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Manufacturing methods and gypsum board molding apparatus of gypsum board having a plurality of fiber surface sheet

申请号 JP2007537421 申请日 2005-10-13 公开(公告)号 JP5258295B2 公开(公告)日 2013-08-07
申请人 ビーピービー リミテッド; 发明人 へニス,マーク,イー.; ハウバー,ロバート,ジェー.; フェイヒー,マイケル,ピー.; コーニング,マシュー,ジェー.; ボーイドストン,ゲラルド,ディー.; ステュアート,トロイ,アール.;
摘要
权利要求
  • 複数の繊維面シートを有する石膏ボードの製造方法であって、
    第1の石膏スラリー移送容器(34)を連続的に通過する第1の濃度を有する第1の石膏スラリー(38)を提供する工程と、
    第1の連続する繊維面シート(14)上に前記第1の石膏スラリー(38)の所定の量を堆積する工程と、
    石膏塗布ステーションを通して前記第1の連続する繊維面シートを移送する工程と、
    第2の濃度を有する第2の石膏スラリー(44)を提供し、この第2の石膏スラリーを前記第1の繊維面シートに堆積させ、前記第2の石膏スラリーを前記第1の繊維面シート(14)の上面に実質的に均一に分配する工程と、
    を備えており、
    前記第2の石膏スラリー(44)を堆積させる工程は、 前記第1の石膏スラリー移 容器(34)に流体連通する流体供給装置を介して 前記第1の石膏スラリー(38)に添加剤を均質に混ぜ合わせる工程の後に行われ、
    前記添加剤を石膏層に混ぜ合わせる工程を通して移送されるスラリー流の中に添加剤を注入するためにタービュレータ(220)を使用する工程を更に含むことを特徴とする繊維面シートを有する石膏ボードの製造方法。
  • 第1の石膏スラリー 添加剤を混ぜ合わせる工程は、ワックスエマルジョンを前記第1の石膏スラリーに混ぜ合わせる工程を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  • 第1の連続する繊維面シートは、繊維間がランダムな間隔を有するランダムに配向された無機質ガラス繊維 含んでおり、第1の石膏スラリーの所定の量を第1の連続する無機繊維面シート上に堆積させることによって、第1の濃度を有する第1の石膏スラリーを無機繊維間のランダムな間隙を通して浸透させ、それにより前記第1の無機繊維面シートの上面および下面の両方を、第1の濃度および混合された添加剤を有する前記石膏スラリーで被膜することを特徴とする請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  • ワックスエマルジョンは、第1の石膏スラリー移 容器と連結された流体供給装置と直列に配置されたタービュレータ(220)を介する注入によって、連続する石膏スラリー流に加えられることを特徴とする請求項2に記載の石膏ボードの製造方法。
  • 添加剤は、容積式ポンプ(198)によって流体供給装置を通して強制的に移動させることによって前記流体供給装置を通して移送されることを特徴とする請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  • 第3の濃度を有する第3の石膏スラリー(138)を提供して、上面および下面を有する第2の連続繊維シート(114)にこの石膏スラリーを堆積させる工程を更に備えており、これによりこの第2の繊維シートの上面を前記第3の石膏スラリーで被覆することを特徴とする請求項1に記載の石膏ボードの製造方法。
  • 第2の繊維面シート(114)を第2の石膏スラリー上に与え、よって、湿潤石膏ボード製品を形成するために第1および第2の繊維面シート内に前記第2の石膏スラリーを包み込む工程を含むことを特徴とする請求項 に記載の石膏ボードの製造方法。
  • 石膏ボード成形装置であって、
    材料の連続シートの供給装置と、
    この連続シート(14)上に前記石膏スラリー(38)を送出するための少なくとも一つの石膏送出ステーションに配置される石膏送出機構 としての第1の石膏スラリー移送容器 (34)を含む石膏スラリーミキサー(30)と、
    前記第1の石膏スラリー移 容器(34)において添加剤の均質な流れを第1の石膏スラリー(38)に加えるために添加剤用流体供給装置(188)に連結された少なくとも一つの添加剤用アセンブリ(200)と、
    第2の石膏スラリー移 容器(48)を含む芯石膏送出機構と、
    前記連続シート(114)を前記芯石膏(44)と結合するためのシート結合ステーション(80)と、
    形成された石膏ボードを前記シート結合ステーションから搬送するための、表面を有するベルトを備える石膏コンベヤラインと、を備えており、
    前記少なくとも一つの添加剤用アセンブリは、
    前記添加剤用流体供給装置と流体連通する添加剤注入ポート(186)と、
    前記第1及び第2の石膏スラリー移送容器の少なくとも一つの添加剤用流体供給装置に直列に配置されたタービュレータ(220)とを備えており、
    このタービュレータは、前記第1の石膏スラリー移送容器を通して移動される前記石膏スラリー流に近接して配置される出口を有する流体絞り具(224)を備えていることを特徴とする石膏ボード成形装置。
  • 第1の石膏スラリー移送容器を介して移動される石膏スラリー流に近接して配置される流体絞り具の出口は、直列に配置された容積式ポンプ(198)によって添加剤用リザーバ(192)と流体連通していることを特徴とする請求項 に記載の石膏ボード成形装置。
  • 添加剤は、ワックスエマルジョンを含むことを特徴とする請求項 または に記載の石膏ボード成形装置。
  • 添加剤は、マイクロ繊維を含むことを特徴とする請求項 または に記載の石膏ボード成形装置。
  • 说明书全文

    【技術分野】
    【0001】
    本発明は、所謂石膏ボードおよびその製造に関し、より詳しくは、高分子被覆に対してこれと結合および接着することができる少なくとも一つの面または表面を備える石膏ボードと、高分子被覆を所望の箇所に行うことができる製造方法に関する。
    【背景技術】
    【0002】
    石膏ボードおよびその製造は、特に加工が容易な建築材料を提供するために建築産業から注目されており、その堅さは、一般建築用途に使用可能である。 石膏ボードの好ましい特性として、滑らかな加工面、全体に亘っての均一な厚みを含み、かつ塗料や他の保護被覆のような強化仕上げをその表面に提供することができることも挙げられる。
    【0003】
    石膏ボードの製造における最近の進歩は、石膏ボードが設置される用途において耐久性と多様性も増したことである。 建築ボード分野での特に有益な進歩は、ガラス繊維強化石膏(GRG)ボードとして知られており、これは自己の米国特許第6,524,679号に記載され、本明細書に参考文献として組み込まれる。
    【0004】
    石膏ボードの製造設備は、石膏ボード表面にガラスマットを使用するか否かに関わらず、空間および機器に係るコストならびに石膏ボード製造ラインを再構成する間の休止時間に関して、資本集約的である。 様々な石膏ボード製品(例えば表面を標準的な紙とする石膏ボードや、ガラスマットを備える石膏ボード)を製造するにあたって、製造ラインの休止時間は、石膏ボードの製造の遅延および生産労働者の労働時間の浪費を意味し、著しくコストがかかってくる。
    【0005】
    滑らかな石膏ボードの表面の更なる仕上げ(塗装など)は、付加的な前加工の工程(下塗りなど)の必要性が最低限に抑えられるため、より容易になることも分かった。
    【0006】
    更に、石膏製品(例えば壁板、タイル、ブロック、キャスト等)は、石膏ボードの吸性の問題に対処すべく化学的または物理的に手を加えない場合、耐水性が比較的低い。 例えば、石膏壁板は、水に浸されると、たちまち相当量の水を吸収してしまい、その完全性および構造的強度をかなり失ってしまい、別の箇所で歪んだり、膨張したりしてしまう。 石膏スラリー内に防水材料を加えることによって石膏製品の耐水性を改善すべく多くの試みが過去になされてきた。 最も一般的な防水材料は、疎水性エマルジョンであって、通常、ワックス、パラフィン、アスファルトまたはシリコン化合物(例えばシランおよびシロキサン)を含む。
    【0007】
    予測されることだが、耐水性を与えるために石膏スラリーを改良すると、追加される材料に係るコストならびに、石膏スラリーに耐水性を与える化合物を混合、投与するために必要な機器に係るコストによって、石膏ボードのコストを吊り上げてしまう。 よって、石膏ボードを比較的高速で製造することが望まれ、比較的直径の小さい繊維のマットを使用することによって構造的な高い堅さおよび強度を備え、耐水性材料を石膏ボードの最も有効な箇所、つまり最終石膏ボード製品の表面に供給する手段に加えて、石膏ボードを更に仕上げるために理想的な表面を提供する高分子添加剤でその表面を被覆する工程を含まなくてはならない。 耐水性を有することは全ての石膏層において望ましいが、上記米国特許第6,524,679号によって製作される多層石膏ボードおよび他の多層ボードの特定の層を狙うことも可能である。
