Helmet for protection against rifle bullets

申请号 JP2010539619 申请日 2008-12-09 公开(公告)号 JP5124025B2 公开(公告)日 2013-01-23
申请人 ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド; 发明人 バトナガー,アショク; グルンデン,ブラッドリー・エル; アーヴィドソン,ブライアン・ディー; ワグナー,ロリ・エル;
摘要 A helmet shell is formed having an outer section of fibrous layers, a middle section of fibrous layers and an inner section of fibrous layers. The outer section layers contain high tenacity abrasive fibers in a resin matrix. The middle section layers contain high strength polyolefin fibers and are in the form of woven or knitted fabrics with a resin matrix. The inner section layers contain high strength polyolefin fibers and are in the form of non-woven fabrics with a resin matrix. The helmet is lightweight and resists penetration of rifle bullets.
权利要求
  • ライフル銃弾による貫通に対して抵抗性を有する軽量成型ヘルメットであって、前記ヘルメットはシェルを含み、前記シェルは、外側から内側に向かって 第一の複数の繊維層、ここで、前記繊維層は第一の樹脂マトリックスに 高靭性研磨性繊維を含む;
    前記第一の複数の繊維層に貼り付けられた第二の複数の繊維層、ここで、前記第二の複数の繊維層は、第二の樹脂マトリックスに高靭性繊維の織り上げ網状構造又は編み上げ網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含む;及び 前記第二の複数の繊維層に貼り付けられた第三の複数の繊維層、ここで、前記第三の複数の繊維層は、第三の樹脂マトリックスに高靭性繊維の不織網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含む;
    を含む、前記軽量成型ヘルメット。
  • ライフル銃弾による貫通に対して抵抗性を有する軽量成型ヘルメットであって、前記ヘルメットはシェルを含み、前記シェルは、外側から内側に向かって、
    第一の複数の繊維層、ここで、前記第一の複数の繊維層は第一の樹脂マトリックスに高靭性ガラス繊維の織り上げ網状構造を含み、前記第一の樹脂は熱硬化性樹脂を含む;
    前記第一の複数の繊維層に貼り付けられた第二の複数の繊維層、ここで、前記第二の複数の繊維層は、第二の樹脂マトリックスに高靭性繊維の織り上げ網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリエチレン繊維を含み、前記第二の樹脂は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む;及び 前記第二の複数の繊維層に貼り付けられた第三の複数の繊維層、ここで、前記第三の複数の繊維層は第三の樹脂マトリックスに高靭性繊維の不織網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリエチレン繊維を含み、前記第三の樹脂は熱可塑性樹脂を含む;
    を含み、
    前記ヘルメットは約3〜約5ポンド/平方フィート(14.6〜24.4Kg/m 2 )の総面密度をもち、少なくとも約1600ジュールのエネルギーを有するライフル銃弾に対して抵抗性を有することを特徴とする、前記軽量成型ヘルメット。
  • ライフル銃弾の貫通に対して抵抗性を有する軽量ヘルメットのシェルを成形する方法であって、
    第一の複数の繊維層を型に供給する工程、ここで、前記繊維層は、第一の樹脂マトリックスに高靭性繊維の網状構造を含み、前記高靭性繊維は研磨性繊維を含み、前記第一の複数の繊維層は前記型の内側に面している;
    第二の複数の繊維層を前記型に供給する工程、ここで、前記第二の複数の繊維層は、第二の樹脂マトリックスに高靭性繊維の織り上げ網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含み、前記第二の複数の繊維層は前記第一の繊維層の上に重ね合わされ、前記第一及び第二の樹脂は、前記第一及び第二の複数の繊維層が互いに接着性を示すように適合性を有する:
    第三の複数の繊維層を前記型に供給する工程、ここで、前記第三の複数の繊維層は、第三の樹脂マトリックスに高靭性繊維の不織網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含み、前記第三の複数の繊維層は前記第二の複数の繊維層の上に重ね合わされている:及び 前記第一の複数の繊維層、ここで、前記第二の複数の繊維層及び前記第三の複数の繊維層に熱と圧力とを加えて、前記ヘルメットシェルを形成する工程、
    を含む、前記方法。
  • 说明书全文

    本発明は、軍事用、法執行任務用、及び他の用途に有用な防護用ヘルメットに関する。 特に本発明は、ライフル銃弾に対する防護を提供する前記ヘルメットに関する。

    防護用ヘルメットは公知である。 そのようなヘルメットは軍事的用途及び非軍事的用途に使用されてきた。 後者の非軍事的用途の例としては、法執行任務用、スポーツ用、及び他の種類の安全ヘルメットが挙げられる。 特に軍事的用途及び法執行任務用途の防護用ヘルメットは弾道抵抗性である必要がある。

    典型的なヘルメットは弾丸の破片に対して防護するように構築されている。 ライフル銃弾に対して防護する場合には、ライフル銃弾がもつ非常に高いエネルギーを考慮して、そのような典型的なヘルメットよりも改善が必要である。 ライフル銃弾に対して防護するヘルメットは、比較的軽量で且つ快適に着用できなければならない。 しかしながら、これまで提案されてきたヘルメットは比較的重かった。

    防護が望まれるライフル銃弾の例としては、NATO M80弾、AK 47、AK 74、Russian LPS及びEuropean SS 109などが挙げられる。
    現在、最も一般的な軍用ヘルメットは、アラミド繊維(通常はフェノール樹脂などの樹脂材料を含む数層のアラミド繊維)から形成されている。 アラミド繊維で製造されたヘルメットは、例えば米国特許第4,199,388号、同第4,778,638号、及び同第4,908,877号に開示されている。 そのようなヘルメットは通常十分に機能するが、これらはかなり重い。 また、該ヘルメットは、ライフル銃弾に対する防御を強化するものではない。 比較的重いヘルメットに関する問題の一つは、このようなヘルメットが着用者にとって快適でないという点である。 そのため、そのようなヘルメットを使用しなかったり、用途が限られてしまったりする場合がある。

