【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置に関し、特に化合物半導体を用いた高周波用電界効果トランジスタ(FET)、集積回路(IC)、マイクロ波モノリシック集積回路(M MIC)及びレーザダイオードの製造方法及びそれらの製造装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】化合物半導体を用いた高周波用のFE T,IC,MMIC及びレーザダイオードを製造する際、GaAs等の化合物半導体基板の表面にこれらの半導体素子を形成した後、この半導体基板の表面に接着剤により補強板を貼り付け、基板裏面を研削・研磨して、 基板を所定の厚さまで薄板化することが行われる。 また、半導体基板上に素子を形成するプロセスにおいて、 このプロセスに用いる製造装置が対応できる半導体基板の直径が実際の半導体基板の直径より大きい場合、この半導体基板を上記製造装置が対応できる直径の補強板に貼り付けることも行われる。 この補強板にはガラス板が、また接着剤にはワックスが用いられることが多い。 【0003】上記の基板薄板化または半導体素子形成プロセスの後、GaAs基板(半導体基板)をガラス板(補強板)から分離する工程が必要となる。 従来のこの工程は、次のようなものである。 まず、図20に示すように、GaAs基板2が貼り付けられたガラス板1をG aAs基板の付いた面を上にして、ホットプレート20 8上に置き、加熱する。 ガラス板1を通して、ワックス(接着剤)3が加熱され、その温度が100℃程度まで上昇すると、ワックスは溶融する。 この後、ピンセットでGaAs基板2をつかみ、これをガラス板1から分離する。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記の従来のGaAs 基板をガラス板(補強板)から分離する工程においては、ホットプレートで加熱されて、ワックス(接着剤) が軟化,溶融しても、ワックスには相当の粘着力が残留している。 このため、薄板化されその機械的強度が低下しているGaAs基板をピンセットでつかんでガラス板から分離する際に、この基板面に垂直な方向の力が加わり易く、これによってGaAs基板が割れてしまうという問題があった。 【0005】この発明は上記の問題に鑑みなされたものであり、半導体基板を損傷することなく、補強板に貼り付けられた半導体基板をこの補強板から分離できる半導体装置の製造方法、及びこの方法を実現する製造装置を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】この発明(請求項1)に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板を上記補強板から分離する工程を含む半導体装置の製造方法において、上記半導体基板の上記補強板からの分離は、上記補強板付きの上記半導体基板を加熱された溶剤中に置き、 上記接着剤を溶融,溶解させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるものである。 【0007】この発明(請求項2)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1) において、上記溶剤は、液体であるものである。 【0008】この発明(請求項3)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項2) において、上記液体である溶剤は、大気圧以上の圧力に加圧されているものである。 【0009】この発明(請求項4)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1) において、上記溶剤は、気体であるものである。 【0010】この発明(請求項5)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項4) において、上記気体である溶剤は、大気圧以上の圧力に加圧されているものである。 【0011】この発明(請求項6)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記補強板を支持して、上記基板面が水平方向以外の方向になる状態で、上記溶剤中に保持し、上記半導体基板を上記補強板から自然降下により分離させ、かつ自然落下させるものである。 【0012】この発明(請求項7)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を上記補強板を支持して、上記溶剤中に保持した後、上記半導体基板を上記補強板に対して摺動させて、これより分離させ、かつ自然落下させるものである。 【0013】この発明(請求項8)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記半導体基板を支持して、上記基板面が水平方向以外の方向になる状態で、上記溶剤中に保持し、上記補強板を上記半導体基板から自然降下により分離させ、かつ自然落下させるものである。 【0014】この発明(請求項9)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記半導体基板を支持して、上記溶剤中に保持した後、上記補強板を上記半導体基板に対して摺動させて、これより分離させ、かつ自然落下させるものである。 【0015】この発明(請求項10)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 ないし9のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであり、上記接着剤を溶解する溶剤は、有機溶剤であるものである。 【0016】この発明(請求項11)に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板を上記補強板から分離する工程を含む半導体装置の製造方法において、上記半導体基板の上記補強板からの分離は、上記半導体基板付きの上記補強板を第1の溶剤によって溶解させた後、上記補強板が溶解して、上記半導体基板の一主面に残った上記接着剤を第2の溶剤によって溶解させるものである。 【0017】この発明(請求項12)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 1)において、上記補強板の溶解は、この補強板を液体である上記第1溶剤に浸漬して溶解させるものであり、 上記接着剤の溶解は、この接着剤を液体である上記第2 溶剤に浸漬して溶解させるものである。 【0018】この発明(請求項13)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 1)において、上記補強板の溶解は、この補強板を気体である上記第1溶剤に曝すことにより溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤を液体である上記第2溶剤に浸漬して溶解させるものである。 【0019】この発明(請求項14)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 1)において、上記補強板の溶解は、この補強板に液体である上記第1溶剤を吹き付けることにより溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤に液体である上記第2溶剤を吹き付けることにより溶解させるものである。 【0020】この発明(請求項15)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 1ないし14のいずれか)において、上記補強板は、ガラス板であり、上記第1溶剤は、フッ酸であるものである。 【0021】この発明(請求項16)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 1ないし15のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであり、上記接着剤を溶解する上記第2溶剤は、 有機溶剤であるものである。 【0022】この発明(請求項17)に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板を上記補強板から分離する工程を含む半導体装置の製造方法において、上記半導体基板の上記補強板からの分離は、上記接着剤により貼り付けられた上記半導体基板及び上記補強板のそれぞれを、吸着器で吸着,保持し、上記半導体基板及び上記補強板の少なくともいずれか一方の吸着器の側から加熱して上記接着剤を溶融させ、上記二つの吸着器を上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相対的に相異なる方向に移動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるものである。 【0023】この発明(請求項18)に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板を上記補強板から分離する工程を含む半導体装置の製造方法において、上記半導体基板の上記補強板からの分離は、上記半導体基板付きの上記補強板を吸着器で吸着,保持するとともに加熱して上記接着剤を溶融させ、上記半導体基板を上記補強板に対してスライド手段により上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において摺動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるものである。 【0024】この発明(請求項19)に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板を上記補強板から分離する工程を含む半導体装置の製造方法において、上記半導体基板の上記補強板からの分離は、上記補強板付きの上記半導体基板を吸着器で吸着,保持するとともに加熱して上記接着剤を溶融させ、上記補強板を上記半導体基板に対してスライド手段により上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において摺動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるものである。 【0025】この発明(請求項20)に係る半導体装置の製造方法は、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 7ないし19のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであるものである。 【0026】この発明(請求項21)に係る半導体装置の製造装置は、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を保持する保持具と、上記保持具を収納し、上記接着剤を溶解する液体である溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの溶剤に浸漬されるように収容する容器と、上記容器内の上記溶剤を加熱する加熱器とを備えたものである。 【0027】この発明(請求項22)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 1)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、 上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットを備えたものである。 【0028】この発明(請求項23)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 1)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、 上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に浸漬された上記半導体基板を、上記補強板に対して摺動させて、上記補強板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットとを備えたものである。 【0029】この発明(請求項24)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 1)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットを備えたものである。 【0030】この発明(請求項25)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 1)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に浸漬された上記補強板を、上記半導体基板に対して摺動させて、上記半導体基板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットとを備えたものである。 【0031】この発明(請求項26)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 1ないし25のいずれか)において、上記溶剤を大気圧以上の圧力に加圧する加圧器を備えたものである。 【0032】この発明(請求項27)に係る半導体装置の製造装置は、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を保持する保持具と、上記保持具を収納し、上記接着剤を溶解する気体である溶剤をその内部に密封する容器と、大気圧以上の圧力の加熱された上記気体である溶剤を上記容器に供給する手段とを備えたものである。 【0033】この発明(請求項28)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 7)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、 上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットを備えたものである。 【0034】この発明(請求項29)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 7)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、 上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に曝された上記半導体基板を、上記補強板に対して摺動させて、上記補強板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットとを備えたものである。 【0035】この発明(請求項30)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 7)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットを備えたものである。 【0036】この発明(請求項31)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 7)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に曝された上記補強板を、上記半導体基板に対して摺動させて、上記半導体基板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットとを備えたものである。 【0037】この発明(請求項32)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 7ないし31のいずれか)において、上記容器を加熱するための容器加熱器を備えたものである。 【0038】この発明(請求項33)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 1ないし32のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであり、上記接着剤を溶解する溶剤は、有機溶剤であるものである。 【0039】この発明(請求項34)に係る半導体装置の製造装置は、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、上記保持具及び上記半導体基板カセットを収納し、上記補強板を溶解する液体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの第1溶剤に浸漬されるように収容する第1の容器と、半導体基板カセットを収納し、上記接着剤を溶解する液体である第2の溶剤を上記半導体基板カセットに収納された上記半導体基板がこの第2溶剤に浸漬されるように収容する第2の容器とを備えたものである。 【0040】この発明(請求項35)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項3 4)において、上記第1容器を加熱するための第1容器加熱器を備えているものである。 【0041】この発明(請求項36)に係る半導体装置の製造装置は、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、上記保持具及び上記半導体基板カセットを収納し、上記補強板を溶解する気体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの第1溶剤に曝されるように収容する第1 の容器と、上記第1溶剤を上記補強板に吹き付けるノズルと、半導体基板カセットを収納し、上記接着剤を溶解する液体である第2の溶剤をこの半導体基板カセットに収納された上記半導体基板がこの第2溶剤に浸漬されるように収容する第2の容器とを備えたものである。 【0042】この発明(請求項37)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項3 4ないし36のいずれか)において、上記第2容器を加熱するための第2容器加熱器を備えているものである。 【0043】この発明(請求項38)に係る半導体装置の製造装置は、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、液体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板に吹き付けて上記補強板の全体を溶解させる第1のノズルと、液体である第2の溶剤を上記補強板が溶解除去された上記半導体基板カセットに収納された上記半導体基板の一主面に残る上記接着剤に吹き付けて上記接着剤の全体を溶解させる第2のノズルとを備えたものである。 