Electrophotographic image receiving sheet and image formation method

申请号 JP2003425593 申请日 2003-12-22 公开(公告)号 JP2005181881A 公开(公告)日 2005-07-07
申请人 Fuji Photo Film Co Ltd; 富士写真フイルム株式会社; 发明人 TANI YOSHIO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an electrophotographic image receiving sheet of high quality having excellent toner fixability, adhesion resistance and traveling property in combination and an image formation method using the electrophotographic image receiving sheet. SOLUTION: The electrophotographic image receiving sheet has a support and a toner image receiving layer on at least one surface of the support, wherein the toner image receiving layer contains a mixture composed of a linear amorphous polymer and a linear crystalline polymer, and the glass transition temperature (Tg1(°C)) of the linear amorphous polymer is 40 to 120°C and the melting point (Tm(°C)) of the linear crystalline polymer is 100 to 200°C. The embodiment that the glass transition temperature (Tg1(K)) of the linear amorphous polymer and the melting point (Tm(K)) of the linear crystalline polymer satisfy an expression: 1.0×Tg1(K)≤Tm(K)≤1.5×Tg1(K) or the like is more preferable. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • 支持体と、該支持体の少なくとも一面にトナー受像層を有する電子写真用受像シートにおいて、前記トナー受像層が、線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物を含み、該線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(℃))が40〜120℃であり、かつ、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(℃))が100〜200℃であることを特徴とする電子写真用受像シート。
  • Tg1(℃)が50〜100℃であり、かつTm(℃)が120〜175℃である請求項1に記載の電子写真用受像シート。
  • 線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(K))と、線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、次式、1.0×Tg1(K)≦Tm(K)≦1.5×Tg1(K)を満たす請求項1から2のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
  • 線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物における混合質量比(非晶性ポリマー:結晶性ポリマー)が1:9〜9:1である請求項1から3のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
  • 線状の結晶性ポリマーが、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル及び該樹脂の共重合体並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種である請求項1から4のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
  • 線状の結晶性ポリマーが、線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂である請求項5に記載の電子写真用受像シート。
  • 線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物の含有量が、トナー受像層用組成物に対し固形分で50質量%以上である請求項1から6のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
  • トナー受像層に受容されるトナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(℃))が40〜120℃である請求項1から7のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
  • トナー受像層に受容されるトナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(K))と、トナー受像層における線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、次式、1.0×Tg2(K)≦Tm(K)≦1.5×Tg2(K)を満たす請求項1から8に記載の電子写真用受像シート。
  • 支持体が、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂層を形成してなる請求項1から9のいずれかに記載の電子写真用受像シート。
  • 請求項1から10のいずれかに記載の電子写真用受像シートにトナー画像を形成するトナー画像形成工程と、該トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する定着平滑化工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
  • ベルト部材が、ベルト支持体上にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した請求項11に記載の画像形成方法。
  • ベルト部材が、ベルト支持体上にシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した請求項11に記載の画像形成方法。
  • フルオロカーボンシロキサンゴム層におけるフルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有する請求項12から13のいずれかに記載の画像形成方法。
  • 说明书全文

    本発明は、良好なトナー定着性と優れた耐接着性及び走行性とを兼ね備えた高品質な電子写真用受像シート及び該電子写真用受像シートを用いた画像形成方法に関する。

    電子写真方法は、ドライ処理で、印字速度が優れ、普通紙や上質紙等の汎用紙などに出できることから、コピー機や、パソコンの出力機として広く利用されている。 このような電子写真方法に用いられる電子写真用受像シートにおいて、トナー受像層は、各種の方法によって形成されている。 例えば、原紙等の支持体に、熱可塑性樹脂を溶融押出等によって積層する方法や、樹脂溶液を支持体に塗工する方法等が提案されている。

    前記トナー受像層における熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度(Tg)が環境温度よりも高く、トナー定着可能温度より数十℃低い温度域にある非晶性ポリマーが通常用いられている。 しかし、前記非晶性ポリマーは、トナーとの密着性に優れているが、トナー受像層同士の接着力も高いため、トナー受像層同士が接着して接着故障が生じてしまうという問題がある。

    これに対し、結晶性ポリマーはそのガラス転移温度(Tg)がマイナス温度領域のものであっても、常温での密着力は弱く、トナー受像層同士の接着故障は生じないが、トナー樹脂との密着性が不足し、定着後のトナーが受像層から脱落してしまうという問題がある。

    このように非晶性ポリマー及び結晶性ポリマーには、それぞれ固有の問題点がありその解決が望まれている。 例えば、特許文献1には、非晶性ポリマーを主体とする受像層中に、結晶性ポリマーからなる顔料を含有する電子写真印刷用媒体が提案されている。 しかし、該顔料は、マット剤として動摩擦係数を制御する目的で添加されており、微粒子であり、非晶性ポリマーとの相溶性が低いものである。

    特開平6−75417号公報

    本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。 即ち、本発明は、優れたトナー定着性と耐接着性と走行性とを兼ね備えた高品質な電子写真用受像シート及び該電子写真用受像シートを用いた画像形成方法を提供することを目的とする。

    前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。 即ち、
    <1> 支持体と、該支持体の少なくとも一面にトナー受像層を有する電子写真用受像シートにおいて、前記トナー受像層が、線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物を含み、該線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(℃))が40〜120℃であり、かつ、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(℃))が100〜200℃であることを特徴とする電子写真用受像シートである <2> Tg1(℃)が50〜100℃であり、かつTm(℃)が120〜175℃である前記<1>に記載の電子写真用受像シートである。
    <3> 線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(K))と、線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、次式、1.0×Tg1(K)≦Tm(K)≦1.5×Tg1(K)を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
    <4> 線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物における混合質量比(非晶性ポリマー:結晶性ポリマー)が1:9〜9:1である前記<1>から<3>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
    <5> 線状の結晶性ポリマーが、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステルアミド樹脂、ポリエーテルエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリメタクリル酸エステル及び該樹脂の共重合体並びにこれらの混合物から選択される少なくとも1種である前記<1>から<4>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
    <6> 線状の結晶性ポリマーが、線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂である前記<5>に記載の電子写真用受像シートである。
    <7> 線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物の含有量が、トナー受像層用組成物に対し固形分で50質量%以上である前記<1>から<6>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
    <8> トナー受像層に受容されるトナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(℃))が40〜120℃である前記<1>から<7>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
    <9> トナー受像層に受容されるトナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(K))と、トナー受像層における線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、次式、1.0×Tg2(K)≦Tm(K)≦1.5×Tg2(K)を満たす前記<1>から<8>に記載の電子写真用受像シートである。
    <10> 支持体が、原紙の少なくとも一方の面にポリオレフィン樹脂層を形成してなる前記<1>から<9>のいずれかに記載の電子写真用受像シートである。
    <11> 前記<1>から<10>のいずれかに記載の電子写真用受像シートにトナー画像を形成するトナー画像形成工程と、該トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する定着平滑化工程とを有することを特徴とする画像形成方法である。
    <12> ベルト部材が、ベルト支持体上にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した前記<11>に記載の画像形成方法である。
    <13> ベルト部材が、ベルト支持体上にシリコーンゴム層と、該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム層を形成した前記<11>に記載の画像形成方法である。
    <14> フルオロカーボンシロキサンゴム層におけるフルオロカーボンシロキサンゴムが、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有する前記<12>から<13>のいずれかに記載の画像形成方法である。

    本発明の電子写真用受像シートは、支持体と、該支持体の少なくとも一面にトナー受像層を有し、前記トナー受像層が、線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物を含み、該線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(℃))が40〜120℃であり、かつ、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(℃))が100〜200℃である。 その結果、トナーとの密着性が高いにもかかわらず、トナー受像層同士の接着力が小さく、脆性にも優れ、優れたトナー定着性と耐接着性と走行性を兼ね備えた高品質な電子写真用受像シートが得られる。

    本発明の画像形成方法は、本発明の前記電子写真用受像シートを、加熱加圧手段と、冷却手段と、冷却剥離部とを有する冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機を用いて画像形成する。 これにより、定着オイルのないオイルレス機を使用しても、定着ローラ及び定着ベルトにオフセットすることのない安定した給紙を実現できると共に、これまでにない良好な光沢性を有し、写真感覚に富む、良好な画像を実現できる。

    本発明によると、従来における諸問題を解決でき、トナー受像層に線状の非晶性ポリマーと線状の結晶性ポリマーとの混合物を含有させることによって、優れたトナー定着性と耐接着性と走行性とを兼ね備えた高品質な電子写真用受像シートを提供できる。

    (電子写真用受像シート)
    本発明の電子写真用受像シートは、支持体と、該支持体上にトナー受像層を少なくとも有し、必要に応じて適宜選択したその他の層、例えば、保護層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、平滑化層などを有してなる。 これらの各層は単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。

    〔トナー受像層〕
    前記トナー受像層は、カラーや黒トナーを受容し、画像を形成するためのトナー受像層である。 該トナー受像層は、転写工程にて、(静)電気、圧力等にてトナーを受容し、定着工程にて熱、圧力等にて固定化する機能を有する。

    前記トナー受像層は、線状の非晶性ポリマーと、線状の結晶性ポリマーとの混合物を含有し、必要に応じてその他の成分を含有する。
    ここで、前記線状の非晶性ポリマー及び線状の結晶性ポリマーとは、以下のような方法で確認されるポリマーを意味する。
    まず、窒素雰囲気下において、ポリマーを室温〜320℃まで加熱し、その状態で10分間保持する。 次いで室温近傍まで急冷し、直ちに示差走査熱量計(DSC)を用いて再度室温から5℃/分の昇温速度で320℃まで昇温を行い、結晶融解に基づく吸熱曲線を求める。 この吸熱曲線において、結晶化に帰属される発熱ピーク(結晶化ピーク)が観察されるポリマーを線状の結晶性ポリマーとし、観察されないポリマーを線状の非晶性ポリマーとする。

    前記線状の非晶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、生産性等の点から熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、非晶性ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリメチルメタクリルサンアクリレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、又はこれらを主たる成分とする共重合体、或いはこれら樹脂の混合物、等が挙げられる。 これらの中でも、非晶性ポリエステル樹脂、及びこれらを主たる成分とする共重合体又はこれら樹脂の混合物がより好ましい。

    前記線状の結晶性ポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、生産性等の点から熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等の結晶性のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプレピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル及びこれらを主たる成分とする共重合体、又はこれら樹脂の混合物等が挙げられる。 これらの中でも、結晶性ポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプレピレン等のポリオレフィン樹脂又はこれらを主たる成分とする共重合体、或いはこれらの混合物がより好ましく、線状の飽和結晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。

    前記線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(℃))は40〜120℃であり、50〜100℃がより好ましい。 また、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(℃))は100〜200℃であり、120〜175℃がより好ましい。 また、前記トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(℃))は、40〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。
    前記非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(℃))、前記トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(℃))及び前記結晶性ポリマーの融点(Tm(℃))が、低すぎると、耐接着性が低下し、高温保管においてシート同士が接着しやすくなることがあり、また、画像形成装置での走行性が低下し、ジャミングが発生しやすくなることがある。 前記非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(℃))、前記トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2)及び前記結晶性ポリマーの融点(Tm(℃))が、高すぎると、トナー定着性が低下し、光沢性が低くなり、エッジボイドの発生等による画質の低下、折り曲げでの画像ヒビ割れが生じやすくなる。

    また、前記線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(K))と、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、次式、1.0×Tg1(K)≦Tm(K)≦1.5×Tg1(K)を満たすことが好ましく、1.1×Tg1(K)≦Tm(K)≦1.4×Tg1(K)を満たすことがより好ましい。
    前記線状の非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1(K))と、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、前記関係式を満たさない場合には、トナー受像層のシャープメルト性が損なわれ、トナー定着性、画質と耐接着性の両立ができなくなることがある。 また、定着温度にもよるが、定着後に相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。 更に、経時でも相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。

