グリッド状接着剤貼り付けを用いる積層法

申请号 JP2015081029 申请日 2015-04-10 公开(公告)号 JP2015202696A 公开(公告)日 2015-11-16
申请人 ジョワット エスイー; 发明人 トーマス ホーベルク;
摘要 【課題】部品をシートで積層する方法を提供する。 【解決手段】接着剤を積層用シート及び/又は部品の表面にグリッド状に貼り付け、そうして、シートおよび部品を接合した後に、接着剤をシートおよび部品の間に配置し、貼り付けられた接着剤の領域が、部品及びシートの間に存在する空気の除去を可能にするチャネルシステムを形成する方法。更に、前記で概略した方法によって得ることができる積層成形品に関する部品及び積層用シートの間に供給された接着剤グリッドの使用の結果、部品を積層用シートで積層した際に、空気封入の減少又は防止がもたらされるシートを積層する方法。 【選択図】なし
权利要求

以下の: ・接着剤をグリッド状に積層用シートおよび/または部品の表面に貼り付け、その中で、接着剤のグリッド状の貼り付けから該表面にチャネルが形成され; ・グリッド状に貼り付けられた接着剤の層が積層用シートおよび部品の間に配置されるように、部品および積層用シートを接合し;および ・減圧適用によって部品およびシートの間に存在する空気をチャネルから抜き出すことによって、積層用シートを部品と結合させる、 工程を含むことを特徴とする部品および積層用シートから積層成形品を製造する方法。積層用シートと部品との結合を、減圧適用による部品およびシートの間に存在する空気のチャネルからの抜き出しと、押圧適用による部品およびシートの間に存在する空気のチャネルからの押し出しとの組合せによって行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。接着剤を、ドットまたはストライプ状、好ましくは切頭ピラミッド形、多形、ダイヤモンド形、方形、卵形、L形、球形または不整形の接着剤付着物の形状、より好ましくは切頭ピラミッド形の接着剤付着物の形状で貼り付けることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の方法。前記接着剤付着物が、0.1mm以上から10.0mm以下、好ましくは0.3mm以上から5.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上から4.0mm以下、さらに好ましくは1.0mm以上から3.5mm以下、特に1.5mm以上から2.5mm以下の間隔で供給されることを特徴とする請求項1〜3の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記接着剤が、反応性または非反応性の熱可塑性ホットメルト接着剤、好ましくはエチレン酢酸ビニル、ポリアクリレート、コポリアミド、コポリエステル、コポリエーテル、ポリオレフィン、ポリウレタン、または対応するコポリマーおよび/またはターポリマーをベースとするホットメルト接着剤からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1〜4の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記積層用シートが、プラスチックシート、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、またはそれらの組合せ、コポリマー若しくはターポリマーをベースとするプラスチックシートであることを特徴とする請求項1〜5の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記積層用シートの厚さが、0.1mm以上から7.0mm以下、好ましくは1.0mm以上から3.5mm以下、より好ましくは1.5mm以上から2.5mm以下の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜6の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記部品が、空気不透過性または部分的空気透過性の材料から製造されたものであることを特徴とする請求項1〜7の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記部品が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリカーボネートABS(PCABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)の射出成形プラスチック、天然繊維PP、ガラス繊維、炭素繊維、プラスチック繊維、無機フィラー、バインダーPP、ポリウレタン、フェノール樹脂を含む繊維複合材、またはそれらの組合せから選ばれる材料から製造されたものであることを特徴とする請求項1〜8の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記部品が、積層しぼを有さないことを特徴とする請求項1〜9の一つまたはそれ以上に記載の方法。接着剤を塗布した積層用シートを、部品との結合の前および/またはその間に加熱することを特徴とする請求項1〜10の一つまたはそれ以上に記載の方法。接着剤を、ドットまたはストライプ状、好ましくは切頭ピラミッド形、多角形、ダイヤモンド形、方形、卵形、L形、球形または不整形の接着剤付着物の形状、より好ましくは切頭ピラミッド形の接着剤付着物の形状で貼り付けることを特徴とする請求項1〜11の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記積層が、減圧積層を含むことを特徴とする請求項1〜12の一つまたはそれ以上に記載の方法。前記請求項の一つまたはそれ以上に記載の方法によって製造された積層成形品、特に車両内装部品の一部。

说明书全文

技術分野 本発明は、部品をシートで積層する方法に関し、その中では、接着剤を積層用シートおよび/または部品の表面にグリッド状に貼り付け、そうして、シートおよび部品を接合した後に、接着剤をシートおよび部品の間に配置し、貼り付けられた接着剤の間の領域が、部品およびシートの間に存在する空気の減圧適用による均一な除去(抜き出し)を確保するチャネル(channel)システムを形成する。

本発明は、さらに、上記で概略した方法によって得ることができる積層成形品に関する。部品および積層用シートの間に供給された接着剤グリッドの使用は、部品を積層用シートで積層した際の、空気封入の減少または防止を確保する。

先行技術 減圧または真空の適用、例えば、インモールドグレイニング(in-mold graining、IMG)法のような減圧積層またはその変形による、および/または押圧適用による、部品の積層は、産業上、普及している。

