Polyurethane / poly alkyl amine polymer compositions and methods for their production

申请号 JP2008502076 申请日 2006-03-14 公开(公告)号 JP2008533286A 公开(公告)日 2008-08-21
申请人 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company; 发明人 サウアー,ブライアン・ベネデイクト; ハワード,エドワード・ジヨージ・ジユニア; マツキニー,ロナルド・ジエイムズ; ロイド,ラルフ・バーチヤード;
摘要 本発明は、化学バリアとして有用なポリマー組成物、および、本ポリマー組成物を含んでなるフィルム、ラミネート、および物品、並びに本ポリマー組成物の製造方法に関し、本ポリマー組成物は、ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなり、本ポリマー組成物は、沸騰 水 と5分間 接触 した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満である。
权利要求
  • ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなる化学バリアとして有用なポリマー組成物であって、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満であるポリマー組成物。
  • ポリアルキルアミンが、ポリウレタン網目構造中に、ポリマー組成物中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして50%以下の量で組み込まれている請求項1に記載のポリマー組成物。
  • ポリアルキルアミンがポリアルキレンイミンである請求項1に記載のポリマー組成物。
  • ポリアルキルアミンがポリアリルアミンである請求項1に記載のポリマー組成物。
  • ポリアルキルアミンの少なくとも一部が、ポリウレタン網目構造と化学的に架橋される請求項1に記載のポリマー組成物。
  • バリアフィルムとして存在する請求項1に記載のポリマー組成物。
  • 支持体と組み合わせてラミネートを形成して存在する請求項1に記載のポリマー組成物。
  • ポリウレタン網目構造中にポリアルキルアミンを含んでなるポリマー組成物の製造方法であって、
    a)ポリウレタンをポリアルキルアミンと接触させる工程と、
    b)ポリウレタンおよびポリアルキルアミンを混合する工程と、
    c)ポリマー組成物が、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満となるのに十分な時間、混合物を80〜200℃の温度で硬化させる工程とを含んでなる方法。
  • ポリウレタン網目構造中にポリアルキルアミンを含んでなるバリアフィルムの製造方法であって、
    a)ポリウレタンを水性エマルションで提供する工程と、
    b)エマルションをポリアルキルアミンと接触させ、混合物を形成する工程と、
    c)混合物のフィルムを流延する工程と、
    d)フィルムから水を除去する工程と、
    e)バリアフィルムが、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満となるのに十分な時間、フィルムを120〜200℃の温度で硬化させる工程とを含んでなる方法。
  • ラミネートの形成方法であって、
    a)第1のポリマーフィルムが取り付けられている基材を提供する工程、
    b)ポリアルキルアミンとポリウレタンとを含んでなる第2のポリマー混合物の層を第1のポリマーフィルムに取り付ける工程であって、混合物中のポリアルキルアミンがポリウレタン網目構造に、第2のポリマー混合物中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして50%以下の量、組み込まれる工程、
    を含んでなる方法。
  • 说明书全文

    本発明は、例えば、フィルム、コーティング又はラミネートの形態の化学バリア層として有用なポリアルキルアミンを含んでなるポリウレタンポリマー組成物に関する。 本ポリマー組成物は、有害なガス剤の通過を防止すると同時に蒸気の通過を可能にする防護服などの物品およびテントなどの集合構造にも有用である。

    化学剤又は生物剤からの保護を提供する様々なバリア材料が当該技術分野で既知である。 例えば、特許文献1(ブルーアー(Brewer)ら)は、有害剤および/又は有毒剤から保護するため、ポリエチレンイミン、および、ポリビニルアルコールとポリビニルアルコールコ−エチレンの一方又は両方を含んでなるポリマー組成物を開示している。 特許文献2(ウー(Wu))は、耐水性があるが透湿性もあり可撓性の2層の材料の間に挟持された架橋されたポリアルキルアミンの層を含んでなる複合材料である保護カバーを開示している。 特許文献3(メイプルズ(Maples))は、ポリアミンポリマーのシートを含んでなる選択的透過性がある保護カバーを開示しており、ここでポリアミンポリマーのアミンの少なくとも10%がアミン−酸部分である。

    ポリアルキレンイミンおよび他のポリアミンは、水蒸気を高速で移動させると同時にある一定の化学剤又は生物剤を遮断することができるため、これらに関して所望されている。 これらの材料は、化学バリア試験で制御された条件では良好に機能できるが、保護物品中におけるこれらの材料の実際的な使用にはそれ自体の課題がある。 液体の水と接触したとき、これらの材料は劇的に膨張する傾向があり、水と接触したままにされると溶解する。 従って、この材料を防護服に使用する場合、洗濯のプロセスが大きな問題になるか、又はこの材料をテントに使用する場合、雨などの環境の考慮事項が主な問題となる。 よくても、ポリアルキルイミンが物品から洗い流されるか、又は浸出する可能性があり、最悪の場合は、材料の膨潤のため物品の一体性が損なわれる。

    国際公開第2003062321号パンフレット

    米国特許第5,391,426号明細書

    米国特許第6,395,383号明細書

    化学剤や生物剤は非常に現実的な脅威であるため、これらの脅威に対処する能のあらゆる改善が望まれている。 特に、フィルム、ラミネート、および物品に使用でき、水と接触したときに改善された耐久性を提供するあらゆるポリマーが望まれている。

    本発明は、ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなる化学バリアとして有用なポリマー組成物であって、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満であるポリマー組成物、並びに、本ポリマー組成物を含んでなる造形品、防護服、および構造に関する。

    本発明は、
    a)ポリウレタンをポリアルキルアミンと接触させる工程と、
    b)ポリウレタンおよびポリアルキルアミンを混合する工程と、
    c)ポリマー組成物が、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満となるのに十分な時間、混合物を80〜200℃の温度で硬化させる工程とを含んでなる、ポリウレタン網目構造中にポリアルキルアミンを含んでなるポリマー組成物の製造方法にも関する。

    本発明の一実施形態は、ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなるバリアフィルムであって、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満であるバリアフィルム、並びに、本バリアフィルムを含んでなる造形品、防護服、および構造に関する。

