自動式マスクレス塗料塗布器

申请号 JP2017246033 申请日 2017-12-22 公开(公告)号 JP2018126728A 公开(公告)日 2018-08-16
申请人 ザ・ボーイング・カンパニー; The Boeing Company; 发明人 ゴー, ソン エヌ.;
摘要 【課題】マスキング作業を必要としない塗布器アセンブリを提供する。 【解決手段】表面処理用の塗布器アセンブリは、処理材料を表面に分注するように構成された材料分注器と、材料塗布器の分注端を支持し 位置 決めするように構成された分注器用クランプを含む。塗布器先端は、塗布器用クランプ内に形成された内部空間内に挿入されており、塗布器先端は、材料塗布器の分注端から処理材料を受容するように構成されている。塗布器アセンブリは、材料塗布器及び塗布器用クランプをアセンブリ支持フレームに摺動可能に取り付けるように構成された、塗布器用ブラケットをさらに含む。加えて、アセンブリ支持フレーム及び塗布器用ブラケットには、自動式塗布器アクチュエータが動作可能に取り付けられており、自動式塗布器アクチュエータは、塗布器用ブラケットを第1の位置と第2の位置の間で操作するように構成されている。 【選択図】なし
权利要求

アセンブリ支持フレーム(82)と、 表面(50)上に処理材料(64)を分注するように構成された材料塗布器(74)と、 内部空間(100)を形成し且つ分注用開口(104)を有する塗布器用クランプ(86)であって、前記材料塗布器の分注端(88)を前記内部空間内で支持し位置決めするように構成された塗布器用クランプ(86)と、 前記塗布器用クランプ内に形成された前記分注用開口内に挿入された塗布器先端(108)であって、前記内部空間から前記塗布器用クランプの外側の箇所まで延びており、前記材料塗布器の前記分注端から前記処理材料を受容するように構成されている塗布器先端(108)と、 前記材料塗布器及び前記塗布器用クランプに取り付けられた塗布器用ブラケット(114)であって、前記材料塗布器及び前記塗布器用クランプを前記アセンブリ支持フレームに摺動可能に取り付けるように構成されている塗布器用ブラケット(114)と、 前記アセンブリ支持フレーム及び前記塗布器用ブラケットに動作可能に取り付けられた自動式塗布器アクチュエータ(118)であって、前記塗布器用ブラケットを第1の位置(120)と第2の位置(122)との間で操作するように構成されている自動式塗布器アクチュエータ(118)と を備える、塗布器アセンブリ(62)。前記塗布器用クランプ(86)に取り付けられた1つ以上の表面係合部材(126)であって、前記塗布器用ブラケット(114)が第2の位置(122)にあるときに、前記1つ以上の表面係合部材が前記表面(50)と係合し、前記塗布器先端(108)が、前記塗布先端の塗布点に対する固定した高さで持続的接点を維持する、表面係合部材(126)をさらに備える、請求項1に記載の塗布器アセンブリ(62)。前記材料塗布器(74)の前記分注端(88)は、前記塗布器用クランプ(86)の前記分注用開口(104)と位置合わせされ、前記分注端は、前記塗布器先端(108)から固定した距離で離れたところに位置決めされている、請求項1または2に記載の塗布器アセンブリ(62)。前記塗布器用クランプ(86)は、前記内部空間(100)内に形成された隆起リップ部(102)を含み、前記隆起リップ部は、前記分注用開口(104)の周縁を取り囲んで、前記材料塗布器(74)によって供給された前記処理材料(64)の余剰を前記塗布器先端(108)から隔離するように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ(62)。前記分注用開口(104)は、前記分注用開口の外側面(140)の周囲に配設された少なくとも1つの分注器先端ホルダ(139)を含み、前記少なくとも1つの分注器先端ホルダは、前記塗布器先端(108)を前記分注用開口内で堅固に保持するように構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ(62)。前記塗布器用ブラケット(114)と前記アセンブリ支持フレーム(82)との間に車軸関節(128)が形成されており、前記塗布器アセンブリが前記表面(50)に対して所定の配向を維持するようにして前記塗布器用クランプ(86)が前記車軸関節の軸(130)を中心に回転する、請求項1から5のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ(62)。前記塗布器用クランプ(86)内に形成された余剰材料用開口(138)と、前記塗布器用クランプの外面に取り付けられた材料チャンバ(136)とをさらに備え、 前記車軸関節(128)は、車軸関節の第1の位置(132)と車軸関節の第2の位置(134)との間で前記塗布器用クランプを回転させるようにさらに構成されており、前記塗布器用クランプが前記車軸関節の第1の位置から前記車軸関節の第2の位置へと回転するときに、前記処理材料(64)が前記余剰材料用開口を通って前記材料チャンバ内へ注がれるよう、前記材料チャンバが前記余剰材料用開口と位置合わせされている、 請求項6に記載の塗布器アセンブリ(62)。処理材料(64)を表面(50)に塗布するための表面処理システムであって、 前記処理材料で前記表面を処理するように構成された請求項1から7のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ(62)と、 前記処理材料を保持するように構成された圧容器(76)と、 前記圧力容器から前記材料塗布器(74)へと延びる材料供給ライン(78)であって、前記材料塗布器に前記処理材料を供給するように構成されており、前記圧力容器が連結されている材料供給ライン(78)と、 アセンブリ支持フレーム(82)に動作可能に取り付けられ、表面処理の間、前記塗布器アセンブリを移動及び位置決めするように構成されたロボットアーム(60)と、 前記塗布器アセンブリに動作可能に取り付けられ、前記表面を感知及びスキャンして表面データセットを生成するように構成された少なくとも1つのセンサ(124)と、 前記塗布器アセンブリに通信可能に連結され、且つ、前記自動式塗布器アクチュエータ(118)が、少なくとも第1の位置(120)と第2の位置(122)との間で前記塗布器アセンブリを操作し、前記材料塗布器を選択的に動作させて前記処理材料を前記表面に塗布するようにプログラムされたコントローラ(144)とを含む、表面処理システム。前記少なくとも1つのセンサ(124)は高さセンサを含み、前記表面データセットは、前記塗布器アセンブリ(62)と前記表面(50)との間で測定された距離を含み、前記コントローラ(144)は、前記表面データセットに基づいて前記塗布器アセンブリを操作する、請求項8に記載の表面処理システム。表面処理システムで表面(50)を処理する方法(150)であって、 前記表面に処理材料(74)を塗布するための、ロボットアーム(60)の処理開始位置を決定することであって、前記ロボットアームには、塗布器アセンブリ(62)が取り付けられている、決定することと、 前記ロボットアームを前記処理開始位置に移動させ、前記塗布器アセンブリを前記表面と位置合わせすること(156)と、 前記塗布器アセンブリの塗布器先端(108)を、前記処理材料を分注するように構成された材料塗布器(74)に浸すこと(158)と、 自動式塗布器アクチュエータ(118)によって、前記塗布器アセンブリを前記表面に対して位置決めするため、前記塗布器アセンブリを第1の位置(120)と第2の位置(122)との間で操作すること(160)と、 前記表面に前記処理材料を塗布するため、前記塗布器アセンブリを選択的に動作させること(160、162)と、を含む方法(150)。前記塗布器アセンブリ(62)が少なくとも1つのセンサ(124)を備え、前記塗布器アセンブリを操作すること(160)は、前記塗布器アセンブリと前記表面(50)との間で測定された距離を含む表面データセットを生成するために、前記少なくとも1つのセンサで前記表面をスキャンすることを含む、請求項10に記載の方法(150)。

说明书全文

本開示は、概して表面処理システムに関し、具体的には、表面を塗装するための自動式マスクレス表面処理システムに関する。

民間航空機といった機械の構造物の表面の処理及び被覆は、時間がかかり広範囲に及ぶプロセスである。表面処理はしばしば、平坦、凹部、凸部、及び他のこうした形状の表面といった、様々な形状寸法を含む構造物の表面を被覆することを必要とする。さらに、構造物の表面を被覆することは、工学的性質に関して多様な層の被覆を付けることと共に、装飾的なカラーリングを付けることを含む。しばしば、後に続くそれぞれの層または被覆は、複雑なプロセスを用いて付けられる。このプロセスは、様々な色の塗料または他の被覆を必要な箇所に付ける前に、一連のマスキング作業の実施を必要とする。例えば、表面上に形状または文字を塗装する場合、この形状または文字は、手作業でマスクされ、その後にこのマスクの上及び/または周囲に塗装が行われる。さらに、各層または被覆は、次の層が付けられる前に硬化されるか、十分に乾燥されなければならない。硬化時間は数時間にも及び得るので、表面処理プロセス全体に時間が大幅に加算される。これらのマスキング、塗装、及び硬化の作業は、外面の処理が完成するまで順次反復される。したがって、これらのプロセスを、様々に湾曲した表面を伴う大きいエリアで実施することは、多大な量の時間とリソースを必要とし得る。

