ゴルフ・シャフト

申请号 JP2012177005 申请日 2012-08-09 公开(公告)号 JP5824673B2 公开(公告)日 2015-11-25
申请人 日本発條株式会社; 发明人 藤原 甲介; 谷津田 愛樹;
摘要
权利要求

先端側にヘッド部を備え基端側にグリップを備えるゴルフ・クラブのゴルフ・シャフトであって、 シャフト先端部からシャフト基端部へ漸次肉厚が減少する設定を前提としてシャフト中間部の相対的な厚肉部の設定によりシャフト先端部からシャフト中間部へ変曲点を持ってシャフト剛性を高くし、 前記シャフト中間部の相対的な厚肉部の設定範囲を、前記ゴルフ・シャフトのシャフト先端から前記厚肉部までの距離よりも長くし、 前記厚肉部の設定は、前記ゴルフ・シャフトのシャフト内周又はシャフト外周若しくはシャフト内周及びシャフト外周への膨出形成により行ない、 前記厚肉部の前記シャフト先端部側での端部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部へ向かう方向で前記厚肉部の肉厚を漸次増大させる遷移部であり、 前記厚肉部の前記シャフト基端部側での端部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部へ向かう方向で前記厚肉部の肉厚を漸次減少させる遷移部であり、 前記厚肉部の前記遷移部間の中間部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部側に向かう方向で前記シャフト内周での内径又は前記シャフト外周での外径若しくは前記シャフト内周での内径及びシャフト外周での外径が漸次増大する連続したテーパ形状であり、 前記シャフト剛性は、前記厚肉部が無いときの剛性変化に対して前記厚肉部によるシャフト中間部の剛性変化が相対的に高くなる方向へ凸型になると共に、前記シャフト先端部から前記変曲点まで増加率を高めて曲線的に変化させ、前記変曲点から前記シャフト中間部へ増加率を低めて曲線的に変化させ、前記シャフト基端部側で前記シャフト中間部側から前記シャフト基端部側へ増加率を低めて曲線的に変化させた、 ことを特徴とするゴルフ・シャフト。先端側にヘッド部を備え基端側にグリップを備えるゴルフ・クラブのゴルフ・シャフトであって、 シャフト先端部からシャフト基端部へ漸次肉厚が減少する設定を前提としてシャフト中間部の補強部の設定によりシャフト先端部からシャフト中間部へ変曲点を持ってシャフト剛性を高くし、 前記シャフト中間部の補強部の設定範囲を、前記ゴルフ・シャフトのシャフト先端から前記補強部までの距離よりも長くし、 前記補強部の設定は、前記ゴルフ・シャフトのシャフト内周又はシャフト外周若しくはシャフト内周及びシャフト外周に行ない、 前記補強部の前記シャフト先端部側での端部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部へ向かう方向で前記補強部の肉厚を漸次増大させる遷移部であり、 前記補強部の前記シャフト基端部側での端部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部へ向かう方向で前記補強部の肉厚を漸次減少させる遷移部であり、 前記補強部の前記遷移部間の中間部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部側に向かう方向で前記シャフト内周での内径又は前記シャフト外周での外径若しくはシャフト内周での内径及びシャフト外周での外径が漸次増大する連続したテーパ形状であり、 前記シャフト剛性は、前記補強部が無いときの剛性変化に対して前記補強部によるシャフト中間部の剛性変化が相対的に高くなる方向へ凸型になると共に、前記シャフト先端部から前記変曲点まで増加率を高めて曲線的に変化させ、前記変曲点から前記シャフト中間部へ増加率を低めて曲線的に変化させ、前記シャフト基端部側で前記シャフト中間部側から前記シャフト基端部側へ増加率を低めて曲線的に変化させた、 ことを特徴とするゴルフ・シャフト。先端側にヘッド部を備え基端側にグリップを備えるゴルフ・クラブのゴルフ・シャフトであって、 シャフト先端部からシャフト基端部へ漸次肉厚が減少する設定を前提としてシャフト中間部の補強部の設定によりシャフト先端部からシャフト中間部へ変曲点を持ってシャフト剛性を高くし、 前記シャフト中間部の補強部の設定範囲を、前記ゴルフ・シャフトのシャフト先端から前記補強部までの距離よりも長くし、 前記補強部の設定は、シャフト内周への補強材の嵌合により行い、 前記補強部は、端部側が高応の部分的な発生を抑制するシャフト長手方向で材質の異なる複数種の補強材で形成され、 前記補強部の前記端部側間の中間部は、シャフト先端部側からシャフト基端部側に向かう方向で前記シャフト内周での外径が漸次増大する連続したテーパ形状であり、 前記シャフト剛性は、前記補強部が無いときの剛性変化に対して前記補強部によるシャフト中間部の剛性変化が相対的に高くなる方向へ凸型になると共に、前記シャフト先端部から前記変曲点まで増加率を高めて曲線的に変化させ、前記変曲点から前記シャフト中間部へ増加率を低めて曲線的に変化させ、前記シャフト基端部側で前記シャフト中間部側から前記シャフト基端部側へ増加率を低めて曲線的に変化させた、 ことを特徴とするゴルフ・シャフト。請求項1〜3のいずれか1項記載のゴルフ・シャフトであって、 シャフト材質が、スチール又は繊維強化プラスチックである、 ことを特徴とするゴルフ・シャフト。

