Composite mat

申请号 JP2000519206 申请日 1998-10-28 公开(公告)号 JP2001521847A 公开(公告)日 2001-11-13
申请人 エセイア; サッフィル リミテッド; 发明人 エリザベス ウェイド、キャスリーン; ステプレー、ヴァルテ; ディンウッディー、ジョン; ジョン ホートン、デイビッド; サミュエル ボフィー、スチュアート;
摘要 (57)【要約】 自動車に触媒コンバータを取り付けるための複合マットであって、無機繊維とバインダからなる層よりなり、径の細い棒を包んだときのマットの割れを防ぎ、触媒コンバータのモノリスを包んだときにマットを容易にケーシングに挿入できるように摩擦が低い特徴を有した可撓性シートまたはコーティングを設けて改良した。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 無機繊維および該無機繊維をバインドするためのバインダからなる層と、 該無機繊維の層の少なくとも一面に付着した可撓性シートまたはコーティング、 からなる複合マット。
  • 【請求項2】 前記可撓性シートが、使用温度で熱分解/焼損し、有毒な排出物を出さない材料から形成される請求項1記載の複合マット。
  • 【請求項3】 前記可撓性シートが、紙またはプラスチック材料から形成される請求項2記載の複合マット。
  • 【請求項4】 前記紙が、薄葉紙である請求項3記載の複合マット。
  • 【請求項5】 前記薄葉紙の単位面積当たり重量が、5g/m 2から50g /m 2である請求項4記載の複合マット。
  • 【請求項6】 前記コーティングが、前記層の最上部の繊維を取り込んだフィルム形成ポリマー材料から形成される請求項1記載の複合マット。
  • 【請求項7】 前記ポリマー材料が、前記バインダよりも高いガラス転移温度を有するラテックスである請求項6記載の複合マット。
  • 【請求項8】 前記可撓性シートまたはコーティングが摩擦低減材料でコートされている請求項1記載の複合マット。
  • 【請求項9】 前記摩擦低減材料が、層状の構成を有する鉱物である請求項8記載の複合マット。
  • 【請求項10】 前記摩擦低減材料が、グラファイトである請求項8記載の複合マット。
  • 【請求項11】 前記摩擦低減材料が、タルクまたはバーミキュライトである請求項8記載の複合マット。
  • 【請求項12】 前記摩擦低減材料が、ポリテトラフルオロエチレン、液状の潤滑材またはワックスである請求項8記載の複合マット。
  • 【請求項13】 前記無機繊維の層と、前記可撓性シートまたはコーティングとの間に、さらに熱膨張性の材料からなる層をはさんでなる請求項1、2、3
    、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載の複合マット。
  • 【請求項14】 前記熱膨張性の材料が、未膨張のバーミキュライトである請求項8記載の複合マット。
  • 【請求項15】 無機繊維および該無機繊維を固めておくためのバインダからなる層よりなり、 該無機繊維の層の少なくとも一面に、摩擦低減材料を有してなる複合マット。
  • 【請求項16】 前記摩擦低減材料が、層状の構成を有する鉱物である請求項15記載の複合マット。
  • 【請求項17】 前記摩擦低減材料が、グラファイトである請求項16記載の複合マット。
  • 【請求項18】 前記摩擦低減材料が、タルクまたはバーミキュライトである請求項16記載の複合マット。
  • 【請求項19】 前記摩擦低減材料が、ポリテトラフルオロエチレン、液状の潤滑材またはワックスである請求項15記載の複合マット。
  • 【請求項20】 無機繊維および該無機繊維をバインドし、可撓性シートに接着するためのバインダからなる層よりなる複合マットを製造するための方法であって、 無機繊維からなる繊維のかたまりに、バインダまたはその前駆体とキャリア液体とからなる液状のバインダ組織をしみこませ、 得られた前記バインダ組織をしみこませた無機繊維のかたまりを、前記可撓性シートに接した状態で、少なくとも前記キャリア液体の大部分を除去するために乾燥工程にさらす方法。
  • 【請求項21】 前記乾燥工程に誘導過熱を使用する請求項20記載の方法。
  • 【請求項22】 前記しみこみをされた無機繊維のかたまりが、前記乾燥工程の少なくとも一部の間、圧縮された状態に保持される請求項20、21または22記載の方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 本発明は、バインダによって相互にバインドされた無機繊維の層よりなる複合マットに関する。 さらに詳細には、本発明は、触媒コンバータ、サイレンサ/マフラー、およびディーゼル微粒子フィルタにて見かけられる壊れやすいセラミックあるいは金属モノリスを、金属ケーシングに弾的に取付けるために使用可能な層状複合マットに関する。 本発明は、層状複合マットの調製方法にも関する。

