改質セルロース繊維に基づく酸素バリア

申请号 JP2017567602 申请日 2016-06-30 公开(公告)号 JP2018532052A 公开(公告)日 2018-11-01
申请人 ビラールドコルスネス エービー; 发明人 ラーソン、ペール; ウォーグベリ、ラーシュ;
摘要 酸素バリアとして繊維を含む材料の使用であって、繊維が天然セルロース及びジアルコールセルロースを含む、使用が提供される。繊維を含み、少なくとも1200kg/m 3 の 密度 を有する材料であって、繊維が、天然セルロース及びジアルコールセルロースを含み、ASTM D3985による材料の酸素透過度が、23℃及び80%の相対湿度で、30ml・μm(m 2 ・kPa・24時間)未満である材料も提供される。
权利要求

酸素バリアとして繊維を含む材料の使用であって、前記繊維が天然セルロース及びジアルコールセルロースを含む、使用。少なくとも80%の相対湿度での、請求項1に記載の材料の使用。前記繊維が木材繊維である、請求項1または2に記載の使用。繊維を含み、少なくとも1200kg/m3の密度を有する材料であって、前記繊維が天然セルロース及びジアルコールセルロースを含み、ASTM D3985による前記材料の酸素透過度が、23℃及び80%の相対湿度で、30ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である、材料。前記繊維が、繊維懸濁液中の前記セルロースの一部を酸化してジアルデヒドセルロースにし、続いてジアルデヒドセルロースの還元により前記ジアルコールセルロースを得ること、を含む方法によって得られ得る、請求項4に記載の材料。ジアルデヒドセルロースへの変換度が、13%超、例えば18%超、例えば20%超である、請求項5に記載の材料。ジアルデヒドセルロースへの前記変換度が、60%未満、例えば50%未満である、請求項5または6に記載の材料。前記密度が、少なくとも1250kg/m3、例えば少なくとも1300kg/m3である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の材料。ASTM D3985による酸素透過度が、23℃及び80%の相対湿度で15ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満、例えば23℃及び80%の相対湿度で12または10ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の材料。請求項4〜9のいずれか一項に記載の材料からなる紙シート。総透過率が、Shimadzu UV−2550UV−vis分光光度計の積分球付属物を装備した前記Shimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%である、請求項10に記載の紙シート。多層パッケージ材料などの多層材料であって、請求項10または11に記載の紙シートを含む、多層材料。請求項4〜9のいずれか一項に記載の材料からなるコーティングが提供された基材を含む、パッケージ材料。三次元形状を有するパッケージ構成材の形成方法であって、前記パッケージ構成要素が前記三次元形状を得るように、請求項10または11に記載の紙シート、請求項12に記載の多層材料または請求項13に記載のパッケージ材料を加圧成形するステップを含む、方法。パッケージの形成方法であって、請求項10または11に記載の紙シート、請求項12に記載の多層材料または請求項13に記載のパッケージ材料をヒートシールするステップを含む、方法。

酸素バリアとして繊維を含む材料の使用であって、前記繊維が天然セルロース及びジアルコールセルロースを含む、使用。少なくとも80%の相対湿度での、請求項1に記載の使用。前記繊維が木材繊維である、請求項1または2に記載の使用。繊維を含み、少なくとも1200kg/m3の密度を有する材料であって、前記繊維が天然セルロース及びジアルコールセルロースを含み、ASTM D3985による前記材料の酸素透過度が、23℃及び80%の相対湿度で、30ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である、材料。前記繊維が、繊維懸濁液中の前記セルロースの一部を酸化してジアルデヒドセルロースにし、続いてジアルデヒドセルロースの還元により前記ジアルコールセルロースを得ること、を含む方法によって得られ得る、請求項4に記載の材料。ジアルデヒドセルロースへの変換度が、13%超、例えば18%超、例えば20%超である、請求項5に記載の材料。ジアルデヒドセルロースへの前記変換度が、60%未満、例えば50%未満である、請求項5または6に記載の材料。前記密度が、少なくとも1250kg/m3、例えば少なくとも1300kg/m3である、請求項4〜7のいずれか一項に記載の材料。ASTM D3985による酸素透過度が、23℃及び80%の相対湿度で15ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満、例えば23℃及び80%の相対湿度で12または10ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の材料。請求項4〜9のいずれか一項に記載の材料からなる紙シート。総透過率が、Shimadzu UV−2550UV−vis分光光度計の積分球付属物を装備した前記Shimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%である、請求項10に記載の紙シート。多層パッケージ材料などの多層材料であって、請求項10または11に記載の紙シートを含む、多層材料。請求項4〜9のいずれか一項に記載の材料からなるコーティングが提供された基材を含む、パッケージ材料。三次元形状を有するパッケージ構成材の形成方法であって、前記パッケージ構成要素が前記三次元形状を得るように、請求項10または11に記載の紙シート、請求項12に記載の多層材料または請求項13に記載のパッケージ材料を加圧成形するステップを含む、方法。パッケージの形成方法であって、請求項10または11に記載の紙シート、請求項12に記載の多層材料または請求項13に記載のパッケージ材料をヒートシールするステップを含む、方法。

