Tennis racket and methods

申请号 JP2013552012 申请日 2012-01-18 公开(公告)号 JP2014503337A 公开(公告)日 2014-02-13
申请人 ブラント, リチャード, エー.BRANDT, Richard, A.; 发明人 リチャード, エー. ブラント,;
摘要 丸み付けられた 角 部を備えた長方形の打球面を有するテニスラケットが提供される。 ラケットは、軽量材料が間に組み込まれた炭素繊維サンドイッチから形成される。 炭素繊維のストリップは、2つの炭素繊維の上部および下部シートにかかる外縁部に取り付けられる。 ガット張 力 によって引かれて直線の辺の形態になるように、外側へと湾曲した辺を有する長方形のフレームが形成される。 ガットを所定の張力で保持するため、様々な構造の係止グロメットが提供される。 テニスラケットを試験する試験機器および方法が提供される。
权利要求
  • スポーツラケットであって、
    ラケットヘッド及びラケットハンドルを含むラケット本体であって、前記ラケットヘッドは、ほぼ長方形の打面形状を有し、前記ほぼ長方形の打面形状が丸み付けられた角部を含み、前記ラケットヘッドが、前記長方形の打面形状の4つの向かい合った辺に所定の配列で複数のガット装着位置を画定し、前記ラケットハンドルが、前記ラケットヘッドに固着されている、ラケット本体と、
    前記ガット装着位置に装着される少なくとも1つのガットであって、前記ガットが、複数の主ガット部分及び複数の交差ガット部分を画定し、前記主ガット部分のそれぞれが、ほぼ等しい長さおよびほぼ等しい張力とされ、前記交差ガット部分のそれぞれが、ほぼ等しい長さおよびほぼ等しい張力とされる、少なくとも1つのガットとを備える、スポーツラケット。
  • 前記少なくとも1つのガットを含む前記ラケット本体の重量が14オンス(396.9g)未満である、請求項1に記載のスポーツラケット。
  • 前記少なくとも1つのガットを含む前記ラケット本体の重量が12オンス(340.2g)未満である、請求項1に記載のスポーツラケット。
  • 前記少なくとも1つのガットを含む前記ラケット本体の重量が10オンス(283.5g)未満である、請求項1に記載のスポーツラケット。
  • 前記主ガット部分および前記交差ガット部分が、前記ラケットヘッドに張架したときにほぼ等しいガット張力のものである、請求項1に記載のスポーツラケット。
  • 前記長方形のラケットヘッドが、張架したときに前記ガット張力によって前記ラケットヘッドの辺が引かれてほぼ直線の辺になるように、外側へと湾曲した辺を有する形状で形成される、請求項1に記載のスポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    ラケットヘッド及びラケットハンドルを含むラケット本体であって、前記ラケットヘッドが、ほぼ長方形の打面形状を有し、前記ほぼ長方形の打面形状が丸み付けられた角部を含み、前記パケットヘッドが、前記長方形の打面形状の4つの向かい合った辺に所定の配列で複数のガット装着位置を画定し、前記ラケットハンドルが、前記ラケットヘッドに固着されている、ラケット本体と、
    前記複数のガット装着位置に装着される少なくとも1つのガットであって、前記ガットが、複数の主ガット部分及び複数の交差ガット部分を画定し、前記主ガット部分は、それぞれ、主ガット振動数がそれぞれほぼ同じである主ガット基本振動数を有し、前記交差ガット部分は、それぞれ、交差ガット振動数がそれぞれほぼ同じである交差ガット基本振動数を有する、少なくとも1つのガットとを備える、スポーツラケット。
  • 前記ラケット本体およびガットの重量が14オンス(396.9g)未満である、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記ラケット本体およびガットの重量が12オンス(340.2g)未満である、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記ラケット本体およびガットの重量が10オンス(283.5g)未満である、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記少なくとも1つのガットがほぼ一定のガット線密度を有し、
    および、

    であって、式中、tiが主ガット部分のガット張力、liが前記主ガット部分のガット長さ、sjが交差ガット部分のガット張力、kjが前記交差ガット部分のガット長さである、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記少なくとも1つのガットが変動するガット線密度を有し、
    および、

    であって、式中、tiが主ガット部分のガット張力、miが前記主ガット部分のガット密度、liが前記主ガット部分のガット長さ、sjが交差ガット部分のガット張力、m'jが前記交差ガット部分のガット密度、kjが前記交差ガット部分のガット長さである、請求項7に記載のスポーツラケット。

  • である、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記ガット装着位置の少なくともいくつかに装着された、前記ガット部分を適所で保持する係止可能なグロメットをさらに備える、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記主ガット部分それぞれの一端および前記交差ガット部分それぞれの一端に、前記ガット部分を適所で保持する係止可能なグロメットをさらに備える、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記主ガットそれぞれの各端部および前記交差ガットそれぞれの各端部に、前記ガットを適所で保持する係止可能なグロメットをさらに備える、請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記係止可能なグロメットが、前記ガット部分のうち所定のものに対する所定の張力を維持するように、前記ガット部分を前記ガット装着位置で保持する、請求項14に記載のスポーツラケット。
  • 前記交差ガット部分の前記係止可能なグロメットが前記交差ガット部分に対する張力を維持し、それによって、

    であって、式中、sjが前記交差ガット部分に対する張力、kjが前記交差ガット部分の長さであり、
    前記主ガット部分の前記係止可能なグロメットが前記主ガット部分に対する張力を維持し、それによって、

    であって、式中、tiが前記主ガット部分に対する張力、liが前記主ガット部分の長さである、請求項17に記載のスポーツラケット。
  • 前記交差ガット部分の前記係止可能なグロメットが前記交差ガット部分に対する張力を維持し、それによって、

    であって、式中、sjが前記交差ガット部分に対する張力、m'jが前記交差ガット部分の質量密度、kjが前記交差ガット部分の長さであり、
    前記主ガット部分の前記係止可能なグロメットが前記主ガット部分に対する張力を維持し、それによって、

