Endless woven fabric for concentrating solution of paper material and its production

申请号 JP33883196 申请日 1996-11-15 公开(公告)号 JPH09228284A 公开(公告)日 1997-09-02
申请人 Nippon Filcon Co Ltd; 日本フイルコン株式会社; 发明人 NAGURA HIROYUKI; KUJI TAKEHITO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To obtain an endless woven fabric for concentrating the aqueous solution of regenerated paper materials to remove inks, etc., and to provide a method for producing the same. SOLUTION: This endless woven fabric for concentrating the solution of paper materials comprises an endless woven fabric 1 formed from a woven fabric produced by weaving plastic monofilaments, a flexureresistant portion 7 having a width of 30-50mm, disposed at at least one of the lateral salvages of the endless woven fabric and formed by filling >=85% of the space of the woven fabric 1 with a thermoplastic resin, a guide projection 8 molded from the thermoplastic resin and disposed in a state integrally fused and bound to the thermoplastic filled into the travel surface of the flexure-resistant portion 7, and plate-like reinforcing plates 9 having the approximately same length as the width of the woven fabric, extended to both the ends of the woven fabric and formed by filling >=85% of the space of the woven fabric with a thermoplastic resin.
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 プラスチックモノフィラメントを用いて製織した織物で形成した無端状織物と、この無端状織物の巾方向の耳部の少なくとも一端に配設した熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した巾30
    〜50mmの抗屈曲部と、該屈曲部の走行面に充填した熱可塑性樹脂と一体に融着結合して配設した熱可塑性樹脂で成形したガイド突起と、織物の巾とほぼ同じ長さであって両巾端にまたがる、熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した板状の補強板とからなる紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項2】 無端状織物がプラスチックモノフィラメントからなる緯糸を少なくとも3層に配置し、プラスチックモノフィラメントからなる経糸を用いて製織した多重織物で形成した無端状織物である、請求項1に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項3】 最下層の緯糸の間に補助緯糸を配置した、請求項1または2に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項4】 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸がナイロンモノフィラメントである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項5】 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の最上層の緯糸がナイロンモノフィラメントである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項6】 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の最上層と最下層の緯糸がナイロンモノフィラメントである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項7】 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の最上層の緯糸と最下層の補助緯糸がナイロンモノフィラメントである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項8】 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の中間層の緯糸がナイロンモノフィラメントである、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項9】 抗屈曲部の、充填した熱可塑性樹脂樹脂層が無端状織物の走行面に突出しない層である、請求項1ないし8のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項10】 ガイド突起が抗屈曲部の充填した熱可塑性樹脂樹脂と同一の熱可塑性樹脂樹脂を用いて形成された突起である、請求項1ないし9いずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項11】 熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂または塩化ビニル樹脂である、請求項1ないし10のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項12】 補強板が巾20〜50mmの板状の補強板である、請求項1ないし11のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項13】 補強板が複数枚間隔を置いて配置された、請求項1ないし12のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項14】 補強板が無端状織物の長さ方向に直交して間隔を設けて複数個所に配設した板状体である、請求項1ないし13のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項15】 補強板がポリウレタン樹脂また塩化ビニル樹脂で形成された板状体である、請求項1ないし1
    4のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項16】 補強板が補強板の巾方向の両端部の剛性が中央部の剛性より小さい板状体である、請求項1ないし15のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項17】 補強板が補強板の厚さを補強板の巾の両端部方向に徐々に薄く形成した、板状体である、請求項1ないし16のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項18】 補強板が巾方向両端部に小孔を配設した板状の補強板である、請求項1ないし17のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項19】 補強板が巾方向両端部に溝を配設した板状の補強板である、請求項1ないし17のいずれか1
    項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項20】補強板が巾方向両端部を波状となした板状の補強板である、請求項1ないし17のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項21】 補強板が巾方向両端部を鋸歯状となした板状の補強板である、請求項1ないし17のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項22】 補強板を有端状織物の突き合わせ端部に配置し加熱圧着して補強板で無端状となした、請求項1ないし21のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項23】 補強板を有端状織物の端部の突き合わせ部に配置し加熱圧着して補強板で無端状となした、請求項1ないし22のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。
  • 【請求項24】 プラスチックモノフィラメントを用いて製織した織物で形成した無端状織物の巾方向の耳部の少なくとも一端に巾30〜50mm、厚さ1〜1.5m
    mの熱可塑性樹脂シートを載置し加熱圧着して熱可塑性樹脂で耳部の織物の空間の85%以上を充填して巾30
    〜50mmの抗屈曲部を形成し、ついで該抗屈曲部の走行面に熱可塑性樹脂を用いて形成された突起を融着して抗屈曲部の熱可塑性樹脂と一体に融着して配設し、さらに熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した織物の巾とほぼ同じ長さであって両巾端にまたがる、板状の補強板を配設することを特徴とする、紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。
  • 【請求項25】 プラスチックモノフィラメントで製織した織物が多層織物である、請求項24に記載された、
    紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。
  • 【請求項26】 補強板が熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した織物の巾とほぼ同じ長さであって両端にまたがる、巾が20〜50mmの板状の補強板である、請求項24または25に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。
  • 【請求項27】 プラスチックモノフィラメントで織成した無端状織物の巾方向の耳部の走行面の反対面の少なくとも一端に巾30〜50mm、厚さ1〜1.5mmの熱可塑性樹脂シートを載置し加熱圧着した、請求項25
    ないし26のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。
  • 【請求項28】 プラスチックモノフィラメントで織成した有端状織物の両端部を突き合わせ、突き合わせ部の走行面の反対側に補強板を載置し、加熱圧着することによって有端状織物を無端状織物に形成した、請求項25
    ないし27のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【産業上の利用分野】本発明は、新聞紙等の故紙から脱墨、脱灰分等により再生した紙資料の溶液からインキ粒子、灰分等を除去する濃縮無端状織物及びその製造方法に関する。

