【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、テニス、 ラケットボール、バドミントンスカッシュ等のスポーツラケットのガット張りに関する革新的なガット張り及びフレーム構造に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来のストリングネットワークはフレームの軸にほぼ平行な偶数本の縦ストリングセグメントシステム(系)及び縦ストリングシステムにほぼ垂直な横ストリングシステムを有する。 テニスラケットの場合、フレームの構造はラケットの軸に対称であり、通常16〜20本の縦ストリングセグメントがあり、それ自体にはストリングのない縦軸の両側に均等に分配されている。 従来のラケットは図1に示されており、ここでフレーム10はトップ部分1、サイドフレーム2、トップの反対側のスロート3、 シャンク4及びハンドル(グリップ)5を有する。 ストリングネットワーク6はフレームの軸8にほぼ平行な縦ストリングシステム7及び横ストリングシステム9を有する。 大部分のラケット設計では、ストリングは図4及び5の平面Mで示されるフレームの中心平面にドリルされたストリングホールによってフレームの周りに固定される。 故に、ストリングが十分に深くへこんで中心平面に対して十分な傾斜角度を生ずる際にだけボールを返すように、ストリングはストリングネットワークの中心平面Mに垂直な反力成分を現す。 フレームの境界付近のストリング12では、垂直方向の偏向は常に小さく境界ゾーンのストリングネットワークは張力が弱く有効的ではない。 【0003】本発明の特徴は図2のテニスラケットに示される。 図2ではフレームの中心線8に縦ストリングセグメント21があり、残りの縦ストリングセグメントは中心縦ストリング21の両側で鏡像として分配且つ互いに接続している。 対応する縦ストリングセグメントに上下に織り込まれた横ストリングセグメントもまたこの中心線に対して鏡像として配置される。 従ってフレーム上のストリングパターン及びストレスは対称的であり、ラケットの中心軸に対してバランスが取れている。 スポーツラケットの典型的なガット張りパターンから逸脱した本発明はラケットの性能を向上させるが適切にガットを張るのが難しいことが分かる。 ガット張りの難点は、フレームの中心線に縦ストリングを有するラケットはないということが長年のコンセンサスであったため、殆ど全ての既存の商業用ガット張りマシーンがフレームの中心線にストリングを有するラケットをガット張りするには機械的に困難があるという点である。 この事実は本発明が自明ではなく、予想されなかったものであることを示す。 【0004】 【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の態様では、スポーツラケットであって、前記スポーツラケットはハンドルとフレームを有し、前記フレームはラケットの中心軸である縦軸を有し、前記フレームはトップ部分、二つの側部及びスロートを有し、更に一般的にボールが当たる領域を画定し、フレームの厚みを等分する中心平面を有し、前記中心平面に垂直な対称面は中心軸を含み、フレームの前記縦軸にほぼ平行であり前記フレームの前記トップ部分からハンドルに向かって延出する奇数本の縦ストリングセグメントを有し、前記縦ストリングセグメントはそれぞれトップ部分及び反対側のフレームで固定される二つの端部を有し、前記奇数本のストリングセグメントは少なくともラケットの前記中心軸にほぼ一致する中心ストリングセグメントを有し、縦ストリングセグメントとある角度をなす複数の横ストリングセグメントを有し、前記横ストリングセグメントはそれぞれフレームの両側で別個に固定される二つの端部を有し、前記縦ストリングセグメントと横ストリングセグメントは前記中心平面においてほぼ平面のストリングネットワークに織られ、前記複数のストリングセグメントは複数のストリングループを形成して前記複数のストリングセグメントをフレームに固定し、前記複数のストリングセグメント及び前記ストリングループは前記対称面に対して鏡像として配置される、ことを含む。 【0005】本発明の請求項2の態様では、請求項1の態様において、前記複数の縦ストリングセグメントの大部分は、前記鏡像ガット張りパターンが可能であるようにフォークデバイスによって一本に結合される少なくとも二本のストリングを含む。 【0006】本発明の請求項3の態様では、請求項2の態様において、前記フォークデバイスはフレームの中心軸にほぼ沿って配置される。 