複数の破壊面を含むボールバット

申请号 JP2014550320 申请日 2012-12-12 公开(公告)号 JP2015506208A 公开(公告)日 2015-03-02
申请人 イーストン・スポーツ・インコーポレイテッドEaston Sports, Inc.; イーストン・スポーツ・インコーポレイテッドEaston Sports, Inc.; 发明人 チャン、シン—イェン; チャン、シン―イェン; チャウビン、デウェイ;
摘要 複合ボールバットは、バレル壁内に複数の破壊面を含む。バレル壁内に複数の破壊面を含むことによって、バットは、ローリングまたはたその他の極端なたわみを課せられた場合、バレル性能の一時的な向上のないまま性能低下を呈する。バレル性能は向上しないため、ボールバットは、規制関連協会により課せられた性能限界に従い得る。
权利要求
  • ボールバットであって、
    複数の複合プライを備えるバレルであって、前記バレルが外面および内面を含んで、主破壊面を画定する中立軸が前記外面および内面の間に配置されるようにするバレルと、
    前記バレルの前記外面と前記中立軸との間に配置され、第1の追加的破壊域を作る第1の特徴と、
    前記バレルの前記内面と前記中立軸との間に配置され、第2の追加的破壊域を作る第2の特徴であって、前記第1および第2の特徴のうちの少なくとも1つが隣接する複合プライ間に配置される間隙または突き合わせ継手を備える第2の特徴と、
    前記バレルに取り付けられた、または前記バレルと一体であるハンドルとを備えるボールバット。
  • 前記第1の追加的破壊域が前記バレルの径方向厚さの約4分の1に配置され、前記第2の追加的破壊域が前記バレルの径方向厚さの約4分の3に配置される、請求項1に記載のボールバット。
  • 隣接する複合プライにおける繊維角度の極端な変化によって作られる第3の追加的破壊域をさらに備える、請求項1に記載のボールバット。
  • 前記それぞれの隣接する複合プライの前記繊維角度が、約60°だけ異なる、請求項3に記載のボールバット。
  • 前記隣接する複合プライの第1のプライがガラス繊維を備え、前記隣接する複合プライの第2のプライが炭素繊維を備える、請求項4に記載のボールバット。
  • (a)前記第1および第2の特徴のそれぞれが間隙を備える、または(b)前記第1および第2の特徴のそれぞれが突き合わせ継手を備える、または(c)前記第1および第2の特徴のうちの一方が間隙を備え、前記第1および第2の特徴のうちの他方が突き合わせ継手を備える、請求項1に記載のボールバット。
  • 前記バレルと前記ハンドルとの間にテーパ領域をさらに備え、前記第1および第2の追加的破壊域が、前記バレルのスイートスポットよりも前記テーパ部分の近くに配置される、請求項1に記載のボールバット。
  • ボールバットであって、
    複合積層体を備えるバレルであって、前記バレルが外面および内面を含んで、主破壊面を画定する中立軸が前記外面および内面の間に配置されるようにするバレルと、
    前記複合積層体内に配置され、追加的破壊域を作る補強要素と、
    前記バレルに取り付けられた、または前記バレルと一体であるハンドルとを備えるボールバット。
  • 前記バレルと前記ハンドルとの間にテーパ領域をさらに備え、前記補強要素が前記バレルのスイートスポットよりも前記テーパ部分の近くに配置される、請求項8に記載のボールバット。
  • 前記バレルの径方向内面に取り付けられた、または前記バレルの径方向内面と一体である追加的補強要素をさらに備え、別の追加的破壊域を作る、請求項8に記載のボールバット。
  • 隣接する複合プライにおける繊維角度の極端な変化によって作られる別の追加的破壊域をさらに備える、請求項8に記載のボールバット。
  • 前記補強要素が環状の輪を備える、請求項8に記載のボールバット。
  • 前記補強要素が複合材料または金属材料を備える、請求項8に記載のボールバット。
  • ボールバットであって、
    複合積層体を備えるバレルであって、前記バレルが外面および内面を含んで、主破壊面を画定する中立軸が前記外面および内面の間に配置されるようにするバレルと、
    少なくとも1つの突出部に縁どられている空隙を備える前記複合積層体内の不連続部であって、追加的破壊域を作る不連続部と、
    前記バレルに取り付けられた、または前記バレルと一体であるハンドルとを備えるボールバット。
  • 前記バレルと前記ハンドルとの間にテーパ領域をさらに備え、前記不連続部が、前記バレルのスイートスポットよりも前記テーパ部分の近くに配置される、請求項14に記載のボールバット。
  • 前記バレルの径方向内面付近で、追加的不連続部をさらに備え、別の追加的破壊域を作る、請求項14に記載のボールバット。
  • 隣接する複合プライにおける繊維角度の極端な変化によって作られる別の追加的破壊域をさらに備える、請求項14に記載のボールバット。
  • 前記空隙が、バルサ材、硬質ウレタンフォーム、繊維ガラスとエポキシ、射出成形されたポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、およびポリカーボネートからなる群から選択される少なくとも1つの材料で充填される、請求項14に記載のボールバット。
  • 前記突出部が、前記ボールバットの長手方向軸からずらされている前記複合積層体の部分を備える、請求項14に記載のボールバット。
  • 前記空隙が、前記ボールバットの外部に向けて延在する第1の突出部と、前記ボールバットの内部に向けて延在する第2の突出部とに縁どられている、請求項14に記載のボールバット。
  • 说明书全文

