The goal detector for detecting an object passing a goal plane

申请号 JP2010528275 申请日 2008-10-13 公开(公告)号 JP2011500112A 公开(公告)日 2011-01-06
申请人 ゴールレフ エーペーエス; 发明人 エスキルドセン,ヨルン;
摘要 スポーツ用物体、例えばフットボール用ボールまたはアイス・ホッケー用パックなどの可動物体が、ゴール面を通過したかどうかを検出するためのシステムが開示される。 ゴール面を導体(1、2、3、4)で取り囲んで電磁界を発生させて、可動物体内の 信号 放出器手段を励起し、または放出器手段によって放出された信号を検出することが知られている。 本発明では、これらの回路が複数の別々の回路に区分され、それにより、特に可動物体が導体に近いときのシステムの空間分解能が改善される。
权利要求
  • 可動物体と、
    前記可動物体内に構成された電波放出器手段と、
    前記電波放出器手段に電力を供給するために前記可動物体内に構成された内部電源と、
    前記電波放出器手段を励起するために構成された固定励起器手段と、
    前記電波放出器手段から電波を受信し、それに応じて出力をもたらす固定受信器手段と、
    平坦なターゲット面の周囲に沿って配置され、前記ターゲット面の前記周囲に実質的に平行に延びる2つの実質的に並行する導体をそれぞれが備え、前記並行導体が前記平坦なターゲット面に垂直な方向にある相互距離を有して配置される、複数の実質的に閉じた第1のアンテナ・ループであって、前記固定励起器手段および前記固定受信器手段の一方を構成する、複数の第1のアンテナ・ループとを備えるシステムであって、
    前記出力を受け取って所定の条件セットと共に処理し、前記可動物体が前記平坦なターゲット面を通過するかどうかを判定するために、前記条件セットが満たされた場合に結果として得られる出力をもたらすためのデータ処理手段をさらに備えるシステム。
  • 前記内部電源が、充電式電池または1つもしくは複数のコンデンサなど、電気的に再充電可能な手段を備える、請求項1に記載のシステム。
  • 前記内部電源を再充電するための電力を、誘導電力伝達システムによって受け取るように適合された再充電手段をさらに備える、請求項2に記載のシステム。
  • 各第1のアンテナ・ループの前記実質的に並行する導体が、前記平坦なターゲット面の各側に、前記ターゲット面に垂直な実質的に同じ距離において配置される、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシステム。
  • 各第1のアンテナ・ループの前記実質的に並行する導体間の、前記平坦なターゲット面に垂直な方向の前記相互距離が、15〜50センチメートルの範囲内である、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシステム。
  • 各第1のアンテナ・ループの前記実質的に並行する導体が、前記平坦なターゲット面の周囲に沿って0.5〜3メートルの範囲内、好ましくは1〜2メートルの範囲内で延びる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループの少なくともいくつかが、前記平坦なターゲット面の実質的に水平なラインに沿って直列に配置される、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループが、4〜16個の範囲内、好ましくは6〜12個の範囲内で、前記平坦なターゲット面の前記水平ラインに沿って配置される、請求項7に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループが、前記平坦なターゲット面の前記水平ラインに沿って実質的に等距離に配置される、請求項8に記載のシステム。
  • 前記水平ラインが、前記平坦なターゲット面の範囲を定めるゴールの水平なクロスバーに沿う、請求項7乃至9のいずれか1項に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループの少なくともいくつかが、前記平坦なターゲット面の実質的に垂直な複数のラインに沿って直列に配置される、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループが、2〜8個の範囲内、好ましくは3〜6個の範囲内で、前記平坦なターゲット面の前記垂直な複数のラインのそれぞれに沿って配置される、請求項11に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループが、前記平坦なターゲット面の前記垂直な複数のラインに沿って実質的に等距離に配置される、請求項12に記載のシステム。
  • 前記垂直な複数のラインが、前記平坦なターゲット面の範囲を定めるゴールの垂直な複数のサイド・ポストに沿う、請求項11乃至13のいずれか1項に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループのそれぞれの動作を別々に制御する制御手段を有する、請求項1乃至14のいずれか1項に記載のシステム。
  • 前記平坦なターゲット面の実質的に周囲で延び、かつ前記固定励起器手段および前記固定受信器手段の他方を構成する第2のアンテナ・ループをさらに備える、請求項1乃至15のいずれか1項に記載のシステム。
  • 前記第1のアンテナ・ループが前記固定受信器手段を構成し、前記第2のアンテナ・ループが前記固定励起器手段を構成する、請求項16に記載のシステム。
  • 前記システムの動作中に前記第1のアンテナ・ループと前記第2のアンテナ・ループの起こり得るずれを補償するように構成される、前記第1のアンテナ・ループごとの第1の補償手段をさらに備える、請求項17に記載のシステム。
  • 前記第1の補償手段が、実質的に前記第1のアンテナ・ループの面内に構成され、かつ前記平坦なターゲット面の周囲から前記並行導体の一方に向かって変位された補償ループを備える、請求項18に記載のシステム。
  • 可動物体がシステムの平坦なターゲット面を通過するかどうかを判定する手段を有するシステムで使用するための可動物体であって、
    電磁界を感知するセンサ手段と、
    前記可動物体内に構成された電波放出器手段と、
    前記電波放出器手段に電力を供給するために前記可動物体内に構成された内部電源と、
    メモリ手段と、
    前記メモリ手段および前記電波放出器手段の動作を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段が、前記センサ手段によって測定された電磁界強度を所与のサンプル・レートでサンプリングして、全てのサンプル値を前記メモリ手段に記憶するように構成され、前記制御手段がさらに、活性化されると、前記メモリ手段から記憶されたサンプル値を取り出して、前記取り出された値を前記電波放出器手段によって送出するように構成される可動物体。
  • 前記内部電源が、充電式電池または1つもしくは複数のコンデンサなど、電気的に再充電可能な手段を備える、請求項20に記載の可動物体。
  • 前記内部電源を再充電するための電力を、誘導電力伝達システムによって受け取るように適合された再充電手段をさらに備える、請求項21に記載の可動物体。
  • 前記メモリ手段が、先入れ先出し(FIFO)メモリとして動作し、それにより最新のサンプルが、前記メモリ内の記憶された最も古いサンプルに取って代わるように構成される、請求項20乃至22のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記物体の動作中の前記メモリ手段が、前記所与のサンプル・レートでサンプリングされた値を、少なくとも0.2秒、好ましくは0.35〜1.2秒の範囲内の時間内で記憶することができる、請求項23に記載の可動物体。
  • 前記所与のサンプル・レートが、2,000Hz〜6,000Hzなど、500Hz〜10,000Hzの範囲内である、請求項20乃至24のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記センサ手段が、複数の個々のセンサ手段を備える、請求項20乃至25のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記複数のセンサ手段が、前記可動物体の内部バルーンとその外殻との間に設けられる、請求項26に記載の可動物体。
  • 前記複数のセンサ手段が、前記可動物体の内部バルーンの内側に設けられる、請求項26に記載の可動物体。
  • 前記複数のセンサ手段の少なくとも一部が、前記センサ手段に前記電磁界からの誘導によって電力を供給する同調回路の一部を構成するアンテナ・コイルを備えた受動センサである、請求項26乃至28のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 個々のセンサに電力を供給する前記同調回路同士が相互接続される、請求項29に記載の可動物体。
  • センサ手段の数が少なくとも6個であり、好ましくは8〜24個の範囲内である、請求項20乃至30のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 可動物体がシステムの平坦なターゲット面を通過するかどうかを判定する手段を有するシステムで使用するための可動物体であって、
