カバーテープ

申请号 JP2013520558 申请日 2012-06-12 公开(公告)号 JPWO2012173119A1 公开(公告)日 2015-02-23
申请人 電気化学工業株式会社; 发明人 祐介 棚澤; 祐介 棚澤; 毅 小野; 毅 小野;
摘要 本発明は、少なくとも基材層とヒートシール層と帯電防止層とを含んでなり、該ヒートシール層側の表面に(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体、(B)第4級アンモニウム塩、および(C)ポリアルキレングリコールを含有する帯電防止層が形成されており、(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体および(B)第4級アンモニウム塩を構成するアニオンは、カルボン酸類、 硫酸 エステル類、リン酸エステル類、スルホン酸類、リン酸類からなる群から選択した1種または2種以上である、カバーテープ、並びに該カバーテープを用いた電子部品 包装 体に関する。【選択図】なし
权利要求
  • 少なくとも基材層とヒートシール層と帯電防止層とを含んでなり、該ヒートシール層側の表面に(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体、(B)第4級アンモニウム塩、および(C)ポリアルキレングリコールを含有する帯電防止層が形成されているカバーテープ。
  • (A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体および(B)第4級アンモニウム塩を構成するアニオンが、カルボン酸類、硫酸エステル類、リン酸エステル類、スルホン酸類、リン酸類からなる群から選択した1種または2種以上である、請求項1に記載のカバーテープ。
  • 前記帯電防止層が、前記の(A)、(B)および(C)の各成分を下記の比率で含有している、請求項1または請求項2に記載のカバーテープ。
    (A)成分: 10〜80質量%
    (B)成分: 5〜70質量%
    (C)成分: 5〜50質量%
  • (A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体がイミダゾリウム塩である、請求項1から3のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  • (B)第4級アンモニウム塩を構成するカチオンが、炭素数が10〜20の一つのアルキル基またはアルケニル基を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  • (C)ポリアルキレングリコールの質量平均分子量(Mw)が、200〜600のポリエチレングリコールである、請求項1から5のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  • ヒートシール側の表面の帯電防止層の厚みが0.01〜0.2μmである、請求項1から6のいずれか一項に記載のカバーテープ。
  • 請求項1から7のいずれか一項に記載のカバーテープを用いた電子部品包装体。
  • 说明书全文

    本発明は、基板に実装されるまでチップ型電子部品等を搬送するのに用いられるキャリアテープの蓋材として用いるカバーテープに関する。

    IC等のチップ型電子部品を搬送するのに、一般的にキャリアテープが用いられている。 即ちキャリアテープに一定間隔で形成された電子部品収納用の凹部に、前記のチップ型電子部品を挿入して、該キャリアテープの上面に、基材上に易剥離性の接着層を有するカバーテープをヒートシールして該電子部品を封入した後、リール状に巻き取られて搬送する。 前記カバーテープは、該電子部品を検査できる程度に透明であることや、キャリアテープから容易にスムースに剥離できることが必要であるが、更に、該電子部品がIC等の静電気により絶縁破壊されやすい部品である場合、埃の付着防止や内容物の静電気からの保護、またはキャリアテープからカバーテープを剥離する際に、カバーテープに該電子部品が付着して飛び出す等のトラブルを防止するために、カバーテープの片面又は両面の表面に帯電防止処理がなされる。

    帯電防止処理には、帯電防止性を付与させようとする面を構成する樹脂に帯電防止剤を配合したり、あるいは帯電防止剤を表面に薄く塗布するなどの方法が用いられる。 接着層(またはヒートシール層)の表面に帯電防止剤を塗布したものは、例えば特許文献1および2に開示されている。

    これらの方法で、十分な帯電防止効果を得ようとすると、帯電防止剤を多量に塗布する必要が有り、キャリアテープにヒートシールした状態で高温多湿の環境に置かれると、大気中の酸素や分を呼び込むため、カバーテープの接着が低下し、搬送時や実装時の振動によりカバーテープが剥がれてしまい、電子部品の脱落が生じてしまうことがあった。

