高いスウェル比を有するポリエチレン組成物

申请号 JP2015537297 申请日 2013-10-22 公开(公告)号 JP2015532349A 公开(公告)日 2015-11-09
申请人 バーゼル・ポリオレフィン・ゲーエムベーハー; 发明人 ヤコボス・ヴィットリアス; ジャンス・ウィーゼック; バーンド・ローター・マークジンク; ゲラルドゥス・マイヤー; ウルフ・シュラー; フォルカー・ドレ; ジョナス・フレドリッチ・エンダール; ディーター・リルゲ; バーバラ・ガール;
摘要 向上したスウェル比と機械的性質を有し、特にブロー成形品の製造に適したポリエチレン組成物で、以下の特徴を有する。1) 密度 0.945g/cm3以上、0.952g/cm3未満2)MIF/MIP比15〜303)せん断誘起結晶化指数(SIC)2.5〜5.5
权利要求

ポリエチレン組成物において、 1)23℃でISO 1183によって判定した密度が0.945g/cm3以上、0.952g/cm3未満、好ましくは0.948〜0.951g/cm3であり、 2)MIFは温度190℃、負荷21.60kgにおける溶融流動性指数であり、MIPは温度190℃、負荷5kgにおける溶融流動性指数であり、双方を共にISO 1133によって判定したとき、MIF/MIP比は15〜30、特に17〜29であり、 3)SIC指数が2.5〜5.5、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3.2〜3.9であり、 上記SIC指数は、式SIC Index=(tonset,SIC@1000×tonset,quiescent)/(HLMI)によって判定されるせん断誘起結晶化指数であり、 上記式において、tonset,SIC@1000は秒単位で測定された、1000s−1のせん断速度での結晶化の開始に要する時間を表し、tonset,quiescentは秒単位で測定された、温度125℃の無せん断状態での結晶化の開始に要する時間であり、示差走査熱量測定法の等温モードで判定され、HLMIは190℃、負荷21.6kgでISO 1133によって判定した溶融流動性指数であることを特徴とする、ポリエチレン組成物。1種以上のエチレン共重合体からなるか又はこれを含む、第1項に記載のポリエチレン組成物。1重量%以下の共単量体を含む、第2項に記載のポリエチレン組成物。上記エチレン共重合体内に存在する上記共単量体は、式CH2=CHRで表されるオレフィンから選択され、上記式においてRは1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルである、第2項又は第3項に記載のポリエチレン組成物。チーグラーナッタ重合触媒を用いて得られる、第1項又は第2項に記載のポリエチレン組成物。−250000g/mol以上、特に280000g/mol以上の分子量(Mw)、 −20〜30のMw/Mn、 −0.70以上、特に0.72以上の長鎖分岐指数、 −MIP:0.05〜0.5g/10min、 −MIF:1〜15g/10min のうちの少なくとも1つ以上の特徴を追加的に有する、第1項に記載のポリエチレン組成物。A)密度が0.960g/cm3以上であり、温度190℃、負荷2.16kgでISO 1133による溶融流動性指数MIEが10〜35g/10minであるエチレン単独重合体又はエチレン共重合体30〜50重量%、及び B)A)より低いMIE値、好ましくは0.5g/10min未満のMIE値を有するエチレン共重合体50〜70重量%を含む、第1項に記載のポリエチレン組成物。第1項に記載のポリエチレン組成物を含む、製品。ブロー成形された形態である、第8項に記載の製品。第1項に記載のポリエチレン組成物を製造する方法において、 全ての重合ステップは、MgCl2上に担持されたチーグラーナッタ重合触媒の存在下で行われる、製造方法。a)素の存在下で気相反応器内において必要に応じて1種以上の共単量体とともに、エチレンを重合するステップ、及び b)a)ステップより少ない量の水素の存在下で他の気相反応器内において、1種以上の共単量体とともにエチレンを共重合するステップを含み、順を追って、 上記気相反応器のうちの少なくとも1つにおいて、成長する重合体粒子は高速流動条件又は輸送条件下で第1重合領域を通過して上向きに流れ、上記上昇部から離れ第2重合領域に進入して重の作用下で上記第2重合領域を通過して下向きに流れ、上記第2重合領域から離れ上記第1重合領域に再導入されることにより、上記2つの重合領域の間の重合体の循環を成立させる、第10項に記載の方法。

ポリエチレン組成物において、 1)23℃でISO 1183によって判定した密度が0.945g/cm3以上、0.952g/cm3未満、好ましくは0.948〜0.951g/cm3であり、 2)MIFは温度190℃、負荷21.60kgにおける溶融流動性指数であり、MIPは温度190℃、負荷5kgにおける溶融流動性指数であり、双方を共にISO 1133によって判定したとき、MIF/MIP比は15〜30、特に17〜29であり、 3)SIC指数(SIC Index)が2.5〜5.5、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3.2〜3.9であり、 上記SIC指数は、式SIC Index=(tonset,SIC@1000×tonset,quiescent)/(HLMI)によって判定されるせん断誘起結晶化指数であり、 上記式において、tonset,SIC@1000は秒単位で測定された、1000s−1のせん断速度での結晶化の開始に要する時間を表し、tonset,quiescentは秒単位で測定された、温度125℃の無せん断状態での結晶化の開始に要する時間であり、示差走査熱量測定法の等温モードで判定され、HLMIは190℃、負荷21.6kgでISO 1133によって判定した溶融流動性指数であることを特徴とする、ポリエチレン組成物。ポリエチレン組成物において、 1)23℃でISO 1183によって判定した密度が0.945〜0.952g/cm3、好ましくは0.948〜0.951g/cm3であり、 2)MIFは温度190℃、負荷21.60kgにおける溶融流動性指数であり、MIPは温度190℃、負荷5kgにおける溶融流動性指数であり、双方を共にISO 1133によって判定したとき、MIF/MIP比は15〜30、特に17〜29であり、 上記組成物は、 a)水素の存在下で気相反応器内において必要に応じて1種以上の共単量体とともに、エチレンを重合するステップ、及び b)a)ステップより少ない量の水素の存在下で他の気相反応器内において、1種以上の共単量体とともにエチレンを共重合するステップを順次行う重合方法によって得ることができ、 上記気相反応器のうちの少なくとも1つにおいて、成長する重合体粒子は高速流動条件又は輸送条件下で第1重合領域を通過して上向きに流れ、上記上昇部から離れ第2重合領域に進入して重力の作用下で上記第2重合領域を通過して下向きに流れ、上記第2重合領域から離れ上記第1重合領域に再導入されることにより、上記2つの重合領域の間の重合体の循環を成立させ、上記重合ステップは全てMgCl2上に担持されたチーグラーナッタ重合触媒の存在下で行われ、 i)上記重合ステップa)において、密度が0.960g/cm3以上であり、温度190℃、負荷2.16kgでISO 1133による溶融流動性指数MIEが10〜35g/10minであるエチレン単独重合体又はエチレン共重合体A)30〜50重量%が重合され、 ii)上記重合ステップb)において、A)より低いMIE値、好ましくは0.5g/10min未満のMIE値を有するエチレン共重合体B)50〜70重量%が重合されることを特徴とする、ポリエチレン組成物。1種以上のエチレン共重合体からなるか又はこれを含む、第1項又は第2項に記載のポリエチレン組成物。1重量%以下の共単量体を含む、第3項に記載のポリエチレン組成物。上記エチレン共重合体内に存在する上記共単量体は、式CH2=CHRで表されるオレフィンから選択され、上記式においてRは1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルである、第3項又は第4項に記載のポリエチレン組成物。チーグラーナッタ重合触媒を用いて得られる、第1項に記載のポリエチレン組成物。−250000g/mol以上、特に280000g/mol以上の分子量(Mw)、 −20〜30のMw/Mn、 −0.70以上、特に0.72以上の長鎖分岐指数、 −MIP:0.05〜0.5g/10min、 −MIF:1〜15g/10min のうちの少なくとも1つ以上の特徴をさらに有する、第1項又は第2項に記載のポリエチレン組成物。A)密度が0.960g/cm3以上であり、温度190℃、負荷2.16kgでISO 1133による溶融流動性指数MIEが10〜35g/10minであるエチレン単独重合体又はエチレン共重合体30〜50重量%、及び B)A)より低いMIE値、好ましくは0.5g/10min未満のMIE値を有するエチレン共重合体50〜70重量%を含む、第1項に記載のポリエチレン組成物。第1項又は第2項に記載のポリエチレン組成物を含む、製品。ブロー成形された形態である、第9項に記載の製品。第1項に記載のポリエチレン組成物を製造する方法において、 全ての重合ステップは、MgCl2上に担持されたチーグラーナッタ重合触媒の存在下で行われる、製造方法。a)水素の存在下で気相反応器内において必要に応じて1種以上の共単量体とともに、エチレンを重合するステップ、及び b)a)ステップより少ない量の水素の存在下で他の気相反応器内において、1種以上の共単量体とともにエチレンを共重合するステップを含み、順を追って、 上記気相反応器のうちの少なくとも1つにおいて、成長する重合体粒子は高速流動条件又は輸送条件下で第1重合領域を通過して上向きに流れ、上記上昇部から離れ第2重合領域に進入して重力の作用下で上記第2重合領域を通過して下向きに流れ、上記第2重合領域から離れ上記第1重合領域に再導入されることにより、上記2つの重合領域の間の重合体の循環を成立させる、第11項に記載の方法。

