フレキシブルディスプレイ用途用のシリコーン系アセンブリ層

申请号 JP2017562260 申请日 2016-05-31 公开(公告)号 JP2018524423A 公开(公告)日 2018-08-30
申请人 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; 发明人 ベルマ エルドガン−ハウグ; アルバート アイ.エーフェラルツ; デイビッド エス.ヘイズ; デイビッド ジェイ.キニング; マリア エー.アピーニング; ウォン チョン−ソプ;
摘要 本発明は、フレキシブルデバイス用のアセンブリ層である。アセンブリ層は、物理的に架橋されたシリコーンエラストマーと、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物と、のうちの少なくとも1つと、MQ樹脂と、を含む前駆体から誘導される。約−30℃〜約90℃の 温度 範囲内で、アセンブリ層は、振動数1Hzにおいて約2MPaを超えないせん断貯蔵弾性率と、約50kPa〜約500kPaのせん断応 力 を負荷して5秒において測定される少なくとも約6×10 −6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)と、約5kPa〜約500kPaの範囲内のせん断応力を負荷した少なくとも1点において負荷したせん断応力の解除後約1分以内に少なくとも約50%のひずみ回復と、を有する。
权利要求

フレキシブルデバイス用のアセンブリ層であって、前記アセンブリ層が、 物理的に架橋されたシリコーンエラストマー、又は、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物と、 MQ樹脂と、を含む前駆体から誘導され、 約−30℃〜約90℃の温度範囲内で、前記アセンブリ層が、振動数1Hzにおいて約2MPaを超えないせん断貯蔵弾性率と、約50kPa〜約500kPaのせん断応を負荷して5秒において測定される少なくとも約6×10−6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)と、約5kPa〜約500kPaの範囲内のせん断応力を負荷した少なくとも1点において前記負荷したせん断応力の解除後約1分以内に少なくとも約50%のひずみ回復と、を有する、アセンブリ層。前記アセンブリ層が光学的に透明である、請求項1に記載のアセンブリ層。前記アセンブリ層が2つの透明基材の間に配置されてラミネートを形成するとき、前記ラミネートが70℃/相対湿度90%の環境に72時間置かれ、次いで室温まで冷却された後に、前記ラミネートが約5%未満のヘイズ値を有する、請求項2に記載のアセンブリ層。前記フレキシブルデバイスが電子ディスプレイデバイスである、請求項1に記載のアセンブリ層。前記共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物が触媒を含む、請求項1に記載のアセンブリ層。前記アセンブリ層が約10部〜約50部のMQ樹脂を含む、請求項1に記載のアセンブリ層。第1のフレキシブル基材と、 第2のフレキシブル基材と、 前記第1のフレキシブル基材と前記第2のフレキシブル基材との間に接触して配置されたアセンブリ層(ここで、前記アセンブリ層は、 物理的に架橋されたシリコーンエラストマーと、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物と、のうちの少なくとも1つと、 MQ樹脂と、を含む前駆体から誘導される)と、を含み、 約−30℃〜約90℃の温度範囲内で、前記アセンブリ層が、振動数1Hzにおいて約2MPaを超えないせん断貯蔵弾性率と、約50kPa〜約500kPaのせん断応力を負荷して5秒において測定される少なくとも約6×10−6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)と、約5kPa〜約500kPaの範囲内のせん断応力を負荷した少なくとも1点において前記負荷したせん断応力の解除後約1分以内に少なくとも約50%のひずみ回復と、を有する、ラミネート。前記アセンブリ層が光学的に透明である、請求項7に記載のラミネート。前記第1の基材及び前記第2の基材のうちの少なくとも1つが光学的に透明である、請求項7に記載のラミネート。前記ラミネートが70℃/相対湿度90%の環境に72時間置かれ、次いで室温まで冷却された後に、前記ラミネートが約5%未満のヘイズ値を有する、請求項9に記載のラミネート。前記アセンブリ層が約10部〜約50部のMQ樹脂を含む、請求項7に記載のラミネート。前記ラミネートが、約15mm未満の曲率半径を負荷するチャネル内に室温で24時間の期間にわたって定置された際、不良を呈さない、請求項7に記載のラミネート。前記ラミネートが、室温での前記24時間の期間後に前記チャネルから取り出された後、少なくとも約130度の夾まで復帰する、請求項12に記載のラミネート。前記ラミネートに、約10,000サイクルの曲率半径約15mm未満の折り曲げによる動的折り曲げ試験を室温で実施するとき、前記ラミネートが不良を呈さない、請求項7に記載のラミネート。第1の基材と第2の基材とを接着する方法であって、前記第1の基材と前記第2の基材の両方が可撓性であり、前記方法が、 前記第1の基材と前記第2の基材との間にアセンブリ層(ここで、前記アセンブリ層は、 物理的に架橋されたシリコーンエラストマーと、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物と、のうちの少なくとも1つと、 MQ樹脂と、を含む前駆体から誘導され、 約−30℃〜約90℃の温度範囲内で、前記アセンブリ層は、振動数1Hzにおいて約2MPaを超えないせん断貯蔵弾性率と、約50kPa〜約500kPaのせん断応力を負荷して5秒において測定される少なくとも約6×10−6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)と、約5kPa〜約500kPaの範囲内のせん断応力を負荷した少なくとも1点において前記負荷したせん断応力の解除後約1分以内に少なくとも約50%のひずみ回復と、を有する)を配置してフレキシブルラミネートを形成することと、 圧力及び熱のうちの少なくとも1つを加えてラミネートを形成することと、を含む、方法。前記アセンブリ層が光学的に透明である、請求項15に記載の方法。前記ラミネートが70℃/相対湿度90%の環境に72時間置かれ、次いで室温まで冷却された後に、前記ラミネートが約5%未満のヘイズ値を有する、請求項15に記載の方法。前記ラミネートが、約15mm未満の曲率半径を負荷するチャネル内に室温で24時間の期間にわたって定置された際、不良を呈さない、請求項15に記載の方法。前記ラミネートが、室温での前記24時間の期間後に前記チャネルから取り出された後、少なくとも約130度の夾角まで復帰する、請求項18に記載の方法。前記ラミネートに、約10,000サイクル超の曲率半径約15mm未満の折り曲げによる動的折り曲げ試験を室温で実施するとき、前記ラミネートが不良を呈さない、請求項15に記載の方法。

说明书全文

本発明は、概して、フレキシブルアセンブリ層の分野に関する。特に、本発明は、シリコーン系のフレキシブルアセンブリ層に関する。

現在の産業における感圧接着剤の一般的な用途は、コンピュータモニタ、テレビ、携帯電話及び小型ディスプレイ(自動車内、機器、ウェアラブル、電子機器等)等の各種のディスプレイの製造におけるものである。フレキシブル電子ディスプレイは、ディスプレイがひび割れ又は破損を起こさずに自由に曲げることができ、例えば、フレキシブルプラスチック基材を用いて電子デバイスを作製するための、急速に台頭しつつある技術分野である。この技術により、電子的な機能を、非平面物体に組み込むこと、所望の設計への適合、及び多数の新用途を増加させ得る、使用中の可撓性が可能となる。

フレキシブル電子ディスプレイの出現により、電子ディスプレイアセンブリの外側のカバーレンズ若しくはシート(ガラス、PET、PC、PMMA、ポリイミド、PEN、環状オレフィンコポリマー等をベースとする)と、その下のディスプレイモジュールとの間のアセンブリ層又は間隙充填層の役割を果たす接着剤、特に光学的に透明な接着剤(OCA)に対する需要が増加しつつある。OCAの存在により、輝度及びコントラストを向上する一方で、アセンブリに対する構造的な支持ももたらすことにより、ディスプレイの性能が向上する。フレキシブルアセンブリにおいて、OCAはまた、アセンブリ層の役割を果たし、典型的なOCAの機能に加え、折り曲げによってもたらされた応のほとんどを吸収することもでき、ディスプレイパネルの脆弱な構成要素への損傷を防止し、折り曲げの応力下での破損から電子部品を保護する。OCA層はまた、中立曲げ軸を、例えば、有機発光ディスプレイ(OLED)のバリア層、駆動電極、若しくは薄膜トランジスタ等のディスプレイの脆弱な構成要素に、又は、少なくともこれらの近くに配置及び保持するために用いられ得る。

ディスプレイの表示領域又は光起電アセンブリの光作用領域の外側で用いられる場合、フレキシブルアセンブリ層は光学的に透明である必要はない。実際に、このような材料は、例えば、アセンブリの周縁部におけるシーラントとしてなお有用であり得、デバイスを密封するのに十分な接着性を維持しながら基材の動きを可能とする。

典型的なOCAは本質的に粘弾性であり、様々な環境暴露条件及び高振動数荷重の下で耐久性をもたらすことが意図される。このような場合、高準の接着性と、粘弾性特性のある程度のバランスとが維持され、良好な感圧挙動がもたらされ、かつ防振性がOCAに組み込まれる。しかしながら、これらの特性は、折り曲げ可能な、又は、耐久性のあるディスプレイの実現には万全ではない。

フレキシブルディスプレイアセンブリに対する極めて異なる機械的要求事項のため、この新しい技術分野における用途のための新規の接着剤を開発する必要性がある。光学的透明度、接着性、及び耐久性等の従来の性能属性に加え、これらのOCAは、不良及び層間剥離を伴わない、曲げ性及び回復性といった、新たな課題の一連の要求事項を満たす必要がある。

本発明は、フレキシブルデバイス用のアセンブリ層である。アセンブリ層は、物理的に架橋されたシリコーンエラストマーと、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物と、のうちの少なくとも1つと、MQ樹脂と、を含む前駆体から誘導される。約−30℃〜約90℃の温度範囲内で、アセンブリ層は、振動数1Hzにおいて約2MPaを超えないせん断貯蔵弾性率と、約50kPa〜約500kPaのせん断応力を負荷して5秒において測定される少なくとも約6×10−6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)と、約5kPa〜約500kPaの範囲内のせん断応力を負荷した少なくとも1点において負荷したせん断応力の解除後約1分以内に少なくとも約50%のひずみ回復と、を有する。