    【0002】

    【従来の技術】従来知られている濃縮用無端織物としては例えば、織物の巾方向両端部に突起を縫いつけた特開平2−14090号のものが知られている。

    【0003】

    【発明が解決しようとする課題】故紙等の紙資料の溶解後からの濃縮は製紙とは異なり、溶解物は織物上に均一に少量づつ供給されるのではなく、固形分が不均一に分散した状態で放出される。 そのため織物に不均一に大きな荷重がかかり、回転する無端状織物は斜行し、時にはインナーロールから外れてしまう。 この現象を防止するためインナーロールに溝を設け、この溝と嵌合するガイド突起を織物の巾方向両端部に設けることが試みられたが、ガイド突起の織物の中心側の端面部で織物が走行中に短時間で切断してしまうのである。 インナーロールに嵌合溝を設けずにインナーロールの端面にガイド突起の側面を接触して斜行を防止する場合も同様に切断が発生する。 前述の特開平2−14090号の公知技術はこの切断を防止するためガイド突起を織物に縫いつけている。 縫合による固着は融着とは異なり、突起と織物の間に遊びがあるため織物の切断がかなり緩和される。 しかしながら、切断も完全には防止出来ず、ガイド性能が低下する欠点がある。 特開平4−361682号公報にはプラスチックモノフィラメントで製織した織物で形成した無端状織物の部にポリウレタン樹脂を充填した抗屈曲部を設けてこの抗屈曲部にポリウレタン樹脂で成形したガイド突起を設けた濃縮無端状織物が示されている。
    この網はガイド性能は優れているが、使用中に抗屈曲部の内側末端部で織物が切断する問題が発生した。 本発明は上記の欠点を解決し良好なガイド性と耐切断強度を有する織物を提供し、この織物による故紙等の紙資料の濃縮を行う方法を提供するものである。