米国特許出願公開第2012/121849号は、部品および積層用フィルムから積層成形品を製造する方法を開示し、その中では、積層用シートと部品との結合は、押圧適用によって部品およびシートの間に存在する空気をチャネルから押し出すことによって行われる。部品および積層用フィルムの間の接着剤は、不規則なパターンで貼り付けることができる。

減圧補助積層法では、空気不透過性または部分的空気不透過性の材料(例えば、装飾シート)は、一般的に固体部品に積層される。用いられる接着剤は、シートまたは部品に先行コーティングとして適用される。

この方法では、シートは加熱され、次いで減圧にすることによって部品に適用され得る。シートを変形させるために必要な熱エネルギーは、接着剤を活性化させるためにも使用され得る。該方法のための重要な前提条件は、積層される基材(部品)の空気透過性(減圧感受性)と、それに組み合わせられるシートの空気不透過性である。後者の特性は、 例えば、追加膜によっても達成することができる。

減圧感受性は、通常、木材または開気孔複合材のような多孔性材料に存在するが、特定の事前対策が、空気不透過性の部品材料(典型的には、射出成形法で製造されるようなもの)のために、または部分的空気透過性の部品材料、例えば特定の繊維複合材のために行われなければならない。そのような手段は、通常、部品への吸引孔(vacuum holes)の導入および積層しぼ(lamination grain)の適用を含み、これによって、シートおよび部品の間に存在する空気の抜き出しが可能になる。積層しぼは、部品中に、しぼ溝(grain grooves)を生じさせ、それによって、部品およびシート間に存在する空気を抜き出すことができる。

吸引孔は、シートおよび部品の間の空気が減圧または真空適用によって漏れ出ることを可能にする。しかし、これは、しばしば、小さいサイズから中程度のサイズの空気封入を回避するためには不充分である。これらは、例えば、部品の幾何学的形状の結果として、しかしまた、シート施行法および吸引孔の限られた容量を通じて形成され得る。それゆえ、シートと部品との「最初の接触」の後でさえ、しぼつけの溝から孔への空気移送をさらに可能にする積層しぼを追加的に部品に供給することが、先行技術において一般的である。しかし、そのような積層しぼの部品への適用は、技術的に複雑であり、コストがかかり、そうして、充分なしぼは、典型的には0.2から0.3mmの深さを必要とするので、それに応じてより多量の材料を使用することになり、かえって部品の総重量を増大させる。ついには、これは、部品重量の10%までも構成し得る。

自動車分野において、特に車両内装部品に関して、二つの異なる方法が、典型的にシート積層の実施において用いられる。

第1の方法では、接着剤は噴霧によって部品に貼り付けられる。この場合、ペイント状の接着剤は避けなければならない。なぜなら、これにより、吸引孔が接着剤によって詰まることになり得るからである(例えば、分散系または溶剤系の接着剤を使用する場合)。

代わりの方法では、接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)がシートに貼り付けられる。この場合、ホットメルト接着剤は、シートと一緒に、そのようなシートに典型的な必要変形温度(シートに応じて、120から210℃)まで加熱され、そうして活性化される。

後者の方法では、接着剤(通常、反応性または熱可塑性ホットメルト接着剤)は粘性流体である。これは、減圧接合法の間でも変わらない。その流動性により、粘性接着剤は、しぼ溝の吸引孔を非常に容易に詰まらせ得る。これは、均一な空気の抜き出しを妨げ、そうして、空気封入の形成が促進され得る。これは、完成積層成形品中の目に見える、およびまた目に見えない傷につながる。

実際上、ホットメルト接着剤を使用する場合には、空気封入により形成されるそのような傷がしばしば生じ、しぼの質および深さ並びに孔の数に関する要件が、接着剤を部品に噴霧する第1に述べた方法よりも厳しくなることを、当業者は知っている。

米国特許出願公開第2012/121849号

従って、空気封入または傷の形成を、実質上、好ましくは完全に防止する部品の積層法を提供することが、本発明の目的であった。

さらに、本発明の方法は、複雑なグラビア/しぼを有さない部品のために好適であり、そうして、とりわけ、コスト効率がより良い方法(例えば、しぼ構造を有さない射出成形型の使用によって射出成形型の摩耗がより少ない)、より少ない部品重量、より簡単な部品の修正(しぼを考慮する必要が無い)、および彫刻ができない、またはほとんど彫刻ができない材料、例えば繊維複合材の使用を可能にし得る。該方法は、部品中の吸引孔の数の削減、および湿気反応性の接着剤が空気(そうして湿気)と不充分にしか接触しない場合に生ずる反応性接着剤を使用する際の不完全な架橋の回避を可能にし得る。

発明の概要 本明細書で使用されるように、用語「含む(comprising)」は、用語「含む」が使用されることに関する製品/方法/使用が、後で記載される要素「のみからなる(consist exclusively of)」選択肢も包含すると理解されるべきである。

他の表示が無い限り、記載されている全てのパーセントの値、ppmの値および部数の値は、全組成物の総重量に基づく重量基準である。

本明細書および本明細書に添付する特許請求の範囲で使用される、材料、成分、反応条件、分子量、炭素原子数等の量を規定する全ての数、値および/または表現は、そのような値を取得する際に遭遇する測定の様々な不確実性にさらされているため、他の表示が無い限り、全てが、あらゆる場合において用語「約」で修正されていると理解されるべきである。