    であって、式中、tiが前記主ガット部分に対する張力、miが前記主ガット部分の質量密度、liが前記主ガット部分の長さである、請求項17に記載のスポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    オープンフレームを含むラケットヘッドであって、前記オープンフレームの向かい合った辺に、複数のガット穴の配列を画定し、前記ガット穴がほぼ円錐形の穴部分を含む、ラケットヘッドと、
    前記ラケットヘッドに固着されたハンドルと、
    前記ガット穴を通って配設され、前記オープンフレームを横切って延在してラケット打面を画定する、少なくとも1つのガットと、
    前記ガット穴の一つ一つに配設された複数の係止可能なグロメットであって、前記グロメットが、前記ほぼ円錐形の穴部分に挿入されるほぼ円錐形のグロメット部分を含み、前記ほぼ円錐形の穴部分と前記ほぼ円錐形のグロメット部分と前記ガットとの間の摩擦係合によって、前記係止可能なグロメットが前記少なくとも1つのガットを張力下で係合し拘束する、係止可能なグロメットとを備える、スポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    オープンフレームを含むラケットヘッドであって、前記オープンフレームの向かい合った辺にほぼ円錐形の穴部分を含むガット穴の配列を画定し、前記ほぼ円錐形の穴部分がネジ山付きである、ラケットヘッドと、
    前記ラケットヘッドに固着されたハンドルと、
    前記ガット穴を通って配設され、前記オープンフレームを横切って延在してラケット打面を画定する、少なくとも1つのガットと、
    前記ガット穴の一つ一つに配設された複数の係止可能なグロメットであって、前記係止可能なグロメットが、前記ネジ山付きのほぼ円錐形の穴部分に挿入されるネジ山付きのほぼ円錐形のグロメット部分を含み、前記ネジ山付きのほぼ円錐形の穴部分と前記ネジ山付きのほぼ円錐形のグロメット部分と前記ガットとの間のねじ込み係合によって、前記係止可能なグロメットが前記少なくとも1つのガットを張力下で係合し拘束する、係止可能なグロメットとを備える、スポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    オープンフレームを含むラケットヘッドであって、前記オープンフレームの向かい合った辺にほぼ円錐形の穴部分を含むガット穴の配列を画定する、ラケットヘッドと、
    前記ラケットヘッドに固着されたハンドルと、
    前記ガット穴を通って配設され、前記オープンフレームを横切って延在してラケット打面を画定する、少なくとも1つのガットと、
    前記ガット穴の一つ一つに配設された複数の係止可能なグロメットであって、前記係止可能なグロメットが、前記ほぼ円錐形の穴部分に配設されるほぼ円筒状の棒をそれぞれ含み、前記係止可能なグロメットが、前記ほぼ円錐形の穴に停止ブロックをそれぞれ含み、前記ほぼ円筒状の棒を前記ほぼ円錐形の穴に食い込ませて、前記少なくとも1つのガットを張力下で適所に保持し、前記ほぼ円筒状の棒によって、前記グロメットを通して前記少なくとも1つのガットを引っ張って前記ガットに対する張力を増加させる一方で前記ガットが反対方向に移動するのを防止する、係止可能なグロメットとを備える、スポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    オープンフレームを含むラケットヘッドであって、前記オープンフレームの向かい合った辺にガット穴の配列を画定する、ラケットヘッドと、
    前記ラケットヘッドに固着されたハンドルと、
    前記ガット穴を通って配設され、前記オープンフレームを横切って延在してラケット打面を画定する、少なくとも1つのガットと、
    前記ガット穴の一つ一つに配設された複数の係止可能なグロメットであって、前記係止可能なグロメットが、第1および第2の係止部分と付勢部材とを含み、前記付勢部材が、前記少なくとも1つのガットを係合するように前記第1および第2の係止部分を互いに向かって付勢して、前記少なくとも1つのガットを張力下で保持し、前記第1および第2の係止部材によって、前記ガットに対する張力を増加させる方向で前記係止部分を通して前記少なくとも1つのガットを移動させる一方で、前記ガットが反対方向に移動することを防止する、係止可能なグロメットとを備える、スポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    オープンフレームを含むラケットヘッドであって、前記オープンフレームの向かい合った辺にガット穴の配列を画定する、ラケットヘッドと、
    前記ラケットヘッドに固着されたハンドルと、
    前記ガット穴を通って配設され、前記オープンフレームを横切って延在してラケット打面を画定する、少なくとも1つのガットと、
    前記ガット穴の一つ一つに配設された複数の係止可能なグロメットであって、前記係止可能なグロメットが、ガット通路と前記ガット通路上のネジ山付きのボア開口部と前記ネジ山付きボア内に螺合可能に係合されるネジ山付き部材とを含み、前記ネジ山付き部材が前記ガット通路内で前記少なくとも1つのガットに接して、前記少なくとも1つのガットを前記ガット通路内で固定する、係止可能なグロメットとを備える、スポーツラケット。
  • 前記ガット通路および前記ネジ山付きボアを画定し、前記ネジ山付き部材が中に係合される外部ブロックをさらに備える、請求項24に記載のスポーツラケット。
  • 前記ネジ山付きボアを画定し、前記ネジ山付き部材が中に係合される前記ラケットヘッドの部分をさらに備える、請求項24に記載のスポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    オープンフレームを含むラケットヘッドであって、前記オープンフレームの向かい合った辺にガット穴の配列を画定する、ラケットヘッドと、
    前記ラケットヘッドに固着されたハンドルと、
    前記ガット穴を通って配設され、前記オープンフレームを横切って延在してラケット打面を画定する、少なくとも1つのガットと、
    前記ガット穴の一つ一つに配設された複数の係止可能なグロメットであって、前記係止可能なグロメットのそれぞれが、前記ガットを係合する圧縮可能な弾性ガット把持要素を含み、前記把持要素と係合されるネジ山付きの円錐を含み、前記把持要素を圧縮し、それによって前記ガットを定位置で固定するように、前記係止可能なグロメットのそれぞれが、前記ネジ山付きの円錐の上に螺合可能に係合されるネジ山付きのナットを含む、係止可能なグロメットとを備える、スポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    オープンフレームを含むラケットヘッドであって、前記オープンフレームの向かい合った辺にガット穴の配列を画定する、ラケットヘッドと、
    前記ラケットヘッドに固着されたハンドルと、
    前記ガット穴を通って配設され、前記オープンフレームを横切って延在してラケット打面を画定する、少なくとも1つのガットと、
    前記ガット穴の一つ一つに配設された複数の係止可能なグロメットであって、前記係止可能なグロメットのそれぞれが、前記ガットを係合する圧縮可能な弾性ガット把持要素を含み、前記ガット把持要素がネジ山付きのナットの中で保持され、ネジ山付き部分が前記ガット穴に設けられ、張力下で前記ガットを前記ガット穴で保持するように前記ガット穴上に前記ネジ山付きのナットが螺合可能に係合される、係止可能なグロメットとを備える、スポーツラケット。
  • スポーツラケットであって、
    ラケットフレームと、
    前記ラケットフレームに接続されたラケットハンドルとを備え、
    前記ラケットフレームおよび前記ラケットハンドルが、炭素繊維複合材料で形成され、サンドイッチ構造を有し、前記サンドイッチ構造が、軽量コア材料が間に配設された第1および第2の向かい合った炭素繊維シートを含む、スポーツラケット。
  • 前記ラケットフレームおよび前記ラケットハンドルが単一片の形態であり、サンドイッチ材料の単一シートから切り取られていることを特徴とする構造を有する、請求項29に記載のスポーツラケット。
  • 前記スポーツラケットの打面断面が、同じ面積および類似の寸法の環状断面の少なくとも二倍の慣性モーメントを有する、請求項30に記載のスポーツラケット。
  • 前記スポーツラケットの少なくとも一部の外周面に固着された炭素繊維ストリップをさらに備える、請求項29に記載のスポーツラケット。
  • 前記炭素繊維ストリップが「C」字形であり、前記サンドイッチ構造の第1および第2の外層の上にそれぞれ重なる第1および第2の部分を有する、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 前記炭素繊維ストリップに適用されたケブラー材料の複数の層をさらに備える、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 打面断面の面積慣性モーメントが、同じ面積の環状体の慣性モーメントの少なくとも1.8倍である、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 前記ラケットの重量が14オンス(396.9g)未満である、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 前記ラケットの重量が12オンス(340.2g)未満である、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 前記ラケットの重量が10オンス(283.5g)未満である、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 前記ラケットフレームが11インチから15インチ(27.94cmから38.1cm)の内側打面長さを有し、前記ラケットフレームが9インチから11インチ(22.86cmから27.94cm)の内側打面幅を有し、前記ラケットフレームが0.25インチから0.75インチ(0.64cmから1.91cm)の打面辺幅を有し、前記ラケットフレームが0.5インチから1インチ(1.27cmから2.54cm)の打面辺深さを有し、前記ラケットフレームが0.025インチから0.15インチ(0.064cmから0.38cm)のサンドイッチプレート厚さを有する、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 70ポンド(31.75kg)未満のガット張力によって前記ラケットフレームの辺部分で引き起こされる応力が、フレーム打面材料の破断力の80%未満である、請求項39に記載のスポーツラケット。
  • 前記ラケットフレームがほぼ長方形の打面形状であり、前記ほぼ長方形の打面形状が丸み付けられた角部を含み、ラケットヘッドが前記長方形の打面形状の4つの向かい合った辺に所定の配列で複数のガット装着位置を画定し、
    前記ラケットヘッドに固着されたラケットハンドルと、
    主ガット基本振動数をそれぞれ有する主ガット部分と、前記主ガット基本振動数にほぼ等しい交差ガット基本振動数をそれぞれ有する交差ガット部分とを画定するように、前記複数のガット装着位置に装着された少なくとも1つのガットとを備える、請求項32に記載のスポーツラケット。
  • 少なくとも1つのガットを前記ラケットフレームで保持するように装着された係止可能なグロメットをさらに備える、請求項39に記載のスポーツラケット。
  • 前記係止可能なグロメットが、前記ラケットフレームに張架された少なくとも1つのガットに対する所定のガット張力を維持する、請求項42に記載のスポーツラケット。
  • 前記係止可能なグロメットが前記少なくとも1つのガットに対する所定の張力を維持し、前記所定の張力が、前記少なくとも1つのガットの前記主ガット部分がほぼ等しい基本振動数を有するような張力であり、前記所定の張力が、前記少なくとも1つのガットの前記交差ガット部分がほぼ等しい基本振動数を有するような張力である、請求項42に記載のスポーツラケット。
  • 前記主ガット部分の前記基本振動数が前記交差ガット部分の前記基本振動数にほぼ等しい、請求項44に記載のスポーツラケット。
  • 前記スポーツラケットの重量が14オンス(396.9g)未満である、請求項29に記載のスポーツラケット。
  • 前記スポーツラケットの重量が12オンス(340.2g)未満である、請求項29に記載のスポーツラケット。
  • 前記スポーツラケットの重量が10オンス(283.5g)未満である、請求項29に記載のスポーツラケット。
  • スポーツラケットを提供する方法であって、
    フレームがほぼ長方形の形状を有するようにラケットフレームを形成するステップと、
    主ガット部分および交差ガット部分が前記ほぼ長方形のフレームの向かい合った辺の間に延在するように、少なくとも1つのガットを用いて前記ラケットフレームに張架するステップと、
    前記主ガット部分がそれぞれほぼ等しい長さおよびほぼ等しい張力になるように、前記主ガット部分に張力を掛けるステップと、
    前記交差ガット部分がそれぞれほぼ等しい長さおよびほぼ等しい張力になるように、前記交差ガット部分に張力を掛けるステップとを含む、スポーツラケットを提供する方法。
  • 前記形成するステップが、外側へと湾曲した辺を有する前記ほぼ長方形のラケットフレームを形成することを含み、それによって、前記主ガット部分に張力を掛けるステップおよび前記交差ガット部分に張力を掛けるステップが、湾曲した辺を引き込んでガット張力下でほぼ直線状の辺にするのに十分な力を前記湾曲した辺に掛ける、請求項49に記載の方法。
  • 前記張架するステップが、前記主ガット部分および前記交差ガット部分に対して初期張力を加え、
    前記張力をかけるステップが、前記主ガット部分および前記交差ガット部分に対して最終張力を加える、請求項49に記載の方法。
  • 前記張力を掛けるステップが、前記主ガット部分および前記交差ガット部分に対してほぼ同じ張力を掛ける、請求項49に記載の方法。
  • 前記張力を掛けるステップが、前記ガット部分に対する張力を維持するように前記ガット部分を係止可能なグロメットに係止するサブステップを含む、請求項49に記載の方法。
  • 前記係止するサブステップが、食込み力によって前記ガット部分を前記係止可能なグロメットに係止することを含む、請求項53に記載の方法。
  • 前記係止するサブステップが、第1のネジ山付き部材を第2のネジ山付き部材と螺合可能に係合することによって、前記ガット部分を前記係止可能なグロメットに係止することを含む、請求項53に記載の方法。
  • 说明书全文

    (関連出願の相互参照)
    本出願は、2011年1月26日出願の米国仮特許出願第61/436,259号の利益を主張し、これを参照により本明細書に組み込む。

    本発明は、全体として、テニスラケット、およびテニスラケットを作成しそれに張架する方法に関する。

    米国特許第6,344,006号B1および米国特許第7,081,056号B2において、R. Brandtは、ガット(ストリング、糸)長さが垂直方向および平方向で等しい、またはより一般的にはガットの振動数が等しい、テニスラケットの利点について教示した。 本特許文献においては、これらの発想をさらに発展させ改善し、かかるラケットを製造し試験する構築方法について提示する。

    本発明は、テニスラケットを提供するとともに、ガット長さが等しくかつテニスボールを打ったときのガット振動数が打球性能を改善するのに望ましいテニスラケットのガットを提供することができる構造をもたらす、テニスラケットの作成方法を提供する。 好ましい一実施形態では、テニスラケットは、所望のガット長さおよびガット振動数を確立し維持するグロメットを含む。 さらなる発展例では、好ましくは炭素繊維材料サンドイッチの形態である、層状構造がラケット構造に対して提供される。 一実施形態のラケットヘッドは、ガット張を受けたときに引かれて直線形態になるように構成された、外側に湾曲した辺を含む。 所望のガット振動数を達成するため、本発明のラケットに使用されるガット(1つまたは複数)は変動する密度を有してもよい。 本発明はまた、ラケット構造を試験する方法を提供する。

    さらに詳細には、所望のガット長さと振動数を達成するための多数の可能な構造および方法は、ラケットのガット装着開口部にグロメットを使用することによって達成される。 グロメットは、ガットが通り抜けるラケット打面(フェース)の辺にある構造的要素である。 本発明は、ガットを保持するための係止グロメット(環索、鳩目(locking grommets))と、グロメットを使用して張力を設定するためのアルゴリズムとを提供する。 本発明はまた、所望のガット長さおよび振動数を達成する助けとなる、例えばテフロン(登録商標)もしくは他の低摩擦材料、弾性材料で形成された、または調節可能な高さを有する、複数のタイプのグロメットを提供する。 張架後にガット長さが等しくなるように、張架前のラケット打面の辺をどこまで外側に湾曲させるかを定量的に確立する、ラケットヘッドの構成が提供される。

