Sporting goods device and feedback method

申请号 JP28247097 申请日 1997-09-09 公开(公告)号 JPH10118238A 公开(公告)日 1998-05-12
申请人 J Marsh Andrew; J Marsh Donald; ジェイ.マーシュ アンドリュー; ジェイ.マーシュ ドナルド; 发明人 DONALD J MARSH; ANDREW J MARSH;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a sporting goods device and a feedback method by which various parameters at the time of training are selfcompletely instrumented so as to be instantaneously fed back to a user.
SOLUTION: Arrays of individual sensor elements arranged closely on the surface of an instrumented sporting goods are incorporated so that the contacting force between the contact surface and the contact object is converted into a plurality of individual output signals. These signals are processed and information based thereon is produced, and the information represents one or a plurality of useful parameters. As an embodiment, an instrumented golf club represents the club head speed at the time a golf ball is hit, club head angle, and club head height to assist a golfer when the next stroke is controlled. Since the instrumentation and the indicating device are completely housed in the club, the golfer is not restricted in the use of the club, and can receive the benefit while playing on a golf course.
COPYRIGHT: (C)1998,JPO
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 対象物を打撃する表面を持つスポーツ用具において、複数個の出力信号を発生するようなトランスデューサを使って該用具の該表面上で複数の個別点における対象物の打撃を測定し、その際に各出力信号は大きさと期間を有し、該出力信号を各々処理し、かつ各出力信号に対応する使用者にとって有益なパラメータを表示する各段階から構成されたフィードバックの提供方法。
  • 【請求項2】 請求項1に基づく方法において、該処理方法が、該出力信号の各々を多重化し、多重化された信号をデジタルデータに変換し、かつデジタル化されたデータに基づいて利用者にとって有益なパラメータを表す情報を発生させる、各段階から構成されるフィードバックの提供方法。
  • 【請求項3】 請求項2に基づく方法において、該処理段階がさらに各出力信号を増幅する段階から構成されるフィードバックの方法。
  • 【請求項4】 請求項2に基づく方法において、情報発生段階が、多信号に対応するデジタルデータをサンプリングし、各信号に対応するサンプルされたデータを平均し、かつ平均されたデータの分布を保管されているデータと比較する各段階から構成されるフィードバックの方法。
  • 【請求項5】 請求項4に基づく方法において、有益なパラメータがインパクト角度であるフィードバックの方法。
  • 【請求項6】 請求項2に基づく方法において、情報発生段階が、各信号に対応するデジタルデータをサンプリングし、かつすべてのサンプルデータの最大値を決定する、各段階から構成されるフィードバックの方法。
  • 【請求項7】 請求項6に基づく方法において、有益なパラメータがインパクト速度とインパクト位置から構成されるグループから選択されるフィードバックの方法。
  • 【請求項8】 請求項1に基づく方法において、有益なパラメータが図形的に表示されているようなフィードバックの方法。
  • 【請求項9】 請求項1に基づく方法において、該スポーツ用具がクラブヘッドを有するゴルフクラブから構成されており、該トランスデューサが圧電フィルムで構成されており、該表面が該クラブヘッドのフェースであり、該対象物がゴルフボールであり、かつ有益な該パラメータがクラブヘッド速度、クラブヘッド角度、およびクラブヘッドの高さから成るグループから選択されているフィードバックの方法。
  • 【請求項10】 対象物を打撃する表面と該対象物による該表面への局所的な接触に対応する大きさと期間を持つ出力を各々発生する複数の個別点センサのアレイから構成される該表面に連結されたトランスデューサと、各出力信号を処理する回路と、各出力信号に対応する有益なパラメータを表示する表示装置とから構成されるスポーツ用具。
  • 【請求項11】 請求項10の用具において該回路が、
    各出力信号を多重化するアナログマルチプレクサと、多重化された信号をデジタルデータに変換するAD変換器と、デジタルデータを処理し、有益なパラメータを表す情報を発生するためのプロセッサから構成されるスポーツ用具。
  • 【請求項12】 請求項11の用具が、さらに各出力信号を増幅する増幅器を含むスポーツ用具。
  • 【請求項13】 請求項10の用具において、有益な該パラメータがインパクト速度、インパクト角度およびインパクト位置のグループから選ばれるスポーツ用具。
  • 【請求項14】 請求項10の用具が、さらに回路の電源用のバッテリを含むスポーツ用具。
  • 【請求項15】 請求項10の用具において、有益な該パラメータが図形的に表示されるスポーツ用具。
  • 【請求項16】 請求項10の用具において、該スポーツ用具がクラブヘッドを有するゴルフクラブから構成されており、該トランスデューサが圧電フィルムで構成されており、該表面が該クラブヘッドのフェースであり、
    該対象物がゴルフボールであり、かつ有益な相パラメータがクラブヘッド速度、クラブヘッド角度、およびクラブヘッドの高さから成るグループから選択されているスポーツ用具。
  • 【請求項17】 個別点センサのアレイから構成されるトランスデューサを提供し、かつ該トランスデューサが該表面に連結されていて、該トランスデューサが該表面でインパクトを与える対象物の直接インパクトから保護されているように、該トランスデューサをスポーツ用具に組み込む、段階から構成されるスポーツ用具の表面を計装化する方法。
  • 【請求項18】 請求項17の方法において、該トランスデューサがさらに圧電フィルムから構成されているスポーツ用具の表面を計装化する方法。
  • 【請求項19】 請求項17の方法において、該トランスデューサが接着によって該表面に連結されているスポーツ用具の表面を計装化する方法。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】

    【発明の属する技術分野】本発明はスポーツ用具およびそれに関連するトレーニング方法、特にゴルフスイングならびにゴルフボールの接触をコントロールするために使用者にフィードバックを提供する計装化されたゴルフクラブに関するものである。