    本発明の他の実施形態は、
    a)ポリウレタンを水性エマルションで提供する工程と、
    b)エマルションをポリアルキルアミンと接触させ、混合物を形成する工程と、
    c)混合物のフィルムを流延する工程と、
    d)フィルムから水を除去する工程と、
    e)バリアフィルムが、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満となるのに十分な時間、フィルムを120〜200℃の温度で硬化させる工程とを含んでなる、ポリウレタン網目構造中にポリアルキルアミンを含んでなるバリアフィルムの製造方法に関する。

    本発明の別の実施形態は、I)ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなるポリマーバリア層と、ii)支持基材とを含んでなるラミネートであって、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が20%未満であるラミネート、並びに、本ラミネートを含んでなる防護服および構造に関する。

    本発明の他の実施形態は、
    a)第1のポリマーフィルムが取り付けられている基材を提供する工程、
    b)ポリアルキルアミンとポリウレタンとを含んでなる第2のポリマー混合物の層を第1のポリマーフィルムに取り付ける工程であって、混合物中のポリアルキルアミンがポリウレタン網目構造に、第2のポリマー混合物中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして50%以下の量、組み込まれる工程、
    を含んでなる、ラミネートの形成方法に関する。

    ポリマー組成物 本発明は、ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなる化学バリアとして有用なポリマー組成物に関し、ポリマー組成物は、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満である。 化学バリアは、危険な又は望ましくない化学物質、ガス、および生物剤等に対する耐性を提供する任意の構造と理解される。 具体的には、本発明のポリマー組成物並びに関連するフィルムおよびラミネートは、有毒な産業用材料、並びに、糜爛剤(例えば、マスタード(HD))およびGクラス神経剤(例えば、タブン(GA)、サリン(GB)およびソマン(GD))などの化学戦剤に対して有用である。

    本発明のポリマー組成物は、ポリウレタンとポリアルキルアミンとの混合物を含んでなる。 ポリウレタンは、当該技術分野で周知であり、一般に、ジイソシアネートとポリジオールとの反応により製造され、鎖延長のため低分子量のジオールが添加される。 ポリウレタンの代表的な製造方法は、1992年、アムステルダム(Amsterdam)のエルゼビア、応用科学(Elsevier,Applied Science)によって出版された、ヘプバーン,C. 「ポリウレタンエラストマー」(Hepburn,C.,“Polyurethane Elastomers”)に見出すことができる。

    本発明に有用な好ましいポリウレタンは、水蒸気を移動させることができる。 幾つかの実施形態では、これらは水性エマルション又は分散体の形態で入手可能である。 例えば、これらのエマルション又は分散体をフィルムとして流延した後、乾燥させると、残存するポリウレタンの層は、厚さ25ミクロンの連続フィルムで透湿度(MVTR)が約1Kg/m /24時間又はそれ以上である。 好ましいポリウレタンは、オハイオ州クリーブランド(Cleveland,Ohio)のノベオン社(Noveon Corporation)から入手可能なペルマックス(Permax)(登録商標)200ポリウレタン水性分散体である。

    本発明のポリマー組成物はまた、ポリアルキルアミンを含んでなる。 この部類のポリマーとしては、アミン基を含有するパラフィン系炭化水素ポリマーが挙げられる。 幾つかの実施形態では、ポリアルキルアミンとして、ポリアルキレンイミン、ポリアリルアミン、又はこれらの共重合体若しくは混合物が挙げられる。 典型的には、ポリアルキルアミンは、直鎖又は分岐鎖構造のどちらかを有してもよく、重量平均分子量が約5,000〜2,000,000、好ましくは約50,000〜1,000,000である。

    最も好ましいポリアルキルアミンは、ポリアルキレンイミンである。 有用なポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミンおよびポリプロピレンイミンが挙げられ、好ましいポリアルキレンイミンはポリエチレンイミンである。 ポリエチレンイミンの直鎖の形態は、繰り返し単位構造(−NR −CH −CHR −) を有し、環式モノマーのエチレンイミン(アジリジン)から製造されることが多い。 繰り返し単位の数、nは、任意の正の整数とすることができ、R とR は、水素、アルキル基若しくはアルカニル基、又はエチル基を介して連結された前述の繰り返し単位のどちらかとすることができる。 ポリマーは、また、高分岐鎖とすることもできる。 好ましいポリエチレンイミンは、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Milwaukee,Wisconsin)のアルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical)から水溶液として入手可能である。

    本発明のポリマー組成物は、ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなる。 網目構造は、化学結合又は物理的結合により相互に連結され三次元分子網目構造を形成するポリマーセクションを有する。 幾つかの実施形態では、ポリウレタン網目構造は架橋されたポリウレタンポリマーを含んでなると考えられる。 他の実施形態では、ポリアルキルアミンの少なくとも一部がポリウレタン網目構造と化学的に架橋されると考えられる。 更に他の実施形態では、ポリウレタン又はポリアルキルアミンを架橋させるか又はそれと化学的に反応する添加剤の使用により、三次元分子網目構造の形成を容易にすることができると考えられる。 好ましい実施形態では、ポリアルキルアミンはポリウレタン網目構造に組み込まれ、ポリウレタン網目構造によって被包されるか、ポリウレタン網目構造によって一部若しくは全部不動化されるか、ポリウレタン網目構造に化学的に結合するか、又はポリウレタン網目構造と架橋される。 本発明の最も好ましい実施形態では、ポリアルキルアミン材料は、ポリウレタン網目構造中に実質的にインターロックされ、液体の水によってポリマー組成物からポリアルキルアミンが過剰に浸出することを効果的に防止する。

    他の実施形態では、架橋剤、好ましくは、ポリエポキシド、ポリ塩基性エステル、アルデヒド、ホルムアルデヒド、ケトン、ハロゲン化アルキル、イソシアネート、有機酸、尿素類、酸無水物、ハロゲン化アシル、クロロホルメート、アクリロニトリル、アクリレート、メタクリレート、炭酸ジアルキル、チオイソシアネート、硫酸ジアルキル、シアナミド、ハロホルメート、およびメラミンホルムアルデヒドからなる部類から選択されるものを添加して、ポリウレタン網目構造の形成を容易にすることができると考えられる。