    前記トナー受像層に受容されるトナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(K))と、トナー受像層における線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、次式、1.0×Tg2(K)≦Tm(K)≦1.5×Tg2(K)を満たすことが好ましく、1.1×Tg2(K)≦Tm(K)≦1.4×Tg2(K)を満たすことがより好ましい。
    前記トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2(K))と、前記線状の結晶性ポリマーの融点(Tm(K))とが、前記関係式を満たさない場合には、トナー定着性と画質と耐接着性とを兼ね備えることができなくなることがある。 また、定着温度にもよるが、定着後に相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。 更に、経時でも相分離が発生する懸念があり、光沢度が低下することがある。

    ここで、前記非晶性ポリマーのガラス転移温度(Tg1)、前記結晶性ポリマーの融点(Tm)、及び前記トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度(Tg2)は、上述したように、窒素雰囲気下において、樹脂を室温〜320℃まで加熱し、その状態で10分間保持する。 次いで室温近傍まで急冷し、直ちに示差走査熱量計(DSC)を用いて再度室温から5℃/分の昇温速度で320℃まで昇温を行い、結晶融解に基づく吸熱曲線から測定することができる。

    前記非晶性ポリマーと結晶性ポリマーとの混合物の含有量は、前記トナー受像層用組成物の全量に対し、固形分で50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい。
    前記非晶性ポリマーと結晶性ポリマーとの混合物における混合質量比(非晶性ポリマー:結晶性ポリマー)は1:9〜9:1が好ましく、2:8〜8:2がより好ましい。 前記非晶性ポリマーの質量比が少ない場合には、トナー密着性が低下し、表面が脆くなったり、ザラついたりすることがある。 一方、前記結晶性ポリマーの質量比が少ない場合には、耐接着性が低下したり、走行性が低下することがある。

    なお、前記トナー受像層におけるその他の成分としては、トナー受像層の熱力学的特性を改良する目的で添加される各種添加剤、例えば、離型剤、可塑剤、着色剤、フィラー、架橋剤、帯電制御剤、その他の成分、などが挙げられる。

    −離型剤−
    前記離型剤は、トナー受像層のオフセットを防ぐため、トナー受像層に配合される。 前記離型剤は、定着温度において加熱・融解し、トナー受像層表面に析出してトナー受像層表面に偏在し、更に、冷却・固化されることによってトナー受像層表面に離型剤材料の層を形成するものであれば、その種類は限定されない。
    このような作用効果を奏する離型剤としては、シリコーン化合物、フッ素化合物、ワックス及びマット剤から選択される少なくとも1種の離型剤が挙げられる。 好ましくは、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、及びシリコーン粒子並びにポリエチレンワックス粒子からなる群より選択される少なくとも1種以上の離型剤が挙げられる。

    前記離型剤としては、例えば、幸書房「改訂 ワックスの性質と応用」、日刊工業新聞社発行のシリコーンハンドブック記載の化合物を用いることができる。 また、特公昭59−38581号、特公平4−32380号、特許第2838498号、同2949558号、特開昭50−117433号、同52−52640号、同57−148755号、同61−62056号、同61−62057号、同61−118760号、特開平2−42451号、同3−41465号、同4−212175号、同4−214570号、同4−263267号、同5−34966号、同5−119514号、同6−59502号、同6−161150号、同6−175396号、同6−219040号、同6−230600号、同6−295093号、同7−36210号、同7−43940号、同7−56387号、同7−56390号、同7−64335号、同7−199681号、同7−223362号、同7−287413号、同8−184992号、同8−227180号、同8−248671号、同8−248799号、同8−248801号、同8−278663号、同9−152739号、同9−160278号、同9−185181号、同9−319139号、同9−319143号、同10−20549号、同10−48889号、同10−198069号、同10−207116号、同11−2917号、同11−44969号、同11−65156号、同11−73049号、同11−194542号各公報に記載のトナーに用いられているシリコーン系化合物、フッ素化合物又はワックスも好ましく用いることができる。 また、これら化合物を複数組み合わせて使用することもできる。

    具体的には、シリコーン系化合物としては、シリコーンオイルとして無変性シリコーンオイル(具体的には、ジメチルシロキサンオイルや、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、市販品として信越化学工業製KF−96、KF−96L、KF−96H、KF−99、KF−50、KF−54、KF−56、KF−965、KF−968、KF−994、KF−995、HIVAC F−4、F−5;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH200、SH203、SH490、SH510、SH550、SH710、SH704、SH705、SH7028A、SH7036、SM7060、SM7001、SM7706、SH7036、SH8710、SH1107、SH8627;東芝シリコーン製TSF400、TSF401、TSF404、TSF405、TSF431、TSF433、TSF434、TSF437、TSF450シリーズ、TSF451シリーズ、TSF456、TSF458シリーズ、TSF483、TSF484、TSF4045、TSF4300、TSF4600、YF33シリーズ、YF−3057、YF−3800、YF−3802、YF−3804、YF−3807、YF−3897、XF−3905、XS69−A1753、TEX100、TEX101、TEX102、TEX103、TEX104、TSW831、など)、アミノ変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−857、KF−858、KF−859、KF−861、KF−864、KF−880、東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8417、SM8709、東芝シリコーン製TSF4700、TSF4701、TSF4702、TSF4703、TSF4704、TSF4705、TSF4706、TEX150、TEX151、TEX154など)、カルボキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製BY16−880、東芝シリコーン製TSF4770、XF42−A9248など)、カルビノール変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF42−B0970など)、ビニル変性シリコーンオイル(市販品として東芝シリコーン製XF40−A1987など)、エポキシ変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8411、SF8413;東芝シリコーン製TSF3965、TSF4730、TSF4732、XF42−A4439、XF42−A4438、XF42−A5041、XC96−A4462、XC96−A4463、XC96−A4464、TEX170など)、ポリエーテル変性シリコーンオイル(市販品として信越化学工業製KF−351(A)、KF−352(A)、KF−353(A)、KF−354(A)、KF−355(A)、KF−615(A)、KF−618、KF−945(A);東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH3746、SH3771、SF8421、SF8419、SH8400、SF8410;東芝シリコーン製TSF4440、TSF4441、TSF4445、TSF4446、TSF4450、TSF4452、TSF4453、TSF4460など)、シラノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8427、SF8428、東芝シリコーン製TSF4750、TSF4751、XF42−B0970など)、アルキル変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SF8416、東芝シリコーン製TSF410、TSF411、TSF4420、TSF4421、TSF4422、TSF4450、XF42−334、XF42−A3160、XF42−A3161など)、フッ素変性シリコーンオイル(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製FS1265、東芝シリコーン製FQF501など)、シリコーンゴムやシリコーン微粒子(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH851U、SH745U、SH55UA、SE4705U、SH502UA&B、SRX539U、SE6770U−P、DY38−038、DY38−047、トレフィルF−201、F−202、F−250、R−900、R−902A、E−500、E−600、E−601、E−506、BY29−119;東芝シリコーン製トスパール105、120、130、145、240、3120など)、シリコーン変性樹脂(具体的には、オレフィン樹脂やポリエステル樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂などやこれらの共重合樹脂をシリコーン変性した化合物など、市販品として大日精化製ダイアロマーSP203V、SP712、SP2105、SP3023;日本油脂製モディパーFS700、FS710、FS720、FS730、FS770;東亜合成化学製サイマックUS−270、US−350、US−352、US−380、US−413、US−450、レゼダGP−705、GS−30、GF−150、GF−300;東レ・ダウコーニング・シリコーン製SH997、SR2114、SH2104、SR2115、SR2202、DCI−2577、SR2317、SE4001U、SRX625B、SRX643、SRX439U、SRX488U、SH804、SH840、SR2107、SR2115;東芝シリコーン製YR3370、TSR1122、TSR102、TSR108、TSR116、TSR117、TSR125A、TSR127B、TSR144、TSR180、TSR187、YR47、YR3187、YR3224、YR3232、YR3270、YR3286、YR3340、YR3365、TEX152、TEX153、TEX171、TEX172など)、反応性シリコーン化合物(具体的には、付加反応型や、過酸化物硬化型、紫外線硬化型があり、市販品として東芝シリコーン製TSR1500、TSR1510、TSR1511、TSR1515、TSR1520、YR3286、YR3340、PSA6574、TPR6500、TPR6501、TPR6600、TPR6702、TPR6604、TPR6700、TPR6701、TPR6705、TPR6707、TPR6708、TPR6710、TPR6712、TPR6721、TPR6722、UV9300、UV9315、UV9425、UV9430、XS56−A2775、XS56−A2982、XS56−A3075、XS56−A3969、XS56−A5730、XS56−A8012、XS56−B1794、SL6100、SM3000、SM3030、SM3200、YSR3022など)などが挙げられる。

    前記フッ素化合物としては、フッ素オイル(市販品としてダイキン工業製ダイフロイル#1、#3、#10、#20、#50、#100、ユニダインTG−440、TG−452、TG−490、TG−560、TG−561、TG−590、TG−652、TG−670U、TG−991、TG−999、TG−3010、TG−3020、TG−3510;トーケムプロダクツ製MF−100、MF−110、MF−120、MF−130、MF−160、MF−160E;旭硝子製サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145;三井フロロケミカル製FC−430、FC−431など)、フッ素ゴム(市販品として東レ・ダウコーニング・シリコーン製LS63Uなど)、フッ素変性樹脂(市販品として日本油脂製モディパーF200、F220、F600、F2020、F3035;大日精化製ダイアロマーFF203、FF204;旭硝子製サーフロンS−381、S−383、S−393、SC−101、SC−105、KH−40、SA−100;トーケムプロダクツ製EF−351、EF−352、EF−801、EF−802、EF−601、TFE、TFEA、TFEMA、PDFOH;住友3M製THV−200Pなど)、フッ素スルホン酸化合物(市販品としてトーケムプロダクツ製EF−101、EF−102、EF−103、EF−104、EF−105、EF−112、EF−121、EF−122A、EF−122B、EF−122C、EF−123A、EF−123B、EF−125M、EF−132、EF−135M、EF−305、FBSA、KFBS、LFBSなど)、フルオロスルホン酸、フッ素酸化合物や塩(具体的には無フッ酸、稀フッ酸、ホウフッ酸、ホウフッ化亜鉛、ホウフッ化ニッケル、ホウフッ化錫、ホウフッ化鉛、ホウフッ化銅、ケイフッ酸、フッ化チタン酸カリウム、パーフルオロカプリル酸、パーフルオロオクタン酸アンモニウムなど)、無機フッ化物(具体的にはフッ化アルミニウム、ケイフッ化カリウム、フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化亜鉛4水和物、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、フッ化バリウム、フッ化錫、フッ化カリウム、酸性フッ化カリウム、フッ化マグネシウム、フッ化チタン酸、フッ化ジルコン酸、六フッ化リン酸アンモニウム、六フッ化リン酸カリウムなど)などが挙げられる。

    前記ワックスとしては、例えば、合成炭化水素、変性ワックス、水素化ワックス、天然ワックスなどが挙げられる。

    前記合成炭化水素としては、例えば、ポリエチレンワックス(市販品として中京油脂製ポリロンA、393、H−481、三洋化成製サンワックスE−310、E−330、E−250P、LEL−250、LEL−800、LEL−400Pなど)、ポリプロピレンワックス(市販品として三洋化成製ビスコール330−P、550−P、660−P)、フィッシャートロプシュワックス(市販品として日本精鑞製FT100、FT−0070など)など、酸アミド化合物或いは酸イミド化合物(具体的には、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミドなど、市販品として中京油脂製セロゾール920、B−495、ハイミクロンG−270、G−110、ハイドリンD−757など)などが挙げられる。

