グラフェンおよびフルオロポリマーコンポジット

申请号 JP2014191017 申请日 2014-09-19 公开(公告)号 JP2015071758A 公开(公告)日 2015-04-16
申请人 ゼロックス コーポレイション; XEROX CORPORATION; 发明人 チー・ツァン; ユー・チ; ブリン・ドゥーリー; ナン−シン・フー;
摘要 【課題】フルオロプラスチックを含む均一な十分に分散したグラフェンコンポジット材料の製造方法を提供すること。 【解決手段】グラフェンを含む粒子、フルオロシラン化合物および第1の液体連続相を混合し、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子分散物を作製すること;フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロカーボンポリマー分散物とを混合し、第2の液体連続相中に、フルオロカーボンポリマー粒子に付着したフルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子を含むコンポジット粒子の分散物を作製することとを含む、フルオロシラン処理したグラフェン/フルオロカーボンポリマーコンポジットを製造するための方法。 【選択図】なし
权利要求

組成物であって、 液体連続相と; 液体連続相に分散した複数のコンポジット粒子とを含み、コンポジット粒子は、それぞれ、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子とフルオロポリマー粒子とを含む、組成物。組成物が、さらに、犠牲ポリマーバインダーを含む、請求項1に記載の組成物。犠牲ポリマーバインダーは、ポリ(アルキレンカーボネート)、ポリ(アクリル酸)、アクリル系コポリマー、メタクリル系コポリマー、ポリ(メタクリル酸)およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子は、グラフェンを含む粒子を、フッ素で置換された少なくとも6個の炭素原子を含む直鎖フルオロアルキル置換基を含むトリクロロシラン化合物で処理することによって製造される、請求項1に記載の組成物。フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子は、フルオロシラン処理したグラフェン、フルオロシラン処理したグラフェン平板およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。フルオロポリマー粒子は、フルオロプラスチック樹脂である、請求項1に記載の組成物。フルオロシラン処理したグラフェン/フルオロカーボンポリマーコンポジットを製造するためのプロセスであって、このプロセスは、 グラフェンを含む粒子、フルオロシラン化合物および第1の液体連続相を混合し、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子分散物を作製することと; フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロカーボンポリマー分散物とを混合し、第2の液体連続相中に、フルオロカーボンポリマー粒子に付着したフルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子を含むコンポジット粒子の分散物を作製することとを含む、プロセス。フルオロシランは、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリアルコキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリアルコキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリクロロシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリアルコキシシラン、ペルフルオロアルキルエチルトリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリクロロシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリアルコキシシラン、ペルフルオロドデシル−1H,1H,2H,2H−トリエトキシシラン、p−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニルトリエトキシシランおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項7に記載のプロセス。基材と; 基材の上に形成されたコンポジット層とを備え、コンポジット層が、複数のフルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロカーボンポリマーとを含む、物品。物品が、フューザー部材、加圧ローラーおよび剥離剤供与体からなる群から選択されるゼログラフィー要素である、請求項9に記載の物品。

说明书全文

本開示は、グラフェンを含む粒子およびフルオロポリマー粒子コンポジット材料、およびコンポジット材料を含む製造物品に関する。

フルオロポリマーは、多種多様な用途で使用される。例としては、混入防止作用、粘着防止作用および自浄作用をもつ表面のための疎性コーティング;消費者向けおよび工業用の耐化学薬品性および/または熱に安定なプラスチックまたは弾性成分;潤滑性および/または保護コーティング;ゼログラフィー構成要素、例えば、フューザーのための外側剥離コーティング、およびさまざまな他の用途が挙げられる。フルオロポリマー材料(例えば、PFAフルオロプラスチックおよびPTFEフルオロプラスチック)は、多くは、分散した粒子の形態で塗布される。

