Cleaning method of resin pellet

申请号 JP2010230023 申请日 2010-10-12 公开(公告)号 JP2011051346A 公开(公告)日 2011-03-17
申请人 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd; 三井・デュポンポリケミカル株式会社; 发明人 SASAI IZUMI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a cleaning method of resin pellet capable of reducing the generation of defects such as fish eyes.
SOLUTION: A method for manufacturing the resin film or the resin sheet includes the step for cleaning the resin pellet and the step for shaping the resin film or the resin sheet using the cleaned resin pellet. The step for cleaning the resin pellet includes the step for introducing the resin pellet and water into the first cylinder body, and the step for cleaning the resin pellet by removing foreign matters from the surface of the resin pellet by water flow while conveying the resin pellet and the water toward the discharge port of the first cylinder body.
COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT
权利要求
  • 樹脂ペレットの洗浄方法であって、
    前記樹脂ペレットと、水とを第一の筒体内に導入する工程と、
    前記第一の筒体の排出口に向けて前記樹脂ペレットと前記水とを搬送しながら、水流で前記樹脂ペレット表面から異物を除去して前記樹脂ペレットを洗浄する工程とを含む樹脂ペレットの洗浄方法。
  • 請求項1に記載の樹脂ペレットの洗浄方法において、
    樹脂ペレットを洗浄する前記工程では、
    前記第一の筒体内に、前記樹脂ペレットの重量に対し、80wt%以下の前記水が供給される樹脂ペレットの洗浄方法。
  • 請求項2に記載の樹脂ペレットの洗浄方法において、
    樹脂ペレットを洗浄する前記工程では、
    前記第一の筒体内において、前記水流と、前記樹脂ペレット同士の衝突とにより、前記樹脂ペレット表面から異物を除去する洗浄方法。
  • 請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂ペレットの洗浄方法において、
    前記第一の筒体から排出される前記樹脂ペレットおよび前記水を、スクリューが設置された第二の筒体内に供給し、
    前記第二の筒体内において、前記スクリューにて前記樹脂ペレットおよび前記水を搬送するとともに、この第二の筒体を回転させて発生する遠心力により、前記樹脂ペレットと前記水とを分離する工程を含む樹脂ペレットの洗浄方法。
  • 請求項4に記載の樹脂ペレットの洗浄方法において、
    水と分離された前記樹脂ペレットを更に乾燥処理する工程を含む樹脂ペレットの洗浄方法。
  • 請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂ペレットの洗浄方法において、前記樹脂ペレットは粘着性を有する樹脂ペレットである樹脂ペレットの洗浄方法。
  • 請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄方法で樹脂ペレットを洗浄し、
    その後、前記樹脂ペレットを溶融成形加工装置に供給して、樹脂ペレットを成形する樹脂成形方法。
  • 請求項7に記載の樹脂成形方法において、
    前記溶融成形加工装置により、光学用フィルムまたはシートを成形する樹脂成形方法。
  • 前記溶融成形加工装置が押出成形加工装置または射出成形加工装置である請求項7に記載の樹脂成形方法。
  • 前記溶融成形加工装置が電線被覆材成形用であり、前記溶融成形加工装置により、電線被覆材を成形する請求項7に記載の樹脂成形方法。
  • 重合プロセスで製造した(共)重合体の樹脂ペレットを、運搬用コンテナに充填する前に請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄方法で洗浄する工程と、
    洗浄した樹脂ペレットを前記運搬用コンテナに充填する工程とを含む樹脂ペレットの充填方法。
  • 前記(共)重合体の樹脂ペレットが高圧法重合プロセスで製造したエチレン系共重合体の樹脂ペレットである請求項11記載の樹脂ペレットの充填方法。
  • 樹脂ペレットの製造装置に接続され、この製造装置で製造された樹脂ペレットの少なくとも一部を、洗浄装置に供給し、請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄方法で洗浄する工程と、
    前記洗浄装置に接続された分析装置に供給して、前記分析装置にて前記樹脂ペレットを分析する工程とを含む樹脂ペレットの分析方法。
  • 請求項1乃至6のいずれかに記載の樹脂ペレットの洗浄方法において、
    当該洗浄方法は、洗浄後の樹脂ペレットを使用して成形されるシートまたはフィルムに生じるフィッシュアイを低減させるためのものである樹脂ペレットの洗浄方法。
  • 請求項1乃至6のいずれかに記載の洗浄方法で洗浄した前記樹脂ペレットを使用してシートまたはフィルムを成形することで、前記シートまたはフィルムに生じるフィッシュアイの個数を60個/m 以下とするフィッシュアイの低減方法。
  • 说明书全文

    本発明は、樹脂ペレットの洗浄方法に関する。

    従来、樹脂成形体において、異物の混入が問題となっている。 異物は樹脂成形体の中に特異な形態となって発生し、たとえばフィルムやシートではフィッシュアイとなり、射出成形体や押出被覆成形体ではブツとなって現れる。 なお、フィッシュアイとは、フィルム中の異物を核として凝集した粗大粒子である。
    このような異物が存在してしまうと、様々な問題が生じる。

    たとえば、フィルム(シート)を光学用に使用する場合には、フィッシュアイが光学特性に影響を及ぼしてしまうことがある。 また、フィルム(シート)を電子機器等に搭載して、使用する場合には、フィッシュアイが原因となり絶縁破壊が発生し易くなったりして電気特性に影響を及ぼすことも考えられる。
    さらに、フィッシュアイが存在してしまうと、外観不良となり、製品としての価値が低減してしまう。
    また、フィルムやシートに限らず、射出成形体など他の成形体もブツが発生してしまうと、外観が悪くなり、所望の電気特性や学特性を発揮しにくいなどの問題を発生する。
    なお、ここでフィルムとシートの区別であるが、日本では一般に200μm以下の厚みをフィルムと呼称することが多く、一方JISの包装用語や欧米では10ミル(250μm)以下をフィルムとしている。 ただし、ロール状に巻くことができるなどの柔軟性を保持していれば少々厚みがあってもフィルムと呼称することがあるので、ここでは、200〜300μmを境にそれよりも薄いものをフィルム、厚いものをシートとする。