    【0002】 触媒コンバータとディーゼル微粒子フィルタが、エンジンから発生する排気ガスを浄化するために、通常、自動車やその他の道路走行車両に取付けられる。 これらの装置は通例、金属ケーシング内に収容されて、触媒を支持するセラミック製のハニカムモノリスで構成される。 セラミック製モノリスは、多数の小型フローチャネル(flow channels)で構成され、道路走行車両の使用時に見られる振 動力を受けると破損しやすい、脆弱な構造である。 さらに、モノリスとその周囲の金属ケーシングは、使用時にきわめて高温にさらされるため、膨張するが、膨張の程度は異なる。 結果として、セラミック製モノリスを金属ケーシングに取付けるために用いる取付システムは、モノリスを付随する振動力から遮断し、さらにモノリスとケーシングのあいだの膨張の差を補償する必要がある。 このような方法で、膨張の差または振動力の結果として使用時のモノリスが受ける応力を、
    許容可能なレベルにまで減少させることが可能である。

    【0003】 脆弱なセラミック製モノリスを周囲の金属ケーシングに取付けるために複合繊維マットを用いるのは、周知であり、たとえば、米国特許第4,011,651
    号明細書および国際公開第WO−94/24425号公報を参照されたい。 繊維マットは、モノリスと周囲を囲う金属ケーシングとの間の環状のスペースに配置され、環状スペースにて圧縮された状態に保たれるため、モノリスとケーシングに半径方向に圧力が加わり、モノリスが所定の位置に保持される。

    【0004】 上述の参考文献で開示されているように、複合繊維マットは、無機繊維と、使用時にマットがさらされる高温によって、実質的に熱分解/焼損する有機バインダで構成されていてもよい。 このような複合マットは以後、有機バインダマット(OBM)と呼ぶ。

    【0005】 複合マットの、触媒コンバータ取り付けへの適性を見るためのある試験では、
    複合マットによって、小径の棒を外面に裂け目がないように、棒の軸と平行方向に包むことができることが望ましい。 このような裂け目によって、弛んだ繊維がマットから離脱することがある。

    【0006】 本発明の目的は、この試験に合格可能な複合マットを提供することである。

    【0007】 本発明の1つの態様によれば、無機繊維、該繊維を相互にバインドさせるバインダ、前記無機繊維の層の少なくとも片側に付着した可撓性シートまたはコーティングよりなる複合マットが提供される。

    【0008】 可撓性シートは、裂けを防止するために繊維を十分に支え、直径20mmの棒を包んだ場合に剥離しない、すべての材料で形成できる。

    【0009】 しかし、可撓性シートは、動作温度で熱分解/焼損し、かつ有毒排気ガスを生成しない材料で形成することが好ましい。

    【0010】 クラフトペーパーや薄葉紙などの様々な種類の紙は、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの各種ポリマーフィルムと同様に適している。 可撓性シートは、できるだけ薄いことが望ましい、すなわち、0.5mm未満で、好ましくは、0.1mmオーダの厚さがよい。

