Method for producing liquid crystalline polyester composition, and connector

申请号 JP2010018093 申请日 2010-01-29 公开(公告)号 JP2011157421A 公开(公告)日 2011-08-18
申请人 Sumitomo Chemical Co Ltd; 住友化学株式会社; 发明人 FUKUHARA YOSHIYUKI; MATSUMI YASUO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a method producible of a composition containing a liquid crystalline polyester and mica and less likely to cause blister even at a high temperature. SOLUTION: The composition is produced by feeding a liquid crystalline polyester and mica into an extruder having a vent section, and melt-kneading them under the conditions where the degree of pressure reduction in the vent section is ≤-0.06 MPa in terms of gauge pressure. The screw diameter of the extruder is preferably ≤50 mm. The ratio (L/D) of the total length (L) to the total width (D) of a cylinder of the extruder is preferably ≥50. COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT
权利要求
  • ベント部を有する押出機に、液晶ポリエステルとマイカとを供給し、前記ベント部の減圧度がゲージ圧で−0.06MPa以下の状態で、溶融混練することを特徴とする組成物の製造方法。
  • 前記押出機のスクリュー径が、50mm以下である請求項1に記載の組成物の製造方法。
  • 前記押出機のシリンダーの全幅(D)に対する全長(L)の割合(L/D)が、50以上である請求項1又は2に記載の組成物の製造方法。
  • 前記液晶ポリエステルが、全構造単位の合計に対して、下記式(A 1
    で表される構造単位を30モル%以上有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の組成物の製造方法。
  • 前記マイカの体積平均粒径が1〜100μmであるに請求項1〜4のいずれかに記載の組成物の製造方法。
  • 前記マイカの供給量が、前記液晶ポリエステル100重量部に対して、15〜100重量部である請求項1〜5のいずれかに記載の組成物の製造方法。
  • 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られた組成物を成形してなることを特徴とするコネクター。
  • 肉厚0.1mm以下の薄肉部を有する請求項7に記載のコネクター。
  • 说明书全文

    本発明は、液晶ポリエステル組成物の製造方法に関する。 また、本発明は、前記製造方法により得られた液晶ポリエステル組成物を成形してなるコネクターに関する。

    近年、電子・電気製品の小型化・軽薄化に伴い、それに用いられるコネクターは狭ピッチ化が進んでいるため、その成形材料としては、溶融流動性や耐熱性、機械的性質に優れることから、液晶ポリエステルが好ましく用いられている。 液晶ポリエステルは、成形時に分子鎖が流動方向に配向し易く、流動方向とその垂直方向とで成形収縮率や機械的性質に異方性が生じ易いため、これを低減すべく、繊維状や板状の充填材を配合して用いられることが多い。 例えば、特許文献1には、液晶ポリエステルに、板状充填材としてマイカを配合してなる組成物が開示されており、この組成物は、押出機に液晶ポリエステルとマイカとを供給して、溶融混練することにより、製造されている。

    特開平4−202558号公報

    特許文献1に開示の方法で得られる組成物は、高温下でブリスターが発生し易いという問題があり、例えば、これを成形してなるコネクターを表面実装する際、ハンダ付け時にコネクターの表面にブリスターが発生し易いという問題がある。 そこで、本発明の目的は、液晶ポリエステルとマイカとを含み、高温下でブリスターが発生し難い組成物を製造しうる方法を提供することにある。

    前記目的を達成するため、本発明は、ベント部を有する押出機に、液晶ポリエステルとマイカとを供給し、前記ベント部の減圧度がゲージ圧で−0.06MPa以下の状態で、溶融混練することを特徴とする組成物の製造方法を提供する。 また、本発明によれば、前記製造方法により得られる組成物を成形してなることを特徴とするコネクターも提供される。

    本発明によれば、液晶ポリエステルとマイカとを含み、高温下でブリスターが発生し難い組成物を得ることができ、この組成物は、半田付けによる表面実装用部品等、高温下で用いられる成形品、特にコネクターの成形材料として好適に用いられる。

    <液晶ポリエステル>
    液晶ポリエステルは、サーモトロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルであり、好適には、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ジオールを重合させて得られ、400℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。

    なお、より容易に液晶ポリエステルを製造するために、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール等の原料モノマーの一部又は全部をエステル形成性誘導体にしてから重合させることもできる。