    優先権主張
    この特許出願は、2010年1月5日に出願された米国特許出願第12/652,523号の一部継続出願である2011年12月27日に出願された米国特許出願第13/337,630号の継続出願である。

    ソフトボールおよび野球リーグでは、打撃性能を高めるためにプレーヤによって改変されるバットの数が劇的に増加してきている。 バットを改変して性能を高めるための最も一般的な方法は、「ローリング」として知られる手法であり、この手法では、バットバレルは、バレルの長手方向軸に対して垂直に向けられる2つのシリンダ(「ローラ」)の間に配置される。 ローラは、バットバレルへ押しつけられ、その結果、バットの断面をたわませる。 (図2にローリング装置の概略図を示す。)バレルが圧縮モードにある間、バットは、圧縮ローラの間を通り、その長手方向軸に沿って移動されて、バレルをその長さの大半に沿って圧縮する。 このローリングは、通常、少なくとも10回繰り返され、また、一般に、バレルの周囲で約45°毎に実行される。

    性能向上のためには、プレーヤは、一般に、バレルにおけるプライ間のせん断強度に打ち勝つだけの著しいたわみでローリングプロセスを繰り返し、これはバレルの動特性を大幅に改変する。 これが達成されるための機構は、一般に、加速ブレークイン(accelerated break-in)(「ABI」)と呼ばれる。

    ABIを誘導する方法は、概して、複合構造における弱い層間領域を対象とし、層間破砕または層間剥離をもたらす。 層間剥離は、構造内の複合層を分離させる原因となる破壊モードであり、複合構造の機械的強度が著しく低下する結果となる。 複合構造が層間剥離により破損するときの強度は、通常、その層間せん断強度と呼ばれる。 層間剥離は、通常、バレル積層体の中立軸またはその付近で発生し、また、バットのバレル圧縮を低下させる働きをし、これは、バレル屈曲および「トランポリン効果」(すなわち、バレル性能)を高める。 この手順にしたがうとバットの寿命を縮めるが、プレーヤはふつう、耐久性よりも性能の一時的向上を選ぶ。

    多くのソフトボール用バットでは、バレルが最初に破損して性能が向上するまでに、ABIローリングたわみは、約0.20インチまたはそれよりも大きいことが求められることもある。 実際の必要なたわみ量は、バレル設計の全体的な耐久性に依存し、耐久性のあるバレル設計であればあるほど、性能向上なしでより多くのたわみにバレルが耐えうる。 逆に、より耐久性に欠ける積層設計では、バレル性能を増加するまでに、例えば、たった約0.10インチのたわみにしか耐えることができないかもしれない。

    容認できないほど改変されたバットの使用を防止するために、アマチュアソフトボール協会(「ASA」)は、何度もバットをローリングした後であってもすべてのソフトボール用バットが性能限界に従うことを要求する新しい試験方法を実施している。 ASAは、バットが、選択された性能限界を下回るままでいるか(現在、ASTM F2219で試験した場合、98mph)、試験中に壊れることを求めている。 バットが十分に破損したことが、プレーヤおよび球場の審判に対して顕著でなければならない。

    NCAAは、最近、同様の複合野球バットのためのABIプロトコルを採用した。 プロトコルは、ASTM F2219を用いて、バット−ボール反発係数(「BBCOR」)として計算されるバットの性能レベルを測定する。 このプロトコルは、バットが過度のをかけられた、または損傷した場合に起こり得る性能向上を試験するために、バットのローリングを要する。 バットが新品で損傷していない場合、BBCORおよびバレル圧縮が試験される。 バットが規定の性能限界を下回る結果を得る場合、次いで、バットはローリングを課される。 バレル圧縮が少なくとも15%変化した場合、バットBBCORは再試験される。 バレル圧縮が10%変化しない場合、バットは、たわみを0.0125”だけ増加させて再度ローリングする。このサイクルは、バットが性能限界を超えるまで、またはプロトコルに合格するまで繰り返される。プロトコルに合格するには、バットは、打球速度比(ball exit speed ratio)(「BESR」)で少なくとも0.014もしくはBBCORで0.018の減少を呈さなければならない、または、バットは、バットを試験しても測定可能な反発速度が得られない点まで壊れなければならない。