说明书全文

本発明は、酸素バリアの分野に関する。

セルロースは、おそらく地球上で最も豊富なバイオ系ポリマーであり、将来、持続可能であり、バイオ経済において重要な構成材になると考えられている。

しかし、セルロース繊維に基づく材料が、より高いエコロジカルフットプリントを有する材料(例えば、石油系プラスチック)に取って代わることができるようになるには、セルロース繊維に基づく材料は、多くの用途において酸素バリアを提供する必要がある。

Larssonら(Biomacromolecules 2014,15,2218−2223)は、不均質な過ヨウ素酸酸化に続いて、個々のフィブリルの外側部分における天然セルロースの酸化ホウ素還元によって生じた、延性ジアルコールセルロースのシェルに囲まれたコアシェル改質セルロースナノフィブリル(CNF)から製造した、ナノコンポジット膜の製作及び特徴付けについて記載している。過ヨウ素酸を用いた酸化により、ジアルデヒドセルロースが選択的に生成され、その工程で、材料の充填密度は増加しなかった。さらに、改質セルロース繊維は、CNFへ容易に均質化することができ、0.5〜2μmの長さで、4〜10nmの幅になることが分かった。フィルムは、緩速濾過によって製作される。80%の相対湿度で、フィルムは良好な酸素バリアとして機能した。

しかし製造されたCNFの大きな欠点は、CNFは脱水が極めて困難であり、数時間の膜形成時間が一般的であり、そのことが工業規模の工程でのCNFの使用を著しく制限する。

同時に、この分野での一般的な認識は、紙材料などのセルロース繊維に基づく材料は、特に高相対湿度では十分な酸素バリア特性を呈することができないことである。セルロース繊維に基づく材料の繊維特質は、ガス状酸素による浸透を防止するのに十分な密度の構造体の形成を妨げると考えられてきた。

しかし、本発明者らは、セルロースフィブリルと比較して、容易に脱水されるセルロース繊維に基づく材料は、繊維のセルロースが部分的にジアルコールセルロースに変換される場合、酸素バリア特性を呈することを見出した。

以下は、本開示の様々な実施形態の項目別リストである。

1.酸素バリアとして繊維を含む材料の使用であって、繊維が天然セルロース及びジアルコールを含む、使用。

2.少なくとも80%の相対湿度での、項目1に記載の材料の使用。

3.材料が紙シートである、項目1または2に記載の使用。

4.紙シートが多層紙または板紙製品の一部である、項目3に記載の使用。

5.材料が基材上のコーティングである、項目1または2に記載の使用。

6.材料の密度が、少なくとも1200kg/m3である、項目1〜5のいずれか1つに記載の使用。

7.繊維が木材繊維である、項目1〜6のいずれか1つに記載の使用。

8.繊維が、繊維懸濁液中のセルロースの一部を酸化してジアルデヒドセルロースにし、続いてジアルデヒドセルロースの還元によりジアルコールセルロースを得ることによって得られ得る、項目1〜7のいずれか1つに記載の使用。

9.繊維を含み、少なくとも1200kg/m3の密度を有する材料であって、繊維が天然セルロース及びジアルコールセルロースを含み、ASTM D3985による材料の酸素透過度が、23℃及び80%の相対湿度で、30ml・μm(m2・kPa・24時間)未満である、材料。

10.繊維が、繊維懸濁中のセルロースの一部を酸化してジアルデヒドセルロースにし、続いてジアルデヒドセルロースの還元によりジアルコールセルロースを得ることを含む方法によって得られ得る、項目9に記載の材料。