    【0008】
    実験を通して、かつ上記米国特許第6,524,679号で開示された思想を考慮し、更なる改善として、特定の所望の特性を得るために、特定の所望の添加剤を石膏ボードパネルの特定の多層高濃度層に供給する手段を提供することが更に好ましいことが分かった。 例えば、上記米国特許第6,524,679号の教示によって製造されたガラスマット石膏パネルの外面の耐水性を増加させることが好ましいことが分かった。 更に、この特許の教示によると、添加剤は、例えば、所望の特性を与えるために望ましい高密度スラリー層のみを狙うべきであって、高価かつ時にはより高濃度の添加剤を石膏ボードの複数層に加えること(一部の層を狙う場合ほどの利点がない)で生じる最終ボードパネルの不必要なコストおよび重量を避けるべきである。
    【発明の開示】
    【発明が解決しようとする課題】
    【0009】
    本発明の目的は、改良された石膏製品およびそのための改良された工程を提供することである。 先行技術とは逆に、本発明において、石膏製品は、疎水性(つまり、撥水性または耐水性(これらの用語は、互換可能))物質(例えば、パラフィン、ワックス、シロキサン等)を、石膏ボードの撥水性が最も有用な特定の箇所、すなわちボードの表面および縁部に加えることによって作られる。 本発明の一実施例によって更に提供される方法は、石膏製品の所定の表面に耐水性を与える方法であって、この方法は、石膏ボード上の特定の場所に直接疎水性の物質を加える工程を含む。
    【課題を解決するための手段】
    【0010】
    従って、繊維面シートを有する石膏ボードの製造方法であって、第1の石膏スラリー移送用容器を連続的に通過する第1の濃度を有する第1の石膏スラリーを提供する工程と、 少なくとも第1の連続する無機繊維面シート上に前記第1の石膏スラリーの所定の量を堆積する工程と、石膏塗布ステーションを通して前記第1の連続する繊維面シートを移動する工程と、第2の濃度を有する第2の石膏スラリーを提供し、この第2の石膏スラリーを前記第1の繊維面シートに堆積し、前記第2の石膏スラリーを前記第1の繊維面シートの上面に実質的に均一に分配する工程と、第3の濃度を有する第3の石膏スラリーを提供し、それを上面および下面を有する第2の連続繊維面シート上に堆積し、よってこの第2の繊維面シートの上面を前記第3の石膏スラリーで被覆する工程と、前記石膏スラリーを提供する工程の前に、前記第1、第2、または第3のスラリーのいずれかに添加剤を均質に混ぜ合わせる工程と、第2の繊維面シートを第2の石膏スラリー上に与え、よって、湿式石膏ボード製品を形成するために第1および第2の繊維面シート内に前記第2の石膏スラリーを被覆する工程を備えることを特徴とする繊維面シートを有する石膏ボードの製造方法が本明細書および請求の範囲に記載されている。
    【0011】
    上記米国特許第6,524,679号に開示されたような無機繊維の使用に関して、無機繊維、好ましくはランダムに配向された無機繊維を備える表面シートを有する石膏ボードの製造方法であって、石膏塗布ステーションを通して少なくとも一つの連続する無機繊維面シートを通過させることによって、第1の濃度を有する第1の石膏スラリーの所定の量を繊維間にランダムな間隙を有するランダムに配向された無機繊維材料からなる少なくとも一つの連続する無機繊維面シート上に堆積させる工程、前記ステーションは無機繊維シートが通過する2つのアプリケータホイールを含んでおり、第1の濃度を有する第1の石膏スラリーが無機繊維のランダムな間隙を通して浸透し、よって、無機繊維材料の上面および下面を第1の濃度を有する石膏で被覆する工程と、石膏ボード塗布ステーションから第1の成形台に第1の無機材料を向かわせる工程と、第1の無機繊維材料に第2の濃度を有する第2の石膏スラリーを堆積し、第1の無機繊維面シートの上面に第2の石膏スラリーを実質的に均一に堆積する工程と、第3の濃度を有する第3の石膏スラリーを少なくとも一つの連続無機繊維面シートに塗布し、第3の石膏スラリーを第2の無機繊維面シートのランダムな間隙を通して実質的に完全に浸透させる工程と、第2の無機繊維シートを第2の石膏スラリーに与えて、湿潤石膏ボードを形成するためにこの第2の石膏スラリーを第1、第2の無機繊維シートで被覆する工程と、この湿潤石膏ボードを下部成形台および上部成形台を備えるボード成形ステーションを通過させる工程と、を備えており、上部成形台は複数のセクションからなるとともに下部成形台に対する少なくとも一つの所定の度を規定し、下部成形台および上部成形台の少なくとも一つのセクションとの間の垂直方向の隔離は製造された石膏ボードの所望の厚みに実質的に等しい所定の垂直方向の寸法を有することを特徴とする石膏ボードの製造方法が開示されている。 ホイール形成工程は、所定の厚みを有する石膏ボードを提供するのに有効である。 一方、エッジバー(edger bar)は石膏ボードの表面を滑らかにし、あるいは完成させるために使用される。 第二の具体例において、前記方法に石膏スラリーの一方または両方の表面に、1つ以上の高分子添加剤を加える工程を含む。
    【0012】
    本発明の別の実施例において、外面を有し更に少なくとも一つの高分子組成物を内部に包含する石膏の混合物からなる第1の層であって、この石膏はランダムに配向された無機繊維の薄シートに含浸されており、シートの外面が石膏と高分子組成物内に実質的に包含されている第1の層と、第1の層の石膏よりも濃度の低い第2の石膏からなる第2層と、ランダムに配向された無機繊維の第2の薄シートに含浸された石膏を含むとともに第3の層の石膏内に実質的に包含された第3のシートの外面を有する第3の層と、を備えており、第1の石膏は第2の層の石膏に一体的に結合されており、第2の層の石膏は第3の層の石膏に一体的に結合されていることを特徴とする多層石膏ボードである。
    【0013】
    本発明の特徴の一つは、添加物送出アセンブリにおいて攪拌(turbulator)機構を使用することである。 一実施例において、石膏ボード成形装置は、材料からなる連続するシートの供給と、石膏スラリーをこの連続するシート上に送出するための少なくとも一つの石膏送出ステーションに配置された石膏送出機構を備える石膏スラリーミキサーと、第1の石膏スラリー移送容器において添加物の均質の流れを第1の石膏スラリーに加えるための添加物流体供給装置に連結された少なくとも一つの添加アセンブリと、第2の石膏スラリー移送容器を備える石膏芯送出機構と、連続シートを芯石膏に結合するシート結合ステーションと、成形された石膏ボードをこのシート結合ステーションから運搬する表面を有するベルトを備える石膏コンベヤラインと、を備えており、前記添加アセンブリは、添加物流体供給装置に流体連通する添加物送出ポートと、少なくとも一つの石膏送出機構の添加物流体供給装置に直列に配置された攪拌機構と、を備えており、この攪拌機構は、出口を有する液体絞り具を備えており、この液体絞り具の出口は第1の石膏スラリー移送容器を通して移送される石膏スラリー流に近接して配置されている。
    【発明を実施するための最良の形態】
    【0014】
    図1の概略横断面図には、本発明の実施例のボード成形ステーション10を示す。 成形ステーション10は、横断面を図示しているが、分離した各要素を互いに対して明確に描写するように図示している。 配置の変更は可能であり、そして分離した要素間の距離は、図示簡略化のために一定の比率に縮尺していないけれども、実用的かつ効率的な配置を当業者に想起させ得るものである。
    【0015】
    本発明の装置10は、図示の配置で下側表面シート14(bottom-facing sheet)を画成する面材の連続シートを供給するための供給ロール12を備える。 供給ロール12は、石膏ボードに使われるあらゆる汎用の材料からなるシートを送り出すことができ、シートは例えば紙または板紙であるが、本発明の目的には下側表面シート14の材料は無機、例えばガラスの長い繊維のマットからなるのが好ましく、これを本発明の石膏ボード製品の成形に関して以下に明瞭に説明する。 無機繊維がグラッソグラッシブ(glasso-glassive)繊維を含むときは、本明細書では製品をガラス繊維強化石膏(「GRG」)ボードと呼ぶときがある。
    【0016】
    供給ロール12は、上方向に接面18を有して下側表面シート14の処理作業面を提供する第一の成形台16の上に、連続する下側表面シート14を送り出す。 第一の成形台16はまた、面18を横切って配置された折目ホイールアセンブリ20の支持部を備える。
    【0017】
    シート14は、後述するベルトラインによりシートが成形ステーション10内に牽引される運動によって供給ロール12から引き出される。 二個の折目ホイールは、折目ホイールアセンブリ20内に垂直に配置され、下側表面シート14の上に配置された一組のホイール22は、シート14の下に位置するホイールアンビル(wheel anvil)22'と呼ぶ一組の第二ホイールと連携する。 折目ホイール22、22'は軸上を回転し、下側表面シート14の縦方向の各エッジの隣接部のシート上にカットエッジ折目(cut edge crease)を部分的に作りだす。 エッジ折目は、いろいろな折目厚が可能なように間隔がとられ、後述する折目ホイールアセンブリ20の下流で下側表面シート14上へ流し込まれるスラリーを保持できるようにエッジの向きを上向きに変える。