    【0002】

    【従来の技術】 背景の説明アマチュアゴルファーはゲームの安定性、成績および満足感を改善する上で、彼らのゴルフスイングに関するフィードバックから多くの利益を得ることができる。 一般に、ゴルフスイングならびにゴルフボールの接触を効果的に実行し、コントロールし、繰り返すことは容易ではない。 ゴルフの練習場で、また家庭において使用するための、ゴルファーにフィードバックを与える電子的な補佐装置は、近年しだいにその普及が進んでいる。 しかしながら、一般的にこれらの装置は、正しくクラブを導き、スイングをコントロールできるような、ゴルファーにとって有益な情報を測定、計算そして表示するために外部的な指示装置ないし制御装置を必要とするので、ゴルフコース上の実際のプレーには使用できないのが普通である。 これらの電子的ゴルフ補佐装置では、ゴルファーはせっかく修得した正しいスタンス、グリップそしてアドレスをゴルファーが何時間もまたは何日も後まで覚えていて、ゴルフコース上でプレーをするときに再現しなけばならない。

    【0003】一方、ゴルフボールとの接触に関する情報をゴルファーに提供するための可搬式の装置も発表されている。 例えば、Allen に対して与えられた米国特許4,
    940,236 は、クラブヘッドとフェースプレートの間にゴルフクラブヘッドの全面にわたって2 枚の圧電フィルムを設けることにより構成された。 トランスデューサを含むゴルフクラブを開示している。 その場合、電子回路によってインパクトをインパクト時間に関して積分することによりボールの速度を計算し、それを推定された距離値と相関させることによって液晶表示装置上に推定ボール到達距離を表示する。 しかし、この場合、フェースプレート上の接触点、またはボールの回転を決定することはできない。 一方、これらのパラメータはボールの飛行軌跡と到達距離に多大の影響を与えることが知られている。 Gedneyらに与えられた米国特許5,209,483 はクラブヘッドの中央、トウ、ヒール、上部および下部に各々1個、計5個のセンサを有するゴルフクラブを開示している。 電子回路によって検知された中央センサのピーク出力に基づきボール速度と到達距離を検知する。 そのピーク出力を他の4個のセンサのピーク出力と比較することにより、クラブヘッド上のどの位置でボールを打ったかを一般的に知ることができる。 ボールの飛行軌跡は、
    トウとヒールのセンサのピーク出力を比較することによって決定される。

    【0004】

    【発明が解決しようとする課題】総合的にボールの飛行軌跡と距離に影響を与える様々なパラメータをほぼ瞬間的にユーザーに提供し得るような自己完結的に計装化されたスポーツ用具の必要性が存在している。 ここに開示される本発明はそのような必要性を満たすものであり、
    この分野に重大な進歩をもたらすものである。

    【0005】

    【課題を解決するための手段】 発明の概要ボールのような物体をインパクト(打撃)する面を有するスポーツ用具のユーザーにフィードバックを提供するための方法と装置をここに開示する。 1つの実施例においては、該スポーツ用具は該インパクト面に連結された1個のトランスデューサを持っており、該トランスデューサは隣接して設けられた多数個の点センサを有し、各点センサは各々アナログ電気出力を発生する。 各出力信号は、該物体による該表面の局所的インパクトに基づき発生される局所的法線力に対応して時間的に変動する大きさと継続時間をもつ。 該装置は個々の出力信号を処理するための1つの回路と、個々の出力信号に対応して有益な1個または複数個のパラメータを表示するための表示装置を含む。 該回路には、個々の出力信号を多重化するための1つのアナログマルチプレクサ、多重化された信号をデジタル信号に変換するためのアナログ・ デジタル変換器(ADC )、およびデジタルデータを処理して目的とするパラメータを代表する情報を発生するための1
    つのプロセッサを含むことができる。 該回路は必要に応じて増幅とろ波のための信号調整回路ならびに電源を与えるバッテリを含むこともできる。 目的とするパラメータの中にはインパクト速度、インパクト度、およびインパクト位置などを含み、それらは数値的または図形的に表示することができる。 1つの実施例においては、該スポーツ用具がゴルフボールを打撃する面を持つクラブヘッドを持ったゴルフクラブである。 該トランスデューサは圧電フィルムを使い、典型的なインパクトに対して複数の個別出力信号を発生させるような十分な密度を持つ点センサのアレイを構成するようにしても良い。 ゴルフクラブに応用した場合、目的のパラメータには、クラブヘッド速度、クラブヘッド角度、およびクラブヘッドの高さを含むことができる。 1つの実施例においては、
    トランスデューサ、回路および表示装置はゴルフクラブの中に完全に統合されている。

    【0006】本発明の方法によれば、複数の個別出力信号を発生させるために1個のトランスデューサを使って該スポーツ用具の表面上の複数個の個別点における物体のインパクトを測定し、該信号を処理し、該信号に対応する少なくとも1つのパラメータを表示することによって該用具の使用者にフィードバックを与える。 1 つの実施例においては、処理の過程に、個別出力信号の多重化、多重化された信号のデジタルデータへの変換、デジタルデータに基づく1個または複数個の有益なパラメータを代表する情報を発生する各過程を含むことができる。 もし必要であれば、出力信号の調整には、増幅とろ波も含むことができる。 情報の発生過程には、各信号に応じてデジタルデータをサンプリングし、各信号に対してサンプルされたデータを平均し、保存されたデータと平均値の分布の比較を含むこともできる。 この方法は、
    目的のパラメータがインパクト角度であり、それを図形的に表示する場合にも使うことができる。 目的のパラメータがインパクト速度またはインパクト位置である場合、情報発生過程は各信号に対するデジタルデータのサンプリングとサンプルされたデータの全部の最大値を決定することもできる。 この物体のインパクトを該スポーツ用具の使用者にとって有用な表示に変換するこの方法は独自なものである。