    (ライフル銃弾ではなく)発射体フラグメントに対する防御のために設計されているヘルメットの例としては、2007年2月15日出願の同時係属の米国特許出願第11/706,719号(その開示は本出願と矛盾しない程度で本明細書中に援用されるものとする)に明記されている。

    米国特許第4,199,388号明細書

    米国特許第4,778,638号明細書

    米国特許第4,908,877号明細書

    軽量で、且つライフル銃弾による貫通に対して抵抗性を有するヘルメットを提供することが望ましい。

    本発明に従って、ライフル銃弾貫通抵抗性を有する軽量成型ヘルメットであって、前記ヘルメットはシェルを含み、前記シェルは、外側から内側に向かって、
    第一の複数の繊維層、前記繊維層は第一の樹脂マトリックスに高靭性研磨繊維を含む;
    前記第一の複数の繊維層に貼り付けられた第二の複数の繊維層、前記第二の複数の繊維層は、第二の樹脂マトリックスに高靭性繊維で織られた又は編まれた網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含む;及び 前記第二の複数の繊維層に貼り付けられた第三の複数の繊維層、前記第三の複数の繊維層は第三の樹脂マトリックスに高靭性繊維の不織網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含む;
    を含む、前記軽量成型ヘルメットを提供する。

    また、本発明に従って、ライフル銃弾貫通抵抗性性を有する軽量成型ヘルメットであって、前記ヘルメットはシェルを含み、前記シェルは、外側から内側に向かって、
    第一の複数の繊維層、前記第一の複数の繊維層は第一の樹脂マトリックスにガラス繊維の織り上げ網状構造を含み、前記第一の樹脂は熱硬化性樹脂を含む;
    前記第一の複数の繊維層に貼り付けられた第二の複数の繊維層、前記第二の複数の繊維層は、第二の樹脂マトリックスに高靭性繊維の織り上げ網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリエチレン繊維を含み、前記第二の樹脂は熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含む;及び 前記第二の複数の繊維層に貼り付けられた第三の複数の繊維層、前記第三の複数の繊維層は第三の樹脂マトリックスに高靭性繊維の不織網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリエチレン繊維を含み、前記第三の樹脂は熱可塑性樹脂を含む;
    を含み、前記ヘルメットは約3〜約5ポンド/平方フィート(14.6〜24.4kg/m 2 )の総面密度を有し、少なくとも約1600ジュールのエネルギーをもつ対ライフル銃弾抵抗性を有する、前記軽量成型ヘルメットを提供する。

    さらに本発明に従って、ライフル銃弾貫通抵抗性性を有する軽量ヘルメットのシェルを成形する方法であって、
    第一の複数の繊維層を型に供給する工程、前記繊維層は、第一の樹脂マトリックスに高靭性繊維の網状構造を含み、前記高靭性繊維は研磨性繊維を含み、前記第一の複数の繊維層は前記型の内側に面している;
    第二の複数の繊維層を前記型に供給する工程、前記第二の複数の繊維層は、第二の樹脂マトリックスに高靭性繊維の織り上げ網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含み、前記第二の複数の繊維層は前記第一の繊維層の上に重ね合わされ、前記第一及び第二の樹脂は、前記第一及び第二の複数の繊維層が互いに接着性を示すように適合性を有する:
    第三の複数の繊維層を前記型に供給する工程、前記第三の複数の繊維層は、第三の樹脂マトリックスに高靭性繊維の不織網状構造を含み、前記高靭性繊維はポリオレフィン繊維を含み、前記第三の複数の繊維層は前記第二の複数の繊維層の上に重ね合わされている:及び 前記第一の複数の繊維層、前記第二の複数の繊維層及び前記第三の複数の繊維層に熱と圧とを加えて、前記ヘルメットシェルを成形する工程;
    を含む、前記方法を提供する。

    ライフル銃弾貫通抵抗性を有する軽量成型ヘルメットは、樹脂マトリックスに高靭性研磨性繊維から成形された外側繊維層区分、第二の樹脂マトリックスに織り上げ又は編み上げ高靭性ポリオレフィン繊維から形成された中間繊維層区分と、第三の樹脂マトリックスに不織高靭性ポリオレフィン繊維から形成された内側繊維層区分とを使用することによって形成することができる。 前記第一、第二及び第三の繊維層区分それぞれの樹脂は、同一でも異なっていてもよい。 そのようなヘルメットは優れた弾道抵抗性をもち、且つ高エネルギーライフル銃弾による貫通を防ぐのに特に有用である。 同時に本ヘルメットは軽量であるので、着用したときに快適である。

    発明の詳細な説明 本発明の防護用ヘルメットは、樹脂マトリックスに高靭性研磨性繊維の網状構造の複数の層を含む第一の外側区分、樹脂マトリックスに高靭性ポリオレフィン繊維の織り上げ又は編み上げ網状構造の複数の層を含む第二の中間区分、及び、樹脂マトリックスに高靭性ポリオレフィン繊維の不織網状構造の複数の層を含む第三の内側区分から形成されたシェルを包含する。

    本発明の目的のために、繊維とは、その長さ方向の寸法が、横方向の寸法及び厚みよりもずっと大きい細長い物体である。 従って、この用語は、規則的又は非規則的な断面をもつモノフィラメント、マルチフィラメント、リボン、ストリップ、ステープル、及びその他の形状を有する短繊維(chopped fiber)、切断繊維、又は不連続繊維などが挙げられる。 この「繊維」なる用語は、上記のいずれかの複数又はその組み合わせを包含する。 ヤーンは、多くの繊維又はフィラメントから構成される連続ストランドである。

    本明細書中に使用される「高靭性繊維」とは、約7g/d以上の靭性をもつ繊維を意味する。 好ましくは、これらの繊維は、ASTM D2256で測定して少なくとも約150g/dの初期引張弾性率と、少なくとも約8J/dの破断エネルギーをもつ。 本明細書中に使用される「初期引張弾性率」、「引張弾性率」及び「弾性率」なる用語は、ヤーンに関してはASTM 2256により、及びエラストマー又はマトリックス材料に関してはASTM D638により測定した弾性係数を意味する。