他の一実施形態において、本発明は、第1の基材と、第2の基材と、第1の基材と第2の基材との間に接触して配置されたアセンブリ層と、を含むラミネートである。アセンブリ層は、物理的に架橋されたシリコーンエラストマーと、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物と、のうちの少なくとも1つと、MQ樹脂と、を含む前駆体から誘導される。約−30℃〜約90℃の温度範囲内で、アセンブリ層は、振動数1Hzにおいて約2MPaを超えないせん断貯蔵弾性率と、約50kPa〜約500kPaのせん断応力を負荷して5秒において測定される少なくとも約6×10−6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)と、約5kPa〜約500kPaの範囲内のせん断応力を負荷した少なくとも1点において負荷したせん断応力の解除後約1分以内に少なくとも約50%のひずみ回復と、を有する。

更に他の一実施形態において、本発明は、第1の基材と第2の基材とを接着する方法であって、第1の基材と第2の基材の両方が可撓性である。方法は、アセンブリ層を第1の基材と第2の基材との間に配置することと、圧力及び/又は熱を加えてフレキシブルラミネートを形成することと、を含む。アセンブリ層は、物理的に架橋されたシリコーンエラストマーと、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物と、のうちの少なくとも1つと、MQ樹脂と、を含む前駆体から誘導される。約−30℃〜約90℃の温度範囲内で、アセンブリ層は、振動数1Hzにおいて約2MPaを超えないせん断貯蔵弾性率と、約50kPa〜約500kPaのせん断応力を負荷して5秒において測定される少なくとも約6×10−6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)と、約5kPa〜約500kPaの範囲内のせん断応力を負荷した少なくとも1点において負荷したせん断応力の解除後約1分以内に少なくとも約50%のひずみ回復と、を有する。

本発明のアセンブリ層を含むラミネートの静的折り曲げ試験に用いられた固定具の写真と、初期度並びに135°の夾角及び180°の夾角における角度回復を示したグラフ図である。

本発明のアセンブリ層を含むラミネートの180°曲げ試験を実施するための動的折り曲げ試験に用いられた装置の写真である。

本発明は、例えば、電子ディスプレイ、フレキシブル光電池又はソーラーパネル、及びウェアラブル電子機器等のフレキシブルデバイスにおいて使用可能な、シリコーン系アセンブリ層である。本明細書で使用する場合、用語「アセンブリ層」は、以下の特性を有する層を指す:(1)少なくとも2つのフレキシブル基材への接着性及び(2)繰り返しの曲げの間に被着体を堅持し、耐久試験に合格する十分な能力。本明細書で使用する場合、「フレキシブルデバイス」は、曲げ半径が200mm、100mm、50mm、20mm、10mm、5mm程度の低さ、若しくは2mm未満の、繰り返しの曲げ又は丸め作用に耐えることができるデバイスと定義される。シリコーン系アセンブリ層は、軟質で、主として弾性で、プラスチックフィルム又はガラスのような他のフレキシブル基材に対して良好な接着性を有し、かつせん断荷重に対して高い耐用性を有する。更に、シリコーン系アセンブリ層は、比較的低い弾性率、中等度の応力における高率のコンプライアンス、低いガラス転移温度、折り曲げ中の最小のピーク応力の発生、及び応力を負荷し、かつ取り除いた後の良好なひずみ回復を有し、繰り返しの折り曲げ及び折り曲げの解除に耐えられるその能力のため、フレキシブルアセンブリにおける使用に好適となっている。多層構造体を繰り返し曲げる、又は、丸める状況下では、接着剤層に対するせん断荷重が非常に顕著となり、あらゆる形態の応力が、機械的不良(層間剥離、1つ以上の層の座屈、接着剤中のキャビテーション気泡等)だけでなく、視覚的不良又はむらの原因となり得る。主として粘弾性を特徴とする従来の接着剤とは異なり、本発明のシリコーン系アセンブリ層は、使用条件では主として弾性であり、それでもなお、様々な耐久性要求事項に合格するのに十分な接着性を維持する。一実施形態において、シリコーン系アセンブリ層は光学的に透明であり、低ヘイズ、高可視光透明度、抗白色化挙動、及び環境耐久性を呈する。

本発明のシリコーン系アセンブリ層は、精選されたシリコーンエラストマー及びMQ樹脂組成物から調製され、異なる程度で架橋され、様々な弾性特性をもたらす一方で、なお、全ての光学的に透明な要求事項を概ね満たしている。例えば、折り曲げ半径が5mm以下のラミネート内で用いられるシリコーン系アセンブリ層は、ラミネートの層間剥離若しくは座屈、又は接着剤の気泡を起こさずに得ることができる。一実施形態において、シリコーン系アセンブリ層組成物は、物理的に及び/又は共有結合で架橋されたシリコーン及びMQ樹脂を含む前駆体から誘導される。

用語「シリコーン系」は、本明細書で使用する場合、シリコーン単位を含有する巨大分子(例えば、ポリマー又はコポリマー)を指す。シリコーン又はシロキサンという用語は互換的に使用され、シロキサン(−Si(R1)2O−)繰り返し単位(式中、R1は下記に定義される)を有する単位を指す。多くの実施形態において、R1は、アルキルである。

一実施形態において、本発明に有用なシリコーンエラストマーとしては、物理的に架橋されたシリコーンと共有結合で架橋されたシリコーンエラストマーの両方が挙げられる。好適なシリコーンエラストマーポリマーとしては、例えば、尿素系シリコーンコポリマー、オキサミド系シリコーンコポリマー、アミド系シリコーンコポリマー、ウレタン系シリコーンコポリマー、及びこれらの混合物が挙げられる。用語「尿素系」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つの尿素結合を含有する、セグメント化コポリマーである巨大分子を指す。用語「アミド系」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つのアミド結合を含有する、セグメント化コポリマーである巨大分子を指す。用語「ウレタン系」は、本明細書で使用する場合、少なくとも1つのウレタン結合を含有する、セグメント化コポリマーである巨大分子を指す。例えば、シリコーンポリウレア及びシリコーンポリオキサミドは、本発明において特に好適である。

このような物理的に架橋されたエラストマーシリコーンにおいて、シリコーンはより軟質のセグメントであり、尿素セグメント、アミドセグメント、オキサミドセグメント、ウレタンセグメントは、有機セグメントを形成する。有機セグメントの少なくとも一部は、材料のシリコーンセグメントと非混和性であり、これらは十分に高水準の非混和性を有し、互いの物理的相互作用により、少なくともフレキシブルアセンブリ層の使用温度にわたり、シリコーンポリマーが物理的に架橋されたままに維持する。相分離されかつ物理的に架橋している有機セグメントの間のポリマー主鎖(物理的架橋に関与していないシリコーン及びいずれかの有機セグメント)の分子量により、物理的に架橋されたシリコーンエラストマーの架橋密度を決定する。相分離されかつ物理的に架橋している有機セグメントの間の分子量は、典型的には、少なくとも15,000ダルトン、少なくとも20,000ダルトン、少なくとも25,000ダルトン、少なくとも30,000ダルトン、又は少なくとも35,000ダルトンである。相分離されかつ物理的に架橋している有機セグメントの間の分子量の上限は、シリコーン材料のエラストマー特性を保持するのに必要な、相分離されかつ物理的に架橋している有機セグメントの量によってのみ限定される。所望により、エラストマーシリコーンはまた、例えば、末端又はペンダントのビニル基、アクリレート基、及びシラン基等を介して共有結合で架橋させることもできる。ただし、相分離されかつ物理的に架橋している有機セグメントと、共有結合で架橋された部位との間の平均分子量は実質的に低下せず、したがって、元の物理的に架橋されたシリコーンエラストマーの架橋密度は実質的に増加しないことを条件とする。

有用な部類のシリコーンエラストマーポリマーの一例は、シリコーンポリウレアブロックコポリマー等の尿素系シリコーンポリマーである。シリコーンポリウレアブロックコポリマーは、ポリジオルガノシロキサンジアミン(シリコーンジアミンとも呼ばれる)と、ポリイソシアネートと、任意に、有機ポリアミンとの反応生成物を含む。本明細書で使用する場合、用語「ポリイソシアネート」は、1つより多いイソシアネート基を有する化合物を指す。本明細書で使用する場合、用語「ポリアミン」は、1つより多いアミノ基を有する化合物を指す。

好適なシリコーンポリウレアブロックコポリマーは、式(I)の繰り返し単位によって表される。

式(I)において、各R1は、独立して、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、アラルキル、アリール、又はアルキル、アルコキシ、若しくはハロで置換されたアリールである。式(I)中のR1に好適なアルキル基は、典型的には、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。代表的なアルキル基としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、及びイソブチルが挙げられる。R1に好適なアルケニル基は、多くの場合、2〜10個の炭素原子を有する。代表的なアルケニル基は、多くの場合、エテニル、n−プロペニル、及びn−ブテニル等の2〜8、2〜6、又は2〜4個の炭素原子を有する。R1に好適なアリール基は、多くの場合、6〜12個の炭素原子を有する。フェニルは、代表的なアリール基である。アリール基は、非置換である、又は、アルキル(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル)、アルコキシ(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ)、若しくはハロ(例えば、クロロ、ブロモ、又はフルオロ)によって置換されている場合がある。R1に好適なアラルキル基は、多くの場合、6〜12個の炭素原子を有するアリール基と、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基とを有する。代表的なアラルキル基としては、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を有するフェニル基が挙げられる。

多くの実施形態において、R1基の少なくとも50%は、通常、メチルである。例えば、R1基の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%は、メチルであり得る。残りのR1基は、少なくとも2個の炭素原子を有するアルキル、アラルキル、アルケニル、アリール、又はアルキル若しくはアルコキシで置換されたアリールから選択することができる。例えば、全てのR1基がアルキルであり得る。

