グラファイト複合材料及び熱管理システム

申请号 JP2017600144 申请日 2016-06-10 公开(公告)号 JP3216710U 公开(公告)日 2018-06-21
申请人 グラフテック インターナショナル ホールディングス インコーポレイティド; 发明人 ディアナ ジェイ.バーウェル; ヘレン ケー.マイヤー; マーティン ディー.スマルク; ローレンス ケー.ジョーンズ; ジェラルド エフ.ホファート; マーク エー.サリバン; アンドリュー ディー.ワイルド; クレイグ エー.バットリック;
摘要 【課題】ヒートスプレッダ、冷却要素として、又は多種多様な品物の発熱システムの一部として用いられる複合物品を提供する。 【解決手段】発熱ジャケット61には、ジャケット61を発熱させるのに用いられる発熱アセンブリ63を形成する、複数の複合物品62が含まれている。複合物品62にはそれぞれ、発熱体64が含まれている。発熱体64及びグラファイトシート66を含む複合物品62は、ジャケット61を形成する布地68の層間に配置されている。布地68の一方又は両方の層には、ジャケット61の保温性を向上させるのに適した断熱材、例えばポリエステル断熱材が含まれ得る。電源69、例えば電池は、発熱体64に電気的に接続された後、発熱体64は熱を発生させてジャケット61を加温する。 【選択図】図7a
权利要求

剥離グラファイト及び黒鉛化ポリマーの圧縮粒子のうちの1つからなり、かつ第1の面及び第2の面を有するシートと、 前記シートの前記第1の面と位置合わせされた保護被膜と、 前記シートの前記第1の面及び前記シートの前記第2の面のうちの少なくとも1つと位置合わせされる、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子、繊維マット及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む補強層とを備える複合物品。前記シートの少なくとも大部分において縫い目をさらに備える、請求項1に記載の複合物品。前記シートが、複数の切欠きをさらに備える、請求項1に記載の複合物品。前記切欠きの形状が、円形、矩形、菱形、斜方形、長円体、涙滴状、長円形、六形、八角形、山形、穿孔及びこれらの組合せを含む、請求項3に記載の複合物品。複数のスリット及び複数の規定の穿孔のうちの1つをさらに備える、請求項1に記載の複合物品。前記シートと熱的に連通している発熱体をさらに備える、請求項1に記載の複合物品。請求項6に記載の複合物品を含む物品において、前記物品が、ユーザインターフェイス面をさらに備え、前記発熱体が、前記ユーザインターフェイス面に隣接するように配置され、前記シートが、前記ユーザインターフェイス面とは反対側に、前記発熱体に隣接するように配置される、請求項6に記載の複合物品を含む物品。剥離グラファイト、黒鉛化ポリマー及びこれらの組合せの圧縮粒子のうちの1つからなる複数のストリップを備え、該ストリップがともに織り込まれ、前記ストリップの少なくとも半分が、第1の面と第2の面を有し、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子及び繊維マットのうちの少なくとも1つが、前記第1の面及び前記第2の面のうちの少なくとも1つと位置合わせされる複合物品。それぞれのストリップの前記第2の面と位置合わせされた保護被膜を有する、請求項8に記載の複合物品。目の粗い織物を有する、請求項8に記載の複合物品。前記目の粗い織物には、開口であって、円形、矩形、菱形、斜方形、長円体、涙滴状、長円形、長円体、三角形、六角形、八角形及び山形のうちの少なくとも1つの形状を有する前記開口が含まれる、請求項10に記載の複合物品。前記ストリップの少なくとも大部分には縫い目が含まれる、請求項8に記載の複合物品。ジャケット裏地、乗り物用座席、乗り物用座席カバー、屋外用家具座席、屋内用家具座席、家具座席カバー、マットレス、医療用パッド、1対のズボン、下着、手袋、ヘルメット、ベスト、毛布、スカーフ、帽子、フード、毛布、治療用パッド、動物用付属品又はシャツのうちの1つに組み込まれる、請求項8に記載の複合物品。複数のスリット及び複数の規定の穿孔のうちの1つをさらに備える、請求項8に記載の複合物品。生地と、 前記生地に連結された複合物品であって、 シート及び複数のストリップのうちの少なくとも1つを含むグラファイト、並びに、 前記グラファイトの少なくとも1つの面と位置合わせされる、繊維強化ポリマー、合成高分子、繊維織布、繊維マット及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む繊維補強層を含む前記複合物品と、 前記複合物品と熱的に連通している発熱体とを備える物品。前記グラファイトが、剥離グラファイト及び黒鉛化ポリマーの圧縮粒子のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項15に記載の物品。布地外側層と、 内側層と、 前記布地外側層と前記内側層との間に配置された発熱体と、 前記発熱体と前記布地外側層との間に配置された複合物品とを備え、 前記複合物品には、 圧縮剥離グラファイト及び黒鉛化ポリマーのうちの少なくとも1つからなる少なくとも1枚のシートを含むグラファイトと、 前記グラファイトの少なくとも1つの面と位置合わせされる、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子、繊維マット及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む繊維補強層とが含まれる、衣服。剥離グラファイト又は黒鉛化ポリマーの圧縮粒子からなる少なくとも1つの層を備えたヒートスプレッダであって、前記ヒートスプレッダの第2の面に対する人間の接触の拡張に適した接着剤を有する前記ヒートスプレッダと、 ヒートスプレッダの第1の面に着脱可能に取り付けられた発熱体と、を備える物品。

剥離グラファイト及び黒鉛化ポリマーの圧縮粒子のうちの1つからなり、かつ第1の面及び第2の面を有するシートと、 前記シートの前記第1の面と位置合わせされた保護被膜と、 前記シートの前記第1の面及び前記シートの前記第2の面のうちの少なくとも1つと位置合わせされる、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子、繊維マット及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む補強層とを備える複合物品。前記シートが、複数の切欠きをさらに備える、請求項1に記載の複合物品。前記切欠きの形状が、円形、矩形、菱形、斜方形、長円体、涙滴状、長円形、六角形、八角形、山形、穿孔及びこれらの組合せを含む、請求項2に記載の複合物品。前記シートと熱的に連通している発熱体をさらに備える、請求項1に記載の複合物品。剥離グラファイト、黒鉛化ポリマー及びこれらの組合せの圧縮粒子のうちの1つからなる複数のストリップを備え、該ストリップがともに織り込まれ、前記ストリップの少なくとも半分が、第1の面と第2の面を有し、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子及び繊維マットのうちの少なくとも1つが、前記第1の面及び前記第2の面のうちの少なくとも1つと位置合わせされる複合物品。目の粗い織物を有する、請求項5に記載の複合物品。前記目の粗い織物には、開口であって、円形、矩形、菱形、斜方形、長円体、涙滴状、長円形、長円体、三角形、六角形、八角形及び山形のうちの少なくとも1つの形状を有する前記開口が含まれる、請求項6に記載の複合物品。ジャケット裏地、乗り物用座席、乗り物用座席カバー、屋外用家具座席、屋内用家具座席、家具座席カバー、マットレス、医療用パッド、1対のズボン、下着、手袋、ヘルメット、ベスト、毛布、スカーフ、帽子、フード、毛布、治療用パッド、動物用付属品又はシャツのうちの1つに組み込まれる、請求項5に記載の複合物品。生地と、 前記生地に連結された複合物品であって、 シート及び複数のストリップのうちの少なくとも1つを含むグラファイト、並びに、 前記グラファイトの少なくとも1つの面と位置合わせされる、繊維強化ポリマー、合成高分子、繊維織布、繊維マット及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む繊維補強層を含む前記複合物品と、 前記複合物品と熱的に連通している発熱体とを備える物品。布地外側層と、 内側層と、 前記布地外側層と前記内側層との間に配置された発熱体と、 前記発熱体と前記布地外側層との間に配置された複合物品とを備え、 前記複合物品には、 圧縮剥離グラファイト及び黒鉛化ポリマーのうちの少なくとも1つからなる少なくとも1枚のシートを含むグラファイトと、 前記グラファイトの少なくとも1つの面と位置合わせされる、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子、繊維マット及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む繊維補強層とが含まれる、衣服。剥離グラファイト又は黒鉛化ポリマーの圧縮粒子からなる少なくとも1つの層を備えたヒートスプレッダであって、前記ヒートスプレッダの第2の面に対する人間の接触の拡張に適した接着剤を有する前記ヒートスプレッダと、 ヒートスプレッダの第1の面に着脱可能に取り付けられた発熱体と、を備える物品。

