Paper-made binder, and manufacturing system and manufacturing equipment of the same

申请号 JP2007295984 申请日 2007-11-14 公开(公告)号 JP2009119712A 公开(公告)日 2009-06-04
申请人 Suga:Kk; 株式会社スガ; 发明人 SUGA YUKIO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a paper-made binder that has a ring shape for binding flat sheets of all sizes, and to provide a manufacturing system and equipment that can efficiently, economically and continuously produce this paper-made binder. SOLUTION: The paper-made binder 1 includes laminated paper sheets 101 constituted by laminating paper sheets. The binder includes an adhesive layer 2d between the paper sheets, and includes a connecting part continuously provided along the extending direction and a plurality of serrated parts (ring parts 2) extended in one direction orthogonal to the direction extending from the connecting part. The connecting part is the end on the opposite side from the extended end of the ring parts 2 wherein the laminated paper sheets 101 in the connecting part are stuck in-between along the extending direction, with the adhesive layer 2d exposed at the distal end of the ring parts 2. COPYRIGHT: (C)2009,JPO&INPIT
权利要求
  • 紙葉を積層して構成される積層用紙からなる紙製綴じ具であって、
    紙葉間に接着層を有し、延出方向に沿って連続的に設けた接続部と、該接続部より延出方向と直交する方向の一方に延出された複数の歯状部と、を有し、
    該接続部は該歯状部の延出側と反対側の端部であり、かつ、該接続部における積層用紙の紙葉間は、延出方向に沿って接着されており、
    該歯状部の先端部に前記接着層が露出している、
    ことを特徴とする紙製綴じ具。
  • 一端側に略帯状の余地を残し、他端側を略櫛歯状にカットした二枚重ねの積層用紙を、筒状に湾曲して複数の連なるリング形状部を備えるように形成した紙製綴じ具において、
    前記積層用紙は重ねた積層用紙の一方の対向面に接着層を有し、
    該接着層を有する積層用紙を外周側とし、
    前記積層用紙の櫛歯状にカットした先端部において、
    内周側の積層用紙が該外周側の積層用紙より短く、
    該先端部において外周側の積層用紙の接着層が露出しており、
    前記積層用紙の櫛歯状にカットした先端部、および、前記帯状の余地の双方を湾曲面に対し外側に折り曲げて各々平坦部を成形している、
    ことを特徴とする紙製綴じ具。
  • 二枚の帯状用紙を一側に合わせて重ねた積層用紙であって、
    一方の帯状用紙に粘着剤が塗布されており、
    他方の帯状用紙の幅が前記粘着剤を塗布した帯状用紙よりも短く、
    前記積層用紙の一端側を櫛歯状にカットしてなる、
    櫛歯状用紙を綴じ具に成形する成形装置であって、
    該櫛歯状用紙の背側を保持し、保持した状態で成形経路に沿って移動させる複数の保持手段と、
    前記櫛歯状用紙の櫛歯部分の基部を湾曲形状に成形する第一成形手段と、
    該櫛歯部分の中央部を湾曲形状に成形する第二成形手段と、
    を有し、
    該第二成形手段が帯状用紙の櫛歯部分の先端部を冷却する冷却手段を有し、
    該第一成形手段および第二成形手段を前記保持手段の間に配設した、
    ことを特徴とする紙製綴じ具の製造装置。
  • ロール状に巻かれた帯状用紙の一方の面に粘着材を塗布する塗布工程と、
    該塗布工程により粘着材が塗布された帯状用紙に粘着材未塗布の帯状用紙を積層接着して積層用紙を成形する合紙工程と、
    該合紙工程により積層接着された積層用紙の一端側に略帯状の帯状余地部を残して他端側を略櫛歯状にカットしてなる櫛歯状部を形成し、櫛歯状用紙を成形する櫛歯状カット工程と、
    該櫛歯状カット工程により成形された前記櫛歯状用紙の櫛歯状部の先端において、積層された一方の帯状用紙に切込みを入れるハーフカット工程と、
    該ハーフカット工程により一端に切込みを施された櫛歯状用紙において前記櫛歯状部を略筒状に湾曲してリング形状部を形成すると同時に前記櫛歯状部の先端部、および、前記帯状余地部の双方を湾曲面に対し外側に折り曲げて平坦部を成形する成形工程と、
    該成形工程によりリング形状部が形成された櫛歯状部の先端部を、複数の枚葉紙に設けた綴じ孔に通して前記帯状余地部の平坦部に櫛歯状部の平坦部を接着接合する製本工程と、
    からなる製造工程により構成する、
    ことを特徴とする紙製綴じ具の製造システム。
  • 前記合紙工程、および、櫛歯状カット工程は互いに重ね合わせた二枚の帯状用紙の左右両端部を圧着して積層接着する合紙部と、
    前記積層接着された帯状用紙の平面中央部にサインカーブ状の切込みを入れることで同時に2部の前記櫛歯状用紙を成形する櫛歯状カット部と、
    前記2部の櫛歯状用紙を剥ぎ分けて各々ボビンに巻き付ける巻取り部と、
    を具備し、これら合紙部、櫛歯状カット部、巻取り部によって連続的に繋がる前記帯状用紙を同時に加工する、
    ことを特徴とする、請求項4に記載の紙製綴じ具の製造システム。
  • 说明书全文

    本発明は、連続的に成形したリング形状からなる紙製綴じ具、および、その製造システムと製造装置の技術に関する。

    従来から、卓上カレンダーやノート、あるいは、書籍等の綴じ方として、開放された筒状の綴じ具を使用する綴じ形態が知られている。
    ここで、近年、環境保護の観点から、使用済みの製品や物品等の廃棄処分に関してリサイクル性の向上が叫ばれる中、これら卓上カレンダー等の紙製品に関しては、金属やプラスチック等の異質材料が混在される場合が多く、リサイクルするためには、これら異質材料を材質ごとに仕分ける必要があり、処分に手間暇がかかるため、前記綴じ具に替わる代替品が必要となっていた。

    そこで、金属やプラスチック等からなる前記筒状綴じ具の代替品として、紙製綴じ具が公知となっている(特許文献1、および、特許文献2を参照。)。 前記紙製綴じ具を用いれば、卓上カレンダー等の構成材料を全て紙製品とすることができ、リサイクル性の向上が図れる。

    特開第3754061号公報

    特開第3781746号公報

    ところで、これら紙製綴じ具は環境保護に役立つため、今後多くの需要が見込まれる。 しかし、現在、紙製綴じ具を効率的、かつ、経済的に生産するための製造システムと製造装置が確立されてはいない。
    そこで、本発明が解決しようとする課題は、あらゆるサイズの枚葉紙を綴じることが可能なリング形状を有する紙製綴じ具と、該紙製綴じ具を効率的、かつ、経済的に連続生産することができる製造システム、および、製造装置を提供することである。

    本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。

    すなわち、請求項1においては、紙葉を積層して構成される積層用紙からなる紙製綴じ具であって、紙葉間に接着層を有し、延出方向に沿って連続的に設けた接続部と、該接続部より延出方向と直交する方向の一方に延出された複数の歯状部と、を有し、該接続部は該歯状部の延出側と反対側の端部であり、かつ、該接続部における積層用紙の紙葉間は、延出方向に沿って接着されており、該歯状部の先端部に前記接着層が露出しているものである。

    請求項2においては、一端側に略帯状の余地を残し、他端側を略櫛歯状にカットした二枚重ねの積層用紙を、筒状に湾曲して複数の連なるリング形状部を備えるように形成した紙製綴じ具において、前記積層用紙は重ねた積層用紙の一方の対向面に接着層を有し、該接着層を有する積層用紙を外周側とし、前記積層用紙の櫛歯状にカットした先端部において、内周側の積層用紙が該外周側の積層用紙より短く、該先端部において外周側の積層用紙の接着層が露出しており、前記積層用紙の櫛歯状にカットした先端部、および、前記帯状の余地の双方を湾曲面に対し外側に折り曲げて各々平坦部を成形しているものである。

    請求項3においては、二枚の帯状用紙を一側に合わせて重ねた積層用紙であって、一方の帯状用紙に粘着剤が塗布されており、他方の帯状用紙の幅が前記粘着剤を塗布した帯状用紙よりも短く、前記積層用紙の一端側を櫛歯状にカットしてなる、櫛歯状用紙を綴じ具に成形する成形装置であって、該櫛歯状用紙の背側を保持し、保持した状態で成形経路に沿って移動させる複数の保持手段と、前記櫛歯状用紙の櫛歯部分の基部を湾曲形状に成形する第一成形手段と、該櫛歯部分の中央部を湾曲形状に成形する第二成形手段と、を有し、該第二成形手段が帯状用紙の櫛歯部分の先端部を冷却する冷却手段を有し、該第一成形手段および第二成形手段を前記保持手段の間に配設したものである。