    このエステル形成性誘導体としては、分子内にカルボキシル基を有する芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の場合は、例えば、カルボキシル基がハロホルミル基やアシルオキシカルボニル基に転化したものや、カルボキシル基がアルコキシカルボニル基やアリールオキシカルボニル基に転化したものが挙げられる。 また、分子内にフェノール性酸基を有する芳香族ヒドロキシカルボン酸や芳香族ジオールの場合は、例えば、フェノール性水酸基がアシルオキシ基に転化したものが挙げられる。

    液晶ポリエステルを構成しうる芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する構造単位の例としては、次のものが挙げられる。

    また、前記各構造単位の芳香環にある水素原子の一部が、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されたものも挙げられる。

    液晶ポリエステルを構成しうる芳香族ジカルボン酸に由来する構造単位の例としては、次のものが挙げられる。

    また、前記各構造単位の芳香環にある水素原子の一部が、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されたものも挙げられる。

    液晶ポリエステルを構成しうる芳香族ジオールに由来する構造単位に由来する構造単位の例としては、次のものが挙げられる。

    また、前記各構造単位の芳香環にある水素原子の一部が、それぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基又はアリール基で置換されたものも挙げられる。

    前記各ハロゲン原子の例としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。 前記各アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基が挙げられ、その炭素数は通常1〜4である。 前記各アリール基の例としては、フェニル基が挙げられる。

    液晶ポリエステルは、その構造単位として(A 1 )を有するものであることが好ましく、その含有量は、全構造単位の合計に対して、30モル%以上であることが好ましい。 また、液晶ポリエステルの構造単位の組合せとしては、次の(a)〜(f)に示されるものが好ましい。

    (a):(A 1 )と(B 1 )及び/又は(B 2 )と(C 1 )との組合せ。
    (b):(A 1 )及び(A 2 )の組合せ。
    (c):(a)の組合せにおいて、(A 1 )の一部を(A 2 )で置き換えたもの。
    (d):(a)の組合せにおいて、(B 1 )の一部を(B 3 )で置き換えたもの。
    (e):(a)の組合せにおいて、(C 1 )の一部を(C 3 )で置き換えたもの。
    (f):(b)の組合せに、(B 1 )と(C 1 )とを加えたもの。

    中でも、p−ヒドロキシ安息香酸に由来する構造単位である(A 1 )と、テレフタル酸に由来する構造単位である(B 1 )及び/又はイソフタル酸に由来する構造単位である(B 2 )と、4,4−ジヒドロキシビフェニルに由来する構造単位である(C 1 )との組合せである(a)が好ましく、この(a)においては、(C 1 )/(A 1 )のモル比率が0.2〜1.0であり、[(B 1 )+(B 2 )]/(C 1 )のモル比率が0.9〜1.1であり、(B 2 )/(B 1 )のモル比率が0を超え1以下であることが好ましい。 このような構造単位組成を有し、後述の複素環状有機塩基化合物の存在下で重合を行うことにより得られる液晶ポリエステルを用いると、高温下でのブリスターの発生がより抑制された組成物を得ることができる。

    液晶ポリエステルは、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸のフェノール性水酸基を脂肪酸無水物(無水酢酸など)によりアシル化して、芳香族ジオールのアシル化物及び芳香族ヒドロキシカルボン酸のアシル化物を得るアシル化工程と、これらアシル化物のアシル基と、芳香族ジカルボン酸及び芳香族ヒドロキシカルボン酸のアシル化物のカルボキシル基からヒドロキシル基を除いてなる残基とが交換するように、エステル交換反応による重合を行って、液晶ポリエステルを得る重合工程とを有する製造方法により得られるものであることが好ましい。

    アシル化工程及び/又は重合工程は、下記式で表される複素環状有機塩基化合物の存在下に行ってもよい。

    (R 1 〜R 4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、アルキル基の炭素数が1〜4であるシアノアルキル基、アルコキシル基の炭素数が1〜4であるシアノアルコキシル基、カルボキシル基、アミノ基、炭素数1〜4のアミノアルキル基、炭素数1〜4のアミノアルコキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルプロピル基又はフォルミル基を表す。)