    本発明の好ましい実施形態では、本発明のポリマー組成物は活性アミン官能基を有する、即ち、ポリアルキルアミンはポリウレタン網目構造に組み込まれた後、1グラム当たり少なくとも1ミリ当量の活性アミンを有する。 活性アミンはpK が9以上のものである。 1グラム当たり少なくとも1ミリ当量とは、ポリウレタン網目構造に組み込まれたポリアルキルアミン1グラム当たり、反応に使用可能な活性アミンが少なくとも1ミリモルあることを意味する。 活性アミンの量は、ポリマー組成物、又はフィルム等のサンプルの滴定などの既知の方法で容易に決定することができる。

    本発明のポリマー組成物の一実施形態では、ポリアルキルアミンは、ポリマー組成物中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして50%以下の量でポリウレタン網目構造に組み込まれる。 別のより好ましい実施形態では、ポリアルキルアミンは、ポリマー組成物中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして35%以下の量でポリウレタン網目構造に組み込まれる。 このより好ましい実施形態は、ポリマー組成物が液体の水と接触する可能性のあるフィルムやラミネートに使用されるとき、とりわけ安定であることが分かった。

    本発明のポリマー組成物は、沸騰水と5分間接触した状態に置かれた後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満、好ましくはポリアルキルアミンの重量減少が30%未満である。 最も好ましい実施形態では、ポリマー組成物は、沸騰水と5分間接触した状態に置かれた後、重量減少が20%未満である。 ポリマー組成物中のポリウレタンおよびポリアルキルアミンの相対量が与えられると、例えば、ポリマー組成物のサンプルをある一定の含水量まで乾燥させ、乾燥したサンプルの重量を測定し、サンプルを沸騰水のビーカーに入れ、サンプルを水中で5分間煮沸し、サンプルを水から取り出し、サンプルを前と同じある一定の含水量まで再び乾燥させ、サンプルの重量を再び測定して、この重量減少を決定することができる。 重量を再び測定したサンプルの重量低減は、ポリウレタン網目構造からポリアルキルアミンが浸出した結果であるため、前後の重量を使用することにより、重量減少率を計算することができる。

    幾つかの実施形態では、ポリマー組成物は、更に、化学添加剤などの難燃剤を含んでなることができる。 このような添加剤としては、以下に限定されないが、リン化合物、酸化アンチモン、およびハロゲン化合物、特に臭素化合物、および当該技術分野で周知の他のものなどが挙げられる。 このような添加剤の好ましい添加量は、所望される難燃性の量と、添加剤の実際の難燃性に依存する。 しかし、(最終的な空気乾燥された組成物又は空気乾燥されたフィルムの重量の)20〜30重量%、好ましくは約25重量%の添加量が、組成物に難燃性を付与するのに有効であることが分かった。

    本発明のポリマー組成物を造形品に形成する又は組み込むことができる。 造形品としては、押出成形された又は吹込成形された形状、又はフィルム、繊維、および成型品等が挙げられる。 好ましい造形品の1つはフィルムである。 フィルムは、(1)ポリマー組成物を平坦な表面上に、又は微孔質フィルムに流延すること、(2)押出機でポリマー組成物を押出し、フィルムを形成すること、又は(3)ポリマー組成物フィルムの押し出しと吹き込みを行い、インフレーションフィルムを形成することなどの既知の方法で製造することができる。

    本発明のポリマー組成物の好ましい用途は、防護服および集合構造、シェルター又はテントであり、一実施形態では、それは化学バリアとして機能する。 ポリマー組成物は、防護服もしくは構造に付け加えられる材料の層として、又は、防護服もしくは構造に組み込まれる布帛の一成分として存在することができる。 幾つかの実施形態では、ポリマー組成物を基材に含浸させることができるが、他の実施形態では、当該技術分野で周知の布帛含浸およびコーティング技術を使用してポリマー組成物を基材に直接コーティングすることができる。

    バリアフィルム 本発明は、また、ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなるバリアフィルムにも関し、フィルムは、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満である。 図1は、本発明のフィルム1の一実施形態を示す。

    本発明のバリアフィルムは、沸騰水と5分間接触した状態に置かれた後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満、好ましくはポリアルキルアミンの重量減少が30%未満である。 最も好ましい実施形態では、フィルムは、沸騰水と5分間接触した状態に置かれた後、重量減少が20%未満である。 フィルムに使用されるポリマー組成物中のポリウレタンおよびポリアルキルアミンの相対量が与えられると、例えば、フィルムをある一定の含水量まで乾燥させ、フィルムの重量を測定し、フィルムを沸騰水のビーカーに入れ、フィルムを水中で5分間煮沸し、フィルムを水から取り出し、フィルムを前と同じある一定の含水量まで再び乾燥させ、フィルムの重量を再び測定することにより、この重量減少を決定することができる。 重量を再び測定したサンプルの重量低減は、ポリウレタン網目構造からポリアルキルアミンが浸出した結果であるため、前後の重量を使用することにより、重量減少率を計算することができる。

    本発明のフィルムの幾つかの実施形態では、ポリアルキルアミンは、ポリウレタン網目構造に、フィルム中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして50%以下の量で組み込まれる。 好ましい実施形態では、ポリアルキルアミンは、ポリウレタン網目構造に、フィルム中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして35%以下の量で組み込まれる。 好ましいバリアフィルムは、ポリアルキレンイミン又はポリアリルアミン又はこれらの共重合体若しくはブレンドであるポリアルキルアミンを含んでなる。 好ましい実施形態では、ポリアルキレンイミンはポリエチレンイミンである。

    本発明の幾つかの実施形態では、バリアフィルム中のポリウレタン網目構造が、架橋されたポリウレタンポリマーを含んでなると考えられ、幾つかの実施形態では、ポリアルキルアミンの少なくとも一部がポリウレタン網目構造と化学的に架橋されると考えられる。 前述のポリマー組成物と同様に、本発明のバリアフィルムは難燃剤を含んでもよい。