说明书全文

本発明は、様々な種類の成形品の製造に適したポリエチレン組成物を提供する。具体的には、優れた加工性、高いダイスウェル比、高品質の表面、最終製品の寸法安定性、環境応亀裂抵抗(FNCT)及び衝撃抵抗により、本組成物はドラム、容器、ガソリン用貯蔵タンク等の中空の押出ブロー成形の作製に適する。

本発明はまた、上記ポリエチレン組成物を製造する多段階重合方法に関する。

本発明のポリエチレン組成物はさらに、非常に高いせん断速度で溶融加工が可能であるという重要な利点を有する。すなわち、加工補助手段がなくても、一般的に成形品に致命的な欠陥(例:シャークスキンやメルトフラクチャー)をもたらす流動不安定を起こすことなく、加工速度の向上及び/又は溶融加工温度の低下を達成できる。

さらに、本組成物の優れた加工性に決定的に寄与する高速結晶化動力学は、成形品の収縮率を著しく低減させ、その結果、驚くべきほどの寸法安定性を達成できるようになる。

したがって、本発明の組成物は、同様の用途の従来のポリエチレン組成物、特にUS6201078に開示された組成物に比べて機械的性質と加工性に優れたバランスを有する。

実際に、US6201078に開示された重合体は、実施例に表されるように、相対的に低いバランスのスウェル比と環境応力亀裂抵抗を有する。

上記特許においては、高度の衝撃抵抗を達成するとともに流動不安定を低減させ、寸法安定性を向上(収縮率低減)させるという問題についての言及がない。

したがって、本発明のポリエチレン組成物は以下のような特徴を有する。 1)23℃でISO 1183によって判定した密度が0.945〜0.952g/cm3、好ましくは0.948〜0.951g/cm3であり、 2)MIFは温度190℃、負荷21.60kgにおける溶融流動性指数であり、MIPは温度190℃、負荷5kgにおける溶融流動性指数であり、双方を共にISO 1133によって判定したとき、MIF/MIP比は15〜30、特に17〜29であり、 3)SIC指数が2.5〜5.5、好ましくは2.5〜4.5、より好ましくは3.2〜3.9であり、 上記SIC指数は、式SIC Index=(tonset,SIC@1000×tonset,quiescent)/(HLMI)によって判定されるせん断誘起結晶化指数であり、 上記式において、tonset,SIC@1000は秒単位で測定された、1000s−1のせん断速度での結晶化の開始に要する時間を表し、tonset,quiescentは秒単位で測定された、温度125℃の無せん断状態での結晶化の開始に要する時間であり、示差走査熱量測定法(DSC)の等温モードで判定され、HLMIは190℃、負荷21.6kgでISO 1133によって判定した溶融流動性指数である。

本発明の特徴、様態及び利点は、後述する詳細な説明及び請求の範囲、添付図面を参照することにより一層正確に理解されるであろう。

図面は、本明細書に開示されているエチレン重合方法の各実施形態によって使用するのに適した2つの直列連結気相反応器において、本明細書に開示されたポリエチレン組成物の各実施形態を生産する工程を簡略化したフローチャートの具体的な例示である。

なお、各実施形態は図面に示した配置及び手段に限定されるものではない。

「ポリエチレン組成物」という表現は、単一エチレン重合体及びエチレン重合体組成物の両方を全て包含し、特に「二峰性」又は「多峰性」重合体とも呼ばれる関連技術の組成物のように、好ましくは異なる分子量を有する2種以上のエチレン重合体成分からなる組成物を包含する。

一般的に、本発明のポリエチレン組成物は1種以上のエチレン共重合体からなるか、又はこれを含む。

上述の特徴1)〜3)を含む本明細書で定義する全ての特徴は、上記のエチレン重合体又はエチレン重合体組成物を指すものである。当該分野でよく用いられる添加剤のような他の成分を添加することにより、上述の特徴のうちの1つ以上を変更することができる。

MIF/MIP比は分子量分布のレオロジー測定値を表す。

分子量分布の測定値は、Mw/Mn比でも表すことができる。ここでMwは重量平均モル質量、Mnは数平均モル質量を示し、共に実施例にて説明しているGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定する。