    前記変性ワックスとしては、例えば、アミン変性ポリプロピレン(市販品として三洋化成製QN−7700)、アクリル酸変性やフッ素変性、オレフィン変性ワックス、ウレタン型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−6010、HAD−5090など)、アルコール型ワックス(市販品として日本精鑞製NPS−9210、NPS−9215、OX−1949、XO−020Tなど)などが挙げられる。

    前記水素化ワックスとしては、例えば、硬化ひまし油(市販品として伊藤製油製カスターワックスなど)、ヒマシ油誘導体(市販品として伊藤製油製の脱水ヒマシ油DCO、DCO Z−1、DCO Z−3、ヒマシ油脂肪酸CO−FA、リシノレイン酸、脱水ヒマシ油脂肪酸DCO−FA、脱水ヒマシ油脂肪酸エポキシエステルD−4エステル、ヒマシ油系ウレタンアクリレートCA−10、CA−20、CA−30、ヒマシ油誘導体MINERASOL S−74、S−80、S−203、S−42X、S−321、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸MINERASOL RC−2、RC−17、RC−55、RC−335、特殊ヒマシ油系縮合脂肪酸エステルMINERASOL LB−601、LB−603、LB−604、LB−702、LB−703、#11、L−164、など)、ステアリン酸(市販品として伊藤製油製の12−ヒドロキシステアリン酸など)、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、セバシン酸(市販品として伊藤製油製のセバシン酸など)、ウンデシレン酸(市販品として伊藤製油製のウンデシレン酸など)、ヘプチル酸(市販品として伊藤製油製のヘプチル酸など)、マレイン酸、高度マレイン化油(市販品として伊藤製油製のHIMALEIN DC−15、LN−10、00−15、DF−20、SF−20など)、吹込油(市販品として伊藤製油製のセルボノール#10、#30、#60、R−40、S−7など)、シクロペンタジエン化油(市販品として伊藤製油製のCPオイル、CPオイル−Sなど)などの合成ワックスなどが挙げられる。

    前記天然ワックスとしては、植物系ワックス、動物系ワックス、鉱物系ワックス及び石油ワックスから選択される少なくともいずれかが好ましい。

    前記植物系ワックスとしては、例えば、カルナバワックス(市販品として日本精鑞製EMUSTAR−0413、中京油脂製セロゾール524など)、ヒマシ油(市販品として伊藤製油製精製ヒマシ油など)、ナタネ油、大豆油、木ろう、綿ろう、ライスワックス、サトウキビワックス、キャンデリラワックス、ジャパンワックス、ホホバ油、などが挙げられる。 これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスが特に好ましい。
    前記動物系ワックスとしては、例えば、ラノリン、鯨蝋、ステ蝋(鯨油)、羊毛蝋、等が挙げられる。

    前記鉱物系ワックスとしては、例えば、モンタンワックス、モンタン系エステルワックス、オゾケライト、セレシン、脂肪酸エステル(市販品として新日本理化製サンソサイザーDOA、AN−800、DINA、DIDA、DOZ、DOS、TOTM、TITM、E−PS、nE−PS、E−PO、E−4030、E−6000、E−2000H、E−9000H、TCP、C−1100など)、等が挙げられる。 これらの中でも、特に、耐オフセット性、耐接着性、通紙性、光沢感が優れ、ひび割れが生じ難く、高画質の画像を形成可能な電子写真用受像シートを提供可能である点で、融点が70〜95℃のカルナバワックスのモンタンワックスが特に好ましい。

    前記石油ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス(市販品として日本精鑞製パラフィンワックス155、150、140、135、130、125、120、115、HNP−3、HNP−5、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12、HNP−14G、SP−0160、SP−0145、SP−1040、SP−1035、SP−3040、SP−3035、NPS−8070、NPS−L−70、OX−2151、OX−2251、EMUSTAR−0384、EMUSTAR−0136、中京油脂製セロゾール686、428、651−A、A、H−803、B−460、E−172、866、K−133、ハイドリンD−337、E−139、日石三菱石油製125°パラフィン、125°FD、130°パラフィン、135°パラフィン、135°H、140°パラフィン、140°N、145°パラフィン、パラフィンワックスMなど)、マイクロクリスタリンワックス(市販品として日本精鑞製Hi−Mic−2095、Hi−Mic−3090、Hi−Mic−1080、Hi−Mic−1070、Hi−Mic−2065、Hi−Mic−1045、Hi−Mic−2045、EMUSTAR−0001、EMUSTAR−042X、中京油脂製セロゾール967、M、日石三菱石油製155マイクロワックス、180マイクロワックスなど)、ペトロラタム(市販品として日本精鑞製OX−1749、OX−0450、OX−0650B、OX−0153、OX−261BN、OX−0851、OX−0550、OX−0750B、JP−1500、JP−056R、JP−011Pなど)などが挙げられる。

    前記天然ワックスの前記トナー受像層(表面)における含有量は、0.1〜4g/m が好ましく、0.2〜2g/m がより好ましい。
    前記含有量が、0.1g/m 未満であると、耐オフセット性、耐接着性が特に不充分となることがある一方、4g/m を超えると、ワックス量が多過ぎ、形成される画像の画質が劣ることがある。
    前記天然ワックスの融点(℃)としては、特に、耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。

    前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。 マット剤として用いられる固体粒子は、無機粒子と有機粒子とに分類できる。 無機マット剤の材料としては、具体的には、酸化物(例えば、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム)、アルカリ土類金属塩(例えば、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウム)、ハロゲン化銀(例えば、塩化銀、臭化銀)及びガラスが挙げられる。

    前記無機マット剤としては、例えば、西独特許2529321号、英国特許760775号、同1260772号、米国特許1201905号、同2192241号、同3053662号、同3062649号、同3257206号、同3322555号、同3353958号、同3370951号、同3411907号、同3437484号、同3523022号、同3615554号、同3635714号、同3769020号、同4021245号、同4029504号の各明細書に記載されたものが挙げられる。

    前記有機マット剤の材料には、デンプン、セルロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート)、セルロースエーテル(例えば、エチルセルロース)及び合成樹脂が含まれる。 合成樹脂は、水不溶性又は水難溶性であることが好ましい。 水不溶性又は水難溶性の合成樹脂の例には、ポリ(メタ)アクリル酸エステル(例えば、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリアルコキシアルキル(メタ)アクリレート、ポリグリシジル(メタ)アクリレート)、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニル)、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン)、ポリスチレン、ベンゾグアナミン樹脂、ホルムアルデヒド縮合ポリマー、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール及びポリ塩化ビニリデンが含まれる。
    以上のポリマーに使用されるモノマーを組み合わせたコポリマーを用いてもよい。

    前記コポリマーの場合、少量の親水性の繰り返し単位が含まれていてもよい。 親水性の繰り返し単位を形成するモノマーの例には、アクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート及びスチレンスルホン酸が含まれる。
    有機マット剤としては、例えば、英国特許1055713号、米国特許1939213号、同2221873号、同2268662号、同2322037号、同2376005号、同2391181号、同2701245号、同2992101号、同3079257号、同3262782号、同3443946号、同3516832号、同3539344号、同3591379号、同3754924号、同3767448号の各明細書、特開昭49−106821号公報、特開昭57−14835号公報に記載されたものが挙げられる。
    また、二種類以上の固体粒子を併用してもよい。 固体粒子の平均粒径は、例えば、1〜100μmが好ましく、4〜30μmがより好ましい。 前記固体粒子の使用量は、0.01〜0.5g/m が好ましく、0.02〜0.3g/m がより好ましい。

    前記トナー受像層に添加される離型剤としては、これらの誘導体や、酸化物、精製品、混合物を用いることもできる。 また、これらは、反応性の置換基を有していてもよい。

    前記離型剤の融点としては、特に耐オフセット性、及び、通紙性の点で、70〜95℃が好ましく、75〜90℃がより好ましい。
    また前記離型剤としては、特に、前記トナー受像層の熱可塑性樹脂として水系の熱可塑性樹脂を用いた場合の相溶性等の点で、水分散型の離型剤が好ましい。

    前記離型剤の含有量は、前記トナー受像層全量に対し0.1〜10質量%が好ましく、0.3〜8.0質量%がより好ましく、0.5〜5.0質量%が更に好ましい。

    −可塑剤−
    前記可塑剤としては、公知の樹脂用の可塑剤を特に制限なく使用することができる。 該可塑剤は、トナーを定着する時の熱及び/又は圧力によって、トナー受像層が流動又は柔軟化するのを調整する機能を有する。
    前記可塑剤としては、「化学便覧」(日本化学会編、丸善)、「可塑剤−その理論と応用−」(村井孝一編著、幸書房)、「可塑剤の研究 上」「可塑剤の研究 下」(高分子化学協会編)、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等を参考にして選択することができる。

    前記可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル類、リン酸エステル類、脂肪酸エステル類、アビエチン酸エステル類、アジピン酸エステル類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、安息香酸エステル類、酪酸エステル類、エポキシ化脂肪酸エステル類、グリコール酸エステル類、プロピオン酸エステル類、トリメリット酸エステル類、クエン酸エステル類、スルホン酸エステル類、カルボン酸エステル類、コハク酸エステル類、マレイン酸エステル類、フマル酸エステル類、フタル酸エステル類、ステアリン酸エステル類等;アミド類(例えば、脂肪酸アミド類、スルホアミド類等)、エーテル類、アルコール類、ラクトン類、ポリエチレンオキシ類、などが挙げられる(特開昭59−83154号、同59−178451号、同59−178453号、同59−178454号、同59−178455号、同59−178457号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、同62−174754号、同62−245253号、同61−209444号、同61−200538号、同62−8145号、同62−9348号、同62−30247号、同62−136646号、特開平2−235694号各公報等参照)。 なお、前記可塑剤は、樹脂に混合して使用することができる。

    前記可塑剤としては、比較的低分子量のポリマーを用いることができる。 この場合、該可塑剤の分子量としては、可塑化されるべきバインダー樹脂の分子量より低いものが好ましく、分子量は15000以下が好ましく、5000以下がより好ましい。 また、ポリマー可塑剤の場合、可塑化されるべきバインダー樹脂と同種のポリマーであることが好ましい。 例えば、ポリエステル樹脂の可塑化には、低分子量のポリエステルが好ましい。 更にオリゴマーも可塑剤として用いることができる。 上記に挙げた化合物以外にも市販品として、例えば、旭電化工業製アデカサイザーPN−170、PN−1430;C. P. HALL社製品PARAPLEX−G−25、G−30、G−40;理化ハーキュレス製品エステルガム8L−JA、エステルR−95、ペンタリン4851、FK115、4820、830、ルイゾール28−JA、ピコラスチックA75、ピコテックスLC、クリスタレックス3085等が挙げられる。

    前記可塑剤は、トナー粒子がトナー受像層に埋め込まれる際に生じる応力や歪み(弾性力や粘性などの物理的な歪み、分子やバインダー主鎖やペンダント部分などの物質収支による歪み等)を緩和するために任意に使用することができる。
    前記可塑剤は、トナー受像層中において、ミクロに分散された状態でもよいし、海島状にミクロに相分離した状態でもよいし、バインダー等の他の成分と充分に混合溶解した状態でもよい。
    前記可塑剤の、前記トナー受像層における含有量としては、0.001〜90質量%が好ましく、0.1〜60質量%がより好ましく、1〜40質量%が更に好ましい。
    前記可塑剤は、スベリ性(摩擦力低下による搬送性向上)の調整や、定着部オフセット(定着部へのトナーや層の剥離)の改良、カールバランスの調整、帯電調整(トナー静電像の形成)等の目的で使用してもよい。

    前記着色剤としては、蛍光増白剤、白色顔料、有色顔料、染料等が挙げられる。
    前記蛍光増白剤は、近紫外部に吸収を持ち、400〜500nmに蛍光を発する化合物で、公知の蛍光増白剤が特に制限なく各種使用することができる。 該蛍光増白剤としては、K. VeenRataraman編“The Chemistry of Synthetic Dyes”V巻8章に記載されている化合物を好適に挙げることができる。 具体的には、スチルベン系化合物や、クマリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾリン系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。 それらの例としては、住友化学製ホワイトフルファーPSN、PHR、HCS、PCS、B;Ciba−Geigy社製UVITEX−OBなどが挙げられる。