11.ジアルデヒドセルロースへの変換度が、13%超、例えば18%超、例えば20%超である、項目10に記載の材料。

12.ジアルデヒドセルロースへの変換度が、60%未満、例えば50%未満である、項目10または11に記載の材料。

13.ジアルデヒドセルロースへの変換度が、22%〜49%、例えば24%〜45%である、項目10〜12のいずれか1つに記載の材料。

14.繊維懸濁液のショッパーリグラー数が、少なくとも15°SR、例えば少なくとも20°SR、例えば少なくとも25°SR、例えば少なくとも30°SRである、項目10〜13のいずれか1つに記載の材料。

15.密度が、少なくとも1250kg/m3、例えば少なくとも1300kg/m3である、項目9〜14のいずれか1つに記載の材料。

16.密度が、1600kg/m3未満である、項目9〜15のいずれか1つに記載の材料。

17.ASTM D3985による酸素透過度が、23℃及び80%の相対湿度で、25または15ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満、例えば、23℃及び80%の相対湿度で12または10ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である、項目9〜16のいずれか1つに記載の材料。

18.項目9〜17のいずれか1つに記載の材料からなる、紙シート。

19.総透過率が、Shimadzu UV−2550UV−vis分光光度計の積分球付属品を装備したShimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%である、項目18に記載の紙シート。

20.項目18または19に記載の紙シートを含む、板紙材料。

21.項目18もしくは19に記載の紙シート、または項目9〜17のいずれか1つに記載の材料で構成される層を含むパッケージ材料。

22.多層材料である、項目21に記載のパッケージ材料。

23.項目9〜17のいずれか1つに記載の材料からなるコーティングを備える基材を含む、パッケージ材料。

24.三次元形状を有するパッケージ構成材を形成する方法であって、パッケージ構成材が三次元形状を得るように、項目18または19に記載の紙シート、項目20に記載の板紙材料または項目21に記載のパッケージ材料を加圧成形するステップを含む、方法。

25.紙シートの加圧成形から得られるパッケージ構成材の総透過率が、分光光度計の積分球付属品を装備したShimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、少なくとも60%、例えば少なくとも70%である、項目24に記載の方法。

26.紙シートの加圧成形から得られるパッケージ構成材のヘイズが、分光光度計の積分球付属品を装備したShimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、40%未満、例えば30%未満である、項目24または25に記載の方法。

27.項目18〜23のいずれか1つに記載の紙シート、板紙材料またはパッケージ材料をヒートシールするステップを含む、パッケージを形成する方法。

図1は叩解繊維及び未叩解繊維の酸化度を、反応時間の関数として示す。

図2は叩解繊維または未叩解繊維から製造された様々な繊維シートの、150℃及び16MPaで、2分間の加熱加圧前後の密度を示す。シートに使用されるジアルコール含有繊維の調製におけるジアルデヒドセルロースへの変換度は、0%、13%、20%、24%、36%または40%である。図2に表された値は、最低8回の測定値の平均であり、95%信頼限界とともに示されている。

図3は(550nmの波長で測定された)図2と同じシートの総透過率(3A)及びヘイズ(3B)を示す。試料の平均の厚さは、非加圧参照と加圧参照でそれぞれ183μmと150μmであり、全改質試料の厚さは、加圧前は120〜150μmの範囲であり、加圧後は100〜120μmの範囲であった。

図4は図2のシートのいくつかのDMTAを示す。図4Aは貯蔵弾性率を示し、図4Bはtanδを示す。各曲線は、4測定値の平均である。

図5Aはt型剥離試験のセットアップ図を示す。

図5Bは酸化−還元(150℃、16MPaで2分間)し、加熱加圧した二枚の紙を剥がす剥離−曲線を示す。

本開示の第1の態様として、酸素バリアとして繊維を含む材料の使用が提供され、繊維は天然セルロース及びジアルコールを含む。

本開示の文脈において、「繊維」は、少なくとも1μmの平均直径を有する。本開示の繊維の平均直径は、通常少なくとも5μm、例えば少なくとも8μm、例えば少なくとも12μmである。

本開示の繊維の平均長さは、好ましくは少なくとも0.3mm、例えば0.3〜4mmである。

本開示の繊維は、好ましくはリグノセルロース起源である。

さらに、本開示の繊維は、好ましくは木材繊維である。

一実施形態では、ASTM D3985による材料の酸素透過率は、23℃及び80%の相対湿度(RH)で、50または30ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である。好ましくは、ASTM D3985による酸素透過度は、23℃及び80%の相対湿度で、25ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である。酸素透過度は、23℃及び80%の相対湿度で、15、12または10ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満でよい。