近年、顕著に注目を集めている別のナノ粒子材料は、グラフェンである。グラフェンは、sp2結合した炭素原子が六形格子状に配置された二次元シートとして記述されることが多い。固有の構造特徴に起因して、グラフェンは、優れた熱伝導性および電気伝導性を有し、高い機械強度を有する。グラフェンをフルオロプラスチックに組み込むと、得られるコンポジット材料の熱伝導性および/または電気伝導性および機械堅牢性を高めることができる。複数のグラフェン層を含む個々のグラフェンシートおよびグラフェン平板は、両方とも、コンポジット用途のためのフィラーとして大きな可能性を示す。

しかし、フルオロプラスチックを含む均一な十分に分散したグラフェンコンポジット材料を製造することには課題がある。このことは、部分的には、ナノ粒子形態中のグラフェンの特性および/またはグラフェンのフルオロポリマーとの一般的な不相溶性に起因している。相分離およびグラフェンの凝集は、多くは、分散性の悪いコンポジットに関係があり、グラフェンの固有の特性の完全な利用を覆い隠してしまう。

既知のフルオロポリマーグラフェンコンポジットと関係がある1つ以上の問題に対処することができる新規フルオロポリマーコンポジット材料を開発することが、当該技術分野において望ましい進歩であろう。

本開示の一実施形態は、組成物に関する。組成物は、液体連続相を含む。複数のコンポジット粒子は、液体連続相に分散している。コンポジット粒子は、それぞれ、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロポリマー粒子とを含む。

本開示の別の実施形態は、フルオロシラン処理したグラフェン/フルオロカーボンポリマーコンポジットを製造するプロセスに関する。このプロセスは、グラフェンを含む粒子、フルオロシラン化合物および第1の液体連続相を混合し、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子分散物を作製することを含む。フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロカーボンポリマー分散物とを混合し、コンポジット粒子の分散物を作製する。コンポジット粒子は、フルオロカーボンポリマー粒子に付着したフルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子を含む。コンポジット粒子は、第2の液体連続相に分散している。

グラフェンを含む粒子は、グラフェン、グラフェン平板、グラフェンナノシートおよびこれらの混合物からなる群から選択することができる。

フルオロシラン化合物は、フッ素で置換された少なくとも6個の炭素原子を含む直鎖フルオロアルキル置換基を含むトリクロロシラン化合物であってもよい。

第1の液体連続相は、ケトン、アミド、スルホキシド、アルコール、エーテル、エステル、炭化水素、塩素化炭化水素、およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含んでいてもよい。第2の液体連続相は、ケトン、アミド、スルホキシド、アルコール、エーテル、エステル、炭化水素、塩素化炭化水素およびこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含んでいてもよい。

このプロセスは、さらに、犠牲ポリマーバインダーと、コンポジット粒子の分散物とを混合することと;基材の上に混合物をコーティングすることと;コーティングした混合物を、犠牲ポリマーバインダーを熱分解するのに十分な温度および時間、加熱することとを含んでいてもよい。犠牲ポリマーバインダーは、ポリ(アルキレンカーボネート)、ポリ(アクリル酸)、アクリル系コポリマー、メタクリル系コポリマー、ポリ(メタクリル酸)およびこれらの混合物からなる群から選択することができる。

本開示のさらに別の実施形態は、物品に関する。物品は、基材を備えている。コンポジット層は、基材の上に作られる。コンポジット層は、複数のフルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロカーボンポリマーとを含む。グラフェンを含む粒子を、フッ素で置換された少なくとも6個の炭素原子を含む直鎖フルオロアルキル置換基を含むトリクロロシラン化合物で処理することによって、または本明細書に開示する他の方法によって、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子を製造することができる。