    そこで、たとえば、特許文献1には、樹脂の組成を工夫して、フィッシュアイを低減させる方法が開示されている。

    特開2007−031475号公報

    特開平9−263629号公報

    特開2002−3606号公報

    特開平7−216115号公報

    特開平8−132541号公報

    特開2005−161779号公報

    しかしながら、特許文献1に記載された方法では、樹脂の組成を変更しなければならないので、既存の樹脂ペレットを使用したフィルム加工時にフィッシュアイを低減させることは難しい。

    本発明によれば、樹脂ペレットの洗浄方法であって、前記樹脂ペレットと、とを第一の筒体内に導入する工程と、前記第一の筒体の排出口に向けて前記樹脂ペレットと前記水とを搬送しながら、水流で前記樹脂ペレット表面から異物を除去して樹脂ペレットを洗浄する工程とを含む樹脂ペレットの洗浄方法が提供される。

    本発明によれば、樹脂ペレットを水とともに第一の筒体内に供給し、第一の筒体内で排出口に向けて搬送しながら、水流で樹脂ペレット表面に付着した異物が除去される。
    これにより、本発明の洗浄方法により洗浄された樹脂ペレットを使用してフィルム(シート)や他の成形体を成形した場合に、フィッシュアイやブツ(以下、フィッシュアイ等ということがある)の発生を抑制することができる。

    さらに、本発明は、樹脂ペレットを洗浄することで、フィッシュアイ等の発生を抑制することができるので、既存の樹脂ペレットを使用したフィルム(シート)や他の成形体加工時にフィッシュアイ等を低減させることもできる。

    また、本発明では、洗浄工程において、第一の筒体の排出口に向けて樹脂ペレットと水とを搬送しているので、第一の筒体内に長時間、樹脂ペレットが存在してしまうことを抑制できる。 換言すると、樹脂ペレットが水に長時間浸漬し、樹脂ペレット中の水分量が増加し、膨潤してしまうことを防止できる。

    さらに、本発明では、樹脂ペレットを洗浄する洗浄液として、水を使用しているため、安全性が高い。
    また、本発明では、水流で前記樹脂ペレット表面から異物を除去しているため樹脂ペレットが研磨等され、形状が崩れてしまうことを防止できる。

    ここで、前記樹脂ペレットを洗浄する前記工程では、前記第一の筒体内に、前記樹脂ペレットの重量に対し、80wt%以下の水が供給されることが好ましい。

    樹脂ペレットの重量に対し、水の重量を80wt%以下とすることで、樹脂ペレット同士が衝突しやすくなる。 これにより、樹脂ペレット表面に強固に固着していた異物が樹脂ペレット表面から除去されやすくなる。
    従って、フィッシュアイ等の欠陥の発生をより確実に低減させることができる樹脂ペレットを提供することができる。

    以上より、樹脂ペレットを洗浄する前記工程では、第一の筒体内において、前記水流と、前記樹脂ペレット同士の衝突とにより、前記樹脂ペレット表面に付着した異物を除去することが好ましい。

    また、前記第一の筒体内には、前記水および前記樹脂ペレットを搬送しながら撹拌するための第一のスクリューと、この第一のスクリューに接続された撹拌羽根とが設置されており、前記第一の筒体内の第一のスクリューおよび前記撹拌羽根が回転することによって樹脂ペレットと水を攪拌する方法を取ってもよい。

    一方、前記第一の筒体を対向する一対の円形面が開口し、大開口部(広口部)と、小開口部(狭口部)とが形成された円錐台形状とし、前記大開口部を上側、前記小開口部を下側となるように、前記第一の筒体を配置し、前記洗浄工程では、前記第一の筐体の内壁に沿って螺旋状に水を供給して、渦流を発生させるとともに、前記第一の筒体内に樹脂ペレットを供給してもよい。
    より詳細に説明すると、第一の筒体を円錐台状の筒体とし、上方向に広口部(開口)、下方向に狭口部(開口)を設置する。 そして、上方向に設置された広口部から樹脂ペレットを供給するとともに、水を第一の筒体の内壁(円錐面)にそって高速で供給する。 水が第一の筒体内壁に沿ってらせん状に下方向に流れることでサイクロン状態となり、渦流が発生する。 そして、樹脂ペレットが渦流に巻き込まれ、樹脂ペレットおよび水が撹拌された状態となりながら、下方向にある狭口部の出口から樹脂ペレットと水が排出されていく。
    樹脂ペレットの供給箇所は、広口部真上から見て、中心付近でもよいが、円錐台状の筒体内壁面に近いほうに偏芯して供給してもよい。 偏芯して供給すると、早い段階から内壁面に沿って流れる水流と接触するので洗浄効果が高まる。

    さらに、前記第一の筒体から排出される樹脂ペレットおよび水を、スクリューが設置された第二の筒体内に供給し、前記第二の筒体内において、前記スクリューにて樹脂ペレットおよび水を搬送するとともに、この第二の筒体を回転させて発生する遠心力により、前記樹脂ペレットと前記水とを分離する工程を含むことが好ましい。 第二の筒体は分離された水が筒内内部から逃げることができるように樹脂ペレットの大きさより小さい多数の穴が設けられた多孔質材料で出来ているのが好ましい。

    第二の筒体内で、第二の筒体の遠心力により、樹脂ペレットと水とを分離することで、樹脂ペレットと、異物を含んだ水とが分離されることとなる。

    さらに、水と分離された前記樹脂ペレットを更に乾燥処理して樹脂ペレットに残存した水分を除去するのが好ましい。

    ここで、前記樹脂ペレットとしては、すべての樹脂ペレットに適用できるが、特に粘着性を有する樹脂のペレットが好ましい。

    粘着性の樹脂ペレットは、異物が付着しやすいため、本発明の効果が明確に現れる。
    ここでいう粘着性とは、樹脂ペレットを指で触って粘着感の感じられるものを言う。 たとえば、エチレン−αオレフィン共重合体ゴム、プロピレン−αオレフィン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂ペレットは粘着性が感じられる。 一方、高密度ポリエチレンやプロピレンホモ重合体、カーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレートは粘着感が感じられない。
    以上のような洗浄方法は、特に、シートや、フィルムに生じるフィッシュアイを低減させることに適している。 上述した洗浄方法で洗浄した樹脂ペレットを使用してシートや、フィルムを成形することで、シートや、フィルムに生じるフィッシュアイ(直径0.2mm以上の大きさのもの)の個数を60個/m 以下とすることができる。

