゲルから、イオン性成分の大半を除去し、ヒドロゲル内に存在する水性相をアルコールで置き換え、そして次に得られたアルコゲルを超臨界条件(臨界超過の条件)で乾燥させることによって得ることができるものである。

粉状のエアロゲル及び有機、又は無機バインダー、及び任意に更なる骨材から、絶縁ボードを製造することが公知である。例えば、特許文献2(WO96/6015997)には、10〜95質量%のエアロゲル粒子、及び少なくとも1種の無機バインダーを含む複合材料が記載されている。しかしながら、このようなボードには、安定したボードを得るために、比較的大量のバインダーを使用しなければならないという不利な点を有している。しかしながら、このことは、エアロゲルと比較して断熱特性を大きく悪化させるおのである;実施例では、0.15W/(m−K)の熱伝導率が記載されている。

疎水化の高い程度のために、市販されているケイ酸塩エアロゲル粉は高い有機含有量を有している。疎水化は、エアロゲルが製造された後、乾膠体(キセロゲル)の形成を発生させることなく、すなわち大きな収縮を発生させることなく、及び従って、良好な断熱特性を損なうことなく、これらを臨界未満の状態で乾燥できるようにするために必要なものである(非特許文献2:“Aerogels”,N.Husing,U.Schubert,Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition,2000 Electronic Release,Wiley−VCH,Weinheim2000、参照)。高レベルの疎水化によってエアロゲルに導入された有機成分は、燃焼挙動において問題を有している。市販されているケイ酸塩エアロゲル粉、例えばCabotからのNanogel(登録商標)は、DIN4102−1に従って、バーニングクラスB1(直ちには燃焼しない)に分類されている。しかしながら、100メートルまでの高層ビルには、非可燃系(少なくともバーニングクラスA2)が必要とされる。

ファイバーで補強された複合材料エアロゲルマットが現在、Aspen Aerogel Inc.によって商品名Spaceloft(登録商標)で市販されている。従って例えば、特許文献3(US2002/0094426)には、複合材料エアロゲルマット及びその使用方法が記載されている。しかしながら、このようなマットは、製造方法と特殊な乾燥のが必要であることに起因して、薄い厚さ(約1cm)でしか使用できない。超臨界的な乾燥による製造は、エアロゲルがより少ない範囲で疎水されるという有利な点を有しており、このことは燃焼挙動の点で有利である。しかしながら、これらのマットは十分な絶縁性能を達成するために、複数の層で与えられなければならないという不利な点を有している。ここで各層は、絶縁性留め具を使用して壁に個別に固定しなければならず、このことは労力が強くかかり、そして費用がかかり、及び熱橋(heat bridge)をもたらすものである。更に、市販されているエアロゲルマット中に使用されているファイバーは。有機ポリマーを含み、そして従って燃焼挙動の点で問題を有している。

更に特許文献4(WO2010/046974)は、建造物の壁を絶縁するための複合材料断熱系が開示されており、この複合材料断熱系は、20〜90質量%のアエロゲルを含む第1の断熱ボード及びミネラルウールを含む第2の断熱ボードを含んでいる。替わりの実施の形態では、この系は、ミネラルウールと20〜90質量%のエアロゲルを含む、少なくとも1つの複合材料ボードを含むこともできる。

特許文献5(WO2012/098040)には、単一エアロゲルブランケットを水中アルカリシリケート(水ガラス)を使用して接着することによってエアロゲルパネルを製造する方法が開示されている。

この製造方法は、エアロゲルブランケットをカットする工程、(例えば吹付によって)表面上に接着剤を加える工程、複数積層パネルに所定の圧力を加え、そして次にパネルをオーブン内で乾燥させる工程を含んでいる。問題は、接着性能が低いために、この方法によって得られたパネルの機械的性能が劣るということである。特にせん断及び引張応力下では、ボードは接着層で薄い層に裂けてしまう(接着欠陥)。これは、ブランケットの表面が疎水性であり、エアロゲルダストを含み、そして一様でないからである。これは、ブランケット上の親水性の水ガラスの不十分な濡れ、及び表面の溝部分で多く存在し、又は加圧の間にブランケットから流れ出ることさえある接着剤の一様でない分布をもたらす。

WO95/06617A

WO96/6015997

US2002/0094426

WO2010/046974

WO2012/098040

Chemical Engineering,Volume5,Nos.1−4,pp.157−198 (1988))

“Aerogels”,N.Husing,U.Schubert,Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition,2000 Electronic Release,Wiley−VCH,Weinheim2000、

従って本発明の目的は、非常に低い熱伝導率を有し、及び従ってたとえ層厚さが薄くても、非常に良好な絶縁特性を達成する(例えば建造物の外壁の断熱用の)複合断熱系を提供することにある。断熱用の複合材料は、ユーザーによって非常に容易に機能し、及び従って建造地で建造物の環境に適合できる構造を有するべきである。これと同時に、断熱用の複合材料は、高い曲げ強度を有するべきであり、及び複合材料断熱系の非常に高い長期機械的安定性を達成するために、理想的には平坦であるべきである。本発明の更なる目的は、上記複合材料を製造するための方法を提供することにある。

本発明に従えば、上記課題は、少なくとも、層(L1)、(L2)及び(LB)を含む断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、以下の工程、 (i) (ia)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L1)、及び (ib)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L2)、 を準備する工程、 (ii)層(L1)又は層(L2)、又は層(L1)及び(L2)の所定の表面に、無機バインダーを含む組成物(C1)を付ける(塗布する)工程、 (iii)層(L1)及び(L2)を、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合させる工程、 を含み、組成物(C1)がフォームの状態で付けられる(塗布される)ことを特徴とする方法によって解決される。

更に、本発明は、少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料であって、 層(LB)が、層(L1)と層(L2)の間に配置され、及び − 層(L1)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、 − 層(L2)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、及び − 層(LB)が、少なくとも1種の無機バインダーを含み、及び密度が2700kg/m3未満であり、及び任意に孔を含むことを特徴とする複合材料に関する。

層(LB)は層(L1)と層(L2)の間に配置されたバインダー層である。

本発明の複合断熱系が、高度の長期間機械的安定性を有していることが見いだされたことは、驚くべきことであった。更に驚くべきことに、本発明に従う発明は、不燃性の複合断熱系(カロリー値が3MJ per kg未満)を得ることを可能にする。更に組成物(C1)の発泡、すなわち無機バインダーを含む組成物(C1)をフォームの状態で付ける(塗布する)ことは、各層、例えばエアロゲルブランケット上の接着剤の均一な分布をもたらす。更に、無機バインダーの粘性、及び疎水性/親水性バランスが変化され、従ってぬれ挙動を改良する。これらは全て、機械的特性の改良、例えば引っ張り強さの改良をもたらす。