    バットを改変するプレーヤの劇的な増加によって、協会は、複合バットがいかなる時も性能限界を超えないことを確認するために、破壊に至るまで複合バットを試験するのを余儀なくされた。 この事態の変化に対して、バット設計の焦点は適応しなければならない。

    複合ボールバットは、バレル壁内に複数の破壊面を含む。 バレル壁内に複数の破壊面を含むことによって、バットは、ローリングまたはたその他の極端なたわみを課せられた場合、バレル性能の一時的な向上のないまま性能低下を呈する。 バレル性能は向上しないため、ボールバットは、規制関連協会により課せられた性能限界に従い得る。

    その他の特徴および利点は、本明細書において後述される。 上記の特徴は、個別または一緒に、あるいはそれらのうちの1つまたは2つ以上の様々な組み合わせで使用され得る。

    図面において、同じ参照番号は、図面を通して同じ要素を示す。

    一実施形態によるボールバットの斜視図である。

    ローリング装置で圧縮されているボールバットの概略図である。

    3つの代替的な複合ボールバット設計のせん断応力特性を比較する表である。

    耐久性バット設計および複数破壊面バット設計のBESR試験結果を比較する表である。

    ボールバットの複合プライ間に含まれていてもよい穿孔された部分的障壁層の4つの実施形態の斜視図である。

    ボールバットの複合プライ間に含まれていてもよい穿孔された部分的障壁層の4つの実施形態の斜視図である。

    ボールバットの複合プライ間に含まれていてもよい穿孔された部分的障壁層の4つの実施形態の斜視図である。

    ボールバットの複合プライ間に含まれていてもよい穿孔された部分的障壁層の4つの実施形態の斜視図である。

    一実施形態による、バレル積層体に間隙および突き合わせ継手を含む、ボールバットのテーパ部分付近に配置されるバットバレルの一部分の断面図である。

    一実施形態による、バレル積層体に補強輪を含む、ボールバットのテーパ部分付近に配置されるバットバレルの一部分の断面図である。

    一実施形態による、バレル積層体に補強リブを含む、ボールバットのテーパ部分付近に配置されるバットバレルの一部分の断面図である。

    ここで、本発明の様々な実施形態を説明する。 以下の説明は、十分な理解のために、また、これらの実施形態の説明を可能にするために具体的な詳細を提供する。 しかしながら、当業者であれば、これらの詳細の多くを欠いても本発明が実施され得ることを理解するであろう。 さらに、関連する様々な実施形態の説明を不必要に不明瞭にするのを避けるために、一部のよく知られた構造または機能は、図示または詳細には説明されていないこともある。

    以下の説明に用いられる用語は、本発明の特定の具体的な実施形態の詳細な説明とともに用いられているのであっても、最も広い合理的な解釈がなされるように意図されている。 特定の語は、さらに強調されることもあるが、何らかの制限的な解釈がなされるように意図される任意の用語は、そのようなものとして、この詳細な説明のセクションにおいて明示的かつ具体的に定義される。

    文脈が許す限り、単数形または複数形の語はまた、それぞれ、複数形または単数形の語を含んでいてもよい。 さらに、「または(or)」の語が、2つまたは3つ以上の項目のリスト中のその他の項目を含まない、単一の項目のみを意味するように明示的に限定されている場合を除いて、そのようなリストの「または」の使用は、(a)リスト中の任意の単一の項目、(b)リスト中のすべての項目、または(c)リスト中の項目の任意の組み合わせを含むものとして解釈されるべきである。

    ここで図面を詳細にみると、図1に示されるように、図1に示されるように、野球またはソフトボール用のバット10は、本明細書において以下、「ボールバット」または「バット」と総称されるが、ハンドル12、バレル14、およびハンドル12をバレル14に接合するテーパ部分16を含む。 ハンドル12の自由端は、ノブ18または類似の構造を含む。 バレル14は、好ましくは、適切なキャップ20またはプラグによって閉じてある。 バット10の内側は、好ましくは空洞であり、それにより、バット10が、比較的軽量になり、バット10を振った時に、ボールプレーヤが、かなりのバット速度を出すことができる。 ボールバット10は、ワンピース構造体であってもよいし、例えば、本明細書に参照により組み込まれる米国特許第5,593,158号に説明されるような、2つまたは3つ以上の取り付けられた部品(例えば、別個のハンドルとバレル)を含んでいてもよい。

