ラベル作成装置

申请号 JP2017073627 申请日 2017-04-03 公开(公告)号 JP2018176426A 公开(公告)日 2018-11-15
申请人 ブラザー工業株式会社; 发明人 田中 貢;
摘要 【課題】モータ数を低減して装置全体の小型化や軽量化を図る。 【解決手段】ラベル作成装置1は、駆動モータ43の一方向への回転に伴って駆動ローラ51が印字済みラベル用テープ109が排出される方向に回転するように駆動 力 を伝達する伝達状態、及び、駆動力の伝達を遮断する遮断状態、の間で切替動作可能なローラシャフトRSを、有し、駆動モータ43の一方向への回転に伴い、押圧ローラ52の駆動ローラ51に対する進退動作、可動刃41のテープ搬送経路に対する進退動作、及び、上記伝達状態と上記遮断状態との切替動作、を互いに連携した所望の態様に調整し、少なくとも、可動刃41による切断完了までは上記伝達状態に切り替わらず切断完了後に上記伝達状態に切り替える。 【選択図】図29
权利要求

ラベル用テープを搬送するための搬送手段と、 前記搬送手段によるテープ搬送経路に対して進退し、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープを所望の長さに切断可能な可動刃と、 前記テープ搬送経路における前記可動刃より下流側に設けられ、前記ラベル用テープに接触して排出するための駆動ローラと、 前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに対し前記駆動ローラと反対側から接触し当該駆動ローラとともに前記ラベル用テープを挟み込み可能となるように、進退可能に設けられた従動ローラと、 一方向に回転して駆動を発生するモータと、 前記モータの前記一方向への回転に伴って前記駆動ローラが前記ラベル用テープが排出される方向に回転するように前記モータの前記駆動力を前記駆動ローラに伝達する伝達状態、及び、前記駆動力の前記駆動ローラへの伝達を遮断する遮断状態、の間で切替動作可能な駆動力伝達機構と、 前記モータの前記一方向への回転に伴い、当該モータの前記駆動力により行われる前記従動ローラの前記駆動ローラに対する進退動作、前記可動刃の前記テープ搬送経路に対する進退動作、及び、前記駆動力伝達機構の前記切替動作、を互いに連携した所望の態様に調整する連携調整手段と、 を有し、 前記連携調整手段は、 少なくとも、前記可動刃による前記ラベル用テープの切断完了までは前記駆動力伝達機構が前記伝達状態に切り替わらず、前記可動刃による前記ラベル用テープが切断完了した後に、前記駆動力伝達機構が前記伝達状態に切り替わるように、前記従動ローラ、前記可動刃、及び前記駆動力伝達機構を連携して動作させる ことを特徴とするラベル作成装置。請求項1記載のラベル作成装置において、 前記駆動力伝達機構は、 前記モータの前記駆動力が入力される駆動部と、前記駆動ローラに接続される被駆動部と、前記駆動部と前記被駆動部との間で摩擦力を介し前記駆動力を伝達する摩擦伝達部と、を備え、当該モータの前記駆動力により前記駆動力伝達機構の前記切替動作を実行し、 前記連携調整手段は、 少なくとも、前記可動刃による前記ラベル用テープの切断完了までは回転不能となるように前記被駆動部を係止して前記遮断状態にし、前記可動刃による前記ラベル用テープが切断完了した後に前記被駆動部への係止を解除して当該被駆動部の回転を許容する前記伝達状態とする、係止手段を備える ことを特徴とするラベル作成装置。請求項2記載のラベル作成装置において、 前記従動ローラを回転可能でかつ前記駆動ローラに対し進退可能に支持する支持機構をさらに有し、 前記連携調整手段は、 前記モータの前記一方向への回転を前記可動刃の前記進退動作に変換する、変換手段と、 前記モータの前記一方向への回転による前記可動刃の前記進退動作に連動して、前記支持機構に支持された前記従動ローラを前記駆動ローラに対して進退させる、連動手段と、 を備えることを特徴とするラベル作成装置。請求項3記載のラベル作成装置において、 前記可動刃に係合され、前記モータにより駆動される可動刃駆動ギヤ(42)をさらに有し、 前記変換手段は、 前記可動刃駆動ギヤに設けられたピンと、 前記可動刃に設けられ、前記ピンと係合する係合孔と、 を備える ことを特徴とするラベル作成装置。請求項3又は請求項4記載のラベル作成装置において、 回転可能に支持された作動部材をさらに有し、 前記連動手段は、 前記作動部材の下端に設けられ、前記可動刃駆動ギヤのカム面に摺接する、下端部と、 前記作動部材の上端に設けられ、前記支持機構に接続された上端部と、 を備えることを特徴とするラベル作成装置。請求項3又は請求項4記載のラベル作成装置において、 回転可能に支持された作動部材と、 前記駆動力伝達機構に備えられ、前記モータの駆動力により回転可能な被駆動部と、 をさらに有し、 前記係止手段は、 前記被駆動部の外周に位置する溝に係止可能な係止片と、 前記作動部材に設けられ、前記係止片に当接可能なアーム部と、 を備える ことを特徴とするラベル作成装置。請求項3乃至請求項6のいずれか1項記載のラベル作成装置において、 前記支持機構は、 前記駆動力伝達機構の前記伝達状態であって、前記従動ローラを第1一定圧で押圧しつつ、前記駆動ローラと反対側から前記ラベル用テープに接触させる、搬送用押圧状態と、 前記駆動力伝達機構の前記遮断状態であって、前記従動ローラを前記第1一定圧よりも小さい第2一定圧で押圧しつつ、前記駆動ローラと反対側から前記ラベル用テープに接触させる、切断用押圧状態と、 前記駆動力伝達機構の前記遮断状態であって、前記従動ローラを、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープから所定距離だけ離間させる、離間状態と、 に切り替わり可能に構成され、 前記連動手段は、 前記モータの前記一方向への回転に従って、前記離間状態、前記切断用押圧状態、前記搬送用押圧状態、前記離間状態の順で、前記支持機構を遷移させる ことを特徴とするラベル作成装置。請求項7記載のラベル作成装置において、 前記連携調整手段は、前記モータの前記駆動力により、 前記連動手段により前記支持機構が前記切断用押圧状態から前記搬送用押圧状態に切り替わったときに、前記駆動力伝達機構を前記遮断状態から前記伝達状態に切り替える ことを特徴とするラベル作成装置。請求項8記載のラベル作成装置において、 前記連動手段は、 前記可動刃が想定される最大幅寸法の前記ラベル用テープを切断完了した後に、前記支持機構を前記切断用押圧状態から前記搬送用押圧状態に切り替える ことを特徴とするラベル作成装置。請求項8又は請求項9記載のラベル作成装置において、 前記連動手段は、 前記可動刃が想定される最小幅寸法の前記ラベル用テープを切断している間は、前記支持機構を前記切断用押圧状態に維持する ことを特徴とするラベル作成装置。請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載のラベル作成装置において、 前記可動刃により切断される切断位置に到達するより前に、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープに対し所望の印字を行う印字手段を有し、 前記可動刃は、 前記印字手段による印字後の前記ラベル用テープを切断し、印字ラベルを作成する ことを特徴とするラベル作成装置。

说明书全文

本発明は、貼り付け対象に貼り付けて使用されるラベルを作成するための、ラベル作成装置に関する。

従来、ラベルを作成するラベル作成装置として、特許文献1に記載の技術が知られている。この従来技術のラベル作成装置(テープ印字装置)には、ラベル用テープ(テープ)がロール形状に巻回されたカートリッジ(テープカセット)が装着される。カートリッジ内の上記ロールから繰り出されたテープに対し、ラベル作成装置に備えられた印字手段(サーマルヘッド)によって所望の印字が行われ、印字済みラベル用テープが形成される。その後、当該印字済みタグラベル用テープが切断機構によって所望の長さに切断されることで、印字付きのラベルが生成される。生成されたラベルは、切断機構よりも搬送方向下流側に位置するテープ排出機構によって装置外へと排出される。

このとき切断機構は、カッターモータの駆動によってテープのテープ搬送経路に対して進退可能な可動刃と、テープ搬送経路を挟んで可動刃と反対側に設置された固定刃とを備えている。また、テープ排出機構は、テープ排出モータの回転駆動力によって駆動される駆動ローラと、この駆動ローラとともにラベルを挟み込んで排出するための従動ローラ(押圧ローラ)とを備えている。

