汚染防止剤組成物

申请号 JP2011535815 申请日 2011-06-10 公开(公告)号 JPWO2012168986A1 公开(公告)日 2015-02-23
申请人 株式会社メンテック; 发明人 関谷 宏; 宏 関谷; 拓 澤田; 拓 澤田;
摘要 本発明は、抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染を防止する汚染防止剤組成物であって、下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物を含み、ポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数が0.5〜5個である汚染防止剤組成物である。[式(1)中、置換基R1はメチル基又は下記式(2)で表されるアミノ変性基を示し、シロキサン単位の繰り返し数nは50〜1000の整数を示す。式(2)中、置換基R2及び置換基R3はそれぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキレン基を示し、アミノアルキレン単位の繰り返し数mは0〜2の整数を示す。]
权利要求
  • 抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染を防止する汚染防止剤組成物であって、
    下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物を含み、
    前記ポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数が0.5〜5個である汚染防止剤組成物。
    [式(1)中、置換基R はメチル基又は下記式(2)で表されるアミノ変性基を示し、シロキサン単位の繰り返し数nは50〜1000の整数を示す。
    式(2)中、置換基R 及び置換基R はそれぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキレン基を示し、アミノアルキレン単位の繰り返し数mは0〜2の整数を示す。 ]
  • 前記式(2)で表されるアミノ変性基におけるアミノアルキレン単位の繰り返し数mが1である請求項1記載の汚染防止剤組成物。
  • 前記式(2)で表されるアミノ変性基における置換基R 及び置換基R がそれぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基である請求項1又は2に記載の汚染防止剤組成物。
  • 前記式(2)で表されるアミノ変性基における置換基R がプロピレン基であり、置換基R がエチレン基である請求項1又は2に記載の汚染防止剤組成物。
  • 前記式(1)で表されるポリシロキサン化合物におけるシロキサン単位の繰り返し数nが100〜800の整数である請求項1〜4のいずれか1項に記載の汚染防止剤組成物。
  • 前記ポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数が0.5〜3個である請求項1〜5のいずれか1項に記載の汚染防止剤組成物。
  • 说明书全文

    本発明は、汚染防止剤組成物に関し、更に詳しくは、ドライパートにおけるピッチ汚染を十分に防止できる汚染防止剤組成物に関する。

    紙を製造するための抄紙工程は、一般に中にパルプが分散された液を抄紙用の網(ワイヤー)に載せ、余分な水を自然落下させることにより湿紙とするワイヤーパートと、湿紙を一対のプレスロール間に通し、フェルトを介してプレスロールで押圧することにより、湿紙中の水分をフェルトに移行させ、これにより湿紙を脱水するプレスパートと、プレスパートを通過した湿紙を、加熱されたシリンダに接触させることで乾燥させ、紙とするドライパートと、紙をスプールと呼ばれる棒に巻き取るリールパートと、を有する。

    ところで、上記ドライパートにおいては、シリンダ、カンバス、カレンダーロール、ブレーカースタックロール等(以下これらを総称して「ドライパート部位」という。)の表面にピッチが付着する問題がある。 これらにピッチが付着すると、紙が汚染され、歩留まりが大きく低下する。

    これに対し、ピッチの付着を防止する汚れ付着防止剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。 かかる汚れ付着防止剤は、粘度が異なるシリコーンオイルと、フッ素系界面活性剤を含む組成となっている。

    また、抄紙機に対して供給付与され、側鎖型変性シリコーンオイル又は側鎖両末端型変性シリコーンオイルを主成分とする抄紙機用汚染防止剤組成物が知られている(特許文献2参照)。 かかる汚染防止剤組成物において、側鎖型変性シリコーンオイルは、側鎖がアミノ基又はエポキシ基で置換されている。

    特開平7−292382号公報

    特許第3388450号公報

    しかしながら、特許文献1記載の汚れ付着防止剤においては、混合するシリコーンオイルの粘度が高すぎ、且つシリコーンオイル自体の粘着性によりドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止できない。