    【0004】

    【課題を解決する手段】本発明は、 「1. プラスチックモノフィラメントを用いて製織した織物で形成した無端状織物と、この無端状織物の巾方向の耳部の少なくとも一端に配設した熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した巾30〜50
    mmの抗屈曲部と、該屈曲部の走行面に充填した熱可塑性樹脂と一体に融着結合して配設した熱可塑性樹脂で成形したガイド突起と、織物の巾とほぼ同じ長さであって両巾端にまたがる、熱可塑性樹脂で織物の空間の85%
    以上を充填して形成した板状の補強板とからなる紙資料の濃縮用無端状織物。 2. 無端状織物がプラスチックモノフィラメントからなる緯糸を少なくとも3層に配置し、プラスチックモノフィラメントからなる経糸を用いて製織した多重織物で形成した無端状織物である、1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 3. 最下層の緯糸の間に補助緯糸を配置した、1項または2項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 4. 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸がナイロンモノフィラメントである、1項ないし3項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 5. 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の最上層の緯糸がナイロンモノフィラメントである、1項ないし3項のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。 6. 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の最上層と最下層の緯糸がナイロンモノフィラメントである、1項ないし3項のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。 7. 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の最上層の緯糸と最下層の補助緯糸がナイロンモノフィラメントである、1項ないし3
    項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 8. 少なくとも3層に配置したプラスチックモノフィラメントからなる緯糸層の中間層の緯糸がナイロンモノフィラメントである、1項ないし3項のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。 9. 抗屈曲部の、充填した熱可塑性樹脂樹脂層が無端状織物の走行面に突出しない層である、1項ないし8項のいずれか1項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物。 10. ガイド突起が抗屈曲部の充填した熱可塑性樹脂樹脂と同一の熱可塑性樹脂樹脂を用いて形成された突起である、1項ないし9項いずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 11. 熱可塑性樹脂がポリウレタン樹脂または塩化ビニル樹脂である、1項ないし10項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 12. 補強板が巾20〜50mmの板状の補強板である、1項ないし11項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 13. 補強板が複数枚間隔を置いて配置された、1項ないし12項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 14. 補強板が無端状織物の長さ方向に直交して間隔を設けて複数個所に配設した板状体である、1項ないし13項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 15. 補強板がポリウレタン樹脂また塩化ビニル樹脂で形成された板状体である、1項ないし14項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 16. 補強板が補強板の巾方向の両端部の剛性が中央部の剛性より小さい板状体である、1項ないし15項のいずれが1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 17. 補強板が補強板の厚さを補強板の巾の両端部方向に徐々に薄く形成した、板状体である、1項ないし1
    6項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 18. 補強板が巾方向両端部に小孔を配設した板状の補強板である、1項ないし17項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 19. 補強板が巾方向両端部に溝を配設した板状の補強板である、1項ないし17項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 20. 補強板が巾方向両端部を波状となした板状の補強板である、1項ないし17項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 21. 補強板が巾方向両端部を鋸歯状となした板状の補強板である、1項ないし17項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 22. 補強板を有端状織物の突き合わせ端部に配置し加熱圧着して補強板で無端状となした、1項ないし21
    項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 23. 補強板を有端状織物の端部の突き合わせ部に配置し加熱圧着して補強板で無端状となした、1項ないし22項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物。 24. プラスチックモノフィラメントを用いて製織した織物で形成した無端状織物の巾方向の耳部の少なくとも一端に巾30〜50mm、厚さ1〜1.5mmの熱可塑性樹脂シートを載置し加熱圧着して熱可塑性樹脂で耳部の織物の空間の85%以上を充填して巾30〜50m
    mの抗屈曲部を形成し、ついで該抗屈曲部の走行面に熱可塑性樹脂を用いて形成された突起を融着して抗屈曲部の熱可塑性樹脂と一体に融着して配設し、さらに熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した織物の巾とほぼ同じ長さであって両巾端にまたがる、板状の補強板を配設することを特徴とする、紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。 25. プラスチックモノフィラメントで製織した織物が多層織物である、24項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。 26. 補強板が熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した織物の巾とほぼ同じ長さであって両端にまたがる、巾が20〜50mmの板状の補強板である、24項または25項に記載された、紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。 27. プラスチックモノフィラメントで織成した無端状織物の巾方向の耳部の走行面の反対面の少なくとも一端に巾30〜50mm、厚さ1〜1.5mmの熱可塑性樹脂シートを載置し加熱圧着した、25項ないし26項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。 28. プラスチックモノフィラメントで織成した有端状織物の両端部を突き合わせ、突き合わせ部の走行面の反対側に補強板を載置し、加熱圧着することによって有端状織物を無端状織物に形成した、25項ないし27項のいずれか1項に記載された紙資料の濃縮用無端状織物の製造方法。 」 に関する。