本発明に従えば、断熱材用の複合材料は、少なくとも工程(i)〜(iii)を含む方法によって製造される。工程(i)に従えば、層(L1)及び(L2)が用意され、層(L1)は25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、及び層(L2)は25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む。本発明に従えば、層(L1)及び(L2)の組成は、同一であるか、又は異なることが可能である。本発明に従う方法の工程(ii)に従えば、無機バインダーを含む組成物(C1)が、層(L1)又は層(L2)、又は層(L1)及び(L2)の所定の表面に付けられる(塗布される)。工程(iii)に従えば、層(L1)及び(L2)は、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合される。

本発明に従えば、工程(ii)で、無機バインダーを含む組成物(C1)が付けられる。それぞれの表面に付けられるまで安定状態を維持する安定したフォームを形成するのに適切であれば、原則として適切な如何なる組成物も使用可能である。本発明に従えばフォームは、この技術分野の当業者にとって公知の任意の適切な態様で、例えば機械的又は化学的に形成することができる。

更なる実施の形態に従えば、本発明は上記に開示した断熱材用の複合材料を製造するための方法に関し、ここでフォームは機械的に、又は物理的に形成される。他の実施の形態に従えば、本発明は上記に開示した断熱材用の複合材料を製造するための方法に関し、ここでフォームは化学的に形成される。フォームの機械的な形成は例えば、攪拌、超音波発泡によって、他の適切な手段を使用して機械的エネルギーを導入することによって行われる。本発明について、フォームの機械的形成は、組成物を通してガスを吹き込むことによるフォームの形成を含む。適切なガスは、窒素、二酸化炭素、酸素、水素、希ガス、例えばヘリウム又はアルゴン、又は低級炭化水素、又はこれらのガスの混合物を含む。本発明に従えば、フォームを形成させるために加圧ガス、例えば窒素、二酸化炭素、酸素、水素、希ガス、例えばヘリウム又はアルゴン、又は低級炭化水素を使用することも可能である。

フォームの化学的形成は、この技術分野の当業者にとって公知の、適切なガスを放出する任意の適切な作用物質を使用することによって行われる。しかしながらフォームは、発泡剤、例えば、過酸化水素、又は窒素含有化合物を発泡剤として、又は例えばペンタンを使用して形成することもできる。ガスの適切な供給源は、金属、例えばアルミニウム、又はマグネシウムのアルカリ性水性媒体中での反応であっても良い。適切な発泡剤はWO2015/062860に記載されている。

本願発明に従えば、組成物(C1)は、層(L1)又は層(L2)の一つの表面、又は層(L1)と(L2)に付けられる(塗布される)。組成物(C1)は、層(L1)と(L2)の間の結合作用を確保するのに十分である限り、それぞれの表面に部分的に付けても良い。

本発明に従えば、本方法は更なる工程を含むこともできる。特に、更なる層を付けることができ、該層は好ましくは、バインダー組成物を使用して付着される。

好ましい実施の形態では、断熱用の少なくとも2層の複合材料はプレハブ住宅を作るボードであり、該ボードは建造物の敷地で他の成分と結合されて複合断熱系を形成するものである。断熱用の複合材料は好ましくは、厚さが250mm〜10mm、特に100mm〜20mm、及び特に好ましくは80mm〜30mmである。ボードの寸法は広い範囲で変化させることができ、及びボードは好ましくは、高さが2000〜200mmで、及び幅が1200mm〜200mmである。

好ましくは、疎水化の程度が低く、及び従って燃焼の総発熱量が低いエアロゲルが使用される。

本発明に従えば、層(L1)及び(L2)はそれぞれ、25〜95%のエアロゲルを含む。本願発明では原則として、この技術分野の当業者にとって公知の任意の適切なエアロゲルを使用して良い。適切なエアロゲルは例えば、シリコン、アルミニウム及び/又はチタンに基づくものである。従って、更なる実施の形態に従えば本発明は、上記に開示した断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、エアロゲルが、シリコン、アルミニウム及び/又はチタンに基づく少なくとも1種のエアロゲルである。

複合材料の機械的安定性のために、及び本発明の目的にとって層がファイバーを含むことは必須である。

本願発明に従えば、層(L1)及び(L2)はそれぞれ、5〜75質量%のファイバーを含む。本願発明に従えば、任意の適切なファイバー、例えば有機ファイバー、又は無機ファイバーを使用することができる。更なる実施の形態に従えば、本発明は、上記に開示した断熱用の複合材料を製造するための方法であって、ファイバーが無機ファイバー又は有機ファイバーから選ばれる方法に関する。

無機ファイバーの場合、好ましい実施の形態では、これらはガラスファイバー、ロックファイバー、金属ファイバー、ボロンファイバー、セラミックファイバー、及び/又はバサルトファイバー、特にガラスファイバーであることが可能である。従って、更なる実施の形態に従えば、本発明は上記に開示した断熱用の複合材料を製造するための方法であって、ファイバーがガラスファイバー、ロックファイバー、金属ファイバー、ボロンファイバー、セラミックファイバー、及び/又はバサルトファイバーから成る群から選ばれる無機ファイバーである方法に関する。

特に適切な有機ファイバーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、又はポリエステルに基づくものである。有機ファイバーを加える場合、好ましくは、複合材料断熱系の燃焼の総発熱量が1キログラム当たり3MJ未満であるように有機ファイバーの量が与えられる。

更なる実施の形態に従えば、本発明は上記に開示した断熱用の複合材料を製造するための方法であって、ファイバーがポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、又はポリエステルに基づくファイバーから成る群から選ばれる有機ファイバーである方法に関する。

好ましい実施の形態では、複合材料断熱系はより特定的には、<1質量%の有機ファイバーを含み、及び好ましくは有機ファイバーを含まない。本発明に従えば、層(L1)及び/又は層(L2)はファイバーの混合物、例えば無機ファイバーと有機ファイバーの混合物を含んでも良い。

更に、層(L1)及び/又は層(L2)は充てん材を含むことができる。本発明において、充てん材は、有機充てん材、又は無機充てん材、又は2種以上の充てん材の混合物であることが可能である。適切な充てん材は、この技術分野の当業者にとって公知である。好ましくは、無機充てん材が使用される。従って、更なる実施の形態に従えば、本発明は上記に開示した断熱用の複合材料を製造するための方法であって、充てん材が無機充てん材である方法に関する。