【0044】この発明(請求項39)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項3 4ないし38のいずれか)において、上記補強板は、ガラス板であり、上記第1溶剤は、フッ酸であるものである。 【0045】この発明(請求項40)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項3 4ないし39のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであり、上記接着剤を溶解する上記第2溶剤は、 有機溶剤であるものである。 【0046】この発明(請求項41)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 2,23,28,29,34,36または38のいずれか)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、 上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように収容保持し、その下部開口を通って上記補強板から分離された上記半導体基板を下方向に自然落下させる補強板支持上方カセットよりなるものである。 【0047】この発明(請求項42)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項4 1)において、上記半導体基板カセットは、上記補強板支持上方カセットの直下にこの補強板支持上方カセットと一体に形成されてなるものである。 【0048】この発明(請求項43)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項2 4,25,30または31のいずれか)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように収容保持し、その下部開口を通って上記補強板を下方向に自然落下させる半導体基板支持上方カセットよりなるものである。 【0049】この発明(請求項44)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項4 3)において、上記補強板カセットは、上記半導体基板支持上方カセットの直下にこの上方カセットと一体に形成されてなるものである。 【0050】この発明(請求項45)に係る半導体装置の製造装置は、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられた、この半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する第1の吸着器と、上記半導体基板を吸着,保持する第2の吸着器と、上記第1吸着器に設けられた、上記補強板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記第1吸着器及び上記第2吸着器を、上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相対的に相異なる方向に移動させる機構とを備えたものである。 【0051】この発明(請求項46)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項4 5)において、上記第2吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる第2の加熱器を備えたものである。 【0052】この発明(請求項47)に係る半導体装置の製造装置は、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられたこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する第1の吸着器と、上記半導体基板を吸着,保持する第2の吸着器と、上記第2吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記第1吸着器及び上記第2吸着器を、 上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相異なる方向に移動させる機構とを備えているものである。 【0053】この発明(請求項48)に係る半導体装置の製造装置は、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられた、この半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する吸着器と、上記吸着器に設けられた、上記補強板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記半導体基板を上記補強板に対して、これらと平行な平面内において摺動させるスライド手段を備えているものである。 【0054】この発明(請求項49)に係る半導体装置の製造装置は、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を吸着,保持する吸着器と、上記吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記補強板を上記半導体基板に対して、これらと平行な平面内において摺動させるスライド手段を備えているものである。 【0055】この発明(請求項50)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項4 8または49)において、上記スライド手段は、ピンセット状の先端部を有するものである。 【0056】この発明(請求項51)に係る半導体装置の製造装置は、上記の半導体装置の製造装置(請求項4 8または49)において、上記スライド手段は、へら状の先端部を有するものである。 【0057】 【作用】この発明(請求項1)に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記補強板付きの上記半導体基板を加熱された溶剤中に置き、上記接着剤を溶融,溶解させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、充分に溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝って、半導体基板が補強板から分離する。 従って、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、 除去することができる。 【0058】この発明(請求項2)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項1)において、上記溶剤が、液体であるから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、充分に溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝って、半導体基板が補強板から分離する。 従って、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0059】この発明(請求項3)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項2)において、上記液体である溶剤が、大気圧以上の圧力に加圧されているから、接着剤の溶融、溶解が容易となり、半導体基板が補強板から分離し易くなる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤の溶解、除去も容易となる。 【0060】この発明(請求項4)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項1)において、上記溶剤が、気体であるから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、充分に溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝って、半導体基板が補強板から分離する。 従って、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0061】この発明(請求項5)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項4)において、上記気体である溶剤が、大気圧以上の圧力に加圧されているから、接着剤の溶融、溶解が容易となり、半導体基板が補強板から分離し易くなる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤の溶解、除去も容易となる。 【0062】この発明(請求項6)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記補強板を支持して、上記基板面が水平方向以外の方向になる状態で、上記溶剤中に保持し、 上記半導体基板を上記補強板から自然降下により分離させ、かつ自然落下させるから、この自然落下した半導体基板を上記の支持された補強板の直下で収納することにより、半導体基板の補強板からの分離に引き続き、分離された半導体基板の収納を特別の操作無しに行うことができる。 【0063】この発明(請求項7)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を上記補強板を支持して、上記溶剤中に保持した後、上記半導体基板を上記補強板に対して摺動させて、これより分離させ、かつ自然落下させるから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝つ前であっても、上記のように半導体基板を強制的に基板面と平行な方向に摺動させることにより、 半導体基板を補強板から分離させることができる。 すなわち、この半導体基板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0064】この発明(請求項8)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記半導体基板を支持して、上記基板面が水平方向以外の方向になる状態で、上記溶剤中に保持し、上記補強板を上記半導体基板から自然降下により分離させ、かつ自然落下させるから、上記補強板が分離された上記半導体基板を保持した状態で残すことができる。 【0065】この発明(請求項9)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項1 ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記半導体基板を支持して、上記溶剤中に保持した後、上記補強板を上記半導体基板に対して摺動させて、これより分離させ、かつ自然落下させるから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝つ前であっても、上記のように補強板を強制的に基板面と平行な方向に摺動させることにより、補強板を半導体基板から分離させることができる。 すなわち、この補強板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0066】この発明(請求項10)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし9のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであり、上記接着剤を溶解する溶剤は、有機溶剤であるから、ワックスはその温度を100℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 さらに、このワックスの除去も容易にできる。 【0067】この発明(請求項11)に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板付きの上記補強板を第1の溶剤によって溶解させ、この後上記半導体基板の一主面に残った上記接着剤を第2の溶剤によって溶解させることにより、上記半導体基板を上記補強板から分離させるから、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0068】この発明(請求項12)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項11)において、上記補強板の溶解は、この補強板を液体である上記第1溶剤に浸漬して溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤を液体である上記第2溶剤に浸漬して溶解させるものであるから、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0069】この発明(請求項13)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項11)において、上記補強板の溶解は、この補強板を上記気体である第1溶剤に曝すことにより溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤を液体である上記第2溶剤に浸漬して溶解させるものであるから、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0070】この発明(請求項14)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項11)において、上記補強板の溶解は、この補強板に液体である上記第1溶剤を吹き付けることにより溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤に液体である上記第2溶剤を吹き付けることにより溶解させるものであるから、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0071】この発明(請求項15)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項11ないし14のいずれか)において、上記補強板は、 ガラス板であり、上記第1溶剤は、フッ酸であるから、 ガラス板はフッ酸に容易に溶解し、これによりカラス板を容易に除去することができる。 【0072】この発明(請求項16)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項11ないし15のいずれか)において、上記接着剤は、 ワックスであり、上記接着剤を溶解する上記第2溶剤は、有機溶剤であるから、ワックスはその温度を100 ℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 【0073】この発明(請求項17)に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記接着剤により貼り付けられた上記半導体基板及び上記補強板のそれぞれを、吸着器で吸着,保持し、上記半導体基板及び上記補強板の少なくともいずれか一方の吸着器の側から加熱して上記接着剤を溶融させ、上記二つの吸着器を上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相対的に相異なる方向に移動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるから、上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、 これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0074】この発明(請求項18)に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板付きの上記補強板を吸着器で吸着,保持するとともに加熱して上記接着剤を溶融させ、上記半導体基板を上記補強板に対してスライド手段により上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において摺動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるから、上記のように半導体基板を補強板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0075】この発明(請求項19)に係る半導体装置の製造方法では、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記補強板付きの上記半導体基板を吸着器で吸着,保持するとともに加熱して上記接着剤を溶融させ、上記補強板を上記半導体基板に対してスライド手段により上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において摺動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるから、上記のように補強板を半導体基板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0076】この発明(請求項20)に係る半導体装置の製造方法では、上記の半導体装置の製造方法(請求項17ないし19のいずれか)において、上記接着剤が、 ワックスであるから、ワックスはその温度を100℃程度まで上昇させると容易に溶融し、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 【0077】この発明(請求項21)に係る半導体装置の製造装置では、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を保持する保持具と、上記保持具を収納し、上記接着剤を溶解する液体である溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの溶剤に浸漬されるように収容する容器と、上記容器内の上記溶剤を加熱する加熱器とを備えたから、この製造装置を用いることにより、上記接着剤を充分に溶融させることができ、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、この溶融した接着剤の残留粘着力に打ち勝って、半導体基板が補強板から分離する。 