Method and apparatus for producing plastic sheet

申请号 JP31815698 申请日 1998-11-09 公开(公告)号 JP4519211B2 公开(公告)日 2010-08-04
申请人 ローム アンド ハース カンパニーRohm And Haas Company; 发明人 ジェームズ・ラルフ・ガリオン; スティーブン・デービッド・フィールズ;
摘要
权利要求
  • (a) 溶融プラスチック樹脂を提供し;
    (b) この溶融プラスチック樹脂を、入口;出口;外面および1組のダイリップスによって形成されるオーバーフロー表面;前記オーバーフロー表面に連結された2つの外側表面;および2つの外部側面の合流点によって形成され、かつ前記オーバーフロー表面 実質的に 反対側に位置している頂点;を有するオーバーフローダイに導き;
    (c) 溶融プラスチック樹脂を、溶融ウェブに成形し、ここで熔融プラスチック樹脂は、出口を通ってオーバーフローダイから出て、2つの外側表面のまわりを流れ、前記頂点において合流し溶融ウェブを形成する;
    (d) 引き取り手段によって、前記オーバーフローダイから離れるように前記溶融ウェブを導き;そして(e) 前記溶融ウェブを冷却して固体シートを形成し、ここで溶融ウェブの 横方向における端に沿った縁部分だけが引き取り手段に接触する;
    工程を包含している、高品質プラスチックシートの製造方法。
  • 溶融プラスチック樹脂のソースは押し出しによって供給される、請求項1記載の方法。
  • 樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのホモポリマーまたはコポリマー;フェノキシエーテル;ポリフェニレンオキサイド樹脂;エポキシ樹脂、セルロース樹脂;ビニルポリマー;フルオロポリマー;ポリカーボネート;ポリスチレン;ポリオレフィン;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリフェニレンスルフィド;ポリアリーレンエステル樹脂;ポリエステル;N−Hおよび/またはN−アルキルグルタルイミドのホモポリマーまたはコポリマー;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂;スチレン−アクリロニトリル樹脂;スチレン−無水マレイン酸樹脂;イミド化スチレン−無水マレイン酸;ポリアミド;およびそれらの混合物、からなる群から選ばれた熱可塑性樹脂である、請求項1記載の方法。
  • 熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート;線状アクリルホモポリマーおよびコポリマー;環状ポリオレフィン;および線状イミド化アクリルホモポリマーおよびコポリマー、からなる群から選ばれる、請求項3記載の方法。
  • アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのコポリマーが、スチレンおよびその誘導体、N−アルキルマレイミド、アクリロニトリル、または酢酸ビニルと共重合したアクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルを含んでいる、請求項3記載の方法。
  • 熱可塑性樹脂は、スチレン−アクリロニトリル−ポリグルタルイミド、ポリカーボネート−ポリエステル、ポリメチルメタクリレート−ポリ(フッ化ビニリデン)およびポリスチレン−ポリ(フェニレンオキサイド)、からなる群から選ばれた樹脂の混合物である、請求項3記載の方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    本発明は、プラスチックシートを形成するための方法および装置に関する。 特に、本発明は、低残留応および高い表面品質を有するプラスチックシートを形成するための方法および装置に関する。 本発明方法により形成されるプラスチックシートは、例えば、光窓、光学フィルター、記録用媒体、および液晶ディスプレー(LCD)のような、光学的および電子的ディスプレー用途において特に有用である。
    【0002】
    光学的品質のガラスまたは石英のシートは、「基板(substrate)」として電子的ディスプレー用途に使用される。 そのような用途においては、「基板」は電子的ディスプレーを造るために使用される物質のシートである。 そのような基板は、透明、半透明または不透明であることができるが、典型的には透明である。 一般的に、そのようなシートは、基板として使用する前に、それらに適用された導電性被覆物を有している。 そのような基板は、しばしば、光学的透明性、平滑性および最小の複屈折のための厳しい規格を有し、典型的には、ガスおよび溶剤の浸透に対して高い抵抗性を有していなければならない。 また、可撓性、対衝撃性、硬度およびひっかき抵抗性のような機械的性質も重要な考慮すべき事項である。 ガラスまたは石英のシートは、これらの物質が光学的および平滑性についての必要条件を満足させることが可能であり、かつ良好な耐熱性および耐薬品性およびバリヤー性を有しているので、ディスプレー用途に使用されてきた。 しかし、これらの物質は、いくつかの所望される機械的性質、特に、低密度、可撓性および耐衝撃性を有していない。
    【0003】
    光学的またはディスプレー用途におけるガラスシートまたは石英シートの機械的限界のために、そのような用途にプラスチックシートを使用することが望ましい。 プラスチックシートは、等しい厚さのガラスシートまたは石英シートよりも、より大きい可撓性を有し、破損に対してより多く抵抗性があり、そしてより軽量であるが、合理的なコストで光学的用途およびディスプレー用途に使用するために要求される必要な光学的特性を有するプラスチックシートを造ることは非常に難しかった。 更に、多くのタイプのプラスチックシートは、基板をディスプレー装置の製造中における加工条件、特に温度についてかかる加工条件に暴露したときに許容できない寸法のゆがみを与える。
    【0004】