    【0018】
    連続ミキサー30は、生原料、すなわちスタッコ、しっくい、石膏(粉形)、水およびその他の添加剤を一またはそれ以上の入口から受容する。 入口32の一つを図1に示す。 ミキサー30は、所望密度の湿潤石膏スラリーを配合する混合能を持ち、例えば駆動シャフト33を介して図示しない混合刃を回転させることにより配合する。 本発明にとって複層石膏ボードを製造することが望ましい特徴であるので、ミキサー30は、別個の異なるスラリー混合物を提供するために別個の混合チャンバー(図1に示さず)を設けることができる。 本発明に利用されるような連続ミキサーは、自己の米国特許第5,908,521に開示、図示され、これを本明細書に必要とされる場合、参照用に編入する。
    【0019】
    連続ミキサー30は、したがって、スラリー層の機能に応じて変わる所望の特徴を有する各石膏スラリーのための幾つかの出口を備え、いずれの特別な出口も石膏スラリーを製造する。 各出口は、出口を通り石膏ボード成形プラント内へ流すことが許される石膏スラリー量を制御するためのアウトプット制御装置を含む。 制御装置は、前記米国特許第5,908,521に記載されているような一個またはそれ以上のスラリー送出機構であり、この機構は石膏スラリーを所望量だけ出口から汲み出すように可変の送出速度を制御している。
    【0020】
    図1を再び参照して、ミキサー30は、制御装置36により制御可能な第1の石膏スラリー移送容器(又は第一のスラリー出口 34を備え、該装置は、米国特許第5,908,521に記載されているように、所望の特性を有するスラリー混合物の連続流下を可能とする。 この実施例では、ミキサー30は、二種類のスラリーを供給するように設置されている。 制御装置36は、後述するように、究極的には最終石膏ボードの外装に近接して利用される高密度な石膏スラリー混合物を送出する。
    【0021】
    第1の石膏スラリー移送容器 34の末端は、成形台16の表面18の上を連続移動する下側表面シート14に直接石膏スラリーを押し出す。 第1の石膏スラリー移送容器 34は好ましくはゴム製ブーツ(boot)を備えるが、他のタイプの出口、例えばフレキシブルホースやパイプも使用可能である。 好ましくは、石膏スラリー38は、シート14の上に向いた面に成形台の表面18に支持された場所で注がれ、所望量の高密度の石膏スラリーを連続移動するシート14の上に下側表面シート14の内面を被覆するように積層させる。 このシート14の上に向いた内面は、通常、下側表面シート14の内面になる予定であり、石膏ボードが完全に成形されるときにはボード表面の内側に向くことになることに留意する。 高密度な石膏スラリー38が下側表面シート14の上面に確実に均一に拡がるように、一組のローラホイール40、42(また本明細書ではロールコータ40、42とも呼ぶ)を再びシート14の上と下に垂直に位置させる。 ホイール40、42は前後逆方向に回転することができる。 図1を再び参照して、ミキサー30は、制御装置36により制御可能な第1の石膏スラリー移送容器 34を備え、該装置は、米国特許第5,908,521に記載されているように、所望の特性を有するスラリー混合物の連続流下を可能とする。 この実施例では、ミキサー30は、二種類のスラリーを供給するように設置されている。 制御装置36は、後述するように、究極的には最終石膏ボードの外装に近接して利用される高密度な石膏スラリー混合物を送出する。
    【0022】
    回転ローラホイール40、42の使用から得られる利点、利益の一つは、滑らかで均等に拡がった表面被覆を下側表面シート14からなるマットに付与できることに加えて、マット内面に付着した高密度スラリー38がトップローラホイール40に押されてシート14全面に広がり、構造的に一体化した表面を形成することである。 石膏スラリー38の表層は、強化高分子のような添加剤を入れて、石膏ボード製品へ構造強度や耐荷重能力をもたらすように改質してもよい。 後述するように、適宜の高分子添加剤は、高分子マトリックスをもたらし、これは、望ましい性能特性、例えばプラスチック外装または撥水のような石膏ボードの潜在的用途を屋内外へ拡張するための特性を有する不通水性表面を与える。
    【0023】
    本発明の好ましい実施例では、下側表面シート14を構成する材料は、ランダムに配向した鉱物(例えばガラス、繊維)で平均繊維径が13〜16μm(0.005〜0.0065インチ)の繊維のマットであって、所望の厚みを有するガラス繊維マットの形態にガラス繊維を保持するためのバインダを含む。 そのようなガラス繊維マットは石膏ボード製造用として公知であり、例えば前記した米国特許第4,378,405や国際出願公報WO9809033(欧州特許第0 922 146)を参照されたい。 一般的に水が透過する多孔質鉱物マット繊維を使用すると、石膏ボードにさらなる構造強度が付与される。 鉱物繊維マットの多孔性によって、石膏スラリーもまた鉱物繊維間の間隙に浸透し、そして下側表面シートの上面とスラリー浸透を介した下面の両面を被覆するようにしみ渡らせることができる。 したがって、下側表面シート14がロールコータ40,42を通過する際に、未固化の高密度石膏38が鉱物繊維の上に被覆され、ロールコーティング工程で下側表面シート14に浸透し、さらに上下各面を未固化の高密度石膏層38で被覆するように強制される。 理想的には、高密度石膏38は、ガラスマットシート14を通って100%浸透するように強制されるが、製造誤差は、約95〜98%の浸透を許容し得る。
    【0024】
    好ましい形態では、ロールコータ40、42によって、未固化の高密度石膏スラリー38をガラスマット下側表面シート14の底面に被覆する。 下側表面シート14の底面は最終的には最終石膏ボードの外装面になる。 好ましくは、未固化石膏スラリー38は、ダム(dam)39を形成するようにし、ダムは未固化石膏の連続層をガラスマットへしみ込ませて、ガラスマット14の最外面から計測して約0.01〜2.0mmの厚みを有する高密度スラリー石膏層を形成する。 スラリー38の浸透は、均一な厚みを持つ連続層を生じないが、それでもやはり、本工程は、好ましくは各ガラス繊維が未被覆の露出ガラス繊維を少しもあるいは全く残さないように被覆されたガラス繊維マットを形成する。
    【0025】
    ローラ40、42の回転速度は、石膏スラリー38の密度の粘度、ガラス繊維マット14の直線移動速度、およびマット14に塗布される石膏スラリー38の量に応じて調整可能である。 実際上、ロールコータ40、42は、スラリー38をマット14の繊維の間の小さくランダムな間隙へ運び、該材料を織地ウェブ上に必要に応じて大小量付着させ、間隙を埋め、そしてマット14の上下両面ともに被覆する。
    【0026】
    ロールコータ40、42は下側表面シート14の走行方向へ回転するように示しているが、図1に示すものと反対方向にローラを回転させることも可能であり、幾つかの実施例ではそれが望ましい。 そのような場合、成形ベルトラインのような機構をローラコータ40、42の下流に配置して(下記)、逆回転ロールコータによって発生する反力に充分対抗して、下側表面シート14を石膏ボード成形ステーション10内へ牽引するための駆動力を提供するのに利用する。 もちろん、別法として、プロセス製造ラインの別の場所で他の手段を利用して、シート14を、成形ステーション10を通して移動させるための駆動力を付与するのに利用してもよく、その例としてはマット14を右方向に引っ張る(図示せず)別の一組の下流のローラである。 下側表面シートの上面にある石膏スラリー層は、完全な平坦あるいはほとんど滑らかである必要がないことを付記する。 なぜなら、このプロセスの後続の工程が下記のように、平坦化する機会をさらに提供し得るからである。
    【0027】
    鉱物繊維表面シートを有する石膏ボードは、複層に製造されてもよく、限定するものではないが、強靭でより高密度な上下表層と、強度がやや少なくて密度がやや低い中間層または芯材を含む。 層構造が好都合なのは、最終石膏ボード製品の複合構造強度を犠牲にすることなく石膏ボードの重量を軽くできるためである。 したがって、前記米国特許第5,908,521の教示に従えば、連続ミキサー30は、芯石膏スラリー44または単にスラリー44と呼ぶ密度のやや低い第二のスラリーを提供するように配置し、このスラリーは最終石膏ボード製品において材質の大部分を構成する。 芯石膏スラリー44は、ミキサー30から制御装置46によって出口48を通って吸い出され、出口48はゴム製ブーツまたはホースからなる。 未固化のスラリー44の連続層は、横方向へ移動する下側表面シート14と高密度スラリー38との連合体の上に形成される。
    【0028】
    芯スラリー44は、高密度スラリー38とは異なる組成の構成材料からなってもよく、例えばフィラーまたは公知の強度向上添加剤を含む。 あるいは、単に同じ構成要素であるが軽いかまたは密度のやや粗なものからなってもよく、なぜなら石膏スラリー44は、高密度スラリー38には添加されない発泡材料を中に含有する。 未固化石膏のために長い混合時間をとると、混入された空気泡(発泡と呼ぶこともある)の多くが未固化石膏の表面に達して、未固化石膏スラリー材料から除去されることが知られている。 それは、芯石膏スラリー44をより軽く、粗な密度にする極微小の空気泡として混入される大量の空気である。