    請求項4においては、ロール状に巻かれた帯状用紙の一方の面に粘着材を塗布する塗布工程と、該塗布工程により粘着材が塗布された帯状用紙に粘着材未塗布の帯状用紙を積層接着して積層用紙を成形する合紙工程と、該合紙工程により積層接着された積層用紙の一端側に略帯状の帯状余地部を残して他端側を略櫛歯状にカットしてなる櫛歯状部を形成し、櫛歯状用紙を成形する櫛歯状カット工程と、該櫛歯状カット工程により成形された前記櫛歯状用紙の櫛歯状部の先端において、積層された一方の帯状用紙に切込みを入れるハーフカット工程と、該ハーフカット工程により一端に切込みを施された櫛歯状用紙において前記櫛歯状部を略筒状に湾曲してリング形状部を形成すると同時に前記櫛歯状部の先端部、および、前記帯状余地部の双方を湾曲面に対し外側に折り曲げて平坦部を成形する成形工程と、該成形工程によりリング形状部が形成された櫛歯状部の先端部を、複数の枚葉紙に設けた綴じ孔に通して前記帯状余地部の平坦部に櫛歯状部の平坦部を接着接合する製本工程と、からなる製造工程により構成するものである。

    請求項5においては、前記合紙工程、および、櫛歯状カット工程は互いに重ね合わせた二枚の帯状用紙の左右両端部を圧着して積層接着する合紙部と、前記積層接着された帯状用紙の平面中央部にサインカーブ状の切込みを入れることで同時に2部の前記櫛歯状用紙を成形する櫛歯状カット部と、前記2部の櫛歯状用紙を剥ぎ分けて各々ボビンに巻き付ける巻取り部と、を具備し、これら合紙部、櫛歯状カット部、巻取り部によって連続的に繋がる前記帯状用紙を同時に加工するものである。

    本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。

    請求項1、および、請求項2においては、積層用紙の一端側に形成した櫛歯状の箇所を筒状に湾曲させて連続的に繋がるリング形状部を形成するため、必要なリング形状部の個数は紙製綴じ具を生産する前に予め設定する必要はなく、紙製綴じ具の生産時において、任意にリング形状部の個数を選択して紙製綴じ具を生産できる。 よって、多品種少量生産に対応した、あらゆるサイズの枚葉紙を綴じることが可能なリング形状部を有する紙製綴じ具を、効率的かつ経済的に提供することができる。

    請求項3においては、成形装置による成形工程を、該櫛歯状用紙の背側を保持し、保持した状態で成形経路に沿って移動させる保持手段と、前記櫛歯状用紙の櫛歯部分の基部を湾曲形状に成形する第一成形手段と、該櫛歯部分の中央部を湾曲形状に成形する第二成形手段等とから構成し、該第一成形手段および第二成形手段を前記保持手段の間に配設したので、別途位置決め装置等を設置する必要もなく、第一成形部、および、第二成形部における位置決めを容易に行うことができ、製品精度の高い紙製綴じ具を効率的かつ経済的に生産することが可能な成形装置を提供することができる。

    請求項4においては、紙製綴じ具をリング形状部が連続して連なった状態にて自動成形することができるため、必要なリング形状部の個数は紙製綴じ具を生産する前に予め設定する必要はなく、紙製綴じ具の生産時において、任意にリング形状部の個数を選択して紙製綴じ具を生産できる。 よって、多品種少量生産に対応した、あらゆるサイズの枚葉紙を綴じることが可能なリング形状部を有する紙製綴じ具を、効率的かつ経済的に生産することができる製造システムを提供することができる。

    請求項5においては、一本のロール状に巻かれた二枚の帯状用紙から二本の櫛歯状の積層用紙を同時に成形することが可能であり、材料費を半減することができ、また、生産にかかる時間も短縮することができるため経済的である。

    次に、発明の実施の形態を説明する。
    図1は本発明の一実施例に係る紙製綴じ具を示す全体斜視図である。
    図2は同じく紙製綴じ具を長手方向から見た断面図である。
    図3は紙製綴じ具を用いて束ねられた卓上カレンダーを示す全体斜視図である。
    図4は本発明の一実施例に係る紙製綴じ具の一連の製造工程を示す概念図である。
    図5は各製造工程における紙製綴じ具の状態を示すモデル図である。
    図6は塗布工程におけるヒートシール剤塗布装置を示す側面図である。
    図7は合紙・櫛歯状カット工程における合紙装置、櫛歯状カット装置、巻取り装置を示す側面図である。
    図8は櫛歯状カット装置に組み付けられるカット刃の構成を示す平面図である。
    図9は櫛歯状のカット刃が積層用紙に切り込む際の状態を示す断面図である。
    図10はハーフカット工程におけるハーフカット装置を示す側面図である。
    図11は櫛歯状にカットされた積層用紙とハーフカット刃との配置を示すモデル図である。
    図12はハーフカット工程後の積層用紙を再度ボビンへ巻き直す、巻き替え装置を示す図である。
    図13は成形工程におけるプレス成形装置を示す側面図である。
    図14は同じく平面図である。
    図15はプレス成形装置における第一プレス成形部での動作を示す正面図である。
    図16は同じく第二プレス成形部での動作を示す正面図である。
    図17は製本工程における製本装置を示す側面図である。

    [紙製綴じ具1]
    まず、本発明に係る紙製綴じ具1について、図1乃至図3を用いて説明する。
    紙製綴じ具1は比較的厚手の用紙(約0.5mm)を2枚重ねて積層接着した積層用紙101(図5を参照。)から成形され、円筒状に湾曲する複数のリング部2・2・・・と、該リング部2・2・・・の一端側を繋ぐ帯状余地部3と、により構成される。

    積層用紙101はリング部2の外周面となる外側紙2aと、同じく内周面となる内側紙2bと、により構成され、本実施例では外側紙2aにおいて、内側紙2bとの対向面にヒートシール剤からなる接着材を貼付して、両用紙2a・2bを貼り合せることとしている。 すなわち、外側紙2aと内側紙2bとの間にはヒートシール剤からなる接着層2d(図2参照。)が設けられており、積層用紙101のリング部2をプレスおよび加熱することで容易に成形可能としている。

    ここで外側紙2aと内側紙2bとの接着方法についてはこれに限定されるものではなく、たとえば、前記ヒートシール剤は両用紙2a・2bの対向面に各々貼付して接着をより強固なものとしてもよい。 また、接着剤についてもヒートシール剤に限定されるものではなく、例えば、他の糊や膠のようなものであってもよい。 特に熱可塑性の接着剤もしくは過熱により硬化する接着剤を用いることにより、容易に成形可能となる。 また、接着層を構成するものとしては、液状ヒートシール剤の塗布によるほか、シートもしくはテープ状のヒートシール剤を間に挟む構成も可能である。

    リング部2は後述のとおり、積層用紙101の一端側に成形する櫛歯状の歯部を円筒状に湾曲させた部位であり、その先端部は平面視半円形に成形される。 またリング部2の先端部には円筒状に湾曲する方向と逆の方向に折り曲げられた平坦部2cを形成し、かつ、その平坦部2cは内側紙2bの先端部が除去されている。 これにより、リング部2の先端部において、接着層2dであるヒートシール剤が露出する。

    帯状余地部3は複数のリング部2・2・・・の一端部において、該リング部2・2・・・の基部を並列に支持する部位であり、リング部2・2・・・の先端における平坦部2c・2c・・・と対向して設けられている。 すなわち、帯状余地部3も平坦部2cと同様に、円筒状に湾曲する方向と逆の方向に折り曲げられて成形され、その平面幅は前記平坦部2cの長さと比べて若干大きく設けられている。

    このような形状からなる紙製綴じ具1は、例えば、図3に示すような卓上カレンダー50やノート等、複数の枚数からなる枚葉紙51・51・・・の一端部を束ねるために用いられる。

    すなわち、複数の枚葉紙51・51・・・の各上端部には、各々同じ位置にて同形状の複数の綴じ孔51a・51a・・・が長手方向に一列に設けられており、かつ、該綴じ孔51a・51a・・・の幅寸法は紙製綴じ具1のリング部2における幅寸法に比べて大きく設けられている。

    そして、リング部2・2・・・の先端部を、複数の枚葉紙51・51・・・の綴じ孔51a・51a・・・に同時に挿通させ、その後、リング部2・2・・・の平坦部2c・2c・・・(図1、および、図2を参照。)と帯状余地部3とを接着することによって、前記複数の枚葉紙51・51・・・は束ねられている。