図1Aは、グラフェンがフルオロシランで処理されていないグラフェン/PFA分散物およびコーティングの写真を示す。

図1Bは、グラフェンがフルオロシランで処理されていないグラフェン/PFA分散物およびコーティングの写真を示す。

図1Cは、グラフェンがフルオロシランで処理されていないグラフェン/PFA分散物およびコーティングの写真を示す。

図2Aは、未処理のグラフェン平板/PFA混合物のSEM分析を示す。

図2Bは、フルオロシラン処理したグラフェン平板/PFA混合物のSEM分析を示す。

図2Cは、フルオロシラン処理したグラフェン平板/PFA混合物のSEM分析を示す。

図2Dは、図2Cのグラフェン/PFA分散物を用い、本開示の実施形態にしたがったコーティング配合物から製造された均一で欠陥のないコンポジットコーティングを示す。

図3は、本開示の一実施形態のグラフェンを含む粒子/フルオロポリマーコンポジット層を備える製造物品を示す。

図4は、本開示の一実施形態のフューザーシステムの模式図を示す。

本開示の一実施形態は、コンポジットを製造するプロセスに関する。コンポジットは、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロカーボンポリマーとを含む。このプロセスは、グラフェンを含む粒子、フルオロシラン化合物および第1の液体連続相を混合し、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子分散物を作製することを含む。次いで、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子分散物と、第2の液体連続相を含むフルオロカーボンポリマー粒子分散物とを混合する。フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子は、フルオロカーボンポリマー粒子に付着し、コンポジット粒子を生成する。

任意の適切なグラフェンを含む粒子を本開示のコンポジットに使用することができる。一実施形態では、グラフェンを含む粒子は、グラフェン、グラフェン平板およびこれらの混合物を含んでいてもよい。グラフェン平板は、グラフェンシートの短い積み重ねを含む固有のナノ粒子である。グラフェン平板は、平均厚みが、例えば、約6nm〜約8nmであってもよい。一実施形態では、グラフェン平板は、単位表面積あたり、比較的大きくてもよく、例えば、約120〜150m2/gであってもよい。このようなグラフェンを含む粒子は、当該技術分野でよく知られている。

グラフェンを含む粒子は、コンポジット中に任意の望ましい量で存在していてもよい。例としては、組成物の合計重量を基準として約90重量%未満、例えば、約1重量%〜約50重量%、または約2重量%〜約10重量%の量が挙げられる。

上述のように、ナノサイズのグラフェン材料の性質およびフルオロポリマー粒子との一般的な不相溶性に起因して、フルオロポリマー(例えば、フルオロプラスチック)に十分に分散したグラフェン粒子を含む均一なコンポジット材料を製造することは課題がある。音波処理によって、グラフェンを含む粒子を、フローコーティング可能なフルオロポリマー配合物に使用する液体連続相に特定の程度まで分散させることができる。しかし、グラフェン分散物と、フローコーティング可能なフルオロポリマー配合物とを混合するとき、相分離は問題であろう。例えば、グラフェン平板は、図1Aからわかるであろうが、一緒に凝集する(不規則な厚い板状)傾向があり、PFA粒子(丸く平滑な粒子)から分離する傾向がある。このような分散物から作られるコンポジットコーティングは、図1Bおよび1Cに示されるように、グラフェン平板の凝集物を含む望ましくない大きな空隙を示していた。

グラフェンおよびフルオロポリマーを合わせるときの問題に対処するために、本開示のグラフェンを含む粒子をフルオロシランで処理し、フルオロポリマー粒子との親和性を高める。この処理は、任意の望ましい様式で行うことができる。一実施形態では、例えば、1つ以上のフルオロシラン化合物を含む第1の液体連続相において、グラフェンを音波処理することによってグラフェンを含む粒子を剥離し、フルオロシランを含む全体的に均一なグラフェン分散物を与える。グラフェンを含む粒子を剥離するための任意の他の適切な方法を、音波処理に代えて、または音波処理に加えて使用することができる。