本発明の方法、ポリマーおよび組成物は、好適には、本明細書に記載するプロセスの記述、部品および要素(のみ)からなっていてもよく、またはそれらから本質的になっていてもよい。本明細書に例示的に開示する本発明は、好適には、本明細書に具体的に開示していない、または本明細書で必須としては開示していない要素無しで実施することができる。

数値範囲が本明細書で開示されている場合、そのような範囲は連続であり、該範囲の最小値および最大値の両方、並びにそのような最小値および最大値の間の全てを包含する。さらにまた、範囲が整数を言及している場合、そのような範囲の最小値および最大値の間の全ての整数が含まれる。さらに、複数の範囲が、特徴または特性を記載するために与えられている場合、そのような範囲は組み合わせることができる。すなわち、他の表示が無い限り、本明細書に開示する全ての範囲は、その中に含まれる、あらゆるおよび全ての下位範囲を包含すると理解されるべきである。例えば「1から10」の言及した範囲は、最少値1および最大値10の間のあらゆるおよび全ての下位範囲を包含すると解釈されるべきである。範囲1から10の例示的な下位範囲は、1から6.1、3.5から7.8、および5.5から10を含むが、これらに限定されない。本明細書で述べられる上限および下限量、範囲、および比の限定は、独立に組み合わせることができると理解されるべきである。同様に、本発明の各要素のための範囲および量は、あらゆる他の要素のための範囲または量と一緒に用いることができる。

驚くべきことに、先行技術の欠点が本発明によって克服されることを見出した。特に、本発明は、以下の項目に関する:

1.以下の: ・接着剤をグリッド状に積層用シートおよび/または部品の表面に貼り付け、その中で、接着剤のグリッド状の貼り付けから、該表面にチャネルが形成され; ・グリッド状に貼り付けられた接着剤の層が積層用シートおよび部品の間に配置されるように、部品および積層用シートを接合し;および ・減圧適用によって部品およびシートの間に存在する空気をチャネルから抜き出すことによって、積層用シートを部品と結合させる、 工程を含むことを特徴とする部品(或いは、基材と称する)および積層用シート(或いは、シートと称する)から積層成形品を製造する方法。

2.減圧が適用される少なくとも一つの吸引孔が、前記部品中に設けられていることを特徴とする項目1による方法。

3.接着剤を、ドットまたはストライプ状、好ましくは切頭ピラミッド形、多形、ダイヤモンド形、方形、卵形、L形、球形または不整形の接着剤付着物の形状、より好ましくは切頭ピラミッド形の接着剤付着物の形状で貼り付けることを特徴とする項目1または2のいずれかによる方法。

4.接着剤付着物の領域/部位の間のチャネルが、グリッド状貼り付けの間、接着剤が無いままでいることを特徴とする項目1〜4の一つまたはそれ以上による方法。

5.前記チャネルが、積層法の最後まで維持されることを特徴とする項目1〜4の一つまたはそれ以上による方法。

6.前記接着剤が、不規則なパターンで、または不規則なパターン領域で貼り付けられることを特徴とする項目1〜5の一つまたはそれ以上による方法。

7.前記接着剤付着物が、0.1mm以上から10.0mm以下、好ましくは0.3mm以上から5.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上から4.0mm以下、さらに好ましくは1.0mm以上から3.5mm以下、特に1.5mm以上から2.5mm以下の間隔で供給されることを特徴とする項目1〜6の一つまたはそれ以上による方法。

8.前記接着剤が、反応性または非反応性の熱可塑性ホットメルト接着剤、好ましくはエチレン酢酸ビニル、ポリアクリレート、コポリアミド、コポリエステル、コポリエーテル、ポリオレフィン、ポリウレタン、または対応するコポリマーおよび/またはターポリマーをベースとするホットメルト接着剤からなる群から選ばれることを特徴とする項目1〜7の一つまたはそれ以上による方法。

9.前記接着剤が、潜在的反応性の二つまたはそれ以上の成分系であり、その中で、反応成分が、均一混合物として、または互いに隣接するグリッド点、若しくは互いの上にあるグリッド点として適用されることを特徴とする項目1〜8の一つまたはそれ以上による方法。

10.前記積層用シートが、プラスチックシート、好ましくはポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、またはそれらの組合せ、コポリマー若しくはターポリマーをベースとするプラスチックシートであることを特徴とする項目1〜9の一つまたはそれ以上による方法。

11.前記積層用シートの厚さが、0.1mm以上から7.0mm以下、好ましくは1.0mm以上から3.5mm以下、より好ましくは1.5mm以上から2.5mm以下の範囲内にあることを特徴とする項目1〜10の一つまたはそれ以上による方法。

12.前記部品が、空気不透過性または部分的空気透過性の材料から製造されたものであることを特徴とする項目1〜11の一つまたはそれ以上による方法。

13.前記部品が、寸法安定性のあるものであることを特徴とする項目1〜12の一つまたはそれ以上による方法。

14.前記部品が、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリカーボネートABS(PCABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)の射出成形プラスチック、天然繊維PP、ガラス繊維、炭素繊維、プラスチック繊維、無機フィラー、バインダーPP、ポリウレタン、フェノール樹脂を含む繊維複合材、またはそれらの組合せからなる群から選ばれる材料から製造されたものであることを特徴とする項目1〜13の一つまたはそれ以上による方法。