特開2005−53093号公報

上記従来技術では、切断機構の可動刃を駆動するためのモータ(カッターモータ)と、テープ排出機構の駆動ローラを駆動するためのモータ(テープ排出モータ)と、が別々に2個設けられている。この結果、モータ数が増大するとともに、装置全体の大型化や重量増大を招いていた。

本発明の目的は、モータ数を低減して装置全体の小型化や軽量化を図ることができる、ラベル作成装置を提供することにある。

上記目的を達成するために、本願発明は、ラベル用テープを搬送するための搬送手段と、前記搬送手段によるテープ搬送経路に対して進退し、前記搬送手段により搬送される前記ラベル用テープを所望の長さに切断可能な可動刃と、前記テープ搬送経路における前記可動刃より下流側に設けられ、前記ラベル用テープに接触して排出するための駆動ローラと、前記テープ搬送経路に位置する前記ラベル用テープに対し前記駆動ローラと反対側から接触し当該駆動ローラとともに前記ラベル用テープを挟み込み可能となるように、進退可能に設けられた従動ローラと、一方向に回転して駆動力を発生するモータと、前記モータの前記一方向への回転に伴って前記駆動ローラが前記ラベル用テープが排出される方向に回転するように前記モータの前記駆動力を前記駆動ローラに伝達する伝達状態、及び、前記駆動力の前記駆動ローラへの伝達を遮断する遮断状態、の間で切替動作可能な駆動力伝達機構と、前記モータの前記一方向への回転に伴い、当該モータの前記駆動力により行われる前記従動ローラの前記駆動ローラに対する進退動作、前記可動刃の前記テープ搬送経路に対する進退動作、及び、前記駆動力伝達機構の前記切替動作、を互いに連携した所望の態様に調整する連携調整手段と、を有し、前記連携調整手段は、少なくとも、前記可動刃による前記ラベル用テープの切断完了までは前記駆動力伝達機構が前記伝達状態に切り替わらず、前記可動刃による前記ラベル用テープが切断完了した後に、前記駆動力伝達機構が前記伝達状態に切り替わるように、前記従動ローラ、前記可動刃、及び前記駆動力伝達機構を連携して動作させることを特徴とする。

本願発明においては、カートリッジホルダに装着されたカートリッジから搬送手段によってラベル用テープが引き出され、テープ搬送経路を搬送される。適宜の切断位置まで搬送されたラベル用テープに対し、可動刃が前進することで所望の長さに切断される。こうして切断されたラベル用テープ(=ラベル)を、従動ローラが前進して駆動ローラとともに挟み込み、その状態で駆動ローラが回転することによって、上記ラベルの装置外への排出が行われる。

本願発明においては、連携調整手段を介し、上記可動刃のテープ搬送経路に対する上記進退動作と上記従動ローラの駆動ローラに対する進退動作とに加え、上記駆動ローラの回転も、1つの共通のモータからの駆動力によって行われる。すなわち、モータの駆動力は、駆動力伝達機構によって駆動ローラへ伝達される。この駆動力伝達機構は、連携調整手段によって伝達状態と遮断状態との間で切り替わり動作し、上記伝達状態となっているときは、モータが一方向に回転するのに対応して駆動ローラが回転する。したがって、従動ローラが前述のように前進して駆動ローラとの間にラベル用テープを挟み込み、その状態で上記駆動力伝達機構が上記伝達状態となると、駆動ローラの回転がラベル用テープに対し作用し、ラベル用テープが排出方向へと送られる(上記駆動力伝達機構が上記遮断状態となっていた場合には、ラベル用テープは送られない)。

このとき、本願発明においては、上記連携調整手段による調整により、少なくとも可動刃によるラベル用テープの切断完了までは駆動力伝達機構が前記伝達状態に切り替わらず、可動刃によるラベル用テープの切断が完了した後に、上記駆動力伝達機構が伝達状態に切り替わる。これにより、テープ切断完了前に駆動ローラが回転して回転駆動力がラベル用テープに作用するのを、防止することができる。

以上のようにして、本願発明においては、1つの共通のモータの駆動力を利用して、可動刃によるラベル用テープの切断と、その後のラベルの排出を円滑にかつ確実に行うことができる。したがって、可動刃の駆動用のモータとラベルの排出用のモータとを別々に2個設ける場合に比べて、モータ数を減らすことができる。この結果、装置全体の小型化や軽量化を図ることができ、またコストダウンを図ることもできる。

本発明によれば、モータ数を低減して装置全体の小型化や軽量化を図ることができる。

本発明のラベル作成装置の一実施形態を備えたラベル生成システムを表すシステム構成図である。

ラベル作成装置の全体構造を表す斜視図である。

内部ユニットの構造を表す平面図である。

カートリッジの詳細構造を模式的に表す拡大平面図である。

内部ユニットの排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向下流側から見た正面図である。

内部ユニットの排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向下流側から見た斜視図である。

内部ユニットの駆動モータを除いた排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向下流側から見た斜視図である。

図7中B方向から見た矢視斜視図である。

内部ユニットの排出機構及び切断機構を、テープ搬送方向上流側から見た背面図である。

ローラシャフトの詳細構造を表す斜視図、及び、分解斜視図である。

図5中A−A断面による平断面図である。

ラベル作成装置の制御系を表す機能ブロック図である。

作成されたラベルの外観の一例を表す上面図及び下面図である。

図13中(a)中のXIVA−XIVA′断面及びXIVB−XIVB′断面による横断面図を反時計方向に90°回転させた図である。

制御回路によって実行される制御手順を表すフローチャートである。

ステップS55の詳細手順を表すフローチャートである。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための各動作段階において、可動刃に係合されるカッターハスバギヤが回転度0°の原点にある初期状態の透視説明図である。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度85°)。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度95°)。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度102°)。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度132°)。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度165°)。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度183°)。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度205°)。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である。

可動刃の進退動作と押圧ローラの進退動作との連携を説明するための透視説明図である(回転角度354°)。

カッターハスバギヤの回転角と、押圧ローラによる印字済みラベル用テープへの圧力及び可動刃の角度と、の関係を表すグラフである。

以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。

図1に示すラベル生成システムLSにおいて、本実施形態のラベル作成装置1は、この例では、有線あるいは無線による通信回線NWを介して、端末118a及び汎用コンピュータ118bに接続されている。なお、端末118a及び汎用コンピュータ118bを総称して以下適宜、単に「PC118」と称する。ラベル作成装置1は、この例では、上記PC118からの操作に基づき所望の印字つきのラベルLを作成するものである。

図2に示すように、ラベル作成装置1は、装置本体2と、この装置本体2の上面に開閉可能に設けられた開閉蓋3とを有している。

装置本体2は、手前側(図2中、左手前側)に位置し、装置本体2内で作成されたラベルLを外部に排出するラベル排出口11を備えた前壁10を備えている。

また、前壁10の一端部には、ラベル作成装置1の電源のオン・オフを行う電源ボタン14が設けられている。この電源ボタン14の下方には、装置本体2内に配設された切断機構15(後述の図3参照)を使用者の手動操作で駆動するためのカッター駆動ボタン16が設けられ、このボタン16が押されることで印字済みラベル用テープ109(詳細は後述)をカットしてラベルLを装置本体から切り離すようになっている。

開閉蓋3は、装置本体2の図2中右奥側の端部にて回動可能に軸支され、バネ等の付勢部材を介して常時開放方向に付勢されている。そして、装置本体2の上面に開閉蓋3に隣接するように配置された開閉ボタン4が押されることにより、開閉蓋3と装置本体2とのロックが解除され、上記付勢部材の作用により開放される。

<内部ユニット> 次に、ラベル作成装置1の内部の内部ユニット20の構造を説明する。内部ユニット20は、図3に示すように、概略的には、カートリッジ7を収納するカートリッジホルダ6と、印字手段としての印字ヘッド23を備えた印字機構21と、切断機構15と、ハーフカッタ34を備えたハーフカット機構35と、生成されたラベルLをラベル排出口11(図2参照)より排出するラベル排出機構22とを備えている。なお、図3においては、図示の煩雑を避けるために、駆動ローラ51及び押圧ローラ52を概念的に示している(詳細構造は後述の図5等参照)。

