運動器具、制御装置、およびプログラム

申请号 JP2017083178 申请日 2017-04-19 公开(公告)号 JP2018175670A 公开(公告)日 2018-11-15
申请人 クラブコング株式会社; 发明人 松本 整;
摘要 【課題】一連の動きの中における負荷量をユーザの個別的事情に応じて調整できる運動器具、制御装置、およびプログラムを提供する。 【解決手段】システムは、負荷が調整可能な運動器具200を用いて行われる運動において、ユーザが運動中に運動器具に対して与える 力 の特性を表す運動特性を取得する第1取得手段211、222と、ユーザの属性情報を取得する第2取得手段240、250と、運動器具を用いてトレーニングを実施した一のユーザの運動特性と一のユーザの属性情報とに基づいて、一のユーザが運動器具を用いて運動する際の負荷の特性である負荷特性を決定する決定手段と、決定された負荷特性に基づいた負荷設定の指示を、運動器具に出力する出力手段221とを有する。 【選択図】図2
权利要求

負荷が調整可能な運動器具を用いて行われる運動において、ユーザが運動中に前記運動器具に対して与えるの特性を表す運動特性を取得する第1取得手段と、 ユーザの属性情報を取得する第2取得手段と、 前記運動器具を用いてトレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザの属性情報とに基づいて、当該一のユーザが前記運動器具を用いて運動する際の前記負荷の特性である負荷特性を決定する決定手段と、 該決定された負荷特性に基づいた負荷設定の指示を、前記運動器具に出力する出力手段と を有する制御装置。前記第1取得手段は、前記一のユーザについて、複数の時点において運動特性を取得し、 前記決定手段は、前記一のユーザについての、第1の時点において測定された運動特性と第2の時点において測定された運動特性とに基づいて、当該一のユーザに対する負荷特性を決定する ことを特徴とする請求項1に記載の制御装置。前記第1取得手段は、複数のユーザについて運動特性を取得し、 前記決定手段は、前記一のユーザの運動特性と当該一のユーザ以外のユーザの運動特性とに基づいて、前記一のユーザに対する負荷特性を決定する ことを特徴とする ことを特徴とする請求項1または2に記載の制御装置。前記決定手段は、前記一のユーザ以外の属性情報にさらに基づいて前記負荷特性を決定する ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制御装置。前記決定手段は、さらに、前記一のユーザ以外のユーザの運動特性に基づいて生成される付随情報を生成し、 前記出力手段は、該決定された付随情報を更に出力する ことを特徴とする請求項3または4に記載の制御装置。前記付随情報は、前記一のユーザ以外のユーザの属性情報にさらに基づいて生成される ことを特徴とする請求項5に記載の制御装置。前記付随情報は、当該一のユーザの運動特性が基準の運動特性から所定程度以上異なっていることを示す ことを特徴とする請求項5または6に記載の制御装置。前記属性情報は、前記運動に関係する体の部位における現在または過去の故障に関する情報を含む ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つ記載の制御装置。前記属性情報は、前記ユーザにとっての前記運動を行う目的に関する情報を含む ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか一つに記載の制御装置。前記属性情報は、前記運動の最中において前記ユーザが感じた感覚に関する情報を含む ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一つに記載の制御装置。コンピュータに、 負荷が調整可能な運動器具を用いて行われる運動において、ユーザが運動中に前記運動器具に対して与える力の特性を表す運動特性を取得するステップと、 ユーザの属性情報を取得するステップと、 前記運動器具を用いてトレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザの属性情報とに基づいて、当該一のユーザが前記運動器具を用いて運動する際の前記負荷の特性である負荷特性を決定するステップと、 該決定された負荷特性に基づいた負荷設定の指示を、前記運動器具に出力するステップと を実行させるためのプログラム。負荷が調整可能な可動部と、 前記可動部に作用された力の特性を表す運動特性を取得する第1取得手段と、 ユーザの属性情報を取得する第2取得手段と、 トレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザの属性情報とに基づいて、当該一のユーザが運動する際の前記負荷の特性である負荷特性を決定する決定手段と、 該決定された負荷特性に基づいて前記可動部の負荷を調整する調整手段と を有する運動器具。

说明书全文

本発明は、運動器具に関する。

トレーニングを行うための機器が種々存在する。これらの機器を用いて行うトレーニングの内容は、トレーニングを行う者の身体的特徴、運動機能、トレーニングを行う目的や目標などに応じて設定されることが好ましい。この点に関連し、文献1には、各ユーザのニーズに応じて、行うべき運動の種類、反復回数、強度を設定することが開示されている。

特開2015−83105号公報

トレーニング機器の一例として、脚を曲げた状態から伸ばすという一連の運動を反復して行うためのレッグプレスマシンについて考える。レッグプレスマシンの中には、トレーニング効果を高めるため、ばねや重りや制御回路等を内蔵しており、ユーザに与える負荷(運動強度)を調節する機能を有しているものがある。 一般的に、一連の動きの中で、力が入りやすい(負荷を増やしたほうがよい)ポイントや、力が入りにくい(多くの負荷を与えるべきでない)ポイントが存在するため、トレーニングの効果を最大化するためには、一連の動きの中で負荷量を調節できることが好ましい。そして、このポイントは、例えばユーザの身体的・機能的特徴(骨格や筋肉)によって異なりうる。上記ポイントが不適切に調整された機器を用いてトレーニングを行った場合、所望の効果が得られないばかりか、筋肉を傷める虞もある。

さらに、上記ポイントは、ユーザの心理状態(例えば、怪我などによって痛みを感じる結果、力が発揮しにくくなっているなど)にも影響される場合がある。加えて、上記ポイントは、トレーニングを行う目的(ダイエット、リハビリ、特定の競技についての競技力向上等)によっても異なり得る。このように、トレーニングを行うユーザ側の事情はさまざまであり、例えば文献1の発明では、各ユーザの個別的事情に対応して、一連の動きの中における負荷量を適切に調整することが困難である。