従って本発明は、少なくとも、層(L1)、(L2)及び(LB)を含む断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、以下の工程、 (i) (ia)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の無機充てん材を含む層(L1)、及び (ib)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L2)、 を準備する工程、 (ii)層(L1)又は層(L2)、又は層(L1)及び(L2)の所定の表面に、無機バインダーを含む組成物(C1)を付ける工程、 (iii)層(L1)及び(L2)を、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合させる工程、 を含み、組成物(C1)がフォームの状態で付けられる方法にも関する。

更に、本発明は、少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料であって、 層(LB)が、層(L1)と層(L2)の間に配置され、及び − 層(L1)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の無機充てん材を含み、 − 層(L2)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の無機充てん材を含み、及び − 層(LB)が、少なくとも1種の無機バインダーを含み、及び密度が2700kg/m3未満であり、及び任意に孔を含む複合材料に関する。

一実施の形態に従えば、断熱材用の複合材料は、無機充てん剤を含むことができる。これらは、例えば、二酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化マンガン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物、特に二酸化マグネシウム、又は二酸化チタンであることができる。

更なる実施の形態に従えば、本発明は、上記に開示した断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、前記充てん材が、二酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化マンガン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物から選ばれる無機充てん材である方法に関する。

本発明において、組成物(C)は更なる成分、例えば界面活性剤、及び/又は添加剤、特に軽量添加剤、例えばエアロゲル、焼成シリカ、中空球体をフォームの品質を改良するために含むこともできる。組成物(C1)はファイバー、例えば、上述した無機又は有機ファイバーも含んで良い。

断熱材用の複合材料をコーティングするための無機バインダーは特に、水硬性バインダー、好ましくはセメント、特にポートランドセメントである。好ましい実施の形態に従えば、アルカリ−活性化アルミノケイ酸塩がバインダーとして使用される。これらは、少なくとも2種の成分の反応によって形成される無機材料である。第1の成分は、SiO2及びAl2O3を含む、1種以上の水硬性の反応性固体、例えばフライアッシュ、スラグ、及び/又はメタカオリン、及び/又はセメントである。第2の成分は、アルカリ性活性剤、例えばナトリウム水ガラス、又は水酸化ナトリウムである。水の存在下に2種の成分が接触することで、アルミノケイ酸塩を含有する、アモルファスないし部分的に結晶性のネットワークを形成することにより硬化が生じ、これは耐水性である。

更に、水硬性の石灰も無機バインダーとして使用可能である。断熱複合材料をコーティングするために、無機バインダーは好ましくは、ボードに付ける前に充てん材と混合され、モルタルを生成し、及び/又はボードに塗布した後に、塗布及び/又は吹付けによって充てん材が与えられる。更なる実施の形態では、無機バインダーはポリマー、特に多孔性ポリマー、及び再分散ポリマー粉、好ましくはビニルアセテート、スチレン、ブタジエン、エチレン、バーサチック酸(Versatic acid)のビニルエステル、及び/又はウレア−ホルムアルデヒド縮合生成物、及び/又はメラミン−ホルムアルデヒド縮合生成物から構成されるホモポリマー、又はコポリマーを含む。更に、組成物(C1)は増粘剤、保水剤、分散剤、レオロジー調整剤、消泡剤、抑制剤、加速剤、添加剤、顔料、及び有機又は無機ファイバーを含むことができる。

更なる実施の形態に従えば、従って本発明は、上記に開示した断熱用の複合材料を製造するための方法であって、組成物(C1)が、界面活性剤、有機、及び/又は無機ファイバー、分散剤、赤外線反射剤、及び/又は吸収剤、加速剤、抑制剤、増粘剤、保水剤、分散剤、レオロジー調整剤、消泡剤、エアロゲル、焼成シリカ、中空球、及び/又は充てん材から成る群から選ばれる少なくとも1種の更なる成分を含む方法に関する。

本発明の更なる実施の形態に従えば、本発明は、上記に開示した断熱用の複合材料を製造するための方法であって、前記無機ファイバーが、アルカリケイ酸塩、セメント、及びアルカリ活性化アルミノケイ酸塩から成る群、特にカリウム水ガラス、ナトリウム水ガラス、セメント、及びアルカリ活性化アルミノケイ酸塩から成る群から選ばれる、少なくとも1種の要素である方法に関する。

組成物(C1)は界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、親水性頭部と疎水性尾部を有する化合物である。フォームは、アルカリ安定性界面活性剤を加えることによって安定化しても良い。組成物(C1)は、界面活性剤の混合物を含んでも良い。

更なる実施の形態に従えば、本発明は、上記に開示した断熱用の複合材料を製造するための方法であって、組成物(C1)が少なくとも1種の界面活性剤、及び/又はピッケリング安定剤(Pickering stabilizer)を含む方法に関する。

本発明において、界面活性剤の前駆体、すなわち所定の条件下、例えば適切なpH、又は所定の温度下で、界面活性剤としてのみ反応する化合物を使用することも可能である。適切な化合物は例えばUS2014/0245929A1に記載されている。

一つ以上の実施の形態において、界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びこれらの組合せから成る群から選ばれることが可能である。界面活性剤は異なる用途のために、種々の量で使用可能である。例えば、界面活性剤は、組成物(C1)の0.10質量%〜5.00質量%、好ましくは0.25〜2.5質量%、より好ましくは0.5〜1.5質量%の範囲の量で使用可能である。

非イオン性界面活性剤の例は、アルキルポリサッカリド、アミンオキシド、ブロックコポリマー、キャスターオイルエトキシレート、ceto−オレイルアルコールエトキシレート、ceto−ステアリルアルコールエトキシレート、デシルアルコールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート、ドデシルフェノールエトキシレート、末端キャップエトキシレート、エーテルアミン誘導体、エトキシル化アルカノールアミド、エチレングリコールエステル、脂肪酸アルカノールアミド、脂肪アルコールアルコキシレート、ラウリルアルコールエトキシレート、モノ分岐アルコールエトキシレート、天然アルコールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、オクチルフェノールエトキシレート、オレイルアミンエトキシレート、ランダムコポリマーアルコキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート、ステアリン酸エトキシレート、ステアリルアミンエトキシレート、合成アルコールエトキシレート、トール油脂肪酸エトキシレート、タローアミン、エトキシレート、tridトリデカノール エトキシレート、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。