    一方で、カバーテープの帯電防止のために、前記接着層(ヒートシール層またはシーラント層等)の表面に導電性微粒子を含有する塗工剤をコーティングする方法(例えば特許文献3、4および5)が提案されている。 しかしながら、これらの方法では、塗工材を構成する樹脂成分中に微粒子を均一に分散させることは容易な事ではなく、製造工程が複雑となり生産性が低下するばかりか分散不良を生じることがある。 また後者の方法の帯電防止剤を練りこむ場合は十分な表面抵抗値が得られず、金属微粒子を混合した場合には、透明性が低下するためにカバーテープ越しに内容物の形状や文字を確認できる程度の透明性を得ることが困難となる場合があった。

    一方で近年一般的なフィルムやシートの帯電防止用に、イオン液体を用いた塗布型の帯電防止剤が提案されている(例えば特許文献6)。 しかしながら、カバーテープのヒートシール層の表面に塗布することや、その剥離強度への影響に関して開示したものは見当たらない。

    特開平7−172463号公報

    特開2005−225548号公報

    特開平11−115088号公報

    特開平7−251860号公報

    特開2003−266016号公報

    特開2010−121093号公報

    本発明は、部品を収納するキャリアテープ等の容器の蓋材に用いるカバーテープ及び該カバーテープを用いたチップ型電子部品包装体において、透明性が良好であり十分な帯電防止性を有していて、かつ部品を収納して保管する際に、高温多湿の環境での使用でもキャリアテープとの剥離強度の低下を十分に抑制することができ、内容物の腐食等の問題を生じることがないカバーテープ、及びそれを用いた電子部品包装体を提供することを課題とする。

    本発明者等は、前記課題について鋭意検討した結果、ヒートシール層側の表面にイオン液体を含有する特定の帯電防止剤を含んでなる帯電防止層を形成することによって、高温多湿の環境においても、剥離強度の低下を十分に抑制することを見出し、本願発明に至った。
    即ち、一態様では、本発明は、少なくとも基材層とヒートシール層と帯電防止層とを含んでなり、該ヒートシール層側の表面に(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体、(B)第4級アンモニウム塩、および(C)ポリアルキレングリコールを含有する帯電防止層が形成されているカバーテープに関する。 ある実施態様では、(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体および(B)第4級アンモニウム塩を構成するアニオンは、カルボン酸類、硫酸エステル類、リン酸エステル類、スルホン酸類、リン酸類からなる群から選択した1種または2種以上であることが好ましい。 更なる実施態様では、前記帯電防止層の各成分の含有比率は、(A)成分が10〜80質量%、(B)成分が5〜70質量%、(C)成分が5〜50質量%であることが好ましい。

    ある実施態様では、前記の(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体は、イミダゾリウム塩であることが好ましい。 他の実施態様では、(B)第4級アンモニウム塩を構成するカチオンは、炭素数が10〜20の一つのアルキル基またはアルケニル基を有することが好ましい。 更なる実施態様では、(C)ポリアルキレングリコールは、質量平均分子量(Mw)が、200〜600のポリエチレングリコールであることが好ましい。 他の実施態様では、ヒートシール側の表面の帯電防止層の厚みは0.01〜0.2μmであることが好ましい。
    さらに、他の態様では、本発明は、前記のいずれかのカバーテープを用いた電子部品包装体にも関する。

    本発明のカバーテープは、キャリアテープから容易に剥離できる透明性を有するカバーテープであって、更に、十分な帯電防止効果および防錆効果を有し、且つ電子部品を収納して、長期間高温多湿の環境で保管しても、カバーテープの接着力低下を抑制することができ、搬送時や実装時の振動による電子部品の脱落を著しく抑制できる。

    本発明のカバーテープは、少なくとも基材層とヒートシール層と帯電防止層を含んでなる。 即ち、基材層とヒートシール層と帯電防止層の三層構造であってもよいし、これらの層の間に一層以上の中間層を設けた多層構造であってもよい。 多層構造の場合には、ヒートシール層側の表面に、(A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体、(B)第4級アンモニウム塩、および(C)ポリアルキレングリコールを含有した帯電防止剤を含んでなる帯電防止層が形成されている。
    以下、各層について詳述する。