従って、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0078】この発明(請求項22)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットを備えたから、補強板から分離され、自然落下する上記半導体基板を特別な操作無しに上記保持具直下の半導体基板カセットに収納することができる。 【0079】この発明(請求項23)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に浸漬された上記半導体基板を、上記補強板に対して摺動させて、上記補強板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットとを備えたから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスが溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝つ前であっても、上記のスライド手段を用いて半導体基板を強制的に基板面と平行な方向に摺動させることにより、半導体基板を補強板から分離させることができる。 すなわち、この半導体基板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0080】この発明(請求項24)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、 上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットを備えたから、半導体基板から分離された補強板は、半導体基板から自然落下し、補強板カセットに収納される。 【0081】この発明(請求項25)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に浸漬された上記補強板を、上記半導体基板に対して摺動させて、上記半導体基板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、 上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットとを備えたから、 上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝つ前であっても、上記のスライド手段を用いて補強板を強制的に基板面と平行な方向に摺動させることにより、補強板を半導体基板から分離させることができる。 すなわち、この補強板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0082】この発明(請求項26)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項21ないし25のいずれか)において、上記溶剤を大気圧以上の圧力に加圧する加圧器を備えたから、接着剤の溶融、溶解が容易となり、半導体基板が補強板から分離し易くなる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤の溶解、除去も容易となる。 【0083】この発明(請求項27)に係る半導体装置の製造装置では、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を保持する保持具と、上記保持具を収納し、上記接着剤を溶解する気体である溶剤をその内部に密封する容器と、大気圧以上の圧力の加熱された上記気体である溶剤を上記容器に供給する手段とを備えたから、この製造装置を用いることにより、上記接着剤を充分に溶融させることができ、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、この溶融した接着剤の残留粘着力に打ち勝って、半導体基板が補強板から分離する。 従って、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、 分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0084】この発明(請求項28)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットを備えたから、補強板から分離された半導体基板は、補強板から自然落下し、半導体基板カセットに収納される。 【0085】この発明(請求項29)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に曝された上記半導体基板を、上記補強板に対して摺動させて、上記補強板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットとを備えたから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝つ前であっても、上記のスライド手段を用いて半導体基板を強制的に基板面と平行な方向に摺動させることにより、半導体基板を補強板から分離させることができる。 すなわち、この半導体基板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0086】この発明(請求項30)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、 上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットを備えたから、半導体基板から分離された補強板は、半導体基板から自然落下し、補強板カセットに収納される。 【0087】この発明(請求項31)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に曝された上記補強板を、上記半導体基板に対して摺動させて、上記半導体基板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットとを備えたから、上記半導体基板自身が有するストレスあるいは半導体基板表面上に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する半導体基板に反りを与えるストレスが、溶融した上記接着剤の残留粘着力に打ち勝つ前であっても、上記のスライド手段を用いて補強板を強制的に基板面と平行な方向に摺動させることにより、補強板を半導体基板から分離させることができる。 すなわち、この補強板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0088】この発明(請求項32)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項27ないし31のいずれか)において、上記容器を加熱するための容器加熱器を備えたから、容器に供給された気体である溶剤の冷却を防止でき、上記接着剤の溶融及び溶解を容易にする。 従って、半導体基板と補強板の分離、半導体基板表面の接着剤の除去も容易となる。 【0089】この発明(請求項33)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項21ないし32のいずれか)において、上記接着剤が、 ワックスであり、上記接着剤を溶解する溶剤が、有機溶剤であるから、ワックスはその温度を100℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 【0090】この発明(請求項34)に係る半導体装置の製造装置では、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、上記保持具及び上記半導体基板カセットを収納し、上記補強板を溶解する液体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの第1溶剤に浸漬されるように収容する第1の容器と、半導体基板カセットを収納し、上記接着剤を溶解する液体である第2の溶剤を上記半導体基板カセットに収納された上記半導体基板がこの第2溶剤に浸漬されるように収容する第2の容器とを備えたから、この製造装置を用いると、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 この際、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 また、補強板が溶解した後の半導体基板は、上記半導体基板カセットに収納される。 【0091】この発明(請求項35)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項34)において、上記第1容器を加熱するための第1容器加熱器を備えているから、上記第1溶剤を加熱することができ、補強板を容易に溶解することができる。 【0092】この発明(請求項36)に係る半導体装置の製造装置では、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、上記保持具及び上記半導体基板カセットを収納し、上記補強板を溶解する気体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの第1溶剤に曝されるように収容する第1の容器と、上記第1溶剤を上記補強板に吹き付けるノズルと、半導体基板カセットを収納し、上記接着剤を溶解する液体である第2の溶剤をこの半導体基板カセットに収納された上記半導体基板がこの第2溶剤に浸漬されるように収容する第2の容器とを備えたから、補強板から分離され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 この際、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 また、補強板が溶解した後の半導体基板を上記半導体基板カセットに収納することができる。 【0093】この発明(請求項37)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項34ないし36のいずれか)において、上記第2容器を加熱するための第2容器加熱器を備えているから、上記第2溶剤を加熱することができ、上記接着剤を容易に溶解することができる。 【0094】この発明(請求項38)に係る半導体装置の製造装置では、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、液体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板に吹き付けて上記補強板の全体を溶解させる第1のノズルと、液体である第2の溶剤を上記補強板が溶解除去された上記半導体基板カセットに収納された上記半導体基板の一主面に残る上記接着剤に吹き付けて上記接着剤の全体を溶解させる第2のノズルとを備えたから、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 この際、 半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 また、補強板が溶解した後の半導体基板を上記半導体基板カセットに収納することができる。 【0095】この発明(請求項39)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項34ないし38のいずれか)において、上記補強板が、 ガラス板であり、上記第1溶剤が、フッ酸であるから、 このガラス板をフッ酸で容易に溶解することができる。 【0096】この発明(請求項40)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項34ないし39のいずれか)において、上記接着剤が、 ワックスであり、上記接着剤を溶解する上記第2溶剤が、有機溶剤であるから、ワックスはその温度を100 ℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 さらに、このワックスの除去も容易となる。 【0097】この発明(請求項41)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項22,23,28,29,34,36または38のいずれか)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように収容保持し、その下部開口を通って上記補強板から分離された上記半導体基板を下方向に自然落下させる補強板支持上方カセットよりなるものであるから、上記補強板付きの上記半導体基板を容易に収納することができるとともに、補強板から分離された半導体基板を補強板支持上方カセットの下に設けられた上記半導体基板カセットに収納することができる。 【0098】この発明(請求項42)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項41)において、上記半導体基板カセットは、上記補強板支持上方カセットの直下にこの補強板支持上方カセットと一体に形成されてなるものであるから、これらのカセットの取扱いが容易となり、また、これらのカセットの相対的な位置が固定されているため、補強板から分離された半導体基板を確実に半導体基板カセットに収納することができる。 【0099】この発明(請求項43)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項24,25,30または31のいずれか)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように収容保持し、その下部開口を通って上記補強板を下方向に自然落下させる半導体基板支持上方カセットよりなるものであるから、補強板付半導体基板を容易に収納することができるとともに、半導体基板から分離された補強板を半導体基板支持上方カセットの下に設けられた上記補強板カセットに収納することができる。 【0100】この発明(請求項44)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項43)において、上記補強板カセットは、上記半導体基板支持上方カセットの直下にこの上方カセットと一体に形成されてなるから、これらのカセットの取扱いが容易となり、また、これらのカセットの相対的な位置が常に固定されているため、半導体基板から分離された補強板を確実に補強板カセットに収納することができる。 【0101】この発明(請求項45)に係る半導体装置の製造装置では、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられた、この半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する第1の吸着器と、上記半導体基板を吸着,保持する第2の吸着器と、上記第1吸着器に設けられた、上記補強板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記第1吸着器及び上記第2吸着器を、 上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相対的に相異なる方向に移動させる機構とを備えたから、この製造装置を用いると、上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0102】この発明(請求項46)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項45)において、上記第2吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる第2の加熱器を備えたから、この製造装置を用いると、上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0103】この発明(請求項47)に係る半導体装置の製造装置では、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられたこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する第1の吸着器と、上記半導体基板を吸着,保持する第2の吸着器と、上記第2吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記第1吸着器及び上記第2吸着器を、上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相異なる方向に移動させる機構とを備えているから、この製造装置を用いると、上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0104】この発明(請求項48)に係る半導体装置の製造装置では、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられた、この半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する吸着器と、上記吸着器に設けられた、上記補強板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記半導体基板を上記補強板に対して、これらと平行な平面内において摺動させるスライド手段を備えているから、上記のように半導体基板を補強板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、 これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0105】この発明(請求項49)に係る半導体装置の製造装置では、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を吸着,保持する吸着器と、上記吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記補強板を上記半導体基板に対して、これらと平行な平面内において摺動させるスライド手段を備えているから、上記のように補強板を半導体基板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0106】この発明(請求項50)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項48または49)において、上記スライド手段が、ピンセット状の先端部を有するから、この先端部が半導体基板または補強板を確実に把握することができ、半導体基板と補強板の分離を安定に行うことができる。 【0107】この発明(請求項51)に係る半導体装置の製造装置では、上記の半導体装置の製造装置(請求項48または49)において、上記スライド手段が、へら状の先端部を有するから、この先端部により半導体基板と補強板の間の間隔を増大させようとする力が働くため、半導体基板と補強板の分離を短時間で容易に行うことができる。 