    また、上記特許文献2記載の汚染防止剤組成物は、抄紙機のロール等に対する定着性が高く、付与した直後からロール等に離型・撥水性を与えることができるものの、アミノ変性基の構造やポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数によっては、ピッチの付着を十分に防止できない。

    本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止できる汚染防止剤組成物を提供することを目的とする。

    本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、所定の構造を有するアミノ変性基を所定量有するポリシロキサン化合物を用いることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。

    本発明は、(1)抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染を防止する汚染防止剤組成物であって、下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物を含み、ポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数が0.5〜5個である汚染防止剤組成物に存する。

    [式(1)中、置換基R

    はメチル基又は下記式(2)で表されるアミノ変性基を示し、シロキサン単位の繰り返し数nは50〜1000の整数を示す。


    式(2)中、置換基R

    及び置換基R

    はそれぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキレン基を示し、アミノアルキレン単位の繰り返し数mは0〜2の整数を示す。 ]

    本発明は、(2)式(2)で表されるアミノ変性基におけるアミノアルキレン単位の繰り返し数mが1である上記(1)記載の汚染防止剤組成物に存する。

    本発明は、(3)式(2)で表されるアミノ変性基における置換基R 及び置換基R がそれぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基である上記(1)又は(2)に記載の汚染防止剤組成物に存する。

    本発明は、(4)式(2)で表されるアミノ変性基における置換基R がプロピレン基であり、置換基R がエチレン基である上記(1)又は(2)に記載の汚染防止剤組成物に存する。

    本発明は、(5)式(1)で表されるポリシロキサン化合物におけるシロキサン単位の繰り返し数nが100〜800の整数である上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の汚染防止剤組成物に存する。

    本発明は、(6)ポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数が0.5〜3個である上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の汚染防止剤組成物に存する。

    本発明の汚染防止剤組成物において、1分子あたりのアミノ変性基の個数を0.5〜5個とし、アミノ変性基を式(2)に示す構造とした式(1)に示すポリシロキサン化合物は、ドライパート部位に対して皮膜を形成し、且つピッチを分散させる機能を発揮する。 このため、該ポリシロキサン化合物を含む汚染防止剤組成物は、ドライパート部位に付与することにより、ドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止できる。 なお、本願明細書において、ピッチとは、抄紙工程において生じる粘着性の固体や紙粉の集合体等が含まれる。

    特に、式(1)に示すポリシロキサン化合物のシロキサン単位の繰り返し数nを50〜1000の整数とすることで、ドライパート部位に対して皮膜が形成しやすくなり、式(2)に示すアミノ変性基における置換基R 及び置換基R をそれぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキレン基とし、アミノアルキレン単位の繰り返し数mを0〜2の整数とすることで、ピッチを分散させることが可能となる。

    本発明の汚染防止剤組成物においては、式(2)で表されるアミノ変性基におけるアミノアルキレン単位の繰り返し数mが1である場合、及び/又は、アミノ変性基における置換基R 及び置換基R がそれぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基である場合、ピッチを分散させる効果がより向上する。

    図1は、本発明に係る汚染防止剤組成物を用いるドライパートのドライパート部位を示す概略図である。

    以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。 なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。 また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。

    本実施形態に係る汚染防止剤組成物は、ポリシロキサン化合物と、乳化剤と、水とを含む。
    本実施形態に係る汚染防止剤組成物は、ドライパート部位に付与することにより、ドライパート部位に対して皮膜を形成し、且つピッチを分散させる機能を発揮する。 このため、該汚染防止剤組成物は、ドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止できる。

    上記ポリシロキサン化合物は、下記式(1)で表される。

    式(1)で表されるポリシロキサン化合物において、置換基R はメチル基又はアミノ変性基である。 なお、メチル基とアミノ変性基とは、ポリシロキサン化合物1分子中に混在していてもよい。 また、置換基R がすべてメチル基のポリシロキサン化合物と、置換基R の少なくとも一つがアミノ変性基であるポリシロキサン化合物とを混合して用いてもよい。