    バットバレル14は、好ましくは、バレル成形過程の間、共に硬化される1つまたは2つ以上の複合材料から構成される。 適切な複合材料の一部の例には、炭素、ガラス、グラファイト、ホウ素、アラミド、セラミック、Kevlar、またはAstroquartz(登録商標)の繊維で強化されたプライが含まれる。 バットハンドル12は、バレル14と同じ材料、またはこれとは異なる材料から構成されてもよい。 例えば、ツーピースボールバットでは、ハンドル12は、複合材料(バレルを構成するのに用いた材料と同じまたは異なる材料)、金属材料、またはその他の適切な材料から構成されてもよい。

    バットバレル14は、単層または多層の構造を含んでいてもよい。 多層バレルは、例えば、本明細書に参照により組み込まれる米国特許第7,115,054号に詳細に説明されるような、1つまたは2つ以上の界面せん断制御域(「ISCZ」)によって相互に分離されるバレル壁を含んでいてもよい。 ISCZは、例えば、剥離層あるいは隣接するバレル壁間でせん断応力の伝達を防止するのに適するその他の要素、機構、または空間を含んでいてもよい。 剥離層またはその他のISCZは、好ましくは、隣接するバレル壁が、ボールバット10が硬化する間、およびその寿命を通じて、互いに結合形成するのをさらに防止する。

    ボールバット10は、任意の適切な寸法を有していてもよい。 ボールバット10の全長は、20から40インチ、または26から34インチであってもよい。 バレル外径は、2.0から3.0インチ、または2.25から2.75インチであってもよい。 典型的なボールバットの直径は、2.25、2.625、または2.75インチである。 これらの全長とバレル直径との様々な組み合わせ、または任意のその他の寸法を有するバットが、本明細書に想定されている。 具体的なバット寸法の好適な組み合わせは、一般にバット10のユーザによって決められ、ユーザによって大きく異なり得る。

    図2は、ローリング装置を概略的に示しており、ここでは、ローラ25が用いられて、バットバレル14をその長手方向軸に沿って、ボールバット10の端部から約2.0−2.5インチの位置から、ボールバット10のテーパ部分16まで圧縮する。 上述のように、バットバレルが、ローリングまたは別のたわみを誘導する要因を受けて、破壊点までたわまされる場合、層間剥離は、一般に、バレル14の中立軸またはその付近に位置するプライ間で発生する。 単層バットでは、図心軸と定義され、すべての変形がこれを中心に生じる単一の中立軸が存在する。 バレル壁のせん断応力は、一般に、この中立軸に沿って最大となる。 多層バットでは、各バレル壁に独立の中立軸が存在する。

    バレル壁における中立軸の径方向位置は、複合層の分布および具体的な層の剛性によって変わる。 バレル壁が、均質、等方な層で構成される場合、中立軸は、壁の径方向中点に配置される。 2つ以上の複合材料が壁に使用される場合、または、材料が一様に分布していない場合、中立軸は、当業者には明らかなように、異なる径方向位置に存在し得る。 本明細書に説明される実施形態の目的のために、所与のバレル壁の中立軸は、一般に、バレル壁の径方向中点またはその付近にあると想定される。

    中立軸またはその付近など、複合プライ間で層間剥離が発生する破壊位置は、一般に、本明細書において、破壊面と呼ばれる。 複合ボールバットで層間剥離が誘導される場合に一般に発生する、バレルコンプライアンス、ひいてはバレル性能の高まりを防止するために、少なくとも1つの追加的破壊面は、本明細書に説明されるボールバットのバレル壁に作り出される、または設けられる。

    単層バットでは、少なくとも1つの追加的破壊面が、単一のバレル壁に設けられる。 多層バットでは、各壁がそれ自身の中立軸を有するのであるが、追加的破壊面が、バレル壁のうちの少なくとも1つに設けられる。 二重壁バットでは、例えば、少なくとも1つの追加的破壊面が、バレル壁のうちの少なくとも1つに、またオプションでバレル壁両方の中に設けられてもよい。 説明しやすくするために、この詳細な説明の残りの部分を通じて、概して単層バットが説明される。

    1つまたは2つ以上の追加的破壊面をバレル壁に含むことにより、バレルがローリングまたはその他の極端なたわみを課せられた場合、バレルは、同時に、またはほぼ同時に複数の場所で破損するようになる。 この複数の場所での破壊は、バレル性能の一時的な向上が生じないだけの著しいバレル性能の急速な低下をもたらす。 好適な実施形態では、少なくとも2つの追加的破壊面であって、中立軸の両側にあるものが、所与のバレル壁内に設けられる。