本発明は、一連の動きの中における負荷量をユーザの個別的事情に対応して調整することを目的とする。

本発明は、一の態様において、負荷が調整可能な運動器具を用いて行われる一連の運動において、ユーザが運動中に前記運動器具に対して与える力の特性を表す運動特性を取得する第1取得手段と、ユーザの属性情報を取得する第2取得手段と、前記運動器具を用いてトレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザの属性情報とに基づいて、当該一のユーザが前記運動器具を用いて運動する際の前記負荷の特性である負荷特性を決定する決定手段と、該決定された負荷特性に基づいた負荷設定の指示を、前記運動器具に出力する出力手段とを有する制御装置を提供する。 本発明は、他の観点において、コンピュータに、負荷が調整可能な運動器具を用いて行われる一連の運動において、ユーザが運動中に前記運動器具に対して与える力の特性を表す運動特性を取得するステップと、ユーザの属性情報を取得するステップと、前記運動器具を用いてトレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザの属性情報とに基づいて、当該一のユーザが前記運動器具を用いて運動する際の前記負荷の特性である負荷特性を決定するステップと、該決定された負荷特性に基づいた負荷設定の指示を、前記運動器具に出力するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。 本発明は、他の観点において、負荷が調整可能な可動部と、前記可動部に作用された力の特性を表す運動特性を取得する第1取得手段と、ユーザの属性情報を取得する第2取得手段と、トレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザの属性情報とに基づいて、当該一のユーザが運動する際の前記負荷の特性である負荷特性を決定する決定手段と、該決定された負荷特性に基づいて前記可動の負荷を調整する調整手段とを有する運動器具を提供する。

本発明によれば、一連の動きの中における負荷量をユーザの個別的事情に応じて調整することができる。

制御システム100の概要を示す図。

運動器具200の機能構成を示す図。

運動器具200の例を示す図。

運動器具200の他の例を示す図。

運動器具200の他の例の拡大図。

サーバ300の機能構成を示す図。

ユーザDB321に記憶される情報の例を示す図。

マシンDB323に記憶される情報の例を示す図。

運動履歴DB322に記憶される情報の例を示す図。

トレーニング開始時に取得した運動特性曲線の例(その1)。

負荷特性曲線の例(その1)。

負荷特性曲線の例(その2)。

トレーニング開始時に取得した運動特性曲線の例(その2)。

負荷特性曲線の例(その3)。

負荷特性曲線の例(その4)。

他人の運動特性データとの類似度を決定する処理を示す模式図(その1)。

他人の運動特性データとの類似度を決定する処理を示す模式図(その2)。

サーバ300に記憶されるデータベース324の例。

制御システム100の動作例。

図1は制御システム100の概要を示す。制御システム100は、運動器具200−1、200−2、200−3、およびサーバ300を含む。 各運動器具200は、負荷が調整な可動部を少なくとも備えた運動器具であって、例えば、ペダリングマシン、レッグプレス、ベンチプレス等である。運動器具200にて実現される運動の内容、種類、主に使用する体の部位は特に限定されない。要は、一連の運動(可動部の動作開始点と動作終了点とで定義される動作の単位)を繰り返してユーザに行わせることによって、筋肉に負荷を与える装置である。動作の単位とは、典型的に、脚や腕を最も曲げた状態から最も伸ばした状態にするまで(あるいはその逆方向)の動作であるが、伸ばした状態からさらに曲げた状態に戻るまでを一単位と捉えてもよい。あるいは、ペダルを一回転だけ漕ぐ動作も一連の動作といえる。 加えて、各運動器具200は、負荷量(力の大きさ)以外に、トレーニングに関係するパラメータを調節する機能を有する。具体的には、力を入れさせる方向やタイミングの調節機能のほか、一連の運動を繰り返す回数や一回のトレーニングの時間の長さを設定および変更する機能を有する。

負荷の設定に関し、各運動器具200は、サーバ300から指示された情報に基づいた負荷特性が設定された状態でユーザにトレーニングを行わせる機能(トレーニングモードという)と、上記負荷特性を決定するために用いられるユーザの運動特性データを生成してサーバ300に提供する機能(計測モードという)とを有する。計測モードにおいては、例えば、等負荷(一連の運動においてユーザに与える負荷量が一定)、あるいは等速度(可動部の移動・回転、ねじれ等の運動)の速度が一定となるような制御の下、ユーザに運動をさせることにより行われる。

初めて運動器具200を利用するユーザは、まずは計測モードで運動し、自身の運動能力等が反映された負荷特性を取得し、該取得した負荷特性のトレーニングモードで所定期間(例えば3か月)トレーニングを重ねたのち、再び計測モードを用いて計測をし直し、負荷特性を取得(更新)する。このようにトレーニングモードと計測モードとを繰り返していくことで、ユーザは目的の肉体的状態を目指すことになる。

なお、各運動器具200の機能(実現される運動の内容)は同一であってもよいし異なっていてもよい。また、図示された運動器具200の数は、例示に過ぎず、制御システム100に少なくとも1台以上存在すればよい。各運動器具200は同一の施設内に設置されて同一のユーザが利用できるようになっていてもよいし、離れた場所に設置されてもよい。

サーバ300は、汎用のサーバ装置やコンピュータとして実現され、制御システム100の運営者によって管理される。 運動器具200およびサーバ300は、ネットワーク900を介して接続される。ネットワーク900は、例えばインターネット、LAN、基地局や無線アクセスポイントなどによって構成される。

図2は運動器具200の機能構成を示す。運動器具200は、可動機構210と、制御部220と、通信部230と、ユーザ特定部240と、入力部250と、記憶部260と、報知部270とを含む。

報知部270は、液晶ディスプレイやスピーカ等の出力手段であって、調整部223にて決定された情報をユーザに文字、画像、音声等によって報知する。

記憶部260は、半導体メモリ等の記憶装置であって、トレーニング対象のユーザを認証するための情報、センサ211にて取得された情報、可動機構210の負荷を制御するために必要な設定情報(パラメータやアルゴリズム)、後述する機能を運動器具200に実現させるためのプログラムを記憶する。

