導電層を有する複合パネルのための修復装置及び方法

申请号 JP2015041587 申请日 2015-03-03 公开(公告)号 JP6120291B2 公开(公告)日 2017-04-26
申请人 ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company; ザ・ボーイング・カンパニーThe Boeing Company; 发明人 パトリス ケー. アッカーマン,; パトリス ケー. アッカーマン,; ウェストン ケー. アンダーソン,; ウェストン ケー. アンダーソン,; ラッセル ジェー. ヒーター,; ラッセル ジェー. ヒーター,;
摘要
权利要求
  • 複合構造の導電層のための修復装置であって、
    外縁を有し、前記複合構造に固定される誘電体層、及び 感圧接着剤によって前記誘電体層上で前記誘電体層の前記 外縁全体の周囲で前記複合構造に固定される導電層であって、前記複合構造と接触する 外縁領域を画定する導電層を含み、
    前記 外縁領域における前記接着剤が、前記導電層と前記複合構造の導電層との間の導電性パスを確実にするための切れ目又は溝を有する、修復装置。
  • 前記誘電体層は、0.0508mmから0.2032mm(2ミルから8ミル)の厚さ、及び2から5の比誘電率を有する、請求項1に記載の修復装置。
  • 前記導電層は、0.2032mmから0.3048mm(8ミルから12ミル)の厚さ、及び0.2032mmから0.3048mm(8ミルから12ミル)の厚さを有するアルミニウムの当量導電率を有する、請求項1に記載の修復装置。
  • 前記複合構造の前記導電層は、前記複合構造に一体的に含まれる銅箔グリッド層を含む、請求項1に記載の修復装置。
  • 前記複合構造は、航空機の一部を含む、請求項1に記載の修復装置。
  • 前記複合構造は、前記航空機の外板パネルを含む、請求項5に記載の修復装置。
  • 前記導電層の 外縁周囲に適用されるシーリング組成物をさらに含む、請求項1に記載の修復装置。
  • 前記誘電体層は、ポリエステルを含む、請求項1に記載の修復装置。
  • 前記誘電体層及び前記導電層は、アクリル及びシリコーンからなるグループから選択される前記感圧接着剤で固定される、請求項1に記載の修復装置。
  • 炭素繊維複合航空機外板パネルを一時的に修復するための方法であって、
    留め具付近の損傷エリアに前記パネルの表面を準備すること、
    前記損傷エリア及び前記留め具を覆う誘電材料を、感圧接着剤で前記パネルに付着させること、
    前記誘電材料を完全に覆い前記パネルと接触する 外縁領域を画定する導電性パッチを、感圧接着剤で前記誘電材料及び前記パネルに付着させること、を含み、
    前記導電性パッチの前記 外縁領域の接着剤には、前記パネルへの接着に先立って、前記導電性パッチの選択された領域で前記導電材料を露出するために切れ目が入れられる、方法。
  • 前記パネルの前記表面を準備することは、前記誘電材料を付着させることに先立って、前記パネル表面を研削すること、研磨すること、 埋めること及び化学的に処理することのうちの1又は複数を含む、請求項10に記載の方法。
  • 前記誘電材料を前記パネルに付着させることは、0.0508mmから0.2032mm(2ミルから8ミル)の厚さ、及び2から5の比誘電率を有する誘電材料を付着させることを含み、前記導電性パッチを付着させることは、0.2032mmから0.3048mm(8ミルから12ミル)の厚さ、及び0.2032mmから0.3048mm(8ミルから12ミル)の厚さを有するアルミニウムの当量導電率を有する導電性パッチを付着させることを含む、請求項10に記載の方法。
  • 前記パッチを前記パネルに付着させた後に、前記導電性パッチの外 を密封することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  • 前記航空機外板パネルは、胴体外板パネル及び翼外板パネルのうちの1つである、請求項10に記載の方法。
  • 说明书全文