未処理のグラフェンと比較して、グラフェン分散物に改良点を与えることができ、後の処理工程に重大な悪い影響を与えないと思われる任意のフルオロシランを、使用できる可能性がある。フルオロシランの例としては、C3〜C16フルオロカーボン鎖置換基、例えば、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン、ノナフルオロヘキシルトリクロロシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリクロロシラン)、ペンタフルオロフェニルプロピルトリアルコキシシラン、例えば、ペンタフルオロフェニルプロピルトリメトキシシランまたはペンタフルオロフェニルプロピルトリエトキシシラン、ペルフルオロアルキルエチルトリエトキシシラン、ペルフルオロドデシル−1H,1H,2H,2H−トリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリアルコキシシラン、例えば、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリエトキシシランおよび(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)トリメトキシルシランおよびp−トリフルオロメチルテトラフルオロフェニルトリエトキシシランを含む化合物が挙げられる。

一実施形態では、フルオロシランは、フルオロアルキル置換トリクロロシランである。一実施形態では、フルオロアルキル置換基は、フッ素で置換された少なくとも5個以上の炭素原子を含む。例としては、6個以上の炭素原子、例えば、6〜10個または12個の炭素原子を含み、炭素−水素結合の代わりに炭素−フッ素結合を含むフルオロアルキル鎖が挙げられる。一実施形態では、フルオロアルキル置換基は、直鎖炭素鎖である。所望な場合、フルオロアルキル基は、フッ素で置換されていないいくつかの炭素原子を含んでいてもよい。フッ素結合を有する6個の炭素を含む直鎖フルオロアルキル基を含むトリクロロシランの一例は、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリクロロシランである。安定なグラフェン−フルオロポリマー分散物を与えることができる任意の他のフルオロシランを使用することもできる。

グラフェンを含む粒子とフルオロシラン化合物を第1の液体連続相で混合する。グラフェンを分散させるのに適した任意の適切な液体連続相を使用することができる。適切な有機液体連続相の例としては、ケトン、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびN−メチル−2−ピロリドン;アミド、例えば、ジメチルホルムアミド;スルホキシド、例えば、ジメチルスルホキシド;アルコール、エーテル、エステル、炭化水素、塩素化炭化水素、および上述の任意の混合物が挙げられる。当業者は、上に列挙した任意の副次的な分類から、グラフェンを分散させるのに適した液体連続相化合物を決定することができるだろう。

以下にさらに詳細に記載するように、第1の液体連続相は、その後の処理工程と相溶性ではない場合がある(例えば、その後にグラフェンと混合するポリマーバインダーおよび/またはフルオロポリマー粒子の使用)。その場合には、剥離し、および/またはフルオロシランで処理した後であるが、不相溶性の化合物と混合する前に、第1の液体連続相をグラフェンから分離してもよい。または、第1の液体連続相が相溶性である場合、最終組成物の一部として留まっていてもよい。

液体連続相中にグラフェンを含む粒子およびフルオロシラン化合物を混合することによって、フルオロシランで処理されたグラフェンを含む粒子の分散物を作製することができる。任意の他の望ましい成分が、分散物、例えば、溶媒または分散剤に含まれていてもよい。

フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子分散物を、フルオロカーボンポリマーを含む第2の分散物と混合してもよい。任意の適切な方法によって第2の分散物を作製してもよい。一実施形態では、フルオロカーボンポリマーと第2の連続液体相を合わせることによって、第2の分散物が作られる。第2の連続液体相は、フルオロカーボンポリマーの分散物を作製するための任意の適切な液体、例えば、本明細書で教示する任意の有機液体連続相化合物を含んでいてもよく、グラフェンを含む粒子分散物で使用する連続液体相と同じであってもよく、異なっていてもよい。

フルオロカーボンポリマーは、第2の連続液体相に分散した固体粒子の形態であってもよい。任意の適切なフルオロポリマー粒子は、コンポジット組成物の望ましい特徴に基づいて使用できる可能性がある。適切なフルオロポリマーの例としては、フルオロプラスチック樹脂、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子;ペルフルオロアルコキシポリマー樹脂(PFA)粒子;およびフッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)粒子が挙げられる。

混合しつつ、処理したグラフェンを含む粒子を、フルオロポリマー粒子表面に化学的に結合するか、または他の方法によって付着させてもよい。一実施形態では、フルオロポリマーは、フルオロシラン処理したグラフェン含有粒子が付着したPFA粒子を含む。