    【0005】本発明で使用する織物は経糸にポリエチレンテレフタレートモノフィラメントを使用し、緯糸にポリエチレンテレフタレートモノフィラメントおよび/またはポリアミドモノフィラメントを用いて製織した、空間率45%〜70%厚さ0.5mm〜1.5mmの織物である。

    【0006】織物は経糸と緯糸により織成されるので剛体ではなく仕上げ加工を行っても全体が均一な伸び、抗張、剛性を有しているわけでない。 したがって無端状で回転させると伸びの大きい側から伸びの小さい側に織物は寄って行く。 また織物の走行面のクリンプの配列により織物は斜行し片側に寄る。 更に無端状で回転させる装置のロールのセンター調節が不十分であるとやはり織物は片側に寄る。

    【0007】この様な種々の原因により織物の斜行が発生する。 したがって斜行の方向はそれぞれの織物により決定され、また無端状で回転させる装置により定まる。
    したがって斜行する方向が定まっていれば、その反対側の耳部にガイド突起を設ければよいが通常は走行させるまで斜行の方向は不明であるので両側耳部に配置するのが望ましい。 ところで、故紙等の紙資料の濃縮は、これ等の溶解物を織物上や織物とインナーロールの間に供給して、織物とインナーロールの間で圧縮したり、遠心力で脱水を行う。 したがって重量の大きい物が織物上や織物とインナーロールの間に置かれると張力が変化し、斜行が助長される。 斜行が激しいと織物はインナーロールからはずれてしまうのである。

    【0008】織物の巾方向端部にガイド突起を配設し、
    インナーロールに設けた溝と嵌合させてガイドすると、
    溝の深さがガイド突起とほぼ等しい場合は織物がガイド突起に対して内側に移動しようとする場合、インナーロールと接触している織物の部分ではガイド突起の内側面が溝の内側の壁面に当接するが織物が更に内側に移動しようとするのでガイド突起は内側に引かれて溝から外れようとしてガイド突起の外側が持ち上がり織物はガイド突起の内側面付近で屈曲する。

    【0009】一方織物がガイド突起に対して外側に移動しようとする場合、インナーロールと接触している織物の部分ではガイド突起の外側面が溝の外側の壁面に当接するが織物が更に外側に移動しようとするのでガイド突起は外側に押されて溝から外れようとしてガイド突起の内側が持ち上がり織物はガイド突起に押し付けられて屈曲する。 そしてインナーロールから離れると屈曲が取り除かれる。 この屈曲運動が繰り返し行われるので織物はガイド突起の内方側面付近で切断する。

    【0010】ガイド突起の織物との固着をゆるめ、遊びを設けて織物がガイド突起に押しつけられた時にガイド突起が少し移動するようにすると織物の屈曲は多少緩和されるが、切断を防止することは出来ない。 しかも、ガイド突起の固着がゆるいとガイド性能が減少し、インナーロールの溝から脱出する傾向が大きくなる欠点がある。 突起は織物の巾方向の一端に設けても良く、両端に設けてもよい。 勿論ガイド突起はインナーロール端面と接触してガイドしてもよい。 この場合はガイド突起は織物の巾方向両端に配設するのが好適である。 そしてこの場合は織物を張架したときにガイド突起はインナーロールに直接的に張架されていないため直接的に張力が働かず織物より張力が低くなる。 したがって、インナーロールと接触している織物の部分でガイド突起はインナーロールの端面でインナーロールの中心軸方向に屈曲する。
    このため織物はガイド突起の内側面付近で屈曲する。 インナーロールから離れると屈曲は緩やかに曲がる程度に緩和される。 この屈曲が連続的に繰り返されると、前述のようにガイド突起のインナーロールの中心軸方向への屈曲によりガイド突起付近の織物がインナーロールの端肩部で摩耗されることにより織物はガイド突起の内側面付近で切断する。 なお、溝の深さがガイド突起より大きい溝を設けたインナーロールを用いた場合も上記と同様に切断する。