    プラスチックシートを製造するために、キャスト(cast)、押し出し、成形、延伸をはじめとする、いくつかの工業上に利用されている方法がある。 これらの方法の内で、いくつかは高品質のプラスチックシートを製造するのに適当でない。 本明細書を通して使用されている用語「高品質」は、次の特性を有するプラスチックシートを記述するのに用いられている:低い表面あらさ(low surface roughness)、低い波打ち(low waviness)、低い厚さ変動、および最小限のポリマー鎖の配向(例えば、不斉の物理的性質、複屈折または熱収縮によって測定される)。
    【0005】
    例えば、射出形成法は、溶融プラスチックの金型の中への流れに起因して、特に薄いシート(例えば、1mmの厚さまたはそれ以下)において、多量のポリマー鎖配向を生じさせ、許容できないほど複屈折を増加させ、無視できない光弾性係数を有するポリマーを生じやすい。 射出圧縮成形法は、表面の品質を改良し、ポリマー鎖の配向を減少させるために、射出後のポリマーをスクィーズ(squeezing)する改良された成形方法である。 しかし、これらの改良をしてさえ、射出圧縮成形方法の高品質シート製造能力は限定されたものである。
    【0006】
    圧縮成形法およびプレスつや出し法は、良好な表面品質を有するシートを製造するのに使用できる。 しかし、そのような方法に固有なスクィーズ流れは、ポリマー鎖の配向をもたらし、熱サイクル中に許容できない収縮を生じる。 更に、これらの方法は連続的に操作できず、それ故、労務コストおよび製造コストが増加する。
    【0007】
    例えば、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムのための、延伸操作およびインフレーション法(blown film extrusion)は、大量のポリマー鎖の配向を生じ、そして高品質のプラスチックシートを製造するには不適当である。
    【0008】
    ソルベントキャスト法は、高品質フィルムを製造するのに使用することができる。 しかし、この方法によって製造できるフィルムの最大の厚さには実施上の制限がある。 更に、キャスティングに使用する溶剤はシートの形成後に除かなければならない。
    【0009】
    シート押し出し法は、連続操作として行われるが、この方法は、ダイおよびロールスタック(roll stack)におけるつや出しローラーの間におけるポリマー流れに起因して、許容できないポリマー鎖の配向を生じる。
    【0010】
    それ故、連続法において、比較的安価に高品質プラスチックシートを製造でき、得られたプラスチックシートが、光学的および電子的ディスプレー用途の基板として使用できる、プラスチックシートの製造方法が求められている。
    【0011】
    本発明は、(a)溶融プラスチック樹脂を提供し;(b)この溶融プラスチック樹脂を、入口および出口を有するオーバーフローダイに導き;(c)溶融プラスチック樹脂を、前記オーバーフローダイを使用して溶融ウェブに成形し;(d)前記オーバーフローダイから遠くに前記溶融ウェブを導き;そして(e)前記溶融ウェブを冷却して固体シートを形成する工程を包含している、高品質プラスチックシートの製造方法に関する。
    【0012】
    また、本発明は、(a)溶融プラスチック樹脂を提供するためのソース;(b)長さおよび幅を有するオーバーフローダイであって、前記ダイは、頂点に達する実質的に卵形の断面、導管の開口、および前記導管の開口と連結した計量装置を含み、溶融プラスチック樹脂は、導管の開口を通ってダイの中に流れ、計量装置を通ってダイの外へ流れ、そしてダイの側面のまわりに流れて、前記頂点において溶融ウェブを形成する、前記のダイ;(c)前記ソースから前記オーバーフローダイに、前記溶融プラスチック樹脂を供給するための手段;および(d)前記溶融ウェブを、前記オーバーフローダイから遠くに導くための誘導手段を包含する、高品質のプラスチックシートを製造するための装置に関する。
    【0013】
    また、本発明は、高品質のプラスチックシートを形成するのに有用なオーバーフローダイであって、前記オーバーフローダイは、内面および外面を有し、そして(a)ダイの外面によって形成され、かつ1組のダイリップス(die lips)を含んでいるオーバーフロー表面;(b)前記オーバーフロー表面に連結された2つの外側表面;(c)2つの外部側面の合流点によって形成され、かつ前記オーバーフロー表面実質的に反対側に位置している頂点、ただし、ダイは実質的に卵形の断面を有しており;(d)外部から内部への導管の開口;および(e)ダイの内部に位置した計量装置、ただし、計量装置は、前記導管の開口および前記オーバーフロー表面と連結されている、を含んでいる、前記オーバーフローダイに関する。
    【0014】
    図1は、本発明の典型的装置の正面図である。
    図2は、図1の装置の側面図である。
    図3A〜3Cは、オーバーフローダイ20の拡大図である。 図3Aは、取り付けた加熱用マニホールドを有するダイの透視図である。 図3Bは、ダイの上面図である。 そして図3Cは、ダイの側面図である。
    図4は、オーバーフローダイ20の断面図である。
    【0015】
    図5−7は、本発明のオーバーフローダイの別の態様である。 図5は、ダイ20のスロット(slot)22の代わりに一連の孔を有するオーバーフローダイを例示している。 図6は、非テーパースロット(non−tapering slot)を有するオーバーフローダイを例示している。 図7は、「コートハンガー(coathanger)」装置を有するオーバーフローダイを例示している。
    【0016】
    本明細書に使用されている次の用語は、特記のない限り、次の定義を有する。 「ガラス転移温度」または「Tg」は、ポリマーが相対的に硬くかつもろい状態から相対的に軟らかいかつ粘性のある状態(ゴム状)に変化する狭い温度範囲の中点である。 「プラスチック」は、シートを形成することができるポリマーをいい、たとえば熱可塑性プラスチックのようなポリマーをいう。 用語「ポリマー」および「樹脂」は、明細書を通して交換可能で用いられる。 「シート」は、約25mm以下の厚さを有するシートを称し、かつ「フィルム」(0.5mm未満の厚さを有するシート)も含むように意図されている。 「収縮」は、加熱−冷却のサイクルにかけられたシートに起こる不可逆の寸法変化を称する。 次の略字が本明細書において使用される:cm=センチメートル;mm=ミリメートル;nm=ナノメートル;μ=ミクロン(マイクロメーター);g=グラム;mL=ミリリットル;Pa=パスカル;KPa=キロパスカル;Pa−s=パスカル−秒;sec=秒;min=分;hrs=時間、UV=紫外線;およびIR=赤外線。 すべての温度表示は、特にことわりがなければ、℃である。 特定した範囲の境界置は、特にことわりがなければ包含される。