<カートリッジホルダ及び印字機構> カートリッジホルダ6は、ラベル排出口11(図2参照)から排出される印字済みラベル用テープ109の幅方向の向きが、垂直方向となるようにカートリッジ7を収納する。

次に、カートリッジ7の詳細構造を説明する。図4及び図3に示されるように、カートリッジ7は、筐体7Aと、この筐体7A内に配置され帯状の基材テープ101が巻回された第1ロール102と、上記基材テープ101と略同じ幅である透明なカバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但し被印字テープが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、カートリッジ7のテープ排出部30の近傍に回転可能に支持されたテープ送りローラ27と、を有する。なお、上記カバーフィルム103及び印字済みラベル用テープ109が、各請求項記載のラベル用テープを構成する。

テープ送りローラ27は、上記基材テープ101と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ上記印字済ラベル用テープ109としつつ、矢印Aで示す方向にテープ送りを行う(=圧着ローラとしても機能する)。

第1ロール102は、リール部材102aの周りに、上記基材テープ101を巻回している。基材テープ101はこの例では4層構造となっており(図4中部分拡大図参照)、内側に巻かれる側(図4中右側)よりその反対側(図4中左側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着層101a、PET(ポリエチレンテレフタラート)等から成る色付きのベースフィルム101b、適宜の粘着材からなる粘着層101c、剥離紙101dの順序で積層され構成されている。

ベースフィルム101bの表側(図4中右側)には、後にカバーフィルム103を接着するための上記粘着層101aが形成され、またベースフィルム101bの裏側(図4中左側)には、上記粘着層101cによって上記剥離紙101dがベースフィルム101bに接着されている。

剥離紙101dは、最終的にラベル状に完成したラベルLが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着層101cにより当該商品等に接着可能となっている。

第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ101と接着される側)に配置された上記リボン供給側ロール111及び上記リボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、上記印字ヘッド23に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられる。

リボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27は、それぞれカートリッジ7外に設けた例えばパルスモータである搬送用モータ(図示せず)の駆動力が図示しないギヤ機構を介しリボン巻取りローラ駆動軸107及びテープ送りローラ駆動軸108に伝達されることによって、連動して回転駆動される。なお、このテープ送りローラ駆動軸108が、搬送手段として機能する。

一方、多数の発熱素子を備えた上記印字ヘッド23が、カートリッジホルダ6に立設されたヘッド取付部24に取り付けられて、テープ送りローラ27よりカバーフィルム103の搬送方向上流側に配置されている。

また、カートリッジホルダ6のうちカートリッジ7の前方(図3中、下側)には、ローラホルダ25が支持軸29により回動可能に枢支され、切換機構により印字位置(図3参照)とリリース位置とに切換可能とされている。このローラホルダ25には、プラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が回転可能に配設されており、ローラホルダ25が上記印字位置に切り換えられたときに、それらプラテンローラ26及びテープ圧接ローラ28が上記印字ヘッド23及び上記テープ送りローラ27に対し圧接される。

上記構成において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ101は、テープ送りローラ27へと供給される。一方、前述したように第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103の裏面に対し、インクリボン105が上記印字ヘッド23に押圧されて当接させられる。カートリッジ7が上記カートリッジホルダ6に装着されロールホルダ25が上記リリース位置から上記印字位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド23とプラテンローラ26との間に狭持されるとともに、基材テープ101及びカバーフィルム103がテープ送りローラ27と圧着ローラ28との間に狭持される。そして、搬送用モータ119の駆動力によってリボン巻取りローラ106及びテープ送りローラ27が図4中の矢印B及び矢印Cで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸108と上記圧着ローラ28及びプラテンローラ26はギヤ機構(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸108の駆動に伴いテープ送りローラ27、圧着ローラ28、及びプラテンローラ26が回転し、第1ロール102から基材テープ101が繰り出され、上述のようにテープ送りローラ27へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、印刷駆動回路120(後述の図12参照)により印字ヘッド23の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に、ラベル印字R(後述の図13参照)が印刷される。そして、上記基材テープ101と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及び圧着ローラ28により接着されて一体化されて印字済ラベル用テープ109として形成され、テープ排出部30よりカートリッジ7外へと搬出される。カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸107の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。

なお、カートリッジ7の上記筐体7Aの上面には、例えば、カートリッジ7内に内蔵されている上記基材テープ101のテープ幅、テープの色等を表示するテープ特定表示部8(図3参照)が設けられている。

一方、前述したように、内部ユニット20には、上記切断機構15と、上記ラベル排出機構22とが備えられている。上述のように貼り合わされて生成された印字済みラベル用テープ109に対し、上記カッター駆動ボタン16(図2参照)を操作することにより切断機構15によって印字済みラベル用テープ109が切断され(あるいは適宜のタイミングで自動的に切断されるようにしてもよい)、ラベルLが生成される。このラベルLは、その後さらにラベル排出機構22によって前壁10(図2参照)に形成された上記ラベル排出口11から排出される。

<切断機構> 次に、切断機構15について、図5〜図9、及び、上記図3により説明する。なお、図5〜図9においては、図示の煩雑を避けるために、後述のハーフカットユニットを除いた状態で図示している。

前述したような貼り合わせの結果、印字済みラベル用テープ109は、層方向に沿って、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び、剥離紙101dが、この順序で積層されている。切断機構15は、これらの層をすべて切断することにより、上記印字を備えた印字ラベルLを作成する。すなわち、切断機構15は、固定刃40と、この固定刃40とともにカット動作を行う可動刃41と、この可動刃41に係合されるカッターハスバギヤ(可動刃駆動ギヤ)42と、このカッターハスバギヤ42に対して、複数のギヤからなるギヤ列43Aにより作動連結され、一方向に回転する駆動モータ43(モータ)と、を備えている。

カッターハスバギヤ42には、突起状に形成されたボス(第1ピン)50が回転中心以外の部分に設けられており、このボス50が可動刃41の柄部46(基部)に形成された長孔(係合孔)49に挿入されて係合される(図9参照)。これにより、駆動モータ43の回転駆動に基づく回転運動をボス50と長孔49との係合構造を利用して進退方向への運動へ変換し、可動刃41を印字済みラベル用テープ109のテープ搬送経路に対し進退動作させることができる。

また、カッターハスバギヤ42には、その円筒外壁のうち所定の周方向範囲にフランジ状に突出して設けられ、回転中心からの距離が小・中・大と3段階となって切り替わる第1カム面42A、第2カム面42B、第3カム面42Cが備えられており、後述する作動部材60の円筒部306Aが摺接可能となっている。

固定刃40は、カートリッジホルダ6の側部において起立状に設けられる側板44(図3参照)に固定孔を通してネジ等により固定されている。

図9等に示されるように、可動刃41は略V字状をなしており、切断部分に設けられた刃部45と、刃部45の反対に位置する柄部46と、屈曲部47と、から構成される。固定刃には軸孔48が設けられている。可動刃41は、軸孔48に設けられた回転軸(図示せず)を介し屈曲部47を支点として回動できるように、上記側板44に支持されている。また、可動刃41の刃部45の反対側の柄部46に上記長孔49が形成されている。刃部45は例えば2段刃により形成されており、その刃面は刃部45の厚みを徐々に薄くする第1傾斜面と第2傾斜面の傾斜角度の異なる2つの傾斜面により構成されている。

上記構成の切断機構15において、駆動モータ43によりカッターハスバギヤ42が回転した際に、可動刃41がボス50と長孔49により上記軸孔48の回転軸を支点として揺動し、印字済みラベル用テープ109のテープ搬送経路へ向かって前進することで、印字済みラベル用テープ109がカットされる。

すなわちまず、カッターハスバギヤ42のボス50が内側(図9中、右側)に位置する場合においては可動刃41(詳細には刃部45。以下同様)は固定刃40から離れて位置する(初期状態)。そして、この初期状態において駆動モータ43が駆動し、カッターハスバギヤ42が図9中の時計回り(矢印70方向)に回転すると、ボス50が外側に移動するとともに、可動刃41は上記回転軸を中心に図9中の時計回り(矢印73方向)に回動し、固定刃40と協働して印字済みラベル用テープ109を切断する(詳細は後述の図17〜図28も参照)。