    すなわち、枚葉紙51の綴じ孔51aに挿通されたリング部2の平坦部2cは露出した外側紙2aの内面側、すなわち、ヒートシール剤が貼付される面を向けて帯状余地部3と対向して設けられており、平坦部2cと帯状余地部3とを互いに合掌するようにして重ね合わせ、同時に加熱プレスを行うことにより、紙製綴じ具1のリング部2は綴じられている。

    このように、紙製綴じ具1は一方の端部に綴じ孔51a・51a・・・を設けた複数の枚葉紙51・51・・・からなるカレンダー、または、冊子を束ねるために用いられることにより、金属やプラスチック製の綴じ具を用いた従来のカレンダー等と違って、100%の紙製品とすることができ、廃棄処分時のコストを削減でき、経済的である。

    ここで、本発明における紙製綴じ具1は後述のとおり、複数のリング部2・2・・・が帯状に連続して繋がる一定の長さを有して成形されており、使用の際には、ボビンなどにロール状に巻かれた前記紙製綴じ具1を適当な長さにカットして用いることになる。

    つまり、積層用紙101はロール状に巻かれた帯状の用紙であり、この積層用紙101の一側部を連続して櫛歯状にカットして、さらにこれを湾曲形状に成形することで、連続した帯状紙片に連なるリング部2・2・・・を構成できる。 そして、連続した複数のリング部2・2・・・を有する帯状紙片であるため、取得可能な連続したリング部2・2・・・の個数の範囲を広くとることができ、一定の個数のリング部2・2・・・を有する短冊状のものと比較して、切断によりリング部2・2・・・が余ることがなく、紙片を有効に利用することができる。 複数の枚葉紙51・51・・・を綴じる際に任意に決定することができるため、多品種少量生産におけるあらゆるサイズの枚葉紙51に対して容易に対応することができるのである。

    このように、紙葉を積層して構成される積層用紙101からなる紙製綴じ具1であって、紙葉間に接着層2dを有し、延出方向に沿って連続的に設けた接続部と、該接続部より延出方向と直交する方向の一方に延出された複数の歯状部(リング部2・2・・・)と、を有し、該接続部は該リング部2・2・・・の延出側と反対側の端部であり、かつ、該接続部における積層用紙101の紙葉間は、延出方向に沿って接着されており、該リング部2・2・・・の先端部に前記接着層2dが露出しているので、必要なリング部2・2・・・の個数は紙製綴じ具1を生産する前に予め設定する必要はなく、紙製綴じ具1の生産時において、任意にリング部2・2・・・の個数を選択して紙製綴じ具1を生産できる。 よって、多品種少量生産に対応した、あらゆるサイズの枚葉紙51・51・・・を綴じることが可能なリング部2・2・・・を有する紙製綴じ具1を、効率的かつ経済的に提供することができる。

    また、一端側に略帯状の余地(帯状余地部3)を残し、他端側を略櫛歯状にカットしたニ枚重ねの積層用紙101を、筒状に湾曲して複数の連なるリング形状部(リング部2・2・・・)を備えるように形成した紙製綴じ具1において、前記積層用紙101は重ねた積層用紙101の一方の対向面に接着層を有し、該接着層を有する積層用紙を外周側(外側紙2a)とし、前記積層用紙101の櫛歯状にカットした先端部(平坦部2c)において、内周側(内側紙2b)の積層用紙101が該外側紙2aの積層用紙101より短く、該平坦部2cにおいて外側紙2aの積層用紙101の接着層2dが露出しており、前記積層用紙101の櫛歯状にカットした(平坦部2c)、および、前記帯状余地部3の双方を湾曲面に対して外対側に折り曲げて各々平坦部を成形しているため、リング部2の先端部を綴じる場合、再び平坦部2cの対向面に接着剤等を塗布したりする必要もなく、容易に平坦部2cと帯状余地部3とをプレス圧着することができる。

    [紙製綴じ具1の製造工程]
    次に、本発明に係る紙製綴じ具1の製造工程の概略について、図4、および、図5を用いて説明する。
    紙製綴じ具1の製造工程は主に第一工程W01から第六工程W06によって構築されており、順に塗布工程(第一工程W01)、合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)、ハーフカット工程(第三工程W03)、巻き替え工程(第四工程W04)、成形工程(第五工程W05)、製本工程(第六工程W06)と、に分類される。

    塗布工程(第一工程W01)はロール状に巻かれた帯状用紙100の一方の面に接着剤(ヒートシール剤)を塗布する工程であり、本実施例においては図5(a)に示すようにボビンから繰出された前記帯状用紙100の下面側に連続して、前記ヒートシール剤を塗布していく。 ヒートシール剤が塗布された帯状用紙100は、その後、塗布面を内側にしてボビンに巻かれ、次の合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)に搬送される。

    合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)は塗布工程にてヒートシール剤が塗布された帯状用紙100aと、ヒートシール剤が未塗布の帯状用紙100bと、を連続的に積層接着し、その後、一方の側部を櫛歯状にカットする工程である。

    すなわち、図5(b)に示すように、ボビンから引き出されたヒートシール剤が塗布済みの帯状用紙100aは塗布面を上側にして導かれ、同時に、その上面にヒートシール剤が未塗布の帯状用紙100bが張り合わされる。

    その後、張り合わされた帯状用紙100(以下、合紙工程(第二工程W02)によって張り合わされた帯状用紙100を「積層用紙101」と記す。)の左右両端部において、熱が加えられることで、中央部を除く左右両端部の接着状態を確固とされ、積層用紙101の中央部に櫛歯状の切込みが入れられる。

    このような工程を踏むことにより、一本の積層用紙101から二本の櫛歯状の積層用紙101R・101Lを成形することができ、かつ、中央部に切り込まれた櫛歯状の部分(櫛歯状部)においては、未接着な状態を保つことができる。 つまり、前記塗布工程(第一工程W01)においては、ヒートシール剤は帯状用紙100の左右両端部にしか塗布されておらず、積層用紙101の状態では、その中央部が未接着状態となっているのである。 なお、前記櫛歯状部を未接着状態とすることで、その後に形成されるリング部2・2・・・を未接着の状態にすることができ、加圧及び加熱により、リング部2・2・・・の湾曲形状への成形を容易に行うことができる。 成形された二本の櫛歯状の積層用紙101R・101Lはその後、各々分断され再びボビンに巻き取られ、次のハーフカット工程(第三工程W03)に搬送される。

    ハーフカット工程(第三工程W03)は積層用紙101の櫛歯状部の先端において、上下一方の積層用紙101R(あるいは、積層用紙101L)を除去する工程である。
    すなわち、図5(c)に示すように、合紙・櫛歯状カット工程により櫛歯状にカットされた積層用紙101R(あるいは、積層用紙101L)はヒートシール剤の塗布された側(積層用紙101a)を下面にしてボビンから繰出され、上面側の積層用紙101bにおいて、その櫛歯状部の先端101cがカットされ除去される。 その後、再びボビンに巻き取られ、一方の積層用紙101R(あるいは、積層用紙101L)は次の巻き替え工程(第四工程W04)に搬送され、他方の積層用紙101L(あるいは、積層用紙101R)は成形工程(第五工程W05)へと搬送される。

    巻き替え工程(第四工程W04)は同時に成形された櫛歯状の積層用紙101の一方について、ロールに巻かれた状態を一方向に統一するために再度ボビンに巻き直すための工程である。

    すなわち、合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)においては一本の積層用紙101から二本の櫛歯状の積層用紙101R・101Lが成形されるが、これらは互いに合掌した状態で成形され、その後、同一方向にボビンに巻き取られることから、櫛歯状部の延出方向が互いに逆となってロール状に巻かれることとなる。

    従って、どちらか一方に櫛歯状部の延出方向を統一するため、巻き替え工程(第四工程W04)によって再度ボビンに、櫛歯状にカットされた一方の積層用紙101R(あるいは、積層用紙101L)を巻き直すのである。 なお、巻き替え工程(第四工程W04)によりボビンに巻き取られた積層用紙101R(あるいは、積層用紙101L)は、次の成形工程(第五工程W05)に搬送される。

    成形工程(第五工程W05)は積層用紙101の櫛歯状部をリング状に湾曲させる最終工程であり、後述のとおり二つの作業工程により構成され、図5(d)に示すように連続的な紙製綴じ具1を成形する工程である。

    製本工程(第六工程W06)は図5(e)に示すように、成形工程(第五工程W05)により連続して成形された紙製綴じ具1を所定の長さ(リング数)にカットした後、複数の枚葉紙51・51・・・を実際に綴じる工程である。