可動機構210は、ばね、シャフト、クランク等の変位機構と、負荷設定部221から供給される制御信号に基づいて、機構に与える負荷(抗力)を設定するためのモータや制御回路等などを含む。ユーザはこの負荷に抗って力を変位機構に作用させることで、変位機構が動き、ユーザは所定の運動を行うことができる。変位機構によって実現される運動は、例えば、回転運動や平行移動である。本実施例において、運動器具200によって実現される運動の種類、変位可能な方向(運動の自由度)や可変量、トレーニング対象の体の部位については、特に限定されない。

可動機構210は、センサ211を含み、ユーザによって行われた運動の結果を検知する。具体的には、センサ211は、機械的、電気的、または磁気的方法によって、可動機構210の変位量(移動量や回転量等)を計測するセンサと、当該変位においてユーザから受けた力を計測するセンサ(加速度センサ、速度センサ、歪みセンサ、静電容量センサ等)とを含む。

センサ211が計測を取得するタイミングは、予め定められたサンプリングタイミング(例えば10ミリ秒ごと)ごとであってもよいし、可動部の所定の変化量(位置変化量1cm、角度変化量1°など)を検知するごとであってもよい。後者の場合、ユーザの体格等に応じて、一連の運動に係る変位量(運動開始点から運動終了点まで距離)が異なる場合、例えば予めユーザごとに一連の運動に係る変位量を計測ないし登録しておき、この変位量を所定の方法で等分することにより、センサ211による計測を行うポイントを設定してもよい。

計測された情報は、逐次、記憶部260に記憶され、必要に応じて解析部222によって読み出される。なお、検知する変位量や運動量は、一次元の値(スカラー量)であってもよいし多次元の値(ベクトル量)であってもよい。

入力部250は、タッチパネル等の入力デバイスであって、IDやパスワードなど、運動器具200を使用するユーザを識別するための情報を入力するために用いられる。加えて、入力部250は、当該ユーザの属性情報を入力するために使用されてもよい。属性情報とは、年齢・性別、身体的特徴や運動機能に関係する基本的ないし数値化可能な客観的な情報のほか、運動器具200にて行われる一連の運動に関係する体の部位における現在または過去の故障(怪我や病気)に関する情報、運動を行う目的に関する情報、運動中において感じたユーザの感覚に関する情報など、ユーザに特有の事情、ユーザが置かれている状況、トレーニングを行う背景等に関する情報を含むことができる。

なお、上記の情報を入力するのは、トレーニングを行うユーザであってもよいし、運動器具200を管理する施設の職員であってもよい。後者の場合、例えば、職員が、ユーザからヒアリングを行って得た情報を、サーバ300に接続されるコンピュータ(図示せず)を用いて入力し、入力された情報をサーバ300に送信してもよい。この場合、サーバ300は、ユーザごとに付与され、ユーザに関する情報を受信すると、当該ユーザの識別子として機能し、そのユーザに関する情報にアクセスするための情報(QRコード(登録商標)等)を発行し、運動器具200またはユーザの保有する携帯端末(図示せず)へ送信してもよい。あるいは、サーバ300が、ユーザの携帯する端末や、外部のサーバ(ユーザの既往歴を管理するデータベースなど)から、属性情報を取得してもよい。

なお、運動を行う目的とは、例えば、筋力増強、運動動作の改善、スポーツ技術の向上、ダイエット(脂肪燃焼)、加齢や故障に伴って低下した筋力の回復(いわゆるリハビリ)等である。感覚に関する情報とは、例えば運動に伴う痛み、不快感などに関するものである。

なお、入力部250は、タッチパネルに替えて、音声入力を行うためのデバイスとして実装されてもよいし、ユーザが携帯するIDカードに記憶された情報を読取る装置として実装されてもよい。

制御部220は、1以上の汎用または専用プロセッサやプロセッサあるいは制御回路として実装され、負荷設定部221と解析部222と、調整部223とを含む。制御部220は、トレーニングモードと計測モードの切替えを行う。ユーザ認証時にサーバ300から提供される設定情報を参照して実行し、または記憶部260に記憶されている設定情報に従って実行する。

解析部222は、運動器具200を用いて行われるユーザの運動において発揮された力の特性を表す運動特性データを取得する。運動特性データは、例えば、ユーザが行う一連の運動において、可動機構210の可動部に作用された力(大きさおよび向きの少なくともいずれか)と当該可動部の変位量との関係として定義することができる。具体的には、横軸を変位、縦軸をユーザによって及ぼされた力と規定すると、運動特性は曲線(特性曲線)として表わすことができる。運動特性の表現方法は一例であって、例えば一連の運動中のタイミング(時点)とその時点において発揮された力との関係を示すものであってもよい。例えば、運動特性は力(例えば単位はニュートン)自体ではなく、力と移動距離や力が作用された期間(仕事量(例えばワット単位)や仕事率(例えばジュール単位))を用いて表現されてもよい。 取得した運動特性データは、通信部230を介してサーバ300に送信されるとともに、調整部223に供給される。 また、センサ211における直接的な計測値(例えば電圧値・電流値)を、力を表す量に変換せずそのままサーバ300に出力してもよい。この場合、サーバ300においては後述の負荷特性を決定するために所定の変換処理を行ってもよいし、変換処理を行わずに負荷特性を決定してもよい。

なお、運動特性データを送信するタイミングは、例えば1サイクルの運動が完了するごとであってもよいし、所定回数の運動サイクルが完了した時点であってもよいし、トレーニング開始から所定時間が経過した時点であってもよい。複数回のサイクルを経て運動特性データを送信する場合、例えば各運動サイクルについて得られた運動特性データに対して所定の統計処理を行い、一つの運動特性データとしてサーバ300に送信する。所定の統計処理とは、例えば平均化、計測したデータの一部を抜粋する処理を含む。抜粋処理とは、例えば、データのうち極大値、極小値などの特徴量を抽出する処理である。