    アミノ変性基は、下記式(2)で表される。

    ここで、式(2)で表されるアミノ変性基において、置換基R 及び置換基R はそれぞれ独立して、炭素数が1〜6のアルキレン基である。 この場合、ピッチを確実に分散することが可能となる。
    これらの中でも、アミノ変性基における置換基R 及び置換基R はそれぞれ独立して、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましい。 炭素鎖を2〜3とすることにより、ピッチを分散させる効果がより向上する。
    また、置換基R 及び置換基R は異なるアルキレン基であることが好ましく、具体的には、置換基R がプロピレン基であり、置換基R がエチレン基であることが特に好ましい。

    式(2)で表されるアミノ変性基において、アミノアルキレン単位の繰り返し数mは0〜2の整数である。 なお、アミノアルキレン単位の繰り返し数mが0である場合、そのアミノ変性基は、置換基R を有しない。
    アミノアルキレン単位の繰り返し数mが、3を超えると、ピッチを分散させる効果が不十分となる。
    これらの中でも、アミノ変性基におけるアミノアルキレン単位の繰り返し数mは、1であることが好ましい。

    汚染防止剤組成物において、ポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数は、0.5〜5個であり、0.5〜3個であることが好ましい。
    アミノ変性基の個数が0.5個未満であると、ピッチを分散する効果が得られない。 また、アミノ変性基の個数が5個を超えると、イオン性が高くなり、ドライパート部位の表面上に過剰に蓄積するため、表面のべとつきが大きくなり、かえってピッチが付着しやすくなる欠点がある。

    ここで、本明細書において、「1分子あたりのアミノ変性基の個数」とは、1分子に含まれるアミノ変性基の平均個数を意味し、具体的には、アミノ変性基の総数を分子数で割った値である。 すなわち、1分子あたりのアミノ変性基の個数が0.1である場合、10分子に含まれるアミノ変性基の総数が1個であることを意味する。

    式(1)で表されるポリシロキサン化合物において、シロキサン単位の繰り返し数nは、50〜1000の整数であり、100〜800の整数であることが好ましい。
    シロキサン単位の繰り返し数nが、50未満であると、ドライパート部位に対する皮膜の形成が不十分となり、シロキサン単位の繰り返し数nが、1000を超えると、粘度が高いポリシロキサン化合物が、ドライパート部位表面に粘着性を帯びて付着するので、かえってピッチが付着しやすくなる欠点がある。

    ポリシロキサン化合物の25℃における動粘度は、20000mm /s以下であることが好ましく、10000mm /s以下であることが更に好ましい。
    動粘度が20000mm /sを超えると、動粘度が上記範囲内にある場合と比較して、ピッチを十分に分散できなくなる。 また、べとつきが大きくなり、かえってピッチが付着しやすくなる欠点がある。

    本実施形態に係る汚染防止剤組成物においては、乳化剤が含まれる。
    乳化剤を含むことにより、ポリシロキサン化合物の乳化安定性が向上する。

    乳化剤としては、ポリシロキサン化合物を乳化させる界面活性剤が用いられる。
    これらの中でも、乳化剤は、ノニオン界面活性剤であることが好ましく、特に、ポリエチレンデシルエーテル、ポリエチレンセチルエーテル又はポリエチレンステアリルエーテルであることがより好ましい。

    乳化剤がこれらの化合物である場合、ポリシロキサン化合物の乳化安定性を向上させるだけでなく、紙の色抜けを抑制することができる。
    ちなみに、段ボール等の着色された紙を抄紙機にて製造する場合、アルキル基が低分子のポリエチレンアルキルエーテルを乳化剤として用いると、紙の色を脱落させ、紙の色が斑になる欠点がある。 しかし、アルキル基がデシル基、セチル基、ステアリル基のポリエチレンアルキルエーテルを乳化剤として用いると、色抜けが抑制される。

