Urethane resin composition, the leather-like sheet and laminate

申请号 JP2013539031 申请日 2013-07-10 公开(公告)号 JP5413703B1 公开(公告)日 2014-02-12
申请人 Dic株式会社; 发明人 智博 鉄井; 直孝 後藤;
摘要 本発明が解決しようとする課題は、外部乳化剤を使用しない場合であっても 水 分散安定性に優れ、繊維基材に含浸し感熱 凝固 することが可能で、かつ、それを 染色 等する際に繊維基材からの脱落を引き起こさないウレタン樹脂組成物を提供することである。 本発明は、ポリオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオールと、オキシエチレン構造及び炭素 原子 数3〜5のオキシアルキレン構造によって構成されるポリオキシアルキレン構造を有するアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコールと、ポリイソシアネートとを反応させることによって得られるウレタン樹脂及び水性媒体を含有するウレタン樹脂組成物において、質量割合〔アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール/前記ポリエーテルポリオール〕が5/95〜80/20であることを特徴とするウレタン樹脂組成物に関するものである。
权利要求
  • ポリオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオール(a1−1)を含有するポリオール(a1)と、オキシエチレン構造及び炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造によって構成されるポリオキシアルキレン構造を有するアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)と、ポリイソシアネート(a3)とを反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)、
    及び、水性媒体(B)を含有するウレタン樹脂組成物において、
    前記ポリエーテルポリオール(a1−1)と、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)との質量割合〔前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)/前記ポリエーテルポリオール(a1−1)〕が5/95〜80/20の範囲であることを特徴とするウレタン樹脂組成物。
  • 前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)を構成する前記オキシエチレン構造と炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造との質量割合〔オキシエチレン構造/炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造〕が、45/55〜90/10の範囲である請求項1に記載のウレタン樹脂組成物。
  • 請求項1又は2記載のウレタン樹脂組成物を、繊維基材に含浸させることによって得られたことを特徴とする皮革様シート。
  • 請求項1又は2記載のウレタン樹脂組成物を繊維基材に含浸させることによって得られる含浸基材からなる層と、表皮層とを有することを特徴とする積層体。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば皮革様シート等の製造に使用可能なウレタン樹脂組成物に関する。

    ウレタン樹脂が性媒体中に分散等した水性ウレタン樹脂組成物は、従来の有機溶剤系ウレタン樹脂組成物と比較して、環境への負荷を低減できることから、例えばコーティング剤や接着剤、さらには人工皮革や合成皮革等の皮革様シートを製造する部材として、近年、好適に使用されている。

    前記皮革様シートは、一般に、不織布等の基材と、必要に応じて多孔層等からなる中間層と、表皮層とによって構成されるものが多く、前記基材としては、皮革様シートの耐屈曲性や風合い向上等の向上を目的として、不織布等の繊維基材に水性ウレタン樹脂組成物を含浸し感熱凝固したものが好適に使用されている。

    前記繊維基材の含浸用の水性ウレタン樹脂組成物としては、例えば2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール及び2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールの群から選ばれた少なくとも1種のジオール、ε−カプロラクトン及びアジピン酸を少なくとも構成成分単位として含むポリエステルジオール(A)、鎖延長剤(B)、カルボキシル基及び活性水素基を含有する化合物(C)、有機ポリイソシアネート(D)、及び中和剤(E)から構成される水系ポリウレタンエマルジョンが知られている(例えば特許文献1参照。)。

    しかし、前記水性ウレタン樹脂組成物は、それが含浸された基材を染色する際に、染色液に含まれる水と、染色の際の加熱(概ね100℃〜150℃)との影響により、繊維基材から脱落し、染色した際に色むらなどを引き起こす要因となる場合があった。 また、脱落したウレタン樹脂が、染色後の廃液に混合してしまうため、その染色液からなる廃水を、安易に排出することができないという問題があった。

    また、前記水性ウレタン樹脂組成物としては、一般に、ウレタン樹脂の水分散安定性を向上する観点から、例えばポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル等の外部乳化剤を使用することが多い。

    しかし、前記乳化剤の使用は、水性ウレタン樹脂組成物を含浸した基材の柔軟性の低下を引き起こしやすく、その結果、皮革様シートの製造に好適に使用できない場合があった。

    特開2002−145976号公報

    本発明が解決しようとする課題は、外部乳化剤を従来のように多量に使用しない場合であっても水分散安定性に優れ、繊維基材に含浸し感熱凝固することが可能で、かつ、含浸基材を染色する工程で水や熱等の影響により繊維基材からの脱落を引き起こさないウレタン樹脂組成物を提供することである。

