Sports racket with insert members for anchoring strings

申请号 JP2006320257 申请日 2006-11-28 公开(公告)号 JP2007144187A 公开(公告)日 2007-06-14
申请人 Prince Sports Inc; プリンス、スポーツ、インコーポレーテッドPrince Sports, Inc.; 发明人 GAZZARA ROBERTO; PINAFFO MAURO; POZZOBON MICHELE; PEZZATO MAURO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To reduce the number of racket models while providing a wide range of playing characteristics in a sports racket. SOLUTION: The sides of the sports racket, and optionally the tip and throat bridge, include axially extending cutout portions. An insert member, having a plurality of string port holes and optionally conventional string holes, is seated in each cutout portion. The frame and insert member are preferably formed of different materials. COPYRIGHT: (C)2007,JPO&INPIT
权利要求
  • ストリング張り範囲(13)を形成するヘッド部(12)と前記ヘッド部(12)に結合されるハンドル部(15)を含むチューブ状フレーム(10)と、
    第1方向に互いに少なくとも概ね平行に延びるストリング片の第1組と、
    前記第1方向とは少なくとも概ね垂直な第2方向に、互いに少なくとも概ね平行に延び、前記第1組と絡み合わされて概ねストリングベッド平面に広がるストリングベッドを形成するストリング片の第2組とを含むスポーツラケットであって、
    前記ヘッド部(12)は、座面を含んだ切り抜き部(18,18' ,18'' ,18''' ,18'''' ,18a,18a',18b)を含み、
    前記ラケットは、内部に形成された少なくとも1つのストリングポート(32,32a,32b,32c,32d)を有する挿入部材(30,30' ,30'' ,30a,30b)をさらに備え、
    前記1つのストリングポートは、前記ストリングベッド平面と少なくとも概ね平行な軸を有し、
    前記1つのストリングポートは、前記の各ストリング片の間に規定の間隔を設けるために、前記ストリング片の第1組の一対のストリング端をそれぞれ受け止めるための対向する第1および第2支持面を備え、
    前記挿入部材は、張力が加えられたときにストリングの引っ張る力に逆らうために前記座面に噛み合う第3支持面を有することを特徴とするスポーツラケット。
  • 前記ヘッド部(12)は、一対の対向する側面を含み、それぞれの側面は、切り抜き部(18)および対応する挿入部材(30,30a)を含んでおり、
    ストリングベッドの対向する側面上にある挿入部材のストリングポート(32)は、一方のストリングポートの一方の支持面に隣接するストリング片が、ストリングベッドを横切った後、もう一方のストリングポートの反対側の支持面に支えられるように、互いにオフセットされている請求項1に記載のスポーツラケット。
  • それぞれの挿入部材(30,30a)は、複数のストリングポート(32)を含む請求項2に記載のスポーツラケット。
  • 前記ヘッド部(12)は、切り抜き部(18a)および対応する挿入部材(30b)を有する先端領域を含む請求項3に記載のスポーツラケット。
  • 前記ヘッド部は、少なくとも1つのストリングポートが内部に形成されるスロートブリッジを含み、このストリングポートは、先端領域にある挿入部材のストリングポートとは互いにオフセットされている請求項4に記載のスポーツラケット。
  • スロートブリッジ(14)は、一対の端(35)を有し、それぞれの端は、少なくとも1つのストリングが通過可能であり且つ前記ストリングベッド平面に広がる空間を間に有する一対の端部を備える請求項5に記載のスポーツラケット。
  • 前記ヘッド部(12)は、少なくとも1つのストリングポートが内部に形成されるスロートブリッジ(14)を含み、このストリングポートは、先端領域にある挿入部材のストリングポートとは互いにオフセットされている請求項3に記載のスポーツラケット。
  • スロートブリッジ(14)は、一対の端(35)を有し、それぞれの端は、少なくとも1つのストリングが通過可能であり且つ前記ストリングベッド平面が広がる空間を間に有する一対の端部を備える請求項7に記載のスポーツラケット。
  • 前記挿入部材は、前記ストリング片の第1組の他のストリングの端を受け入れるための少なくとも1つのストリング穴をさらに備える請求項1に記載のスポーツラケット。
  • 前記ヘッド部(12)は、切り抜き部(18a)および対応する挿入部材(30b)を含んだ先端領域を含む請求項1に記載のスポーツラケット。
  • 各挿入部材が複数のストリングポートを含む請求項10に記載のスポーツラケット。
  • 说明书全文

    この発明は、例えば、テニス、スカッシュ、バドミントン、およびラケットボールのラケット等のスポーツラケットに関する。

    このようなラケットは、ストリングが織り合わされたストリングベッドを含むヘッド部、ハンドル、およびヘッド部をハンドルに結合するシャフト部を有する。

    ほとんどの高性能スポーツラケットは、例えば炭素繊維で強化された樹脂等のコンポジット材料により成形されたフレームを有する。 ストリングの端を固定する穴は、ラケットの成形された後にドリルで開けられる。 フレームの外面に配置されるグロメット片(grommet strip)またはバンパー片(bumper strip)上に形成されるプラスチックグロメットペグ(plastic grommet pegs)は、ドリルで開けられた穴の鋭い縁からストリングを保護するためにストリング穴を通して延びている。