    汚染防止剤組成物において、ポリシロキサン化合物の配合割合は、ピッチ付着防止の観点から、0.1〜40質量%であることが好ましく、2.0〜20質量%であることがより好ましい。
    ポリシロキサン化合物の配合割合が0.1質量%未満であると、ポリシロキサン化合物の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物中の水分が蒸発する前に、汚染防止剤組成物自体が湿紙に吸収されてしまい、皮膜を十分に形成できない場合がある。 一方で、ポリシロキサン化合物の配合割合が40質量%を超えると、ポリシロキサン化合物の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物自体の粘度が大きくなり、ドライパート部位の表面上に均一に散布しにくく、また、タック性が大きくなり、紙面が毟れる恐れがある。

    ポリシロキサン化合物1質量部に対する乳化剤の配合割合は、0.05〜0.4質量部であることが好ましく、0.1〜0.2質量部であることがより好ましい。
    乳化剤の配合割合が0.05質量部未満であると、乳化剤の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、乳化安定性が不十分となる場合があり、乳化剤の配合割合が0.4質量部を超えると、乳化剤の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、紙の色抜けの度合いが大きくなる欠点がある。

    本実施形態に係る汚染防止剤組成物には、これら以外にも、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、粘度調整剤、潤滑剤、湿潤剤、ダスティング防止剤、離型剤、接着剤、表面修正剤、洗浄剤、紙増強剤、サイズ剤、歩留向上剤、撥水剤、撥油剤、防滑剤、滑剤、柔軟剤等の添加剤が含まれていてもよい。

    ここで、上記潤滑剤としては、ギアー油、シリンダ油、タービン油、スピンドル油等の鉱油、ヤシ油、アマニ油、ヒマシ油、ナタネ油、コーン油等の植物油、流動パラフィン、イソパラフィン等のパラフィン類、ポリイソブチレン、ポリブテン、マレイン化ポリブテン、ポリエチレンワックス、マイクロワックス等の合成油等が挙げられる。

    次に、本実施形態に係る汚染防止剤組成物の製造方法について説明する。
    汚染防止剤組成物は、ポリシロキサン化合物と、乳化剤とを、水に加えて撹拌することにより、ポリシロキサン化合物が乳化された汚染防止剤組成物が製造される。

    かかる撹拌には、ミキサー、ホモジナイザー、ミル等が適宜用いられる。

    次に、ドライパートにおける汚染防止剤組成物の使用方法について説明する。
    図1は、本発明に係る汚染防止剤組成物を用いるドライパートのドライパート部位を示す概略図である。
    図1に示すように、汚染防止剤組成物は、ドライパートDで用いられる。

    ドライパートDは、紙体Wと、該紙体Wを加熱乾燥するための複数の円筒状のシリンダD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7及びD8(以下「D1〜D8」という。)と、紙体をシリンダD1〜D8に押し付けるカンバスK1,K2と、カンバスK1,K2を案内するカンバスロールKRと、乾燥した紙体Wの平滑性と紙厚を緩やかに調整するブレーカースタックロールBと、乾燥した紙体Wの平滑性と紙厚を調整するカレンダーロールCと、を備える。

    ドライパートDにおいては、回転するシリンダD1〜D8の表面に紙体WがカンバスK1,K2により圧接される。 これにより、紙体WがシリンダD1〜D8に付着し、同時に加熱乾燥されるようになっている。
    その後、紙体Wは、ブレーカースタックロールBに挟持され、次いで、紙体Wは、カレンダーロールCにより高密度化される。

    上記汚染防止剤組成物の使用方法においては、図1に示すように、ドライパートDのシリンダD1〜D8、カンバスK1,K2、ブレーカースタックロールB、カレンダーロールCに対して、それぞれ矢印Aの位置で汚染防止剤組成物が直接付与される。
    ここで、汚染防止剤組成物の付与方法は特に限定されず、例えば、散布ノズル等を用いて液状のシャワー方式や霧状の噴霧方式等が用いられる。 このとき、散布ノズルを紙幅方向にスライドさせながら、汚染防止剤組成物を吹きつけてもよい。 汚染防止剤組成物をドライパートに吹き付けることにより、ピッチ汚染が防止される。