    好ましい実施形態では、本発明のバリアフィルムは活性アミン官能基を有する、即ち、ポリアルキルアミンはポリウレタン網目構造に組み込まれた後、1グラム当たり少なくとも1ミリ当量の活性アミンを有する。 活性アミンはpK が9以上のものである。 1グラム当たり少なくとも1ミリ当量とは、ポリウレタン網目構造に組み込まれたポリアルキルアミン1グラム当たり、反応に使用可能な活性アミンが少なくとも1ミリモルあることを意味する。 活性アミンの量は、ポリマー組成物、又はフィルム等のサンプルの滴定などの既知の方法で容易に決定することができる。

    本発明のバリアフィルムの好ましい用途は、防護服および集合構造、シェルター又はテントであり、一実施形態では、それは化学バリアとして機能する。 本バリアフィルムは、防護服又は構造に組み込まれる材料の層として存在することができるか、又は、まず布帛などの最終物品の一成分と組み合わせられた後、防護服又は構造に組み込まれてもよい。

    本発明のフィルムの厚さは1〜1000ミクロンとすることができ、多くのバリアフィルムの用途に好ましい厚さは約10〜250ミクロンの厚さ、好ましくは10〜80ミクロンの厚さである。 これらのフィルムの透湿度(MVTR)は、厚さ50ミクロンの連続フィルムで約10Kg/m /24時間又はそれ以上である。

    ポリマー組成物およびバリアフィルムの製造方法 一実施形態では、本発明は、
    a)ポリウレタンをポリアルキルアミンと接触させる工程と、
    b)ポリウレタンおよびポリアルキルアミンを混合する工程と、
    c)ポリマー組成物が、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満となるのに十分な時間、混合物を80〜200℃の温度で硬化させる工程とを含んでなる、ポリウレタン網目構造中にポリアルキルアミンを含んでなるポリマー組成物の製造方法に関する。

    別の実施形態では、本発明は、
    a)ポリウレタンを水性エマルションで提供する工程と、
    b)エマルションをポリアルキルアミンと接触させ、混合物を形成する工程と、
    c)混合物のフィルムを流延する工程と、
    d)フィルムから水を除去する工程と、
    e)バリアフィルムが、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が50%未満となるのに十分な時間、フィルムを120〜200℃の温度で硬化させる工程とを含んでなる、ポリウレタン網目構造中にポリアルキルアミンを含んでなるバリアフィルムの製造方法に関する。

    この方法に使用される好ましいポリアルキルアミンは、ポリアルキレンイミン又はポリアリルアミンであり、ポリエチレンイミンは好ましいポリアルキレンイミンである。 この方法の一実施形態では、ポリウレタンをベースにする水性分散体を、ポリアルキルアミンをベースにする水性分散体と混合した後、混合物から水を除去し、熱を使用して混合物を硬化させる。

    一実施形態では、水性分散体の層を表面に流延し、空気中で乾燥させて水を除去する。 次いで、得られる固化したフィルムを、ポリウレタン網目構造を形成するのに十分な時間、80〜200℃の範囲で作動するオーブンで加熱することができる。 約80℃未満で硬化させると、ポリマー組成物が十分に網目構造化しないと考えられるが、約200℃より高温では、ポリマーが劣化しすぎると考えられる。 好ましい実施形態では、水を除去する工程および硬化させる工程を、中間操作なしに、加熱されたオーブン内で空気中、大気圧で連続的に行い、水性分散体を本質的に室温から所望の硬化温度まで加熱し、それによってまず混合物から水を除去した後、混合物を硬化させる。 本発明の方法の幾つかの実施形態では、硬化工程でポリウレタンポリマーの少なくとも一部が架橋される。 好ましい実施形態では、硬化工程でポリアルキレンイミンの少なくとも一部がポリウレタンポリマーと架橋される。

    好ましい実施形態では、約130〜160℃の温度で混合物を硬化させる。 十分にポリウレタン網目構造を形成するのに必要とする時間は、硬化される材料の質量を含む多くの考えに依存するが、一般に、時間は硬化温度に逆比例する。 例えば、好ましい温度範囲の下端(約130℃)では約5〜15分、又はそれ以上の硬化時間が典型的であるが、好ましい温度範囲の上端(約160℃)では約2分又はそれ以下のオーダーのはるかに短い時間が典型的である。

    ラミネート 本発明は、また、I)ポリアルキルアミンが組み込まれているポリウレタン網目構造を含んでなるポリマーバリア層と、ii)支持基材とを含んでなるラミネートに関し、ラミネートは、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が20%未満である。 幾つかの実施形態では、本発明のラミネートは、沸騰水と5分間接触した後のポリアルキルアミンの重量減少が10%未満である。 本ラミネートは、防護服、集合構造、シェルター又はテントを含む様々な物品に有用である。

    本発明のラミネートは、沸騰水と5分間接触した状態に置かれた後のポリアルキルアミンの重量減少が20%未満、好ましくはポリアルキルアミンの重量減少が10%未満である。 ラミネートに使用されるポリマー組成物中のポリウレタンおよびポリアルキルアミンの相対量が与えられると、例えば、ラミネートをある一定の含水量まで乾燥させ、ラミネートの重量を測定し、ラミネートを沸騰水のビーカーに入れ、ラミネートを水中で5分間煮沸し、ラミネートを水から取り出し、ラミネートを前と同じある一定の含水量まで再び乾燥させ、ラミネートの重量を再び測定することにより、この重量減少を決定することができる。 重量を再び測定したサンプルの重量低減は、ポリウレタン網目構造からポリアルキルアミンが浸出した結果であるため、前後の重量を使用することにより、重量減少率を計算することができる。

    一実施形態では、ポリアルキルアミンは、ポリウレタン網目構造に、フィルム中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして50%以下の量で組み込まれる。 好ましい実施形態では、ポリアルキルアミンは、ポリウレタン網目構造に、フィルム中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして35%以下の量で組み込まれる。 この方法に使用される好ましいポリアルキルアミンは、ポリアルキレンイミン又はポリアリルアミンであり、ポリエチレンイミンは好ましいポリアルキレンイミンである。 幾つかの実施形態では、ポリマーバリア層はフィルムである。