    電磁界を感知する複数のセンサ手段と、
    前記可動物体内に構成された電波放出器手段と、
    前記電波放出器手段に電力を供給するために前記可動物体内に構成された内部電源と、
    前記メモリ手段および前記電波放出器手段の動作を制御する制御手段とを有し、
    前記制御手段が、前記センサ手段によって測定された電磁界強度をサンプリングして、前記個々のセンサによって測定された前記電磁界強度に関連するデータを、前記電波放出器手段によって送出するように構成され、前記送出されたデータが、前記複数のセンサ手段のうちどれが前記送出されたデータを測定したかという一意の識別情報を可能にする可動物体。
  • 前記内部電源が、充電式電池または1つもしくは複数のコンデンサなど、電気的に再充電可能な手段を備える、請求項32に記載の可動物体。
  • 前記内部電源を再充電するための電力を、誘導電力伝達システムによって受け取るように適合された再充電手段をさらに備える、請求項33に記載の可動物体。
  • 前記個々のセンサ手段の前記サンプリングを同期させる同期手段を備える、請求項32乃至34のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記同期手段が、前記複数のセンサ手段と前記同期手段との相互接続を、共通の同期信号を前記複数のセンサ手段に前記相互接続によって供給するために備える、請求項35に記載の可動物体。
  • 前記同期手段が、前記電磁界によって同期信号を受信するように適合される、請求項35に記載の可動物体。
  • 各センサ手段が個々の電波放出器手段を有する、請求項32乃至37のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記個々の電波放出器手段が、前記一意の識別情報を可能にするようにデータを別々の周波数で送出するように構成される、請求項38に記載の可動物体。
  • メモリ手段をさらに備え、前記制御手段がさらに、前記メモリ手段を制御するように構成される、請求項32乃至39のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記複数のセンサ手段が、前記可動物体の内部バルーンとその外殻との間に設けられる、請求項32乃至40のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記複数のセンサ手段が、前記可動物体の内部バルーンの内側に設けられる、請求項32乃至41のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記複数のセンサ手段の少なくとも一部が、前記センサ手段に前記電磁界からの誘導によって電力を供給する同調回路の一部を構成するアンテナ・コイルを備えた受動センサである、請求項32乃至42のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記個々のセンサに電力を供給する前記同調回路同士が相互接続される、請求項43に記載の可動物体。
  • センサ手段の数が少なくとも6個であり、好ましくは8〜24個の範囲内である、請求項32乃至44のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記物体がスポーツ用物体である、請求項20乃至45のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記スポーツ用物体がボール、例えばフットボール用ボールである、請求項46に記載の可動物体。
  • 前記可動物体の一意の識別情報を固定データ処理手段に放出する識別手段をさらに備える、請求項20乃至47のいずれか1項に記載の可動物体。
  • 前記識別手段がさらに、前記個々の可動物体に関する較正データおよび通信の詳細を放出するように適合される、請求項48に記載の可動物体。
  • 可動物体と、
    前記可動物体内に構成された電波放出器手段と、
    前記電波放出器手段に電力を供給するために前記可動物体内に構成された内部電源と、
    前記電波放出器手段から電波を受信し、それに応じて出力をもたらす固定受信器手段と、
    平坦なターゲット面の周囲に沿って配置された第1のアンテナ・ループおよび第2のアンテナ・ループを備え、前記第1のアンテナ・ループおよび前記第2のアンテナ・ループが、前記ターゲット面の前記周囲に実質的に平行に延びる2つの実質的に並行する導体を備え、前記並行導体が前記平坦なターゲット面に垂直な方向にある相互距離を有して配置される、前記電波放出器手段を励起するために構成された固定励起器手段であって、前記励起器手段の動作を駆動するための電流源をさらに備え、前記電流源が、位相高速位相シフト構成を有し、それにより前記導体の一方に供給される電流の位相を、他方の導体に供給される電流に対して逆位相になっている状態と同位相の状態との間で、200Hz〜10,000Hzの範囲内、好ましくは500〜6,000Hzの範囲内の切換えレートで切り換えることができる、励起器手段とを備えるシステムであって、
    前記出力を受け取って所定の条件セットと共に処理し、前記可動物体が前記平坦なターゲット面を通過するかどうかを判定するために、前記条件セットが満たされた場合に結果として得られる出力をもたらすためのデータ処理手段をさらに備えるシステム。
  • 前記内部電源が、充電式電池または1つもしくは複数のコンデンサなど、電気的に再充電可能な手段を備える、請求項50に記載のシステム。
  • 前記内部電源を再充電するための電力を、誘導電力伝達システムによって受け取るように適合された再充電手段をさらに備える、請求項51に記載のシステム。
  • 可動物体と、
    前記可動物体内に構成された電波放出器手段と、
    前記電波放出器手段に電力を供給するために前記可動物体内に構成された内部電源と、
    前記電波放出器手段から電波を受信し、それに応じて出力をもたらす固定受信器手段と、
    平坦なターゲット面の周囲に沿って配置された第1のアンテナ・ループおよび第2のアンテナ・ループを備え、前記第1のアンテナ・ループおよび前記第2のアンテナ・ループが、前記ターゲット面の前記周囲に実質的に平行に延びる2つの実質的に並行する導体を備え、前記並行導体が前記平坦なターゲット面に垂直な方向にある相互距離を有して配置される、前記電波放出器手段を励起するために構成された固定励起器手段であって、前記励起器手段の動作を駆動するための電流源をさらに備え、前記電流源が、前記放出コイルに異なる周波数の重ね合せ電流を与え、それにより電力を供給するための第1の周波数の電流が前記2つのコイルで同位相になってその周波数の電磁界同士が強め合う干渉状態になり、かつ信号をもたらすための第2の周波数の電流が逆位相で供給されるように構成される、励起器手段とを備えるシステムであって、
    前記出力を受け取って所定の条件セットと共に処理し、前記可動物体が前記平坦なターゲット面を通過するかどうかを判定するために、前記条件セットが満たされた場合に結果として得られる出力をもたらすためのデータ処理手段をさらに備えるシステム。
  • 前記内部電源が、充電式電池または1つもしくは複数のコンデンサなど、電気的に再充電可能な手段を備える、請求項53に記載のシステム。
  • 前記内部電源を再充電するための電力を、誘導電力伝達システムによって受け取るように適合された再充電手段をさらに備える、請求項54に記載のシステム。
  • 可動物体と、
    前記可動物体内に構成された電波放出器手段と、
    前記電波放出器手段に電力を供給するために前記可動物体内に構成された内部電源と、
    前記電波放出器手段から電波を受信し、それに応じて出力をもたらす固定受信器手段と、
    平坦なターゲット面の周囲に沿って配置された第1のアンテナ・ループおよび第2のアンテナ・ループを備え、前記第1のアンテナ・ループおよび前記第2のアンテナ・ループが、前記ターゲット面の前記周囲に実質的に平行に延びる2つの実質的に並行する導体を備え、前記並行導体が前記平坦なターゲット面に垂直な方向にある相互距離を有して配置される、前記電波放出器手段を励起するために構成された固定励起器手段であって、前記励起器手段の動作を駆動するための電流源をさらに備え、前記電流源が、前記並行導体にほんのわずかに異なる周波数の電流を与え、それにより干渉が、前記2つの電流の周波数の差に等しい周波数で中央面のところでゼロ強度と最大強度の間で変化する強度を発生させるように構成される、励起器手段とを備えるシステムであって、
    前記出力を受け取って所定の条件セットと共に処理し、前記可動物体が前記平坦なターゲット面を通過するかどうかを判定するために、前記条件セットが満たされた場合に結果として得られる出力をもたらすためのデータ処理手段をさらに備えるシステム。
  • 前記内部電源が、充電式電池または1つもしくは複数のコンデンサなど、電気的に再充電可能な手段を備える、請求項56に記載のシステム。
  • 前記内部電源を再充電するための電力を、誘導電力伝達システムによって受け取るように適合された再充電手段をさらに備える、請求項57に記載のシステムまたは可動物体。
  • 说明书全文