    さらに、本発明によれば、重合プロセスで製造した(共)重合体の樹脂ペレットを、運搬用コンテナに充填する前に上述したいずれかに記載の樹脂ペレットの洗浄方法で洗浄する工程と、洗浄した樹脂ペレットを前記運搬用コンテナに充填する工程とを含む樹脂ペレットの充填方法も提供できる。
    上述した洗浄方法により、樹脂ペレットを洗浄することで、運搬用コンテナ充填まえに、樹脂ペレットに付着した異物を除去することができる。
    これにより、運搬先にて樹脂ペレットを成形した際に、フィッシュアイ等の発生を抑制できる。
    また、前記(共)重合体のペレットは、高圧法重合プロセスで製造したエチレン系共重合体の樹脂ペレットであることが好ましい。
    高圧法重合プロセスで製造したエチレン系共重合体の樹脂ペレットは、比較的粘着性が高いため、前述した洗浄方法で洗浄することは特に効果的である。
    高圧法重合プロセスで製造される粘着性の高いエチレン系共重合体の樹脂ペレットの代表例は、エチレン・酢酸ビニル共重合体であり、特に酢酸ビニル含有量が20質量%以上であるものは特に粘着性が顕著なため、本発明の洗浄方法で洗浄することは効果的である。

    さらに、本発明によれば、樹脂ペレットの製造装置に接続され、この製造装置で製造された樹脂ペレットの少なくとも一部を、洗浄装置に供給して、上述したいずれかの洗浄方法で洗浄する工程と、前記洗浄装置に接続された分析装置に供給して、前記分析装置にて前記樹脂ペレットを分析する工程とを含む樹脂ペレットの分析方法も提供できる。
    製造された樹脂ペレットの特性を確認するために、樹脂ペレットの分析を行うことがある。 このとき、樹脂ペレットに異物が付着していると、樹脂ペレット本来の特性を測定することが難しいことがある。 たとえば、樹脂ペレットによりフィルム(シート)を形成し、フィルム(シート)の物性を計測して、所望特性を有する樹脂ペレットが製造できているかどうか確認することがある。 このとき、樹脂ペレットを製造してから分析装置まで搬送される間に発生した異物が混じるとフィッシュアイとなって観測され、フィルム(シート)の物性が悪くなってしまい、所望の樹脂ペレットが製造できているかどうか判断が難しくなる。
    これに対し、本発明では、樹脂ペレットを洗浄した後、分析装置で分析しているので、このような問題を解決することができる。

    さらに、本発明によれば、上述したいずれかの洗浄方法で樹脂ペレットを洗浄し、その後、前記樹脂ペレットを溶融成形加工装置に供給して、樹脂ペレットを成形する樹脂成形方法も提供できる。
    この樹脂成形方法によれば、樹脂ペレットを製造してから運搬用コンテナに充填されるまでに発生した異物のほか、樹脂ペレット製造会社から成形加工会社まで運搬する途中或いは成形加工会社で受け入れた樹脂ペレットを溶融成形加工装置にセットするまでの間に発生した異物を除去できる。
    これにより、フィッシュアイや、ブツの発生が抑制されたフィルムや、成形体を得ることができる。
    したがって、予め洗浄を行っているかどうかに関わらずあらゆる樹脂ペレットに適用してフィッシュアイ等を大幅に削減した樹脂の溶融成形体を製造することができる。
    ここで、前記溶融成形加工装置は、光学用フィルムまたはシート成形用であってもよく、また、電線被覆材成形用であってもよい。
    また、前記溶融成形加工装置は押出成形加工装置または射出成形加工装置であってもよい。

    本発明によれば、フィッシュアイに代表される欠陥の発生を低減させることができる樹脂ペレットの洗浄方法等が提供される。

    上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。

    本発明の第一実施形態にかかる洗浄装置を示す図である。

    洗浄装置の要部を示す図である。

    洗浄装置と、押し出し成形機とを示す図である。

    本発明の第二実施形態にかかる洗浄装置を示す図である。

    本発明の変形例にかかる図である。

    実施例1のフィルムごとのフィッシュアイの個数を示す図である。

    比較例1のフィルムごとのフィッシュアイの個数を示す図である。

    (第一実施形態)
    以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
    はじめに、図1を参照して、本実施形態の概要について説明する。
    本実施形態における樹脂ペレットの洗浄方法は、樹脂ペレットと、水とを第一の筒体141内に導入する工程と、第一の筒体141の排出口に向けて前記樹脂ペレットと前記水とを搬送しながら、水流により樹脂ペレット表面から異物を除去して樹脂ペレットを洗浄する工程とを含む。
    このようにして洗浄した樹脂ペレットをフィルム(シート)に加工する。

    ここで、洗浄対象となる樹脂ペレットは、フィルム(シート)成形用のペレットである。
    また、樹脂ペレット表面の異物とは、たとえば、当該樹脂ペレットとは異なる他の樹脂ペレットやペレットが砕けて発生した粉体状物、当該樹脂ペレットと同じ種類の樹脂であるが分子量や組成の異なる樹脂ペレットやペレットが砕けて発生した粉体状物、繊維等の塵、配管のさび等に起因する物質等である。

    次に、図1を参照して、本実施形態の樹脂ペレットの洗浄方法について詳細に説明する。
    図1には、本実施形態の樹脂ペレットの洗浄方法を実施するための樹脂ペレットの洗浄装置1が開示されている。

    洗浄装置1は、下機枠12と、この下機枠12上に設置された上機枠13とを備える。
    上機枠13内には、洗浄部14と、この洗浄部14内に水を供給する水供給部15と、洗浄部14に樹脂ペレットを供給する樹脂ペレット供給部16と、遠心脱水部17とが配置されている。