【0007】本発明の請求項4の態様では、請求項2の態様において、前記少なくとも二本のストリングは前記横ストリングシステムのためのストリングセグメント及びループを含む。 【0008】本発明の請求項5の態様では、請求項4の態様において、三本のストリングが使用されてラケットの前記ストリングセグメント及びループを提供する。 【0009】本発明の請求項6の態様では、請求項1の態様において、前記中心平面から前記端部まで測定した前記複数のストリングセグメントの端部は中心平面に垂直な方向に互いに異なり、これらの値はゼロから最大値である。 【0010】本発明の請求項7の態様では、請求項6の態様において、前記複数の横ストリングセグメントの隣接するセグメントの端部はフレームの前記中心平面から互いに反対の方向に配置される。 【0011】本発明の請求項8の態様では、請求項7の態様において、前記複数の横ストリングセグメントの隣接するセグメントの端部はフレームの中心平面に平行なほぼ直線に沿って配置される。 【0012】本発明の請求項9の態様では、請求項6の態様において、前記複数のストリングセグメントの複数の端部はフレームの内側に形成されたオープニングを通過する代わりにフレームに巻かれて支持される。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明はストリングネットワークを有する一般的なスポーツラケットに適用される。 テニスラケットは本発明を例示するための例として示される。 【0014】図1はストリングネットワークを有する従来技術のラケットフレーム10を示す。 図2は本発明の特徴を示しており、この図においてフレーム20はフレームの縦の中心線8に一致する縦ストリングセグメント21を有し、中心ストリングの両側に鏡像として対称的に分配されている奇数本の縦ストリングセグメントを有する。 セグメントはフレームの境界内の端から端までのストリングとして定義付けられる。 セグメントの端部はループ24、25を介して接続し一本のストリングとなる。 横ストリングセグメントは縦ストリングセグメントによって支持されている。 鏡像パターンのメリットは図1及び2より明らかであり、これらの図ではボール17 はラケットの中心線に当たる。 図1の従来のストリングシステムでは、ボールは多くて四本の縦ストリングに接触する。 内側の対15及び14且つ外側の対13及び1 6は中心線に対して非対称的に織り込まれている。 合力はフレームの平面に対して傾いている。 従ってボールはフレームの中心線に当たってもフレームに垂直な方向に沿ってバウンドしない。 プレーヤーはこの不正確性を用具によるものとしてずっと我慢していた。 上手なプレーヤーはこの誤差を補償することを学んだ。 【0015】しかしながら、同じボール17が図2のフレームの中心線ストリング21に当たるとこのボールは三本の縦ストリングセグメント21、22及び23に接触し、当たりが強い場合は外側から更にもう二本のストリングに接触し得る。 横ストリングセグメントからの力も含めた合力はストリングの鏡像ストリング構成のためにフレームの中心平面にほぼ垂直である。 この改良点は熟練したプレーヤーにとって重要である。 彼らはボールがラケットの中心線に当たればラケットのフレームに垂直な線に沿ってリターンされることを確信できる。 【0016】本発明の別のメリットは図3に示されており、切断面4−4に沿った図は図4に示される。 複数のストリングがフレームの中心平面Mからある距離だけ離間した複数のポイントでフレームに固定されるタイプのストリングパターンでは、織りパターンは正確に対称的でありフレームの境界付近の縦ストリングセグメント部分が中心軸に対して傾斜している。 これによってストレス分布が改善され二つの側面に沿ったフレームの歪みが減少されるだけでなく、構造及びストリングネットワークがフレームの中心線に対してバランスがとれているためにラケットが扱いやすくなる。 セグメントの端部はフレームのオープニング(乗り越し開口(elevated openi ng)固定のため)を通る代わりにフレームの周りに巻きつけられる。 図6及び7ではこのフレームの歪みに関する詳細が述べられる。 【0017】図3では、中心縦ストリング21の終点4 1はフレームの上半分Lに固定され、隣接するストリングセグメントの端部42はフレームの反対側の半分Hにある。 