    本発明は、ポリオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオール(a1−1)を含有するポリオール(a1)と、オキシエチレン構造及び炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造によって構成されるポリオキシアルキレン構造を有するアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)と、ポリイソシアネート(a3)とを反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)、及び、水性媒体(B)を含有するウレタン樹脂組成物において、前記ポリエーテルポリオール(a1−1)と、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)との質量割合〔前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)/前記ポリエーテルポリオール(a1−1)〕が5/95〜80/20の範囲であることを特徴とするウレタン樹脂組成物に関するものである。

    本発明のウレタン樹脂組成物は、外部乳化剤を従来のように多量に使用しない場合であっても水分散安定性に優れ、繊維基材に含浸し感熱凝固することが可能で、かつ、それを染色等する際に繊維基材からの脱落を引き起こさないことから、皮革様シートを製造する際の材料に好適に使用することができる。

    本発明のウレタン樹脂組成物は、ポリオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオール(a1−1)を含有するポリオール(a1)と、オキシエチレン構造及び炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造によって構成されるポリオキシアルキレン構造を有するアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)と、ポリイソシアネート(a3)とを反応させることによって得られるウレタン樹脂(A)、及び、水性媒体(B)を含有し、前記ポリエーテルポリオール(a1−1)と、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)との質量割合〔前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)/前記ポリエーテルポリオール(a1−1)〕が5/95〜80/20の範囲であることを特徴とするものである。

    本発明のウレタン樹脂組成物としては、前記ウレタン樹脂(A)が水性媒体(B)に分散または溶解したものを使用することが、取り扱い性や塗工作業性等を向上するうえで好ましい。

    はじめに、前記ウレタン樹脂組成物に使用するウレタン樹脂(A)について説明する。
    本発明で使用するウレタン樹脂(A)は、ポリオキシエチレン構造を有するポリエーテルポリオール(a1−1)を含有するポリオール(a1)と、オキシエチレン構造及び炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造によって構成されるポリオキシアルキレン構造を有するアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)と、ポリイソシアネート(a3)とを反応させることによって得られるもののうち、前記ポリエーテルポリオール(a1−1)と、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)との質量割合〔前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)/前記ポリエーテルポリオール(a1−1)〕が5/95〜80/20となる範囲で反応させて得られるものである。

    ここで、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)と前記ポリエーテルポリオール(a1−1)との質量割合〔前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)/前記ポリエーテルポリオール(a1−1)〕が、5/95未満である場合、ウレタン樹脂に良好な水分散安定性を付与できない場合があり、80/20を超える場合には、皮革様シートを染色する工程で、前記ウレタン樹脂が脱落する場合がある。 前記質量割合〔前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)/前記ポリエーテルポリオール(a1−1)〕としては、得られる皮革様シートの柔軟性等をより一層向上できる点から、10/90〜70/30の範囲で使用することが好ましく、20/80〜60/40の範囲で使用することがより好ましい。

    また、前記ウレタン樹脂(A)は、その製造に使用するアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)に由来するオキシエチレン構造によって構成されるポリオキシエチレン構造や、前記炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造によって構成されるポリオキシアルキレン構造を、ウレタン樹脂(A)のウレタン結合を含む主鎖構造の末端、または、前記ウレタン樹脂(A)の主鎖構造に対する側鎖に有する。

    また、前記ウレタン樹脂(A)は、その製造に使用する前記ポリエーテルポリオール(a1−1)に由来するポリオキシエチレン構造を、ウレタン樹脂(A)のウレタン結合を含む主鎖構造または側鎖構造中に有する。

    前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する前記ポリエーテルポリオール(a1−1)としては、ポリオキシエチレン構造を有するものを使用することができる。 具体的には、前記ポリエーテルポリオール(a1−1)としては、例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール等を使用することができる。

    前記ポリエーテルポリオール(a1−1)としては、例えば活性水素原子を2個以上有する化合物の1種または2種以上を開始剤として、エチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドを付加重合させたものを使用することができる。

    前記開始剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等を使用することができる。

    前記アルキレンオキサイドとしては、例えばエチレンオキサイドとともに、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を組み合わせ使用することができる。

    前記ポリエーテルポリオール(a1−1)としては、ウレタン樹脂(A)に良好な水分散性と感熱凝固性とを付与するうえで〔ポリオキシエチレン構造/その他ポリオキシアルキレン構造〕の質量割合が40/60〜90/10の範囲であるものを使用することが好ましく、50/50〜80/20の範囲のものを使用することがより好ましい。