    【0011】 薄葉紙は、バインダに対して多孔性であり、マットの重要部分を形成可能なため、特に適している。

    【0012】 重量/面積が5g/m 2 〜50g/m 2の単層の薄葉紙が特に適している。

    【0013】 可撓性シートに、ある程度の弾性またはひだ(crimp)を有していれば有利で ある。

    【0014】 そのため、もとの長さから少なくとも10%、好ましくは22%以上の伸張が可能な薄葉紙が特に適している。

    【0015】 適切なコーティングは、最上層の繊維を含んだ可撓性薄膜を形成する任意のフィルム形成ポリマー材料から形成できる。 たとえば、バインダ材料よりも高いガラス転移温度(T g )を持つラテックスゴムが適している。 ラテックスは、繊維 層の表面にラテックスを保持するのに有効な増粘剤を含んでもよい。

    【0016】 触媒コンバータのモノリスを取付ける金属ケーシングは、モノリスとマットを取り付けた後に溶接される、2つの半体よりなる二枚貝型である。 このタイプのケーシングにおいてマットの裂けは、ゆるんだ繊維が溶接の領域に位置し、繊維の存在そのものあるいは溶接の熱でバインダから追い出された気化物による溶接の空孔につながるので、特に重要である。

    【0017】 あるいは、ケーシングは管状または一体構成でもよく、このような場合、マットで包まれたモノリスはスライドさせてケーシング内に収容される。 どちらの場合も、ケーシングと接触するマット表面の摩擦特性は重要であるが、特に後者の場合において重要である。

    【0018】 それゆえ、本発明の別の目的は、可能な限り静および動摩擦係数の低い、複合マットの表面を提供することである。

    【0019】 本発明のさらに別の態様により、無機繊維、該繊維を相互にバインドさせるバインダ、摩擦低下材料を備えた少なくとも1つの前記繊維の層の表面よりなる複合マットが提供される。

    【0020】 マット表面とケーシング表面の間で測定する静および動摩擦係数は、それぞれ0.5および0.4より小さいことが好ましい。

    【0021】 本発明のさらに好ましい特徴により、摩擦低下材料を備えた可撓性シートが提供される。

    【0022】 摩擦低下材料は、層状構造をもつ固体潤滑剤でもよく、ばらばらの固体あるいは複合シートの形で追加されてもよい。

    【0023】 適した材料はたとえば、タルクまたはバーミキュライトなどの鉱物(minerals
    )や、黒鉛またはモリブデナイトである。

    【0024】 この材料は、0.1g/m 2 〜1g/m 2の範囲で添加される。

    【0025】 望ましい摩擦特性を得るための別の手段として、繊維層または可撓性シートの表面にPTFE、液体潤滑剤またはワックスをスプレーコーティングするか、P
    TFEテープを施すことが可能である。 たとえばシリコンペーパー、グリースペーパーまたはPETフィルムなどの可撓性シートは、もとより、適切な摩擦特性を備えている。

    【0026】 本発明の複合マットに含まれる無機繊維は、当業界で既知のいずれの無機繊維でもよい。 しかし、触媒コンバータやディーゼル微粒子フィルタにセラミックまたは金属製モノリスを弾力的に取付けるために複合マットを使用する場合、この繊維は、このような装置が耐える高い動作温度で熱的に安定(すなわち劣化しない)でなければならない。 通常、このような取付用途に使用する複合マットに含まれる繊維は、700℃以上の温度で、好ましくは800℃以上の温度で、さらに好ましくは900℃以上の温度で熱的に安定である。

    【0027】 好ましい熱的に安定な無機繊維としては、アルミナ、ムライト、アルミノケイ酸塩、アルミノホウケイ酸塩、ジルコニア、チタニア、シリカ繊維などのセラミック繊維が挙げられる。 これらアルミナ繊維のうちに、数重量%のシリカを相安定剤として添加したアルミナ繊維も含めるつもりであるが、これらは特に好ましい。 繊維は、長さが1〜10cmの範囲に、平均直径が1〜10ミクロンの範囲にある短繊維が好ましい。 特に好ましいアルミナ繊維は、Imperial Chemical In
    dustries PLCよりSaffilという商品名で、疎結合、低密度のマットの形で販売されており、1000℃を超える温度でも熱的に安定である。