式(I)中の各基Zは、独立して、アリーレン、アラルキレン、又はアルキレンである。 代表的なアリーレンは6〜20個の炭素原子を有し、代表的なアラルキレンは7〜20個の炭素原子を有する。アリーレン及びアラルキレンは、非置換である、又は、アルキル(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル)、アルコキシ(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ)、若しくはハロ(例えば、クロロ、ブロモ、又はフルオロ)によって置換されている場合がある。アルキレンは、直鎖分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであり得、1〜20個の炭素原子を有し得る。いくつかの実施形態において、Zは2,6−トリレン、4,4’−メチレンジフェニレン、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレン、テトラメチル−m−キシリレン、4,4’−メチレンジシクロヘキシレン、3,5,5−トリメチル−3−メチレンシクロヘキシレン、1,6−ヘキサメチレン、1,4−シクロヘキシレン、2,2,4−トリメチルヘキシレン、及びこれらの組み合わせである。

式(I)中の各Yは、独立して、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン、7〜20個の炭素原子を有するアラルキレン、又は6〜20個の炭素原子を有するアリーレンである。各Dは、水素、1〜10個の炭素原子を有するアルキル、6〜12個の炭素原子を有するアリール、又はB若しくはYを含む環構造を完結させて複素環を形成するラジカルから選択される。各Dは、多くの場合、水素又はアルキル基である。基Bは、アルキレン、アラルキレン、フェニレン等のアリーレン、又はヘテロアルキレンから選択される。ヘテロアルキレンの例としては、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリテトラメチレンオキシド、並びにこれらのコポリマー及び混合物が挙げられる。変数mは0〜約1000である数であり、pは少なくとも1である数であり、nは0〜1500の範囲の数である。

用語「アルキル」は、飽和炭化水素であるアルカンのラジカルである1価の基を指す。アルキルは、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであり得、かつ典型的には、1〜20個の炭素原子を有する。

用語「ハロアルキル」は、少なくとも1個の水素原子がハロで置換されているアルキルを指す。用語「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、又はヨードを指す。一部のハロアルキル基は、フルオロアルキル基、クロロアルキル基、及びブロモアルキル基である。用語「パーフルオロアルキル」は、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を指す。

用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する炭化水素であるアルケンのラジカルである1価の基を指す。アルケニルは、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであり得、典型的には、2〜20個の炭素原子を含有する。

用語「アラルキル」は、アリールで置換されたアルキル基を指す。R1に好適なアラルキル基は、通常、1〜10個の炭素原子を有するアルキル基及び6〜12個の炭素原子を有するアリール基を有する。

用語「アリール」は、芳香族及び炭素環である1価の基を指す。アリールは、芳香環に結合又は縮合した、1〜5個の環を有し得る。他の環状構造は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせであり得る。

用語「アルキレン」は、アルカンのラジカルである2価の基を指す。アルキレンは、直鎖状、分枝状、環状、又はこれらの組み合わせであり得る。アルキレンは、多くの場合、1〜20個の炭素原子を有する。いくつかの実施形態において、アルキレンは、1〜18個、1〜12個、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を含有する。アルキレンのラジカル中心は、同一の炭素原子(すなわち、アルキリデン)上又は異なる炭素原子上にあり得る。

用語「ヘテロアルキレン」は、チオ、オキシ、又は−NR−(式中、Rはアルキルである)によって結合された、少なくとも2つのアルキレン基を含む、2価の基を指す。ヘテロアルキレンは、直鎖状、分枝状、環状、アルキル基によって置換される、又はこれらの組み合わせであり得る。一部のヘテロアルキレンは、例えば−CH2CH2(OCH2CH2)nOCH2CH2−のような、ヘテロ原子が酸素であるポリオキシアルキレンである。

用語「アリーレン」は、炭素環及び芳香族である、2価の基を指す。この基は、結合している、縮合している、又は、これらの組み合わせである1〜5個の環を有する。他の環は、芳香族、非芳香族、又はこれらの組み合わせであり得る。いくつかの実施形態において、アリーレン基は、最大で5個の環、最大で4個の環、最大で3個の環、最大で2個の環、又は1個の芳香環を有する。例えば、アリーレン基は、フェニレンであり得る。

用語「ヘテロアリーレン」は、炭素環及び芳香族であり、硫黄、酸素、窒素、又はフッ素、塩素、臭素、若しくはヨウ素等のハロゲン等のヘテロ原子を含有する2価の基を指す。

用語「アラルキレン」は、式−Ra−Ara−[式中、Raはアルキレンであり、Araはアリーレンである(すなわち、アルキレンはアリーレンに結合している)]の2価の基を指す。

有用なシリコーンポリウレアブロックコポリマーは、例えば、米国特許第5,512,650号(Leirら)、同第5,214,119号(Leirら)、同第5,461,134号(Leirら)、同第6,407,195号(Shermanら)、同第6,441,118号(Shermanら)、同第6,846,893号(Shermanら)、及び同第7,153,924号(Kuepferら)に、並びにPCT国際公開第97/40103号(Paulickら)に開示されている。

シリコーンポリウレアブロックコポリマーの調製に使用可能な有用なシリコーンジアミンの例としては、式(II)で表されるポリジオルガノシロキサンジアミンが挙げられる。

式(II)において、各R1は、独立して、式(I)について上記で定義したとおりの、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル、アリール、又はアルキル、アルコキシ、若しくはハロで置換されたアリールである。各Yは、独立して、式(I)について上記で定義したとおりの、アルキレン、アリーレン、又はアラルキレンである。変数nは0〜1500の整数である。

式(II)のポリジオルガノシロキサンジアミンは、任意の既知の方法によって調製することができ、任意の好適な分子量、例えば700〜150,000g/モルの範囲の重量平均分子量を有し得る。好適なポリジオルガノシロキサンジアミン及びポリジオルガノシロキサンジアミンの製造方法は、例えば、米国特許第3,890,269号(Martin)、同第4,661,577号(Laneら)、同第5,026,890号(Webbら)、同第5,276,122号(Aokiら)、同第5,214,119号(Leirら)、同第5,461,134号(Leirら)、同第5,512,650号(Leirら)、及び同第6,355,759号(Shermanら)に記載されている。いくつかのポリジオルガノシロキサンジアミンは、例えば、Shin Etsu Silicones of America,Inc.(Torrance,CA)及びGelest Inc.(Morrisville,PA)より市販されている。

2,000g/モル超又は5,000g/モル超の分子量を有するポリジオルガノシロキサンジアミンは、米国特許第5,214,119号(Leirら)、同第5,461,134号(Leirら)、及び同第5,512,650号(Leirら)に記載の方法を用いて調製することができる。記載の方法の1つは、反応条件下及び不活性雰囲気下において、(a)以下の式

(式中、Y及びR1は、式(I)及び(II)についての定義と同一である)のアミン官能性末端ブロッカーと、(b)アミン官能性末端ブロッカーと反応し、2,000g/モル未満の分子量を有するポリジオルガノシロキサンジアミンを生成するのに十分な環状シロキサンと、(c)以下の式

(式中、Y及びR1は、式(I)及び(II)についての定義と同一であり、かつM+は、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン、ルビジウムイオン、又はテトラメチルアンモニウムイオンである)の無水アミノアルキルシラノレート触媒とを組み合わせることを伴う。全て又は実質的に全てのアミン官能性末端ブロッカーが消費されるまで反応を継続した後、追加の環状シロキサンを加え、分子量を増大させる。追加の環状シロキサンは、多くの場合、ゆっくり加える(例えば、滴下)。反応温度は、多くの場合、80℃〜90℃の範囲で、5〜7時間の反応時間で実施する。得られるポリジオルガノシロキサンジアミンは、高純度であり得る(例えば、2重量%未満、1.5重量%未満、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満、又は0.01重量%未満のシラノール不純物)。アミン官能性末端ブロッカー対環状シロキサンの比の変更を用い、得られる式(II)のポリジオルガノシロキサンジアミンの分子量を変更することができる。

式(II)のポリジオルガノシロキサンジアミンの別の調製方法は、反応条件下及び不活性雰囲気下において、(a)以下の式

(式中、R1及びYは、式(I)についての記載と同一であり、かつ下付き文字xは、1〜150の整数に等しい)のアミン官能性末端ブロッカーと、(b)アミン官能性末端ブロッカーの平均分子量よりも大きい平均分子量を有するポリジオルガノシロキサンジアミンを得るのに十分な環状シロキサンと、(c)水酸化セシウム、セシウムシラノレート、ルビジウムシラノレート、セシウムポリシロキサノレート、ルビジウムポリシロキサノレート、及びこれらの混合物から選択される触媒とを組み合わせることを伴う。実質的に全てのアミン官能性末端ブロッカーが消費されるまで、反応を継続する。この方法は、米国特許第6,355,759号(Shermanら)に更に記載されている。この手順を用い、任意の分子量のポリジオルガノシロキサンジアミンを調製することができる。

式(II)のポリジオルガノシロキサンジアミンの更に別の調製方法は、米国特許第6,531,620号(Braderら)に記載されている。本方法では、以下の反応に示すように、環状シラザンが、ヒドロキシ末端基を有するシロキサン材料と反応する。

基R1及び基Yは、式(II)についての記載と同一である。下付き文字qは、1より大きい整数である。

ポリジオルガノシロキサンジアミンの例としては、これらに限定されるものではないが、ポリジメチルシロキサンジアミン、ポリジフェニルシロキサンジアミン、ポリトリフルオロプロピルメチルシロキサンジアミン、ポリフェニルメチルシロキサンジアミン、ポリジエチルシロキサンジアミン、ポリジビニルシロキサンジアミン、ポリビニルメチルシロキサンジアミン、ポリ(5−ヘキセニル)メチルシロキサンジアミン、及びこれらの混合物が挙げられる。