    すなわち、複数の枚葉紙51・51・・・の綴じ孔51a・51a・・・にリング状の櫛歯状部を挿通させ、その後、櫛歯状部先端の平坦部2cと、対向側の帯状余地部3とを圧着することにより、紙製綴じ具1は綴じられる。

    以上のような複数の工程(第一工程、乃至、第六工程)を踏むことにより、紙製綴じ具1は連続して成形され、枚葉紙51・51・・・のサイズに合わせて、適宜、必要な長さ分だけカットして用いることができる。

    [塗布工程(第一工程W01)]
    次に、図6を用いて塗布工程(第一工程W01)の詳細を説明する。
    塗布工程(第一工程W01)は帯状の用紙の片面に接着剤(ヒートシール剤)を塗布する工程であり、主に、ボビン7に巻かれた前記帯状用紙100の繰出し速度を調整する繰出し装置4と、実際に帯状用紙100にヒートシール剤を塗布する塗布装置5と、該塗布装置5による処理が完了した前記帯状用紙100を再びボビン17に巻き取る巻取り装置6等により構成される。

    繰出し装置4はボビン7の枢支軸の両端部を支持するフレーム8を骨格として、前記ボビン7を予め定められた位置にセットする投入部9等により構成される。 投入部9は前記フレーム8の下部に回動自在に軸支される投入アーム9b・9bと、該投入アーム9b・9bの動力源となる駆動モータ9aと、投入アーム9b・9bに駆動モータ9aの回転駆動力を伝達する駆動チェーン9c等により構成される。

    投入アーム9b・9bは正面視にて前記フレーム8を間に挟んで左右両側に二本、並設されており、一方の先端部において直に嵌入する回転軸を介して、両部材9b・9bは連結される。

    ここで前記回転軸の一方の端部にはスプロケットが挿嵌されており、該スプロケットは駆動チェーン9cを介して駆動モータ9aと連結される。 また、前記両投入アーム9b・9bにおいて、回転軸と対向する側の先端部には略横「U」字形状の部材が設けられており、この部材により、ボビン7の枢支軸が保持される。

    このような構造からなる投入部9を用いることで、ボビン7を容易にフレーム8にセットすることができる。 すなわち、初期状態(フレーム8へのボビン7の投入前)において、投入アーム9b・9bはフレーム8の後下端部に設けられる回転軸を中心として平方向に横たわった状態にあるが、前記「U」字部材にボビン7の枢支軸をセットして図示せぬスイッチ(押釦スイッチ)を入れることにより、駆動モータ9aが駆動し始め、前記投入アーム9b・9bは起立され、ボビン7が設置位置まで運ばれるのである。

    フレーム8にセットされたボビン7からは帯状用紙100が引き出され、複数のローラを介して進行方向を変え、後述の塗布装置5へと導かれる。

    ここで、ボビン7の枢支軸の一端部には図示せぬギアが嵌入されており、また、フレーム8には図示せぬトルク伝達機構が具備されている。 そして、ボビン7をフレーム8の予め定められた位置にセットし、ボビン7に、繰出し方向と逆方向のトルクをかけることにより、塗布装置5により帯状用紙100が強制的に繰出されても、帯状用紙100が弛むことはない。

    なお、トルク伝達機構は、本実施例においては電磁クラッチを用いているがこれに限定されるものではなく、例えば、強力な捻りバネ等を利用したものであってもよい。

    塗布装置5は主に繰出し装置4より繰出された帯状用紙100の片面にヒートシール剤を塗布する塗布部10と、ヒートシール剤を乾燥させる乾燥部11・11と、乾燥し終えた帯状用紙100を常温(外気温度)にまで集中冷却する冷却部12と、により構成される。

    塗布部10には上下方向に隣接する二つのローラ13・13が回転自在に設けられており、その(ローラ13・13)下方には略矩形の受け皿15が配設されている。 受け皿15には液状の接着剤(ヒートシール剤)が入れられており、下方のローラ13の下部は、下部をヒートシール剤に浸されたローラに接触している。

    そして、繰出し装置4より繰出された帯状用紙100は、塗布装置5側に具備される複数のローラを介して進行方向を変え、両ローラ13・13の間へと導かれ、前記帯状用紙100の一方の面にヒートシール剤が塗布される。

    すなわち、塗布部10の両ローラ13・13は互いに帯状用紙100の表面、および、裏面において接触しており、帯状用紙100が引き出されることで両ローラ13・13は回転される。 そして、下方のローラ13が回転することで下部表面に附着したヒートシール剤が上部へと運ばれ、帯状用紙100の裏面に附着する。

    乾燥部11・11は帯状用紙100の進行方向に沿って二部に分かれて配置されており、塗布部10の直後に設けられ、複数個の熱風吹き出し口が進行方向に沿って配置されている。 つまり、塗布部10を通過した帯状用紙100はその後、乾燥部11・11を通過することで、裏面に附着したヒートシール剤の溶媒が蒸発して帯状用紙100の裏面に確実に附着される。 尚、乾燥部11・11が二部に分かれて設けられるのは、装置全体の運搬形態等の理由からであり、これに限定されるものではなく、一体構造として構成してもよい。

    乾燥部11・11を通過した帯状用紙100はその後、冷却部12へと導かれる。 ここで、冷却部12は乾燥部11の直後に設けられており、かつ、乾燥部11・11と同様、進行方向に沿って複数個の冷風吹き出し口が配置され、乾燥後の帯状用紙100を冷却する。

    冷却部12を通過することにより、帯状用紙100に塗布されたヒートシール剤は冷やされ粘着性がなくなるため、後述の巻取り装置6によって再びロール状に巻かれても、互いに接着することはない。

    また、冷却部12の下流側には、ピンチローラ部30が設けられており、このピンチローラ部30によって駆動力がかけられ、帯状用紙100が繰出される。 すなわち、ピンチローラ部30は上下方向に隣接する二つのローラ等により構成されており、一方のローラが駆動回転することにより、両ローラ間に挟まれた帯状用紙100が、下流側に繰出される。

    巻取り装置6は片持ち構造からなる回転軸6aを有し、その一方の端部には空のボビン17が嵌挿され、他方の端部には図示せぬ回転駆動部が設けられている。 そして、前述のピンチローラ部30により繰出された帯状用紙100は、再び巻取り装置6によって空のボビン17にロール状に巻かれる。

    このように、繰出し装置4から繰出された帯状用紙100は塗布装置5の塗布部10、乾燥部11・11、冷却部12、および、ピンチローラ部30の両ローラ間を順に通過した後、巻取り装置6に導かれ、再びロール状に巻き取られる。

    [合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)]
    次に、図7、乃至、図9を用いて合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)の詳細を説明する。
    合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)は塗布工程(第一工程W01)によってヒートシール剤が塗布された帯状用紙100を積層接着する合紙工程と、積層接着された帯状用紙100(以下、合紙工程後の帯状用紙100を「積層用紙101」と記す。)を櫛歯状に連続カットする櫛歯状カット工程と、により構成される。

    ここで、合紙工程はロール状に巻かれた2個の帯状用紙100・100を保持する巻き出し装置18と、帯状用紙100・100を二枚重ねて圧着する合紙装置19と、により構成されており、また、櫛歯状カット工程は積層用紙101の中央部に連続して櫛歯状の切込みを入れる櫛歯カット装置20と、櫛歯カット装置20により分断された積層用紙101を剥ぎ分ける分割装置21と、剥ぎ分けられた積層用紙101を各々ボビンに巻き取る巻取り装置22と、により構成される。 そして、これら工程は上流側より合紙工程、櫛歯状カット工程と順に配置されており、かつ、後述のとおり両工程の間に設けられる弛み検出装置23を用いて、処理時間の差を吸収することとしている。

    巻き出し装置18は2個のボビン受け台18a・18bから構成されており、各々帯状用紙100・100の進行方向に沿って一直線上に、かつ、互いに上下方向に幾分ずらして、配置される。 ボビン受け台18a・18bは長手方向を帯状用紙100・100の進行方向とする矩形状の箱体により形成され、その上面は開放されており、横幅(短手方向)はボビン17・17の幅と比べて若干大きく設けられている。 従って、ボビン17・17に巻かれた帯状用紙100・100をボビン受け台18a・18bにセットするには、上面の開放部よりボビン17・17を各々投入することになり、かつ、投入後は箱体の側面により転倒防止が図られている。

    また、ボビン受け台18a・18bの内側下部中央には回転自由なローラが2個設けられており、各ボビン受け台18a・18bにセットされた帯状用紙100・100と外接し、帯状用紙100・100を繰出す際の自由回転を保持する。