    前記白色顔料としては、後述するフィラーの項の無機顔料(例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム他)を用いることができる。 有色顔料としては、特開昭63−44653号公報等に記載されている各種顔料及びアゾ顔料(例えば、アゾレーキ;カーミン6B、レッド2B、不溶性アゾ;モノアゾイエロ、ジスアゾイエロ、ピラゾロオレンジ、バルカンオレンジ、縮合アゾ系;クロモフタルイエロ、クロモフタルレッド)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン系;銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、シオキサジン系;ジオキサジンバイオレット、イソインドリノン系;イソインドリノンイエロ、スレン系;ペリレン、ペリノン、フラバントロン、チオインジゴ、レーキ顔料(例えば、マラカイトグリーン、ローダミンB、ローダミンG、ビクトリアブルーB)又無機顔料(例えば、酸化物、二酸化チタン、ベンガラ、硫酸塩;沈降性硫酸バリウム、炭酸塩;沈降性炭酸カルシウム、酸塩;含水硅酸塩、無水硅酸塩、金属粉;アルミニウム粉、ブロンズ粉、亜鉛末、カーボンブラック、黄鉛、紺青等)、などが挙げられる。
    これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 これらの中でも、前記顔料としては、特に酸化チタンが好ましい。

    前記染料としては、公知の種々の染料を用いることができる。
    油溶性染料としては、アントラキノン系化合物、アゾ系化合物などが挙げられる。
    水不溶性染料の具体例としては、C. I. Vatヴァイオレット1、C. I. Vatヴァイオレット2、C. I. Vatヴァイオレット9、C. I. Vatヴァイオレット13,C. I. Vatヴァイオレット21、C. I. Vatブルー1、C. I. Vatブルー3、C. I. Vatブルー4、C. I. Vatブルー6、C. I. Vatブルー14、C. I. Vatブルー20、C. I. Vatブルー35等の建染染料;C. I. ディスパーズヴァイオレット1、C. I. ディスパーズヴァイオレット4、C. I. ディスパーズヴァイオレット10、C. I. ディスパーズブルー3、C. I. ディスパーズブルー7、C. I. ディスパーズブルー58等の分散染料;C. I. ソルベントヴァイオレット13、C. I. ソルベントヴァイオレット14、C. I. ソルベントヴァイオレット21、C. I. ソルベントヴァイオレット27、C. I. ソルベントブルー11、C. I. ソルベントブルー12、C. I. ソルベントブルー25、C. I. ソルベントブルー55等の油溶性染料、などが挙げられる。
    なお、銀塩写真で用いられているカラードカプラーも好ましく用いることができる。

    前記着色剤の、前記トナー受像層(表面)における含有量としては、0.1〜8g/m が好ましく、0.5〜5g/m がより好ましい。
    前記着色剤の含有量が0.1g/m に満たないと、トナー受像層における光透過率が高くなり、一方、着色剤の含有量が8g/m を超えると、ヒビ割れ、耐接着等の取り扱い性が悪いことがある。

    前記フィラーとしては、有機又は無機のフィラーが挙げられ、バインダー樹脂用の補強剤や、充填剤、強化材として公知のものが用いることができる。 該フィラーとしては、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)、「新版 プラスチック配合剤 基礎と応用」(大成社)、「フィラーハンドブック」(大成社)等を参考にして選択することができる。
    また、前記フィラーとして、各種無機フィラー(又は顔料)を用いることができる。 無機顔料としては、例えば、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、雲母状酸化鉄、鉛白、酸化鉛、酸化コバルト、ストロンチウムクロメート、モリブデン系顔料、スメクタイト、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、ムライト等が挙げられる。 フィラーとしては、特に、シリカや、アルミナが好ましい。 これらのフィラーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。 また前記フィラーとしては、粒径の小さいものが好ましい。 粒径が大きいと、トナー受像層の表面が粗面化し易い。

    前記シリカには、球状シリカと無定形シリカが含まれる。 該シリカは、乾式法、湿式法又はエアロゲル法により合成できる。 疎水性シリカ粒子の表面を、トリメチルシリル基又はシリコーンで表面処理してもよい。 シリカとしては、コロイド状シリカが好ましい。 シリカの平均粒径としては、200〜5000nmが好ましい。
    前記シリカは、多孔質であるのが好ましい。 多孔質シリカの平均孔径は、4〜120nmが好ましく、4〜90nmがより好ましい。 また、多孔質シリカの質量当りの平均孔容積は、0.5〜3ml/gが好ましい。

    前記アルミナには、無水アルミナ及びアルミナ水和物が含まれる。 無水アルミナの結晶型としては、α、β、γ、δ、ζ、η、θ、κ、ρ又はχを用いることができる。 無水アルミナよりもアルミナ水和物の方が好ましい。 アルミナ水和物としては、一水和物又は三水和物を用いることできる。 一水和物には、擬ベーマイト、ベーマイト及びダイアスポアが含まれる。 三水和物には、ジブサイト及びバイヤライトが含まれる。 前記アルミナの平均粒径としては、4〜300nmが好ましく、4〜200nmがより好ましい。 アルミナは、多孔質であるのが好ましい。 多孔質アルミナの平均孔径としては、50〜500nmが好ましい。 多孔質アルミナの質量当りの平均孔容積としては、0.3〜3ml/g程度が好ましい。

    前記アルミナ水和物は、アルミニウム塩溶液にアンモニアを加えて沈澱させるゾルゲル法又はアルミン酸アルカリを加水分解する方法により合成できる。 無水アルミナは、アルミナ水和物を加熱により脱水することで得ることができる。
    前記フィラーは、トナー受像層のバインダーの乾燥質量100質量部に基づいて、5〜2000質量部が好ましい。

    前記架橋剤は、トナー受像層の保存安定性や、熱可塑性等を調整するために配合することができる。 このような架橋剤としては、反応基としてエポキシ基、イソシアネート基、アルデヒド基、活性ハロゲン基、活性メチレン基、アセチレン基、その他公知の反応基を2個以上分子内に有する化合物が用いられる。

    前記架橋剤として、これとは別に、水素結合、イオン結合、配位結合等により結合を形成することが可能な基を2個以上有する化合物も用いることができる。
    前記架橋剤としては、樹脂用のカップリング剤、硬化剤、重合剤、重合促進剤、凝固剤、造膜剤、造膜助剤等として公知の化合物を用いることができる。 カップリング剤の例としては、例えば、クロロシラン類、ビニルシラン類、エポキシシラン類、アミノシラン類、アルコキシアルミニウムキレート類、チタネートカップリング剤などが挙げられる他、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品」(ラバーダイジェスト社編)等に挙げられた公知のものを用いることができる。

    前記トナー受像層には、トナーの転写や、付着等を調整したり、トナー受像層の帯電接着を防止するために、帯電調整剤を含有させることが好ましい。
    前記帯電調整剤としては、従来から公知の各種帯電調整剤を使用することができる。 このような帯電調整剤としては、例えば、カチオン界面活性剤や、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤等の他、高分子電解質、導電性金属酸化物等を使用できる。 例えば、第4級アンモニウム塩や、ポリアミン誘導体、カチオン変性ポリメチルメタクリレート、カチオン変性ポリスチレン等のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート、アニオン系ポリマー等のアニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル、ポリエチレンオキサイド等のノニオン系帯電防止剤が挙げられるが、これらに限定されるものではない。

    トナーが負電荷を有する場合、トナー受像層に配合される帯電調整剤としては、例えば、カチオンやノニオンが好ましい。
    導電性金属酸化物としては、例えば、ZnO、TiO 、SnO 、Al 、In 、SiO 、MgO、BaO、MoO 等を挙げることができる。 これらの導電性金属酸化物は、単独で使用しても良く、これらの複合酸化物で使用しても良い。 また、前記金属酸化物は、異種元素を更に含有させてもよく、例えば、ZnOに対して、Al、In等、TiO に対してNb、Ta等、SnO に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等を含有(ドーピング)させることができる。

    前記トナー受像層に使用され得る材料には、出力画像の安定性改良やトナー受像層自身の安定性改良のため各種添加剤を含めることができる。 前記添加剤としては、種々の公知の酸化防止剤、老化防止剤、劣化防止剤、オゾン劣化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯体、光安定剤、防腐剤、防かび剤、等が挙げられる。

    前記酸化防止剤としては、例えば、クロマン化合物、クマラン化合物、フェノール化合物(例、ヒンダードフェノール)、ハイドロキノン誘導体、ヒンダードアミン誘導体、スピロインダン化合物が挙げられる。 なお、酸化防止剤については、特開昭61−159644号公報などに記載されている。

    前記老化防止剤としては、例えば、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p76〜121に記載のものが挙げられる。

    前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物(米国特許3533794号明細書記載)、4−チアゾリドン化合物(米国特許3352681号明細書記載)、ベンゾフェノン化合物(特開昭46−2784号公報記載)及び紫外線吸収ポリマー(特開昭62−260152号公報記載)が挙げられる。

    前記金属錯体としては、例えば、米国特許4241155号、同4245018号、同4254195号の各明細書、特開昭61−88256号、同62−174741号、同63−199248号、特開平1−75568号、同1−74272号の各公報に記載されているものが適当である。
    また、「便覧 ゴム・プラスチック配合薬品 改訂第2版」(1993年、ラバーダイジェスト社)p122〜137に記載の紫外線吸収剤、光安定剤も好ましく用いられる。

    なお、前記トナー受像層に使用され得る材料には、上述したように公知の写真用添加剤を必要に応じて添加することができる。 前記写真用添加剤としては、例えば、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下、RDと略記する)No.17643(1978年12月)、同No. 18716(1979年11月)及び同No. 307105(1989年11月)に記載されており、その該当箇所を下記にまとめて示す。

    添加剤の種類 RD17643 RD18716 RD307105
    1. 増白剤 24頁 648頁右欄 868頁2. 安定剤 24頁〜25頁 649頁右欄 868〜870頁3. 光吸収剤 25頁〜26頁 649頁右欄 873頁 (紫外線吸収剤)
    4. 色素画像安定剤 25頁 650頁右欄 872頁5. 硬膜剤 26頁 651頁左欄 874〜875頁6. バインダー 26頁 651頁左欄 873〜874頁7. 可塑剤、潤滑剤 27頁 650頁右欄 876頁8. 塗布助剤 26頁〜27頁 650頁右欄 875〜876頁 (界面活性剤)
    9. スタチック防止剤 27頁 650頁右欄 876〜877頁
    10. マット剤 878〜879頁

    −トナー受像層の諸物性−
    前記トナー受像層は、乾燥後の塗布質量は、例えば、1〜20g/m が好ましく、4〜15g/m がより好ましい。
    前記トナー受像層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、1〜30μmが好ましく、2〜20μmがより好ましい。

    前記トナー受像層は、白色度が高いことが好ましい。 前記白色度としては、JIS P 8123に規定される方法で測定して、85%以上が好ましい。 また、440nm〜640nmの波長域で、分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内であることが好ましい。 更には、400nm〜700nmの波長域で分光反射率が85%以上、かつ同波長域の最大分光反射率と最低分光反射率の差が5%以内であることがより好ましい。
    また、前記白色度としては、具体的には、CIE 1976(L )色空間において、L 値は80以上が好ましく、85以上がより好ましく、90以上が更に好ましい。 また、白色の色味はできるだけニュートラルであるのが好ましい。 前記白色色味としては、L 空間において、(a +(b の値は50以下が好ましく、18以下がより好ましく、5以下が更に好ましい。