    【0028】 層は、密に混合された、あるいは、不連続の複合の層のようにあるパターンで配置された、2種以上の種類の異なる無機繊維から構成されてもよい。

    【0029】 層のうちの1つを、熱膨張性を付与するバーミキュライトの板(vermiculite
    plates)やその他の類似の鉱物を含んだ複合材料で構成してもよい。

    【0030】 触媒コンバータやディーゼル微粒子フィルタにセラミックまたは金属製モノリスを取付けるために、本発明の複合マットを使用する場合、第2層に含まれるバインダは、使用時にマットがさらされる高温によって、実質的に熱分解/焼損する有機バインダであることが好ましい。 さらに、この有機バインダは、熱分解/
    焼損した場合に有毒排気ガスを生成しないバインダであることが好ましく、この理由のため、塩素および窒素を含まないことが好ましい。

    【0031】 層中のバインダの添加量は通常、2〜15重量%の範囲であり、5〜15重量%の範囲であることが好ましい。

    【0032】 触媒コンバータやディーゼル微粒子フィルタにセラミックまたは金属製モノリスを取付けるために、本発明の複合マットを使用する場合、第2層に含まれるバインダは、使用時にマットがさらされる高温によって、実質的に熱分解/焼損する有機バインダであることが好ましい。 さらに、この有機バインダは、熱分解/
    焼損した場合に有毒排気ガスを生成しないバインダであることが好ましく、この理由のため、塩素および窒素を含まないことが好ましい。

    【0033】 層中のバインダの添加量は通常、2〜15重量%の範囲であり、5〜15重量%
    の範囲であることが好ましい。

    【0034】 セラミックまたは金属製のモノリスの取付に、本発明の複合マットを使用する場合、一般に無機繊維は、バインダを除去した後にモノリスと周囲のケーシングとの間に圧力を作用させることができるように、バインダによって圧縮状態に保たれる。 通常、この層の密度は30〜700kg/m 3の範囲であり、好ましく は100〜500kg/m 3の範囲であり、さらに好ましくは100〜350k g/m 3の範囲である。

    【0035】 本発明の複合マットのバインダは、層全体にほぼ均一に分布する。 その領域の層の総重量に基づいた、層中のバインダの配分は、層の総重量に基づいて、好ましくは40%以内、さらに好ましくは30%以内、またさらに好ましくは20%
    以内の層中のバインダの全重量%である。 特に好ましい実施態様において、第2
    層におけるバインダの配分は、その領域における層の総重量に基づいた、層中の各1mm 3の領域についてのバインダの重量%が、層の全重量に基づいて、10 %以内の層中のバインダの全重量%となるようにする。

    【0036】 本発明の複合マットにおいて、層が持つ層方向の剪断応力、つまり層間剥離を引き起こすために加える必要のある力は、少なくとも0.1MPa、好ましくは少なくとも0.2Mpa、さらに好ましくは少なくとも0.3MPaである。 層方向剪断応力は、Instronまたは同様の装置で3点曲げ試験を用いて都合よく測定できる。 厚さの範囲が5〜10mmのサンプル層を2枚のプレート間にはさんで厚さ3mmに圧縮し、バインダを除去した場合、この層には、好ましくは少なくとも1.0kgf/cm 2 、さらに好ましくは1.5〜4.0kgf/ cm 2の範囲の圧力を加えることもできる。

    【0037】 この層は、無機繊維よりなる繊維のかたまりを、バインダまたはバインダの前駆体物質およびキャリア液体よりなる液体バインダ組織に含浸することにより、
    都合よく作成される。 繊維のかたまりを液体バインダ組織に含浸し、通常は、余分なキャリア液体を除去した後、含浸した繊維のかたまりに対して乾燥工程を実施する。 含浸した繊維のかたまりは、少なくとも乾燥工程の一部の間、バインダにより繊維がバインドして、圧縮力を除いても繊維層の膨張が著しく制限されるときまで、圧縮状態に保たれることが望ましい。 一般に、乾燥工程全体が、含浸した繊維を圧縮状態に保持した状態で実施されるが、乾燥工程の最終段階のみをこの状態で実施することも可能であり、しかも満足な結果が得られる。 乾燥工程の間で、ほとんどすべての、好ましくはすべての残存したキャリア液体が除去される。 余分なキャリア液体を乾燥前に除去するには、含浸した繊維のかたまりをローラまたはプレートの間で圧搾するか、真空下に置くか、遠心分離を行う。