    前記式で表される複素環状有機塩基化合物としては、1−メチルイミダゾールや1−エチルイミダゾールが好ましい。

    この複素環状有機塩基化合物の使用量は、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸等の原料モノマーの合計100重量部に対して、0.005〜1質量部であることが好ましく、得られる成形体の色調や生産性の観点から、0.05〜0.5重量部であることがより好ましい。 複素環状有機塩基化合物は、アシル化反応及びエステル交換反応の際の一時期に存在しておればよく、その添加時期は、アシル化反応開始の直前であってもよいし、アシル化反応の途中であってもよく、アシル化反応とエステル交換反応との間であってもよい。 こうして得られる液晶ポリエステルは、より優れた溶融流動性を発現するという利点がある。

    脂肪酸無水物の使用量は、芳香族ジオールや芳香族ヒドロキシカルボン酸等の原料モノマーにあるフェノール性水酸基の合計に対して、1.0〜1.2モル倍であることが好ましく、1.0〜1.15モル倍であることがより好ましく、1.03〜1.12モル倍であることがさらに好ましく、1.05〜1.1モル倍であることが特に好ましい。

    アシル化反応は、130〜180℃で30分〜20時間行うことが好ましく、140〜160℃で1〜5時間行うことがより好ましい。

    芳香族ジカルボン酸は、アシル化工程の際に、反応系中に存在させていてもよく、換言すれば、アシル化工程において、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸を同一反応系中に存在させていてもよい。 これは、芳香族ジカルボン酸にあるカルボキシル基及び任意に置換されていてもよい置換基は、いずれも脂肪酸無水物によって影響を受け難いためである。 よって、芳香族ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸を同一の反応器に仕込んで、脂肪酸無水物によってアシル化する形式でもよく、先に、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロキシカルボン酸を反応器に仕込んで、脂肪酸無水物によってこれらをアシル化した後に、芳香族ジカルボン酸を反応器に仕込む形式でもよい。 操作上の簡便さから前者の形式がより好ましい。

    エステル交換反応による重合は、130〜400℃の範囲で0.1〜50℃/分の割合で昇温させながら反応させることが好ましく、150〜350℃の範囲で0.3〜5℃/分の割合で昇温しながら反応させることがより好ましい。

    また、エステル交換反応を行う際、平衡をずらすために、副生する酢酸等の脂肪酸と未反応の無水酢酸等の脂肪酸無水物は、蒸発させて系外へ留去させることが好ましい。 また、留出する脂肪酸の一部を還流させて反応器に戻すことによって、脂肪酸と同伴して蒸発又は昇華する原料モノマー等を凝縮又は逆昇華し、反応器に戻すこともできる。

    アシル化反応及びエステル交換反応は、回分装置を用いて行ってもよいし、連続装置を用いて行ってもよい。

    また、重合工程の後に、得られた液晶ポリエステルを冷却して固化させた後、粉砕によって粉体状としたり、粉体状にした液晶ポリエステルを造粒してペレット状としたりし、次いで加熱することにより、高分子量化することもできる。 このような液晶ポリエステルの高分子量化は、当分野で固相重合と呼ばれている。 この固相重合は、液晶ポリエステルの高分子量化に特に有効であり、この高分子量化により好適な流動開始温度を有する液晶ポリエステルを得ることが容易になる。 この固相重合は、例えば、固体状の液晶ポリエステルを、窒素等の不活性気体の雰囲気下又は減圧下に、1〜20時間熱処理することにより行われる。 この場合、熱処理に用いられる装置としては、例えば、乾燥機、反応機、イナートオーブン、混合機、電気炉が挙げられる。

    こうして得られる液晶ポリエステルは、その流動開始温度が270〜400℃であることが好ましく、280〜380℃であることがより好ましい。 流動開始温度がこのような範囲である液晶ポリエステルを用いると、得られる組成物の溶融流動性がよりに良好になり易く、また、得られる成形体の耐熱性をより良好にすることができる。 また、組成物の溶融成形において、液晶ポリエステルが熱劣化し難くなる。

    なお、ここでいう流動開始温度とは、内径1mm、長さ10mmのノズルを持つ毛細管レオメータを用い、9.8MPa(100kg/cm 2 )の荷重下において、4℃/分の昇温速度で液晶ポリエステルの加熱溶融体をノズルから押し出すときに、溶融粘度が4800Pa・s(48,000ポイズ)を示す温度を意味するものであり、液晶ポリエステルの分子量の目安として当業者には周知のものである(小出直之編,「液晶ポリマー−合成・成形・応用−」,95〜105頁、シーエムシー、1987年6月5日発行)。