    【0017】
    本発明方法によって形成された高品質のプラスチックシートは、多くの用途に使用することができ、これらには、LCDおよびエレクトロルミネセンスのような電子的ディスプレー装置のための基板;光窓および光学フィルター;光学的、磁気的、化学的または他のタイプの記録用媒体のための基板;写真用またはX線用の用途のような映像のための基板が含まれるが、それらに限定されない。 本発明方法によって造られるシートのための具体的な用途により、低収縮性、低複屈折および表面の品質のようなシート特性の相対的な重要さは変化する。 また、所望するシートの厚さも具体的な用途により変化する。 一般的には、約25mm以下、好ましくは10〜5000μ、そして最も好ましくは50〜1000μである。 シートの厚さは、溶融ポリマーをダイに供給する速度を変えることにより、または引き取り手段の速度を変えることにより、調節することができる。 400mmの試料の長さについての厚さの変動は、一般的に、10%以下、好ましくは5%以下、そして最も好ましくは1%以下である。
    【0018】
    本発明の典型的な装置を図1〜4に示す。 当業者に明らかように、これらの図の中に例示された装置からの変動は、本発明の範囲内に含まれる。
    【0019】
    ソース10からの溶融ポリマーは、流路12を経由してオーバーフローダイ20に供給され(好ましくは、供給手段14によって調節される)、導管の開口21から導管22を通してダイ20に導入される。 溶融ポリマーをダイ20に供給するときの溶融ポリマーの温度は、ダイ20に近接して設置されているヒーター15を使用することによって維持される。 溶融ポリマーが開口21を満たすと、溶融ポリマーは計量装置、スロット23を通って、ダイのリップ40および41上に押し出され、ダイ20の側面24および25を流れ出る。 ダイ20の頂点26において、側面24および25から流れる溶融ポリマーは収束され、溶融ウェブ27の始まりが形成される。
    【0020】
    溶融ウェブ27は、溶融ウェブをダイ20から遠くに導く2組の誘導手段(例えば、タンクトレッド(tank treads)31、32、33および34)によって、その端部においてピックアップされる。 溶融ウェブ27はダイ20から離れるように導かれながら、ウェブの温度が、ポリマーのガラス転移温度以下に徐々に落とされ、その結果冷却されたシート40を生じる。 任意的な態様において、誘導手段31、32、33、34に近接して設置された冷却手段36は、ウェブの温度が低下するのを助ける。
    【0021】
    溶融樹脂は任意の方法により供給することができる。 例えば、溶融樹脂は、重合反応器、混合機、脱蔵用装置〔例えば、フラッシュカラム、フォーリング ストランド デボラティライザー(falling strand devolatilizer)またはワィプド フィルム エバポレイター(wiped film evaporater)〕または押し出し機から供給してもよい。 押し出し機が好ましい、なぜなら、それは、また、ポリマーを供給する手段として機能するからである(後述の議論を参照)。 一軸スクリュー押し出し機を使用することがもっとも好ましい。 ただし、二軸スクリュー押し出し機または多軸スクリュー押し出し機も使用できる。 二軸または多軸のスクリュー押し出し機を使用するならば、それらは、例えば逆転式、同時回転式、かみ合い式または非かみ合い式のどんなタイプでもよい。
    【0022】
    溶融樹脂に、1種以上のプラスチック添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線(UV)吸収剤、UV安定剤、蛍光または吸光染料、静電防止用添加剤、剥離剤、充填剤および粒状物を含有させてもよい。 ある種の目的のためにある種の樹脂と共に使用する添加剤のタイプおよび量は、プラスチック業界の当業者に知られており、従って本明細書の中に更に詳細に記述しない。
    【0023】
    樹脂が加工される温度は、樹脂の組成に依存し、かつ加工する間に変化する。 温度は、樹脂が流れるほどに充分高くなければならないが、樹脂を劣化するほど高くしてはならない。 操作条件は、加工すべきポリマーのタイプによって変わるが、当業者に知られている範囲内である。 しかし、一般的な指針として、操作温度は100〜400℃である。 例えば、PMMAは、150〜260℃の押し出し機バレル温度を有する押し出し機で、そして150〜260℃の溶融温度において加工できる。 また、ポリカーボネートまたはポリメチルメタクリルイミドのような他のポリマーは、適当により高い溶融温度(200〜330℃)において使用できる。 揮発性物質および望ましくないある種の物質は、シートを形成する前に溶融樹脂から除くことが好ましい。 これは、当業者に知られている方法によって達成させることができる。
    【0024】
    溶融ポリマーを一定の流量で供給するための供給手段14は、流速を調節するために、そして溶融ポリマーを流路12、導管の開口21および導管22を通ってダイ20に供給するのに必要とする圧力を提供するために必要である。 供給手段には、たとえば前述したような任意の適当な押し出し機、ギアポンプ、またはそれらの組み合わせ物のような任意の機械式溶融ポンプのあらゆるタイプが使用できる。 簡単な形態において、供給手段は、重力供給または静圧であってもよい。 供給手段は、当業者に知られた方法によって選ぶことができる。 ギアタイプの溶融ポンプを使用することが好ましい、なぜなら、それは、流速を調節し、そして流速の変動を最小にし、その結果としてより均一な厚さのシートが得られるからである。 更に、溶融ポンプの使用は、ポリマーのせん断熱を減少させることによって、溶融樹脂の劣化を減少させることができる。 溶融ポンプのための温度は、使用するプラスチック樹脂によって決められ、標準の押し出しプロセスに使用される温度と同等であるが、典型的には樹脂のTgより50〜200℃高い温度である。 例えば、広いシートの製造のためには、複数の供給手段を使用してもよい。 本発明においては、供給手段は、50〜70,000kPa、好ましくは300〜7000kPa、そして最も好ましくは1000〜3500kPaの範囲において、溶融ポリマーをオーバーフローダイの入口に提供する。