ポリジオルガノシロキサンジアミン構成成分は、得られるシリコーンポリウレアブロックコポリマーの架橋密度を調整する手段をもたらす。低分子量ポリジオルガノシロキサンポリアミンがより高い架橋密度のコポリマーをもたらすのに対し、概して、高分子量ポリジオルガノシロキサンジアミンは、より低い架橋密度のコポリマーをもたらす。

ポリジオルガノシロキサンジアミン構成成分は、ポリイソシアネートと反応し、シリコーンポリウレアブロックコポリマーを生成する。上記のポリジオルガノシロキサンジアミンと反応可能な任意のポリイソシアネートを、用いることができる。これらのポリイソシアネートは、典型的には、ジイソシアネート又はトリイソシアネートである。好適なジイソシアネートの例としては、芳香族ジイソシアネート、例えば、2,6−トルエンジイソシアネート、2,5−トルエンジイソシアネート、2,4−トルエンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、メチレンビス(o−クロロフェニルジイソシアネート)、メチレンジフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、ポリカルボジイミド修飾メチレンジフェニレンジイソシアネート、(4,4’−ジイソシアナート−3,3’,5,5’−テトラエチル)ジフェニルメタン、4,4−ジイソシアナート−3,3’−ジメトキシビフェニル(o−ジアニシジンジイソシアネート)、5−クロロ−2,4−トルエンジイソシアネート、及び1−クロロメチル−2,4−ジイソシアナートベンゼン;芳香族−脂肪族ジイソシアネート、例えば、m−キシリレンジイソシアネート及びテトラメチル−m−キシリレンジイソシアネート;脂肪族ジイソシアネート、例えば、1,4−ジイソシアナートブタン、1,6−ジイソシアナートヘキサン、1,12−ジイソシアナートドデカン、及び2−メチル−1,5−ジイソシアナートペンタン;並びに脂環式ジイソシアネート、例えば、メチレンジシクロヘキシレン−4,4’−ジイソシアネート、3−イソシアナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート)、及びシクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネートが挙げられる。好適なトリイソシアネートの例としては、ビウレット、イソシアヌレート、及び付加物から生成されるものが挙げられる。市販のポリイソシアネートの例としては、商品名DESMODUR及びMONDURでBayerより、並びに商品名PAPIでDow Plastics(Midland,MI)より入手可能な一連のポリイソシアネートの一部が挙げられる。

反応混合物は、任意に、有機ポリアミンを含む場合がある。本明細書で使用する場合、用語「有機ポリアミン」は、シリコーン基を含まないポリアミンを指す。有用な有機ポリアミンの例としては、ポリオキシアルキレンジアミン、例えば、商品名D−230、D−400、D−2000、D−4000、ED−2001及びEDR−148でHuntsman Corporation(Houston,TX)より市販されているもの;ポリオキシアルキレントリアミン、例えば、商品名T−403、T−3000及びT−5000でHuntsmanより市販されているもの;アルキレンジアミン、例えば、エチレンジアミン;並びにDuPont(Wilmington,DE)より市販されている各種のポリアミン、例えば、DYTEK A(2−メチルペンタメチレンジアミン)及びDYTEK EP(1,3−ペンタンジアミン)が挙げられる。

任意に含まれる有機ポリアミンは、コポリマーの弾性率を変更する手段をもたらす。有機ポリアミンの濃度、種類及び分子量は、シリコーンポリウレアブロックコポリマーの弾性率に影響を及ぼす。典型的には、ポリアミンは、分子量が約300g/モル以下である。

ポリイソシアネートは、典型的には、反応混合物中に含まれるポリジオルガノシロキサンジアミン及び任意に含まれる有機ポリアミンの量に基づいた化学量論的量で加えられ、シロキサンポリウレアブロックコポリマーを調製する。

別の有用な部類のシリコーンエラストマーポリマーは、ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドブロックコポリマー等のオキサミド系ポリマーである。ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドブロックコポリマーの例は、例えば、米国特許出願公開第2007/0148475号(Shermanら)に記載されている。ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドブロックコポリマーは、式(III)の繰り返し単位を少なくとも2つ含有する。

式(III)において、各R1は、独立して、アルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル、アリール、又はアルキル、アルコキシ、若しくはハロで置換されたアリールである。各Yは、独立して、アルキレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせである。下付き文字nは、独立して、40〜1500の整数であり、下付き文字pは、1〜10の整数である。基Gは、式R3HN−G−NHR3のジアミンから2つの−NHR3基を除いたものに等しい残基単位である2価の基である。基R3は、水素若しくはアルキル(例えば、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル)である、又は、R3は、Gと、更にこれら両方が結合している窒素と共に、複素環基(例えば、R3HN−G−NHR3はピペラジン等である)を形成する。各アスタリスク(*)は、繰り返し単位がコポリマー中の別の基、例えば式(III)の別の繰り返し単位等に結合する部位を示す。

式(III)中のR1に好適なアルキル基は、典型的には、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。代表的なアルキル基としては、これらに限定されるものではないが、メチル、エチル、イソプロピル、n−プロピル、n−ブチル、及びイソブチルが挙げられる。R1に好適なハロアルキル基は、多くの場合、対応するアルキル基の水素原子の一部のみがハロゲンで置換されている。代表的なハロアルキル基としては、1〜3個のハロ原子及び3〜10個の炭素原子を有するクロロアルキル基及びフルオロアルキル基が挙げられる。R1に好適なアルケニル基は、多くの場合、2〜10個の炭素原子を有する。代表的なアルケニル基は、多くの場合、エテニル、n−プロペニル、及びn−ブテニル等の2〜8、2〜6、又は2〜4個の炭素原子を有する。R1に好適なアリール基は、多くの場合、6〜12個の炭素原子を有する。フェニルは、代表的なアリール基である。アリール基は、非置換である、又は、アルキル(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル)、アルコキシ(例えば、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ)、若しくはハロ(例えば、クロロ、ブロモ、又はフルオロ)によって置換されている場合がある。R1に好適なアラルキル基は、通常、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基及び6〜12個の炭素原子を有するアリール基を有する。一部の代表的なアラルキル基において、アリール基はフェニルであり、アルキレン基は、1〜10個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有する(すなわち、アラルキルの構造は、アルキレン−フェニルであり、アルキレンがフェニル基に結合している)。

多くの場合、R1基の少なくとも50%は、通常、メチルである。例えば、R1基の少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、又は少なくとも99%が、メチルであり得る。残りのR1基は、少なくとも2個の炭素原子を有するアルキル、ハロアルキル、アラルキル、アルケニル、アリール、又はアルキル、アルコキシ、若しくはハロで置換されたアリールから選択することができる。多くの実施形態において、R1基の全てがアルキルである。

式(III)中の各Yは、独立して、アルキレン、アリーレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせである。好適なアルキレン基は、典型的には、最大で10個の炭素原子、最大で8個の炭素原子、最大で6個の炭素原子、又は最大で4個の炭素原子を有する。代表的なアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、及びブチレン等が挙げられる。好適なアラルキレン基は、通常、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基に結合した、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基を有する。一部の代表的なアラルキレン基において、アリーレン部分はフェニレンである。すなわち、2価のアラルキレン基は、フェニレン−アルキレンであり、フェニレンは、1〜10個、1〜8個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレンに結合している。基Yに関して本明細書で使用する場合、「これらの組み合わせ」は、アルキレン基及びアラルキレン基から選択される2つ以上の基の組み合わせを指す。例えば、組み合わせは、単一のアルキレンに結合した単一のアラルキレン(例えば、アルキレン−アリーレン−アルキレン)であり得る。1つの代表的なアルキレン−アリーレン−アルキレンの組み合わせにおいて、アリーレンはフェニレンであり、各アルキレンは、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。

式(III)中の各下付き文字nは、独立して、40〜1500の整数である。例えば、下付き文字nは、最大で1000、最大で500、最大で400、最大で300、最大で200、最大で100、最大で80、又は最大で60の整数であり得る。nの値は、多くの場合、少なくとも40、少なくとも45、少なくとも50、又は少なくとも55である。例えば、下付き文字nは、40〜1000、40〜500、50〜500、50〜400、50〜300、50〜200、50〜100、50〜80、又は50〜60の範囲内であり得る。

下付き文字pは、1〜10の整数である。例えば、pの値は、多くの場合、最大で9、最大で8、最大で7、最大で6、最大で5、最大で4、最大で3、又は最大で2の整数である。pの値は、1〜8、1〜6、又は1〜4の範囲内であり得る。

式(III)中の基Gは、式R3HN−G−NHR3のジアミン化合物から2つのアミノ基(すなわち−NHR3基)を差し引いたものに等しい残基単位である。基R3は、水素若しくはアルキル(例えば、1〜10個、1〜6個、若しくは1〜4個の炭素原子を有するアルキル)である、又は、R3は、Gと、更にこれら両方が結合している窒素と共に、複素環基(例えば、R3HN−G−NHR3はピペラジン等である)を形成する。ジアミンは、第一級又は第二級アミノ基を有し得る。ほとんどの実施形態において、R3は水素又はアルキルである。多くの実施形態において、ジアミンのアミノ基の両方が第一級アミノ基であり(すなわち、両方のR3基が水素である)、ジアミンは、式H2N−G−NH2のジアミンである。