負荷設定部221は、計測モードにおいて、可動機構210にて実現させる負荷特性を制御する信号を生成して可動機構210に供給する。負荷設定部221は、通信部230を介してサーバ300から取得した、負荷特性データが負荷設定部221に供給されると、予め定められたタイミングで、当該負荷特性データに基づいて負荷を設定する指示が可動機構210に供給される。負荷の指示を出力するタイミングは、トレーニングの途中(例えば1サイクルの運動が行われるごとであってもよいし、所定回数の運動サイクルが完了した時点であってもよいし、トレーニング開始から所定時間が経過した時点など)であってもよいし、常にトレーニング開始時となるように設定してもよい。

調整部223は、負荷特性以外の、トレーニングに関するパラメータを制御する。具体的には、調整部223は、解析部222から出力された情報に基づいて、所定のアルゴリズムに従って、可動機構210を構成する可動部の位置や向き(姿勢)、速度(ペダリングマシンにおけるペダルの角度、レッグプレスマシンにおける座椅子の高さ等)を設定する。設定された情報は、可動機構210に出力される。なお、このパラメータは負荷量に影響を与えるものであっても構わないが、負荷特性(一サイクルの運動中に負荷をどのような変化させるか)を規定するものは除かれる。

また、調整部223は、記憶部260に記憶される情報および解析部222から出力された運動特性に基づいて、トレーニングの内容(時間や反復回数等)に関するパラメータを設定し、報知部270に出力する。このパラメータの設定を実行するタイミングは、一サイクルの運動終了後であってもよいし、所定の運動サイクルからなる一回のトレーニング終了後であってもよいし、自由に定めることができる。 なお、負荷特性以外のパラメータも負荷特性と同様にサーバ300にて生成し、調整部223はサーバ300から当該情報を取得してもよい。 また、調整部223は、解析部222から出力される情報に加えて、運動器具200に入力されまたはサーバ300から取得された、ユーザに関連する情報を加味して上記パラメータを設定してもよい。

ユーザ特定部240は、プロセッサやデータ読取装置として実現され、入力部250にて入力された情報やユーザが提示したIDカードから読み出された情報を、記憶部260に記憶された情報と照合するなどして、トレーニングを行っている(またはこれから行おうとしている)ユーザを特定する。 他の態様として、ユーザ特定部240はICカードリーダやバーコードリーダなどの情報読み取り装置として実現され、サーバにて発行されたQRコード等の識別情報をユーザがトレーニング開始前にユーザ特定部240にかざすと、そのユーザの特定(認証)を行うとともに、そのユーザに対して運動器具200に設定すべき情報を生成するために用いられる情報をサーバ300から取得してもよい。この場合は、入力部250は省略することが可能である。

通信部230は、所定の通信規格に従ってサーバ300と情報の授受を行うための通信インタフェースである。具体的には、通信部230は、解析部222から供給される運動特性データを、運動器具200を特定するための識別情報とユーザを特定するための識別情報とともに、サーバ300に送信する。また、通信部230は、トレーニング対象のユーザの運動特性に加えて、当該トレーニング対象のユーザのユーザ属性および当該ユーザ以外のユーザの運動特性の少なくともいずれかに基づいて決定された負荷特性データおよびこれに付随する付随情報をサーバ300から取得すると、負荷設定部221に供給する。

また、トレーニング完了時に、当該トレーニングの内容を示す情報をサーバ300に送信する。加えて、通信部230は、必要に応じて、入力部250にて入力されたユーザの属性情報をサーバ300に送信し、またはユーザ属性や設定情報をサーバ300から受信する。

図3(a)は運動器具200の外観の例を示す。この例において、運動器具200は、いわゆるレッグプレスマシンであり、ユーザ特定部240と可動機構210とを含む。

運動器具200は、足置き台と、平行移動が可能な可動機構210に接合された座面および背凭れとで構成された、主に脚の筋力を強化させることを目的とするものである。足置き台に及ぼされた力によって足置き台から座面までの距離dが変化するようになっている。可動機構210にはサーボ機構等が内蔵され、座面の位置に応じて、フレームを移動させるための抵抗力を自由に制御できるようになっている。すなわち、脚の曲げ具合に応じて、発生させる負荷量を制御することができる。距離dが最小となるのは足を最も屈曲させた状態であり、距離dが最大となるのは足を最も伸ばした状態である。足を最も屈曲させた状態から開始して足を最も伸ばした状態となると、1サイクルの運動が完了する。

図3(b)は運動器具200の外観の他の例を示す。この例において、運動器具200は、ユーザ特定部240と可動機構210とを含み、可動機構210を繰り返し漕ぐことによって主に足の筋力強化を目的とするペダリングマシンである。 図3(c)は、ペダル部を拡大したものである。可動機構210は、クランク215とペダル216とを含む。可動機構210にはクランク215の回転角(ペダル216の位置)に応じて負荷量を調整することができる駆動機構が内蔵されている。ペダル216の1回転(0≦θ≦360°)が、1サイクルの運動に相当する。なお、初動位置(θ=0)の適宜は任意である。

図4はサーバ300の機能構成を示す。サーバ300は、情報の入出力および演算処理を有する一般的な情報処理装置としての機能を有し、決定部310と、通信部330と、記憶部320とを含む。

決定部310は、1以上の汎用または専用のプロセッサとして実現され、運動器具200から提供された、あるユーザについての属性情報に少なくとも基づいて、運動器具200にて設定すべき負荷特性を決定する。例えば、決定部310は、所定のアルゴリズムに従って、該運動特性曲線において現れる極大値の位置、変曲点の位置、極小値の位置、当該極大値の値、当該極小値の値、当該変曲点における値のうち少なくともいずれか一つが変更されるように、負荷特性を決定する。 好ましい態様において、決定部310は、当該あるユーザについて計測された運動特性と当該ユーザのユーザ属性とを用いて負荷特性を決定する。

また、決定部310は、当該ユーザ以外の属性情報をさらに考慮して負荷特性を決定してもよい。さらに、決定部310は、および当該ユーザ以外のユーザの運動特性をさらに考慮して負荷特性を決定してもよい。 自己の属性情報や自己または他人の運動データに基づいて負荷特性を決定する具体例については後述する。