    【0011】本発明は、織物の巾方向端部のガイドロールを配設する部位に巾30〜50mmの熱可塑性樹脂による抗屈曲部を配置し、この抗屈曲部にガイド突起を融着して固着する。 このように融着することにより織物と、強固に結合するのでガイド性は良好となる。 抗屈曲部は、織物の巾方向端部に熱可塑性樹脂シートを重ねて加熱圧着すると、熱可塑性樹脂が織物組織中にも浸透し織物と一体に結合して屈曲しない耳部が形成される。 抗屈曲部は巾30mm〜50mmが好ましい。 30mm以下では屈折が発生し易い。 50mm以上でも効果は変らない。 本発明で使用する熱可塑性樹脂としては、ナイロン、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等が用いられるが、ポリウレタン樹脂が最も好ましい。 以下最も好ましいポリウレタン樹脂を用いた場合をもっと説明する。

    【0012】また、抗屈曲部のポリウレタン樹脂の量は、織物の空間の85%以上を充填する必要がある。 8
    5%以下では抗屈曲効果が小さく、ガイド突起との融着も不充分となる。 ガイド突起は抗屈曲部と融着させるので、上記のポリウレタン樹脂シートと同じポリウレタン樹脂で成形した突起が最も好ましい。 突起の形状はインナーロールの溝に合う形状であれば断面矩形、円形、三形等適宜でよいが、断面台形の突起が融着面積が大きいので好適である。

    【0013】突起および耳部の加工にポリウレタン樹脂を使用するのは強度が大きく、耐摩耗性も良好で、織物との結合も良く、可撓性が大きいのでインナーロールでの折り返しが良好であるからである。

    【0014】突起は連続した棒状体でも良く、不連続な何本かの棒状体で形成してもよいが、不連続状とするとインナーロールでの折り返しが一層良好になる。 本発明はさらに織物の両巾端部にわたって織の巾とほぼ同じ長さの、熱可塑性樹脂で織物の空間の85%以上を充填して形成した板状の補強を配設する。 この補強板は織物に剛性を与えてしわの発生を防ぎ、抗張力を大きくして織物の巾方向の伸びの差を小さくし、無端状で回転したときの織物の斜行を防ぐ作用を奏する。 この板状体は巾2
    0mm〜50mmが好ましい。 20mm以下では効果が乏しく、巾50mm以上とすると織物の▲ろ▼水性が低下して濃縮効果に悪影響をもたらす。

    【0015】また、補強板の剛性を補強板の巾方向の両端部の剛性を中央部の剛性を小さくすることが好ましい。 両端部の剛性を小さくすると、補強板の端部で織物が切断するトラブルを防止することが可能となるのである。 両端部の剛性を小さくする方法としては、両端の厚さを薄くしたり、開孔を設けたり、溝を設けたり、補強板の両端側の形状を波状にしたり、ジグザク状、鋸波状にしたり、樹脂の種類を変更したりする種々の手段が採用できる。 これ等の種々の手段のなかで、補強板の巾方向両端部に小孔を配置した補強板は小孔を配置した部分の剛性が小さくなるのであるが、孔の数や大きさを変更することにより剛性を小さくする程度を設定できる。 端部に近いほど、孔の数を増やすと、徐々に剛性を小さくすることができるので好ましい。 また巾方向両端部に溝を設けると効率的に巾方向の剛性を小さくする効果が奏されるので好ましい。 補強板の巾方向両端部を波形状としたり鋸歯状とすると徐々に剛性を小さくできる効果が奏されるので好ましい。 勿論、これらの手段を複合させて採用することも可能である。 例えば、厚さを薄くしつつ、小孔を形成するのである。 また、補強板の両端側の織物に樹脂を含浸させて、この樹脂を剛性の小さい補強板の代用としても良い。