    【0038】 含浸した繊維のかたまりを圧縮するために乾燥工程中に加える圧力は、一般に5〜500KPaの範囲で、好ましくは5〜200KPaの範囲である。 一般に、加える圧力は、バインドした繊維層の密度が30〜700kg/m 3の範囲、 好ましくは100〜500kg/m 3の範囲、さらに好ましくは100〜350 kg/m 3の範囲となる程度である。 含浸された繊維のかたまりが、厚さが10 〜60mmの範囲、たとえば30〜50mmの範囲で、面密度が0.2〜2.0
    kg/m 2の範囲、たとえば1.0〜2.0kg/m 2の範囲である多繊維製品ならば、含浸した繊維のかたまりは一般に、乾燥工程中に2〜5mmの範囲の厚さに圧縮される。 この圧力は、プレート間に含浸した繊維のかたまり、または含浸した繊維のかたまりと成形ずみの膨張シートの積層物を挟み、次にクランプ、バネ付きクリップまたは油圧によってプレートとともに圧搾するバッチプロセスにより、都合よく加えられる。 あるいは、連続プロセスでは、ローラーまたはベルトの配列を用いて、含浸した繊維のかたまりに必要な圧縮力を生成するのも都合がよい。

    【0039】 含浸した繊維のかたまりは、多数の別個の繊維で構成されるか、各繊維を集めて低密度のマットにした多繊維製品の形を取ることがある。 低密度マットは、繊維の絡み合いによって疎結合されるか、場合によっては、織り、編み、縫い、ニードルパンチあるいは真空パックなどといったその他の手段によってさらに堅牢に固化される。 含浸した繊維のかたまりは特に、厚さが10〜60mmの範囲、
    さらに詳細には30〜50mmの範囲で、面密度は0.2〜2.0kg/m 2の 範囲、さらに詳細には1.0〜2.0kg/m 2の範囲であることが好ましい。

    【0040】 液体バインダ組織は、無機バインダ材料で構成されてもよいが、有機バインダまたはその前駆体物質と、有機バインダまたは前駆体物質を溶解または分散可能な有機または性のキャリア液体で構成されることが好ましい。 適切なバインダ組織は、米国特許第4,011,651号明細書および国際公開第WO−94/
    24425号公報に記載されており、乾燥工程の一部として、あるいは引き続く製造工程にて、含浸された繊維のかたまり上の本来の位置で硬化することができるポリマーあるいは硬化可能なポリマーの前駆体物質(プレポリマー)の分散または溶解液を含んでいる。 有機バインダまたはその前駆体物質は再使用可能な材料で、本発明の層状複合マットの製造時に発生した廃棄物からの繊維の回収を可能とする。 特に適したバインダ組織は、時に樹脂またはラテックスと呼ばれる硬化可能なポリマー組成物の分散液、好ましくは水性分散液よりなるバインダ組織である。 硬化可能なポリマー組成物の適当な例として、アクリル酸ポリマーと架橋剤の組合せ、特にエポキシ樹脂などの、架橋剤を含むエポキシ基よりなる組成物が挙げられる。

    【0041】 この種の硬化可能なポリマー組成物は通常、アクリル酸ポリマーを90.0〜
    99.0重量%、好ましくは95.0〜99.0重量%、架橋剤を1.0〜10
    . 0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%含む。 アクリル酸ポリマーは、アクリル酸のC 1-8アルキルエステル(C 1-4アルキルエステル)から選択された少なくとも1つのアクリル酸モノマーに由来するモノマー単位を含むホモポリマーまたはコポリマーが適しており、好ましい実施態様では、たとえばメタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸のC 1-4アルキルエステルから選択された少 なくとも1つのアクリル酸モノマーに由来するモノマー単位を含む、ホモポリマーまたはコポリマーである。 好ましいバインダ組織は、アクリル酸n−ブチルとメタクリル酸をベースとする硬化可能なコポリマーの水性分散液を含むバインダ組織である。