    好ましくは、第二及び第三の区分の高靭性繊維は、約10g/d以上の靭性をもち、より好ましくは約15g/d以上、さらに好ましくは約20g/d以上、最も好ましくは約25g/d以上である。 高靭性ポリエチレン繊維に関しては、好ましい靭性範囲は約20〜約55g/dである。

    本発明において有用な繊維の断面は広範囲を変動し得る。 これらは断面が円形、扁平、又は楕円形であってもよい。 これらは、フィラメントの線形軸又は長さ方向の軸から突出する一つ以上の規則的又は非規則的な突出物(lobe)をもつ非規則的又は規則的なマルチローバル(multi-lobal)の断面であってもよい。 繊維は実質的に円形、扁平又は楕円の断面であるのが特に好ましく、繊維は実質的に円形の断面であるのが最も好ましい。

    本明細書で使用する高靭性繊維のヤーンは、任意の好適なデニール、例えば約50〜約5000デニール、より好ましくは約200〜約5000デニール、さらにより好ましくは約650〜約3000デニール、最も好ましくは約800〜約1500デニールであり得る。

    好ましくは、第一の複数の繊維層の繊維の少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約75重量%、最も好ましくは全て又は実質的に全てが高靭性研磨性繊維である。 同様に、第二の複数の繊維層の繊維の少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約75重量%、最も好ましくは全て又は実質的に全てが高靭性ポリオレフィン繊維である。 また好ましくは、第三の複数の繊維層の繊維の少なくとも約50重量%、より好ましくは少なくとも約75重量%、最も好ましくは全て又は実質的に全てが高靭性ポリオレフィン繊維である。

    本発明に従って、ヘルメットのシェルは、種々の弾道抵抗性材料の層から形成される。 ヘルメットは、繊維層の少なくとも三つの区分(section)又は群(group)を含む。 これらは層の外側対面群(outer facing group)、層の中間群と、層の内側対面群である。

    繊維層の外側群は、この外側群が銃弾を変形させるか、銃弾ジャケットを剥ぎ取る(strip)及び/又は銃弾を不安定化する(destabilize)程度の研磨特性をもつように選択される。 繊維層の外側群は研磨性繊維から形成される。 これらの繊維は、好ましくは少なくとも約2.0Gpa、好ましくは少なくとも約2.4Gpa、より好ましくは少なくとも約3.4Gpa、最も好ましくは少なくとも約4.0Gpaの引張強度を有する無機繊維である。 本発明において有用な研磨性繊維の例としては、ガラス繊維、グラファイト繊維、炭化ケイ素繊維、炭化ホウ素繊維など、及びその混合物が挙げられる。 そのような繊維の例は、例えば、2004年10月4日出願の同一出願人による同時係属の米国特許出願第10/957,773号(国際公開第2007/005043号に対応する。その開示内容は参照により本出願と矛盾しない限度で本明細書中に援用されるものとする。)に記載されている。 好ましくは、研磨性繊維はガラス繊維である。

    タイプE及びタイプS繊維などの種々のタイプのガラス繊維を本発明で使用し得る。 織り上げガラス繊維布帛の例としては、Hexcel(米国サウスカロライナ州アンダーソン)から入手可能なスタイル1528、3731、3733、7500、7532、7533、7580、7624、7628及び7645と表されるものがある。

    研磨性繊維としてガラス繊維を使用する利点は、ガラス繊維のコストは、ポリオレフィン繊維と比べてごく僅かであるため、ヘルメットのコストを大きく減少させることができるという点である。

    繊維層の外側群は、好ましくは複数の織り上げ布帛層を構成する。 しかしながら、繊維層の外側群は、編み上げ又は不織布帛層を構成してよい。 不織布帛層の例としては、一方向に配向した繊維層、及びランダム又はフェルト化繊維層がある。 外側群の繊維網状構造層は好ましくは、同一布帛フォーマット(例えば織り上げ、編み上げ又は不織)である。 あるいは、層の外側群で布帛の種類(織り上げ布帛、編み上げ布帛、及び/又は不織布帛)の混合物であり得る。 織り上げ布帛が好ましく、例えば平織、バスケット織、綾織、繻子、三次元織り上げ布帛、及びその幾つかのバリエーションのいずれかなど、任意の布帛織り上げパターンを使用することができる。

    繊維層の外側群の層は樹脂マトリックスも含む。 樹脂材料の例は、以下に記載する。
    上述のとおり、繊維の中間及び内側群の繊維は、ポリオレフィン繊維、好ましくは高靭性ポリエチレン繊維、及び/又は高靭性ポリプロピレン繊維を含む。 最も好ましくは、ポリオレフィン繊維は、伸び切り鎖ポリエチレン繊維又は高配向高分子量ポリエチレン繊維としても公知の高靭性ポリエチレン繊維である。

    米国特許第4,457,985号は一般に、高分子量ポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維について記載しており、この特許の開示は、参照により、本発明と矛盾しない程度に本明細書中に援用されるものとする。 ポリエチレン繊維の場合には、好適な繊維は重量平均分子量が少なくとも約150,000、好ましくは少なくとも約100万、より好ましくは約200万〜約500万のものである。 そのような高分子量ポリエチレン繊維は溶液で紡糸するか(米国特許第4,137,394号及び同第4,356,138号を参照されたい)、又はゲル構造を形成するための溶液から紡糸したフィラメント(米国特許第4,413,110号、ドイツ特許第3,004,669号及び英国特許第2051667号を参照されたい)であるか、あるいはポリエチレン繊維は、圧延及び延伸プロセス(米国特許第5,702,657号を参照されたい)により製造し得る。 本明細書中で使用されるポリエチレンなる用語は、大部分が線状のポリエチレン材料を意味し、該ポリエチレン材料は、100個の主鎖炭素原子あたり約5個以下の変性単位の少量の鎖の分岐又はコモノマーを含んでよく、また、アルケン-1-ポリマー(特に低密度ポリエチレン、ポリプロピレン若しくはポリブチレン)、主要モノマーとしてモノ-オレフィン類を含むコポリマー、酸化ポリオレフィン類、グラフトポリオレフィンコポリマー類及びポリオキシメチレン類など、一種以上のポリマー添加剤、又は、約50重量パーセント以下の通常配合される低分子量添加剤(例えば酸化防止剤、潤滑剤、紫外線遮蔽剤、着色剤など)と混合されていてよい。