    【0016】製紙とは異なり、紙料の濃縮においてはこのような板状部分を織物に形成しても▲ろ▼水性の不均一によるワイヤーマークの発生などは問題とならない。
    補強板は複数個所に形成しても良く、等間隔で配設することが好ましい。 熱可塑性樹脂としては抗屈曲部と同様なナイロン、ポリエステル樹脂、塩化ビニル樹脂等が用いられるが、ポリウレタン樹脂が最も好ましい。 また補強板を形成する樹脂の量は板状体部の織物の空間の85
    %以上を充填する量である必要がある。 85%以下では織物との結合力と剛性と抗張力が充分でない。

    【0017】本発明の補強板の形状の板状体は棒状のものも含む意味である。 また、この補強板を配設したことにより、次のような優れた効果を奏することができる。
    従来は、織継によって有端状の織物を無端状に形成していた。 織継は、織物端部の緯糸を取り除いて経糸のみとした両端部を突き合わせ、別に用意した織物から経糸を取り除いて緯糸のみとした織継片を両端部の間に設置し、織継片の緯糸を組織に合わせて開口させ、開口部に両端部の経糸を交互に打ち込んで織物組織を形成させつつ、無端状にするという作業のため、大変に手間が掛かり、コストアップにつながる最大の要因であった。 しかし、本発明では、例えばハサミなどで切断した両端部をただ単に突き合わせ、突き合わせ部に補強板を載置して加熱圧着することにより、補強板に両端部が結合され、
    織物が無端状に形成される。 両端部を突き合わせて補強板を加熱圧着するのみであるので、作業も容易で短時間で終わり、大きなコストダウンとなるのである。 また、
    結合強度も両端部の織物組織の中に補強板の樹脂が充填され、強力に一体化されているため全く問題ないのである。

    【0018】本発明の他の重要な特徴は無端状織物の構造にある。 無端状織物の耳部に抗屈曲部を設けることによりここに設けたガイド突起は安定し、ガイド性が良好となりガイド突起付近の織物の切断はなくなる。 しかしながら抗屈曲部の内側末端部付近で織物の切断が生ずる問題がある。 この問題解決のため種々研究したが抗屈曲部を広げることは濃縮を行う織物の面積が減少するので避けなければならない。 抗屈曲部の樹脂量を少くして屈曲性を与えるとガイド突起の付近での屈曲により織物は切断する。 加工樹脂を変えてみても効果はない。 そこで織物の構造に着目して構造を改良した。 通常の無端状織物は耐摩耗性を向上するために緯糸摩耗型とし、経糸の切断を防止している。 しかし紙資料濃縮用無端状織物の抗屈曲部付近の切断をみると緯糸に繰り返し屈曲が行われてフィブリル化して切断することがわかった。 従って、削れに対する耐摩耗性を向上させても効果がなかったのである。 織物を2枚重ねて配置しても夫々の織物がほとんど同時に切断してしまった。 また、両層の織物を接結する接結糸が切断して織物が分離してしまうという問題もあった。

    【0019】本発明は、抗屈曲部付近の切断を防止するためには、織物の緯糸方向の耐屈曲性を向上させて、緯糸のフィブリル化を防止しなければならないことに着目して緯糸3層以上の構造の織物とすることを研究して完成させた。 経糸、緯糸を多層に配置すると使用命数は延長されるが、経糸を単層とした場合に較べてあまり効果がない。 このような実験的経験から、緯糸を多層に配置することが有効であることがわかった。 補助緯糸は下層の織物の目を細かくして紙資料の洩れを防止する。 そして、緯糸は少くとも3層に配置することが好ましく、2
    層では効果が充分でない。 また、屈曲する度合が大きい最上層および/または最下層の緯糸には、フィブリル化しにくい、ポリアミドモノフィラメントを用いることが望ましい。 また多層構造にしても、不均一な故紙等の溶解分散液が、不均一に供給され荷重が不均一にかけられる濃縮用織物にはしわが発生したり、斜行する問題が発生するので、補強板により抗張力と剛性を向上するのである。 また、補強板の端部で織物が切断するトラブルを防止するため、補強板の両端部の剛性を中央部の剛性より小さくすることが望ましい。