    水供給部15は、後述する洗浄部14の第一の筒体141内に水を供給するためのものである。 水供給部15は、第一の筒体141の円錐面(側壁)上部に接続されている。 ここで供給される水は純水であることが好ましい。 また、本実施形態では、樹脂ペレットの洗浄液として水を使用しており、水以外の液体は使用していない。 すなわち、洗浄液は水からなるものである。

    樹脂ペレット供給部16は、第一の筒体141内に樹脂ペレットを供給するものであり、第一の筒体141の上部に接続されたホッパ163を有する。

    図示しないがホッパ163には、ホッパ163内に樹脂ペレットを供給するための配管が接続されている。 この配管の先端には、洗浄装置1に樹脂ペレットを供給するための樹脂ペレットの供給装置が接続される。

    洗浄部14は、円錐台形状の第一の筒体141を備える。
    この第一の筒体141は、上端面および下端面が開口した口部となっている。 この口部のうち、径の大きい広口部を上方側、径の小さい狭口部を下方側となるように第一の筒体141が設置されている。
    広口部には、ホッパ163が接続されている。
    また、第一の筒体141には、水供給部15からの水が供給される。 この水は第一の筒体141の内壁(円錐面)にそって、螺旋状に上方から下方に流れる。 このとき、水供給部15からは、高速で水が供給されるので、第一の筒体141内には渦流が発生する。 そして、渦流が、ホッパ163から供給された樹脂ペレットを巻き込みながら、第一の筒体141の排出口、すなわち、狭口部まで樹脂ペレットを搬送する。
    ここで、洗浄部14内の樹脂ペレットが接触する各部材の表面、具体的には、第一の筒体141の内壁は表面粗さが非常に小さい平滑面で構成されており、洗浄部14を構成する部材により樹脂ペレットが研磨されてしまうことはない。
    また、洗浄部14を構成する部材は、たとえば、ステンレスやアルミニウム等の金属で構成されている。

    遠心脱水部17は、回転可能に設けられた第二の筒体171と、第二の筒体171内に配置されたスクリュー172とを備える。

    第二の筒体171は、一部が多孔質部材で構成されており、水が多孔質部材の孔から排出される。 なお、多孔質部材の孔は、樹脂ペレットの粒径よりは小さく、樹脂ペレットに付着した異物の径よりも大きい。

    次に、下機枠12内部の構成について説明する。
    下機枠12内には、乾燥部18が設置されている。
    乾燥部18は、遠心脱水部17で遠心脱水された樹脂ペレットを乾燥するためのものである。 この乾燥部18は、ヒータ(熱源は電気、スチーム、温水、赤外線など)を備えた乾燥機181と、樹脂ペレットが載置される載置部182と、吸気ファン183とを備える。

    載置部182には、樹脂ペレットよりも径の小さい複数の孔が形成されている。 乾燥機181から載置部182に向かって供給された空気は、樹脂ペレットを乾燥し、吸気ファン183によって吸引される。 載置部182としては、たとえばネットを使用することができる。

    なお、載置部182には、遠心脱水部17の筒体171に接続された搬送筒Aが接続され、筒体171から搬送筒Aを介して樹脂ペレットが供給される。

    乾燥部18にて乾燥処理が終了した樹脂ペレットは、排出部19を介して洗浄装置1の外部に排出されることとなる。

    次に、以上のような洗浄装置1を使用した樹脂ペレットの洗浄方法について説明する。
    はじめに、ホッパ163に樹脂ペレットを投入する。 樹脂ペレットはホッパ163を介して、第一の筒体141に供給され、樹脂ペレットは、第一の筒体141内を落下する。

    一方で、水供給部15から第一の筒体141内に水を供給する。
    ここで、第一の筒体141に供給される水の供給量は、樹脂ペレットの重量に対し、80wt%以下であることが好ましい。 なかでも、樹脂ペレットの重量に対し、水の供給量を70wt%以下とすることが特に好ましく、さらには、60wt%以下とすることが好ましい。
    水の供給量を、樹脂ペレット重量に対し、80wt%以下とすることで、フッシュアイやブツの発生を確実に抑制することができる。
    また、洗浄の後工程で脱水や乾燥を行う工程において、少ないエネルギー量と短い時間で樹脂ペレットに付着する水分を実質的に完全に除去することができる。 ここでいう実質的とは、樹脂ペレットのハンドリングの悪化を起こさず、溶融成形加工時に水分による発泡などの影響を与えない程度の量である。

    水の供給量の下限値は、樹脂ペレットの重量に対し、10wt%以上であることが好ましく、30wt%以上であることがより好ましく、40wt%以上であることが特に好ましい。
    水の供給量を、樹脂ペレット重量に対し、10wt%以上とすることで、樹脂ペレットを水流で洗浄しやすくなる。

    図2の矢印に示すように、水は、第一の筒体141内壁に沿ってらせん状に下方向に流れる。 水は高速で供給されるため、渦流が発生する。 そして、渦流に、樹脂ペレットが巻き込まれ、樹脂ペレットおよび水が撹拌された状態となりながら、第一の筒体141の排出口へ樹脂ペレットと水とが搬送される。 すなわち、第一の筒体141の排出口に向けて樹脂ペレットと水とが撹拌されながら搬送される。 なお、図2において、Pは樹脂ペレットを示す。
    このとき発生する水流の勢いにより、水が樹脂ペレット表面に付着した異物を除去することとなる。 また、樹脂ペレット同士の衝突により、樹脂ペレット表面に強固に付着した異物が、樹脂ペレット表面から除去されることとなる。
    なお、この工程で、樹脂ペレットに固着した異物は除去されるものの、樹脂ペレット自体は、研磨されることはない。 従って、本実施形態の洗浄装置1にて洗浄した樹脂ペレットは、洗浄前と、洗浄後の大きさ形状は同一であり、洗浄により形が崩れてしまうことはない。

    この洗浄工程において、第一の筒体141内に樹脂ペレットが滞在する時間は、たとえば、1分以内、好ましくは30秒以内、更には15秒以内であり、生産性を向上したければ数秒以内でも可能である。 この洗浄工程では、樹脂ペレットは膨潤しない。
    また、樹脂ペレットの供給箇所は、広口部真上から見て、中心付近でもよいが、広口部中心よりも、第一の筒体141内壁面側に偏芯して供給してもよい。 偏芯して供給すると、早い段階から内壁面に沿って流れる水流と接触するので洗浄効果が高まる。