決定部310は、さらに、同一のユーザについて互いに異なる時点において取得された第1の運動特性および第2の運動特性を比較した結果に基づいて、負荷特性を決定してもよい。 例えば、負荷特性を決定すべく、あるユーザについて今取得した運動特性と、そのユーザについて過去(例えば3か月前)に既に取得され記憶部320に記憶されている運動特性とを比較し、当該今取得した運動特性と該比較の結果とを加味して負荷特性を決定する。具体的には、決定部310は、所定のアルゴリズムまたは記憶部320に蓄積された他人の運動特性の変化や他人のユーザ属性の変化等を解析した結果を用いて、そのユーザの運動特性の変化の原因を推定する。そして、推定した原因に応じて負荷特性を決定する。例えば、原因が筋力の向上であると推定した場合、全体的な負荷を上げるような負荷特性曲線を決定する。あるいは、そのユーザについて怪我など体調の不備が疑われる場合は、負荷を下げるような負荷特性曲線を決定する。なお、対比すべき過去の運動特性は過去の一時点(現在から所定期間前あるいは最後に計測が行われたされた時点)にのデータであってもよいし、2以上の過去の時点に計測された運動特性を用いてもよい。後者の場合、トレーニングを始めてから現在までの運動特性の推移を加味して、いま設定すべき負荷特性を決定することができる。 自己の現在の運動特性と過去の運動特性との比較は、過去に積み重ねたトレーニングの効果あるいはトレーニングへの意欲を示す一つの指標といえる。よって、現在得られている運動特性や現状のユーザの状態を示すユーザ属性からだけは推し量ることが困難な、ユーザの意欲や潜在的能力・機能を加味した内容のトレーニングを提供することができる。

負荷特性を決定するタイミングは、運動器具200から運動特性データを受信するごとであってもよいし、予め定められたタイミング(所定の運動サイクル数を達成した時点、一つのトレーニング開始からの経過時間、トレーニングが行われた回数、所定の経過時間(20日、3か月など))であってもよい。

通信部330は、所定の通信規格に従って各運動器具200と情報の授受を行うための通信インタフェースであり、各運動器具200から、運動器具200を特定するための情報、当該運動器具200にてトレーニングを行うユーザを特定するための情報、運動特性データ、属性情報を取得する。また、通信部330は、サーバ300にて生成された負荷特性データを運動器具200へ送信する。

記憶部320は、ハードディスクや半導体メモリ等の記憶装置であって、上述したサーバ300の機能を実現させるためのプログラムのほか、ユーザDB321、運動履歴DB322、およびマシンDB323を格納している。ユーザDB321およびマシンDB323は、決定部310が負荷特性データを生成する際に参照される。運動履歴DB322は、決定部310がトレーニング履歴を参照して負荷特性データを生成する場合に参照される。

図5はユーザDB321に記憶される情報の例を示す。ユーザDB321には、各ユーザについての、設定情報およびユーザ属性(基本的属性および状況情報(トレーニングを行う背景、事情など、トレーニング内容以外の情報など))が記憶される。設定情報とは、トレーニングの計画、スケジュール、内容、方針のほか、可動部の位置、角度、速度等、負荷特性に関する情報以外のトレーニングに関する情報が記憶される。 なお、設定情報および属性情報は、ユーザによって予め登録されていてもよいし、毎回のトレーニング開始時に運動器具200にて入力されて運動特性データとともにサーバ300に送信されてもよい。なお、基本属性と状況情報のうちいずれか一方が省略されてもよい。

図6は、マシンDB323に記憶される情報の例を示す。マシンDB323は、各運動器具200を特定するための識別情報に対応付けて、その運動器具200の負荷を調整するためのパラメータを記憶する。 このパラメータは、運動器具200にて実現可能な運動の自由度に依存する。例えば、001のマシンの場合、設定可能する負荷量は抗力(スカラー量)であり、デフォルトの設定で、負荷量PはP0(d)という関数形で表わされる。002のマシンの場合は、X軸についての回転とY軸についての回転の、2つの自由度が存在し、回転の状態(θ、φ)において発生させる負荷力WはW=W0(θ、φ)という関数形で表わされている。

図7は、運動履歴DB322に記憶される情報の例を示す。運動履歴DB322には、ユーザごとに、運動器具200を用いて過去に行ったトレーニングの内容を表す情報が記憶される。具体的には、トレーニングが行われる度にレコードが生成される。一つのレコードには、トレーニングが実行された日時、トレーニングを行った運動器具200を識別するマシンID、トレーニングの内容(適用された負荷特性)、総運動時間、フィードバック(ユーザの感想)が記録される。

この例では、Aさんの場合、負荷特性曲線q1が適用された運動が10分間行われ、別の日に運動特性を計測して運動特性曲線p2を取得し、この結果に基づいて負荷特性曲線q2が更新され、該更新された負荷特性曲線q2が適用されて30分間運動を行ったことを示している。 なお、適用する負荷特性や計測する運動特性は、運動特性曲線や負荷特性曲線(連続関数)として表現されている必要はない。離散的な位置(あるいは変化量)と当該位置において発揮された力(与える負荷)の組合わせの集合であってもよい。要するに、この項目には、運動器具200にて適用された負荷特性を表す情報と、負荷特性を更新する際に取得された、ユーザが運動した結果を表す情報とが記録される。

<1.自己の属性情報に基づいて負荷特性曲線を決定する例> 図8は、あるユーザについて取得された運動特性曲線の具体例である。p1は、計測モードにおいて、ユーザがレッグプレスマシンにて運動した際に発揮された力の特性を示す。横軸は変位量(距離)であり、縦軸は発揮されたユーザの力またはユーザに与えた力の大きさである。初動点d1において力は最小値Fminであり、dが大きくなるにつれて(すなわち脚が徐々に伸ばされるにつれて)大きな力が発揮され、力は変位量d=d2において最大値Fmaxを取る。すなわち、このユーザはd=d2において最も力が発揮されたことを示す。ここからさらにdが大きくなる(脚が伸ばされる)と、発揮された力は徐々に小さくなり、動作終了点d3(例えば脚が完全に伸びきった状態)で1サイクルの運動が終了する。