    <基材層>
    基材層は熱可塑性樹脂を含んでなり、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ナイロン等のポリアミド、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂より製膜されたフィルム、特に二軸延伸フィルムを好適に用いることができる。 好ましくは二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムであり、いずれも市販のフィルムを用いることができる。 基材層の厚さは、特に限定されるものでは無いが、一般的には、5〜50μmのものが使われる。

    基材層は、ヒートシール層または中間層との接着強度を強固にして安定化するために、ヒートシール層または中間層と接する側をサンドブラスト処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等の表面処理をすることができる。 また、基材層には帯電防止剤を練り込んだり、カバーテープの外表面となる側の表面に、帯電防止剤でコートした静電防止品を用いることもできる。 また、基材層と、中間層またはヒートシール層とを積層する際の接着力を高める目的で、基材層の表面にアンカーコート剤を介在させることができる。

    <中間層>
    基材層とヒートシール層の間には中間層を設けることができる。 中間層は熱可塑性樹脂を含んでなり、単層でも複層でもよい。 中間層を設ける事によりカバーテープにクッション性を与えたり、基材層とヒートシール層の接着強度を強固にすることができる。 中間層に使用する熱可塑性樹脂は特に限定されるものではないが、例えば低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)、チーグラー型触媒やメタロセン系触媒で重合された各種の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(LLDPE)のようなポリオレフィン系樹脂等、公知の樹脂の1種又は2種以上の混合物を選択可能である。

    <ヒートシール層>
    ヒートシール層はキャリアテープに対してヒートシール性を有し、使用時に容易に剥がすことのできる易剥離性を示す熱可塑性樹脂を含んでなるものであれば特に限定されるものではないが、例えば、アイオノマー樹脂、酸変性ポリオレフィン系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系やメタクリル系等のアクリル系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド樹脂、ポリエチレンオキサイド樹脂、ポリウレタン系樹脂、シリコーン樹脂を用いることができる。 好ましくは各種のポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、及びエチレン−ブテン−1ランダム共重合体等のエチレン系重合体から選択した1種以上の樹脂に、キャリアテープにヒートシールしたときの剥離強度を調節するために、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン及び耐衝撃性ポリスチレン等のスチレン系重合体から選択した1種以上を混合した樹脂混合物を用いることができる。 より好ましくは前記の剥離強度が連続して安定している点で、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体及び耐衝撃性ポリスチレンの樹脂混合物が好ましい。

    更にこの樹脂混合物のヒートシール層においては、樹脂全体を100質量%としたとき、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体が15〜60質量%、スチレンーブタジエン共重合体が30〜80質量%、および耐衝撃性ポリスチレン樹脂が3〜15質量%の配合割合の混合物を用いることが、特に高温高湿環境を経た後の剥離強度の安定性の点でより好ましい。

    <帯電防止層>
    帯電防止層は、(A)環状第4級カチオンを含むイオン液体、(B)第4級アンモニウム塩、および(C)ポリアルキレングリコールを含有する帯電防止剤からなり、前記ヒートシール層の表面に形成されている。 前記帯電防止層の各成分の含有比率は、(A)成分が10〜80質量%、好ましくは30〜80質量%、(B)成分が5〜70質量%、好ましくは10〜40質量%、(C)成分が5〜50質量%、好ましくは10〜30質量%、である。
    (A)環状第4級窒素含有カチオンを含むイオン液体(以下単に「(A)イオン液体」と記す)を構成するカチオンとしては、例えば、イミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、ピラゾリウムカチオン、トリアゾリウムカチオンが挙げられ、中でもイミダゾリウムカチオン、ピリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオンが好ましく、中でも融点の低いイオン液体を数多く多様に調製できるという点から、イミダゾリウムカチオンがより好ましい。