说明书全文

本発明は、ゴルフ・シャフトに関する。

一般に、ゴルフ・クラブは、飛距離を伸ばすことが要求される。飛距離を伸ばすには、弾道を高くし、空気抵抗の要因となるスピンを抑制するのが良い。

特許文献1には、シャフト先端部の一定部位からシャフト基端部の一定部位にかけて、シャフトの断面形状を特定比率範囲内の長径Lと短径Sとに形成した非正円形であって、その短径S方向がゴルフ・クラブのヘッドのフェースの中心垂直線方向と平行になるように構成したものが記載されている。

かかるゴルフ・クラブでは、キック・ポイントの調整により高弾道を得ることが可能となる。

しかし、単なるキック・ポイントの設定では、高弾道を得ることはできるが、スピンの抑制はなされず、飛距離が出ないという問題がある。

特開平10−216280号公報

解決しようとする問題点は、高弾道を得ることはできるが、スピンの抑制がなされず、飛距離が出ない点である。

本発明は、高弾道でスピン抑制を可能とするために、先端側にヘッド部を備え基端側にグリップを備えるゴルフ・クラブのゴルフ・シャフトであって、シャフト先端部からシャフト基端部へ漸次肉厚が減少する設定を前提としてシャフト中間部の相対的な厚肉部の設定によりシャフト先端部からシャフト中間部へ変曲点を持ってシャフト剛性を高くし、前記シャフト中間部の相対的な厚肉部の設定範囲を、前記ゴルフ・シャフトのシャフト先端から前記厚肉部までの距離よりも長くし、前記厚肉部の設定は、前記ゴルフ・シャフトのシャフト内周又はシャフト外周若しくはシャフト内周及びシャフト外周への膨出形成により行い、 前記厚肉部の前記シャフト先端部側での端部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部へ向かう方向で前記厚肉部の肉厚を漸次増大させる遷移部であり、前記厚肉部の前記シャフト基端部側での端部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部へ向かう方向で前記厚肉部の肉厚を漸次減少させる遷移部であり、前記厚肉部の前記遷移部間の中間部は、前記シャフト先端部側から前記シャフト基端部側に向かう方向で前記シャフト内周での内径又は前記シャフト外周での外径若しくは前記シャフト内周での内径及びシャフト外周での外径が漸次増大する連続したテーパ形状であり、前記シャフト剛性は、前記厚肉部が無いときの剛性変化に対して前記厚肉部によるシャフト中間部の剛性変化が相対的に高くなる方向へ凸型になると共に、前記シャフト先端部から前記変曲点まで増加率を高めて曲線的に変化させ、前記変曲点から前記シャフト中間部へ増加率を低めて曲線的に変化させ、前記シャフト基端部側で前記シャフト中間部側から増加率を低めて曲線的に変化させたことを特徴とする。

本発明のゴルフ・シャフトは、上記構成であるから、高弾道でスピンを抑制した打球を得ることができ、飛距離を伸ばすことができる。

ヘッド及びグリップを省略したゴルフ・シャフトの全体図である。(実施例1)