    このようにして巻き出し装置18は構成されており、下流側のボビン受け台18aにはヒートシール剤が未塗布の帯状用紙100が、また、上流側のボビン受け台18bにはヒートシール剤が塗布済みの帯状用紙100が、ボビン17・17に巻かれた状態で、各ボビン受け台18a・18bにセットされる。

    そして、ボビン受け台18a・18bから繰出された帯状用紙100はその後一枚に重ねられ、後述する合紙装置19に導かれる。

    合紙装置19は直方体のベースフレーム24と、その(ベースフレーム24)上方に具備される昇降フレーム25等により構成されおり、ベースフレーム24と昇降フレーム25には各々下板26、および、ヒーターである上板27が設けられている。

    下板26は上方に開口する断面視略「U」字状の部材であり、長手方向を帯状用紙100・100の進行方向に沿わせて、ベースフレーム24に固設されている。 また、下板26の近傍には上下方向に周囲を囲むようにして下側搬送ベルト28が設けられている。

    上板27は独自の昇降機能を有し、昇降フレーム25内において、さらに上昇、下降をすることができる。 また、下板26と同様に、上板27は下方に開口する断面視略「U」字状の部材から形成され、長手方向を帯状用紙100・100の進行方向に沿わせて、昇降フレーム25に設けられる。

    上板27の近傍には上下方向に周囲を囲むようにして上側搬送ベルト29が設けられており、昇降フレーム25が下降すると、上側搬送ベルト29の下面と、下側搬送ベルト28の上面とが接触するようになっている。 なお、上側搬送ベルト29と下側搬送ベルト28の進行方向は、ともに帯状用紙100の進行方向と合致する。

    このような構成からなる合紙装置19に、重ね合わされた二枚の帯状用紙100・100が導かれた場合、まず、昇降フレーム25が下降することによって、帯状用紙100・100は上側搬送ベルト29と下側搬送ベルト28との間に挟まれ、次に、上板27が下降することにより、帯状用紙100・100の端部が加熱され、上下の帯状用紙100・100が圧着される。

    帯状用紙100・100の圧着作業は連続的に行なわれるものであり、圧着作業を停止する場合には、上板27のみが昇降フレーム25内にて上昇し、帯状用紙100・100に余分な熱が伝達するのを防ぐ構成となっている。

    なお、両搬送ベルト28・29の双方、あるいは、一方には図示せぬ駆動部が設けられており、巻き出し装置18より引き出された上下二枚の帯状用紙100・100は両搬送ベルト28・29の間に挟まれ、下流方向に繰出される。

    また、上述のとおり、上板27、及び、下板26はともに圧着部を加熱するために端部が突出した形状となっている。 帯状用紙100・100が圧着される箇所は平面視にて中央部を除く、左右両側の幾分かの領域に限られる。 そして、上下板26・27が各々の搬送ベルト28・29を間に挟んで、前記帯状用紙を圧着する。

    櫛歯カット装置20は積層用紙101(すなわち、合紙装置19によって積層接着された上下2枚の帯状用紙100・100)を引き込むピンチローラ部31と、積層用紙101の中央部に櫛歯状の切込みを入れるプレス部32等より構成される。

    ピンチローラ部31はプレス部32の上流側に設けられており、主に上下方向に隣接する二つのローラ等により構成され、一方のローラが駆動回転することにより、二つのローラ間に挟まれた積層用紙101は、下流側に繰出される。

    プレス部32は矩形のテーブル形状に形成されるベースフレーム32aと該ベースフレーム32aの下流側の下部において、上下方向自在に設けられる下部フレーム32bと、同じくベースフレーム32aの上面において、下部フレーム32bの上方に設置される上部フレーム32c等により構成される。

    上部フレーム32cの下面には、図8に示すように、カット刃33(トムソン刃)が着脱自在に配設されており、下部フレーム32bが積層用紙101を率いて上昇することにより、積層用紙101の中央部に櫛歯状の切込みが入れられる。

    ここでカット刃33は図8に示すように、矩形状の木板34の平面中央部において、帯状の刃35がサインカーブを描きながら木板34に直立して設けられており、かつ、刃35の周囲には、ほぼ自身(刃35)が隠れる程度の厚みを有するゴム板36が設けられている。

    また、刃35の両側の先端位置は僅かにずらして配設されており、詳しくは図8において、上流側(図8中の右側)の先端位置はX1線上にあり、下流側(図8中の左側)の先端位置はX2線上なるように形成されているため、両側先端部において寸法aだけのオーバーラップ量が設けられている。 このような構成を具備することにより、カット刃33は積層用紙101の中央部に絶え間のない「切込み」を確実に加えることができる。 つまり、予め刃35の両側先端部の位置をオーバーラップさせているため、たとえ搬送方向左右側に幾分かのずれを生じても、寸法a内であれば連続した滑らかな切口を形成することができるのである。

    また、図9の(a)に示すように刃35の周囲にはゴム板36が設けられており、刃35が積層用紙101に切り込む際は刃35と同時に、常にゴム板36の下面も当接され、図9の(b)に示すように、その後、刃35はゴム板36を圧縮させながら積層用紙101に切り込んでいく。 そして、積層用紙101から切込んだ刃35を引き抜く際には、圧縮されていたゴム板36も徐々に下方へと弾性変形しながら積層用紙101を押え付けるため、切込んだ刃35に積層用紙101が引っかかることもなく、確実に引き抜くことができるのである。

    合紙装置19と櫛歯カット装置20との間には、弛み検出装置23が設けられており、両装置19・20間に生じる積層用紙101の弛みを検出して、積層用紙101の適切な搬送状態を保持している。

    すなわち、櫛歯カット装置20に設けられるピンチローラ部31の繰出し速度が、合紙装置19に設けられる搬送ベルト28・29の搬送速度に比べて遅い場合、両装置19・20間において積層用紙101の弛みが生じ、この弛み量が大きいと、積層用紙101の折れ曲がり等の原因となる。 そこで、予め定められた一定以上の積層用紙101の弛みが生じた場合には、検出器23aによって、検出することとし、ピンチローラ部31の繰出し速度を増速し、あるいは、搬送ベルト28・29の搬送速度を減速することで、積層用紙101の適切な搬送状態を保持するのである。

    分割装置21は櫛歯カット装置20により二部に分断された積層用紙101を剥ぎ分ける装置であり、櫛歯カット装置20と分割装置21との間に生じた積層用紙101の弛みを吸収するテンション部37と、積層用紙101を引き込むピンチローラ部38と、剥ぎ分けられた積層用紙101を各々別方向へと導く各種ローラ39・39・・・等により構成される。

    テンション部37は上下方向にスライド可能な移動フレーム37aと、該移動フレーム37aに直角方向に軸支されるアイドラー37bから構成され、櫛歯カット装置20から繰出された積層用紙101はアイドラー37bの外周面下部を通り、その後、後述のピンチローラ部38へと導かれている。

    そして、櫛歯カット装置20と、分割装置21と、に設けられる各々のピンチローラ部31・38の繰出し速度の相対関係については、例えば、分割装置21側の繰出し速度が速ければ、アイドラー37bは上昇し、また、分割装置21側の繰出し速度が遅ければ、アイドラー37bは下降することで、前記両ピンチローラ部31・38間に挟まれた領域において、積層用紙101に常に適性なテンションを掛けることができ、両装置20・21間に生じる積層用紙101の弛みを取り除くことができるのである。

    ピンチローラ部38は上下方向に隣接する二つのローラ等により構成されており、一方のローラが駆動回転することにより、両ローラ間に挟まれた積層用紙101が、下流側に繰出される。 そして、繰出された積層用紙101は左右二部に分断され、各々複数のローラ39・39・・・によって、上方側、および、下方側へと搬送される。

    巻取り装置22は回転駆動を有する二本の回転軸22a・22a等からなり、回転軸22a・22aに空のボビンがセットされ、分割装置21より繰出された二部の積層用紙101・101を各々前記空のボビンに巻いていく。

    このように前記合紙工程、および、櫛歯状カット工程(第二工程W02)は互いに重ね合わせた二枚の帯状用紙100・100の左右両端部を圧着して積層接着する合紙部(合紙装置19)と、前記積層接着された帯状用紙100・100の平面中央部にサインカーブ状の切込みを入れることで同時に2部の前記櫛歯状用紙を成形する櫛歯状カット部(櫛歯カット装置20)と、前記2部の櫛歯状用紙を剥ぎ分けて各々ボビンに巻き付ける巻取り部(巻取り装置22)と、を具備し、これら合紙装置19、櫛歯カット装置20、巻取り装置22によって連続的に繋がる前記帯状用紙100・100を同時に加工するので、一本のロール状に巻かれた二枚の帯状用紙100・100から二本の櫛歯状の積層用紙101・100を同時に成形することが可能であり、材料費を半減することができ、また、生産にかかる時間も短縮することができるため経済的である。