    本出願は、概して、航空機の落雷保護技術に関し、より具体的には、複合航空機外板パネルに対する導体箔落雷保護のための一時的修復装置及び方法に関する。

    構造部材に対する炭素繊維強化プラスチック(「CFRP」)材料、そうでなければ炭素繊維複合材として知られている材料の使用が、民間航空機で増加しているが、これは、通常のアルミニウム構造と比較して、炭素繊維複合材によって提供される強度重量比及び剛度重量比が高いからである。

    航空機への落雷によって、ほぼ100000アンペア程度となる可能性のある高電流が、航空機のフレームを流れることになる。 アルミニウムのおよそ2000倍以上の抵抗性がある炭素繊維複合構造では、炭素繊維プライは、非常に高い抵抗伝導体としての機能を果たし、プライ間の樹脂は、高容量性誘電体層としての機能を果たすので、炭素繊維複合体を襲う電光により、プライ構造全域で生成される電位差は増加するが、放電用の導電性パスはすぐに利用できない。 したがって、電流は、外板パネルと航空機の下部構造との間の留め具に集中する傾向があるが、これは、留め具が一般的に、強度目的で高導電性の合金から製造されているからである。 雷のエネルギーが十分に速い速度で消散できない場合には、アーク放電、火花及び他の好ましくない影響が発生する可能性がある。

    複合内側下部構造に留め具で固定される複合外板パネルを備える構造を流れる電流を消散するための現在の1つ方法には、導体箔(例えば、銅箔)の使用が含まれる。 具体的には、留め具はまた、導電層、例えば、複数のストリップの形態である銅箔グリッドなど、及び任意で、繊維ガラスプライ層を、外板パネルに固定し、これによって、導電層は、外板の一体部分と見なされる。 この設計は、留め具から離れた落雷からの電流、及び基礎となる下部構造から離れた翼構造の表面に沿った電流などを迂回させる。

    変えられた構造を修復するための現在の解決策は、加熱ブランケット又はオートクレーブ養生工程のどちらかで設置される、フィルム接着剤及び固体の導体箔(例えば、銅箔)を使用して新たな導電層でそのエリアをパッチングすることを含む加熱接合修復(hot bond repair)を含む。 この解決策は効果的であるが、いくつかの欠点がある。 例えば、加熱接合修復を実行するためには、航空機の運航を解除し、航空機をサービスセンターに運び、全ての燃料を燃料タンクから排出する必要がある。 燃料排出後に初めて技術者はパッチを適用することができ、次に、パッチが硬化するのを待たなければならないが、材料によってはさらに4〜8時間かかる可能性がある。 このアプローチは、航空機が運航を解除される計画である場合の、工場内での修復又は定期的に予定される航空機のメンテナンス中の修復には適しているが、恒久的修復が予定できるまで、航空機が迅速に運航を再開できるように、運行中の修復へ向けた迅速な解決策がより望ましい。

    したがって、所望の電光保護システムが雷電流を下部構造からそらす助けとなり続けるように、落雷又は別の方法で変えられた落雷保護用の留め具列に沿って銅箔を用いる外側の複合航空機外板を一時的に修復するための低価格かつ強固な技術が必要とされる。

    1つの実施形態によれば、本開示は、複合構造の伝導層のための修復装置を提供する。 一時的な修復パッチは、境界を有し、前記構造に固定される誘電体層、及び前記誘電体層上に固定され、前記誘電体層の前記境界全体の周囲で前記構造に固定される導電層であって、前記導電層と前記構造との間の導電性パスを改良するためにその境界領域に沿って処理される導電層を含む。

    別の実施形態では、本開示は、金属の留め具付近に損傷エリアを有する導電性複合パネルを一時的に修復するための方法を提供する。 方法は、前記損傷エリア及び前記留め具の領域における前記パネルの表面を準備すること、誘電材料を前記パネルに付着させること、並びに導電性パッチを前記誘電材料及び前記パネルに付着させることを含む。 前記誘電材料は、接着剤で付着され、前記損傷エリア及び前記留め具を覆っている。 前記導電性パッチは、接着剤で付着され、前記導電性パッチは、前記誘電材料を完全に覆い、前記パネルと接触する境界領域を画定する。 前記導電性パッチの前記境界領域は、前記パネルと前記導電性パッチとの間の導電率を増加させるように処理される。