    例えば、一実施形態では、追加的破壊面は、バレル14の外面から測定して、バレル壁の径方向厚さの約4分の1または4分の3に(または、断面係数および断面慣性モーメントの4分の1または4分の3で)配置されてもよい。 したがって、バレルの中立軸がおよそバレル壁の径方向中点に配置されていると仮定すると、破壊面は、バレル14の径方向厚さの約4分の1、2分の1、および4分の3に配置される。 追加的破壊面をこれらの位置に設けることは好ましい。 なぜなら、バレル壁は、バレル壁がその主中立軸で破損した後、基本的に一瞬で二重壁構造体になって、中立軸が破壊位置の両側に存在するようにするためである(これは一般に、新しくできた壁のそれぞれのおよそ径方向中点、すなわち、全バレル壁の4分の1および4分の3の位置で発生する)。

    一旦破壊が主中立軸で生じると、追加的破壊面で同時に、またはほぼ同時に破壊が生じる。 バレルがローリングまたはその他の極端なたわみを課せられた場合に、同時に、またはほぼ同時に複数の破壊面で破損して、組み合わさった破損によって、バレル性能の向上が防止されるようにする限り、1つまたは2つ以上の追加的破壊面は、オプションでバレル積層体内のその他の位置に配置されてもよい。

    追加的破壊面は、様々な方法で作られてもよい。 一実施形態では、バレル積層体の隣接する複合プライ間で、弾性率に急激な不連続性が設けられて、破壊面を作成する。 この不連続性は、隣接するプライの繊維度を著しく変えることによって設けられてもよく、その結果、これらの位置でバレル圧縮が極端に低下する。 例えば、ボールバットの長手方向軸に対して0度の角度の炭素繊維を含むプライは、ボールバットの長手方向軸に対して60°の角度のガラス繊維を含むプライに隣接して配置されてもよい。 炭素プライは、オプションで、低歪み炭素繊維を含んでもよく、これは、高歪み炭素繊維よりも延性に乏しく、より低伸長であり(すなわち、より脆弱である)、したがって、破壊がより予測可能になる。 例えば、伸び率が1%未満である高弾性炭素繊維が用いられてもよい。

    図3の表は、それぞれが13のプライを含む、以下の3つの複合ボールバットにおけるせん断応力分布を示している。
    (1)単一の破壊面、すべて炭素製のバットであって、いくつかのプライを通じて、一様または一定の繊維角度30°を有するバット
    (2)単一の破壊面、耐久性のある、主としてガラス製のバットであって、プライが、0および60°の間で変化する繊維角度を有し、繊維角度が、隣接するプライ間で30°を越えて変化しない、外側炭素プライ(プライ1)および中央炭素プライ(プライ7)を有するバット。
    (3)複数の破壊面、主としてガラス製のバットであって、繊維が0°の角度を有するプライ4および10で(第2のバットに対して)2つの追加的な炭素プライを含み、プライ3および11が60°の角度のガラス繊維を有するバット。
    表が示すように、第3のバットのプライ3および4の間、ならびにプライ10および11の間における60°の繊維角度の変化がもたらす弾性率の急激な不連続性は、積層スタックのせん断応力をこれらの領域で著しく増加して(それぞれ166.6psiおよび132.3psiまで)、追加的破壊面が作成されるようにする。 当業者には当然のことながら、その他の隣接するプライ間の繊維角度の変化(例えば、少なくとも約45°)は、用いる材料(例えば、隣接するプライで用いられる材料で繊維の弾性率が大幅に変化する場合、繊維角度の変化はそれほど極端にする必要はないであろう)、所与のバレル壁に含まれる破壊面の数、バットが準拠するように設計されている具体的な試験、などに応じて、代替的に用いられ得る。 しかしながら、バットが意図されるとおりに使用される場合(すなわち、ローリングまたはその他の極端なたわみを課せられない場合)に持ちこたえるための十分な耐久性を提供しながら、そのような変化が追加的破壊面を適切に作るため、約60°の隣接するプライ間の繊維角度の変化が好ましい。

    図4の表は、様々なバレルたわみでABIローリングを課された場合の、上述の第2および第3のバットのBESRを比較している。 表に示されるように、たわみが0.113インチの場合、耐久性のある第2のバットは、性能またはBESRにおいて向上を呈した(そのためバットは、BESR試験に合格しなかった)一方で、複数の破壊面を含む第3のバットは、性能またはBESRにおいて低下を呈した(そのためこれはBESR試験に合格した)。 このように、ABIローリングを課せられた場合、第3のバットの複数の破壊面は、バレル性能の著しい低下をもたらした一方で、より耐久性のある第2のバットの性能は、許容され得る限界を超えて高まった。