【0108】 【実施例】 実施例1. この発明の第1の実施例について説明する。 図1に、この発明の第1の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、 1はGaAs基板(半導体基板)を補強するためのガラス板(補強板)、2はGaAs基板、4はガラス板(補強板)を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持, 収容するための補強板支持上方カセット、5はGaAs 基板を収容するための半導体基板カセット、6はワックス(接着剤)を溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする有機溶剤、7は有機溶剤を収容するための容器、8は容器(有機溶剤)を加熱するためのヒーター(加熱器)である。 【0109】本実施例1の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図1(a) に示すように、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs 基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを容器7に収容され、ヒーター8で100℃程度に加熱された有機溶剤6に浸漬する。 通常、半日程度浸漬するとワックスが軟化、溶融し、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGaAs基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する、GaAs基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つと、GaA s基板2は図1(b) に示すように、ガラス板1から自然降下により分離され、重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 補強板支持上方カセット4 はガラス板1を保持する機能を有するが、その下部には開口部が設けられており、GaAs基板2はこの開口部を通って、半導体基板カセット5に収納される。 さらに、GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤6 によって溶解され、除去される。 【0110】本実施例1の半導体装置の製造装置は、ガラス板(補強板)を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット4、 この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、Ga As基板2を収納するための半導体基板カセット5、接着剤を溶解する有機溶剤6を収容するための容器7、容器(有機溶剤)を加熱するためのヒーター8を備えている。 これを用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0111】上記の本実施例1の半導体装置の製造方法では、上記のように加熱された有機溶剤によりワックス(接着剤)を溶融、溶解させることにより、GaAs基板(半導体基板)をガラス板(補強板)から自然降下により分離させ、さらにこのGaAs基板は重力により補強板支持上方カセットから自然落下し、半導体基板カセットに収納される。 この過程においては、従来の製造方法のように、ピンセットでGaAs基板に外部より直接的に力を加えて、ガラス板から分離させることはない。 このため、外部からGaAs基板にその面に対して垂直方向の力が加わることがなく、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 これと同時に、G aAs基板に付着したワックスを有機溶剤で溶解することにより除去することができる。 また、補強板支持上方カセットから自然落下したGaAs基板を補強板支持上方カセット直下の半導体基板カセットに収納することにより、GaAs基板のガラス板からの分離に引き続き、 分離されたGaAs基板の収納を特別の操作無しに行うことができる。 【0112】また、上記の本実施例1の製造装置を用いると、補強板支持上方カセットで保持されたガラス板付きのGaAs基板を、容器に収容され、ヒーターで加熱された有機溶剤に浸漬して、GaAs基板とガラス板の間のワックスを軟化させ、これによりGaAs基板をガラス板から自然降下により分離し、補強板支持上方カセットから自然落下したGaAs基板を半導体基板カセットに収納することができる。 すなわち、上記の半導体装置の製造方法を実現することができ、GaAs基板のガラス板からの分離に伴う、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができると同時にGaAs基板に付着したワックスを除去することができる。 【0113】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくても、水平方向以外の方向に保持されていればよい。 この場合も、 GaAs基板2をガラス板1から自然降下により分離させ、さらに重力によってGaAs基板2を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0114】実施例2. この発明の第2の実施例について説明する。 図2に、この発明の第2の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板を補強するためのガラス板、2はGaAs基板、3はワックス(接着剤)、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5はGa As基板を収容するための半導体基板カセット、6はワックスを溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする有機溶剤、7は有機溶剤を収容するための容器、8は容器(有機溶剤)を加熱するためのヒータ、9はスライド治具である。 【0115】本実施例2の半導体装置の製造方法は、以下のようなものである。 まず、実施例1と同様に、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを容器7に収容され、ヒーター8で100℃程度に加熱された有機溶剤6に浸漬する。 次に、ある程度ワックスが軟化したところで、図2(a) に示すように、スライド治具9を用いて、GaAs基板2に下向きの力を加えて、同方向に摺動させる。 摺動方向は、図中では矢印で示してある。 この摺動方向は、GaAs基板面に平行な方向である。 これにより、GaAs基板2は図2(b) に示すように、ガラス板1から分離され、重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 さらに、 GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤6によって溶解され、除去される。 【0116】本実施例2の半導体装置の製造装置は、ガラス板1付きのGaAs基板2をガラス板1を支持して保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs 基板2を収容するための半導体基板カセット5、ワックスを溶融、溶解する有機溶剤6を収容するための容器7、有機溶剤を加熱するためのヒーター8、及びGaA s基板2を下方向に摺動させるためのスライド治具9を備えている。 これを用いて上記の半導体装置の製造方法を実行することができる。 【0117】本実施例2の半導体装置の製造方法においては、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGa As基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因するGaA s基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つ必要は無く、相当程度の粘着力がワックスに残っていても、スライド治具9により、GaA s基板2を強制的に下方向に摺動させることにより、G aAs基板2がガラス板1から分離される。 この際、G aAs基板を、GaAs基板とガラス板との接合面に沿って摺動させるため、GaAs基板にその面に垂直な方向の力が加わることが無く、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs基板に付着したワックスを除去することができる。 さらに、上記のようにGaAs基板を強制的に摺動させているため、実施例1の製造方法を用いるよりも、 短時間でGaAs基板2とガラス板1を分離することができる。 【0118】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにスライド治具9により、基板面に沿って強制的にGaAs基板2を摺動させた後、重力によってこのGaAs基板を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0119】実施例3. この発明の第3の実施例につて説明する。 図3に、この発明の第3の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図3(a),(c) は、ガラス板及びGaAs基板に垂直な面での断面図、図3(b),(d) は、ガラス板及びGaAs基板に平行な面での断面図である。 図において、1はGaA s基板を補強するためのガラス板、2はGaAs基板、 3はワックス、104はGaAs基板(半導体基板)を支持して、ガラス板付きのGaAs基板を保持,収容する半導体基板支持上方カセット、105はGaAs基板から分離されたガラス板(補強板)を収納するための補強板カセット、6はワックスを溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする有機溶剤、7は有機溶剤を収容するための容器、8は容器(有機溶剤)を加熱するためのヒータ、9はスライド治具である。 【0120】本実施例3の半導体装置の製造方法は、以下のようなものである。 まず、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs基板2をGaAs基板2を支持するように半導体基板支持上方カセット104 に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを容器7に収容され、ヒーター8 で100℃程度に加熱された有機溶剤6に浸漬する。 次に、ある程度ワックスが軟化したところで、図3(a), (b) に示すように、スライド治具9を用いて、ガラス板1に下向きの力を加えて、同方向(図中の矢印の方向) に摺動させる。 この摺動方向は、GaAs基板面に平行な方向である。 これにより、ガラス板1は図3(c),(d) に示すように、GaAs基板2から分離され、重力により自然落下して補強板カセット105に収納される。 半導体基板支持上方カセット104の底には、GaAs基板2から分離されたガラス板1が通過できる程度の開口部が設けられている。 さらに、GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤6によって溶解され、除去される。 【0121】本実施例3の半導体装置の製造装置は、G aAs基板(半導体基板)2を支持してガラス板1付きのGaAs基板2を保持,収容するための半導体基板支持上方カセット104、この半導体基板支持上方カセットの直下に設けられた、ガラス板1を収容するための補強板カセット105、接着剤を溶解する有機溶剤6を収容するための容器7、有機溶剤を加熱するためのヒーター8、及びガラス板1を下方向に摺動させるためのスライド治具9を備えている。 半導体基板支持上方カセット104は、図3に示したように、その上面からはGaA s基板2が貼り付けられたガラス板1を挿入することができるが、その下面はガラス板1のみが通過することができるようになっている。 また、GaAs基板周縁が接触するカセットの面は、図のように傾斜面となっているため、GaAs基板をここで支持することができる。 さらに、これによりガラス板が分離された後のGaAs基板を安定にこの上方カセット104に残すことができる。 従って、この装置を用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0122】本実施例3の半導体装置の製造方法においては、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGa As基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因するGaA s基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つ必要は無く、相当程度の粘着力がワックスに残っていても、スライド治具9により、ガラス板1を強制的に下方向に摺動させることにより、ガラス板1はGaAs基板2から分離される。 この際、ガラス板を、GaAs基板とガラス板との接合面に沿って摺動させるため、GaAs基板にその面に垂直な方向の力が加わることが無く、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs 基板に付着したワックスを有機溶剤に溶解させて、除去することができる。 さらに、上記のようにガラス板を強制的に摺動させているため、実施例1の製造方法を用いるよりも、短時間でGaAs基板2とガラス板1を分離することができる。 【0123】なお、半導体基板支持上方カセット104 に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにスライド治具9により、基板面に沿って強制的にガラス板1を摺動させた後、重力によってこのガラス板を補強板カセット105に自然落下させることができる。 【0124】実施例4. この発明の第4の実施例について説明する。 図4に、この発明の第4の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板(半導体基板)を補強するためのガラス板(補強板)、2はGaAs基板、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5はGa As基板を収容するための半導体基板カセット、6はワックス(接着剤)を溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする有機溶剤、107は加圧された有機溶剤を収容するための気密容器、8は気密容器(有機溶剤)を加熱するためのヒーター(加熱器)、10は有機溶剤を大気圧以上の圧力に加圧するための溶剤加圧ポンプである。 【0125】本実施例4の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図4(a) に示すように、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs 基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを気密容器107に収容されている、ヒーター8で1 00℃程度に加熱され、さらに溶剤加圧ポンプ10で大気圧以上の圧力に加圧された有機溶剤6に浸漬する。 ワックスが軟化、溶融し、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGaAs基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する、GaAs基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つと、GaAs基板2は図4(b) に示すように、ガラス板1から自然降下により分離され、重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 補強板支持上方カセット4はガラス板1を保持する機能を有するが、その下部には開口部が設けられており、GaAs基板2はこの開口部を通って、半導体基板カセット5に収納される。 さらに、Ga As基板2に付着したワックスは、有機溶剤6によって溶解され、除去される。 【0126】本実施例4の半導体装置の製造装置は、ガラス板1付きのGaAs基板2をガラス板1を支持して保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs 基板2を収容するための半導体基板カセット5、ワックスを溶解する高圧の有機溶剤を収容するための気密容器107、気密容器(有機溶剤)を加熱するためのヒーター8、有機溶剤を大気圧以上の圧力に加圧するための溶剤加圧ポンプ10を備えている。 これを用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0127】上記の本実施例4の半導体装置の製造方法では、上記のように加熱され、加圧された有機溶剤によってワックス(接着剤)を溶融、溶解させることにより、GaAs基板(半導体基板)をガラス板(補強板) から自然降下により分離させ、さらにこのGaAs基板は重力により補強板支持上方カセットから自然落下し、 半導体基板カセットに収納される。 この過程においては、従来の製造方法のように、ピンセットでGaAs基板に外部より直接的に力を加えて、ガラス板から分離させることはない。 このため、外部からGaAs基板の面に垂直な方向の力が加わることはなく、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs基板に付着したワックスを除去することができる。 さらに、有機溶剤が大気圧以上の圧力に加圧されているため、ガラス板からのGaAs基板の分離及びGaAs基板に付着したワックスの除去は、実施例1の製造方法を用いた場合より、容易となる。 【0128】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくても、水平方向以外の方向に保持されていればよい。 この場合も、 GaAs基板2をガラス板1から自然降下により分離させ、さらに重力によってGaAs基板2を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0129】実施例5. この発明の第5の実施例について説明する。 