本開示の一態様によれば、塗布器アセンブリが開示される。塗布器アセンブリは、アセンブリ支持フレームと、表面上に処理材料を分注するように構成された材料塗布器とを含む。塗布器アセンブリは、内部空間を形成し且つ分注用開口を有する、塗布器用クランプをさらに含む。塗布器用クランプは、材料塗布器の分注端を内部空間内で支持し位置決めするように、構成されている。塗布器アセンブリは、塗布器用クランプ内に形成された分注用開口内に挿入された、塗布器先端をさらに含む。塗布器先端は、内部空間から、塗布器用クランプの外側の箇所まで延びており、塗布器先端は、材料塗布器の分注端から処理材料を受容するように構成されている。塗布器アセンブリは、材料塗布器及び塗布器用クランプに取り付けられた塗布器用ブラケットをさらに含み、塗布器用ブラケットは、材料塗布器及び塗布器用クランプをアセンブリ支持フレームに摺動可能に取り付けるように構成されている。アセンブリ支持フレーム及び塗布器用ブラケットには、自動式塗布器アクチュエータが動作可能に取り付けられており、自動式塗布器アクチュエータは、塗布器用ブラケットを第1の位置と第2の位置の間で操作するように構成されている。

本開示の別の態様によると、表面に処理材料を塗布するための、表面処理システムが開示される。表面処理システムは、表面を処理材料で処理するように構成された塗布器アセンブリを含み、塗布器アセンブリは、処理材料を表面上に分注するように構成されたアセンブリ支持フレーム及び材料塗布器を含む。塗布器アセンブリは、内部空間を形成し且つ分注用開口を有する、塗布器用クランプをさらに含む。塗布器用クランプは、材料塗布器の分注端を内部空間内で支持し位置決めするように、構成されている。さらに、塗布器用クランプ内に形成された分注用開口の中に、塗布器先端が挿入されており、塗布器先端は、内部空間から、塗布器用クランプの外側の箇所まで延びている。塗布器先端は、材料塗布器の分注端から処理材料を受容するように構成されている。塗布器アセンブリは、材料塗布器及び塗布器用クランプに取り付けられた、塗布器用ブラケットをさらに含む。塗布器用ブラケットは、材料塗布器及び塗布器用ブラケットをアセンブリ支持フレームに摺動可能に取り付けるように構成されている。さらに、アセンブリ支持フレーム及び塗布器用ブラケットには、自動式塗布器アクチュエータが動作可能に取り付けられており、自動式塗布器アクチュエータは、塗布器用ブラケットと材料塗布器と塗布器用クランプを、第1の位置と第2の位置の間で操作するように構成されている。表面処理システムは、処理材料を保持するように構成された圧容器をさらに含み、圧力容器は、圧力容器から材料塗布器へと延びる、材料供給ラインに連結されている。材料供給ラインは、処理材料を材料塗布器に供給するように構成されており、圧力容器は、材料供給ラインに連結されている。表面処理システムは、アセンブリ支持フレームに動作可能に取り付けられ、表面処理の間、塗布器アセンブリを移動及び位置決めするように構成された、ロボットアームをさらに含む。さらに、塗布器アセンブリに少なくとも1つのセンサが動作可能に取り付けられ、表面を感知及びスキャンして表面データセットを生成するように構成されている。表面処理システムはさらに、塗布器アセンブリに通信可能に連結され、且つ、自動式塗布器アクチュエータが、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で塗布器アセンブリを操作し、材料塗布器を選択的に動作させて処理材料を表面に塗布するように、プログラムされたコントローラを含む。

本開示のさらに別の態様によれば、表面処理システムで表面を処理する方法が開示される。表面処理方法は、表面に処理材料を塗布するための、ロボットアームの処理開始位置を決定することを含む。ロボットアームには、塗布器アセンブリが取り付けられている。方法は、ロボットアームを処理開始位置に移動させることと、塗布器アセンブリを表面と位置合わせすることをさらに含む。加えて、方法は、塗布器アセンブリの塗布器先端を、処理材料を分注するように構成された材料塗布器に浸すことを含む。方法はさらに、自動式塗布器アクチュエータによって、塗布器アセンブリを表面に対して位置決めするため、塗布器アセンブリを第1の位置と第2の位置の間で操作することを含む。方法は、塗布器アセンブリを選択的に動作させて、処理材料を表面に塗布することをさらに含む。

本書で開示されている特性、機能、及び利点は、様々な実施形態において単独で実現することが可能であるか、または、さらに他の実施形態において組み合わされてよい。これらの実施形態の詳細は、以下の説明および図面を参照することによって、より良く理解され得る。

本開示によって建造された、例示のビークルの斜視図である。

一式の翼、及び本開示による自動式ロボットアセンブリを含む、例示の作業エリアの上面図である。

本開示により、図2の自動式ロボットアセンブリに取り付けられた、例示の塗布器アセンブリの斜視図である。

本開示による、図3の塗布器アセンブリの断面図である。

本開示による、図3−図4の例示の塗布器アセンブリの一部の斜視図である。

本開示による、例示の表面処理制御システムの概略図である。

本開示による、例示の表面処理方法を示すフローチャートである。

図面が必ずしも縮尺どおりではないことと、開示された実施形態が図式的に、概略的に、またはあるケースでは部分図によって示されていることは、理解されるべきである。ある例では、開示されている方法及び装置の理解には必要のない詳細事項や、他の細部の理解を難しくする詳細事項は、省略されていてよい。さらに、下記の詳細な説明が単なる例示であり、本発明の用途及び使用を限定するものではないことも、理解されるべきである。したがって、本開示は、説明の利便性のためにのみ、例示的な実施例において描写され説明されているが、本開示は、数々の他の実施形態において、及び本書に示されたり記載されたりしていない様々なシステム及び環境の中で、実装されてよい。

以下の詳細な記載は、自動式表面処理(例えば塗装)システム及び、自動式表面処理システムを用いた表面処理方法の説明を提供することを意図している。非限定的な一実施例では、自動式表面処理システムによって、少なくとも、処理(例えば塗装)しない表面の部分を覆うマスキングの工程が解消される。加えて、自動式表面処理システムは、手作業のマスキング工程を取り除くことによって、表面処理の品質を向上させ得る。さらに、手作業のマスキング工程を取り除くことによって、表面処理時間を削減することができる。なぜならば、この処理方法では、先立って塗布された塗料の膜が手作業のマスキング工程の前に完全に硬化するのを待機する必要が、もはやないからである。本開示の実際の範囲は、添付の特許請求項の範囲によって規定される。

図1を参照すると、組み立てられたビークル20が示されている。ビークル20の非限定的な一実施例は、航空機の例である。しかし、本開示は、他のタイプのビークルと機械にも、また該当する。示されるように、ビークル20は、胴体24、翼26、及び尾部28を含む機体22によって構成されている。ある実施形態では、ビークル20を進行方向に推進するため、各翼26に1つ以上の推進ユニット30が取り付けられている。さらに、翼26は胴体24に固定的に取り付けられており、推進ユニット30は翼26の下表面に取り付けられている。しかし、推進ユニット30の他の取付位置も可能である。ある実施形態では、翼26は胴体に沿ったほぼ中央の位置に位置決めされており、翼26は複数のフラップ32、前縁装置34、及び周辺端部装置36(即ちウイングレット)を含むように構成されている。さらに、ビークル20の運航中、ビークル20を制御し安定させるために、フラップ32、前縁装置34、及び周辺端部装置36を、複数の位置で調整することが可能である。例えば、フラップ32及び前縁装置34は、翼26の所望の揚力特性を生み出すため、いくつかの異なる位置に調整可能である。さらに、機体22の尾部28は、昇降38、方向舵40、垂直安定板フィン42、及び平安定板44といった、ビークル20の他の安定性機能及び操縦性機能を提供する構成要素を含む。