    バットバレルにおける隣接する複合プライ間での一部の繊維角度の変化は、既存のバット設計で用いられてきたが、従来型のバット設計の目標が、概して、バットの性能および耐久性を高めることであるため、本明細書に説明される著しい変形は、用いられたり、企図されたりすることすらなかったであろう。 バレル壁における隣接する複合プライ間でこれほどまでに著しく繊維角度を変化させることによって、逆に、(一旦バレルが、層間せん断応力が、バレル壁の主中立軸に配置されるプライ間で層間剥離をもたらす点までたまわされたならば)本明細書に説明されるボールバットの耐久性は意図的に低下させられて、バレル性能が規定の性能限界を超えないようにする。

    別の実施形態では、1つまたは2つ以上の部分的障壁層が用いられて、追加的破壊面をバットバレルに作り出してもよい。 部分的障壁層は、隣接する複合プライの部分の間で結合形成を防止して、それらのプライ間の層間せん断強度を低下させる。 部分的障壁層は、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、または隣接する複合プライの部分の間で結合形成を防止するのに適する任意のその他の材料で作られていてもよい。

    (例えば、組み込まれた米国特許第7,115,054号に説明されるように)多層ボールバットの壁を完全に、またはほぼ完全に分離するためにしばしば用いられる従来型の剥離層または脱着プライに反して、部分的障壁層の面積の比較的大きな割合で、穿孔またはその他の開口部が含まれて、障壁層の両側に配置される複合プライ間に重要な結合形成が生じるようにする。

    図5Aから図5Dは、部分的障壁層30、32、34、36の例示的な実施形態を示している。 穿孔40、42、44、46またはその他の開口部は、好ましくは、障壁層の全面積の約85%まで含まれて、障壁層の両側の複合プライ間の結合形成面積は、(部分的障壁層を含まない実施形態に対して)少なくとも15%だけ削減されるようにする。 したがって、障壁層は、かなりの量の結合形成を防止し、これにより、隣接するプライ間の層間せん断強度を低下させるが、依然として、障壁層の両側のプライが障壁層の全面積の約85%までにわたり結合するのを可能にする。

    通常の使用条件下で十分な耐久性を有するバットでは、穿孔またはその他の開口部が、好ましくは、障壁層の全面積の約80から85%まで含まれて、十分な結合形成、ひいては十分な耐久性が提供されて、通常のプレー条件に耐えるようにする。 通常の使用条件下で破損しやすい、全体の耐久性がより低いバットでは、逆に、穿孔またはその他の開口部は、好ましくは、障壁層の全面積の少なくとも約25%含まれて、結合形成がより少なくなり、部分的障壁層の両側のプライ間の層間せん断強度を低下させる。

    1つまたは2つ以上の部分的障壁層を含むことにより、障壁層の両側の複合プライ間の層間せん断強度は低下し、こうして、追加的破壊面をボールバットに作り出す。 したがって、バットバレルがローリングまたはその他の極端なたわみを課せられた場合、ボールバットは、複数の破壊面で同時に、またはほぼ同時に破損して、バレル性能の一時的な向上を生じさせない。 一実施形態では、穿孔または開口部をそれらの面積の約85%まで含む2つの部分的障壁層は、所与のバレル壁の径方向厚さの約4分の1および4分の3に含まれて、ボールバットが、ローリングまたはその他の極端なたわみを課せられた場合、破壊が3つの位置(中立軸付近および2つの追加的破壊面)で生じさせる。

    一部の実施形態では、特に、いくつかの部分的障壁層が所与のバレル壁に含まれる場合、より高い割合の穿孔または開口部が部分的障壁層に含まれていてもよい。 しかしながら、2つの部分的障壁層が含まれる場合、穿孔またはその他の開口部は、好ましくは、障壁層の面積の約85%まで含まれる。 これは、少なくとも15%の結合形成の減少は、一般に、破壊面を作成するのに十分なためである。 当業者には当然のことながら、破壊面を作成するのに要する穿孔または開口部の適切な割合は、使用される複合材料、部分的に結合された複合プライの繊維角度の変化、プライ間の結合形成を低減するためのバレルに存在するその他の材料などに依存し得る。