41及び43のような同じ領域にある固定ポイントはライン44に沿って配置され、このライン44は図4に示されるように反対側の領域の終点が形成するライン44と平面Mに対してほぼ対称である。 同様に横ストリングセグメントの終点もフレームの中心平面から離間して配置される。 終点の軌跡の線44は曲線、直線又は線要素と弧要素を含む複合線であり得る。 【0018】図5は図3の6−6の断面図を示す。 この図はフレームの側部2に固定された横ストリングセグメント61を示す。 この横ストリングは下半分Lでは2 1、63等のような奇数番号が付けられた縦ストリング全てと上下に織り込まれ、上半分Hでは62のような偶数番号が付けられたセグメントと上下に織り込まれる。 61に隣接する横ストリングは64であり、このストリングはM平面に対してある角度だけ61とは反対に傾いている。 この傾きによってストリングが張られ、ボールが当たる際のストリング張力を増大させる。 ストリングセグメントがフレームの両側を対称的に巻くとコントロールが改善される。 図5はいわゆる鏡像構成を示している。 プレーヤーがラケットを180°回転させてもストリングパターンは中心線8に対して対称のままである。 従来のラケットでは両端の傾斜が非対称であったため、 左の終点が上方にあれば右の終点は下方にある。 これは望ましい特徴ではない。 【0019】図6は図2のフレームのストリングパターンを示し、このパターンでは一本のストリング81が縦ストリングシステム全体を張っている。 フレームの境界内のセグメントは軸8に関して鏡像であるが、ループ6 6、67を含む全体的なストリングパターンは軸8に関して非対称である。 実際、縦ストリングシステムを端部aから端部bまで完成させるために一本のストリングが使用される場合、フレームは分散する偶力82及び83 によって強くねじられる。 図7は図2と同じフレームが第1ピース84と第2ピース85の二本のストリングによって張られているのを示す。 これらのストリングはフレームの軸付近のフォーク86で結合するため、86で分割され外側に向かって延出する二本の同一のストリングがあり二つの対称的な縦ストリングシステムを形成することになる。 これは本発明が好む鏡像パターンである。 84の第2端部dはフレームに固定される。 又は該第2端部は隣接ストリングに結ばれ得る。 勿論、フォーク86はスロートの代わりにヘッド部分に配置されてもよい。 又はストリングは本発明のために特別に形成され、二つのピースは示されるように結ぶことによって結合されるのではなく86でつながれてフォークを形成してもよい。 二つのピースを一つに結合する他の方法も可能である。 これらの実際的な構成は全て本明細書中ではフォークデバイス(fork device)と称される。 図7の構成では、二つの端部の力87及び88は平行な力であり、同じ軸方向に向かって引っ張る力である。 これは一本のストリング構成である図6に対する顕著な改良点である。 フォークデバイスによって68、69のようなループが軸8に対して鏡像になることに注目されたい。 【0020】鏡像ガット張りパターンによって振動及びコントロール性が改善される。 中心に配置されるストリング及び奇数本の対称的な鏡像縦ストリングパターン、 及び二本の縦ストリング構成のフォークデバイスがなければこれらの改良点は得られない。 【0021】従って、本発明の原理及び範囲から逸脱しない限り本発明に修正が加えられ得ることは当該技術分野の技術者によって明らかである。 【図面の簡単な説明】 【図1】従来技術のテニスラケットフレームである。 【図2】本発明の実施の形態を示す。 【図3】本発明の別の実施の形態を示す。 【図4】図3の4−4部分の断面図である。 【図5】図3の6−6部分の断面図である。 【図6】一本の縦ストリングによるガット張りパターンを示す。 【図7】二本の縦ストリングによるガット張りパターンを示す。 【符号の説明】 20 フレーム 1 トップ部分 2 サイドフレーム 3 スロート 4 シャンク 5 ハンドル 6 ストリングネットワーク 7 縦ストリングシステム 8 中心線 9 横ストリングシステム 21、22、23、41、42、43、61、64 横ストリングセグメント 62、63 縦ストリングセグメント ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596166106 1839 Jackson Road Pen field New York 14526 United States of Am erica |