    本発明は、スポーツ用物体、例えばフットボール用ボールまたはアイス・ホッケー用パックなどの可動物体が、例えばゴール・ラインから延びる垂直面またはバスケットボールのバスケットの上縁部によって画定される平面として定義されるゴール面など、空間内の平坦面を通過したかどうかを検出するためのシステムに関する。

    従来、スポーツ試合の1人または複数の審判員は、ボールがゴール面を通過したかどうかを目視観測から判断している。 しかしこれは、ボールがすばやく戻されて、ゴール面をかろうじて通過した、または通過しなかったという状況において、正確に判定することが非常に困難な場合があり、審判員がゴール面に対して不適切な位置におり、または試合の他の活動に携わっている場合には特に困難である。 ビデオ・カメラを使用してゴール面を監視することもできるが、ビデオ・カメラの空間および時間分解能はしばしば、疑いのある場合に必要な情報を提供するのに十分ではない。

    例えばWO01/66201、FR2753633、FR2726370、WO99/34230、米国特許第4675816号、米国特許第5346210号、およびWO98/37932に開示されているように、スポーツ競技場上でのボールの位置を位置測定システムによって判定するいくつかの電子システムが当技術分野で知られている。 これらの位置測定システムは、例えばボールが競技場の境界線を通過したかどうかに加えて競技者の位置も判定するために使用することができ、多くの有用な情報を審判員に提供する。 しかし、ゴール面の通過の判定は非常にデリケートな問題である。 というのも、その判定が、スポーツ試合の結果にとって決め手となる可能性があるためであり、また距離が短く、物体の速度がしばしば非常に大きいためである。 したがって、物体がゴール面を通過したかどうかを確実に判定するための位置判定システムは、位置を判定する際に非常に正確でなければならず、それと同時に、非常に高い位置判定の更新レートを有していなければならない。 物体は、例えば72km/hまたは最大130km/hで移動することがあり、これはそれぞれ20m/sおよび36m/sに等しく、このことは、1/100sの更新レートであれば、それぞれ20cmまたは最大36cmの不確かさが判定位置に加わることを意味する。 これは、スポーツ試合でのゴールの判定に関して許容できない。

    ゴール面の交差についての信頼性の高い指示をもたらすのに十分正確なスポーツ用物体の位置の判定および十分高い更新レートを有する位置測定システムは、設置および維持が非常に高くつく。 したがって、信頼性の高い指示をもたらすのに十分な空間ならびに時間分解能を備えた代替システムを提供することが望ましい。

    米国特許第5,976,038号は、競技用物体が競技判定ラインを交差するときに出指示をもたらすための装置を開示している。 この装置は、ディスク反射鏡アンテナや、特に、和信号および差信号をもたらすように組み合わされた2つの水平に隣接する給電装置が設けられたカセグレン・アンテナなどの指向性受信アンテナを備えている。 このアンテナは、競技場の外側に構成され、競技判定ラインに沿って向けられる。 アンテナと競技用物体の間に距離があることから十分高い空間分解能をもたらすために、アンテナの反射鏡はかなりの寸法を有していなければならない。 幅30インチ、すなわち76cmの反射鏡であれば、幅4インチ、すなわち10cmの検出ゾーンを可能にし、これは、システムの他の不確かさと合わせて、同特許が対象とするアメリカン・フットボールでの使用には許容できるが、他の多くのスポーツ・ゲームにとっては許容できないものであり、ずっと大きな反射鏡が必要になる。