    【0042】 液体バインダ組織が硬化可能なポリマー組成物を含むバインダ組織である場合、硬化プロセスを加速するために触媒も含んでいてもよい。

    【0043】 上記より、液体バインダ組織という語には、液体ビヒクルへの微粉砕された固体の分散液または懸濁液を含むバインダ組織も含める意図であることが認識される。

    【0044】 液体バインダ組織は通常、0.5〜50.0重量%のバインダまたは前駆体物質と、50.0〜95.5重量%のキャリア液体を含む。 液体バインダ組織は、
    好ましくは0.5〜10.0重量%、さらに好ましくは1.0〜5.0重量%のバインダまたは前駆体物質と、90.0〜99.5重量%、さらに好ましくは9
    5.0〜99.0重量%のキャリア液体で構成される。

    【0045】 乾燥工程は通例、加熱を含む。 加熱には従来のオーブンを用いてもよいが、マイクロ波または高周波加熱などの誘導加熱によって、好ましくは、熱風流などの従来の加熱手段と組合わせることによって、第2繊維層においてバインダをかなり、さらに均一に分布させることができる。 通常、乾燥工程には、含浸した繊維のかたまりを80〜200℃の温度範囲、好ましくは100〜170℃の温度範囲で加熱することが含まれる。 140〜160℃の範囲の温度が特に好ましい。

    【0046】 本発明の第2の態様により、無機繊維と、無機繊維同士をバインドし、可撓性シートに接着する役割を果たすバインダとからなる層で構成される複合マットの製造方法が提供される。 この方法は、無機繊維で構成される繊維のかたまりを、
    バインダまたはその前駆体物質およびキャリア液体からなる液体バインダ組織に含浸させることと、得られた含浸した繊維のかたまりを前記可撓性シートに接触させた状態で、キャリア液体の少なくともほとんどを除去するための、乾燥工程を実施することで構成される。

    【0047】 この第2の態様の方法では、乾燥工程には通例、加熱が含まれる。 加熱には従来のオーブンを用いてもよいが、好ましい実施態様においては、マイクロ波または高周波加熱などの誘導加熱が、好ましくは熱風流などの従来の加熱手段と組合わせて、用いられる。 乾燥工程で採用する、代表的な好ましい温度は上で述べた。

    【0048】 この第2の態様の方法では、無機繊維の層を可撓性シート上に載せ、そのままシート上の位置で液体バインダ組織を含浸させることが可能である。 このような材料を用いたキャリア液体を、含浸した繊維層から除去し、バインダの前駆体物質を、硬化させることにより、残存するバインダの作用によって無機繊維層が相互にバインドし、また可撓性シートにも接着された、本発明の層状の複合マットが作成される。 あるいは、層を形成するために、繊維のかたまりを液体バインダ組織に最初に含浸させ、次に可撓性シートの片側に載せてもよい。 前記と同様に、使用した含浸ずみの繊維のかたまりからキャリア液体を除去し、バインダの前駆体物質を硬化させると、本発明の層状複合マットが生成するが、この後者の技術を用いると、可撓性シートに載せる前に、含浸した繊維のかたまりからキャリア液体の一部を除去できる。

    【0049】 繊維のかたまり、または含浸ずみの繊維のかたまりを載せる前に、たとえば、
    可撓性シートに液体バインダ組織をスプレーしたり、液体バインダ組織の槽にシートを浸漬させたりして、可撓性シートを液体バインダ組織でコーティングすることも有利である。

    【0050】 本発明のこの第2の態様では、乾燥に先立つ余分なキャリア液体の除去は、含浸した繊維のかたまりを可撓性シート上に配置する前と、配置したときのいずれでも可能である。 含浸した繊維のかたまりを、可撓性シート上の正規の位置に配置する前に、乾燥前工程にさらし、熱を加えることにより、キャリア液体のかなりの部分を除去してしまうのも望ましい。 乾燥工程自体は、含浸した繊維のかたまりを可撓性シート上の正規の位置に配置して実施する。