図2は、作業エリア46内に置かれ、ビークル20の他の構成要素から取り外された、翼26の非限定的な一実施例を示す。概して、翼26とビークル20(図1)の他のコンポーネントは、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、炭素複合材、または他の適切な材料から建造されている。さらに、翼26は、限定しないが、例えば平坦な面、凹形の面、凸型の面、及び他のこうした表面の幾何学的形状といった、様々な表面の幾何学的形状を組み込んだ、空力構造を形成するように構成されている。ある実施形態では、様々な表面の幾何学的形状(即ち平坦、湾曲、凹形、凸形)が組み合わせて用いられて翼26が形成されている。したがって、これらの幾何学的形状によって、翼26の寸法及びトポグラフィの変化、並びに長さ、幅などの寸法に沿った他のこうした特性との変化が、作り出される。非限定的な一実施例では、翼面50(即ち、翼26の頂面及び底面)は、平坦面48を形成している部分を有する。さらに、翼26の前縁装置34によって、翼26のより円形のまたは湾曲した表面52と、様々なトポグラフィ(即ち凸形及び凹形)を持った翼面50の他の部分とが作り出される。さらに、図2には翼26が示されているが、本開示の実施形態はビークル20の他の構成要素及びシステムにも同様に該当することは、理解されるだろう。

ビークル20(図1)の製造及び/または整備中、翼26及び他の構成要素は、胴体24(図1)に組み付けられたり胴体24から取り外されたりしているのではなく、1つ以上の製造工程または予定された整備工程を実施するために、作業エリア46内に配置されている。非限定的な一実施例では、ビークル20の製造及び整備は、翼面50に1つ以上の表面処理を施すことを含む。概して、翼面50の表面処理は、各翼26の平坦面48、湾局面52、及び他の部位の、洗浄、研磨、下塗り、塗装、保護、補修、または他の表面処理のうちの1つ以上を含む。さらに、表面処理層51(即ち塗装、下塗り、クリアコート)を翼面50に付ける非限定的な一実施例は、翼26またはビークル20(図1)の他の構成要素に関する、警告または特定の指示を伝えるための、直線、曲線、グラフィックパターン、及び文字の記述(即ち「乗るな」(No Step)、「高温注意」(Hot)、「注意」など)を付けることを含む。さらに、または代わりに、表面処理層51によって、運航中に翼26が遭遇する過酷な環境条件に対する、表面保護が提供され、線、グラフィックパターン、または文字の記述は、翼26及びビークル20(図1)の他の構成要素の具体的な(例えば注意が必要な)部位を特定して識別するのに役立つ。

図2にさらに示すように、翼26を他の構成要素に連結してビークル20(図1)を形成するのに先立って翼26を作業エリア46内に配置することによって、各翼26に表面処理層51を付ける準備がなされる。しかし、限定しないが、ビークル20(図1)の保守または整備中といった代わりの実施形態では、表面処理層51を付けることは、翼26、尾部28(図1)及び他の構成要素が胴体24(図1)に取り付けられた状態であっても可能である。図2にさらに示すように、翼26が胴体24(図1)に取り付けられていない実施形態では、各翼26は、複数の自動搬送機54(AGV)または他のこうした移動装置によって作業エリア46に送達される。例えば、AGV54は、各翼26の下面に沿って置かれており、AGV54が翼26を処理位置に移動させる間、及び表面処理の間、各翼26に対して十分な支持を与える。ある実施形態では、AGV54が翼26を作業エリア46内に移動させた後、1つ以上の翼支持構造物56が各翼26の下部に沿って置かれ、表面処理の間にさらなる支持を提供する。図2にはAGV54及び翼支持構造物56の使用が示されているが、ガントリー、コンベアシステムなどといった、他の移動装置及び支持装置の使用もまた可能である。

さらに、作業エリア46には、ロボットアーム60及びロボットアーム60に動作可能に取り付けられた塗布器アセンブリ62を含む、少なくとも1つの自動式ロボットアセンブリ58が設けられている。ある実施形態では、塗布器アセンブリ62は、限定しないが、下塗り剤、ベースコート塗料、トップコート塗料、クリアコート、または他のそうした材料といった処理材料64を、ビークル20(図1)の翼面50に塗布するように構成されている。さらに、ロボットアーム60は、処理材料64を塗布している間のロボットアーム60の操作及び調整を可能にする少なくとも1つのロボットアームジョイント66を有する、連結式(articulated)装置として構成されている。さらに、非限定的な一実施例では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、翼26を作業エリア46の中へ、及び外へ移動させるのに使用されるAGV54と同様の、表面処理用AGV68に搭載されている。表面処理用AGV68は、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が翼面50を処理するのにつれて、作業エリア46の長さL−Lに沿って移動するように、構成されている。一実施形態では、表面処理用AGV68は、翼26に沿って横方向に置かれ、作業エリア46の長さL−Lに沿って走るように構成されている、1セットのAGVレール70に取り付けられている。さらに、ある実施形態は、作業エリア46内で間隔を空けて配置されている少なくとも2セットのAGVレール70を含み、翼26または他の構成要素がこの2セットのAGVレール70の間にほぼ中央に置かれるようになっている。その結果、翼面50の処理中には、1つ以上の自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が、翼26の両面に置かれている。代替的な実施形態では、表面処理用AGV68は、1セットのAGVレール70に搭載される必要がない1セットの地面係合要素(即ち、軌道または車輪)付きで構成されている。こうした表面処理用AGV68は、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が表面50に沿って処理材料64を塗布している間、作業エリア46のフロアに直接沿って移動する。

代替的な実施形態では、表面処理用AGV68を使用する代わりに、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、翼26の上方に置かれたオーバーヘッドガントリー72に搭載される。ある実施形態では、自動式ロボットアセンブリ58は、オーバーヘッドガントリー72に動作可能に取り付けられており、それによって自動式ロボットアセンブリ58がオーバーヘッドガントリー72から吊り下げられ、ロボットアーム60及び塗布器アセンブリ62が操作及び調整されて、処理材料64が翼面50に塗布される。

ここで図3及び図4を参照し、引き続いて図2を参照すると、例示的な塗布器アセンブリ62が示されている。ある実施形態では、塗布器アセンブリ62は、処理材料64を翼面50またはビークル20(図1)の他のこうした箇所に分注するように構成された、材料塗布器74を含む。非限定的な一実施例では、材料塗布器74は、材料を表面に塗布する際に材料をスプレーしない、または他の態様で材料を粒子として噴霧しない、空気膜・材料コーターである。加えて、材料塗布器74が空気膜・材料コーターとして構成されていることによって、スプレーまたは粒子化された材料の堆積の場合に生じる、オーバースプレーを解消することができる。その結果、材料塗布器74は、限定しないが、周囲をマスキングする必要を解消すること、作業エリア46の周囲で換気を行う必要を削減すること、及び無駄になる処理材料64を削減すること、といったいくつかの利点を提供することができる。

非限定的な一実施例では、塗布器アセンブリ62は、処理材料64のサプライを貯蔵してこれに加圧するように構成された、圧力容器76を含む。概して、圧力容器76は、5〜20ポンド毎平方インチ(psi)(34.5〜137.9キロパスカル(kPa)の加圧範囲を有するように構成されているが、圧力容器76及び処理材料64に関する他の圧力範囲もまた可能である。さらに、圧力容器76は、処理材料64を圧力容器76から材料塗布器74に移送する材料供給ライン78を通じて、材料塗布器74に連結されているか、または他の態様で接続されている。図3では、塗布器アセンブリ62の非限定的な一実施形態によって、限定しないが、ニードル弁、マスフローコントローラー、または他のこうした流量制限装置といった流量制限器が、材料供給ライン78に含まれるものとして示されている。流量制限器79は、圧力容器76と材料塗布器74との間で、処理材料64の流量を制御するように調整可能である。

加えて、ある実施形態では、材料塗布器74または塗布器アセンブリ62の他の構成要素は、処理材料64が圧力容器76から材料塗布器74まで流れるか、または他の態様で移送されることを可能にするために選択的に開放または閉鎖される、処理材料制御弁80をさらに含む。例えば図3は、材料供給ライン78の第1の端部に連結された材料制御弁80付きで構成された、材料塗布器74を示している。その結果、処理材料制御弁80を選択的に開放することによって、圧力容器76内で圧力下で貯蔵されている処理材料64が、圧力容器76から材料塗布器74まで、材料供給ライン78通って流れることが可能になる。さらに、非限定的な一実施例では、塗布器アセンブリ62は、圧力容器76と材料塗布器74との間で、処理材料64の流量を調整及び制御するため、流量制限器79と処理材料制御弁80の両方を含むように構成されている。しかし、塗布器アセンブリ62の構成要素の他の構成も、可能である。代替的な実施形態では、処理材料制御弁80は、圧力容器76及び/または材料供給ライン78に組み入れられていることができる。加えて、さらなる代替的な実施形態では、材料塗布器74と圧力容器76のそれぞれは、圧力容器76と材料塗布器74との間で処理材料64の移動を制御するために選択的に開放及び閉鎖される、処理材料制御弁80付きで構成されている。