本開示の一実施形態は、コーティング分散物、およびこの分散物を製造するプロセスに関する。このプロセスは、本明細書に記載するフルオロシラン処理したグラフェン/フルオロカーボンポリマーコンポジットを含むコーティング分散物を作製することを含んでいてもよい。

コーティング分散物は、ポリマーバインダーを含む。コーティングの特性に悪い影響を与えない任意の適切なポリマーバインダーを使用することができる。適切なポリマーバインダーの例としては、ポリ(アルキレンカーボネート)、例えば、ポリ(プロピレンカーボネート)、ポリ(エチレンカーボネート)、ポリ(ブチレンカーボネート)、ポリ(シクロヘキセンカーボネート);ポリ(アクリル酸)、アクリル系コポリマー、メタクリル系コポリマー、ポリ(メタクリル酸)およびこれらの混合物が挙げられる。列挙したそれぞれのポリマーバインダーの例は、当該技術分野でよく知られている。ポリマーバインダーは、任意の適切な量で、例えば、コーティング分散物中の固形物の合計重量を基準として約1重量%〜約20重量%、または約5%〜約15%、または約10%の量で存在していてもよい。

バインダーは、例えば、コーティング前またはコーティング中に安定な粒子懸濁物を与えること、および/または溶媒を除去した後であるが、粒子が流動する前に粒子を保持することによって、層内に割れが生成するのを防ぐことのような1つ以上の利点を有していてもよい。

複数の本開示の上述のコンポジット粒子を、ポリマーバインダーに分散させてもよい。コンポジット粒子は、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロポリマー粒子とを含んでいてもよい。コンポジット粒子分散物は、コーティングプロセス中に顕著な相分離を起こすことなく、基材の上にグラフェン/フルオロポリマーコンポジットを均一に堆積させることができるほど十分に安定である。

コンポジット粒子は、コーティング中に任意の適切な量で存在していてもよい。一実施形態では、この粒子は、コーティング組成物中の固形物の合計重量を基準として50重量%以上、例えば、約50重量%〜約99重量%、例えば、約70重量%〜約99重量%の範囲の量で存在する。コーティング組成物中の固形物の合計量は、コーティング組成物の合計重量の約10重量%〜約80重量%、例えば、20重量%〜約70重量%または約30重量%〜約50重量%の範囲である。

一実施形態では、本開示のコーティング分散物は、1つ以上のさらなる導電性フィラーまたは非導電性フィラーを含んでいてもよい。適切なフィラーの例としては、金属粒子、金属酸化物粒子、炭素ナノ粒子およびカーボンナノチューブが挙げられる。使用されるフィラーの量は、製造される生成物の望ましい特性によって変わるだろう。場合により、分散剤または溶媒を含め、本開示のコーティング組成物に任意の他の望ましい成分を使用してもよい。一実施形態では、カーボンナノチューブは、フィラーとして使用されない。

任意の適切な液体コーティング方法、例えば、フローコーティング、浸漬コーティング、スピンオンコーティングおよびスプレーコーティングによって、コーティング分散物を基材に堆積させてもよい。コーティングを加熱し、コーティング材料を乾燥および/または硬化させてもよい。一例では、コンポジットコーティングは、簡便には、フローコーティングの後、フルオロポリマーの融点より高い温度で焼くことによって作られてきた。得られる均一なグラフェン粒子/フルオロポリマーコンポジットコーティングは、電気伝導性、熱伝導性および/または機械的に高堅牢性であってもよい。さらに、PFAから誘導される低表面エネルギー特性は、実質的に悪い影響を与えない。