ゴルフ・シャフトの厚肉部の設定を示す概略全体断面図である。(実施例1)

ゴルフ・シャフトの厚肉部及び補強部の設定を示す概略全体断面図である。(実施例2)

ゴルフ・シャフトの厚肉部の設定を示す概略全体断面図である。(実施例3)

ゴルフ・シャフトの補強部の設定を示す概略全体断面図である。(実施例4)

ゴルフ・シャフトの厚肉部の設定を示す概略全体断面図である。(実施例5)

(A)ゴルフ・シャフトの補強部の設定を示す概略全体断面図、(B)は、補強部形状の変更を示す説明図である。(実施例6)

ゴルフ・シャフトの補強部の設定を示す概略全体断面図である。(実施例7)

(A)は、ヘッド及びグリップを省略した段付きゴルフ・シャフトの全体図、(B)は、同要部拡大図である。(実施例8)

(A)は、段付きゴルフ・シャフトの厚肉部の設定のない概略全体断面図、(B)は、段付きゴルフ・シャフトの厚肉部を設定した概略全体断面図である。(実施例8)

段付きゴルフ・シャフトの製造工程を示し、(A)は、素管の断面図、(B)は、偏肉加工後の断面図、(C)は、段付き加工後の断面図である。(実施例8)

(A)は、シャフト中間部に厚肉部を有しない偏肉加工無しのゴルフ・シャフトの断面図、(B)は、シャフト中間部に厚肉部を有する偏肉加工有りの実施例8に係るゴルフ・シャフトの断面図、(C)は、シャフト先端部に厚肉部を有する偏肉加工有りの比較例Aに係るゴルフ・シャフトの断面図、(D)は、シャフト先端部に厚肉部を比較例Aに対し拡大して有する偏肉加工有りの比較例Bに係るゴルフ・シャフトの断面図である。(実施例8)

先端部、中間部、基端部の肉厚変化を実施例品と比較例との関係で示すグラフである。(実施例8)

ゴルフ・シャフトの剛性測定方法を示す概略図である。(実施例1)

先端部、中間部、基端部の剛性変化を比較例との関係で示す図表である。(実施例8)

中間部の剛性向上を比較例Aとの関係で示す図表である。(実施例8)

実施例8の先端部、中間部、基端部の剛性変化を比較例との関係で示すグラフである。(実施例8)

実施例8と比較例との剛性変化の差を特徴的に示すために、先端部、中間部、基端部の剛性変化を示す概略グラフである。(実施例8)

打出とスピン量との関係を比較例との関係で示す説明図である。(実施例8)

スピンの種類を示す説明図である。(実施例8)

スピンと揚との関係を示す説明図である。(実施例8)

スピンと飛距離との関係を示すグラフである。(実施例8)

高弾道でスピン抑制を可能とするという目的を、シャフト先端部1bにヘッドを備えシャフト基端部1cにグリップを備えるゴルフ・クラブのゴルフ・シャフト1であって、少なくともシャフト先端部1bに対するシャフト中間部1aの相対的な厚肉部17の設定又はシャフト中間部1aでの補強材19の設定若しくは双方によりシャフト先端部1bからシャフト中間部1aへ変曲点を持ってシャフト剛性を高くしたことにより実現した。

図1は、本発明実施例1に係り、ヘッド及びグリップ・エンドを省略したゴルフ・シャフトの全体図である。

図1のように、ゴルフ・シャフト1は、シャフト先端3側にヘッド(図示せず)を備えシャフト基端5側にグリップ(図示せず)を備えるゴルフ・クラブの主体として供される。このゴルフ・シャフト1は、例えばシャフト材質をスチールとし、断面が円形に形成され、シャフト先端3側から先端側直管部7、先端側テーパ管部9、中間直管部11、中間テーパ管部13、基端側直管部15が連続形成されたものである。ゴルフ・シャフト1の断面形状は、円形に限らず楕円形など適宜選択することができ、直管部、テーパ管部等の組み合わせも適宜選択することができ、全体を連続したテーパ管部とし、或いは部分的に肥大した断面部を有する構成などにすることもできる。ゴルフ・シャフト1の材質も、スチールに限らず、繊維強化プラスチック等により形成することもできる。