    [ハーフカット工程(第三工程W03)]
    次に、図10を用いてハーフカット工程(第三工程W03)の詳細を説明する。
    ハーフカット工程(第三工程W03)はボビンに巻かれた櫛歯状の積層用紙101を繰出すための繰出し装置40と、積層用紙101の櫛歯状部先端に切込みを入れるハーフカット装置41と、該ハーフカット装置41より繰出された積層用紙101を再び空のボビンに巻き取る巻取り装置42と、により構成される。 ここで、繰出し装置40と巻取り装置42は主な構成要素を同じくし、ともに鏡面関係にあることから、巻取り装置の説明は省略する。

    繰出し装置40は矩形状に形成されたフレーム40aと、該フレーム40aに直角方向に片持ち支持される二本の回転軸40b・40b等からなり、回転軸40bには各々回転駆動部が設けられている。

    前記各回転軸40b・40bの鉛直上方にはアクチュエータにより上下動するローラ40c・40cが設けられている。 回転軸40b・40bには積層用紙101・101が巻き取られたボビンがセットされ、前記各積層用紙101・101の上端部において、常にローラ40c・40cに当接される。

    そして、積層用紙101はローラ40cとの当接箇所、あるいは、僅かに上流側の箇所において、ボビンから引き出されるので、慣性力により弛みが発生することもなく、安定した状態で積層用紙101を繰出すことができる。 このような構成からなる繰出し装置40によって、櫛歯状にカットされた積層用紙101は繰出され、ハーフカット装置41へと導かれていく。

    ハーフカット装置41は直方体に形成されたベースフレーム43と、ベースフレーム43の上面に立設される上部フレーム48と、上部フレーム48の上方において昇降移動する昇降フレーム44等により構成されおり、昇降フレーム44の下面中央にはハーフカット刃47(図11を参照。)が設けられている。

    ハーフカット刃47は積層用紙101の進行方向に沿って直線形状に設けられており、その両端部はともに同じ方向に斜方向に屈曲されている。 すなわち、ハーフカット刃47は平面視略「U」字状からなり、一度のカット作業にて複数箇所の櫛状部先端に同時に切り込むことを可能としている。

    ここで、図11に示すように、直前のカット作業における切込み位置が搬送時のズレ等からY1線上となってしまった場合、あるいは、Y2線上となった場合、ハーフカット刃47の形状が一直線であれば、本図11に示す寸法bの誤差は吸収することができず、櫛状部cの先端部については「切残し」が生じることとなる。 しかし、本実施例に示す通り、ハーフカット刃47の両端部はともに僅かな領域分だけ屈曲されているため、切込み線は連続し、「切残し」は発生しないのである。

    上部フレーム48の上下方向中央部には、長手方向を積層用紙101の進行方向に合わせて矩形状の下板45が設けられており、該下板45の下面近傍には、同じく、積層用紙101の進行方向に沿って搬送ベルト49が設けられている。

    そして、ハーフカット刃47による切り屑は、搬送ベルト49によって積層用紙101と伴に外部に搬出され、上部フレーム48の下流側直後に設けられる集塵機61により吸い込まれることとなる。

    [巻き替え工程(第四工程W04)]
    次に、図12を用いて巻き替え工程(第四工程W04)の詳細を説明する。
    巻き替え工程(第四工程W04)は主に巻き替え装置62からなり、巻き替え装置62は矩形のテーブル形状に形成されるベースフレーム62aと、ベースフレーム62aの上面において垂直上方に軸支される二本の回転軸62b・62bと、両回転軸62b・62bに挟まれて、同じくベースフレーム62aの上面において垂直上方に軸支されるアイドラー62c等と、から構成される。

    二本の回転軸62b・62bの何れか一方(図12においては左側の回転軸62b)には図示せぬ回転駆動部が設けられており、一方の回転軸62bには同じく図示せぬトルク伝達機構が設けられている。

    そして、回転駆動部を有する回転軸62b側には空のボビンがセットされ、また、一方の回転軸62b側には積層用紙101が巻かれたボビンがセットされ、そのボビンから引き出された積層用紙101は途中、アイドラー62cを経由して空のボビンに巻き直される。

    ここで、本実施例における製造工程では一本の積層用紙101の中央部に櫛状の「切込み」を入れることで二本の櫛歯状の積層用紙101を成形するが、二本に分断された後の各積層用紙101の形状は、互いに合掌した状態にあり、上述の合紙・櫛歯状カット工程(第二工程W02)において、そのまま巻取り装置22によってボビンに巻き取られた二本の積層用紙101・101は、巻取り方向に対して、互いに櫛歯状部の位置が逆となっている。

    すなわち、ボビンに巻き取られた二本の櫛歯状の積層用紙101・101を、互いに同じ巻取り方向(例えば「時計回り方向」)として並べ、該ボビンを側面側から見比べた場合、一方の櫛歯状部は図12の(b)に示すように上方向に向かって巻かれており、他方については、その逆方向(下)に向かって巻かれていることとなる。

    そこで、本巻き替え装置62により一方の積層用紙101を再びボビンに巻き直すことで、ボビンからの引き出し方向に対する櫛歯状部の配置を両者統一することができ、以後の製造工程(すなわち、成形工程(第五工程W05))からは巻取り方向を区別することなく、連続して作業を行うことができる。

    [成形工程(第五工程W05)]
    次に、図13、乃至、図16を用いて成形工程(第五工程W05)の詳細を説明する。
    成形工程(第五工程W05)はロール状に巻かれた櫛歯状の積層用紙101を繰出す繰出し装置63と、積層用紙101の櫛歯状部をリング状に湾曲させる成形装置64と、成形装置64による処理が完了した積層用紙101を再びボビンに巻き取る巻取り装置65等により構成される。

    繰出し装置63は直方体形状のフレーム63aと、フレーム63aの側面中央部において直角方向に軸支される回転軸63bと、同じく、フレーム63aの側面上端部において、回転軸63bと平行して設けられ、かつ、直角方向に軸支されるローラ63c等、により構成される。

    回転軸63bには図示せぬトルク伝達機構が設けられており、常に回転方向と逆向きのトルクが付勢されている。 すなわち、回転軸63bにセットされたロール状の櫛歯状の積層用紙101は、その後引き出されてローラ63cを経由して成形装置64へと導かれるが、自己の慣性力によってロール状の積層用紙101に勢いが付き、引き出された積層用紙101に弛みが生じることもない。

    成形装置64はテーブル型のベースフレーム69と、プレス機構を具備する第一成形部66、および、第二成形部67と、両成形部66・67の前後において積層用紙101を搬送する複数の搬送部68・68・・・等により構成されており、ベースフレーム69の上面において、上流側から順に搬送部68、第一成形部66、搬送部68、第二成形部67、搬送部68と配置されている。

    第一成形部66は立方体形状からなるフレーム72と、フレーム72内に具備される上板70、および、下板71等から構成される。 すなわち、上板70、および、下板71は昇温機能が具備された矩形状の板材により形成され、フレーム72の内部において、長手方向を搬送方向に沿って配置される。

    また、フレーム72の上面中央部にはシリンダー73が立設されており、シリンダー73の伸縮ロッドの先端部は前記上面を貫通して上板70の上面中央部と連結されている。 シリンダー73の両側には二本のガイド74・74が、同じくフレーム72の上面を貫通して並設されており、ガイド74・74の下端部において上板70の上面と連結される。

    一方、フレーム72の下面においても同様に、下板71の昇降機構が設けられている。 すなわち、下面の中央部に垂下して設けられるシリンダー73の伸縮ロッドの先端部、および、シリンダー73の両側に設けられる二本のガイド74・74の上端部は、ともに下面を貫通して下板71の下面と連結される。

    上板70の下面、および、下板71の上面には各々形状の異なる上板用治具板77、および、下板用治具板78(図15を参照。)がボルト等により着脱自在に具備されており、これら両治具板77・78には昇温機能が設けられている。

    このような構成により、第一成形部66には上下方向に各々昇降動作するプレス機能が具備されており、後述のとおり、プレス機能によって積層用紙101が湾曲される。

    第二成形部67は昇降機能を有する上下両板70・71がフレーム79の上部、および、下部に設けられる点で第一成形部66の構造と同じくするが、さらに搬送方向の側方にプレス機能が具備される点で異なる。