    次に、第一の筒体141の排出口から排出された水および樹脂ペレットは、遠心脱水部17の第二の筒体171内に供給される。

    第二の筒体171内では、樹脂ペレットおよび水がスクリュー172の回転により、水平方向に移動される。 このとき、樹脂ペレットおよび水は、第二の筒体171の回転による遠心力の作用をうける。

    樹脂ペレットおよび水は、第二の筒体171の回転による遠心力の作用をうけ、水および樹脂ペレットが第二の筒体171の多孔質部材の部分側に移動する。 水は、多孔質部材の孔から外部に排出される。 なお、異物は、水とともに多孔質部材の孔から排出されることとなる。

    次に、樹脂ペレットは、スクリュー172の回転により第二の筒体171内を移動して、第二の筒体171から排出される。 第二の筒体171から排出された樹脂ペレットは、搬送筒Aを介して、乾燥部18の載置部182上に供給される。 乾燥部18では、乾燥機181から温風が供給され、樹脂ペレットの乾燥が行われる。
    その後、排出部19を介して洗浄装置1から樹脂ペレットが排出されることとなる。

    なお、洗浄装置1にて、洗浄させる樹脂ペレットの原料は特に限定されるものではないが、たとえば、粘着性を有する樹脂が好ましい。 たとえば、αオレフィン含有量を5モル%以上特に10モル%以上含有する、エチレンとエチレン以外のαオレフィンとの共重合体や、プロピレンとプロピレン以外のαオレフィンとの共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム、酢酸ビニル含有量が20質量%以上、とくに25質量%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれるいずれかの樹脂が好ましい。
    これらの樹脂はいずれも粘着性が高く、異物が付着しやすいため、本実施形態の洗浄方法で洗浄することが特に好ましい。
    メタロセン触媒を用いて製造されるエチレン系(共)重合体も、従来のチーグラー触媒を用いて製造された重合体よりも、透明性が高く、力学強度が強く、光学特性を生かした用途に使用される。 そのため、この樹脂原料からなるペレットを本発明の洗浄方法で洗浄することにより、フィッシュアイ等の異物に基づく影響を最小限に抑えることができるため、好ましい。

    このほかの好ましい樹脂ペレット原料としては、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体、エチレン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステル共重合体、或いはこれら共重合体の金属塩、(メタ)アクリル樹脂、カーボネート樹脂なども、粘着性を有するか、若しくは光学特性を有した用途に使用されるため、本発明の洗浄方法で洗浄することが特に好ましい。

    また、洗浄対象となる樹脂ペレットを、高圧法プロセスで製造されるエチレン系共重合体のペレットとしてもよい。 高圧法重合プロセスで製造されるエチレン系共重合体は、中低圧法プロセスに比べて結晶性が低く、そのため透明性や電気特性に優れたものを製造でき光学用途や電気絶縁材に適する樹脂を提供できる。 しかしながら、比較的粘着性が高いため、系内及び系外の異物(配管の錆び、空気中に浮遊する塵芥や繊維くずなど)の付着を防止するための対策が必要である。 そのため、本実施形態の洗浄方法を利用することで比較的安価に効果のある対策を取ることが可能である。

    さらに、樹脂ペレットは光学フィルム用、光学シート用または電線用絶縁材などの電気(半導体)材料用のものであることが好ましい。 光学フィルム(シート)用途に使われる場合には、透明性などの光学特性を損なう要因となるフィッシュアイが低減され、光学特性の良好なフィルムを製造することができる。 電気(半導体)材料用途に使われる場合には、絶縁破壊の要因となるフィッシュアイが低減し、耐絶縁性能の高い製品を製造できる。
    光学フィルムの具体的な例としては、各種ディスプレーの構成部材である偏向シート、カラーフィルター等や太陽電池用の封止材などがある。
    別の用途として各種部材への保護フィルムを製造するための樹脂ペレットへの適用も好ましい。 保護フィルムにフィッシュアイがあると、保護すべき基材表面を傷めたり、保護フィルムの粘接着性能が低下するので、これらの悪影響を除くことができる。
    また、樹脂ペレットは、一般に粒径が1mm以上、5mm以下の粒状のものであり、この範囲内の樹脂ペレットであれば確実な効果が期待できる。 しかし、本発明の方法で高度な洗浄効果が得られる限り、粒径に制限はない。

    ここで、図3に示すように、洗浄装置1と溶融成形加工装置(ここでは、フィルム成形機(押し出し成形機2))とを配管3にて接続しておけば、洗浄装置1で洗浄した樹脂ペレットを押し出し成形機2に供給し、フィルム(シート)を製造することができる。
    図3の押し出し成形機2において、符号21はホッパであり、符号22は押し出し機本体である。 また、符号23は、フィルム(シート)を形成するためのダイである。

    さらに、洗浄装置1と、押し出し成形機2とを配管3により、常に接続しておいてもよいが、たとえば、押し出し成形機2にて成形する樹脂ペレットの種類を変えた場合に、洗浄装置1と押し出し機2とを配管3にて接続し、本実施形態の樹脂ペレットの洗浄を行ってもよい。

    次に、本実施形態の作用効果について説明する。
    本実施形態では、樹脂ペレットを水とともに第一の筒体141内に供給し、第一の筒体141内で搬送しながら、水流で樹脂ペレット表面に付着した異物を除去している。
    これにより、本実施形態の洗浄方法により洗浄された樹脂ペレットを使用してフィルム(シート)や他の成形体を成形した場合に、フィッシュアイやブツの発生を抑制することができる。
    たとえば、本実施形態の洗浄方法により洗浄された樹脂ペレットを使用してフィルム(シート)を成形した場合、直径0.2mm以上の大きさを有する異物であるフィッシュアイの発生個数を60個/m 以下、さらに好ましくは、35個/m 以下、特には20個/m 以下とすることができる。

    さらに、樹脂ペレットを洗浄することで、フィッシュアイやブツの発生を抑制することができるので、既存の樹脂ペレットを使用したフィルム(シート)加工時にフィッシュアイやブツを低減させることもできる。