    前記トナー受像層としては、光沢性が高いのが好ましい。 光沢度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、45度光沢度は60以上が好ましく、75以上がより好ましく、90以上が更に好ましい。
    但し、光沢度は110以下が好ましい。 110を超えると金属光沢のようになり画質として好ましくない。
    尚、前記光沢度は、JIS Z8741に基づいて測定することができる。

    前記トナー受像層は、平滑性が高いのが好ましい。 該平滑度としては、トナーが無い白色から最大濃度の黒色までの全領域において、算術平均粗さ(Ra)は3μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましく、0.5μm以下が更に好ましい。
    尚、前記算術平均粗さは、JIS B0601、JIS B0651、JIS B0652に基づいて測定することができる。

    前記トナー受像層は、以下の項目の内の1項目の物性を有することが好ましく、更に好ましくは、複数の項目、最も好ましくは、全ての項目の物性を有することが適当である。
    (1)トナー受像層のTg(ガラス転移温度)が30℃以上、トナーのTg+20℃以下である。
    (2)トナー受像層のT1/2(1/2法軟化点)が、60〜200℃、好ましくは、80〜170℃。 ここで、1/2法軟化点は、特定の装置を使用し、特定の条件の下で、所定の押出加重を加えながら、初期設定温度(例えば、50℃)で余熱時間、例えば、300秒後に、所定の等速昇温速度で昇温した時の各温度における流出開始時と終了時のピストンストロークの差の2分の1となる温度で評価される。
    (3)トナー受像層のTfb(流出開始温度)が、40〜200℃、好ましくは、トナー受像層のTfbが、トナーのTfb+50℃以下である。
    (4)トナー受像層の粘度が1×105cpになる温度が、40℃以上、トナーのそれより低い。
    (5)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G')が、1×102〜1×105Pa、損失弾性率(G”)が、1×102〜1×105Paである。
    (6)トナー受像層の定着温度における損失弾性率(G”)と、貯蔵弾性率(G')との比である損失正接(G”/G')が、0.01〜10である。
    (7)トナー受像層の定着温度における貯蔵弾性率(G')が、トナーの定着温度における損失弾性率(G”)に対して、−50〜+2500である。
    (8)溶融トナーのトナー受像層上の傾斜が、50度以下、特に40度以下である。
    また、トナー受像層としては、特許第2788358号明細書、特開平7−248637号、同8−305067号、同10−239889号公報等に開示されている物性等を満足するものが好ましい。

    前記(1)の物性は、示差走査熱量測定装置(DSC)により測定することができる。 前記(2)〜(3)の物性は、例えば、島津製作所製フローテスターCFT−500又は500Dを用いて測定することができる。 前記(5)〜(7)の物性は、回転型レオメーター(例えば、レオメトリック社製ダイナミックアナライザーRADII)を用いて測定することができる。 前記(8)の物性は、協和界面科学(株)製の接触角測定装置を用い、特開平8−334916号公報に開示した方法で測定することができる。

    前記トナー受像層としては、1×10 〜1×10 15 Ω/cm の範囲(25℃、65%RHの条件にて)の表面電気抵抗を有するのが好ましい。
    前記表面抵抗が1×10 Ω/cm 未満であると、トナー受像層にトナーが転写される際のトナー量が充分でなく、得られるトナー画像の濃度が低くなり易いことがある一方、表面電気抵抗が、1×10 15 Ω/cm を超えると、転写時に必要以上の電荷が発生し、トナーが充分に転写されず、画像の濃度が低く、電子写真用受像シートの取り扱い中に静電気を帯びて塵埃が付着し易く、また複写時にミスフィード、重送、放電マーク、トナー転写ヌケ等が発生することがある。

    尚、前記支持体に対し、トナー受像層と反対側の面の表面電気抵抗としては、5×10 〜3.2×10 10 Ω/cm が好ましく、1×10 〜1×10 10 Ω/cm がより好ましい。
    前記表面電気抵抗の測定は、JIS K6911に準拠し、サンプルを温度20℃、湿度65%の環境下に8時間以上調湿し、同じ環境下で、アドバンテスト(株)製R8340を使用し、印加電圧100Vの条件で、通電して1分間経過した後に測定することで得られる。

    以下、電子写真用受像シートにおけるトナー受像層以外の構成要素について詳細に説明する。
    〔支持体〕
    前記支持体としては、例えば、原紙、合成紙、合成樹脂シート、コート紙、ラミネート紙、等が挙げられる。 これらの支持体は、単層構成でもよく、2層以上の積層構成でもよい。 これらの中でも、片面又は両面にポリオレフィン樹脂層を被覆したラミネート紙が、平滑光沢性及び伸縮性の点で好ましい。

    −原紙−
    前記原紙としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、具体的には、上質紙、例えば、日本写真学会編「写真工学の基礎−銀塩写真編−」、株式会社コロナ社刊(昭和54年)(223)〜(240)頁記載の紙等が好適なものとして挙げられる。

    前記原紙の材料としては、電子写真用受像シートに使用されるものとして公知の材料であれば特に制限なく、目的に応じて各種の材料から適宜選定することができ、例えば、針葉樹、広葉樹等の天然パルプ、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製の合成パルプ、或いは天然パルプと合成パルプの混合物等が挙げられる。

    前記原紙の原料として使用できるパルプとしては、原紙の表面平滑性、剛性及び寸法安定性(カール性)を同時にバランス良く、かつ十分なレベルにまで向上させる点から、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)が望ましいが、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹サルファイトパルプ(LBSP)等を使用することもできる。
    前記パルプの叩解には、ビータ、リファイナー等を使用できる。
    前記パルプのカナダ標準濾水度は、抄紙工程において紙の収縮を制御できるため、200〜440mlC. S. F. がより好ましく、250〜380mlC. S. F. が更に好ましい。
    前記パルプを叩解した後に得られるパルプスラリー(以下、「パルプ紙料」と称することがある)には、更に必要に応じて、各種添加剤、例えば、填料、乾燥紙力増強剤、サイズ剤、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調整剤、その他の薬剤などが添加される。

    前記填料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、白土、タルク、酸化チタン、珪藻土、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、等が挙げられる。
    前記乾燥紙力増強剤としては、例えば、カチオン化澱粉、カチオン化ポリアクリルアミド、アニオン化ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミド、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、等が挙げられる。
    前記サイズ剤としては、例えば、脂肪酸塩、ロジン、マレイン化ロジン等のロジン誘導体、パラフィンワックス、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水琥珀酸(ASA)、エポキシ化脂肪酸アミド、などが挙げられる。
    前記湿潤紙力増強剤としては、例えば、ポリアミンポリアミドエピクロロヒドリン、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリアミド樹脂、等が挙げられる。
    前記定着剤としては、例えば、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の多価金属塩;カチオン化澱粉等のカチオン性ポリマー、等が挙げられる。
    前記pH調整剤としては、例えば、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、等が挙げられる。
    前記その他の薬剤としては、例えば、消泡剤、染料、スライムコントロール剤、蛍光増白剤、等が挙げられる。
    更に必要に応じて、柔軟化剤等を添加することもできる。 前記柔軟化剤としては、例えば、新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁(1980年発行)などに記載のものを用いることができる。

    前記表面サイズ処理に使用される処理液には、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、水溶性高分子化合物、耐水性物質、顔料、染料、蛍光増白剤などが含まれていてもよい。
    前記水溶性高分子化合物としては、例えば、カチオン化澱粉、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート、ゼラチン、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。

    前記耐水性物質としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、塩化ビニリデン共重合体等のラテックス・エマルジョン類;ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン、等が挙げられる。
    前記顔料としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、等が挙げられる。

    前記原紙は、剛性及び寸法安定性(カール性)の向上を図る点で、縦方向ヤング率(Ea)と横方向ヤング率(Eb)の比(Ea/Eb)が1.5〜2.0の範囲にあることが好ましい。 Ea/Eb値が1.5未満、或いは2.0を超える範囲では、記録材料の剛性や、カール性が悪くなり易く、搬送時の走行性に支障をきたすことになるため、好ましくない。

    一般に、紙の「こし」は、叩解の様式の相違に基づいて異なることが分かっており、叩解後、抄紙してなる紙が持つ弾性力(率)を紙の「こし」の程度を表す重要な因子として用いることができる。 特に、紙が持つ粘弾性体の物性を示す動的弾性率と密度との関係を利用し、これに超音波振動素子を使って紙中を伝播する音速を測定することにより、紙の弾性率を下記の式より求めることができる。
    E=ρc (1−n2)
    〔但し、上記式において、Eは、動的弾性率を意味する。 ρは密度を意味する。 cは、紙中の音速を意味する。 nは、ポアソン比を意味する。

    また、通常の紙の場合、n=0.2程度であるため、下記の式で計算しても大差なく、算出することができる。
    E=ρc
    即ち、紙の密度、音速を測定することができれば、容易に弾性率を求めることができる。 上式において、音速を測定する場合には、ソニックテスターSST−110型(野村商事(株)製)等の公知の各種機器を用いることができる。

    前記原紙には、表面に所望の中心線平均粗さを付与するために、例えば、特開昭58−68037号公報に記載されているように、繊維長分布(例えば、24メッシュスクリーン残留分と、42メッシュスクリーン残留分との合計が、例えば、20〜45質量%であり、かつ24メッシュスクリーン残留分が5質量%以下)のパルプ繊維を使用するのが好ましい。 また、マシンカレンダー及びスーパーカレンダー等で熱及び圧力を加えて表面処理することにより、中心線平均粗さを調整することができる。

    前記原紙の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、通常、30〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましく、100〜250μmが更に好ましい。 前記原紙の坪量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができ、例えば、50〜250g/m が好ましく、100〜200g/m がより好ましい。

    −合成紙−
    前記合成紙は、セルロース以外のポリマー繊維を主成分とする紙であり、前記ポリマー繊維としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、などが挙げられる。

    −合成樹脂シート(フィルム)−
    前記合成樹脂シート(フィルム)としては、合成樹脂をシート状に成形したもの等が挙げられ、例えば、ポリプロピレンフィルム、延伸ポリエチレンフィルム、延伸ポリプロピレン、ポリエステルフィルム、延伸ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、延伸により白色にしたフィルム、白色顔料を含む白色フィルムなどが挙げられる。

    −コート紙−
    前記コート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴムラテックス又は高分子材料を片面又は両面に塗工した紙であり、用途に応じて、塗工量が異なる。 このようなコート紙としては、例えば、アート紙、キャストコート紙、ヤンキー紙等が挙げられる。

    前記原紙等の表面に塗工する樹脂としては、熱可塑性樹脂を使用することが適当である。 このような熱可塑性樹脂としては、例えば、以下の(イ)〜(チ)の熱可塑性樹脂を例示することができる。

    (イ)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂や、エチレンやプロピレン等のオレフィンと、他のビニルモノマーとの共重合体樹脂や、アクリル樹脂等が挙げられる。
    (ロ)エステル結合を有する熱可塑性樹脂である。 例えば、ジカルボン酸成分(これらのジカルボン酸成分にはスルホン酸基、カルボキシル基等が置換していてもよい)と、アルコール成分(これらのアルコール成分には水酸基などが置換されていてもよい)との縮合により得られるポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリレート等のポリアクリル酸エステル樹脂又はポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂等が挙げられる。
    具体的には、特開昭59−101395号公報、同63−7971号公報、同63−7972号公報、同63−7973号公報、同60−294862号公報などに記載のものを挙げることができる。
    また、市販品としては、東洋紡製のバイロン290、バイロン200、バイロン280、バイロン300、バイロン103、バイロンGK−140、バイロンGK−130;花王製のタフトンNE−382、タフトンU−5、ATR−2009、ATR−2010;ユニチカ製のエリーテルUE3500、UE3210、XA−8153、KZA−7049、KZA−1449;日本合成化学製のポリエスターTP−220、R−188;星光化学工業社製のハイロスシリーズの各種熱可塑性樹脂、等が挙げられる。