図5に、この発明の第5の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板を補強するためのガラス板、2はGaAs基板、3はワックス(接着剤)、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5はGa As基板を収容するための半導体基板カセット、6はワックスを溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする有機溶剤、107は加圧された有機溶剤を収容するための気密容器、8は気密容器(有機溶剤)を加熱するためのヒータ、9はスライド治具、10は有機溶剤を大気圧以上の圧力に加圧するための溶剤加圧ポンプである。 【0130】本実施例5の半導体装置の製造方法は、以下のようなものである。 まず、実施例4と同様に、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを容器7に収容され、ヒーター8で100℃程度に加熱され、さらに溶剤加圧ポンプ10で大気圧以上の圧力に加圧された有機溶剤6に浸漬する。 次に、ある程度ワックスが軟化したところで、図5(a) に示すように、スライド治具9を用いて、GaAs基板2に下向きの力を加えて、同方向に摺動させる。 この摺動方向は、GaAs 基板面に平行な方向である。 これにより、GaAs基板2は図5(b) に示すように、ガラス板1から分離され、 重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 さらに、GaAs基板2に付着したワックスは、 有機溶剤によって溶解され、除去される。 【0131】本実施例5の半導体装置の製造装置は、ガラス板1付きのGaAs基板2をガラス板1を支持して保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs 基板2を収容するための半導体基板カセット5、ワックスを溶融、溶解する加圧された有機溶剤を収容するための気密容器107、有機溶剤を加熱するためのヒーター8、及びGaAs基板2を下方向に摺動させるためのスライド治具9、有機溶剤を大気圧以上の圧力に加圧するための溶剤加圧ポンプ10を備えている。 これを用いて上記の半導体装置の製造方法を実行することができる。 【0132】本実施例5の半導体装置の製造方法においては、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGa As基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因するGaA s基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つ必要は無く、相当程度の粘着力がワックスに残っていても、スライド治具9により、GaA s基板2を強制的に下方向に摺動させることにより、G aAs基板2がガラス板1から分離される。 この際、G aAs基板を、GaAs基板とガラス板との接合面に沿って摺動させるため、GaAs基板にこの接合面に垂直な方向の力が加わることが無く、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs基板に付着したワックスを除去することができる。 さらに、上記のようにGaAs基板を強制的に摺動させているため、実施例4の製造方法を用いるよりも、短時間でGaAs基板2とガラス板1を分離することができる。 また、有機溶剤が大気圧以上の圧力に加圧されているため、ガラス板からのGaAs基板の分離及びGaAs基板に付着したワックスの除去は、実施例2 の製造方法を用いた場合より、容易となる。 【0133】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにスライド治具9により、基板面に沿って強制的にGaAs基板2を摺動させた後、重力によってこのGaAs基板を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0134】実施例6. この発明の第6の実施例につて説明する。 図6に、この発明の第6の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板を補強するためのガラス板、2はGaAs基板、3はワックス、104はGaA s基板を支持して、ガラス板付きのGaAs基板を保持,収容する半導体基板支持上方カセット、105はガラス板を収納するための補強板カセット、6はワックスを溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする有機溶剤、107は加圧された有機溶剤を収容するための気密容器、8は容器(有機溶剤)を加熱するためのヒータ、9はスライド治具、10は有機溶剤を大気圧以上の圧力に加圧するための溶剤加圧ポンプである。 【0135】本実施例6の半導体装置の製造方法は、以下のようなものである。 まず、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs基板2をGaAs基板2を支持するように半導体基板支持上方カセット104 に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを容器107に収容され、ヒーター8で100℃程度に加熱され、さらに溶剤加圧ポンプ10で大気圧以上の圧力に加圧された有機溶剤6に浸漬する。 次に、ある程度ワックスが軟化したところで、図6(a) に示すように、スライド治具9を用いて、ガラス板1に下向きの力を加えて、同方向に摺動させる。 この摺動方向は、GaAs基板面に平行な方向である。 これにより、ガラス板1は図6(b) に示すように、GaAs 基板2から分離され、重力により自然落下して補強板カセット105に収納される。 半導体基板支持上方カセット104の底には、GaAs基板2から分離されたガラス板1が通過できる程度の開口部が設けられている。 さらに、GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤6によって溶解され、除去される。 【0136】本実施例6の半導体装置の製造装置は、G aAs基板(半導体基板)2を支持してガラス板1付きのGaAs基板2を保持,収容するための半導体基板支持上方カセット104、この半導体基板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs基板2から分離されたガラス板1を収容するための補強板カセット105、ワックスを溶解する加圧された有機溶剤6を収容するための気密容器107、有機溶剤を加熱するためのヒーター8、及びガラス板1を下方向に摺動させるためのスライド治具9、有機溶剤を大気圧以上の圧力に加圧するための溶剤加圧ポンプ10を備えている。 半導体基板支持上方カセット104の構造は、既に実施例3で説明した通りである。 この装置を用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0137】本実施例6の半導体装置の製造方法においては、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGa As基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因するGaA s基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つ必要は無く、相当程度の粘着力がワックスに残っていても、スライド治具9により、ガラス板1を強制的に下方向に摺動させることにより、ガラス板1がGaAs基板2から分離される。 この際、ガラス板を、GaAs基板とガラス板との接合面に沿って摺動させるため、GaAs基板にその面に垂直な方向の力が加わることが無く、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs 基板に付着したワックスを除去することができる。 さらに、上記のようにガラス板を強制的に摺動させているため、実施例4の製造方法を用いるよりも、短時間でGa As基板2とガラス板1を分離することができる。 また、有機溶剤が大気圧以上の圧力に加圧されているため、ガラス板からのGaAs基板の分離及びGaAs基板に付着したワックスの除去は、実施例3の製造方法を用いた場合より、容易となる。 【0138】なお、半導体基板支持上方カセット104 に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにスライド治具9により、基板面に沿って強制的にガラス板1を摺動させた後、重力によってこのガラス板を補強板カセット105に自然落下させることができる。 【0139】実施例7. この発明の第7の実施例について説明する。 図7に、この発明の第7の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板(半導体基板)を補強するためのガラス板(補強板)、2はGaAs基板、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5はGa As基板を収納するための半導体基板カセット、106 はワックス(接着剤)を溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする気体である有機溶剤(有機溶剤の蒸気)、107は有機溶剤蒸気を収容するための気密容器、8は気密容器を加熱するためのヒーター(加熱器)、108は有機溶剤蒸気を加熱するためのヒーター(溶剤蒸気加熱器)、110は大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を発生する高圧溶剤蒸気発生器である。 【0140】本実施例7の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図7(a) に示すように、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs 基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを気密容器107に収容された、ヒーター8及び10 8で100℃程度に加熱され、大気圧以上の圧力に加圧された有機溶剤の蒸気106に曝す。 ワックスが軟化、 溶融し、GaAs基板自身が有するストレスあるいはG aAs基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因する、Ga As基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つと、GaAs基板2は図7(b) に示すように、ガラス板1から自然降下により分離され、 重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 補強板支持上方カセット4はガラス板1を保持する機能を有するが、その下部には開口部が設けられており、GaAs基板2はこの開口部を通って、半導体基板カセット5に収納される。 さらに、GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤蒸気106によって溶解され、除去される。 【0141】本実施例7の半導体装置の製造装置は、ガラス板1付きのGaAs基板2をガラス板1を支持して保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs 基板2を収容するための半導体基板カセット5、ワックスを溶融、溶解する大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を収容するための気密容器107、有機溶剤蒸気を加熱するためのヒーター8及び108、大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を発生する高圧溶剤蒸気発生器110を備えている。 これを用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0142】上記の本実施例7の半導体装置の製造方法では、上記のように加熱された大気圧より高い圧力の有機溶剤蒸気によりワックス(接着剤)を溶融、溶解させることにより、GaAs基板(半導体基板)をガラス板(補強板)から自然降下により分離させる。 さらにこのGaAs基板は重力により補強板支持上方カセットから自然落下し、半導体基板カセットに収納される。 この過程においては、従来の製造方法のように、ピンセットでGaAs基板に外部より直接的に力を加えて、ガラス板から分離させることはない。 このため、GaAs基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、 GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs基板に付着したワックスを除去することができる。 【0143】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくても、水平方向以外の方向に保持されていればよい。 この場合も、 GaAs基板2をガラス板1から自然降下により分離させ、さらに重力によってGaAs基板2を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0144】実施例8. この発明の第8の実施例について説明する。 図8に、この発明の第8の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板を補強するためのガラス板、2はGaAs基板、3はワックス(接着剤)、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5はGa As基板を収容するための半導体基板カセット、106 はワックスを溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする気体である有機溶剤(有機溶剤の蒸気)、107 は加圧された有機溶剤蒸気を収容するための気密容器、 8は気密容器を加熱するためのヒータ、108は有機溶剤蒸気を加熱するためのヒーター(溶剤蒸気加熱器)、 9はスライド治具、110は大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を発生する高圧溶剤蒸気発生器である。 【0145】本実施例8の半導体装置の製造方法は、以下のようなものである。 まず、実施例7と同様に、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを容器7に収容された、ヒーター8で100℃程度に加熱され、大気圧以上の圧力に加圧された有機溶剤の蒸気106に曝す。 次に、ある程度ワックスが軟化したところで、図8(a) に示すように、スライド治具9を用いて、GaAs基板2に下向きの力を加えて、同方向に摺動させる。 この摺動方向は、GaAs基板面に平行な方向である。 これにより、GaAs基板2は図8(b) に示すように、ガラス板1から分離され、重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 さらに、G aAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤蒸気によって溶解され、除去される。 【0146】本実施例8の半導体装置の製造装置は、ガラス板1付きのGaAs基板2をガラス板1を支持して保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs 基板2を収容するための半導体基板カセット5、ワックスを溶融、溶解する大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を収容するための気密容器107、有機溶剤蒸気を加熱するためのヒーター8及び108、GaAs基板2を下方向に摺動させるためのスライド治具9、大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を発生する高圧溶剤蒸気発生器110 を備えている。 これを用いて上記の半導体装置の製造方法を実行することができる。 【0147】本実施例8の半導体装置の製造方法においては、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGa As基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因するGaA s基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つ必要は無く、相当程度の粘着力がワックスに残っていても、スライド治具9により、GaA s基板2を強制的に下方向に摺動させることにより、G aAs基板2がガラス板1から分離される。 この際、G aAs基板を、GaAs基板とガラス板との接合面に沿って摺動させるため、GaAs基板にその面に垂直な方向の力が加わることが無く、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs基板に付着したワックスを除去することができる。 さらに、上記のようにGaAs基板を強制的に摺動させているため、実施例7の製造方法を用いるよりも、 短時間でGaAs基板2とガラス板1を分離することができる。 【0148】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにスライド治具9により、基板面に沿って強制的にGaAs基板2を摺動させた後、重力によってこのGaAs基板を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0149】実施例9. この発明の第9の実施例について説明する。 図9に、この発明の第9の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板を補強するためのガラス板、2はGaAs基板、3はワックス(接着剤)、10 4はGaAs基板を支持して、ガラス板付きのGaAs 基板を保持,収容する半導体基板支持上方カセット、1 05はガラス板を収納するための補強板カセット、10 6はワックスを溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする気体である有機溶剤(有機溶剤の蒸気)、10 7は加圧された有機溶剤蒸気を収容するための気密容器、8は気密容器を加熱するためのヒータ、108は有機溶剤蒸気を加熱するためのヒーター(溶剤蒸気加熱器)、9はスライド治具、110は大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を発生する高圧溶剤蒸気発生器である。 