说明书全文

本開示は、複合材料、具体的には可撓性グラファイトの製造におけるグラファイトの使用に関する。複合材料には、熱管理システム、具体例としては、可撓性で伸縮性であり、及び/又は使用時に受ける動きに順応する可撓性グラファイト複合材料を含む熱管理構造物(thermal management arrangement)への用途がある。このシステムを組み込むことが可能な製造品の限定的ではない例としては、衣服などの衣料品、カーシートなどの座席、又は個人の温度調節(climate control)用途がユーザに望ましいか若しくは有益である他の用途が挙げられる。

DeWalt社、Ravean社、Milwaukee社、EXO2社及び他社が、抵抗発熱ジャケット(Resistively heated jackets)を提供している。DeWalt社によれば、同社のジャケット類は、それぞれのジャケットに含まれる20Vマックス又は12Vマックスリチウムイオン電池によって給電することができ、さらに、ジャケットには、3つの温度設定と予熱モード、及び3つ又は4つの発熱域を備えたLED制御装置が含まれ得る(モデルによって異なる。)。その外側部分は、耐風性及び耐性を有した耐久性の布地によって作製されていると報告されている(モデルによって異なる。)。全てのジャケットには、USB電源であって、電池による発熱量をジャケットに伝達するだけでなく、最大2つのUSB対応電子機器を同時に充電することもできるUSB電源が含まれている。DeWalt社及びMilwaukee社に関して、両社のジャケットは、それぞれのジャケットの別個の場所に熱を発生させるワイヤ抵抗発熱システムである。

EXO2社は、手袋からジャケットまで発熱可能な衣料品類を提供している。この衣料品は、Fabroc(商標)発熱技術を用いて抵抗発熱する。図1に示されているように、Fabroc技術は、ゴム中間層4であって、炭素粒子充填マトリックスが衣服を形成する布地6の層間に配置されたゴム中間層から形成される発熱体2を用いることによって、ジャケット1(袖なしで示されている。)を抵抗発熱するのに用いられている。電源8、例えば電池は、発熱体2に電気的に接続された後、発熱体は熱を発生させて、ジャケット1を加温する。

本明細書に開示されている一実施形態には、複合物品が含まれる。この物品には、剥離グラファイト又は黒鉛化ポリマーの圧縮粒子からなる、少なくとも1枚のシートが含まれる。保護被膜は、シートの第1の面と位置合わせされ得る。また、物品には、シートの第1の面又はシートの第2の面のうちの少なくとも1つと位置合わせされる、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子若しくは繊維マット又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つのような補強材も含まれ得る。

第2の複合物品には、剥離グラファイト又は黒鉛化ポリマーの圧縮粒子からなるシートが含まれる。このシートは、繊維強化ポリマー、合成高分子、繊維織布、繊維マット又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つによって補強することができる。補強材は、シートの第1の主面又は第2の主面のいずれかと位置合わせされる。

本明細書に開示されている第3の実施形態には、ともに織り込まれた、剥離グラファイト、黒鉛化ポリマー又はこれらの組合せの圧縮粒子からなる複数のストリップのうちの少なくとも1つを有する複合物品が含まれる。それぞれのストリップは、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子又は繊維マットのうちの1つによって補強することができる。補強材は、ストリップの第1の面又は第2の面と位置合わせされ得る。場合により、それぞれのストリップの第2の面と保護被膜を位置合わせしてもよい。

前述の全体的な説明と次の詳細な説明は、ともに、本開示の実施形態を提供し、実用新案登録請求の範囲に記載されている本考案の本質及び特徴を理解する概要又は構成を提供するものとすることが理解される。

発熱可能なジャケットにおけるライナーのモックアップの個々のパネルに連結された複合物品を示す図である。

図1aの1bに沿った断面図である。

発熱可能なジャケットにおけるライナーのモックアップの個々のパネルに連結された複合物品を示す図である。

複合物品の例の前面の画像を示す。

複合物品の例の後面の画像を示す。

ジャケットに組み込まれた複合物品の図である。

本明細書に説明されている複合物品の実施形態を含まない制御発熱ジャケットの熱画像である。

本明細書に説明されている複合物品の実施形態を含む発熱ジャケットの熱画像である。

複合物品発熱アセンブリを有する発熱ジャケットの背面図を示す。

図7aの7bに沿った発熱ジャケットの断面図である。

本明細書に説明されている複合物品を有する発熱アセンブリの上面図である。

図8aの8bに沿った発熱アセンブリの断面図である。

図8aの発熱アセンブリの断面図である。

本明細書に説明されている複合物品を有する発熱アセンブリの上面図である。

図9aの9bに沿った発熱アセンブリの断面図である。

図9aの発熱アセンブリの断面図である。

本明細書に説明されている複合物品を有する発熱アセンブリの上面図である。

図10aの10bに沿った発熱アセンブリの断面図である。

図10aの発熱アセンブリの断面図である。

本明細書に説明されている複合物品を有する発熱アセンブリの上面図である。

本明細書に説明されている複合物品から形成された発熱アセンブリを有する発熱ジャケットパターンの上面図である。

遠隔充電アセンブリを有する発熱ジャケットの正面図である。

遠隔充電アセンブリを有する発熱ジャケットの側面図である。

遠隔充電アセンブリを有する発熱ジャケットの背面図である。

ハンガーの形態の遠隔充電ステーションの正面図である。

ハンガーの形態の遠隔充電ステーションの背面図である。

遠隔充電ステーションに給電する電動コートラックの図である。

電動コートラック、及びハンガーの形態の遠隔充電ステーションの図である。

遠隔充電ステーションに給電する電動コートラックの図である。

電動コートラック、及びハンガーの形態の遠隔充電ステーションの図である。

本明細書に開示されている一実施形態は、複合物品である。この物品には、剥離グラファイトの圧縮粒子からなるシート、又は黒鉛化ポリマーからなるシートのうちの少なくとも1つが含まれ得る。また、物品には、繊維強化ポリマー、合成布地、繊維織布、繊維マット又はこれらの組合せのうちの少なくとも1つを含む補強材も含まれ得る。ナイロンは、補強材の具体的であるが限定的でない例である。補強材は、シートの第1の面又はシートの第2の面の一方と位置合わせされ得る。シートの第1の面又は第2の面はシートの主面であり、シートの端面ではない。場合により、補強材を第1の面又は第2の面に接着してもよい。更なる選択要素は、物品に保護被膜が含まれ得る、ということである。保護被膜は、シートの第1の面又は第2の面の一方と位置合わせされ得る。保護被膜が補強材と同じシート面と位置合わせされる場合、一実施形態では、補強材はシートに隣接しており、また、保護被膜は補強材に隣接している。必要に応じて、補強材及び/又は保護被膜は、少なくとも、シートの主面及びシートの1つ以上の端面のほぼ全てを覆ってもよい。保護被膜の例としては、プラスチック、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド又は他の適切なプラスチックが挙げられるが、これらに限定されない。保護被膜は、グラファイトシートを別の構成部品から電気絶縁する、という利点を提供することができる。必要に応じて、保護被膜には、穿孔のみが含まれていてもよい。

代替実施形態において、保護被膜(別称層)は、補強材とは反対側のシート面にあり得る。例えば、補強材がシートの第1の面と位置合わせされる場合、保護被膜は、シートの第2の面と位置合わせされてもよい。場合により、保護被膜を第2の面に接着してもよい。特定の更なる実施形態には、補強材に隣接してシートとは反対側に配置された第2の保護被膜が含まれる。

保護被膜が物品の両外面にどのように存在し得るかと同様に、補強層も同様にグラファイトシートの両面にあってもよい。本実施形態において、保護被膜は、グラファイト面の一方又は両方に配置することができる。