    すなわち、第二成形部67を構成する立方体形状のフレーム79内部には、第一成形部66と同様に、上板70、および、下板71が搬送方向に沿って設けられるが、さらに、搬送方向左側に横板82(図14を参照。)が設けられる。
    ここで、横板82も上板70、および、下板71と同様に矩形状の板材から形成されており、平面部を側方に向けて、長手方向を搬送方向に沿って配置される。

    そして、フレーム79の上面、および、下面には、第一成形部66と同様に、一本のシリンダー73と、二本のガイド74・74とが各々設けられ、上板70、および、下板71と連結される一方、フレーム79の側面中央部において、一本のシリンダー80と、二本のガイド81・81が並設されており(図14を参照。)、横板82と連結される。

    なお、上板70の下面、および、下板71の上面、および、横板82の積層用紙101側には各々形状の異なる上板用治具板83、下板用治具板84、および、横板用治具板85(図16を参照。)がボルト等により着脱自在に具備されており、このうち下板71、および、横板82に組み付けられる両治具板84・85には昇温機能が設けられている。

    このような構成により、第二成形部67には上下方向に加えて左右方向に伸縮動作するプレス機能が具備されており、後述のとおり、プレス機能によって積層用紙101が湾曲される。

    搬送部68・68・68は搬送方向に沿って前進・後退を繰り返すアクチュエータ75・75・75と、該アクチュエータ75・75・75の可動部上面に設けられ、積層用紙101を挟んで掴むチャッキング部76・76・76等により構成される。

    搬送部68・68・68は第一成形部66の上流側、第一成形部66と第二成形部67との間、および、第二成形部67の下流側に各々設けられており、積層用紙101を搬送する際は、これら搬送部68・68・68のチャッキング部76・76・76が同時に積層用紙101を掴んで、その状態を維持したまま、予め定められた距離を同時に移動することで行う。

    そして、積層用紙101の搬送作業が終了しても、各々のチャッキング部76・76・76は直ちに開放することはなく、第一成形部66、および、第二成形部67のプレス作業が開始され、上板70と下板71とにより積層用紙101を挟み込んだ後に、チャッキング部76・76・76は一斉に開放され、上流側へと後退して、再び積層用紙101を掴んで、両成形部66・67における作業が終了するまで待機する。

    このようにして積層用紙101は搬送されるため、積層用紙101は繰出し装置63と巻取り装置65との間において、常に各々の搬送部68・68・68間、あるいは、各成形部66・67間の短い領域によって保持されることとなり、各成形部66・67における積層用紙101の位置決めを確実に行うことができ、また、自重によるたわみ等も発生しない。

    巻取り装置65は片持ち構造からなる回転軸65aを有し、回転軸65aの一方の端部には空のボビン17が嵌挿され、他方の端部には図示せぬ駆動部が設けられている。 また、回転軸65aの近傍には同じく片持ち構造からなる回転軸65bが平行して設けられ、回転軸65bの端部には合紙90が巻かれたボビンが挿入される。

    ここで「合紙90」とは、上述の成形工程(第五工程W05)にて成形された積層用紙101をボビン17に巻き取る際に、積層用紙101自身の表面、および、下面がヒートシール剤の露呈箇所(櫛歯状部の先端部)によって誤って附着しないように、間に挟んで巻き取られる用紙である。

    すなわち、合紙90は正面視において上方に開口する「U」字状に折られた帯状の用紙であり、積層用紙101を空のボビン17に巻き取る際には合紙90の窪みに積層用紙101を載せた状態にて巻き取っていく。

    つまり、成形装置64にて櫛歯状部をリング状に湾曲された積層用紙101は搬送部68によって引き出された後、合紙90と重ね合わされながら、空のボビン17にロール状に巻かれる。

    このように、二枚の帯状用紙100・100を一側に合わせて重ねた紙葉であって、一方の紙葉に粘着剤が塗布されており、他方の紙葉の幅が粘着剤を塗布した紙葉よりも短く構成された連続した櫛歯状用紙(積層用紙101)を綴じ具に成形する成形装置64であって、該櫛歯状用紙(積層用紙101)の背側を保持し、保持した状態で成形経路に沿って移動させる保持手段(搬送部68)と、該積層用紙101の歯状部分の基部を湾曲形状に成形する第一成形手段(第一成形部66)と、該歯状部分の中央部を湾曲形状に成形する第二成形手段(第二成形部67)と、を有し、該第二成形手段(第二成形部67)が紙葉の歯状部分の先端部を冷却する冷却手段(後述の板材89)を有し、該第一成形手段(第一成形部66)および第二成形手段(第二成形部67)を前記保持手段(搬送部68)の間に配設したので、別途位置決め装置等を設置する必要もなく、第一成形部66、および、第二成形部67における位置決めを容易に行うことができる。

    [積層用紙101の形態]
    ここで、両成形部66・67における積層用紙101の形態について、図15、および、図16を用いて説明する。
    まず、第一成形部66に搬送された櫛歯状の積層用紙101は図15(a)に示すように、一側端部(搬送部68側)の下部において、平板状の固定ガイド86に保持された状態にあり、かつ、上述のとおり、第一成形部66の上流側、および、下流側においては、チャッキング部76・76によって位置決めされた状態にある。

    その後、まず固定ガイド86の対向側に設けられる位置決めガイド87が作動して、積層用紙101の最終の位置決め作業が実施され、続いて、上板用治具板77が下降することで、上板用治具板77の下端部と、固定ガイド86の上面により積層用紙101が固定され、最後に下板用治具板78が上昇し、図15(b)に示すように該積層用紙101の櫛刃状部が湾曲される。

    なお、位置決めガイド87は積層用紙101の位置確認のため予備的に設けられたものであり、必須の構成要素ではない。 すなわち、少なくとも積層用紙101の位置決めはチャッキング部76により行われているため、本実施例に限定されるものではない。

    ここで、上板用治具板77の下端部には正面視円弧状の窪み77aが形成されており、一方、下板用治具板78はその上端部において正面視円弧状の膨らみ78aが形成されており、膨らみ78aは窪み77aに対して僅かに小さな半径により形成されている。

    このような形状からなる上板用治具板77、および、下板用治具板78によって圧着されることで、積層用紙101の櫛歯状部は略「L」字状に斜方向へ緩やかに湾曲される。

    なお、上述のように、上板用治具板77、および、下板用治具板78には昇温機能が具備されており、積層用紙101の内面側に塗布されたヒートシール剤は熱によって再び溶解され、接着性能が回復される。

    次に、第二成形部67に搬送された積層用紙101の形態について説明する。
    図16(a)に示すように、第二成形部67には丸棒からなる固定ガイド88が搬送方向に沿って設けられており、上述の第一成形部66にて湾曲された積層用紙101は、固定ガイド88に規制されながら第二成形部67へと導かれる。 なお、本成形部67においても、その上流側、および、下流側にて、チャッキング部76・76による位置決めがされた状態にあることは言うまでもない。

    積層用紙101が搬送されると、まず、上板用治具板83が下降することで、上板用治具板83の下面と、固定ガイド88の上面により積層用紙101が固定され、続いて、横板用治具板85が水平方向にストロークすることで、積層用紙101の「L」字部分が固定ガイド88に巻き付けられ「U」字状となり、最後に下板用治具板84が上昇することで、積層用紙101の櫛歯状部は完全なリング形状に湾曲される。

    ここで、上板用治具板83の下端部には横板用治具板85側に開口される正面視半「U」字状の窪み83aが形成されており、また、下板用治具板84はその上端部において正面視半円弧状の窪み84aが形成されており、さらに、横板用治具板85はその先端下部において正面視半円弧状の窪み85aが形成されている。 そして、これら窪み83a・84a・85aは、固定ガイド88に対して僅かに大きな半径をもって形成されている。

    このような形状からなる上板用治具板83、下板用治具板84、および、横板用治具板85によって圧着されることで、積層用紙101の櫛歯状部は完全なリング形状に緩やかに湾曲される。

    なお、上述のように、下板用治具板84、および、横板用治具板85には昇温機能が具備されており、積層用紙101の内面側に塗布されたヒートシール剤は熱によって再び溶解され、接着性能が回復される。

    また、横板用治具板85と対向する側には板材89が設けられており、板材89は図示せぬ冷却機構により常に冷却されている。 このような板材89を設けることにより、完全なリング形状に湾曲された積層用紙101において、上述のハーフカットによりヒートシール剤の露呈した、櫛歯状部先端の平坦部2cが帯状余地部3に接近しても誤って附着することはない。