図2は、ゴルフ・シャフトの厚肉部の設定を示す概略全体断面図である。

図2では、ゴルフ・シャフト1の全体を連続したスチール製又は繊維強化プラスチック製のテーパ管部として概略的に示している。この図2のように、シャフト中間部1aに、シャフト一般部となるシャフト先端部1b及びシャフト基端部(グリップ部)1cに対する相対的な厚肉部17を設定した。この相対的な厚肉部17の設定により、シャフト先端3側からシャフト中間部1aへ変曲点を持ってシャフト剛性を高くした。

本実施例において、厚肉部17の設定は、シャフト中間部1aのみの設定である。但し、厚肉部17に加えてシャフト基端部1cを厚肉に形成することもできる。

ゴルフ・シャフト1の相対的な厚肉部17の設定は、シャフト内周への膨出形成による。厚肉部17の肉厚は、例えば、図13の実施例品の肉厚変化のように、ヘッド側のシャフト先端部1bで肉が相対的に厚く、グリップ側のシャフト基端部1cで肉が相対的に薄くなるように形成されている。シャフト中間部1aは、図13のように変化する厚肉に設定され、内周は、テーパ穴部17aとなっている。厚肉部17の両端部の設定は、シャフト長手方向へ漸次肉厚を減少させるようにテーパ穴部17b、17cを形成した。

このテーパ穴部17b、17cにより遷移部として断面の急変を抑制している。このテーパ穴部17b、17cによる断面の急変抑制により、打撃時等のシャフト変形時に高応力の部分発生を抑制できて耐久性が有り、使用中にシャフト折れの発生も抑制される。加えて、シャフトのしなりが連続的で無理が無く、シャフト先端3側からシャフト中間部1aへ変曲点を持ってシャフト剛性を高くした特性を的確に奏させることができる。

かかるゴルフ・シャフト1の製造は、スチール製の場合、例えば、板材を丸めてシャフト状の管を形成し、心部材を用いた鍛造等による偏肉加工で厚肉部をコントロールしながら行うことができる。但し、製造方法は限定されない。

実施例品をゴルフ・クラブとして組み立て、シャフト先端部1bからシャフト中間部1aへ変曲点を持ってシャフト剛性を高くした構成を備えない既存品と同一条件でスイングロボットを用いて試打した結果、打出角は高く、スピン量は低く、高弾道で低スピンを得ることができた。

また、繊維強化プラスチック(プリプレグ)を用いたカーボン・シャフトの場合は、プリプレグそのものの剛性調整により、或いはプリプレグを巻くときに、線維の方向を各層で交差させるなどの調整を行わせることにより、シャフト中間部の剛性を、シャフト先端部に対し、或いはシャフト先端部及びシャフト基端部に対して高めることができる。

図2のような断面形状のゴルフ・シャフト1を繊維強化プラスチック製とする場合は、図2の内径形状に応じた外形形状を備えて長手方向の中央部が細く、且つ中央部で軸方向に分離可能に結合された芯金を用いる。この芯金に対して中央部でのプリプレグの積層の数を変えることで図2の断面形状を得ることができる。成形後は、芯金を中央部で軸方向に分離し、成形したカーボン・シャフトの両端からそれぞれ抜き取る。

図3は、実施例2に係るゴルフ・シャフトの厚肉部及び補強部の設定を示す概略全体断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にAを付し、重複した説明は省略する。

図3のように、本実施例のスチール製又は繊維強化プラスチック製のゴルフ・シャフト1Aは、実施例1の基本構造に対してさらに補強材19による補強部を設定し、厚肉部17及び補強材19の双方によりシャフト先端部1Abからシャフト中間部1Aaへ変曲点を持ってシャフト剛性を高くした。補強材19は、シャフト内周部分で厚肉部17を全体的に覆う嵌合となっている。補強材19は、テーパ形状に形成され、厚肉部17のテーパ穴部17aに嵌合している。

補強材19は、両端がテーパ穴部17b、17cの途中に位置するが、テーパ穴部17b、17cとシャフト先端部1b、テーパ穴部17b、17cとシャフト基端部1cとの間に位置し、或いは補強材19の両端がテーパ穴部17b、17cから外れるように短く形成することもできる。