    米国特許第4,375,289号は、2つの電気導体または放出器コイルを開示している。 この2つの電気導体または放出器コイルは、ゴール面を、ゴール面に垂直な方向にある相互距離を有する2つの垂直レベルで取り囲んでおり、またこの2つの導体に交流を逆位相で与えることによってそれぞれ電磁界を放出し、それにより、ゴール面を通過するときに物体のところで感知できる電磁界が、弱め合う干渉により2つのレベル間にある中央面でゼロであり、その中央面の通過がボール内のセンサにおける電磁界強度の測定から判定されるものである。 使用されるボール・センサは、センサのコイルまたはアンテナ内への電流の誘導によって電磁界から電力を受け取り、それに応じて信号を放出する受動ユニットであり、その信号は、2つの導体間にある検出コイルによって検出され、通過の方向も、ボール・センサから受信した信号と導体内を流れる電流の位相との間の位相比較によって検出することができる。 このシステムは、放出器コイルと検出コイルに関して、1つの放出器コイルが、システムの対応する動作を有する2つの検出コイルの間でゴール面内にあり、それにより2つの検出コイル内の検出信号が等しいときにボールがゴール面を通過したことが検出されるように、逆に設計することもできる。

    しかし、この構成には、センサのコイルがボールの直径を実質的に取り囲んでいるため、空間分解能がボールのサイズによって制限されるという欠点があり、このことは、ボールと検出コイルの間の距離が減少するに伴ってますます重要になる。 これは、ボールがゴール面を明らかに通過するときの得点を挙げた大部分のゴールを検出する際には、大きな問題とはならないが、ボールがゴール面をかろうじて通過し、または完全に通過したわけではなく、またボールがコイルに近いという疑いのある状況では、空間分解能は、ゴールが得点を挙げたか否かを満足のいく精度で判断するのに十分ではない。

    さらに、本発明者は、ゴール面を取り囲む放出器コイルから放出される電磁界が、コイルに近い領域内、特にコイルの水平部分と垂直部分が出会う領域近くで歪み、そうした領域内では、弱め合う干渉が最も大きく混合電磁界がゼロである面が、ゴール面から数センチメートル逸れる恐れがあることを発見した。

    WO01/66201

    FR2753633

    FR2726370

    WO99/34230

    米国特許第4675816号

    米国特許第5346210号

    WO98/37932

    米国特許第5,976,038号

    米国特許第4,375,289号

    したがって、ゴール面を通過する物体の通過を改善された精度で検出するためのシステムを提供することが本発明の目的である。

    本発明では、いくつかの技術的特徴が提供され、それらがそれぞれまたは相まって、そのような改善をもたらす。

    ゴール面の通過を検出し、またはボール内のセンサによって放出された信号を検出するために使用される、米国特許第4,375,289号に開示された、ゴール面を取り囲み電磁界を発生させる固定導体は、本発明の有利な一実施形態では、複数の別々の回路に区分することができる。 それによって、ボールが検出コイルに近いときのシステムの空間分解能に関連する問題は、そのようなシステムが、ゴール面の周囲の異なる部分に関連する検出データを分離し、それによりボールがゴール面を通過したかどうかを判断する際に、通過中のボールに最も近い区画に関連するデータを無視することのできる能力によって矯正することができる。 これは例えば、ボール内のセンサからの応答を、システムの信号処理手段内で別々の区画からの電磁界に関する応答に分離することができるように、各区画から別個の電磁界をもたらすことによって実施することができる。 区画が検出器として使用される実施形態では、各区画が、例えば、別々の出力をシステムの信号処理手段に供給することができ、それによって、近接電磁界の問題を矯正することができる分析が可能になる。 さらに、このシステムは、米国特許第4,375,289号に示されるようなゴール面を完全に取り囲む閉じた電気回路を設ける必要なしに構築することができ、すなわち、導体の区分されたシステムは、特に地上のコネクタが通常固定されるゴール自体を移動させる必要がある場合に構築して地上の導体に接続するのに不都合な、ゴール・ラインの下の地中にある導体の存在なしで動作するように設計することができる。 また、ゴール面を通過する際の可動物体の正確な位置はその出力から導出することができ、これは得点を挙げた(または得点を挙げていない)ゴールのアニメーションがスポーツ・ゲームの生テレビ放送用に制作される場合に、非常に有用である。

    したがって、本発明は、
    可動物体、例えばハンドボール用ボール、フットボール用ボール、またはアイス・ホッケー用パックと、
    可動物体内に、好ましくはいくつかの同調アンテナ・ループの形で構成された電波放出器手段と、
    電波放出器手段に電力を供給するために可動物体内に構成された内部電源と、
    前記電波放出器手段を、例えば電波放出器手段の同調回路に対応する波長の電磁波を放出することによって励起するために構成された固定励起器手段と、
    電波放出器手段から電波を受信し、それに応じて出力をもたらす固定受信器手段と、
    平坦なターゲット面の周囲に沿って配置され、ターゲット面の前記周囲に実質的に平行に延びる2つの実質的に並行する導体をそれぞれが備え、前記並行導体が平坦なターゲット面に垂直な方向にある相互距離を有して配置される、複数の実質的に閉じた第1のアンテナ・ループであって、前記固定励起器手段および前記固定受信器手段の一方を構成する、複数の第1のアンテナ・ループとを備えるシステムであって、
    前記出力を受け取って所定の条件セットと共に処理し、可動物体が平坦なターゲット面を通過するかどうかを判定するために、条件セットが満たされた場合に結果として得られる出力をもたらすための処理手段をさらに備えるシステムに関する。

    第1のアンテナ・ループという用語は、ループがある領域を取り囲むように、好ましくは平坦面内に画定される経路に沿って配置された、1つまたは複数の導体からなる閉じたループと理解される。 特に好ましい一実施形態では、第1のアンテナ・ループは、プレート構造など、別々の剛性構造上にそれぞれ配置される。

    「平坦なターゲット面の周囲に沿って」という表現が使用される場合、アンテナ・ループは、平坦なターゲット面の面内でターゲット面から離れた距離において測定してその周囲の50センチメートル以内、好ましくは20センチメートル以内など、その周囲の近くに、またはその周囲に隣接して配置されると理解される。