15.前記部品が、積層しぼを有さないことを特徴とする項目1〜14の一つまたはそれ以上による方法。

16.接着剤を塗布した積層用シートを、部品との結合の前および/またはその間に加熱することを特徴とする項目1〜15の一つまたはそれ以上による方法。

17.前記積層成形品が、車両内装部品、または車両内装部品の一部であることを特徴とする項目1〜16の一つまたはそれ以上による方法。

18.積層用シートと部品との結合が、減圧適用により部品およびシートの間に存在する空気をチャネルから抜き出すことと、部品およびシートの間に存在する空気を押圧適用によりチャネルから押し出すこととの組合せにより行われることを特徴とする項目1〜17の一つまたはそれ以上による方法。

19.前記項目の一つまたはそれ以上による方法によって製造される積層成形品、特に車両内装部品または車両内装部品の一部。

本発明によれば、部品および積層用シートの間に供給された接着剤グリッドは、部品を前記積層用シートと積層する際に、空気封入の減少または回避のために用いられる。

積層は、減圧積層、インモールドグレイニング(IMG)法、またはそれらの一つとプレス積層との混合形態を含み得る。

本発明の方法により製造される積層成形品は、車両内装部品、または車両内装部品の一部として使用することができる。

図1は、加熱および冷却後にまだ存在する接着剤貼り付けの滴構造(drop structure)を示す。

図2は、部品からシートを剥離した後の接着剤構造の一例を示す。

発明の詳細な説明 本発明は、上述の、部品および積層用シートから積層成形品を製造する方法、および本発明の方法によって得ることができる積層成形品、特に車両内装部品または車両内装部品の一部に関する。

さらに本発明は、部品の積層用シートによる積層の際の空気封入を減少または回避するための部品および積層用シートの間に供給される接着剤グリッドの使用にも関する。

積層は、好ましくは、減圧積層、インモールドグレイニング(IMG)法、プレス積層、またはそれらの混合形態を含む。

本開示において、本発明による「グリッド状接着剤貼り付け(grid-like adhesive application)」は、表面への接着剤の構造化貼り付け(すなわち、三次元構造を有する或るパターンでの接着剤の貼り付け)を意味し、前記の構造化貼り付けは、個々の接着剤付着物の間にチャネルまたはチャネルシステムを有し、このシステムは、好ましくは隣接する。接着剤は、好ましくはドットおよび/またはストライプの形態で、所定の間隔(すなわち、特定のグリッド)で貼り付けられる。それによって接着剤付着物の間に形成されるチャネル(またはチャネルシステム)は、最適な抜き出し、すなわち、積層用シートおよび部品が一緒に接合された後にシートおよび部品の間に存在する空気の除去を可能にする。空気の抜き出しは、典型的には部品の周囲を通じた、および/または部品に設けられた吸引孔を通じた減圧/真空適用によって行われる。特に、連続チャネル(チャネルシステム)は、シートで覆われた部品の全表面上での減圧除去による空気の均一な除去を可能にし、これは、部品の幾何学的形状に(例えば、あらゆる所定の半径または周辺の端のために)実質的に独立に生ずる。追加の圧適用によるシート積層では、すなわち、減圧適用による部品およびシートの間に存在する空気のチャネルから抜き出しと、押圧適用による部品およびシートの間に存在する空気のチャネルからの押出しとの組合せでは、チャネルシステムを生じさせる接着剤のグリッド状貼り付けはまた、部品およびシートの間に存在する空気を部品の全表面上で均一に除去することができるため、有利である。

さらに、驚くべきことに、接着剤貼り付けのグリッド状チャネル形成構造は、積層法の間で充分維持されること、および接着剤流れが生じないことを見出した。使用する接着剤の種類に限定はなく、そうして、シート積層において通常の全ての積層用接着剤を、原則として使用することができる。これに関して、関連する既知の先行技術が参照される。

さらに、グリッド状接着剤貼り付けは、湿気反応性の接着剤を使用する場合、チャネルを通じた周囲空気(そうして大気中の湿気)との充分な接触を可能にする。これは、接着剤の不完全な架橋を回避し、そうして非接着による傷の形成を回避する。

接着剤、特にホットメルト接着剤のグリッド状貼り付けは、それ自体、当業者に知られている。しかし、グリッド状貼り付けは、典型的には、接着剤量の削減、フォームのような開放基材における接着剤のより良好なアンカー、および密閉接着剤フィルムが望ましくない通気性積層物の製造(例えば、通気性膜の積層)の理由のためにのみ用いられる。しかし、減圧を使用する、または減圧および押圧の同時適用を使用する積層法において、特に空気封入を減少および回避するための、その目的のある使用は知られていない。

接着剤をグリッド状に貼り付ける特定のパターニング法を、目的を持って使用する場合、貼り付けた接着剤が無い(または貼り付けた接着剤の量が明らかに少ない)領域、特に線状の領域(いわゆるチャネル)が形成される。これらのチャネルは、積層法の間、充分に長く維持され、そうしてシートおよび基材の間に存在する空気の、完全および広範囲の(すなわち均一な)除去が、空気の吸引(減圧)適用または吸引および押出の同時適用を介して可能になる。好ましくはチャネルは、積層法の最後まで維持され、特に、既に積層された成形品(ready-laminated molded part)中で維持される。