    高靭性ポリエチレン繊維は市販されており、Honeywell International Inc.(米国ニュージャージー州モーリスタウン)により商標SPECTRA(登録商標)で市販されている。 他の供給元からのポリエチレン繊維も使用し得る。

    成形方法、延伸倍率及び温度、並びに他の条件に応じて、種々の特性をこれらの繊維に付与することができる。 ポリエチレン繊維の靭性は少なくとも約7g/dであり、好ましくは少なくとも約15g/dであり、より好ましくは少なくとも約20g/dであり、さらにより好ましくは少なくとも約25g/dであり、最も好ましくは少なくとも約30g/dである。 同様に、インストロン引張試験機で測定した繊維の初期引張弾性率は、好ましくは少なくとも約300g/dであり、より好ましくは少なくとも約500g/dであり、さらにより好ましくは少なくとも約1,000g/dであり、最も好ましくは少なくとも約1,200g/dである。 初期引張弾性率及び靭性のこれらの最高値は通常、溶液成長又はゲル紡糸プロセスを使用することによってのみ得ることができる。 多くのフィラメントは、これらが形成されるポリマーの融点よりも高い融点を有する。 かくして、約150,000、約100万及び約200万の分子量の高分子量ポリエチレンは、通常、バルクで138℃の融点をもつ。 これらの材料から製造した高配向ポリエチレンフィラメントは、約7℃〜約13℃高い融点を有する。 かくして、融点が少々上昇すると、バルクポリマーと比較してフィラメントの高い結晶配向と結晶完全性に反映する。

    同様に、重量平均分子量が少なくとも約200,000、好ましくは少なくとも約100万、より好ましくは少なくとも約200万であるような高配向高分子量ポリプロピレン繊維を使用することができる。 そのような伸び切り鎖ポリプロピレンは、上記文献に記載の方法、特に米国特許第4,413,110号の方法により適度に延伸されたフィラメントに成形することができる。 ポリプロピレンはポリエチレンよりもはるかに結晶性の低い材料であり、ペンダントメチル基を含むので、ポリプロピレンで達成し得る靭性値は通常、ポリエチレンの対応する値よりも実質的に低い。 従って、好適な靭性は少なくとも約8g/dであり、より好ましくは少なくとも約11g/dである。 ポリプロピレンの初期引張弾性率は、好ましくは少なくとも約160g/dであり、より好ましくは少なくとも約200g/dである。 ポリプロピレンの融点は通常、ポリプロピレンフィラメントが少なくとも168℃、より好ましくは少なくとも170℃の主融点をもつように、配向プロセスによって数度引き上げられる。 上記パラメターが特に好ましい範囲にある場合、都合よく最終製品において優れた性能が得られる。 上記パラメーター(弾性率及び靭性)が好ましい範囲にあり、且つ、少なくとも約200,000の重量平均分子量を有する繊維を使用すると、都合よく最終製品において優れた性能が得られる。

    繊維層の中間区分の高強度繊維ポリオレフィン繊維の網状構造は、織り上げ布帛又は編み上げ布帛を構成する。 織り上げ布帛が好ましいが、任意の織り上げパターンの布帛(例えば平織り、バスケット織り、綾織、繻子織、三次元織り上げ布帛、及びこれらの幾つかのバリエーションのいずれか)を使用し得る。 平織りが好ましく、等しい縦糸及び横糸カウントをもつ平織り布帛がより好ましい。

    一態様において、織り上げ布帛は好ましくは、縦糸及び横糸方向の両方で約15〜約55端部/インチ(約5.9〜約21.6端部/cm)を有し、より好ましくは約17〜約45端部/インチ(約6.7〜約17.7端部/cm)を有する。 ヤーンは好ましくは約375〜約1300デニールである。 その結果、好ましくは約5〜約19オンス/平方ヤード(約169.5〜約644.1g/m 2 )、より好ましくは約5〜約11オンス/平方ヤード(約169.5〜約373.0g/m 2 )の重量の織り上げ布帛となる。 そのような布帛の例としては、SPECTRA(登録商標)布帛スタイル902、903、904、952、955及び960で指定されている布帛がある。 他の例としては、SPECTRA布帛スタイル912などのバスケット織りから形成した布帛が挙げられた。 上記布帛は例えば、Hexcelから入手可能である。 当業者が理解するとおり、本明細書中に記載の布帛構成は単なる例示であって、本発明をこれに限定するものではない。

    編み上げ布帛を繊維層の中間区分(又は繊維層の外側区分)で使用する場合、種々の編物構造を使用し得る。 編物構造は、互いにかみ合っているループ(intermeshing loop)から構成される構造体である。 配向編み上げ構造は、これらが細いデニールの編み上げステッチによって適所に保持されたまっすぐなインレイド(inlaid)ヤーンを使用するので、好ましい。 ヤーンは、ヤーン上の織り交ぜ効果(interlacing effect)のため、織り上げ布帛に見出されるクリンプ効果なしに、完全にまっすぐである。 ヤーンに組まれたこれらのものは、設計された要求条件に依存して一軸、二軸又は多軸方向に配向させることができる。 耐荷重ヤーンに組み込まれて使用される具体的な編物に要件は、ヤーンが穿孔されないようなものである、となることが好ましい。