いくつかの実施形態において、Gは、アルキレン、ヘテロアルキレン、ポリジオルガノシロキサン、アリーレン、アラルキレン、又はこれらの組み合わせである。好適なアルキレンは、多くの場合、2〜10個、2〜6個、又は2〜4個の炭素原子を有する。代表的なアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、及びブチレン等が挙げられる。好適なヘテロアルキレンは、多くの場合、少なくとも2つのエチレン単位を有するポリオキシエチレン、少なくとも2つのプロピレン単位を有するポリオキシプロピレン、又はこれらのコポリマー等のポリオキシアルキレンである。好適なポリジオルガノシロキサンとしては、上記の式(II)のポリジオルガノシロキサンジアミンから2つのアミノ基を除いたものが挙げられる。代表的なポリジオルガノシロキサンとしては、これらに限定されるものではないが、アルキレンY基を有するポリジメチルシロキサンが挙げられる。好適なアラルキレン基は、通常、1〜10個の炭素原子を有するアルキレン基に結合した、6〜12個の炭素原子を有するアリーレン基を含有する。いくつかの代表的なアラルキレン基は、フェニレン−アルキレンであり、フェニレンは、1〜10個の炭素原子、1〜8個の炭素原子、1〜6個の炭素原子、又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレンに結合している。基Gに関して本明細書で使用する場合、「これらの組み合わせ」は、アルキレン、ヘテロアルキレン、ポリジオルガノシロキサン、アリーレン、及びアラルキレンから選択される2つ以上の基の組み合わせを指す。組み合わせは、例えば、アルキレンに結合したアラルキレン(例えば、アルキレン−アリーレン−アルキレン)であり得る。1つの代表的なアルキレン−アリーレン−アルキレンの組み合わせにおいて、アリーレンはフェニレンであり、各アルキレンは、1〜10個、1〜6個、又は1〜4個の炭素原子を有する。

ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドは、式−Ra−(CO)−NH−(式中、Raは、アルキレンである)を有する基を含まない傾向がある。コポリマー材料の主鎖に沿ったカルボニルアミノ基の全ては、オキサリルアミノ基(すなわち、−(CO)−(CO)−NH−基)の一部である。すなわち、コポリマー材料の主鎖に沿った任意のカルボニル基は、別のカルボニル基に結合し、オキサリル基の一部である。より具体的には、ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドは、複数のアミノオキサリルアミノ基を有する。

ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドは、直鎖状ブロックコポリマーであり、エラストマー材料である。脆性固体又は硬質プラスチックとして一般的に配合される、既知のポリジオルガノシロキサンポリアミドの多くとは異なり、ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドは、コポリマーの重量に基づいて、50重量%超のポリジオルガノシロキサンセグメントを含むように配合することができる。ジオルガノシロキサンのポリジオルガノシロキサンポリオキサミド中での重量%は、より高分子量のポリジオルガノシロキサンセグメントを用いることによって増大させることができ、ポリジオルガノシロキサンポリオキサミド中、60重量%超、70重量%超、80重量%超、90重量%超、95重量%超、又は98重量%超のポリジオルガノシロキサンセグメントを提供することができる。より多量のポリジオルガノシロキサンを用い、適切な強度を維持しながら、より低弾性率のエラストマー材料を調製することができる。

ポリジオルガノシロキサンポリオキサミドコポリマーは、低いガラス転移温度、熱的安定性及び酸化安定性、耐紫外線性、低表面エネルギー及び低疎水性、並びに多くの気体に対する高透過性といった、ポリシロキサンの望ましい特徴の多くを有する。更に、コポリマーは、良好ないし優れた機械的強度を呈する。

別の有用な部類のシリコーンエラストマーポリマーは、アミド系シリコーンコポリマーである。このようなポリマーは尿素系ポリマーに類似しており、尿素結合(−N(D)−C(O)−N(D)−)の代わりにアミド結合(−N(D)−C(O)−)(式中、C(O)は、カルボニル基を表し、Dは、式(I)についての上記定義と同一である)を含有する。基Dは、多くの場合、水素又はアルキルである。

アミド系コポリマーは、様々な異なる方法で調製することができる。アミド系コポリマーは、上記の式(II)に記載されたポリジオルガノシロキサンジアミンから開始し、例えばジエステル等の、ポリ−カルボン酸又はポリ−カルボン酸誘導体との反応によって調製することができる。いくつかの実施形態において、アミド系シリコーンエラストマーは、ポリジオルガノシロキサンジアミンと、アジピン酸のジメチルサリチレートとの反応によって調製される。

アミド系シリコーンエラストマーへの別の反応経路は、カルボン酸エステル等のシリコーンジカルボン酸誘導体を利用する。シリコーンカルボン酸エステルは、シリコーンヒドリド(すなわち、ケイ素−ヒドリド(Si−H)結合末端のシリコーン)とエチレン性不飽和エステルとのヒドロシリル化反応によって調製することができる。例えば、シリコーンジヒドリドは、エチレン性不飽和エステル、例えば、CH2=CH−(CH2)v−C(O)−OR(式中C(O)はカルボニル基を表し、vは最大で15の整数であり、Rはアルキル基、アリール基又は置換アリール基である)と反応させ、−Si−(CH2)v+2−C(O)−ORでキャップされたシリコーン鎖を得ることができる。−C(O)−OR基は、シリコーンジアミン、ポリアミン、又はこれらの組み合わせと反応可能なカルボン酸誘導体である。好適なシリコーンジアミン及びポリアミンは上述のもので、脂肪族、芳香族、又はオリゴマーのジアミン(例えば、エチレンジアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ポリオキシアルキレンジアミン等)が挙げられる。

別の有用な部類のシリコーンエラストマーポリマーは、シリコーンポリウレアウレタンブロックコポリマー等のウレタン系シリコーンポリマーである。シリコーンポリウレアウレタンブロックコポリマーは、ポリジオルガノシロキサンジアミン(シリコーンジアミンとも呼ばれる)と、ジイソシアネートと、有機ポリオールとの反応生成物を含む。このような材料は、−N(D)−B−N(D)−結合が−O−B−O−結合によって置換されていることを除き、構造的に式(I)の構造に極めて類似している。このようなポリマーの例は、米国特許第5,214,119(Leirら)に更に記載されている。

これらのウレタン系シリコーンポリマーは、有機ポリアミンの代わりに有機ポリオールを用いる以外は、尿素系シリコーンポリマーと同じ方法で調製される。典型的に、アルコールとイソシアネートとの間の反応はアミンとイソシアネートとの間の反応より遅いため、触媒が用いられる。触媒は、多くの場合、スズ含有化合物である。

シリコーンエラストマーポリマーは、溶媒系プロセス、無溶媒プロセス、又はこれらの組み合わせによって調製することができる。有用な溶媒系プロセスは、例えば、米国特許第5,214,119号(Leirら)に記載されている。シリコーンエラストマーポリマーの有用な製造方法はまた、米国特許第5,512,650号(Leirら)、及び同第5,461,134号(Leirら)、同第6,664,359号(Kangas)、同第6,846,893号(Shermanら)、及び同第6,407,195号(Shermanら)にも記載されている。

所望により、物理的に架橋されたエラストマーは、更に共有結合で架橋させる場合がある。例えば、物理的に架橋されたエラストマーに、末端若しくはペンダント(メタ)アクリレート基、湿気硬化基(例えば、シラン官能基)の紫外線(UV)硬化を施す場合がある、又は、物理的に架橋されたエラストマーを電子線等の高エネルギーに暴露する場合がある。シリコーンポリウレア材料及びシリコーンポリオキサミド材料は、それぞれ、米国特許第7,501,184号及び同第8,765,881号(シリコーンポリオキサミドエラストマー);同第7,371,464号(シリコーンポリオキサミド感圧接着剤);並びに同第5,214,114号及び同第5,461,134号(シリコーンポリウレア)に概説されている一般的な手順により調整することができる。

一実施形態において、シリコーン系アセンブリ層は、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマーを含む。好適な共有結合で架橋されたシリコーンとしては、例えば、縮合硬化、付加硬化、及びチオール−エン型反応を受ける、シリコーンエラストマー生成試薬から誘導されるものが挙げられる。好適な共有結合で架橋されたシリコーンの例としては、ビニル官能性前駆体及びケイ素ヒドリド前駆体から誘導されるものが挙げられる。一実施形態において、共有結合で架橋されたシリコーンは、ポリジメチルシロキサン系である。他の一実施形態において、一部のフェニル置換を用いてメチル基を置換し、例えば、得られる層の屈折率を調整することができる。米国特許第8,541,481号(Determanら)に記載のもののような、シリコーン流体から誘導された、電子線で架橋されたシリコーンもまた、使用され得る。ただし、これらの特性が、本明細書で概説した一般的な設計基準を満たすことを条件とする。付加硬化又は縮合硬化によって調製されたもののような、より従来の方法で合成されたシリコーン感圧接着剤もまた、使用することができる。ただし、これらの物理的特性が、本明細書で概説したように、中等度の応力下において低弾性率及び高い降伏に調整されることを条件とする。

市販の好適なビニル官能性シリコーンの例としては、比較的高分子量の、ビニル末端シリコーンが挙げられる。高分子量の、ビニル末端シリコーンの使用により、架橋の間に高分子量がもたらされ、したがって、架橋されたシリコーンの弾性率は比較的低くなる。市販の好適な多官能ヒドリド架橋剤の例としては、Dow Corningより入手可能な、SYL−OFF 7048、SYL−OFF 7488、及びSYL−OFF 7678が挙げられる。シリコーンネットワークの形成に用いられるヒドリド架橋剤対ビニルシリコーンの比は、ビニル官能性シリコーン前駆体のシリコーンネットワークへの完全又はほぼ完全な組み込みが達成され、得られたネットワークが高度に弾性であるようなものである。多官能ヒドリド架橋剤の一部がヒドリド末端シリコーンにより置換される場合には、より低分子量のビニル末端シリコーンもまた、用いることができる。ヒドリド末端シリコーンは、架橋剤としてよりも鎖延長剤として作用し、その結果、アセンブリ層の架橋密度を低下させる。ビニル末端シリコーン対ヒドリド末端シリコーンのモル比を調整することにより、アセンブリ層の架橋密度及びレオロジーを調整することができる。ヒドリド末端シリコーンの例としては、これらに限定されるものではないが、Gelestより入手可能なDMS−H11が挙げられる。

Pt系触媒もまた、付加硬化系における、共有結合で架橋されたシリコーンエラストマー生成試薬混合物の生成に必要である。Pt系触媒は、主成分のシリコーン上のビニル基と、架橋剤上のヒドリド基との間の反応を触媒する。市販のPt触媒の例としては、これらに限定されるものではないが、Gelestより入手可能なキシレン中の白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、SIP 6831.2、が挙げられる。典型的なPt触媒の濃度は、約50〜約150ppmのPtである。