原則として、吸引による、または吸引および押出による空気の除去を可能にするために、および湿気反応性の接着剤のための充分な空気のアクセス(そうして接着剤への湿気のアクセス)を確保するために、充分なチャネルが形成されることが確保される限り、パターンまたはグリッドの幾何学的形状に限定は無い。

好ましくは、接着剤は、ドットまたはストライプ状、より好ましくは切頭ピラミッド形、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形または十角形)、ダイヤモンド形、方形、卵形、L形、球形または不整形接着剤付着物の形状、特に切頭ピラミッド形の接着剤付着物の形状で貼り付けられる。

さらにまた、部品の、当業者によく知られているパターンないし標準的なしぼパターンを用いることができる。

接着剤付着物(特に切頭ピラミッド形の接着剤付着物)は、好ましくは、0.1mm以上から10.0mm以下、好ましくは0.3mm以上から5.0mm以下、より好ましくは0.5mm以上から4.0mm以下、さらに好ましくは1.0mm以上から3.5mm以下、特に1.5mm以上から2.5mm以下の(基材表面上で測定される)間隔で貼り付けられる。

接着剤付着物のパターンの深さ、すなわち厚さ(各基材表面から測定されるような高さ)は、好ましくは0.1mm以上から1.5mm以下、より好ましくは0.2mm以上から1.0mm以下、さらに好ましくは0.5mm以上から0.8mm以下の範囲内にある。

接着剤付着物は、好ましくは不規則な配置で、または異なった、好ましくは不規則な配置で、すなわち延長された線状のチャネルが形成されていない別個の領域に貼り付けられる。そうして、二次的な構造(すなわち、接着剤付着物の特定の規則的な配置によってのみ識別可能となる構造)の形成は回避され、完成積層品を見る人は、特に平滑な表面の印象を得るという効果がある。当然、幾何学的パターン形状の規則的な接着剤付着物、それらの組合せ、またはそれらと不規則な接着剤付着物との組合せも可能である。また、接着剤のパターンを、成形品、成形品の形状および/または成形品の表面に適合させることができる。

特に、接着剤グリッドで設計/形成されたチャネルによって、しぼを有さない部品(または平らで、典型的に不適切なしぼ、若しくは平滑な表面を有するもの)および少量の(吸引)孔しか有さない部品も、積層することができる。それにより、有意に少ない数の傷しか生じない。好ましい理想的な場合では、最終製品は、識別可能な傷を有さない。

接着剤を溶融させる場合(例えば、ホットメルト接着剤を使用する場合)、それは、全表面上で流れない。しかし、好適なパターンが存在する場合、個々の小滴が形成され、小滴の間のチャネルが維持される。それによって、そのようなチャネルは、部品および積層用シートの間の領域における空気の連続移送、ひいては接着剤グリッド内における望ましい平の減圧移動(水平の空気移送、すなわち空気除去)を可能にする。

図1は、加熱および冷却後にまだ存在するシートおよび部品の間の接着剤付着物の滴構造を示す。

好ましい態様において接着剤は、反応性または非反応性の熱可塑性ホットメルト接着剤からなる群から選ばれる。好ましい態様において接着剤は、エチレン酢酸ビニル、ポリアクリレート、コポリアミド、コポリエステル、コポリエーテル、ポリオレフィン、ポリウレタン、および対応するコポリマーおよび/またはターポリマーをベースとするホットメルト接着剤からなる群から選ばれる。

積層用シートおよび部品の接合を、積層用シートおよび/または部品に接着剤を貼り付けた後に、減圧(または真空)適用によって、または減圧および押圧の同時適用によって行う方法で、本発明の方法は一般的に行われる。圧力(すなわち、押圧適用)による結合は、例えば、シートを部品に押し付けること、または部品をシートに押し付けることによって行われ、それにより、シートは、部品の形状に適合した形状の硬質または弾性の支持体中に配置される。

接着剤の貼り付けは、好ましくは、後工程で積層される基材に面する積層用シートの表面で行われる。接着剤をグリッド状に塗布した積層用シートを、直ちに部品の上に置き、次いで積層することができ、或いはそれを貯蔵し、後で積層のために使用することができる。後者の場合、接着剤を予め塗布したシートは貯蔵時に安定であることが好ましい。このことは、巻かれた物品(rolled goods)の形態である場合、それは貯蔵および移送中にブロックすることがないこと、およびパターンの特性は、貯蔵および移送中に維持されることも意味する。

減圧による結合は、通常、部品の周囲を通じた、またはそれを通じて減圧が適用される部品中に設けられた開口部(いわゆる吸引孔)を通じた減圧適用によって行われる。吸引孔の数は、各部品のサイズおよび幾何学的形状に、および用いられる接着剤のパターン/接着剤の貼り付けに合わせられる。好ましくは、少なくとも一つの吸引孔が部品中に設けられる。本発明のさらなる態様において、二つ、三つ、四つまたはそれ以上の開口部が部品(基材またはベース部分)中に設けられる。

好ましくは、積層用シートおよび部品の結合は、特に接着剤の溶融または軟化範囲を超える加熱で行われる。

特に好ましい態様によれば、好適なホットメルト接着剤が、まず積層用シートにグリッド状に貼り付けられ、次いで該シートが、積層される部品と接合される。ホットメルト接着剤は、通常、積層用シートおよび部品の接合の前および/またはその間に、その溶融または軟化温度を超えて加熱され、そうして、積層用シートおよび部品の間の信頼できる接着剤結合が確保される。