    また、本実施形態では、洗浄工程において、第一の筒体141の排出口に向けて樹脂ペレットと水とを搬送しているので、第一の筒体141内に長時間、樹脂ペレットが存在してしまうことを抑制できる。 換言すると、樹脂ペレットが水に長時間浸漬し、樹脂ペレット中の水分量が増加し、膨潤してしまうことを防止できる。
    樹脂ペレット内部の水分量が多くなってしまうと、フィルム等の成形体を成形した際に、水が蒸発し発泡してフィルム等の成形体に欠陥が生じてしまうことがあるが、本実施形態では、このような欠陥の発生を抑制できる。

    また、樹脂ペレットを洗浄する洗浄液としては水を使用しているため、安全性が高い。
    さらに、本実施形態では、水流や、樹脂ペレット同士の衝突で樹脂ペレット表面から異物を除去しているため樹脂ペレットが研磨等され、形状が崩れてしまうことを防止できる。

    樹脂ペレットの重量に対し、水の重量を80wt%以下とすることで、樹脂ペレット同士が接触することとなる。 これにより、樹脂ペレットに強固に固着していた異物が樹脂ペレットから除去されやすくなる。
    従って、フィッシュアイやブツの発生をより確実に低減させることができる樹脂ペレットを提供することができる。

    また、本実施形態では、第一の筒体141内壁に沿って高速で水を供給することで、渦流を発生させ、この渦流に樹脂ペレットを巻き込むことで、水および樹脂ペレットが撹拌された状態となる。 本実施形態では、渦流を発生させるための、撹拌羽根等が不要となるので、洗浄装置1の部材点数を削減することが可能となる。
    樹脂ペレットが比較的少量の場合には、第一の筒体141内壁に沿って高速で水を供給することにより発生した渦流でも、樹脂ペレットを確実に巻き込み、十分に洗浄することができる。 従って、本実施形態の洗浄装置1は、比較的少量の樹脂ペレットを洗浄する際に、特に適しているといえる。

    また、本実施形態では、第二の筒体171を回転させ、遠心力を生じさせるとともに、第二の筒体171の一部を多孔質材で構成することで、多孔質材の孔から水を排出して、樹脂ペレットと水とを分離している。 これにより、樹脂ペレットと、異物を含んだ水とが分離され、異物が樹脂ペレットに再付着してしまうことを防止できる。

    なお、特許文献2には、樹脂ペレットの洗浄方法が開示されているが、これは、樹脂ペレットを膨潤剤で膨潤させて樹脂ペレット中に含まれるオリゴマー、重合触媒等を除去するものである。
    また、特許文献3にも、樹脂ペレットの洗浄方法が開示されているが、これは、樹脂ペレット中の環状オリゴマーを除去する方法である。 環状オリゴマーを抽出させるための特殊な溶剤を使用している。
    さらに、特許文献4にも、樹脂ペレットの洗浄方法が開示されているが、これは、樹脂ペレットに含まれる揮発性物質を超音波を使用して、除去するものである。
    また、特許文献5には、光学用の材料を洗浄するとの記載があるものの具体的な開示はまったくない。
    以上のように、いずれの特許文献1から5にも、本発明のように、水と樹脂ペレットとを搬送しつつ、水流で樹脂ペレット表面に付着した異物等を除去してフィッシュアイ等の発生を防止する構成の開示はないし、これを示唆する記載もない。
    また、特許文献6には、リサイクル用の樹脂片を洗浄槽の粗面に衝突させて、表面を削って、洗浄することが開示されている。 特許文献6の方法は、樹脂片の表面を削って洗浄する方法であり、水流で樹脂ペレット表面から異物を除去するものではない。

    (第二実施形態)
    図4を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。
    本実施形態の洗浄装置4は、前記実施形態の洗浄装置1と洗浄部44の構造が異なっている。 また、水供給部45、樹脂ペレット供給部46の設置位置も前記実施形態とは異なっている。 他の点については、前記実施形態と同様である。 また、洗浄対象となる樹脂ペレットも前記実施形態と同様である。
    水供給部45は、後述する洗浄部44の第一の筒体441内に水を供給するためのものである。 水供給部45は、第一の筒体441の上部に接続されている。 ここで供給される水は純水である。 また、本実施形態では、樹脂ペレットの洗浄液として水を使用しており、水以外の液体は使用していない。 すなわち、洗浄液は水からなるものである。

    樹脂ペレット供給部46は、第一の筒体441内に樹脂ペレットを供給するものであり、第一の筒体441に接続され、第一の筒体441から水平方向に延びる筒体461と、この筒体461内に設置されたスクリュー462と、筒体461に接続されたホッパ463とを備える。

    ホッパ463を介して、樹脂ペレットが筒体461内に投入され、筒体461内のスクリュー462により、第一の筒体441内に樹脂ペレットが供給されることとなる。

    洗浄部44は、鉛直方向に延びるように配置された第一の筒体441と、この筒体441内に配置された第一のスクリュー442とを有する。
    第一の筒体441は、上部側と下部側の径が等しく、たとえば、円柱形状である。 第一の筒体441内部には、樹脂ペレット供給部46からの樹脂ペレットと、水供給部45からの水が供給される。

    第一のスクリュー442は、その軸442Aが、鉛直方向に延びるように配置され、第一の筒体441の中心軸と平行となるように配置されている。 第一のスクリュー442の軸442Aには、螺旋状に羽根が形成されるとともに、軸442Aの先端には、撹拌羽根443が接続されている。

    この第一のスクリュー442および撹拌羽根443は、第一の筒体441内において樹脂ペレットおよび水を撹拌しつつ、第一の筒体441の排出口へ搬送するものである。

    ここで、洗浄部44内の樹脂ペレットが接触する各部材の表面、具体的には、第一の筒体441の内面、第一のスクリュー442の軸442A表面、第一のスクリュー442の羽根表面、撹拌羽根443表面はいずれも表面粗さが非常に小さい平滑面で構成されており、洗浄部44を構成するこれらの部材により樹脂ペレットが研磨されてしまうことはない。
    また、洗浄部44を構成する各部材は、たとえば、ステンレスやアルミニウム等の金属で構成されている。