    <マイカ>
    マイカの例としては、金雲母、白雲母、セリサイト、フッ素金雲母、K四珪素雲母、Na四珪素雲母、Naテニオライト、Liテニオライトが挙げられ、電気絶縁性や耐熱性の観点から、金雲母や白雲母が好ましい。 マイカを製造する際の粉砕法としては、湿式粉砕法と乾式粉砕法が挙げられるが、粒度分布の観点から、湿式粉砕法が好ましい。

    マイカの体積平均粒径は、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは20〜50μmである。 マイカの体積平均粒径があまり小さいと、得られる組成物の射出成形時にノズルから樹脂が垂れ易くなり、成形加工性に劣ることがある。 また、マイカの体積平均粒径があまり大きいと、得られる成形体の反り量の低減が不十分となることがある。 マイカの体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定することができる。

    マイカの使用量は、液晶ポリエステル100重量部に対して、通常15〜100重量部であり、好ましくは25〜80重量部である。 マイカの使用量があまり少ないと、得られる成形体、特に長尺状コネクターの反りの発生が防止され難くなり、あまり多いと、得られる組成物の溶融成形時の流動性が不十分になり、成形し難くなる。 マイカの含有量が前記範囲にある組成物は、特に長尺状コネクターを得た場合、その耐熱性を良好にすることができ、実用的な耐ハンダ性を実現できるので、好ましい。

    <他の成分>
    得られる組成物の機械的強度の観点からは、マイカ以外の充填材として、繊維状充填材を用いることが好ましく、繊維状無機充填材を用いることがより好ましい。

    繊維状無機充填剤としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維が挙げられる、必要に応じてそれらの2種以上を用いてもよい。 中でも、ガラス繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、ホウ酸アルミニウムウィスカ、チタン酸カリウムウィスカが好ましい。

    繊維状無機充填剤の数平均繊維径は、0.1〜20μmであることが好ましく、0.5〜15μmであることがより好ましい。 繊維状無機充填剤の数平均繊維径があまり小さいと、得られる成形体の反りの発生が抑制され難くなり、あまり大きいと、得られる組成物の溶融流動性が損なわれ易くなる。 また、繊維状無機充填材の数平均繊維長は、1〜300μmであることが好ましく、5〜300μmであることがより好ましい。 繊維状無機充填材の数平均繊維長があまり小さいと、得られる組成物の機械的強度が向上し難く、あまり大きいと、得られる組成物の溶融流動性が損なわれ易くなる。

    また、液晶ポリエステル以外の樹脂として、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルやその変性物、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド等の熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂を用いてもよい。

    さらに、添加剤として、例えば、金属石鹸類等の離型改良剤;染料、顔料等の着色剤;酸化防止剤;熱安定剤;紫外線吸収剤;帯電防止剤;界面活性剤等;高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩、フルオロカーボン系界面活性剤等の外部滑剤効果を有する添加剤が含まれていてもよい。

    <組成物の製造方法>
    本発明では、液晶ポリエステルとマイカとを、必要に応じて他の成分と共に、溶融混練することにより、組成物を製造する。 そして、この溶融混練は、ベント部を有する押出機に各成分を供給し、ベント部の減圧度がゲージ圧で−0.06MPa以下、好ましくは−0.08MPa以下の状態で行われる。 これにより、高温下でブリスターが発生し難い組成物を得ることができる。 その際、ベント部の減圧度は、ゲージ圧で−0.06MPa以下であり、−0.08MPa以下であることが好ましい。

    押出機としては、例えば、一段又は多段ベント付きの単軸押出機や二軸押出機が挙げられ、二軸押出機では同方向回転の1条ネジのものから3条ネジのものまで使用可能であり、異方向回転の平行軸型、斜軸型又は不完全噛み合い型のものであってもよい。 これらの中でも、1つ以上のベントを有する同方向回転の二軸押出機が好ましい。