    さらに別の実施形態によれば、本開示は、炭素繊維複合航空機の外板パネルを一時的に修復するための方法を提供する。 方法は、留め具付近の損傷エリアにおける前記パネルの表面を準備すること、誘電材料を前記パネルに付着させること、並びに導電性パッチを前記誘電材料及び前記パネルに付着させることを含む。 前記誘電材料は、感圧接着剤で付着され、前記損傷エリア及び前記留め具を覆っている。 前記導電性パッチは、感圧接着剤で前記誘電材料及び前記パネルに付着され、前記誘電材料を完全に覆い、前記パネルと接触する境界領域を画定する。 前記導電性パッチの前記境界領域の前記接着剤には、前記パネルへの接着に先立って、前記導電性パッチの選択された領域の前記導電材料を露出するために切れ目が入れられる。

    本開示の他の特徴、利益及び利点は、添付の図面及び添付の特許請求の範囲に従って検討すれば、以下の開示から明らかになるだろう。

    民間航空機のこれまでの複合翼構造の一部分の斜視図である。

    図1の線2−2に沿った図1の一部分の断面図である。

    本明細書で開示される方法に従って修復された複合パネルの一部分の平面図である。

    図3の修復場所の断面図である。

    本開示に従った翼構造を修復するための論理フロー図である。

    本開示は様々な修正及び代替形態が可能であるが、具体的な実施形態が例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。 しかしながら、本開示は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないと理解されるべきである。 むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内に入るすべての修正、相当する物及び代替物に及ぶものと意図される。

    航空機の複合構造の金属箔落雷保護のための一時的な修復技術が、図1及び図2を参照してその構造が以下で述べられる複合航空機の翼10に照らして、ここで説明される。 しかしながら、本開示における何によっても、この方法が航空機の翼10に限定されないと解釈されるべきである。 方法は、当業者が認識するであろう他の構造に適用することができると理解されるべきである。

    図1及び図2を参照すると、航空機構造の外板パネル14を内側下部構造又は桁16に固定する複数の留め具12を有する航空機の翼構造10の一部分の断面図及び斜視図が示される。 この下部構造16は、航空機の多くの部品の1つ、例えば、航空機の翼又は胴体の桁又はリブ、若しくは燃料タンク(図示されず)の壁、などとすることができる。

    外板パネル14及び桁16は、当該分野において周知である従来の方法によって形成される軽量で強度及び剛度の高い炭素繊維複合材料から作られる。 例えば、厚さ及び組成物は変更することができ、1つの実施形態では、外板パネル14は、50/40/10の配向に置かれ、全体の厚さがおよそ0.25インチである機械レイアップ構造的炭素繊維/エポキシ型である、航空機品質の34のプライから形成することができ、その一方で、桁16は、25/50/25のレイアップに置かれ、全体の厚さが約0.32インチである構造的炭素繊維/エポキシ型である、航空機品質のハンドレイアップバージョンの44のプライを含むことができる。 設置に先立って、外板パネル14及び桁16双方のツール側及びバッグ側を下塗りすることができる(can be primed on both the tool and bag side)。 他の外板パネル構成が、当業者に知られている。

    留め具12は、金属、例えば、チタニウム又はCRES(耐食鋼)から製造することができ、例えば、予め組み込まれたシャーを有するHi−LOKボルト(若しくは、例えば、ロックボルト、エディボルト又はスリーブ付きロックボルト)など、外板パネル14の対応する形状の開口22(図1)に埋められる斜ヘッド20、並びに桁16に係合する金属製ナット26(図2)によって固定される外板14及び桁16を貫通するシャンク24を有するボルト18(図1)を備えることができる。 シャンクは、100度のシャーヘッドを有する0.25インチの直径のむき出しのチタニウムとすることができるが、留め具の大きさ次第では、他の直径及び留め具ヘッド角度も使用することができる。 桁16及び外板パネル14への設置に先立ち、シール材(図示されず)をシャンク24に導入することができる。 シム28、例えば、絶縁シムは、厚さ約2ミルであるが、外板パネル14の厚さのいかなる差をも埋め合わせる充填剤として、外板パネル14と桁16との間に挿入される。 シム28は、接合シール材30を使用してパネル14及び桁16に対して密封することができる。