    イミダゾリウムカチオンとしては、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム、1−ヘキシル−3−プロピルイミダゾリウムなどが挙げられ、中でも1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオンが多様な塩が入手可能な点で特に好ましい。

    (A)イオン液体を構成するアニオンとしては、カルボン酸類、硫酸エステル類、リン酸エステル類、スルホン酸等の有機酸や超強酸類;リン酸類、ハロゲン化水素類、過ハロゲン酸類などの無機酸などが挙げられ、帯電防止性や、キャリアテープに収納する電子部品の防錆の観点から硫酸エステル類が好ましく、より好ましくは硫酸エチルアニオンである。

    本発明における(A)イオン液体は、前記のカチオンおよびアニオンからなるイオン液体を用いることができる。 その具体的な例としては、例えば1,3−ジメチルイミダゾリウムエチルサルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルサルフェート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−ブチル−3−ジメチルイミダゾリウムホスフェート、1,3−ジメチルイミダゾリウムヒドロジンサルフェート等を用いることができる。

    (B)第4級アンモニウム二ウム塩としては、下記の式1化合物が好ましい。

    式中、R1は炭素数10〜20のアルキル基または炭素数10〜20のアルケニル基を示し、R2、R3およびR4は炭素数1〜3のアルキル基を示し、X はアニオンを示す。 X のアニオンは、前記(A)イオン液体と同様のアニオンが挙げられ、硫酸エステル類が好ましく、より好ましくは硫酸エチルアニオンである。

    (B)第4級アンモニウム二ウム塩の具体例としては、例えばトリメチル・ラウリルアンモニウムメチルサルフェート、エチル・ジメチル・ステアリルアンモニウムエチルサルフェート、エチル・ジメチル・オレイルアンモニウムエチルサルフェート、エチル・ジメチル・ラウリルアンモニウムエチルサルフェート、エチル・ジメチル・ステアリルアンモニウムメタスルホニウム、エチル・ジメチル・ラウリルアンモニウムメタスルホニウム等を用いることができる。

    本発明に用いる帯電防止層は、前記のように(C)ポリアルキレングリコールを含有する。 例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体などのポリアルキレンオキサイド、ポリオキシアルキレン構造とエステル結合を有するポリエーテルエステル、ポリオキシアルキレン構造とアミド結合を有するポリエーテルアミド、ポリオキシアルキレン構造とアミド結合及びエステル結合を有するポリエーテルエステルアミド等が挙げられるが、塗工膜のヒートシール層表面との密着性の観点や入手しやすさの点からからポリエチレングリコールが好ましい。 ポリエチレングリコールを用いる場合、塗工膜の形成のし易さ、膜中のイオン液体の分散性の観点から、その質量平均分子量(Mw)は、200〜600、300〜500、およそ400の範囲のものが好ましい。

    前記のように本発明のカバーテープはそのヒートシール層側の表面に、前記の(A)、(B)および(C)の各成分を含有する帯電防止剤を含んでなる帯電防止層が形成されている。
    帯電防止層中の前記の(A)、(B)及び(C)の各成分の配合比は、組成物全体に対して(A)成分が10〜80質量%が好ましい。 10質量%未満では十分な帯電防止効果を与える表面抵抗率を得ることが困難となる恐れがあり、80質量%を超えると粘性が増加して、表面にベタつきが生じる場合がある。 また、(B)成分は5〜70質量%が好ましい。 5質量%未満では、十分な帯電防止性能を得ることが困難となる恐れがあり、70質量%を超えると高温多湿の環境でカバーテープの接着力が低下しやすくなる場合がある。 一方、(C)成分は5〜50質量%が好ましい。 5質量%未満では帯電防止層の均一な膜の形成が難しくなる場合があり、50質量%を超えると、キャリアテープとヒートシールした際に、十分な剥離強度を得ることが困難となる恐れがある。
    以上のことからもわかるように、本発明は、(A)、(B)および(C)の3成分を含有する帯電防止層を形成することにより、透明性が良好であり十分な帯電防止性を有していて、かつ部品を収納して保管する際に、高温多湿の環境での使用でもキャリアテープとの剥離強度の低下を十分に抑制することができ、内容物の腐食等の問題を生じることがないカバーテープを得ることができる。

