使用者の移動性の一助となる衣服とカバーの組合せ

申请号 JP2015553205 申请日 2014-01-15 公开(公告)号 JP2016511330A 公开(公告)日 2016-04-14
申请人 ナンシー マクガバーン; ナンシー マクガバーン; 发明人 ナンシー マクガバーン; ナンシー マクガバーン;
摘要 層間摩擦を低減するための機械編み第1の層と織生地第2の層の組合せを提供する。機械編み第1の層は、第1のベクトルを有する上面と第2のベクトルを有する下面とを含み、又は粗さベクトルを含み、織生地第2の層は、長いベクトル又は粗さベクトル及び短いベクトルを有する上面、及び下面を有する。第1の層の上面又は下面は、第2の層の上面と 接触 するものであり、長いベクトル又は粗さベクトルに対する第1若しくは第2のベクトル又は粗さベクトルの 配向 は第1の層と第2の層の摩擦を制御し、使用時、層間の摩擦が低下するように、又は横若しくは縦移動の一方のみで摩擦が選択的に低下するように、これらの層が配向される。【選択図】図1
权利要求

衣服と、1層の織生地を含むシートとを含む、低摩擦組合せであって、前記衣服は、第1のベクトル又は粗さベクトルを有する表面を有する機械編生地を含み、前記織生地は、長いベクトル及び短いベクトル、又は粗さベクトルを有する表面を含み、前記機械編の前記表面の少なくとも一部と前記シートの一部は、前記衣服と前記シートの摩擦を低減するように約45度から約135度のベクトル度で向きが調整され、前記シートの残りは、前記衣服と前記シートの摩擦を増加させる向きに調整される、低摩擦組合せ。前記織生地がシート状のパネルである、請求項1に記載の組合せ。前記ベクトル角度が約90度である、請求項1又は2に記載の低摩擦組合せ。前記衣服が、ナイトガウン、病衣、肌着、パンツ、パジャマ、シャツ、ドレス、ショーツ、ボクサーパンツ、スカート、靴下、運動着、袖、内張り、運動競技のパッド及びガードの下のすね当て、装具及び支持具からなる群から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組合せ。前記機械編生地が、各々絹、ポリエステル又はナイロンの1種類以上を含むジャージ編み、ピケ、トリコット、インターロック編み又はマイクロメッシュである、請求項1から4のいずれか一項に記載の組合せ。前記生地が各々エラステインを含む、請求項5に記載の組合せ。前記織生地がサテン織りである、請求項1から6のいずれか一項に記載の組合せ。前記織生地がシートである、請求項1に記載の組合せ。前記機械編生地がポリエステルインターロック編みである、請求項8に記載の組合せ。衣服と1層の織生地とを含む、方向選択的な摩擦を有する組合せであって、前記衣服は、第1のベクトル又は粗さベクトルを有する表面を有する機械編生地を含み、前記織生地は、長いベクトル及び短いベクトル又は粗さベクトルを有し、前記織生地の表面の一部のみが、横又は縦移動の一方のみに対して、前記衣服と前記織生地の摩擦を増加させるように、前記機械編生地と約0度から約15度のベクトル角度で接触する向きに調整された、組合せ。前記機械編生地の前記第1のベクトル又は前記粗さベクトルと前記織生地の前記長いベクトル又は粗さベクトルが、前記織生地の前記表面の前記一部において平行である、請求項10に記載の組合せ。前記生地が横移動の摩擦を低減する向きに調整された、請求項10又は11に記載の組合せ。前記編生地が100%ポリエステルマイクロメッシュである、請求項10から12のいずれか一項に記載の組合せ。前記機械編生地の前記表面が前記粗さベクトルを有する、請求項10から13のいずれか一項に記載の組合せ。前記機械編生地がポリエステルインターロック編みである、請求項10から14のいずれか一項に記載の組合せ。前記織生地がシート又はシート状のパネルである、請求項10から15のいずれか一項に記載の組合せ。第1のベクトル又は粗さベクトルを有する表面を有する機械編生地である第1の層と、長いベクトル及び短いベクトル又は粗さベクトルを有する上面を有する織生地である第2の層とを含む、組合せであって、前記第1の層の前記表面が前記第2の層の前記上面と接触し、前記第2の層の長いベクトル又は粗さベクトルに対する前記第1の層の第1のベクトル又は粗さベクトルの配向が、前記第1の層と前記第2の層の摩擦を制御し、使用時、横又は縦移動の一方のみで摩擦が選択的に低下するように前記層が配向される、組合せ。前記織生地が衣服である、請求項17に記載の組合せ。前記衣服が、ナイトガウン、病衣、肌着、パンツ、パジャマ、シャツ、ドレス、ショーツ、ボクサーパンツ、スカート、靴下、運動着、運動競技のパッド及びガードの下の袖及びすね当て、装具及び支持具からなる群から選択される、請求項18に記載の組合せ。横移動が低摩擦であり、縦移動が高摩擦である、請求項19に記載の組合せ。前記第1の層の第1のベクトル又は粗さベクトルが、前記組合せの第1のセクションにおいて前記第2の層の長い又は粗さベクトルに平行である、請求項20に記載の組合せ。前記第1の層の第1のベクトル又は粗さベクトルが、前記組合せの第2のセクションにおいて前記第2の層の長い又は粗さベクトルに直交している、請求項21に記載の組合せ。患者を表面上で移動させるのを助けるアームチューブであって、スリーブが、前記アームチューブと適切に選択された衣服を着た患者の間の横移動に対して低摩擦及び縦移動に対して高摩擦をもたらすベクトル角度を与えるように配置された第1の生地を含む上側と、前記アームチューブと適切に選択された表面の間の横移動に対して低摩擦及び縦移動に対して高摩擦をもたらすベクトル角度を与えるように配置された第2の生地を含む下側とを含む、アームチューブ。前記上側が織生地であり、前記患者の衣服が機械編生地であり、前記下側が機械編生地であり、前記表面が織生地であり、前記ベクトル角度が約90度である、請求項23に記載のアームチューブ。3上1下又は4上1下の織生地と機械編生地を含む組合せであって、前記織生地が長いベクトルを有し、前記機械編生地が第1のベクトル及び第2のベクトルを有し、前記第1及び第2のベクトルに対する長いベクトルの直交配向が全方向の移動に伴う低摩擦をもたらし、前記第1及び第2のベクトルに対する長いベクトルの平行配向が両方ではないが横又は縦方向の移動に伴う高摩擦をもたらす、組合せ。1個を超える第1のベクトル、第2のベクトル又は粗さベクトルを所与の表面に有する機械編生地であって、前記1個を超えるベクトルが前記生地内に異なる摩擦域をもたらす、機械編生地。1個を超える長いベクトル又は粗さベクトルを所与の表面に有する織生地であって、前記1個を超えるベクトルが前記生地内に異なる摩擦域をもたらす、織生地。3上1下又は4上1下の織生地と機械編生地を含む組合せであって、前記織生地が長いベクトルを有し、前記機械編生地が第1のベクトル及び第2のベクトルを有し、前記第1及び第2のベクトルに対する長いベクトルの平行配向が全方向の移動に伴う低摩擦をもたらし、前記第1及び第2のベクトルに対する長いベクトルの直交配向が両方ではないが横又は縦方向の移動に伴う高摩擦をもたらす、組合せ。