    別の実施形態では、複合マトリクス材料に対して比較的弱い接着性を有する低せん断強度材料がバレル積層体に含まれて、1つまたは2つ以上の追加的破壊面を作り出してもよい。 例えば、紙または乾燥状態の繊維の1つまたは2つ以上のプライが含まれて、弱いせん断面をバレルの2つまたは3つ以上の複合プライの間に作成してもよい。 複合プライの樹脂に強固に接合することのない材料を用いて、せん断強度の抑制を達成してもよい。 これらの材料の例には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、オレフィン、Delrin(登録商標)、ナイロン、ポリ塩化ビニルなどが含まれる。 これらの低せん断強度材料の1つまたは2つ以上のプライを含むことにより、バレルの複合プライ間の層間せん断強度は低下し、こうして、1つまたは2つ以上の追加的破壊面を作り出す。

    別の実施形態では、異物または混入物質を用いて、バレルの隣接する複合プライ間の層間せん断強度を抑制してもよい。 十分な量のタルク、プレートレット、シリカ、熱可塑性粒子、細粉などを隣接する複合プライ間に配置して、プライ間の接着強度を低減させ、こうして、1つまたは2つ以上の追加的破壊面をバットバレルに作り出してもよい。 当業者には当然のことながら、破壊面を作成するのに要する異物の量は、選択された材料が、積層マトリクスの層間せん断強度をどのくらい低減するのかに基づいて変わり得る。 一実施形態では、隣接する複合プライ間の結合面積を少なくとも約30%低減するのに十分な異物または混入物質の量を用いて、破壊面を複合プライ間に作成してもよい。

    別の実施形態では、バレルシェルは、予め成形され、次いで、一般に樹脂トランスファー成形プロセスを用いて、積層体でオーバーモールドされてもよい。 予め成形されたシェルに結合された層は、一般に、共に硬化される積層体よりも弱い結合を有する。 当業者には当然のことながら、この低減された層間せん断強度は、周囲のシェルまたは予め成形されたシェルのその他の位置で破壊面とともに用いられる場合、破壊を強制するために用いられ得る。

    図6は、別の実施形態を示しており、そこでは、1つまたは2つ以上の間隙50または突き合わせ継手52がバレル14の長手方向に隣接するプライの間に配置されて、追加的破壊域または破壊面を作成する。 間隙50または突き合わせ継手52は、好ましくは、ボールバット10のテーパ部分16に向かって配置されるが、代替的に、バレル14のスイートスポット付近またはバレル14の自由端付近に配置され得る。

    図示の実施形態では、間隙50は、バレル壁の径方向厚さの約4分の1に配置され、突き合わせ継手52は、バレル壁の径方向厚さの約4分の3に配置されている。 バレル積層体のその他の特徴に応じて、間隙50または突き合わせ継手52は、オプションで、その他の径方向位置に配置されてもよい。 別の実施形態では、1つまたは2つ以上の間隙50は、突き合わせ継手52を含むことなく含まれていてもよいし、あるいは、1つまたは2つ以上の突き合わせ継手は、間隙50を含むことなく含まれていてもよい。 間隙50は、一般に、突き合わせ継手52がなすものよりも、大きな破壊を引き起こす。

    図7は、別の実施形態を示しており、そこでは、環状の補強輪60またはその他の補強要素がバレル積層体内に含まれている。 補強輪62またはその他の補強要素が、代替的または追加的にバレル14の径方向内面上または径方向内面に含まれていてもよい。 1つまたは2つ以上の補強輪60、62は、好ましくは、ボールバット10のテーパ部分16に向かって配置されて、バットの慣性モーメントへの影響を少なくする。 あるいは、1つまたは2つ以上の補強輪60、62は、バレル14のスイートスポット付近またはバレル14の自由端付近に配置されてもよい。

    1つまたは2つ以上の補強輪は、予め成形された部品であってもよい。 例えば、輪は、炭素繊維で作られて、バレルプリフォームの積層スタック内に包まれていてもよい。 あるいは、1つまたは2つ以上の補強輪は、バレルとともに成形されてもよい。 1つまたは2つ以上の輪はまた、アルミニウム、鉄、チタニウム、マグネシウム、堅いプラスチック、または周囲のバレル積層体よりも堅い別の材料から作られ得る。

    1つまたは2つ以上のこのような補強輪60、62を含むことにより、バットがローリングを課せられた場合、バレル積層体にせん断破壊を引き起こす。 これは、補強輪が、局所的なバレルたわみを制限するためである。 例えば、補強輪60のすぐ左または右にローラがある場合は、その領域でバレルをかなりたわませる一方で、他方、補強輪60は、バレルが補強輪60に対して径方向外側の領域でたわむのを防止する。 この領域におけるたわみ不足は、補強輪60近傍で生じる著しいたわみとともに、バレル壁の厚さを通じて、非常に高いせん断荷重の原因となる。 この高いせん断荷重は、追加的破壊域または破壊面をバレル内に作り出す。 一実施形態では、1つまたは2つ以上の補強輪は、間隙、突き合わせ継手、またはその他の破壊を誘導する特徴と組み合わされて、バレル壁内における破壊の起こる場所についてさらに精度の高い制御を提供してもよい。