    帯電防止層は、前記帯電防止剤を水もしくは適切な有機溶媒で希釈して、一般的な方法で塗布して形成する。 乾燥後の帯電防止層の厚みは0.01〜0.2μmであることが好ましい。 0.01μm未満であると、十分な帯電防止性を得ることができない恐れがあり、0.2μmを超えると剥離強度の低下等ヒートシール性が低下する恐れがある。 また、帯電防止性を得るためには、表面抵抗率で1×10 12 Ω/sq以下であることが好ましいとされてきたが、近年の電子部品の小型化や高集積化等によって1×10 12 Ω/sq以下では不十分な場合があるため、カバーテープの帯電防止性能として1×10 11 Ω/sq以下が要求されている。 また、帯電防止という観点からは、表面抵抗率が低すぎて問題となることはないが、帯電防止剤の添加で1×10 Ω/sq未満を得ることは現実的ではない。

    <カバーテープ>
    本発明のカバーテープは、前記のように基材層とヒートシール層を有している。 カバーテープを作製する方法としては、ヒートシール層を単独のフィルムとして、T−ダイ押出法やインフレーション法により製膜し、基材層にドライラミネーション法で積層する方法や、基材層フィルム上に溶融押出した低密度ポリエチレン等を介して押出ラミネーションするような、一般的な方法で形成することができる。 また、前記のように基材層とヒートシール層との間に中間層を設ける場合は、マルチマニホールドやフィードブロック等を用いて、該中間層とヒートシール層が積層された積層フィルムとして形成し、この積層フィルムを中間層側の面を積層面として、ドライラミネーション法又はサンドラミネーション法等で基材層と積層することによって、本発明のカバーテープを作製することができる。

    本発明のカバーテープは、例えば電子部品を収容するための電子部品収容凹部が幅方向の中央部において長さ方向に所定間隔で形成されているキャリアテープに対して、凹部の上面をカバーするために、電子部品搬送用カバーテープとして使用される。

    <キャリアテープ>
    キャリアテープとは、電子部品を収納するための窪みを有した幅8mmから100mm程度の帯状物である。 カバーテープを蓋材としてヒートシールする場合、キャリアテープを構成する材質は特に限定されるものではなく、市販のものを用いることができ、例えばポリスチレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル等を使用することができる。 またキャリアテープは、カーボンブラックやカーボンナノチューブを樹脂中に練り込むことによって導電性を付与したもの、カチオン系、アニオン系、非イオン系などの界面活性型の帯電防止剤やポリエーテルエステルアミドなどの持続性帯電防止剤が練り込まれたもの、あるいは表面に界面活性剤型の帯電防止剤やポリピロール、ポリチオフェンなどの導電物をアクリルなどの有機バインダーに分散した塗工液を塗布することによって帯電防止性を付与したものを用いることができる。

    <電子部品包装体>
    電子部品等を収納した包装体は、例えば、キャリアテープの電子部品等を収納するための窪みに電子部品等を収納した後に、カバーテープを蓋材としカバーテープの長手方向の両縁部を、熱コテ等を用いて連続的にヒートシールして包装し、リールに巻き取ることで得られる。 この形態に包装されて電子部品等は保管、搬送される。 本発明の包装体は、コネクタ、IC、ダイオード、トランジスタ、コンデンサ、抵抗器、LEDなど各種電子部品の収納および搬送に用いることができ、特に厚みが1mm以下のサイズのLEDやトランジスタ、ダイオードなどの電子部品において、電子部品を実装する際のトラブルを大幅に抑制することができる。 電子部品等を収納した包装体は、キャリアテープの長手方向の縁部に設けられたキャリアテープ搬送用のスプロケットホールと呼ばれる孔を用いて搬送しながら断続的にカバーテープを引き剥がし、部品実装装置により電子部品等の存在、向き、位置を確認しながら電子部品を取り出し、基板への実装が行われる。