    さらなる発展例では、本発明は、本発明の原理に従ってラケットを製造する方法を提供する。 好ましい一実施形態では、ラケット本体全体は炭素繊維サンドイッチから加工される。 この構造は、他のラケット構造と比べて優れた強度および単純性を提供する。 炭素繊維製ラケットの実施形態の寸法は、ラケットの比強度に対して最適になるように決定される。 本発明はまた、本発明に従って構築されるラケット、ならびに他のラケット構造の強度および性能を試験する方法を提供する。 ラケット部の強度およびグロメットのガットホルダの強度が試験される。 ラケットの性能は実験室測定によって試験される。 実験室試験は、他の構造を上回る本発明のラケット構造の性能上の利点を裏付けるデータを提供する。

    一般に、本発明によるテニスラケットの構造および手順は、長方形のテニスラケットに適用されるが、他の形状が本発明の範囲内に包含されてもよい。 本発明の様々な実施形態には、次のものが含まれる。 (1)内側への湾曲を相殺するために導き出される外側への湾曲の輪郭、および最適な性能のために外側への湾曲が必要である場合の判断。 (2)異なるガット張力および/またはガット質量密度を使用することによって、水平方向および垂直方向の等しいガット振動数を達成する手段。 (3)異なるガットに対する異なる張力を維持する係止グロメットを使用して、等しい長さを用いずに等しい振動数でガットが振動できるようにし、かつ個々のガットの調節または交換を可能にすること。 (4)等しいガット振動数を提供する初期のガット張力を決定するためのアルゴリズムの導出。 (5)1ポンド(0.454kg)当たりの強度がチューブ状要素から加工された従来のラケットの約二倍である、長方形ラケットのサンドイッチ構造の実施形態の仕様。 (6)1ポンド(0.454kg)当たりの強度が打面辺(face sides)をサンドイッチ構造にした実施形態とほぼ同じであり、はるかに強度が高い角部を有し、充填材料をより良好に保護し、これまでになく構築が簡単になる、長方形ラケットの優れたテーブル構造の実施形態の仕様。 (7)ラケット角部に対する応力を解析的に推定するための、カンチレバーモデルの使用。 (8)ラケットの辺ビーム(side beams)および角部の強度を試験するデバイスの設計および実現。

    本発明の好ましい一実施形態による全体的に長方形の形状を有するテニスラケットヘッドの上面図である。

    ガット張力を加えた際のラケット要素の撓みを示すグラフである。

    撓み量をより良好に示すために縦軸を強調した、図2による撓みのグラフである。

    本明細書に記載される寸法を確立する、本発明の一実施形態によるテニスラケットの上面図である。

    図5a〜5jは、本発明のテニスラケットの好ましい実施形態で使用されるような、ガットグロメットの複数の実施形態を示す概略断面図である。

    張架したラケットの辺に対する力を説明するため、端部で支持されたビームであってそれに沿って規則的に間隔を空けた力が加えられているビームを示す概略図である。

    張架力を受けたときの図6のビームの撓みを示す概略図である。

    中空の円筒状のテニスラケットフレームに対する張架力を示すフレームの断面図である。

    本発明の原理によるテニスラケットフレームの断面図である。

    本発明の一実施形態によるテニスラケットの平面図である。

    本発明の別の実施形態によるテニスラケットの概略図である。

    張架力を示す長方形のテニスラケットの角部の部分拡大図である。

    力が加えられているビームの概略図である。

    好ましい一実施形態のテニスラケットフレームの辺の断面図である。

    好ましい一実施形態の長方形のテニスラケットの角部の部分拡大図である。

    好ましい一実施形態によるテニスラケットを作成するのに使用される材料のサンドイッチを示す概略図である。

    記載されるように製造されたテニスラケットの概略図である。

    図18aは、好ましい一実施形態によるテニスラケット打面の平面図、図18bは、その側面図である。

    図19aは、好ましい一実施形態によるテニスラケットのハンドル部分の平面図、図19bは、その側面図、図19cは、その端面図である。

    本発明の方法で使用される力測定装置の概略図である。

    本発明の方法で使用されるような試験装置の斜視図である。

    測定装置の近接上面図である。

    概念を実証するために製造されたフレーム試作品の図である。

    試験されている図23のフレーム試作品の斜視図である。

    試験されているフレーム試作品の別の図である。

    本発明の教示に従って構築されたラケットの上面斜視図である。

    本発明のテニスラケットを試験するための試験機器の図である。

    図面を参照して本発明について記載する。 最初に考察するのは、テニスボールを打つ際のガットの振動数である。 ガットの振動数に対する全体的な考察は以下を含む。

    (ガット振動数)
    すべてのガットはテニスボールとの衝突の間互いに相互作用するため、所与のテニスラケットの性能の計算はかなりの部分において複雑な問題である。 かかる計算は、米国特許第5,672,809号および米国特許第6,344,006号に報告されており、ガット長さが各方向において等しい長方形打面のラケットが最適な性能を提供するというのが主な結論であった。 これに対する理由は次のとおりである。
    a)等しい長さ(および張力と密度)のガットは同じ振動数で振動する。 したがって、それらは衝突するボールに対して一斉に応答し、結果として最大の反発力を提供する。
    b)長さが等しくない二本の平行なガットにボールが衝突すると、ボールは各ガットから異なる力を受けて、反発方向が意図しないものになる。 平行なガットがすべて同じ長さを有すると、この誤差は排除される。
    c)ガットの中心から離れたガットにボールが衝突すると、ボールは押し付けられたガットの各側から等しくない力を受ける。 ガット長さが短いほど、この効果は大きくなる。 長方形打面のラケットの場合、各ガットは同じ(最大)長さを有するので、この誤差の原因が最小限に抑えられる。
    d)ラケット重量が所与の場合、長方形打面のラケットの長手方向中心軸を中心にした慣性モーメントは、従来のラケットよりもはるかに大きい。 したがって、この軸から離れた衝突によって、衝突するボールから離れる方向にラケットが回転することになるが、その回転量は従来のラケットよりもはるかに少ない。 したがって、結果として得られる角度誤差および速度の減少は大幅に低減される。
    e)長方形ラケットの角回転は従来のものよりも少ないので、偏心した打撃による選手の腕の肉体的な怪我(一般に、「テニス肘」と呼ばれる)が低減される。

    等しいガット長さによる主な利益は、長さが正確に等しくなく、ただしガット振動数が等しい場合に得られる。 端部が固定されたガットの振動数は次式によって与えられる。

    (式1)


    式中、lはガット長さ、Tはガットに対する張力、mはガットの線形質量密度である。 従来のラケットの場合、Tおよびmは一定であるが、ガット長さは大幅に変動し、したがって振動数も大幅に変動する。 長方形打面のラケットでは、T、m、およびlの値(各方向)はすべて一定であることができ、したがって振動数fもすべて一定であることができる。 これは最も単純な可能性であり、これを実現するための革新的な手法については後述する。 より一般的な可能性について以下で考慮する。

    テニスラケット上のガットは、当然ながらフレームの辺間で自由になってはいない。 ガットは、その長さに沿って互いの上下を多数回交差するので、所与のラケットの性能は、米国特許第6,344,006号B1に記載されたように、コンピュータ上での複雑な計算によって決定しなければならない。 該特許には、(式1を使用して計算されるような)等しい基本振動数のガットを有するラケットは、最適な性能を提供することが示されている。

    長方形打面を有するラケットについて言及するとき、ガットが取り付けられる打面の対向面が平行なことが必須であることが理解される。 これによって、張架穴が位置する場所を越えた区画で打面フレームの角部を丸み付ける自由が残される。 かかる丸み付けられた角部によって、ラケットの強度が高まり、見た目が良くなる。 かかるラケットは図1に示される。

    具体的には、図1は、ほぼ直線の辺24およびほぼ直線の端部26から構成された打面またはフレーム22を有するテニスラケット20を示す。 フレーム22は、丸み付けられた角部28と、ハンドル(この図には図示なし)まで延在するネック30とを有する。 主ガット32は、端部26の間を延在し、辺24の間を延在するガット34と交差する。

    (一定の張力)
    各方向で等しいガット振動数を得る最も単純な手法は、l、T、およびmの値をすべて一定にすることである。 最初に、張架前は完全に長方形の打面から始め、張架後の打面が本質的に長方形のままとなるモーメントを仮定する。 ラケットに張架する際、選択された張力Tが各ガットに加えられるが、張架が進むにつれて、張力Tで新しいガットを追加するごとに前のガットに掛かる張力がわずかに変化する。 すべてのガットが取り付けられた後、ガット張力は釣り合い、結果として得られるガットに対する張力T'は加えられた張力Tとは異なる。 優秀なガット張り職人は、結果として得られる張力が所望のものであるように、加えられる張力をいかに選択するかを理解するであろう。

    ラケットの辺および端部にある、ガットがそこを通って延在する従来のグロメットでは、張力の均等化は不完全である。 各グロメット内のガットに対する、またグロメット間の外側打面辺に対する摩擦は、張力の均等化を妨げる。 それに加えて、ボールとの衝突によってガットに加えられる力は、少なくとも一時的に張力を再分配する。

    これらの障害は、テフロン(登録商標)製の、またはテフロン(登録商標)コーティングを施した、グロメットおよびサイドストリップを使用することによって回避することができる。 テフロン(登録商標)は、非常に滑りやすく、実用的な固体の中でも最低の摩擦係数(研磨した鋼に対して約0.05)を有する。 それを使用することによって、張架中およびボールの衝突中の張力の均等化が迅速にかつほぼ完全に得られることが確実になる。 ラケット打面全体でガット張力を均等化するため、低い摩擦係数を有する他の材料も同様に使用されてもよい。

    実際には、張架前のラケット打面が(角部を除いて)完全に長方形である場合、ガットに加えられる張力によって打面辺が内側に湾曲するようになる。 これによってすべてのガット長さが短くなるが、その量は、辺の中心ではより多く、辺の端部付近ではより少ない。 その結果、ラケットのガット長さが等しくなくなり、ガットに対する張力が低減される。

    この影響を例示するため、各端部で支持され、n本の均等に間隔を空けて取り付けられた張力Tのガットからの力を受ける、長さlのビームについて考察する。 Eがビーム材料のヤング率であり、Iがビーム断面の面積モーメントである場合、ビームの起点から距離xにおけるビームの撓みy(x)は、次式によって与えられる。

    (式2)

    l=13インチ(33.02cm)、T=60ポンド(27.22kg)、n=ガット19本、ならびに炭素繊維チューブのEおよびIの標準値を使用して、この関数を図2にプロットしている。 曲線36は、フレームビームの長さに沿ったビームの撓みを例示するため、グラフにプロットされている。