    本発明のラミネートは、ポリマーバリア層と支持基材を組み合わせて含んでなる。 支持基材はポリマーバリア層を所望の物品に組み込むことを助けるビヒクルとして有用であり、ポリマーバリア層に機械的支持も提供する。 好ましくは、基材は、ラミネートを通る蒸気の通過にあまり影響を及ぼさず、測定されるMVTRが少なくとも5Kg/m /24時間である。

    幾つかの実施形態では、支持基材は織布又は不織布であり、そのどちらも当該技術分野で既知の方法で製造することができる。 好ましくは、布帛は、ロードアイランド州ブラッドフォード(Bradford,RI)のブラッドフォード・ダイイング・アソシエーション社(Bradford Dyeing Association,Inc.)によるものなどの、軍の仕様に合わせて製織される50%ナイロン−50%綿のブレンドの布帛(ナイコ(NYCO)としても知られる)を含んでなる。

    他の実施形態では、布帛は難燃性繊維を含んでなる。 好ましい難燃性繊維はアラミド繊維である。 「アラミド」とは、アミド(−CONH−)結合の少なくとも85%が2つの芳香環に直接結合しているポリアミドを意味する。 アラミドと一緒に添加剤を使用することができる。 実際、他のポリマー材料を10重量%以下、アラミドとブレンドすることができるか、又は、アラミドのジアミンの代わりに他のジアミンが10%も、又は、アラミドの二酸塩化物の代わりに他の二酸塩化物が10%も使用されている共重合体を使用できることが分かった。 本発明の実施において、最もよく使用されるアラミドは、ポリ(パラフェニレンテレフタルアミド)およびポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)であり、ポリ(メタフェニレンイソフタルアミド)は好ましいアラミドである。 このような芳香族ポリアミド有機繊維およびこれらの繊維の様々な形態が、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,Delaware)のイー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours & Company)から、例えば、ノーメックス(Nomex)(登録商標)繊維およびケブラー(Kevlar)(登録商標)繊維などの商標で入手可能である。

    幾つかの実施形態では、支持基材は微孔質シート材料とすることもできる。 幾つかの実施形態では、支持基材はフルオロポリマーを含んでなる。 更に幾つかの他の実施形態では、支持基材は、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,DE)のW. L. ゴア・アンド・アソシエーツ(W.L.Gore & Associates)を含む多くの会社から入手可能な発泡ポリテトラフルオロエチレンで製造されたシート材料である。 他の好適な多孔質又は微孔質の基材材料および他の基材材料としては、微孔質ポリウレタンフィルム、タイベック(Tyvek)(登録商標)などのある一定のフラッシュ紡糸不織布、および他のスパンボンドポリマー布帛、ミリポア(Millipore)などの会社製のフィルタ材料、ナノおよびミクロ繊維構造、並びに寸法安定性を増加させる他の関連する支持体が挙げられる。

    幾つかの実施形態では、ポリマーバリア層は、典型的には、ポリマーバリア層と支持基材の間に配置される適合性のある接着剤を使用することにより支持基材に取り付けられる。 ラミネートの透湿性を維持するため、幾つかの実施形態では、接着剤は、ポリマーバリア層と支持基材の間の不連続層として存在し、多くの場合、それは、支持基材表面の約10〜40%を被覆する一連の接着剤ドットとしてとして塗付される。

    更に他の実施形態では、ポリマーバリア層は、支持基材上に直接塗付されるコーティングである。 ゴム製のドクターブレード又はスリット押出機を用いるものなどの当該技術分野で既知の展延方法を使用して、このようなコーティングを塗布することができる。 他の実施形態では、ポリマーバリア層は、組成物を基材に直接圧入することにより基材をポリマー組成物で含浸させるか、又は、ポリマー組成物の液体混合物を基材に塗布した後、ポリマー組成物が基材の孔と接触している間、ポリマー組成物を乾燥および硬化させることにより、支持基材中に少なくとも部分的に形成される。

    別の実施形態では、本発明のラミネートは、ポリマーバリア層に隣接して位置決めされる、接着を促進する又は汚染物質を遮断する物質の層を含んでなり、これは耐摩耗性ポリマーからなっていてもよい。 好ましくは、この物質はウレタン官能基を含有し、一般に厚さ約2.5〜12ミクロンである。 この層に使用できる他のポリマーとしては、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)製のハイトレル(Hytrel)(登録商標)、および、アトケム社(AtoChem,Co)製のペバックス(Pebax)(登録商標)などの様々なエラストマー、反応性材料、および接着剤が挙げられる。 好ましくは、接着促進ポリマー層はフィルムとして存在するが、この層は基材のコーティング又は含浸物とすることができる。 この追加の接着促進ポリマー層は、ラミネートが、熱プレス、融着、およびカレンダー加工等でラミネートの層を組み合わせることによって製造されるとき、とりわけ有用である。 この場合、耐摩耗性ポリマーの層は、品目が熱プレスされるときそれらが一緒に接着するように、ポリマーバリア層と適合性がなければならない。

    ラミネートの製造方法 本発明の一実施形態は、
    a)第1のポリマーフィルムが取り付けられている基材を提供する工程、
    b)ポリアルキルアミンとポリウレタンとを含んでなる第2のポリマー混合物の層を第1のポリマーフィルムに取り付ける工程であって、混合物中のポリアルキルアミンがポリウレタン網目構造に、第2のポリマー混合物中のポリアルキルアミンおよびポリウレタンの総重量を基準にして50%以下の量、組み込まれる工程、
    を含んでなる、ラミネートの形成方法である。

    好ましくは、第1のポリマーフィルムは、接着剤層又は耐摩耗性ポリマーの層である。 好ましくは、この耐摩耗性ポリマーはポリウレタンであり、一般に厚さ約2.5〜12ミクロンである。 この層に使用できる他のポリマーとしては、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー(E. I. du Pont de Nemours and Company)製のハイトレル(Hytrel)(登録商標)、および、アトケム社(AtoChem,Co)製のペバックス(Pebax)(登録商標)などの様々なエラストマー、反応性材料、および接着剤が挙げられる。