    <その他の使用例
    また、本発明のカバーテープの他の使用例として、例えば、部品を入れる形のパンチ穴をあけた角穴パンチキャリアテープと、該角穴パンチキャリアテープの角穴の下面をカバーするためのボトムカバーテープと、角穴パンチキャリアテープの角穴の上面をカバーするためのトップカバーテープとからなる搬送体が挙げられる。 このような搬送体においては、本発明の電子部品搬送用カバーテープは、トップカバーテープとして使用できる。

    本発明の電子部品搬送用カバーテープは、前記のような使用形態で、チップ固定抵抗器などの抵抗器、積層セラミックコンデンサなどのコンデンサ等の広範なチップ型電子部品などの搬送に好適に使用できる。

    本発明を、実施例を用いて具体的に説明する。
    (実施例1)
    スチレン含量が80質量%、ブタジエン含量が20質量%であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(電気化学工業社製、商品名:クリアレン)40質量部、スチレン含量が40質量%、ブタジエン含量が60質量%であるスチレン−ブタジエンブロック共重合体(日本合成ゴム社製、商品名:TRレジン)25質量部、エチレン系重合体(三井化学社製、商品名:タフマーA)25質量部、及び耐衝撃性ポリスチレン(東洋スチレン社製H870)10質量部を含有する樹脂混合物を作製し、径40mmの単軸押出機を用いて210℃で混練してT−ダイ法にて押出し、厚さ30μmのヒートシール層用のフィルムを作製した。
    このフィルムと二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを、溶融した低密度ポリエチレンで押出サンドラミネートを行い、積層フィルムを作製した。 この積層フィルムの両表面に帯電防止剤としてイミダゾリウム塩(A成分)(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート:東京化成工業社製)を30質量%、第4級アンモニウム塩(B成分)(エチル・ジメチル・ラウリルアンモニウム・エチルサルフェート:日油製エレガン264WAX)を40質量%、ポリエチレングリコール(C成分)(Mw:400)を30質量%含有する帯電防止剤を純水にて200倍に希釈した液(0.5質量%溶液)を、乾燥後の厚さが約0.1μmとなるよう塗布し、乾燥してカバーテープとした。

    (実施例2)
    イミダゾリウム塩(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート:東京化成工業社製)を80質量%、第4級アンモニウム塩(エチル・ジメチル・ラウリルアンモニウム・エチルサルフェート:日油社製エレガン264WAX)を10質量%、ポリエチレングリコール(Mw:400)を10質量%含有する帯電防止剤を用いた以外は実施例1と同様にカバーテープを作製した。

    (実施例3)
    イミダゾリウム塩(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート:東京化成工業社製)を30質量%、第4級アンモニウム塩(エチル・ジメチル・オレイルアンモニウム・エチルサルフェート)を40質量%、ポリエチレングリコール(Mw:400)を30質量%含有する帯電防止剤を用いた以外は実施例1と同様にカバーテープを作製した。

    (実施例4)
    イミダゾリウム塩(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート:東京化成工業社製)を30質量%、第4級アンモニウム塩(エチル・ジメチル・ラウリルアンモニウム・エチルサルフェート:日油製エレガン264WAX)を40質量%、ポリエチレングリコール(Mw:1000)を30質量%含有する帯電防止剤を用いた以外は実施例1と同様にカバーテープを作製した。

    (比較例1)
    第4級アンモニウム塩(エチル・ジメチル・ラウリルアンモニウム・エチルサルフェート:日油社製エレガン264WAX)を70質量%、ポリエチレングリコール(Mw:400)を30質量%含有する帯電防止剤を用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製した。

    (比較例2)
    イミダゾリウム塩(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート:東京化成工業社製)を70質量%、ポリエチレングリコール(Mw:400)を30質量%含有する帯電防止剤を用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製した。