    【0029】
    石膏スラリー、特に高分子添加剤で改質してある石膏スラリーは、湿潤状態で接着性を有し、取扱いを多少難しくする。 したがって、好ましくは膜被覆43を少なくとも一個のロールコータ、好ましくはロールコータ42の上に設け、膜がロールコータ表面と湿潤石膏表面との容易な連続分離を可能にすると同時に、大量の石膏スラリー38をシート14のマット上へ付着させる。 そのような膜被覆用の材料には、適当な高分子、例えばテフロン(登録商標)被覆が挙げられ、これは石膏スラリーがロールコータホイールの表面に接着または粘着するのを回避する膜表面を提供する能力がある。
    【0030】
    より高密度なスラリー層をより軽い芯スラリー層と共同して石膏ボードに供給する別の重要な理由は、高分子添加剤が高密度スラリー層38表面から芯スラリー層44へ移動する(migration)のを制御または抑制する役目をする抑制障壁を高密度スラリー層38と芯スラリー層44の間の境界が提供するためである。 この移動は、後述するように、最終製品を乾燥するのに使用する汎用の熱付加工程(heat rendering process)で最も多く発生する。 得られるボード製品は、高密度スラリー層38表面に高分子添加剤を保持するように装備し、したがって、後述するように、最終製品と共重合体を形成するためのより良好でより均一な高分子マトリックス基部すなわち「ルートシステム(root system)」を形成する。
    【0031】
    高密度石膏層38は乾燥固化するとき、そこに導入された高分子添加剤は、潜在する繊維表面シート14に向かって中まで移動し、そして移動は、巻きひげまたは根の形態で芯スラリー層44中へ広がり、芯石膏層44、繊維シート14および上に重なる高密度スラリー層間に形成される結合により大きな強度を付与する。 さらに、より軽い石膏層44は混入した泡を含み、高密度スラリー層38はそうでないので、添加剤は層44の中へより深く浸透する。 含浸された高分子材料添加剤により作られる結合は、マトリックスフォーメーションを改善し、これは最終的には最終製品の表面硬度および構造一体性を改善し、そして結合は、ボードに強固な外殻を与え、またその柔軟性に寄与する荷重負担能力を改善する。
    【0032】
    図1を再び参照して、下側表面シート14は、ロールコータ40、42を通過した後、水平成形面52を有する第二の成形台50の上を通る。 第一の成形台16および第二の成形台50は、図1の概略描写では分離した台として示されているが、成形台が、一の細長い台(図示しない)からなり、いくつかの切り欠き部分を有し、そこに例えば折目ホイールアセンブリ20やロールコータ40、42およびバイブレータを装着した台であることが可能であり、これが好ましい場合もある。
    【0033】
    高密度スラリー38および芯スラリー44の重量を含んだ下側表面シート14の移送を促進するために、非粘着性の特殊加工のテーブルデッキ59を台50の表面52上に配置する。 さて、図1の詳細図である図2を参照すると、テーブルデッキ59の上方向に面する表面60は、石膏ボードを製造するための作業面を提供する。 好ましくは、テーブルカバーは滑らかで非粘着性材料、例えばステンレス鋼、エラストマー材料(例えばゴム)あるいは高分子材料(例えばFormica(商標))からなり、台50に堆積されたスラリー44の移動重量を支持するのに充分な構造強度のものである。
    【0034】
    図2の詳細横断面図で明らかなように、テーブルデッキ59は台50の表面52の上に直接静置し、芯スラリー44が下側表面シート14の上に付着すると、スラリー44の重量はシート14へ下向きの圧力が印加され、その結果、シート14の下面がテーブルデッキ59の表面に対して張り付くようになる。 しかし、滑らかで非粘着性質のデーブルデッキ59によって、下側表面シート14およびスラリー38、44は、後述するように、成形台の上を自由に移動する。
    【0035】
    図1の横断面図はまた、出口スパウト(spout)34および48の幅を示していない。 さまざまな公知の外形を利用でき、ボード移動方向に対して横断するように配置する細長いスパウトを含む。 そのようなスパウトは、マット14の幅に亘る石膏スラリーのシートを作りだす。 別法として、ラバーブーツ(図示)に取り付けた管状スパウトは、連続流の石膏スラリーをガラス繊維シート14の上に付着させる。 その石膏スラリー流はその後広がって、ロールコータ40、42に達し、例えば斜めの角度を持つ羽根(図示せず)によって、あるいは特別に構築されたローラもしくは石膏スラリーを中心から下側表面シートのエッジの方へ広げるダムによって、シート14の上に滑らかな表面を作る。 スパウトの厳密な形状は、石膏スラリーが上下両シートのマット全幅にわたって均等に拡げる機能が達成される限り、本発明にとって重要でないと考えられる。
    【0036】
    未固化の低密度の芯石膏スラリー44は、第三の成形台56またはその近くで、浸透済み下側表面シート14の上に付着し、この台56は、浸透済みマット14とスラリー44との連合体を支持するための上面58を有する。 第二成形台50と第三成形台56との間の開口62は、第一のデッキバイブレータ64を配置する空間を提供し、もうひとつの開口66は、第三の成形台56と、上面72を有する第四の成形台70との間に第二のデッキバイブレータ68を装填するために設けられる。 そのようなバイブレータは、米国特許第4,477,300に記載され、本明細書に参照用に編入する。
    【0037】
    図2の詳細図により明確に示すように、テーブルデッキ59は、第一および第二成形台50、56の間、開口62の上、ならびに第三および第四成形台56、70、そして開口66の上に延在する。 各台50、58、70は、それらの表面52、58、72が同一平面上にあり、台に載せられたテーブルデッキ59は石膏ボード成形ステーション10の本質的に全幅に亘って、すなわち、第二から第四の台50、56、70で規定される全幅に渡って垂直方向に充分に支持されるように配置される。
    【0038】
    図2に示すように、デッキバイブレータ64、68は、62、66の上方部分を覆うデーブルデッキ59の間近に装填されたロール74をそれぞれ備える。 各デッキバイブレータロール74は、軸76の周りを回転するように装填され両軸は、ボード製造ラインの移動方向に対して横切る方向に水平に延在する。 各ロール74は、各軸76と各開口62、66を覆うテーブルデッキ59の底面62'、66'との半径方向距離よりも若干短い径を有する。
    【0039】
    各デッキバイブレータ64、68は、デッキバイブレータロール74の外面79を越えて放射状に延びる複数のこぶ(bumps)78を備えている。 こぶ78は、軸76と平行の方向にロール74の外面79に沿って長手方向に延びている。 デッキバイブレータロール74が軸76の周りを回転すると、こぶ78がテーブルデッキ59の裏面に定期的に衝突して、テーブルデッキ59を下側表面シート14、およびスラリー38、44組合せとともに一瞬持ち上げ、シート14の上に静置しているスラリーを揺り動かす。 その揺動がスラリー38を浸透マット14の上面に平坦化させ、かつスラリー44に下側表面シート14の上面に位置する高密度スラリー38の中に一層浸透および接着させる。
    【0040】
    デッキバイブレータ64、68によってもたらされる別の特徴は、封入された大きな気泡を下側表面シート14の底面から”こね出す(kneading out)”ことである。 下側表面シート14が開口62、66の上を通過する際に、下側表面シート14のマットに浸透している高密度スラリー38は、依然、未固化であり、石膏スラリーおよび隣接する底シート面内に混入気泡を持ち続ける。 デッキバイブレータ64、68からの振動によって、これらの気泡が表面に達して浸透石膏スラリー38の中から出て行き、こうして前記米国特許第4,477,300にあるように、製造工程が完了するときには、外面の滑らかな最終石膏ボードになる。
    【0041】
    スラリー44の平滑化処理が終わると、下側表面シート14および芯スラリー44の本質的に平坦な結合体ができ、それは下流、すなわち、図1のデッキバイブレータ64、68の右方向に配置された上および下側表面シート結合ステーション80(図1)の成形板によってさらに促進される。 シート結合ステーション80の成形板アセンブリは、下側表面シート14を成形する主製造ラインにおけるものと同様の部品を持つシート被覆ステーションサブアセンブリ110によって形成される上側表面シート114と共同して動作する。
    【0042】
    上側表面シート114は、ランダムに配向した鉱物繊維、例えばガラス繊維のシートまたはマットからなり、供給ロール12と同様の供給ロール112から巻出される。 下側表面シート14の製造に使用したのと同様の要素は、100番台の同じ番号で識別し、最後の二桁に下側表面シート14の製造で同じ要素を識別するものと同一のものを使用する。 供給ロール112は、連続の上側表面シート114を払い出し、このシートは最終石膏ボードにおいて、その後、壁建設で使用する石膏ボード製品の内装面に隣接する。