    図2の断面図に示されるように、留め具12はまた、導電層32、例えば、複数のストリップ(図示されず)の形態である銅箔グリッドなど、及び繊維ガラスプライ層34を、それぞれ外板パネル14に固定する。 導電層32は、したがって、外板パネル14の一体部分と見なされる。 航空機の翼構造10は、外板パネル14の外面上の1又は複数のプライマーコート(ここではプライマー36の単一層として示される)でコーティングすることができ、それによって繊維ガラスプライ層34及び留め具12のヘッド20の両方が覆われているが、それらはグリッド32の外面と実質的に同一平面となり得る。 塗料42の1又は複数の層は、次に、プライマー36の外面全体に塗布することができる。

    金属箔グリッドが導電層32として使用される場合、金属箔グリッド32の各ストリップは、寸法的に制御され、特定の伝導性を有する。 例えば、1つの実施形態では、使用することができる金属箔は、0.0027インチの厚さ、2オンス/ft. 2銅箔、例えば、アリゾナ州チャンドラーのGould Electronics,Inc. によって製造されるIPC−4562/Cu−E−2−2−D−S−2銅箔である。 ストリップは、それぞれの留め具ライン35に沿って、それぞれ別個に中心に置くことができ、単一の留め具12毎に約3.6インチの幅を有することができる。 本図面に示されていないが、ストリップは、桁16及び外板パネル14に沿ったそれぞれの相対的な場所次第では、重なる可能性がある。 導電性パスが落雷で生じる電流の多くを留め具ライン35に沿った各留め具12から確実にそらすように、導電層32が、IPC−4562グレード仕様に合う又はそれを上回る十分な導電率を有することが望ましい。

    繊維ガラスプライ層34は、スタイル120Eガラス及び華氏250度又は350度で硬化する熱硬化性エポキシ樹脂で形成されるエポキシプレプレグ材料とすることができる。 別の方法では、限定されないが、華氏250度で硬化する熱硬化性エポキシ樹脂の類似のガラス織りの湿式レイアップ成形品(a wet lay−up)も用いることができる。 他の適する種類の繊維ガラス又は他の適切な材料を使用することもできる。

    プライマー36は、航空宇宙産業における当業者には周知である従来の熱硬化性のエポキシ系プライマーから構成することができる。 プライマー36は、約0.5ミルから0.9ミルの乾燥膜の厚さに対する1又は複数のコーティング(coats)で塗布される。 プライマー36は、重なる塗料層42の塗布に先立ち、約4時間風乾される可能性がある。 他の適する種類のプライマーを使用することもできる。

    塗料層、又は層42は、航空宇宙産業における当業者にさらに周知である従来の航空宇宙グレード(grade)のポリウレタンエナメルから形成することができる。 このポリウレタンエナメルは、予め乾燥させたプライマー36上に、およそ2ミル(±0.1ミル)の乾燥した厚さの単一層として適用することができる。 プライマー36の塗布から約48時間以上が経過した場合、塗料42の塗布に先立ち、溶媒、例えば、イソプロピルアルコール又は他の適する溶媒を適用することによって、プライマー36の表面を再活性化させる(reactive)ことが必要となる可能性がある。 塗料42は、完全な硬化を確実にするために、約4時間から7日間、風乾される可能性がある。