【0150】本実施例9の半導体装置の製造方法は、以下のようなものである。 まず、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs基板2をGaAs基板2を支持するように半導体基板支持上方カセット104 に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これを容器107に収容された、ヒーター8で100℃程度に加熱され、大気圧以上の圧力に加圧された有機溶剤の蒸気106に曝す。 次に、ある程度ワックスが軟化したところで、図9(a) に示すように、スライド治具9を用いて、ガラス板1に下向きの力を加えて、同方向に摺動させる。 この摺動方向は、Ga As基板面に平行な方向である。 これにより、ガラス板1は図9(b) に示すように、GaAs基板2から分離され、重力により自然落下して補強板カセット105に収納される。 半導体基板支持上方カセット104の底には、GaAs基板2から分離されたガラス板1が通過できる程度の開口部が設けられている。 さらに、GaAs 基板2に付着したワックスは、有機溶剤蒸気によって溶解され、除去される。 【0151】本実施例9の半導体装置の製造装置は、半導体基板2を支持してガラス板1付きのGaAs基板2 を保持,収容するための半導体基板支持上方カセット1 04、この半導体基板支持上方カセットの直下に設けられた、ガラス板1を収容するための補強板カセット10 5、ワックスを溶融、溶解する大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を収容するための気密容器107、有機溶剤蒸気を加熱するためのヒーター8及び108、ガラス板1 を下方向に摺動させるためのスライド治具9、大気圧以上の圧力の有機溶剤蒸気を発生する高圧溶剤蒸気発生器110を備えている。 半導体基板支持上方カセット10 4の構造は、既に実施例3で説明した通りである。 この装置を用いて上記の半導体装置の製造方法を実行することができる。 【0152】本実施例9の半導体装置の製造方法においては、GaAs基板自身が有するストレスあるいはGa As基板表面に形成された半導体素子を構成する絶縁膜、金属膜、半導体薄膜等のストレスに起因するGaA s基板に反りを与えるようなストレスが、ワックスの残留粘着力に打ち勝つ必要は無く、相当程度の粘着力がワックスに残っていても、スライド治具9により、ガラス板1を強制的に下方向に摺動させることにより、ガラス板1がGaAs基板2から分離される。 この際、ガラス板を、GaAs基板とガラス板との接合面に沿って摺動させるため、GaAs基板にその面に垂直な方向の力が外部から加わることが無く、GaAs基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、これと同時にGaAs基板に付着したワックスを除去することができる。 さらに、上記のようにガラス板を強制的に摺動させているため、実施例7の製造方法を用いるよりも、短時間でGaAs基板2とガラス板1を分離することができる。 【0153】なお、半導体基板支持上方カセット104 に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにスライド治具9により、基板面に沿って強制的にガラス板2を摺動させた後、重力によってこのガラス板を補強板カセット105に自然落下させることができる。 【0154】実施例10. この発明の第10の実施例について説明する。 図10に、この発明の第10の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板(半導体基板) を補強するためのガラス板(補強板)、2はGaAs基板、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5 はGaAs基板を収容するための半導体基板カセット、 206はフッ酸溶液、207はフッ酸を収容するためのフッ酸容器、6はワックス(接着剤)を溶解するためのソルベントナフサ等を成分とする有機溶剤、7は有機溶剤を収容するための容器、8は容器を加熱するためのヒーター(加熱器)である。 【0155】本実施例10の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図10(a) に示すように、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているG aAs基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、これをフッ酸容器207に収容され、ヒーター8で加熱されたフッ酸溶液206に浸漬する。 フッ酸にガラス板1が溶解し、ガラス板1の直径が補強板支持上方カセット4で支持できる最小の直径より小さくなると、G aAs基板2は、重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 補強板支持上方カセットの下部には開口部が設けられており、GaAs基板2はこの開口部を通って、半導体基板カセット5に収納される。 ガラス板1が完全にフッ酸に溶解してしまうまでGaAs 基板2はフッ酸溶液206に浸漬しておく。 次に、これらのカセット及びそれに収納されたGaAs基板をフッ酸容器207から取り出し、水で洗浄した後、容器7に収容され、ヒーター8で100℃程度に加熱された有機溶剤6に浸漬する。 これにより、GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤6によって溶解され、除去される。 【0156】本実施例10の半導体装置の製造装置は、 ガラス板1を保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs基板2を収容するための半導体基板カセット5、ガラス板を溶解するフッ酸溶液を収容するためのフッ酸容器207、ワックスを溶解する有機溶剤を収容するための容器7、容器7及び207を加熱するためのヒーター8を備えている。 これを用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0157】上記の本実施例10の半導体装置の製造方法では、上記のようにガラス板(補強板)を加熱されたフッ酸に溶解させることによって除去する。 このため、 GaAs基板は重力により補強板支持上方カセットから自然落下し、半導体基板カセットに収納される。 この過程においては、従来の製造方法のように、ピンセットでGaAs基板に外部より直接的に力を加えて、ガラス板から分離させることはない。 このため、GaAs基板にその面に垂直な方向の力が加わることはなく、GaAs 基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 さらに、ガラス板が除去されたGaAs基板を、加熱された有機溶剤に浸漬することにより、ワックス(接着剤) を溶解させ、GaAs基板表面に残ったワックスを除去することができる。 【0158】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにフッ酸により、ガラス板1を溶解させた後、重力によってGaAs基板2を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0159】実施例11. この発明の第11の実施例について説明する。 図11に、この発明の第11の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板(半導体基板) を補強するためのガラス板(補強板)、2はGaAs基板、3はワックス、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5はGaAs基板を収容するための半導体基板カセット、6はワックスを溶解するための有機溶剤、7は有機溶剤を収容するための容器、8は容器を加熱するためのヒーター、117はガラス板を溶解するフッ酸蒸気を吹き付けるノズル、307はフッ酸蒸気を収容するためのフッ酸蒸気用容器である。 【0160】本実施例11の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図11(a) に示すように、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているG aAs基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、このガラス板にノズル117からフッ酸蒸気を吹き付ける。 フッ酸蒸気によってガラス基板1が溶解し、ガラス板1の直径が補強板支持上方カセット4で支持できる最小の直径より小さくなると、GaAs基板2は、重力により自然落下して半導体基板カセット5に収納される。 補強板支持上方カセットの下部には開口部が設けられており、GaAs基板2はこの開口部を通って、半導体基板カセット5に収納される。 ガラス板1が完全に溶解してしまうまでフッ酸蒸気の吹き付けは続ける。 次に、これらのカセット及びそれに収納されたGaAs基板をフッ酸蒸気用容器307から取り出し、水で洗浄した後、図11(b) に示すように、容器7に収容され、ヒーター8で100℃程度に加熱された有機溶剤6に浸漬する。 これにより、GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤6によって溶解され、除去される。 【0161】本実施例11の半導体装置の製造装置は、 ガラス板1を保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs基板2を収容するための半導体基板カセット5、ガラス板を溶解するフッ酸蒸気を吹き付けるノズル117、フッ酸蒸気用容器307、ワックスを溶解する有機溶剤を収容するための容器7、容器7を加熱するためのヒーター8を備えている。 これを用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0162】上記の本実施例11の半導体装置の製造方法では、上記のようにフッ酸蒸気を吹き付けることによりガラス板(補強板)を溶解させ、これを除去する。 このため、GaAs基板は重力により補強板支持上方カセットから自然落下し、半導体基板カセットに収納される。 この過程においては、従来の製造方法のように、ピンセットでGaAs基板に外部より直接的に力を加えて、ガラス板から分離させることはないため、GaAs 基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 さらに、ガラス板が除去されたGaAs基板を有機溶剤に浸漬することにより、GaAs基板表面に残ったワックス(接着剤)を溶解させ、これを除去することができる。 【0163】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにフッ酸により、ガラス板1を溶解させた後、重力によってGaAs基板2を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0164】実施例12. この発明の第12の実施例について説明する。 図12に、この発明の第12の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 図において、1はGaAs基板(半導体基板) を補強するためのガラス板(補強板)、2はGaAs基板、3はワックス、4はガラス板を支持してガラス板付きのGaAs基板を保持,収容するための補強板支持上方カセット、5はGaAs基板を収容するための半導体基板カセット、207はフッ酸を受けるためのフッ酸容器、7は有機溶剤を受けるための容器、17はガラス板を溶解する液体のフッ酸を吹き付けるノズル、18はワックス(接着剤)を溶解するための液体の有機溶剤を吹き付けるノズルである。 【0165】本実施例12の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図12(a) に示すように、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているG aAs基板2を補強板支持上方カセット4に収納し、この基板面が鉛直方向と平行となるように保持するとともに、このガラス板にフッ酸吹き付けノズルから液体のフッ酸溶液を吹き付ける。 フッ酸によってガラス基板1が溶解し、ガラス板1の直径が補強板支持上方カセット4 で支持できる最小の直径より小さくなると、GaAs基板2は、重力により自然落下して半導体基板カセット5 に収納される。 補強板支持上方カセットの下部には開口部が設けられており、GaAs基板2はこの開口部を通って、半導体基板カセット5に収納される。 ガラス板1 が完全にフッ酸に溶解してしまうまでフッ酸溶液の吹き付けは続ける。 次に、水で上記GaAs基板を洗浄した後、GaAs基板が収納された半導体基板カセットを容器7に移し、図12(b) に示すように、ノズル18を用いて液体の有機溶剤をGaAs基板表面に残ったワックスに吹き付ける。 これにより、GaAs基板2に付着したワックスは、有機溶剤6によって溶解され、除去される。 【0166】本実施例12の半導体装置の製造装置は、 ガラス板1を保持,収容するための補強板支持上方カセット4、この補強板支持上方カセットの直下に設けられた、GaAs基板2を収容するための半導体基板カセット5、ガラス板を溶解する液体のフッ酸を吹き付けるノズル17、ワックス(接着剤)を溶解する液体の有機溶剤を吹き付けるノズル18、ガラス板を溶解するフッ酸溶液を受けるためのフッ酸容器207、ワックスを溶解する有機溶剤を受けるための容器7を備えている。 これを用いて上記の製造方法を実行することができる。 【0167】上記の本実施例12の半導体装置の製造方法では、上記のように液体のフッ酸を吹き付けることによりガラス板(補強板)を溶解させ、これを除去する。 このため、GaAs基板は重力により補強板支持上方カセットから自然落下し、半導体基板カセットに収納される。 この過程においては、従来の製造方法のように、ピンセットでGaAs基板に外部より直接的に力を加えて、ガラス板から分離させることはないため、GaAs 基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 さらに、ガラス板が除去されたGaAs基板表面に残ったワックスに液体の有機溶剤を吹き付けることにより、ワックス(接着剤)を溶解させ、これを除去することができる。 【0168】なお、補強板支持上方カセット4に収納された、ガラス板1付きのGaAs基板2の基板面は、鉛直方向と平行となるように保持されていなくてもよい。 すなわち、基板面はどのような方向に保持されていても、上述のようにフッ酸により、ガラス板1を溶解させた後、重力によってGaAs基板2を半導体基板カセット5に自然落下させることができる。 【0169】実施例13. この発明の第13の実施例について説明する。 図13に、この発明の第13の実施例による半導体装置の製造装置を示す。 これは、上述の実施例1,2,4,5,7,8,10,11及び12における補強板支持上方カセット4と半導体基板カセット5 を一体形成したものである。 図中の204がこの一体形成カセットである。 図13の装置のこの他の構成は、実施例1と同じである。 すなわち、1はガラス板、2はG aAs基板、6はワックスを溶解するための有機溶剤、 7は容器、8はヒーターである。 【0170】上記の本実施例13の半導体装置の製造装置を用いて、実施例1とまったく同様な製造方法が実現できる。 すなわち、図13(a) に示すように、一体形成カセットの補強板支持上方カセットに相当する部分に収納した、ガラス板1がワックスにより貼り付けられているGaAs基板2を加熱された有機溶剤6に浸漬して、 ガラス板とGaAs基板の間のワックスを溶融させることにより、GaAs基板2をガラス板1から分離させ、 自然落下したGaAs基板2を一体形成カセット204 の半導体基板カセットに相当する部分に収納する。 Ga As基板2の表面に付着したワックスは、有機溶剤6により溶解され、除去される。 【0171】本実施例13のような一体形成カセットでは、カセットの取扱いが容易となり、また、補強板支持上方カセットと半導体基板カセットの相対的な位置が固定されているため、ガラス板から分離されたGaAs基板を確実に半導体基板カセットに収納することができる。 【0172】なお、上述の実施例3,6,9における、 ガラス板付きのGaAs基板をGaAs基板を支持することにより収納する半導体基板支持上方カセット104 と、GaAs基板2から分離された後のガラス板2を収納する補強板カセット105を一体形成してもよい。 これも上記の一体形成カセットと同様に、カセットの取扱いが容易となり、また、半導体基板支持上方カセットと補強板カセットの相対的な位置が固定されていることにより、GaAs基板から分離されたガラス板を確実に補強板カセットに収納することができる。 また、このような一体形成カセットは、実施例1の製造方法のみではなく、実施例2〜12のいずれの製造方法においても用いることができる。 【0173】実施例14. この発明の第14の実施例について説明する。 図14に、この発明の第14の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 1はガラス板、2はGaAs基板、3はワックス、11はバキューム孔、12は上部吸着器、13は上部ヒーター、14は下部吸着器、15は下部ヒーターである。 【0174】本実施例14の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図14に示すように、ワックス3を介して貼り付けられているガラス板1とGa As基板2をそれぞれ下部吸着器14と上部吸着器12 に吸着させる。 この吸着は、バキューム孔11による真空吸着である。 さらに、上部ヒーター13及び下部ヒーター15により、GaAs基板及びガラス板を加熱する。 ワックス3に熱が伝わり、その温度が100℃程度になると、ワックスが溶融する。 この後、上部吸着器1 2を、GaAs基板及びガラス板の面に平行に、下部吸着器14に対して移動させる。 これは、例えば図中の矢印の方向の移動である。 これにより、GaAs基板2とガラス板1は分離される。 なお、上部吸着器または下部吸着器を移動させる方向は、GaAs基板及びガラス板の面に平行であれば、どのような方向であってもよい。 【0175】本実施例14の半導体装置の製造装置は、 図14に示すように、上部ヒーター13及びバキューム孔11をその内部に有する上部吸着器12、下部ヒーター15及びバキューム孔11をその内部に有する下部吸着器14を備え、これらの吸着器のいずれか一方または両方が、吸着面に平行な方向に移動できるようになっているものである。 