    次に、以上のような洗浄装置4を使用した樹脂ペレットの洗浄方法について説明する。
    はじめに、ホッパ463に樹脂ペレットを投入する。 樹脂ペレットはホッパ463を介して、筒体461内に供給される。 筒体461内では、スクリュー462が回転駆動しているため、樹脂ペレットはスクリュー462により、第一の筒体441内に搬送されることとなる。

    一方で、水供給部45から第一の筒体441内に水を供給する。
    ここで、第一の筒体441に供給される水の供給量は、前記実施形態と同様である。

    次に、第一の筒体441内で第一のスクリュー442および撹拌羽根443を回転駆動し、水および樹脂ペレットを撹拌して樹脂ペレットを洗浄する。
    このとき発生する水流(渦流)の勢いにより、水が樹脂ペレット表面に付着した異物を除去することとなる。 また、樹脂ペレット同士の衝突により、樹脂ペレット表面に強固に付着した異物が、樹脂ペレット表面から除去されることとなる。
    なお、この工程で、樹脂ペレットに固着した異物は除去されるものの、樹脂ペレット自体は、研磨されることはない。 従って、本実施形態の洗浄装置4にて洗浄した樹脂ペレットは、洗浄前と、洗浄後の大きさ形状は同一であり、洗浄により形が崩れてしまうことはない。

    また、第一のスクリュー442を回転駆動させることで、水および樹脂ペレットは撹拌されながら、第一の筒体441内を上方から下方に移動することとなる。 そして、第一のスクリュー442先端に設けられた撹拌羽根443により水および樹脂ペレットが撹拌されながら、水および樹脂ペレットは第一の筒体441の排出口から排出されることとなる。
    なお、この洗浄工程において、第一の筒体441内に樹脂ペレットが滞在する時間は、たとえば、1分以内、好ましくは30秒以内、更には15秒以内であり、生産性を向上させたい場合は数秒でも可能である。 この洗浄工程では、樹脂ペレットは膨潤しない。

    次に、第一の筒体441の排出口から排出された水および樹脂ペレットは、遠心脱水部17の第二の筒体171内に供給され、前記実施形態と同様の工程を経て、洗浄装置4から排出されることとなる。
    そして、洗浄装置4から排出された樹脂ペレットを使用し、第一実施形態と同様の方法でフィルム(シート)を製造することができる。

    以上のような第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
    本実施形態では、第一のスクリュー442および撹拌羽根443により、撹拌を行い、渦流を発生させている。 そのため、樹脂ペレットが比較的大量にある場合にも、確実に渦流を発生させて、樹脂ペレットを確実に洗浄することができる。

    なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
    たとえば、前記実施形態では、洗浄装置1と押し出し成形機2とを直接接続し、洗浄装置1にて洗浄された樹脂ペレットをすぐに押し出し成形機2で加工するとしたが、これに限られるものではない。 樹脂ペレットを洗浄装置1にて洗浄した後、さらに乾燥機にて乾燥を行い、その後、押し出し成形を行いフィルム(シート)を成形してもよい。

    また、樹脂ペレットを製造した後、洗浄装置1にて洗浄し、樹脂ペレットを樹脂ペレットの製造プラント等から出荷してもよい。 樹脂製造プロセスで製造した樹脂ペレットを製造プラントから外部に運搬するため運搬用コンテナに充填する前(より詳細には、コンテナバッグに充填する前)に本発明の洗浄方法で洗浄してから充填する。 この充填方法により、製造プロセス系内に起因する異物は取り除かれ、運搬先の樹脂成形加工プロセスでフィッシュアイのないフィルム(シート)や表面にブツのない成形体を製造することができる。 このとき、樹脂ペレットは、重合プロセスで製造した(共)重合体(たとえば、高圧法重合プロセスで重合したエチレン系共重合体)であることが好ましい。

    また、前記実施形態では、押し出し成形機2にてフィルム(シート)を成形したが、これに限らず、溶融成形加工装置としての射出成形加工装置により成形体を成形してもよい。 さらに、溶融成形加工装置が、光学用フィルム(シート)用あるいは電線被覆材成形用のいずれかであってもよい。
    さらに、前記各実施形態の洗浄装置1(4)を、図5に示すように、樹脂ペレットの製造装置5に接続してもよい。 このとき、樹脂ペレットの製造装置5からは、樹脂ペレットの一部あるいは全部が洗浄装置1(4)に供給される。 洗浄装置1(4)で洗浄された樹脂ペレットの一部(場合によっては全部)は、分析装置6に供給される。 この分析装置6では、樹脂ペレットの特性を評価する。
    たとえば、分析装置6では、樹脂ペレットからフィルム(シート)を形成し、フィルム(シート)の物性(たとえば、光学特性)を測定する。
    分析装置6には、洗浄装置1(4)にて洗浄された樹脂ペレットが供給されるため、樹脂ペレット本来の特性を評価することが可能となる。

    次に、本発明の実施例について説明する。
    (実施例1)

    図3に示す装置を使用して、フィルムの成形を行った。
    図3の押し出し成形機2の動力源は3.7kwインバーターモーターであり、スクリューL/Dは24である。

    樹脂ペレットを樹脂ペレットの供給装置(図示略)から洗浄装置1を介して押し出し成形機2に供給し、押し出し成形機2によって、フィルムを成形した(工程1)。 ここでは、樹脂ペレットとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物(190℃、2160g荷重で測定したMFRが3g/10分)の粒径3mmを使用した。

    その後、樹脂ペレットの種類を変更し、図3に示す装置を使用し、押し出し成形機2によって、フィルムを成形した(工程2)。 樹脂ペレットとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物(190℃、2160g荷重で測定したMFRが10g/10分)の粒径3mmを使用した。

    ここで、工程2では、第一実施形態と同様の方法で、樹脂ペレットの洗浄を行った。 より詳細な条件は以下のようである。

    はじめに、樹脂ペレットを前述した樹脂ペレットの供給装置から洗浄装置1に供給した。 第一の筒体141内には、樹脂ペレットと、水とが供給された。
    このとき、樹脂ペレットの重量に対し、水の重量は50wt%とした。
    水は第一の筒体141内壁を螺旋状につたい、渦流が発生した。 そして、この渦流に樹脂ペレットが巻き込まれ、樹脂ペレットおよび水が撹拌された状態となりながら、第一の筒体141の排出口へ樹脂ペレットと水とが搬送された。
    次に、遠心脱水部17で脱水し、乾燥部18で樹脂ペレットの乾燥を行った。
    その後、押し出し成形機2にてフィルムを成形した。