    【0007】本発明の別な方法によれば、スポーツ用具の表面は個別の点センサのアレイを有するトランスデューサを設け、そして該トランスデューサが該表面に衝突する物体の直接的なインパクトから保護されていて、しかも該表面に連結されているように該スポーツ用具に統合することによって計装される。 該トランスデューサは接着によって該表面に連結した圧電フィルムを用いることができる。 ゴルフクラブに使用された場合、バッテリ駆動された回路はクラブのシャフトに組み込むことが可能であり、トランスデューサと表示装置はクラブのヘッドに組み込むことができる。 本発明によれば、ドライバーやパターを含むあらゆるクラブを計装することができる。 計装されたクラブを使用することにより、ゴルファーはゴルフストロークが1 回終るたびに直ちにフィードバックを得て、より正確な信頼できる結果を生むために必要に応じて次のスイングを調整することができる。

    【0008】バッテリと回路は、ゴルフクラブシャフトの握り部分に挿入するように作られたハウジングに収納することもできる。 バッテリ交換のために、握り部分の端にカバーを設けることもできる。 手動または運動検知式の自動スイッチを設けて、クラブが使われていないときにバッテリが消費されることを防ぐようにすることもできる。 該ハウジングに表示装置を内蔵することもできるが、表示装置はクラブヘッドに組み込まれたトランスデューサの近傍のクラブヘッドの上面に取り付けることもできる。 別の実施例の場合、本発明の装置と方法は、
    ゴルフクラブ以外のスポーツ用具、例えば、野球のバット、パドルおよびラケットにも組み込むことができる。

    【0009】

    【発明の実施の形態】図1に示したのは、ゴルフクラブ
    10の上部の立体図であり、シャフト12とグリップ14も示されている。 グリップ14に近くシャフト12内に配置されたのが、16として示された回路および電源であるバッテリ18を受け入れるハウジングまたはその他の構造物である。 表示装置22は、グリップ14の近くにシャフト12内に配置されるか、または図2に示すように、クラブ10のヘッド20の上面に組み込まれている。 ここには図示の都合上、ウッドまたはドライバクラブのヘッド20が示されているが、本発明はアイアンクラブにも、また、バット、
    ラケット、スティックなどの他のスポーツ用具にも適用できることが理解されているものとする。 表示装置22
    は、クラブヘッドのインパクト速度、インパクト角度、
    およびインパクト位置のようなゴルフスイングに関連した1個あるいは複数個の有益なパラメータの英数字ないし図形的表示を含むものとする。

    【0010】クラブヘッド20には1つのトランスデューサが組み込まれ、クラブ10のフェース24に連結されている。 トランスデューサからの電線26はシャフト12を通って回路16に達している。 該トランスデューサを密接に配置された、個別の点センサのアレイとして構成することにより、各インパクトに対して相当な量の情報を発生させることができる。 例えば、最初に衝突する場所は、クラブ10のフェース24の全面に縦横方向に配置された点センサの密度または間隔の関数として決まる精度で正確に決定できる。

    【0011】目的とするパラメータと表示例22a-22c を図3A-3C に示した。 各表示例ともクラブヘッドのインパクト速度を時速マイル(mph)で表した数値、インパクト角度の図示、インパクト点の高さを表す数値が含まれている。 目的のパラメータに対して、クラブヘッドのインパクト速度を表すためには、2ないし3文字位置、平インパクト角度を直交座標的に表示するために1図形文字位置、高さ方向のインパクト位置を表示するために2
    文字位置を指定してある。 表示装置としては、発光ダイオード(LED)または液晶表示装置(LCD)を含む任意の装置を周囲の光と電力消費を考慮して使用できるが、その詳細については後に述べる。

    【0012】図3Aにおいて、例示したゴルフスイングの場合、インパクト速度は22a の表示画面に示したように
    90であり、ボールに衝突したときのクラブヘッドの速度は90mphであることを示している。 図7A-8B に関して以下に詳述されている2 次的なインパクト情報によって、
    クラブの移動方向がおおむねボールに対して完全に直角であることがわかる。 このインパクト角度が直角であることは表示画面22a に対して垂直な矢印で示されている。 従って、ボールにはサイドスピンがかかることなく、一般的にフェアウェイをまっすぐ飛ぶことが予想される。 最後の目的のパラメータであるインパクト高さは「+2」、すなわちクラブの移動T により、クラブフェース24の下部で図4に示したようにボール28の水平方向センターラインH の上約2mmの点が最初に叩かれたことを示している。 ゴルフボールの飛行軌跡中の垂直方向の移動は、クラブのロフトとボールの水平中心線H に対するクラブのインパクト点の関数であるから、そのように高い位置で最初のボールに対する打撃が行われると、ボールの飛行軌跡にも到達距離にも悪い結果がでる。 クラブのロフトは垂直面に対するクラブフェースの角度の関数であり、高い番号のアイアンは角度もその結果としてロフトも大きい。 図4のようにボール28を中心線Hより高い点で叩くと、ボール28は正しい位置で与えられたロフト角度とインパクト速度で叩かれた場合に比べて一般的に低く飛び、到達距離が短いことが予想される。

    【0013】図3Bは別のインパクト状態の表示画面22b
    を示す。 この場合、クラブヘッドのインパクト速度はいくぶん低く、85 mphである。 正しい直角なインパクト角度の代りに、スイングはアウトサイドインであり、それは、ゴルフ用語でクラブが正しいボール目標線の外側からボールに接近し、ボールに右回りスピンを与えることを意味する。 ボールが飛行中右回りしていると、「スライス」が発生し、フェアウェイの右手に曲がる飛行をする。 この状態は表示画面22b で右に傾いた線で表される。 また、ボールはクラブフェース24の上部で下の方を叩かれたことが「-2」というインパクトの高さの表示で示されている。 すなわち、この場合、ボールはセンターラインH の下約2mmの点を叩かれたのである。 この結果、ボールの垂直方向の移動は望ましい軌跡より高くなり、ボールの水平到達距離は減少する。