別の例において、複合物品には、熱界面材料(TIM)であって、発熱体と隣接するように位置合わせされて配置され、そして補強材又はグラファイトシートと隣接するように位置合わせされて配置されたTIMも含まれ得る。一例において、TIMは、可撓性グラファイト材料、例えば、剥離グラファイトの圧縮粒子からなるシート、又は黒鉛化ポリマーからなるシートであってもよい。一例において、TIMは、GrafTech International Holdings社によって販売されているeGRAF(登録商標)HITHERM(商標)熱界面材料であってもよく、これは、低い接触抵抗及び高い熱伝導率を必要とする用途に用いられるように設計されている。TIMを形成する可撓性グラファイトは、TIMの一方の主面又は両方の主面に配置されたプラスチック及び接着剤とともに、ダイカット及び/又は積層することができる。限定的でない一例において、接着剤‐プラスチック‐接着剤(APA)材料の層は、TIM材料と隣接するように位置合わせされて配置されてもよい。APA材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のようなプラスチック、例えば、DuPont社のMylar(登録商標)ポリエチレンテレフタレート、DuPont社のKapton(登録商標)ポリイミド、ポリエステル樹脂、又はTIMと発熱体との間に電気絶縁を提供するのに用いることができる、他の適切なプラスチックを挙げることができ、APA材料の両主面には接着剤を有する。APA材料は、上述したグラファイトシートと隣接するように位置合わせされて配置され得る。特定の実施形態において、場合により、TIM材料が所望される場合であっても、APA材料の表面積は、発熱体の外周によって画定される表面積よりも大きく、発熱体の表面積よりも少なくとも5%大きく、更に好ましくは少なくとも10%大きい。特に断りのない限り、APA材料は、発熱体が短絡するのに十分な導電性材料と接触するような可能性である、発熱体がAPA材料の周りに又はAPA材料を越えて延びる可能性を最小にするような大きさであり得る。一例において、APA材料は用いられず、TIM材料は、上述した発熱体及びグラファイトシートと隣接するように位置合わせされて配置される。

更なる実施形態において、物品には、第2のグラファイトシートが含まれ得る。第2のグラファイトシートは、剥離グラファイトの圧縮粒子からなるシート又は黒鉛化ポリマーからなるシートのいずれかであってもよい。本実施形態において、補強材は、シートと第2のグラファイトシートとの間に配置されることが好ましい。また、実施形態には、シートの外面、第2のグラファイトシート、又はこれらの両方に保護被膜も含まれ得る。

また、物品には、シートの少なくとも大部分において縫い目も含まれ得る。縫い目は、グラファイト、物品を構成する全てのシート/層、又はこれらの組合せにおいてのみ存在するものであってもよい。適切な縫い目の例としては、クロスハッチングステッチ(cross hatching stitch)、チェーンステッチ、ロックステッチ、ストレートステッチ、千鳥縫い、ストレッチステッチ、オーバーロックステッチ、カバーステッチ、ランニングステッチ、バックステッチ、サテンステッチ、アウトラインステッチ、ダブルステッチ、バックタックステッチ(back tack stitch)、仮縫い(basting stitch)、ブランケットステッチ、すくい縫い、ボタンホールステッチ、チェーンステッチ、クロスステッチ、キャッチステッチ、クロスステッチタック(cross-stitch tack)、ダーニングステッチ、エンブロイダリーステッチ(embroidery stitch)、ヘミングステッチ、かがり縫い、刺し縫い、ピックステッチ(pic stitch)、ランニングステッチ、セイルメーカーズステッチ(sailmakers stitch)、たてまつり、テントステッチ、こばステッチ、渡しまつり及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つが挙げられる。

別の選択肢は、糸の選択であり得る。必要に応じて、導電糸を用いてもよい。導電糸の例には、ステンレス鋼、炭素、銀又はアルミニウムが含まれる。

縫い目の有無にかかわらず、複合物品には、複数の切欠きが含まれ得る。切欠きは、所望の形状であってもよく例示的な形状としては、円形、三形、楕円形、矩形、菱形、長円形、六角形、八角形、山形、穿孔及びこれらの組合せが挙げられる。更なる選択肢は、切欠きが、一方の方向又は他の方向において先細になる、ということであり得る。複合物品の別の実施形態には、切欠きを参照して説明されているものを含むがこれに限定されない、種々の形状を有する複数のスリット又は他の規定の穿孔が含まれ得る。

複合物品の別の実施形態には、ともに織り込まれた(「織り込み複合物品(woven composite article)」)、剥離グラファイト、黒鉛化ポリマー又はこれらの組合せの圧縮粒子からなる複数のストリップが含まれ得る。それぞれのストリップは、補強材を有し得る。好ましい補強材には、繊維強化ポリマー、繊維織布、合成高分子又は繊維マットのうちの少なくとも1つが含まれる。補強材を有するストリップは、織り込み複合物品の1つのみの方向に配置することができ、例えば、補強ストリップは、複合物品の幅方向ではなく、長さ方向のみに配置されてもよく、その逆も可能である。補強材は、ストリップの第1の面又は第2の面の一方と位置合わせされ得る。まさに上述の複合材料と同様に、この複合材料には、それぞれのストリップの第1の面又は第2の面と位置合わせされた保護被膜も含まれ得る。シートと補強材、そして保護被膜とシート、さらに、補強材と保護被膜との間の関係に関する上述の説明は、織物に該当するものとして書き換えられるように、本明細書に完全に援用される。そして、織り込み複合物品及びシートをベースとした複合物品は、必要に応じて、組み合わせて用いてもよい。

加えて、上述した第2のグラファイトシート又は第2の織布シートに関する実施形態は、織り込み複合物品にも同様に適用可能である。

織物は、目の粗い織物、例えば開口を有する織物を含み得る。目の粗い織物の開口は、円形、矩形、菱形、長円形、三角形、六角形、八角形及び山形のうちの1つ以上の形状を有し得る。更なる選択肢は、開口が、一方の方向又は他の方向において先細になる、ということであり得る。

まさに上述の実施形態と同様に、織り込み複合物品には、縫い目が含まれ得る。縫い目は、クロスハッチングステッチ、チェーンステッチ(chain stich)、ロックステッチ、ストレートステッチ、千鳥縫い、ストレッチステッチ、オーバーロックステッチ、カバーステッチ、ランニングステッチ、バックステッチ、サテンステッチ、アウトラインステッチ、ダブルステッチ、バックタックステッチ、バックステッチ、仮縫い、ブランケットステッチ、すくい縫い、ボタンホールステッチ、チェーンステッチ、クロスステッチ、キャッチステッチ、クロスステッチタック、ダーニングステッチ、エンブロイダリーステッチ、ヘミングステッチ、かがり縫い、刺し縫い、ピックステッチ、ランニングステッチ、セイルメーカーズステッチ、たてまつり、テントステッチ、こばステッチ、渡しまつり及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つのパターンのいずれか1つを有し得る。

上述したことに加えて、シート又はストリップの表面は、テクスチャを有し得る。例えば、表面に、ぎざぎざを付けるか、波状模様を付けるか、折るか、又はルーシュで飾られてもよい。シート又はストリップの上述した実施形態の別の選択実施形態は、遠赤外線放射(「FIR」)発生材料をシート又はストリップに組み込むことができる、ということであり得る。FIR材料は、セラミック材料を含み得る。特定の実施形態において、FIR材料は、ミクロンサイズの粒子若しくは更に小さな粒子(例えば、ナノサイズの粒子)、又はこれらの組合せにサイズを調整することができる。FIR材料の例は、ホウ素ケイ酸塩(例えば、トルマリン又はセリサイト)である。場合により、FIR材料繊維にナイロンを被覆し、得られた物を繊維に延伸し、好ましくはシート又はストリップに組み込んでもよい。第3の選択肢は、コアに埋め込まれた光学活性粒子から製造された合成高分子二成分繊維である、商品名Celliant(商標)布である。Celliant布は、Hologenix, LLC社によって製造されている。Celliant布を含む布地は、体組織において酸素供給を増加させることが示され、また、軽度の疼痛及び痛みを軽減することが実証されている。FIR材料を添加剤としてシートに組み込む代わりに、FIR材料をシートとして複合物品に加え、これによって、複合材料の別の層を形成することができる。更なる選択肢には、FIR材料を複合材料の表面にスプレー塗装できること、又は、FIR材料を補強材、保護被膜若しくはこれらの両方に組み込み得ることが含まれる。

複合物品には、断熱層、反射層、制振層(例えば、ゴム層)、吸収層、クッション層、耐水層及びこれらの組合せという1つ以上の付加的な層が含まれ得る。または、少なくとも反射率及び制振の利益により、このような利益を、個別の層の代わりに、複合材料に添加剤を用いることによって向上させてもよい。特定の添加剤によって、反射率、制振又はこれらの両方が提供され得る。