    ターゲット面は一般に、可動物体の中心、またはより具体的には電波放出器手段の中心が、ターゲット面を通過したと見なされるために通過しなければならない面、すなわちゴールが得点を挙げる面である。

    各第1のアンテナ・ループの実質的に並行する導体は、好ましくは、平坦なターゲット面の各側に、ターゲット面に垂直な実質的に同じ距離において配置される。

    各第1のアンテナ・ループの実質的に並行する導体間の、平坦なターゲット面に垂直な方向の相互距離は、好ましくは15〜50センチメートルの範囲内であり、各アンテナ・ループの並行導体間の距離は、好ましくはシステムの複数のアンテナ・ループ全てについて同じである。

    各第1のアンテナ・ループの実質的に並行する導体の、前記平坦なターゲット面の周囲に沿った長さは、好ましくは0.5〜3メートルの範囲内であり、より好ましくは1〜2メートルの範囲内である。

    4〜16個の範囲内、好ましくは6〜12個の範囲内など、第1のアンテナ・ループの少なくともいくつかは、本発明の好ましい一実施形態では、平坦なターゲット面の実質的に水平なラインに沿って、特に、平坦なターゲット面の範囲を定めるゴールの水平なクロスバーに沿って、直列に配置される。 第1のアンテナ・ループは、好ましくは、平坦なターゲット面の水平ラインに沿って実質的に等距離に配置される。

    同様に、第1のアンテナ・ループの少なくともいくつかが、平坦なターゲット面の実質的に垂直な複数のラインに沿って、特に、平坦なターゲット面の範囲を定めるゴールの垂直な複数のサイド・ポストに沿って、直列に配置されることも好ましい。 各垂直ラインに沿った第1のアンテナ・ループの数は、好ましくは2〜8個の範囲内であり、最も好ましくは3〜6個の範囲内である。 第1のアンテナ・ループは、好ましくは、平坦なターゲット面の垂直な複数のラインに沿って実質的に等距離に配置される。

    このシステムはさらに、平坦なターゲット面の実質的に周囲で延び、かつ前記固定励起器手段および前記固定受信器手段の他方を構成する、すなわち、ターゲット面の起こり得る通過の判定にとって可動物体からの信号が最も重要となる場所にある、第2のアンテナ・ループを備えることができる。 第2のアンテナ・ループは、それがターゲット面と実質的に同じ面内に延びる限り、周囲のいくらか外側にターゲット面に平行な方向に延びることができる。

    特に好ましい一実施形態では、第1のアンテナ・ループが固定受信器手段を構成し、第2のアンテナ・ループが固定励起器手段を構成する。 この場合、データ処理手段への出力は、各第1のアンテナ・ループ内で発生した電圧または電流となっている。 特に好ましい一実施形態では、このシステムが、システムの動作中に第1のアンテナ・ループと第2のアンテナ・ループの起こり得るずれを補償する、第1のアンテナ・ループごとの補償手段を備える。 このずれがあると、第2のアンテナ・ループが第1のアンテナ・ループ内に電圧または電流、すなわち偽信号を発生させ、補償手段の目的は、第1のアンテナ・ループ内のそのような偽信号を低減または解消し、それによって、可動物体内の電波放出器手段に対する第1のアンテナ・ループの信号対雑音比が改善されることである。 さらに、補償手段の較正後にこの偽信号が解消される場合、第1のアンテナ・ループによって検出され、かつ可動物体内の電波放出器手段から発していない信号は、そのような信号が、その第1のアンテナ・ループに隣接する第2のアンテナ・ループの部分に平行に延びる、第2のアンテナ・ループの対向する部分から、または平坦なターゲット面と同じ面内に延びるが、平坦なターゲット面の周囲から離れて第1のアンテナ・ループまである距離を有する第3の較正アンテナから発するという点で、第1のアンテナ・ループの面と平坦なターゲット面に垂直な面の起こり得る位置合せ誤差を検出するのに使用することができ、それにより度ずれを導出することができる。 第1のアンテナ・ループの面と平坦なターゲット面に垂直な面との間の検出されたそのような角度ずれは、可動物体がターゲット面を通過しているか否かを判定するときに、問題の第1のアンテナ・ループからの出力を補償するために使用することができる。

    第1のアンテナ・ループによって検出される信号は、可動物体内に構成された電波放出器手段が同調回路を備える場合、そのような回路からの電磁波によって発生する電圧または電流の位相角が励起器手段の交流に対して約90度変位されるという点で、分析されると、その放出器手段からの電磁波から発生したものと判定することができる。

    補償手段は、システムの信号処理手段内に実装しても、問題の第1のアンテナ・ループに接続され、それに補償逆電流を供給する回路によって構成してもよい。 しかし、好ましい一実施形態では、第1の補償手段が、実質的に第1のアンテナ・ループの面内に構成され、かつ平坦なターゲット面の周囲から並行導体の一方に向かって変位された補償ループを備える。 補償ループに供給される適切な動作電流が、電磁界の第2のアンテナ・ループによって発生する部分を取り消し、したがって、第1のアンテナ・ループが平坦なターゲット面に非垂直であることに対する補償を行う。

    ゴール面の交差の検出は高精度で行わなければならず、それには検出システムの高い空間分解能が必要であり、検出システムには、ボールがしばしば20m/s程度、または36m/sなどのさらに大きな程度の高速で移動するので、高い時間分解能もやはり必要である。

    別の態様によれば、本発明において適用されるボールには、メモリ手段、別々の無線送出手段、ならびにメモリ手段および送出手段を制御する制御手段を装備することができる。 制御手段は、センサによって測定された電磁界強度を、4,000Hzなど、例えば500〜10,000Hzの所与のサンプル・レートでサンプリングするように構成され、全てのサンプル値は、FIFO(先入れ先出し)メモリとして動作するメモリ手段に供給され、したがって最新のサンプルが、メモリ内の記憶された最も古いサンプルに取って代わり、それにより、センサが電池によって、または導体の電磁界からの誘導によって給電されるときはいつでも、例えば最後の0.5秒の最新のサンプルがメモリ手段内に記憶される。