    繊維層の中間群の層は同様に、樹脂マトリックスも含む。 樹脂マトリックスの例は後述する。
    上述のとおり、繊維層の内側群は、高靭性ポリオレフィン繊維、最も好ましくは高靭性ポリエチレン繊維も含む。 これらの繊維層は、一方向に配向した繊維のプライ、又は、ランダム配向にフェルト化されている繊維の不織網状構造を構成している。 一方向に配向された繊維を使用する場合、好ましくは繊維の一層が一方向に伸張し、繊維の第二層が前記第一の繊維と90°の方向に伸張したクロスプライ配列で使用する。 個々のプライが一方向に配向した繊維である場合、連続するプライは好ましくは0°/90°の度、0°/90°/0°/90°又は0°/45°/90°/45°/0°又は他の角度で互いに回転されている。 繊維の網状構造がフェルトである場合、これらはニードルパンチフェルトであってもよい。 フェルトはランダム配向した繊維の不織網状構造であり、好ましくは少なくともその一つは不連続繊維、好ましくは約0.25インチ(0.64cm)〜約10インチ(25.4cm)の範囲の長さをもつステープル繊維である。 これらのフェルトは、カーディング若しくは流体積層(fluid laying)、メルトブロー及びスピン積層によるなどの、当業界で公知の幾つかの方法によって形成することができる。 繊維の網状構造は、ニードルパンチ、スティッチボンド(stitch bonding)、ハイドロエンタングルメント(hydroentanglement)、エアエンタングルメント(airentanglement)、スパンボンド、スパンレースなどにより機械的に、接着剤を使用するなどして化学的に、又は点接合するため若しくは低融点をもつブレンド化繊維と共に熱的に圧密化される。 好ましい圧密化法はニードルパンチ単独、又はその後他の方法のひとつを実施することである。 好ましいフェルトはニードルパンチフェルトである。 不織構造体を研磨性繊維の第一群で使用する場合、これらはその中で記載されるものと同様の構造を有していてもよい。

    繊維層の内側群の層も同様に、樹脂マトリックスを含む。 樹脂材料の例は後述する。
    ヘルメットシェルの外側、中間及び内側の各区分の繊維層も樹脂マトリックスを含む。 繊維プライ用樹脂マトリックスは、広範な種類のエラストマー及び所望の特性を有する他の材料から形成することができる。 一態様において、そのようなマトリックスで使用されるエラストマー材料は、ASTM D638で測定すると約6,000psi(41.4MPa)以下の初期引張弾性率(弾性係数)をもつ。 より好ましくは、エラストマーは、約2,400psi(16.5MPa)以下の初期引張弾性率を有する。 最も好ましくは、エラストマー材料は、約1,200psi(8.23MPa)以下の初期引張弾性率を有する。 これらの樹脂材料は通常熱可塑性であるが、熱硬化性材料も有用である。

    あるいは樹脂マトリックスは、硬化したときに、ASTM D638で測定して少なくとも約1×10 6 psi(6895MPa)などの高い引張弾性率をもつ。 そのような材料の例は、例えば米国特許第6,642,159号に開示されている(該米国特許の開示内容は参照により本出願と矛盾しない限度で本明細書中に援用されるものとする)。

    熱可塑性及び熱硬化性樹脂を含む広範囲の材料を、繊維層の外側、中間及び内側のそれぞれの区分の樹脂マトリックスとして使用することができる。 例えば、以下の材料のいずれかを使用することができる:ポリブタジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、エチレン-ブロピレンコポリマー、エチレン-プロピレン-ジエンターポリマー、ポリスルフィドポリマー、熱可塑性ポリウレタン、ポリウレタンエラストマー、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリクロロプレン、ジオクチルフタレート又は当業界で公知の他の可塑剤を使用する可塑化ポリ塩化ビニル、ブタジエンアクリロニトリルエラストマー、ポリ(イソブチレン‐コ‐イソプレン)、ポリアクリレート、ポリエステル、ポリエーテル、フルオロエラストマー、シリコーンエラストマー、熱可塑性エラストマー、及びエチレンのコポリマー。 熱硬化性樹脂の例としては、メチルエチルケトン、アセトン、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサン、エチルアセトン及びその組み合わせなどの炭素‐炭素飽和溶媒中に可溶性のものが挙げられる。 熱硬化性樹脂の中でも、ビニルエステル、スチレン‐ブタジエンブロックコポリマー、ジアリルフタレート、フェノール樹脂、例えばフェノールホルムアルデヒド、ポリビニルブチラール、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、及びその混合物がある。 上記米国特許第6,642,159号に開示された熱硬化性樹脂も含まれる。 好ましい熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、及びその混合物が挙げられる。 ポリエチレン繊維布帛のための好ましい熱硬化性樹脂は、少なくとも一種のビニルエステル、ジアリルフタレート、及び、任意的にビニルエステル樹脂を硬化させるための触媒を含む。 他の熱硬化性樹脂は、メラミン樹脂、アクリレート樹脂、シリコーン樹脂、ポリ尿素樹脂などが挙げられる。

    好ましい一群の樹脂は、熱可塑性ポリウレタン樹脂である。 別の好ましい群は、共役ジエンとビニル芳香族コポリマーとのブロックコポリマーであるエラストマー材料である。 ブタジエンとイソプレンは好ましい共役ジエンエラストマーである。 スチレン、ビニルトルエン及びt-ブチルスチレンは好ましい共役芳香族モノマーである。 ポリイソプレンを含むブロックコポリマーを素化して、飽和炭化水素エラストマーセグメントをもつ熱可塑性エラストマーを製造することができる。 ポリマーはタイプR-(BA)x(x=3〜150)[式中、Aはポリビニル芳香族モノマー由来のブロックであり、Bは共役ジエンエラストマー由来のブロックである]の単純なトリブロックコポリマーであってもよい。 好ましい樹脂マトリックスは、イソプレン-スチレン-イソプレンブロックコポリマー、例えばKraton(登録商標)D1107イソプレン-スチレン-イソプレンブロックコポリマー(Kraton Polymer LLCより市販)である。 これらの樹脂は水又は有機溶媒中に分散し得る。 熱可塑性ポリウレタン樹脂のタイプの一つは、水中に分散されたポリウレタン樹脂のコポリマー混合物(mix)である。

    樹脂材料は、カーボンブラック、シリカなどの充填剤とコンパウンドし得、ゴム業界で公知の方法を使用して、油展及び、硫黄、過酸化物、若しくは金属酸化物又は放射線硬化系により加硫し得る。 種々の樹脂のブレンドも使用することができる。