<ラベル排出機構> 一方、上記ラベル排出機構22は、装置本体2の前壁10(図2参照)に設けられたラベル排出口11の近傍に配設され、切断機構15において切断された後の印字済みラベル用テープ109(言い換えれば上記ラベルL、以下同様)をラベル排出口11から強制的に排出する。すなわち、ラベル排出機構22は、可動刃41よりテープ搬送経路の下流側に設けられ、印字済みラベル用テープ109に接触して排出するための駆動ローラ51と、この駆動ローラ51に対して印字済みラベル用テープ109のテープ搬送経路を挟んで対向する押圧ローラ(従動ローラ)52と、を有する。

駆動ローラ51は、上記駆動モータ43の駆動力が上記ギヤ列43A(歯車機構)によって、後述するバネ付き3分割構造のローラシャフトRSに伝達されることで、回転駆動される。

<ハーフカットユニット> 次に、ハーフカットユニットの詳細構成について説明する。前述したように、印字済みラベル用テープ109は、層方向に沿って、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び、剥離紙101dが、この順序で積層されている。ハーフカットユニットは、これらの層のうち、剥離紙101d以外の層(カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101c)を切断する。すなわち、図3に示されるように、ハーフカットユニットは、この例では固定刃40に合わせて配置される受け台38と、この受け台38と対向し可動刃41側に配置され、上記剥離紙101d以外の層の切断を行うハーフカッタ34と、固定刃40と受け台38との間に固定刃40と合わせて配置される第1ガイド部36と、この第1ガイド部36と対向し可動刃41と合わせて配置される第2ガイド部37とを備えている。

<可動刃の進退と押圧ローラの進退との連携、駆動力伝達の切り替え> ここで、本実施形態では、駆動ローラ51の回転駆動と可動刃41の進退動作とが、1つの共通の駆動モータ43からの駆動力によって行われる。本実施形態では、駆動モータ43の一方向への回転に伴って、前述した可動刃41のテープ搬送経路に対する進退動作と、押圧ローラ52(従動ローラ)の駆動ローラ51に対する進退動作とが、互いに連携した所望の態様に調整される。またその際、上記ローラシャフトRSが、駆動モータ43の駆動力を駆動ローラ51に伝達する状態と、その駆動力の伝達を行わず遮断する状態と、に切り替えられる。以下、その詳細について順を追って説明する。

<可動刃の進退と押圧ローラの進退との連携> まず、上記可動刃41の進退動作と上記駆動ローラ52の進退動作との連携に際しては、図5〜図8に示すように、例えば回転運動を進退(並進往復)運動へ変換するいわゆるクランク・揺動梃機構を用いている。すなわち、駆動ローラ51に圧接される押圧ローラ52を進退可能に支持するように、略T字型状の作動部材60が、その端部に設けた回転軸163を介して回転(揺動)可能となるように配置されている。また、カッターハスバギヤ42の周面は、回転中心からの距離(径方向の長さ)が小・中・大と3段階となって、第1カム面42A、第2カム面42B、第3カム面42Cが形成されている。そして、カッターハスバギヤ42の回転に伴い、第1カム面42A、第2カム面42B、第3カム面42Cに、作動部材60のT字型形状の水平部両端の一方に相当する円筒部(下端部)306Aが順次摺接する。

一方、図5〜図8に示すように、作動部材60の上記T字型形状の水平部両端の他方に相当する頂部(上端部)306Bには、上記押圧ローラ52を支持するローラ支持機構307(支持機構に相当)が接続されている。このローラ支持機構307は、ピストン部307Aと、シリンダ部307Bとを有する。

ピストン部307Aは、その先端側(図5中の左側)部分において押圧ローラ52の回転軸52Aを軸支して押圧ローラ52を回転可能に支持するとともに、その後端側(図5中の右側)部分が、接続部材36を介して上記頂部306Bに対しヒンジ結合されている。またピストン部307Aには、内部に図示しないばね部材が組み込まれており、このばね部材の付勢力を上記回転軸52Aに作用させることで、印字済みラベル用テープ109を適宜の圧力(後述の図29参照)で押圧することができる。シリンダ部307Bは、上記印字済みラベル用テープ109をラベル排出口11へ案内するための案内壁55(図6参照)に固定されており、ピストン部307Aを収納しつつ、当該ピストン部307Aを水平方向にスライド可能(図5中矢印参照)に支持する。これにより、ローラ支持機構307は、押圧ローラ52を回転可能にかつ駆動ローラ51に対し進退可能に支持する。

そして、上記作動部材60の円筒部306Aが上記第1カム面42Aから第2カム面42Bを経て上記第3カム面42Cに摺接して図5中の上方へ押されることで、作動部材60が回転軸163の周りに反時計回りに回転して上記頂部306Bが図5中左方へ変位し、接続部材36、ピストン部307Aを介し上記押圧ローラ52が上記印字済みラベル用テープ109のテープ搬送経路側へと前進する(後述の図17〜図26等参照)。その後、上記作動部材60の円筒部306Aが上記第3カム面42Cから上記第1カム面42Aに摺接して図5中の下方へ戻ることで、作動部材60が回転軸163の周りに時計回りに回転して上記頂部306Bが図5中右方へ変位し、接続部材36、ピストン部307Aを介し上記押圧ローラ52が上記テープ搬送経路から離れる方向へと後退する(後述の図27〜図28等参照)。

このようにして、本実施形態においては、駆動モータ43の一方向への回転により可動刃41を進退動作させるとともに、その可動刃41の進退動作に連動して、ローラ支持機構307に支持された押圧ローラ52を駆動ローラ51に対して進退させる。具体的には、押圧ローラ52は、テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109に対し駆動ローラ51と反対側から接触し当該駆動ローラ51とともに印字済みラベル用テープ109を挟み込み可能な位置と、テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109からある程度離間した位置と、の間を進退可能となっている(詳細な動作態様は後述の図17〜図28参照)。

なお、図5〜図7に示すように、作動部材60は、バネ部材62によって、テープ搬送経路から後退する後方側、すなわち押圧ローラ52が駆動ローラ51から離間した状態となるように、付勢されている。このとき、バネ部材62は、一端側(各図中右側)が回転軸163に巻装され、他端側(各図中左側)が上記案内壁55の下部に固定されている。

<ローラシャフトの駆動力伝達の切り替え> 次に、上記ローラシャフトRSにおける、駆動モータ43の駆動力を駆動ローラ51に伝達する状態と、その駆動力の伝達を行わず遮断する状態と、の切り替えについて説明する。

図10に示すように、上記ローラシャフトRSは、上記ギヤ列43Aを介して駆動モータ43の駆動力が入力される駆動部300と、上記押圧ローラ52が固定される被駆動部302と、駆動部300と被駆動部302との間で摩擦力を介し駆動力を伝達するコイルばね301(摩擦伝達部に相当)とを備えている。被駆動部302が係止されているときは、コイルばね301は駆動部300と共に回転し、コイルばね301と被駆動部302とは摺接している。この例では、駆動部300は、コイルばね301が緩む方向に回転するように構成されている。なお、これら駆動部300、被駆動部302、コイルばね301が、各請求項記載の駆動力伝達機構を構成する。

この構成のローラシャフトRSは、図10(a)及び図10(b)に示すように、駆動部300の上端部300Uの外周側に上記コイルばね301を巻装した状態で、当該上端部300Uに対し被駆動部302の下端部302Lが係合している。これにより、通常時には、コイルばね301の付勢力が上記上端部300U及び上記下端部302Lに作用することで、上記駆動モータ43の一方向への回転に伴う駆動力を駆動部300、コイルばね301、被駆動部302を介し駆動ローラ51に伝達し駆動ローラ51をラベル用テープが排出される方向に回転させる伝達状態となる。

このとき、被駆動部302の外周部には、外溝302aが設けられている。そして、上記ローラシャフトRSを回転可能に支持するシャフト支持フレームSFには、撓曲自在な係止片304が設けられている。この係止片304の先端には楔形突起状の係止爪304aが設けられており、この係止爪304aが、常には上記ローラシャフトRSの上記被駆動部302の外溝302aに係合(ラッチ)されている(図11(a)参照)。このように係止爪304aが外溝302aに係合しているときは、被駆動部302は周方向への回転が阻止される。すなわち、前述のようにして駆動モータ43の一方向への回転に伴う駆動力が駆動部300を介しコイルばね301に伝達されるものの、上記のように被駆動部302は回転を阻止されていることから、コイルばね301と上記被駆動部302の下端部302との間は滑り、駆動力の駆動ローラ51への伝達が遮断される遮断状態となるのである。