図9は、この運動特性曲線p1に対応して、当該ユーザの属性情報,トレーニング目的等を加味して生成され、以後のトレーニングモードにて適用される負荷特性曲線q1の例を示す。負荷特性曲線q1は、初動点d1および動作終了点d3において与える負荷は変化させず、ピーク位置はd2のまま、ピーク位置d2付近おいてユーザにより大きな力を発揮させるべく、p1と比べてピーク負荷量をΔ=F'max−Fmaxだけ増大する設定となっている。すなわち、この例では、得られた運動特性に対し、ピーク位置を保ったままピーク強度を変化させるように矯正することを目的とするアルゴリズムが採用されている。

図10は、運動特性曲線p1に対して生成された他の負荷特性曲線q2の例である。この例では、上に凸である全体的な形状である点は変わらないものの、負荷特性曲線q2においては、ピーク位置がd2にシフトしている一方、ピーク値は変わらない。すなわち、負荷特性曲線q2は、d2´において(すなわち一連の運動においてより早いタイミングで)最も強い力を発揮するようにユーザに促すことを目的としたアルゴリズムが採用されている。このような設定を行う場面としては、例えば、このユーザが競技力向上を目的としており、通常の人にとっては負荷特性曲線q1のような力の発揮させ方が筋力アップには理想的である一方、このユーザが行う競技を行う上では負荷特性曲線q2に従った力の発揮のさせ方が競技力向上に寄与することが研究によって明らかになっているような場合が考えられる。なお、ピークのシフト方向は逆(ゆっくり力が発揮される報告)であってもよい。 このように、トレーニングの目的等に応じたトレーニング対象の部位の筋力の理想的な使い方をユーザの体に覚え込ませることができる。

このように、検出した運動特性に対して唯一定まる負荷特性が決定されるのではなく、ユーザの属性,トレーニング目的等を加味して負荷特性が決定される。この結果、仮に似たような運動特性を発揮するユーザがいたとしても、年齢や性別などの基本的属性、トレーニングの目的、トレーニングに取り組む背景などの事情が異なれば、設定される負荷特性も変わり得る。

図11は、取得された運動特性曲線の他の例である。同図に示すように、運動特性曲線p2は、変位量d4において極小値をとり、変位量d5とd6とにおいて極大値をとる。一般的な運動においては、運動特性は、図8のような1つのピークを有する上に凸な形状を示すが、p2のような形状は通常とはいえない。よって、現状運動器具200に設定されている負荷をこのまま適用し続けたり、負荷を一様に(変位量に関係なく)増減させるだけでは、少なくともこのユーザにとっては、好ましいトレーニングが実現されるとは言い難い。

図12は、この運動特性曲線p2に対応して生成された負荷特性曲線の例である。負荷特性曲線q3において、初動点d1における値Fminは運動特性曲線p2と同じであるが、変位量d4において一つのピークを有する、上に凸な形状となっている。そして、ピーク値は等しい(F=q3(d4)=p2(d4))。すなわち、負荷特性曲線q3は、全体としては運動強度を下げつつ、理想的な運動特性(体の使い方)をするようにユーザを促すことを目的としている。

例えば、ユーザ属性から、ユーザが痛みを感じていると推定される場合、あるいは過去に怪我をしたことがあると推定される場合に、このような負荷特性曲線が決定される。痛みや故障が原因であると推定される場合は筋肉を傷めてしまう可能性があるので、運動特性曲線p2のような特徴が計測された場合、筋力強化よりも負荷をかけずに理想的な動きを覚えさせるべく、負荷特性曲線q3のような特性を設定したほうが好ましいと考えられる。

属性情報からは痛みや故障の事実が推認できない場合などは、q4のような負荷特性曲線が決定される。これは運動強度(筋力強化)についても運動特性(筋肉の使い方)についても、同時に改善を目指すことを目的としている。

あるいは、筋肉の使い方の癖のみを強制するという目的が属性情報に記述されている場合は、q5に示すように、運動強度(曲線と2つの軸で囲まれる面積に相当)が運動特性曲線p2とほぼ同一となるように、且つ曲線形状を理想的な状態に近いものに矯正するような負荷特性を設定してもよい。

あるいは、痛みの発生や故障の事実が窺えず、例えば筋力アップ重視を望んでいることが属性情報に記述されているような場合は、曲線形状はこのままで維持する(矯正しない)という考え方もあり得る。このような場合は、決定部310は、運動特性曲線p2に対し、図13に示すq6のような負荷特性を設定してもよい。これは、力が入るポジションにおいてより力が発揮されるように鍛える一方、力があまり入らないポジションにおいては力をあまり入れなくてもトレーニングができるようにすることを目的としている。

上記実施例によれば、ユーザが行った運動の特性に加えて、各ユーザに固有の、運動特性以外の要素を加味して運動器具200における負荷特性を設定できる。

<2.他人の運動特性を加味して負荷特性曲線を決定する例> 図14は、サーバ300が、他人の情報を用いて負荷特性曲線を決定する例を説明するための模式図である。ここでは、対象のユーザ(ここではAさんとする)について、同図の上の図に示す運動特性曲線p2を得たとする。すると、決定部310は、運動履歴DB322内を検索し、所定のパターンマッチングアルゴリズムを用いて、p2と最も類似度が近い運動特性データを決定する。 この例では、Cさんの運動特性データと最も類似度が高かったとする。すると、決定部310は、このCさんの運動特性データに対して生成された負荷特性データに基づいて、Aさん用の負荷特性データを生成する。具体的には、Cさんに対して生成された負荷特性データをそのままAさん用の負荷特性データとして採用してもよいし、Aさんの運動特性データとCさんの運動特性データとの差分に基づいて、Cさん用に生成された負荷特性データを補正してもよい。 なお、所定のパターンマッチングアルゴリズムとは、固定的なものに限らず、例えば、機械学習などのいわゆるAI(人工知能)に関する技術を、サーバ300にて蓄積された運動特性や属性情報に適用することによって得られるものであってもよい。機械学習として、例えばディープラーニングの手法を採用することができる。