一実施形態では、バインダーは、犠牲バインダーであり、バインダーの一部またはすべてが後の処理中に除去されることを意味する。例えば、バインダーは、バインダーを熱分解するのに十分な高い温度まで加熱することによって除去することができる。選択される分解温度は、特に、使用する特定のバインダー材料およびコンポジット粒子に使用する材料の融点によって変わるだろう。例えば、グラフェン/PFAコンポジット粒子中のPFAは、約260℃以上の温度で溶融するだろう。したがって、PFA粒子を溶融し、流動させるのに十分であり、同時に、バインダーを熱分解する高温を使用してもよいが、PFA材料を顕著に分解させ、または基材を損傷するのに十分に高い温度を避けることができる。PFA/グラフェンコンポジット粒子とともに使用するポリ(プロピレンカーボネート)バインダーに適した温度の例は、約260℃以上、例えば、約300℃〜約360℃、または約330℃〜約350℃の範囲であってもよい。

図3は、基材4と、基材の上に形成されたコンポジット層6とを備える製造物品2を示す。コンポジット層6は、ポリマーバインダーに分散した複数のコンポジット粒子を含むコーティング組成物を堆積させることによって作られる。本明細書に記載するように、コンポジット粒子は、フルオロシラン処理したグラフェンを含む粒子と、フルオロポリマー粒子とを含む。

その上にコンポジット層がコーティングされた基材4は、任意の適切な基材であってもよい。基材材料の例としては、ガラス、半導体、例えば、ケイ素またはヒ化ガリウム、金属、セラミック、プラスチック、およびこれらの組み合わせが挙げられる。

基材4の上にコーティング組成物を堆積させた後、1つ以上の加熱工程を行い、液体連続相の流体を除去し、バインダーを熱分解し、除去し、フルオロポリマー粒子を流動させる。コンポジット粒子を加熱し、流動させるための本明細書に記載する任意の方法を使用することができる。得られたコンポジット層6は、グラフェンを含む粒子と、流動したフルオロポリマーとを含む。

複数のコンポジット粒子、またはコンポジット粒子から流動した層材料は、層6中に任意の望ましい量で存在していてもよい。濃度の例は、コーティングの合計重量を基準として約70重量%〜約99重量%の範囲である。コンポジット層6は、任意の適切な厚みを有していてもよい。適切な厚みの例としては、約5ミクロン〜約100ミクロン、例えば、約10ミクロン〜約50ミクロン、または約15ミクロン〜約35ミクロンの厚みが挙げられる。

一実施形態では、製造物品2は、印刷デバイスの要素である。「印刷デバイス」という句は、本明細書で使用する場合、任意の目的で印刷出機能を発揮する、例えば、デジタル複写機、製本機、ファクシミリ機、多機能機械などの任意の装置を包含する。一実施形態では、製造物品2は、ゼログラフィー印刷デバイスの要素である。本開示のコンポジット組成物を使用可能なゼログラフィー印刷デバイスの要素の例としては、フューザー部材(時には、当該技術分野で固定部材と呼ばれる)、加圧ローラーおよび剥離剤供与体が挙げられる。

図4に示されるようなフューザーシステムと組み合わせたフューザー部材の一例を記述し、数字10は、適切な基材14の上に外側層12を備えるフューザーロールを示す。基材14は、任意の適切な金属(例えば、アルミニウム、陽極酸化アルミニウム、鋼鉄、ニッケル、銅などから製造された中空の円筒形またはコアであってもよい。または、基材14は、非金属性材料(例えば、ポリマー)から製造された中空円筒形またはコアであってもよい。ポリマー材料の例としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、Teflon/PFAなど、およびこれらの混合物が挙げられ、場合により、繊維(例えば、ガラス)などが充填されていてもよい。一実施形態では、ポリマー材料または他のコア材料は、カーボンナノチューブを含むように配合されてもよい。このようなコア層は、さらに、フューザー部材の全体的な熱伝導性を高めることができる。一実施形態では、基材14は、当該技術分野でよく知られているように、同様の構造を有する終端のないベルトであってもよい(図示せず)。

図4を再び参照すると、基材14は、本開示の一実施形態にしたがい、その中空部分に配置された適切な加熱要素16を備えていてもよい。任意の適切な加熱要素を使用することができる。適切な加熱要素は、当該技術分野でよく知られている。