本明細書に開示されている複合物品の更なる例は、グラファイトシートからなる1つ以上の層であってもよい。グラファイトシートは、剥離グラファイト、黒鉛化ポリマー又はこれらの組合せの圧縮粒子からなるシートであり得る。ポリマーシートは、グラファイト層に隣接し得る。シートに適したポリマーの例としては、ポリイミド、ポリエチレンテレフタレート(「PET」)、ポリエステル、シート形態の場合に熱を反射し得る他のポリマー、又はこれらの組合せを挙げることができる。ポリマーシートは、グラファイトシートの一方の主面又は両方の主面に配置することができる。本実施形態は、能動発熱又は受動発熱の適用を有し得る。

前述の複合物品は、グラファイト複合物品に対して特有の可撓性を呈し得る。複合物品は、第1の方向において、少なくとも5%、好ましくは少なくとも10%、更により好ましくは少なくとも15%の伸びの伸縮性を呈する。伸びは、規定の方向において物品に引張を加えることにより決定することができる。伸び率は、破断前の引張力を加える方向における物品の長さの変化を、力を加えた方向に静止している物品の寸法で割ることによって決定される。複合物品は、第2の方向において、第1の方向よりも伸びが小さい伸縮性を呈し得る。例として、物品は、第1の方向に少なくとも10%伸び、第2の方向に少なくとも4%伸びてもよい。

また、特定の一実施形態において、複合物品は、35度の最大曲げ半径を可能にする。複合物品が曲げることができる半径の例としては、3.0 mm(1/9インチ)以下の半径が挙げられる。特定の実施形態では、0.635 cm(1/4インチ)の心棒の周りに巻かれていてもよい。複合物品の別の実施形態では、1.27 cm(1/2インチ)の心棒の周りに巻かれていてもよい。複合物品の別の有利な特性は、その通気性であり得る。切欠き、スリット、及び/又は他の規定の穿孔は、通気性を向上させるような大きさであることが好ましく、必須ではないが、切欠き、スリット、及び/又は他の規定の穿孔は、通気性及び伸縮性を高めるような大きさであることが更により好ましい。本実施形態の変形例において、グラファイトシートと、補強材又は保護被膜のうちの少なくとも1つの両方には、穿孔が含まれ、場合により、保護被膜と補強材の両方に穿孔が含まれる。

本明細書に説明されている複合物品は、特定の全体的形状に限定されない。物品は、矩形、正方形、円形、楕円形、三角形、斜方形又は他の所望の形状を有し得る。通常、物品は、物品の長さ及び幅が形状の主な構成要素である点、そして、物品の厚さが物品の長さ又は幅のいずれよりもはるかに小さい点で、実質的に二次元である。

加えて、上述した複合物品のうちのいずれか1つは、発熱体と熱的に連通することができる。複合物品は、ヒートスプレッダとして機能し得る。特定の実施形態において、複合物品には、抵抗発熱体に接続する銅リードが含まれ得るか、又は、複合物品の1つ以上の縁を銅テープで覆って、発熱体に接続することができるが、特に抵抗発熱体に限定されない。または、複合物品を発熱体に接着してもよい。代替実施形態において、複合物品は、発熱体の一部又は発熱体の全体を備えていてもよい。これに加えて又はこれとは別に、本明細書に開示されている複合物品は、熱を発散させるだけでなく、冷却用途に用いることができる。

上述した複合物品の用途としては、ヒートスプレッダ、冷却体、又は次に示す物品のうちのいずれかの発熱システムの一部を挙げることができる。フードが付いているか又は付いていないジャケット(本明細書に用いられるジャケットには、コート、パーカー、若しくは低温から身を守るか、断熱するか若しくは安心感をもたらす胴に配置される外衣を説明するのに用いられ得る他の用語が含まれる。)(このようなジャケットは、オートバイ用のジャケットであってもなくてもよい。)(場合により、フードが存在する場合、フードは発熱してもしなくてもよい。)、衣料品ライナー(このようなライナーは、着脱可能若しくは不能であってもよい。)、シャツ、ベスト、ローブ、乗り物用座席、乗り物用座席カバー、屋内用又は屋外用座席、家具カバー、ベンチを含むスタジアム座席、携帯用座席、例えば寝袋を含むがこれに限定されないキャンプ用具、マットレス、医療用パッド、治療用パッド、発熱治療用パッド(最後の3つの例に用いられるパッドには、ラップが含まれる。)(グラファイトシートは、発熱体の外側(いずれかはユーザとは反対側である。)に、又は発熱体とユーザとの間に配置され、グラファイトシートには、必要に応じて、1つ以上のプラスチック層が含まれ得る(この説明は、医療用パッドにも該当する。)。)、1対のズボン、手袋、ヘルメット、ベスト、毛布、スカーフ、帽子、下着、他の人間が着用可能な物、及び動物用付属品(例えば、馬用毛布、犬用マット、他の動物が着用可能な物)、乗り物用室内装飾品、背もたれ、乗り物用フロアパネル、乗り物用ルーフパネル、取ハンドル、乗り物用ドア、計器盤、及び乗り物用ダッシュボード。着用可能物の場合、これらの一部分は、袖を備えた着用可能物のように着脱可能であり、この袖は着脱可能である。このような用途には、上述した複合物品の1つ以上が含まれ得る。必要に応じて、複合物品は、上述の用途とともに、組み合わせて用いてもよい。本明細書に説明されている物品は、継ぎ目、ジッパー、カラー、フード、袖口又は上述した物品の他の部分に組み込まれ得る。

乗り物に関して、本技術は、電気自動車又はハイブリッド車において非常に魅力的な用途を有する。従来の非化石燃料ベースの乗り物又はハイブリッドにおける本技術の利用は、電池又は燃料電池に依存する電力システムを支援するのに有用である。本技術を組み込んだ乗り物は、乗り物に乗る人の快適性、さらに、乗り物の所望の動きを発生させるための、その動力源の使用を更に少なくする。これによって、このような乗り物は、現在よりも更に燃費効率が向上し得る。本技術の用途としては、室内装飾品、床材、ルーフ、ダッシュボード、舵取ハンドル、計器盤、座席及びこれらの組合せを挙げることができる。発熱体を備え、本明細書に記載されている1つ以上の熱管理システムは、乗り物に乗る人に所望の加温又は冷却がなされるように、乗り物に乗る人に対向する面と熱的に連通して配置されることが好ましい。

本明細書に開示されている熱管理システムのうちのいずれか1つにおいて、断熱材を熱管理システムに含めることができる。断熱材は、発熱体とは反対側に、複合物品に隣接するように配置できることが好ましい。断熱材は、複合物品のグラファイトシートに隣接していることが好ましい。所望の種類の断熱材を用いることができる。適切な種類の断熱材の限定的でない例としては、ガラス織布、セラミック布、ガラス繊維マット、セラミックマット、ガラス発泡体、セラミック発泡体、ガラスウール、ポリマー発泡体、例えば、発泡スチロール、発泡ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、エアロゲル、エアロゲル充填ポリマー、ポリイミドエアロゲル断熱材、炭素繊維布、炭素発泡体及びこれらの組合せが挙げられる。

前述した複合物品のうちの1つが、布地と連結する用途に含まれる場合、次の選択肢が、布地又は複合物品のうちの少なくとも1つに適用され得る。(1)ドレープ加工(draping)、(2)光沢のある仕上がりの端部実施形態を提供するチンツ加工(chintzing)、(3)ポリウレタン又はビニール被覆、(4)ワックス、油、グリセリン、樹脂及びこれらの組合せによってサイジングをして、最終物品にボディー(body)(別称密度)を加えること、(5)最終物品にボディーを付与するように、金属塩を加えることができること、(6)シリコーン化合物のようなものであるがこれに限定されない軟化剤を加えて、ドレープ性を付与すること、(7)しわのない仕上げを提供する、トリアゾン樹脂、ウロン(尿素とアルデヒドとの反応から形成される。)、アルキレン尿素又はカルボン酸などであるが、これらに限定されない架橋剤、並びに(8)これらの組合せ。複合物品の場合、選択肢は、シート又はストリップのいずれかに追加され得ることが好ましい。

必要に応じて、複合物品は、カレンダー加工によって、高分子材料を含むがこれに限定されない布地及び/又は材料に積層されてもよい。

所望の複合物品は、例えば本明細書に説明されている縫い目を用いるような縫い付け、積層によるもの、接着によるもの、印刷によるもの、及び/又は複合物品に隣接して同じ場所に配置することを含むが、これらに限定されない、種々の方法により、布地及び/又は材料と連結することができる。