    好ましくは、複数の繊維層のそれぞれの樹脂マトリックスは、他の複数の繊維層中の樹脂マトリックスと同一又は適合性を有する。 「適合性を有する」という用語は、種々の層が化学的手段又は機械的手段によって一緒に結合され得るということを意味する。 例えば、種々の群の層に含まれる樹脂の化学的性質は、種々の層を同一成型圧力、温度、及び成型持続条件下で加工し得るように適合性を有することが好ましい。 これにより、ヘルメットシェルは確実にひとつの効率的なサイクルで成型することができる。 一態様において、繊維層の外側群の樹脂は、これらの層が一緒に結合できるように繊維層の中間群の樹脂と適合性を有する。 好ましくは、繊維層の外側群の樹脂と繊維層の中間層の樹脂は化学的に同一であり、繊維層の内側群の樹脂は他の樹脂と化学的に異なる。

    繊維層の外側群の好ましい樹脂は、熱硬化性樹脂、より好ましくはビニルエステル樹脂である。 繊維層の中間群に好ましい樹脂は熱硬化性又は熱可塑性樹脂であり、熱硬化性樹脂を使用する場合には、ビニルエステル樹脂がより好ましい。 繊維層の中間群には、熱可塑性ポリウレタン樹脂及び/又はスチレン‐イソプレン‐スチレンブロックコポリマーも好ましい。 繊維層の内側群に好ましい樹脂は熱可塑性樹脂であり、熱可塑性ポリウレタン樹脂及び/又はスチレン‐イソプレン‐スチレンブロックコポリマーがより好ましい。

    ヘルメットシェルの三つの区分それぞれにおける樹脂マトリックス材料と繊維との割合は、広範囲を変動し得る。 通常、樹脂マトリックス材料は、層内の繊維及び樹脂マトリックスの総重量の好ましくは約1〜約98重量パーセント、より好ましくは約5〜約95重量パーセント、さらにより好ましくは約5〜約40重量パーセントを形成する。 上記割合は圧密化布帛をベースとする。 最も好ましくは、繊維層の外側群の樹脂は、外側繊維層の総重量の約5〜約25重量パーセントを構成し;繊維層の中間群の樹脂は、中間繊維層の総重量の約10〜約25重量パーセントを構成し;及び繊維層の内側群の樹脂は、内側繊維層の総重量の約10〜約40重量パーセントを構成する。

    好ましくは、複数の繊維層はそれぞれプリプレグ布帛を形成するために、成型前に樹脂マトリックスでコーティング又は含浸される。 通常、本発明の繊維層は好ましくは、最初に繊維網状構造を構築(例えば、織り上げ布帛層、編み上げ布帛層、又は不織布帛層から出発する)し、次いでこの網状構造をマトリックス組成物でコーティングすることにより形成する。 本明細書中で使用するように、「コーティング」という用語は、個々の繊維が、繊維を取り巻いているマトリックス組成物の連続的な層を有するか、又は繊維の表面にマトリックス組成物の不連続的な層を有する繊維網状構造を記述するために広い意味で使用される。 前者の場合、繊維はマトリックス組成物中に完全に埋め込まれているということができる。 コーティング及び含浸なる用語は、本明細書中、同義語として使用される。 型の中で、樹脂を含まない繊維層に樹脂マトリックスを塗布することが可能であるが、樹脂コーティングの均一性を制御するのが難しいので、あまり望ましくない。

    マトリックス樹脂組成物は、繊維層上に、溶液、分散液又は乳濁液などのいずれかの好適な方式によって塗布することができる。 次いで、マトリックス‐コーティング済み繊維網状構造を乾燥する。 マトリックス樹脂の溶液、分散液又は乳濁液をフィラメント上に噴霧することができる。 あるいは、繊維層構造体は、浸漬又はロールコーターなどの手段により水溶液、分散液又は乳濁液でコーティングすることができる。 コーティング後、コーティング済み繊維層を乾燥用オーブンに通すことができ、ここで1又は複数のコーティング済み繊維網状構造層をマトリックス組成物中の水又はほかの液体を蒸発させるのに十分な熱に暴露する。 次いでコーティング済み繊維網状構造を、キャリヤウェブ(紙、若しくはフィルム基板であり得る)の上に配置することができ、あるいは布帛を最初にキャリヤウェブ上に置いてからマトリックス樹脂でコーティングすることができる。 次いで1又は複数の繊維層を含有する基板と樹脂マトリックスを公知の方式で連続ロールに巻き取ることができる。

    繊維網状構造は種々の方法により構築することができる。 一方向に配列された繊維網状構造の場合には、高靭性フィラメントのヤーン束をクリールから供給して、ガイド及び一つ以上のスプレダー・バーを通してコリメーティング・コーム(collimating comb)に導いてから、マトリックス材料でコーティングすることができる。 コリメーティング・コームはフィラメントを同一表面上で実質的に一方向に配列する。

    樹脂マトリックスで布帛層をコーティングした後、取り扱い易くするために、層が互いに結合されていないか、又はほんの少し結合されるような状態で、繊維層からヘルメット形状に予備成形することができる。 そのような予備成形は最終成型プロセスを容易にする。

    複数の繊維層の各区分の層数は、所望のヘルメットのタイプ、所望の性能及び所望の性能に応じて広範囲を変動し得る。 例えば、複数の繊維層の各区分内の層数は、約2〜約100層、より好ましくは約2〜約85層、最も好ましくは約2〜約65層を変動し得る。 複数の繊維層の各区分内の層数は、異なっていても同一でもよい。 層は任意の好適な厚さであり得る。 例えば、複数の繊維層の区分の各層は、約1ミル(mil)〜約40ミル(25〜1016μm)、より好ましくは約3〜約30ミル(76〜762μm)、最も好ましくは約5〜約20ミル(127〜508μm)の厚さを有し得る。 複数の繊維構造体それぞれの各層の厚さは同一でも異なっていてもよい。