ある実施形態では、ポンプ81がさらに塗布器アセンブリ62に組み入れられ、材料供給ライン78に連結されていることができる。ポンプ81は、圧力容器76と材料塗布器74との間で、処理材料64をポンプするように構成されていることができる。一般的に、ポンプ81は、限定しないが、蠕動ポンプ、空気ポンプ、隔膜ポンプ、遠心力ポンプ、または他の低圧ポンプといった低圧ポンプである。さらに、ポンプ81は、処理材料64を十分に低い(即ち、1ml/分ほどに低い)流量で送達するように構成されており、それによって、処理材料64を塗布している間、ポンプ81が活発にポンプしている状態を保つことができる。例えば、ポンプ81は、圧力容器76から材料塗布器74へと、処理材料64の連続流を作り出すように構成されていることができる。加えて、処理材料64を翼面50(図2)に塗布している間の圧力容器76から材料塗布器74への処理材料46の流量を調整及び制御するため、流量制限器79及び/または処理材料制御弁80を、ポンプ81と共に使用することができる。

図3及び図4にさらに示すとおり、塗布器アセンブリ62の一実施形態は、塗布器アセンブリ62を自動式ロボットアセンブリ58(図2)に取り付けるように構成された、アセンブリ支持フレーム82を含む。さらに、ある実施形態では、ネジ、ボルト、ピン、または他のこうしたデバイスといった、1つ以上の容器用ファスナ84によって、圧力容器76がアセンブリ支持フレーム82に搭載されているか、他の態様で取り付けられている。加えて、塗布器アセンブリ62は、材料塗布器74の分注端88を支持して位置決めするように構成された、塗布器用クランプ86を含む。非限定的な一実施例では、塗布器用クランプ86は、互いに嵌合している第1のピース90と第2のピース92から形成されており、限定しないが、ネジ、ボルト、ピン、または他のこうしたデバイスといった、1つ以上のクランプ用ファスナ94によって締結されている。さらに、塗布器用クランプ86の第1のピース90と第2のピース92は、塗布器用開口96を形成するように構成されており、それによって材料塗布器74の分注端88が塗布器用クランプ88内に延び、塗布器用クランプ88によって固定される。加えて、ある実施形態では、塗布器用クランプ86は第3のピース98(図4)を含む。第3のピース98は、第1のピース90、及び第2のピース92に取り付けられており、塗布器用クランプ86の内部空間100(図4)を画定するように構成されている。代替的な一実施形態では、塗布器用クランプ86は、単一のピースのみから形成されていることができる。

さらに、塗布器用クランプ86は、分注端88が塗布器用開口96を通って挿入され、塗布器用クランプ86の内部空間100内に延びるようにして、構成されている。さらに、図4にさらに示すように、塗布器用クランプ86は、隆起リップ部102と、分注用開口104とを含む。非限定的な一実施例では、塗布器用開口96と分注用開口104は、互いに位置合わせされ、塗布器用クランプ86の背向する両端を形成している。しかし、塗布器用開口96と分注用開口104の他の構成も、可能である。ある実施形態では、材料塗布器74によって分注された処理材料64が、翼面50(図2)またはビークル20(図1)の他の所望の塗布箇所に塗布されるように、分注用開口104は、塗布器用クランプ86の内部空間100から外部に延びている。加えて、一実施形態では、隆起リップ部102は、内部空間100内で分注用開口104の周囲を取り囲むように構成されており、それによって、余剰の処理材料64は全て塗布器用クランプ86の内部空間100内に保持され、分注用開口104を通じて分注されることが不可能になっている。図4でさらに示すように、ある実施形態では、材料塗布器74の分注端88は、分注用開口104を取り囲む隆起リップ部102から距離106を空けて置かれている。さらに、塗布器用クランプ86は、分注端88と隆起リップ部102の間の距離106を変更(即ち増大または縮小)するため、材料塗布器74の分注端88の位置が調整可能になるように構成されている。例えば、塗布器アセンブリ62による処理材料64の分注を最適化するため、材料塗布器74の分注端88と分注用開口104を取り囲む隆起リップ部102の間の距離106が、調整(即ち、増大または縮小)される。

さらに、塗布器用クランプ86の一実施形態は、分注用開口104内に挿入された塗布器先端108を含む。塗布器先端108は、塗布器先端108が内部空間100から分注用開口104を通って塗布器用クランプ86の外部まで延びるようにして、分注用開口104内で位置決めされている。ある実施形態では、翼面50上に分注された処理材料64の線に沿った明確な(即ちシャープな)エッジを提供するため、塗布器先端108は、吸収性の発泡材料から形成されている。しかし、塗布器先端108は、限定しないが、ポリマー、繊維のブラシ、布、またはその他の吸収性材料といった、代替的な吸収性材料から形成されていることができる。さらに、塗布器先端108の内部部分110は、分注用開口104を通って塗布器用クランプ86の内部空間100内に延びており、塗布器先端108の内部部分110は、材料塗布器74の分注端88と位置合わせされている。さらに、塗布器先端108の内部部分110は、隆起リップ部102によって取り囲まれている。その結果、材料塗布器74は、塗布器先端108の内部部分110が、分注された処理材料64を吸収し処理材料64に浸されるようにして、処理材料64を分注する。加えて、塗布器先端108は、翼面50(図2)に隣接して置かれているか、またはあるケースでは、翼面50(図2)と直接接触している、外側部分112を含んでいる。外側部分112はまた、翼面50(図2)または他のこうした所望の処理すべき表面に沿って処理材料64を塗布して広げるように、構成されている。非限定的な一実施例では、塗布器先端108の外側部分112は、翼面50に沿って処理材料64の直線パターンを連続して円滑に付けるように構成されている。しかし、用途の必要性に応じて、塗布器先端108の外側部分112の、他の形状及び構成も可能である。

図3〜図4にさらに示されているように、塗布器アセンブリ62の例示的な一実施形態は、材料塗布器74及び塗布器用クランプ86に取り付けられている、塗布器用ブラケット114を含む。さらに、塗布器用ブラケット114は、アセンブリ支持フレーム82に搭載されているか、または他の態様で取り付けられている。非限定的な一実施例では、アセンブリ支持フレーム82は、作動レール116または他の作動誘導装置を含んでおり、塗布器用ブラケット114は、作動レール116に摺動可能に取り付けられている。非限定的な一実施例では、作動レール116は垂直の配向で構成されており、塗布器用ブラケット114が作動レール116に沿って摺動するのにつれて、材料塗布器74、塗布器用クランプ86、及び塗布器先端108が上げ下げされるようにして、塗布器用ブラケット114が作動レール116に取り付けられている。その結果、塗布器用ブラケット114は、作動レール116に沿って第1の方向に摺動し、塗布器先端108を翼面50もしくは他の処理すべき表面に係合させるか、または隣接して置く。代わりに、塗布器用ブラケット114は、作動レール116に沿って反対の第2の方向に摺動し、塗布器先端108を翼面50から係合解除するか、または上げて離す。さらに、ある実施形態では、アセンブリ支持フレーム82及び塗布器用ブラケット114に、塗布器アクチュエータ118が取り付けられており、塗布器アクチュエータ118は、少なくとも第1の位置120(即ち上げた位置)と第2の位置122(即ち下げた位置)との間で塗布器用ブラケット114を作動するように構成されている。

図3に戻ると、塗布器アセンブリ62の一実施形態は、塗布器用クランプ86または塗布器アセンブリ62の他の構成要素に動作可能に取り付けられた少なくとも1つのセンサ124付きで構成されている。非限定的な一実施例によると、1つ以上のセンサ124は、限定しないが、視覚センサ(即ちカメラ)、レーザスキャンニングトポグラフィ、及び表面高度感知センサ(即ちレーザ、LIDAR、及び/または干渉計)、並びに他のこうした表面計測センサといった、感知装置を含む。センサ124は、翼面50(図2)をスキャン及び感知して、塗布器用クランプ86または塗布器アセンブリ62の他の構成要素と翼面50との間で測定された、間隙または距離を含む表面データセットを、収集するかまたは他の態様で生成するように構成されている。さらに、塗布器アセンブリ62のある実施形態は、塗布器アセンブリ62が第2の位置122(即ち下げた位置)に調整されているときに翼面50と係合する、車輪といった1つ以上の表面係合部材126を含む。