    前記ポリエーテルポリオール(a1−1)としては、ウレタン樹脂(A)に良好な水分散性と感熱凝固性とを付与するうえで、500〜8,000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、1,000〜4,000の範囲のものを使用することがより好ましい。 なお、前記ポリエーテルポリオール(a1−1)の重量平均分子量は、ゲル・パーミエーション・カラムクロマトグラフィー(GPC)法により、下記の条件で測定し得られた値を示す。

    測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製「HLC−8220GPC」)
    カラム:東ソー株式会社製の下記のカラムを直列に接続して使用した。
    「TSKgel G5000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本 「TSKgel G4000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本 「TSKgel G3000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本 「TSKgel G2000」(7.8mmI.D.×30cm)×1本検出器:RI(示差屈折計)
    カラム温度:40℃
    溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
    流速:1.0mL/分注入量:100μL(試料濃度0.4質量%のテトラヒドロフラン溶液)
    標準試料:下記の標準ポリスチレンを用いて検量線を作成した。

    (標準ポリスチレン)
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−500」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−1000」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−2500」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン A−5000」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−1」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−2」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−4」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−10」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−20」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−40」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−80」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−128」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−288」
    東ソー株式会社製「TSKgel 標準ポリスチレン F−550」

    前記ポリエーテルポリオール(a1−1)としては、ウレタン樹脂(A)に良好な水分散性を付与し、かつ、皮革様シートを染色する工程で前記ウレタン樹脂(A)の繊維基材からの脱落を防止するうえで前記ウレタン樹脂(A)の全量に対して1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、2質量%〜6質量%の範囲のものを使用することがより好ましい。

    また、前記ウレタン樹脂(A)を製造する際に使用可能なポリオール(a1)としては、前記したもののほかに、必要に応じてその他のポリオールを使用することができる。

    前記その他のポリオールとしては、前記(a1−1)以外のポリエーテルポリオールや、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等を使用することができる。

    前記(a1−1)以外のポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレン構造を有さないポリエーテルポリオールが挙げられ、例えばポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコール等を使用することができる。

    前記その他のポリオールに使用可能なポリエステルポリオールとしては、例えば低分子量のポリオールとポリカルボン酸とをエステル化反応して得られるものや、ε−カプロラクトン等の環状エステル化合物を開環重合反応して得られるポリエステルや、これらの共重合ポリエステル等を使用することができる。

    前記低分子量のポリオールとしては、例えば概ね分子量が50〜300程度である、エチレングリコールやプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール等の脂肪族ポリオールや、シクロヘキサンジメタノール等の脂肪族環式構造を有するポリオール、ビスフェノールAやビスフェノールF等のビスフェノール化合物等の芳香族構造を有するポリオールを使用することができる。

    前記ポリエステルポリオールの製造に使用可能な前記ポリカルボン酸としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸や、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ポリカルボン酸、及びそれらの無水物またはエステル形成性誘導体等を使用することができる。

    また、前記その他のポリオールに使用可能なポリカーボネートポリオールとしては、例えば炭酸エステルやホスゲンとポリオールとを反応させて得られるものを使用することができる。

    前記炭酸エステルとしては、メチルカーボネートや、ジメチルカーボネート、エチルカーボネート、ジエチルカーボネート、シクロカーボネート、ジフェニルカーボネ−ト等を使用することできる。

    前記炭酸エステルと反応しうるポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノン、レゾルシン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、4,4'−ビフェノール等の比較的低分子量のジヒドロキシ化合物や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、ポリヘキサメチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネート、ポリカプロラクトン等のポリエステルポリオール等を使用することができる。

    また、前記その他のポリオールとしては、500〜5,000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましい。 なお、前記その他のポリオールの重量平均分子量は、前記ポリエーテルポリオール(a1−1)の重量平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。

    前記ポリオール(a1)中の前記ポリエーテルポリオール(a1−1)と前記その他のポリオールとの質量割合[前記ポリエーテルポリオール(a1−1)/前記その他のポリオール]としては、得られる皮革様シートの柔軟性等をより一層向上できる点から、1/99〜90/10の範囲であることが好ましく、2/98〜50/50の範囲であることがより好ましく、3/97〜20/80の範囲であることが更に好ましい。

    また、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用する前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)としては、オキシエチレン構造及び炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造から構成されるポリオキシアルキレン構造を有するものを使用する。

    具体的には、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)としては、前記オキシエチレン構造からなるポリオキシエチレン構造と、ポリオキシプロピレン構造やポリオキシブチレン構造やポリオキシテトラメチレン構造等の炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造からなるポリオキシアルキレン構造とを有するポリオキシアルキレングリコールの1個の水酸基が、メチル基やエチル基、プロピル基等のアルキル基によって封止されたものを使用することができ、例えばポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレンモノメチルエーテルなどを使用することができる。

    前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)としては、1または2以上のポリオキシエチレン構造と、1または2以上の炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造からなるポリオキシアルキレン構造とを有するものであってもよい。

    前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)としては、ウレタン樹脂(A)に優れた水分散安定性と感熱凝固性を付与する観点から、〔オキシエチレン構造/炭素原子数3〜5のオキシアルキレン構造〕の質量割合が45/55〜90/10の範囲であるものを使用することが好ましく、60/40〜80/20の範囲のものを使用することがより好ましい。

    前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)としては、ウレタン樹脂(A)に優れた水分散安定性を付与する観点から、500〜10,000の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、2,000〜5,000の範囲のものを使用することがより好ましい。 なお、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)の重量平均分子量は、前記その他のポリオールの重量平均分子量と同様に測定して得られた値を示す。

    前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)は、ウレタン樹脂(A)に優れた水分散安定性と感熱凝固性を付与する観点から、前記ウレタン樹脂(A)の全量に対して、1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、4質量%〜8質量%の範囲で使用することがより好ましい。

    また、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用するポリイソシアネート(a3)としては、例えばフェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、カルボジイミド化ジフェニルメタンポリイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂肪族または脂肪族環式構造を有するポリイソシアネート等を、単独で使用または2種以上を併用して使用することができる。 なかでも、脂肪族環式構造を有するポリイソシアネートを使用することが好ましく、とりわけイソホロンジイソシアネートやジシクロヘキシルメタンジイソシアネートを使用することがより好ましい。

    前記ウレタン樹脂(A)は、具体的には、前記ポリオール(a1)とポリイソシアネート(a3)とを反応させることによって、分子末端または側鎖にイソシアネート基を有するウレタン樹脂(A')を製造し、次いで、前記ウレタン樹脂(A')と、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)とを反応させることによって製造することができる。

    前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a3)との反応は、例えば無溶剤下または有機溶剤の存在下、それらを混合し、50℃〜100℃で概ね3時間〜10時間程度行うことができる。

    前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a3)との反応は、前記ポリオール(a1)の有する水酸基と前記ポリイソシアネート(a3)の有するイソシアネート基との当量割合[イソシアネート基/水酸基]が1.05〜2.5の範囲であることが好ましく、1.1〜2.0であることが好ましい。

    前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a3)とを反応させる際に使用可能な有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル化合物;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル化合物;アセトニトリル等のニトリル化合物;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド化合物を、単独で使用または2種以上を使用することができる。

    前記ウレタン樹脂(A')を製造する際には、必要に応じて鎖伸長剤を使用することができる。 具体的には、無溶剤下または有機溶剤の存在下、前記ポリオール(a1)と前記ポリイソシアネート(a3)とを混合し、50℃〜100℃で概ね3時間〜10時間程度反応させることによって、分子末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーを製造し、次いで、該ウレタンプレポリマーと鎖伸長剤とを反応させることによって、比較的高分子量でウレア結合を有するウレタン樹脂を製造することができる。

    前記鎖伸長剤としては、例えばポリアミンやその他活性水素原子含有化合物等を使用することができる。

    前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3'−ジメチル−4,4'−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン化合物;N−ヒドロキシメチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシプロピルアミノプロピルアミン、N−エチルアミノエチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン等の1個の1級アミノ基と1個の2級アミノ基を含有するジアミン化合物;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン化合物;ヒドラジン、N,N'−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン等のヒドラジン化合物;コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等のジヒドラジド化合物;β−セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド、3−セミカルバジッド−プロピル−カルバジン酸エステル、セミカルバジッド−3−セミカルバジドメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン等のセミカルバジド化合物を使用することができる。

    前記その他活性水素含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレンリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、サッカロース、メチレングリコール、グリセリン、ソルビトール等のグリコール化合物;ビスフェノールA、4,4'−ジヒドロキシジフェニル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホン、水素添加ビスフェノールA、ハイドロキノン等のフェノール化合物、及び水等を、本発明のコーティング剤の保存安定性が低下しない範囲内で単独で使用または2種以上を併用することができる。

    前記鎖伸長剤は、形成される皮膜中にウレア結合を導入し、その結果、皮膜の耐久性をより一層向上する観点から、ウレタン樹脂(A')の製造に使用する原料の全量に対して1質量%〜10質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜5質量%の範囲であることがより好ましい。

    前記ウレタン樹脂(A)は、前記で得た分子末端または側鎖にイソシアネート基を有するウレタン樹脂(A')と、前記アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)とを反応させることによって製造することができる。 前記反応は、例えば無溶剤下または有機溶剤の存在下、それらを混合し、概ね50℃〜100℃で3時間〜10時間程度反応させることによって行うことができる。