说明书全文

本技術は、使用者とベッド、椅子、車の座席などの表面との摩擦を低減する生地(fabric)の特定の組合せの使用に関する。より具体的には、本技術は、織生地(weave fabric)でできたカバーと組み合わせた、伸縮性機械編生地(knit fabric)でできた衣服、又はその逆に関する。

人々が年をとるにつれ、我々は、自宅に住んで身体介護を必要とする人の数が増加していることに直面する。自宅で年をとり、それによって、推定需要よりも少ない住宅型介護施設に入所せずにすませたいという望みをかなえるヘルスケア支援システムが次第に開発されてきている。ほとんどの人は、家の周りを自由かつ安全に歩行できなくなることが、自宅を離れ、介護施設に移らなければならない主な理由と考えているが、多数の高齢者を悩ませるはるかに油断のならない移動性の問題がある。そのうち最も重要なことの1つは、椅子、ベッド、車の座席などの表面に移動できることである。同様に重要なことは、衣類を容易に着脱できないことである。当然、これらの心配は、移動性の問題がある若年者でも同様に重要である。安静時の移動性を改善すると、多数の人々の夜の睡眠を改善できることも考えられる。

人と表面の摩擦を低減する問題に取り組んだ先行技術がある。この先行技術の大部分は、寝たきりの人のじょくそう及び関連疾患の軽減や、仰臥位の患者を移動させる介護者の補助を対象とする。例えば、特許文献1は、2層のトリコット生地でできた2枚重ねの生地低摩擦界面を開示している。各層は光沢面を有し、2層の生地の光沢面は対向している。生地の各層は機械方向Mを有し、複数の層の生地は、一層の機械方向Mが他層に垂直であるように位置する。衣服は、低摩擦域、及び低摩擦域に隣接した高摩擦域を含み、高摩擦域の材料は、低摩擦域の材料と異なる。低摩擦域は、対向した光沢面を有する2層の生地を含み、その機械方向Mは垂直に配向している。生物に衣服を着せることを含む、皮膚創傷を防止又は治療する方法も記述されている。

別の一例は、特許文献2にあり、創傷、火傷、じょくそうなどの摩擦を防止するために肘、膝、脚、ふくらはぎなどに使用される選択的体部分保護手段が開示されている。保護手段は、体部分に接触する第1の不織布、及び第1の不織布に接触する第2の摩擦のない生地、及び第2の摩擦のない生地に接触し、支持体上に置かれた第3の摩擦のない生地を含む。第1及び第2の生地は、典型的には、選択的体部分を包むように形成され、連結される。

生地間の摩擦を低減する技術の別の適用例は、患者の移動にある。特許文献3においては、ベッド、静止面(resting surface)、検査台などに横臥した人体の移動を容易にするのに有用である生地装置が開示されている。生地装置は、HANDI−WIPE(登録商標)材料に類似した不織材料でできた第1の生地を含む。この第1の生地は、織られた合成材料、更にはプラスチックシートなどの比較的摩擦のない材料の同一サイズ及び形状の第2の生地に固定される。

別の一例は特許文献4にあり、患者移動の方法及び装置が開示されており、不明な低摩擦材料を使用して、仰臥位の人や他の体を2つのプラットフォーム間で移動又は移送するのを助け、平均未満のの単一の介護者が非改良ベッドと例えば輸送装置の一部であり得る第2の表面の間のかかる移送を実施することを可能にするものである。

特許文献5及び特許文献6においては、ポリエステル繊維の同じ織りの第2の層に付着し隣接する上部及び下部の織られた表面を有する、織られたポリエステル繊維の第1の層で構築された低摩擦生地が開示されている。第2の層は、上面及び下面を有する。生地はサテン織り(上4下1(over four and under one))を有する。織りパターンの縦糸中にまっすぐな糸を含む織られた層の各々。層の織りは、互いに90度の度で配向している。この生地は、靴下、包帯、靴の中敷き、シート、枕カバー及び他の寝具(bed linen)における使用が企図される。

特に移動性又は柔軟性が低下した人々のために着脱が容易であり、快適である衣類と、衣類と一緒に使用したときに少なくとも1方向の低摩擦移動と少なくとも1つの別の方向の高摩擦移動をもたらす生地表面とを含む組合せが必要である。

米国特許出願公開第20110167532号公報

米国特許第5,123,113号明細書

米国特許第4,944,053号明細書

米国特許第6,349,432号明細書

米国特許第7,281,549号明細書

米国特許出願公開第20080121305号公報

本技術は、1方向以上、すなわち前後横方向、又は上下、縦方向の低摩擦移動、及び好ましくは、少なくとも1つの別の方向の高摩擦を可能にする組合せを提供する。有利には、生地組合せを選択することによって、適切に選択された生地と組み合わせたときに以下を与える、快適で着脱が容易な衣類を得ることができる。

1.縦方向に高摩擦であり、したがって縦の移動が制限される、良好な前後の横移動、 2.横方向に高摩擦であり、したがって横の移動が制限される、良好な上下の縦移動、 3.横方向に低摩擦である、1方向のみ、好ましくは上向きに良好な縦移動、 4.全方向においてすべての配向でほとんどの試験生地と低摩擦であるタフタを含む、全方向において1つ以上の配向で低摩擦、及び 5.全方向の低摩擦と、縦方向に高摩擦である良好な前後の横移動、又は1方向のみの良好な縦移動との組合せ。

特に、本技術は、衣服と1層の織生地とを含む低摩擦組合せを提供する。衣服は、第1のベクトル又は粗さベクトルを有する表面を有する機械編生地を含む。織生地は、長いベクトル及び短いベクトル、又は粗さベクトルを有する表面を含む。機械編生地の表面の少なくとも一部は、織生地の表面と約45度から約135度のベクトル角度で接触して、衣服と織生地の摩擦を低減するように構成される。

好ましくは、ベクトル角度は約90度である。

衣服は、好ましくは、ナイトガウン、病衣、肌着、パンツ、パジャマ、シャツ、ドレス、ショーツ、ボクサーパンツ、スカート、靴下、運動着、袖、内張り、運動競技のパッド及びガードの下のすね当て、装具及び支持具からなる群から選択される。

4.機械編生地が、各々絹、ポリエステル又はナイロンの1種類以上を含むジャージ編み、ピケ、トリコット、インターロック編み又はマイクロメッシュである、請求項3に記載の組合せ。