材料の繊維は、繊維懸濁液中のセルロースの一部を酸化してジアルデヒドセルロースにし、続いてジアルデヒドセルロースの還元によりジアルコールセルロースを得ること、を含む方法によって得られ得る。

本開示の繊維の調製では、ジアルコールセルロースへの還元より前のセルロースのジアルデヒドセルロースへの変換度は、好ましくは、13%超、例えば18%超または20%超である。さらに、変換度は60%未満、例えば50%未満でよい。一実施形態において、変換度は、22%〜49%、例えば24%〜45%である。

ジアルデヒドセルロースへのセルロースの変換度は、以下に記載される方法「カルボニル含有量の決定」を使用して決定され得る。

材料の繊維を調製する方法において使用される繊維懸濁液は、叩解繊維の懸濁液でよい。

ショッパーリグラー数(°SR)は、繊維懸濁液の排水性を表し、繊維懸濁液が供される機械的処理、例えば叩解の量の有用な指数となる。したがって、繊維懸濁液の耐脱水性は、少なくとも15°SR、例えば少なくとも20°SR、例えば少なくとも25°SR、例えば少なくとも30°SRであり得る。

酸素バリア特性は、高相対湿度、すなわち80%の相対湿度でも得られるということが見出された。多くの用途で、酸素バリアがこうした高い相対湿度で効果的であることが必要であることから、第1の態様の使用が、特に有効である。よって、第1の態様の使用は、少なくとも80%、例えば少なくとも90%の相対湿度での使用である。

材料は、好ましくは、シートまたはフィルムの形状を有する。このようなシートまたはフィルムの厚さは、10〜250μm、例えば20〜200μm、例えば30〜200μm、例えば50〜170μmでよい。例えば、材料は、繊維構造の材料である紙シートでよい。このような紙シートは、多層紙または板紙製品の酸素バリア層の形成が可能である。多層製品は、互いが独立して製造される積層体でよい。例えば、酸素バリア層は、ジアルコールセルロースを含まない繊維の少なくとも1つの紙層に積層されてよい。あるいは、多層製品は、製紙機械において既に形成されてよい。例えば、酸素バリア層は、1つのヘッドボックスによって形成されることができる一方で、ジアルコールセルロースを含まない繊維の層などの別の紙層が、同じ機械の別のヘッドボックスによって形成される。同じ製紙機械において複数のヘッドボックスを使用することは、製紙分野では周知である。層化ヘッドボックスを使用して、多層製品の層を形成することも可能である。

多層製品の一実施形態では、酸素バリア層は、未改質繊維の2つの層の間に挟まれている。それによって、酸素バリア層が保護される。そのように挟まれた製品が製紙機械で既に製造された場合、未改質繊維と比較して、ジアルコールセルロース繊維の高粘着性に関連する問題が防止される。

第1の態様の別の実施形態では、材料は基材上のコーティングである。そのような実施形態では、セルロース及びジアルコールセルロースを含む繊維の懸濁液は、基材に塗布されてよく、懸濁液が乾燥してコーティングを形成した際に材料が形成されてよい。

第1の態様の材料の密度は、好ましくは、少なくとも1200kg/m3、例えば少なくとも1250kg/m3、例えば少なくとも1300kg/m3である。このような高密度に達するには、ジアルコールセルロースへの部分的な変換用に叩解繊維が選択されてよい。選択的に、または補足として、ジアルコールセルロースを含む繊維のシートは、例えば、少なくとも3MPa、例えば少なくとも5、10.15または20MPaの圧力で加圧されてよい。

加圧操作において、材料は、70〜220℃、好ましくは70〜200℃、例えば80〜160℃、例えば80〜140℃の温度に加熱されてよい。

そのような加圧操作は、45〜320℃、例えば50〜300℃、例えば70〜250℃、例えば70〜220℃の温度を有する器具によって行われてよい。例えば、器具はつや出し機の巻き込みでよい。器具は、加圧成形操作における雄型及び/または雌型器具でもよい。加圧成形を、以下でさらに論ずる。

熱器具の代替または補足とは、熱風または熱流で材料を加熱することである。

いくつかの用途では、透明材料が所望され、本開示の材料は、比較的高い透明性を有することが可能である。例えば、材料のシートまたはフィルムの総透過率は、分光光度計の積分球付属品を装備したShimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%が可能である。