    以上の工程1と、工程2とを繰りかえし、各工程にて複数枚のフィルムを得た。
    (比較例1)

    ここでは、洗浄装置1を使用せずに、フィルムの成形を行った。
    はじめに、樹脂ペレットを供給する供給装置と、実施例1と同様の押し出し成形機2とを接続して、押し出し成形機2により、フィルムを成形した。 ここでは、樹脂ペレットとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物(190℃、2160g荷重で測定したMFRが3g/10分)の粒径3mmを使用した(工程3)。

    次に、樹脂ペレットの種類を変更し、押し出し成形機2でフィルムを成形した。 樹脂ペレットとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物(190℃、2160g荷重で測定したMFRが10g/10分)の粒径3mmを使用した(工程4)。

    以上の工程3と、工程4とを繰りかえし、各工程にて複数枚のフィルムを得た。
    (評価)

    実施例1の工程2で得られた複数枚(58枚)のフィルムおよび比較例1の工程4で得られた複数枚(11枚)のフィルムのフィッシュアイの個数を測定した。
    ここで、直径0.2mm以上の大きさを有する異物をフィッシュアイとして測定した。

    フィッシュアイの測定には、以下のフィッシュアイカウンターを使用した。
    <フィッシュアイカウンター>
    FUTEC社製 計測使用:フィルム幅:100mm
    フィルム長さ:70〜90μm
    検出方法:CCDリニア アレイ イメージセンサ 結果を表1に示す。

    表1のフィッシュアイの個数は、実施例1の複数枚のフィルム、比較例1の複数枚のフィルムそれぞれのフィッシュアイの個数をカウントし、実施例1におけるフィッシュアイの個数の最大値と、最小値、平均値、比較例1におけるフィッシュアイの個数の最大値と最小値及び平均値とを示したものである。 また図6に実施例1のフィルム毎のフィッシュアイ個数、図7に比較例1のフィルム毎のフィッシュアイ個数を示した。
    この結果から、実施例1では、比較例1に比べて、フィッシュアイの発生が大幅に低減できていることがわかる。
    比較例1では、樹脂ペレットを供給する供給装置や、この供給装置と押し出し成形機2とを接続する配管等の中に、工程3で使用した樹脂ペレットや樹脂ペレットが崩れて発生したファイン(微粉)、配管中の錆び、樹脂ペレットの供給装置から押し出し成形機までの途中にある開口から混入した塵が残り、工程4で使用した樹脂ペレットに付着していると考えられる。 これにより、フィッシュアイが大量に発生したと考えられる。
    一方で、実施例1では、樹脂ペレットを供給する供給装置と、押し出し成形機2との間に洗浄装置1を設けている。 そのため、工程1で使用した樹脂ペレット等が供給装置や、配管等に残存し、工程2の樹脂ペレットに異物として付着しても、洗浄装置1で洗浄され、異物が除去されている。 これにより、フィッシュアイの発生を大幅に低減できたと考えられる。

    さらに、実施例1の工程2において、洗浄装置から排出された直後の樹脂ペレット中の水分量を計測した。 水分量は80ppm程度であり、洗浄前の樹脂ペレットの水分量と同程度であった。
    また、工程2で得られたフィルムには、樹脂ペレット中の水分が原因となるような気泡や、欠陥の発生がなかった。
    これにより、洗浄装置1による洗浄で、樹脂ペレットが膨潤していなかったことがわかる。

    さらに、工程2の洗浄前の樹脂ペレットと、洗浄後の樹脂ペレットの大きさ形状を目視及び顕微鏡で観察したところ、同じ大きさ形状であり、洗浄装置1による洗浄では、研磨されていないことがわかった。

    (実施例2)
    工程2の洗浄の際の水の量(第一の筒体141に供給される水の量)を樹脂ペレットの重量に対し、70wt%とした点以外は、実施例1と同様の方法で、図3に示した装置を使用してフィルムを成形した。
    使用した樹脂ペレットは実施例1と同様である。
    実施例1と同様に工程1と工程2とを繰り返し、各工程で複数枚のフィルムを得た。

    (実施例3)
    工程2の洗浄の際の水の量を樹脂ペレットの重量に対し、170wt%とした点以外は、実施例2と同じである。

    (比較例2)
    比較例1と同様の方法で、フィルムを成形し、工程3、工程4それぞれで、複数枚のフィルムを得た。

    (結果)
    実施例1および比較例1と同様の方法で、実施例2,3の工程2で得られた複数枚(実施例2は50枚、実施例3は50枚)のフィルム、比較例2の工程4で得られた複数枚(9枚)のフィルムのフィッシュアイの計測を行った。 結果を表2に示す。 表2のフィッシュアイの個数は、実施例2,3,比較例2における最大値と、最小値をしめしたものである。
    なお、比較例2は、比較例1と同様の条件でフィルムを製造したものであるが、工程4で得られたフィルムの枚数が異なるため、比較例1とは異なる結果となっている。

    これにより、実施例2、3では、比較例2に比べて、フィッシュアイの発生が大幅に低減できていることがわかった。

    また、実施例2と実施例3とを比較すると、実施例2の方がフィッシュアイの発生数が少ないことがわかる。

    また、本発明者が検討した結果、樹脂ペレットの重量に対し、水の量を80wt%以下とすることで、フィッシュアイの発生数を確実に低減でき、なかでも、70wt%以下とすることがより好ましいことがわかった。
    また、本発明者が上述した実施例1−3とは種類の異なる樹脂ペレット(具体的には低密度ポリエチレン又はエチレン・αオレフィン共重合体エラストマー)を使用して、実施例1、実施例2、実施例3それぞれと同様の方法で樹脂ペレットを洗浄し、フィルムを成形したところ、同様にフィッシュアイ低減の効果を得ることができた。

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