本発明のポリエチレン組成物において好ましいMn/Mn値は20〜30の範囲である。

さらに、本発明のポリエチレン組成物は以下の追加的な特徴の少なくとも1つを有することが好ましい。 −250000g/mol以上、より好ましくは280000g/mol以上、特に300000g/mol以上の分子量(Mw) −0.70以上、より好ましくは0.72以上、特に0.78以上の長鎖分岐指数(LCB) −MIP:0.05〜0.5g/10min −MIF:1〜15g/10min −組成物の総重量に対して1重量%以下、特に0.05〜1重量%の共単量体含有量

エチレン共重合体内に存在する共単量体は、一般的に式CH2=CHRで表されるオレフィンから選択される。上記式においてRは1〜10個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖のアルキルラジカルである。

具体的な例としては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1が挙げられる。特に好ましい共単量体はヘキセン−1である。

特に、好ましい実施例において、本組成物は下記の成分を含む。 A)密度が0.960g/cm3以上であり、溶融流動性指数MIE(温度190℃、負荷2.16kgでISO 1133による)が10〜35g/10minであるエチレン単独重合体又はエチレン共重合体(単独重合体が好ましい)30〜50重量% B)A)より低いMIE値、好ましくは0.5g/10min未満のMIE値を有するエチレン共重合体50〜70重量% 上述の百分率値はA)+B)の総重量に対して決定される。 B)における共単量体の量は、B)の総重量に対して0.1〜2重量%であることが好ましい。

上述のように、当該ポリエチレン組成物は、その優れた機械的性質により、中空の押出ブロー成形品、特に頂部開口型ドラム(OTD)、工業用バルクコンテナ(IBC)のような大型ブロー成形品の製造に有用に用いることができる。

当該製品は実際には下記の性質を有することが好ましい。 −4Mpa、80℃で測定したFNCTが10時間以上、より好ましくは100時間以上、特に150時間以上 −ノッチ引張衝撃強さ(−30℃)が100kJ/m2以上 −シャークスキンに対する臨界せん断速度(190℃)が250s−1以上 −ダイスウェル比が150%以上 −1500s−1(190℃)における収縮率が17%以下

試験方法の詳細については実施例にて説明している。

特に、シャークスキン試験(シャークスキンに対する臨界せん断速度)を通じて、圧力振動によって流動不安定が開始する地点のせん断速度、溶融加工条件、押出片表面の凹凸が目視で確認される地点の押出処理量が分かる。上記凹凸は表面の光沢と滑らかさを著しく低減させ、それにより押出製品の品質も使用不可能なレベルまで低下することとなる。

上述のように、本発明のポリエチレン組成物は、圧力振動及び流動不安定をもたらすことなく、非常に高いせん断速度での溶融加工が可能である。

用いられる重合方法と触媒の種類には原則的に制限がないが、本発明のポリエチレン組成物はチーグラーナッタ触媒の存在下における気相重合方法で製造することができることが明らかになった。

チーグラーナッタ触媒は、元素周期表の第1族、第2族又は第13族の有機金属化合物と元素周期表の第4族〜第10族の遷移金属化合物(新表記法による)との反応による生成物を含む。具体的には、遷移金属化合物はTi、V、Zr、Cr及びHfの化合物の中から選択でき、MgCl2に担持されることが好ましい。

特に好ましい触媒は、上述の元素周期表の第1族、第2族又は第13族の有機金属化合物と、MgCl2に担持された電子供与体化合物(ED)及びTi化合物を含む固体触媒成分との反応による生成物を含む。 好ましい有機金属化合物は有機アルミニウム化合物である。

したがって、好ましい実施例において、本発明のポリエチレン組成物は、チーグラーナッタ重合触媒、より好ましくはMgCl2に担持されたチーグラーナッタ触媒、さらに好ましくは、 a)MgCl2に担持された電子供与体化合物(ED)及びTi化合物を含む固体触媒成分、 b)有機アルミニウム化合物、及び必要に応じて c)外部電子供与体化合物EDext の反応による生成物を含むチーグラーナッタ触媒を用いて得られる。 成分a)において、ED/Tiのモル比は1.5〜3.5の範囲であり、Mg/Tiのモル比は5.5を超え、具体的には6〜80の範囲であることが好ましい。

好適なチタン化合物としては、テトラハライド又は、式TiXn(OR1)4−nで表される化合物が挙げられる。上記式において、0≦n≦3であり、Xはハロゲンであって、好ましくは塩素であり、R1はC1−C10の炭化素基である。四塩化チタンが好ましい化合物である。

ED化合物は、一般的にアルコール、ケトン、アミン、アミド、ニトリル、アルコキシシラン、脂肪族エーテル、脂肪族カルボン酸のエステルから選択される。

ED化合物は、アミド、エステル、アルコキシシランの中から選択されることが好ましい。

特に好ましいED化合物であるエステルを用いることにより優れた結果物を得ることができた。エステルの具体例としては、C1−C20の脂肪族カルボン酸のアルキルエステル、特に脂肪族モノカルボン酸、例えば酢酸エチル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、i−酢酸プロピル、n−酢酸ブチル、i−酢酸ブチル等のC1−C8のアルキルエステルが挙げられる。また、脂肪族エーテル、特にC2−C20の脂肪族エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)やジオキサンも好ましい。

上記固体触媒成分において、基本となる担持体はMgCl2であるが、少量の追加的な担体を用いても良い。MgCl2は、ハロゲン化化合物との反応によってMgCl2に変換される前駆体に該当するMg化合物を用いたり、当該化合物から得ることができる。チーグラーナッタ触媒の担持体としては、特許文献で広く知られている活性型MgCl2を用いることが特に好ましい。USP4,298,718及びUSP4,495,338は、チーグラーナッタ触媒反応において上記化合物の使用を言及した最初の特許である。これらの特許によると、オレフィン重合用触媒の成分の中で担持体又は共担持体として用いられる活性型二ハロゲン化マグネシウムはX線スペクトルにおいてASTMカードによる非活性ハロゲン化物のスペクトルに表される最も高強度の回折線の強度が減少しながら広がるという特徴が見られる。好ましい活性型二ハロゲン化マグネシウムのX線スペクトルにおいて、最も高強度の回折線は強度を失い、最大強度が最も高強度の回折線の度に対してさらに低い角度に向かうハロに代替される。

本発明のポリエチレン組成物の製造に特に適した触媒は、必要に応じて非活性媒体の存在下でチタン化合物とMgCl2、又は前駆体Mg化合物の最初の接触によってMgCl2に担持されたチタン化合物を含有する中間生成物a’)を生成し、必要に応じて非活性媒体の存在下で中間生成物a’)を反応混合物自体に添加されるか或いは他の成分との混合物(ED化合物が主成分である)に存在するED化合物と接触させて得た固体触媒成分a)を含む触媒である。

上述の「主成分」とは、接触混合に用いられる非活性溶媒又は希釈剤を除いたそれ以外の成分に対してED化合物がモル量の観点で主成分でなければならないということを意味する。ED処理された生成物は、その後適切な溶媒で洗浄して最終生成物を回収しても良い。必要な場合、ED化合物による処理を1回以上繰り返して行っても良い。