有利には、機械編生地は、各々絹、ポリエステル又はナイロンの1種類以上を含むジャージ編み、ピケ、トリコット、インターロック編み又はマイクロメッシュである。

機械編みは、エラステインを含んでも、含まなくてもよい。

織生地は、エラステインを含む又は含まない、サテン織りとすることができる。

好ましくは、織生地は、シート又はシート状のパネル(a panel in a sheet)である。

最も好ましくは、機械編生地は、ポリエステルインターロック編みである。

好ましくは、衣服の機械編生地の一部は、衣服と織生地の摩擦を低減する向きに調整され、衣服の残りは、衣服とシートの摩擦を増加させる向きに調整される。

あるいは、シートの一部は、衣服とシートの摩擦を低減する向きに調整され、シートの残りは、衣服とシートの摩擦を増加させる向きに調整される。

別の一実施形態においては、衣服と1層の織生地とを含む、方向選択的な摩擦を有する組合せを提供する。衣服は、第1のベクトル又は粗さベクトルを有する表面を有する機械編生地を含む。織生地は、長いベクトル及び短いベクトル又は粗さベクトルを有する。織生地の表面の一部のみが、横又は縦移動の一方のみに対して、衣服と織生地の摩擦を増加させるように、機械編生地と約0度から約15度のベクトル角度で接触する向きに調整される。

好ましくは、機械編生地の第1のベクトル又は粗さベクトルと織生地の長いベクトル又は粗さベクトルは、織生地の表面の一部において平行である。

有利には、生地は、横移動の摩擦を低減する向きに調整される。

好ましくは、機械編生地の表面は粗さベクトルを有する。

好ましくは、機械編生地は、(エラステインを含む又は含まない)ポリエステルインターロック編みであり、織生地は100%ポリエステルである。

好ましくは、織生地は、シート又はシート状のパネルである。

別の一実施形態においては、第1のベクトル又は粗さベクトルを有する表面を有する機械編生地である第1の層と、長いベクトル及び短いベクトル又は粗さベクトルを有する上面を有する織生地である第2の層とを含む、組合せを提供する。第1の層の表面は第2の層の上面と接触する。第2の層の長いベクトル又は粗さベクトルに対する第1の層の第1のベクトル又は粗さベクトルの配向は、第1の層と第2の層の摩擦を制御し、使用時、層間の摩擦が低下するように、又は横若しくは縦移動の一方のみで摩擦が選択的に低下するようにこれらの層が配向される。

好ましくは、織生地は衣服である。

より好ましくは、衣服は、ナイトガウン、病衣、肌着、パンツ、パジャマ、シャツ、ショーツ、ボクサーパンツ、スカート、ドレス、靴下、運動着、運動競技のパッド及びガードの下の袖及びすね当て、装具及び支持具からなる群から選択される。

最も好ましくは、横移動が低摩擦であり、縦移動が高摩擦である。

有利には、第1の層の第1のベクトル又は粗さベクトルは、組合せの第1のセクションにおいて第2の層の長い又は粗さベクトルに平行である。

さらに、第1の層の第1のベクトル又は粗さベクトルは、組合せの第2のセクションにおいて第2の層の長い又は粗さベクトルに直交する。

別の一実施形態においては、患者を表面上で移動させるのを助けるアームチューブを提供する。スリーブは、アームチューブと適切に選択された衣服を着た患者の間で低摩擦を生じるベクトル角度を与えるように配置された第1の生地を含む上側と、アームチューブと適切に選択された表面の間で低摩擦を生じるベクトル角度を与えるように配置された第2の生地を含む下側とを含む。

好ましくは、上側は織生地であり、患者衣服は機械編生地であり、下側は機械編生地であり、表面は織生地であり、ベクトル角度は約90度である。

別の一実施形態においては、機械編生地と100%ポリエステルタフタ生地を含む組合せを提供する。機械編生地は粗さベクトルを有し、タフタ生地は粗さベクトルを有し、粗さベクトルの配向はベクトル角度を規定する。生地間の摩擦は、すべてのベクトル角度で低い。

別の一実施形態においては、3上1下又は4上1下の織生地と機械編生地を含む組合せを提供する。織生地は長いベクトルを有し、機械編生地は第1のベクトル及び第2のベクトルを有する。第1及び第2のベクトルに対する長いベクトルの直交又は平行配向は、一方の配向では全方向の移動に伴う低摩擦をもたらし、他方の配向では両方ではないが横又は縦方向の移動に伴う高摩擦をもたらす。

更に別の一実施形態においては、1個を超える第1のベクトル、第2のベクトル又は粗さベクトルを所与の表面に有する機械編生地を提供する。1個を超えるベクトルは、生地内に異なる摩擦域をもたらす。

更に別の一実施形態においては、1個を超える長いベクトル又は粗さベクトルを所与の表面に有する織生地を提供する。1個を超えるベクトルは、生地内に異なる摩擦域をもたらす。

更に別の一実施形態においては、絹平織生地又はサテン織生地と絹機械編生地を含む組合せを提供する。平織生地は粗さベクトルを有し、サテン織生地は長いベクトルを有し、機械編生地は第1のベクトルを有する。ベクトルの直交配向は、全方向の移動に伴う低摩擦をもたらし、ベクトルの平行配向は、横又は縦方向の移動に伴う高摩擦をもたらす。

本技術の組合せである。

図1の組合せの織りの詳細を示す。

本技術の粗さベクトルを示す。

所望の結果及び使用する生地に応じて、機械編生地と織生地を組み合わせて、種々のベクトル角度を与える。

アームチューブを示す。

定義: サテン生地: サテン生地は、3上1(three over one)又は4上1織りの生地である。サテン生地は、綿、絹及び合成を含めて、ただしそれだけに限定されないある範囲の繊維で作製することができる。

横編み: 横編みは、輪になって横の列、すなわちコースを形成する単糸でできており、各列は、前の列の上に構築される。すべての横編みは3つの基本カテゴリ、すなわち表編みと裏編み(purl stitches)の組合せであるゴム編み(rib knits)、裏編み単独でできたパール編み(purl knits)、及び表側が表編みで裏側が裏編みでできたジャージ編みに分類される。機械編生地のみが本技術に包含される。

縦編み: 縦編みは、同時に垂直に輪になって生地を形成する複数の平行な糸でできている。縦編みと横編みはどちらも、円筒の生地を製造する丸編機、又は平らな反物(yardage)を供給する横編機で製造することができる。

トリコット: 表地が細かい長手方向畝を有し、裏地が横方向畝を有する。一部の機械は、複雑なパターンを生成することができ、一部の機械は、追加の風合い又は色のための横糸挿入(横方向に挿入された余分な糸)を組み込むことができる。トリコットは、長手方向に幾らか伸び、又は横方向に幾らか伸びる。

インターロック生地: 各々単糸でできた2枚の単純な畝織りを「編み合わせ(inter−knitting)」又は両面編みすることによって製造された複合生地。一般に、長手方向に広がる細かい畝を有する。生地の表と裏は、同じように見え、裏返しても使える。

インターロック編み: 同時に2枚の編みを有し、より厚く、より重い1枚を形成する生地。ジャージ編みよりも自然に伸び、両面が同じ外観及び感触である。粗さベクトルを有する。