    (ハ)ポリウレタン樹脂等が挙げられる。
    (ニ)ポリアミド樹脂、尿素樹脂等が挙げられる。
    (ホ)ポリスルホン樹脂等が挙げられる。
    (ヘ)ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体樹脂等が挙げられる。
    (ト)ポリビニルブチラール等の、ポリオール樹脂、エチルセルロース樹脂、酢酸セルロース樹脂等のセルロース樹脂等が挙げられる。
    (チ)ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無水マレイン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。
    なお、前記熱可塑性樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

    また、前記熱可塑性樹脂樹脂には、蛍光増白剤、導電剤、填料、酸化チタン、群青、カーボンブラック等の顔料や染料等を必要に応じて含有させておくことができる。

    −ラミネート紙−
    前記ラミネート紙は、原紙等のシートに、各種の樹脂、ゴム又は高分子シート又はフィルム等をラミネートした紙である。 前記ラミネート材料としては、例えば、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリイミド、トリアセチルセルロース等が挙げられる。 これらの樹脂は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。

    前記ポリオレフィンは、一般に低密度ポリエチレンを用いて形成することが多いが、支持体の耐熱性を向上させるために、ポリプロピレン、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド、高密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンド等を用いるのが好ましい。 特に、コストや、ラミネート適性等の点から、高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いるのが最も好ましい。

    前記高密度ポリエチレンと、前記低密度ポリエチレンとのブレンドは、例えば、ブレンド比率(質量比)1/9〜9/1で用いられる。 該ブレンド比率としては、2/8〜8/2が好ましく、3/7〜7/3がより好ましい。 該支持体の両面に熱可塑性樹脂層を形成する場合、支持体の裏面は、例えば、高密度ポリエチレン、或いは高密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとのブレンドを用いて形成されるのが好ましい。 ポリエチレンの分子量としては、特に制限はないが、メルトインデックスが、高密度ポリエチレン及び低密度ポリエチレンのいずれについても、1.0〜40g/10分の間のものであって、押出し適性を有するものが好ましい。
    尚、これらのシート又はフィルムには、白色反射性を与える処理を行ってもよい。 このような処理方法としては、例えば、これらのシート又はフィルム中に酸化チタンなどの顔料を配合する方法が挙げられる。

    前記支持体の厚みとしては、25μm〜300μmが好ましく、50μm〜260μmがより好ましく、75μm〜220μmが更に好ましい。 該支持体の剛度としては、種々のものがその目的に応じて使用することが可能であり、写真画質の電子写真用受像シート用の支持体としては、カラー銀塩写真用の支持体に近いものが好ましい。

    [その他の層]
    前記その他の層としては、例えば、表面保護層、バック層、密着改良層、中間層、下塗り層、クッション層、帯電調節(防止)層、反射層、色味調製層、保存性改良層、接着防止層、アンチカール層、及び、平滑化層等が挙げられる。 これらの層は、単層構成であってもよく、2以上の層より構成されていてもよい。

    前記表面保護層は、前記電子写真用受像シートにおける表面の保護、保存性の改良、取り扱い性の改良、筆記性の付与、機器通過性の改良、アンチオフセット性の付与等の目的で、前記トナー受像層の表面に設けることができる。 該表面保護層は、1層であってもよいし、2層以上の層からなっていてもよい。 表面保護層には、バインダーとして各種の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができ、前記トナー受像層と同種の樹脂を用いるのが好ましい。 但し、熱力学的特性や、静電特性等は、トナー受像層と同じである必要はなく、各々最適化することができる。

    前記表面保護層には、トナー受像層に使用可能な、前述の各種の添加剤を配合することができる。 特に、前記表面保護層には、本発明で使用する離型剤と共に、他の添加剤、例えば、マット剤等を配合することができる。 なお、前記マット剤としては、種々の公知のものが挙げられる。
    前記電子写真用受像シートにおける最表面層(例えば、表面保護層が形成されている場合には、表面保護層等)としては、定着性の点で、トナーとの相溶性が良いのが好ましい。 具体的には、溶融したトナーとの接触角が、例えば0〜40度であることが好ましい。

    前記バック層は、前記電子写真用受像シートにおいて、裏面出力適性付与、裏面出力画質改良、カールバランス改良、機器通過性改良等の目的で、支持体に対して、トナー受像層の反対側に設けられるのが好ましい。
    前記バック層の色としては、特に制限はないが、前記電子写真用受像シートが、裏面にも画像を形成する両面出力型受像シートの場合、バック層も白色であることが好ましい。 白色度及び分光反射率は、表面と同様に85%以上が好ましい。
    また、両面出力適性改良のため、バック層の構成がトナー受像層側と同様であってもよい。 バック層には、上記で説明した各種の添加剤を用いることができる。 このような添加剤として、特にマット剤や、帯電調整剤等を配合することが適当である。 バック層は、単層構成であってもよく、2層以上の積層構成であってもよい。
    また、定着時のオフセット防止のため、定着ローラ等に離型性オイルを用いている場合、バック層は、オイル吸収性としてもよい。

    前記密着改良層は、前記電子写真用受像シートにおいて、支持体及びトナー受像層の密着性を改良する目的で、形成するのが好ましい。 密着改良層には、前述の各種の添加剤を配合することができ、特に架橋剤を配合するのが好ましい。 また、前記電子写真用受像シートには、トナーの受容性を改良するため、該密着改良層及びトナー受像層の間に、更にクッション層等を設けるのが好ましい。

    前記中間層は、例えば、支持体及び密着改良層の間、密着改良層及びクッション層の間、クッション層及びトナー受像層の間、トナー受像層及び保存性改良層との間等に形成することができる。 もちろん、支持体、トナー受像層、及び、中間層からなる電子写真用受像シートの場合には、中間層は、例えば、支持体及びトナー受像層の間に存在させることができる。

    なお、前記電子写真用受像シートの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、例えば、50〜350μmが好ましく、100〜280μmがより好ましい。

    (トナー)
    前記電子写真用受像シートは、印刷又は複写の際に、トナー受像層にトナーを受容させて使用される。
    前記トナーは、結着樹脂と着色剤とを少なくとも含有し、必要に応じて離型剤、その他の成分を含有する。

    −トナー 結着樹脂−
    前記結着樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロルスチレンなどのスチレン類;ビニルナフタレン、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチルなどのメチレン脂肪族カルボン酸エステル類;アクリロニトリル、メタクリルロニトリル、アクリルアミドなどのビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニルエーテル類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;メタクリル酸、アクリル酸、桂皮酸などのビニルカルボン酸類などビニル系モノマーの単独重合体やその共重合体、更には各種ポリエステル類を使用することができ、各種ワックス類を併用することも可能である。
    これらの樹脂の中で、特に本発明のトナー受像層に用いたものと同一系統の樹脂を用いるのが好ましい。

    −トナー 着色剤−
    前記着色剤としては、通常トナーに用いられているものを制限なく使用することができ、例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどの種々の顔料が挙げられる。 また、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料などが挙げられる。 これら着色剤は1種単独で使用してもよいし、複数種類を併せて使用してもよい。
    着色剤の含有量は、2〜8質量が好ましい。 着色剤の含有量が2質量%以上であれば着色力が弱くなることもなく、一方、8質量%以下であれば、透明性が損なわれることもないので好ましい。

    −トナー 離型剤−
    前記離型剤としては、原理的には、公知のワックス全てが使用可能であるが、比較的低分子量の高結晶性ポリエチレンワックス、フィッシャートロプシュワックス、アミドワックス、ウレタン化合物など窒素を含有する極性ワックスなどが特に有効である。 ポリエチレンワックスの分子量は1000以下が好ましく、300〜1000がより好ましい。

    前記ウレタン結合を有する化合物は、低分子量であっても極性基による凝集力の強さにより、固体状態を保ち、融点も分子量のわりには高く設定できるので好適である。 分子量の好ましい範囲は300〜1000である。 原料は、ジイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせ、モノイソシアン酸とモノアルコールとの組み合わせ、ジアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリアルコール類とモノイソシアン酸との組み合わせ、トリイソシアン酸化合物類とモノアルコール類との組み合わせなど、種々の組み合わせを選択することができが、高分子量化させないために、多官能基と単官能基の化合物を組み合わせることが好ましく、また等価の官能基量となるようにすることが重要である。

    具体的な、原料化合物のうちモノイソシアン酸化合物としては、例えば、イソシアン酸ドデシル、イソシアン酸フェニル及びその誘導体、イソシアン酸ナフチル、イソシアン酸ヘキシル、イソシアン酸ベンジル、イソシアン酸ブチル、イソシアン酸アリルなどが挙げられる。
    ジイソシアン酸化合物としては、ジイソシアン酸トリレン、ジイソシアン酸4、4'ジフェニルメタン、ジイソシアン酸トルエン、ジイソシアン酸1、3−フェニレン、ジイソシアン酸ヘキサメチレン、ジイソシアン酸4−メチル−m−フェニレン、ジイソシアン酸イソホロンなどが挙げられる。
    モノアルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノールなど極く一般的なアルコール類を使用することが可能である。
    原料化合物のうちジアルコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、トリメチレングリコールなど多数のグリコール類;トリアルコール類としては、トリメチロールプロパン、トリエチロールプロパン、トリメタノールエタンなどが使用可能であるが、必ずしもこの範囲に限定されない。

    これらのウレタン化合物類は、通常の離型剤のように、混練時に樹脂や着色剤とともに混合して、混練粉砕型トナーとしても使用できる。 また、前記の乳化重合凝集溶融法トナーに用いる場合には、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱してホモジナイザーや圧力吐出型分散機で強い剪断をかけて微粒子化し、1μm以下の離型剤粒子分散液を調製し、樹脂粒子分散液、着色剤分散液などとともに用いることができる。

    −トナー その他の成分−
    また、前記トナーには、内添剤、帯電制御剤、無機微粒子等のその他の成分を配合することができる。 内添剤としては、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、又はこれら金属を含む化合物などの磁性体を使用することができる。

    前記帯電制御剤としては、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミや、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができる。 なお、凝集、溶融時の安定性に影響するイオン強度の制御や、廃水汚染を減少する観点から水に溶解しにくい材料が好ましい。

    前記無機微粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなど、通常、トナー表面の外添剤を全て使用で、それらをイオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基で分散して使用することが好ましい。

    更に、乳化重合、シード重合、顔料分散、樹脂粒子分散、離型剤分散、凝集、更には、それらの安定化などに界面活性剤を用いることができる。 例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤、アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤、また、ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤を併用することも効果的である。 その際の分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメデイアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的なものが使用可能である。

    なお、前記トナーには、必要に応じて更に外添剤を添加してもよい。 前記外添剤としては、無機粉末及び有機粒子等が挙げられる。 前記無機粒子としては、SiO 、TiO 、Al 、CuO、ZnO、SnO 、Fe 、MgO、BaO、CaO、K O、Na O、ZrO 、CaO・SiO 、K O・(TiO )n、Al ・2SiO 、CaCO 、MgCO 、BaSO 、MgSO 等を例示することができる。 また、前記有機粒子としては、脂肪酸又はその誘導体や、これ等の金属塩等の粉末、フッ素系樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂粉末を用いることができる。 これらの粉末の平均粒径は、例えば、0.01〜5μmが好ましく、0.1〜2μmがより好ましい。

    前記トナーの製造方法は、特に制限されないが、(i)樹脂粒子を分散させてなる分散液中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程、(ii)前記凝集粒子分散液中に、微粒子を分散させてなる微粒子分散液を添加混合して前記凝集粒子に前記微粒子を付着させて付着粒子を形成する工程、及び(iii)前記付着粒子を加熱し融合してトナー粒子を形成する工程、とを含むトナーの製造方法により製造することが好ましい。