    前記製造方法によって得られたウレタン樹脂(A)を水性媒体(B)と混合しウレタン樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、前記方法で得たウレタン樹脂(A)またはその有機溶剤溶液と、水性媒体(B)とを混合、撹拌することによって製造することができる。 その際に含まれうる有機溶剤は、必要に応じて蒸留法等によって除去することが好ましい。 前記ウレタン樹脂(A)と水性媒体(B)とを混合する際には、必要に応じてホモジナイザー等の機械を使用しても良い。

    前記製造方法によって得られたウレタン樹脂(A)を分散または溶解しうる水性媒体(B)としては、水、水と混和する有機溶剤、及び、これらの混合物が挙げられる。 水と混和する有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−及びイソプロパノール等のアルコール溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン溶媒;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール溶媒;ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル溶媒;N−メチル−2−ピロリドン等のラクタム溶媒、等が挙げられる。 本発明では、水のみを用いても良く、また水及び水と混和する有機溶剤との混合物を用いても良く、水と混和する有機溶剤のみを用いても良い。 安全性や環境に対する負荷の点から、水のみ、又は、水及び水と混和する有機溶剤との混合物が好ましく、水のみが特に好ましい。

    前記方法によって得られた本発明のウレタン樹脂組成物は、前記ウレタン樹脂組成物の全量に対して前記ウレタン樹脂(A)を20質量%〜60質量%の範囲で含有するものであること好ましく、30質量%〜55質量%含有することが、塗工作業性を向上するうえで好ましい。

    また、水性媒体(B)は、前記ウレタン樹脂組成物の全量に対して前記ウレタン樹脂(A)を40質量%〜80質量%の範囲で含有するものであること好ましく、45質量%〜70質量%含有することが、塗工作業性を向上するうえで好ましい。

    一般のウレタン樹脂組成物においては、その水分散安定性をより一層向上する観点から乳化剤を使用する場合が多い。 しかし、前記乳化剤の使用は、前記ウレタン樹脂組成物を繊維基材等に含浸し感熱凝固等して得た含浸基材や皮革様シートを染色する工程における前記ウレタン樹脂(A)の脱落等を引き起こす一因となっていた。

    これに対し、本発明のウレタン樹脂組成物は、乳化剤(C)を使用しなくても、良好な水分散安定性を維持でき、かつ、繊維基材からのウレタン樹脂の脱落を防止することができる。 なお、本発明のウレタン樹脂組成物を高温環境下で長期間保存する場合等には、水分散安定性をより一層向上するために乳化剤(C)を使用してもよいが、その使用量はウレタン樹脂組成物の全量に対して5質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。

    前記乳化剤(C)を用いる場合に使用できる乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンクミルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル;アルキル硫酸金属塩;直鎖アルキルベンゼンスルホン酸金属塩などの界面活性剤が挙げられる。

    本発明のウレタン樹脂組成物は、必要に応じて、各種添加剤を含んでいても良い。 例えば、会合型増粘剤、アルカリ可溶型増粘剤、架橋剤、ウレタン化触媒、シランカップリング剤、充填剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、蛍光増白剤、発泡剤等の添加剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、顔料、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤を併用することができる。

    前記会合型増粘剤としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体や、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、ウレタン系、ポリエーテル系等を使用することができる。 なかでも、前記ウレタン樹脂(A)に対する増粘効果の高い、ポリアクリル酸塩からなる増粘剤を使用することが好ましい。 前記会合型増粘剤は、前記ウレタン樹脂(A)の全量に対して0.5質量%〜5質量%の範囲で使用することが好ましい。

    前記ウレタン樹脂組成物は、比較的柔軟な皮膜を形成できることから、例えば各種基材の表面被覆に使用するコーティング剤等に好適に使用することができる。

    前記基材としては、例えば織布や不織布等の繊維基材、皮革様シートや、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛合金鋼板等のめっき鋼板、アルミ板、アルミ合金板、電磁鋼板、銅板、ステンレス鋼板等の金属基材、ポリカーボネート基材、ポリエステル基材、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン基材、ポリアクリル基材、ポリスチレン基材、ポリウレタン基材、エポキシ樹脂基材、ポリ塩化ビニル系基材及びポリアミド系基材等のプラスチック基材、ガラス基材等を使用することができる。 なかでも、前記基材として、靴や鞄等に加工され使用される合成皮革や人工皮革等の皮革様シートを使用することが、該皮革様シートの表面に、接着剤を用いて他の部材を貼付したり、パテ等を塗布したりすることによって、意匠性に優れた皮革様シートを効率よく生産できるため好ましい。