    【0025】
    オーバーフローダイを使用して溶融プラスチック樹脂からシートを形成する。 ダイは、計量装置および断面における頂点に達する収束側面(converging sides)を有するオーバーフローダイ表面を有する。 ダイの長さ方向は、実質的に、直線、曲線、卵形、または円形にすることができる。 ダイの高さ:幅の比は、一般的に、1:1〜10:1、好ましくは2:1〜5:1、そして最も好ましくは2.5:1〜4:1の範囲にすべきである。 長さ(または外周):高さの比は、一般的に、少なくとも1:2、好ましくは少なくとも2:1、そしてもっとも好ましくは少なくとも3:1にすべきである。
    【0026】
    オーバーフローダイの計量装置部分は、例えば孔、スロット、「コートハンガー」装置またはそれらの組み合わせのような流れを分配する要素からなり、それらは、ダイを横切る溶融樹脂の流れの分配を調節し、それによって、シートの厚さプロフィールが調節される。 そのような計量装置は、図5−7に例示されている。 当業者に知られているような他の計量装置を使用してもよい。 スロット装置が好ましい。 ダイの長さは造るべきシートの幅によるが、平均スロット間げき(スロット23の平均の幅):平均導管直径(導管22の平均の直径)の比は、一般的に、少なくとも1:5、好ましくは少なくとも1:10、そして最も好ましくは少なくとも1:20にすべきである。 1mm以下の仕上げ厚さを有するシートのためには、ダイを横切る実質的に一定なスロット幅が好ましい。 より大きい厚さのためには、スロットが供給の末端においてより薄く、そして反対の末端においてより厚くなっている、テーパースロット(tepered slot)が好ましい。 もし幅の広いシートを所望するならば、導管の開口21および21'(図6を参照)をダイの両末端において設置することができ、両端においてテーパーされたスロット23を有することが可能である。
    【0027】
    オーバーフロー表面はダイ20の外面によって形成され、そして計量装置と連結し、かつ溶融ポリマーを収束側面24および25に導く、一組のダイリップス40および41からなっている。 収束性側面は溶融流れを頂点26に導き、そこで溶融ウェブがダイから出される。 オーバーフロー表面は、テキスチャー(texture)があるかまたはなめらかであり得るが、好ましくはなめらかである。 更に、好ましくは、オーバーフロー表面は高度につやを出し、シートの変動および欠陥を最小にする。 オーバーフロー表面を被覆処理して(例えば、電気メッキまたは他の付着技術)、ダイ表面のなめらかさを改良し、腐食抵抗性を提供し、またはダイ上の流れ特性を改良することができる。
    【0028】
    ダイの構成物質は重要である。 金属は、高い熱伝導性、良好な耐腐食性、高モジュラス、およびつや出しされる能力のために好ましい。 しかし、原理的には、ガラスおよびセラミックのような他の物質も使用できる。 ステンレス鋼または成形用具グレードの鋼を使用することが好ましい。
    【0029】
    非平面シートを所望するならば、ダイのジオメトリーを、その所望に従って、当業者に知られている方法を使用して、改良することができる。 例えば、もし曲がったシートを所望であれば、ダイをその長さ方向の軸に沿って曲げることができる。
    【0030】
    一般的に、10秒−1のせん断速度で、溶融プラスチックの粘度を、10〜100,000ポアズ、好ましくは50〜10,000ポアズ、そして最も好ましくは100〜5000ポアズに維持することが望ましい。 更に、ダイの単位長さあたりの溶融流量(長さによって割った流量)は、典型的には、1.0×10 −3 〜10g/s/cm、好ましくは1.0×10 −2 〜1.0g/s/cm、そして最も好ましくは2.0×10 −2 〜2.0×10 −1 g/s/cmの範囲である。 粘度は温度を変えることによって調節できる。 ダイの設計に依存するが、温度の調節はいくぶん重要である。 ダイを横切る温度が一定であるほど、シートの厚さは均一になる。 ダイの長さ方向における一定でない温度分布から生じる厚さの変動は、スロットまたは他の計量装置の設計を変えることによって最小にすることができる。 例えば、温度調節は次の1つ以上によって達成される:電気カートリッジヒーター、赤外線ランプヒーター、加熱された油(または他の熱媒流体)、熱パイプ、またはマイクロ波ヒーター。 加熱された油または他の熱媒流体が好ましい。 なぜなら、温度はサーモスタットによって調節することができ、そして温度の均一性が容易に達成されるからである。 好ましくは、ダイは、温度の変動を最小にするために、部分的に密閉された領域の中に収容される。
    【0031】
    溶融プラスチックは、ダイ上を通過後下方の方向へ流すことが好ましい、なぜなら、下方への流れは重力によって影響されるからである。 しかし、これは必須なことではない。 流れの速度は、重力の影響と引き取り手段により適用される張力との組み合わせによって決められる。 プラスチックの流れをダイから下方方向へ導くことにより、重力はシートの流れと同じ方向に作用し、それによって引き取り手段で必要とする張力を減少させ、シートの品質を改良できる。 ダイの通過後の溶融プラスチックは、「ウェブ」として知られている形態になる。
    【0032】
    引き取り手段は、調節された速度において、ダイから溶融プラスチックウェブを移動し、ウェブを冷却する。 例えば、引き取り手段は、ローラーまたは「タンクトレッド」装置であり、それによってシートの外縁だけが引き取り手段と接触する。 「タンクトレッド」装置は、シート表面の平滑性を最大にするので、好ましい。 タンクトレッド装置は、図1および図2の装置の1部として、31、32、33および34として例示されている。
    【0033】
    引き取り装置は、プラスチックシートが製造される速度を調節し、所定のポリマー流量においてシートの厚さを決める。 それ故、引き取り手段の速度を調節することは、極めて重要である。 また、引き取り手段はシートの重量を支持し、それによってシートの幅および厚さが維持される。 引き取り手段は、支持されない溶融樹脂の量を最小にするように、ダイにできるだけ近く位置させることが望ましい。 ダイの頂点から引き取り系への距離(例えば、タンクトレッド装置の上部のニップ領域)は、典型的には、25cm未満、好ましくは10cm未満、そして最も好ましくは5cm未満である。