    −トナー物性等−
    前記トナーの体積平均粒子径は0.5μm以上10μm以下が好ましい。
    前記トナーの体積平均粒子径が小さすぎると、トナーのハンドリング(補給性、クリーニング性、流動性等)に悪影響が生じる場合があり、また、粒子生産性が低下する場合がある。 一方、トナーの体積平均粒子径が大きすぎると、粒状性、転写性に起因する画質、解像度に悪影響を与える場合がある。
    また、前記トナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ体積平均粒度分布指数(GSDv)は1.3以下が好ましい。
    前記体積平均粒度分布指数(GSDv)と数平均粒度分布指数(GSDn)との比(GSDv/GSDn)は0.95以上が好ましい。
    また、前記トナーは、前記トナーの体積平均粒子径範囲を満たし、かつ下記式で表される形状係数の平均値は1.00〜1.50が好ましい。
    形状係数=(π×L )/(4×S)
    (但し、Lは、トナー粒子の最大長を表す。Sは、トナー粒子の投影面積を示す。)
    前記トナーが上記条件を満たす場合には、画質、特に、粒状性、解像度に効果があり、また、転写に伴う抜けやブラーが生じにくく、平均粒径が小さくなくてもハンドリング性に悪影響が出にくくなる。

    なお、前記トナー自体の150℃における貯蔵弾性率G'(角周波数10rad/secで測定)は、10〜200Paであることが、定着工程での画質向上とオフセット性の防止の面から適当である。

    (画像形成方法)
    本発明の画像形成方法は、本発明の電子写真用受像シートにトナー画像を形成するトナー画像形成工程と、該トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する定着平滑化工程とを有し、更に必要に応じてその他の手段を有する。

    −トナー画像形成工程−
    前記トナー画像形成工程としては、電子写真用受像シートにトナー画像を形成することができるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、通常の電子写真方法で使用される方法、例えば、現像ローラ上に形成したトナー画像を電子写真用受像シートに転写する直接転写方式、或いは中間転写ベルト等に一次転写した後、電子写真用受像シートに転写する中間転写ベルト方式がある。 環境安定性及び高画質化の面から、中間転写ベルト方式が好ましくは使用される。

    −定着平滑化工程−
    前記定着平滑化工程は、トナー画像を加熱加圧部材と、ベルト部材と、冷却装置とを有するベルト定着型平滑化処理機を用いて加熱及び加圧し、冷却し剥離する工程である。
    前記ベルト定着型平滑化処理機としては、加熱加圧部材、ベルト部材と、冷却装置と、を有し、冷却剥離部、更に必要に応じてその他の部材を備えている。

    前記加熱加圧部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、一対の加熱ローラ、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、などが挙げられる。
    前記冷却装置としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、冷気を送風可能であり、冷却温度等を調節可能である冷却装置、ヒートシンク、などが用いられる。
    前記冷却剥離部としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、電子写真用受像シート自身の剛性(腰の強さ)でベルトから剥離するテンションロール近傍位置を意味する。

    前記ベルト型平滑化処理機の加熱加圧部材に接触させる際には、加圧することが好ましい。 この加圧の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ニップ圧を採用するのが好ましい。 前記ニップ圧としては、耐水性、表面平滑性に優れ、良好な光沢を有する画像形成を行う観点から、1〜100kgf/cm が好ましく、5〜30kgf/cm がより好ましい。 また、前記加熱加圧部材における加熱は、前記トナー受像層における熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度であり、用いる熱可塑性樹脂に応じて異なるが、通常、80℃以上200℃以下が好ましい。 前記冷却装置における冷却温度は、前記トナー受像層における熱可塑性樹脂層が十分に固化する80℃以下の温度が好ましく、20〜80℃がより好ましい。

    前記ベルト部材は、耐熱性支持体フィルムと、該支持体フィルム上に形成された離型層とを有する。
    前記支持体フィルムとしては、耐熱性を備えていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド(PI)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリパラバン酸(PPA)、などが挙げられる。

    前記離型層としては、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、シリコーン樹脂及びフッ素樹脂から選択される少なくとも1種が好ましい。 これらの中でも、ベルト部材の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム層を設ける態様、前記ベルト部材の表面にシリコーンゴム層を有し、かつ該シリコーンゴム層の表面にフルオロカーボンシロキサンゴム層を設ける態様が好ましい。

    前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、主鎖にパーフルオロアルキルエーテル基及びパーフルオロアルキル基の少なくともいずれかを有するものが好ましい。
    前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、下記(A)〜(D)成分を含有するフルオロカーボンシロキサンゴム組成物の硬化物が好適である。
    (A)下記一般式(1)のフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するフルオロカーボンポリマー、(B)1分子中に2個以上の≡SiH基を含有し、上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物中の脂肪族不飽和基量に対して上記≡SiH基の含有量が1〜4倍モル量であるオルガノポリシロキサン及びフルオロカーボンシロキサンの少なくともいずれか、(C)充填剤、及び(D)有効量の触媒。

    前記(A)成分のフルオロカーボンポリマーは、下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するフルオロカーボンシロキサンを主成分とし、脂肪族不飽和基を有するものである。

    前記一般式(1)において、R 10は、非置換又は置換の炭素数1〜8の一価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、又は炭素数2〜3のアルケニル基であり、特にメチル基が好ましい。
    a,eは、それぞれ0又は1の整数を表す。 b,dは、それぞれ1〜4の整数を表す。 cは、0〜8の整数を表す。 また、xは、1以上が好ましく、10〜30がより好ましい。

    前記(A)成分としては、下記一般式(2)で示すものを挙げることができる。

    前記(B)成分において、≡SiH基を有するオルガノポリシロキサンとしては、ケイ素原子に結合した水素原子を分子中に少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを挙げることができる。

    また、前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、前記(A)成分のフルオロカーボンポリマーが脂肪族不飽和基を有するものであるときには、硬化剤としては、上述したオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することが好ましい。 即ち、前記フルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和基と、オルガノハイドロジェンポリシロキサン中のケイ素原子に結合した水素原子との間で生ずる付加反応によって硬化物が形成される。

    前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、付加硬化型のシリコーンゴム組成物に使用される種々のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを使用することができる。

    前記オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、一般にその≡SiH基の数が、前記(A)成分のフルオロカーボンシロキサン中の脂肪族不飽和炭化水素基1個に対して、少なくとも1個が好ましく、特に1〜5個となるような割合で配合することが好ましい。

    また、≡SiH基を有するフルオロカーボンとしては、上記一般式(1)の単位、又は上記一般式(1)において、R 10がジアルキルハイドロジェンシロキシ基であり、かつ末端がジアルキルハイドロジェンシロキシ基又はシリル基等のSiH基であるものが好ましく、下記一般式(3)で示すものを挙げることができる。

    前記(C)成分の充填剤としては、一般的なシリコーンゴム組成物に使用されている種々の充填剤を用いることができる。 前記充填剤としては、例えば、煙霧質シリカ、沈降性シリカ、カーボン粉末、二酸化チタン、酸化アルミニウム、石英粉末、タルク、セリサイト、ベントナイト等の補強性充填剤、アスベスト、ガラス繊維、有機繊維等の繊維質充填剤、などが挙げられる。

    前記(D)成分の触媒としては、付加反応用触媒として公知とされている塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、白金黒又はパラジウムをアルミナ、シリカ、カーボンなどの担体に担持したもの、ロジウムとオレフィンとの錯体、クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒)、ロジウム(III)アセチルアセトネートなどのような周期律表第VIII族元素又はその化合物が挙げられる。 これらの錯体はアルコール系化合物、エーテル系化合物、炭化水素化合物などの溶剤に溶解して用いることが好ましい。

    前記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物においては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選定することができるが、種々の配合剤を添加することができる。 例えば、ジフェニルシランジオール、低重合度の分子鎖末端水酸基封鎖ジメチルポリシロキサン、ヘキサメチルジシラザン等の分散剤、酸化第一鉄、酸化第二鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄等の耐熱性向上剤、顔料等の着色剤等を必要に応じて配合することができる。

    前記ベルト部材は、耐熱性支持体フィルムの表面を上記フルオロカーボンシロキサンゴム組成物で被覆し、加熱硬化することによって得られるが、必要に応じて更に、m−キシレンヘキサフロライド、ベンゾトリフロライド等の溶剤で希釈して塗工液とし、スプレーコート、ディップコート及びナイフコート等の一般的なコーティング法によって塗布することができる。 また、加熱硬化の温度、時間は適宜選択することができ、温度100〜500℃、5秒〜5時間の範囲で支持体フィルムの種類及び製造方法などに応じて選択される。

    前記耐熱性支持体フィルムの表面に形成する離型層の厚みは、特に制限はないが、トナーの剥離性又はトナー成分のオフセットを防止して画像の良好な定着性を得るため、1〜200μmが好ましく、5〜150μmがより好ましい。

    以下、典型的な定着ベルトを有する画像形成装置の一例を示す図1に基づいて具体的に説明する。
    まず、画像形成装置(不図示)でトナー12が電子写真用受像シート1に転写される。 トナー12が付着した電子写真用受像シート1は、搬送設備(不図示)でA点に運ばれ、加熱ローラ14と加圧ローラ15の間を通過し、電子写真用受像シート1のトナー受像層或いはトナー12が十分に軟化する温度(定着温度)及び圧力で加熱及び加圧される。

    ここで、定着温度とは、A点における加熱ローラ14と加圧ローラ15とニップ部の位置で測定したトナー受像層表面の温度を意味し、例えば、80〜190℃が好ましく、100〜170℃がより好ましい。 また、圧力は、加熱ローラ14と加圧ローラ15とニップ部で測定したトナー受像層表面の圧力を意味し、例えば、1〜10kgf/cm 、より好ましくは、2〜7kgf/cm である。
    このように加熱及び加圧され、後に電子写真用受像シート1が、定着ベルト13により冷却装置16に運ばれる間に、トナー受像層内に離散的に存在していた離型剤(不図示)が十分に加熱されて溶融し、トナー受像層表面に移動する。 移動してきた離型剤は、トナー受像層表面に離型剤の層(膜)を形成する。 その後、電子写真用受像シート1は、定着ベルト13により冷却装置16に運ばれて、例えば、トナー受像層のポリマー及び/又はトナーに使用されるバインダー樹脂の軟化点以下又はガラス転移点+10℃以下の温度、好ましくは、20〜80℃、より好ましくは室温(25℃)に冷却される。 これにより、トナー受像層表面に形成された離型剤の層(膜)が冷却・固化し、離型剤層を形成する。
    冷却された電子写真用受像シート1は、更に定着ベルト13によりB点に運ばれ、定着ベルト13は、テンションローラ17上を移動する。 従って、B点にて電子写真用受像シート1と定着ベルト13が剥離する。 なお、電子写真用受像シートが自身の剛性(腰の強さ)でベルトから剥離するようにテンションロールの径を小さく設定することが好ましい。

    また、図3に示したようなベルト定着型平滑化処理機は、例えば、図2に示した電子写真装置(例えば、富士ゼロックス株式会社製フルカラーレーザープリンター(DCC−500))のベルト状定着部として改造して用いることができる。
    図2中、200は画像形成装置、37は、感光体ドラム、19は、現像装置、31は、中間転写ベルト、18は、電子写真用受像シート、25は、定着ベルト部(ベルト定着装置)、をそれぞれ示す。
    図3は、前記図2の画像形成装置200の内部に配設される定着ベルト部(ベルト定着装置)25を示すものである。
    このベルト定着装置25は、図3に示すように、加熱ロール71と、該加熱ロール71を含む剥離ロール74、テンションロール75により回動可能に支持された無端ベルト73と、前記加熱ロール71に無端ベルト73を介して圧接する加圧ロール72とを備えている。
    また、前記無端ベルト73の内面側には、加熱ロール71と剥離ロール74との間に、該無端ベルト73を強制的に冷却する冷却用のヒートシンク77が配設されており、この冷却用ヒートシンク77によって電子写真用受像シートの冷却及びシートの搬送を行う冷却・シート搬送部が構成されている。