    第2のポリマー混合物は、フィルムとして又はコーティングとして存在することができる。 未硬化の第2のポリマー混合物が提供される場合、本発明の方法は更に、第2のポリマー混合物に熱を加え、ポリアルキルアミンを含んでなるポリウレタン網目構造を形成し、沸騰水と5分間接触した後にポリアルキルアミンの重量減少が20%未満であるラミネートを形成する工程を含んでなる。 この方法に使用される好ましいポリアルキルアミンは、ポリアルキレンイミン又はポリアリルアミンであり、ポリエチレンイミンは好ましいポリアルキレンイミンである。

    一実施形態では、第1のポリマーフィルムと第2のポリマー混合物の層は一緒にラミネートに熱融着される。 熱プレスおよびカレンダー等を含む任意の既知の方法を使用して、又は、層に熱を加えた後、更に熱を加えることなくそれらを一緒に加圧することにより、ラミネートを熱融着することができる。

    試験方法 ソマン試験は、軍試験操作手順(military Test Operating Procedure)(TOP8−2−501、2002年1月17日改訂)、二系統流れ試験(Dual Flow Test)に準拠して行った。 これは、薬剤液滴を10g/m のレベルで10cm の試験面積に塗布し、上面に80%相対湿度の空気を0.25リットル/分、下面に80%相対湿度の空気を0.3リットル/分通過させ、ラミネートを透過した全薬剤を24時間後に測定することとして記載できる。 温度は90±3°Fである。 軍が必要とする典型的なレベルは、24時間で11.5マイクログラム/cm 以下の総積算透過である。

    サリン試験は、NFPA 1994(2001版)クラス2「耐化学物質透過性試験(Chemical Permeation Resistance Test)」、セクション8.10に準拠して行い、80%相対湿度だけを用いてクラス2要件に従って試験した。 この試験は、薬剤液滴を10g/m のレベルで10cm の試験面積に塗布し、上面(薬剤側)を閉鎖し、下面に90°Fで80%相対湿度の空気を1リットル/分通過させ、ラミネートを透過した全薬剤を1時間後に測定することとして記載できる。 通過に関するNFPA1994クラス2要件は、1時間で1.25マイクログラム/cm 未満の総積算透過である。

    透湿度(MVTR)は、MVTR測定の倒置カップ(Inverted Cup)法(ASTM E96手順BW、布帛の透湿性に関する標準試験方法(Standard Test Methods for Water Vapor Transmission of Fabrics)(ASTM 1999))から導き出される方法で測定される。 上部に開口部を有する容器に水を充填した後、開口部をまず、発泡PTFEフィルムの透湿性(液体不透過性)層で、その後、MVTRが測定されるサンプルで覆う。 層を所定の位置に封止し、30分間倒置して層を調整し、四捨五入して0.001グラムまで重量を測定した後、乾燥した窒素流と接触させる。 規定時間後、サンプルの重量を再び測定し、MVTRを計算する(kg/m /24時間)。

    実施例1
    この実施例は、本発明のポリマー組成物およびフィルムの調製を例示する。 ノベオン(Noveon)から入手可能な35重量%のポリウレタン水性分散体であるペルマックス(Permax)(登録商標)220を100g、および、アルドリッチ・ケミカル(Aldrich Chemical)から入手可能な50重量%のポリエチレンイミン(MW=750K)を含有する水溶液を70g、閉鎖可能なプラスチック瓶内で組み合わせることにより、2つのポリマーからなる水性混合物を製造した。 次いで、瓶をローラー上で数分間回転させることにより、溶液を静かに混合した。 ポリウレタン/ポリエチレンイミン(PU/PEI)溶液を一定量、表面に注ぎ、間隙を制御するため外縁にスペーサを有する真直ぐな棒であるドクターブレードを走らせ、制御された液体層厚さを得た。 約25、50および75ミクロンの溶液厚さを表面に流延した。 次いで、流延した溶液を所定の位置で2分間130℃の空気中で乾燥および硬化させ、フィルムのサンプルを形成した。 これらのサンプルは、乾燥後、公称50/50の比のポリウレタンとポリエチレンイミンポリマーを含有した。 次いで、これらのフィルムサンプルを実施例2および3に使用した。

    実施例2
    この実施例は本発明の可能なラミネートの1つを例示するが、これは、図2では品目2として、明瞭に分かるように一律の縮尺に従って描かれずに図示されている。 これは、実施例1の方法で製造された厚さ40ミクロンのPU/PEIフィルムサンプルと組み合わせられた2つの異なる積層フィルム−布帛複合材料を使用した。 第1の積層フィルム−布帛複合材料は、5ミクロンのポリウレタンフィルムの層3がポリウレタン接着剤4のドットを介してノーメックス(Nomex)(登録商標)アラミド繊維の3.3oz/yd の織布5に取り付けられたものであった。 第2の複合材料は、マサチューセッツ州グリーンフィールド(Greenfield,MA)のオムニフレクス(Omniflex)製の5ミクロンのペバックス(Pebax)(登録商標)TX4100フィルムの層6がポリウレタン接着剤7のドットを介してノーメックス(Nomex)(登録商標)アラミド繊維の1.5oz/yd のジャージー織布8に取り付けられたものであった。

    第1の積層フィルム−布帛複合材料、PU/PEIフィルム、および第2の複合材料を各1層ずつ一緒に積み重ねることにより、ラミネートを形成した。 第1の複合材料のポリウレタン層上にPU/PEIフィルム9を配置した後、ペバックス(Pebax)(登録商標)フィルムがPU/PEIフィルムと接触するように、第2の積層フィルム−布帛複合材料をPU/PEIフィルム上に積層した。 次いで、一平方インチ当たり20ポンドの圧力を使用して10秒間、130℃に温度制御されたアルミニウム板の上でガラス板を使用して手動でこの積み重ねを熱プレスした。 次いで、圧力を取り除き、ラミネートを冷却させた。

    測定したとき、このラミネートはMVTRが9.1Kg/m /24時間であり、良好な透湿性を示した。 24時間ソマン透過は、PU/PEIフィルムの厚さのため62ug/cm であった。 上記構造中のPU/PEI層がないことを除いて同一の別のラミネートを製造したとき、MVTRは10Kg/(m 24時間)であり、PU/PEI層の存在によって透湿量はほとんど低減しなかったことが分かった。