ジャージ編み: 平編み又はシングル編みとも称される。明確な表面と裏面を有し、細かい畝が生地の表側(外側)の長手方向に広がり、半円形のループが裏面全体に広がる。外面は内面よりも滑らかである。編み目及び繊維の多数の変化によって、繊細な透かしから重く厚く重なった生地まで、多種多様なシングル編みを生成する。ほとんど又は全く長手方向に伸びず、横方向の伸びは様々である。

ピケ編み:ハニカム又はメッシュとしても知られるシングル編み構成。

タフタ: タフタは、平織生地(上1下1)である。2枚のタフタを試験に使用する。1枚は、縦方向に配列した炭素繊維糸を含み、もう1枚は炭素繊維糸を含まない。

マイクロメッシュ: マイクロメッシュは編みの一つである。

超極細繊維生地: 超極細繊維生地は平織りであり、他のほとんどの生地よりもストランド1本当たりの巻き糸(tendrils of yarn)がかなり多い。例えば、他の生地がストランド1本当たり70〜80本の巻き糸であり得るのに対して、超極細繊維は、ストランド1本当たり約216本の巻き糸であり得る。

長いベクトル: サテン織り又はサテンタイプの織りにおける「上」糸の長さ方向のベクトル。換言すれば、下1上4織りにおける「4」の方向、及び下1上3織りにおける「3」の方向。長いベクトルは、編みにおける畝の長さ方向のベクトルでもある。長いベクトルは、織り又は編みに肉眼で見える差があるときに使用される。

粗さベクトル: 摩擦が最低になる平織生地又は編生地の移動方向のベクトル。粗さベクトルは、織り又は編みに肉眼で見える差がないが、織り又は編みに顕微鏡的差があるときに使用される。

4つの移動方向: 本技術においては、4つの移動方向によって全方向の移動を示す。

2つの移動方向: 本技術においては、2つの移動方向によって、横移動が良好であり縦移動が不満足であること、又は横移動が不満足であり縦移動が良好であることを示す。あるいは、生地を横に動かすと摩擦が大きく、生地を縦に動かすと摩擦が小さい、又はその逆と定義することができる。

直交: 本技術に関連して、直交とは、ベクトル間の約90度の角度を指す。

平行: 本技術に関連して、平行とは、ベクトル間の約0度の角度を指す。

ベクトル: 本技術に関連して、すべてのベクトルは双方向ベクトルである。

被覆表面: 本技術に関連して、被覆表面とは、2つのタイプのコーティングのうち1つを指す。1つは、編み上げ後の編生地の上に、浴を介して、化学物質を置く局所的処理である。化学物質は、最終的に洗い流される。第2の方法は、編み上げ前に糸を浸漬させる。これは、洗い流さず、環境を考慮したものである。これは、摩擦に影響しないと予想される。

横方向と縦方向は、相対用語として使用され、必ずしも機械方向を横切る移動や機械方向に沿った移動を示さないが、示す場合もある。

記述: 一般に10で示される組合せを図1に示す。織生地12は、機械編生地14と相互作用する。図1に示したように、編生地14は、第1の表面16及び第2の表面18を有する。ほとんどの編生地は、畝又は他の識別可能な彫刻様模様(sculpturing)を第1の表面16に有し、畝又は他の識別可能な彫刻様模様を第2の表面18に有する。2つの表面の畝は、一般に直交している。第1の表面16の畝の方向を第1のベクトル20と称し、第2の表面18の畝の方向を第2のベクトル22と称する。畝の方向に沿った移動は、摩擦係数が低くなる。

実験によって、畝や明らかな方向性を持たず、したがって第1又は第2のベクトルを持たないインターロック編みは、粗さベクトルを有することがわかった。(図3に示した)粗さベクトル40は、生地の層間の微視的相互作用をもたらす。理論に拘泥するものではないが、これは、異なる糸、異なる繊維タイプ、ブレンドタイプ、ブレンド比、糸構造、生地構造、ひだ及びひだの高さ、圧縮率、並びに張力の使用によって生じ得る。

図2に示したように、織生地14は、好ましくは、(サテン織りと称される)下1上4織りであるが、下1上3織りでもよい。後者は、より耐久性があり、ほぐれにくい生地を与えるが、横糸上の縦糸、又は縦糸上の横糸の長さがそれでも十分であり、低摩擦係数を可能にするものである。縦糸上の横糸であろうと、横糸上の縦糸であろうと、第1の織面24は、上3 26であり、したがって表面がより平坦であり、第2の織面28は、下1 30であり、したがって表面の彫刻様模様が多い。第1の織面24の生地の方向は、上3 26で定義され、長いベクトル30と称し、長いベクトル30に直交した生地の方向が短いベクトル32である。したがって、長いベクトル30は、摩擦係数が低くなる方向である。

図3に示したように、不均衡な平織生地は、長いベクトル30ではなく粗さベクトル40を有すると定義される。長いベクトル30は、生地の層間の肉眼で見える相互作用をもたらすのに対して、粗さベクトル40は生地の層間の微視的相互作用をもたらす。不均衡な平織りは、異なる糸、異なる繊維タイプ、ブレンドタイプ、ブレンド比、糸構造、生地構造、ひだ及びひだの高さ、圧縮率、並びに張力の使用によって生じ得る。

図4に示したように、所望の結果及び使用する生地に応じて、機械編生地14と織生地12を組み合わせて、種々のベクトル角度34を与える。一般に、全方向の低摩擦係数は、第1のベクトル20と第2のベクトル22の一方が長いベクトル30又は粗さベクトル40に直交するように機械編生地14と織生地12を併用したときに得ることができるが、これは、必ずしも下表に見られる例とは限らない。適切なベクトル角度34は、約45から約135度、好ましくは約60から約120度、更により好ましくは約80から約100度、最も好ましくは約90度とすることができる。

図5に示したように、生地は、機械編生地衣服36と織生地表面38として組み合わせることができ、織生地表面38は、シート、車の座席カバー、椅子のカバー、長靴の内張り、靴の内張り、運動マットカバー、移動用ボードカバー、運動競技のパッド及びガード、装具及び支持具の内張りなどとすることができる。機械編生地衣服36は、パジャマ、寝巻き、シャツ、ショーツ、ボクサーパンツ、パンツ、スカート、靴下、運動着、運動競技のパッド及びガードの下の袖及びすね当て、装具及び支持具などとすることができる。この組合せの利点は、衣服の着脱が容易であり、高齢者、けが人又は虚弱者にはかなり有利であることであり、衣服が幾らかの柔軟性と伸びを与え、通気性があることが多く、ウィッキング性(wicking)があることが多く、抗菌であることが多いことである。