さらに、1つ以上の表面係合部材126は、塗布器アセンブリ62上に置かれているか、または他の態様で搭載されて、塗布器先端108及び翼面50(図2)対して固定された高さにおいて、接点を規定している。例えば、1つ以上の表面係合部材126は、塗布器アセンブリ62と翼面50の間に所定の距離127(図4)が維持されるようにして、塗布器アセンブリ62上でサイズ決めされているか、塗布器アセンブリ62上に搭載されていることができる。その結果、1つ以上の表面係合部材126が翼面50に係合しているとき、塗布器先端108は、翼面50に接触しており、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が翼面50上を動いている間、塗布器先端108は、翼面50と持続的に接触したままである。加えて、表面係合部材126は、塗布器アセンブリ62が翼面50のあらゆる幾何学的形状の変化(即ち、曲面または段差)にも適合し得るように構成されており、それによって、塗布器アセンブリ62が翼面50(図2)または他のこうした処理すべき表面に沿って移動する間、塗布器アセンブリ62と塗布器先端108は、翼面50との接触を維持することができる。

さらに、塗布器アセンブリ62のある実施形態は、塗布器用ブラケット114とアセンブリ支持フレーム82との間に位置する車軸関節128を含むように、さらに構成されている。ある実施形態では、塗布器アクチュエータ118は、車軸関節128の軸130を中心にして塗布器用ブラケット114を回転させるようにさらに構成されており、それによって、塗布器アセンブリ62は、翼面50(図2)または他のこうした処理すべき表面に対して、所望の配向を維持する。加えて、ある実施形態では、車軸関節128は、塗布器用ブラケット114を、取り付けられている材料塗布器74及び塗布器用クランプ86と共に、車軸関節の第1の位置132(即ち処理位置)と、車軸関節の第2の位置134(即ち処理材料残量なし位置)との間で回転させるように、さらに構成されている。一実施形態では、塗布器アセンブリ62は、塗布器用クランプ86の外側に取り付けられた材料チャンバ136をさらに含み、塗布器用クランプ86内には、余剰材料用開口138が形成されている。車軸関節128が塗布器用ブラケット114を第1の位置120から第2の位置122へと回転させるのにつれて、内部空間100内の余剰の処理材料64が全て、余剰材料用開口138を通って材料チャンバ136内に空けられるように、材料チャンバ136は、余剰材料用開口138と位置合わせされている。非限定的な一実施形態では、車軸関節128が第1の位置120と第2の位置122の間で回転するのにつれて、塗布器用ブラケット114は、約90°回転する。しかし、余剰処理材料64を材料チャンバ136内に空けるために、塗布器用ブラケット114を他の回転量で回転させることも可能である。

図2に戻ると、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、翼面50または他の所望の処理すべき表面に沿って処理材料64を塗布する。一実施形態では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、表面処理用AGV68または他のこうした装置が自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62を翼面50に沿って動かすのにつれて、直線、曲線、または他の所定のパターンもしくは幾何学的形状で、処理材料64を塗布する。

塗布器アセンブリ62は、単独あるいは組み合わせのどちらかで表面処理層51を構成する、複数の被覆を塗布するように構成されていることができる。例えば、塗布器アセンブリ62は、限定しないが、表面保護層、接着促進層、下塗り層、ベースコート層、トップコート層、クリアコート層、装飾的カラーリング被覆、または他の既知の被覆といった、複数の表面被覆を塗布することが可能である。さらに、塗布器アセンブリ62は、低空気圧(即ち5〜20psi(34.5〜137.9kPa))で処理材料64を分注するように構成されており、それによって、表面処理層51が、1回の通行のみによって翼面50上に非噴霧式の態様で付けられる。

ある実施形態では、表面処理層51は、単一の表面被覆によって構成されており、翼面50に沿った単一の通行で分注される。しかし、必要に応じて、翼面50に沿って表面処理層51を付けるため、さらなる通行が実施されてよい。非限定的な一実施形態では、塗布器アセンブリ62は、組み合わされて表面処理層51を形成する複数の被覆を塗布するように構成されており、塗布器アセンブリ62は、翼面50に沿って一度に1つの層を分注するように構成されている。その結果、塗布器アセンブリ62は、表面処理層51を含む複数の被覆のそれぞれを分注するため、1回以上の通行を行う。別法では、2つ以上の自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62のそれぞれが表面処理層51を構成する複数の被覆を分注するために翼面50に沿って動くのにつれて、2つ以上の自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が、それぞれ、単一の被覆を塗布するように構成されている。

ここで図5を参照し、引き続いて図4を参照すると、塗布器用クランプ86内に形成された、例示的な分注用開口104が示されている。非限定的な一実施例では、分注用開口104は、塗布器用クランプ86の外側から内部スペース100内に延びる長方形の開口である。しかし、限定しないが、円形の開口、正方形の開口、または他のこうした形状の開口といった、分注用開口104の他の幾何学的形状も可能である。上記のように、ある実施形態では、分注用開口104は、分注用開口104内に挿入された塗布器先端108を有するように構成されている。その結果、塗布器先端108は、分注用開口104を通って、分注用開口104から外側に向けて突き出している外側部分112に延びる、内部部分110を含んでいる。さらに、ある実施形態では、分注用開口104の外側面140の周囲に、1つ以上の塗布器先端ホルダ139が配設され、塗布器先端108を分注用開口104内で保持するか分注用開口104内で位置決めするように構成されている。非限定的な一実施例では、1つ以上の塗布器先端ホルダ139は、外側面140から外向きに、分注用開口104によって形成された開口内に延びるように構成された、「歯のような」特徴に類似するように、形成または他の態様の形状決めをされている。したがって、塗布器先端108が分注用開口104内に挿入されているとき、塗布器先端ホルダ139は、塗布器先端108を把持するかフックするかまたは他の態様でつかんでおり、塗布器先端108を分注用開口104内で保持している。さらに、塗布器先端ホルダ139は、塗布器先端108が分注用開口104内で堅固に保持されるように構成されているが、塗布器先端108は、分注用開口104から取り外すことが可能であり、新たなまたは代わりの型の塗布器先端108と交換することが可能である。一般的に、塗布器先端108は吸収性の発泡材料から形成されているが、ゴム、ポリマー、複合材、天然または合成の繊維、プラスチックなどといった、他の材料から作られていることもできる。加えて、塗布器先端ホルダ139は「歯のような」突起として示されているが、クランプ、クリップ、ピン、及び他のこうした保持デバイスといった、代わりの保持デバイスも可能である。

ここで図6を参照すると、表面処理制御システム142の概略図が示されている。表面処理制御システム142は、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62を動作させ、モニタするように構成されている。表面処理制御システム142は、コントローラ144及び、コントローラ144と通信可能に連結された入出力端末146を含む。さらに、コントローラ144は、自動式ロボットアセンブリ58の動作を制御すると共に、自動式ロボットアセンブリ58に動作可能に取り付けられた塗布器アセンブリ62の動作及び調整を制御するようにプログラムされている。簡潔にするため、図6は、単一の自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62に通信可能に連結されたコントローラ144を示している。しかし、ある実施形態では、コントローラ144は、複数の自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62を制御し動作させるように構成されている。

図2に戻り、引き続いて図6を参照すると、コントローラ144、入出力端末146及び表面処理制御システム142の他の構成要素は、作業エリア46内に位置するオペレータ制御ステーション148内に位置している。表面処理制御システム142は、1つ以上の自動式ロボットアセンブリ58を制御し動作させるように構成されている。非限定的な一実施例では、コントローラ144及び入出力端末146を含むオペレータ制御ステーション148は、作業エリア46に近接して位置しており、翼26または他の処理すべき構成要素に隣接した位置にセットされている。さらに、オペレータ制御ステーション148は、コントローラ144と入出力端末146とが、コントローラ144と自動式ロボットアセンブリ58との間の有線接続を通じて直接通信可能なように、自動式ロボットアセンブリ58及び表面処理制御システム142の他の構成要素に近接して位置している。別法では、コントローラ144、入出力端末146と、自動式ロボットアセンブリ58及び表面処理制御システム142の他の構成要素との間の通信は、限定しないが、高周波ネットワーク、コンピュータデータネットワーク、Wi−Fiデータネットワーク、セルラーデータネットワーク、衛星データネットワーク、または任意の他の既知のデータ通信ネットワークといった無線接続を用いて確立されている。

加えて、図6の表面処理制御システム142は、ユーザが入出力端末146を用いてコントローラ144にアクセスするように構成されている。ある実施形態では、入出力端末146は、コマンド及び他の命令を、キーボード、マウス、ダイヤル、ボタン、タッチスクリーン、マイクロフォン、または他の既知の入力装置によって、入力可能にしている。さらに、表面処理制御システム142によって生成されたデータ及び他の情報は、モニタ、タッチスクリーン、スピーカー、プリンター、または他の既知のユーザ出力装置を通じて、入出力端末146に出力することができる。ある実施形態では、入出力端末146は、入出力端末146をコントローラ144に直接接続する有線接続を通じて、コントローラ144に通信可能に連結されている。別法では、入出力端末146は、Bluetooth通信、近距離無線通信、高周波ネットワーク、コンピュータデータネットワーク、Wi−Fiデータネットワーク、セルラーデータネットワーク、衛星データネットワーク、または任意の他の既知のデータ通信ネットワークを通じて、コントローラ144に通信可能に連結されている。