上述のように、MgCl2の前駆体を必須的な出発Mg化合物として用いることができる。これは例えば式MgR’2で表されるMg化合物の中から選択可能である。上記式において、R’基は独立的に、置換されていてもよいC1−C20の炭化水素基、OR基、OCOR基、塩素であり、Rは置換されていてもよいC1−C20の炭化水素基である。但し、R’基は同時に塩素にはならない。前駆体として好適な物質には、MgCl2と好適なルイス塩基とのルイス付加体が挙げられる。好ましい特定部類はMgCl2(R”OH)m付加体から構成され、R”基はC1−C20の炭化水素基、好ましくはC1−C10のアルキル基であり、mは0.1〜6、好ましくは0.5〜3、より好ましくは0.5〜2である。上記の種類の付加体は、一般的には付加体に混合されない非活性炭化水素の存在下でアルコールとMgCl2を混合し、付加体の融点(100〜130℃)で攪拌条件下で操作して得ることができる。続いて、エマルジョンを急速冷却して付加体が球状粒子の形態に固化されるようにする。上記球状粒子を製造する代表的な方法は、例えばUSP4,469,648、USP4,399,054及びWO98/44009に報告されている。それ以外の球状化の方法としては、例えばUSP5,100,849及びUSP4,829,034に説明されているスプレー冷却法が挙げられる。

特に興味深いものはMgCl2・(EtOH)m付加体であって、ここでmは0.15〜1.7の値であり、アルコール含有量をさらに高めた付加体に対し、50〜150℃の温度で窒素流にて高熱脱アルコール方法をアルコール含有量が上述の値に低減するまで行う。上述の種類の方法はEP395083を参照できる。

脱アルコールは、アルコール基と反応可能な化合物に付加体を接触させて化学的に行っても良い。

また、一般的に、このような脱アルコール化付加体は、半径最大0.1μmの気孔による気孔率(水銀法で測定する)が0.15〜2.5cm3/g、好ましくは0.25〜1.5cm3/gであるという特徴を有する。

脱アルコール反応は、チタン化合物を用いる反応ステップと同時に行うことが好ましい。したがって、これらの付加体は、好ましくは四塩化チタンである上述のTiXn(OR1)4−n化合物(又はその混合物)と反応することとなる。Ti化合物との反応は、付加体をTiCl4(一般的に低温)内に懸濁させることにより発生する。混合物を80〜130℃の範囲の温度まで加熱し、同じ温度で0.5〜2時間保持する。チタン化合物による処理は1回以上行っても良く、2回繰り返して行うことが好ましく、上述の電子供与体化合物の存在下で行っても良い。過程の最後に通常の方法(液体の沈澱及び除去、ろ過、遠心分離等)を通じて懸濁液を分離し、固体を回収して溶媒で洗浄できる。洗浄は典型的に非活性炭化水素溶液で行うが、ハロゲン化炭化水素等のようなより極性の溶媒(例えば、誘電率がさらに高い溶媒)を用いても良い。

上述のように、有効量の供与体を固体に固定させることができる条件下で中間生成物をED化合物と接触させる。この方法の用途は様々であり、供与体の使用量の範囲も非常に広い。例えば、中間生成物においてTi含有量に対するモル比が0.5〜20、好ましくは1〜10になるように使用量を調節することができる。必須条件ではないが、接触は通常液状炭化水素のような液状媒体内で行われる。接触を行う温度は試薬の性質によって非常に様々に変化するが、一般的に−10〜150℃の範囲であり、好ましくは0〜120℃の範囲である。一般的に適切な範囲内の温度であっても、特定試薬の分解又は劣化をもたらす温度は避けるべきである。処理時間も試薬の性質、温度、濃度等の他の条件によって様々に変わることができる。一般的には当該接触ステップは10分から10時間にわたり、0.5〜5時間にわたる場合が多い。必要な場合、最終供与体の含有量をさらに増やすために当該ステップを1回以上繰り返して行っても良い。当該ステップの最後に、通常の方法(液体の沈澱及び除去、ろ過、遠心分離等)を通じて懸濁液を分離し、固体を回収して溶媒で洗浄できる。洗浄は典型的に非活性炭化水素溶液で行うが、ハロゲン化炭化水素等のようなより極性の溶媒(例えば、誘電率がさらに高い溶媒)を用いても良い。

上述のように、上記固体触媒成分は、当該成分を周知の方法によって元素周期表の第1族、第2族又は第13族の有機金属化合物、特にアルキルアルミニウム化合物と反応させることによりオレフィン重合用触媒に変換される。

アルキルアルミニウム化合物は、トリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムの中から選択されることが好ましい。AlEt2Cl及びAl2Et3Cl3等のハロゲン化アルキルアルミニウム、水素化アルキルアルミニウム又はアルキルアルミニウムセスキクロリドを、必要に応じて上記トリアルキルアルミニウム化合物と混合して用いても良い。

上記チーグラーナッタ触媒の製造のために必要に応じて用いられる外部電子供与体化合物EDextは、固体触媒成分a)に用いられるEDと同一であっても異なっていても良く、エーテル、エステル、アミン、ケトン、ニトリル、シラン及びこれらの混合物からなる群より選択されることが好ましい。特にC2−C20の脂肪族エーテルから選択されることができ、特にテトラヒドロフラン又はジオキサン等、好ましくは炭素原子3〜5個の環状エーテルであることが有利である。

上述のチーグラーナッタ触媒及び製造方法の具体例は、WO2004106388に記載されている。但し、当該特許が説明しているTi化合物と電子供与体化合物ED(固体触媒成分a))を含有する固体触媒成分の半重合は本発明による好ましい実施形態には含まれていない。

具体的には、本発明のポリエチレン組成物は全ての重合ステップが上記触媒の存在下で行われる方法を通じて取得可能である。

実際に、上述の重合用触媒を用いることにより、本発明のポリエチレン組成物は、 a)水素の存在下で気相反応器内において必要に応じて1種以上の共単量体とともに、エチレンを重合するステップ、及び b)a)ステップより少ない量の水素の存在下で他の気相反応器内において、1種以上の共単量体とともにエチレンを共重合するステップを順次行う方法で製造することができる。上記気相反応器のうちの少なくとも1つにおいて、成長する重合体粒子は高速流動条件又は輸送条件下で第1重合領域(上昇部)を通過して上向きに流れ、上記上昇部から離れ第2重合領域に進入して重力の作用下で上記第2重合領域(下降部)を通過して下向きに流れ、上記下降部から離れ上記上昇部に再導入されることにより、上記2つの重合領域の間の重合体の循環を成立させる。

第1重合領域(上昇部)において、高速流動条件は1種以上のオレフィン(エチレン及び共単量体)を含む気体混合物を重合体粒子の輸送速度よりも速い速度で供給することにより成立される。上記気体混合物の速度は0.5〜15m/sの範囲が好ましく、0.8〜5m/sの範囲がより好ましい。「輸送速度」及び「高速流動条件」は当該分野における周知の概念であり、正確な定義については、例えばD. Geldart, Gas Fluidisation Technology, page 155 et seq., J. Wiley & Sons Ltd., 1986を参照できる。