バックアップロールまたは加圧ロール18は、フューザーロール10と協働し、爪または接触弓部20を形成し、これを介してコピー紙または他の基材22が通過し、その結果、コピー紙または他の基材22上のトナー画像24が、フューザーロール10の外側層12と接触する。図4に示されるように、バックアップロール18は、表面に柔らかい表面層28を有する硬い鋼鉄コア26を備えていてもよいが、この集合体は、これに限定されない。液溜め30は、ポリマー剥離剤32を含み、このポリマー剥離剤32は、室温で固体または液体であってもよいが、操作温度で流体である。

ポリマー剥離剤32を外側層12に塗布するための図4の実施形態では、2つの回転可能なように取り付けられた剥離剤を運搬するロール27および29は、液溜め30からフューザーロール表面に剥離剤32を運ぶように提供される。示されているように、ロール27は、液溜め30に部分的に浸されており、液溜めから運搬ロール29へと、その表面に剥離剤を運ぶ。計量ブレード34を用いることによって、ポリマー剥離液の層を、最初に運搬ロール29に塗布し、その後、マイクロメートル未満の厚みから数マイクロメートルの厚みの範囲の剥離液になるように制御された厚みで、フューザーロール10の外側層12に塗布してもよい。したがって、計量デバイス34によって、望ましい厚み(例えば、約0.1マイクロメートル〜2マイクロメートルまたはそれより大きい)剥離液を、外側層12の表面に塗布することができる。

図4に示す設計は、本開示を限定することを意図していない。例えば、他のよく知られている静電印刷装置、または後に開発される静電印刷装置は、本明細書に記載するフューザー部材を収容し、使用することもできる。例えば、ある実施形態は、フューザーロール表面に剥離剤を塗布せず、したがって、剥離剤成分を省くことができる。他の実施形態では、示されている円筒形フューザーロールを、終端のないベルトフューザー部材と置き換えてもよい。さらに他の実施形態では、フューザー部材の加熱は、その中空部分に配置された加熱要素以外の方法によるものであってもよい。例えば、加熱は、所望な場合、外部加熱要素または一体化した加熱要素によるものであってもよい。他の変更および改変は、当業者には明らかであろう。

本明細書で使用する場合、「フューザー」部材という用語およびその変形は、ロール、ベルト、例えば、終端のないベルト、平坦な表面、例えば、シートまたはプレート、または適切な基材に熱可塑性トナー画像を固定するのに使用される他の適切な形状であってもよい。フューザー部材、加圧部材または剥離剤供与体の形態をしていてもよい。

一実施形態では、外側層12は、任意の本開示のグラフェンを含む粒子/フルオロポリマーコンポジット組成物を含む。一実施形態では、グラフェンを含む粒子/フルオロポリマーコンポジット材料は、フューザー用途に適した特性を与えるように選択することができる。例えば、フルオロポリマーは、基材にトナー粒子を融合させるのに望ましい温度に基づいて、高温(一般的に、約90℃まで〜約200℃、またはこれより高い温度)に耐えることができる、熱に安定なエラストマーまたは樹脂材料であってもよい。

一実施形態では、基材14と外側層12との間に1つ以上の中間層が存在していてもよい。このような中間層に適切な熱特性および機械特性を有する典型的な材料としては、シリコーンエラストマー、フルオロエラストマー、EPDM(エチレンプロピレンヘキサジエン)およびTeflon(商標)(すなわち、ポリテトラフルオロエチレン)、例えば、Teflon PFAのスリーブを有するローラーが挙げられる。フュージング部材の設計例は、当該技術分野で知られており、米国特許第4,373,239号;第5,501,881号;第5,512,409号および第5,729,813号に記載され、その開示内容全体が、本明細書に参考として組み込まれる。