    複数の繊維層の各区分の各層の面密度は、広範囲を変動し得るが、通常ヘルメットの総重量が装着者の快適性及び防護の許容範囲内であるように選択される。 例えば、複数の繊維層の内外側区分の各層の面密度は、約5〜約35 oz/yd 2 (約169.5〜約1186.5 g/m 2 )であるのが好ましく、より好ましくは約5〜約25 oz/yd 2 (約169.5〜847.5 g/m 2 )である。 複数の繊維層の中間区分の各層の面密度は約5〜約65 oz/yd 2 (約169.5〜約2203.5 g/m 2 )、より好ましくは約5〜約14 oz/yd 2 (約169.5〜約474.7 g/m 2 )を変動し得る。 複数の繊維層の内側区分の各層の面密度は、約1〜約90 oz/yd 2 (約33.9〜約3051 g/m 2 )、より好ましくは約1〜約7 oz/yd 2 (約33.9〜約237.3 g/m 2 )を変動し得る。 外側、中間、及び内側の各区分の繊維層の面密度は、同一でも異なっていてもよい。

    層の重量比は必要に応じて変動し得る。 繊維層の外側群は、ヘルメットシェルの総重量をベースとして、約2〜約35重量パーセント、より好ましくは約5〜約15重量パーセント、最も好ましくは約10重量パーセント以上の量で存在し得る。 繊維層の中間群は、ヘルメットシェルの総重量をベースとして、約2〜約65重量パーセント、より好ましくは約10〜約50重量パーセント、最も好ましくは約40重量パーセント以上の量で存在し得る。 繊維層の内側群は、ヘルメットシェルの総重量をベースとして、約5〜約96重量パーセント、より好ましくは約20〜約90重量パーセント、最も好ましくは約60重量パーセントの量で存在し得る。

    上述のとおり、本発明のヘルメットシェルは「軽量」である。 「軽量」とは、総面密度が約5ポンド/平方フィート(24.4kg/m 2 )未満であることを意味する。 好ましくは、ヘルメットシェルの総面密度は約3〜約5ポンド/平方(フィート)(約14.6〜約24.4kg/m 2 )を変動する。

    軍事的用途で使用されてきたヘルメット形状の一つは、頭字語ACH(Advanced Combat Helmet)により公知である。 望ましくは、そのようなヘルメット(対ライフル銃弾抵抗性を有していないが)、約900〜約1500グラム、より好ましくは約1000〜約1300グラムの範囲の重量である。

    本発明のヘルメットシェルを成形するために、繊維層の各区分のスタックを任意の所望の形状を有する好適な型に配置する。 効率性のために一つの成型段階で三つの区分からシェルを形成するのが望ましい。 しかしながら、所望により区分の一つ又は二つを最初に成型してから、他の区分を型内に導入する。 型は、ボウル形、楕円形などの任意の所望の形状であってよい。

    好ましくは、最初に、シェルの外側区分を形成している緩く結合した層又は非結合層を型の中に配置する。 そのようなスタックは、おおよそ所望の形状に予備成形され得る。 次にシェルの中間区分を形成している緩く結合した層又は非結合層のスタックを外側区分層の上部に配置する。 この後、シェルの内側区分を形成している緩く結合した層又は非結合層のスタックを中間区分層の上部におく。 一方向に配向させた布帛をシェルの内側区分の不織布帛層として使用する場合、0°/90°、0°/90°/0°/90°などの角度で二つ以上の層を最初に互いにクロスプライするのが好ましい。 次いでこれらのクロスプライさせた構造体(シールド製品と一般に呼ばれる)を型の中に導入する。 ヘルメットの中間区分と内側区分のスタックも、およそ所望の形状に予備成形することができる。

    個々の層に含まれる樹脂が層間に必要な結合をもたらすので、高靭性繊維の個々の層同士又は層の区分同士の間に接着剤を使用する必要はない。 しかしながら、所望により別個の1又は複数の接着剤層を使用することができる。

    型を完全且つ均一に充填し、及び適当な配向で全ての層を設置するために留意すべきである。 これにより、ヘルメットシェルの全体にわたって均一な性能が確実に得られる。 繊維区分の合計容積がヘルメット型の処理できる量を超える場合、型が閉まらないので、ヘルメットを成型できないだろう。 材料の合計容積が型の容積未満である場合、型は閉まるが、成型圧力が不足するため、材料は成型できない。

    ひとたび型を必要な数及び種類の繊維層で正しく充填したら、ヘルメットシェルを所望の成型条件下で成型することができる。 これらの条件は、アラミド布帛の別個の層及びポリエチレン布帛の別個の層を成型する際に使用されるものと同様であり得る。 例えば、成型温度は、約65〜約250°F、より好ましくは約90〜約330°F、最も好ましくは約120〜約320°Fを変動し得る。 クランプ成型圧力は例えば、約10〜約500トン(10.2〜508メートルトン(metric ton))、より好ましくは約50〜約350トン(50.8〜356メートルトン)、最も好ましくは約100〜約200トン(102〜203メートルトン)を変動し得る。 成型時間は約5〜約60分、より好ましくは約10〜約35分、最も好ましくは約15〜約25分を変動し得る。

    熱硬化性樹脂の場合には、所望の成型条件下、繊維網状構造に存在する樹脂を硬化させる。 これにより、所望のヘルメット形状に個々の層及び層群がモノリス一体成型体として強く結合する。 各セットの布帛の熱硬化性樹脂は、樹脂の架橋によってその界面で結合すると考えられる。 熱可塑性樹脂の場合には、ヘルメットを樹脂の軟化温度未満に冷却し、次いで型から取り出す。 熱及び圧力のもとでは、熱可塑性樹脂は布帛層の間を流動し、モノリス一体成型体となる。 冷却の間、成型圧力を維持する。 その後、成型品を型から取り出し、必要により部品をトリミングする。

    複合体構造物中で使用される布帛は比較的薄いが非常に強い。 個々の布帛層の好ましい厚さは、約1〜約36ミル(25〜911μm)、より好ましくは約3〜約28ミル(76.2〜711μm)、最も好ましくは約5〜約23ミル(127〜584μm)である。

    上述のとおり、本発明のヘルメットは、ライフル銃弾の貫通を防止することができる。 そのような銃弾は非常に高いエネルギーレベルを有する。 本発明のヘルメットは、少なくとも約1600ジュールのエネルギーレベルの銃弾、より好ましくは約1600〜約4000ジュールのエネルギーレベルの銃弾、最も好ましくは約1700〜約3000ジュールのエネルギーレベルの銃弾による貫通を防止することができる。