    【0043】
    図1に示すように、上側表面シート114は、上側表面シートサブアセンブリ110が主製造ラインを干渉するのを回避するために、まわりにあるさまざまなループ、例えばローラ102を介した供給を要求できる。 上側表面シートサブアセンブリ110は、上方に向く面118を有する上側表面シート形成台116の上に上側表面シート114を案内する。
    【0044】
    連続ミキサー30は、図示のように、さらにスラリー出口134を備え、該出口は、上側表面シート114の上に堆積するための高密度スラリー38の連続流をサブアセンブリ110に供給する制御装置136によって制御可能である。 サブアセンブリ110の上側表面シート製造ステーションの詳細な断面図を図3に示し、ここで図1および3を一緒に参照する。 図1では、二個の別個のスラリーコントローラ36、136の好ましい実施例を、二種類の異なるスラリー混合物38、138をそれぞれ下側表面シート14および上側表面シート114に供給するように示しているが、前記米国特許第5,714,032に記載のものと同様に、二個以上の出口の排出を制御するための二重コントローラへ導く一個のミキサー排出口を有するのが好ましい。 別法として、ボード製造方法の操作の必要に応じて各出口スパウトを制御可能な石膏スラリーの可変流を可能にする個別の弁を有する排出口を備えた一個のコントローラ(図示せず)を使用してもよい。
    【0045】
    図1には別個のコントローラ36、46、136を示し、各コントローラが、単一出口、すなわち高密度石膏スラリー出口34、134または芯スラリー出口48の排出量を制御する。 連続ミキサー30の構造は分離した混合室を備え、各室は、別個の出口に取り付けられて石膏スラリーを給送し、該出口は、必要に応じて特定種類の石膏スラリーを提供する。 各出口34、48、134に供給されるスラリーをカスタマイズすると、石膏ボード製造作業者が所望の特性を有するさまざまなスラリーを必要な製造ラインの場所に供給可能となる。 例えば出口34のような出口は、スラリー38のようなより高密度なスラリーを供給するよう要求される。 スラリーは、特定の添加剤、例えば、固化後に固化石膏とマトリックスを形成する高分子化合物を加えて、以下に記述するように、後の仕上げに適する表面を付与することもできる。 しかし、そのような表面を前面のみが有する必要がある場合には、図1に示す実施例を用いて、コントローラ36から吸い出される高密度スラリー38にのみ添加剤を加えるが、製造中に最終的に石膏ボードの内部の裏面になるスラリー138にそのような添加剤を加えないことも選択できる。 あるいは、石膏スラリー138が芯スラリー44よりも高密度であって、下側表面シート14を被覆するスラリー38と同一の密度を有してもよい。
    【0046】
    図1および、上側表面シートスラリー被覆ステーション110を示す図3を参照すると、高密度石膏138は、矢印Aで示す方向に移動し、上側表面シートスラリー成形台116の表面を通り過ぎるガラス繊維のマットからなる上側表面シート114の上に堆積する。 この上側表面シートは成形台16の上を走行する下側表面シート14と本質的に同一の速度で移動する。 石膏スラリー138は、芯スラリー44よりも高密度であり、下側表面シート14を被覆するスラリー38と同一の密度を有してもよい。
    【0047】
    上側表面シートスラリー被覆ステーション110は、成形台16と同様の短い成形台116を備えるが、ただし、台116の直線寸法はもっと短く、石膏スラリー138の堆積を達成し、かつ連続シート114のエッジ間の移動する上側表面シート114の表面に広がるだけ充分な長さを有する。 石膏スラリー138がシート114の表面に広がる工程を助けるために、一個以上の空気式テーブルバイブレータ、例えばバイブレータ148を台116の表面118を振動させるために付け加えてよい。
    【0048】
    アプリケータホイール140は、円筒面142を有し、軸144の周りを回転する。 軸144は、シート114の走行方向に対して横切るように延在する。 軸144の垂直および水平配置は高密度スラリー138を充分に含浸した所望の結果のシート114を得るために重要である。 図3に示すように、軸144は、台116のエッジ117を短い距離過ぎたところに直線的に配置する。 軸は、台表面118上垂直にホイール140の半径よりもほんの少し短く配置して、アプリケータホイール140を台表面118によって規定される平面下の空間に延ばす。 図3に示すように、製造中は、アプリケータホイール140が上側表面シート114に下方向の圧力をかけ、シートは、台面118の横をたどった直線の道から若干距離湾曲する。
    【0049】
    移動する上側表面シート114'の上に堆積した高密度スラリー138は、アプリケータホイール140と上側表面シート114との間の絞った空間に集まる過剰の高密度スラリー138からなる密集スラリーをダム139に作る。 ダム139の大きさは、上側表面シート被覆ステーション110によって作られる浸透済みの上側表面シート114'に所望する特性に応じて変わり得る。 例えば、より大きな強度の石膏ボードを作るために大量被覆を望むなら、ダム139の大きさは、上側表面シート114を構成するマットの鉱物繊維間の隙間に大量の高密度スラリーが浸透するように調整すればよい。 区別するために、高密度スラリー138で浸透された後、上側表面シート114は、浸透済み上側表面シート114'と呼ぶ。
    【0050】
    アプリケータホイール140と共同する機構は、下方向に湾曲し横に延びる方向板113(directional plate)であり、その上にアプリケータホイール140から出たシート114が当接する。 方向板113は、好ましくは頂点115が面118で規定される平面に近接するかまたはその内にあるように配置される。 この位置取りによって、アプリケータホイール140がシート114を平面から下に押すときにシート114に張力がかけられ、この配置は石膏ボード138がシート114のマットの中へ浸透するのを助ける。 スラリー138がアプリケータホイール140の面142の上に形成されるのを抑制するために、上記したロールコータ42の被覆43と同様の適当な膜被覆143(例えばテフロン(登録商標)コートからなる)を適宜ホイール140の表面に配置してもよい。
    【0051】
    高密度スラリー138が浸透した上側表面シート114'は、アプリケータホイール140から第二のローラホイールである移送ローラホイール104に向かい、このホイールは軸144と平行な軸144'を有する。 移送ローラホイール104は、表面118で規・BR>閧ウれる一般的な経路および平面の中にあり、この機能は上側表面シート114'の走行方向を変えて、シートの上面を底面にし、底面を上面にすることである。 すなわち、面118に近接して底面であった上側表面シート114の表面が上になり、シート114'は、後述するように、芯スラリー44に送出され結合する準備を整える。
    【0052】
    シート114、114'は、シート結合ステーション80で結合されるが(上記米国特許第6,524,679号に詳細に記載)、ボードを形成する構成および方法に関してこの特許に記載される他の事項は、本明細書の簡潔化のために省略する。
    【0053】
    本発明において顕著な特徴は、ミキサー30と、石膏ボード成形ステーションで結合される前にマット14、114の一方または両方の上へ添加剤を分散することに関する。 図1および米国特許第6,524,679号に記載したように、芯スラリー層44と結合する前にマット14、114上に堆積される高密度スラリー層38、138は、まずマット14、114上の一または複数の特定の箇所に堆積され、次にローラでマット14、114の幅全体に分散され、それらがシート結合ステーション80で結合する前に高密度石膏スラリーの均一な厚い膜を形成する。 この高密度石膏スラリーの層は、ほとんどの部分で均一に配分されており、高密度石膏スラリー38、138内の添加剤は、コントローラ36または136で高密度石膏スラリー内に混ぜ合わせられるときに高密度石膏スラリー層内に均一に分散されるため、マット14または114全体にもほぼ均一に分配される。 しかしながら、特定の種類の添加剤(例えば疎水性添加剤)にとって、高密度石膏スラリー内への混合は、常に均一というわけではなく、結果として塊となるか、高密度石膏スラリー層において疎水添加剤の不均一な分散という結果となり得る。 結果として、高密度石膏スラリーがマット14、144上に分散される場合、高密度石膏スラリーの膜がマットの表面上に均一かつ連続して広がることができるが、添加剤自体は、マット上にランダムに、または周期的に塊となり得る。 石膏ボード製品の表面上に添加剤を不均一に分散することは、結果として添加剤が不完全または不適切に作用することが多いため、このことは好ましくない。
    【0054】