種々の用途を考慮して、複合物品は、連結され及び/又は組み込まれる物品の所望の割合を覆うことができる。例として、ジャケット又はシャツの場合、物品には、通常、3つのパネル、後面パネル、右側前面パネル及び左側前面パネルが含まれる。複合物品は、所望のパネルの面積の少なくとも25%に適用することができる。また、複合パネルは、発熱体又は冷却体と熱的に連通していてもよい。または、複合物品は、発熱体の一部であってもよい。必要に応じて、複合物品は、パネルの選択された部分の最大100%に適用してもよく、25%〜100%という割合は全て、本明細書に開示されていると考えられる。特定の一実施形態において、複合物品は、物品の1つ以上の所望のパネルの少なくとも50%と熱的に連通している。この場合、ジャケットはフードを有し、複合材料は、ジャケットのフードに組み込まれ得る。必要に応じて、ジャケットの袖にも同じことが当てはまる。特定の一実施形態では、ジャケットのようなものであるがこれに限定されない衣料品の裏地の最大100%が、複数の複合物品によって裏打ちされている。隣接する複合物品は、隣接する物品とともに縫い付けることによって、互いに熱的に連通することができる。第2の実施形態では、種々の隣接する複合物品がともに接着される。

マルチパネル物品の場合、同じ複合物品を1つ以上のパネルに適用することができるか、又は、別個の複合物品をそれぞれのパネル若しくはこれらの組合せに適用することができる。

発熱衣料品/衣服の実施形態に関して、適切な一実施形態には、衣料品の外側部分、断熱材、ヒートスプレッダ及び内側ライナーが含まれる。発熱体は、ヒートスプレッダと熱的に連通していてもよい。一実施形態において、発熱体は内側ライナーに面し、ヒートスプレッダは、外側部分に近接して配置される。

熱管理システムの選択構成要素には、次のうちのいずれかが含まれ得る。(1)物品には、ソーラーパネル部分であって、周囲環境からエネルギーを吸収し、そして、このようなエネルギーを複合物品に伝達するソーラーパネル部分が含まれ得る。(1a)または、ソーラーパネルは、熱管理システムの熱源として用いることが可能な電池を充電するのに用いてもよい。(2)動作充電要素、熱管理システムには、AMPY、iMove、nPower Personal Energy Generator又はGenneoによって提供されるような装置が含まれ得る。(3)熱管理システムには、ユーザが、熱管理システムによって示される温度を調整することが可能なサーモスタット又は他の制御器が含まれ得る。(4)熱管理システムには、bluetooth(登録商標)又は他の無線技術が含まれ得る。(5)熱管理システムには、熱電冷却装置、例えばペルチェ素子が含まれ得る。(6)熱管理システムは、自動調整が可能である。(6)近接充電性能。(7)高エネルギー出力及び可撓性をそれぞれ付与するセラミック材料と高分子材料とを組み合わせた圧電マット(供給源:株式会社リコー)。(8)Fitbit社のFitbit Trackerのような三次元加速度計、又は(tor)ユーザの活動レベルを追跡及び監視する他の装置。(9)水和レベル、血糖値、他の人間の医学指標、及びこれらの組合せのうちの少なくとも1つのようなものであるがこれらに限定されないものを測定する、1つ以上の検出構成要素。そして、(10)これらの組合せ。前述した選択構成要素は、熱管理システムから着脱可能である。無線技術は、ユーザの心臓モニタ又は他の装置と統合して、ユーザに利益をもたらすことができる。

別の選択要素には、複合物品を含む衣服の充電ステーションが含まれ得る。充電ステーションは、衣服が配置されるハンガー又はフックに組み込まれ得る。ハンガーの場合、ハンガーは、ハンガーの傾斜部分に充電接続を有し得るか、又は、ハンガーは近接充電器を有し得る。衣服には、ハンガーの充電技術を補完する(compliment)対応技術が含まれる。このような概念は、衣服をつり下げるためのフックにも、ハンガーについて論じた同様の原理を用い、わずかに変更して適用することができる。例えば、フックの場合、衣服は、衣服の肩部分の代わりに、ジャケット/衣服のカラーに充電接続を用いてもよい。

ヒートスプレッダの他の実施形態には、ポリウレタン又はポリクロロプレンシートなどであるがこれらに限定されないポリマーへのグラファイト粒子の組み込みも含まれる。グラファイト粒子の使用によって、1)複合材料に含める材料の量を少なくし、2)複合材料の熱発生特性を高めるか若しくは明らかに向上させ、3)複合製品の(特定の熱出力における)エネルギー必要量を削減し、及び/又は、4)製品の寿命に影響を及ぼす。特定の一実施形態において、グラファイト粒子は、高分子材料の厚さの最大約1/8であり得る。このような概念は、粒子に対するポリマーの厚さの比によって制限されない。前述したことは、一例にすぎない。

本明細書に開示されている実施形態に適用可能な電力システムの例示的な実施形態には、少なくとも5ワットから約200ワットまで放電することができる電力システムが含まれる。特定実施形態の例としては、5〜150ワット、5〜25ワット、10〜20ワット、25〜150ワット、40〜120ワット、及び40〜90ワットが挙げられる。

電力システムには、1つ以上のLiイオン電池、鉛蓄電池、Ni金属水素電池、携帯機器に用いられる他の種類の電源、及びこれらの組合せが含まれ得る。発熱体には、正の係数の熱抵抗(「PCTR」)発熱体、ワイヤマトリックス、個別の発熱ワイヤ、1つ以上のペルチェ素子、微細なワイヤのグリッド、プラスチックマトリックス材に印刷されたフレキシブル回路、プラスチックマトリックス材に印刷されたカーボンインク回路、ポリエステルマトリックスに印刷された銀トレース、印刷ヒーター、一連の個別の炭素パッチ、赤外線発熱体、Liイオン電池パック自体からの熱、Liイオン電池パックが放電する際に発生する熱、及びこれらの組合せが含まれ得る。発熱体の種々の実施形態は、保護被膜又はグラファイトヒートスプレッダのうちの1つに直接印刷することができる。

例えば、少なくともPCTR発熱体の場合、発熱体は、必要に応じて、保護被膜又はグラファイトシートのうちの1つに印刷されてもよい。代替実施形態において、PCTR発熱体は、別個のPET又はポリイミド層に印刷されてもよく、スプレッダと熱的に連通するように配置される。

熱管理システムに複合物品を含める利点には、複合材料を含まないシステムと比較して、少なくとも、温度均一性が改善されることが含まれる。発熱用途の場合には、示される平均温度は上昇し、その逆は冷却用途に当てはまる。局所的な発熱スポットの存在が除去される。温度均一性とともに、可撓性が維持され、そして通気性が維持される。前述したことに加えて、複合物品を少なくとも一部の範囲に含む発熱体が配置されている領域に隣接する領域も、温度の変化を受ける。発熱用途の場合、全体的な温度が3〜10%上昇した。これは、供給された電力が上方に調整されなかった間に発生した。通気性は、本明細書に開示されているそれぞれの実施形態の懸念点ではない可能性があることに留意すべきである。

図2において、全体として参照符号10で示されている複合物品には、布地14に縫い付けられた上述のグラファイトシート12が含まれており、これは、物品10が別の材料に縫い付けられ得ることを示している。パターン15は、三次元発熱衣服を製造するようにともに接合できる衣服の一部を構成するのに用いることができる。シート12には、図示されているように、複数の切欠き16が含まれている。図示されている切欠き16は、例として菱形である。

図3a及び3bに移って、複合物品20の別の実施形態による第1の側面及び第2の側面が示されている。図3aに示されているように、複合物品の主面22は、外側層24として補強層24を有している。示されているように、補強層24は繊維強化ポリマーである。図3bに示されている主面25は、縫い目26と複合物品20の外面として保護被膜28とを有する複合物品20の面を示している。複合物品20には、剥離グラファイトの圧縮粒子からなるシートより形成された内側層も含まれている。

図4は、発熱ジャケット30の抵抗発熱体34と熱的に連通するように組み込まれた、図2に示されている複合物品の画像である。図示されているように、複合物品31は、ジャケット30の後面パネル32の半分に隣接するように配置されている。抵抗発熱体34は、後面パネル32の下部36の幅のほぼ全てに及んでいる。