さらに、非限定的な一実施例では、入出力端末146は、ラップトップコンピュータ、スマートフォン装置、セルラーフォン、または他のこうしたモバイル装置といった、コントローラ144に通信可能に連結されたモバイル通信装置である。その結果、オペレータ、エンジニア、技術者、管理者、または他の関係者が、コントローラ144及び表面処理制御システム142の他の構成要素にアクセス可能になっている。ある実施形態では、各ユーザは、表面処理制御システム142を制御しモニタするため、遠隔地(即ち作業エリア46の外側)から、無線によって、コントローラ144及び表面処理装置の他の構成要素にアクセスすることが可能である。こうした構成によって、表面処理制御システム142のユーザに対する、柔軟性が提供されるであろう。なぜならば、ユーザが、翼面50または他の所望の処理すべき表面の処理中に表面処理制御システム142をモニタしている間、作業エリア46から離れて代わりの箇所にいることができるからである。

ある実施形態では、表面処理制御システム142のコントローラ144は、ユーザが自動式ロボットアセンブリ58、塗布器アセンブリ62、または表面処理制御システム142の他の構成要素を管理し制御することを可能にする、制御機構及び/またはソフトウエアを実行することが可能な、1つ以上のコンピュータ装置から構成されている。ある実施形態では、コントローラ144の1つ以上のコンピュータ装置は、表面処理用AGV68または他の移送装置の動作を制御するようにプログラムされている。加えて、コントローラ144は、処理材料64が翼面50上に塗布されている間、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62の動作と作業と調整を制御するようにプログラムされている。表面処理制御システム142の例示的な一実施例では、オペレータまたは他のユーザは、処理材料64を塗布する際のパターンまたはプロセスをプログラムすることが可能である。パターンまたはプロセスは、コントローラ144から自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62へと伝送され、このパターンまたはプロセスは、翼面50または他の所望の処理すべき表面の処理中に、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62によって実行される。さらに、通信ネットワークによって、データ及び情報が容易に送受信されるようにして、表面処理制御システム142と自動式ロボットアセンブリ58との間の双方向通信が確立される。例えば、表面処理制御システム142によって送信されたコマンドは、自動式ロボットアセンブリ58によって受信され、自動式ロボットアセンブリ58、塗布器アセンブリ62、及び他のこうした構成要素によって収集されたデータは、コントローラ144に送信され、受信される。

一実施形態では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62に搭載されているかまたは別の態様で一体化されている1つ以上のセンサ124は、コントローラ144及び入出力端末146に通信可能に連結されている。非限定的な一実施例では、自動式ロボットアセンブリ58に取り付けられた塗布器アセンブリ62は、少なくとも1つのセンサ124を含む。さらに、または別法では、塗布器アセンブリ62及び/または自動式ロボットアセンブリ58上の様々な箇所に、複数のセンサ124が搭載されている。センサ124によって収集されたデータは、コントローラ144及び表面処理制御システム142の他の構成要素に送信され、利用される。加えて、一実施形態では、コントローラ144は、センサ124によって収集されたデータからの情報を保存、分析、及び抽出するように、並びに、コントローラによって自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62に送信される制御信号をプログラムするためにこの抽出した情報を使用するように、プログラムされている。例えば、センサ124は、限定しないが、視覚センサ(即ちカメラ)、レーザスキャンニングトポグラフィ、及び表面高度感知センサ(即ちレーザ、LIDAR、及び/または干渉計)、並びに他のこうした表面計測センサといった、感知装置を含む。したがって、ある実施形態では、センサ124によって収集されたデータによって、翼面50及び他の所望の処理すべき表面に関する情報が提供され、コントローラ144によって、センサ124が収集したデータに基づいて制御信号がプログラムされる。

さらに、ある実施形態では、コントローラ144及び自動式ロボットアセンブリ58は、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62をリアルタイムの調整できるようにするために、互いに動作可能に連結されている。例えば、コントローラ144は、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62に搭載されているか、または他の態様で組み込まれている、1つ以上のセンサ124が収集したデータを受信して解析する。さらに、各センサ124は、翼面50の表面のトポグラフィの変化を検出し、翼面50の撮像データ及び視覚データを収集し、翼面50と塗布器アセンブリ62との間の高さまたは分注用間隙を測定し、翼面50のトポグラフィマップを提供し、自動式ロボットアセンブリ58の位置決めデータ及び位置データを提供し、収集されたあらゆる他のこうした表面データを提供するように構成されている。さらに、コントローラ144は、塗布器アセンブリ62の制御及び作業を調整するため、制御信号または他のこうしたコマンドのセットを、表面処理AGV68、自動式ロボットアセンブリ58、塗布器アセンブリ62(即ち処理材料制御弁80、塗布器アクチュエータ118、または他の装置)に送信する。

加えて、ユーザは、入出力端末146上の1つ以上のセンサ124によって収集されたデータを見ることが可能であり、必要があれば、コントローラ144から自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62に送信された制御信号コマンドに対する、調整を入力する。ある実施形態では、表面処理制御システム142は、表面処理制御システム142によって確立された両方向通信リンクを通じて、自動式ロボットアセンブリ58、塗布器アセンブリ62、及び、表面処理制御システム142の他のこうした構成要素に対して、リアルタイムの調整を行うことが可能である。

ここで図7を参照し、引き続いて一連の図1〜図6を参照すると、表面処理システムで表面を処理する例示の方法またはプロセス150を示すフローチャートが示されている。表面処理方法またはプロセス150の第1のブロック152では、翼26またはビークル20の他の構成要素といった構造物が、表面処理のために準備され、作業エリア46内に置かれている。非限定的な一実施例では、表面処理の準備は、翼面50上の任意の保護皮膜または先に付けられた皮膜の除去と、翼面50の研磨、洗浄及び乾燥と、翼面50の処理に先立って必要とされる任意の他の表面の準備とを含む。さらに、表面処理方法またはプロセス150の開始に先立って、翼26またはビークル20の他の構成要素は、作業エリア46内の処理位置に移動される。非限定的な一実施例では、翼26は、1つ以上のAGV54によって作業エリア46内に移送され、翼支持構造物56、または処理中に翼26を支持するように構成された他のこうした支持構造物に送達される。

表面処理方法またはプロセス150の次のブロック154では、自動式ロボットアセンブリ58が作業エリア46内に位置する表面処理ツールエリアに移動し、所望の塗布器アセンブリ62を自動式ロボットアセンブリ58に取り付ける準備をする。非限定的な一実施例では、所望の塗布器アセンブリ62が自動式ロボットアセンブリ58に取り付けられるよりも前に、圧力容器76内に所望の処理材料64が充填される。別法では、塗布器アセンブリ62が自動式ロボットアセンブリ58に取り付けられた後に、圧力容器76内に所望の処理材料64が充填される。さらに、ある実施形態では、所望の処理材料は、限定しないが、塗料、下塗り剤、ベースコート、トップコート、クリアコート、または他のこうした材料といった、分注可能な材料である。しかし、他のタイプの材料の使用も可能である。非限定的な一実施例では、処理材料64は、直線及び/または曲線のマーク及び名標(即ち、翼面50上の「乗るな」の線、「注意」または「高温注意」)を付けるのに使われる、粘性(例えば、100センチポイズまたはそれ未満の粘度)のある材料である。加えて、処理材料64が圧力容器76内に充填されると、圧力容器は、所望の分注圧まで加圧される。概して、所望の分注圧は、5〜20psi(34.5〜137.9kPa)の範囲内に収まるが、他の圧力(即ち、これよりも上または下)も可能である。

塗布器アセンブリ62が処理材料64で充填され、適正に加圧され、自動式ロボットアセンブリ58に取り付けられると、次のブロック156に従って、コントローラ144が、自動式ロボットアセンブリ58を翼面50上の処理開始位置に移動し位置決めするための、制御信号を送信する。ある実施形態では、処理材料64を塗布するのに先立って、自動式ロボットアセンブリ58と、具体的には塗布器アセンブリ62が、翼面50に対して適切に調整され位置合わせされているかを確認するため、位置合わせ及び調整チェックが実施される。ある実施形態では、調整チェックは、翼面50と塗布器アセンブリ62との間に適切な分注用間隙がセットされていることを確認するために、1つ以上のセンサ124によって収集されたデータの分析を含む。加えて、調整チェックは、各塗布器アセンブリ62が翼面50に対して法線即ち直の方向にあることの確認を行う。塗布器アセンブリ62を翼面50に対して適切に調整し位置合わせするのに失敗すると、処理材料64の不均一な塗布、翼面50の損傷、または他のこうした不具合という結果になり得る。したがって、この検査が、コントローラ144に入力されている一式の所定の調整基準(即ち分注用間隙、配向)に合致しなかった場合、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、いかなる位置合わせエラー及び位置決めエラーをも補正すべく、調整及び位置合わせを継続する。