    実施例3
    PU/PEIフィルムの厚さが90ミクロンであったことを除いて実施例2のラミネートと同一のラミネートを製造した。 試験時、このラミネートはMVTRが7.1Kg/m /24時間であり、良好な透湿性を示した。 24時間ソマン透過は、0ug/cm (「非検出」)であった。

    実施例4
    この実施例は、ポリマー溶液を基材上に流延することにより製造された本発明のラミネートを例示するが、これは、図3では品目10として、明瞭に分かるように一律の縮尺に従って描かれずに図示されている。 ポリウレタン接着剤13のドットを介して5ミクロンのポリウレタンフィルム12の層が取り付けられているノーメックス(Nomex)(登録商標)アラミド繊維の3.3oz/yd の織布11と、5ミクロンのポリウレタンフィルムと接触する19ミクロンのH+ナフィオン(Nafion)(登録商標)フィルム14(デュポン製を)とを積み上げることによって、基材を調製した。 次いで、この2層を一緒に熱ラミネートした後、追加の5ミクロンのポリウレタンフィルム15と5ミクロンのポリ(エーテルエステル)であるハイトレル(Hytrel)(登録商標)8206フィルム16を逐次的に1つずつ熱ラミネートした。 ラミネーションは全て約150℃で行った。 最後に、実施例1の水溶液をハイトレル(Hytrel)(登録商標)層上に流延することにより50/50のPU/PEI層17を塗布し、ラミネートを130℃の空気中で2分間乾燥させると、基材上に厚さ約80ミクロンのPU/PEI層が得られた。

    測定したとき、このラミネートはMVTRが6.7Kg/m /24時間であり、良好な透湿性を示した。 24時間ソマン透過は、3回(in triplicate)測定したとき、平均0.86ug/cm であった。

    実施例5
    この実施例では、ポリマー組成物に難燃性化合物を添加した。 これらの難燃性化合物は不活性であり、硬化、又は、MVTR、薬剤透過度、又は水性環境中での耐久性を含む系の他の特性のどれにも影響を及ぼさない。

    ポリマー組成物を製造するため、ペルマックス(Permax)(登録商標)200(ノベオン(Noveon)製の43重量%のポリウレタン水性分散体)を68g、および、コーティングを助けるゾニル(Zonyl)(登録商標)FSAを0.280g、閉鎖可能な瓶内に一緒に添加した後、約10分間、弱〜中程度で攪拌した。 PEI溶液(固形分50%、MW=750,000、アルドリッチ(Aldrich)製)31.5gを添加し、瓶を回転させることにより数分間混合物を攪拌した。 次いで、コーティングする前に、更に攪拌しながらパフォーマックス(Performax)(登録商標)410を17.9g、およびパフォーマックス(Performax)(登録商標)401を4.48g添加した。 得られた乾燥フィルムを130℃の空気オーブンで10分間硬化させ、それはポリウレタン(ペルマックス(Permax)(登録商標)200(ノベオン(Noveon)製の43重量%のポリウレタン水性分散体))48.8重量%;ゾニル(Zonyl)(登録商標)FSA、0.07重量%;MW=750kのポリエチレンイミン(アルドリッチ(Aldrich)製)26.2重量%;パフォーマックス(Performax)(登録商標)410(ノベオン(Noveon)製のデカブロモジフェニルオキサイドFR化合物、水性分散体中固形分67重量%)20重量%;パフォーマックス(Performax)(登録商標)401(ノベオン(Noveon)製の三酸化アンチモンFR化合物、水性分散体中固形分67重量%)5重量%から構成されていた。 この組成物は、ポリマー固体に関して、65/35の比のPUとPEIを有した。 次いで、実施例1のものと同様に様々な厚さのサンプルを製造し、実施例6で使用した。

    実施例6
    この実施例は、PU/PEI層を含有する本発明のラミネートを例示する。 ポリウレタン接着剤のドットを介して5ミクロンのペバックス(Pebax)(登録商標)フィルムの層が取り付けられているノーメックス(Nomex)(登録商標)アラミド繊維の3.3oz/yd の織布と、5ミクロンのペバックス(Pebax)(登録商標)フィルムと接触する19ミクロンのH+ナフィオン(Nafion)(登録商標)フィルムを積み上げることによって、基材を調製した。 次いで、この2層を一緒に熱ラミネートした後、追加の5ミクロンのペバックス(Pebax)(登録商標)フィルムを熱ラミネートした。 ラミネーションは全て約150℃で行った。 水溶液をシリコン処理されたマイラー(Mylar)(登録商標)フィルム上に流延し、10分間125℃で乾燥および硬化させることによって、実施例5の組成物の65/35のPU/PEIの層を塗布し、厚さ75ミクロンのPU/PEI層を得、上記複合材料の5ミクロンのペバックス(Pebax)(登録商標)層に移す前にこの層をマイラー(Mylar)(登録商標)フィルムから剥離させることによって。 これによって、基材上に75ミクロンのPU/PEI層が得られ、次いで、これを150℃、一平方インチ当たり20ポンドで10秒間加圧した。 この実施例では、PU/PEI層中のポリウレタンは、更に、実施例5に記載される難燃性添加剤を有した。

    測定したとき、このラミネートはMVTRが4.4Kg/(m 24時間)であり、薬剤透過試験に合格するラミネートでは良好な透湿性を示した。 1時間サリン透過は、3回測定したとき平均0.05ug/cm であり、優れた耐薬剤性を示した。

    厚さ50ミクロンの実施例5のPU/PEIの層を160℃で2分間硬化させ、シリコン処理されたマイラー(Mylar)(登録商標)基材から剥離させたとき、この層のMVTRは、ノーメックス(Nomex)(登録商標)アラミド繊維の3.3oz/yd の織布の単層とだけ組み合わせたとき、20Kg/m /24時間であり、他の層がないとき、PU/PEI層の透湿能力が極めて高いことが実証された。