    このとき、汚染防止剤組成物の通過する紙の単位面積あたりの散布量は、ポリシロキサン化合物の固形分量として、10μg〜10000μg/m であることが好ましく、30μg〜1000μg/m あることがより好ましい。
    散布量が10μg/m 未満であると、散布量が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物が十分にドライパート部位の表面に付着せず、ピッチの付着を十分に抑制できない傾向にある。 また、散布量が10000μg/m を超えると、散布量が上記範囲内にある場合と比較して、余剰分がドライパート部位の表面上に蓄積し、ピッチを巻き込んで汚れを増大させたり、カンバスの目を詰まらせてしまう虞がある。

    以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。

    例えば、本実施形態に係る汚染防止剤組成物は、乳化剤を含んでいるが、ポリシロキサン化合物が水溶性であれば、必ずしも含める必要はない。

    本実施形態に係る汚染防止在組成物において、ポリシロキサン化合物は、メチル基を有しているが、メチル基のいくつかが、エポキシ変性基、アルキル基(メチル基を除く)、ポリエーテル基、カルボキシル基又はアラルキル基に置換されていてもよい。 これらは、1分子内において、1種類が存在していてもよく、複数種類が混在していてもよい。
    なお、エポキシ変性基としては、エポキシアルキル基又はエポキシポリエーテル基が挙げられる。

    本実施形態に係る汚染防止剤組成物においては、汚染防止剤組成物をドライパートにおけるドライパート部位に付与しているが、ドライパートのみならず、プレスパートやリールパートに応用することも可能である。

    以下、実施例及び参考例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。

    (実施例1〜10)
    下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物10質量%と、ポリエチレンデシルエーテル(乳化剤)2.0質量%と、を水に加え、ミキサーで撹拌することにより、汚染防止剤組成物を得た。
    ポリシロキサン化合物におけるアミノ変性基としては、下記式(2)で表される置換基を用いた。 なお、アミノ変性基以外のR は、メチル基である。
    用いたアミノ変性基を表1に示す。

    (比較例1)
    アミノ変性基として、ポリエーテルアミノ基を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、汚染防止剤組成物を得た。

    (比較例2)
    アミノ変性基として、ポリエポキシアミノ基を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、汚染防止剤組成物を得た。

    (表1)

    (評価方法)
    実施例1〜10及び比較例1,2で得られた汚染防止剤組成物に対し、後述する、シリンダ評価1、シリンダ評価2、カンバス評価1、カンバス評価2を行った。
    シリンダ評価1、シリンダ評価2においては、式(1)で表されるポリシロキサン化合物のシロキサン単位の繰り返し数nを300とし、ポリシロキサン化合物の1分子あたりのアミノ変性基の個数を1.1個、25℃における動粘度を1000mm /sに調整して評価を行った。
    カンバス評価1、カンバス評価2においては、式(1)で表されるポリシロキサン化合物のシロキサン単位の繰り返し数nを130とし、ポリシロキサン化合物の1分子あたりのアミノ変性基の個数を1.1個、25℃における動粘度を250mm /sに調整して評価を行った。

    1. シリンダ評価1
    図1に示す円筒状ドライヤ(ドライパート、株式会社小林製作所製)のシリンダD1に、実施例1〜10及び比較例1,2の汚染防止剤組成物を、5ml/min散布し、8時間稼動させた後のシリンダD1下に落下したピッチの重量を測定した。 得られた結果を表2に示す。

    2. シリンダ評価2
    図1に示す円筒状ドライヤのシリンダD3の表面に、刃先が接するようにドクターブレードを設けた。 これにより、円筒状ドライヤを稼動させるとシリンダD3に付着したピッチがドクターブレードの刃先に掻き集められることになる。
    そして、シリンダD1に、実施例1〜10及び比較例1,2の汚染防止剤組成物を、5ml/min散布し、8時間稼動させた後のドクターブレードの刃先に蓄積したピッチの重量を測定した。 得られた結果を表2に示す。

