【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフカップ内にあるゴルフボールの存在を検出し、その存在を視覚又は聴覚により指示する装置に関する。 【0002】 【従来の技術及びその問題点】ホールインワン競争やドライビングコンテストは、リクリエーションの人気のある一形態となりつつある。 ホールインワン競争の場合、 すなわち、ホールインワンを記録したプレイヤーに報償金を与える実際の試合では、競争の監視員や実際の飛距離を測定する監視員にとって、目でカップを監視する必要性をなくし、カップ内のゴルフボールの存在を明確に検出できる方法を利用することは重要である。 【0003】特許文献により、カップ内のゴルフボールの存在を検出するための数々の装置が開示されている。 そのような検出器の範囲として、カップ内のボールを感知し、検出がなされたときに聴覚や視覚による警告を発するカップ内に取付けられた機械的なスイッチ(米国特許第4270752号及び米国特許第4922222 号)から、カップ内に取付けられた光電気的又は電磁気的な検出器(米国特許第4133534号)まで種々ある。 【0004】これまで提案されてきた各検出装置には、 少なくとも1つの重大な欠点がある。 最も重大な欠点は、カップ内に旗棒が立てられている場合、検出器が適切に作動しないという点である。 機械的なスイッチの場合、ボールは必ずしもカップ内のスイッチを駆動させる位置に入るとは限らない。 光電気的な検出器の場合、カップ内の旗棒の存在により、光電気的な光線が遮断される。 それにより、警告が発せられ、検出器を無用なものにする。 【0005】標準的なゴルフカップは、内部リブにより4分円に分割されており、旗棒がカップに挿入された場合、ボールは4分円のうちのいずれか1つに落ちるようになっている。 上記に概説した装置は、カップ内に旗棒が挿入された状態で、標準的なカップ内のゴルフボールの存在を確実に検出するようには機能しない。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カップ内に旗棒が挿入された状態で、カップ内のゴルフボールの存在を検出するために改良された装置を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は、カップ内の予め決められた位置に配置された複数のフォトエミッタ及びこれに対応して配置された光検出器と、反射光を受け取った前記光検出器から発せられる信号に応じて、視覚及び/又は聴覚その他の通知信号を発する回路とを備え、前記フォトエミッタ及び光検出器は、各々の検出範囲を有し、カップ内のボールの位置に拘らず、 前記フォトエミッタからの検出用光が該ボールに反射しいずれかの検出範囲の前記光検出器に確実に受け取られるようにされているホールインワン検出器により達成される。 【0008】カップ本体内に取付けられた複数のフォトエミッタとそれに対応する光検出器とが本発明の特徴であるが、一方、そのような取付けには、カップが適当に改造されなければならないという不便さを一般的には含むこととなる。 それ故、旗棒がカップに挿入されている場合に、検出光線が旗棒からカップに向かって放射状に発せられるように、旗棒の下部に複数のフォトエミッタとそれに対応する光検出器とが取付けられる。 【0009】旗棒は、ゴルファーや監視員が、ゴルフボールがカップに入ったことを遠方から確認できるように視覚や聴覚による表示方法や警告手段を備えることも望ましい。 【0010】表示部としては、垂直方向に間隔をおいた一連の高輝度発光ダイオード(LED)又は類似の装置を備え、連続的な光表示により最上部のLEDから最下部のLEDまで順に発光するように制御されたものが望ましい。 旗棒は、密閉された空間内に必要な電子回路と電源とを備えているのが望ましく、フォトエミッタと光検出器とは、悪天候や荒っぽい取扱いによる機能低下を防止するように同様の形態で旗棒に取付けられるのが望ましい。 【0011】本発明の特に望ましい実施例は、少なくとも4つのフォトエミッタと、それに対応する4つの光検出器とを有しており、幾つか又は全ての検出器は、日光又は投光照明によりカップに入ってくる光を検出した場合に、検出器のコンデンサが十分に充電されるようコンデンサ容量を伴って結合されているのが望ましい。 ボールがカップに入った時、4つの検出器のうちの1つが、 ボールにより瞬間的に日光が遮断され、その検出器に結合されたコンデンサは放電し回路が不均衡となる。 この不均衡な状態が、連続的な光表示や他の指示器又は警告器を作動させ、トリガとして使用される。 このように、 光に反応しないようにされた光検出器の飽和による日光の照りつける日の実際的な問題は、簡単で効果的な方法により克服される。 【0012】 【実施例】以下、本発明に係る実施例を添付図面を参照しつつ説明する。 先ず図1について説明すると、本発明に係るゴルフボール検出器は、下部に管状部2を有する特有の構造の旗棒1と、中央の表示部3と、上部の旗支持部4とを備えている。 下部の管状部2は、有効にカップを四分円に分割する通常の内部リブ(図示せず)を有する通常形態の標準的なゴルフカップC内に入る寸法とされる。 【0013】旗棒1の管状の下部2は、4つのフォトインタラプタを支持しており、各インタラプタは、赤外線エミッタ5と、それに対応する光検出器5aとを備えている。 エミッタ5から発せられた光線は管状部2の開口6を通過する。 開口6は、4つのフォトエミッタと、それに対応する検出器とによってカップCの4つ全ての4 分円が検出領域としてカバーされれるように管状部2の周囲に90°間隔で設けられている。 