補強材19の材質は、種々適用することができる。例えば、カーボン・ファイバ、グラス・ファイバなどのFRP、ウレタン、ゴムなどの樹脂、樹脂や接着剤を含浸した布等が適用され、固定は、接着等を適用することができる。

図4は、実施例3に係るゴルフ・シャフトの厚肉部の設定を示す概略全体断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にBを付し、重複した説明は省略する。

図4のように、本実施例のスチール製のゴルフ・シャフト1Bは、スチール製の場合、鍛造等による偏肉加工で厚肉部をコントロールしながら行ない、相対的な厚肉部17Bの設定を、シャフト外周への膨出形成による。

ゴルフ・シャフト1Bを、繊維強化プラスチック製とする場合は、芯金に対して中央部でのプリプレグの積層の数を変えることで図4の断面形状を得ることができる。

ゴルフ・シャフト1Bの肉厚変化は、図13の実施例品の肉厚変化と同様である。

したがって、本実施例でもシャフト中間部1Baの剛性をシャフト先端部1Bb、シャフト基端部1Bcに対して高め、同様の高弾道、低スピンの作用効果を得ることができる。

図5は、実施例4に係るゴルフ・シャフトの補強部の設定を示す概略全体断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にCを付し、重複した説明は省略する。

図5のように、本実施例のスチール製又は繊維強化プラスチック製のゴルフ・シャフト1Cは、テーパ管状の基本シャフトに対し、実施例3の相対的な厚肉部17Bの肉盛りに代えて補強材19Cの嵌合による補強部により剛性を設定した。

テーパ管状の基本シャフトは、図13の実施例品の肉厚のように、ヘッド側のシャフト先端部1Cbで肉が相対的に厚くグリップ側のシャフト基端部1Ccで肉が相対的に薄くなるように形成されている。但し、補強材19Cの嵌合によるテーパ管状の基本シャフトの場合は、図13の中央部が厚くなる変化はなく、ほぼ連続的な肉厚変化となっている。

補強材19Cの材質は、カーボン・ファイバ、グラス・ファイバなどのFRP、ウレタン、ゴムなどの樹脂、樹脂や接着剤を含浸した布、スチール、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金などの金属等を適用し、固定は、接着、圧入、溶接等を適用している。

本実施例では、スチール製又は繊維強化プラスチック製のテーパ管状の基本シャフトに対し、中央部にカーボン・ファイバの補強材19Cを嵌合させた形状としている。

したがって、本実施例でもシャフト中間部1Caの剛性をシャフト先端部1Cb、シャフト基端部1Ccに対して高め、同様の高弾道、低スピンの作用効果を得ることができる。

図6は、実施例5に係るゴルフ・シャフトの厚肉部の設定を示す概略全体断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にDを付し、重複した説明は省略する。

図6のように、本実施例のスチール製のゴルフ・シャフト1Dは、相対的な厚肉部17Dの設定を、シャフト内外周の双方への膨出形成による。

ゴルフ・シャフト1Dが繊維強化プラスチック製の場合は、図2、図4の製造方法を合体させたものとなる。

ゴルフ・シャフト1Dの肉厚変化は、図13の実施例品の肉厚変化と同様であるが、シャフト中間部1Daでの肉厚が実施例1のものより増している。

したがって、本実施例でもシャフト中間部1Daの剛性をシャフト先端部1Db、シャフト基端部1Dcに対して高め、同様の高弾道、低スピンの作用効果を得ることができる。

なお、テーパ穴部17Daa、17Dba、17Dcaは、図2のテーパ穴部17a、17b、17cに対応し、テーパ部17Dab、17Dbb、17Dcbは、図11のテーパ部17Ba、17Bb、17Bcに対応する。

図7(A)は、実施例6に係るゴルフ・シャフトの補強部の設定を示す概略全体断面図、図7(B)は、補強部形状の変更を示す説明図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、対応する構成部分には同符号にEを付し、同一構成部分には同符号を付し、重複した説明は省略する。

図7のように、本実施例のスチール製又は繊維強化プラスチック製のゴルフ・シャフト1Eは、テーパ管状の基本シャフトに対し、シャフト中間部1Eaに補強材19Eの嵌合による補強部を設定した。