あるいは、生地は、機械編生地表面と織生地衣服において組み合わせることができ、機械編生地表面は、シート、車の座席カバー、椅子のカバー、長靴の内張り、靴の内張り、運動マットカバー、移動用ボードカバー、運動競技のパッド及びガード、装具及び支持具の内張りなどとすることができる。織生地衣服は、パジャマ、寝巻き、シャツ、ショーツ、ボクサーパンツ、パンツ、スカート、ドレス、靴下、運動着、運動競技のパッド及びガードの下の袖及びすね当て、装具及び支持具などとすることができる。この組合せの利点は、機械編生地表面が幾らかの柔軟性と伸びを与え、通気性があることが多く、ウィッキング性があることが多く、抗菌であることが多いことである。織生地としては、エラステインが挙げられる。そのため、生地の柔軟性と伸びが増加するので、衣服の着脱が容易になる。

先行技術によれば、サテン織りとサテン織り(satin weave on satin weave)、又はトリコットとトリコットは、生地を直角に並べると摩擦係数を低下させることができるが、織りと編みの組合せでも、平行又は直角に配向して、これら2つの極めて異なる生地タイプ間の摩擦を低くすることができるかどうかは予想できないであろう。この知見によって、本発明者らは、衣類又はカバーとしての各生地の利点を活用することができ、低摩擦をもたらす組合せを提供することができる。別の知見は、任意の配向のタフタが、試験した編生地のほぼどれと一緒に使用しても、全方向で低摩擦を与えたことであった。

有利なことには、様々な摩擦係数を得ることができる。換言すれば、特定の組合せを使用することによって、2方向、例えば横(前後)の摩擦係数を低くすることができ、他の2方向、例えば縦(前後)の摩擦係数を高くすることができる。さらに、低摩擦係数は、1方向、例えば、横後方ではなく、縦後方でも前方でもなく、横前方で得ることができる。これによって、極めて選択的な移動制御が可能になる。

これらは、以下の実施例によって裏付けられる。

実施例1 摩擦係数は、加重ディスク(weighted disc)及び滑り板を使用して求める。織生地がディスク又は滑り板の一方を覆い、機械編生地が他方を覆う。滑り板を設定角度で保持し、加重ディスクが滑り板の長さを移動する時間を測定する。速い移動時間に対して低摩擦を記録し、遅い移動時間に対して高摩擦を記録する。4つの移動方向を測定し、結果を記録した。全4方向で低摩擦であることは、2枚の生地が、すべての移動方向で低摩擦界面を有することを示す。実施例2から7においては、織生地は、サテン[83%/17%ポリエステル/綿]、上4、下1織り,2タイプの100%ポリエステルタフタ不均衡平織り、一方は炭素繊維糸あり、他方は炭素繊維糸なし、耐久性はっ(DWR:Durable Water Repellent)被覆100%ポリエステル不均衡平織超極細繊維、及び100%ポリエステル不均衡平織超極細繊維であった。

実施例2 織生地は、サテン[83%/17%ポリエステル/綿]、炭素繊維糸を含む100%ポリエステルタフタ、100%ポリエステルタフタ、DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維、及び100%ポリエステル超極細繊維であった。試験した編生地は、実施例1の方法を用いた、87%/13%ポリエステル/スパンデックス(登録商標)[エラステイン][弾性繊維]であった(表1参照)。この生地は、ジャージ縦編みである。87%/13%ポリエステルスパンデックス編生地の第1の表面又は第2の表面を織生地の第1の織面に対して使用したかどうかにかかわらず、第1又は第2のベクトルが、サテンの場合は長いベクトル、炭素繊維を含む100%ポリエステルの場合は粗さベクトルに直交していると、4方向で低摩擦が得られた。ベクトル角度を小さくしてゼロにすると、すなわち、第1又は第2のベクトルを長いベクトル又は粗さベクトルに平行にすると、長いベクトルに沿って低摩擦になり、短いベクトルに沿って高摩擦になった。これは、4(全)方向の滑走を妨げるものではあるが、2方向の移動又は滑走の可能性をもたらすものである。したがって、例えば、使用者が傾斜したベッドにいる場合、生地の配向は、横移動が容易になり、縦移動が妨げられるようなものであり、したがって使用者が適所から滑り、ベッドの足下に落ちることになる問題を軽減又は改善する。残念ながら、より良好な横移動を与えるのは編みの裏面である。DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維生地は、第1又は第2のベクトルが粗さベクトルに直交又は平行であると2方向で低摩擦をもたらし、他の2方向で高摩擦をもたらした。したがって、この生地組合せは、縦移動が望ましく、横移動が望ましくない状況、又は横移動が望ましく、縦移動が望ましくない状況に適しているであろう。100%超極細繊維ポリエステルは、第1又は第2のベクトルが粗さベクトルに直交していると2方向で中低摩擦をもたらし、これらのベクトルが粗さベクトルに平行であると極めて高い摩擦をもたらした。したがって、この生地は、中低レベルの低下した摩擦の横移動が望ましいときに有用であり得る。

表1:87%/13%ポリエステル/スパンデックスジャージ編みと織生地。数値は、滑走方向の数を表し、4Lは全方向を示し、2Lは方向選択性(横又は縦)を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例3 織生地は、サテン[83%/17%ポリエステル/綿]、炭素繊維糸を含む100%ポリエステルタフタ、100%ポリエステルタフタ(炭素繊維糸なし)、DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維、及び100%ポリエステル超極細繊維であった。試験した編生地は、実施例1の方法を用いたトリコット[100%アントロン(登録商標)ナイロン]であった(表2参照)。これは機械編生地である。トリコット編生地の第1の表面又は第2の表面を織生地の第1の織面に対して使用したかどうかにかかわらず、第1又は第2のベクトルが、サテンの場合は長いベクトル、炭素繊維糸を含む又は含まない100%ポリエステルタフタの場合は粗さベクトルに直交している(すなわち、約90度の角度である)と、4方向で低摩擦が得られた。第2のベクトルが長いベクトル又は粗さベクトルに平行であると、長いベクトル又は粗さベクトルに沿って低摩擦になり、短いベクトルに沿って高摩擦になった。第1のベクトルが長いベクトル又は粗さベクトルに平行であると、長いベクトルに沿ってわずかにより高い摩擦になり、短いベクトルに沿って高摩擦になった。したがって、この組合せは、横又は縦移動が望ましく、他の移動方向が望ましくない状況で使用される可能性が低い。トリコット編みと100%ポリエステル超極細繊維は、すべてのベクトル組合せで、2方向で低摩擦となり、他の2方向で高摩擦となった。前述したとおり、第2のベクトルが粗さベクトルに平行又は直交しているとき、摩擦は、生地を横に移動すると低く、縦に移動すると高かった。これは特に望ましい。

表2:トリコット編みと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例4 織生地は、サテン[83%/17%ポリエステル/綿]、炭素繊維糸を含む100%ポリエステルタフタ、100%ポリエステルタフタ(炭素繊維糸なし)、DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維、及び100%ポリエステル超極細繊維であった。試験した編生地は、実施例1の方法を用いた100%ポリエステルマイクロメッシュであった(表3参照)。サテン及び炭素繊維糸を含む100%ポリエステルタフタの場合、第1のベクトルが長いベクトルに直交していると、又は第2のベクトルが長いベクトルに平行であると、4方向で低摩擦が得られた。第1のベクトルが長いベクトルに平行であると、又は第2のベクトルが長いベクトルに直交していると、長いベクトルに沿って低摩擦になり、短いベクトルに沿って高摩擦になった。これは、4(全)方向の滑走を妨げるものではあるが、2方向の移動又は滑走の可能性をもたらすものである。残念ながら、より良好な横移動を与えるのは編みの裏面である。