    【0034】
    シートの引き取り速度は、所望するシートのタイプおよび厚さによって変わる。 例えば、0.4mmの厚さを有するシートのためには、シートの引き取り速度は、一般的に、10〜1000cm/分、好ましくは20〜200cm/分、そして最も好ましくは50〜100cm/分の範囲であり、これに対して、1mmの厚さを有するシートのためには、引き取り速度は、一般的に、5〜500cm/分、好ましくは10〜100cm/分、そして最も好ましくは25〜50cm/分の範囲である。 同様に、曲げる前の引き取り系における冷却中の滞留時間は変わる。 例えば、0.4mmの厚さを有するシートのためには、曲げる前の滞留時間は、一般的に、10秒以上、好ましくは1分以上、そして最も好ましくは2以上分であり、これに対して、0.2mmの厚さを有するシートのためには、曲げる前の滞留時間は、一般的に、5秒以上、好ましくは30秒以上、そして最も好ましくは1分以上である。
    【0035】
    プラスチックシートは、引き取り系による移動中に自然の対流により、または強制された対流により、冷却することができる。 自然の対流は、空気または流体浴を通過する間のシートの受動的冷却からなっている。 強制された対流は、熱伝達を強化するために、シートに沿って、またはシートに対して、熱伝達流体をポンピングまたはブローイングすることにより達成される。 ブロワーおよびプレナム(plenum)装置を利用する強制ガス対流は、シートの波しわおよび表面のきずあとを最小にするために好ましい。 シートを冷却するために微粒状物のないきれいな流体を使用して表面の汚染または欠陥を防止するのが好ましい。 例えば、HEPAフィルターを、この目的のために空気またはガス冷却剤を使用するとよい。 どんな流体または流体の組み合わせ物もシートを冷却するのに使用できるが、ただし使用する流体は加工されるプラスチック物質に有害でないことが必要である。 有用な冷却用流体の例には、空気、窒素、水、油類およびグリコール類がある。 被覆剤として作用し、かつ冷却浴からでるときにプラスチック上にフィルムとして付着される適当な冷却剤を使用することにより、冷却工程と被覆工程を組み合わせることも可能である。
    【0036】
    引き取り手段の次に種々の随意に用いる装置を使用してもよいことは、当業者によって認められるであろう。 随意に用いる装置の例には、フィルム巻き取り機、ヘリ切断機、シート切断機、および包装用装置のような公知のフィルム取扱い装置が含まれる。 更に、他の後工程の装置、例えば成形用装置、被覆用装置、装飾用装置、および積層用装置を利用することもできる。
    【0037】
    本発明方法は、あらゆる適当なプラスチック樹脂を使用することができ、好ましくは熱可塑性樹脂を使用する。 熱可塑性樹脂は、可逆的に熱にさらされたときは軟化し、冷却により硬くなるポリマー樹脂である。 熱可塑性樹脂は、実質的に架橋されていない線状または分枝鎖のポリマーである。 本発明方法に有用な熱可塑性樹脂は、実質的に架橋していないで、かつ、溶融加工温度、すなわち、10 ホアズのオーダーの粘度を有する温度において、10分以上の滞留時間での熱安定性を有している。 本発明方法に有用である熱可塑性樹脂の例には、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのホモポリマーまたはコポリマー、これらにはスチレンおよびその誘導体、N−アルキルマレイミド、アクリロニトリル、および酢酸ビニルと生成したコポリマーが含まれるが、それらに限定されない;フェノキシエーテル;ポリフェニレンオキサイド樹脂;エポキシ樹脂;セルロース樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)のようなビニルポリマー;フッ素化エチレン−プロピレンおよびポリ(フッ化ビニリデン)のようなフルオロポリマー;ポリカーボネート;ポリスチレン;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−4−メチルペンテン−1のようなポリオレフィン、そしてこれらには環状ポリオレフィンも含まれる;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリフェニレンスルフィド;ポリアリーレンエステル樹脂;ポリエステル;N−Hおよび/またはN−アルキルグルタルイミドのホモポリマーまたはコポリマー;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS);スチレン−アクリロニトリル樹脂(SAN);スチレン−無水マレイン酸樹脂(SMA);イミド化SMA;およびポリアミド(ナイロン)、が含まれるが、これらに限定されない。 また、熱可塑性樹脂の混合物を使用してもよい。 特に有用な熱可塑性樹脂混合物には、例えば、SAN−ポリグルタルイミド、ポリカーボネート−ポリエステル、PMMA−ポリ(フッ化ビニリデン)およびポリスチレン−ポリ(フェニレンオキサイド)が含まれる。 本発明方法および装置に使用するのに好ましい樹脂は、ポリカーボネート;線状アクリルホモポリマーおよびコポリマー;環状ポリオレフィン;および線状イミド化アクリルポモポリマーおよびコポリマー、例えば米国特許第4,727,117号(Hallden−Abberton、等)および同第4,246,374号(Kopchik)に記載された化合物、である。
    【0038】
    本発明に有用なプラスチック樹脂は、典型的には、付加重合法または縮合重合法から造られる。 付加重合法には、塊状重合および水または有機溶剤媒質中の溶液重合または分散重合が含まれ、そのような方法は当業界でよく知られており、カチオン性、アニオン性、またはフリーラジカルによる開始および生長反応を含む。 縮合重合法には、塊状重合法、溶液重合法および分散重合法が含まれる。 塊状重合法以外の重合法によって生成したプラスチック樹脂は、樹脂を単離するために、その後の処理が必要である。
    【0039】
    本発明は以下の態様を含む。