    図3を参照すると、視認を簡単にするため、撓み曲線36のプロットが4:1のアスペクト比で再描写されている。

    関連パラメータの規定値を用いると、ラケット打面の図1における長辺24を表すビームは、最大距離約0.5インチ(1.27cm)で撓んでいることが見てとれる。 この最大撓みは、当然ながらビームの中心(x=6.5インチ(16.51cm))で生じ、撓み距離の値は中心から離れると連続的に減少する。 したがって、ラケット打面の中心における水平方向のガット34は、長さが約1インチ(2.54cm)(各辺24の曲がりから0.5インチ(1.27cm))減少する。

    実際のラケット打面の辺24の撓みはこれよりも複雑であるが、それは、これらの辺24が堅く支持されたビームではないためであり、また、ガットによって加えられる力が均一でないためである。 これらの撓みは、上述の式2などの単純な解析公式によって与えられるものではないが、任意の所与のラケットの幾何学形状および材料に対してコンピュータで容易に見積もることができ、また直接測定することができる。 実際的な辺の曲がりの計算は、ガット張力が一定値に釣り合った後であっても、撓んだ辺の幾何学形状により、加えられる力が離散的であり、かつガットの場所ごとに異なるという事実によって複雑になる。 したがって、ガット張力によって辺の曲がりの量が決まり、辺の曲がりの量によってガット張力が決まるので、解を求めるべき式は高度に結合され、非線形的である。 代表的な結果は以下に与えられる。

    これらの結果の一例として、19個のガット穴を有し、その最初の穴が角部28から2インチ(5.08cm)のところにあり、残りが0.5インチ(1.27cm)間隔である、長方形の炭素繊維製ラケット打面22の長さ13インチ(33.02cm)の平行な辺について考察する。 繊維のヤング率および打面の断面の従来の値を仮定すると、ガットがそれぞれ60ポンド(27.22kg)の張力を支える場合、打面辺はそれぞれ、ビームの中心において最大距離で0.21インチ(0.53cm)内側へと湾曲する。 しかし、各ガットに対して60ポンド(27.22kg)の張力を加えることによってラケットに張架した場合、曲がりによって、結果として得られるガット張力はわずか51.7ポンド(23.45kg)に低減され、各辺24の最大撓み距離はわずか0.18インチ(0.46cm)となる。 ガットが所望の60ポンド(27.22kg)の張力を支えるようにするためには、加えられる張架張力は69.6ポンド(31.57kg)でなければならない。 これらの計算は独自のものであり、本発明の範囲内に包含される。

    上述したラケット辺24の曲がりのため、長方形のラケット打面22で始めた場合、ラケットの張架によって一定の張力がもたらされる(均等化後、好ましくはテフロン(登録商標)製のグロメットおよびサイドストラップによって支援される)が、等しい長さのガットではそのようにならず、結果として等しい振動数のガットではそのようにならない。 等しい長さのガットを達成するため、本発明は、張架前に適切な(張力に依存した)量だけ外側に打面辺が湾曲するようにラケット打面を構築する。 その結果、張架後、ガット張力によって辺がほぼ長方形の構成になる。 この構造の詳細については、好ましい実施形態に関して以下に与えられる。 これらの計算は独自のものであり、本発明の範囲内に包含される。

    外側への湾曲の相殺を用いることを正当化するのに十分に重要である、誘発される内側への湾曲の量を決定するため、式1を使用して、ガット振動数の変化Δfをガット長さの変化Δlに関連付け、それによって次式が得られる。
    Δf/f=−Δl/l (式3)

    標準値l=10インチ(25.4cm)、T=60ポンド(27.22kg)、mg=0.014オンス/インチ(1.56g/cm)(g=32フィート/s (9.75m/s ))を使用すると、一般的な振動数はf=670/sである。 一般的な衝突時間はt0=0.004sであるので、衝突の間、ガットは約ft0=2.7回振動し、約2πft0=17radの位相変化を経験する。 異なる長さΔlのガットが衝突するボールと可干渉的に相互作用するためには、位相変化差がπ/4未満であること、即ち2πΔft0<π/4、またはΔf/f<1/8ft0≒0.046であることを要する(位相変化差がπ/4超過である場合、隣接したガットは衝突時間の終わり付近では逆方向に移動し、結果としてボールに対する反発力が低減される)。 その結果、式3からΔl<0.46インチ(1.17cm)が与えられる。 これは、各辺24における内側への湾曲がΔl/2≒0.23インチ(0.58cm)超過であるときは常に、相殺する外側への湾曲を使用すべきであることを示唆する。

    上述のような外側への湾曲を使用して等しいガット長さを確立することに加えて、打面辺が内側に湾曲しているときに等しいガット振動数を達成する別のやり方がある。
    その発想は、可変質量密度mを有するガットを使用するというものである。 湾曲によってあるガットの長さがlからl1に減少し、別のガットの長さがlからl2に減少する場合、これら二本のガットはそれでもなお、l1のガットの密度m1とl2のガットの密度m2がm1/m2=l1 /l2 の比で選択された場合は、同じ振動数で振動することになる。

    長方形打面を有するテニスラケットが、水平方向および垂直方向において等しい長さおよび振動数のガットをいかにして有するかを上述している。 さらに、水平および垂直方向における振動数が同じである場合、より一層均一な挙動が得られる。 これを実現する1つのやり方は、打面を単に長方形ではなく正方形にすることである。 その結果、水平および垂直方向の張力が等しい場合、水平および垂直方向の振動数も等しくなる。 しかし、ラケットの寸法を制限する現行のITF(国際テニス連盟)規則に従って、より広い打球面を得られることから、ほとんどの選手は長方形の打面を好む。

    水平および垂直方向において等しい振動数を達成する別のより実用的なやり方は、Th/Tv=(lv/lh) の比で、水平方向のガットの長さlhおよび張力Thと、垂直方向のガットの長さlvおよび張力Tvとを選択することである。 その結果、式1に従って、水平および垂直方向の振動数は等しくなる。 この構成が実用的であるためには、ガット張力が通常55ポンド〜65ポンド(24.95kg〜29.48kg)の範囲および


    で選択されるため、水平および垂直方向のガット長さの差は10%以下でなければならない。 適切な例は、lh=11インチ(27.94cm)およびlv=12インチ(30.48cm)である。

    (可変の張力)
    このセクションでは、ガット張力が等しくない場合であっても同じ振動数のガットをいかにして得るかについて教示する。 その発想は、各ガットの張力を別個に設定できるように長方形ラケットを構築するというものである。 これは、取り付けられたガットを適所で係止する係止グロメットを使用することによって達成することができる。 これらのグロメットによって、ガットをある方向(打面から外側に)に引き通すことが可能になるが、反対(内側)方向には引き通すことが不可能になる。 その結果、各ガットの(初期)張力を所望のように設定することができ、また、グロメットを通してガットが滑ることがなくなるので、異なるガットに対する張力の均等化がなくなる。

    かかる係止グロメットを構築する方法を以下に教示する。 最初に、等しい振動数という目標を実現するのにグロメットをどのように使用できるかについて説明する。 この目的のため、図4に示されるように、打面22が左側にあり、ハンドル38が右側にある長方形ラケットを示す。 打面22の上下の(長)辺24間の初期の一定距離をwとし、打面22の左右の(短)辺または端部26の間の距離をlとする。 打面の左辺からの距離をx(0<x<1)とする。 距離x=xlにある左端の垂直方向のガットから張架プロセスを開始するものと仮定する。 このガットは下辺に取り付けられ、選択張力tlで上部の係止グロメットに引き通され、次に適所に係止される。 このガットは、ラケットの上辺を距離dl(x)だけ引き下げることになる。 下辺は同じ距離だけ引き上げられるので、係止後のガットの長さはw−2dl(xl)となる。 第2の(隣接した)ガット区画が選択張力t2でx=x2に同様に取り付けられると、ラケットの上辺はさらなる距離d2(x)だけ引き下げられる。 これによって、第1のガット区画の長さがw−2dl(xl)−2d2(xl)に減少するので、このガット区画の張力はtl=2kd2(xl)に低減される(式中、kは選択されたガットのばね定数)。

    N個のガット区画を連続的に取り付け、i番目のガット区画を初期張力ti(i=1,2,…,N)で位置xiに係止することによってこのように進めると、辺は最終的には合計距離d(x)=Σdi(x)だけ内側に曲がり、i番目のガット区画に対する張力は最終的にTi=ti−2kd(xi)となる。 直交するガットが同様に取り付けられた後、ガットは最終的な長さwiおよび張力Tiに達し、それらの値は、選択されたすべての初期張力tl,…,tNに依存する。

    目標は、加えられるガット張力tl,…,tNを選択し、それによって、次式

    (式4)


    による最終的なガット振動数fi(fi=定数)がすべて等しくなるようにすることである。 任意の所与の長方形ラケット(幾何学形状と材料)およびガットに対して、N個の加えられるガット張力tl,…,tNに関するN個の方程式(fi=定数)の解をコンピュータによって求めることができる。 以下のセクションにおける好ましい実施形態に対してこれを行う。

    本発明の係止グロメットを使用することのさらなる利点がある。 例えば、係止グロメットを使用して、ラケット打面22の異なる領域において所望の張力差を実現することができる。 辺に近い打面の領域は、長方形打面の場合であっても、性能が低い領域である。 これは、部分的には、これらの領域におけるガット張力を打面の中心付近のガットに対する張力よりも低く選択することによって補うことができる。 これによって、ラケット打面全体にわたってより均一な力が提供される。

    係止グロメットの別の可能な応用は、グロメット自体にある程度の弾性を組み込むことである。 これによって、ガットの長さ、張力、および振動数を制御するための追加の選択肢が得られる。

    係止グロメットの別の重要な利点は、ラケットでの打撃に起因するガット張力の減少を相殺するというグロメットの能力である。 ボールとラケットのガットとが衝突するごとに、ガットが伸び、弱くなるとともに、その張力が低減する傾向がある。 単に係止グロメットを通してガットを引っ張って、ガット区画を短くし、その張力を増加させることによってこれを相殺することができる。 したがって、張架をやり直す必要性が大幅に低減される(単純な携帯型の張力計を引っ張られたガットと直列に使用して、所望のガット張力が達成されたときにそれを見分けることができる)。

    同様に、全体を張架し直す必要なしに、張架されたラケットの壊れたガットを、別個の個々のガットと簡単に交換することができる。 これによって、選手の時間および費用の大幅な節約になり、ラケットに張架するのに必要な追加の時間が相殺される。