    【0051】 無機繊維のかたまりの含浸には、種々の技術を使用できる。 たとえば、各繊維を液体バインダ組織中で完全に分散させ、たとえば、バインダとして凝集剤を用いる製紙プロセスを使用して、得られた分散液をキャストして層にしてもよい。
    あるいは、分散液を可撓性シート上に層としてキャストしたり、各繊維をたとえば可撓性シート状に層として付着させ、得られた繊維層を液体バインダ組織に含浸させてもよい。

    【0052】 無機繊維のかたまりが、個々の繊維を集めて低密度のマット状にした多繊維製品の形である場合、このマットは液体バインダ組織に、容易に浸漬または浸すことができる。 あるいは、低密度の繊維マットに液体バインダ組織をスプレーしてもよい。 本発明の第2の態様の方法では、液体バインダ組織を用いたマットの処理は、マットを可撓性シート上に配置する前にでも後にでも実施できる。

    【0053】 液体バインダ組織が、好ましく硬化可能な前駆体物質ポリマーの分散液で構成される場合、乾燥工程の後に、前駆体物質ポリマーを硬化させる次の処理工程を実施できる。 この硬化工程には、前駆体物質ポリマーがある種の架橋反応を受けることが含まれることが好ましい。 しかし、乾燥工程で用いる温度は通常、含浸した繊維のかたまりの乾燥と前駆体物質ポリマーの硬化の両者にとって十分であるため、独立した硬化工程は一般に不要である。 しかし、独立した硬化工程を採用する場合、硬化工程の間、含浸した繊維のかたまりを圧縮状態で保持することが望ましい。

    【0054】 別の製法では、繊維層の圧縮および乾燥後に、可撓性シートまたはコーティングを当てて接着させる。

    【0055】 本発明の複合マットの厚さは、マットの目的とする最終用途によって変わる。
    しかし、複合マットを触媒コンバータやディーゼル微粒子フィルタにセラミックあるいは金属製のモノリスを取付けるために使用する場合、通常、厚さは3〜1
    5mmの範囲で、好ましくは5〜12mmの範囲で、さらに好ましくは5〜9m
    mの範囲である。

    【0056】 本発明の層状複合マットは、高温ガス濾過ユニットおよび石炭気化工場で見られるセラミック製モノリスの支持にも用いられる。 本発明の層状複合マットは、
    ガスケット用途にも有用に用いられる。

    【0057】 ここで本発明を実施例を参照して説明するが、以下の実施例に限定するものではない。

    【0058】 実施例1 大きさが520mm×210mm、厚さが25〜55mmのSaffil(登録商標)低密度アルミナ繊維マットのサンプルを、固体含有量を約5%重量/重量にまで希釈したラテックス(Neocryll(登録商標)、A2022、Z
    eneca Plcから入手可能なアクリル酸n−ブチルとメタクリル酸をベースとする硬化可能なコポリマーの60%水性分散液)に浸漬した。 含浸したSa
    ffilマットの重さは約131.0gで、面密度は約1.2kg/m 2であっ た。

    【0059】 それから、含浸したSaffilマットを同じ大きさの各種可撓性シート片の上に配置した。 得られた積層物を、放出面を与えるPTFEコートのガラス繊維のメッシュのシート2枚の間に挟み、挟んだものをガラス繊維充填シリコーン樹脂板2枚の間に配置した。 その後、アセンブリ全体をモルグリップを用いて、含浸した“Saffil”層の厚さが約5mmに縮小するまで圧縮し(約0.5バール(50Kpa)の加圧と等しい)、クリップでこの状態を維持する。 この間、アセンブリの過剰なラテックスは、サンプルから排出した。

    【0060】 それから完成した成型アセンブリを、空気/高周波(RF)補助オーブンのベルトに載せ、滞留時間が約20分となるようにベルト速度を調整した。 オーブンの高周波電力は約5.5KWに設定し、オーブン内の空気の温度は、約155℃
    に調整した。 ラテックスが十分乾燥および硬化(架橋)した時点で、サンプルをオーブンから取り出した。 その後、クリップと板をサンプルから注意深く除去し、PTFEメッシュを剥がすと、厚さが約8〜9mmの最終状態の複合マットが現れた。