    【0014】最後に、図3Cは表示画面22c では、クラブヘッドのインパクト速度は更に低く、80 mphである。 ここに表示されたインパクト角度はインサイドアウトであり、クラブヘッドが左から右に向かってボールに接近し、ボールに左回りの回転を与えることにより、いわゆる「フック」または「ドロー」を生じる。 この結果、ボールは表示画面22b のスライスと逆で、フェアウェイの左手に向かうことが予想される。 インパクト角度の偏りが大きければ大きいほど、大きいフックまたはスライスが生じる。 しかし、この場合、ボールは打撃高さゼロで表されているように、水平中心線に沿って叩かれている。 この結果、クラブフェースのロフトで与えられるもの以外には飛行軌跡に対する垂直方向の偏りはない。

    【0015】クラブヘッド20のボール28に与える打撃の動力学は複雑であるが、上述したパラメータのほかには、「トウ・センター・ヒール」の打撃位置が特に重要である。 したがって、関連するデータを収集するためには、クラブヘッド20のフェース24のほとんど全面をマップできることが望ましい。 同様に重要なのは、信号を処理するハードウェアとアルゴリズムを使用して生のデータを効率的、効果的に変換して、ゴルファーにほぼ瞬間的に有用なパラメータ情報を表示することである。 1つの実施例を使って、図6を参照しながら以下に詳述するように、回路16はトランスデューサの出力アナログ信号をデジタル化するためのADC と、デジタル化されたデータを処理して、1個または数個のパラメータを表示するために発生させるマイクロプロセッサから構成される。

    【0016】クラブフェース24がボール28に接触すると、衝撃力F がボール28に与えられる。 動力学の原理によれば、衝撃力F は次の方程式で示されるようにクラブヘッドの運動量の時間に関する積分値に等しい:

    【0017】ここでm はクラブヘッドの重量、v iはインパクトの瞬間におけるクラブヘッドの初速度、v fは接触が終った後のクラブヘッドの速度、Δt はインパクトの継続時間である。 同等な衝撃力方程式をゴルフボールに対しても立てることができるが、ゴルフボールの初速度はゼロであるから、v iを消去してその方程式は簡略化することができる。 これらの方程式を使い、クラブヘッドとボールの質量が既知であるから、衝撃力と衝撃時間を測定することにより、固定された基準フレームを必要とせずにクラブヘッドの速度とボールの速度を直接計算することができる。

    【0018】1つの実施例において、ボール28に加えられた合計衝撃力F は圧電フィルムセンサ、加速計または他の応力の検出器を使って測定することができる。 高周波のマイクロプロセッサに基づくシステムを使って力のセンサ出力をサンプリングすることにより、衝撃力が働いている期間も測定可能である。 クラブヘッド20のフェース24の全面にアレイまたはその他適当な幾何学的パターンで複数個の個別点センサを配置することにより、正確なボール接触点の位置と各点における力を測定することができる。 例えば、フェース24の上に50個のセンサが設けられ、1秒間に1x10 6サンプルのサンプリング率r
    を持つADC を組み合せれば、クラブフェースの最初の接触から最大衝撃力に達し、やがて衝撃力が消えるまでの継続時間として従来報告されている時間t 、例えば0.5
    ミリ秒間に各センサがから得られるサンプルの下図N は下記の方程式によって与えられる。

    【0019】

    【0020】複数個のセンサの各々の時間的に変化する出力によって、正確な最初の接触とその後のフェース接触に関する情報が得られる。 例えば、ゴルファーにはトウ・センター、センター、センター・ヒール、ヒールなどの最初のフェース接触位置の印刷された、あるいは図形的情報を提供することができる。 そのような有益なパラメータは、図3A-3C に示された有益なパラメータ1 個または数個のパラメータに加えて、あるいはその代りとして表示することができる。 用途においては、トランスデューサの出力信号は信号条件づけ、例えば増幅、ろ波、または縮小拡大が必要になる。 さらに、クラブヘッドの質量はクラブによって異なり、予期されるクラブヘッド速度域もクラブによって異なるから、運動量方程式と全応力範囲はクラブのメーカー、モデル別に各クラブについて調節することができる。 与えられたセットのクラブのうち、何本かを必要に応じて計装化し、ゴルフコースに出ている間にゴルファーに彼のスイングの効果についてリアルタイムのフィードバックを提供することができる。 この技術は他の形式のスポーツ用具にも応用することができる。 スポーツ用具と衝撃対象物の質量特性が既知であり、おおむね一定であるかぎり、ボールまたは他の衝撃対象物との衝撃接触の特性は測定され、計算されて有益な1 個ないし、複数個のパラメータをリアルタイムで使用者に提供することができる。

    【0021】本発明の実施に適するトランスデューサは圧電フィルムを使用する。 図5 に示した実施例において、49個の個別圧電センサ素子を7x7 直交アレイに配置して構成されている圧電トランスデューサ30はクラブフェース124 の内面に接着によって連結され、アレイのセンサ素子の各々には、適当な電線がハンダづけされている。 各センサ素子の表面積は約0.002 in 2 (0.013cm 2 ) から約0.014 in 2 (0.090cm 2 ) の範囲にある。 センサ素子間の中心から中心の距離は約0.010inch (0.025cm)から0.0
    8inch(0.20cm)の範囲にある。 別な実施例では、トランスデューサは複数の薄い圧電フィルムの帯を行列に重ね合わすか、織ることにより、複数個の交差点を作ることによって構成される。 対応する出力信号は、これらの交差点の各々で測定することができる。 1つの実施例においては、これらの帯は厚さ0.016 inch(0.040cm)で、幅が0.04 inch(0.10cm) で、長さは用具の表面を計装化するに十分なものである。 これらの範囲はゴルフクラブへの応用では適切であるが、本発明の主旨の中でこれらより表面積、間隔、帯の寸法が大きいもの、あるいは小さいものも考えることができる。 設計の要素としては、計装化すべきスポーツ用具の表面積の大きさと形状とインパクトを受けるボールやその他の対象物の大きさと変形特性が含まれる。 センサ素子のアナログ出力を伝えるアレイの縦横の接続電線は、クラブシャフト112 を通って、グリップの近くに配置された回路に接続され、信号が処理される。