    次に、多数の係止グロメットの実施形態について記載する。 これらは図5a〜5jに示される。 係止グロメットの概略図はそれぞれ、ラケット打面の右辺のビーム24または26の断面を示しているので、ラケット打面はセグメントの左側にある。 各セグメントは単一の穴40を含み、右向きの矢印として示されるように、ガット32または34がそこを通り抜ける。 この図では、ガット32または34は打面の反対側の(左)辺に取り付けられており、図示される穴40を通して矢印の方向でガットを右に引っ張ることによって、所望の張力がガットに加えられているものと仮定する。 図面は、係止グロメットを使用して、この選択張力でビームの穴40の中でガットを係止する方法を提供する。

    図5aでは、穴40は円錐形であり、ガット32または34は、図5bに示される円錐形のプラグ42を穴40に挿入することによって適所で係止される。 この単純な係止グロメットのメカニズムは、ガット32または34とプラグ42および穴40との間の摩擦を使用してガットを拘束する。 図5cでは、円錐形の穴40は太線44によって示されるようにネジ山が切られ、ガット32または34は、圧縮可能なネジ山付きの円錐ネジ50の中心穴48を通り抜ける。 ネジ50は、円錐形の穴40に締め込まれると、中心穴48の直径を減少させるように縮む材料のものである。 ネジ50は、例えば、ドライバーを受け入れるスロットまたは成形陥凹部など、ネジを穴40に螺合可能に締め込むための手段を含む。 ネジ50は、穴40に回し込まれると、ガット32または34を圧縮し、ガットを適所で係止する。 円錐形のネジ山付きネジ50は、中心穴48が開いていてガットを受け入れる位置で、図5dに断面で示される。 円錐ネジ50の外表面52は、図5cの円錐形の穴40のネジ山44に対応するネジ山が切られている。 図5dの二部分の図は、単一の円錐ネジの2つの半片を示していることが理解される。

    図5eに示される係止グロメットのさらなる円錐形の穴40の例では、ガット32または34は、穴40の中で停止ブロック56(黒い長方形として示される)の(図面に対して)左側にある、円筒状の棒54の下を通る。 停止ブロック56は、穴壁40の中に固定されることによって円錐形の穴40内で適所で固定されるが、他の固定手段も想起される。 ガット32および34は、シリンダ54が回転するにつれて右側に自由に引っ張ることができるが、ガットに対する引張り力が解放されると、シリンダ54は円錐形の穴40に食い込み、ガットを適所で保持する。

    図5fの図は、段差状の構成を有するラケットフレームの穴58を備え、穴58の段差に装着された一対の要素60(互いに向かって角度を成す影付きの棒として示される)を含む、係止グロメットを示している。 要素60は、例えばラケット本体と各要素60との間に位置付けられて要素に接するとともにそれらをガットに押し付ける、62で概略的に示されるバネメカニズムによって、互いに押し付けられる。 2つ以上のかかる要素60が穴58に設けられてもよい。 要素60とガット32または34との間の摩擦は、ガットが左側に戻るのを防ぐが、ガットを右側に簡単に引っ張ることができる。 したがって、ガットは係止グロメットによって所望の張力で定位置に係止される。

    図5gの係止グロメットは、締付けネジ64を使用してガット32または34を適所に係止することを示している。 ガットは、穴70の位置でラケットのフレームに固着された外部ブロック68(黒で示される)の中心穴66を通り抜ける。 ネジ64は、ガットがそこを通って延在する穴66に直交して延在するブロックのボア72内にある、協働するネジ山にねじ込まれる。 ネジ64は、ガット32または34に接するまでボア72に回し込まれて、ガットを中心穴66の対向壁に押し付けて、ガットを適所で係止する。 外部ブロック68は、使用中に緩まないようにしてラケットのフレームに固着される。

    図5hを参照すると、同様のネジ山付きのネジ64は、陥凹部76によって画定されるようなフレームの部分74にあるボア72に螺合可能に受け入れられる。 ネジ64をボア72に締め込むことによって、ネジ64は、ガットを所望の張力および位置で固定するようにして、ガット32または34を穴70の内壁に押し付ける。 陥凹部76および/またはネジ64は、ユーザの指または工具によってネジを締めたり緩めたりできるように構成される。 したがって、この実施形態は、フレーム自体に組み込まれた係止グロメットによってガット位置を係止する。

    図5iでは、破線によって示されるようにガット32または34が通り抜ける、圧縮可能な弾性要素78を利用する係止グロメットの実施形態が示される。 圧縮可能な要素78は、ラケットフレームに形成された円錐形のスリーブまたは円錐82内に配設される。 圧縮可能な要素は、ネジ山付きのナット80をネジ山付きの円錐82にねじ留めすることによって圧縮される。 ネジ山付きの円錐82はフレームの陥凹部84に配設される。 ナット80を左回転させることによって、円錐82が要素78を圧縮してガットに押し付け、結果としてガットを適所で保持する。 図5iでは、要素78は、ネジ山付きのナット80を右に回してネジ山付きの円錐82にねじ留めすることによって、ガットを解放して張力を調節してもよい。 ナット80を再び左回転させると、弾性要素78が圧縮されてガットに押し付けられ、ガットを適所で保持することによって、ガットが所望の張力で係止される。

    同様の概念が図5jに示されており、この図では、要素78は、ネジ山付きの円錐86をネジ山付きのシリンダ88にねじ留めすることによって圧縮される。 円錐86を左回転させることによって、円錐86が要素78を圧縮してガットに押し付け、ガットが適所で保持される。

    当業者には明白となるように、個々のガット張力を維持するという目標を達成する、本発明の範囲内で使用されてもよい係止グロメットの他の多くの可能な実施形態が存在する。

    (フレームの実施形態)
    フレーム構造の全体的な考察について本明細書で考察する。 本明細書の前段において、長方形のテニスラケット打面の性能上の利点について概説し詳述した。 このセクションでは、かかるラケットの構造について記載する。 従来のラケット構造の技術は、ラケットが競技に用いるには重すぎるのでない限り、長方形ラケットには不適切である。 問題は、直角の角部が、丸み付けられていたとしても、ラケットに張架したときに大きな応力が集中する領域であることである。 ラケットがこれらの応力に耐えられるようにするため、比較的多量の補強材料を角部に組み込まなければならず、ラケットが重くバランスの悪いものになる。

    ラケットの強度を決定する2つの性質は、材料および幾何学形状である。 現代のラケットの実質的にすべてを加工するのに使用される主要材料は炭素繊維である。 その理由は、炭素繊維が任意の実用的な材料の最大の比強度を有することである。 材料の強度のバルク指標(bulk measure)はそのヤング率Eである。 この係数は、次式によって、応力(単位面積当たりの加えられる力、F/A)対歪み(単位長さδl/l当たりの伸びまたは縮み)の比として定義される。
    F/A=Eδl/l (式5)

    材料の重量のバルク指標はその密度ρであり、重量W対体積Vの比は次式のとおりである。
    W=ρV (式6)

    次の表は、アルミニウム、炭素繊維、およびチタンのEおよびρを列挙している。

    ヤング率の値は、炭素繊維が、アルミニウムよりは強くチタンよりは弱いが、これらの金属よりも密度がはるかに低く、したがってその比強度がはるかに大きいことを示している。 このため、炭素繊維はラケットに最適な材料である。

    ラケットの強度における幾何学形状の役割を理解するため、図6に示されるような長さLの材料の支持された均一なビーム90について考察する。 ビーム90は、各端部付近に支持体92を備えた、長方形ラケットの打面の辺24または26の単純モデルである。 辺に取り付けられたガットは、ビーム90の上面にわたって、大きさF=NT(Tは各ガットの張力、Nはガットの数)のほぼ均一な力を掛ける。 この力によって、ビーム90は、図6に示されるように最大距離Dだけ下側に撓む。

    撓みによって、ビームの上部は圧縮され、ビームの下部は伸長される。 したがって、中立軸と呼ばれるビーム90を通る面94があり、その長さは撓み後も変化しないままである。 この面は、図6のビームの中心を通る破線94によって示される。

    図7に示されるように、ビーム90は加えられる力を受けて撓むかまたは曲がる。 撓み距離Dは、次式に従って、加えられる力F、ビーム長さL、材料のヤング率E、およびビーム断面の面積慣性モーメントIによって決まる。

    (式7)

    Iは、次式に従って、ビームの断面スライスの幾何学形状によって定義される。
    I=∫dAy (式8)

    この積分は、材料を含有する断面積に対するものであり、yは中立軸と面積要素dAとの間の垂直距離である。

    例えば、断面が、図8に示されるような内半径r1および外半径r2の円形の環状体96である場合、yは、水平中立軸(破線によって示される)と円の間の材料の面積要素(影付きの領域によって示される)との間の垂直距離である。 この場合、

    (式9)

    図8の垂直の矢印98は、ガット張力によって掛かる力を表す。

    均一なビームの断面積は次式によって定義される。
    A=∫dA (式10)
    また、重量は次式によって定義される。
    W=ρAL (式11)

    ラケット構造の目標は適切な強度を達成することであるので、撓みDは比較的小さく、比較的広い面積Aを必要とせず、したがって重量Wも比較的小さい。 したがって、所与の材料(所与のEとρ)および固定の重量(固定のAとL)の場合、目標は、Iが実用上可能な限り大きくなるように断面の幾何学形状を選択することである。 その定義(式8)に従って、Iは、ラケット材料が打面辺(ビーム)の中立軸から可能な限り遠くに位置するときにより大きくなる。

    これは、従来のラケットがチューブ状要素から構築される理由である。 薄壁チューブは、その材料のほとんどが中立軸から比較的遠くにある。 これは、図8の環状断面によって示される。 かかるチューブ状ビームは、同じ材料で等しい重量の中実ロッドよりもはるかに強度があるが、それは、チューブの場合のI(式9)が、ロッドの場合のI(I=πr /4、rはロッドの半径)よりもはるかに大きいためである。

    この構造は、従来の楕円形ラケットの場合に良好に作用する。 しかし、長方形ラケットの場合、この構造は理想的でない。 ラケット打面の角部における大きな応力は、安定性のために比較的厚いチューブ壁を必要とする。 以下のセクションでは、本発明のラケットにより適した、かつさらなる利点を有する代替の構造設計について教示する。 これらの設計は、容認できない重量を要することなく適切な強度を達成する。

    (サンドイッチの実施形態)
    図8の円形の環状体に関して示されるように、材料のほとんどが中立軸から離れているため、チューブ状の炭素繊維ラケットフレームは強度がある。 しかし、上述したように、この構造は、軽量で長方形のラケット打面の好ましい実施形態を形成するのに十分な強度ではない。 このセクションでは、炭素繊維サンドイッチを使用してはるかに強度があるフレームをいかにして構築することができるかについて教示する。 かかるサンドイッチは、軽量充填材料によって分離された2つの平行な比較的薄い炭素繊維プレートから成る。