このとき、図5〜図7に示すように、作動部材60には、上記T字型形状の足に相当する略先細形状のアーム部305がさらに備えられている。そして、このアーム部305の先端が、上記係止片304(詳細には傾斜部304b。図7等参照)に当接することができる。前述の遮断状態となっているとき、前述のようにして作動部材60が回転軸163の周りに時計回りに回転してアーム部305が上記係止片304の傾斜部304bに当接すると、上記係止片304が撓むことで係止爪304aが外溝302aから離間する。この結果、上述した被駆動部302の周方向への回転阻止が解除されて被駆動部302は回転が許容されるようになるので、駆動ローラ51を回転させる上記伝達状態になるのである。

なお、上記係止片304は、後述するような作動部材60の回転挙動により、少なくとも可動刃41によるラベル用テープの切断完了までは回転不能となるように上記被駆動部302を係止し、可動刃41によるラベル用テープが切断完了した後には上記被駆動部302への係止を解除して当該被駆動部302の回転を許容するように、機能する(詳細は後述)。

上記において、前述のボス50及び長孔49が、上記駆動モータ43の一方向への回転を可動刃41の進退動作に変換する変換手段を構成し、上記作動部材60の上記頂部306B及び上記円筒部306Aが、連動手段を構成し、上記アーム部305と上記係止片304の係止爪304aとが、各請求項記載の係止手段を構成し、そしてこれらすべてが、各請求項記載の連携調整手段を構成する。

以上のように、本実施形態では、駆動モータ43の一方向への回転に伴い、押圧ローラ52の駆動ローラ51に対する進退動作、可動刃41のテープ搬送経路に対する進退動作、及び、上記ローラシャフトRSにおける上記伝達状態・遮断状態の切替動作、を互いに連携した所望の態様に調整する。この調整手順の詳細については、後に詳述する(図17〜図28参照)。

<制御系> 次に、ラベル作成装置1の制御系を、図12を用いて説明する。図12において、このラベル作成装置1の制御基板(図示せず)上には、制御回路110が配置されている。

制御回路110には、内部にタイマ111Aを備え各機器を制御するCPU111と、このCPU111にデータバス112を介して接続された入出力インターフェース113と、CGROM114と、ROM115,116と、RAM117とが設けられている。

CGROM114は、例えば多数のキャラクタの各々に関するドットパターンデータがコードデータに対応させて格納されている。

ROM(ドットパターンデータメモリ)115には、アルファベット文字や記号等のキャラクタを印字するための多数のキャラクタ各々に関して、印字用ドットパターンデータが、書体(ゴシック系書体、明朝体書体等)毎に分類され、各書体毎に印字文字サイズ分、コードデータに対応させて格納されている。また、階調表現を含むグラフィック画像を印字するためのグラフィックパターンデータも記憶されている。

なお、以上のCGROM114やROM115に記憶された表示用及び印字用ドットパターンデータは、上記通信回線NWを介してPC118側から読み出すことが可能であり、当該データを受信したPC118側で表示や印字を行うようにしてもよい。

ROM116には、上記PC118から入力された文字や数字等のキャラクタのコードデータに対応させて、印字バッファのデータを読み出して上記印字ヘッド23、搬送用モータ119を駆動する印字駆動制御プログラム、各印字ドットの形成エネルギ量に対応するパルス数を決定するパルス数決定プログラム、印字終了した場合に印字済みラベル用テープ109を切断位置まで搬送用モータ119を駆動して搬送し、上記駆動モータ43を駆動して印字済みラベル用テープ109を切断する切断駆動制御プログラム、切断された印字済みラベル用テープ109(=ラベルL)を、駆動モータ43を駆動してラベル排出口11から強制的に排出するテープ排出プログラム、その他ラベル作成装置1の制御上必要な各種のプログラムが格納されている。CPU111は、このようなROM116に記憶されている各種プログラムに基づいて各種の演算を行う。

RAM117には、テキストメモリ117A、印字バッファ117B、パラメータ記憶エリア117E等が設けられている。テキストメモリ117Aには、PC118から入力された文書データが格納される。印字バッファ117Bには、複数の文字や記号等の印字用ドットパターンがドットパターンデータとして格納され、印字ヘッド23はこの印字バッファ117Bに記憶されているドットパターンデータに従ってドット印字を行う。パラメータ記憶エリア117Eには、各種演算データが記憶される。

入出力インターフェース113には、PC118と、印字ヘッド23を駆動するための上記印刷駆動回路120と、搬送用モータ119を駆動するための搬送用モータ駆動回路121と、駆動モータ43を駆動するための駆動回路122と、ハーフカッタモータ129を駆動するためのハーフカッタモータ駆動回路128と、テープカットセンサ124とカットリリース検出センサ125とが各々接続されている。なお、ハーフカッタ34が設けられない場合には、ハーフカッタモータ129及びハーフカッタモータ駆動回路128は省略される。

このような制御回路110を核とする制御系において、PC118を介して文字データ等が入力された場合、そのテキスト(文書データ)がテキストメモリ117Aに順次記憶されるとともに、印字ヘッド23が駆動回路120を介して駆動され、各発熱素子が1ライン分の印字ドットに対応して選択的に発熱駆動されて印字バッファ117Bに記憶されたドットパターンデータの印字を行い、これと同期して搬送用モータ119が駆動回路121を介してテープの搬送制御を行う。

このとき、上記テープカットセンサ124及び上記カットリリース検出センサ125は、前述の図6、図9等に示すように、上記第1カム面42Aと、マイクロスイッチ126と、から構成されている。

具体的には、通常の待機状態(ホームポジション)では、第1カム面42Aの作用によりマイクロスイッチ126が押されてオン状態となっている。この状態から、前述の印字済みラベル用テープ109の切断時において、駆動モータ43によりカッターハスバギヤ42が一方向(図9の矢印70の方向)に回転し、可動刃41が前進する。その後可動刃41の前進により印字済みラベル用テープ109の切断が完了したタイミングで、当該周方向位置においては第1カム面42Aが存在しなくなることでマイクロスイッチ126が押されなくなりオン状態からオフ状態に復帰する(後述の図16のステップS65参照)。この結果、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断が完了したことが検出される。このことにより、テープカット検出センサ124が構成される。

また、さらにカッターハスバギヤ42が一方向(図9の矢印70の方向)に回転すると、ある周方向位置において再び第1カム面42Aが出現してマイクロスイッチ126が押されてマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わる(後述の図16のステップS70参照)。この結果、可動刃41が上記ホームポジションに戻ったことが検出される。このことにより、カットリリース検出センサ125が構成される。

<ラベルの構成> 上述のような構成のラベル作成装置1により印字済ラベル用テープ109の切断が完了し形成されたラベルLは、図13(a)、図13(b)、図14(a)、及び図14(b)に示すように、前述の図4に示した4層構造にカバーフィルム103が加わった5層構造となっている。すなわち、カバーフィルム103側(図14中上側)よりその反対側(図14中下側)へ向かって、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、剥離紙101dで5層が構成されている。そして、カバーフィルム103の裏面にラベル印字R(この例では「ABCD」の文字)が印刷されている。

また、カバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101cには、既に述べたように上記ハーフカッタ34によってテープ幅方向に略沿ってハーフカット線HC(この例では前ハーフカット線HC1及び後ハーフカット線HC2の2本)が形成されている。カバーフィルム103のうち、これらハーフカット線HC1,HC2の間に挟まれた領域がラベル印字Rが印刷される印字領域Sとなり、印字領域Sよりハーフカット線HC1,HC2を挟んでテープ長手方向両側がそれぞれ前余白領域S1及び後余白領域S2となっている。

なお、前述のようにハーフカットユニット35が省略された場合には、図13(a)及び図13(b)にそれぞれ対応する図13(c)及び図13(d)のように、上記ハーフカット線HC1,HC2のない外観となる。

<制御手順> 次に上記制御回路110によって実行される制御手順を、図15を用いて説明する。

図15において、上記PC118より例えばラベル作成操作が行われるとこのフローが開始される。まずステップS1で、上記PC118からの操作信号を(通信回線NW及び入出力インターフェース113を介して)入力しこの操作信号に基づき、印字データの生成、前・後ハーフカット位置やフルカット位置の設定、等を行う準備処理を実行する。なお、このとき、上記印字データには、後述の印字長L1が含まれている。