    (比較例3)
    イミダゾリウム塩(1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・エチルサルフェート:東京化成工業社製)を60質量%、第4級アンモニウム塩(エチル・ジメチル・ラウリルアンモニウム・エチルサルフェート:日油社製エレガン264WAX)を40質量%含む帯電防止剤を用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製した。

    (比較例4)
    帯電防止剤としてアニオン系帯電防止剤(ライポンLS−250:ライオン社製)を使用した以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製した。
    (比較例5)
    帯電防止剤として両性イオン系帯電防止剤(ニッサンアノンBF:日油社製)を用いた以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製した。
    (比較例6)
    帯電防止剤として金属酸化物含有アクリル樹脂(ネオコンコート565DR−2:大日精化社製)を実施例1と同様の積層フィルムのヒートシール層面側のみに、乾燥後の厚さが約0.1μmとなるよう塗布した以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製した。

    (比較例7)
    帯電防止剤として1−エチル−3−メチルイミダゾリウム・クロライド(東京化成工業社製)のみを使用した以外は実施例1と同様にしてカバーテープを作製した。 尚、このカバーテープはヒートシール層の表面に形成した帯電防止層のべたつきがあり、内容物に付着する等の実用性に問題があった。

    (評価方法)
    前記の実施例及び比較例で作製したカバーテープを用いて、以下の評価を行い、評価結果を表1にまとめて示した。
    (1)表面抵抗率測定 三菱化学社のハイレスタUPMCP−HT450を使用しJIS K6911の方法にて、23℃、相対湿度50%の環境にて、印加電圧500V、測定時間60秒にて、カバーテープのヒートシール層側表面及び基材層側の表面抵抗率を測定した。 従来、表面抵抗率が1×10 12 Ω/sq以下であることが好ましいとされてきたが、近年の電子部品の小型化や高集積化に応じて、1×10 11 Ω/sq以下の表面抵抗率を必要とした。
    (2)剥離強度 ヒートシール機を用いて、コテ幅0.5mm×2本、圧力0.34MPa、時間0.5秒、シール回数2回の条件にて、デンカECシート(厚さ:0.4mm)により成形した24mm幅のキャリアテープに上記のように作製したカバーテープをヒートシールしてキャリアテープ体を作製し、300mm/分の速度での剥離強度を測定した。 なお、剥離強度がシール温度160℃でシールしても0.4N未満のものは、実用上剥離強度が十分でなく、輸送中等に剥離することがある。
    (3)高温多湿環境下の剥離強度安定性 前項(2)と同様にヒートシールを実施し、キャリアテープ体を作製した。 このテーピング品を高温多湿(60℃、相対湿度90%)環境に7日間保管後、恒温恒湿(23℃、相対湿度50%)環境に24時間静置した際の剥離強度を測定した。 剥離強度が0.4N未満になるものは、実用上、剥離強度が十分でなく、収納している部品が脱落する場合がある。
    (4)金属腐食性 促進環境(60℃、相対湿度90%)において、カバーテープのヒートシール層面にコバールの小片を乗せ、24時間毎にカバーテープとの接触面の外観観察を行った。 外観観察は実態顕微鏡で20倍に拡大して行い、カバーテープに触れない面との比較をし、赤褐色の変色の発生を観察し、発生までの経過時間を計測した。 観察は396時間まで行った。 尚、当該促進環境にて336時間以上変色が見られなければ、実際に市場で扱われた場合の1年間にわたって同様の変色が見られないことを確認している。

    各実施例および比較例の評価結果を表1にまとめて示した。

    本発明のカバーテープは、キャリアテープから容易に剥離できる透明性を有するカバーテープであって、十分な帯電防止効果を有し、且つ高温多湿の環境において、IC等の金属部を有する内容物の腐食を著しく抑制できることから、金属部分を有するIC等の電子部品の搬送・保管のための電子部品搬送体用カバーテープとして使用できるだけでなく、チップ固定抵抗器などの抵抗器、積層セラミックコンデンサなどのコンデンサ等の広範なチップ型電子部品などの搬送にも好適に使用できる。

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