同様に、DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維生地とポリエステルマイクロメッシュは、2つの移動方向、例えば、横移動が望ましく、他の移動方向、例えば、縦方向が望ましくないときの使用に適しているであろう。というのは、第1のベクトルが長いベクトルに平行であると、又は第2のベクトルが長いベクトルに直交していると、長いベクトルに沿って低摩擦になり、短いベクトルに沿って高摩擦になったからである。炭素繊維を含むポリエステルタフタとマイクロメッシュの組合せも、2方向、例えば縦方向で良好な滑走能力、他の2方向、例えば横方向で高摩擦をもたらす一配向を有した。

表3:マイクロメッシュ編みと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例5 織生地は、サテン[83%/17%ポリエステル/綿]、炭素繊維糸を含む100%ポリエステルタフタ、100%ポリエステルタフタ(炭素繊維糸なし)、DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維、及び100%ポリエステル超極細繊維であった。試験した編生地は、実施例1の方法を用いた82%/18%ポリエステルスパンデックスであった(表4参照)。それは、横編みジャージである。サテンと炭素繊維糸を含む100%ポリエステルの両方は、第1又は第2のベクトルがそれぞれ長いベクトル又は粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。炭素繊維糸を含むポリエステルも、ベクトルが平行配向であると、逆方向が高摩擦である縦方向の滑走をもたらした。この横編みジャージとDWR被覆100%ポリエステル超極細繊維又は100%ポリエステル超極細繊維生地は、第1のベクトルが粗さベクトルに平行又は直交していると、2つの移動方向(横)で低摩擦をもたらし、他の方向(縦)で高摩擦をもたらした。したがって、これらの組合せは、横移動が望ましく、縦移動が望ましくない状況で極めて有用である。

表4:82%/18%ポリエステルスパンデックスと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例6 織生地は、サテン[83%/17%ポリエステル/綿]、炭素繊維糸を含む100%ポリエステル、100%ポリエステルタフタ(炭素繊維糸なし)、DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維、及び100%ポリエステル超極細繊維であった。試験した編生地は、実施例1の方法を用いた85%/15%ナイロンスパンデックスであった(表5参照)。それは、横編みジャージである。サテン及び炭素繊維糸を含む100%ポリエステルは、第1又は第2のベクトルが長いベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。編生地と炭素繊維を含まない100%ポリエステル(タフタ)の組合せは、すべての配向で低摩擦であった。サテンと100%超極細繊維ポリエステルの両方は、生地のおもて面で、それぞれのベクトルの配向に応じて、低横摩擦及び高縦摩擦であった。これは、横移動が望ましく、縦移動が望ましくない状況で、特に有用である。DWR被覆100%ポリエステル生地は、さらに、第2のベクトルが粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。ポリエステル超極細繊維生地は、すべての生地配向で、2つの移動方向が低摩擦に、2つの移動方向が高摩擦になった。特に、タフタは、すべての配向で低摩擦をもたらした。

表5:85%/15%ナイロンスパンデックスと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例7 患者を移動させるためのアームチューブを提供する。図5に示した一般に50で表されるアームチューブは、衣服と表面の両方と組み合わせて使用される。チューブは、端部が開いていても、閉じていてもよく、換言すれば、端部にミット(mitt)を有するスリーブに似ていてもよいことに留意されたい。編生地衣服36と織生地表面38を使用することができ、又は編生地表面40と織生地衣服42を使用することができる。どちらの場合でも、アームチューブ50の上側52は、衣服を着た患者と低摩擦をもたらすように構成され、アームチューブ50の下側54は、表面に低摩擦をもたらすように構成される。したがって、衣服が機械編みであり、表面が織りである場合、アームチューブ50の上側52は織生地であり、アームチューブの下側54は機械編みである。長いベクトルに対する第1及び第2のベクトルの配向は、表2〜5及び6〜19のデータから、並びに要件に基づいて、決定することができる。例えば、安全のため、アームチューブと衣服の間の横移動のみを有し、患者が縦方向に滑らずに、使用者が患者の下にアームチューブを滑走できることが有利である場合もある。同様に表面とアームチューブの下側の間の横移動のみを有することが好ましい場合もあり、又は全移動方向が望ましい場合もある。

実施例8 車の座席の場合、座席と使用者の衣服の間の最低摩擦を可能にする座席上の生地の向きを車の長軸に対して約45度であるように配置することが好ましい。これによって、使用者が車の長軸方向に顔を向けるように回転するのを過度に妨げずに、車への滑り込みを改善可能な配向がもたらされる。前述したとおり、最良の4方向の滑走をもたらす生地の組合せ、例えば、87%/13%ポリエステル/エラステイン又はマイクロメッシュとサテン又はタフタは、車の座席と衣服の組合せに最適であろう。

実施例9 生地は、編生地衣服36と織生地表面38として組み合わせることができ、織生地表面38は、シート、車の座席カバー、椅子のカバー、長靴の内張り、靴の内張り、運動マットカバー、移動用ボードカバー、運動競技のパッド及びガード、装具及び支持具の内張りなどとすることができる。編生地衣服36は、パジャマ、病衣、寝巻き、ショーツ、ボクサーパンツ、パンツ、スカート、ドレス、靴下、運動着、運動競技のパッド及びガードの下の袖及びすね当て、装具及び支持具などとすることができる。あるいは、生地は、編生地表面と織生地衣服において組み合わせることができ、編生地表面は、シート、車の座席カバー、椅子のカバー、長靴の内張り、靴の内張り、運動マットカバー、移動用ボードカバー、運動競技のパッド及びガード、装具及び支持具の内張りなどとすることができる。織生地衣服は、パジャマ、寝巻き、シャツ、ショーツ、ボクサーパンツ、パンツ、スカート、ドレス、靴下、運動着、運動競技のパッド及びガードの下の袖及びすね当て、装具及び支持具などとすることができる。第1及び第2のベクトルと長いベクトルの関係の面から、生地の選択とその配向の両方を上の表から決定することができる。さらに、必要に応じて、移動を妨げる方向に配向した、衣服又は同じ材料でできた表面に障壁領域を設けることもできる。例えば、2方向移動のみが望ましい、又は移動しないことが望ましい領域又は区域で包囲された全方向移動が望ましい領域が存在し得る。生地を慎重に選択することによってこれらの組合せを提供することができる。あるいは、本質的に高摩擦を有する異なる材料を使用することができるが、前述したとおり、こうして製造された衣服は異なる生地でできていることが一目瞭然である。