テーパ管状の基本シャフトの肉厚は、図5の例と同様である。

補強材19Eの材質は、カーボン・ファイバ、グラス・ファイバなどのFRP、ウレタン、ゴムなどの樹脂、樹脂や接着剤を含浸した布、スチール、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金などの金属等を適用し、固定は、接着、圧入、溶接等を適用している。

なお、補強材19Eの材質が、カーボン・ファイバ、グラス・ファイバなどのFRP、ウレタン、ゴムなどの樹脂、樹脂や接着剤を含浸した布である場合は、実施例1のテーパ穴部17b、17cのような遷移部を形成しなくとも補強材19Eの端部側での高応力の部分発生を抑制できる。但し、図7(B)のような形状にして遷移部を設けることもできる。 補強材19Eの材質として、スチール、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金などの金属等を適用した場合は、図7(B)のように補強材19Eの両端部にくり抜き部19Ea、19Ebを設け、くり抜き部19Ea、19Ebを遷移部として構成することができる。 したがって、本実施例でもシャフト中間部1Eaの剛性をシャフト先端部1Eb、シャフト基端部1Ecに対して高め、同様の高弾道、低スピンの作用効果を得ることができる。

図8は、実施例7に係るゴルフ・シャフトの補強部の設定を示す概略全体断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にFを付し、重複した説明は省略する。

図8のように、本実施例のスチール製又は繊維強化プラスチック製のゴルフ・シャフト1Fは、テーパ管状の基本シャフトに対し、シャフト中間部1aに補強材19Fの嵌合による補強部を設定した。

テーパ管状の基本シャフトの肉厚は、図5の例と同様である。

補強材19Fの材質は、カーボン・ファイバ、グラス・ファイバなどのFRP、ウレタン、ゴムなどの樹脂、樹脂や接着剤を含浸した布、スチール、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、銅、銅合金などの金属等を適用し、固定は、接着、圧入、溶接等を適用している。補強材19Fは、シャフト長手方向で材質の異なる複数種で形成され、補強材中間部19FaがFRP、両端19Fb、19Fcがゴム等の選択をした。

したがって、本実施例でもシャフト中間部1Faの剛性をシャフト先端部1Fb、シャフト基端部1Fcに対して高め、同様の高弾道、低スピンの作用効果を得ることができる。

なお、シャフト長手方向で材質の異なる複数種で形成される補強材の構成は、図3、図7の実施例2、4にも適用することができる。

図9は、実施例8に係り、(A)は、ヘッド及びグリップを省略した段付きゴルフ・シャフトの全体図、(B)は、同要部拡大図、図10(A)は、段付きゴルフ・シャフトの厚肉部の設定のない概略全体断面図、(B)は、段付きゴルフ・シャフトの厚肉部を設定した概略全体断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にGを付し、重複した説明は省略する。

図9のように、本実施例のスチール製のゴルフ・シャフト1Gは、全体的に段付き形状に形成されている。各段部1Gdは、平行部1Gda及びテーパ部1Gdbからなる。

かかる段付き形状において、厚肉部を設定する。

図10(A)のように、厚肉部の設定のない段付きのゴルフ・シャフト1GAに対し、(B)は、厚肉部17Gをシャフト中間部1Gaに設定した。

厚肉部17Gは、例えば2段の段部1Gdに渡って設定され、穴部17Gaa、17Gabによって肉厚がほぼ図13のように漸次変化する厚肉に設定され、テーパ穴部17Gb、17Gcによって平行部1Gda内周に至り、穴部17Gaa、17Gab間のテーパ穴部17Gdがテーパ部1Gdbの内周に対応している。

図11は、段付きゴルフ・シャフトの製造工程を示し、(A)は、素管の断面図、(B)は、偏肉加工後の断面図、(C)は、段付き加工後の断面図である。

図11のように、例えば、板材を丸めてシャフト状の素管111Gを形成し(A)、心部材を用いた鍛造等による偏肉加工で厚肉部117Gをコントロールしながら中間素管11Gを形成し(B)、次いで図2の形状のようなテーパ加工を行い、さらに段付き加工機により段付き加工を行ない、段付きのゴルフ・シャフト1Gを形成する(C)。