    このように二つの作業工程により行うことで、積層用紙101の櫛歯状部は確実に、リング形状に湾曲することができる。

    このように、前記成形工程では櫛歯状部の先端部をプレス加工により斜下方に湾曲させる第一成形部66と、同じくプレス加工により櫛歯状部をリング状に形成すると同時に、櫛歯状部の先端部、および、帯状余地部3の双方を湾曲面に対し外側に折り曲げて各々平坦部を成形する第二成形部67と、による二工程にて行うため、単純なプレス機構のみによって、積層用紙101の櫛歯状部を容易にリング状に形成することができる。
    すなわち、前記櫛歯状部の先端部をチャッキングしてリング状に湾曲させる等、複雑な機構や工程を踏むことなく、確実にリング形状に形成することができるのである。

    [製本工程(第六工程W06)]
    次に、図17を用いて製本工程(第六工程W06)の詳細を説明する。
    製本工程(第六工程W06)はロール状に巻かれたリング状の積層用紙101(以下、「紙製綴じ具1」と記す。)を繰出す繰出し装置91と、複数の枚葉紙を綴じた紙製綴じ具1の先端部を圧着して綴じる製本装置92等により構成される。

    繰出し装置91は直方体形状のフレーム91aと、フレーム91aの側面中央部において直角方向に軸支される回転軸91bと、同じく、フレーム91aの側面において回転軸91bと平行して設けられる回転軸91c等、により構成される。

    回転軸91bには図示せぬトルク伝達機構が設けられており、常に回転方向と逆向きのトルクが付勢されている。 すなわち、回転軸91bにセットされたロール状に連続する紙製綴じ具1は、自己の慣性力によって勢いが付き、引き出された紙製綴じ具1に弛みが生じることもない。

    また、回転軸91cには空のボビンがセットされており、成形工程の巻取り装置65によって紙製綴じ具1とともに巻かれていた合紙90が、紙製綴じ具1の繰出しと同時に巻き取られていく。

    製本装置92は繰出された紙製綴じ具1を所定の長さにカットするカット部94と、カットされた紙製綴じ具1を次工程に搬送する搬送部95と、複数の枚葉紙にセットされた紙製綴じ具1の先端部を圧着する圧着部96と、により構成され、これらは、直方体形状からなる固定フレーム93の上面部に配置される。

    カット部94は搬送チェーン94aと、該搬送チェーン94aの下流側に設けられるカット刃94bと、から構成される。 搬送チェーン94aはそのチェーンリンクのピッチ長さが紙製綴じ具1のリング部2・2・・・のピッチ長さと略同一となっており、搬送チェーン94aに巻回された一方のスプロケットの回転角度を検出器(エンコーダ等)によって検知することで、紙製綴じ具1の搬送距離を制御する構成となっている。

    そして、予め定められた一定の長さ分だけ紙製綴じ具1が送られると、搬送チェーン94aは自動的に停止し、カット刃94bによりカットされる。

    カット刃94bはテコの原理を利用した、リンク構造を有する矩形状のカット刃であり、長手方向略中央部に設けられた回転軸を中心として、一方の端部に設けられたシリンダーの伸縮動作により開閉作動され、紙製綴じ具1を所定長さにカットする。

    搬送部95は表面部において、紙製綴じ具1のリング部のピッチ長さと略同一に並ぶ凸部が具備された搬送コンベア95aにより構成されており、カットされた紙製綴じ具1を圧着部96へと搬送する。

    ここで、枚葉紙51・51・・・(図3を参照。)への紙製綴じ具1の挿入作業は、本搬送部95により人手によって行われる。 すなわち、搬送されてきた紙製綴じ具1は一旦、人手によって、搬送コンベア95aの近傍に並設された丸棒ガイドにセットされ、その後、枚葉紙51・51・・・への紙製綴じ具の挿入作業を行い、その後、スイッチを押すことで搬送コンベア95aが駆動され、枚葉紙51・51・・・に取付けられた紙製綴じ具1は圧着部96へと搬送されるのである。

    圧着部96は上下部に配置される搬送コンベア96a・96aと上板96bと下板96c等により構成される。 搬送コンベア96a・96aはフラットなベルトコンベアからなり、搬送方向に沿って上下方向に略隣接して並設されている。 そして、これら搬送コンベア96a・96aの間に枚葉紙51・51・・・の一端部を挟み込み、下流部へと搬送する。

    搬送コンベア96a・96aの上部近傍には上下動可能な上板96bが設けられており、上板96bには昇温機能が設けられている。

    また、搬送コンベア96a・96aの下部近傍には固定フレーム93に固定された下板96cが設けられており、下板96cの下部にはさらに超音波発信器97が設けられている。

    このように、製本装置92では、超音波発信器97により超音波を発生させながら、紙製綴じ具1の先端部を上板96b、および、下板96cにて挟み込んで圧着させることから、既に紙製綴じ具1の櫛歯状部先端に塗布されたヒートシール剤を低温度にて容易に溶解可能であり、かつ、確実に先端部を接着固定することができる。

    以上のように、ロール状に巻かれた帯状用紙100の一方の面に粘着材を塗布する塗布工程(第一工程W01)と、該塗布工程(第一工程W01)により粘着材が塗布された帯状用紙100に粘着材未塗布の帯状用紙100を積層接着して積層用紙101を成形する合紙工程(第二工程W02)と、該合紙工程(第二工程W02)により積層接着された積層用紙101の一端側に略帯状の帯状余地部3を残して他端側を略櫛歯状にカットしてなる櫛歯状部を形成してなる積層用紙101(櫛歯状用紙101)を成形する櫛歯状カット工程(第二工程W02)と、該櫛歯状カット工程(第二工程W02)により成形された前記櫛歯状用紙101の櫛歯状部の先端(平坦部2c)において、積層された一方の帯状用紙100に切込みを入れるハーフカット工程(第三工程W03)と、該ハーフカット工程(第三工程W03)により一端に切込みを施された櫛歯状用紙101において前記櫛歯状部を略筒状に湾曲してリング形状部(リング部2・2・・・)を形成すると同時に前記櫛歯状部の先端部、および、前記帯状余地部3の双方を湾曲面に対し外側に折り曲げて平坦部を成形する成形工程(第五工程W05)と、該成形工程(第五工程W05)によりリング部2・2・・・が形成された櫛歯状部の平坦部2cを、複数の枚葉紙51・51・・・に設けた綴じ孔51a・51a・・・に通して前記帯状余地部3の平坦部に櫛歯状部の平坦部2cを接着接合する製本工程(第六工程W06)と、からなる製造工程により構成することにより、紙製綴じ具1をリング部2・2・・・が連続して連なった状態にて自動成形することができるため、必要なリング部2・2・・・の個数は紙製綴じ具1を生産する前に予め設定する必要はなく、紙製綴じ具1の生産時において、任意にリング部2・2・・・の個数を選択して紙製綴じ具1を生産できる。 従って、多品種少量生産に対応した、あらゆるサイズの枚葉紙51・51・・・を綴じることが可能なリング部2・2・・・を有する紙製綴じ具1を、効率的かつ経済的に生産することができる製造システムを提供することができる。

    本発明の一実施例に係る紙製綴じ具を示す全体斜視図。

    同じく紙製綴じ具を長手方向から見た断面図。

    紙製綴じ具を用いて束ねられた卓上カレンダーを示す全体斜視図。

    本発明の一実施例に係る紙製綴じ具の一連の製造工程を示した概念図。

    各製造工程における紙製綴じ具の状態を示すモデル図。

    塗布工程におけるヒートシール剤塗布装置を示す側面図。

    合紙・櫛歯状カット工程における合紙装置、櫛歯状カット装置、巻取り装置を示す側面図。

    櫛歯状カット装置に組み付けられるカット刃の構成を示す平面図。

    櫛歯状のカット刃が積層用紙に切り込む際の状態を、図8中の矢視Cから見た断面図。

    ハーフカット工程におけるハーフカット装置を示す側面図。

    櫛歯状にカットされた積層用紙とハーフカット刃との配置を示すモデル図。

    ハーフカット工程後の積層用紙を再度ボビンへ巻き直す、巻き替え装置を示し、(a)はその平面図、(b)は(a)中に示す矢視Bから見た正面図。

    成形工程におけるプレス成形装置を示す側面図。

    同じく平面図。

    プレス成形装置における第一プレス成形部での動作を示し、(a)は動作前を示す正面図、(b)は動作後を示す正面図。

    同じく第二プレス成形部での動作を示し、(a)は動作前を示す正面図、(b)は動作後を示す正面図。

    製本工程における製本装置を示す側面図。

    符号の説明

    1 紙製綴じ具 2 リング部 2a 外側紙 2b 内側紙 2c 平坦部 2d 接着層 3 帯状余地部 19 合紙装置 20 櫛歯カット装置 22 巻取り装置 51 枚葉紙 51a 綴じ孔 100 帯状用紙 101 積層用紙(櫛歯状用紙)

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