実施例10 試験した編生地は、ウィッキング性がある抗菌処理された100%ポリエステルインターロックであった。サテンと炭素繊維糸を含む100%ポリエステルの両方は、第1又は第2のベクトルがそれぞれ長いベクトル又は粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向に低摩擦をもたらした。サテン及びDWR被覆100%ポリエステル超極細繊維は、ベクトルが平行配向であると、低摩擦の縦方向の滑走をもたらし、横方向の高摩擦をもたらした。ここでも、タフタは、配向に無関係に全方向で低摩擦をもたらした。

表6:ウィッキング性がある抗菌処理された100%ポリエステルインターロックと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例11 編みは、ウィッキング性がある抗菌処理された100%再生ポリエステルインターロックであった。サテンと炭素繊維糸を含む100%ポリエステルの両方は、第1又は第2のベクトルがそれぞれ長いベクトル又は粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。サテン及び炭素繊維糸を含む100%ポリエステルも、ベクトルが平行配向であると、低摩擦の縦方向の滑走をもたらし、高摩擦の横移動をもたらした。DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維も、ベクトルが平行配向であると、低摩擦の縦方向の滑走をもたらし、高摩擦の横移動をもたらした。これは、4方向の滑走を妨げるものではあるが、2方向の移動又は滑走の可能性をもたらすものである。ここでも、タフタは、配向に無関係に全方向で低摩擦をもたらした。

表7:ウィッキング性がある抗菌処理された100%再生ポリエステルインターロックと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例12 編みは、ウィッキング性糸を含む100%ポリエステルメッシュであった。サテンと炭素繊維糸を含む100%ポリエステルの両方は、第1又は第2のベクトルがそれぞれ長いベクトル又は粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。サテンは、ベクトルが平行配向であると、他の方向が高摩擦である縦方向の滑走ももたらした。これは、2方向の移動又は滑走の可能性をもたらすものである。ここでも、タフタは、配向に無関係に全方向で低摩擦をもたらした。

表8:ウィッキング性糸を含む100%ポリエステルメッシュと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例13 編みは、ウィッキング性がある抗菌処理された47%ナイロン、47%ポリエステル、6%エラステインジャージ編みであった。サテン及び炭素繊維糸を含む100%ポリエステルは、第1又は第2のベクトルが粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。タフタ以外はすべて、第2のベクトルが粗さベクトルに対して平行配向であると、低摩擦の横滑走、及び高摩擦の縦移動をもたらした。これは、4方向の滑走を妨げるものではあるが、2方向(例えば、両方ではないが横又は縦方向)の移動又は滑走の可能性をもたらすものである。したがって、例えば、使用者が傾斜したベッドにいる場合、生地の配向は、横移動が容易になり、縦移動が妨げられるようなものであり、したがって使用者が適所から滑り、ベッドの足下に落ちることになる問題を軽減又は改善する。ここでも、タフタは、配向に無関係に全方向で低摩擦をもたらした。

表9:ウィッキング性がある抗菌処理された47%ナイロン、47%ポリエステル、6%エラステインジャージ編みと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例14 使用した編みは、ウィッキング性がある抗菌処理された82%ポリエステル、18%エラステインジャージ編みであった。サテンと炭素繊維糸を含む100%ポリエステルの両方は、第1又は第2のベクトルがそれぞれ長いベクトル又は粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。サテンは、ベクトルが平行配向であると、他の方向が高摩擦である横又は縦方向の滑走ももたらした。これは、4方向の滑走を妨げるものではあるが、2方向(例えば、両方ではないが横又は縦方向)の移動又は滑走の可能性をもたらすものである。したがって、例えば、使用者が傾斜したベッドにいる場合、生地の配向は、横移動が容易になり、縦移動が妨げられるようなものであり、したがって使用者が適所から滑り、ベッドの足下に落ちることになる問題を軽減又は改善する。ここでも、タフタは、配向に無関係に全方向で低摩擦をもたらした。

表10:ウィッキング性がある抗菌処理された82%ポリエステル、18%エラステインジャージ編みと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

*横方向に低摩擦。 **横の一方向に低摩擦、横の他方向に高摩擦、縦方向に高摩擦。機能上、これは、ベッドを横切る1方向の左右の移動を低摩擦とすることができ、ベッド下方へはより高い摩擦を有し、ベッド底部への不要な滑走を防止することができる点で、可動ベッドに理想的である。

実施例15 編生地は、ウィッキング性がある抗菌処理された92%ポリエステル、8%エラステイン(ジャージ編み)であった。サテンと炭素繊維糸を含む100%ポリエステルの両方は、第1のベクトルがそれぞれ長いベクトル又は粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。タフタを除いてすべて、ベクトルが平行配向であると、他の方向が高摩擦である横又は縦方向の滑走をもたらした(100%ポリエステル超極細繊維は、第2のベクトルが平行配向であると、1方向に低摩擦ではなく中摩擦をもたらした)。これは、4方向の滑走を妨げるものではあるが、2方向(例えば、両方ではないが横又は縦方向)の移動又は滑走の可能性をもたらすものである。この編みは、優れた2方向の滑走をもたらし、横方向に低摩擦、縦方向に高摩擦、又はその逆が得られるように、多様な織生地と一緒に潜在的に使用することができると予想されるが、さほど重要な成果ではない。したがって、例えば、使用者が傾斜したベッドにいる場合、生地の配向は、横移動が容易になり、縦移動が妨げられるようなものであり、したがって使用者が適所から滑り、ベッドの足下に落ちることになる問題を軽減又は改善する。ここでも、タフタは、配向に無関係に全方向で低摩擦をもたらした。

表11:ウィッキング性がある抗菌処理された92%ポリエステル、8%エラステイン(ジャージ編み)と織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

*横方向に低摩擦。

実施例16 編みは、100%ポリエステルウィッキング性ピケであった。サテンと炭素繊維糸を含む100%ポリエステルの両方は、第1のベクトルがそれぞれ長いベクトル又は粗さベクトルに直交していると、4つの移動方向をもたらした。それらは、ベクトルが平行配向であると、低摩擦の縦方向の滑走、及び横方向の高摩擦ももたらした。100%ポリエステル超極細繊維も、ベクトルが平行配向であると、他の方向が高摩擦である縦方向の滑走をもたらした。ここでも、タフタは、配向に無関係に全方向で低摩擦をもたらした。

表12:100%ポリエステルウィッキング性ピケ編みと織生地。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、MHは中高摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例17 種々の編生地の結果の概要の示すところによれば、一般に、表面処理生地は、全方向の低摩擦、又は横及び縦方向の一方における低摩擦について良好な結果を与えない。ポリエステル−エラステイン混合物を含む生地は、これら両方に関して優れているように見える。特に、これらはすべてジャージ編みである。ピケ編みも良好であった。しかし、他の生地を用いた特定の組合せは、全方向の低摩擦と2方向の低摩擦及び他の2方向の高摩擦の一方若しくは他方又は両方の必要な特徴を与えると考えることができる。一般に、低摩擦−高摩擦の方向性は、第1及び第2のベクトルの1つ以上が長いベクトル又は粗さベクトルの1つに平行であるときに生じる。