任意に、Alfa Aesarより入手可能な1−エチニルシクロヘキサノール又はMomentiveより入手可能なマレイン酸ジアリル等の阻害剤を接着剤中に含ませ、浴寿命を延長することができる。シリコーン系アセンブリ層の構成成分を混合し、更にヘプタン及びトルエン等の溶媒で希釈し、コーティングに適切な粘度を得ることができる。

シリコーンエラストマーは、典型的には、最小の荷重の下で高い伸長をもたらすように設計されているが、これらは、所望の基材に対して十分な接着性を有さず、フレキシブルディスプレイアセンブリの用途で必要とされる厳格な耐久性要求事項に合格しない場合がある。したがって、粘着付与剤様のMQ樹脂を組成物中に含ませ、接着性のレベルを調整し、シリコーン系アセンブリ層が用いられるデバイスの耐久性を高める。概して、アセンブリ層に対するより低水準の接着性は許容することができ、広範な温度範囲(−25℃〜100℃)にわたる高せん断荷重が最も重大である。高濃度のMQ樹脂(すなわち、約55重量%)が、ガラス転移及び弾性率を上昇させる。したがって、いくつかの実施形態において、より低い濃度のMQ樹脂の使用が有益である場合がある。いくつかの実施形態において、シリコーン系アセンブリ層は、約5〜約50重量%のMQ樹脂、詳細には約10〜約50重量%のMQ樹脂を含み、シリコーン系アセンブリ層を含む多層フレキシブルディスプレイデバイスの接着性、せん断弾性率、動的せん断荷重、及び耐久性の間により良好なバランスをもたらす。

有用なMQ粘着付与樹脂としては、例えば、MQシリコーン樹脂、MQDシリコーン樹脂、及びMQTシリコーン樹脂が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は、多くの場合、数平均分子量が約100〜約50,000、又は約500〜約20,000のであり、概して、メチル置換基を有する。MQシリコーン樹脂は、非官能性樹脂と官能性樹脂の両方を包含し、官能性樹脂は、例えば、ケイ素結合水素、ケイ素結合アルケニル、及びシラノールといった1種以上の官能基を有する。

MQシリコーン樹脂は、R’3SiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)を有するコポリマーシリコーン樹脂である。このような樹脂は、例えば、Encyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,John Wiley&Sons,New York,(1989),pp.265〜270、並びに米国特許第2,676,182号(Daudtら)、同第3,627,851号(Brady)、同第3,772,247号(Flannigan)、及び同第5,248,739号(Schmidtら)に記載されている。官能基を有するMQシリコーン樹脂は、米国特許第4,774,310号(Butler)(シリルヒドリド基を記載)、同第5,262,558号(Kobayashiら)(ビニル基及びトリフルオロプロピル基を記載)、及び同第4,707,531号(Shirahata)(シリルヒドリド基及びビニル基を記載)に記載されている。上記の樹脂は、概して、溶媒中で調製される。乾燥又は無溶媒MQシリコーン樹脂は、米国特許第5,319,040号(Wengroviusら)、同第5,302,685ら(Tsumura)、及び同第4,935,484号(Wolfgruber)に記載のとおり調製される。

MQDシリコーン樹脂は、例えば、米国特許第5,110,890号(Butler)に記載のとおり、R’3SiO1/2単位(M単位)、SiO4/2単位(Q単位)、及びR’2SiO2/2単位(D単位)を有するターポリマーである。

MQTシリコーン樹脂は、R3SiO1/2単位(M単位)、SiO4/2単位(Q単位)、及びRSiO3/2単位(T単位)を有するターポリマーである(MQT樹脂)。

MQシリコーン樹脂は、多くの場合、有機溶媒中で供給される。市販の好適なMQ樹脂(粘着付与剤とも呼ばれる)の例としては、Dow Corningより供給される2−7066及びMomentiveにより供給されるSR545が挙げられ、トルエン中の60%溶液として入手可能である。一実施形態において、MQシリコーン樹脂はまた、2種以上のシリコーン樹脂のブレンドを含み得る。

シリコーンエラストマーポリマーが様々なプロセスから製造され得るように、シリコーン系アセンブリ層もまた、様々なプロセスから製造することができる。例えば、アセンブリ層は、溶媒系プロセス、無溶媒プロセス、又はこれらの組み合わせで調製することができる。

溶媒系プロセスにおいて、MQ樹脂は、ポリアミン及びポリイソシアネート等のポリマーの生成に用いられる反応物質を反応混合物中に加える前、加えている最中、又は加えた後に、加えることができる。反応は、溶媒中又は溶媒の混合物中で実施することができる。溶媒は、反応物質と非反応性であることが好ましい。出発物質及び最終生成物は、重合中及び重合の完了後、溶媒中に完全に混和したままであることが好ましい。これらの反応は、室温又は反応溶媒の沸点以下で実施することができる。反応は、概して、50℃以下の周囲温度で実施される。更に、エラストマーポリマーは、ポリマーが生成された後に、後で加えられたMQ樹脂との溶媒混合物中で調製することができる。

実質的に無溶媒のプロセスにおいて、ポリマーの生成に用いられる反応物と、MQ樹脂とを反応器中で混合し、反応物を反応させ、シリコーンエラストマーポリマーを生成させ、こうして接着剤組成物を形成する。更に、シリコーンエラストマーポリマーは、無溶媒プロセスにおいて、例えば、ミキサ又は押出機中で製造することができ、また、分離して、又は、単に押出機に移してMQ樹脂と混合することができる。

溶媒系プロセス及び無溶媒プロセスの組み合わせを含む1つの有用な方法は、無溶媒プロセスを用いてシリコーンエラストマーポリマーを調製した後、シリコーンエラストマーポリマーをMQ樹脂溶液と溶媒中で混合することを含む。

アセンブリ層組成物は、剥離ライナー上にコーティングする、キャリアフィルム上に直接コーティングする、フレキシブル基材フィルムと共に共押出成形する、又は、別の層として形成(例えば、剥離ライナー上にコーティングする)した後、フレキシブル基材へと積層することができる。いくつかの実施形態において、アセンブリ層は、後にフレキシブル基材に積層するため、2つの剥離ライナーの間に配置される。

開示された組成物又は前駆体は、ロールコーティング、スプレーコーティング、ナイフコーティング、及びダイコーティング等の、当業者に既知の任意の各種のコーティング法によりコーティングすることができる。シリコーン接着剤溶液は、転写接着剤を調製するため、フルオロシリコーンコーティングされたPETライナーSILFLU MD07(Siliconature S.p.A.(Italy))等のライナー上にコーティングすることができ、加熱して任意の溶媒を除去し、シリコーン接着剤を硬化させることができる。あるいは、シリコーン接着剤は、フレキシブルディスプレイの層のうちの1つの上に直接コーティングすることができ、加熱してシリコーン接着剤を乾燥及び/又は硬化させることができる。白金触媒を用い、ヒドリド官能性架橋剤によって架橋されたビニル官能性シリコーンの場合、接着剤混合物は、約100℃〜120℃の温度において1〜2分間で乾燥及び硬化させることができる。シリコーンポリウレア又はシリコーンポリオキサミドエラストマーをベースとするシリコーンPSAの場合、加熱は、任意の溶媒キャリアの乾燥に必要となるのみである。乾燥は、約60℃〜120℃の温度で実施することができる。

本発明はまた、シリコーン系アセンブリ層を含むラミネートを提供する。ラミネートは、2つのフレキシブル基材層又は複数の基材層の間に挟まれた、少なくとも1つのアセンブリ層の多層複合体と定義される。例えば、複合体は、基材/アセンブリ層/基材の3層複合体、基材/アセンブリ層/基材/アセンブリ層/基材の5層複合体等であり得る。このような多層積層体におけるフレキシブルアセンブリ層のそれぞれの厚さ、機械的特性、電気的特性(比誘電率等)、及び光学特性は同一であってもよいが、これらはまた、最終的なフレキシブルデバイスアセンブリの設計及び性能特性に、より適合するため、異なる場合もある。ラミネートは、以下の特性のうちの少なくとも1つを有する:ラミネートが用いられる物品の有用な耐用期間にわたる光透過性、ラミネートが用いられる物品の層間の十分な接着強度を維持する能力、層間剥離に対する抵抗性又は回避、及び有用な耐用期間にわたる気泡に対する抵抗性。気泡形成に対する抵抗性及び光透過性の保持は、加速経時保存試験を用いて評価することができる。加速経時保存試験において、シリコーン系アセンブリ層を2つの基材の間に配置する。次いで、得られたラミネートを、ある期間、多くの場合、高湿度と組み合わせ、高温に曝露する。高温及び高湿に暴露した後でさえも、シリコーン系アセンブリ層を含むラミネートは、光学的透明度を保持する。例えば、シリコーン系アセンブリ層及びラミネートは、70℃及び相対湿度90%で約72時間経時保存し、続いて室温まで冷却した後、光学的に透明なままである。経時保存後、接着剤の400ナノメートル(nm)〜700nmにおける平均透過率は約90%超であり、ヘイズは約5%未満、詳細には約2%未満である。

使用において、シリコーン系アセンブリ層は、氷点のはるか下(すなわち、−30℃、−20℃、又は−10℃)〜約70、85又は90℃の広範な温度範囲における、数千回にわたる折り曲げサイクルの疲労に耐える。更に、シリコーン系アセンブリ層を組み込んだディスプレイは、折り曲げられた状態で数時間静止して置かれる場合があるため、シリコーン系アセンブリ層は最小のクリープを有するか、クリープがなく、ディスプレイの顕著なひずみを防止し、たとえひずみがあったとしても、部分的にのみ回復可能であり得るひずみを防止する。シリコーン系アセンブリ層又はパネル自体のこの永久ひずみは、光学的ひずみ又はむらの原因となることがあり、ディスプレイ産業では許容できない。そのため、シリコーン系アセンブリ層は、ディスプレイデバイスを折り曲げることによってもたらされた相当な曲げ応力に耐えることができ、また、高温高湿(HTHH)試験条件にも耐える。最も重要なこととしては、シリコーン系アセンブリ層は、並外れて低い貯蔵弾性率及び高い伸長を、広範な温度範囲(氷点をはるかに下回り、したがって、低ガラス転移温度が好ましい)にわたって有し、架橋され、静荷重下でほとんど又は全くクリープがないエラストマーを生成する。