    3. カンバス評価1
    図1に示す円筒状ドライヤのカンバスK1に、実施例1〜10及び比較例1,2の汚染防止剤組成物を、5ml/min散布し、1週間稼動させた。
    そして、カンバスK1の1m あたりにおける直径5mm以上のピッチの付着数を計測した。 得られた結果を表2に示す。

    4. カンバス評価2
    図1に示す円筒状ドライヤのカンバスK1に、実施例1〜10及び比較例1,2の汚染防止剤組成物を、5ml/min散布し、1週間稼動させた。
    そして、カンバスK1を案内するアウトロールKR1に付着したピッチを掻き取り、ピッチの重量を測定した。 得られた結果を表2に示す。

    (表2)

    (実施例11〜22及び比較例3〜8)
    上記式(1)で表されるポリシロキサン化合物10質量%と、ポリエチレンデシルエーテル(乳化剤)2.0質量%と、を水に加え、ミキサーで撹拌することにより、汚染防止剤組成物を得た。
    ポリシロキサン化合物におけるアミノ変性基としては、下記式(3)で表される置換基を用いた。 なお、アミノ変性基以外のR は、メチル基である。
    また、各実施例及び比較例におけるポリシロキサン化合物1分子あたりのアミノ変性基の個数と、上記式(1)で表されるポリシロキサン化合物のシロキサン単位の繰り返し数nと、を表3に示す。

    (表3)

    (評価方法)
    実施例11〜22及び比較例3〜8で得られた汚染防止剤組成物に対し、上述した、シリンダ評価1、シリンダ評価2、カンバス評価1、カンバス評価2を行った。
    得られた結果を表4に示す。

    (表4)

    これらのことから、本発明の汚染防止剤組成物によれば、ドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止できることが確認された。

    本発明の汚染防止剤組成物は、紙の抄造の際に、ドライパート部位に付与して用いられる。 本発明の汚染防止剤組成物によれば、ドライパート部位へのピッチの付着を防止することができるので、紙の製造における歩留まりを極めて向上させることができる。

    B・・・ブレーカースタックロール C・・・カレンダーロール D・・・ドライパート D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8・・・シリンダ K1,K2・・・カンバス KR・・・カンバスロール KR1・・・アウトロール W・・・紙体

    本発明は、(1)抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染を防止する汚染防止剤組成物であって、下記式(1)で表されるポリシロキサン化合物を含み、ポリシロキサン化合物1分子辺りのアミノ変性基の個数が0.5〜5個であり、ドライパート部位に対して皮膜を形成し、且つピッチを分散させる汚染防止剤組成物に存する。

    [式(1)中、置換基R

    はメチル基又は下記式(2)で表されるアミノ変性基を示し、シロキサン単位の繰り返し数nは50〜1000の整数を示す。


    式(2)中、

    置換基R

    がプロピレン基であり、置換基R

    がエチレン基であり 、アミノアルキレン単位の繰り返し数m

    が1である 。 ]

    本発明は、(2) 乳化剤を更に含み、該乳化剤が、ポリエチレンデシルエーテル、ポリエチレンセチルエーテル又はポリエチレンステアリルエーテルである上記(1)記載の汚染防止剤組成物に存する。

    本発明は、(3) ポリシロキサン化合物の配合割合が、0.1〜40質量%であり、ポリシロキサン化合物1質量部に対する乳化剤の配合割合が、0.05〜0.4質量部である記( 2)に記載の汚染防止剤組成物に存する。

    本発明は、(4) ドライパートに散布ノズルを用いて吹きつけられ、通過する紙の単位面積辺りの散布量が、ポリシロキサン化合物の固形分量として、10μg〜10000μg/m である上記(1) 〜(3)のいずれか1つに記載の汚染防止剤組成物に存する。

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