ステップS5では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ121の駆動力によってテープ送りローラ27及びリボン巻取りローラ106を回転駆動させる。これらにより、第1ロール102から基材テープ101が繰り出されテープ送りローラ27へ供給されるとともに、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出される。そして、これら基材テープ101とカバーフィルム103とが上記テープ送りローラ27及びサブローラ109により接着されて一体化されて印字済ラベル用テープ109として形成され、カートリッジ7外方向からさらにラベル作成装置1外方向へと搬送される。

その後、ステップS10において、上記ステップS5から開始されたテープ搬送による搬送量Dが、所定のDoになったかどうか、を判定する。このDoは、前述の印字データに基づいた、上記印字領域Sの搬送方向先端部が、印字ヘッド23に正対する位置まで来たかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷開始位置まで到達したかどうか)、を判定するためのものである。Doの値は、上記印字領域Sの設定とともに、上記ステップS1の準備処理において決定されている。D=Doとなってカバーフィルム103が印刷開始位置に到達するまでステップS10の判定が満たされずループ待機し、印刷開始位置となったら、ステップS10の判定が満たされて、ステップS15に移る。

ステップS15では、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120に制御信号を出力し、印字ヘッド23を通電して、カバーフィルム103のうち前述した印字領域Sに、ステップS1で生成した印字データに対応した文字、記号、バーコード等の印字長L1のラベル印字Rの印刷を開始する。

その後、ステップS20において、印字済ラベル用テープ109が先のステップS1で設定した前ハーフカット位置まで搬送されたかどうか(言い換えればハーフカット機構35のハーフカッタ34がステップS1で設定した前ハーフカット線HC1に正対する位置まで印字済みラベル用テープ109が到達したかどうか)を判定する。このときの判定は、例えば、上記ステップS10のタイミング以降の、パルスモータである搬送用モータ119を駆動する搬送用モータ駆動回路121の出力するパルス数をカウントし、当該カウント数が所定の値に達したかどうか、により検出すれば足りる。前ハーフカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS25に移る。

ステップS25では、入出力インターフェース113を介し搬送用モータ駆動回路121に制御信号を出力し、搬送用モータ119の駆動を停止して、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106の回転を停止する。これにより、カートリッジ7から繰り出された印字済ラベル用テープ109が排出方向に移動する過程で、ステップS1で設定した前ハーフカット線HC1にハーフカット機構35のハーフカッタ34が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。またこのとき、入出力インターフェース113を介し印刷駆動回路120にも制御信号を出力し、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止(印刷中断)する。

その後、ステップS30で、入出力インターフェース113を介しハーフカッタモータ駆動回路128に制御信号を出力してハーフカッタモータ129を駆動し、ハーフカッタ34を回動させて、印字済ラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、及び粘着層101cを切断して前ハーフカット線HC1を形成する前ハーフカット処理を行う。

そして、ステップS35に移り、上記ステップS5と同様にしてテープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106を回転駆動させて印字済ラベル用テープ109の搬送を再開するとともに、ステップS15と同様にして印字ヘッド23に通電してラベル印字Rの印刷を再開する。なお、前述のようにハーフカッタ34を設けない場合は、上記ステップS20、ステップS25、ステップS30、ステップS35は省略される。

ステップS250では、搬送量Dが印字長L1以上となったかどうか、すなわち上記印字領域Sの搬送方向後端部が、印字ヘッド23に正対する位置まで来たかどうか(言い換えればカバーフィルム103が印字ヘッド23による印刷終了位置まで到達したどうか)、を判定する。このときの判定も、上記同様、搬送用モータ119を駆動するパルス数のカウントにより行えばよい。D≧L1となりカバーフィルム103が印刷終了位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS260に移る。

ステップS260では、上記ステップS25と同様にして、印字ヘッド23の通電を停止して、上記ラベル印字Rの印刷を停止する。これによって、カバーフィルム103の印字領域Sに対するラベル印字Rの印刷が完了する。

その後、ステップS270に移り、前記印字領域Sの後端部から所定の位置に固定的に設定される(ステップS1で設定)、後ハーフカット位置までテープ搬送を行った後にハーフカットユニット35のハーフカッタ34によって後ハーフカット線HC2の形成を行う、後ハーフカット処理を行う。

そして、ステップS45に移り、印字済みラベル用テープ109の切断線CL(ステップS1で設定)が切断機構15の可動刃41に正対する位置までラベル用テープ109が到達したかどうか(言い換えれば印字済ラベル用テープ109がフルカット位置まで搬送されたかどうか)を判定する。このときの判定も、上記同様、搬送用モータ119を駆動するパルス数のカウントにより行えばよい。フルカット位置に到達するまで判定が満たされずこの手順を繰り返し、到達したら判定が満たされてステップS50に移る。

ステップS50では、上記ステップS25と同様にして、テープ送りローラ27、リボン巻取りローラ106の回転を停止して印字済ラベル用テープ109の搬送を停止する。これにより、ステップS1で設定した切断線CLに切断機構15の可動刃41が正対した状態で、第1ロール102からの基材テープ101の繰り出し、第2ロール104からのカバーフィルム103の繰り出し、及び印字済みラベル用テープ109の搬送が停止する。

その後、ステップS55でモータ駆動回路122に制御信号を出力して駆動モータ43を駆動し、切断機構15の可動刃41を回動させて、印字済ラベル用テープ109のカバーフィルム103、粘着層101a、ベースフィルム101b、粘着層101c、及び剥離紙101dをすべて切断(分断)して切断線CLを形成する(図13(a)〜(d)参照)とともに切断後のラベルLを排出する、カット・排出処理を行う(詳細は図16参照)。このカット・排出処理では、切断機構15による分断によって印字済みラベル用テープ109から切り離され、且つ駆動ローラ51と押圧ローラ52とによってラベル用テープ109を挟み込んで排出させることで、所定の印字が行われたラベルLが生成される。その後、このフローを終了する。

<カット・排出処理> 上記ステップS55のカット・排出処理の詳細手順を、図16を用いて説明する。なお、前述したように、このフローが始まる時点において、可動刃41がホームポジションに戻っており、カットリリース検出センサ125のマイクロスイッチ126はカッターハスバギヤ42の第1カム面42Aで押され、既にオン状態となっている。

まず、ステップS60で、駆動回路122に制御信号を出力し、駆動モータ43を上記一方向に駆動開始する。これにより、カッターハスバギヤ42が対応する方向に回転し、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断と、これに連携した駆動ローラ51及び押圧ローラ52によるラベルLの排出とが開始される(連携の詳細な態様は後述)。

その後、ステップS65に移り、上記カッターハスバギヤ42の回転により、前述したカッターハスバギヤ42の第1カム面42Aが存在しなくなってマイクロスイッチ126がオン状態からオフ状態に切り替わったかどうかを判定する。オン状態からオフ状態に切り替わったら判定が満たされ、前述したように、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断が完了したとみなされて、ステップS70に移る。

ステップS70では、さらにカッターハスバギヤ42が回転し、前述したカッターハスバギヤ42の第1カム面42Aの出現によりマイクロスイッチ126がオフ状態からオン状態に切り替わったかどうかを判定する。オフ状態からオン状態に切り替わったら、判定が満たされ、可動刃41がホームポジションまで戻ったとみなされて、ステップS75に移る。

ステップS75では、駆動回路122に制御信号を出力し、駆動モータ43の駆動を停止する。これにより、カッターハスバギヤ42の回転が停止し、可動刃41はホームポジションにおいて次回動作に向けての待機状態となる。

<可動刃進退と押圧ローラ進退との連携動作> 次に、前述した可動刃41のテープ搬送経路に対する進退動作と押圧ローラ52の駆動ローラ51に対する進退動作との連携の詳細について、説明する。

以下、図17乃至図29に基づき、上記の連携態様を順を追って説明する。図17乃至図28は、上記進退動作の様子を表す透視説明図であり、図29は、上記カッターハスバギヤ42の回転角と、上記押圧ローラ52よる印字済みラベル用テープ109への圧力及び可動刃41の角度と、の関係を表すグラフである。なお、図29(a)には、比較のために、ローラシャフトRSにおける上記遮断機能が備えられずに駆動モータの回転駆動力がギヤ列を介し常時押圧ローラへ伝達されて回転する特開2012−139778号公報の構成における挙動を、比較例として併せて示している。