    そして、前記ベルト定着装置25では、図3に示すように、表面にカラートナー画像が転写・定着された電子写真用転写シートが、加熱ロール71と当該加熱ロール71に無端ベルト73を介して圧接する加圧ロール72との圧接部(ニップ部)に、カラートナー画像が加熱ロール71側に位置するようにして導入され、上記加熱ロール71と加圧ロール72との圧接部を通過する間に、カラートナー画像が電子写真用受像シート上に加熱溶融されて定着される。

    その後、前記加熱ロール71と加圧ロール72との圧接部において、例えば、トナーが実質的に120〜130℃程度の温度に加熱され、溶融されて、カラートナー画像が受像層に定着された電子写真用受像シートは、その表面の受像層が無端ベルト73の表面に密着したまま状態で、当該無端ベルト73と共に搬送される。 その間、上記無端ベルト73は、冷却用のヒートシンク77によって強制的に冷却され、カラートナー画像及び受像層が冷却して固化した後、剥離ロール74によって電子写真用受像シート自身の腰(剛性)によって剥離される。

    なお、剥離工程が終了した後の無端ベルト73の表面は、クリーナ(図示せず)によって残留トナー等が除去され、次の定着工程に備えるようになっている。

    本発明の画像形成方法によれば、定着オイルのないオイルレス機を使用しても、電子写真用受像シート及びトナーの剥離性、或いは電子写真用受像シート及びトナー成分のオフセットを防止でき、安定した給紙を実現できると共に、湿変ひび割れ、耐接着性とひび割れ、光沢度に優れ、銀塩写真プリントに近似した高画質な画像を形成することができる。

    以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、下記実施例に何ら限定されるものではない。

    −支持体の調製−
    広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)をディスクリファイナーで300ml(カナダ標準ろ水度、C.S.F.)まで叩解し、繊維長0.58mmに調整した。 このパルプ紙料に対して、パルプの質量に基づいて、以下の割合で添加剤を添加した。
    添加剤の種類 量(%)
    カチオン澱粉 1.2
    アルキルケテンダイマー(AKD) 0.5
    アニオンポリアクリルアミド 0.3
    エポキシ化脂肪酸アミド(EFA) 0.2
    ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン 0.3
    注)AKDは、アルキルケテンダイマー(アルキル部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸由来のものである)を意味する。 EFAは、エポキシ化脂肪酸アミド(脂肪酸部分は、ベヘン酸を主体とする脂肪酸由来のものである)を意味する。

    得られたパルプ紙料を、長網抄紙機により坪量150g/m の原紙を作製した。 なお、長網抄紙機の乾燥ゾーンの中間でサイズプレス装置により、ポリビニルアルコール(PVA) 1.0g/m 、CaCl 0.8g/m を付着した。
    抄紙工程の最後で、ソフトカレンダーを用いて、密度を1.01g/cm に調整した。 得られた原紙において、トナー受像層が設けられる側において、金属ロールが接するように通紙し、金属ロールの表面温度は140℃であった。 得られた原紙の白色度は91%、王研式平滑度は265秒、ステキヒト・サイズ度は127秒であった。

    得られた原紙を、出力17kWのコロナ放電によって処理した後、裏面に表面マット粗さ10μmのクーリングロールを用い、表1に示した組成のポリエチレン樹脂を溶融吐出膜温度320℃、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートし、厚さ22μmの裏面ポリエチレン樹脂層を設けた。

    次に、トナー受像層を塗設する側である原紙の表面に表面マット粗さ0.7μmのクーリングロールを用い、ポリエチレン樹脂、表2に示したようにマスターバッチ化した酸化チタンを5質量%含有するLDPEマスターバッチ郡青とを、最終的に組成が表3に示した組成になるように混合したものを、溶融吐出膜温度320℃、ラインスピード250m/分で単層押出ラミネートし、厚さ29μmの表面ポリエチレン樹脂層を設けた。
    その後、表面に出力18kW、裏面に出力12kWのコロナ放電により処理した後、表面にはゼラチン下塗り層を、裏面にはコロイダルアルミナ、コロイダルシリカ、及びPVAを含有する帯電防止下塗り層とを設け、支持体を作製した。

    (実施例1〜7及び比較例1〜4)
    −電子写真用受像シートの作製−
    前記支持体上に、ワイヤーコーターにて、下記組成のトナー受像層用組成物を塗布し、90℃×2分間の条件で乾燥し、トナー受像層を形成した。
    −−トナー受像層用組成物−−
    非晶性ポリマー(表4に記載A−1〜A−4)と 結晶性ポリマー(表4に記載のB−1〜B−4)との混合物・・・100g
    シリコーン系化合物(信越シリコーン株式会社製、FL−100)・・・1g
    トリフェニルフォスフェート・・・9g
    二酸化チタン(石原産業製、タイペーク@A−220)・・・15.5g
    メチルエチルケトン・・・160g

    次に、前記支持体のトナー受像層を設けない側の面(裏面)に、下記バック層用組成物をワイヤーコートで乾燥後の塗布量が12g/m になるように塗布し、乾燥させた。 以上により、実施例1〜7及び比較例1〜4の電子写真用受像シートを作製した。
    −−バック層用組成物−−
    ポリエステル樹脂分散液・・・100g
    (東洋紡製、バイロナールMD−1200、固形分=34質量%)
    多孔性シリカ(富士サイリシア製、サイリシア)・・・28g
    マット剤(日本触媒製、エポスターL15)・・・12g
    水・・・250g

    次に、得られた実施例1〜7及び比較例1〜4の各電子写真用受像シートについて、下記方法により、トナー定着性、耐接着性、ひび割れ、走行性及び画質(光沢性)を評価した。 結果を表6に示す。

    <画像形成>
    具体的には、プリント用画像として、白ベタ、グレー(画像のR=G=B=50%)、黒(100%)、及び女性のポートレイト画像を使用した。 電子写真装置としては、下記定着ベルトを有するベルト定着装置を用いたことを除いて、富士ゼロックス製カラーレーザープリンタC−2220を用いた。
    前記定着ベルトとして、ポリイミド製のベース層上にシリコーンゴム用プライマーであるDY39−115(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)を塗布後、風乾30分の後、シリコーンゴム前駆体であるDY35−796AB(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)100質量部とn−ヘキサン30質量部により調整した塗布液を浸漬塗布により塗膜を形成し、120℃にて10分の一次加硫を行い、厚み40μmのシリコーンゴム層を形成した。 このシリコーンゴム層上に、フルオロカーボンシロキサンゴム前駆体であるSIFEL610(信越化学工業株式会社製)100質量部とフッ素系溶媒(m−キシレンヘキサフロライド、パーフロロアルカン、パーフロロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)の混合溶剤)20質量部により調整した塗布液を浸漬塗布により塗膜を形成した後、120℃にて10分の一次加硫、180℃にて4時間の二次加硫を行い、厚み20μmのフルオロカーボンシロキサンゴム層を有する定着ベルトを用いた。

    なお、プリンターの印刷速度は、原則として30mm/秒とし、トナーの定着温度は、加熱ローラの温度を155℃、加圧ローラの温度を130℃とした。 この装置を使用して、電子写真用受像シートに上記ポートレイト画像及び白ベタ、グレー、黒の5cm角のパターンを転写した。 なお、トナーのバインダー樹脂のガラス転移温度は52℃であった。

    <トナー定着性の評価>
    電子写真複写機(富士ゼロックス株式会社製、DCC−500CP(ただし、定着部は図3に示すようなベルト定着装置に変更))を用い複写し、得られた複写フィルムについて全面が画像の部分(黒ベタ部分)をセロテープ剥離試験し、セロテープ剥離前後のトナー画像の光学濃度を光学濃度計(X−Rite310TR、X−Rite社製)にて測定し、下式によりトナー定着性を評価した。

    <耐接着性の評価>
    所定環境(40℃、80%RH)に24時間調整した後、A4サイズに裁断した各電子写真用受像シートサンプルにおけるトナー受像層面同士を対向させて重ね合わせ、3.5cm×3.5cmにおいて500gの荷重を加え、同一環境下で7日間放置した後、サンプルを引き離した際の状態を、下記基準により評価した。 なお、本発明では、○以上が実用上好ましいレベルである。
    〔評価基準〕
    ◎:引き離した際の剥離音、接着跡共になし ○:引き離した際、軽微な剥離音や接着跡がある △:引き離した際、接着跡が1/4未満残る △△:引き離した際、接着跡が1/4以上1/2未満残る ×:引き離した際、接着跡が1/2以上残る

    <ひび割れの評価>
    得られた各電子写真用受像シートに対し、カラーレーザープリンタC−2200(富士ゼロックス(株)製)を用い、黒色の最大濃度で均一10cmの画像を絵出しし、所定環境(10℃、15%RH)に一日間放置した。 その後、直径が1、2、3、4及び5cmの丸棒を各々用意し、画像面が外側になるように大径の棒から順次小径の棒に巻き付け、ヒビ割れが発生しなかった最小径を記録した。 なお、本発明では、直径2cm以下が実用上好ましいレベルである。

    <画質(光沢性)評価>
    各電子写真用受像シートについて、定着ベルト方式の電子写真装置を用いて画像を形成し、以下のようにして光沢性を測定した。
    前記電子写真用受像シートを、下記プリンターを用い、B/W条件で濃度を6段階(0、20、40、60、80、100%)に10cm四方で絵出しして画像を形成し、得られた各画像をJIS Z8741に準じてデジタル変角光沢度計(スガ試験機製、UGV−5G)で20度測定にて測定し、その最小値を記録した。

    <走行性の評価>
    電子写真複写機(富士ゼロックス株式会社製、DCC−500CP)を用いて連続100枚給紙した時の給紙不良、ジャミング、及び集積不良の合計枚数をカウントし走行性の評価とした。 なお、本発明においては、2枚以下が実用上好ましいレベルである。

    表4中、A−1〜A−4及びB−1〜B−4は、下記の意味を表す。
    *A−1:ポリエステル樹脂(花王(株)製、タフトーンB、Tg=65℃)
    *A−2:アクリル樹脂(三洋化成(株)製、ハイマーSB−305、Tg=68℃)
    *A−3:ポリエステル樹脂(花王(株)製、タフトーンU−5、Tg=73℃)
    *A−4:ポリエステル樹脂(三洋化成(株)製、ハイマーSB−75、Tg=35℃)
    *B−1:ポリエステル樹脂(テストサンプル−1、Tm=140℃)
    *B−2:ポリエステル樹脂(テストサンプル−2、Tm=170℃)
    *B−3:ポリエステル樹脂(テストサンプル−3、Tm=195℃)
    *B−4:ポリビニルアルコール樹脂(クラレ(株)製、Tm=230℃)

    表6の結果から、実施例1〜7の電子写真用受像シートは、トナー受像層にワックスやマット剤を添加しなくても比較例1〜4に比べて、優れたトナー定着性及び耐接着性と、走行性とを兼ね備え、高画質(光沢性)な画像形成を行えることが認められる。

    本発明の電子写真用受像シートは、優れたトナー定着性と耐接着性と走行性とを兼ね備えており、特に、高速定着の画像形成装置に好適に用いることができる。
    本発明の画像形成方法によれば、簡単な処理により効率よく銀塩写真プリントに近似した高画質な画像を形成することができる。

    図1は、本発明の定着ベルト方式の電子写真装置の一例を示す概略図である。

    図2は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。

    図3は、冷却剥離式のベルト定着型平滑化処理機の一例を示す概略図である。

    符号の説明

    1 電子写真用受像シート 12 トナー 13 定着ベルト 14 加熱ローラ 15 加圧ローラ 16 冷却装置 17 テンションローラ 18 電子写真用受像シート 19 現像装置 25 ベルト定着装置 31 中間転写ベルト 71 加熱ロール 72 加圧ロール 74 剥離ロール 75 テンションロール 73 無端ベルト 77 冷却ヒートシンク 200 画像形成装置

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