この製造装置を用いることにより、上記の製造方法を実現することができる。 【0176】本実施例14の製造方法においては、ガラス板とGaAs基板をそれぞれ吸着器に吸着させて、加熱することにより、ワックスを溶融させ、この後、吸着器をGaAs基板及びガラス板の面に平行に、互いに異なる方向に移動させることにより、GaAs基板をガラス板から分離させるから、GaAs基板に対して外部からその面に垂直な方向の力が加わることが無く、GaA s基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 【0177】なお、ヒーターは上部吸着器及び下部吸着器の両方に設ける必要はなく、図15に示すように下部吸着器のみに、または、図16に示すように上部吸着器のみに設けるようにしても同様の効果が得られる。 【0178】実施例15. この発明の第15の実施例について説明する。 図17に、この発明の第15の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す。 1はガラス板、2はGaAs基板、3はワックス、11はバキューム孔、14は下部吸着器、15は下部ヒーター、16はピンセット状スライド治具である。 【0179】本実施例15の半導体装置の製造方法は以下のようなものである。 まず、図17に示すように、ワックス3を介してGaAs基板2が貼り付いているガラス板1のGaAs基板が付いていない面を下部吸着器1 4に吸着させる。 この吸着は、バキューム孔11による真空吸着である。 さらに、下部ヒーター15により、ガラス板を加熱する。 ワックス3に熱が伝わり、その温度が100℃程度になると、ワックスが溶融する。 この後、ピンセット状スライド治具でGaAs基板の一端を把握し、GaAs基板をガラス板及びGaAs基板の面に平行に、下部吸着器14に対して摺動させる。 これにより、GaAs基板2とガラス板1は分離される。 【0180】本実施例15の半導体装置の製造装置は、 図17に示すように、下部ヒーター15及びバキューム孔11をその内部に有する下部吸着器14と、ピンセット状スライド治具16とを備え、このピンセット状スライド治具16によりGaAs基板を、吸着面に平行な方向に摺動できるようになっているものである。 この製造装置を用いることにより、上記の製造方法を実現することができる。 【0181】本実施例15の製造方法においては、ガラス板を吸着器に吸着させて、加熱することにより、ワックスを溶融させ、この後、ピンセット状スライド治具を用いてGaAs基板をGaAs基板及びガラス板の面に平行な方向に摺動させることにより、GaAs基板をガラス板から分離するから、GaAs基板に対して外部からその面に垂直な方向の力が加わることが無く、GaA s基板の割れ等の損傷の発生を抑制することができる。 また、スライド治具の先端が、ピンセット状であるため、この先端がGaAs基板を確実に把握することができ、GaAs基板とガラス板の分離を安定に行うことができる。 【0182】なお、ガラス板1を吸着させるのではなく、図18に示すようにGaAs基板2を吸着、加熱し、ガラス板1を摺動させるようにしても同様の効果が得られる。 【0183】また、スライド治具の形状は、ピンセット状ではなく、図19に示すような、へら状であってもよい。 図19(a) は、このへら状スライド治具116を備えた半導体装置の製造装置の断面図であり、同図(b) はこの治具の上面図である。 へら状スライド治具116を用いてGaAs基板2を摺動させる場合は、この治具の先端によりGaAs基板2とガラス板1の間の間隔を増大させようとする力が働くため、GaAs基板2とガラス板1の分離を短時間で容易に行うことができる。 この治具を用いる場合も、ガラス板ではなく、GaAs基板を吸着、加熱し、ガラス板を摺動させるようにしてもよい。 【0184】 【発明の効果】以上のようにこの発明(請求項1)に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記補強板付きの上記半導体基板を加熱された溶剤中に置き、上記接着剤を溶融,溶解させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるので、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0185】また、この発明(請求項2)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項1)において、上記溶剤が、液体であるので、 半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0186】また、この発明(請求項3)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項2)において、上記液体である溶剤が、大気圧以上の圧力に加圧されているので、接着剤の溶融、溶解が容易となり、半導体基板が補強板から分離し易くなる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤の溶解、除去も容易となる。 【0187】また、この発明(請求項4)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項1)において、上記溶剤が、気体であるので、 半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0188】また、この発明(請求項5)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項4)において、上記気体である溶剤が、大気圧以上の圧力に加圧されているので、接着剤の溶融、溶解が容易となり、半導体基板が補強板から分離し易くなる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤の溶解、除去も容易となる。 【0189】また、この発明(請求項6)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記補強板を支持して、上記基板面が水平方向以外の方向になる状態で、上記溶剤中に保持し、上記半導体基板を上記補強板から自然降下により分離させ、かつ自然落下させるので、この自然落下した半導体基板を上記の支持された補強板の直下で収納することにより、半導体基板の補強板からの分離に引き続き、分離された半導体基板の収納を特別の操作無しに行うことができる。 【0190】また、この発明(請求項7)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を上記補強板を支持して、上記溶剤中に保持した後、上記半導体基板を上記補強板に対して摺動させて、これより分離させ、かつ自然落下させるので、この半導体基板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0191】また、この発明(請求項8)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記半導体基板を支持して、 上記基板面が水平方向以外の方向になる状態で、上記溶剤中に保持し、上記補強板を上記半導体基板から自然降下により分離させ、かつ自然落下させるので、上記補強板が分離された上記半導体基板を保持した状態で残すことができる。 【0192】また、この発明(請求項9)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし5のいずれか)において、上記補強板付きの上記半導体基板を、上記半導体基板を支持して、 上記溶剤中に保持した後、上記補強板を上記半導体基板に対して摺動させて、これより分離させ、かつ自然落下させるので、この補強板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0193】また、この発明(請求項10)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項1ないし9のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであり、上記接着剤を溶解する溶剤は、 有機溶剤であるので、ワックスはその温度を100℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、 半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 さらに、このワックスの除去も容易にできる。 【0194】また、この発明(請求項11)に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板付きの上記補強板を第1の溶剤によって溶解させ、この後上記半導体基板の一主面に残った上記接着剤を第2の溶剤によって溶解させることにより、上記半導体基板を上記補強板から分離させるので、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0195】また、この発明(請求項12)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項11)において、上記補強板の溶解は、この補強板を液体である上記第1溶剤に浸漬して溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤を液体である上記第2溶剤に浸漬して溶解させるものであるので、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0196】また、この発明(請求項13)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項11)において、上記補強板の溶解は、この補強板を上記気体である第1溶剤に曝すことにより溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤を液体である上記第2溶剤に浸漬して溶解させるものであるので、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、 これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0197】また、この発明(請求項14)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項11)において、上記補強板の溶解は、この補強板に液体である上記第1溶剤を吹き付けることにより溶解させるものであり、上記接着剤の溶解は、この接着剤に液体である上記第2溶剤を吹き付けることにより溶解させるものであるので、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0198】また、この発明(請求項15)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項11ないし14のいずれか)において、上記補強板は、ガラス板であり、上記第1溶剤は、フッ酸であるので、ガラス板はフッ酸に容易に溶解し、これによりカラス板を容易に除去することができる。 【0199】また、この発明(請求項16)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項11ないし15のいずれか)において、上記接着剤は、ワックスであり、上記接着剤を溶解する上記第2溶剤は、有機溶剤であるので、ワックスはその温度を100℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 【0200】また、この発明(請求項17)に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記接着剤により貼り付けられた上記半導体基板及び上記補強板のそれぞれを、吸着器で吸着,保持し、上記半導体基板及び上記補強板の少なくともいずれか一方の吸着器の側から加熱して上記接着剤を溶融させ、上記二つの吸着器を上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相対的に相異なる方向に移動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるので、上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0201】また、この発明(請求項18)に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記半導体基板付きの上記補強板を吸着器で吸着,保持するとともに加熱して上記接着剤を溶融させ、上記半導体基板を上記補強板に対してスライド手段により上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において摺動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるので、上記のように半導体基板を補強板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、 半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0202】また、この発明(請求項19)に係る半導体装置の製造方法によれば、半導体基板の一主面にこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を接着剤により貼り付けて、上記半導体基板に対して所要の半導体素子形成処理を行った後、上記補強板付きの上記半導体基板を吸着器で吸着,保持するとともに加熱して上記接着剤を溶融させ、上記補強板を上記半導体基板に対してスライド手段により上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において摺動させて、上記半導体基板を上記補強板から分離させるので、上記のように補強板を半導体基板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、 半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0203】また、この発明(請求項20)に係る半導体装置の製造方法によれば、上記の半導体装置の製造方法(請求項17ないし19のいずれか)において、上記接着剤が、ワックスであるので、ワックスはその温度を100℃程度まで上昇させると容易に溶融し、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 【0204】また、この発明(請求項21)に係る半導体装置の製造装置によれば、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を保持する保持具と、上記保持具を収納し、上記接着剤を溶解する液体である溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの溶剤に浸漬されるように収容する容器と、上記容器内の上記溶剤を加熱する加熱器とを備えたので、この製造装置を用いると、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0205】また、この発明(請求項22)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットを備えたので、補強板から分離され、自然落下する上記半導体基板を特別な操作無しに上記保持具直下の半導体基板カセットに収納することができる。 【0206】また、この発明(請求項23)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に浸漬された上記半導体基板を、上記補強板に対して摺動させて、上記補強板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットとを備えたので、この半導体基板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0207】また、この発明(請求項24)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットを備えたので、半導体基板から分離された補強板は、半導体基板から自然落下し、補強板カセットに収納される。 【0208】また、この発明(請求項25)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項21)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に浸漬された上記補強板を、上記半導体基板に対して摺動させて、上記半導体基板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットとを備えたので、この補強板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0209】また、この発明(請求項26)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項21ないし25のいずれか)において、上記溶剤を大気圧以上の圧力に加圧する加圧器を備えたので、接着剤の溶融、溶解が容易となり、半導体基板が補強板から分離し易くなる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤の溶解、除去も容易となる。 【0210】また、この発明(請求項27)に係る半導体装置の製造装置によれば、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を保持する保持具と、上記保持具を収納し、上記接着剤を溶解する気体である溶剤をその内部に密封する容器と、大気圧以上の圧力の加熱された上記気体である溶剤を上記容器に供給する手段とを備えたので、この製造装置を用いると、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 さらに、分離後の半導体基板の表面に残っている接着剤を、上記溶剤に溶解させて、除去することができる。 【0211】また、この発明(請求項28)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットを備えたので、補強板から分離された半導体基板は、補強板から自然落下し、半導体基板カセットに収納される。 