    【0061】 各サンプルで直径20mmの棒を包囲し、層間剥離や裂けがないことを確認した。

    【0062】 結果を表1に示す。

    【0063】

    【表1】

    【0064】 実施例2 実施例1と同様に、サンプルをさらに調製した。 加えて、圧力板(pressure p
    lates)に穴を開けた別のサンプルも調製した。 さらに、比較の目的で、可撓性 シートを省略した比較用のサンプルも調製した。

    【0065】 静および動摩擦係数は、以下の方法で測定した。

    【0066】 サンプルから40cm 2の断片を切り出し、ケーシングの表面と同等の摩擦特 性を持つ表面上に配置した。 プーリー経由でロードセルに取りつけられた、20
    0gの摩擦滑動体をサンプル上に置いた。 サンプルは摩擦表面に沿って引張られ、移動の開始に必要な力と、移動を維持するのに必要な力を測定した。 静および動摩擦係数は、以下のように計算した。

    【0067】

    【数1】

    【0068】 結果を表2に示す。

    【0069】

    【表2】

    【0070】 実施例3 可撓性シートを省略したことと、圧縮および乾燥後に増粘剤として1% Pr imalを含むNeocyl XK90ラテックスをマットの片面にスプレーすることを除き、実施例1と同様にサンプルを調製した。 複合マットを実施例1と同様に試験したところ、層間剥離または裂けの徴候は認められなかった。

    【0071】 実施例4 重量/面積が22gm/m 2 、クリンプ因子(crimp factor)が22%の薄葉 紙を用いて、実施例1と同様にサンプルを調製した。 乾燥後、0.2g/m 2の タルカムパウダーを摩擦低下材として使用した。 複合マットの厚さは8mmで、
    モノリスのまわりを包むと、外径146mmのパッケージとなった。 モノリス/
    マットのパッケージは、マットにしわや裂けを生じずに、内径138mmの一体式のケーシング内に容易に挿入され、結合剤を除去するための加熱の後で、ケーシングに2.0kgf/cm 2の圧力を及ぼしていた。 これに対して、タルカム パウダーを含まないサンプルは、ケーシングの内径を143mmまで大きくしなければ挿入できず、モノリスを長期的に支持するには不十分な、0.3kgf/
    cm 3の圧力を与えるのみであった。

    【0072】 実施例5 薄葉紙を用いないことを除き、実施例4のくり返しである。 同様の結果が認められ、さらに、モノリスを包んだ場合にマットの裂けが多少認められた。

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HU ,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,M D,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL ,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK, SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US,U Z,VN,YU,ZW (72)発明者 ボフィー、スチュアート サミュエル イギリス国、シーダブリュ1 3エイキュ ー チェシャー、クルー、ブライト スト リート 37 (72)発明者 ホートン、デイビッド ジョン イギリス国、ティーエス9 6エルエイ クリーブランド、ミドルズブルー、グレー ト アイトン、ウェインストーンズ ドラ イブ 26 (72)発明者 ウェイド、キャスリーン エリザベス イギリス国、シーダブリュ 8 1ディー エス チェシャー、ノースウィック、リバ ーサイド パーク 19 (72)発明者 ステプレー、ヴァルテ フランス共和国、エフ−68270 ヴィタン ヘルム、ルー デ ラ プレーヌ、8ビス Fターム(参考) 3G090 EA01 3G091 BA21 GB16Z HA27 HA29 4F100 AA00A AA19A AA37B AA37H AC10B AC10C AC10H AJ11B AJ11H AK01A AK01B AK17B AK17H AK25A AK42B AK53A AR00C AS00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10B BA26A BA26B CA02A CC00B DG01A DG10B EC052 EJ172 EJ462 EJ821 EJ862 GB32 JA02C JA05A JA05B JA13B JK16B JK16H JK17C YY00A YY00B

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