自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が適正に調整された後、次のブロック158において、処理材料制御弁80を起動(即ち開放)するための制御信号が、コントローラ144から送信される。それによって、材料塗布器74は、塗布器アセンブリ62の塗布器先端108を適切に浸すための、処理材料64の分注を開始する。非限定的な一実施例では、コントローラ144は、塗布器先端108を適切に浸すため、あらかじめ規定された時間設定を使用する。加えて、または別法では、分注されている処理材料64の適切な量を決定するために、流量センサまたは他のモニタ装置が使用される。ある実施形態では、表面処理制御システム142のオペレータまたは他のユーザは、処理の開始に先立って、位置合わせのエラー、処理材料64の含浸のエラー、及び他のこうしたエラーに関する通知を受け取る。その結果、ユーザが補正用動作コマンドまたは他のこうした命令を入出力端末146に入力し、次にこの命令がコントローラ144によって自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62に送信されることによって、塗布器アセンブリ62の調整及び含浸を補正することが可能になる。

塗布器先端108が処理材料64に浸されると、次のブロック160で、塗布器アセンブリ62は、塗布器アセンブリ62を第1の位置120と第2の位置122との間で操作することによって、翼面50または他の所望の処理すべき表面に沿った処理材料64の第1の塗布を開始する。非限定的な一実施例では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、翼面50に沿って処理材料64の直線パターンを付けるように構成されている。その結果、処理材料64の第1の塗布は第1の位置で開始され、第2の位置で終了する。自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が第1の位置と第2の位置の間を移動するのにつれて、処理材料64が翼面50に塗布される。代わりに、ある実施形態では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、限定しないが、曲線、破線、及び/または他のこうしたパターンといった、他のパターンの処理材料64を塗布するようにプログラムされている。さらに、さらなる別の一実施形態では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、翼面50に一部に、または全部にさえわたって、処理材料64のベタの(solid)パターンを付けるように構成されている。

次のブロック162では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が処理材料64の第1の塗布を完了する際に、コントローラ144が、処理材料制御弁80を停止(即ち閉鎖)する信号を送信し、それによって処理材料64の分注は停止する。自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、ここで翼面50上の別の位置に移動して、処理材料64の第2のまたは後続の塗布の準備をする。

自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、次のブロック164で、位置合わせ及び調整チェックを行う。自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が適切に位置合わせされると、コントローラ144は、処理材料制御弁80を起動(即ち開放)する信号を送信し、それによって処理材料64の分注が再開され、塗布器アセンブリ62は、翼面50または他の所望の処理すべき表面に沿った処理材料64の第2のまたは後続の塗布を再開する。その結果、処理材料64の第2の即ち後続の塗布は後続の第1の位置で開始され、後続の第2の位置で終了する。自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が後続の第1の位置と後続の第2の位置の間を移動するのにつれて、処理材料64が翼面50に塗布される。ある実施形態では、自動式ロボットアセンブリ58及び/または塗布器アセンブリ62に取り付けられたセンサ124によって、翼面50のトポグラフィのスキャン及びデータ収集が継続される。センサ124によって収集されたデータは、塗布器アセンブリ62が処理材料64を翼面50上に分注する際に、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62をリアルタイムで調整するために、コントローラ144によって分析される。例えば、コントローラ144は、塗布器アセンブリ62が翼面50に対する法線即ち直角の方向を維持するため、塗布器アセンブリ62を車軸関節128を中心に調整する。加えて、コントローラ144は、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62が翼面50に沿って移動を続ける際に、翼面50と塗布器アセンブリ62との間の適切な分注用間隙を維持するため、センサ124によって収集された表面トポグラフィデータの分析を継続する。

次のブロック166で処理材料64の第2のまたは後続の塗布が完了すると、コントローラ144及び表面処理制御システム142の他の構成要素が、翼面50に沿った処理材料64のさらなる即ち後続の塗布が必要かどうかを判定する。表面処理制御システム142によって、処理材料64のさらなる即ち後続の塗布が必要であると判定された場合、表面処理方法またはプロセス150は、処理材料64の後続の塗布のためにブロック162に戻る。代わりに、コントローラ144及び表面処理制御システム142の他の構成要素によって処理材料64の塗布が完了したと判定された場合は、次のブロック168で、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は翼面50上への処理材料64の塗布を停止または終了する。ある実施形態では、自動式ロボットアセンブリ58及び塗布器アセンブリ62は、翼面50から撤収し、作業エリア46内に位置する表面処理ツールエリアに戻る。さらに、自動式ロボットアセンブリ58は、塗布器アセンブリ62を切り離し、処理材料64の次の塗布のために洗浄及び準備されるべき表面処理ツールエリアに、塗布器アセンブリ62を残す。

翼面50に対して、処理材料64の所望の処理または被覆が全て塗布され終わった後、次のブロック170で、表面処理方法またはプロセス150が完了したと判定され、翼26は次の製造工程または整備工程に移動する。

さらに、本開示は、以下の条項による実施形態を含む。

条項1.アセンブリ支持フレームと、表面上に処理材料を分注するように構成された材料塗布器と、内部空間を形成し且つ分注用開口を有する塗布器用クランプであって、材料塗布器の分注端を内部空間内で支持し位置決めするように構成された塗布器用クランプと、塗布器用クランプ内に形成された分注用開口内に挿入された塗布器先端であって、内部空間から塗布器用クランプの外側の箇所まで延びており、材料塗布器の分注端から処理材料を受容するように構成されている塗布器先端と、材料塗布器及び塗布器用クランプに取り付けられた塗布器用ブラケットであって、材料塗布器及び塗布器用クランプをアセンブリ支持フレームに摺動可能に取り付けるように構成されている塗布器用ブラケットと、アセンブリ支持フレーム及び塗布器用ブラケットに動作可能に取り付けられた自動式塗布器アクチュエータであって、塗布器用ブラケットを第1の位置と第2の位置の間で操作するように構成されている自動式塗布器アクチュエータとを備える、塗布器アセンブリ。

条項2.コントローラと、塗布器用クランプ及びコントローラに動作可能に取り付けられた少なくとも1つのセンサであって、コントローラは、自動式塗布器アクチュエータ及び少なくとも1つのセンサに通信可能に連結され、少なくとも1つのセンサは、表面を感知及びスキャンして、塗布器用クランプと表面との間で測定された距離を含む表面データセットを生成するように構成されており、コントローラは、塗布器アクチュエータが表面データセットに基づいて塗布器用ブラケットを操作するように動作させるべくプログラムされている、少なくとも1つのセンサと、をさらに備える、条項1に記載の塗布器アセンブリ。

条項3.塗布器用クランプに取り付けられた1つ以上の表面係合部材であって、塗布器用ブラケットが第2の位置にあるときに、1つ以上の表面係合部材が表面と係合し、塗布器先端が、塗布先端の塗布点に対する固定した高さで持続的接点を維持する、表面係合部材をさらに備える、条項1または2に記載の塗布器アセンブリ。

条項4.材料塗布器の分注端は、塗布器用クランプの分注用開口と位置合わせされ、分注端は、塗布器先端から固定した距離で離れたところに位置決めされている、条項1から3のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ。

条項5.塗布器用クランプは、内部空間内に形成された隆起リップ部を含み、隆起リップ部は、分注用開口の周縁を取り囲んで、材料塗布器によって供給された処理材料の余剰を塗布器先端から隔離するように構成されている、条項1から4のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ。

条項6.分注用開口は、分注用開口の外側面の周囲に配設された少なくとも1つの分注器先端ホルダを含み、少なくとも1つの分注器先端ホルダは、分注器先端を分注用開口内で堅固に保持するように構成されている、条項1から5のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ。

条項7.塗布器用ブラケットとアセンブリ支持フレームの間に車軸関節が形成されており、塗布器アセンブリが表面に対して所定の配向を維持するようにして塗布器用クランプが車軸関節の軸を中心に回転する、条項1から6のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ。