ジャケット30を作動させ、後面パネル32の各熱画像を撮影し、熱画像は、制御ジャケット40として複合物品31を含まないもの(図5に示す。)と、制御に関して本明細書に開示されている実施形態の影響を示す、ジャケット50として複合物品31を含むもの(図6に示す。)であった。図5に示されているように、制御ジャケット40を作動させ、熱画像を撮影した。図5に示されているように、制御ジャケット40は、抵抗発熱体34と位置合わせされた、種々の発熱スポット42、45を示した。さらに、示される温度差は、約19.8℃(約11°F)〜ほぼ36℃(ほぼ20°F)の範囲である。

図6に関して、複合物品のスプレッダをパネル32の右側に設置した。次に、ジャケット50を、通常の条件(可能な範囲でジャケットを図4において作動させたものと同じ条件)下で作動させた。パネル32の熱画像の左側は、依然として、発熱スポットを示した。パネル32の左側の3つの別個の部分51、52及び53における平均温度差は、約23.4℃(13°F)〜約34.2℃(19°F)の範囲である。ヒートスプレッダを含むパネル32の右側に関しては、パネル54、55及び56の温度差は19.8℃(11°F)〜25.2℃(14°F)に低下した。スプレッダ34と位置合わせされた部分パネル32の平均全温度は、2.7℃(1.5°F)上昇した。また、発熱体34の上にある部分54、及び発熱体34の下にある部分56の平均温度も、図4に示されている制御ジャケット40において同様に位置する部分44及び46、並びに、図5に示されているジャケット50の左側の発熱体34の上及び下にある部分51及び53と比較して、上昇した。

ここで図7a及び図7bを参照すると、電気により作動する温度調整衣服、例えば発熱衣服又は冷却衣服の別の例が、全体として符号61で示されている。一限定的でない例において、衣服は、発熱ジャケットであってもよい。発熱ジャケット61には、ジャケット61を発熱させるのに用いられる発熱アセンブリ63を形成する、複数の複合物品62が含まれている。複合物品62にはそれぞれ、発熱体64が含まれている。場合により、発熱体64は、上述した炭素粒子又は他の粒子が充填されたマトリックスであってもなくてもよいゴム中間層4から形成された発熱体2であってもよい。発熱体64には、複数の切欠き65が含まれ得る。切欠き65は、所望の形状であってもよく、例示的な形状としては、円形、斜方形(rhombus-shaped rectangular)、菱形、長円形、六角形、八角形、山形、穿孔、三角形、楕円形及びこれらの組合せが挙げられる。例として、切欠き65は円形であり、六角形の最密構造に配置され、偶数番目の列の切欠き65が、それぞれの段の第1の集合に配置され、そして、奇数番目の列の切欠き65が、第1の集合とは異なるそれぞれの段の第2の集合に配置される。別の例において、切欠きは円形であり、立方体の最密構造に配置される。複合物品62には、発熱体64と隣接するように位置合わせされて配置されたグラファイト66も含まれている。グラファイト66は、上述したように、剥離グラファイト又は黒鉛化ポリマーの圧縮粒子から形成されたシートであり得る。グラファイト66は、ヒートスプレッダとして機能し、発熱体64によって発生した熱を均一に発散し、これによって、上述したように発熱スポットが削減される。グラファイトヒートスプレッダの表面積は、発熱体の外周によって画定される表面積よりも大きいことが好ましい。グラファイトヒートスプレッダ66の表面積は、発熱体の表面積よりも少なくとも5%大きいことが好ましく、少なくとも10%大きいことが更に好ましい。代替実施形態において、グラファイトシート66のサイズは、発熱体と同じであり得る。このような実施形態において、発熱体のみと比較して、示された温度プロファイルの均一性がどのように向上しようとも、平均温度は同じままであるか、又は上昇すると考えられる。

グラファイトシート66には、上述したように、複数の切欠き67が含まれている。切欠き67は、発熱衣服61の使用を向上させるように、グラファイトシートに可撓性を付与することができる。また、切欠き67は、発熱衣服61の使用を向上させるように、グラファイトシートに通気性を付与することもできる。図示されている例において、切欠き67は、それぞれの長手方向軸線を有する長円体であるが、長手方向軸線を有する形状の切欠きを用いることができることが認識され、限定的でない例としては、菱形の切欠き、楕円形の切欠き、又は涙滴状の切欠きを挙げることができる。切欠き67は、使用時の衣服61における切欠きの向きに対して、長手方向軸線を垂直方向に向けるように配置することができる。長手方向軸線の垂直方向の向きは、グラファイト66の垂直方向剛性を改善して、衣服61の使用時に、グラファイト材料のたるみを減少させることができる。1つ以上の切欠き67は、使用時の衣服61における切欠きの向きに対して、長手方向軸線を水平方向に向けるように配置することもできる。必要に応じて、垂直方向と水平方向の組合せを用いてもよい。特定の実施形態において、切欠き67は細長く、切欠きの細長い軸線は、このような切欠きが面しているヒーターの縁に対して直交する。

発熱体64及びグラファイトシート66を含む複合物品62は、衣服61を形成する布地68の層間に配置されている。布地68の一方又は両方の層には、衣服61の保温性を向上させるのに適した断熱材、例えばポリエステル断熱材が含まれ得る。電源69、例えば電池は、発熱体64に電気的に接続された後、発熱体64は熱を発生させてジャケット61を加温する。

マイクロ制御部740は、スイッチ76であって、電源69を発熱体64及び/又は冷却装置に接続して衣服61の温度を調整するスイッチの動作を動作可能に制御する。スイッチ76には、マイクロ制御部74によって制御される発熱体106及び/又は冷却装置108への電源69の切り替え可能な接続を提供する、1つ以上のパワートランジスタ又は他の適切なスイッチング要素(図示しない。)が含まれ得る。一例において、マイクロ制御部74は、可変デューティサイクルにおいて作動するスイッチング信号を用いて、発熱体64及び/又は冷却装置を作動させる。スイッチング信号のデューティサイクルは、0%(オフ状態を表す。)から100%(完全オン状態又は100%の電力を表す。)で変動し得る。例えば、50%のデューティサイクルは、発熱体64及び/又は冷却装置が、制御信号が用いられる時間の50%の間、電源69に接続される点で、50%の電力レベルを表す。

衣服61には、第1の温度センサ77であって、衣服の外側の場所に配置され、外部温度センサとも称する、第1の温度センサが含まれている。外側の場所は、衣服61の外側布地層に隣接し当該外側布地層の外側にある。外部温度センサ77は、衣服100の外側の温度を表す温度信号をマイクロ制御部74に供給する。衣服100には、第2の温度センサ78であって、衣服の内側の場所に配置され、内部温度センサとも称する第2の温度センサも含まれ得る。内側の場所は、衣服61の内側層、例えば内側布地層又はライナーに隣接し当該内側層の内側にある。内部温度センサ78は、衣服61の内側の温度を表す温度信号をマイクロ制御部74に供給する。衣服61には、他のセンサであって、電源69によって供給される電流を検出する電流センサ、及び電源の電圧を検出する電圧センサを含むが、これらに限定されない、他のセンサが含まれている。マイクロ制御部74は、電流センサ及び/又は電圧センサを用いて、電池寿命を判断し、このようなことを表す信号を発生させる。電池寿命信号は、例えば78%のような完全な電池寿命の残存率であり、及び/又は、電池寿命信号は、その時の負荷条件下で電池がどれくらい持続するかを表す時間及び/又は分の時間増分であり得る。

衣服61には、無線通信部79であって、既知の無線技術、例えば、Bluetooth(登録商標)、NFC、Wi-Fi、ZigBee(登録商標)、又は以下に更に詳細に説明する他の適切な既知の無線通信技術を用いて無線方式により遠隔で温度を調整するように、制御情報を制御器74に提供する別の装置と通信する無線通信部も含まれている。