    (1)(a) 溶融プラスチック樹脂を提供し;
    (b) この溶融プラスチック樹脂を、入口および出口を有するオーバーフローダイに導き;
    (c) 溶融プラスチック樹脂を、前記オーバーフローダイを使用して溶融ウェブに成形し;
    (d) 前記オーバーフローダイから離れるように前記溶融ウェブを導き;そして
    (e) 前記溶融ウェブを冷却して固体シートを形成する
    工程を包含している、高品質プラスチックシートの製造方法。
    (2) 溶融プラスチック樹脂のソースは押し出しによって供給される、前記(1)記載の方法。
    (3) 樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのホモポリマーまたはコポリマー;フェノキシエーテル;ポリフェニレンオキサイド樹脂;エポキシ樹脂、セルロース樹脂;ビニルポリマー;フルオロポリマー;ポリカーボネート;ポリスチレン;ポリオレフィン;ポリスルホン;ポリエーテルスルホン;ポリエーテルケトン;ポリエーテルイミド;ポリフェニレンスルフィド;ポリアリーレンエステル樹脂;ポリエステル;N−Hおよび/またはN−アルキルグルタルイミドのホモポリマーまたはコポリマー;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂;スチレン−アクリロニトリル樹脂;スチレン−無水マレイン酸樹脂;イミド化スチレン−無水マレイン酸;ポリアミド;およびそれらの混合物、からなる群から選ばれた熱可塑性樹脂である、前記(1)記載の方法。
    (4) 熱可塑性樹脂は、ポリカーボネート;線状アクリルホモポリマーおよびコポリマー;環状ポリオレフィン;および線状イミド化アクリルホモポリマーおよびコポリマー、からなる群から選ばれる、前記(3)記載の方法。
    (5) アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのコポリマーは、スチレンおよびその誘導体、N−アルキルマレイミド、アクリロニトリル、または酢酸ビニルと共重合したアクリル酸、メタクリル酸またはそれらのエステルを含んでいる、前記(3)記載の方法。
    (6) 熱可塑性樹脂は、スチレン−アクリロニトリル−ポリグルタルイミド、ポリカーボネート−ポリエステル、ポリメチルメタクリレート−ポリ(フッ化ビニリデン)およびポリスチレン−ポリ(フェニレンオキサイド)、からなる群から選ばれた樹脂の混合物である、前記(3)記載の方法。
    (7)(a) 溶融プラスチック樹脂を提供するためのソース;
    (b) 長さおよび幅を有するオーバーフローダイであって、前記ダイは、頂点に達する実質的に卵形の断面、導管の開口、および前記導管の開口と連結した計量装置を含み、溶融プラスチック樹脂は、導管の開口を通ってダイの中に流れ、計量装置を通ってダイの外へ流れ、そしてダイの側面のまわりに流れて、前記頂点において溶融ウェブを形成する、前記のダイ;
    (c) 前記ソースから前記オーバーフローダイに、前記溶融プラスチック樹脂を送出するための手段;および(d) 前記溶融ウェブを、前記オーバーフローダイから遠くに導くための誘導手段を包含する、高品質のプラスチックシートを製造するための装置。
    (8) 前記溶融プラスチック樹脂を前記ソースから前記オーバーフローダイに供給するための供給手段を更に含んでいる、前記(7)記載の装置。
    (9) 供給手段はギアタイプの溶融ポンプを含んでいる、前記(8)記載の装置。
    (10) 異物の粒子を除くためのフィルターを更に含んでおり、前記フィルターは、前記ソースと前記オーバーフローダイとの間に設置されている、前記(7)記載の装置。
    (11) 前記誘導手段に近接して冷却手段を更に含んでいる、前記(7)の装置。
    (12) 前記(1)の方法によって製造された、光学的品質のプラスチックシート。
    (13) 高品質のプラスチックシートを形成するのに有用なオーバーフローダイであって、前記オーバーフローダイは、内面および外面を有し、そして(a) ダイの外面によって形成され、かつ1組のダイリップスを含んでいるオーバーフロー表面;
    (b) 前記オーバーフロー表面に連結された2つの外部側面;
    (c) 2つの外部側面の合流点によって形成され、かつ前記オーバーフロー表面に実質的に対立して位置している頂点、ただし、ダイは実質的に卵形の断面を有しており;
    (d) 外部から内部への導管の開口;および(e) ダイの内部に位置した計量装置、ただし、計量装置は、前記導管の開口および前記オーバーフロー表面と連結されている、を含んでいる、前記オーバーフローダイ。
    (14) 400mmにわたる長さで10%以下の厚さの変動を有する、厚さが25mm以下、収縮率が0.05%以下、波うち価Wyが1.0μ以下、およびあらさ値Rqが50nm以下である、光学的品質のプラスチックシート。
    (15) 厚さが10〜5000μである、前記(14)のプラスチックシート。
    (16) 厚さが50〜1000μである、前記(15)のプラスチックシート。
    (17) 複屈折率が0.0002以下である、前記(14)のプラスチックシート。
    (18) 複屈折率が0.00005以下である、前記(17)のプラスチックシート。
    次の実施例は、本発明の更に種々な面を例示するために提示されており、すべての点において本発明の範囲を限定することは意図されていない。
    【0040】
    実施例1:アクリルフィルムの製造
    この実施例は、光学的品質のアクリルシートを造るために使用した本発明方法を例示している。
    【0041】
    110,000の平均分子量を有するPMMA樹脂を、30:1のL:D比を有する2インチ(5cm)直径の一軸スクリューベント式2段押し出し機の中に、容量供給装置を使用し、3.1g/sの速度でスターブフィード(starve−feed)した。 押し出し機のバレルは、供給端における204℃から排出端における274℃までの温度プロフィールを有していた。 樹脂を、720〜750mmHgにおいて操作する脱蔵ベントを使用して脱蔵した。 スクリューを30rpmにおいて回転した。 ギアタイプの溶融ポンプを使用し、スクリーンパックフィルターを通して溶融樹脂を、1.27cm直径の内部導管および1.27cmの間隔を有する一連の22の計量用孔を有する12''(30cm)の長さのオバーフローダイに、ポンプで注入した。 計量用孔の直径は、ダイの供給端から下流端に、3.18mmから3.73mmに増加した。 溶融ポンプ温度は274℃であった。 溶融ポンプの吸引圧は2100kPa. であり、そして溶融ポンプの排出圧は約4100kPa. であった。 オーバーフローダイは、内部を3個の電気カートリッジヒーターを使用して加熱し、そして外部を3個のIR加熱ユニットを使用して274℃の温度に加熱した。 ダイの頂点において形成された溶融ウェブは、2組のタンクトレッドを使用して運び、2個の空気プレナムを使用して適用する冷却された強制空気を使用して冷却した。