低ヘイズは、いくつかの用途で所望される別の特性である。本開示の材料のシートまたはフィルムのヘイズは、分光光度計の積分球付属品を装備したShimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、例えば60%未満、例えば50%未満、例えば40%未満、例えば30%未満である。

このような透過度及び/またはヘイズを有するシートまたはフィルムの厚さは、好ましくは、50〜250μm、例えば50〜200μm、例えば70〜200μm、例えば80〜170μmである。

本開示の第2の態様として、繊維を含み、少なくとも1200kg/m3、例えば少なくとも1250kg/m3、例えば少なくとも1300kg/m3の密度を有する材料が提供される。繊維は、天然セルロース及びジアルコールセルロースを含む。ASTM D3985による材料の酸素透過度は、23℃及び80%相対湿度で、50または30ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である。

第1の態様の実施形態を、必要な変更を加えて第2の態様に適用するとしても、第2の態様のいくつかの実施形態を、以下で詳しく論じる。

ASTM D3985による材料の酸素透過度は、好ましくは、23℃及び80%の相対湿度で、15ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満、例えば23℃及び80%の相対湿度で、12または10ml・μm/(m2・kPa・24時間)未満である。

第2の態様の材料は、フィルムまたはシート、例えば紙シートでよい。シートは、多層紙または板紙製品の層形成が可能である。別の実施形態では、第2の態様の材料は、基材上にコーティングを形成する。このようなコーティング基材は、パッケージ材料でよい。

紙シートは透明でよい。したがって、紙シートの総透過率は、分光高度計の積分球付属品を装備したShimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により、550nmの波長で測定される、少なくとも40%、例えば少なくとも50%、例えば少なくとも60%、例えば少なくとも70%でよい。このような透過度を有する紙シートの厚さは、好ましくは50〜250μm、例えば50〜200μm、例えば70〜200μm、例えば80〜170μmである。さらに、紙シートのヘイズは、上記で定義された通りでよい。

上記から続いて、本開示は、第2の態様による紙シートを含む板紙材料を提示する。板紙材料は、好ましくは多層を有する。多層板紙の様々な実施形態については上述した。本開示の板紙材料の坪量(ISO536)は、例えば120〜800g/m2、例えば150〜600g/m2、例えば224〜500g/m2でよい。本開示の板紙材料の厚さ(ISO534)は、例えば200〜800μm、例えば250〜600μmでよい。

本開示の材料は、熱可塑性の特性を有することが、予期せず見出された。したがって、三次元形状を有するパッケージ構成材を形成する方法も提供される。このような方法は、パッケージ構成材が三次元形状を得るように、上記の紙シート、板紙材料またはコーティング基材を加圧成形するステップを含む。加圧成形操作では、材料を、70〜220℃、好ましくは70〜200℃、例えば80〜160℃、例えば80〜140℃の温度に加熱してよい。

加圧することで三次元形状をもたらすだけでなく、加圧することで紙シートの透過度を上昇させ、かつ/またはヘイズを低下させることも可能である。したがって、紙シートの加圧成形後、パッケージ構成材は、(上記の通りに測定されたとき)60または70%超の総透過率及び/または50または40%未満のヘイズを有してよい。

一般に密封特性及び特にヒートシール特性が、パッケージ用途におけるガスバリアに所望される。以下に説明する剥離試験は、本開示の材料の2層が、熱を用いて互いに密封され得ることを示している。したがって、(上記の)紙シート、(上記の)板紙材料または(上記の)パッケージ材料を密封するステップ、好ましくはヒートシールするステップを含む、パッケージを形成する方法が提供される。密封において、第2の態様の材料の2つの表面は、例えば、圧力及び/または熱を用いて、互いに密封されてよい。密封操作において、材料は、70〜220℃、例えば70〜200℃、例えば80〜200℃、例えば90〜180℃の温度に加熱されてよい。密封操作における圧力は、少なくとも3MPa、例えば少なくとも5、10、15MPaでよい。

材料 繊維 漂白軟材クラフト繊維(K46)が、SCA Forest Products(Oestrand Pulp mill,Timraa,Sweden)から供給された。材料の一部分を未叩解のままとし、一部を160W時/kg(約30°SR)のエネルギー入力に合わせたフォイトミルで叩解した。いわゆる微粒子と呼ばれる小粒子物質を、ブリット動的排水ジャー(Britt Dynamic Drainage Jar)を使用して未叩解繊維(3〜4%)及び叩解繊維(8〜10%)の両方から除去した。