積層用シートおよび部品の間の信頼できる結合、および同時に良好な加工特性(例えば光学特性等)の両方を確保するために、接着剤は、好ましくは、10g/m2以上から200g/m2以下、好ましくは50g/m2以上から100g/m2以下の量で使用または貼り付けられる。

貼り付け後に、接着剤は、好ましくは、接着剤グリッドが供給されたシートおよび/または部品の全表面の40%以上から99%以下、好ましくはシートの、より好ましくは60%以上から90%以下、さらに好ましくは70%以上から85%以下を覆う。

接着剤の貼り付けは、加熱によって、通常は溶融によって、40℃以上から220℃以下、特に120℃以上から190℃以下の範囲内の温度で行うことができる。

本発明の方法の好ましい態様では、これは、積層用シート(シートは接着剤を塗布されている)の加熱を通じて、部品との結合の前および/またはその間に行われる。或いは、部品を加熱することもできる。

好ましくは、無溶剤系のホットメルト接着剤が接着剤として用いられる。特に、これらは、室温(21℃+/−1℃)で固体、無水および無溶剤である接着剤であり、結合される材料に溶融状態で貼り付けられ、接合後に、冷却の間の凝固で物理的および/または化学的に固化する。

しかし、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート、エチレン/酢酸ビニル(EVA)、ポリ(酢酸ビニル)(PVAC)、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー(SIS)、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー(SBS)、またはクロロプレンゴム(CR)をベースとする感圧性接着剤、分散系の接着剤、溶剤系の接着剤も好適である。

要求に応じて、好適なホットメルト接着剤は、特に、本質的に熱可塑性または反応性であるホットメルト接着剤であり得る。

使用するホットメルト接着剤は、特に、結合される材料および関連する各要件、例えば、結合の必要温度または耐熱性等を前提として選択される。

熱可塑性ホットメルト接着剤として、特に、エチレン/酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィン(例えば、非晶質ポリ−α−オレフィンまたはメタロセン触媒作用によって製造されたポリオレフィン)、ポリアクリレート、コポリアミド、コポリエステル、および/または熱可塑性ポリウレタン、または対応するコポリマーおよび/またはターポリマーをベースとするものを使用することができる。特に好ましいものは、タック欠如が高められているような、メタロセン触媒作用によって製造されたポリオレフィンである。

反応性の、例えば湿気硬化性のホットメルト接着剤として、特に、シラン−グラフト化非晶質ポリ−α−オレフィン、メタロセン触媒作用によって製造されたシラン−グラフト化ポリオレフィン(EP 1 508 579 A1参照)、またはイソシアネート−末端ポリウレタンをベースとするものが用いられる。反応性ホットメルト接着剤を用いた、湿気によるその後の架橋は、耐温度性および耐熱性の結合をもたらす。そうして、反応性ホットメルト接着剤は、冷却の物理的固化プロセスからの早い初期強度という利点と、その後に生ずる化学的架橋とを併せ持つ。湿気反応性ホットメルト接着剤が加工される場合、その溶融物は、貼り付け前に、湿気から保護されなければならない。

本発明による反応性の湿気硬化性ホットメルト接着剤のために好適なポリマーは、例えば、Degussa AG(マール、ドイツ)から製品名「Vestoplast(商標) 206」で市販されているシラン−変性ポリ−α−オレフィンを含む。本発明にとって特に好ましいものは、5,000から25,000g/mol、好ましくは10,000から20,000g/molの数平均分子量Mnを有するシラン−変性ポリ−α−オレフィンである。

以下でいくつか詳細に記載するように、非反応性のポリマー、樹脂および/またはワックス、例えば、水素化されていてもよいロジンエステルおよび脂肪族炭化水素樹脂をベースとする添加剤を、開放時間および/または接着剤の特性を調整するために、反応性ホットメルト接着剤に添加してもよい。

接着剤のシートおよび/または部品の表面への貼り付けは、好ましくは、上述したように90℃以上から220℃以下、好ましくは120℃以上から190℃以下の温度範囲で、もっぱらシート表面に行われる。

ホットメルト接着剤の良好な貼り付け性を達成するために、一般的に90℃から200℃の加工温度で、一般的に50から1,000,000mPa・sの範囲内のブルックフィールド粘度を有するホットメルト接着剤が、通常用いられる。

例えば、本発明によれば、180℃で50から50,000mPa・s、特に1,000から10,000mPa・s、好ましくは5,000から8,000mPa・s、より好ましくは5,500から7,500mPa・sの範囲内のブルックフィールド粘度を有する、シラン−グラフト化ポリオレフィン、特にシラン−グラフト化ポリ−α−オレフィンをベースとする反応性ホットメルト接着剤を、好ましくは用いることができる。