    【0042】
    その結果得られたシートは、0.325mmの平均厚さ、14.6nmの表面あらさRq、および5nm未満のオプティカルリターダンス(optical retardance)を有していた。
    【0043】
    実施例2:イミド化アクリルシートの製造
    この実施例は、光学的品質のイミド化アクリルシートを造るために使用した本発明方法を例示している。
    【0044】
    97,500の重量平均分子量および約180℃のガラス転移温度を有するキャップしたイミド化アクリル樹脂を、30:1のL:D比を有する2インチ(5cm)直径の一軸スクリューベント式2段押し出し機の中に、重量供給装置を使用し、2.5g/sの速度でスターブフィードした。 押し出し機のバレルは、供給端における246℃から排出端における329℃までの温度プロフィールを有していた。 樹脂を、720〜750mmHgにおいて操作する脱蔵ベントを使用して脱蔵した。 スクリューを30rpmにおいて回転した。 ギアタイプの溶融ポンプを使用し、スクリーンパックフィルターを通して溶融樹脂を、1.588cm直径の内部導管および0.038インチから0.042インチ(0.965mmから1.067mm)にテーパーしている16インチ(40cm)の長さのスロットを有する25.5インチ(65cm)の長さのオーバーフローダイに、ポンプで注入した。 溶融ポンプ温度は329℃であった。 溶融ポンプの吸引圧は約4100kPa. であった。 溶融ポンプの排出圧は約1650kPa. であった。 ダイは、ダイ中の内部の孔を経由する熱油系(油の温度=343℃)を使用して加熱し、そしてダイのまわりの空気を強制空気オーブン(温度=280℃)で加熱した。 ダイの頂点において形成された溶融ウェブは、1.2cm/sの速度において操作する2組のタンクトレッドを使用して運び、部屋の空気の自然対流により冷却した。
    【0045】
    冷却されたシートから200mm×200mmの試験片を切断し、そして試験した。 得られたシートは、±0.015mmの変動を持つ0.390mmの厚さを有していた。 表面の波打ちWyおよびWqは、それぞれ0.5μ未満および0.18μであり、表面のあらさRqは7.6nmであり、そしてオプティカルリターダンスは6nm未満であった。 160℃の温度において測定された熱収縮は0.03%以下であった。
    【0046】
    実施例3:ポリカーボネートシートの製造
    この実施例は、光学的品質のポリカーボネートシートを造るために使用した本発明方法を例示している。
    【0047】
    押し出しグレードのポリカーボネート樹脂(GE Lexan 101)を、30:1のL:D比を有する2インチ(5cm)直径の一軸スクリューベント式2段押し出し機の中に、重力供給装置を使用し、4.4g/sの速度でスターブフィードした。 押し出し機のバレルは、供給端における232℃から排出端における315℃までの温度プロフィールを有していた。 樹脂を、720〜750mmHgにおいて操作する脱蔵ベントを使用して脱蔵した。 スクリューを30rpmにおいて回転した。 ギアタイプの溶融ポンプを使用し、スクリーンパックフィルターを通して溶融樹脂を、1.905cm直径の内部導管および0.038インチから0.045インチ(0.965mmから1.143mm)にテーパーしている28インチ(71cm)の長さのスロットを有する37.5インチ(95cm)の長さのオーバーフローダイに、ポンプで注入した。 溶融ポンプ温度は315℃であった。 溶融ポンプの吸引圧は約3400kPa. であった。 溶融ポンプの排出圧は約1300kPa. であった。 ダイは、ダイ中の内部の孔を経由かる熱油系(油の温度=315℃)を使用して加熱し、そしてダイのまわりの空気を強制空気オーブン(260℃)で加熱した。 ダイの頂点において形成された溶融ウェブは、1.2cm/sの速度において操作する2組のタンクトレッドを使用して運び、部屋の空気の自然対流により冷却した。
    【0048】
    冷却されたシートから400mm×400mmの試験片を切断し、そして試験した。 得られたシートは、横方向および機械方向の両方において±0.02mmの変動を持つ0.43mmの平均厚さを有していた。 Wyは1μ未満であり、Wqは0.15μであり、表面のあらさRqは10nm未満であり、そして平均オプティカルリターダンスは20nmであり、10nmの変動を有していた。 130℃において測定された熱収縮は0.02%であった。
    【0049】
    実施例4:ポリカーボネートフィルムの製造
    この実施例は、光学的品質のポリカーボネートフィルムを造るために使用した本発明方法を例示している。
    【0050】
    押し出しグレードのポリカーボネート樹脂(GE Lexan 101)を、30:1のL:D比を有する2インチ(5cm)直径の一軸スクリューベント式2段押し出し機の中に、重力供給装置を使用し、2.5g/sの速度でスターブフィードした。 押し出し機のバレルは、供給端における232℃から排出端における315℃までの温度プロフィールを有していた。 樹脂を、720〜750mmHgにおいて操作する脱蔵ベントを使用して脱蔵した。 スクリューを30rpmにおいて回転した。 ギアタイプの溶融ポンプを使用し、スクリーンパックフィルターを通して溶融樹脂を、1.905cm直径の内部導管および0.038インチから0.045インチ(0.965mmから1.143mm)にテーパーしている28インチ(71cm)の長さのスロットを有する37.5インチ(95cm)の長さのオバーフローダイに、ポンプで注入した。 溶融ポンプ温度は315℃であった。 溶融ポンプの吸引圧は約3400kPa. であり、そして溶融ポンプの排出圧は約1300kPa. であった。 ダイは、ダイ中の内部の穴を経由する熱油系(油の温度=315℃)を使用して加熱し、そしてダイのまわりの空気は強制オーブン(温度=250℃)で加熱した。 ダイの頂点において形成された溶融ウェブは、3.1cm/sの速度において操作する2組のタンクトレッドを使用して運び、部屋の空気の自然対流により冷却した。