また、負荷特性データの算出は、他の運動特性に基づいていれば、他人のために生成された負荷特性データ自体を必ずしも用いる必要はない。例えば、サーバ300は、多数の人について、蓄積されたユーザ属性と運動特性とを解析して、過去に運動器具200にて適用された負荷特性の更新パターンと該パターンを適用したユーザの属性とを記憶部320に記憶しておく。そして、運動器具200からの要求に応じて、予め定められたパターンのうち、そのユーザの属性およびまたは過去のトレーニング内容に対応する一の更新パターンを決定する。

例えば、サーバ300は、蓄積した運動特性やユーザ属性に基づいて、図15に示すようなデータベース324を作成する。このデータベース324には、各更新パターン(更新前後の負荷特性の組み合わせ)に対応付けて、そのパターンを適用した複数のユーザのユーザ属性を表す情報、各更新パターンが適用された頻度、適用された時点のユーザのトレーニングの履歴(トレーニングを行った頻度、トレーニングを行った総時間、その他のトレーニングの実績やスケジュールに関する情報)、この負荷特性の変更によってもたらされた効果が記述されている。 ここで、同図における効果とは、ユーザやトレーナーによって入力される主観的な情報であってもよいし、負荷特性の更新前後の2つの時点において測定それぞれされた2つの運動特性をデータ解析して得られる、その負荷特性を用いて行ったトレーニングによる運動能力または肉体的変化を表す指標を用いて表現されてもよい。また、この効果はユーザ属性ごとに記述してもよい。すなわち、所定のユーザ属性を有するユーザに特有に表れる効果を記述してもよい。 この例では、負荷特性q1を適用したユーザ中、その後負荷特性q5に変更したユーザの割合が全体の50%と最も多いこと、負荷特性q5へ変更したユーザの半数はダイエット目的であり、そのユーザを平均するとトレーニングを始めてか1か月未満であり、無理なく続けられたというユーザの反応が多く寄せられた、ことを示している。

決定部310は、このデータベース324を参照することで、負荷特性を決定する。例えば、決定部310は、対象のユーザのユーザ属性やトレーニング期間に関する適合度が最も高い更新パターンを決定する。例えば、ダイエット目的で女性のユーザであれば、負荷特性q5が選択される。 このようにして決定される負荷特性(例えばq5)は、運動特性に依存した情報であってもよいし、運動特性とは無関係に定義されるもの(例えば負荷曲線自体を表すデータ)であってもよい。前者の場合、例えば、負荷曲線の形状は理想的な形状としつつ、現在の運動特性データのピーク値を5%だけ上昇させることを目的とした負荷特性である。後者の場合、負荷特性を決定するために運動特性の測定を行う必要がなく、ユーザ属性のみ決定できればよい。従って、この場合、運動器具200において上述の測定モードは省略してもよい。

一般に、運動特性データやこれに対応する負荷特性データはデータ量が多いため、運動特性データのマッチング処理等のデータ解析には少なくない演算量が必要とされる場合があるが、このデータベース324を用いて負荷特性を決定する態様によれば、予め定められた複数の更新パターンのうちユーザ属性等に適合する一つの更新パターンを決定すればよいので、負荷特性決定の際の演算量を抑えることができる。

あるいは、決定部310は、他人のユーザ属性に替えてまたは他人のユーザ属性とともに、他人に適用した際の効果に関する情報に基づいて、選択すべき更新パターンを決定していてもよい。例えば、現在負荷特性q5を現在適用しているユーザに対して、更新パターンq1→q5、q1→q6、q1→q7、・・・のうち、効果を表す指標値が最も大きい更新パターンを決定する。あるいは、ユーザ属性の類似度と効果の程度とを加味して更新パターンを決定してもよい。例えば、一般的な属性のユーザには高い効果が期待できる(換言すると、普遍性が高い)更新パターンであったとしても、ユーザ属性が一般からかけ離れている場合はそのような効果があまり期待できないので、そのような属性のユーザについては、ユーザ属性の類似度を優先して他の更新パターンを選択する、といった判定を行うことができる。

このように他人に実際に適用した実績に基づいて負荷特性データを生成することで、理論のみに基づいて負荷特性を計算する場合よりも信頼性が増す可能性がある。この信頼性は、サーバ300に記憶される運動特性データと負荷特性データの数が多くなるほど、換言すると、多数の運動器具がサーバ300と接続されるほど、増すと期待される。

なお、自己の属性情報と他人の運動特性の両方を加味してもよい。例えば、自己の属性情報として、ダイエット目的という情報が記述されている場合に、当該目的に沿って理論的に得られる負荷特性データを生成し、運動特性の類似度が高い他人について生成された負荷特性曲線データとの差異に基づいて補正する。

自己の現在または過去の属性情報、他人の現在または属性情報、および他人の現在または運動特性に基づいて、負荷特性データを生成してもよい。例えば、決定部310は、図16に示すように、運動特性の類似度とユーザ属性の類似度とを個別に決定し、運動特性の類似度とユーザ属性の類似度から所定のアルゴリズムに従って総合的な類似度を算出し、総合的な類似度が最も高い運動特性データに基づいて負荷特性を決定する。同図においては、運動特性の類似度とユーザ属性の類似度を総合的に評価した結果、Dさんの運動特性データが選択されることを表している。 あるいは、あるユーザの属性情報と一定の類似度を有する属性情報を有する1以上のユーザをまず抽出し、抽出された1以上のユーザに対して生成された運動特性データの中から類似度が最も高い運動特性データを特定し、該特定された運動特性データに対して生成された負荷特性データに基づいて、当該あるユーザに対する負荷特性データを生成してもよい。 このように他人の属性との共通性を加味することで、負荷特性の妥当性が向上することが期待される。