    【0022】別の実施例として、センサ素子は直交アレイのほかに、偏心円パターン、ダイヤモンドパターン、
    可変密度パターン、その他特定の用途に適したパターンを使用できる。 しかも一般的には、表面にどのようなインパクトが起きても複数のセンサ素子が作動して有益なパラメータが決定できるように表面のおおむね全面が十分な密度で計装化されることが望ましい。

    【0023】アレイの縦横の電線の交差点には、クラブフェース124 とボールとの局所的接触に基づく大きさと継続期間の電気出力信号が生じる。 トランスデューサ30
    は各点でニュートン・メートル/ クローンすなわちボルトで表される電界強度を発生する。 この電界強度は、局所的なインパクトによって圧電材料の結晶構造に生じた応力により、発生するものである。 クラブフェース124
    の保護されている側に接着する代りに、個別の圧電センサ素子はクラブフェース124 の接触側に接着してゴルフボールの直接的インパクトをステンレス鋼またはその他の非圧縮性材料の薄板で覆うようにしてもよい。

    【0024】クラブ110 の設計的な特性を保つためには、クラブフェース124 の弾性ダンピング効果をあまり増やさないように、センサ素子は十分に剛性の高いものでなければならない。 圧電材料の剛性は100 万分の5 程度なので、その点で申し分ない。 よって、衝撃力の全域がわずかな曲げ範囲内に収まり、フィルムの剛性はゴルフクラブの性能を損なうことはない。 ドライバーのインパクト力は2kN(キロ・ニュートン)と5kNの間であると推定されており、したがって、十分に圧電フィルムが対応し得る範囲内である。 他のゴルフクラブや、他のスポーツ用具に適用される高低様々な力に対してもそれらのフィルムで対応することができる。 インパクトの瞬間と、インパルスへの全期間中の力を測定することにより、前述の方程式を使ってクラブヘッドの速度変化を計算することができる。 この速度変化とクラブヘッドとゴルフボールの既知の質量をある1つの式に投入し、経験的あるいはモデルによって決定される相関係数を加味することにより、実際のクラブヘッド速度は非常に正確に決定することができる。 モデル実験により、クラブヘッドの変化とボールの初速との間には、両質量の関数として決まる1つの直線的比例関係が存在することが証明されている。 ゴルフボールの到達距離はボールの初速から推定することができるが、風速や風向きのような周囲の環境要因ならびに、ボールのスピンなどがそのような距離の計算精度に影響を与える。

    【0025】クラブヘッド124 に連結された圧電トランスデューサ30は、アレイに含まれるセンサの数に応じた複数個の電気信号を発生し、それらの信号が処理されてゴルファーの利益になる1個または複数個のパラメータを表す情報を発生する。 その処理回路16が図6に概略図示されている。 個別のセンサ素子からのアナログ出力信号32は、演算増幅器を通り、そこで出力信号32は増幅される。 その他の信号調整、例えばろ過や拡大縮小もこの点で行われる。 増幅された信号は、アナログマルチプレクサ36、次にADC 38に入り、多重化された信号はデジタルデータに変換される。 次にデジタルデータはマイクロプロセッサ40でサンプルされ、処理されて、有益なパラメータを表す情報42を発生する。 次に情報は適当な表示ドライバ(図示せず)を通過して希望する表示を生む。
    マイクロプロセッサ40にはクロックが含まれており、回路16の各種ハードウェアと通信して回路内の制御タイミングと通信をコントロールする。

    【0026】回路16のアナログ部分には、複数のチャンネルが存在していて、各個別センサ素子と関連する出力信号32に対して1つのチャンネルがある。 信号のサンプリングの経過時間はボール28がクラブフェース124 と接触している時間の長さとインパルス曲線のうち有益な部分に依存する。 上述したように、この期間の時間的長さは約0.5 msecである。 したがって、リアルタイムの処理を行うためには、この0.5 msec以内で最悪の場合、すべてのセンサのチャンネル値がサンプルされ、記録されることが望まれる。 それ以降の処理、例えば数値化やデータの翻訳は測定値が記録されたのちに行われる。 データ発生後直ちに処理ができない場合には、局所的なキャッシュ・ メモリを加えることもできる。

    【0027】マイクロプロセッサによる表示情報のタイミングと生成は遅くても良い。 というのは普通、ゴルファーはまずボールの行方を確認し、ボールが着地したのを見届けてから表示装置を参照する。 どのくらいの時間があるかは、クラブとボールの飛行軌跡によっても変わるが、この時間は数秒の単位であると考えられる。

    【0028】出力信号32の増幅の必要性は、圧電トランスデューサ30から生じた出力信号32の電界強度のダイナミックレンジまたはクラブフェース124 に組み込まれた他の個別センサ素子に依存する。 クラブフェース124 に配置された圧電センサ素子からの典型的なアナログ信号
    132 は、図7にmsecで表した時間t の関数として% 直流電圧(% VDC)を示してある。 図示した信号132 ではボールとの最初の接触は0.5 msecの時点で生じている。 電圧は0.25 msec の間増加を続けて、ここで100 %VDC として表示されている最大値に達する。 その後電界強度は最大VDC の67% にまで減少し、その後さらに0にまで減少する。 出力信号132 のここで使われる部分は、最大VDC
    の周辺の0.5 msec全体であるが、信号132 が67% VDC
    に、そしてさらにゼロVDC に減少する場合は、ある種の相関に使うことができる。 しかしクラブヘッド速度を決定する鍵は、電界強度の測定された最大値、100% VDCである。 圧電材料の高い内部インピーダンスのために、発生した電流値は小さく、ナノアンペアからマイクロアンペア程度である。 したがって、センサ信号132 の電力出力はマイクロワットからミリワットの程度である。 出力信号32のダイナミックレンジに基づき、増幅が必要とされることもあり、回路16に使われるバッテリ18から求められる電力を増大する。