かかる製造工程によりシャフト中間部1Gaに厚肉部17Gを設定したゴルフ・シャフト1Gを得ることができる。

上記のように、偏肉加工後の段付き加工前には、図2のようなテーパ形状に形成され、このテーパ形状において、次の条件を満たすようにシャフト中間部の肉厚部が形成される。図2の符号を用いると、 L:シャフト先端からシャフト基端までのシャフト全長 l1:シャフト先端から厚肉部17の一端までの距離、 l2:厚肉部17の長さ、 t1a:厚肉部17の肉厚、 t1b:シャフト先端部1bの肉厚 としたとき、 l1

l2

1 とし、 t1b×1.05

を満足するようにした。この条件を満足することで、段付き形成後の図11(C)の形状において、狙いの剛性を得ることができた。

さらに、上記条件の満足に加え、 t1c:シャフト基端部1cの肉厚、 としたとき、 t1c×1.05

をも満足するように形成することもできる。

この条件をも満足することで、段付き形成後の図11(C)の形状において、狙いの剛性を得ることができた。

図12(A)は、シャフト中間部に厚肉部を有しない偏肉加工無しのゴルフ・シャフトの断面図、(B)は、シャフト中間部に厚肉部を有する偏肉加工有りの実施例8に係るゴルフ・シャフトの断面図、(C)は、シャフト先端部に厚肉部を有する偏肉加工有りの比較例Aに係るゴルフ・シャフトの断面図、(D)は、シャフト先端部に厚肉部を比較例Aに対し拡大して有する偏肉加工有りの比較例Bに係るゴルフ・シャフトの断面図である。

以下、図12(B)の実施例品1Gを、(A)の偏肉加工無しのゴルフ・シャフト(ストレート)、(C)の比較例A、(D)の比較例Bに対して各種の比較を行った。

図13は、先端部、中間部、基端部の肉厚変化を実施例品と比較例との関係で示すグラフである。ここに、実施例品とは、上記のようにテーパ形状で上記式を満たす形状とし、その後、段付き形状に形成されたものをいう。

図12、図13のように、比較例A、Bのゴルフ・シャフトは、シャフト先端部に偏肉加工有りで、シャフト中間部での厚肉部の設定が無い構造であり、何れもシャフト中間部での剛性増大はない設定となっている。これに対し、本願発明実施例8のゴルフ・シャフト1Gは、シャフト中間部の肉厚を相対的に厚くしている。

図14は、ゴルフ・シャフトの剛性測定方法を示す概略図である。

図14のように、三点曲げ(スパンS=300mm)の要領で一定量(δ=2mm)撓んだときの荷重値Pを読み、その測定をシャフト全長に渡って行った。荷重と撓みとから次式により曲げ剛性を算出した。

EI=1/48・(P・L3)/δ 図15は、先端部、中間部、基端部の剛性変化を比較例との関係で示す図表、図16は、中間部の剛性向上を比較例Aとの関係で示す図表である。

ここに、A1は、シャフト先端3から一方(図14上左)の支持点までのシャフト先端部1Gbの範囲(0〜200mm)、A2は、支持点間の範囲(200〜600mm)、A3は、他方(図14上右)の支持点からシャフト基端5までのシャフト基端部1Gcの範囲(600mm〜)とした。シャフト全長は、900mmとした。

測定に際しては、上記範囲において支持点を左右に少しずつ移動させて剛性分布を測定した。

シャフト中間部1Gaの剛性向上率をA2/A1とA2/A3とで表すと、実施例品は、A2/A1=211.7%、A2/A3=76.0%となり、何れも比較例A、Bに対して高くなった。

比較例Aを基準にすると、図16のように、実施例品では、シャフト先端部に対するシャフト中間部での剛性が比較例Aに対して53.5%高く、シャフト基端部に対するシャフト中間部での剛性が比較例Aに対して11.2%高くなった。

これに対し、比較例Bでは、シャフト先端部に対するシャフト中間部での剛性が比較例Aに対して10.5%低く、シャフト基端部に対するシャフト中間部での剛性が比較例Aに対して0.7%低くなっている。