カチオン性界面活性剤の例は、アルキルジメチルアミン、アルキルアミドプロピルアミン、アルキルイミダゾリン誘導体、四級化アミンエトキシレート、四級化アンモニウム化合物、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。

アニオン性界面活性剤の例は、アルキルエーテルフォスフェイト、アルキルエーテルカルボン酸及び塩、アルキルエーテルサルフェート、アルキルナフタレンスルホネート、アルキルフォスフェイト、アルキルベンゼンスルホン酸及び塩、アルキルフェノールエーテルフォスフェイト、アルキルフェノールエーテルサルフェート、アルファオレフィンスルホネート、芳香族炭化水素スルホン酸、塩及びブレンド、濃縮ナフタレンスルホネート、ジ−アルキルスルホコハク酸エステル、脂肪酸アルコールサルフェート、モノ−アルキルスルホコハク酸エステル、アルキルスルホスクシナメート、ナフタレンスルホン酸塩、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。

両性界面活性剤は、水中のpHに依存して、溶液中でアニオン性(ネガティブに荷電された)、カチオン性(ポジティブに荷電された)、又は非イオン性(無荷電)であり得る。両性界面活性剤の例は、アルキル両性(ジ)アセテート、アミドベタイン、アルキルベタイン、及びこれらの組合せを含むが、これらに限定されるものではない。

本願発明に従えば、フォームの密度は広い範囲で変動することができる。好ましくは、組成物(C1)は密度が、1250kg/m3未満、例えば30〜1250kg/m3の範囲であり、より好ましくは400kg/m3未満の密度、例えば70〜400kg/m3の範囲の密度である。

エアロゲルパネル、及び/又は成形物を製造するために、無機接着剤が、上述した界面活性剤/湿潤剤と一緒に、1平方メートル当たり10〜500グラム(コート質量)、好ましくは1平方メートル当たり50〜350グラム、より好ましくは1平方メートル当たり100〜200グラムのレベルで付けられる。フォーム安定性を改良するために、任意の及び全ての無機接着剤が、水で希釈可能である。

ナトリウム、又はカリウムケイ酸塩ベースの接着剤は、2種の異なる方法によって接着することができる:(1)化学的重合、又は(2)水の蒸発/脱水。水性ベースの接着剤中の残留水分の蒸発は、通常の加熱方法、例えば対流、放射又は誘電加熱を使用して行うことができる。最初に濡れたパネル及び/又は成形物を95℃以下の温度で処理することが好ましい。濡れたパネル/成形物を最初に95℃を超える温度に曝すと、水の迅速/瞬間な蒸発を介して形成されたケイ酸塩結合の水膨れと発泡のために、結合強さを減ずることになる。95℃未満の温度で無機接着剤から最小限80%の水を除去した後、次に結合(接着)されたパネルを、95〜370℃の範囲の温度、より好ましくは150〜200℃の範囲の温度で、熱処理することが可能であり、好ましい。全ての無機水性接着剤について、マイクロ波硬化技術を使用して、硬化時間を加速することができる。水平な、直立の、又は傾斜した面用の平坦なパネル、又はボードタイプ絶縁材が、本発明の方法及び構成によって製造されて良い。

複合断熱系の全体のサイズが決定された後、ファイバーで補強されたエアロゲル材料がこの特定の長さ及び幅にカットされる(この場合、複合断熱系は長方形の形状を有すると仮定しているが、絶縁の対象となる建造物の箇所の幾何学形状に適合する任意の形状を有することが可能である)。次に、所定量の無機、又は大半が無機のバインダーが各絶縁層の一方側、又は両側に付けられる(塗布される)が、この場合、外側に向いた面(すなわち、建造物に向いた側、及び建造物から外方に向いた面)は含まれない。この無機接着剤用の被覆質量は、1.0〜750g/m2の範囲であることが可能である。この絶縁系は、エアロゲルブランケットの2層の最小量を含んでも良い。層の最大量は、取り扱い上の配慮によってのみ制限される。代表的には、エアロゲルブランケットの2層以上が上述した取扱いを使用して結合されても良い。

無断熱材用の複合材料の層を結合するのに使用される無機バインダーは、ブランケットの間でプレスされる前の層厚さが、好ましくは0.05〜1cm、特に0.1〜0.6cm、及び好ましくは0.15〜0.4cmである。これは、ボードに付ける前に充てん剤と混合してモルタルを形成しても良く、及び/又は導入した後に、塗布及び/又は吹付けによって充てん剤を与えても良い。更なる実施の形態では、無機バインダーはポリマー、特に極性ポリマー、及び再分散性ポリマー粉、好ましくはビニルアセテート、スチレン、ブタジエン、エチレン、バーサチック酸(Versatic acid)のビニルエステル、及び/又はウレア−ホルムアルデヒド縮合生成物、シリコン及びシリケート樹脂、及び/又はメラミン−ホルムアルデヒド縮合生成物から成るホモポリマー又はコポリマーを含む。更に、バインダーは、増粘剤、保水剤、分散剤、レオロジー調整剤、消泡剤、抑制剤、促進剤、添加剤、顔料、及び有機又は無機ファイバーを含むことができる。

無機バインダーを使用した断熱材用の複合材料の少なくとも2層の結合は、層間の非常に良好な機械的結合を達成可能であるという有利な点を有している。更に、断熱材用の複合材料の高い曲げ強度が達成される。断熱材用の少なくとも2層の複合材料は、好ましくはボードであり、これにより複合材料をより容易に使用場所に運搬し、そしてそこで加工(処理)することができる。概して、断熱材用の複合材料の重要な使用特性がこのようにして改良される。好ましい一実施の形態では、断熱材用の複合材料の層を結合させる無機バインダーは、カリウム水ガラス、ナトリウム水ガラス、セメント、特にポートランドセメント、及びアルカリ活性化アルミノケイ酸塩、好ましくはカリウム水ガラスから成る群から選ばれる少なくとも1つの要素である。結合されたパネル、及び/又は成形物を製造するために、複数種類の無機バインダー、又は接着剤が使用されても良い。このようなバインダーは、水ベース又は他の溶媒ベースであっても良い。水ベースの接着剤は、種々のシリカを有する純粋なケイ酸ナトリウムから酸化ナトリウム割合までの範囲、市販のケイ酸塩ベースの、種々の無機充てん材を含む混合物までの範囲を有する。