化学薬品 (メタ)過ヨウ素酸ナトリウムが、Alfa Aesarにより提供され(98%)、水素化ホウ素ナトリウム及び塩酸ヒドロキシルアミンが、Sigma−Aldrichにより供給された。塩酸、水酸化ナトリウム、イソプロパノール(純度≧99.8%)及びリン酸ナトリウムなどの他の化学薬品は、分析グレードであった。

方法 繊維改質 4g/lの繊維濃度で、緩やかに攪拌したビーカーに、繊維1グラム当たり過ヨウ素酸塩5.4グラムを加えることにより、繊維を部分的に酸化してジアルデヒドセルロースにした。ラジカルの形成及び不必要な副反応を制限するために、暗い場所で反応を実施した。酸化6時間後、12時間後または24時間後に、繊維の濾過及び洗浄により、反応を停止した。次いで、繊維を4g/lまで懸濁させ、形成されたジアルデヒドセルロースを、繊維1グラム当たり水素化ホウ素ナトリウム0.5グラムを加えることにより、ジアルコールセルロースに還元した。水素化ホウ素ナトリウムを加えると同時にpHが上昇するのを制限するために、0.01Mに対応する量で、一塩基性リン酸ナトリウムを水素化ホウ素塩と共に加えた。還元時間を4時間で一定に保ち、続いて濾過、徹底した洗浄を行った。

カルボニル含有量の決定 カルボニル含有量を、Zhaoら(塩酸ヒドロキシルアミン法によるポリアルデヒドデキストラン中のホルミル基の置換度の決定、Pharm.Res.8:400−402(1991))に基づくプロトコルによって決定した。繊維を水に懸濁させ、pH4に調節し、続いてゲル状粘度まで脱水した。次に、これらの繊維の約0.25g(乾燥ベース)を、0.25Mの塩酸ヒドロキシルアミン溶液25mlと共に、予計量した濾紙を使用して濾過によって繊維を溶液から分離する前に、pH4で少なくとも2時間、撹拌した。次いで、繊維の正確な質量を、濾紙のオーブン乾燥によって決定し、カルボニル量を、0.10Mの水酸化ナトリウムを用いてpH4まで逆滴定することにより決定した。各酸化時間で2〜3の個々の酸化を実施し、塩酸ヒドロキシルアミンを用いて各反応を3回実施した。

シート調製 約150g/m2の坪量を有する手すきシートを、Rapid Koethenシート成形機(Paper Testing Instruments,Austria)において水道水を使用して調製した。シートを、93℃及び95kPaの減圧下で、まず15分間、標準のシート形成機の担体板に取付けられた400メッシュの金網間で、次に2分間、通常の担体板間で乾燥させた。次にシートを、23℃及び50%の相対湿度で、先の試験まで保存した。

加圧 直径40mmを有する円形試料を、Fontijne TP400プレス(Fontijne Grotnes,The Netherlands)における2つの光輝焼鈍鋼ディスク間で、同一面積の長方形(幅20mm、長さ63mm)の鋼プレートを使用した剥離試験を除いて、全てのさらなる分析用に加熱加圧した。圧力、温度及び時間の組み合わせは、16MPa、150℃及び2分間であった。

厚さ及び密度 SCAN−P88:01に従って、平均構造厚として、加圧前後の厚さを測定した。次に厚さと試験片の面積及び質量とを共に使用して、材料の密度を計算した。

動的機械熱分析(DMTA) 引張モードで操作したTA Instruments Q800にてDMTAを実施した。発振周波数及び振幅は、それぞれ1Hz及び10μmであり、温度スキャンを、20〜300℃の範囲の温度で(または試料が破損するまで)、3℃/分の速度で実施した。各改質度について、幅約3mm、厚さ100〜180μm、及びクランプ間の距離約8mmを有した試験片を使用して、4つの複製品を試験した。

剥離試験 T型剥離試験を、500Nロードセルを装備したInstron 5944にて、20mm/分のひずみ速度を使用して、23℃及び50%の相対湿度に制御された空調で実施した。試験の前に、上記に記載されるように、2つの幅20mmの改質セルロースのストリップを加熱加圧し、2つのストリップを途中で融合させ、4つの自由端を残した。次に融合ストリップを、半分に切り、幅20mm及び長さ約30mmの融合面積を有する2つのT型試験片を得た。4つの試験片の合計を評価した。図5も参照のこと。