反応性および架橋挙動を調整するために、本質的にそのような目的のために好適な触媒、例えば、ジブチルスズジラウレート(DBTL)を、通常、反応性ホットメルト接着剤に、そのような目的のために本質的に一般的な量で添加してもよい。本発明にとって好適な触媒の例は、接着剤化学で公知の触媒、例えば有機錫化合物、例えば、上述したジブチルスズジラウレート(DBTL)、またはジブチルスズのアルキルメルカプチド化合物、または有機鉄、鉛、コバルト、ビスマス、アンチモンおよび亜鉛化合物、並びに前記化合物の混合物、またはアミンをベースとする触媒、例えば三級アミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンおよびジモルホリノジエチルエーテル、およびそれらの混合物を含む。本発明にとって特に好ましいものは、特に前記反応性の(好ましくはシラン−変性の)ポリ−α−オレフィンをベースとする接着剤と組み合わせた、ジブチルスズジラウレート(DBTL)である。触媒の使用量は、大幅に変わり得る;特に、触媒の使用量は、接着剤量の重量を基準に、0.01から5重量%である。接着剤の貼り付け特性を調整するために、さらに、可塑剤、高沸点の有機オイルまたはエステルまたは可塑化に役立つ他の添加剤、安定剤、酸化防止剤、酸捕捉剤、フィラー、老化防止剤等のような添加剤を添加してもよい。

前記接着剤の開放時間および/または接着性を調整するために、特にまた改良した取扱性に関して、さらに、非反応性のポリマー、樹脂および/またはワックスをベースとする添加剤を、追加的に前記ホットメルト接着剤に添加してもよい。このようにして、接着性を、貼り付けに応じて、調整または適応させることができる。

非反応性ポリマーに関して、これらは、例えば、(i)エチレン/酢酸ビニルコポリマーまたはターポリマー、特に12から40重量%、特に18から28重量%の酢酸ビニル含有量を有する、および/または8から800、特に150から500のメルトフローインデックス(MFI、DIN53735)を有するもの;(ii)ポリオレフィン、例えば、特に5,000から25,000g/mol、好ましくは10,000から20,000g/molの数平均分子量Mnを有する、および/または80℃から170℃、好ましくは80℃から130℃の環球法による軟化範囲を有する、非変性非晶質ポリ−α−オレフィン、またはメタロセン触媒作用によって製造された非変性ポリオレフィン(DE 103 23 617 A1参照);および(iii)(メタ)アクリレート、例えば、スチレン(メタ)アクリレート、並びにそのような化合物の混合物からなる群から選ぶことができる。

非反応性樹脂は、特に、炭化水素樹脂、特に脂肪族、環式または脂環式の炭化水素樹脂、変性されていてもよいロジン(例えば、ロジンエステル)、テルペンフェノール樹脂、クロマンインデン樹脂、メチルスチレン樹脂、重合液状樹脂エステル、および/またはケトンアルデヒド樹脂からなる群から選ぶことができる。

非反応性ワックスとして、ポリオレフィンワックス、例えば、ポリエチレンおよびポリプロピレンワックス、またはこれに基づいて変性されたワックスを用いることができる。

本発明の特に好ましい態様では、部品は車両内装部品である。そのような部品は、特に、天然繊維−強化ポリマー材料、例えば、天然繊維−(例えば、亜麻−)ポリプロピレン材料、天然繊維−(例えば、亜麻−)PUR、または天然繊維−(例えば、亜麻−)エポキシ樹脂材料をベースとする材料、並びに射出成形法によってポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー(SIS)、ポリカーボネートABS(PCABS)、ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、またはポリアミドから製造される支持体から製造される。これらの材料は、自動車製造において普及しており、それゆえ当業者に周知である。

それゆえ部品は、好ましくは、天然繊維−強化ポリマー材料、例えば、天然繊維−(例えば、亜麻−)ポリプロピレン材料、天然繊維−(例えば、亜麻−)PUR、または天然繊維−(例えば、亜麻−)エポキシ樹脂材料をベースとする材料から選ばれる材料、並びに射出成形法によってポリプロピレン(PP)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー(SIS)、ポリカーボネートABS(PCABS)、ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)またはポリアミドから製造される支持体から製造される。

特に好ましいものは、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンコポリマー(ABS)、ポリカーボネートABS(PCABS)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート(PC)、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)の射出成形プラスチック、天然繊維PP、ガラス繊維、炭素繊維、プラスチック繊維、無機フィラー、バインダーPP、ポリウレタン、フェノール樹脂を含む繊維複合材、またはそれらの組合せからの材料である。

部品は、しぼ付けされていてもよい。しかし、しぼを有さない、または空気除去のために不適切なしぼ(例えば、しぼが平ら過ぎる場合)を有する部品が好ましい。

さらに部品は、好ましくは、寸法安定性のある、および/または空気不透過性のある、または部分的にのみ空気透過性のある、または減圧透過性のあるものである。

積層用シートは、プラスチックシート、好ましくは、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリオレフィン、熱可塑性ポリオレフィン(TPO)、ポリカーボネート、ポリエーテル、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、またはそれらの組合せ、コポリマーおよびターポリマーをベースとするプラスチックシートであり得る。しかし、他の(装飾的な)材料、例えばフォームラミネート、織物、金属箔、本革、人工皮革、および様々な前記材料から製造される層状複合物も好適である。空気不透過性は、追加膜を使用することによって実現できる。

積層用シートの厚さは、好ましくは、0.1mm以上から7.0mm以下、好ましくは1.0mm以上から3.5mm以下、より好ましくは1.5mm以上から2.5mm以下の範囲内である。