エアロゲルの層が組成物(C1)で被覆(コーティング)されると、各層は相互に積み重ねられ、そして縁部がそろえられ、全ての層が滑らかな縁部を有する一つの幾何学形状(この場合、長方形等)を作り出す。製造の後、(無機バインダーが冷却/硬化した後、及びコーティング材料、及び/又は外部カバー材料が付けられる前、又は後に)上述した断熱材要素の縁部を刈り込んで形状を整えるも可能である。任意に、接着された層の表面上に重りを乗せ、断熱系が相互にしっかりと結合することを確実にしても良いが、必ずしも必要なものではない。本願発明に従えば、好ましくは、層を積み重ねた後に圧力が加えられ、そしてフォームの体積が圧縮される。体積は、層の最初の厚さに対して約50%、層の最初の厚さに対して好ましくは60〜99%、特に75%〜98%、より好ましくは最初の厚さに対して85〜95%に圧縮されて良い。平坦なパネルタイプは次に、(無機バインダー中の溶媒、通常水を蒸発させる)室温で硬化させても良く、又はこれを30〜115℃で、オーブン内に置いて促進しても良い。硬化の温度及び継続時間は、エアロゲル層の数、無機バインダーの固体含有量、及びエアロゲル系の幾何学、及び/又は形状に依存して変化しても良い。得られる複合材料は、層(L1)及び(L2)及びバインダー層(LB)を含む。

無機バインダーが完全に硬化すると、これは、所定の厚さを有するエアロゲルの複数層である半剛体、高曲げ性強度のボードタイプ絶縁材料を形成する。この時に、カバリング/コーティング材料が与えられても良い。好ましい実施の形態では、このコーティングは本来ポリマー性であり、そしてスプレー、浸漬、グラビアロール、メイヤーロール(meyer roll)、ナイフ−オーバー−ロール、ナイフ−オーバー−ウェブ、カーテン、ロール又は押出しコーテッドによって与えられても良い。

本願発明に従えば、層(L1)又は(L2)は、組成物(C1)が与えられる前に更に処理されることが可能である。好ましくは、各層は、組成物(C1)の接着性を改良するために処理される。好ましい処理は例えば、得られる複合材料の安定性を改良するための表面上のダストの低減、又は表面のでこぼこ状態の増加である。処理の適切な方法は、表面のプラズマ処理、及び表面コーティングを含むがこれらに限定されるものではない。

更なる実施の形態に従えば、本発明は、上記に開示した断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、処理が、表面のプラズマ処理、表面コーティング、表面からのダストの除去、及び埋め込まれたファイバーを表面から部分的に引き抜くことから選ばれる方法に関する。

本方法は特に、連続的に、及び/又は自動化された方法で行うことができる。本発明は、断熱複合材料の厚さという点で非常に広いバリエーションを許容することが見出された。断熱材用の複合材料を任意に両面から複合材料を同時にコーティングすることができる結果、複合材料は特に良好に安定化され、及び断熱材用の複合材料の歪み(warping)が防止される。断熱材用の複合材料の層の結合は、この目的のために、この技術分野の当業者にとって公知の全ての方法を使用して圧力下に行うことができる。特に、断熱材用の複合材料は二個の相互反転するローラーの間でプレスすることができる。ローラーの表面は滑らかであることができる。しかしながら、ローラーが表面構造を有し、この構造が層の結合後に断熱材用の複合材料の表面上にエンボス加工を施すことも有利であることができる。建造物の表面に固定する上での接着、及び下塗りの接着は、このようにして改良することができる。断熱材用の複合材料の建造物に向いた表面、及び/又は建造物から外方に向いた表面が、結合の後、有機又は無機バインダーで被覆されることも特に有利である。

好ましい実施の形態では、断熱材用の複合材料が何れかの無機バインダーで被覆される場合、無機バインダーを付ける(塗布する)前、及び/又は後に、バインダー促進剤が無機バインダーと接触される。ここで、加速剤は、断熱複合材料に付ける直前にスプレーによってバインダーと接触されることが好ましい。しかしながら、加速剤を無機バインダー内に予め導入することも可能である。更なる好ましい実施の形態では、加速剤は、バインダー層が断熱複合材料に付けられた後にのみ与えられる。ここでもスプレー(吹き付け)によって行われることが、好ましものであり得る。促進剤は例えば、サルフェート、硝酸エステル、亜硝酸塩、ギ酸塩、アルミン酸塩、ケイ酸塩、又は水酸化物、またはこれらの混合物であることができる。特に好ましくは、アルミニウム塩、例えば、硫酸アルミニウム及び水酸化アルミニウムで、これらは水溶液として使用されることが特に好ましい。

加速剤の使用は、極めて短い時間の経過後に、断熱材用の複合材料が高い強度を有するという有利な点を有している。断熱材用の複合材料がボードの状態であり、及び織メッシュ、及び/又は織ファブリック層が与えられる場合、断熱ボードは加速剤を使用することなく、製造の直後に積み重ねられることも可能である。特に水中硬化性バインダーは、更なる硬化の間に最適の状態を取得する。この理由は、水の早期喪失が発生しないからである。この場合、オーブン内でのボードの乾燥は必要とされない。本発明に従うこの方法は従って、資源を特に良好に保存し、及び相当なコスト低減をもたらし、及び使用する無機バインダーの量に基づいて、ボードの改良された剛性をもたらす。本発明の断熱材用の複合材料が、更なる層を含むことも可能であり、これらの層は特に、ガラスファイバー又はロックウールを含む。特定の実施の形態では、本発明の複合断熱系は、建造物の壁に結合させるために、1平方メートル当たり、固定点(締付け箇所;fastening point)が4箇所未満、特に2箇所未満であり、及び特に好ましくは固定点を有さない。

断熱材用の複合材料は好ましくは、建造物の外壁に接着によって固定される。例えば、無機接着剤及び補強組成物、特に白消石灰(white hydrated lime)及びセメントが、この目的のために適切である。更に、合成樹脂に基づく接着剤組成物を使用することも可能である。好ましい実施の形態では、1〜50質量%、特に2〜40質量%、特に好ましくは3〜30質量%、及びより好ましくは4〜20質量%のエアロゲル、特に粉状態のケイ酸塩エアロゲルが接着剤中に混合される。このようにして総合複合断熱系の層厚さは、更に低減可能になり、この一方で、同一の熱貫流率(heat transmission coefficient)を維持する。本発明の複合断熱系のための適切な下塗り(材)は特に、無機下塗り、又はシリコン樹脂に基づく装飾用下塗りである。好ましい実施の形態では、1〜50質量%、特に2〜40質量%、特に好ましくは3〜30質量%、及びより好ましくは4〜20質量%のエアロゲル、特に粉状態のケイ酸塩エアロゲルが下塗り材中に混合される。このようにして、設定された熱貫流率において総合複合断熱系の厚さを更に低減可能になる。