    制御手段は、ゴール面の通過の指示が検出されたときにだけ、メモリ手段内に記憶されたサンプル・セット全体の送出を実施するように構成される。 そのような指示は、個々のセンサによって形成されたサンプルの予備分析から、同じボール内に構成された複数のセンサによって行われた検出の比較から、または米国特許第4,375,289号に開示されたものなどのより粗い冗長システムから形成することができる。 送出されたデータは、固定受信器によって受信され、ボールがゴール面を通過したかどうかを判定するために分析される。 任意選択で、制御手段はさらに、電磁界強度の測定されたサンプルのごく一部分だけ、標準としてサンプルの1/10または1/5などを、電磁界強度のサンプリング中に絶えず送出するように構成される。

    このようにして、センサによって検出された電磁界強度を示すより詳細なデータ・セットを、分析のために固定制御ユニットに供給することができる。 というのも、ゴール面の起こり得る通過時にセンサによって検出される電磁界強度のサンプル・レートを、データ送出レートの何倍も高くすることができるためである。 データ送出レートは、選択される送出周波数、およびデータの送出に利用できる電力によって変わり、受動センサの場合、利用できる電力は、電磁界によって電力が中に誘起される、センサの導体によって取り囲まれる面積に比例する。 センサの本実施形態では、例えば信頼性の高いデータ送出レートの10倍という、適切に高いデータ・サンプル・レートの場合、およびセンサの導体により取り囲まれる面積が小さく、それによって、センサを物理的に拡張すると、標準的なフットボール用ボールまたは球技用の他の標準的なボール内に4つ、6つ、8つ、またはそれよりも多くのセンサなど、複数のセンサを設けることが可能になる場合に、受信器のところに適切な信号対雑音比をもたらす信頼性の高い送出強度が可能になる。

    特定の一実施形態では、センサの制御手段が、メモリ手段内に記憶されたデータを、最も関連のあるデータ、すなわち判定されるゴール面の起こり得る通過に最も近いデータ、例えば通過後の1つ目のサンプルが最初に送出され、その後に通過前の1つ目のサンプル、次いで通過後の2つ目のサンプルが続き、以下同様というシーケンスで送出するように構成される。 第2の実施形態では、より低周波数のサンプリング、例えばサンプル5個または10個ごとに1つが最初に送出され、その後、メモリ手段内に記憶された残りのデータが送出される。 それによって、最重要データが固定ユニットによって受信および処理される機会が向上する。

    好ましくは、センサからの受信データ信号の信号対雑音比をさらに改善するために、データはセンサからデジタル形式で送出され、有利な送出周波数は27〜35MHzであるが、433MHz、868MHz、または2.4GHzなど、他の適切な周波数を適用することもできる。 使用される好ましい周波数は、公的使用ライセンスを必要としない範囲内である。

    本発明の全ての実施形態では、電源、例えば電池または充電式電池が、ボールの内側に取り付けられ、動作の際には、それが単独でまたはコイルと組み合わさって、データを取得および/または送出し、かつボールを能動可動物体にするのに十分な電力をもたらす。 コイルのサイズおよび数は、電源、例えば充電式電池、1つもしくは複数のコンデンサ、および/またはマイクロ燃料電池などの電池を使用することにより低減させることができる。 電池および/またはコンデンサを再充電するための電力は、ボール上の導電性端子を介して、かつ/または、好ましくは前述のコイルを誘導電力伝達を受け取る手段として使用する誘導電力伝達システムを介してもたらすことができる。 能動可動物体としてのボールの場合、差動アンテナをゴール枠上に取り付けることが好都合である。

    (「サッカー」としても知られる)フットボールなど、大部分のゲームでは、ゴールが得点を挙げたと見なされるためにはボール全体がゴール面を通過していなければならず、したがって、ゴール面を通過するボールの検出の高い空間分解能が望ましい。 米国特許第4,375,289号に示される既知のセンサの場合、ボールは、ボールの中心を通過する交差垂直面内に構成された3つの導体によって取り囲まれる。 各導体には、導体によって取り囲まれた面積を通る合計電磁束に比例して電流が誘導される。 この面積を通る合計電磁束は、電磁束密度、および電磁束ベクトルの方向とその面積との間の角度によって変わるが、角度のばらつきは一般に、3つの垂直導体内を流れる誘導電流を組み合わせることによって補償される。 しかし、電磁束密度は、ボールの断面積のサイズの面積にわたって積分され、したがって、組み合わされた誘導電流は、ボールを通過する合計電磁束の大きさとなる。 したがって、センサの空間分解能は、ボールのサイズによって制限される。

    空間分解能を改善するために、複数のセンサをボール内に、好ましくはボールの内部ラテックス・バルーンとその外殻との間に設けることができるが、別法として、複数のセンサは、ラテックス・バルーンの内側にあってもよい。 一実施形態では、各センサまたはセンサの少なくとも一部が、放出される電磁界の波長に対応する同調回路を構成するためにアンテナ・ループまたはコイルとそれに接続されたコンデンサなどを備える受動センサである。 第2の実施形態では、個々のセンサそれぞれのゴール面の通過を判定するために、個々のセンサによって測定された電磁界強度のデータが固定データ処理ユニットに送出される。 次いで、個々のセンサの誘導アンテナと電磁束ベクトルとの間の角度の補償を、固定データ処理ユニットにおいて、複数のセンサからの完全なデータ・セットから、ボールの空間および角度位置に関する連立方程式を解くことによって行うことができる。 判定すべき重要な特徴は、全てのセンサがゴール面を通過したかどうかであり、ゴール面は必ずしも、ゴール面を取り囲む導体間の中央面と物理的に一致するとは限らない。

    このデータ処理にとって有利なのは、ボール内の個々のセンサが、電磁界強度データのサンプリングに対して同期手段によって同期されることであり、この同期手段は例えば、センサ同士を相互接続し、共通の同期信号を与えることによって、または別法として、電磁界をもたらす導体内を流れる電流により同期信号をセンサに供給することによって実現することができる。 やはり有利な点は、個々のセンサからのデータ送出が負の干渉をしないように、データ送出が調整されることであり、これは、個々のデータ送出を同期させることができるようにセンサ同士を相互接続することによって、またはボール内に1つの共通データ送出手段があり、それにより全てのデータが固定データ処理ユニットに送出されることによって実現することができる。 あるいは、各センサが、データを固定データ処理ユニットに別々の周波数で送出するように構成されたデータ送出手段を有してもよい。 別の有利な特徴は、受動センサについて、個々のセンサの電源同士を相互接続し、それにより各センサが、個々のセンサの誘導アンテナが広がる面積と電磁束ベクトルの方向との間の角度に関係なく、電磁界強度の測定データを取得および送出するのに十分な電力を有することである。 しかし、電源、例えばボールの内側に取り付けられた電池または充電式電池も、単独でまたはコイルと組み合わさって、データを取得および/または送出し、かつボールを能動可動物体にするのに十分な電力を発生させる。 コイルのサイズおよび数は、電源、例えば電池または充電式電池を使用することにより低減させることができる。