第2重合領域(下降部)において、重合体粒子は重力の作用下で高密度形態で下向きに流れ、その結果、固体の密度値(反応器の体積当たりの重合体質量)が高くなり、重合体のかさ密度に到逹することとなる。

換言すれば、重合体は下降部を通過してプラグ流(密集流動モード)内で垂直に流下する。その結果、極少量の気体のみが重合体粒子に伴うこととなる。

このような方法により、ステップb)から得られるエチレン共重合体よりも分子量が低いエチレン重合体をステップa)から得ることができる。

相対的に低分子量のエチレン重合体(ステップa)を生成するエチレン重合は、相対的に高分子量のエチレン共重合体(ステップb)を生成するエチレンと共単量体の共重合よりも上流側で行うことが好ましい。そのために、ステップa)からエチレン、水素及び非活性気体を含む気体混合物を第1気相反応器、好ましくは気相流動床反応器に供給する。上述のチーグラーナッタ触媒の存在下で重合を行う。第1気相反応器には共単量体を供給せずに、高結晶化エチレン単独重合体をステップa)で取得することが好ましい。しかし、ステップa)における共重合の程度が、ステップa)で取得されるエチレン重合体の密度が0.960g/cm3以上のレベルに限定されている場合は、極少量の共単量体を供給しても良い。

水素の供給量は、特定の触媒の使用の有無によって変化する。但し如何なる場合でもステップa)で得られるエチレン重合体の溶融流動性指数MIEは、10〜35g/10minとならなければならない。上記範囲のMIEを得るため、ステップa)で水素/エチレンのモル比を0.5〜2に調整する。エチレン単量体の量は、重合反応器に存在する気体の総体積を基準として5〜50体積%、好ましくは5〜30体積%である。供給混合物の残りの部分は、存在するのであれば、非活性気体及び1種以上の共単量体からなる。重合反応で生成される熱を消散させる非活性気体は、窒素又は飽和炭化水素から選択され、プロパンが最も好ましい。

ステップa)において、反応器内の操作温度は50〜120℃の範囲から選択され、好ましくは65〜100℃の範囲から選択される。操作圧力は0.5〜10MPa、好ましくは2.0〜3.5MPaである。

好ましい実施形態において、ステップa)で取得したエチレン重合体は、全方法、すなわち直列連結された第1及び第2反応器で生成されたエチレン重合体の総重量の30〜50%を占める。

ステップa)から出たエチレン重合体と同伴気体は、第1重合反応器から出た気体混合物がステップb)の反応器(第2重合反応器)に導入されることを防止するために、固体/気体分離ステップが行われる。上記気体混合物は第1重合反応器に再循環され、分離されたエチレン重合体はステップb)の反応器に供給される。第2反応器に重合体を導入する適切な供給点は、固体濃度が特に低い下降部と上昇部の連結部位に位置するため、流動条件に悪影響を与えない。

ステップb)の操作温度は65〜95℃の範囲であり、圧力は1.5〜4.0MPaの範囲である。第2気相反応器はエチレンと1種以上の共単量体とを共重合して相対的に高分子量のエチレン共重合体を生成することを目的とする。さらには、最終的なエチレン重合体の分子量分布を広げるため、上昇部と下降部内において単量体の条件と水素濃度が異なるようにステップb)の反応器を操作しても良い。

上記の目的のために、ステップb)で重合体粒子を伴い上昇部から出た気体混合物の一部又は全部が下降部に進入することを防止し、2つの異なる気体組成物領域を形成する。これは下降部の適切な地点、好ましくは上部に位置するラインを通じて下降部の内部に気体及び/又は液体混合物を供給することにより達成できる。上記気体及び/又は液体混合物は、上昇部内に存在する気体混合物とは異なるものの好適な組成を有していなければならない。上記気体及び/又は液体混合物の流れを調整して、重合体粒子流に対向する気体上昇流を特に頂部に生成することにより、重合体粒子に伴う気体混合物が上昇部から進入できないようにする遮断流とする。具体的には、水素含有量が低い混合物を供給して下降部内の高分子量重合体の留分を生成することが好ましい。ステップb)の下降部に1種以上の共単量体を、必要に応じてエチレン、プロパン又は他の非活性気体とともに供給しても良い。

ステップb)の下降部における水素/エチレンのモル比は0.005〜0.2の範囲である。下降部内に存在する気体の総体積を基準にしたとき、エチレン濃度は1〜20体積%、好ましくは3〜10体積%、共単量体濃度は0.2〜1体積%である。残りはプロパン又は類似の非活性気体である。下降部内に存在する水素のモル濃度が極めて低いため、本発明の方法を行うことにより相対的に多量の共単量体を高分子量のポリエチレン留分に結合させることが可能になる。

下降部から出た重合体粒子はステップb)の上昇部に再導入される。

重合体粒子が引き続き反応し、共単量体はそれ以上上昇部に供給されないので、上記共単量体の濃度は上昇部に存在する気体の総体積を基準として0.1〜0.5体積%にまで低下する。実際には、最終的なポリエチレンの密度が所望の値になるように共単量体の含有量を調整する。ステップb)の上昇部において、水素/エチレンのモル比は0.05〜0.3の範囲であり、エチレン濃度は上昇部に存在する気体の総体積を基準として5〜15体積%の範囲である。残りはプロパン又はそれ以外の非活性気体である。

上述の重合方法に関するより詳細な事項はWO9412568を参照できる。

以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。

別途の記載がない限り、後述する試験方法は明細書及び実施例に報告されている性質を判定するために用いられる。

密度 23℃でISO 1183によって判定

分子量分布判定 モル質量分布及び平均Mn、Mw及びそれから得られるMw/Mnを2003年発刊のSIO 16014−1、16014−2,16014−4に記載されている方法を用いて高温ゲル浸透クロマトグラフィーで判定した。上述のISO標準による仕様は以下の通りである。溶媒:1,2,4−卜リクロロベンゼン(TCB)、装置及び溶液の温度:135℃、濃度検出器:PolymerChar(Valencia, Paterna 46980, スペイン)のIR−4赤外線検出器(TCBとともに使用可能)。直列に連結した前置カラムSHODEX UT−Gと、分離カラムSHODEX UT 806M(3x)及びSHODEX UT 807(Showa Denko Europe GmbH, Konrad−Zuse−Platz 4, 81829 Muenchen, ドイツ)を備えたWATERSのAlliance 2000を用いた。溶媒は窒素下で真空蒸留し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール0.025重量%で安定させた。流量は1ml/min、注入量は500μl、重合体濃度は0.01%w/w<濃度<0.05%w/wの範囲であった。Polymer Laboratories(現Agilent Technologies, Herrenberger Str. 130, 71034 Boeblingen、 ドイツ)の単分散ポリスチレン(PS)標準を用い、ヘキサデカンをさらに用いて分子量を580g/molから最大11600000g/molの範囲内で成立した。続いて、較正曲線をユニバーサルキャリブレーション法(Benoit H., Rempp P. and Grubisic Z., & in J. Polymer Sci., Phys. Ed., 5, 753(1967))によってポリエチレン(PE)に適用した。ここで用いたMark−Houwingパラメータは、PS:kPS=0.000121dl/g、αPS=0.706、PE:kPE=0.000406dl/g、αPE=0.725であり、温度135℃、TCBで有効である。データの記録、較正及び算出には、それぞれNTGPC_Control_V6.02.03及びNTGPC_V6.4.24(hsGmbH,Hauptstrasse 36, D−55437 Ober−Hilbersheim、 ドイツ)を用いて行われた。