    かかるサンドイッチで作られたビーム100の断面が図9に示される。 中立軸102は破線によって示され、垂直の矢印104は、ガット張力によって掛かる力を表す。 図8および9を比較すると、チューブ状構造の材料は、一部の材料が中立軸から離れているが、一部の材料は中立軸に近いことが示される。 一方で、サンドイッチ構造は、すべての材料(軽量充填材料以外)が中立軸から離れている。

    図9で与えられる寸法は、全高d、プレート106間の充填材料108の高さh、およびサンドイッチの幅bである。 炭素繊維プレート106の厚さはそれぞれ、(d−h)/2である。 このサンドイッチの断面の面積慣性モーメントは、次式によって定義される。
    =b(d −h )/12=b(d−h)(d +dh+h )/12=A (d +dh+h )/12 (式12)
    式中、AS=b(d−h)は、サンドイッチ断面における炭素繊維材料の面積である。
    このモーメントが、同じ面積を有する環状体のモーメントの約二倍の大きさであることを示す。
    =π(r −r )/4=π(r −r )(r +r )/4=A (r +r )/4 (式13)
    式中、A =π(r −r )は、環状体断面における炭素繊維材料の面積である。

    断面が等しい面積を有する(AS=AA)場合、ビームは等しい重量を有する(式11)ので、これらのモーメントの比は次式によって定義される。

    (式14)

    炭素繊維材料が薄いという事実を使用すると、外円の直径d2に関しては、h≒dおよびr1≒r2=d2/2であるので、これをまとめると次式になる。

    (式15)

    したがって、断面が類似した高さである場合、d2≒dなので、ISはIAの約二倍の大きさであり、したがってサンドイッチビームは環状ビームの約二倍の強度であることが示されている。

    その結果、チューブの代わりにサンドイッチビームから長方形のラケットフレームを構築すると、フレームの強度が高まり、角部に要する重量が少なくなる。 しかし、その構造は最適なものではない。 問題はやはり角部である。 図9に示されるような断面のサンドイッチビームを組み合わせて、図10に示されるようなラケット110を構築することができる。 打面の角部112は、互いに当接され、適切なエポキシ樹脂で互いに保持されたサンドイッチビームから成る。 しかし、この単純な構造は、ガット張力によって生じる角部の応力に耐えられるほど十分な強度がない。 角部の補強は必須であり、それによってラケットの重量およびトップヘビー感(top-heaviness)が増す。

    より良好な構築方法は、ラケット打面114全体を単一のサンドイッチビームから加工するというものである。 丸み付けられた角部116を有する、かかる実施形態が図11に示される。 角部116はより強度があるが、比較的厚く幅広で、したがってかなり重量がある炭素繊維プレートを使用しなければ、強度はまだ十分ではない。

    角部を強化しなければならない理由を理解するため、図12に示される角部116について考察する。 これはラケット打面の正面図であり、平行な炭素繊維プレート106が影付きの要素として示され、ガット118が垂直の矢印によって表されている。 炭素繊維プレート106が長く薄いため、これらのガット118の張力によって角部116に対して強い応力が掛かる。 これらの応力について以下で推定する。

    図13を参照して、角部の応力を推定するため、上部プレートを、左端にある固体の支持体122に堅く取り付けられたカンチレバービーム120としてモデル化する。 支持体から距離Lのところで力Fがビーム120の上部に加えられ、ビーム120が幅wおよび厚さtを有する場合、結果として得られる支持体での応力は、次式によって与えられる。

    (式16)

    張力がそれぞれ60ポンド(27.22kg)のガット19本の場合、F=19×60ポンド(27.22kg)=1140ポンド(517.1kg)である。 辺長12インチ(30.48cm)の場合、Lを平均距離6インチ(15.24cm)とする。 w=0.75インチ(1.91cm)をラケット打面幅の標準値とする。 ラケットの重量が最大で14オンス(396.9g)の場合、ビーム厚さは最大でもt=約0.1インチ(0.25cm)であり得る。 これらの値を使用して、式16によって次式が与えられる。
    σ max =5,500,000psi(37,921,164kPa) (式17)
    ラケット重量を容認できるものにするためには、tは小さくなければならないので、この値は大きい。

    炭素繊維の破断応力はおおよそ次式のとおりである。
    σ rupt =820,000psi(5,653,701kPa) (式18)

    加えられる応力は破断応力よりもはるかに大きいため、長方形ラケットのこのサンドイッチの実施形態は、角部を破断させないために大幅に強化しなければならないものと結論付けられる。 ラケットの重量を大幅に増加させることなく、これを行うことは困難である。

    カンチレバーモデルは、当然ながら単純化したものであり、丸み付けられた角部および平行なプレートによる強化の効果は組み込まれていない。 また、より強度のある繊維、より広い幅、より複雑な幾何学形状、およびより最適な繊維のレイアップパターンを使用することができる。 しかし、関連する応力を評価するために、現実的な有限要素のコンピュータ計算を使用したところ、その結果はモデルから得られる結論を実証している。 角部応力のこれらの大規模な推定を所与とすると、ここに記載する困難は明らかに重大である。

    上述の実施形態に関する別の問題がある。 図11の上部プレート124に取り付けられたガットの張力は、プレートを下側に引っ張る傾向があり、プレート間の脆弱な充填材料126がこの力に耐えることは困難である。 その力によって圧潰されるのを防ぐため、より強度と重量がある充填材を使用しなければならず、結果としてやはりフレーム重量が不必要に追加される。

    次のセクションでは、上述の困難をすべて回避する本発明の長方形ラケットの好ましい一実施形態について記載する。 結果として、米国特許第6,344,006号B1および米国特許第7,081,056号B1に記載されているものを含む性能の利点をすべて有する、強度があってかつ軽量のラケットが得られる。

    (好ましい一実施形態)
    上述のサンドイッチの実施形態の材料は、1ポンド(0.454kg)当たりの強度が従来のチューブ状材料の約二倍であるが、これには、この材料強度の大部分を打ち消す2つの顕著な性質があることが確認された。 比較的重い強化材が追加されない限り、角部が脆弱になり、比較的重い抵抗材料が組み込まれない限り、損傷を与える圧縮力に充填材料が暴露された。 このセクションでは、これらの問題を解決し、他の利点を有し、強度があってかつ軽量の長方形ラケットの加工を可能にする、修正されたサンドイッチ構造をどのように構築するかについて教示する。

    その発想は、断面が図9に示されるサンドイッチ構造の代わりに「テーブル」構造を有する、ビームを使用するというものである。 かかるテーブルの断面は図14に示される。 この区画は、図9に示される2つのプレート106の代わりに、3つの炭素繊維の外側プレート130、132、および134を有する。 上部(テーブル面)プレート134は、上部のサンドイッチプレート106に類似しているが、下部のサンドイッチプレート106は、2つの側面(テーブル脚部)プレート130および132に置き換えられている。 中立軸136は破線によって示され、垂直の矢印138はガット張力によって掛かる力を表す。 テーブル脚部130および132の間の体積140は、サンドイッチの場合と同様に軽量充填材料から成る。 このテーブル区画は、中立軸のより近くに位置する炭素繊維材料がより多いため、1ポンド(0.454kg)当たりの面積慣性モーメントがサンドイッチ区画よりも小さくなる。 したがって、等しい強度を有するためには、テーブルビーム134がサンドイッチビームよりも重いことが必須であるが、このわずかな追加重量は、これらのテーブルビームから構築されたラケットが角部または充填材による補強を要しないという事実を補って余りあるものである。 以下にこれらの事実について確認する。

    図14で与えられる寸法は、上部(テーブル面)炭素繊維プレート134の幅d、側面(脚部)プレート130および132の高さb、プレート間の充填材料140の幅h、ならびに上部プレート134の厚さcである。 側面プレート130および132の厚さはそれぞれ、(b−h)/2である。

    図14の炭素繊維区画の合計面積はA =2ab+cdであり、この断面の面積慣性モーメントは次式によって定義される。
    =d(3b c+6bc +4c )/12+ab /6 (式19)
    (式19)の初項は上部からの寄与であり、第2項は脚部からの寄与である。
    cは常にbよりもはるかに小さいので、良好な近似は次式のとおりである。
    ≒db c/4+ab /6 (式20)

    続いて、この実施形態が上述のものの困難(脆弱な角部、露出した充填材)を有さず、強度がありかつ軽量のラケットを提供する理由について説明する。 最初に、ビームの撓み距離(式7)として定量化されるビーム強度について考察する。 同じ力F、長さL、および係数Eの場合、モーメントが大きいほど、ビームの強度は高くなる。 上述したように、所与の断面積(およびしたがって、所与のビーム重量)の場合、テーブルのモーメントI (式19)はサンドイッチのモーメントI (式12)よりも小さくなる。 しかし、寸法a、b、c、dは、I がI の少なくとも90%の大きさである(したがって、式15を所与として、環状のモーメントI よりも80%以上大きい)ように選択することができる。 その結果として、テーブルビームの断面積をサンドイッチビームよりもわずかだけ大きくなるように選択した場合、2つのビームの強度は同一になる。 以下、強度があってかつ軽量の長方形ラケットを生み出すテーブルビームの寸法の例を提供する。

    次に、テーブル区画を使用するフレームの長方形ラケットの角部が、サンドイッチ区画を使用するフレームのものよりもはるかに強度があることを示す。 サンドイッチの角部116は、上述の図12に示されている。 それに対応するテーブルの角部142は図15に示される。 最初に、プレートをモデル化するのに図13のカンチレバーを使用して、垂直のガットにおける張力によって引き起こされる応力を推定する。 サンドイッチの角部116の場合、プレートは薄く(t〜0.1インチ(0.25cm))かつ幅広(w〜0.75インチ(1.91cm))であるが、テーブルの角部の場合、プレート134は肉厚(t〜0.75インチ(1.91cm))であり、かつ幅が狭い(w〜0.1インチ(0.25cm))。 これによって、支持体における応力σ maxの差が大きくなる。

    サンドイッチの値(F=1040ポンド(471.7kg)、L=6インチ(15.24cm)、t=0.1インチ(0.25cm)、w=0.75インチ(1.91cm))を、支持体における応力に対する式(式16)に代入すると、応力は5,500,000psi(37,921,164kPa)と非常に大きくなり、これは炭素繊維の破断応力820,000psi(5,653,701kPa)よりもはるかに大きい。 一方、サンドイッチの値(F=1040ポンド(471.7kg)、L=6インチ(15.24cm)、t=0.75インチ(1.91cm)、w=0.1インチ(0.25cm))をこの式に代入すると、応力は次式のとおりはるかに小さくなる。
    σ max =730,000psi(5,033,173kPa) (式21)

    これは破断応力よりも大幅に小さく、テーブルの角部がサンドイッチの角部よりもはるかに強度があり、かつガット張力によって引き起こされる応力に十分に耐える強度であることが裏付けられる。