本発明に従えば、少なくとも2層の層(L1)と(L2)、及びバインダー層(LB)を含む断熱材用の複合材料が得られる。層(LB)は、アルカリケイ酸塩、例えばカリウム及び/又はナトリウム水ガラス、セメント、及びアルカリ活性化アルミノケイ酸塩から成る群から選ばれる無機バインダーを含む。層(LB)は、硬化工程の間に反応しなかった組成物(C1)中に含まれる更なる成分も含む。

層(LB)の密度は、組成物(C1)及び複合材料の製造工程に依存する。好ましくは、層(LB)の密度は2700kg/m3未満、例えば50〜2650kg/m3の範囲、より好ましくは、層(LB)の密度は1300kg/m3未満、例えば80〜1250kg/m3の範囲である。

更に、層(LB)は任意に、細孔を有する。この細孔は連続気泡、又は独立気泡であっても良い。層(LB)は、連続気泡と独立気泡を含んでも良い。細孔の大きさは広い範囲で変化して良く、及び細孔のサイズ分布も変化して良い。

更なる局面に従えば本発明は、上記に開示した方法によって得られた、又は得ることができる少なくとも層(L1)と(L2)、及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料に関する。

更なる局面に従えば、本発明は、少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料であって、 層(LB)が、層(L1)と層(L2)の間に配置され、及び − 層(L1)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、 − 層(L2)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、及び − 層(LB)が、少なくとも1種の無機バインダーを含み、及び密度が2700kg/m3未満であり、及び任意に孔を含む複合材料に関する。

好ましい実施の形態については、それぞれの層と複合材料の好ましい実施の形態についての上記開示が参照される。

更なる実施の形態に従えば、本発明は、上記に開示した複合材料を断熱用に使用する方法に関する。

好ましい実施の形態では、断熱材用の複合材料は、建造物に向いた面、及び/又は建造物から外方に向いた面、好ましくは建造物に向いた面、及び建造物から外方に向いた面が、ポリマー材料、特にアクリレートコーティング、シリコン含有コーティング、フェノール含有コーティング、酢酸ビニールコーティング、エチレン酢酸ビニールコーティング、スチレンアクリレートコーティング、スチレン−ブタジエンコーティング、ポリビニルアルコールコーティング、ポリビニルクロリドコーティング、アクリルアミドコーティング、又はこれらの組合せで被覆(コーティング)され、被覆物は架橋剤を含んでも良い。

特に好ましい実施の形態では、断熱材用の複合材料は、建造物に向いた面、及び/又は建造物から外方に向いた面、好ましくは建造物に向いた面、及び建造物から外方に向いた面が、無機バインダーで被覆される。ここで、被覆物(コーティング)にとって、特に高い耐ねじれ性の断熱材用の複合材料をもたらし、及び従って、複合断熱系の特に高い長期機械的安定性をもたらすことが有利である。このことに関し、断熱材用の複合材料が、建造物に向いた面、及び/又は建造物から外方に向いた面が、外側方向に以下の順序で、少なくとも1つの織メッシュ、及びその上に少なくとも1つの織ファブリック又は不織布層で結合されていることが有利であり、ここで層は無機バインダーを使用して結合される。好ましい一実施の形態では、断熱材用の複合材料は、建造物に向いた面、及び建造物から外方に向いた面が、このようにして被覆される。

絶縁効果を更に改良するために、本発明の目的のために、断熱材用の複合材料に基づいて50質量%以下、好ましくは10質量%以下、及び特に5質量%以下の、波長が3〜10μmの範囲の赤外線を散乱させる、吸収する、又は反射する顔料を加えることも可能である。

特に、これはカーボンブラック、二酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化マンガン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物であることができる。この点に関してはEP0396076A1が参照される。

本発明は以下の実施の形態を含み、これらは該当箇所に記載した各相互依存によって示された実施の形態の特定の組合せをも含む。

『1』 少なくとも、層(L1)、(L2)及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、以下の工程、 (i) (ia)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L1)、及び (ib)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L2)、 を準備する工程、 (ii)層(L1)又は層(L2)、又は層(L1)及び(L2)の所定の表面に、無機バインダーを含む組成物(C1)を付ける工程、 (iii)層(L1)及び(L2)を、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合させる工程、 を含み、組成物(C1)がフォームの状態で付けられることを特徴とする方法。

『2』 複合材料が更なる層を含むことを特徴とする実施の形態『1』に記載の方法。

『3』 前記フォームが機械的又は物理的に形成されることを特徴とする実施の形態『1』又は『2』に記載の方法。

『4』 前記フォームが化学的に形成されることを特徴とする実施の形態『1』又は『2』に記載の方法。

『5』 前記エアロゲルが、シリコン、アルミニウム、及び/又はチタニウムに基づく、少なくとも1種のエアロゲルであることを特徴とする実施の形態『1』〜『4』の何れか1つに記載の方法。

『6』 前記充てん材が、無機充てん材であることを特徴とする実施の形態『1』〜『5』の何れか1つに記載の方法。

『7』 前記充てん材が、二酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化マンガン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物から選ばれる無機充てん材であることを特徴とする実施の形態『1』〜『6』の何れか1つに記載の方法。

『8』 前記ファイバーが、無機ファイバー及び有機ファイバーから選ばれることを特徴とする実施の形態『1』〜『7』の何れか1つに記載の方法。

『9』 前記ファイバーが、ガラスファイバー、ロックファイバー、金属ファイバー、ボロンファイバー、セラミックファイバー、及び/又はバサルトファイバーから成る群から選ばれる無機ファイバーであることを特徴とする実施の形態『1』〜『8』の何れか1つに記載の方法。

『10』 前記ファイバーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、又はポリエステルに基づくファイバーから成る群から選ばれる有機ファイバーであることを特徴とする実施の形態『1』〜『9』の何れか1つに記載の方法。