せん断誘起結晶化試験 本方法は、重合体のせん断誘起結晶化(SIC)の開始時間tonset,SICの判定に用いられる。サンプルを210℃で4分間、実験室のプレスで200バールの圧力下で1mm厚さの平板になるまで溶融圧着した。円盤状の試料を半径25mmの大きさに切り出した。サンプルを平板振動せん断レオメータに入れた。AntonPaar社のPhysica MCR 301回転式レオメータを用いた。

サンプルをテストジオメトリ内で190℃の温度で4分間溶融し、〜10K/minの速度で試験温度T=125℃まで冷却した後、5分間アニールした。その結果、一定のせん断速度下での定常せん断を適用し、時間関数でせん断粘性をモニターした。各時間ごとに0.05〜0.5s−1の範囲の異なるせん断速度を適用しながら実験を繰り返した。SICの開始時間tonset,SICは、粘性が定常状態値η@125℃の50%に増加する時点を示す。定常状態値は、特定温度における定常せん断溶融粘性の平均値である。

tonset,SICのログ値とせん断速度のログ値の対比プロットは、せん断速度1000s−1(方法関連)に外挿されてtonset,SIC@1000の値を判定する線形関数(y=Ax+Bの形態)を提供する。

SIC指数は以下の関係式によって算出される。 SIC Index=(tonset,SIC@1000×tonset,quiescent)/(HLMI)

tonset,quiescent(秒単位)は、温度125℃の静止条件、すなわち無せん断状態における結晶化の開始時間であり、後述の示差走査熱量測定装置(DSC)の等温モードで測定される。

HLMIは、温度T=190℃、負荷21.60kgでISO 1133によって測定した溶融流動性指数(g/10min)である。

同様の手順について次の文書を参照できる。 −I. Vittorias, Correlation among structure, processing and product properties, Wurzburger Tage 2010, Wolfgang Kunze TA Instruments, ドイツ −Wo DL, Tanner RI(2010), The impact of blue organic and inorganic pigments on the crystallization and rheological properties of isotactic polypropylene, Rheol. Acta 49, 75 −Derakhshandeh M., Hatzikiriakos S. G., Flow−induced crystallization of high−density polyethylene: the effects of shear and uniaxial extension, Rheol. Acta, 51, 315−327, 2012.

等温DSC 125℃で変形が適用されない開始時間tonset,quiescentを、iso−DSC(等温示差走査熱測量)法で判定する。TA社のQ2000 DSCを用いて125℃で測定し、tonset,quiescentを市販のソフトウェアのTA Universal Analysis 2000で判定する。サンプルの準備及び設定は、DIN EN ISO 11357−1:2009及びISO 11357−3:1999によることとする。

溶融流動指数 温度190℃で特定の負荷下でISO 1133によって判定する。

長鎖分岐指数(LCB) LCB指数は、分子量106g/molに対して測定した分岐数g’に対応する。高分子量における長鎖分岐の程度を判定することができる分岐数g’を、多角度レーザー散乱検出器(MALLS)と結合したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で以下のように測定した。パラメータg’は、重合体の断面回転平均二乗半径と、同じ分子量を有する線形重合体の断面回転平均二乗半径の比率である。線形分子はg’が1であり、1未満の値はLCBが存在することを示す。分子量Mによるg’の値は以下の式で算出される。 g’(M)=

2>

sample,M/

2>

linear ref.,M ここで

2>、Mは、分子量Mの留分に対する断面回転二乗平均平方根である。

GPCから溶出された(上述した通りであるが、但し流量は0.6ml/minでありカラムは30μm粒子で過密状態)各留分に対する断面回転半径を互いに異なる角度で光散乱を分析して測定する。したがって、上記MALLSの設定より分子量Mと

2>

sample,Mを判定して、M=10

6g/molであるときのg’を定義することができる。

2>

linear ref.,Mは、溶液内の線形重合体の分子量と断面回転半径の間に成立する関係を通じて算出し(Zimm and Stockmayer WH 1949)、上述と同じ装置及び方法論を参照して線形PEを測定することにより確定する。

同様の手順について次の文書を参照できる。 Zimm BH, Stockmayer WH(1949) The dimensions of chain molecules containing branches and rings. J Chem Phys 17 Rubinstein M., Colby RH.(2003), Polymer Physics, Oxford University Press

共単量体含有量 共単量体含有量は、Bruker社のFT−IR分光計Tensor 27を用いてASTM D 6248 98に基づきIRにより判定し、共単量体であるブテン又はヘキセンに対し、それぞれPE内のエチル側鎖又はブチル側鎖を判定する計量化学モデルで較正した。

スウェル比 研究対象重合体のスウェル比は、市販の30/2/2/20ダイ(全長30mm、有効長さ2mm、半径2mm、L/D=2/2、入口角20°)と 押出ストランドの厚さを測定する光学装置(Gottfert社のレーザーダイオード)を備えた毛細管レオメータであるGottfert Rheotester 2000及びRheograph 25を用いて、温度190℃で測定する。サンプルを毛細管バレル内で温度190℃で6分間溶解し、1440s−1のダイで結果的せん断速度に対応するピストン速度で押出する。押出物を(Gottfert社の自動カット装置により)ピストンがダイ入口から96mm離れた位置に到逹した瞬間にダイ出口から150mm離れたところでカットする。押出物の半径を時間に応じてダイ出口から78mm離れた位置からレーザーダイオードで測定する。最大値はDextrudateに対応する。スウェル比を式SR=(Dextrudate−Ddie)100%/Ddieにより判定する。上記式でDdieはレーザーダイオードで測定した、ダイ出口における対応半径である。

収縮率@1500s−1(実験室内収縮試験) 本方法は、溶融押出後のポリエチレンの最終生成物の収縮率、換言すれば品質上の寸法安定性を判定するためのものである。本方法は粒状均一PEに特に適する。粉末サンプルは、安定及び溶融均一化(実験用可塑剤混合器kneaderを通常使用)を行った後に測定が可能である。但し、後者の場合、サンプルは押出物内の気泡及び変質に非常に敏感であるため、結果に著しい影響を及ぼし得るということに留意すべきである。