    カンチレバーモデルは、丸み付けられた角部および平行なプレートの強化効果を考慮に入れていない。 有限要素解析技術を使用して、サンドイッチビームおよびテーブルビームから加工された、丸み付けられた角部を有するラケットに対する角部の応力を正確に計算した。 結果は、上述の推定値よりも小さい応力値である。 計算された応力の範囲は、サンドイッチの角部では1,700,000〜2,400,000psi(11,721,087〜16,547,417kPa)、テーブルの角部では530,000〜650,000psi(3,654,221〜4,481,592kPa)である。 これらの範囲のサイズは、異なる寸法、レイアップパターン、およびエポキシ樹脂を使用することによって生じる。 これらの可能性のいずれによっても、テーブル構造の優位性は明白である。

    このように、テーブル要素を使用することによって、任意の補強材を必要とすることなく、加えられる力に十分に耐える強度の角部を有する長方形ラケットの構築が可能になる。 したがって、これらの要素により、サンドイッチ要素と関連する脆弱な角部の問題が排除される。 また、サンドイッチ要素と関連する充填材の圧潰の問題が排除される。 図14に示されるテーブルの断面から、上部の炭素繊維プレート134は側面プレート130および132上に載置されるので、そこに加えられるガット張力138は、充填材料140に対して著しい力を掛けないことは明らかである。 加えられる力の実質的にすべては、側面プレート130および132による抵抗を受ける。 この事実の実験室検証について、次のセクションで報告する。

    このように、本発明の炭素繊維テーブル要素から加工された長方形ラケットは、強度のある辺、強度のある角部、および保護された充填材料を有する。 そのため、これらは長方形ラケットの好ましい実施形態である。 それに加えて、この加工に対する別の主要な利点がある。 単一の炭素繊維サンドイッチからラケットを構築するのは特に簡単である。 かかるサンドイッチ148は図16に示される。 これは、軽量充填材料154によって分離された、上部および下部の炭素繊維プレート150および152から成る。 充填材料154は、繊維性または非繊維性材料、発泡フォーム材料、または天然もしくは合成材料で作られた他の材料であってもよい。 これらのプレートは、図14のテーブルの側面(テーブル脚部)プレート130および132となる。

    ラケットフレームは、図17に示されるように、単一片156の形でこのサンドイッチ148から切り出すことができる。 次に、図14の寸法cに等しい厚さであって、上述のサンドイッチの厚さに等しい幅(図14の寸法d)の、長く薄い炭素繊維ストリップを取り付ける。 このストリップは、適切なエポキシ樹脂を使用して、図17のラケット打面の外周に取り付けることができる。 付加される強度に関して、このストリップは上部および下部リップを有して、C字形とすることができる。 かかるストリップは、ラケット打面の外周の周りに適合させ、エポキシ樹脂を用いて接合することができる。 リップまたは延長部は、上部および下部プレート150および152上まで延在して、強度だけではなく洗練された外観も付加する。 最後に、打面の周囲158の周りの適切な位置に張架穴を穿孔することができ、グロメットまたはグロメットストリップをこれらの穴に挿入することができ、炭素繊維のハンドル軸160を軽量材料で補い、次にストラップで固定することができる。 このようにして、ラケットに張架する準備ができる。

    図17の切出しの形状は、上述した改善点を含むように一般化することができる。 角部162は、ラケットの強度および外観を改善するために丸み付けすることができる。 打面辺164は、張架後に純粋に長方形の打面が得られるように、外側に湾曲させることができる。 サイドストリップは、グロメットおよびガットに適応するように、溝を付けるかまたは別の形で改造することができる。 この構築の簡単さは、本発明のテーブル構造の主要な利点である。

    このセクションに記載した好ましい長方形ラケットの実施形態は、理論計算に基づいている。 次のセクションで、これらのラケットを実際に構築し試験する方法の具体例の詳細を提供する。 寸法を与え、材料を指定し、構築例の写真を示し、強度および性能のデータを提示する。

    (好ましい一実施形態の例および試験)
    好ましい一実施形態を例証する長方形ラケットを加工するには、所望の特徴を選択することから始める。 ほとんどの現代のラケットは、19本の短いガットおよび16本の長いガットを有しており、この選択に従うこととする。 米国特許第6,344,006号B1(Brandt)で報告された性能計算によれば、0.5インチ(1.27cm)のガット間距離が最適に近いので、それも選択することとする。 このガットパターンに適応するため、9.5インチ×12インチ(24.13cm×30.48cm)の内側打面寸法を選択する。 図1に示されるラケット打面はこのパターンを示している。 最初のガットおよび最後のガットとフレームの内側との間の間隙は、垂直方向で1インチ(2.54cm)、水平方向で1.5インチ(3.81cm)である。

    ほとんどの現代のテニスラケットは、重さが10〜14オンス(283.5〜396.9g)であり、スロート領域内に位置する質量中心を有し、これらの制約も組み込むこととする。 したがって、ラケットの辺および角部が通常範囲55〜65ポンド(24.95〜29.48kg)のガット張力に十分に耐える強度であるように十分に大きく、かつ14オンス(396.9g)の重量限界を超えないように十分に小さい、テーブル寸法b、h、d、およびc(図14で定義される)を選択しなければならない。 これらのテーブル寸法が決まると、ガット張力によって起こる打面辺の内側への湾曲量を計算または測定しなければならない。 最大湾曲距離が、(式6に従って)上記で導き出される0.23インチ(0.58cm)の限界を超える場合、ラケットは、これを相殺するために外側への辺の湾曲を伴って構築しなければならない。

    テーブルビームを備えるプレートに対しては、市販の炭素繊維製品を選択した。 テーブル脚部130および132は、45°のレイアップパターンで炭素繊維プレートから加工される。 テーブル上面134は、一方向のレイアップパターンで炭素繊維プレートから加工される。 この材料のヤング率はE=約2×10 psi(13789.51MPa)であり、密度はρ=0.96オンス/in (1.66g/cm )である。

    これらの値、ならびにテーブル寸法b、h、d、およびcの任意の選択値をモーメント方程式である式19に代入して、式7を使用してラケット辺の撓みを推定することができ、式16を使用してラケット角部の応力を推定することができ、ラケット打面の重量を計算することができる。 次に、有限要素解析を行うことによってこれらの結果を裏付けることができる。 これらの計算によって、十分に強度があってかつ軽量のラケットを生み出すテーブル寸法を選択することが可能になる。

    これらの計算は、12インチ(30.48cm)の打面辺に対するテーブル寸法の適切な選択が、次のとおりであることを示唆している。
    b=0.625インチ(1.59cm)
    h=0.55インチ(1.40cm)
    d=0.75インチ(1.91cm)
    c=0.0625インチ(0.159cm) (式22)

    したがって、テーブル上面の厚さはc=0.0625インチ(0.159cm)であり、テーブル脚部の厚さは(d−h)/2=0.1インチ(0.25cm)である。 これらの値を用いると、ビーム断面の面積慣性モーメントはI =0.0083in (0.3455cm )であり、60ポンド(27.22kg)の張力では、12インチ(30.48cm)辺の最大撓みは0.155インチ(0.39cm)である。 9.5インチ(24.13cm)の打面辺の場合、bは0.5インチ(1.27cm)まで低減することができる。

    ラケット打面の12インチ(30.48cm)辺は、それぞれ60ポンド(27.22kg)の張力で取り付けられた19本のガットから生じる1140ポンド(517.1kg)の力に耐えるように設計されている。 ラケットのスロートおよびハンドルはこの強度である必要はない。 これらの要素に対する力は、ラケットがボールを打つ短時間の衝突時間(約0.004秒)の間発生する。 この力は、最大でも約250ポンド(113.4kg)であり、かかる短時間しか続かないので、スロートの寸法は式22の寸法よりも大幅に小さくすることができる。

    ラケットは、好ましくは、主ガットおよび交差ガットそれぞれに対して別個のガット区画で張架される。 また、ガットは単一の連続的なガットであってもよく、または複数のガットセグメントであってもよいことが想起される。

    ラケット設計の残りの要素は、性能にとって重要なものではなく、現在の慣例と一致するように選択することができる。 最終的なラケット設計は、図18aおよび18b(ラケット打面166に関する)ならびに図19a、19b、および19c(スロート168とハンドル170に関する)に示される。 上記に指定した特徴に加えて、これらの図面は他のいくつかの性質を組み込んでいる。 フレーム全体が厚さd=0.75インチ(1.91cm)の炭素繊維サンドイッチから切り出されるので、その要素(打面166、スロート168、ハンドル軸170)はすべてこの厚さを有することになる。 内側角部は半径1インチ(2.54cm)で丸み付けられ、外側角部は半径1.625インチ(4.13cm)で丸み付けられる。 スロート辺は幅b=0.625インチ(1.59cm)を有する。 スロートは、ハンドル軸の0.625インチ(1.59cm)幅まで先細状になっている。 他の寸法はすべて図面で指定されている。 多数の穴が図面に示されている。 これらは、穴に適応するのに十分な強度がある領域においてラケットを軽量化するのに役立つ。 例えば、スロート168が付着する位置の角部176にある穴174が示される(図18aを参照)。 穴178および180は、図19aの上面図においてハンドル170の中心に沿って位置合わせされ、穴182は、図19bの側面図に見られるように、穴180に直交する。 穴は、軽量材料で充填されるか、または開口部としてラケットフレームに残されてもよい。 ハンドル整形要素184は、快適なグリップを提供するためにハンドル部分170に設けられる。

    図18aおよび18bは、縮尺の意味で仮想のテニスボール172を示している。

    サンドイッチから切り出されたラケットのハンドル軸170は、幅0.625インチ(1.59cm)および高さ0.75インチ(1.91cm)を有する。 図19a、19b、および19cに示されるように、ハンドルを所望のサイズ(幅1.25インチ(3.17cm)、高さ1.14インチ(2.9cm))および形状(八角形が標準であり、ここで使用されている)まで拡大するためのハンドル整形要素として、バルサ材などの軽量材料がこの軸に取り付けられる。

    フレームが炭素繊維サンドイッチから切り出され、辺の(テーブル上面)プレートが周囲の周りに取り付けられた後、図18bに示されるようにガット穴が穿孔される。 グロメット、および好ましくは上述したような係止グロメット、または他のタイプの係止グロメットが、これらの穴に挿入され、次にラケットに張架することができる。 最後に、エンドキャップ186およびストラップをハンドルに取り付けることができる。