    【0029】信号132 の最大値はクラブフェース124 とボール28との最初の接触から0.25 msec に生じるので、
    出力信号サンプリングは最初の接触の検知後に遅らせる必要はなく、直ちに始めることができる。 したがって、
    ADC 38はアナログ出力信号32の交換を始めるため作動する。

    【0030】サンプリング率はADC 作動速度に基づく。
    例えば、相補形金属酸化膜半導体(CMOS)ADC のような低出力半導体の典型的な変換速度は10-20 マイクロ秒(μsec)である。 一方、双極性ADC 装置はアナログ信号をはるかに速い速度で、すなわち、20-40 ナノ秒で変換できる。 したがって、サンプリング期間0.5 msec、50個のセンサ素子出力信号の各々について10サンプリングを行うとすれば、必要なサンプリング速度は1 センサ当たり1サンプル当たり約1 μsec 、すなわち、1秒間に1
    メガサンプル(MSPS)となる。 8チャンネル入力容量を持つADC にとって、求められるサンプルのレンジを捕捉するためには、50センサチャンネルは多重化されねばならない。 デジタル変換前のこの時間間隔は、それほど問題ではなく、同様に0.5 msecと仮定して良く、各出力信号は約1 μsec で多重化される必要がある。

    【0031】これらの仮定に対して、49個のセンサチャンネルを持つ回路は8ADC チャンネルに多重化され、言い換えれば各ADC チャンネル当たり約6ないし7の時間スロットが設けられている。 49センサの各々に対して、
    センサ当たり仮定のとおり10個のサンプルをとったとすると、490 のサンプルが多重化され、サンプルされて、
    個別のデジタルデータに変換される必要が生じる。 ADC
    のタイミングは変わっても、時間を最短に短縮するためには、この変換過程は多重化時間またはトランスデューサが信号を発生する時間以上かかってはならない。 よって、ADC もその機能を0.5 msec以内に完了しなければならない。 ADC はサンプルと保持回路を含んでいてもよい。 ここで必要とされる1μsec 変換速度は普通のADC
    、例えば、郵便番号02062 マサチューセッツ州ノーウッド所在のAnalog Device 社から入手可能のモデル番号
    AD671 とAD7891の能力で十分まかなえる。

    【0032】インパクトの測定、信号処理、および情報の表示は順次行うことができ、前述の例の場合、全体で約2.5 msecから約3.0 msecを要する。 もし有益なパラメータを表す情報の生成に要する処理時間が希望時間より長くかかる場合は、並行処理テクニックを使うこともできる。

    【0033】もっと速い処理速度も得られる。 同じ0.5
    msecサンプリング期間とセンサ素子当たり50サンプルを使用した場合、サンプリング回路は1秒間に10万サンプルを処理しなければならない。 キャッシュメモリは49センサ素子のためには2,450 ビットのデータを必要とし、
    これらの2,450 ビットを処理し、ゴルファーがスイングをした後表示装置にその結果を見るのに十分な時間を与えるために、マイクロプロセッサは十分速いビットレートで働きさえすれば良いのである。 基本的に翻訳と結果の表示に1秒を使うことができる。 よって、マイクロプロセッサは100KHz 以内の速度で作動すればよく、それは十分に普通のマイクロプロセッサの能力範囲である。

    【0034】上述したように、ゴルファーに有益なパラメータ情報を提供するためには、デジタルの英数字表示あるいは、グラフィックの文字表示を含む任意の表示装置22を使うことができる。 そのような表示装置22はLED
    、LCD 、インジェクションレーザー、または他の任意の形状寸法に構成された表示素子から作ることができる。 英数文字には普通の7エレメントLED またはLCD を使うことができる。 しかし、インパクト角度を示す矢印のような図形表示も使っても良い。 一般的に、軽量で、
    電力消費量が小さく、適当な大きさの表示装置22が好まれる。 腕時計に使われるLCD 表示装置のように、太陽光線のような強い周囲光状態での表示文字の光学的コントラストも1つの要素である。

    【0035】20 文字LCD 表示装置は、約10μA 以下の小さい電流で働く。 3VDC のバッテリを電源とした場合、20文字のLCD は0.6 mW以上の電力は必要としない。
    一方、LED 表示装置は通常それ以上の電流を必要とし、
    3mAから5mAの範囲で働き、同様な複数文字表示能力に対して約180 mWから300 mWの範囲を必要とする。 本発明に基づく計装化されたゴルフクラブが測定、処理および表示に必要とするピーク電流を例にして計算してみると、総合的な設計にもよるが、インパクトのたびに約15
    0 mWから約500 mWの範囲を必要とすることになる。 もし演算増幅器が必要であるとすると、約 80mW から 150m
    W、アナログマルチプレクサは約10mW、ADC は約80mWから 150mW、マイクロプロセッサは約 10mW から 100Mw、
    そして複数文字表示装置は約 50mW から 100mWを各々消費する。

    【0036】2個の標準サイズ(1/2 AA)3.6 ボルトリチウムバッテリをクラスタ構成としたものは最大 100mA
    のピーク電流を供給し、360mW の電力を提供し得る。 これにふさわしいバッテリとしては、イスラエル国テルアビブ市のTadiran, Inc. が製造するモデルTL-2150 リチウムXrtaであり、米国内では郵便番号55413 ミネソタ州ミネアポリス市のDC Battery Distributors から購入できる。 これらのまたは同様なバッテリは最小電力需要量を十分にまかなうことができる。 これと同じバッテリを
    2 個並列に加えれば、連続的な電流供給量としては 200
    mA、電力としては720 mWを提供し得るので最大需要量をカバーすることができる。 この用途に使い得るバッテリのオプションは多岐にわたり、モデルが製作されたのち、最終的な電力需要にマッチするようなものを選びさえすればよい。