    ボールはさらに、ゲーム中に使用されるボールが本発明によるシステムで使用されるものであると確実に証明されるように、一意の識別情報を固定データ処理手段に放出する識別手段を備えることができる。 さらに、個々のボールに関する較正データおよび通信の詳細を送出することもできる。

    米国特許第4,375,289号に示されている、電流が逆位相の2つのコイルからの電磁界強度は、ボール・センサの位置の最も正確な判定をするために検出にとって最も重要となる領域で最も弱い。 したがって、検出すべき信号、ならびに電磁界によって受動センサにもたらされる電力は、この領域で最も小さく、ゴール面のところまたはその近くにある中央面でゼロである。

    本発明の一態様による1つの解決策は、導体の一方の電流源に高速位相シフト構成を設け、それによりその導体の位相を、他方の導体に対して逆位相になっている状態と同位相の状態との間で、ボールにおいて検出される信号強度のサンプリング・レートの大きさ程度の切換えレート、すなわち200〜10,000Hz、好ましくは500〜6,000Hzの範囲内で切り換えることができ、それにより例えばサンプル2つまたは3つごとに1つが、電磁界が同位相であり、2つの導体間にある中央面での2つの電磁界が強め合う干渉状態であり、かつ別々の電磁界強度からなる構成と2つの導体間の距離のため、電磁界強度がその面で最大値を有するときに形成されることである。

    したがって、中央面の位置に高い電磁界強度をもたらすことは、受動ボール・センサ、すなわち導体によってもたらされる電磁界により給電されるセンサを使用する場合に有利な点となる。 というのも、電磁界強度の検出およびそれによるデータの送出に利用できる電力が高く、逆位相の電磁界の弱い電磁界強度の検出についても同様なためである。 しかし、電源、例えばボールの内側に取り付けられた電池または充電式電池も、単独でまたはコイルと組み合わさって、データを取得および/または送出し、かつボールを能動可動物体にするのに十分な電力を発生させる。 コイルのサイズおよび数は、電源、例えば電池または充電式電池を使用することにより低減させることができる。

    さらに、中央面に対するボール・センサの位置は、2つの異なる方法で、すなわち電流が逆位相のときには、既知の技法と同様にゼロ電磁界強度の通過の判定から、また電流が同位相のときには最大強度の判定から検出することができる。 第1の方法は、中央面の通過とおそらくは通過の方向についての優れた全体的な指示をもたらすが、実通過付近での詳細に関しては、検出される電磁界強度がその領域内で非常に弱いため弱点があり、一方、第2の方法は、中央面の通過付近で最も強い電磁界強度を有し、したがって最も多くの詳細を有するが、電磁界強度のピーク値がそれ自体によって与えられて検出される第2の方法には、例えば競技者の身体から、また電磁界の外部発生源からの干渉により、ピーク値がボール・センサの、中央面以外の他の位置で生じることがあるため、誤った通過を検出するという高いリスクがある。 検出された強度をフィルタリングするために、ピーク強度のしきい値を適用することができるが、ゴール面全体にわたる少なくとも1桁(すなわち10倍)の電磁界強度のばらつきがあるため、それには限られた効果しかない。

    しかし、第2の方法を第1の方法と組み合わせることにより、正しい通過位置の推定値が第1の方法によってもたらされるため、誤った通過を検出するというリスクが実際には解消され、組み合わされた方法は第2の方法の高い空間分解能を得る。

    第2の解決策は、放出コイルに異なる周波数の重ね合せ電流を与え、それにより電力を供給するための第1の周波数の電流が2つのコイルで同位相になってその周波数の電磁界同士が強め合う干渉状態になり、かつ信号をもたらすための第2の周波数の電流が逆位相で供給されることである。 第1の周波数の電磁界は、ボール内の1つまたは複数のセンサに、ゴール面の通過中にあらゆる位置で電力を供給するために使用することができる。 この場合、ボール・センサ内に、2つの周波数に別々の共振回路を使用することなどにより、それらの周波数の効果を分離するための構成が形成されるべきである。 しかし、電源、例えばボールの内側に取り付けられた電池または充電式電池も、単独でまたはコイルと組み合わさって、ボール内の1つまたは複数のセンサに電力を供給するのに十分な電力を発生させる。 コイルのサイズおよび数は、電源、例えば電池または充電式電池を使用することにより低減させることができる。

    さらに別の解決策は、放出コイルにほんのわずかに異なる周波数の電流を与え、それにより干渉が、その2つの電流間の周波数の差に等しい周波数で中央面のところでゼロ強度と最大強度の間で変化する強度を発生させることである。 周波数の差は、電力がセンサのコイル内にセンサのあらゆる位置で誘導され、またボール内の1つまたは複数のセンサがゼロ強度の存在を正しく検出するようにこの強度周波数を使用してサンプル周波数を同期させることができるように、好ましくは、センサのサンプル周波数の1倍または3倍など、サンプル周波数の奇数倍に等しい。

    さらに、同じボール内に構成された複数のセンサを、個々のセンサに電力および信号を供給するために異なる重ね合せ周波数を放出することによってアドレスし、それにより、放出コイルを、例えばボール内のセンサのサブグループを測定のために選択するのに使用することができ、または個々のセンサが順番にアドレスされることも、本発明の範囲内である。

    2つの導体によってもたらされる電磁界の周波数は、好ましくは、50〜500kHzなど、10〜1,000kHzの範囲内であり、最も好ましくは100〜200kHzの範囲内である。 というのも、この範囲内の電磁界は事実上、水分子との相互作用がなく、したがって、電磁界にさらされる人体に著しい影響を及ぼさず、電磁界内の人体によって引き起こされる電磁界の外乱がそれに対応して減少するためである。 さらに、システムを較正するために、ゴール枠上にコイルを取り付けて、コイルが特定の周波数で送出することができる。