    例えば、ボード表面上に一貫性が無く分散することが観察された添加剤の一つは、ワックスエマルジョンであった。 このワックスエマルジョンは、所望の特性をボード表面に与えるため(例えばボード表面の耐水性を増加するため)に加えられた。 しかしながら、一般的に周知であるように、水は、表面に浸透しようとし、まず最も抵抗の少ない箇所で浸透しだす。 よって、ボードの芯への水の浸透は、エマルジョンの不均一な分散によって促進され、このボードは、特定の地域において要求される耐水性の厳しい基準を満たさないことが分かった。 よって、本発明の特徴は、高密度石膏スラリーへ添加剤(特に疎水性添加剤)を均一に分散し、よってボードの幅全体に亘ってこの添加剤が一貫して均一に分散するように開発された。
    【0055】
    図4を参照すると、類似する要素が同一の符号によって示されており、添加剤送出システムを示す概略図にミキサー30が示されている。 ミキサー30は、任意の種類のミキサーでよいが、ここでは、公知であるピンミキサー30であることが好ましい。 このピンミキサー30は、高密度スラリー層と芯スラリー層の両方にも使える、全てのスラリー用の一般的なミキサーである。 上記のように、芯スラリー44は、ミキサー30からコントローラ46を通して直接排出される。 しかしながら、コントローラ36が、ピンミキサー30からサイフォン式に吸い出される高密度スラリー38を制御する。 このピンミキサー30は、添加剤供給パイプ188に連結された添加剤注入ポート186を備えており、高密度スラリー出口34に添加剤を直接供給する。 このパイプ188は、高密度スラリー38をマット14、114の一つもしくは両方に送達するために用いられ、このスラリーは、適当な添加剤を有する高密度スラリー38もしくは138であることが好ましい。 よって、添加剤供給パイプ188は、スラリー流が高密度スラリーの出口34を通過するときに添加剤をその流れに直接導入することができる。
    【0056】
    図では一つの高密度スラリー出口34のみに連結されているが、パイプ188と同様の別のパイプも、高密度石膏スラリーの別の出口(例えば出口134)または、所望であれば、芯石膏スラリー出口148に連結されていてもよい。 上記構造は図の単一の連結に限定されず、本発明の特徴は所望の石膏層に特定の添加剤を供給することができることである。 他の変更も、当業者には明確であって、例えば、他の制御および処理が同時に行われるときに高密度石膏スラリー内に所望の添加剤を混合するコントローラ36もしくは136に、添加剤供給パイプ188を直接接続することなどである。
    【0057】
    図4を再び参照すると、石膏スラリーの流れに混合する添加剤は、添加剤用リザーバ192に収容されている。 本明細書に記載された構成は石膏ボード表面の所望の耐吸水性を実現するためにワックス添加剤を均一に分散することに特に適しているため、リザーバ192は、ワックスを収容しており、予熱装置と、水性スラリーに容易に分散することができるエマルジョンでワックスを乳化する手段とを備えていてもよい。 このリザーバ192は、注入ポート186から離れて概略的に図示されているが、ワックスをその投与の前に乳化状態に保持するためにピンミキサー30の近くにリザーバを配置しても特許性がある。
    【0058】
    移送パイプ194は、ワックスエマルジョンリザーバ192の一端部に接続されており、必要に応じて、注入ポート186にワックスエマルジョンの連続した流れを供給する。 後述のように、過剰に大きな固形ワックスがワックスエマルジョンの流れに入らないようにし、投与システムの詰まりを避けるため、ワックスエマルジョンを濾過してもよく、フィルタ(図示されず)を移送パイプ194内に配置してもよい。
    【0059】
    移送パイプ194はその他端部をポンプ198に連結されており、注入ポート186へのワックスエマルジョン添加剤の流量を制御するためにポンプ198は、その回転を調整するために流量制御装置を備えていてもよく、もしくは移送パイプ194または添加剤供給パイプ188に直列で配置された別個の流量制御バルブ196を備えていてもよい。 このワックスエマルジョンの流量調節は、本発明の格別な特徴であって、添加剤に対する高密度石膏スラリーの所望の均質な濃度およびこの高密度石膏スラリー構成比を保持するように、非常に少ない添加剤の流量でよい。 このことは、本発明において、不必要な添加剤のコストを減少させると同時に、均質の耐水性を与える、つまり、ボードの側面全体に亘って表面吸収特性を一貫して減少するという、最適なバランスを取ることができる。
    【0060】
    所望の処理を実現するために、更なる格別な特徴は、高密度石膏スラリーがピンミキサー30から上側表面スラリー被覆ステーション110および下側表面スラリー被覆ステーション18に移送されるときに、注入ポート186において添加剤を混ぜ合わせることである。 よって、高密度スラリー出口34に接続されてこれに添加剤を供給する添加剤供給パイプ188の端部内において、添加剤注入ポート186に直列して添加剤送出システム200が設けられている。 リザーバ192から送出システム200へ添加剤を移送するための、重力より大きく付加された推進力は、図4に図式的に示されており、ポンプ198によって実現され、このポンプ198は、容積式ポンプ(positive displacement pump)、空圧ダイヤフラムポンプまたは他の適当なポンプ機構であってもよい。 他の適当なポンプとしては、米国オハイオ州スプリングフィールドのモイノインク(Moyno, Inc.)から入手可能なMOYNOポンプや、オクラホマ州サルファーのカーポンプス(Kerr Pumps)から入手可能なTRIPLEXポンプがある。 容積式のものは、必要に応じて送出システム200にて添加剤の流れに正圧が得られるように維持するために必要である。 こうした容積式ポンプは、エマルジョンの剪断を避け、このエマルジョンを所望の状態に保持することができるため好適である。
    【0061】
    図5を参照すると、2つの添加剤送出システム200がそれぞれ、別個の添加剤注入ポート186にて添加剤供給パイプ34に連結されている。 ここでは2つの送出システム200が記載されているが、パイプ34のスラリー流に加えられるべき添加剤の量および種類に応じて、1〜20個のシステムを用いてもよい。 システム200はそれぞれ、クイック連結カップリング202を備えており、図4に記載のパイプ188といった送出用添加剤供給パイプに迅速に連結することができる。 このクイック連結カップリング202は、事前に組立てられており、システム200に取り付けられる。 このクイック連結カップリング202は、クイック連結ナット204を備えていてもよく、ナット204の単なる締め付けによってパイプ188に密閉された流体の連通を与える。
    【0062】
    この構成は、幾つかの有益な効果を提供し、それらには、製造にあたって所望のボードの種類および特性に応じて、高密度石膏スラリー流のための適当な添加剤送出システム200の選択的かつ容易な取り付けが含まれる。 或いは、後述のシステム200の構成に鑑みて、2つ以上のシステム200を同一の供給パイプ(図示されず)に連結してもよく、これにより、スラリー流にゆっくり注入される添加剤を2倍の量投与することができる。 この代替的な処置は、単一のシステム200を介して流れる流量が過剰となることを避けるために用いられ、更に、添加剤を石膏スラリーにより完全に混ぜ合わせることを確実にする。
    【0063】
    図1、4および5に示されるように、第1の石膏スラリー放出パイプ34は、ピンミキサー30に連結されており、そこから外方向に延在している。 このパイプ34は、コントローラ36から伸び出た後に、第1の投入パイプ208に連結されており、この第1の投入パイプ208は、例えばテストもしくは品質管理または石膏ボードパネルの製造における他の処理のために、スラリー流から高密度スラリーの抽出装置として所望の場合に用いられることができる。
    【0064】
    パイプ34に沿って下流には、ダイアフラムピンチバルブアセンブリ210が設けられており、これは、その一端にパイプ34に連結された連結ジョイント212と、他端にダイヤフラムピンチバルブ214と、このダイヤフラムピンチバルブ214用のエア供給ポート218が連結されている中間部216とを備える。 ダイヤフラムピンチバルブ214は、エアの供給によって空圧で作動し、パイプ34を通過する高密度石膏スラリーの流量を制御することができる。
    【0065】
    ダイヤフラムピンチバルブアセンブリ210の直ぐ下流には、2つの添加物送出システム200が配置されているが、2つ以下または以上のシステム200がパイプ34に連結されていてもよい。 添加剤の重力流によって助けられるため、下方に流れるシステム200の好適な構成を図示しているが、この方向は、そのスペースを他の目的にとっておくために変更することができ、このシステムがパイプ34に対して垂直方向または下方に配置されてもよい。
    【0066】