    【0037】サンプルされたデジタルデータに基づく1
    個または数個の有益なパラメータを表す情報を生成するためには、各種のアルゴリズムと方法が用いられる。 図
    8A-8B は、ボール28がクラブフェース124 によって最初の接触とそれ以後のインパクトの遷移によって生じるトランスデューサの出力信号の空間的な位置を概略表示するものである。 49個の個別センサ素子のアレイは7 本の水平線AF と7本の垂直線1-7 の交差点で示されている。 図8Aで示されたクラブフェース124 とボール28の最初の接触において、接触はボール28の中心にある大きい点44で示された1点に限られている。 この場所はアレイ中のセンサ素子D4に相当する。 図8Bに示したように、クラブヘッド20がスイングの中で経路T に沿って移動するについて、ボール28は弾性的に変形し、最初の接触点44
    の周囲で平らに潰れて、図8Bにその周辺の4 個の点46で示したように追加の局所的な力をクラブフェース124 に加える。 これらの2 次的な接触位置46はセンサ素子C4、
    D3、D5、E4に相当する。 クラブフェース124 からはなれるとボール28は球形状を回復する。 センサ素子のアレイの密度、ゴルフボール28の変形度合い、およびクラブフェース124 が及ぼした力の伝達に応じて49個のセンサ素子中5個よりはるかに多いセンサ素子が各々出力信号を発生することは明らかである。

    【0038】再び図8Aに戻って、ボール28とクラブフェース124 の間の最初の接触点44は、クラブフェース124
    の中央D4にある。 接触が検知されるや否や、回路16は49
    個のセンサ素子出力信号32の全部のサンプリングを始めることも可能であり、また、希望により、所定の遅延サイクルを始めることも可能である。 クラブヘッドのスイングの先に進むにつれて、ボール28は変形し、インパクトは2次接触点46に広がる。 したがって、サンプリング期間全体にわたり、49個のセンサ素子全部の出力信号32
    は所定の間隔でサンプルされる。 クラブフェース124 の異なる部分に働く力のレベルは異なるので、対応する出力信号32は異なる時間的に変化する大きさと期間を示す。 例えば、図8A-8B に示した単純化された例では、センサ素子D4の出力信号32の大きさと期間は両方ともセンサ素子C4、D3、D5、E4よりも大きく、44個のセンサ素子の他の素子は出力信号を出さない。

    【0039】サンプリング期間が過ぎると、デジタルデータはマイクロプロセッサ40で処理されて、有益なパラメータを表す情報が生成される。 パラメータによっては、最初の接触点44とその後に生じる接触点の一部または全部が利用される。 図9Aと9Bは、2つの異なるインパクト状態におけるアレイ中の各センサ素子のデジタルデータの概略マトリックス表示48a 、48b である。 マトリックス中48a 、48b 中の数値は無次元数で各センサ素子に対する相対出力信号の大きさを表す。

    【0040】まず、図9Aのマトリックス48a は、クラブフェース124 がボール28と最初の接触の後、弾性変形を始めた時点での力のマトリックスを例示するものである。 これは可能性のある49個の出力信号中、15個という比較的多い数の出力信号が示され、かつアレイのサンプルの分布と数値から明らかである。 さらに具体的には、
    アレイ中の最大値80はクラブフェース124 の中央であるセンサ素子D4で発生しており、2 次的な数値はコラム4
    に対しておおむね対称的になっている。 これは、クラブフェース124 の中央でヒットし、インパクト角度が直角であったことを示している。 したがって、ボール28は、
    真っ直ぐな飛行軌跡をとり、フックやスライスを生じるようなサイドスピンを生じないことが予想される。 しかしながら、行D に関しては、全般的に非対称性があり、
    高い数値のより多くのサンプルが行D の下よりも行D の上に存在する。 このパターンは、ボール28との接触が水平中心線よりやや下で発生し、ボール28にわずかなスピンがかかり、ボール28がより高めの飛行軌跡をとり、到達距離が短くなることを意味すると解釈し得る。 また、
    マトリックス48a はセンサ素子のサンプルの一部または全部の平均値、最大値または累積値を表すものであってもよい。

    【0041】有益なパラメータの種類によって、力のマトリックスが1回のサンプリングの結果か、いくつかのあるいは全部のサンプリングの最大値、平均値または累積値であるかの相関性が決まる。 例えば、衝撃力を計算するのに使われることもある衝撃期間は、測定し得るデータを発生するサンプリングの回数として決定される。
    最大値データは、クラブヘッドのインパクト速度とボール28のクラブフェース124 上のインパクト高さを決定するのに使うことができる。 平均値データの分布はインパクト角度とその結果としての真直性、フック、スライスを決定するために使うことができる。 データ分布の分析は、回路16のメモリに保存された複数個のあらかじめ定められた通常予想されるパターに対してその分布パターンを比較するか、またはアルゴリズムによって行われる。

    【0042】図9Bは図9Aに示されたものとは異なる状態から生じた力マトリックス48b を示す。 ここでは、最初の接触は、マトリックス48b の最大値85の位置であるセンサ素子F5で生じている。 ボール28はクラブフェース12
    4 のトウの底部でボール28の水平中心線H の上を叩かれた。 このゴルフスイングは、下手なスイングであることが、いくらかでも力が記録された2次センサ素子がわずか5 点しかないということから知られる。 ボール28がクラブフェース124 の底部で叩かれたために、最初の接触点より下の行G以下では力が全然記録されていない。 また、ボール28がクラブフェース124 のトウの底部のエッジで叩かれているために、この結果、通称「シャンク」
    ショットとして知られる結果を生じ、ボール28がクラブフェース124 を離れるときにサイドスピンはほとんどかからないが、決定的に目標とする飛行軌跡から外れる左から右への経路をたどることになる。 この表示画面22は傾いた矢印で、クラブヘッドがアウトサイドインに入ったことをゴルファーに知らせる。 ボール28が水平中心線Hからかくも離れて叩かれたために、クラブフェース12
    4 の底部のエッジがボール28に最初に接触している。 ボール28に対してクラブフェースが正しい高さで接触するためには、ゴルファーはヘッドダウンしていなければならない。