折り曲げ又は折り曲げ解除の発生中、シリコーン系アセンブリ層は著しいひずみを受け、応力を引き起こすことが予想される。これらの応力に抵抗する力は、シリコーン系アセンブリ層を含む、折り曲げられるディスプレイの層の弾性率及び厚さにより、部分的に求められる。折り曲げに対する低い抵抗性及び適切な性能、最小の応力の発生、並びに曲げの発生に伴う応力の良好な消散を確保するため、シリコーン系アセンブリ層は、十分に低い貯蔵弾性率又は弾性率(多くの場合、せん断貯蔵弾性率(G’)で特徴づけられる)を有する。この挙動の一貫性を、このようなデバイスについて予想される使用温度範囲にわたって更に確保するため、広範な、かつ相応する温度範囲にわたり、G’の変化は最小である。一実施形態において、相応する温度範囲は、約−30℃〜約90℃である。一実施形態において、せん断弾性率は、相応する温度範囲全体にわたり、約2MPa未満、詳細には約1MPa未満、より詳細には約0.5MPa未満、最も詳細には約0.3MPa未満である。したがって、ガラス転移温度(Tg)(物質がガラス状状態に移行する温度)を、典型的には約107Pa超の値に相当するG’の変化により、この相応する操作範囲外、かつこの範囲より低く設定するのが好ましい。一実施形態において、フレキシブルディスプレイ中のシリコーン系アセンブリ層のTgは、約10℃未満、詳細には約−10℃未満、より詳細には約−30℃未満である。本明細書で使用する場合、用語「ガラス転移温度」又は「Tg」は、ポリマー材料がガラス状状態(例えば、脆性、剛性、及び強剛性)からゴム状状態(例えば、可撓性及びエラストマー)に移行する温度を指す。Tgは、例えば、動的機械分析(DMA)等の手法を用いて測定することができる。一実施形態において、フレキシブルディスプレイ中のシリコーン系アセンブリ層のTgは、約10℃未満、詳細には約−10℃未満、より詳細には約−30℃未満である。

アセンブリ層は、典型的には、乾燥厚約300μm未満、詳細には約50μm未満、詳細には約20μm未満、より詳細には約10μm未満、最も詳細には約5μm未満でコーティングされる。アセンブリ層の厚さは、フレキシブルディスプレイデバイス中の位置に従って最適化され得る。デバイスの全厚を低下させ、並びに複合構造体の座屈、クリープ、又は層間剥離不良を最小化するため、アセンブリ層の厚さを低減することが好ましい場合がある。

シリコーン系アセンブリ層が、曲げ応力を吸収し、急激に変化する曲げ又は折り曲げの形状に適合する能力は、相応する負荷された応力下での大きなひずみ又は伸長を受けるこのような材料の能力によって特徴づけることができる。この適合挙動は、従来の引張伸び試験並びにせん断クリープ試験といった、多くの方法によって精査することができる。一実施形態では、せん断クリープ試験において、シリコーン系アセンブリ層は、負荷されたせん断応力約5kPa〜約500kPa、詳細には約20kPa〜約300kPa、より詳細には約50kPa〜約200kPaの下で、少なくとも約6×10−6 1/Pa、詳細には少なくとも約20×10−6 1/Pa、約50×10−6 1/Pa、より詳細には少なくとも約90×10−6 1/Paのせん断クリープコンプライアンス(J)を呈する。試験は通常室温で実施されるが、フレキシブルデバイスの使用に相応する任意の温度で実施される場合もある。

シリコーン系アセンブリ層はまた、比較的低いクリープを呈し、繰り返しの折り曲げ又は曲げの発生後のディスプレイの多層複合体における持続するひずみを防止する。材料のクリープは、一定のせん断応力が、所与の時間にわたって材料に負荷される、簡便なクリープ実験によって測定することができる。応力が解除されると、もたらされたひずみの回復が確認される。一実施形態において、負荷された応力の解除後1分以内のせん断ひずみ回復(少なくとも約5kPa〜約500kPaの範囲内で負荷されたせん断応力の少なくとも1点における)は、室温で、せん断応力の負荷時に確認されたピークひずみの少なくとも約50%、詳細には少なくとも約60%、約70%及び約80%、並びにより詳細には少なくとも約90%である。試験は通常室温で実施されるが、フレキシブルデバイスの使用に相応する任意の温度で実施される場合もある。

更に、シリコーン系アセンブリ層が、折り曲げ又は曲げの発生中に最小の応力を発生し、応力を消散する能力は、シリコーン系アセンブリ層が、層間不良を防止する能力、並びにフレキシブルディスプレイアセンブリのより脆弱な構成要素を保護する能力にとって非常に重要である。応力の発生及び消散は、材料が相応のせん断ひずみ量を負荷された後、そのせん断ひずみ量で保持される、従来の応力緩和試験を用いて測定することができる。続いて、せん断応力の量を、材料が、この対象となるひずみで保持された時間にわたって確認する。一実施形態において、約500%のせん断ひずみ、詳細には約600%、約700%、及び約800%、並びにより詳細には約900%のひずみに続き、5分後に確認された残留応力(測定されたせん断応力をピークせん断応力で除算したもの)は、ピーク応力の約50%未満、詳細には約40%未満、約30%未満、及び20%未満、並びにより詳細には約10%未満である。試験は通常室温で実施されるが、フレキシブルデバイスの使用に相応する任意の温度で実施される場合もある。

アセンブリ層として、シリコーン系アセンブリ層は、ディスプレイアセンブリ内の隣接した層に十分に良好に接着し、繰り返しの曲げ及び折り曲げ作用を含むデバイスの使用中の層の層間剥離を防止しなくてはならない。複合体の正確な層はデバイス固有であるが、PET等の標準的な基材への接着が、従来の180度剥離試験モードにおけるアセンブリ層の一般的な接着性能の測定に用いられ得る。接着剤はまた、十分に高い凝集力を必要とし得る。凝集力は、例えば、2つのPET基材の間のアセンブリ層材料のラミネートとして、従来のT型剥離モードで測定することができる。

シリコーン系アセンブリ層を2つの基材の間に配置してラミネートを形成し、ラミネートを折り曲げ、又は、曲げ、相応の曲率半径で保持するとき、ラミネートは、全ての使用温度間(−30℃〜90℃)で、座屈又は層間剥離(フレキシブルディスプレイデバイスにおける材料不良の代表的な事象である)を起こさない。一実施形態において、シリコーン系アセンブリ層を含有する多層ラミネートは、約200mm未満、約100mm未満、約50mm未満、詳細には約20mm未満、約15mm未満、約10mm未満、約5mm未満、並びにより詳細には約2mm未満の曲率半径を負荷するチャネル内に約24時間の期間にわたって定置したとき、不良を呈さない。更に、チャネルから取り出し、曲がった配置からその以前の平坦な配置に復帰させると、本発明のシリコーン系アセンブリ層を含むラミネートは、持続するひずみを呈さず、速やかに平坦又はほぼ平坦な配置に復帰する。一実施形態において、ラミネートを、詳細には50mm未満、詳細には約20mm未満、約15mm未満、約10mm未満、及び約5mm未満、並びにより詳細には約3mmの曲率半径で保持するチャネルから、24時間保持した後に取り出したとき、複合体はほぼ平坦な配置に復帰し、ラミネート、ラミネートの屈曲点及び復帰した面の間の最終的な角度は、ラミネートをチャネルから取り出した後1時間以内で、約50度未満、より詳細には約40度未満、約30度未満、及び約20度未満、並びにより詳細には約10度未満である。換言すれば、折り曲げられたラミネートの平坦部分の間の夾角は、ラミネートをチャネルから取り出した後1時間以内に、チャンネル中の0度から、少なくとも約130度、詳細には約140度超、約150度超、及び約160度超、並びにより詳細には約170度超の角度まで広がる。この復帰は、好ましくは、耐久試験条件への暴露後を含む通常の使用条件下で得られる。

上記の静的な折り曲げ試験挙動に加え、シリコーン系アセンブリ層と接着された第1及び第2の基材を含むラミネートは、動的折り曲げシミュレーション試験中に、座屈又は層間剥離等の不良を呈さない。一実施形態において、ラミネートは、自由曲げモードの(すなわちマンドレルを使用しない)動的折り曲げ試験(約10,000サイクル超、詳細には約20,000サイクル超、約40,000サイクル超、約60,000サイクル超、及び約80,000サイクル超、並びにより詳細には約100,000サイクル超の、曲率半径約50mm未満、詳細には約20mm未満、約15mm未満、約10mm未満、及び約5mm未満、並びにより詳細には約3mmの折り曲げ)において、全ての使用温度間(−30℃〜90℃)で、不良事象を呈さない。

フレキシブルラミネートを形成するため、本発明のアセンブリ層を第1の基材と第2の基材との間に配置することにより、第1の基材は、第2の基材に接着される。追加の層も含ませ、多層積層体を形成する場合もある。次いで圧力及び/又は熱を加え、フレキシブルラミネートを形成する。

本発明は、以下の実施例においてより詳細に説明されるが、実施例は例示のみを意図している。これは、本発明の範囲内の多数の変更及び変形が、当業者には明らかであるためである。特に断りのない限り、以下の実施例において報告される全ての部、百分率、及び比は、重量に基づく。