ここで図8a、8b及び8cを参照すると、発熱衣服71には、発熱アセンブリ73として用いられる複合物品72の別の例が含まれている。複合物品72には、上述した切欠き65を有する発熱体64が含まれている。また、複合物品72には、発熱体64と隣接するように位置合わせされて配置された熱界面材料(TIM)81も含まれている。一例において、TIM81は、可撓性グラファイト材料、例えば、剥離グラファイトの圧縮粒子からなるシート、又は黒鉛化ポリマーからなるシートであってもよい。一例において、TIM81は、GrafTech International Holdings社によって販売されているeGRAF(登録商標)HITHERM(商標)熱界面材料であってもよく、これは、低い接触抵抗及び高い熱伝導率を必要とする用途に用いられるように設計されている。TIM81を形成する可撓性グラファイトは、TIMシート81の一方の主面又は両方の主面に配置されたプラスチック及び接着剤とともに、ダイカット及び/又は積層することができる。限定的でない一例において、図8bに示されているように、接着剤‐プラスチック‐接着剤(APA)材料の層82は、TIM材料81と隣接するように位置合わせされて配置されてもよい。APA材料82としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)のようなプラスチック、Mylar(登録商標)ポリエチレンテレフタレート、Kapton(登録商標)ポリイミド、又は他の適切なプラスチックを挙げることができ、APA材料82の両主面には接着剤を有する。APA材料82は、上述したグラファイトシート66と隣接するように位置合わせされて配置され得る。APA材料82及びTIM材料81の表面積は、好ましくは、発熱体64の外周によって画定される表面積よりも大きく、発熱体の表面積よりも少なくとも5%大きく、更に好ましくは少なくとも10%大きい。図8cを参照すると、APA材料82は用いられず、TIM材料81は、上述した発熱体64及びグラファイトシート66と隣接するように位置合わせされて配置されている。

ここで図9a及び9bを参照すると、衣服発熱アセンブリ93として用いられる複合物品の別の例が、全体として符号92で示されている。複合物品92には、上述の発熱体64が含まれている。また、複合物品92には、上述した単一のグラファイトシート66と同様に、間隔を置いて配置された1対のグラファイトシート96a及び96bも含まれている。1対のグラファイトシート96a及び96bは、共層構造(co-layer configuration)により配置され、これによって、構成要素によって形成される他の層とは異なる層であり得るヒートスプレッダ層が形成される。グラファイトシート96a及び96bは、その間に電気絶縁性の間隙Gaを形成するように、間隔を置いて配置されている。また、複合物品92には、上述の熱界面材料(TIM)81であって、グラファイトシート96a、96b並びに図9a及び9bに示されているTIM材料81と隣接するように位置合わせされて配置された上述の発熱体64及びAPA材料82と隣接するように位置合わせされて配置されたTIMも含まれ得る。図9cを参照すると、APA材料82は用いられず、TIM材料81は、発熱体64及びグラファイトシート96a、96bと隣接するように位置合わせされて配置されている。

ここで図10a及び10bを参照すると、衣服発熱アセンブリとして用いられる複合物品の別の例が、全体として符号102で示されている。複合物品102には、上述の発熱体64が含まれている。また、複合物品102には、上述したものと構造及び構成が同様の、間隔を置いて配置された1対のグラファイトシート96a及び96bも含まれている。場合により、電気絶縁体又はテープ104が、グラファイトシート96aと96bの間に間隔を置いて配置された間隙Gaに配置される。図10cを参照すると、複合物品には、第3のグラファイトシート106cであって、電気絶縁性の電気テープにおける熱発散能を向上させてその場所における発熱スポットを削減するように、上に示した間隙Gaに配置された、第3のグラファイトシートが含まれている。このシート106cは間隙Gaよりも小さく、間隙Gaの中央に位置している。グラファイトシート間の間隙には、テープ又はペーストであり得る電気絶縁体104が挿入されている。

ここで図11を参照すると、衣服発熱アセンブリとして用いられる複合物品の別の例が、全体として符号112で示されている。この物品には、上述の切欠き65を有する発熱体64が含まれている。また、複合物品112には、発熱体64と隣接するように位置合わせされた、上述のグラファイトシート66と同様のグラファイトシートも含まれている。グラファイトシート66には、切欠き115であって、グラファイトシートの、対向して配置されたそれぞれの主面の間に延びる切欠き壁116を含む切欠きが含まれている。切欠き115は、発熱体64の切欠き65と位置合わせされており、これによって、切欠き壁116は発熱体材料64と接触しない。限定的でない一例において、切欠き115は、発熱体の切欠き65と同様の形状を有し、切欠き115のみが小さく、これによって、切欠き壁116が発熱体材料64と交差して接触するのが防止される。発熱体との短絡を形成するようにグラファイトの電位を最小にする構成例が有益である。

ここで図12を参照すると、発熱ジャケットの発熱衣服パターンが、全体として符号120で示されている。発熱ジャケットパターンには、上述の発熱アセンブリをそれぞれ形成する、上述したものと同様の複数の複合物品121が含まれている。発熱アセンブリは、図示されているとおり、発熱ジャケットパターンの種々のそれぞれの部分の形状に適合するように、特別に作製される(custom fit)。発熱アセンブリには、前方右側発熱アセンブリ122及び前方左側発熱アセンブリ124、後方右側発熱アセンブリ126及び後方左側発熱アセンブリ128が含まれている。上述したように、発熱アセンブリには、上述の切欠き65を有する1つ以上の発熱体64が含まれるか、又は、発熱体には、ワイヤマトリックス、個別の発熱ワイヤ、1つ以上のペルチェ素子、微細なワイヤのグリッド、プラスチックマトリックス材に印刷されたフレキシブル回路、プラスチックマトリックス材に印刷されたカーボンインク回路、ポリエステルマトリックスに印刷された銀トレース、印刷ヒーター、一連の個別の炭素パッチ、Liイオン電池パック、放電すると発熱するLiイオン電池パック自体が含まれ得る。それぞれの複合物品には、切欠きを有するグラファイトシートの形態のグラファイトヒートスプレッダも含まれている。発熱体は、グラファイトシートと隣接するように位置合わせされている。グラファイトシートには、上述の補強層及び/又は保護層が含まれている。グラファイトシートには、発熱体の位置に切欠きが含まれていない。

ここで図13a、13b及び13cを参照すると、発熱ジャケットの形態の発熱衣服が、全体として符号130で示されている。発熱ジャケットには、複数の発熱アセンブリ132であって、上述したものと同様の発熱体64及びグラファイトシート66をそれぞれ含む、複数の発熱アセンブリが含まれている。発熱アセンブリには、さらに、それぞれの発熱アセンブリ132に配置された遠隔充電アセンブリ134が含まれている。それぞれの遠隔充電アセンブリ134には、以下に更に詳細に説明するとおり、充電ベースのそれぞれのコイルと誘導結合して電池69を遠隔充電するように電気的に駆動するコイルが含まれている。また、それぞれの遠隔充電アセンブリ134には、1つ以上の磁石136であって、衣服のコイル134を充電ベースのコイルと物理的に緊密に連結するように、ベース充電器にそれぞれの磁石を引き付ける、1つ以上の磁石も含まれ得る。さらに、それぞれの遠隔充電アセンブリ134には、以下に説明するとおり、充電ステーションの適切な送信機/受信機と充電命令を通信する送信機/受信機137も含まれ得る。遠隔充電アセンブリ134は、分散型電池69とともに発熱アセンブリ132において同じ場所に配置されるように分布し、これによって、配線を削減することができる。または、1つ又は少数の集中遠隔充電アセンブリ134を用いてもよい。

ここで図14a及び14bを参照すると、遠隔充電ベース140は、ハンガー142に組み込むことができる。ハンガー142には充電ステーション144が含まれ、充電ステーションにはそれぞれ、ジャケット130のコイル134と誘導結合するコイル146が含まれている。充電ステーション144には、充電ベースに無線充電命令を通信する送信機/受信機147も含まれている。ハンガー142の充電ステーション144は、ジャケットがハンガー142に掛けられると、ジャケットの充電アセンブリ134が配置される位置に配置される。充電ステーション144には、1つ以上の磁石148であって、コイルを緊密に連結して効果的に遠隔充電をするように、ジャケットの充電アセンブリ134の磁石136を引き付ける、1つ以上の磁石も含まれ得る。ハンガー142には、コード及びコンセントプラグ149であって、ハンガー142の充電ステーション144に給電するように、家庭用電気コンセントに挿入することができるコード及びコンセントプラグが含まれている。

別の実施形態において、充電システムの磁石は、電気接続の一部を形成することができる。このような実施形態は、ワイヤベースの充電システムに適している。このシステムでは、充電部が電源に配線され、電流は、ベース部の磁石を通り、上述したハンガー142の磁石に流れ、これによって、衣服に含まれる電力システムを充電する。本実施形態において、磁石は、電流経路の直接接触源である。すなわち、磁石は、衣服用電源と電源、例えば120Vコンセントとの間の機械接続と電気接続の両方を形成するのに用いられる。