まず最初に、この例では、図17に示すように、カッターハスバギヤ42の中心からみてボス50が水平方向の略同じ高さ位置にあり、作動部材60の円筒部306Aは、カッターハスバギヤ42の第1カム面42Aに摺接している。この状態では、可動刃41は、テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109から離間したホームポジションでの待機状態にある(上記カッターハスバギヤ42の回転角「0°」である原点:図29(a)及び図29(b)も参照)。このとき、作動部材60の上記アーム部305は上記係止片304から大きく離れた状態にあり、係止爪304aは上記外溝302aに係止した状態を維持している結果、ローラシャフトRSは上記遮断状態となっている。また、作動部材60の上記頂部306Bは、上記バネ部材62の付勢力で作動部材60が押圧されることによって上記テープ搬送経路から大きく後退した状態にあり、押圧ローラ52は、当該テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109から所定距離だけ離間した離間状態である。なお、先に説明したように、この時点で、カットリリース検出センサ125のマイクロスイッチ126は既にON状態となっている。

その後、駆動モータ43が回転を開始する。この回転駆動力は前述したようにギヤ列43Aを介してカッターハスバギヤ42に伝達され、このカッターハスバギヤ42の回転により、可動刃41が印字済みラベル用テープ109に向かって前進を開始する。このとき、作動部材60の円筒部306Aは、依然としてカッターハスバギヤ42の第1カム面42Aに摺接している。また上記回転駆動力は、上記ギヤ列43AによってローラシャフトRSの上記駆動部300に伝達されるが、作動部材60の上記アーム部305が(若干下がるものの)引き続き上記係止片304からは離れておりローラシャフトRSが前述の遮断状態(係止爪304aにより被駆動部203の回転が阻止された状態)にあることから、被駆動部203は回転せず、この結果駆動ローラ51も回転しない。またこの時点では、作動部材60の上記頂部306Bは若干上記テープ搬送経路側に前進するものの、押圧ローラ52は引き続き上記離間状態を維持している。

その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転すると、作動部材60は回転軸163を中心に図示反時計回りに回転する。図18に示すようにカッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置(原点位置)から例えば85°回転すると、円筒部306Aは引き続き上記第1カム面42Aに摺接しているものの、可動刃41は上記テープ搬送経路に向かって前進し、印字済みラベル用テープ109の切断を開始する(図29(b)参照。但しこのラベル作成装置1において使用が想定されるうち最も広幅である36[mm]のテープの場合である。最も狭幅である6[mm]のテープの場合はさらに後のタイミングで切断が開始される。以下、特に断らない限り上記広幅のテープに例により説明する)。作動部材60の上記アーム部305はさらに若干下がるものの引き続き上記係止片304からは離れ、ローラシャフトRSの上記遮断状態は維持される。また、作動部材60の上記頂部306Bはさらに若干上記テープ搬送経路側に前進するものの、引き続き押圧ローラ52は上記離間状態を維持している。

その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、図19に示すように上記ホームポジションの位置(原点位置)から例えば95°回転すると、作動部材60の円筒部306Aは上記第1カム面42Aへの摺接から第2カム面42Bへの摺接へと切り替わりつつある状態となり、可動刃41は印字済みラベル用テープ109を幅方向(図中の上下方向)に切り進んでいく。また、作動部材60の上記アーム部305はさらに若干下がるものの引き続き上記係止片304からは離れ、ローラシャフトRSの上記遮断状態は維持される。

このとき、作動部材60の上記頂部306Bはさらに若干上記テープ搬送経路側に前進して、テープ搬送経路に位置する印字済みラベル用テープ109に接し、当該印字済みラベル用テープ109の保持を開始し、その後の駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転するにつれ、その保持圧を直線的に増加させる(図29(a)参照)。なおこの保持圧の増加の間は、前述のピストン部307A内のばね部材は撓むことなく全長が維持されている。

そして、その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、図20に示すように、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から例えば102°回転したとき、作動部材60の円筒部306Aは、カッターハスバギヤ42の第2カム面42Bに乗り上げて摺接する状態となる。

さらにその後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42上記ホームポジションの位置(原点位置)から例えば120°回転すると、前述のピストン部307A内の上記ばね部材が撓み始めることで、上記保持圧の直線的な増加が終了し(図29(a)参照)、これ以降、上記ばね部材の撓みによって上記保持圧が予め定めた所定の一定圧(第2一定圧に相当)に保持される。

そして、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、図21に示すように、上記ホームポジションの位置から例えば132°回転すると可動刃41はさらに上記テープ搬送経路に向かって前進する。なお、ラベル作成装置1において使用が想定されるうち最も狭幅である6[mm]の印字済みラベル用テープ109の場合にこのタイミングで切断が開始される(図29(b)参照)。

その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転して可動刃41が切り進み、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から165°回転したとき、図22に示すように、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の全幅方向寸法の切断(フルカット)が完了する(但しこのラベル作成装置1において使用が想定されるうち最も広幅である36[mm]のテープの場合である。最も狭幅である6[mm]のテープの場合はこれよりも前の、例えばカッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から145°回転したときに切断が完了している。図29(b)参照)。なお、この状態の直後から後述の図26に示す状態まで、同様に、この状態(またはその直後)において上記マイクロスイッチ126をこれまで押し上げてきた第2カム面42Bが消失することでマイクロスイッチ126はOFF状態となって、上記制御回路によって印字済みラベル用テープ109の切断完了が検知される(上記図16のステップS65参照)。なお、図24及び図25においては、作動部材60の動きの明確化のために、各構成要素の姿勢や傾きを誇張して円筒部306Aが上記第2カム面42Bから離間した状態となっているが、実際には円筒部306Aは第2カム面42Bに当接した状態を維持している。

その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、図23に示す状態(上述したようにこの状態では円筒部306Aは上記第2カム面42Bから離間している)、さらに図24に示す状態を経て、図25に示すように上記ホームポジションの位置(原点位置)から例えば183°回転すると、作動部材60の上記アーム部305が下がることで上記係止片304の傾斜部304bに当接して係止片304を下方へ押圧し、係止爪304aによる被駆動部203の回転阻止が解除されて、ローラシャフトRSは上記遮断状態から上記伝達状態となる(図29(a)参照)。このとき、作動部材60の上記頂部306Bはさらに上記テープ搬送経路側に前進することで、上記第2一定圧での保持が終了し、これ以降、上記保持圧は、上記第2一定圧よりもさらに大きな、予め定めた所定の一定圧(第1一定圧に相当)に保持される。すなわち、押圧ローラ52を、上記第1一定圧で押圧しつつ、駆動ローラ51と反対側からラベル用テープ109に接触させる状態(搬送用押圧状態)となる。これらの結果、押圧ローラ52と駆動ローラ51とで印字済みラベル用テープ109とを挟み込んだ押圧した状態において、駆動ローラ51の回転が印字済みラベル用テープ109に伝達開始される。これにより、これ以降は、駆動モータ43の駆動力による駆動ローラ51の回転の伝達によって印字済みラベル用テープ109がラベル排出口11へ向かって搬送開始される。

その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転し、上記ホームポジションの位置から例えば205°回転(図23及び図24参照)すると、図26に示すように、円筒部306Aがカッターハスバギヤ42の上記第2カム面42Cに乗り上げた状態となり、作動部材60をさらに反時計回りに揺動させ、可動刃41が最も前進した状態(図29(b)中の「最上点」)において固定刃40と可動刃41とが互いに食い込んで所定量オーバーラップした状態となる。

その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転すると、可動刃41の柄部46の長孔49の形状及び方向の作用により、ある時点以降は、上記回転軸48を中心に可動刃41はテープ搬送経路から離れる方向(図中の時計回り)に回転し始める(図27参照)。これにより、可動刃41は印字済みラベル用テープ109から離間し始める。

また、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転すると、作動部材60の円筒部306Aが上記第3カム面42Cから離間した状態となることで、バネ部材62の付勢力で押圧される作動部材60も上記回転軸163を中心としてそれまでと逆方向に(図中の時計回りに)回転し始める。そして、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置(原点位置)から例えば320°回転すると、作動部材60の上記アーム部305が再び上がることで上記係止片304の傾斜部304bへの当接が解消して係止片304の係止爪304aが被駆動部203へ再び係止し被駆動部302が再び回転阻止されて、ローラシャフトRSは上記伝達状態から再び上記遮断状態となる(図29(a)参照)