    本発明のウレタン樹脂組成物は、例えばそれを前記基材表面に直接、塗布し、次いで乾燥、硬化させることによって、皮膜を形成することができる。 また、本発明のウレタン樹脂組成物を離型紙表面に塗布し、乾燥、硬化させ、次いで該塗布面に前記基材を積層することによっても皮膜を形成することは可能である。 なお、前記架橋剤を使用する場合には、前記ウレタン樹脂組成物を基材表面に塗布する直前に、前記ウレタン樹脂(A)等と前記架橋剤とを混合することが、良好な塗工作業性を維持するうえで好ましい。

    前記ウレタン樹脂組成物を前記基材上に塗布する方法としては、例えばスプレー法、カーテンコーター法、フローコーター法、ロールコーター法、刷毛塗り法、浸漬法等が挙げられる。

    前記乾燥し硬化を進行させる方法としては、常温下で1日〜10日程度養生する方法であってもよいが、硬化を迅速に進行させる観点から、50℃〜250℃の温度で、1秒〜600秒程度加熱する方法が好ましい。 また、比較的高温で変形や変色をしやすいプラスチック基材を用いる場合には、30℃〜100℃程度の比較的低温下で養生を行うことが好ましい。

    本発明のウレタン樹脂組成物を用いて形成する皮膜の膜厚は、基材の使用される用途等に応じて適宜調整可能であるが、通常0.5μm〜100μm程度であることが好ましい。

    また、本発明のウレタン樹脂組成物は、繊維基材に含浸させることによって得た含浸基材からなる皮革様シートの製造に使用することができる。

    また、本発明のウレタン樹脂組成物は、前記皮革様シート等の繊維積層体を構成する含浸基材の製造に好適に使用することができる。 皮革様シートとしては、いわゆるスエード調の皮革様シートとして、繊維基材に樹脂を含浸して得た含浸基材を使用することができる。 また、皮革様シートしては、前記含浸基材の表面に、必要に応じて多孔層等の中間層が積層され、該中間層上に表皮層が積層されたものであり、前記含浸基材としては、繊維基材に、樹脂を含浸し、感熱凝固させたものを使用することができる。 本発明のウレタン樹脂組成物は、前記繊維基材に含浸する樹脂として好適に使用することができる。

    前記繊維基材としては、不織布や織布、編み物等を使用することができる。 前記繊維基材を構成するものとしては、例えばポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維、アセテート繊維、レーヨン繊維、ポリ乳酸繊維や、綿、麻、絹、羊毛や、それらの混紡繊維等を使用することができる。

    前記繊維基材の前記ウレタン樹脂を含浸する方法としては、例えば前記繊維基材を前記ウレタン樹脂を貯留した槽に直接浸漬し、マングル等で余分なウレタン樹脂を絞る方法が挙げられる。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物を含浸した繊維基材を、前記ウレタン樹脂の感熱凝固温度以上(概ね50℃〜80℃)に加熱することにより、前記ウレタン樹脂を凝固させるとともに、前記ウレタン樹脂組成物中に含まれる水性媒体(B)を蒸発させる。 これにより、ウレタン樹脂(A)が繊維基材に含浸した基材を製造することができる。 そして前記含浸基材は、優れた耐屈曲性等を備えた皮革様シートの製造に好適に使用することができる。

    前記方法で得られた皮革様シートは、例えば靴、鞄、衣料、椅子やソファ等の家具の部材、車両シートやハンドル等の自動車用内装材、透湿防水素材、合成皮革や人工皮革等の皮革様シート、研磨材、フェルトペンの芯材等に使用することができる。

    〔実施例1〕ウレタン樹脂組成物(X−1)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕50gと、ユニルーブ75MB−900〔日油株式会社製、数平均分子量約3,400のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕50gと、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、「水添MDI」と略記する。)183gとを、それらの反応生成物の質量に対するイソシアネート基の質量割合(NCO%)が0.57質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(X'−1)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    次いで、前記ウレタンプレポリマー(X'−1)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化することによって、前記ウレタンプレポリマー(X'−1)が水に分散した乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン13.5gを含む鎖伸長剤水溶液135gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分40質量%のウレタン樹脂組成物(X−1)を得た。

    〔実施例2〕ウレタン樹脂組成物(X−2)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕50gと、ユニルーブ50MB−72〔日油株式会社製、数平均分子量約3,400のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=50/50)50gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.57質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(X'−2)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    次いで、前記ウレタンプレポリマー(X'−2)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化することによって、前記ウレタンプレポリマー(X'−2)が水に分散した乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン13.5gを含む鎖伸長剤水溶液135gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分40質量%のウレタン樹脂組成物(X−2)を得た。