    リザーバ192(図4)に収容されているワックスエマルジョン添加剤は、石膏ボード表面に耐水性を与えることのできる任意の種類のワックスでよく、例えば、パラフィンワックスエマルジョンまたは耐水性を与えることができる他の公知の材料であってもよい。 更に、繊維マットを表面に備える石膏ボードに使用する添加剤に関して記載してきたが、本発明は、標準的な紙を表面に備える石膏と共に使用することもでき、こうしたボードや他の種類のセメントボードの石膏紙表面の耐水性を高め、製品価値を高めることができる。 上記米国特許第6,524,679号に記載のパネルの両方の種類ならびに紙面製品および他の特性を改善もしくは向上させるため、紙とセメントを任意に組合せた紙面製品を製造するために、本発明の方法で利用可能な他の添加剤は、以下のものである:ポリマー、ホウ酸、ホウ酸塩、他の膨張性添加剤、界面活性剤、分散剤、抑制剤、炭酸カリウム、ケイ酸塩、澱粉、リン酸塩、パーライト(perlite)、アルミナ、ならびに液体媒体に溶化または分散する任意の材料。
    【0067】
    図6および7は、別の実施例として、添加剤送出システム200の配置前の図と、配置された後の図を示す。 図6に示されるように、システム200は、添加剤供給パイプ188を添加剤注入ポート186に連結するためのクイック連結ナット204を備えている。 この迅速な連結によって、ユーザが他の添加剤を高密度スラリーの流れに所望のように注入するために容易にパイプを変更することができる。
    【0068】
    ワックスエマルジョン添加剤の例は、上記に記載の通りである。 しかしながら、他の化学添加剤も、石膏層のうちの一層のみに狙いを定めて加えることもできる。 物理的な添加剤(physical additives)も、例えば高密度スラリー層において他の好適な特性を与えるために添加することもできる。 この添加剤には、例えば、石膏ボード最終製品の外面層の構造的な強度を高めるために、層状になった高密度スラリー層に狙いを定めたマイクロ繊維である。 あるいは、マイクロ繊維は、高密度または芯石膏層の両方にそれぞれ異なる濃度で導入することができ、例えば、本発明の教示および構造的特徴を利用して、より高濃度のマイクロ繊維の混合物を高密度スラリー層に加え、より低濃度のものを芯石膏に加えることができる。
    【0069】
    マイクロ繊維は、様々な材料を含んでいてもよく、例えば、eガラス、カーボン、鉱物繊維、高分子繊維および/または金属繊維であって、その濃度は、所望の石膏層の特定の特性に依って、変化させてよい。 係るマイクロ繊維の密度の適切な範囲は、0.1〜5.0容量%が好ましい。 マイクロ繊維は、条件に応じて、長さ1.0〜25.0mm、幅0.002〜0.025mm、1:1〜25:1の範囲内の縦横比を備える。
    【0070】
    図6〜7に示すシステム200を再び参照すると、クイック連結ナット204がシステム200で一旦締め付けられると、添加剤(例えばワックスエマルジョン)の密閉された流れがシステム200を通過して石膏スラリーパイプ234へ向かうように起こる。 よって、このシステム200は上記のように、パイプ34を通過するスラリー流に添加剤の濃度とその分散を制御する構造的な特徴を備える。
    【0071】
    添加剤送出システム200は、大径開口部208と小径開口部209を備える円錐状の筺体として図示される、密閉ハウジング206を備えている。 小径開口部209は、クイック連結パイプ204によって添加剤供給パイプ188に連結されており、添加剤がハウジング206を通して注入ポート186に向かって流れるように流体流通を与える。 ハウジング206は円錐状で図示されているが、添加剤の流れをパイプ34のスラリー流38に流れるのを保持するように適した形状であれば、いかなる形状でも構わず、例えば、長円形の口先または八角形のハウジングであってもよい。
    【0072】
    図示されるように、長手方向に大径開口部208を超えて延在するタービュレータ(撹拌器)220が、ハウジング206内に収容されている。 このタービュレータは、図6のように固定されている。 図6および7は、尺図通りではない点に留意されたい。 タービュレータ220は、本発明の特徴の一つであって、添加剤の注入箇所でスラリーの流れに均質に混合することを助ける。 添加剤送出システム200は、2つの挿入/後退ハンドル222を備えており、タービュレータ220の長手位置の制御を行い、図7に示すように配置されていない位置にあるときにこれらのハンドルは、タービュレータ220を受け側のネック部234から外すために放射状に外方に伸びている。 図6に示すように、ハンドル222をハウジング206に向かって引くことによって、タービュレータ220が小径開口部210から遠ざかる方向でロックされ、かつシステム200内で連結されるときには、添加剤注入ポート186に向かってロックされる。 これらのハンドルを内側に引くことによって、ハウジング206を受け側のネック部234に連結する位置で前記カップリングをロックする。 この位置において、管状の絞りバルブ224、インジェクタノズル226および添加剤出口開口部228が受け側のネック部234内に伸び、添加剤を所望のように送出するためにタービュレータ220を位置決めする。 タービュレータ220は、末端に添加剤出口開口部228を備えるインジェクタノズル226に取り付けられた管状の絞りバルブ224を備えている。 インジェクタノズル226の内径は、1インチの約3/32〜3/16(2.38〜4.75mm)であって、好ましくは、開口部228の直径において1インチの約1/8(3.17mm)である。 添加剤出口開口部は、インジェクタノズルの直径よりもかなり小さい内部開口部の直径を有しており、1インチの約3/32〜1/16(2.38〜1.59mm)の範囲である。
    【0073】
    上記の構成によって、1ポンド/Msf〜約10ポンド/Msf(Msf は1000平方フィート)の高濃度スラリー層内へ適当な流量で流れ込む固形のワックスエマルジョンの出口が設けられる。 タービュレータの送出パターン、すなわち、高密度石膏スラリー38に送出される添加剤の噴霧は、スラリー流内に添加剤を最大限に分散することができる一または複数の周知のパターン(例えば、平坦かつ円錐状の多重線形注入)を含んでおり、または、効果的に混ぜあわせるために添加剤をスラリー流の中に深く注入することができる他の適当な幾何学パターンを含んでいる。 図7の円筒状送出端部を備えていることが示されているが、この送出端および添加剤出口開口部228は、異なる送出パターンを提供し、よって、スラリー流における最適な添加剤の均質化を達成することができる。
    【0074】
    注入角度も、添加剤の最大浸透度およびスラリー流における添加剤の均質性を得るために最適化することができる、可変的な添加剤注入パラメータを与える。
    【0075】
    すなわち、図7に示される角度がハウジング206の開口部208の平面に直角であるのに対し、他の注入角度に設定してもよく、スラリー流の方向に対して鋭角であってもよく、更には、スラリー流の方向に対して約1°〜約179°の範囲で角度を設定することができる。 最適には、この角度は、図示されるように極めて垂直に近いが、約70°〜110°の範囲での実際的な調整によって、添加剤がスラリー流に送出されるときに所望の混合効果をなす。 例えば、混合がより活発に起こるように、流体の流れに対向する角度で添加剤を注入するのである。 しかしながら、このことは、望ましくない場合もあり、それは、過剰な撹拌またはスラリー流への妨害を避けるために、スラリー流に対向して添加剤を注入することが好ましくない場合である。 このような場合、スラリー流に沿うような添加剤注入方向の角度を設定することが好ましく、高密度スラリー38をマット14、114上もしくは紙面上に投与し、時間をかける間に自然に撹拌することによってこの添加剤をスラリーに混合することが好ましい。
    【0076】
    タービュレータ220は、石膏ボードの製造工程の間に石膏ボードラインのスラリーに添加剤を注入するために一般的に利用されてきた。 よって、係るタービュレータノズルは、商業的に入手可能であって(例えば、米国イリノイ州ウィートンに所在するSpraying Systems,Co.から品番1/8HH−SS8Wとして入手可能である)、これらの種類のタービュレータは、添加剤を直接スラリー流に分散させるために製造も使用もされていない。 例えば、ピルグリムの上記米国特許第4,378,405号は、ガラスマット繊維またはウェブ上に噴霧される、合成樹脂からなる防水剤といった表面修飾添加剤を教示しているが、上記米国特許第6,524,679号に記載されるように、特にマットが石膏に実質的に包まれる場合、これによって石膏ボード製品の表面上に所望の添加剤が必ずしも置かれるというわけではない。 他の先行技術文献は、芯石膏スラリーと表面層に添加剤を均一に分散させることを教示しており、特定の層に狙いを定めて添加剤を投与することができない。
    【0077】
    上述のワックスエマルジョン添加剤の狙いを定めた投与例として、上記のように、添加剤の最初のバッチを例えばスラリー混合のバッチ毎に60ポンド/Msfの添加剤ワックスエマルジョンをピンミキサー30で石膏スラリーに混合し、パイプ34、134で高密度スラリー混合物38、138に直接5ポンドのワックスエマルジョンを追加することによって、芯層の耐水性は劣るが、繊維マット14、114を包む2つの表面層の石膏においては非常に耐水性が増し、それは、石膏ボードラインに投与される芯スラリーに対して高密度スラリーの比率が小さいためである。 結果として、バッチ毎に3層全てに亘って均一に広げる70ポンドの添加剤を使用する標準的で狙いを定めない処理に比べて、軽量の製品が得られ、表面層から水または水分を一層はじくことができるようになり、この特性は最も必要とされているものである。