ここで図15a及び15bを参照すると、コートラック150であって、充電ステーションのハンガープラグ149を受け入れることによってハンガー142に給電する電気コンセント152を有したコートラックが示されている。コートラック150には、電気コード及びプラグ154であって、コンセント152に給電するように、家庭用電気コンセント156に差し込まれる電気コード及びプラグも含まれている。

ここで図16a及び16bを参照すると、壁162に取り付けることができるコートラック160が示されている。コートラックには、1つ以上の発熱衣服を掛けるフック164が含まれている。フック164は、上述したとおり、ハンガーの遠隔充電ステーションに給電するように、上述したハンガーと同様のハンガー142を受け入れることができる。コートラック160には、上述のハンガー142に給電する、1つ以上の電気コンセント165も含まれている。また、コートラック160には、電気コード及びプラグ166であって、コンセント152に給電するように、家庭用電気コンセント168に差し込まれる電気コード及びプラグも含まれている。

本明細書に説明されている、グラファイトヒートスプレッダを含む複合物品を有した発熱アセンブリを用いる発熱衣服は、複合物品を用いない従来の同等の発熱衣服からみて、いくつかの利点を有する。新規の発熱衣服は、従来の発熱衣服よりも3倍以上速く発熱することができ、15倍低い熱勾配を有する。新規の発熱衣服の熱勾配は、従来の発熱衣服の約81℃(45°F)に対して、約5.4℃(3°F)である。また、発熱スポットが事実上除去され、具体的には、隣接する切欠き65の間の発熱体の狭い部分に発生する発熱スポットが除去される。新規の発熱衣服は、遠隔充電によって容易に充電することができる。さらに、複数の小型の及び/又は薄い分散型電池を用いることによって、ユーザの快適性を向上させる。

発熱座席に関して、前述のスプレッダは、座席の座面と発熱体との間に配置することができ、スプレッダは、発熱体の下に、このため座面とは反対側に、又は発熱体の上及び下に配置することができる。発熱体の上及び下に配置されたヒートスプレッダの場合には、1つ以上のヒートスプレッダを用いることができる。同様に、発熱体の上及び下にあるヒートスプレッダの場合、このようなヒートスプレッダは、1枚又は複数枚のシートから構成することができる。複数枚のシートの場合、シートは、同じ厚さ、異なる厚さ、又はこれらの組合せを有し得る。さらに、種々のシートは重なり合わないか、又は所望の量だけ重なり合っていてもよい。そして、発熱体の一方の側に配置された複数枚のシートに関して、シートは、所望の幾何形状によって互いに離れて配置され得る。また、スプレッダは、複数のパネル、ともに織り込まれた(織り込み複合物品)、剥離グラファイト、黒鉛化ポリマー又はこれらの組合せの圧縮粒子からなる複数のストリップからも構成され得る。

単一のヒートスプレッダ又は複数のヒートスプレッダが発熱体の両側に配置される場合、ヒートスプレッダは、同じ又は異なる、厚さ、組成及び/又は構造を有し得る。

スプレッダが座席の座面に対して発熱体の上にのみ配置される場合、実施形態には、発熱体の下に配置された断熱材も含まれ得る。断熱材は、発熱体に隣接するように配置されることが好ましいが、これに限定されない。

複数のスプレッダを含む実施形態において、スプレッダは、互いに及び/又は発熱体に対して移動できるように、座席に取り付けることができる。この一例は、スプレッダが座席の縁部にのみ取り付けられる、ということである。付属する他の実施形態も同様に適用可能である。複数のグラファイト片を含むスプレッダ(換言すると、スプレッダは切片を含む。)において、種々のグラファイト片は、ヒートスプレッダと同様に互いに移動することができる。所望の向きの自由度が適用可能である。例えば、それぞれのグラファイト片は、他のグラファイト片とは異なる座席の縁部に取り付けられてもよい。別の例は、1つ以上のグラファイト片が座席内を自由に移動できる、ということである。

上述した座席の実施形態には、ユーザの快適性のために、着座領域に1つ以上の発泡クッションが含まれ得る。発泡体は、ヒートスプレッダ及び発熱体に対してあらゆる向きに配置することができる。例えば、発泡体は、発熱体とスプレッダのアセンブリの上又は下に配置されてもよい。逆に、発熱体‐ヒートスプレッダアセンブリは、2つの発泡体部分の間に水平方向に配置されてもよいし、又は、アセンブリは発泡体内部に配置されてもよい。

好適な実施形態において、スプレッダ発熱体アセンブリは、「Seat Heater Load Durability Test」という表題のGeneral Motors GMW 14373に合格するものである。このような試験は、全体として参照により本明細書に援用される。実施形態の別の好適な利点は、座席がGMW 14373の合格後に、発熱体の抵抗が20%を超えて増加せず、好ましくは15%以下であり、更に好ましくは10%以下である、ということである。

発熱体‐スプレッダアセンブリの特定の実施形態は、発熱体が座席の着座領域の中央に位置しないように、座席内に向けて配置される。これらの実施形態では、スプレッダを用いて、着座領域の中央に熱を水平方向に発散することができる。

逆に、必要に応じて、発熱体は、座席の着座領域の少なくとも中央に配置されてもよい。これらの実施形態において、スプレッダは、少なくとも発熱体の上に配置されることが好ましい。したがって、スプレッダは、発熱体よりも座面付近に水平方向に配置される。

本明細書に開示されている1つ以上の実施形態は、座席に適用される場合、2分以内、好ましくは1分以内、更により好ましくは40秒以内、そして最も好ましくは20秒以内に、座席をユーザの所望の温度まで加温又は冷却するのに用いることができる。

発熱スポットに関して、同じ又は類似の実施形態は、温度発熱スポットを20%超、好ましくは少なくとも25%、更に少なくとも30%削減するのに用いることができる。

さらに、座席のこれらの実施形態は、最終的に25%、好ましくは少なくとも40%、更に好ましくは最大50%以上の温度均一性の向上を示し得る。また、これらの実施形態は、有効な可撓性及び耐久性も示した。

医療用パッド又は治療用パッドの場合、ヒートスプレッダは、ユーザに隣接する物品であり得る。ユーザに隣接するヒートスプレッダの面は、患者の使用に適した接着剤のうちの1つであり、これに続いて、保護被膜、グラファイト材料からなる補強材のうちの少なくとも1つであり得る。発熱体は、ヒートスプレッダにおいて、ユーザとは反対側に配置されることが好ましい。発熱体は再利用可能であることが好ましい。

衣料品に関して本明細書に開示されている実施形態の利点には、次のうちの1つ以上を含み得る。(1)かさのある(bulky)衣料品による暖かさ、(2)可動性、(3)最大出力になるまで、現行提供品(current product offerings)の少なくとも2倍、好ましくは本実施形態としての少なくとも4倍、更に好ましくは少なくとも5倍速い、例えば、現行品の28分に対して、5.5分での発熱。

本明細書に開示されている種々の実施形態の別の利点は、衣料品に適用される場合、システムの必要なエネルギー貯蔵要件が、少なくとも25%、好ましくは少なくとも35%、更により好ましくは50%を超えるように、システムの効率を向上させることができる。

発熱衣料品に適用される場合のシステムの更なる利点は、温度勾配の減少である。現行の発熱衣服は、摂氏約81℃(華氏約45度(45°F))の温度勾配を示し得るのに対して、本明細書に開示されている実施形態は、摂氏約36℃(華氏約20度(20°F))未満、好ましくは摂氏約18℃(華氏約10度(10°F))未満、更により好ましくは摂氏約9℃(華氏約5度(5°F))未満の温度勾配を有し得る。

本明細書に説明されている種々の実施形態は、これらの組合せにより実施することができる。上述の説明は、当業者が本考案を実施できることを意図している。これは、説明を読み取ることによって当業者に明らかになる、考えられる変形及び変更の全てを詳述することを意図するものではない。ただし、このような変更及び変形の全ては、次の実用新案登録請求の範囲によって規定されている本考案の範囲内に含まれるものとする。実用新案登録請求の範囲は、文脈上特に反対の意味を示さない限り、本考案の意図される目的を達成するのに有効な構成又は順序による示された要素及び段階を包含するものとする。

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