    【0043】上述したように、力のマトリックスの分布パターンを解釈するには、いくつかの方法がある。 例えば、与えられたサンプリングの期間中にマトリックス48
    の中のすべての力の数値に基づいて、共通力数値を生成するアルゴリズムを使うことが可能である。 しかし、そのような計算は時間がかかり、マイクロプロセッサ40の負担となる。 所定のサンプリング期間について各センサ素子からのサンプル全部を平均することによって力の平均値を簡単に計算することができる。 例えば、2次センサ素子の1つが5回の時間サンプルとして35、33、30、
    25、20単位の力を記録したとすると、そのセンサ素子の力平均値はそれらサンプルの和を5 で割ったもの、すなわち29単位となる。 もし同じセンサ素子に対する力が急速に減少したとすると、その平均値は29単位以下となる。 この方法は、その計算がマイクロプロセッサ40で迅速に行うことが可能であり、通常の電子部品で比較的簡単に実施できる点が長所である。 1次センサ素子はその最大値がクラブヘッド速度の計算に使われるので、平均は2 次センサ素子だけに適用される。

    【0044】したがって、実際的には、1次および2 次接触点44、46に関して十分な情報を捕捉するために、複数個のセンサ素子をクラブフェース124 に組み込むことが望ましい。 49個のセンサ素子アレイは説明の目的のために1つの例としてゴルフクラブフェース124 に組み込まれると説明してある。 しかし、それより少ないあるいは多いセンサ素子を異なるパターンで組み込むことも、
    本発明の範囲内に含まれる。

    【0045】本発明の方法と装置は多岐にわたる。 第1
    に、計装化されたスポーツ用具は完全に自己完結している。 ゴルフに応用した場合、ゴルフクラブ10はゴルフコース上で使用できる。 可搬性があるので、クラブ10は実際のプレーに使用すれば、ゴルファーは即時にフィードバックを受けることが可能であるという点で外部訓練装置に優る利点がある。 適正なスイング位置をゴルファーが記憶するのは、表示を読んでから次のスイングをするまでの時間だけであり、したがって、練習から実際のプレーまで何時間または何日もかかる外部装置に比べて、
    かなりな利点がある。 第2に、複数個の素子を高密度に配列したトランスデューサ30を使用することにより、1
    回ごとのスイングに対して多くのデータを採取することが可能で、広範囲の有益なパラメータを表示することができ、スイングポジションとクラブヘッド速度と方向の総合的な分析をゴルファーに提供することができる。 最後に、ボールをヒットする際にゴルファーが装置に対して一定の位置にいることを要求する他の多くのトレーニング装置と異なり、ゴルフクラブ10はゴルフクラブ10をスイングするときに何らゴルファーが特定の位置を占めることを必要とせず、また、何ら特定のアドレスポジションをとる必要がないのである。 ゴルファーはコース上でプレーしながら普通のスイングの際にとる自分自身のスタンスとアドレスを行うだけでよい。 これは、実際のプレー中にゴルフクラブ10を使っているときのゴルファーのポジションが最も現実に近いシミュレーションであり、ゴルファーが自信を持って、希望するポジションにスイングを調整することができるという点で非常に重要である。

    【0046】以上で示したように、本発明は、テニス、
    スクオッシュ、ラケットボールのラケット、パドルボール、パドルテニス、ピンポンのラケット、野球、ソフトボール、クリケットのバットやスティック、マレットなどを使う広範囲のスポーツ用具に応用することができる。 以上において本発明の望ましい実施例として考えられるべき形態を示してきたが、発明の他の変形もここに述べた技術に熟達した者には明らかになるであろう。 従って、本発明の真の主旨と範囲に含まれるそれらすべての変形が添付した特許請求の項目に含まれることを希望する。 よって、特許状によって守られることを求めるものは、以下の請求項目により定義され、特定化される発明である。

    【図面の簡単な説明】

    本発明は、ここに掲げる望ましい実施例、またそれ以外の利点とともに、添付した図面を参照にして、以下にさらに具体的に説明する。

    【図1】本発明の1つの実施例におけるゴルフクラブの上部の概略透視図である。

    【図2】本発明の1つの実施例におけるゴルフクラブの下部の概略透視図である。

    【図3】図3A−3Cは本発明の1つの実施例における3つの異なるインパクト状態の例を示す概略図である。

    【図4】図3Aインパクト状態にあるゴルフボールの概略側面図である。

    【図5】本発明の1つの実施例において1つのトランスデューサアレイで計装化されたゴルフクラブヘッドの概略正面図である。

    【図6】本発明の1つの実施例において1つのトランスデューサ出力信号を処理する回路の概略ブロック図である。

    【図7】インパクト時に1つのセンサから出る出力信号の概略図形表示である。

    【図8】図8A−8Bは最初の接触とインパクトの進行により発生するトランスデューサの出力信号の空間的位置の概略図形表示である。

    【図9】図9A−9Bは本発明の1つの実施例における2つの異なる状態に対するセンサアレイの力のマトリックスの概略な表示である。

    【符号の説明】

    10,110 ゴルフクラブ 12, 112 シャフト 14 グリップ 16 回路 18 バッテリ 20 ヘッド 22 表示装置 24, 124 フェース 26 電線 28 ボール 30 電圧トランスデューサ 32, 132 出力信号 34 演算増幅器 36 アナログマルチプレクサ 38 アナログ/ デジタル変換器 40 マイクロプロセッサ 42 情報 44 接触点 (最初の) 46 2次接触点 48, a, b 力のマトリックス

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アンドリュー ジェイ. マーシュ アメリカ合衆国 02192 マサチューセッ ツ,ニードハム,ウォレン ストリート 67

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