以下の実施例は、グラフェンを含む粒子/PFAコンポジットに関し、グラフェンを含む粒子は、フルオロシラン処理したグラフェン平板である。さらに具体的には、このコンポジット材料は、PFA粒子と、フルオロシラン処理され、PFA粒子と親和性を有するグラフェン平板とを含む溶媒系配合物から製造される。以下にさらに詳細に記載するように、まず、フルオロシランを含有するグラフェン−液体連続相(例えば、シクロヘキサノン)分散物の音波処理によって、グラフェン平板を剥離する。次いで、均一な分散物をPFA分散物(例えば、フローコーティング可能なPFA配合物)と混合する。混合しつつ、剥離したグラフェン平板をPFA粒子表面に付着させる。

以下の実施例のすべてのパーセントは、別段の定めがない限り、重量%である。

(実施例1) フルオロシランを用いたグラフェン表面処理を行い、改良された均一性を有するグラフェン/PFAコンポジットの組成物を開発した。この目的を達成するために、乾燥粉末形態のグラフェン平板を、数種類の異なるフルオロシランカップリング剤((3,3,3−トリフルオロプロピル)トリクロロシラン;ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロヘキシル)トリクロロシラン;ペンタフルオロフェニルプロピルトリクロロシランおよび(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリクロロシランを含む)で処理した。シラン処理を行っていないサンプル(図2A)、(ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロヘキシル)トリクロロシランで処理したサンプル(図2B)および(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリクロロシランで処理したサンプル(図2C)についてSEM分析を行った。

結果は、図2Cのフルオロシラン処理したグラフェン/PFAコーティング分散物が、均一なコーティング配合物を生成することを示した。未処理のグラフェン/PFAを用いた分散物、および(ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロヘキシル)トリクロロシランで処理したサンプルは、両方とも相分離した。しかし、(ノナフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロヘキシル)トリクロロシランで処理したグラフェンサンプルは、未処理のサンプルと比較して、改良された分散物安定性を示した。図2Dに示すように、均一で欠陥のないコンポジットコーティングを、図2Cの均一なコーティング配合物から製造した。

(実施例2Aおよび2B:コンポジット分散物の調製) 実施例2A−グラフェン表面の処理:0.6g(0.5%)のグラフェン(STREM 06−0210)を、60%の出力で2時間音波処理することによって、0.6gの(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラ−ヒドロオクチル)トリクロロシラン(Gelest、SIT8174.0)を含む120gのシクロヘキサノン(CHN)溶液に分散させた。過剰な液体連続相およびフルオロシランを遠心分離処理によって除去することによって、3重量%のグラフェン分散物を得た。

実施例2B−2%グラフェン/PFAコンポジット分散物:9gのPFA(Dupont MP320)粉末を、60%の出力で30分音波処理することによって、0.36gのGF400溶液(25%)を含む8gのメチルエチルケトン(MEK)および3gのCHNに分散させた。次いで、3%のフルオロシランで処理されたグラフェンを含む6gの実施例2Aのグラフェン分散物を、さらに30分音波処理しつつ、PFA/MEK分散物に加えた。回転させつつ、3.8gのポリ(プロピレンカーボネート)(PPC、Empower QPAC(登録商標)40)のCHN(20%)溶液をコンポジット分散物に加え、2%のグラフェンを含有する均一なコーティング分散物を作製した。

(実施例3:コンポジットコーティングの調製) 2%の実施例2Bのグラフェン/PFAコンポジット分散物をドローダウンコーティングによってシリコーンゴム基材に塗布し、次いで、340℃のオーブンで15分焼くことによって、コンポジットコーティングを製造した。

上のグラフェン/PFAコンポジット組成物は、フルオロシラン処理したグラフェンを含んでいた。フルオロシラン処理したグラフェン平板をPFA粒子に付着させた。実施例2Aの均一な溶液系グラフェン/PFAコーティング配合物から誘導され、ポリ(アルキレンカーボネート)の一時的なバインダーを含むコーティングは、比較的均一であり、高い電気伝導性および熱伝導性を有していた。

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