    〔実施例3〕ウレタン樹脂組成物(X−3)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ポリセリンDC−3000E〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシテトラエチレン構造=50/50)50gと、ユニルーブ75MB−900〔日油株式会社製、数平均分子量約3,400のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕50gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.57質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(X'−3)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    次いで、前記ウレタンプレポリマー(X'−3)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化することによって、前記ウレタンプレポリマー(X'−3)が水に分散した乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン13.5gを含む鎖伸長剤水溶液135gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分40質量%のウレタン樹脂組成物(X−3)を得た。

    〔実施例4〕ウレタン樹脂組成物(X−4)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕93gと、ユニルーブ75MB−900〔日油株式会社製、数平均分子量約3,400のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕7gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.55質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(X'−4)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    次いで、前記ウレタンプレポリマー(X'−4)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化することによって、前記ウレタンプレポリマー(X'−4)が水に分散した乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン12.9gを含む鎖伸長剤水溶液129gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分20質量%のウレタン樹脂組成物(X−4)を得た。

    〔比較例1〕ウレタン樹脂組成物(Y−1)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕100gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.54質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(Y'−1)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    前記ウレタンプレポリマー(Y'−1)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化したが、その乳化液はゲル状となり、ウレタンプレポリマーが水中に安定分散したウレタン樹脂組成物(Y−1)を得ることができなかった。

    〔比較例2〕ウレタン樹脂組成物(Y−2)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕97gと、ユニルーブ75MB−900〔日油株式会社製、数平均分子量約3,400のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕3gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.54質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(Y'−2)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    前記ウレタンプレポリマー(Y'−1)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化したが、その乳化液はゲル状となり、ウレタンプレポリマーが水中に安定分散したウレタン樹脂組成物(Y−2)を得ることができなかった。

    〔比較例3〕ウレタン樹脂組成物(Y−3)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕15gと、ユニルーブ75MB−900〔日油株式会社製、数平均分子量約3,400のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕85gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.59質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(Y'−3)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    前記ウレタンプレポリマー(Y'−3)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化することによって乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン14gを含む鎖伸長剤水溶液140gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分40質量%のウレタン樹脂組成物(Y−3)を得た。

    〔比較例4〕ウレタン樹脂組成物(Y−4)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕10gと、ユニルーブ75MB−900〔日油株式会社製、数平均分子量約3,400のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールモノブチルエーテル、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕90gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.6質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(Y'−4)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    前記ウレタンプレポリマー(Y'−4)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化することによって乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン14.1gを含む鎖伸長剤水溶液141gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分40質量%のウレタン樹脂組成物(Y−4)を得た。

    〔比較例5〕ウレタン樹脂組成物(Y−5)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ユニルーブ75DE−60〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン構造/ポリオキシプロピレン構造(質量割合)=75/25)〕50gと、ユニオックスM−3000〔日油株式会社製、数平均分子量約3,000のポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテル、オキシエチレン構造/オキシプロピレン構造(質量割合)=100/0)〕50gと、水添MDI 183gとを、NCO%が0.57質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(Y'−5)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    前記ウレタンプレポリマー(Y'−5)のメチルエチルケトン溶液2566gと水2566gと混合し、転相乳化することによって乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン13.5gを含む鎖伸長剤水溶液135gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分40質量%のウレタン樹脂組成物(Y−5)を得た。

    〔比較例6〕ウレタン樹脂組成物(Y−6)の調製 メチルエチルケトン1,283g及びオクチル酸第一錫0.1gの存在下、PTMG2000(三菱化学株式会社製、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール)1,000gと、ジメチロールプロピオン酸(以下、「DMPA」と略記する。)50gと、水添MDI 305gとを、NCO%が0.9質量%に達するまで70℃で反応させることによって、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(Y'−6)のメチルエチルケトン溶液を得た。

    前記ウレタンプレポリマー(Y'−6)のメチルエチルケトン溶液2,710gとトリエチルアミン38gとを混合し、反応させた後、水2672gと混合し転相入荷することによって乳化液を得た。

    得られた乳化液と、ピペラジン22.6gを含む鎖伸長剤水溶液226gとを混合し鎖伸長反応することによってウレタン樹脂組成物を得た。

    次いで、前記ウレタン樹脂組成物からメチルエチルケトンを留去することによって、不揮発分35質量%のウレタン樹脂組成物(Y−6)を得た。

    〔含浸基材の作製方法〕
    実施例及び比較例で得たウレタン樹脂組成物100gと水100gとをメカニカルミキサーを用い2,000rpmの条件で2分間撹拌することによって、それぞれ、含浸用のウレタン樹脂組成物を調製した。