    ガット張力は、好ましくは、各主ガットおよび各交差ガットに対して等しくなるように設定される。 好ましい一実施形態では、主ガットおよび交差ガット両方に対するガット張力は互いに等しい。 主ガットのガット振動数は好ましくは等しく、交差ガットのガット振動数は好ましくは互いに等しい。 一実施形態では、主ガットおよび交差ガット両方の振動数は等しい。 いくつかの計算では、変数tiおよびliはそれぞれ、各主ガットの張力および長さを指し、変数sjおよびkjはそれぞれ、各交差ガットの張力および長さを指す。 ガットの線密度は、主ガットの密度に対してはmj、交差ガットの密度に対してはm'jと指定される。

    上述の図面に提示される寸法は、強度および性能の理論計算を用いて選択されている。 ラケットの加工を進める前に、実験室での強度測定によってこれらの計算を裏付けるのが賢明である。 以下に教示する適切な強度試験プロトコルを考案した。

    選択された寸法(式22)を有するテーブル構造(図14)が、挿入されたグロメットを保持し、ガット張力による力に耐えるのに十分な強度であることを裏付けるため、図20に示される装置を考案した。 テーブルビーム200の区画(グレーで示される)は、一対の固体の停止具202(黒で示される)によって適所で保持される。 ラケットガット204は、ビーム200の2つの穴にあるグロメット206に通され、ロードセル208(右側の影付きの要素として示される)に取り付けられる。 ロードセル208は、挿入されたネジ山付きボルト212を回転させることによって後退させることができる、ブロック210(黒で示される)に取り付けられる。 この後退によって力Fがガットに掛かり、力の大きさは、ロードセルに配線された表示装置214(下側中央に影付きのブロックとして示される)に表示される。

    表示装置214が値Fを読み取ると、2つのガット204それぞれにおける張力はF/2である。 ビームが60ポンド(27.22kg)のガット張力に耐えるためには、掛けられる力120ポンド(54.43kg)に耐えなければならない。 式22で与えられる寸法を有するテーブルビームをこのようにして試験し、200ポンド(90.72kg)超過の加えられる力に耐えることが見出された。 これはビーム強度の計算を裏付けている。 試験装置の写真は図21および22に示される。

    指定寸法を有するテーブルビームの試験長さが、本発明の計算によって予測されるような強度であることが実験的に裏付けられたので、続いて、本発明のラケット角部の強度を同様に試験する方法について記載する。 これを行うために考案した方法は、図23に示されるような、ラケット打面の辺および角部の小型レプリカ212を利用する。 レプリカ212の上部の中央部214は、図14に示されるテーブル断面と同じ断面寸法(式22)を有する。 レプリカの内側長さは4.5インチ(11.43cm)、外側長さは5.75インチ(14.61cm)である(図18aに示されるラケット打面の内側長さは12インチ(30.48cm)である)。 レプリカおよび実際のラケットの角部の曲率は同じである。

    19本のガットそれぞれに対する60ポンド(27.22kg)の張力から発生する実際のラケット打面の長辺に対する力は、1140(517.1kg)ポンドである。 レプリカ212に対する等価の力F、つまりレプリカの中心に加えられたときに角部において同じ応力を生み出す力は、1390ポンド(630.5kg)である(この力がより大きいのは、有効なレバーアームがより短いためである)。 レプリカがこの大きさの力に耐え得ることを裏付けるため、加えられる力を測定するロードセルと直列の液圧プレスにレプリカ212を挿入した。 この試験装置の写真は図24および25に示される。 レプリカの上側角部の1つが破断し始めるまで、加えられる力Fを継続的に増加させた(角部の一方を他方よりも厚くして、その他方の角部が確実に先に破断するようにした)。 加えられる力が2250ポンド(1021kg)に達したとき、かかる破断が観察された。 この力は、本発明の実際のラケットに対してガットによって加えられる1140ポンド(517.1kg)の力と等価の1390ポンド(630.5kg)を大きく上回るので、この実際の長方形ラケットは、遭遇する応力に十分に耐える以上の強度がある角部を有すると結論付けられる。 これによって、本発明の角部の強度に関する本発明の理論上の推定が正確であることが裏付けられ、ラケットの構築を進める確信が得られる。

    上述の仕様に従って構築されたラケット製品230の写真が、図26に示される。 測定した重量(W)、質量中心(COM)、およびハンドルの端部から6インチ(15.24cm)に位置する、ラケットハンドルに垂直であってラケット打面に平行な軸線を中心にした重量慣性モーメント(MOI)は、次のとおりである。
    W=14オンス(396.9g)
    COM=9.87インチ(25.07cm)
    MOI=2400オンス・in (16.95N・m) (式3.18)

    本発明のラケットは、ガットを含めて14オンス(396.9g)未満の重量を有してもよい。 また、12オンス(340.2g)未満、またはさらには10オンス(283.5g)未満の重量を有する、本発明によるラケットを構築することが可能である。

    様々な衝突速度およびラケット打面に対する様々な位置で、砲身から発射されたテニスボール234をラケットに衝突させることによって、わずかに異なる寸法を有し、かつより重量があってCFが異なる類似の試作ラケット232の性能を測定した。 ラケット打面232は、砲身方向に垂直な固体表面236に対して堅く圧締めした。 入射ボール234は、スピンを伴わず、ラケット232に直角に衝突させた。 入射し反発したボールの速度を、光ゲートを使用して正確に測定した(ラケットはこれらの衝突の間移動しない。これらのデータを、ラケットが衝突の間本質的に自由物体である試合条件に変換することについては後述する)。 比較のため、同じタイプの測定を従来の楕円形ラケットに対して行った。 セットアップの写真は図27に示される。

    打面の任意のポイントにおける固定ラケットの性能を特徴付ける量は、そのポイントにおける速度比、つまり反発速度対入射速度の比である。 長方形ラケットと楕円形ラケットとの間でその比を比較する際、ラケット中心における性能はガット張力を変化させることによって調節できるため、ラケット中心(固定ラケットに関して最高性能のポイント)における比と、中心から所与の距離における比との間の差を比較することが重要である。 また、入射速度が増加するにつれて比は常に減少するので、同じ入射速度における差を比較することが重要である。

    次の表は、本発明の測定に特有の速度比データを示す。 衝突速度は最初の欄に与えられる。 長方形ラケットおよび楕円形ラケットについて、中心と、中心の下3.5インチ(8.89cm)のポイントとで速度比を比較する。 比は、長方形ラケットの場合は0.52%および0.75%減少し、楕円形ラケットの場合は10.48%および8.55%減少することが分かる。 長方形ラケットの偏心位置での性能がはるかに良好であることが分かる。

    これらのデータを、ラケットが衝突の間本質的に自由物体である試合条件におけるラケットの性能を特徴付けるデータに変換するため、速度比を反発係数(COR)に置き換える。 テニスボールとテニスラケットとの間のCORは、相対反発速度対相対入射速度の比である。 ラケットが固定されていると速度比まで減少するこの量は、振られたラケットの性能を決定するものである。 反発したボールの線速度および角速度は、衝突ポイントにおけるCOR、ならびにラケットストロークの詳細(線速度、角速度)、ラケットの運動力学(重量、COM、MOI)、および入射ボールの性質(重量、線速度、角速度)によって完全に決定される。

    次の表は、65.3mph(105.1km/h)の衝突に対する上述の速度比データから得られる、CORデータの変化を示す。 長方形ラケットおよび楕円形ラケットは、等しい重量、MOI、およびCOMを有するものと仮定している。 長方形ラケットの実際のMOIがより大きいことによって、楕円形ラケットを上回る優位性はさらに改善される。

    固定フレームのラケットの場合、最高性能は打面の中心にある。 自由ラケットの場合、最高性能のポイントはハンドルに向かってシフトするが、それはこの方向がラケットのCOMに向かう方向であるためである。 長方形ラケットの場合、この効果は、中心から3.5インチ(8.89cm)下における0.75%の性能減少が1.19%の性能増加に置き換わるというものである。 長方形ラケットの場合、この効果は、中心から3.5インチ(8.89cm)下における8.55%の性能減少が7.45%の性能減少に置き換わるというものである。

    上述の表に示されるCORの差は、衝突したテニスボールの軌道に著しい差を生じさせる。 ぶつかったボールの速度およびスピンは、ストローク、入射ボール、および運動力学の詳細すべてと併せて、ボールとラケットのCORによって決定される。 これらの量の標準値に対して、長方形ラケットの中心および3.5インチ(8.89cm)下におけるぶつかったボールの速度の差は、わずか約0.15mph(0.24km/h)である。 ボールの摩擦係数および抗力係数の標準値を仮定すると、ぶつかったボールの軌道における結果として得られる差は全体として4インチ(10.16cm)未満である。 楕円形ラケットの場合の対応する差は6.5mph(10.46km/h)であり、ぶつかったボールの軌道における結果として得られる差は12.5フィート(3.81m)超過である。 長方形ラケットの優位性は明らかである。

    長方形ラケットの概念の特定の好ましい実施形態を提示してきたが、当業者には理解されるように、本発明の他の多くの可能な実施形態がある。

    当業者によって他の修正および変更が提案されることがあるが、本発明者らは、本明細書に対して保証される特許の範囲内において、すべての変更および修正を、正当かつ適切に当該分野に対する寄与の範囲内にあるものとして具体化することを意図する。

    20 テニスラケット 22 打面 24 辺 26 端部 28 角部 30 ネック 32 ガット 34 ガット 36 曲線 38 ハンドル 40 穴 42 プラグ 44 ネジ山 48 中心穴 50 円錐ネジ 52 外表面 54 シリンダ 56 停止ブロック 58 穴 60 要素 62 バネ 64 締付けネジ 66 中心穴 68 外部ブロック 70 穴 72 ボア 74 部分 76 陥凹部 78 要素 80 ナット 82 円錐 84 陥凹部 86 円錐 88 シリンダ 90 ビーム 92 支持体 94 中立軸 96 環状体 98 力 100 ビーム 102 中立軸 104 力 106 プレート 108 充填材料 110 ラケット 112 角部 114 ラケット打面 116 角部 118 ガット 120 ビーム 122 支持体 124 上部プレート 126 充填材料 130 外側プレート 132 外側プレート 134 外側プレート 136 中立軸 138 力 140 充填材料 142 角部 148 サンドイッチ 150 上部プレート 152 下部プレート 154 充填材料 156 ラケットフレーム 158 周囲 160 ハンドル軸 162 角部 164 打面辺 166 ラケット打面 168 スロート 170 ハンドル軸 172 テニスボール 174 穴 176 角部 178 穴 180 穴 182 穴 184 ハンドル整形要素 186 エンドキャップ 200 ビーム 202 停止具 204 ガット 206 グロメット 208 ロードセル 210 ブロック 212 レプリカ 214 表示装置 230 ラケット製品 232 試作ラケット 234 ボール 236 固体表面

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