    実施例7
    この実施例は、高温の水性条件における本発明のラミネートの優れた耐久性を例示する。 ノーメックス(Nomex)(登録商標)アラミド繊維の3.3oz/yd の織布を、5ミクロンのポリウレタンフィルム(マサチューセッツ州グリーンフィールド(Greenfield,MA)のオムニフレックス社(Omniflex Corp)製のTX1540フィルム)の層と組み合わせることによって基材を調製したが、その5ミクロンのポリウレタンフィルムは、異なるポリウレタン接着剤の接着剤ドットを介して布帛に取り付けられた。 シリコン処理されたマイラー(Mylar)(登録商標)フィルム上に水溶液を流延し、2分間160℃で乾燥および硬化させることによって、実施例5の組成物の65/35のPU/PEIの層を塗布し、厚さ50ミクロンのPU/PEI層を得た。 この層をマイラー(Mylar)(登録商標)フィルムから剥離させ、厚さ5ミクロンの2つのポリウレタンフィルムがPEI/PUフィルム表面に接触するように、上記布帛複合材料の2つの層の間に挟持した後、165℃、一平方インチ当たり20ポンドで10秒間加圧し、耐久性試験用の構造を得た。 上記複合材料の1インチ×1インチのセクションを沸騰水中に5分間浸漬させた。 これは、PEIリッチ層又はコーティングを含有する複合材料には過酷な試験である。 この複合材料は、認識できるほどの剥離を起こすことなく耐えた。 測定したとき、サンプルを沸騰水で処理する前と後で重量の差は検出されなかった。

    45/55の比を有するPU/PEI層をほとんど同様に調製し、上記の布帛基材と組み合わせた。 これらでは、このPU/PEI層の強度が不十分であり、この層の膨潤から界面に応力がかかったため、何分の一分後には完全な剥離が観察された。 同様に、65/35の比を有するPU/PEI層をほとんど同様に調製し、上記の布帛基材と組み合わせたが、この場合、PU/PEI層を硬化させなかった。 これらの層も、熱水によるPU/PEI層の極端な脆弱化のため破壊された。

    実施例8
    厚さ50ミクロンの実施例5のPU/PEIの層を160℃で2分間硬化させ、シリコン処理されたマイラー(Mylar)(登録商標)基材から剥離させた。 この組成物は、ポリマー固体に関して、65/35の比のPUとPEIを有した。 この自由フィルムの乾燥時の重量を測定した後、水中で5分間煮沸し、抽出可能なあらゆるPEI成分を試験した。 他の全ての関連する層を有する複合材料ではPEI/PU層が保護されるため、このような自由フィルムの煮沸は、実施例7のものなどの複合材料の煮沸よりはるかに過酷な試験である。 このような過酷な試験でも、煮沸され再び乾燥されたフィルムの最終重量は、3%の全重量減少を示したに過ぎず、組成物および得られたフィルム中のPEIの減少率は20重量%未満であり、PEIの大部分は液体の水で抽出できないことが実証された。

    実施例9
    この実施例は本発明の別の複合ラミネートを例示するが、これは、図4では品目20として、明瞭に分かるように一律の縮尺に従って描かれずに図示されている。 ポリウレタン接着剤のドット23を使用して5ミクロンのペバックス(Pebax)(登録商標)フィルム21を6.7オンス/平方ヤードのナイコ(NYCO)(ナイロン/綿)布帛22に取り付けた。 次いで、難燃剤が添加されていない実施例5の組成物の67/33のPU/PEI層24を、水溶液から流延することにより構造のペバックス(Pebax)(登録商標)フィルム側に塗布した。 次いで、PU/PEI層を125℃で5分間乾燥および硬化させ、厚さが58ミクロンであることが分かった。 測定したとき、このラミネートはMVTRが12.5Kg/m /24時間であり、良好な透湿性を示した。

    比較として、上記のようにラミネートを製造したが、PU/PEI層の代わりに38ミクロンのペルマックス(Permax)(登録商標)220ポリウレタンフィルムを使用した。 実施例1に記載されるドクターブレード法と同様にドクターブレードを使用して水溶液から流延することにより、構造のペバックス(Pebax)(登録商標)側にペルマックス(Permax)(登録商標)220層を塗布した。 ペルマックス(Permax)(登録商標)220層の乾燥および硬化は布帛基材上で130℃で5分間行われ、この層の最終的なフィルム厚さは約38ミクロンであった。 測定したとき、このラミネートはMVTRが5.9Kg/m /24時間であり、厚さが等しいか又はそれより大きい本発明のフィルムと比較して低い透湿性を示した。

    別の比較として、上記のようにラミネートを製造したが、PU/PEI層の代わりに5ミクロンの溶融押出された難燃性ポリウレタンを2層使用し、これらをこの布帛基材のペバックス(Pebax)(登録商標)側に1つずつ熱ラミネートした。 基材を最後に170℃で10秒間、20psiで熱プレスした。 測定したとき、このラミネートはMVTRが5.9Kg/m /24時間であり、ポリウレタンフィルムが非常に薄いにもかかわらず、低い透湿性を示した。

    別の比較として、上記のようにラミネートを製造したが、PU/PEI層の代わりに50ミクロンのポリウレタンフィルム(ダウ・ケミカル社(Dow Chemical Co.)製のペレセン(Pellethane)(登録商標)70A)を使用し、これをポリエチレンテレフタレートフィルム(デュポン(Du Pont Co.)製のマイラー(Mylar)(登録商標))上に流延した後、マイラー(Mylar)(登録商標))から剥離させた。 次いで、これを120℃でラミネートのペバックス(Pebax)(登録商標)側に取り付けた。 標準的な非透湿性ポリウレタンフィルム(ペレセン(Pellethane)(登録商標))を使用したため、測定したとき、この構成は低い透湿性(MVTR=1.6Kg/m /24時間)を示した。

    本発明の1つの可能なフィルムの図である。

    本発明のラミネートの1つの可能な実施形態の図であるが、明瞭に分かるように一律の縮尺に従って描かれていない。

    本発明のラミネートの1つの可能な実施形態の図であるが、明瞭に分かるように一律の縮尺に従って描かれていない。

    本発明のラミネートの1つの可能な実施形態の図であるが、明瞭に分かるように一律の縮尺に従って描かれていない。

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