    落雷後、若しくは別の種類の接触又は外板損傷事象のために、導電層32並びに/若しくは1又は複数の留め具12は、構造的に変えられる可能性があり、この結果、導電性パスは、電流を留め具12からそらし、さらに翼構造10の表面に沿って基礎となる下部構造、例えば、燃料タンクからそらすように確立できない可能性がある。 先ほど述べられたように、複合構造の航空機における損傷した外板エリアを修復及び再生するための方法が開発されている。 しかしながら、損傷した又は変えられた構造を修復するための現在の解決策は、加熱ブランケット又はオートクレーブ養生工程のどちらかで設置される、加熱接合膜接着剤及び固体の銅箔を使用する新たな導電層で損傷エリアをパッチングすることを含む。 この解決策は効果的であり、工場内での修復には適しているが、運航中の修復には時間がかかりすぎるため、恒久的な修復が予定できるまで、航空機が迅速に運航を再開できるような迅速な解決策が必要とされる。 具体的には、加熱接合修復では、航空機の運航を解除し、航空機をサービスセンターに運び、燃料をタンクから排出し、パッチを適用し、次に、パッチが硬化するのを待つことが必要となるが、材料によってはさらに4〜8時間を要する可能性がある。

    有利には、運航中に実行することができる(即ち、航空機の運航を解除せずに)複合航空機外板の導電層の一時的修復方法が開発されている。 この修復方法の実施形態が、図3及び図4に示され、図5の論理フロー図で説明される。

    本明細書で開示される方法に従って修復された航空機複合外板パネル100の一部分が、図3及び図4に示される。 複合外板及びその様々な層の詳細が図3及び図4には示されないが、この複合外板の組成は、図2に示されたものと実質的に同一であることが意図されている。 また、層のうちのいくつかの厚さは、例示を目的として、図4ではかなり大きく示されていることにも留意されたい。 複合外板パネル100は、「ペアレントパネル」と呼ばれることもあるが、図3の損傷エリア102を含むものとして図示され、損傷エリアは、パネルを基礎となる支持構造、例えば、桁116などに留める金属製の留め具112一式の近傍にある。 この損傷エリア102は、留め具112近傍で複合外板100に組み込まれる導電層132を損傷した、又はその導電層を損傷したと整備員が考え得る種類のものである。 損傷は、衝撃損傷、落雷による損傷、若しくは導電層132を損傷した又は損傷したかもしれない別の種類の軽微な損傷の小さなエリアとすることができる。

    有利には、この損傷エリア102は、本明細書で開示される方法に従って、一時的に修復することができる。 この方法によれば、損傷エリア102は、外板の外形を復元するために、必要であれば、機械式粉砕機で滑らかに研削される。 このステップは、損傷が軽微な衝撃損傷、例えば、刻み目及び/又は隆起したばりなどが外板100の表面に生じた場合に、望ましい可能性がある。

    外板表面は、接着剤塗布の準備をするため、及び導電層110のペアレントパネル100への電気的接地を促進するために研磨することができ、パネル100の構成次第では、導電層132を露出することを含むことができる。 研磨することはまた、損傷エリア102の領域で外板の空気学的形状を復元するために、実行することもできる。

    いったん外板パネル100が損傷エリア102を取り囲む所望の外形を有すると、誘電材料のシート104は、留め具112及び損傷エリア102のすべてを覆うために十分である大きさ及び形状に切断される。 様々な誘電材料を使用することができる。 1つの実施形態では、2ミルから8ミルのポリエステルのシートが使用され、適切であると証明された。 一般的に、誘電体膜は、特定の絶縁破壊特性を有することが望ましい。 約2から5の誘電率を有する材料が適切であると考えられる。 他の材料及び厚さも使用することができる。 誘電材料104の目的は、任意の後に続く落雷からの電気エネルギーが留め具112から離れた方向に向かうように、留め具112のヘッド106を絶縁することである。 この誘電材料104は、誘電体シート104が留め具112のヘッド106及び損傷エリア102を覆うような方法で、感圧接着剤108、例えば、アクリル接着剤又はシリコーン接着剤などで、外板100に適用される。

    導電層110(例えば、銅箔)は、次に、パッチとして導電層104の上に適用できるように、導電層104よりも大きなサイズに切断される。 導電層110は、制御された厚さである。 この厚さは、変更することができる。 8ミルから12ミルのアルミニウムの当量導電率を有する金属箔材料が適切であることが分かった。 様々な材料、例えば、銅箔、アルミニウム箔又は他の金属箔、及び相当する導電率を有する他の厚さを使用することもできる。 導電性パッチ110は、感圧接着剤114、例えば、アクリル接着剤又はシリコーン接着剤を使用して、誘電体層104上に適用される。