『11』 組成物(C1)が、界面活性剤、有機、及び/又は無機ファイバー、分散剤、赤外線反射剤、及び/又は吸収剤、加速剤、抑制剤、増粘剤、保水剤、分散剤、レオロジー調整剤、消泡剤、エアロゲル、焼成シリカ、中空球、及び/又は充てん材から成る群から選ばれる少なくとも1種の更なる成分を含むことを特徴とする実施の形態『1』〜『10』の何れか1つに記載の方法。

『12』 成分(C1)が、少なくとも1種の界面活性剤、及び/又はピッケリング安定剤を含むことを特徴とする実施の形態『1』〜『11』の何れか1つに記載の方法。

『13』 組成物(C1)が付けられる表面が、組成物(C1)を付ける前に処理に付されることを特徴とする実施の形態『1』〜『12』の何れか1つに記載の方法。

『14』 前記処理が、表面のプラズマ処理、表面コーティング、表面からのダストの除去、及び埋め込まれたファイバーを表面から部分的に引き抜くことから選ばれることを特徴とする実施の形態『13』に記載の方法。

『15』 前記無機バインダーが、アルカリケイ酸塩、セメント、及びアルカリ活性化アルミノケイ酸塩から成る群から選ばれる、少なくとも1種の要素であることを特徴とする実施の形態『1』〜『14』の何れか1項に記載の方法。

『16』 少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含み、実施の形態『1』〜『15』の何れか1つに記載の方法によって得られた、又は得ることができる断熱材用の複合材料。

『17』 少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料であって、 層(LB)が、層(L1)と層(L2)の間に配置され、及び − 層(L1)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、 − 層(L2)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、及び − 層(LB)が、少なくとも1種の無機バインダーを含み、及び密度が2700kg/m3未満であり、及び任意に孔を含むことを特徴とする複合材料。

『18』 実施の形態『16』又は実施の形態『17』に記載の複合材料を、断熱のために使用する方法。

『19』 複合材料が更なる層を含むことを特徴とする実施の形態17に記載の複合材料。

『20』 前記エアロゲルが、シリコン、アルミニウム、及び/又はチタニウムに基づく、少なくとも1種のエアロゲルであることを特徴とする実施の形態『17』又は『19』に記載の複合材料。

『21』 前記充てん材が、二酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化マンガン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物から選ばれる無機充てん材であることを特徴とする実施の形態『17』、『19』又は『20』の何れか1つに記載の複合材料。

『22』 前記ファイバーが、無機ファイバー及び有機ファイバーから選ばれることを特徴とする実施の形態『17』、又は『19』〜『21』の何れか1つに記載の複合材料。

『23』 前記ファイバーが、ガラスファイバー、ロックファイバー、金属ファイバー、ボロンファイバー、セラミックファイバー、及び/又はバサルトファイバーから成る群から選ばれる無機ファイバーであることを特徴とする実施の形態『17』、又は『19』〜『22』の何れか1つに記載の複合材料。

『24』 前記ファイバーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、又はポリエステルに基づくファイバーから成る群から選ばれる有機ファイバーであることを特徴とする実施の形態『17』、又は『19』〜『23』の何れか1つに記載の複合材料。

『25』 層(LB)が、界面活性剤、有機、及び/又は無機ファイバー、赤外線反射剤、及び/又は吸収剤、加速剤、抑制剤、増粘剤、保水剤、分散剤、レオロジー調整剤、消泡剤、エアロゲル、焼成シリカ、中空球、及び/又は充てん材から成る群から選ばれる少なくとも1種の更なる成分を含むことを特徴とする実施の形態『17』、又は『19』〜『24』の何れか1つに記載の複合材料。

『26』 少なくとも、層(L1)、(L2)及び層(L1)と層(L2)の間に配置されたバインダー層(LB)を含む断熱材用の複合材料を製造するための方法であって、以下の工程、 (i) (ia)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L1)、及び (ib)25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含む層(L2)、 を準備する工程、 (ii)層(L1)又は層(L2)、又は層(L1)及び(L2)の所定の表面に、無機バインダーを含む組成物(C1)を付ける工程、 (iii)層(L1)及び(L2)を、組成物(C1)が層(L1)と(L2)の間に配置されるように結合させる工程、 を含み、組成物(C1)がフォームの状態で付けられることを特徴とする方法。

『27』 複合材料が更なる層を含むことを特徴とする実施の形態『26』に記載の方法。

『28』 前記フォームが機械的又は物理的に形成されることを特徴とする実施の形態『26』又は『27』に記載の方法。

『29』 前記フォームの機械的形成が、攪拌、超音波発泡によって、他の適切な手段を使用して機械的エネルギーを導入することによって、又は前記組成物にガスを吹込むことによって行われることを特徴とする実施の形態『28』に記載の方法。

『30』 前記フォームが化学的に形成されることを特徴とする実施の形態『26』又は『27』に記載の方法。

『31』 フォームの化学的形成が、適切なガスを放出する作用物質を使用して、又は発泡剤を使用して行われることを特徴とする実施の形態『30』に記載の方法。

『32』 前記エアロゲルが、シリコン、アルミニウム、及び/又はチタニウムに基づく、少なくとも1種のエアロゲルであることを特徴とする実施の形態『26』〜『31』の何れか1つに記載の方法。

『33』 前記充てん材が、無機充てん材であることを特徴とする実施の形態『26』〜『32』の何れか1つに記載の方法。

『34』 前記充てん材が、二酸化マグネシウム、二酸化チタン、炭化チタン、炭化ケイ素、酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、ケイ酸ジルコニウム、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化マンガン、ケイ酸カルシウム、炭酸カルシウム、又はこれらの混合物から選ばれる無機充てん材であることを特徴とする実施の形態『26』〜『33』の何れか1つに記載の方法。

『35』 前記ファイバーが、無機ファイバー及び有機ファイバーから選ばれることを特徴とする実施の形態『26』〜『34』の何れか1つに記載の方法。

『36』 前記ファイバーが、ガラスファイバー、ロックファイバー、金属ファイバー、ボロンファイバー、セラミックファイバー、及び/又はバサルトファイバーから成る群から選ばれる無機ファイバーであることを特徴とする実施の形態『26』〜『35』の何れか1つに記載の方法。

『37』 前記ファイバーが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、アラミド、又はポリエステルに基づくファイバーから成る群から選ばれる有機ファイバーであることを特徴とする実施の形態『26』〜『36』の何れか1つに記載の方法。