粒状のサンプルは直ちに使用が可能である。約20gのサンプルを毛細管バレルに充填する。毛細管レオメータとしては、半径15mmのバレルを有し、適用圧力範囲は0〜2000バール、適用温度範囲は25〜400℃であり、全長30mm、L/D=2/2、入口角20°の30/2/2/20ダイを備えたGottfert社のRheotester 2000を用いる。ポリエチレンに対する推薦試験温度は210℃である。

ピストン速度は、ダイ出口が必要せん断速度を有するように設定する。試験はせん断速度50s−1、1000s−1、1500s−1及び2500s−1で行った。

溶融を行う状態にあるときに押出物にマーキングをしてそれぞれ長さ40mmのピースにパンチング/スタンプを行った後、室温に冷却されるまで放置した。少なくとも3つの40mmのピースに対して上記の方法でマーキングを行わなければならない。ダイ出口を出た後、摘出用金属ツールを用いて押出物を長さ40mm(各ピースの初期長さ、Li,0)、幅10mmの測定対象ピースにスタンプする。

全ての押出物をカットして、結晶化するように試験用テーブルの上に置いて室温で少なくとも15分間冷却する。ピースのマーキング位置でカットして長さを測定した。最終長さLi(mm単位)を各ピースiに対して記録して4ピースの平均を出す。

同一過程を適用したせん断速度でそれぞれ行い、各せん断速度での収縮率測定を少なくとも2回繰り返す。

特記事項:ダイから取り外した後、各ピースに対する冷却時間の変動及びたるみによって押出物の長さに沿って収縮率のずれが生じることが予想される(最後にダイから出たパンチングピースは室温にさらされる時間がはるかに短く、押出物の自重によって「伸びている」)。

シャークスキンに対する臨界せん断速度(シャークスキン試験) シャークスキン試験は重合体溶解物の押出中に発生する表面欠陥と流動不安定を定量化する方法である。具体的には、Gottfert社のRheotester2000毛細管レオメータで市販のシャークスキンオプションを用いて行う。シャークスキンオプションは、ダイに沿って分布している(ダイ入口、中間部分及びダイ出口の前)圧力変換器を3つ備えた30×3×0.3mmのスリットダイである。Gottfert社のWebRheoソフトウェアを用いて圧力を記録し分析した(フーリエ変換)。

100−150−200−250−300−350−400−450−500s−1の順にせん断速度を適用しながら重合体を190℃で押出する。押出物の表面欠陥を目視で観察する。シャークスキン不安定に対する臨界せん断速度は、シャークスキン不安定(高周波圧力振動及び目視で観測可能な周期的表面歪み)が最初に発生した時点に適用されたせん断速度である。

同様の手順について次の文書を参照できる。 −Palza H., Naue I.F.C., Wilhelm M., Filipe S., Becker A., Sunder J., Gottfert A., On−Line Detection of Polymer Melt Flow Instabilities in a Capillary Rheometer, KGK. Kautschuk, Gummi, Kunststoffe, 2010, vol.63, no10, pp.456−461. −Susana Filipe, Iakovos Vittorias, Manfred Wilhelm, Experimental Correlation between Mechanical Non−Linearity in LAOS Flow and Capillary Flow Instabilities for Linear and Branched Commercial Polyethylenes, Macromol. Mat. and Eng., Volume 293, Issue 1, pages 57−65, 2008. −Gottfert, A.; Sunder, J., AIP Conference Proceedings, Volume 1027, pp.1195−1197(2008).

ノッチ引張衝撃強さ試験 引張衝撃強さはISO 8245:2004に準じ、方法Aによって作製したタイプ1のダブルノッチ試料を用いて判定する。試験用試料(4×10×80mm)はISO 1872−2の要件(平均冷却速度15K/min、冷却器内を高圧で維持すること)に準じて製造した圧縮成形シートでカットする。試験用試料の両側面に45°でV字状のノッチを切り込む。深さは2±0.1mm、ノッチ凹部の曲率半径は1.0±0.05mmである。グリップ間の自由長さは30±2mmである。測定の前に、試験用試料を全て−30℃の一定の温度で2〜3時間コンディショニングする。方法Aに準ずるエネルギー補正を含む引張衝撃強さ測定手順は、ISO 8256を参照できる。

全面ノッチクリープ試験(FNCT)による環境応力亀裂抵抗 重合体サンプルの環境応力亀裂抵抗は、水性界面活性剤溶液内で国際標準ISO 16770(FNCT)によって判定する。重合体サンプルから厚さ10mmの圧力成形シートを製造する。正方形断面(10×10×100mm)を有する棒の、応力方向に対して垂直となる4つの面にレーザーブレードでノッチを入れる。Kunststoffe 77(1987), pp.45のM. Fleissnerに説明されているノッチ装置を用いて、深さ1.6mmの鋭いノッチを形成する。張力を初期結束領域に分けて負荷を算出する。結束領域は試料の断面全体からノッチ形成領域を除いた領域を示す。FNCT試料の場合、台形のノッチ形成領域10×10mm2×4=46.24mm2となる(破損過程/亀裂伝播に対する残りの断面)。試験用試料に、ISO 16770が提示する標準条件によって、非イオン性界面活性剤ARKOPAL N100の2重量%の水溶液内で80℃の温度で4MPaの一定負荷を加える。試験用試料が破裂するまでに要する時間を検出する。

シャルピーaFM 厚さ10mmの圧縮成形シートから切り出した10×10×80mmの試験用棒に内部法で測定し破壊靱性を判定する。6つの上記試験用棒の中央部に上述のFNCTに関して言及したノッチ装置のレーザーブレードを用いてノッチを形成する。ノッチの深さは1.6mmとした。上記測定はISO 179−1に準ずるシャルピー測定法に概ねよって行ったが、試験用試料及び衝撃面積(支持体間距離)は変更して実施した。試験用試料を全て0℃の測定温度で2〜3時間コンディショニングする。そして試験用試料を速やかにISO 179−1に準ずる振子式衝撃試験装置の支持体上に載置する。支持体間の距離は60mmである。2Jのハンマーを160°の角度で落下させた。振子の長さは225mm、衝撃速度は2.93m/sであった。破壊靱性値はkJ/m2単位で表記し、消耗された衝撃エネルギーとノッチaFMの初期断面積の比率で計算した。本明細書では一般的な意味を基準として、完全破壊とヒンジ破壊に対する値のみを用いた(ISO 179−1参照)。

実施例1、2及び比較例1、2 −方法の設定 実施例1において、本発明の方法は2つの直列気相反応器(図1参照)を含むプラント内で連続条件下で行われた。 比較例1は同一の連続条件下で同一プラント内で行った。

実施例1 −固体触媒成分はWO2004106388の実施例13によって製造した。AcOEt/Tiのモル比は8であった。 −重合 上述の方法で製造した固体触媒成分7g/hを液体プロパン5kg/hを用いて予備接触装置に供給した。同様に、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)と塩化ジエチルアルミニウム(DEAC)、テトラヒドロフラン(THF)を注入した。TIBAとDEACの重量比は7:1であった。アルキルアルミニウムと固体触媒成分の重量比は10:1であった。アルキルアルミニウムとTHFとの重量比は70であった。50℃で攪拌しながら予備接触ステップを行った。総滞留時間は70分であった。