試験方法 光学特性 光学測定は、UltrascanPro Spectrophotometer(HunterLab(Reston,VA))を透過モードで用いて実施した。剥離コーティングされたキャリアライナー(2mil SILFLU S 50M 1R82001及び2 mil SILFLU S 50M 1R88002luorosiliconeコーティングされたPETライナー(Siliconature S.p.A.(Italy))の間に2mil厚でコーティングされた、光学的に透明な接着剤(OCA)の試料を、幅約5cm、長さ約10cmにカットした。キャリアライナーの1つを取り外し、試料を1mm厚のLCDガラスの透明な断片に積層した。次に、もう一方のライナーを取り外し、試料をUltrascanPro Spectrophotometer(HunterLab)に入れ、OCA/ガラスアセンブリの透過率、ヘイズ及びb*を測定した。ガラスのバックグラウンドも測定し、アセンブリの透過率、ヘイズ及び色を補正した。したがって、報告値は、OCAの特性のみを反映している。更なる試料(50μm圧のSkyrol SH81(SKC Koreaより)/OCA/ガラススライド)を調製し、3つの方法のうちの1つを用いて経時保存した。第1の方法では、試料をチャンバ内に入れ、室温から85℃及び相対湿度25%まで1時間で昇温し、6時間保持し、1時間にわたって室温に戻ることからなる温度サイクルに暴露した。第2の方法では、試料を85℃で250、500、及び1000時間経時保存した。第3の方法では、試料を85℃及び相対湿度85%に250、500、及び1000時間暴露した。第4の方法では、試料を65℃及び相対湿度90%に250、500、及び1000時間暴露した。試料を湿度チャンバから取り出し、室温まで冷却し、透過率パーセント、ヘイズパーセント及びb*の測定を繰り返した。

レオロジー レオメトリーを用い、せん断弾性率を温度の関数として精査し、また、材料のガラス転移温度(Tg)を測定した。OCAの直径8mm、厚さ約1mmの円板を、Ares 2000平行板レオメータ(TA Instruments(New Castle,DE))のプローブの間に定置した。温度走査は、−75℃から150℃に毎分3℃昇温して実施した。この昇温中、試料を振動数1Hz及びひずみ約0.4%で振動させた。せん断貯蔵弾性率(G’)を、選択した主要な温度で記録した。材料のTgもまた、タンデルタ対温度プロファイルにおけるピークとして求めた。

クリープ試験 直径8mm、厚さ0.25mmの円板をDHR平行板レオメータに定置し、95kPaのせん断応力を5秒間負荷し、その時点で負荷した応力を解除し、試料を固定具で60秒間回復させることにより、OCA試料にクリープ試験を実施した。5秒におけるピークせん断ひずみ及び60秒後のひずみ回復の量を記録した。応力を負荷した後の任意の時間におけるせん断クリープコンプライアンスJは、その時間のせん断ひずみを、負荷した応力で除算した比と定義される。OCA内の十分なコンプライアンスを確保するため、上記の試験において荷重を加えた後のピークせん断ひずみは、約200%超であることが好ましい。更に、フレキシブルアセンブリ内の材料クリープを最小化するため、負荷した応力を解除した60秒後に、材料が約50%超のひずみを回復することが好ましい。回復可能ひずみ率パーセントは、((S1−S2)/S1)×100(式中、S1は、応力を負荷した5秒後のピークで記録されたせん断ひずみであり、S2は、負荷した応力を解除した60秒後に測定されたせん断ひずみである)と定義される。

応力緩和試験 直径8mm、厚さ0.25mmの円板をDHR平行板レオメータ(TA Instruments(New Castle,DE))に定置し、900%のせん断ひずみを負荷することにより、OCA試料に応力緩和試験を実施した。このひずみから得られたピーク応力及び応力減衰を5分間にわたって記録した。応力緩和は、以下の式により算出した:(1−(Sf−Sp))×100%(式中、Sp及びSfは、ピーク及び最終(5分)点で記録されたせん断ひずみである)。

T型剥離試験 約100μm厚のOCA層を、プライマー処理した75μm厚のポリエチレンテレフタレート(PET)の2つの層の間に積層した。このラミネートから、幅1インチ、長さ6インチのストリップを試験用にカットした。引張試験を容易にするため、PETは、各試験ストリップの一端にOCAを含まなかった。各PETライナーのOCAを含まない一端を、Instron装置(Instron(Norwood,MA))の引張グリップに定置した。次に、積層したストリップを、剥離接着の力をグラム単位で測定しながら、50mm/分の速度で剥離した。各実施例について3回の剥離試験を実施した後、得られた剥離力を平均した。不良の様相を、材料の凝集力の良好な測定をもたらした接着剤の凝集破壊のみと共に記録した。

せん断試験 約100μm厚のOCA層を、75μm厚及び約2cm幅のプライマー処理したPETの2つの層の間に積層した。幅2cm、長さ2cmの接着フィルムの重なりを用い、各フィルムストリップの自由端を、Instron装置の引張グリップに定置した。次に、力をグラム単位で測定しながら、構造体を30mm/分の速度でせん断した。各実施例について3回のせん断試験を実施した後、得られたせん断力を平均した。

静的折り曲げ試験 2mil厚のOCAで作製された転写テープのライナーを取り外し、OCAをポリイミドの1.4mil厚のシートの間に積層した後、幅1”及び長さ5”にカットした。次に、試料を3mmの曲率半径で曲げ、その状態で24時間保持した。24時間後に試料を取り外し、24時間回復させた後、その最終的な角度(平面に対して)を記録した。試験は、−20℃、室温、65℃/90%RH及び85℃/85%RHで実施した。

動的折り曲げ試験 2mil厚のOCA転写テープを、ポリイミドの1.7milのシートの間に積層した後、長さ5”、幅1”にカットした。180度(すなわち、試料が曲げられていない)から0度(すなわち、ここで試料が曲げられている)まで数千回のサイクル回転する2つの折り曲げテーブルを備えた動的折り曲げ装置に、試料を固定した。試験速度は約20サイクル/分である。曲げ半径3mmが、閉じた状態(0度)の2つの強固なプレート間の間隙により決定される。曲率の誘導に、マンドレルは用いなかった。すなわち、自由曲げフォーマットを用いた。折り曲げは、室温で行った。

ポリマー配合物及び試験結果 物理的に架橋されたシリコーンポリウレア及びシリコーンポリオキサミドの光学的に透明な接着剤 シリコーンポリウレアポリマー及びシリコーンポリオキサミドポリマーは、それぞれ米国特許に概説された一般的な手順に従って調製した:シリコーンポリオキサミドエラストマー:米国特許第7,501,184号、同第8,765,881号;シリコーンポリオキサミド感圧接着剤(PSA):同第7,371,464号;及びシリコーンポリウレタン:同第5,214,114号、同第5,461,134号(これらはPSAを含む)。用いた材料を表1に示す。また、シリコーンポリウレア及びシリコーンポリオキサミドの配合を表2に示す。

シリコーンポリオキサミドOCA及びシリコーンポリウレアOCAの、−25℃、−20℃、0℃、25℃、60℃、65℃におけるせん断貯蔵弾性率及びTgを、レオロジー試験法の項に記載の方法により測定した。貯蔵弾性率の結果及びTgを表3に示す。これらの試料のそれぞれのせん断貯蔵弾性率Gが、−20℃においても2MPa未満であることが好ましい。クリープ試験を上記のとおり実施し、結果を表4に示す。シリコーンポリオキサミドOCA及びシリコーンポリウレアOCAの180°剥離及びT型剥離試験の結果もまた、表4に示す。応力が90kPaの場合であっても、せん断ひずみが300%超であり、95kPaの応力に続いて負荷した応力が解除された際、回復が元のひずみの50%超であることが好ましい。光学特性を表5に示す。

実施例3、7、及び9の光学特性は測定しなかった。

共有結合で架橋されたシリコーンの光学的に透明な接着剤 共有結合で架橋された、付加硬化されたシリコーンOCAの実施例は、表6に記載の材料を用いて調製した。

測定を容易にするため、ヘプタン中10%の7488架橋剤、10%SIP 6831.2 Pt触媒錯体ヘプタン溶液及びヘプタン中1%のDMS−H11のプレミックスをまず調製した。白金触媒を最後に加えた(ビニル官能性シリコーンに対して120ppmのPt濃度で)。表7の各シリコーンOCA配合物に対応する溶液を、ヘプタンで希釈し、20%固体で調製した。30重量%、40重量%又は50重量%のMQ樹脂を含有し、DMS−H11ヒドリド末端ポリジメチルシロキサンを含有する、又は、含有しないOCAを調製した。ヒドリド末端シリコーンを含有する試料については、ビニル末端シリコーン対ヒドリド末端シリコーンのモル比は2/1であった。

シリコーンOCA溶液を、2milのSILFLU S 50M 1R88002フルオロシリコーンでコーティングしたPETライナー(Siliconature S.p.A.(Italy))上に、ナイフコータを用い、乾燥及び硬化後に2mil厚のOCAを得るよう設定した間隙でコーティングした。溶媒を除去し、OCAを硬化させるため、コーティング物を110℃のオーブン中に5分間入れた。次に、剥離ライナーを、OCAコーティングの開放表面にドライラミネートした。

シリコーンOCAの、−25℃、−20℃、0℃、25℃、60℃、65℃におけるせん断貯蔵弾性率及びTgを、レオロジー試験法の項に記載の方法により測定した。シリコーンOCAの、−25℃、−20℃、0℃、25℃、60℃、65℃におけるせん断貯蔵弾性率及びTgを、レオロジー試験法の項に記載の方法により測定した。せん断貯蔵弾性率及びTgの結果を表8に示す。試料のそれぞれは、せん断弾性率が2MPa未満であることが好ましい。クリープ試験を上記のとおり実施し、結果を表9に示す。応力が90kPaの場合であっても、せん断ひずみが300%超であり、95kPaの応力に続いて負荷した応力が解除された際、回復が元のひずみの50%超であることが好ましい。共有結合で架橋されたシリコーンの180°剥離及びT型剥離試験の結果を、表9に示す。

本発明について、好ましい実施形態を参照して説明してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく形状及び細部において変更がなされ得ることを認識するであろう。

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