『38』 組成物(C1)が、界面活性剤、有機、及び/又は無機ファイバー、分散剤、赤外線反射剤、及び/又は吸収剤、加速剤、抑制剤、増粘剤、保水剤、分散剤、レオロジー調整剤、消泡剤、エアロゲル、焼成シリカ、中空球、及び/又は充てん材から成る群から選ばれる少なくとも1種の更なる成分を含むことを特徴とする実施の形態『26』〜『37』の何れか1つに記載の方法。

『39』 成分(C1)が、少なくとも1種の界面活性剤、及び/又はピッケリング安定剤を含むことを特徴とする実施の形態『26』〜『38』の何れか1つに記載の方法。

『40』 組成物(C1)が付けられる表面が、組成物(C1)を付ける前に処理に付されることを特徴とする実施例『26』〜『39』の何れか1つに記載の方法。

『41』 前記処理が、表面のプラズマ処理、表面コーティング、表面からのダストの除去、及び埋め込まれたファイバーを表面から部分的に引き抜くことから選ばれることを特徴とする実施の形態40に記載の方法。

『42』 前記無機バインダーが、アルカリケイ酸塩、セメント、及びアルカリ活性化アルミノケイ酸塩から成る群から選ばれる、少なくとも1種の要素であることを特徴とする実施の形態『26』〜『41』の何れか1つに記載の方法。

『43』 少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含み、実施の形態『26』〜『42』の何れか1つに記載の方法によって得られた、又は得ることができる断熱材用の複合材料。

『44』 少なくとも層(L1)、(L2)及び層(LB)を含む断熱材用の複合材料であって、 層(LB)が、層(L1)と層(L2)の間に配置され、及び − 層(L1)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、 − 層(L2)が、25〜95質量%のエアロゲル、及び5〜75質量%のファイバー、及び0〜70質量%の充てん材を含み、及び − 層(LB)が、少なくとも1種の無機バインダーを含み、及び密度が2700kg/m3未満であり、及び任意に孔を含むことを特徴とする複合材料。

『45』 実施の形態43又は実施の形態44に記載の複合材料を、断熱のために使用する方法。

以下に実施例を用いて本発明を説明する。

I.概要 寸法が15cm×15cmで、厚さが10mmのエアロゲルブランケットを、発泡した接着剤を使用して結合させた。発泡した接着剤を一つのブランケットに塗布した後、他のブランケットをその頂部に置いた。次に接着されたブランケットをその最初の厚さの90%にまで押圧し、そしてマイクロ波オーブン(出力1000W)中で15分間、乾燥させた。

II.製造例 1.実施例1 0.5gmの界面活性剤(Glucopon DK225)及び4gmのMetakaolin(Argical登録商標1200S)を、40gmのカリウム水ガラス溶液(VP19621、IGP Duelmen GmbH)に加えた。ハンドミキサーを使用して上記混合物を15秒間攪拌することによって発泡を行った。Aspen AerogelsからのSpaceloaft A2エアロゲルブランケットを、6gmの発泡した接着剤を使用して、上述した方法によって結合させた。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から7.8kPa(フォーム有り)に増加した。

2.実施例2 実施例を実施例1に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例2では)接着剤を付ける前にブランケットダスト吸引装置を使用して表面からダストを取り除いたことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から8.3kPa(フォーム有り)に増加した。

3.実施例3 実施例を実施例1に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例3では)Spaceloaft A2の替わりに、Nano TechからのFMA450エアロゲルブランケットを接着したことである。

引っ張り強さが、3.3kPa(フォーム無)から9.1kPa(フォーム有り)に増加した。

4.実施例4 実施例を実施例3に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例4では)3.4gmの発泡した接着剤を使用したことである。

引っ張り強さが、3.1kPa(フォーム無)から6.5kPa(フォーム有り)に増加した。

5.実施例5 実施例を実施例2に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例5では)組成物中にMetakaolinを使用することなく接着剤を発泡させたことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から4.3kPa(フォーム有り)に増加した。

6.実施例6 実施例を実施例1に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例6では)組成物中にMetakaolinを使用することなく接着剤を発泡させたことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から14.7kPa(フォーム有り)に増加した。

7.実施例7 実施例を実施例6に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例7では)VP19621の替わりにK45M(Woellner GmbH)水ガラスを使用したことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から5.7kPa(フォーム有り)に増加した。留意するべき点は、接着強度(ブランケットの接着)は5.7kPaよりも高いということである。この理由は、ブランケット中に結合破壊(cohesive failure)が存在したからであり、この一方で、フォーム無のものは接着破壊であったからである。

8.実施例8 実施例を実施例7に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例7では)ハンドミキサーを使用する替わりに、ローターステーターミキサーを使用して発泡を行ったことである。種々の成分の量を大きなスケールトライアルで増加させたが、種々の成分の割合は、実施例7のもの同じであった。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から5.5kPa(フォーム有り)に増加した。留意するべき点は、接着強度(ブランケットの接着)は5.5kPaよりも高いということである。この理由は、ブランケット中に結合破壊が存在したからであり、この一方で、フォーム無のものは接着破壊(接着剤中の破壊)であったからである。

9.実施例9 実施例を実施例2に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例9では)VP19621の替わりにK45M(Woellner GmbH)水ガラスを使用したことである。

引っ張り強さが、6.8kPa(フォーム有り)に増加した。留意するべき点は、接着強度(ブランケットの接着)は6.8kPaよりも高いということである。この理由は、ブランケット中に結合破壊が存在したからである。

10.実施例10 実施例を実施例2に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例10では)カリウム水ガラスの替わりに、ナトリウム水ガラス(Betol57 Woellner GmbHより)を使用したことである。

引っ張り強さが、6.1kPa(フォーム有り)に増加した。留意するべき点は、接着強度(ブランケットの接着)は6.1kPaよりも高いということである。この理由は、ブランケット中に結合破壊が存在したからである。

11.実施例11 実施例を実施例6に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例11では)VP19621の替わりにK42(Woellner GmbH)水ガラスを使用したことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から16.15kPa(フォーム有り)に増加した。

12.実施例12 実施例を実施例6に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例12では)0.5gの替わりに0.6gの界面活性剤を使用したことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から16.3kPa(フォーム有り)に増加した。

13.実施例13 実施例を実施例6に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例13では)ブラシを使用して、ブランケット(表面)からファイバーが部分的に引き抜かれたことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から13.35kPa(フォーム有り)に増加した。

14.実施例14 実施例を実施例6に記載したように行ったが、異なる点は、(実施例14では)混合物に12gの水が加えられたことである。

引っ張り強さが、3.6kPa(フォーム無)から9.4kPa(フォーム有り)に増加した。

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