触媒は、ライン10を通じて図1の第1気相重合反応器1に入れた。第1反応器において、エチレンは非活性希釈剤であるプロパンの存在下でH2を分子量調節剤として用いて重合された。エチレン35kg/hと水素62g/hがライン9を通じて第1反応器に供給された。第1反応器には共単量体を供給しなかった。

重合は、温度75℃、圧力2.5MPaで行われた。第1反応器で取得した重合体をライン11を通じて断続的に排出し、気体/固体分離器12で気体から分離して、ライン14を通じて第2気相反応器に再導入した。

第1反応器で生成された重合体の溶融指数MIEは約25g/10min、密度は0.966kg/dm3であった。

第2反応器を温度約80℃、圧力2.5MPaの重合条件下で操作した。エチレン14kg/hと1−ヘキセン0.75kg/hを、ライン46を通じて第2反応器の下降部33に導入した。プロパン5kg/h、エチレン28.5kg/h、水素3.1g/hを、ライン45を通じて再循環系に供給した。

最終的なエチレン重合体の分子量分布を広げるため、上昇部32と下降部33内で単量体及び水素の濃度条件が互いに異なるように第2反応器を操作した。このために、ライン52を通じて下降部33の上部に液体流(液体遮断流)330kg/hを供給した。上記液体流は、上昇部に存在する気体混合物の組成とは異なる組成を有する。第2反応器の上昇部と下降部内の単量体及び水素の異なる濃度条件、さらに液体遮断流の組成を表1に表した。ライン52の液体流は、52℃、2.5MPaの作動条件下で行われた凝縮器49の凝縮ステップから得られ、凝縮器では再循環流の一部が冷却及び部分凝縮される。図示されたように、分離容器とポンプは凝縮器49の下流側に順に位置する。最終重合体はライン54を通じて断続的に排出される。

第2反応器における重合方法では相対的に高分子量のポリエチレン留分が生成された。表1に最終生成物の性質を表す。表によると、最終生成物の溶融指数は第1反応器で生成されたエチレン樹脂に比べて低いが、これは第2反応器で高分子量の留分が形成されたことを示唆している。

第1反応器は、第1反応器及び第2反応器の両方で生成される最終的なポリエチレン樹脂の総量の約44.5重量%(分割wt%)を生成した。取得した重合体は、MIF/MIP比は23.7であるので、相対的に広い分子量分布を有することになる。

実施例2 本発明の方法を実施例1と同一の設定及び同一の重合用触媒を用いて行った。方法条件及びその結果得られた第1反応器の重合体の性質も同様であった。

第2反応器を温度約80℃、圧力2.5MPaの重合条件下で操作した。エチレン14kg/hと1−ヘキセン0.86kg/hを、ライン46を通じて第2反応器の下降部に導入した。プロパン5kg/h、エチレン27.4kg/h、水素3.6g/hを、ライン45を通じて再循環系に供給した。

最終的なエチレン重合体の分子量分布を再び広げるために、上昇部32と下降部33内で単量体及び水素の濃度条件が互いに異なるように第2反応器を操作した。ライン52を通じて液体遮断流330kg/hを再び供給した。表1に上昇部及び下降部の気体組成、さらに液体遮断流を表した。ライン52の液体流は、51℃、2.5MPaの作動条件下で行われた凝縮器49の凝縮ステップから得られ、凝縮器では再循環流の一部が冷却及び部分凝縮される。

第1反応器は、第1反応器及び第2反応器の両方で生成される最終的なポリエチレン樹脂の総量の約45重量%(分割wt%)を生成した。取得した重合体は、MIF/MIP比は22.5であるので、相対的に広い分子量分布を有することになる。

比較例1 実施例1及び2と同一の設定で重合を行う代わりに、重合用触媒としてWO2005019280の実施例6で用いたのと同じ触媒を用いた。

上記の固体触媒成分8g/hを液体プロパン5kg/hを用いて予備接触装置に供給した。同様に、トリエチレンアルミニウム(TEA)とテトラヒドロフラン(THF)を注入した。アルキルアルミニウムと固体触媒成分の重量比は5:1であった。アルキルアルミニウムとTHFとの重量比は44であった。50℃で攪拌しながら予備接触ステップを行った。総滞留時間は70分であった。

触媒は、ライン10を通じて図1の第1気相重合反応器1に入れた。第1反応器において、エチレンは非活性希釈剤であるプロパンの存在下でH2を分子量調節剤として用いて重合された。エチレン40kg/hと水素75g/hがライン9を通じて第1反応器に供給された。第1反応器には共単量体を供給しなかった。

重合は、温度80℃、圧力2.4MPaで行われた。第1反応器で取得した重合体をライン11を通じて断続的に排出し、気体/固体分離器12で気体から分離して、ライン14を通じて第2気相反応器に再導入した。

第1反応器で生成された重合体の溶融指数MIEは約100g/10min、密度は0.968kg/dm3であった。

第2反応器を温度約80℃、圧力2.1MPaの重合条件下で操作した。エチレン12kg/hと1−ヘキセン1.5kg/hを、ライン46を通じて第2反応器の下降部33に導入した。プロパン5kg/h、エチレン26.5kg/h、水素1.2g/hを、ライン45を通じて再循環系に供給した。

最終的なエチレン重合体の分子量分布を広げるために、上昇部32と下降部33内で単量体及び水素の濃度条件が互いに異なるように第2反応器を操作した。このために、ライン52を通じて下降部33の上部に液体流(液体遮断流)200kg/hを供給した。上記液体流は、上昇部に存在する気体混合物の組成とは異なる組成を有する。第2反応器の上昇部と下降部内の単量体及び水素の異なる濃度条件、さらに液体遮断流の組成を表1に表した。ライン52の液体流は、53℃、2.1MPaの作動条件下で行われた凝縮器49の凝縮ステップから得られ、凝縮器では再循環流の一部が冷却及び部分凝縮される。図示されたように、分離容器とポンプは順に凝縮器49の下流側に位置する。最終重合体はライン54を通じて断続的に排出される。

第2反応器における重合方法では相対的に高分子量のポリエチレン留分が生成された。表1に最終生成物の性質を表す。表によると、最終生成物の溶融指数は第1反応器で生成されたエチレン樹脂に比べ低いが、これは第2反応器で高分子量の留分が形成されたことを示唆している。

第1反応器は、第1反応器及び第2反応器の両方で生成される最終的なポリエチレン樹脂の総量の約50重量%(分割wt%)を生成した。取得した重合体は、MIF/MIP比は38.8であるので、相対的に広い分子量分布を有することになる。

比較例2 本比較例の重合体は、単一気相反応器でCr触媒で製造した従来技術のポリエチレン組成物である。

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