    以下は、種々の銃弾、並びに、銃口で測定したそのエネルギーレベル、速度及びエネルギーのリストである。 ライフルの銃弾は拳銃の銃弾よりもずっと高いエネルギーレベルをもつので、ヘルメットを貫通させないようにすることはより困難であることが解る。

    本発明のヘルメットは軽量であるにもかかわらず、その特徴的な構造のために、高エネルギーのライフル銃弾の貫通を防止することができる。 このような所望の重量と弾道抵抗性の組み合わせは、本発明のヘルメットが、高エネルギーレベルの脅威から防護されなければならない要員により容易に使用され得ることを意味する。

    ヘルメット構造体は、所望通りに種々の付属部品を取り付けることができるように構成することができる。 例えば、ヘルメットは所望のギアをつけやすいように、溝をつけるか、又はチャネルを組み込むことができる。

    特定の理論に束縛されるつもりはないが、研磨性繊維の繊維層を含む外側区分は、ライフル銃弾とそのジャケットを変形するように作用すると考えられる。 織り上げ又は編み上げ高靭性ポリオレフィン繊維の層を含む中間区分は、銃弾ジャケット又は外側ケーシングを剥がす。 不織高靭性ポリオレフィン繊維の層を含む内側区分は銃弾の残余を変形し、これを捕捉して、これによりヘルメットを貫通しないようにする。

    以下の非限定的な実施例は、本発明をより完全に理解するために提供される。 本発明の原理を説明するための具体的な方法、条件、材料、割合及び報告データは例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものと理解すべきではない。 断りのない限り、全ての割合は重量である。

    実施例1
    ヘルメットシェルは、高靭性繊維の三つの異なる区分から形成された。 外側層は、織り上げ構造体にガラス繊維から形成した(スタイル7628、Hexcel製、平織り17×12端部/インチ(6.7×4.7端部/cm))。 個々の織り上げガラス繊維層は、アセトン溶媒と硬化剤中の樹脂容器に織り上げ布帛を浸漬することによってビニルエステル樹脂(Derakane 411-25樹脂、Ashland Chemical製)でコーティングした。 乾燥後、織り上げガラス繊維層は、ビニルエステル樹脂10重量パーセントを有していることが見出された。 各層の面密度は200g/m 2であった。 織り上げガラス繊維層コンポジットの合計2層を緩く積み重ねて、概ねヘルメットの形状に予備成形した。

    ヘルメットの中間層は、織り上げ高靭性ポリエチレン繊維(Spectra(登録商標)900、Honeywell International Inc.製)から形成する。 これらの繊維は30g/dの靭性をもつ。 織り上げ布帛はスタイル903(Hexcel製)であり、これは平織り21×21端部/インチ(8.3×8.3端部/cm)布帛である。 個々の織り上げポリエチレン繊維層は、樹脂溶液の容器に布帛を浸漬することによってガラス繊維層で使用したものと同一のビニルエステル樹脂でコーティングする。 乾燥後、織り上げポリエチレン繊維層は、ビニルエステル樹脂20重量パーセントを有していることが見出された。 各層の面密度は296g/m 2であった。 織り上げ高密度ポリエチレン繊維複合体の全二層を緩く積み重ねて、概ねヘルメットの形状に予備成形した。

    ヘルメットシェルの内側層は、1300デニールをもつ一方向に配向した高靭性ポリエチレン繊維(Spectra 3000、Honeywell International Inc.製)から形成した。 一方向に配向した繊維のウェブを、水中に熱可塑性ポリウレタン樹脂を含むコーティング浴を通過させ、乾燥後、樹脂は不織布帛層16重量パーセントを含むことが判明した。 これらの層の4層を0°/90°/0°/90°でクロスプライし、一緒にラミネートして4プライ・シールド製品を形成する。 4プライ複合体の面密度は257 g/m 2であった。 4プライ層に含まれる合計67層を緩く積み重ねて、隣接する繊維層の繊維配向は互いに90°オフセットであった。 繊維層は概ねヘルメットの形状に予備成形された。

    ヘルメットシェルの三つの区分を、所望のヘルメット形状(ACH型)をもつ型に導入し、外側層は最初に、続いて中間層、そして内側層を型に配置した。 層のスタックは、190トン(190メートルトン)クランプ圧力下、90°F(32℃)で加熱15分で型に入れ、続いて220°F(104℃)で15分間冷却した。 型から取り外した後、ヘルメットシェルの端部をトリミングした。 ヘルメットシェルの全面密度は3.75ポンド/平方フィート(18.31kg/m 2 )であった。

    ヘルメットシェルは、MIL-STD-662F規格の下、ライフル銃弾(AK47、AK74及びNATO弾)に対して試験し、そのような銃弾に対して貫通抵抗性を示すことが見出された。
    実施例2
    中間層で使用した樹脂が、内側区分の層で使用した同一タイプの熱可塑性ポリウレタン樹脂である点を除いて、実施例1と同様にヘルメットを製造した。 中間繊維層の樹脂含有量は20重量パーセントであった。

    ヘルメットシェルを実施例1と同様に試験し、同様の結果が得られた。
    実施例3
    内側層の樹脂がスチレン‐イソプレン‐スチレンブロックコポリマー(Kraton D-1107)である点を除いて、実施例1と同様にヘルメットを製造した。 内側繊維層の樹脂含有量は17重量パーセントであった。 ヘルメットシェルを実施例1と同様に試験し、同様の結果が得られた。

    本発明のヘルメットは軽量であり、且つ優れた対ライフル銃弾抵抗性も有する。 ヘルメットは、優れた耐衝撃性と構造的剛性をもつ。 ヘルメットは、軍事的用途及び、法執行任務用のヘルメット、スポーツ用ヘルメット、及び他のタイプの安全ヘルメットなどの非軍用用途で有用である。

    本発明を詳細に記載してきたが、そのような詳細に固執する必要はなく、当業者には、本明細書に添付したクレームに規定されている本発明の範囲内に含まれるさらなる変項及び改良・修正が想起され得ることであろう。

    QQ群二维码
    意见反馈