    導電材料108のパッチは、全ての側面で誘電材料104の境界118を越えて延在し、境界領域120を提供する。 導電性パッチ110があらゆる面で誘電材料104の境界118を越えて延在することによって、落雷の事象において見込まれるアーク放電の防止に役立ち、そうでなければ、落雷が発生するだろう。 もし導電層110が誘電体層の境界118周囲で連続していなければ(又は境界領域120が狭すぎれば)、アーク放電が、留め具112のヘッド106までパッチ110を破壊する可能性があり(electrical arcing could puncture the patch 110 to the head 106 of a fastener 112)、又は電気アークが、導電層110の縁からペアレントパネル100に逃れる(jump)可能性がある。 別の例として、導電性ストリップ110が誘電材料104の2つの平行な側縁122に沿ってペアレントパネル100と接触しているだけであれば、これによって、導電性ストリップ110からペアレントパネル100への電流の迂回(current diversion)は不可能であろうし、導電性ストリップ110から留め具ヘッド106へのアーク放電は防止され得ない。 このような構成は、留め具112を保護し得ないが、それは、そのような構成では、導電性ストリップ110の端部における導電性パスがペアレントパネル100に提供されないからであろう。

    導電層110とペアレントパネル100との間の電気的接触を改善するために、境界領域120の接着層114の一部分には、図3の線124によって示される切れ目又は溝を設けることができる。 金属製の導電層110が誘電体層104の境界118周囲でペアレントパネル100とより直接的に接触するように、このエリアで接着剤114に切れ目を入れることによって、少量の接着剤(誘電体として作用する傾向がある)が除去される。 上述のように、繊維ガラスプライ層(図2の34)は、導電層110がペアレントパネル100に電気的に接地できるよう十分に研磨される。 これによって、導電性ストリップ110からペアレントパネル100への有効な電流の迂回が可能となり、よって、留め具112のヘッドへの付着又はアーク放電が防止される。 境界領域120の幅は、変更することができ、パッチ110の全体の大きさ及び形状次第で決定することができる。 0.5インチから1.0インチまでの幅を有する境界領域120が適切であり得ると考えられる。

    導電層110が適用されると、修復縁が次に樹脂又はエアロシール材(aerosealer)で密封され、パッチは、必要であれば塗装することができる。 上述のように、誘電体層104及び導電性パッチ110の厚さは、例示目的のため、図4ではかなり大きく示されている。 実施に際して、誘電体層104及び導電層110はまとめて、12ミルから20ミルの厚さを有することになるが、接着層108及び114がおそらく更に3ミルから5ミルの厚さを追加することになる。 したがって、パッチ全体の厚さは、25ミル未満となり、この結果、この修復によって、修復が適用される航空機の領域の空気力学的な特徴に与えられる衝撃は最小となり、この修復は、最小限だけしか目に見えないだろう。 パッチングされた合計面積はできるだけ小さいことが、一般的に所望される。 この方法を使用すれば、もっと大きな面積をパッチングすることができると考えられるが、この種の修復に対する導電性パッチ108の大きさ全体は、通常、1フィート×1フィート以下である。

    本明細書で開示される一時的な修復技術の1つの実施形態におけるステップが、図5の論理フロー図で概説される。 先ほど論じられたように、複合表面がまず準備される(ブロック200)が、ここには、充填、研削、化学洗浄などを含むことができる。 次に、誘電材料のシートが、損傷エリア及び近接する留め具を覆うように適切な大きさ及び形状に切断され、そのシートに適切な感圧接着剤が提供され(ブロック202)、次に複合パネルに付着され(ブロック204)、その結果、この誘電材料は、留め具上で複合パネルにしっかりと接着される。 導電材料のシート又はパッチは、次に適切な大きさ及び形状に切断され、そのシート又はパッチには、感圧接着剤が提供される(ブロック206)。 導電材料の形状及び大きさは、誘電材料のシートを完全に覆うように選択され、また、誘電材料の境界周囲全体で複合パネルに直接接触することができる導電材料の境界領域を提供する。 導電材料の接着剤には、切れ目が入れられる、若しくはそうでなければ、導電シートと複合パネルとの間でより密接な又はより完全な電気的接触が可能になる境界領域の面積を提供するように扱われる(ブロック208)。 接着剤に切れ目を入れることは、電気的接触を改善するために導電材料を扱う1つの方法である。 他の機械的又は化学的方法もまた、使用することができる。