    【0051】
    冷却されたシートから400mm×400mmの試験片を切断し、そして試験した。 その結果得られたフィルムは、横方向および機械方向の両方において±4μの変動を持つ54μの平均厚さを有しており、そして10nm未満のオプティカルリターダンスを有していた。
    【0052】
    試験方法
    次の試験方法を、前述の実施例において造られたシートを試験するために用いた。 これらの試験方法は、一例であり、かつそれらの結果は方法に依存しない。
    【0053】
    オプティカルリターダンス:
    632.8nm波長における光のリターダンスを次の方法によって決めた。 偏光させたレーザービーム(実験フレームに対して−45°において偏光させた)を、プラスチックシートを通して通過させ、次いで実験フレームに対して0°にセットした光学軸に配向された光弾性モジュレータ(photoelasticmodulator:PEM)(Model PEM−90,Hinds Instruments,Inc.;Hillsboro,Oregon)を通して通過させた。 PEMの電圧を1/4波長リターダンス(158.2nm)に設定した。 次いで、光を第2の線状ポーラライザー(偏光軸+45°)を通して通過させ、そして強度をシリコンダイオード検出器(Model PDA−50,ThorLabs Inc.;Newton,New Jersey)によって検出した。 PEMおよび検出器をモジュレートし、そして検出器からのシグナルを固定増幅器(lock−in amplifier)(Model 5210,EG&G Princeton Applied Research;Princeton,New Jersey)によって処理した。 プラスチックシートをレーザービームに対して直に回転させて最大の信号を見出した。 リターダンスは、最大の信号を標準1/4波長板に対して測定した信号と比較することによって決めた。
    【0054】
    物質の複屈折率は、物質のオプティカルリターダンスをその厚さによって割ることによって得ることができる。 例えば、プラスチックの0.4mmの厚さのシートのためのオプティカルリターダンスが4nmであるならば、物質の複屈折率は0.00001である。 本発明方法によって造った光学的品質のプラスチックシートにおいては、物質の複屈折率は、それが0.0002以下、好ましくは0.00005以下、そして最もこのましくは0.00001以下であるならば低いものであると考えられる。
    【0055】
    シートの波打ち:
    シートの波打ち(WyおよびWq)は、スティラスプロファイラー(stylus profiler)(Surfanalyzer System 5000,Federal Products;Providence,Rhode Island)を使用し、SEMI 標準 D15−1296の手順と同様の手順で測定した。 測定されたプロフィールは、ガウスの長波長カットオフ(8mm)(Gaussian long wavelength cutoff)でデジタル的にフィルターした。 Wyは、20mmの試料の長さにおける最大値と最小値との間の差であり、Wqは、8mmについて計算した平均ラインからのフィルターされたプロフィールの根平均二乗平均偏差(root mean square average deviation)であり、80mmの評価の長さについて平均した。 本発明方法により造られた光学的品質のシートのためには、Wyは、1.0μet、好ましくは0.2μ以下、そして最も好ましくは0.05μ以下である。
    【0056】
    シートのあらさ:
    シートのあらさ(Rq)は、スティラスプロファイラー(Dektak 3−30,Veeco/Sloan;Santa Barbare,CA)を使用し、SEMI 標準 D7−94の手順と同様の手順で測定した。 測定されたプロフィールは、ガウス長波長カットオフ(0.08mm)および短波長カットオフ(0.0025mm)でデジタル的にフィルターした。 評価長さは0.4mmであった。 あらさのパラメーター(Rq)は、平均ラインからのフィルターされたプロフィールの根平均二乗平均偏差である。 3つの異なった測定からの平均値を報告した。 本発明方法により造られた光学的品質のシートのためには、Rqは、50nm以下、好ましくは10nm以下、そして最も好ましくは5nm以下である。
    【0057】
    収縮:
    収縮は、熱処理前および処理後の試料の長さを直接測定することにより決めた。 多数の測定を行い、プラスチックの乾燥試験片の長さを決めた。 測定の正確度は0.005%であった。 試料は、そのTg以下のセット温度に4時間加熱した。 室温に冷却することにより、長さを多数の測定により再び求めた。 加熱サイクルの前および後の長さの変化の百分率を収縮率として報告した。 本発明方法によって造られた光学的品質のためには、収縮率は、0.05%以下、好ましくは0.02%以下、そして最も好ましくは0.005%以下である。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】 図1は、本発明の典型的装置の正面図である。
    【図2】 図2は、図1の装置の側面図である。
    【図3】 図3A〜図3Cは、オーバーフローダイ20の拡大図である。 図3Aは、取り付けた加熱用マニホールドを有するダイの透視図である。 図3Bは、ダイの上面図である。 そして図3Cは、ダイの側面図である。
    【図4】 図4は、オーバーフローダイ20の断面図である。
    【図5】 図5A、および図5Bは、本発明のオーバーフローダイの別の態様である。
    【図6】 図6A、図6B、および図6Cは、本発明のオーバーフローダイの別の態様である。
    【図7】 図7Aおよび図7Bは、本発明のオーバーフローダイの別の態様である。

    QQ群二维码
    意见反馈