そして、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から例えば354°回転したとき、図28に示すように、上記作動部材60の逆方向への回転により、頂部306B、接続部材36、ローラ支持機構307を介し、上記押圧ローラ52が、印字済みラベル用テープ109のテープ搬送経路から後方側(図示右側)へ離れ、再び離間した状態となる。なお、図25において駆動モータ43の駆動力による駆動ローラ51の回転が伝達されて印字済みラベル用テープ109が搬送開始されてから、上記再び離間した状態となるまでの間、印字済みラベル用テープ109の切断により生成されたラベルLの後端が少なくとも駆動ローラ51の位置までに達するように、搬送速度や各部の形状・寸法・材質等が設定されており、これによってラベルLが確実にラベル排出口11から排出されるよう図られている。

その後、駆動モータ43の回転によりさらにカッターハスバギヤ42が回転して可動刃41がさらに後退してテープ搬送経路から離れ(すなわち再び上記離間状態となり)、カッターハスバギヤ42が上記ホームポジションの位置から360°回転したとき、作動部材60は、前述したホームポジションに対応した初期状態に戻る。このとき、カッターハスバギヤ42の第1カム面42Aが再び出現しマイクロスイッチ126を押してON状態とする(この状態の直前である上記図28及び図27参照)ことで、上記制御回路によって可動刃41が上記ホームポジションに戻ったことが検知される(図16のステップS70参照)。

以上説明したように、本実施形態においては、上記可動刃41のテープ搬送経路に対する上記進退動作と上記押圧ローラ52の駆動ローラ51に対する進退動作とに加え、上記駆動ローラ51の回転も、1つの共通の駆動モータ43からの駆動力によって行われる。すなわち、駆動モータ43の駆動力は、駆動部300、被駆動部302、コイルばね301を備えたローラシャフトRSによって駆動ローラ51へ伝達される。このローラシャフトRSは、駆動部300とともに被駆動部302が回転する伝達状態と駆動部300が回転しても被駆動部302は回転しない遮断状態との間で切り替わり動作し、上記伝達状態となっているときは、駆動モータ43が一方向に回転するのに対応して駆動ローラ51が回転する。したがって、押圧ローラ52が前述のように前進して駆動ローラ51との間に印字済みラベル用テープ109を挟み込み、その状態でローラシャフトRSが上記伝達状態となると、駆動ローラ51の回転が印字済みラベル用テープ109に対し作用し、印字済みラベル用テープ109が排出方向へと送られる(上記ローラシャフトRSが上記遮断状態となっていた場合には、印字済みラベル用テープ109は送られない)。

このとき、本実施形態においては、上記作動部材60等を用いた調整により、少なくとも可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断完了まではローラシャフトRSが伝達状態に切り替わらず、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断が完了した後に、上記ローラシャフトRSが伝達状態に切り替わる(図29(a)及び図29(b)参照)。これにより、駆動モータの回転駆動力がギヤ列を介し常時押圧ローラへ伝達されて回転する特開2012−139778号公報に記載の技術のように、テープ切断完了前に駆動ローラ51が回転し回転駆動力が印字済みラベル用テープ109に作用するのを、防止することができる。

以上のようにして、本実施形態においては、1つの共通の駆動モータ43の駆動力を利用して、可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断と、その後のラベルLの排出を円滑にかつ確実に行うことができる。したがって、可動刃41の駆動用のモータとラベルの排出用のモータとを別々に2個設ける場合に比べて、モータ数を減らすことができる。この結果、装置全体の小型化や軽量化を図ることができ、またコストダウンを図ることもできる。

また、本実施形態では、特に、係止片304の係止爪304aが、少なくとも可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断完了までは回転不能となるように、ローラシャフトRSの被駆動部302を係止し、可動刃41による印字済みラベル用テープ109が切断完了した後に被駆動部302への係止を解除して当該被駆動部302の回転を許容する。これにより、少なくとも可動刃41による印字済みラベル用テープ109の切断完了までは、係止片304aが被駆動部302を係止して回転不能とし、確実に回転駆動力が印字済みラベル用テープ109に作用しないようにすることができる。

また、本実施形態では、特に、押圧ローラ52を回転可能でかつ進退可能に支持するローラ支持機構307が設けられ、作動部材60により、駆動モータ43の上記一方向への回転による可動刃41の進退動作に連動して、ローラ支持機構307に支持された上記押圧ローラ52が上記駆動ローラ51に対して進退する。これにより、駆動モータ43が一方向へ回転するのにしたがって可動刃41を進退させて印字済みラベル用テープ109を確実に切断することができ、また押圧ローラ52を駆動ローラ51に対して確実に進退させることができる。

また、本実施形態では、特に、駆動モータ43の一方向への回転に従って、上記離間状態、上記切断用押圧状態、上記搬送用押圧状態、上記離間状態の順で、遷移させる(図29(a)参照)。これにより、当初、印字済みラベル用テープ109から離間した離間状態にある押圧ローラ52を、駆動モータ43が一方向へ回転するのにしたがって、まず駆動ローラ51に対し前進させて比較的小さい第2一定圧で押圧した切断用押圧状態とした後、比較的大きい第1一定圧で押圧した搬送用押圧状態とすることができる。この結果、印字済みラベル用テープ109が適宜の切断位置となったときに上記切断用押圧状態として上記可動刃41による切断を行い、その後上記搬送用押圧状態とすることで上記駆動ローラ51からの回転を作用させてラベル排出を行うことができる。このようにある程度の圧力で押圧した状態で切断を行い、印字済みラベル用テープ109の切断を安定的に精度良く行うことができる。

また、本実施形態では、特に、上記切断用押圧状態から上記搬送用押圧状態に切り替わったときに、ローラシャフトRSが遮断状態から伝達状態に切り替えられる(図29(a)参照)。これにより、押圧ローラ52からの押圧が、テープ搬送に対応した比較的大きな圧力に確実に切り替わった状態で、駆動ローラ51からの回転駆動力をカバーフィルム103に作用させることができる。

また、本実施形態では、特に、可動刃41が、想定される最大幅寸法(前述の例では36[mm])の印字済みラベル用テープ109を切断完了した後に、上記切断用押圧状態から上記搬送用押圧状態に切り替えられる(図29(a)、図29(b)参照)。これにより、互いに異なる幅寸法を備えた種々のテープ(カバーフィルム103及び基材テープ101。以下同様)が使われ得る場合に、ある程度狭幅のテープが用いられる場合であっても、切断が完了するまでは確実に回転駆動力が印字済みラベル用テープ109に作用しないようにすることができる。

また、本実施形態では、特に、可動刃41が、想定される最小幅寸法(前述の例では6[mm])の印字済みラベル用テープ109を切断している間は、上記切断用押圧状態に維持される。これにより、互いに異なる幅寸法を備えた種々の上記テープが使われ得る場合に、ある程度狭幅のテープが用いられる場合であっても、切断動作中に少なくともある程度の押圧力で印字済みラベル用テープ109を押圧し保持することができる。

なお、以上においては、基材テープ101とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、基材テープに備えられた被印字テープ層に対し印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に本発明を適用してもよい。この場合、基材テープがラベル用テープを構成する。

また、以上では、ラベル作成装置1を通信回線NWを介してPC118に接続するようにしたが、これに限られない。すなわち上記PC118等の機能をすべてラベル作成装置1側に備える(いわゆるスタンドアローン方式のラベル作成装置)ようにしてもよい。

また、図12等に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。

また、上記図15、図16等のフローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。

また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。

その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。

6 カートリッジホルダ 7 カートリッジ 23 印字ヘッド(印字手段) 41 可動刃 43 駆動モータ(モータ) 49 長孔(変換手段) 50 ボス(変換手段) 51 駆動ローラ RS ローラシャフト 52 押圧ローラ(従動ローラ) 60 作動部材 103 カバーフィルム(ラベル用テープ) 109 印字済みラベル用テープ(ラベル用テープ) 108 テープ送りローラ駆動軸(搬送手段) 300 駆動部(駆動力伝達機構) 301 摩擦伝達部(駆動力伝達機構) 302 被駆動部(駆動力伝達機構) 304a 係止爪(係止手段) 305 アーム部(係止手段) 306A 円筒部(連動手段) 306B 頂部(連動手段)

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