プラスチックシートは、特に、ポリオレフィン、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンをベースとするシートを含む。さらに、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリスチレンをベースとするシートが好ましい。「ポリオレフィン」、例えばポリエチレンおよびポリプロピレンは、本明細書で使用されるように、対応するエチレンおよびプロピレンホモポリマーだけでなく、他のオレフィン、例えば、アクリル酸または1−オレフィンとのコポリマーも意味する。従って、本明細書で使用される「ポリエチレン」は、特に、0.1から50重量%未満の一つまたはそれ以上の1−オレフィン、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンまたは1−ドデセン(プロピレン、1−ブテンおよび1−ブテンが好ましい)とのエチレンコポリマーを意味する。「ポリプロピレン」も、特に、0.1から50重量%未満のエチレンおよび/または一つまたはそれ以上の1−オレフィン、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、または1−ドデセン(エチレン、1−ブテンおよび1−ヘキセンが好ましい)とのプロピレンコポリマーを意味する。好ましくは「ポリプロピレン」は、特に、アイソタクチックポリプロピレンを意味する。

ポリエチレンのシートは、HDPEまたはLDPEまたはLLDPEから調製することができる。

ポリアミドのシートの中で、ナイロン6から誘導されるものが好ましい。

ポリエステルのシートの中で、ポリブチレンテレフタレート、および特にポリエチレンテレフタレート(PET)から製造されるものが好ましい。

ポリカーボネートのシートの中で、ビスフェノールAを使用して調製されるポリカーボネートから誘導されるものが好ましい。

「ポリ塩化ビニルのシート」は、硬質ポリ塩化ビニルまたは軟質ポリ塩化ビニルのシートを意味し、その中で、軟質ポリ塩化ビニルは、塩化ビニルと、酢酸ビニルおよび/またはアクリレートとのコポリマーを含む。

「プラスチックシート」は、本発明の意味において、複合シート、例えば、前記シートの一つおよび金属箔または繊維シートを含むシートを含み得る。

本発明の範囲内において、様々な積層試験が、自動車分野において通常用いられているようなTPOフォームシートを有するしぼ付けされていない平滑な部品に対して行われた。その中では、異なる部品の幾何学的形状、(TPOシート上の)接着剤パターン、積層パラメータ、並びに部品中の異なる数および種類の穿孔、並びに穿孔位置が試験された。接着剤が限られた接着のみを部品に対して構築し、そうして積層されたシートの剥離および結合部の正確な検査が可能となるように、部品材料および接着剤が選択された。本発明によって積層された部品の分析は、空気封入が無い完全な結合を示した。

実際上、パターン貼り付けによって形成されたチャネルは、積層成形品中においてなお識別可能である。これは、例えば、(湿気硬化性の反応性接着剤で懸念される)空気接触が欠乏する領域における不完全な、または遅延した接着剤の架橋を回避する。

図2は、シートを部品から剥離した後の接着剤構造の一例を示す。部品およびシートの間に存在する空気の均一除去を可能にした、明るい光沢のあるチャネルは完全に維持されている。

選択された幾何学的形状および孔の位置を有する部品によって、接着剤グリッド内の充分な空気移送が、次の孔から10cmを超える間隔で、および臨界領域、例えば端および半径で確保されることが示された。

さらに、現在の実施で要求されるものに比べて、実質的に少ない数の吸引孔だけが必要であることが見出された。その長さがパターングリッドを超える延長された孔の形状(例えば、長孔)が、特に有用であることが判明した。それによって、孔が単一の接着付着物によって詰まらせられないこと、および接着剤グリッド中の孔およびチャネルシステムの間で常に接触があることが確保される。

同量の接着剤の伝統的な平滑(すなわち、グリッド状ではない)ローラー適用を用いた比較実験は、しぼ付けされていない表面での水平の空気移送は示さない。部品の幾何学的形状および積層法の動力学のために、シートが実際に部品上に「延ばされた」領域でのみ、空気封入が見られなかった。特に、多くの孔の存在下でさえ、全ての表面が、空気封入によって引き起こされる濡れおよび結合の欠乏を、表面の約20から80%で示す。接着剤を用いない比較実験も、実際上、水平の空気移送を示さない。軟質シートは、直ちに平滑な基材を封止する。

実施例 パラメータの全ての決定および測定は、他の記載が無い限り、当業者に良く知られている標準的な条件下で、すなわち室温(21℃+/−1℃)および大気圧(1気圧)下で行った。

以下の実験では、Jowat AG(ドイツ)からの非反応性ポリオレフィンをベースとするホットメルト接着剤(Jowat Toprm(商標) 238.30)を使用した。

接着剤を、TPOシート(Benecke-Kaliko/ドイツ、0.8mmのカバー層を有する2mmのフォーム)の底部側に、Hardo社(ドイツ)からのグラビアローラーによるローラー適用によって貼り付けた。

しぼを有さず、約2cmの間隔で吸引孔を外周に有するポリオキシメチレン(POM)の皿状部品(直径240mm、深さ50mm)と塗布したシートとを、Kiefel社(ドイツ)からのシングルポジション減圧積層システムで積層し、その中で、シートの底部側を180℃に加熱し、上側を140℃で加熱し、シートを縦および横方向に5%延伸した。その後に積層品を、(パターンのチャネルを通じた空気移送の範囲を評価するために)、空気封入によって引き起こされた傷および積層領域のサイズについて検査した。 結果を以下の表に示す:

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