    押出機のスクリュー径は、50mm以下であることが好ましく、45mm以下であることがより好ましい。 また、押出機のシリンダーの全幅(D)に対する全長(L)の割合(L/D)は、50以上であることが好ましく、60以上であることがより好ましい。 スクリュー径が前記所定値以上であり、また、L/Dが前記所定値以上であることにより、ベント部を減圧にすることによる脱気が十分に行われ、揮発成分が組成物に残存し難くなるので、高温下でのブリスターの発生がより抑制された組成物を得ることができる。

    スクリューデザインを決定するスクリューエレメントは、通常、順フライトからなる搬送用エレメントと、可塑化部用エレメントと、混練部用エレメントとからなる。 二軸押出機の場合、可塑化部や混練部には、逆フライト、シールリング、順ニーディングディスク、逆ニーディングディスク等のスクリューエレメントが組み合わされて構成されるのが一般的である。

    ベント部の開口長さは、スクリュウー径の0.5〜5倍であることが好ましい。 ベント部の開口長さがあまり小さいと、脱気効果が不十分であり、あまり大きいと、ベント部から異物が混入したり、ベントアップ(溶融樹脂がベント部より上昇すること)が起こったり、搬送混練能が低下したりする恐れがある。

    ベント部の開口幅は、スクリュウー径の0.3〜1.5倍であることが好ましい。 ベント部の開口幅があまり小さいと、脱気効果が不十分であり、あまり大きいと、ベント部から異物が混入したり、ベントアップ(溶融樹脂がベント部より上昇すること)が起こったり、搬送混練能力が低下したりする恐れがある。

    ベント部の減圧は、通常、ポンプを用いて行われ、その例としては、水封式ポンプ、ロータリーポンプ、油拡散ポンプ、ターボポンプが挙げられる。

    ベント部の上流側には、溶融した組成物が完全に充填されるシール部を設けることが好ましい。 シール部を構成するスクリュー形状は、二軸押出機の場合、逆フライトの他、シールリング、逆ニーディング等、幾何学的にスクリュー回転に対して昇圧能力を有するものが好適に用いられる。 また、必要に応じてニーディングディスク等のエレメントが組み合わされて構成されていてもよい。

    ベント部のスクリューエレメントの構造としては、ベント部におけるベントアップを防止する為に、順フライト、順ニーディングディスク等のバレル内圧が低くなるような構造にすることが好ましい。 また、順フライト部のピッチは大きい方が、バレル内圧が低くなるため、好ましい。 これらのベント部分の前方には同様の理由で搬送能力の高いスクリュー構造にすることが好ましい。

    フィード口への各成分の供給は、通常、定質量又は定容量供給装置を介して行われる。 定量供給装置の供給方式としては、例えば、ベルト式、スクリュー式、振動式、テーブル式が挙げられる。

    各成分の供給位置は、適宜選択されるが、繊維状充填材を用いる場合、溶融混練を均一に行うためには、液晶ポリエステルとマイカとを上流側フィード口から供給し、繊維状充填材を下流側フィード口から供給することが好ましい。

    ベント部は、下流側フィード口の下流側に設けることが、高温下でのブリスターの発生がより抑制された組成物を得ることができて、好ましい。 そして、下流側フィード口の上流側及び下流側に各々ベント部を設けることが、高温下でのブリスターの発生がさらに抑制された組成物を得ることができて、より好ましい。 上流側フィード口付近や下流側フィード口の上流側にベント部を設けると、その付近では液晶ポリエステルの溶融が不十分になることがあり、脱気の効果が十分に得られないことがある。

    <組成物の成形>
    こうして得られる組成物を溶融成形することにより、高温下でブリスターが発生し難い成形体を得ることができ、コネクター、特に長尺状コネクターを有利に得ることができる。 成形方法としては射出成形法が好ましい。 射出成形は、組成物に含まれる液晶ポリエステルの流動開始温度より10〜80℃高い温度で行うことが好ましい。 成形温度がこの範囲にあれば、組成物が優れた溶融流動性を発現し、超薄肉部を有するコネクターや複雑な形状を有するコネクターに成形する場合でも、良好な成形性を発現できる。 また、溶融成形時の液晶ポリエステルの劣化が防止され、コネクター特性の低下が防止される。 本発明により得られる組成物は、肉厚0.1mm以下の薄肉部を有するようなコネクターに成形しても、反りの発生を十分に抑制することが可能となる。 また、本発明により得られる組成物は、液晶ポリエステルの優れた耐熱性を損なうことなく、アイゾット衝撃強度や曲げ弾性率等の機械的強度にも優れているため、今後益々、薄肉化や形状の複雑化が求められるコネクターの成形材料として有用である。 そして、この薄肉部を有したり、複雑な形状を有したりするコネクターは、モバイル機器等に使用する電子部品に好適である。