    ポリエステル繊維からなる目付300g/m (厚さ1.5mm)不織布を、前記で得た含浸用のウレタン樹脂組成物が入った槽に浸漬し、次いで、ゴムローラーのマングルを用いてそれを絞ることによって、前記不織布の質量と同質量のウレタン樹脂組成物が浸漬した浸漬物を得た。 次いで、それを前記ギアー式熱風乾燥機を用い100℃で10分乾燥することによって、ウレタン樹脂が不織布に含浸した含浸基材からなる皮革様シートを作製した。

    〔染色工程におけるウレタン樹脂の皮革様シートからの脱落の有無〕
    染色工程におけるウレタン樹脂の皮革様シートからの脱落の有無を評価するにあたり、その代用試験として、染料を含まない水を染色液として用い評価を行った。 前記ウレタン樹脂の脱落は、水及びその温度の影響によるものであるから、前記評価方法により、染色工程におけるウレタン樹脂の脱落の評価方法に代用することが可能である。

    前記試験方法としては、はじめに前記含浸基材からなる皮革様シートの質量を測定した。 次いで、前記皮革様シートを、25℃の水に浸漬し60rpmの条件で撹拌しつつ、1℃/minの条件で130℃となるまで加熱した。 130℃の状態を30分維持した後、1℃/minの条件で25℃となるまで冷却した。

    前記冷却後の含浸基材の表面を水で洗い、ギアー式熱風乾燥機を用いて120℃で5分間乾燥した。 次いで、前記乾燥後の皮革様シートの質量を測定した。

    前記測定値と以下の式に基づいて、皮革様シートからのウレタン樹脂の脱落率を算出した。 式;100×〔乾燥後の皮革様シートの質量/初期の皮革様シートの質量〕
    前記脱落率が0質量%以上2.5質量%未満であったものを「A」と評価し、2.5質量%以上5.0質量%未満であったものを「B」と評価し、5.0質量%以上7.5質量%未満であったものを「C」と評価し、7.5%以上であったものを「D」と評価した。 また、ウレタン樹脂を水性媒体中に分散することができずゲル化したため、前記皮革様シートを製造できなかったものを、表1及び2中「−」と評価した。

    〔水分散安定性の評価方法〕
    実施例及び比較例に記載の方法で、各ウレタン樹脂が水性媒体に分散したウレタン樹脂組成物を製造できたものを「A」、ウレタン樹脂が水性媒体に分散せず、沈降またはゲル化したものを「D」と評価した。

    〔感熱凝固性(感熱凝固温度の測定方法)〕
    前記方法で得たウレタン樹脂組成物の不揮発分が20質量%となるように調整したものを、粘度・粘弾性測定装置(HAAKE社製、Reo Stress)を用い1℃/minの条件で加熱しつつ、その粘度を測定した。 その粘度が100mPa・sを超えたときの温度を凝固温度とした。 また、90℃以上に加熱した場合であっても前記粘度が100mPa・sを超えなかったものを「凝固せず」と評価した。

    〔皮革様シートの柔軟性(風合い)の評価方法〕
    前記方法で得た繊維積層体の柔軟性(風合い)を、触感により下記評価基準にしたがって評価した。

    A:柔軟性に富む B:やや柔軟性がある C:柔軟性が劣る D:硬い

    本発明のウレタン樹脂組成物である実施例1〜4は、乳化剤を使用しないでも優れた水分散安定性を有し、感熱凝固性に優れ、繊維基材からの脱落が非常に少ないものであることが分かった。

    一方、比較例1は、ウレタン樹脂(A)としてアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)を使用しないものを用いた態様であるが、水分散安定性が不良でゲル化した。

    比較例2は、ウレタン樹脂(A)として、アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)を本発明で規定する範囲を下回る質量割合で使用した態様であるが、水分散安定性が不良でゲル化した。

    比較例3及び4は、ウレタン樹脂(A)として、アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)を本発明で規定する範囲を超える質量割合で使用した態様であるが、繊維基材からの脱落が多いことが分かった。

    比較例5は、ウレタン樹脂(A)として、アルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)の代わりにポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテルを使用した態様であるが、感熱凝固性が不良であり、得られた皮革様シートの柔軟性も不良であった。

    比較例6は、ウレタン樹脂(A)として、ポリオール(a1)及びアルコキシポリオキシアルキレンモノアルコール(a2)の代わりにジメチロールプロピオン酸を使用した態様であるが、感熱凝固性が不良であり、得られた皮革様シートの柔軟性も不良であった。

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