    【0020】

    【発明の実施の形態】本発明の無端状織物は、織物の巾方向端部の耳部に、厚さ1mm1〜1.5mmのポリウレタン樹脂シートを重ね加熱圧着して樹脂を織物の内部に充分浸透させ、反対側の表面近傍まで浸透させる。 ついで織物のシートを圧着した反対面から同質のポリウレタン樹脂で成形した突起を加熱圧着して、両ポリウレタン樹脂を融着して一体とすることにより製造することが出来る。 一方補強板も、織物の両巾端にわたる、織物の巾とほぼ同じ長さの厚さ1mm〜1.5mmのポリウレタン樹脂シートを重ね加熱圧着してポリウレタン樹脂を溶融して織物の内部に充分浸透させ、反対側の表面近傍まで浸透させることにより製造することが出来る。 本発明の紙資料の濃縮用無端状織物はインナーロールと織物の間のニップ圧と高速回転による遠心力により連続的に紙資料の水溶液からインキ粒子、灰分、紙を形成しない微細繊維等を除去するのである。

    【0021】

    【実施例】本発明の実施例を図面に基いて説明する。

    【0022】図1は、本発明の実施例を示す平面図である。 1は織物で両端の表側に抗屈曲部7が配設され、抗屈曲部7の反対側、すなわち走行面側にガイド突起5が配設されている。 9が補強板であって織物の長さ方向に直交して等間隔に複数個所に配設されている。 この補強板9が織物1に剛性を与えてしわの発生を防ぎ、織物の切断や斜行を防ぐのである。 また、本実施例では、補強板9で織物の長さ方向の両端を接続して無端状としている。 10が接続部である。 両端を突き合わせて、この突き合わせ部に他の補強板9を配設すると同様の方法で補強板9を配設するだけで織物を無端状に形成することが可能なのである。 織継作業を必要としないため、生産性が非常に良く、大きなコストダウンとなり、好適な実施例である。 勿論、接続部10は複数個所に形成しても良い。 短い織物を複数枚使用するのである。

    【0023】図2は、別の実施例を示す平面図である。
    補強板9を斜めに交差させて配設した実施例である。 斜め方向の剛性を向上させるのに好適である。 図3から図7は、本発明の実施例に使用する補強板を示す平面図及び断面図である。 これ等の実施例は補強板の巾方向の両端部の剛性を中央部より小さくした実施例であり、補強板の端部で織物が切断するトラブルを防止できる好適な実施例である。 図3は端部11の厚さを織物の中心側に向けて徐々に薄く薄肉部14を形成した実施例である。
    図4は図3の補強板の巾方向断面図であって両端が薄肉14となっている。 図5は、端部11に小孔12を形成した実施例である。 図6は図5の補強板の巾方向断面図であって両端に貫通孔12が設けられている。 図7は端部11に溝13を形成した実施例である。 図8は図7の補強板の巾方向断面図であって両端に溝13が設けられている。 図9は端部11を波状に形成した実施例である。 図10は、端部11を鋸波状に形成した実施例である。

    【0024】図11は本発明の実施例に使用した織物を示す縦断面図である。 1は織物で経糸2と上緯糸3と中緯糸4と下緯糸5と下緯糸5の間に配置した補助緯糸6
    で織成された経糸一重緯糸三重織物である。

    【0025】図12は織物の巾方向端部の耳部に抗屈曲部とガイド突起を配設するところを示す断面図である。
    1は織物で経糸2と上緯糸3、中緯糸4、下緯糸5、補助緯糸6によって織成されている。 巾方向の端部の一面にポリウレタン樹脂シートの抗屈曲部7が重ねられ、反対側に断面台形のガイド突起8が融着されるのである。

    【0026】図13はガイド突起を設けた織物の端部断面を示す。 織物に加熱圧着されたポリウレタン樹脂シートは織物の組織内に浸透し、反対側表面付近にまで浸透していることがわかる。 こうして抗屈曲部が形成されるのである。 そしてガイド突起も加熱圧着され、一部は織物組織内に浸透して抗屈曲部と一体に融着している。 こうして織物の耳部はポリウレタン樹脂により包まれた構造となる。 したがって、ガイド突起の内側の側面付近でも織物は屈曲しない。 また、抗屈曲部付近の屈曲に対しても、緯糸が3層に配置されているため、耐屈曲性が大きく、フィブリル化して切断することがない。