    以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれにより限定されるものではない。

    マイカとして、(株)山口雲母工業所製「AB−25S」(体積平均粒径21μm)を用いた。

    製造例1
    攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸299.0g(1.8モル)、イソフタル酸99.7g(0.6モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込んだ。 反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、1−メチルイミダゾールを0.18g添加し、窒素ガス気流下で30分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して30分間還流させた。 その後、1−メチルイミダゾールを2.4g添加した後、留出する副生酢酸と未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められた時点で、内容物を取り出し、室温まで冷却した。 得られた固形物を、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下、室温から250℃まで1時間かけて昇温し、250℃から295℃まで5時間かけて昇温し、295℃で3時間保持することにより、固相重合を行った。 固相重合後、冷却して得られた液晶ポリエステルをLCP1とする。 このLCP1は、流動開始温度が327℃であり、(C 1 )/(A 1 )のモル比率が1/3であり、[(B 1 )+(B 2 )]/(C 1 )のモル比率が1/1であり、(B 2 )/(B 1 )のモル比率が1/3であった。

    製造例2
    攪拌装置、トルクメータ、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却器を備えた反応器に、p−ヒドロキシ安息香酸994.5g(7.2モル)、4,4'−ジヒドロキシビフェニル446.9g(2.4モル)、テレフタル酸239.2g(1.44モル)、イソフタル酸159.5g(0.96モル)及び無水酢酸1347.6g(13.2モル)を仕込んだ。 反応器内を十分に窒素ガスで置換した後、1−メチルイミダゾールを0.18g添加し、窒素ガス気流下で30分かけて150℃まで昇温し、温度を保持して30分間還流させた。 その後、1−メチルイミダゾールを2.4g添加した後、留出する副生酢酸と未反応の無水酢酸を留去しながら2時間50分かけて320℃まで昇温し、トルクの上昇が認められた時点で、内容物を取り出し、室温まで冷却した。 得られた固形物を、粗粉砕機で粉砕後、窒素雰囲気下、室温から220℃まで1時間かけて昇温し、220℃から240℃まで0.5時間かけて昇温し、240℃で10時間保持することにより、固相重合を行った。 固相重合後、冷却して得られた液晶ポリエステルをLCP2とする。 このLCP2は、流動開始温度が286℃であり、(C 1 )/(A 1 )のモル比率が1/3であり、[(B 1 )+(B 2 )]/(C 1 )のモル比率が1/1であり、(B 2 )/(B 1 )のモル比率が2/3であった。

    実施例1
    液晶ポリエステル及びマイカを表1に示す割合で混合した後、ベント部を有し、スクリュー径が41mmであり、シリンダーのL/Dが62である二軸押出機に供給し、水封式ポンプによりベント部の減圧度をゲージ圧力で−0.08MPaに保って、溶融混練し、ペレット状の組成物を得た。 この組成物を、射出成形機(日精樹脂工業(株)製「PS40E1ASE」)を用いて、シリンダー温度350℃、金型温度130℃、射出速度60%で成形し、JIS K7113(1/2)号ダンベル試験片(厚さ1.2mm)を得た。 この試験片10本を、280℃に加熱したハンダ浴に60秒間浸漬し、取出後、試験片表面のブリスターの有無を観察し、ブリスター有の本数を全本数(10本)で割った値(%)をブリスター発生率とし、表1に示した。

    実施例2
    ベント部の減圧度をゲージ圧力で−0.06MPaに保った以外は、実施例1と同様の操作を行った。 ブリスター発生率を表1に示した。

    実施例3
    押出機として、ベント部を有し、スクリュー径が58mmであり、シリンダーのL/Dが46である二軸押出機を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。 ブリスター発生率を表1に示した。

    比較例1
    水封式ポンプを用いず、ベント部を減圧にしなかった以外は、実施例1と同様の操作を行った。 ブリスター発生率を表1に示した。

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