    【0078】
    図6および7を再び参照すると、図示された構成は、添加剤出口開口部228を備えるノズル226の端部を備えており、これはパイプ34の内部壁と同一平面である。 これにより、タービュレータ220はスラリー流を妨げず、それでいて、これを介して添加剤をスラリー38内に注入する。 継続的な液圧力がポンプ198によって与えられているため、スラリー流において添加剤ワックスエマルジョンの渦流が生まれて、より均一な混合を確実にする。 更に、添加剤投与が脈動的になることを防ぐために、容積式のポンプを使用することによって、より均一な混合となる。
    【0079】
    しかしながら、ノズル端部の位置は、パイプ34の内壁面を超えて延在するようにより積極的に配置されてもよく、この場合、添加剤出口開口部228は、添加剤をより強制的にスラリー混合物内に注入してより強力に混合するために、スラリー流内に配置される。 しかし、石膏スラリーはパイプ34を通して急速に移動されるため、ノズル226への損傷を避けるように配慮をする必要がある。 この構成は、上記のように、角度のついたノズルと共に使用することができ、ノズル端部は、石膏スラリー流に沿って鋭角に設定されており、損傷の危険性を最小限に抑える。
    【0080】
    クイック連結カップリング210は、ハウジング206の小径開口部209でナット204に取り付けられており、末端の大径開口部208にて受け側のネック234(六角形のハウジングとして図示されるが、ほぼいかなる形状も取ることができる)に取り付けられている。 添加剤送出システム200を取り付けるときには、ノズル226が損傷を受けないように配慮しなくてはならない。 一旦ハウジング206が適所に配置され、受け側のネック234と係合されると、ハンドル222は上方に回転され、このシステムが適所にロックされる。 同時に、ハンドル222のロック動作によって更に、ノズルの添加剤出口開口部228がパイプ34の内壁面と同一平面になるまでノズル226をパイプ34に向かって下方に伸ばす。 ポート186は、ポートエンクロージャ236によって密閉され、このポートエンクロージャ236は、ポート186を密閉するために好ましくは溶接または他の適切な手段によってパイプに連結されている。 任意のナット238および中間パイプコネクター239は、図6に示されているが、専用の添加剤ポート186が石膏ボードラインに設けられる場合には必要ではない。
    【0081】
    専用の添加剤出口ポート186が設けられる場合には、更なる変更も可能である。 例えば、ノズルに向かって移動する石膏スラリー流の液圧力を避けるために添加剤出口ポート186の回りの石膏スラリー流を方向づけるために、羽根(vane)(図示されず)または他の手段をパイプ34の内壁またはノズル226の端に取り付けてもよく、その圧力により耐えうることができる形状および大きさとする。
    【0082】
    添加剤は、例えば表面に単に噴霧される場合に、その更なる分散を避けるように高密度石膏スラリー内に加えられることが有益かつ好ましい。 こうした例として、石膏ボード産業における公知の石膏ボード形成処理において石膏ボードの表面に与えられる水膜は、表面のみに加えられた場合は添加剤を更に分散させうる。 この点で、石膏溶液またはスラリーの再結晶速度を増加または減少させるために製剤添加剤を導入するといったボード製造工程においてなされる制御方法がある。
    【0083】
    理想的には、石膏スラリー溶液内のポリマー添加剤かワックスエマルジョンのいずれかが芯スラリー44と外表面の高密度スラリー38、138の間と、ガラス繊維を表面に備えるシート14および114'のマット全体に延在する高密度スラリーの間との接着強度を高めるのに使用され得る。 このポリマーは、低濃度の芯スラリーの接合部から、石膏ボード表面に延在するためにシート14、114を通して浸透した高密度スラリー層38、138に延在する高分子マトリックスを生成する。 この高分子マトリックスは、石膏ベース内に効率的に埋め込まれて、合体した表面を提供し、この表面上に更なる仕上げ(例えば、塗装や、水不浸透性のアクリルカバー)がなされることができ、これらはこの仕上げ処理の段階で例えばスプレーコーティングによって加えることができる。
    【0084】
    完成した石膏ボードの前面の組織は、下にあるマトリックスの一部としてこれらの添加剤を更に含んでいてもよく、他の高分子(例えばアクリル)化合物が付着することができるような、石膏の平滑な高密度層となるのを助ける。 例えば乾燥処理において、高密度スラリー層が硬化するにつれ、負荷に耐えうると共に水をはじくことができる堅固な表面となる。 ポリマー添加剤を包含する表面は、耐水性を高め、他の添加剤が別の高分子による化学的接着ために特定の場所を提供することができる。 耐水または不浸透性コーティングの組成物は、以下の高分子化合物の一つまたはそれらの組合せを更に含んでいてもよい:ポリアクリルアミド、ポリメチルアクリルアミド、塩化ポリビニリデン(PVDC)、ポリアミド、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン、酢酸セルロース、ポリイソブチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、スチレン、ブタジエン、スチレンブタジエンコポリマー、ポリクロロプレン、スチレン、ブタジエン(ネオプレン(登録商標))、天然ゴム、ポリ(2,6ジメチルペンテンオキサイド)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)(テフロン(登録商標))、天然ゴム、ポリ(2,6ジメチルペンテンオキシド)、ポリ4メチルペンテン−1、およびポリジメチルシロキサン。 これらは、高密度スラリー層の一方もしくは両方において使用することができ、更には芯石膏層にも異なる濃度において使用することができる。
    【0085】
    ワックスエマルジョン添加剤を伴うものと、伴わないものとを比較する石膏ボード製品のテストによって、耐水性に顕著な増加が見られ、特に、芯石膏スラリー層および修飾された高密度石膏スラリー層において他の耐水性添加剤と共に使用される場合には顕著であった。 サンプルのテスト結果は、耐水性が平均にして少なくとも約300%増加し、当然、カナディアン・コンストラクション・マテリアルズ・センター(Canadian Construction Materials Center)によって公表される最低条件および基準を満たすと共にそれを上回った。 データは、ボードの完成された表面に亘ってより好適に分散されて高密度スラリー層の表面の性能を高めるという理論を支持する。 更なる利点がワックスエマルジョンもしくは他の組成物またはそれらの組合せを変更することによって、または他のパラメータ(例えば、溶液強度、適用量、時間、硬化条件)を変更することによって得られ、最終石膏ボード製品の耐水性または他の所望の特性を高める。
    【0086】
    本発明を、上記実施例を参照して説明した。 開示した実施例の修正および変更は、石膏ボード分野の当該技術を有する者の能力により可能であり、本発明は、開示した実施例の記載に限定される意図はなく、本発明は、添付の特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定される。
    【図面の簡単な説明】
    【0087】
    【図1】図1は、本発明による、石膏ボード成形ステーションの概略断面図である。
    【図2】図2は、図1に示したバイブレータアセンブリの詳細な断面図である。
    【図3】図3は、図1に示した本発明による上シートサブアセンブリを示す、詳細な断面図である。
    【図4】図4は、石膏ボードの所望の層にエマルジョンを混合・投与するシステムを提供するのに使用される構成要素を示す概略図である。
    【図5】図5は、本発明の一実施例の詳細な平面図である。
    【図6】図6は、発明的な添加剤投与システムの一つを示す詳細な斜視図である。
    【図7】図7は、図5および6に示した発明的なシステムを一部切り取った、組み付けられていない構成を示す斜視図である。
    【図面の簡単な説明】
    【0087】
    【図1】図1は、本発明による、石膏ボード成形ステーションの概略断面図である。
    【図2】図2は、図1に示したバイブレータアセンブリの詳細な断面図である。
    【図3】図3は、図1に示した本発明による上シートサブアセンブリを示す、詳細な断面図である。
    【図4】図4は、石膏ボードの所望の層にエマルジョンを混合・投与するシステムを提供するのに使用される構成要素を示す概略図である。
    【図5】図5は、本発明の一実施例の詳細な平面図である。
    【図6】図6は、発明的な添加剤投与システムの一つを示す詳細な斜視図である。
    【図7】図7は、図5および6に示した発明的なシステムを一部切り取った、組み付けられていない構成を示す斜視図である。

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