    図8は、別の実施形態を示しており、この実施形態においては、バレル積層体の不連続性が、1つまたは2つ以上の補強リブ72または突出部に縁どられている空隙70を作り出している。 補強リブ72または突出部は、不連続性によってボールバットの長手方向軸からずらされている複合積層体の部分を構成する。 同様の不連続性は、代替的または追加的にバレル14の径方向内面付近に含まれて、空隙74および径方向内向きに突出する補強リブ76または突出部を作り出してもよい。

    1つまたは2つ以上の補強リブ72、76は、好ましくは、ボールバット10のテーパ部分16に向かって配置されるが、代替的に、バレル14のスイートスポット付近またはバレル14の自由端付近に配置され得る。 図7の補強輪実施形態に似て、1つまたは2つ以上の補強リブ70、74を含むことにより、バットがローリングを課せられた場合、バレル積層体にせん断破壊を引き起こし、ひいては、複数の破壊域または破壊面を作り出す。 これは、補強リブが、局所的なバレルたわみを制限するためである。

    一実施形態では、1つまたは2つ以上の空隙70、74は、通常のバット使用に伴う衝撃に耐える1つまたは2つ以上の材料で充填されてもよい。 例えば、バルサ材、硬質ウレタンフォーム、繊維ガラスとエポキシ、射出成形されたポリフェニレンサルファイド、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリカーボネート、またはその他の適切な材料が、1つまたは2つ以上の空隙70、74に充填されもよい。

    別の実施形態では、弱い輪またはリブがバレル積層体に含まれて、追加的破壊面を作り出してもよい。 例えば、ナイロンまたはポリテトラフルオロエチレンなどの周囲のバレル積層体に強固に結合することのない材料が、バレルがローリングによるたわみを課せられた場合に容易に破壊される輪または空隙充填材料として、用いられてもよい。 あるいは、1.4%未満の伸び率を有する低歪み繊維、高弾性ポリプロピレン繊維、離型剤でコーティングした炭素などの周囲のバレル積層体よりも弱い材料が用いられて、弱い輪またはリブ、または概して脆弱化された領域を作成し得る。

    本明細書に説明されるボールバットは、規定の規制限界またはそのごく近くで機能するように設計され得る。 それは、バレル壁内の多面破壊が、バレル性能の急激な低下を(性能の一時的な向上なしで)引き起こすためである。 多くの既存のバットは、逆に、最初、規制限界を十分に下回って機能する必要がある。 これは、これらのバットにおける破壊がしばしば一時的なバレル性能の向上をもたらすためである。

    本明細書に説明される様々な実施形態はまた、少なからぬ設計の柔軟性を提供する。 例えば、二重壁ボールバットでは、1つまたは2つ以上の追加的破壊面は、バレル外壁、またはバレル内壁、あるいは両方の壁に含まれ得る。 さらに、様々な説明された実施形態は、オプションで、互いに組み合わせて用いてもよい。 例えば、ボールバットは、隣接する複合プライ間における極端な繊維角度の変化によって作られる第1の追加的破壊面と、穿孔された部分的障壁層またはバレル積層体の間隙によって作られる第2の追加的破壊面とを含んでいてもよい。 所与のバレル壁内に設けられる破壊面の合計数もまた変化してもよい。 このように、バレル性能の基準が時とともに変わる場合、当業者は、様々な破壊面をバットバレルに含むことによって、複合バットの性能を変更して、これらの基準に合うようにすることができる。

    したがって、本明細書に説明される好適な繊維角度、穿孔の割合、間隙、輪、またはリブの位置などは、所与のバットの設計目標およびバット全体の構造に応じて変更されてもよい。 例えば、所与のバットでは、使用した具体的な材料、複合プライの厚さ、所与の試験により指定されたたわみの量、もしくはバットが破損すると意図されているたわみの量(例えば、0.10インチまたは0.20インチのたわみ)、設けられる破壊面の数と位置などにより、説明された値の変更が決定され得る。 当業者には、これらの違いに対応するのにボールバットの設計をどのように変更するかが理解されよう。

    上記の実施形態はいずれも、単独で、または相互に組み合わせて用いられてもよい。 さらに、ボールバットは、本明細書に説明されていない追加的な特徴を含んでいてもよい。 いくつかの実施形態を示し、説明してきたが、当然のことながら、本発明の精神および範囲から逸脱することなしに、種々の変更および置換を行い得る。 したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲およびその均等物以外によって限定されるべきではない

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