したがって、ゴルフボールGがカップCに入った場合、エミッタ5のいずれか1つから発せられる赤外線が、ゴルフボール表面に当たって反射し、それに対応する光検出器5aによって検出される。 光検出器5aの状態変化は、以下述べる方法でもって表示をするために利用される。 エミッタ5から発せられた赤外線が、カップCの壁面に当たって反射するのを回避するため、カップの壁面はつやのない黒色で塗装してもよい。 【0014】旗1の表示部3は、図1に示されるように管状であり、垂直方向に間隔を置いて配置された6つの高輝度発光ダイオード7を備えている。 表示部3は、電子的な回路装置(図2、図3)と、表示部3内の電池室(図示せず)に備えられた電池を有する回路装置の駆動用電源とを備えている。 回路装置は、ゴルフボールGの存在がカップC内で検出されたとき、発光ダイオード7 が連続的に表示するようにされている。 【0015】次に、図2及び図3を参照すると、表示部3に取付けられた電子回路は、電池室に備えられ電池B 1に結合された電力供給部10を有し、該電力供給部1 0は、他の回路部に電力を供給する。 該他の回路部は、 フォトエミッタ5を駆動する駆動回路20、電力供給回路10の電圧が設定値より低い場合に発光する発光ダイオードEが設けられた低電力検出器30、光検出器によってトリガされるシュミットトリガ回路40、該シュミットトリガ回路によりトリガされ、上記の連続的な光表示を行うために高輝度LED7(E1からE6に示す) を連続的に駆動するよう結合されたデケードカウンタ回路50を備えている。 【0016】概括的に説明した上記回路は、図2に示した回路ブロックに使用された参照数字で、さらに詳細に図3に示されている。 すなわち、電力供給回路10は、 6つの1.5V電池を有する9V電源と、逆電圧保護ダイオードD1と、定電圧回路C1,R1及びC15とを備えている。 【0017】駆動回路20は、一秒間隔で赤外線パルスを発生するための4つのフォトエミッタ5を駆動させるC11,R8,R7,D3及びU5cを備えたパルス発生回路を有している。 【0018】低電力検出器30は、1秒間につき15ミリ秒間、緑色のLEDを発光させるように、駆動回路2 0によって発生したパルスの幅を0.8ミリ秒から15 ミリ秒まで増加する。 電源電圧VCCが略7ボルトまで低下したとき、LEDの輝度はそれに応じて減少し、監視員に電池交換をするよう警告を発する。 図3の回路の低電流設計により長寿命アルカリ電池を使用すれば、予想される電池寿命は、約2000時間になる。 【0019】シュミットトリガ回路40は、シュミットトリガU5aを備え、該トリガの出力は、C4及びダイオードD5を経てデケードカウンタU3に進む正の前縁パルス(leading edge pulse)を発生するためにU5bに結合されている。 光パルスが光検出器5aの1つによって検出されたとき、シュミットトリガU5aからの出力は、上記のパルスを発生するために急激に下降する。 ゴルフボールGが定まった位置にある間、連続的なパルスの流れが発生する。 これではそのパルスによりデケードカウンタU3は、再トリガ状態を続けるので、R13,C13及びD6を備えたフィルタは、シュミットトリガからの連続的な入力パルスレートが1.5秒につき1以上ならば唯一のトリガパルスを発生させる。 【0020】デケードカウンタ回路50は、デケードカウンタU3、U4及びLEDドライバU1aからU1f までを備えている。 一度デケードカウンタU3、U4がU5bにより初期化されると、カウンタは、自己クロック状態を維持し、発光ダイオード7(E1からE6)を駆動する。 E1から順に作動して、各発光ダイオードが駆動されると、ANDゲートU2は、U3の出力Q7がU4に搬送されるまでC3及びステアリングダイオードD2を経てデケードカウンタU3へ次のクロックパルスを発生する。 Q9(U4)が出力されたとき、その出力でU4はリセットされ、連続的な表示は停止する。 ボールが除去されると、パルスがなくなるので、次のボールがカップに入り、上記した一連の動作を再開するまで、 R13,C13及びD6で構成されるフィルタは再充電を行う。 【0021】図3の回路においては、シュミットトリガU5aの電圧は、R9及びR14によって決定されるバイアス電圧のみとなるように、4つの光検出器5aはコンデンサ容量を伴って結合されている。 光検出器5a が、日のよく照る日に日光が直接真上から照射するような強い光にさらされたとき、光検出器5aに結合されたコンデンサC6からC9は、夫々の検出器の抵抗が低いゆえ十分に充電されるであろう。 しかし、ボールがカップに入ったとき4つの検出器のうちの1つが、瞬間的に外部からの光源から遮断される。 遮断されている間、その検出器に結合されたコンデンサは、検出器がフォトエミッタ5から発するパルスの反射光を検出するより前にR14及びR15を経て放電する。 この反射光の検出はコンデンサに再充電を行わせ、シュミットトリガ回路にバイアスされた入力電圧を与える。 これにより、LED ドライバがトリガされて発光ダイオード7の連続的な発光が行なわれる。 このように、真上からの強い日光があっても、カップ内のゴルフボールの存在を検出され得ると共に、“誤った発信”が回避される。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る装置を旗棒と共に示す説明図である。 【図2】旗棒に取付けられた電子的な回路要素の流れを示すブロック図である。 【図3】旗棒に取付けられた電子的な回路要素をさらに詳細に示した回路図である。 【符号の説明】 1 旗棒 3 表示部 5 赤外線エミッタ 5a 光検出器 6 開口 7 発光ダイオード 10 電力供給回路 30 低電力検出器 40 シュミットトリガ回路 |