光学 加圧シート及び非加圧シートの光学特性を、分光光度計の積分球付属品を装備したShimadzu UV−2550UV−vis分光光度計により分析した。各試料を3か所のランダムなスポットで分析し、3つの非加圧試料及び2つの加圧試料を、各改質度にわたって評価した。

酸素透過度 酸素透過度を、ASTM D3985標準に従って、MOCON(Minneapolis,MN,USA)OX−TRAN2/21を使用して5cm2の試料で評価した。酸素透過度測定を、23℃及び50%の相対湿度または80%の相対湿度で、試料の両面に同じ相対湿度を使用して、実施した。バリア特性を示す試料に対して、各相対湿度で4つの試料を評価した。

結果 カルボニル含有量 叩解繊維及び未叩解繊維の酸化度を、反応時間の関数として、図1に示す。0〜40%の範囲において、反応時間と共に酸化度が上昇する。酸化度は、このように反応時間を制御することによって制御される可能性がある。

酸化度の上昇は、叩解繊維及び未叩解繊維の両方で略直線状である。しかし、酸化速度は、叩解繊維の方がわずかに高い。

密度&加圧性 150℃及び16MPaで2分間の加熱加圧前後の製造シートの密度を、図2に示す。

繊維が叩解されたもしくは叩解されていないかどうか、またはシートが加圧されたもしくは加圧されていないかどうかに関係なく、ジアルコールセルロースに還元する前の酸化度が24%、36%または40%である場合、1200kg/m3超のシート密度が得られることが示される。ジアルコールセルロースに還元する前に20%に酸化された未叩解繊維のシート、またはジアルコールセルロースに還元する前に13%に酸化された叩解繊維のシートについて、加圧後のみで1200kg/m3超の密度を得た。未改質叩解繊維のシートは、加圧後でも1000kg/m3よりかなり低い密度を有した。

光学特性 図3は、550nmの波長で測定した、加圧試料及び非加圧試料の総透過率(a)及びヘイズ(b)を示す。ジアルコールへの変換度が増加した場合、総透過率が上昇し、ヘイズが低下することが示される。さらに、加圧することにより、透過率が上昇し、ヘイズが低下する。

熱可塑性 図4は、異なる試料のDMTAを示し、改質度が上昇すると熱可塑性特性が顕著に強まる結果となる一方で、未処理材料は、事実上温度による影響を受けないと結論づけられてよい。24%以上の酸化度で調製された試料に対して、図4は、1つは70〜120℃で、もう1つは160〜180℃での2つの変化の兆しを示し、最初の変化はジアルコールセルロースのガラス転移に関連し、後者の変化はジアルコールセルロースの流れの変化に関連すると想定され得る。全体的に、このことは、材料が加圧成形に適しているということを示している。

剥離試験 図5Bは、本開示により改質されたセルロース繊維の2つのストリップシートが、加熱加圧後に互いにしっかりと付着することを示す。したがって、2つの片は接着剤の補助なしで互いに密封された。さらに、加熱加圧した領域は、高透過度を示したが、これはストリップ間の密封がしっかりと固定されていることを示している。

酸素バリア特性 表1.酸化し、還元した繊維のシートの加圧前後の透過度。値は4つの測定値の平均であり、95%信頼限界とともに示される。変換度を、ジアルコールセルロースに還元する前の酸化度として測定した。シートの密度を、図2に示している。

24%または40%の変換度に変換された叩解繊維のシートは、叩解繊維のシートが加圧されていても加圧されていなくても50%の相対湿度と同様に80%の相対湿度(RH)においても十分な酸素バリア特性を示した。これらのシートが、1200kg/m3超の密度を有することも注目に値する(図2を参照のこと)。36%の変換度へと変換された未叩解繊維のシートは、加圧後に、50%の相対湿度と同様に80%の相対湿度(RH)においても十分な酸素バリア特性を示した。加圧することにより、シートの密度が、1200kg/m3超に増加したことは注目に値する。

表1のデータは、微粒子が除去された繊維懸濁液から得られたシートに基づく。微粒子が除去されていなかった場合、より低い変換度は、十分な酸素バリア特性をもたらすだろうと予想される。

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