表13:編生地の結果の概要。

実施例18 織生地の結果の概要によれば、サテン及び炭素繊維糸を含む100%ポリエステルは、全方向の低摩擦及び2方向の低摩擦と他の2方向の高摩擦をもたらす組合せの数が最大であった。全体として、すべての生地は、編みと組み合わせて、2方向の低摩擦と他の2方向の高摩擦をもたらす妥当な数の組合せを与えることができた。一般に、低摩擦−高摩擦の方向性は、第1及び第2のベクトルの1つ以上が長いベクトル又は粗さベクトルの1つに平行であるときに生じる。

特に、DWRで処理した100%ポリエステル超極細繊維は、87%ポリエステル/13%エラステイン編み又は100%ポリエステルウィッキング性ピケ編みと組み合わせたときに、配向にかかわらず2方向の低摩擦と他の2方向の高摩擦をもたらした。この生地は、低摩擦−高摩擦方向性をもたらすのに優れた。100%ポリエステルタフタは、全方向の低摩擦をもたらし、異なる方向における摩擦差をもたらすことができなかった。これは、炭素繊維糸を含むタフタにおける炭素繊維糸が、生地に方向性を付与するのに重要であることを示唆している。

表14:織生地の結果の概要

実施例19 編みと織生地の組合せは好ましいが、ある状況では、織りと織り(weave on weave)が好ましいこともある。したがって、これらの組合せを調べた。長い又は粗さベクトルが直交していると、織りの幾つかの組合せが全方向の低摩擦をもたらすことを本発明者らは見いだした。これはサテン織りとサテン織りの場合には、先行技術において既報であるので予想外ではないが、サテンと不均衡平織り、及び不均衡平織りと不均衡平織りでは、発見は予想外であった。重要なことに、一部の織りと織りの組合せは、2方向の低摩擦と他の2方向の高摩擦の方向特異的摩擦をもたらした。これは、ベクトルが平行であるときに生じる傾向にあった。

表15:サテンと織り。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、Hは高摩擦である。

表16:炭素繊維糸を含む100%ポリエステルと織り。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、Hは高摩擦である。

表17:DWR被覆100%ポリエステル超極細繊維と織り。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、Hは高摩擦である。

表18:100%ポリエステル超極細繊維と織り。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例20 編みと織生地の組合せは好ましいが、ある状況では、編みと編み(knit on knit)が好ましいこともある。したがって、これらの組合せを調べた。粗さベクトルが直交していると、編みの幾つかの組合せが全方向の低摩擦をもたらすことを本発明者らは見いだした。これは、「光沢面」が一緒であり、機械方向が直交しているときに、トリコットに対してのみ報告されたにすぎないので、予想外の知見であった。最も注目すべきことに、85%/15%ナイロン/エラステイン、ジャージ編みは、ほぼすべての他の編生地と全方向の低摩擦をもたらした。重要なことに、一部の編みと編みの組合せは、2方向の低摩擦と他の2方向の高摩擦の方向特異的摩擦をもたらした。これは、ベクトルが平行であるときに生じる傾向にあった。ここでも、85%/15%ナイロン/エラステイン、ジャージ横編みは、この点で極めて有効であった。先行技術の教示にもかかわらず、ベクトルが互いに平行であるときに、極少数の組合せしか全方向で高摩擦を示さなかった。

表19:編みと編み。数値は滑走方向の数を表し、4Lは全方向の低摩擦を示す。文字は摩擦を示し、Lは低摩擦であり、MLは中低摩擦であり、Mは中摩擦であり、Hは高摩擦である。

実施例21 異なる摩擦域を有する特殊生地が開発され、使用されることが企図される。かかる生地は、単一の生地内の異なる織り又は異なる編みからなるであろう。上表は、適切な組合せを使用することができるかどうかの予測を可能にする十分な情報を提供する。その場合、提供することになるのは、低横摩擦の1つ又は複数の区域と高縦摩擦の1つ又は複数の区域、高横摩擦の1つ又は複数の区域と低縦摩擦の1つ又は複数の区域、全方向高摩擦の1つ又は複数の区域と低摩擦の1つ又は複数の区域、全方向低摩擦の複数の区域と高横摩擦の複数の区域、全方向高摩擦の複数の区域と低横摩擦の複数の区域、全方向低摩擦の複数の区域と高縦摩擦の複数の区域、及び全方向高摩擦の複数の区域と低縦摩擦の複数の区域である。この手法の利点は、縫い目のない表面を、衣服上に戦略的に配置され、同じ材料でできた高及び低摩擦域を有する衣服と組み合わせることができる点にある。したがって、この衣服は、異なる摩擦レベルを与えるように異なる生地で作製されることもある衣服とは異なり、異なる区域を有するようには見えず、その表面は、摩耗を受けやすく使用者に対して圧力印加点となり得るであろう縫い目がない。

実施例22 両方向の良好な横移動、及び縦方向の1方向のみの良好な移動を可能にする組合せは、本明細書に記載のデータから、又は本明細書に記載のデータから推定することによって、開発できることが企図される。これは、使用者がベッドの中で向きを変え、ずりあがるのを助け、ベッドの足下に滑落するのを抑制するであろう。

実施例23 インターロック編み、特にポリエステルインターロック編みを、長い及び短いベクトルについて調べた。何も見いだされなかった。これは、快適で着脱が容易な衣類を作製するのに適切な材料であったので、この材料でできた衣服を織り材料と組み合わせる方法を探索した。この生地を研究する際に、それが粗さベクトルを有することを見いだした。粗さベクトルが織生地の長いベクトル(又は粗さベクトル)に直交する向きに調整されると、摩擦係数は、一般に全方向で低いが、長いベクトル(又は粗さベクトル)の方向に移動するとより低くなった。一方、2枚の生地のベクトルが平行であると、摩擦係数はより高かった。したがって、この組合せは、一方向のより高い摩擦と他方向の低摩擦を与えるように使用することができる。より低い摩擦のための角度は、約45度から約135度であることが企図される。より高い摩擦のための角度は、高及び低摩擦を示すこの組合せ及びすべての組合せでは、約0度から約35度であることが企図される。

実施例24 絹生地を用いた組合せを調べた。絹ジャージ編み及び絹平織りを一緒に試験した。絹平織りは粗さベクトルを有することを見いだした。ジャージ編みは第1及び第2のベクトルを有する。ベクトルを平行になるように調整すると、横方向に高摩擦、縦方向に低摩擦になった。ベクトルが直交すると、全方向で低摩擦であった。

絹ジャージ編みとサテンの挙動は、他のジャージ編生地とサテンに同じである。

絹平織りとサテンも試験した。ベクトルを平行になるように調整すると、横方向に高摩擦、縦方向に低摩擦になった。ベクトルが直交すると、全方向で低摩擦であった。

実施例25 他の天然繊維も、生地を作製するために正しく選択し、使用した場合、当業者には既知のように、本技術の組合せに使用できることが企図される。

上記は本技術の一例である。当業者には既知のとおり、本発明の範囲を変えない変更が企図される。

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