    確実にボールの検出がゴール枠の内側または外側になるように、ゴール枠上に1つまたは複数のアンテナを、他のアンテナに対して90度の角度で取り付けることが可能である。

    本発明の諸実施形態は、添付の図中に示される。

    ゴールのクロスバーに沿って配置された、本発明の第1の実施形態の3つの区画を示す図である。

    ゴール面の周囲に沿って配置された、第1または第2の実施形態による区画を有するゴールを示す図である。

    本発明の第2の実施形態の2つの区画を示す図である。

    これらの図は、本発明の諸実施形態の説明図であり、本明細書に示す本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。

    図1には、フットボール・ゴールのクロスバーの3つの区画が、上方から見たように概略的に示されている。 各区画は、第1の面内にある導体1および第2の面内にある並行導体2、ならびに2つの中間導体3、4を備え、中間導体3、4は、他の導体1、2を接続して回路を形成し、その中を電流が矢印で示すように流れることができる。 各区画は、区画の回路内に電流を供給し、またおそらくは、区画によって電力が誘導される物体に関連するデータを取得するための、別々の制御ユニット5を有する。 ゴール面に垂直な水平方向の並行導体1、2間の距離Dは、好ましくは、FIFAにより定められた規程による標準的なフットボール用ボールの直径近く、より一般的に言えば、15〜50センチメートルになるように選択される。 特定の一実施形態では、隣接する区画の同じ面内にある並行導体1、2を、ある区画の前面導体1が隣接する区画の前面導体1に接続され、以下同様となるように、電気的に接続することができる。 図2には、ゴールが上方から見たように示されており、7つの区画6がクロスバー8に沿って分配され、5つの区画7がゴールの各サイド・ポスト9に沿って分配されている。

    区画の数は、例えば、ゴールのクロスバーに沿って、4〜16個や好ましくは6〜12個など、2〜20個とすることができ、ゴールの各サイド・ポストに沿って、3〜6区画など、2〜8区画とすることができる。 各区画の長さは、好ましい一実施形態では、1〜2メートルなど、0.5メートル〜3メートルの範囲内である。

    各区画は、例えば先の項で論じたように位相または異なる周波数の重ね合せ電流を速く切り換えるために、容易にかつ速く制御することができる。 さらに、個々の区画は、共通の制御手段または別々の制御手段によって別々に制御することができ、それにより、通過中のボールの位置についてのより詳細な情報を、通過中のボールによりその電磁界が影響を受ける区画の制御手段から取得することができ、またはボール内の1つまたは複数のセンサによって取得されるデータがそのような位置情報を伝達できるように個々の区画から放出される電磁界を変更することにより取得することができる。 各区画の電磁界は、ボールの1つまたは複数のセンサから戻されるデータが区画に対するセンサの位置についての情報を伝達できるように、例えばその電流に別個の周波数の電流を重ね合わせることによって個々の識別情報を有することができ、それにより、先に論じた電磁界の起こり得る歪みを矯正しながら、センサの位置を固定データ処理手段によって判定して、ゴール面の通過を判定することができる。 その上、またはそれに代わる手段として、個々の区画を迅速にオンおよびオフして、1つまたは複数のどの区画から、1つまたは複数のセンサによって検出された電磁界が発しているかを判定することもできる。 さらに、区画を使用して、システムが正しく動作しているかどうかを、1つまたは複数のセンサによって検出される範囲外の電磁界を放出することによりテストし、システムからの起こり得る応答を記録し、評価することもできる。 起こり得る応答は、システムのデータ処理手段内の補償アルゴリズムを調整するために使用することができる。

    図3に示す区画の第2の実施形態では、第1のアンテナ・ループが固定受信器手段を構成し、ゴール面の周囲に配置された第2のアンテナ・ループ10が固定励起器手段を構成し、この固定励起器手段が、ボール内の受動センサおよび電波放出器手段が同調される周波数に対応する約125kHzの周波数を有する電磁界をもたらす。 各区画の並行導体1、2は、第2のアンテナ・ループ10からゴール面に垂直な方向に実質的に同じ距離D/2を有して配置され、それにより区画の導体1、2、3、4回路内で発生する合計電流は、ボールがその区画の近くにないとき、理想的にはゼロである。 しかし、並行導体1、2と第2のアンテナ・ループ10の位置合せは必ずしも完全ではなく、したがって、区画の導体1、2、3、4内に「偽」電流が発生する。 これを補償するために、各区画には、区画の回路内に第2のアンテナ・ループ10に対して非対称に構成された補償回路11が設けられ、補償回路11の制御手段(図示せず)が、ボールによって影響を受けないときは区画の導体内を流れる電流がゼロとなるように、システムの動作中に回路11に電流を供給するように調整される。 各区画は、システムの他の特徴とは無関係に個々の区画を較正するのを容易にするために、第2のアンテナ・ループの周りに構成されたピックアップ・ユニット12を有する。

    各区画は、区画の導体1、2、3、4からなる回路内で発生した電流によって検出されるボールからの電磁界の大きさをシステムの制御手段(図示せず)に出力する出力手段(図示せず)を有する。 全セクタからの入力から、ゴール面を通るボールの起こり得る通過を高精度で判定することができる。 というのも、ある区画からの、例えばその区画の近くを通過するボールによる、または区画の誤動作による乱れた出力を、制御手段によって無視することができるためである。 区画の導体1、2、3、4と第2のアンテナ・ループ10との間の起こり得るずれが測定されて補償されるので、区画の導体内に発生電流が生じることは、その区画に角度誤差があることを示しており、すなわち、その区画が、平坦なゴール面に非垂直に向けられていることを示している。 そのような発生電流は、ボール内のセンサによって発生する電流とは容易に分離される。 というのも、ボール内のセンサによって発生する電流は同調されており、その位相は第2のアンテナ・ループ10内を流れる電流に対して90度変位されているが、区画の導体内で、ゴール面の対向する側に沿って配置された第2のアンテナ・ループ10によって直接発生する電流は、第2のアンテナ・ループ10内を流れる電流と同位相であるためである。 したがって、区画によって行われる検出は、角度誤差に対して矯正することができる。

    区画によってもたらされる電磁界の周波数は、好ましくは、50〜500kHzなど、10〜1,000kHzの範囲内であり、最も好ましくは100〜200kHzの範囲内である。 というのも、この範囲内の電磁界は事実上、水分子との相互作用がなく、したがって、電磁界にさらされる人体に著しい影響を及ぼさず、電磁界内の人体によって引き起こされる電磁界の外乱がそれに対応して減少するためである。

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