    【0027】図14は本発明の織物をインナーロール1
    5に張架したところを示す断面図である。 インナーロールの端面にガイド突起が接触している。 この例では織物の両端の耳部に突起を配設しているが、予め斜行の方向わかっていれば片方の耳部にのみ配置しても、斜行を防止することができ、インナーロールからの脱落は発生しない。

    【0028】図15は本発明の織物を用いて故紙の紙資料を濃縮する濃縮装置を説明する。 紙資料16はヘッドボックス17から織物1とインナーロール15の間に供給されインナーロールと織物の間で圧縮されたり、折り返し部で遠心脱水され、収集される。

    【0029】図16は比較試験に用いた装置を説明する。 2本のインナーロールは織物の左右端部の周長を変え織物が斜行するように配置されている。 比較試験 実施例と比較試験で使用した織物を表1に示す。 比較例1と比較例2は同じ織物を使用した。

    【0030】

    【表1】

    【0031】実施例 表1に示した厚さが1.05mmの経糸一重緯糸三重織物を使用し、0.082g/cm 、厚さ1mmのポリウレタン樹脂シートを耳部に熱溶着させて、抗屈曲部を配設し、ここにガイド突起を熱溶着した図1の無端状織物である。 補強板は0.041g/cm 、厚さ0.5
    mm、巾30mmのポウレタン樹脂シートを500mm
    間隔に熱溶着した。

    【0032】比較例1 表1に示した上下2枚の織物を接結糸によって結合した厚さ1.10mm上下二層織物を使用し、ポリウレタン樹脂で形成したガイド突起を耳部に糸で縫い付けた特開平2−14090号公報記載の無端状織物である。

    【0033】比較例2 比較例1と同じ織物を使用し、実施例と同じ抗屈曲部を配設してガイド突起を熱溶着した特開平4−36168
    2号公報記載の無端状織物である。

    【0034】試験方法 図16に示す装置を用いた。 すなわち、あらかじめ左右の周長を変え、織物が斜行するように配置した2本のロールに織物を張架して600m/minで回転させた。
    結果を表2に示す。

    【0035】

    【表2】

    【0036】

    【発明の効果】本発明の織物は耳部の切断抗屈曲部付近の切断が発生せず長時間の使用に耐える。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】本発明の実施例を示す平面図である。

    【図2】本発明の別の実施例を示す平面図である。

    【図3】本発明の他の実施例に使用する補強板を示す平面図及び断面図である。

    【図4】図3の補強板の断面図である。

    【図5】本発明の他の実施例に使用する別の補強板を示す平面図及び断面図である。

    【図6】図5の補強板の断面図である。

    【図7】本発明の他の実施例に使用する別の補強板を示す平面図及び断面図である。

    【図8】図7の補強板の断面図である。

    【図9】本発明の他の実施例に使用する別の補強板を示す平面図及び断面図である。

    【図10】本発明の他の実施例に使用する別の補強板を示す平面図及び断面図である。

    【図11】本発明の実施例に使用する織物を示す縦断面図である。

    【図12】織物に抗屈曲部とガイド突起を配設する前の状態を示す一部断面図である。

    【図13】織物に抗屈曲部とガイド突起を一体に結合して配設したところを示す一部断面図である。

    【図14】本発明の織物をロールに張架したところを示す断面図である。

    【図15】パルプ濃縮工程を示す説明図である。

    【図16】比較試験の方法を示す説明図である。

    【符号の説明】

    1 織物 2 経糸 3 上緯糸 4 中緯糸 5 下緯糸 6 補助緯糸 7 抗屈曲部 8 ガイド突起 9 補強板 10 接続部 11 補強板の端部 12 小孔 13 溝 14 薄肉部 15 インナーロール 16 紙資料 17 ヘッドボックス

    QQ群二维码
    意见反馈