【0212】また、この発明(請求項29)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に曝された上記半導体基板を、 上記補強板に対して摺動させて、上記補強板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、 上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットとを備えたので、この半導体基板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0213】また、この発明(請求項30)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように保持するものであり、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットを備えたので、半導体基板から分離された補強板は、半導体基板から自然落下し、補強板カセットに収納される。 【0214】また、この発明(請求項31)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項27)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板を保持するものであり、上記溶剤に曝された上記補強板を、 上記半導体基板に対して摺動させて、上記半導体基板から分離させるスライド手段と、上記保持具の直下に設けられた、上記半導体基板から分離され、かつ自然落下した上記補強板を収納するための補強板カセットとを備えたので、この補強板の分離を短時間で行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0215】また、この発明(請求項32)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項27ないし31のいずれか)において、上記容器を加熱するための容器加熱器を備えたので、容器に供給された気体である溶剤の冷却を防止でき、上記接着剤の溶融及び溶解を容易にする。 従って、半導体基板と補強板の分離、半導体基板表面の接着剤の除去も容易となる。 【0216】また、この発明(請求項33)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項21ないし32のいずれか)において、上記接着剤が、ワックスであり、上記接着剤を溶解する溶剤が、有機溶剤であるので、ワックスはその温度を100 ℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 【0217】また、この発明(請求項34)に係る半導体装置の製造装置によれば、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、上記保持具及び上記半導体基板カセットを収納し、上記補強板を溶解する液体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの第1溶剤に浸漬されるように収容する第1の容器と、半導体基板カセットを収納し、上記接着剤を溶解する液体である第2の溶剤を上記半導体基板カセットに収納された上記半導体基板がこの第2溶剤に浸漬されるように収容する第2の容器とを備えたので、この製造装置を用いると、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 この際、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 また、補強板が溶解した後の半導体基板は、上記半導体基板カセットに収納される。 【0218】また、この発明(請求項35)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項34)において、上記第1容器を加熱するための第1容器加熱器を備えているので、上記第1溶剤を加熱することができ、補強板を容易に溶解することができる。 【0219】また、この発明(請求項36)に係る半導体装置の製造装置によれば、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、上記保持具及び上記半導体基板カセットを収納し、上記補強板を溶解する気体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板付きの上記半導体基板がこの第1溶剤に曝されるように収容する第1の容器と、上記第1溶剤を上記補強板に吹き付けるノズルと、半導体基板カセットを収納し、上記接着剤を溶解する液体である第2の溶剤をこの半導体基板カセットに収納された上記半導体基板がこの第2溶剤に浸漬されるように収容する第2の容器とを備えたので、補強板から分離され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 この際、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、 これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 また、補強板が溶解した後の半導体基板を上記半導体基板カセットに収納することができる。 【0220】また、この発明(請求項37)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項34ないし36のいずれか)において、上記第2容器を加熱するための第2容器加熱器を備えているので、上記第2溶剤を加熱することができ、上記接着剤を容易に溶解することができる。 【0221】また、この発明(請求項38)に係る半導体装置の製造装置によれば、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板をこの補強板を支持して保持する保持具と、上記保持具の直下に設けられた、上記補強板から分離され、かつ自然落下した上記半導体基板を収納するための半導体基板カセットと、液体である第1の溶剤を上記保持具により保持される上記補強板に吹き付けて上記補強板の全体を溶解させる第1のノズルと、液体である第2の溶剤を上記補強板が溶解除去された上記半導体基板カセットに収納された上記半導体基板の一主面に残る上記接着剤に吹き付けて上記接着剤の全体を溶解させる第2のノズルとを備えたので、補強板が除去され、表面に接着剤の残っていない半導体基板を得ることができる。 この際、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 また、補強板が溶解した後の半導体基板を上記半導体基板カセットに収納することができる。 【0222】また、この発明(請求項39)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項34ないし38のいずれか)において、上記補強板が、ガラス板であり、上記第1溶剤が、フッ酸であるので、このガラス板をフッ酸で容易に溶解することができる。 【0223】また、この発明(請求項40)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項34ないし39のいずれか)において、上記接着剤が、ワックスであり、上記接着剤を溶解する上記第2溶剤が、有機溶剤であるので、ワックスはその温度を100℃程度まで上昇させると容易に溶融し、また有機溶剤を用いることにより、このワックスを溶解させることができ、半導体基板と補強板を容易に分離することができる。 さらに、このワックスの除去も容易となる。 【0224】また、この発明(請求項41)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項22,23,28,29,34,36または38のいずれか)において、上記保持具は、上記補強板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように収容保持し、その下部開口を通って上記補強板から分離された上記半導体基板を下方向に自然落下させる補強板支持上方カセットよりなるものであるので、上記補強板付きの上記半導体基板を容易に収納することができるとともに、補強板から分離された半導体基板を補強板支持上方カセットの下に設けられた上記半導体基板カセットに収納することができる。 【0225】また、この発明(請求項42)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項41)において、上記半導体基板カセットは、上記補強板支持上方カセットの直下にこの補強板支持上方カセットと一体に形成されてなるものであるので、これらのカセットの取扱いが容易となり、また、これらのカセットの相対的な位置が固定されているため、 補強板から分離された半導体基板を確実に半導体基板カセットに収納することができる。 【0226】また、この発明(請求項43)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項24,25,30または31のいずれか)において、上記保持具は、上記半導体基板を支持して、上記補強板付きの上記半導体基板をこの基板面が水平方向以外の方向になるように収容保持し、その下部開口を通って上記補強板を下方向に自然落下させる半導体基板支持上方カセットよりなるものであるので、補強板付半導体基板を容易に収納することができるとともに、半導体基板から分離された補強板を半導体基板支持上方カセットの下に設けられた上記補強板カセットに収納することができる。 【0227】また、この発明(請求項44)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項43)において、上記補強板カセットは、上記半導体基板支持上方カセットの直下にこの上方カセットと一体に形成されてなるので、これらのカセットの取扱いが容易となり、また、これらのカセットの相対的な位置が常に固定されているため、半導体基板から分離された補強板を確実に補強板カセットに収納することができる。 【0228】また、この発明(請求項45)に係る半導体装置の製造装置によれば、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられた、この半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する第1の吸着器と、上記半導体基板を吸着,保持する第2の吸着器と、上記第1吸着器に設けられた、上記補強板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記第1吸着器及び上記第2 吸着器を、上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相対的に相異なる方向に移動させる機構とを備えたので、この製造装置を用いると、上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0229】また、この発明(請求項46)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項45)において、上記第2吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる第2の加熱器を備えたので、この製造装置を用いると、 上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0230】また、この発明(請求項47)に係る半導体装置の製造装置によれば、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられたこの半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する第1の吸着器と、上記半導体基板を吸着,保持する第2の吸着器と、上記第2 吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記第1吸着器及び上記第2吸着器を、上記半導体基板及び上記補強板と平行な平面内において相異なる方向に移動させる機構とを備えているので、この製造装置を用いると、上記のように半導体基板と補強板を強制的に相異なる方向に移動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0231】また、この発明(請求項48)に係る半導体装置の製造装置によれば、半導体基板の一主面に接着剤により貼り付けられた、この半導体基板の機械的強度を補強する補強板を吸着,保持する吸着器と、上記吸着器に設けられた、上記補強板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記半導体基板を上記補強板に対して、これらと平行な平面内において摺動させるスライド手段を備えているので、上記のように半導体基板を補強板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0232】また、この発明(請求項49)に係る半導体装置の製造装置によれば、その一主面に半導体基板の機械的強度を補強する補強板が接着剤により貼り付けられた半導体基板を吸着,保持する吸着器と、上記吸着器に設けられた、上記半導体基板を加熱して上記接着剤を溶融させる加熱器と、上記補強板を上記半導体基板に対して、これらと平行な平面内において摺動させるスライド手段を備えているので、上記のように補強板を半導体基板に対して強制的に摺動させることにより、短時間で半導体基板と補強板の分離を行うことができる。 また、 半導体基板に外部からその面に垂直な方向の力が加わることがなく、これによる半導体基板の割れ等の破損を防止することができる。 【0233】また、この発明(請求項50)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項48または49)において、上記スライド手段が、ピンセット状の先端部を有するので、この先端部が半導体基板または補強板を確実に把握することができ、半導体基板と補強板の分離を安定に行うことができる。 【0234】また、この発明(請求項51)に係る半導体装置の製造装置によれば、上記の半導体装置の製造装置(請求項48または49)において、上記スライド手段が、へら状の先端部を有するので、この先端部により半導体基板と補強板の間の間隔を増大させようとする力が働くため、半導体基板と補強板の分離を短時間で容易に行うことができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 この発明の第1の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図2】 この発明の第2の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図3】 この発明の第3の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 図3(a),(c) は、ガラス板及びGaAs基板に垂直な面での断面図、図3(b),(d) は、ガラス板及びGaA s基板に平行な面での断面図である。 【図4】 この発明の第4の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図5】 この発明の第5の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図6】 この発明の第6の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図7】 この発明の第7の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図8】 この発明の第8の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図9】 この発明の第9の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図10】 この発明の第10の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図11】 この発明の第11の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図12】 この発明の第12の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図13】 この発明の第13の実施例による半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図14】 この発明の第14の実施例による半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図15】 この発明の第14の実施例による、下部吸着器にのみ加熱器を設けた半導体装置の製造装置及び半導体装置の製造方法を示す断面図である。 【図16】 この発明の第14の実施例による、上部吸着器にのみ加熱器を設けた半導体装置の製造装置及び半導体装置の製造方法を示す断面図である。 【図17】 この発明の第15の実施例による、ガラス板を吸着・加熱する半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図18】 この発明の第15の実施例による、GaA s基板を吸着・加熱する半導体装置の製造方法及び半導体装置の製造装置を示す断面図である。 【図19】 この発明の第15の実施例による、へら状スライド治具を有する半導体装置の製造装置、及び半導体装置の製造方法を示す断面図(図19(a))、及びへら状スライド治具の平面図(図19(b) )である。 【図20】 従来の半導体装置の製造方法を示す断面図である。 【符号の説明】 1 ガラス板(補強板)、2 GaAs基板(半導体基板)、3 ワックス(接着剤)、4 補強板支持上方カセット、5 半導体基板カセット、6 有機溶剤、7 容器、8 ヒーター(加熱器)、9 スライド治具、1 0 溶剤加圧ポンプ、11 バキューム孔、12 上部吸着器、13 上部ヒーター、14 下部吸着器、15 下部ヒーター、16 ピンセット状スライド治具、1 7 フッ酸吹き付けノズル、18 有機溶剤吹き付けノズル、104 半導体基板支持上方カセット、105 補強板カセット、106 溶剤蒸気、107 気密容器、108 ヒーター(溶剤蒸気加熱器)、110 高圧溶剤蒸気発生器、116へら状スライド治具、117 フッ酸蒸気吹き付けノズル、204 一体形成カセット、206 フッ酸溶液、207 フッ酸用容器、20 8 ホットプレート、307 フッ酸蒸気用容器。 |