この場合、決定部310は、さらに、ユーザDB321を参照して、生成に用いられたユーザ(この場合はCさん)の属性情報を取得し、属性情報に基づいた情報を付随情報として生成してもよい。例えば、Cさんの属性情報として、ひざの痛みを抱えていることが記述されていた場合、「Aさんは、ひざの痛みが原因で、うまく力が発揮できていない可能性があります」とのテキスト情報を生成する。このようにして生成された付随情報は、負荷特性データとともに運動器具200に送信される。あるいは、例えばユーザ属性からそのユーザがアスリートであると推定される場合、「あなたの筋肉の使い方は他人よりも優れている」といったメッセージを生成してもよい。 このようなメッセージは、予め属性情報および運動特性に対応付けて登録されたものであってもよいし、蓄積された多数の運動特性や属性情報に対して強化学習の手法を適用することによって得られる事象や知見(負荷特性データとユーザ属性との相関関係や因果関係など)に基づいて生成されてもよい。 このように他人のユーザ属性を利用することで、ユーザが気が付いていない原因やその原因に対する解決策・アドバイスをユーザに提供することができる

加えて、他人の運動特性や当該他人用に生成された負荷特性データを付随情報に内包させてもよい。他人のトレーニングについての情報を提供することで、トレーニングの励みになることが期待される。

決定部310が生成する付随情報として、健康状態の情報ないし疾患の可能性に関する情報が内包されてもよい。例えば、前記付随情報は、当該一のユーザの運動特性が基準の運動特性から所定程度以上異なっていることを示す情報を含む。具体的には、決定部310は、疾患ごとに特徴的な運動特性データを記憶しておき、取得した運動特性と記憶された運動と特性の一致度を算出し、一致度が所定以上である場合は、深刻な疾患の可能性があることを示すメッセージを生成する。ここで、疾患に特徴的な運動特性データは、複数のユーザの属性情報のうち疾患に関係する情報と多数の運動特性データの相関関係を解析することによって310が算出してもよい。

図17は制御システム100の動作例を示す。トレーニング開始にあたり、ユーザがユーザIDの入力またはユーザID情報を含むQRコードをかざすなどのログイン操作を行うと(S101)、運動器具200は、ユーザIDをサーバ300に送信する。サーバ300は、このユーザIDに基づいて、ユーザが登録されているかどうかを認証する(S102)。

続いて、運動器具200は、このユーザに対して、トレーニングモードを適用するか計測モードを適用するかを判定する。例えば、初めてのユーザであってこのユーザに適用すべき負荷特性データが存在しない場合や、前回、負荷特性データを設定してから所定期間が経過しており、負荷特性データの更新が必要な場合は計測モードが適用され(S104:YES)、そうでない場合はトレーニングモードが適用される(S104:NO)。

計測モードが適用された場合、運動器具200は、ユーザに運動を行うように促す案内メッセージなどを表示し、ユーザの運動に基づいて運動特性データを取得する(S106)。取得されたデータは、所定のタイミングで、ユーザを識別する情報と運動器具200を識別する情報とともに、サーバ300に送信される(S108)。

サーバ300は、この運動特性を用いて負荷特性データを生成し(S110)、運動器具200に送信する(S112)。負荷特性データを受信した運動器具200は、トレーニングモードを適用し、当該負荷特性データに基づいて負荷設定を行う(S114)。なお、負荷特性データに上述した付随情報が含まれる場合、当該付随情報は報知部270へ供給され、ユーザに提供される。

一方、トレーニングモードが適用された場合、運動器具200は、そのユーザに対応する負荷特性データをサーバ300から取得し、適用する(S111、S114)。

以後、そのトレーニング期間中に、負荷特性データの更新時期が到来すると(S115:YES)、運動器具200は計測モードに移行して運動特性データを更新する(S116、S108、S110、S112、S114)。そのユーザのトレーニングが終了すると(S116:YES)、そのトレーニングの内容(実績)を表す情報を生成し(S118)、サーバ300に送信する(S120)。なお、トレーニングの終了時点はユーザにより指示されてもよいし、トレーニング開始時に適用した設定情報に記述された時間が経過した時点をトレーニング終了と判定してもよい。サーバ300は、受信した情報に基づいて運動履歴DB322を更新する(S122)。

サーバ300の負荷特性生成機能を各運動器具200に持たせてもよいし、運動器具に内蔵または事後的に取り付けられる制御装置に持たせてもよい。すなわち、本発明は、複数のユーザについて、負荷が調整可能な可動部を備えた運動器具を用いて行われる一連の運動において、当該可動部に作用された力と当該可動部の変位量との関係を表す運動特性を取得する取得手段と、前記運動器具を用いてトレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザ以外のユーザの運動特性とに基づいて、前記一のユーザに対する負荷特性を決定する決定手段と、該決定された負荷特性に基づいた負荷設定の指示を、前記運動器具に出力する出力手段とを有する制御装置を含む。

要するに、本発明に係るシステムにおいて、負荷が調整可能な可動部を備えた運動器具を用いて行われる一連の運動において、当該可動部に作用された力と当該可動部の変位量との関係を表す運動特性を取得するステップと、ユーザの属性情報を取得するステップと、前記運動器具を用いてトレーニングを実施した一のユーザの運動特性と当該一のユーザの属性情報とに基づいて、当該一のユーザに対する負荷特性を決定するステップと、該決定された負荷特性に基づいた負荷設定の指示を、前記運動器具に出力するステップとが実行されればよい。

100・・・制御システム、200・・・運動器具、300・・・サーバ、900・・・ネットワーク、210・・・可動機構、240・・・ユーザ特定部、215・・・クランク、216・・・ペダル、211・・・センサ、220・・・制御部、230・・・通信部、250・・・入力部、260・・・記憶部、270・・・報知部、221・・・負荷設定部、222・・・解析部、223・・・調整部、320・・・記憶部、310・・・決定部、330・・・通信部、321・・・ユーザDB、322・・・運動履歴DB、323・・・マシンDB

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