    導電シートの中心領域が誘電材料にしっかりと接着され、導電シートの境界領域が複合パネルに直接しっかりと接着される方法で、導電シートが誘電材料上に適合される(ブロック210)。 導電材料の縁は次に、密封することができ(ブロック212)、一時的な修復領域全体は、プライマー、塗料などで仕上げることができる。

    誘電体層104の制御された厚さ及び誘電強度は、導電層110の制御された厚さ及び伝導性と結合され、したがって、外板パネル100の電流分布特性を実質的に回復させる金属製の留め具112近傍の炭素繊維外板パネル100の損傷エリアに対して、一時的なパッチを生成し、これによって、航空機のこの領域を将来の落雷事象における極度の損傷から保護する。 有利には、この一時的な修復方法は、非常に強固であり、3か月から最大で2年まで耐性があると考えられているので、航空機は、定期的に予定されたメンテナンス期間まで運行を続けることができ、このメンテナンス期間に、外板パネルは、より時間を要する方法で恒久的に修理することができる。 したがって、航空機は、落雷又は他の外板損傷事象後に必ずしも接地される必要はなく、時間及び経費両方の節約になる。

    修復は、制御された厚さ、及び特定の絶縁破壊特性を有する制御された厚さの誘電体膜上に適用される導電性膜の組み合わせからなる。 導電性膜とペアレントパネル導電材料との間の接触は、膜の境界周囲の接着剤に定期的に切れ目を入れることにより提供される感圧接着剤を介した時時接触(intermittent contact)によるものである。 導電性膜は、誘電体膜の境界周囲で連続していることが必要であり、さもなければ留め具ヘッドまで破壊する(or it punctures to the fastener head)。

    さらに、本開示は下記の条項による実施形態を含む。

    条項1
    複合構造の導電層のための修復装置であって、
    境界を有し、前記複合構造に固定される誘電体層、及び 前記誘電体層上に固定され、前記誘電体層の前記境界全体の周囲で前記構造に固定される導電層であって、前記導電層と前記構造との間の導電性パスを改良するためにその境界領域に沿って処理される導電層を含む、修復装置。

    条項2
    前記誘電体層は、2ミルから8ミルの厚さ、及び約2から5の誘電率を有する、条項1に記載の修復装置。

    条項3
    前記導電層は、8ミルから12ミルの厚さ、及び8ミルから12ミルの厚さを有するアルミニウムの当量導電率を有する、条項1に記載の修復装置。

    条項4
    前記複合構造の前記導電層は、前記複合構造に一体的に含まれる銅箔グリッド層を含む、条項1に記載の修復装置。

    条項5
    前記複合構造は、航空機の一部を含む、条項1に記載の修復装置。

    条項6
    前記複合構造は、前記航空機の外板パネルを含む、条項5に記載の修復装置。

    条項7
    前記導電層の境界周囲に適用されるシーリング組成物をさらに含む、条項1に記載の修復装置。

    条項8
    前記誘電体層は、ポリエステルを含む、条項1に記載の修復装置。

    条項9
    前記誘電体層及び前記導電層は、アクリル及びシリコーンからなるグループから選択される感圧接着剤で固定される、条項1に記載の修復装置。

    条項10
    金属製の留め具付近に損傷エリアを有する導電性複合パネルを一時的に修復するための方法であって、
    前記損傷エリア及び前記留め具の領域に前記パネルの表面を準備すること、
    接着剤で誘電材料を前記パネルに付着させることであって、前記誘電材料は、前記損傷エリア及び前記留め具を覆う、付着させること、
    接着剤で導電性パッチを前記誘電材料及び前記パネルに付着させることであって、前記導電性パッチは、前記誘電材料を完全に覆い、前記パネルと接触する境界領域を画定し、前記導電性パッチの前記境界領域は、前記パネルと前記導電性パッチとの間の導電率を増加させるように扱われる、付着させることを含む、方法。