条項8.塗布器用クランプ内に形成された余剰材料用開口と、塗布器用クランプの外面に取り付けられた材料チャンバとをさらに備える塗布器アセンブリであって、車軸関節は、車軸関節の第1の位置と車軸関節の第2の位置との間で塗布器用クランプを回転させるようにさらに構成されており、塗布器用クランプが車軸関節の第1の位置から車軸関節の第2の位置へと回転するときに、処理材料が余剰材料用開口を通って材料チャンバ内へ注がれるよう、材料チャンバが余剰材料用開口と位置合わせされている、条項7に記載の塗布器アセンブリ。

条項9.処理材料で表面を処理するように構成された塗布器アセンブリであって、アセンブリ支持フレームと、表面上に処理材料を分注するように構成された材料塗布器と、内部空間を形成し且つ分注用開口を有する塗布器用クランプであって、材料塗布器の分注端を内部空間内で支持し位置決めするように構成された塗布器用クランプと、塗布器用クランプ内に形成された分注用開口内に挿入された塗布器先端であって、内部空間から塗布器用クランプの外側の箇所まで延びており、材料塗布器の分注端から処理材料を受容するように構成されている塗布器先端と、材料塗布器及び塗布器用クランプに取り付けられた塗布器用ブラケットであって、材料塗布器及び塗布器用ブラケットをアセンブリ支持フレームに摺動可能に取り付けるように構成されている塗布器用ブラケットと、アセンブリ支持フレーム及び塗布器用ブラケットに動作可能に取り付けられた自動式塗布器アクチュエータであって、塗布器用ブラケット、材料塗布器、及び塗布器用クランプを第1の位置と第2の位置の間で操作するように構成されている自動式塗布器アクチュエータと、処理材料を保持するように構成された圧力容器と、圧力容器から材料塗布器へと延びる、材料供給ラインであって、材料供給ラインは、処理材料を材料塗布器に供給するように構成されており、圧力容器は、材料供給ラインに連結されている、材料供給ラインと、アセンブリ支持フレームに動作可能に取り付けられ、表面処理の間、塗布器アセンブリを移動及び位置決めするように構成された、ロボットアームと、塗布器アセンブリに動作可能に取り付けられ、表面を感知及びスキャンして表面データセットを生成するように構成されたた少なくとも1つのセンサと、塗布器アセンブリに通信可能に連結されたコントローラであって、自動式塗布器アクチュエータが、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で塗布器アセンブリを操作し、材料塗布器を選択的に動作させて処理材料を表面に塗布するようにプログラムされたコントローラとを含む、塗布器アセンブリを備える、処理材料を表面に塗布するための表面処理システム。

条項10.少なくとも1つのセンサは高さセンサを含み、表面データセットは、塗布器アセンブリと表面との間で測定された距離を含み、コントローラは、表面データセットに基づいて塗布器アセンブリを操作する、条項9に記載の表面処理システム。

条項11.塗布器アセンブリに取り付けられた1つ以上の表面係合部材であって、塗布器アセンブリが第2の位置にあるときに、1つ以上の表面係合部材が表面と係合し、塗布器先端が、塗布先端の塗布点に対する固定した高さで持続的接点を維持するように構成されている、表面係合部材をさらに備える、条項9または10に記載の表面処理システム。

条項12.材料塗布器の分注端は、塗布器用クランプの分注用開口と位置合わせされ、分注端は、塗布器先端から固定した距離で離れたところに位置決めされている、条項9から11のいずれか一項に記載の表面処理システム。

条項13.塗布器用クランプは、内部空間内に形成された隆起リップ部を含み、隆起リップ部は、分注用開口の周縁を取り囲んで、材料塗布器によって供給された処理材料の余剰を塗布器先端から隔離するように構成されている、条項9から12のいずれか一項に記載の表面処理システム。

条項14.分注器開口は、分注用開口の側面の周囲に配設された少なくとも1つの分注器先端ホルダを含み、少なくとも1つの分注器先端ホルダは、分注器先端を分注用開口内で堅固に保持するように構成されている、条項9から13のいずれか一項に記載の表面処理システム。

条項15.塗布器アセンブリは、塗布器用ブラケットとアセンブリ支持フレームの間に形成された車軸関節をさらに含み、塗布器アセンブリが表面に対して所定の配向を維持するようにして塗布器用クランプが車軸関節の軸を中心に回転する、条項9から14のいずれか一項に記載の表面処理システム。

条項16.塗布器用クランプ内に形成された余剰材料用開口と、塗布器用クランプの外側表面に取り付けられた材料チャンバとをさらに備える表面処理システムであって、車軸関節は、車軸関節の第1の位置と車軸関節の第2の位置との間で塗布器用クランプを回転させるようにさらに構成されており、塗布器用クランプが車軸関節の第1の位置から車軸関節の第2の位置へと回転するときに、処理材料が余剰材料用開口を通って材料チャンバ内へ注がれるよう、材料チャンバが余剰材料用開口と位置合わせされている、条項15に記載の表面処理システム。

条項17.表面処理システムで表面を処理する方法であって、表面に処理材料を塗布するための、ロボットアームの処理開始位置を決定することであって、ロボットアームには、塗布器アセンブリが取り付けられている、決定することと、ロボットアームを処理開始位置に移動させ、塗布器アセンブリを表面と位置合わせすることと、塗布器アセンブリの塗布器先端を、処理材料を分注するように構成された材料塗布器に浸すことと、自動式塗布器アクチュエータによって、塗布器アセンブリを表面に対して位置決めするため、塗布器アセンブリを第1の位置と第2の位置の間で操作することと、表面に処理材料を塗布するため、塗布器アセンブリを選択的に動作させることと、を含む、方法。

条項18.方法であって、塗布器アセンブリが少なくとも1つのセンサを備え、塗布器アセンブリを操作することは、塗布器アセンブリと表面との間で測定された距離を含む表面データセットを生成するために、少なくとも1つのセンサで表面をスキャンすることを含む、条項17に記載の方法。

条項19.方法であって、塗布器アセンブリが、塗布器アセンブリに取り付けられた1つ以上の表面係合部材をさらに備え、塗布器アセンブリを第2の位置へと操作することは、塗布器先端が、塗布先端の塗布点に対する固定した高さで持続的接点を維持するようにして、1つ以上の表面係合部材を表面と係合させることを含む、条項17または18に記載の方法。

条項20.方法であって、材料塗布器が分注端を含み、塗布器先端を浸すことは、分注端を塗布器先端と位置合わせすることと、分注端を塗布器先端から一定の距離で離して位置決めすることを含む、条項17から19のいずれか一項に記載の方法。

条項21.自動式ロボットアセンブリを作業エリア内に位置する表面処理ツールエリアに移動することと、塗布器アセンブリを自動式ロボットアセンブリに取り付ける準備をすることとをさらに含む、条項17から20のいずれか一項に記載の方法。

条項22.塗布器アセンブリを選択可能に動作させることは、直線、曲線、破線、ベタ(solid)のパターン、及び/または他のパターンを付けることを含む、条項17から21のいずれか一項に記載の方法。

条項23.自動式塗布器アクチュエータは、第1の位置と第2の位置との間で塗布器用ブラケット、材料塗布器、及び塗布器用クランプを操作するように構成されている、条項1から8のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリ。

条項24.処理材料を表面に塗布するための表面処理システムであって、処理材料で表面を処理するように構成された条項1から8及び23のいずれか一項に記載の塗布器アセンブリと、処理材料を保持するように構成された圧力容器と、圧力容器から材料塗布器へと延びる材料供給ラインであって、材料塗布器に処理材料を供給するように構成されており、圧力容器が連結されている材料供給ラインと、アセンブリ支持フレームに動作可能に取り付けられ、表面処理の間、塗布器アセンブリを移動及び位置決めするように構成されたロボットアームと、塗布器アセンブリに動作可能に取り付けられ、表面を感知及びスキャンして表面データセットを生成するように構成された少なくとも1つのセンサと、塗布器アセンブリに通信可能に連結され、且つ、自動式塗布器アクチュエータが、少なくとも第1の位置と第2の位置との間で塗布器アセンブリを操作し、材料塗布器を選択的に動作させて処理材料を表面に塗布するようにプログラムされたコントローラとを含む、表面処理システム。

上記の詳細な記載は、特定の具体的な実施形態に関して与えられ提供されてきたが、一方で、本開示の範囲がこうした実施形態に限定されず、こうした実施形態が単に実施可能性とベストモードの目的のみのために提供されていることは、理解されるべきである。本開示の広さと主旨は、具体的に開示された実施形態よりも広く、添付の特許請求の範囲の中に包含されるものである。さらに、いくつかの特徴はある特定の実施形態に連動して記載されているが、これらの特徴は、記載されている実施形態のみでの使用に限定されるものではなく、代わりに、代替の実施形態と連動して開示された他の特徴と一緒に、または別個に、使用されてよい。

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