このように、実施例品のシャフト中間部での剛性がシャフト先端部及びシャフト基端部に対して大幅に高くなっている。

図17は、実施例8の先端部、中間部、基端部の剛性変化を比較例との関係で示すグラフである。

図14に示す測定方法で得られた測定結果を連続的なグラフで示すと図17のようになる。この図17のように、実施例品の剛性変化では、先端から200mm近辺で剛性変化の変曲点が存在し、シャフト先端部1Gbからシャフト中間部1Gaへ変曲点を持ってシャフト剛性が高くなっている。

図18は、実施例8と比較例との剛性変化の差を特徴的に示すために、先端部、中間部、基端部の剛性変化を示す概略グラフである。

図18の直線的な剛性変化は、図12(A)の偏肉加工無しの例である。この直線的な剛性変化に対し、実施例品は、シャフト先端部及びシャフト基端部に厚肉部はないが、シャフト中間部に厚肉部を形成している。このため、厚肉部を形成したシャフト中間部では、シャフト先端部及びシャフト基端部に対してシャフト中間部の剛性が偏肉加工無しの例に比較して相対的に10%程度高くなっている。

図19は、打出角とスピン量との関係を比較例との関係で示す説明図である。

実施例品と比較例A、Bとをゴルフ・クラブとして組み立て、同一条件でスイングロボットを用いて試打した結果、打出角、スピン量が図19のようになった。実施例品は、打出角=21.5°、スピン量5200rpmとなり、比較例A、Bと比較して、打出角は高く、スピン量は低く、高弾道で低スピンを得ることができた。

したがって、本実施例でもシャフト中間部1Gaの剛性をシャフト先端部1Gb、シャフト基端部1Gcに対して高め、同様の高弾道、低スピンの作用効果を得ることができる。

ここで、本実施例の高弾道、低スピンによる効果をさらに説明する。

図20は、スピンの種類を示す説明図、図21は、スピンと揚力との関係を示す説明図、図22は、スピンと飛距離との関係を示すグラフである。

図20のように、打撃されたゴルフ・ボールGBのスピンとしては、バック・スピン、サイド・スピン、ライフル・スピンの三種類がある。バック・スピンは、ターゲット方向の回転であり、飛距離に影響する。サイド・スピンは、バック・スピンに対して直角方向の回転であり、左右のブレに影響する。ライフル・スピンは、ターゲット方向に対して螺旋状の回転である。

バック・スピンが飛距離に影響するのは、図21のような揚力が働くからである。図21のように、バック・スピンをしているゴルフ・ボールGB回りの空気の流れは、ボール上側GB1を回り込む形態となり、ボール上側GB1の気流速度が同下側GB2の気流速度よりも相対的に速くなる。このため、ボール上側GB1の気圧が同下側GB2の気圧よりも相対的に低くなり、ボール上側GB1への揚力が発生する。この揚力は、スピンの程度により変化する。

図22のように、スピンが多過ぎると揚力が大きくなり、弾道は、低めに出て伸びて行くようであるが、吹きあがる場合が多く、ラン(最初の落下地点からボールが転がった距離)も期待できない。スピンが少な過ぎると揚力が小さくなり、ボールが上がらず、キャリー(ボールを打った位置から最初の落下地点までの距離)もランも出ない。適度なスピンの弾道は、少し高めにボールが出て、噴き上がらずランも出る。

図19の実施例品が含まれる左寄りの白抜き領域は、打出角及びスピン量共に適度であり、図22の適度なスピンの特性を得ることを本願発明者らは確認をした。

なお、本実施例においても、実施例2〜実施例7の構造を適用することもできる。 [その他] 本発明の構造では、シャフト基端部をシャフト中間部よりも厚肉に形成することも可能である。

1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G ゴルフ・シャフト 1a、1Aa、1Ba、1Ca、1Da、1Ea、1Fa、1Ga シャフト中間部 1b、1Ab、1Bb、1Cb、1Db、1Eb、1Fb、1Gb シャフト先端部 1c、1Ac、1Bc、1Cc、1Dc、1Ec、1Fc、1Gc シャフト基端部 3 シャフト先端 5 シャフト基端 17、17B、17D、17G 厚肉部 19、19C、19E、19F 補強材(補強部)

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