    条項11
    前記導電性パッチの前記境界領域は、前記パネルへの接着に先立って、接着剤を除去し、前記導電性パッチの選択された領域で前記導電材料を露出することにより扱われる、条項10に記載の方法。

    条項12
    前記パネルの前記表面を準備することは、前記パネルの導電層を露出するために、前記パネルの前記表面を研削することを含む、条項10に記載の方法。

    条項13
    前記パネルの前記表面を準備することは、前記パネルの前記表面を粗くすることを含む、条項10に記載の方法。

    条項14
    前記パネルの前記表面を準備することは、前記パネルの前記表面の特性を実質的に回復させるために、前記損傷エリアを研削すること及び/又は充填することを含む、条項10に記載の方法。

    条項15
    前記パネルの前記表面を準備することは、塗料及び/又はプライマーのうちの1又は複数の層を前記表面から除去することを含む、条項10に記載の方法。

    条項16
    前記パッチを前記パネルに付着させた後に、前記導電性パッチの境界縁を密封することをさらに含む、条項10に記載の方法。

    条項17
    前記誘電体層を前記パネルに付着させることは、2ミルから8ミルの厚さ、及び約2から5の誘電率を有する誘電材料を付着させることを含む、条項10に記載の方法。

    条項18
    前記前記導電性パッチを付着させることは、8ミルから12ミルの厚さ、及び8ミルから12ミルの厚さを有するアルミニウムの当量導電率を有する導電性パッチを付着させることを含む、条項10に記載の方法。

    条項19
    炭素繊維複合航空機の外板パネルを一時的に修復するための方法であって、
    留め具付近の損傷エリアに前記パネルの表面を準備すること、
    感圧接着剤で誘電材料を前記パネルに付着させることであって、前記誘電材料は、前記損傷エリア及び前記留め具を覆う、付着させること、
    感圧接着剤で導電性パッチを前記誘電材料及び前記パネルに付着させることであって、前記導電性パッチは、前記誘電材料を完全に覆い、前記パネルと接触する境界領域を画定する、付着させることであって、前記導電性パッチの前記境界領域の接着剤には、前記パネルへの接着に先立って、前記導電性パッチの選択された領域で前記導電材料を露出するために切れ目が入れられる、付着させることを含む、方法。

    条項20
    前記パネルの前記表面を準備することは、前記誘電材料を付着させることに先立って、前記パネル表面を研削すること、研磨すること、充填すること及び化学的に処理することのうちの1又は複数を含む、条項19に記載の方法。

    条項21
    前記誘電材料を前記パネルに付着させることは、2ミルから8ミルの厚さ、及び約2から5の誘電率を有する誘電材料を付着させることを含み、前記導電性パッチを付着させることは、8ミルから12ミルの厚さ、及び8ミルから12ミルの厚さを有するアルミニウムの当量導電率を有する導電性パッチを付着させることを含む、条項19に記載の方法。

    条項22
    前記パッチを前記パネルに付着させた後に、前記導電性パッチの外側境界縁を密封することをさらに含む、条項19に記載の方法。

    条項23
    前記航空機の外板パネルは、胴体外板パネル及び翼外板パネルのうちの1つである、条項19に記載の方法。

    様々な実施形態を図示し説明してきたが、本発明はそれに限定されず、その変更のすべてが含まれると理解されるだろうし、変形が当業者には明らかであろう。

    10 航空機の翼構造 12 留め具 14 外板パネル 16 桁 18 ボルト 20 ヘッド 22 開口 24 シャンク 26 ナット 28 シム 30 接合シール材 32 導電層 34 繊維ガラスプライ層 36 プライマー 100 外板パネル 102 損傷エリア 104 誘電体層 106 ヘッド 108 接着層 110 導電層(導電性パッチ)
    112 留め具 114 接着層 116 桁 118 境界 120 境界領域 122 側縁 124 線

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