    成形工程の間に、ストリング穴を形成するための提案がされてきた。 例えば、所有者が共通の米国特許番号第6,800,239号(特許文献1)は、2つのフレームチューブで作られたラケットを開示しており、ストリング穴は、金型内において2つのチューブの間に配置された複数の穴形成ピンを用いた成形工程の間に形成される。 このようなラケットは、フレームを弱くし得る、材料を貫通する穴をドリルで開けることを必要としないので有利である。 さらに、2つのチューブは、成形の間、互いに加圧し合い、内部支持壁を形成し、これによりラケットは、さらに強化、補強される。

    所有者が共通のPCT出願WO2004/075996号(特許文献2)は、ストリング穴が内部に成形された別のスポーツラケットを開示している。 しかしながら、このラケットにおいては、隣接する従来のストリング穴の組が単一の拡大されたストリング穴に置き換えられるので、単一の拡大されたストリング穴の対向する側面は、2つのストリングを収容する。 このようなプロセスにより、ラケットヘッドの重量が減少され、'239号特許の事例のように、成形後にフレームを貫通してストリング穴をドリルで開けるフレームより硬く強固なフレームの生産につながる。

    米国特許番号第6,800,239号

    PCT出願WO2004/075996号

    ラケットスポーツにおいて、唯一の理想的なラケットは、存在しない。 プレーヤーが異なると、異なる競技特性(playing characteristics)を有するラケットが必要とされる。 例えば、初心者、中級者および上級者は、異なる競技特性を有するラケットをそれぞれ好む傾向がある。 また、プレーヤーによるラケットの選択は、プレーヤーの、振り方や競技スタイルのタイプに応じて変わる傾向にある。 サーブ&ボレープレーヤーは、ベースラインプレーヤーに好まれるラケットとはかなり異なる競技特性を有するラケットを好むかもしれない。

    一旦ラケットが設計され、組み立てられると、その競技特性を大幅に変更することは、困難である。 その全重量、剛性、バランス、質量および極慣性モーメント、スイートスポット、および反発係数は、フレームのデザイン、材料の選択、フレームを形成する材料の様々な層の繊維配向(fiber orientation)および、ストリング穴の数および配置により主に決定される。 重量、バランスおよび慣性モーメントは、ラケットの特定位置に配置される特殊なテープを用いることにより、また取り外し可能な部品を付けることにより、ある程度変更可能である。 しかしながら、このような手段により、ラケットは、元の設計より重くなり、通常望ましくはない。 さらに、ラケットが成形されて、ストリング穴が形成された後に、ラケットの剛性およびラケットのストリング張りパターン(stringing pattern)を変更することは、できない。 既存のラケットモデルの競技特性を実質的に変更するためには、ラケットフレームを再設計しなければならないであろう。

    様々なプレーヤーの需要を満たすために、製造会社は、多くの異なるラケットモデルを提供することを目下強いられている。 広範囲の競技特性を提供する一方でラケットモデルの数を減らすために、ラケットの製造後に競技特性のカスタマイズが可能なラケットを提供することが望ましい。

    この発明は、例えば、テニス、スカッシュ、バドミントン、およびラケットボールのラケットの、改良されたスポーツラケットを提供する。
    この発明による1つの実施形態において、ラケットフレームの側面に沿って、および任意に先端領域とスロートブリッジ(throat bridge)の中に、ラケットフレームは、ストリングベッド平面(string bed plane)に開口部(openings)を設けるためにフレームを貫通して延びる細長い切抜き部(cutout portions)を含む。 それぞれの切り抜き部は、座面(seat
    surface)を含む。 ストリング穴を含む分離した挿入部材(insert member)は、それぞれの切り抜き部に配置されており、適所でストリングの端を固定するために、ストリングに張が加えられるときに座面に支えられる(bears against)支持面(bearing surface)を含む。

    好ましくは、挿入部材は、切り抜き部において取り外し可能なように配置され、また、ラケットの競技特性に変更を加えるため、またはストリングベッドパターンを変更するために、異なる挿入部材、例えば異なる重量または異なるストリング穴間隔を有する挿入部材と交換可能である。 所望により、ラケットフレームは、顧客またはクラブ専門家(club professional)がストリング張りの前にできる挿入部材の選択とあわせて小売業者により提供されることが可能である。 所望により、ラケットのストリング張り替えのときに顧客が交換できるように、ラケットは、2組またはそれ以上の挿入部材とともに販売されることが可能である。

    好ましい実施形態において、それぞれの挿入部材は、2つの隣接するメイン(main)またはクロス(cross)ストリングを取り付けるための、少なくとも1つの拡大されたストリング穴(ここでは「ストリングポート穴(string port hole)」として言及される)を有する。 フレームと挿入部材は、互いに異なる材料で形成されることが好ましい。

    好ましくは、フレームは、従来のコンポジット材料で形成されるが、金属等その他の材料を用いることは、可能である。 挿入部材は、炭素繊維で補強されたコンポジット、金属、木材、セラミック、プラスチックまたは他の適切な材料、または、それらの組み合わせで形成されてもよく、主要な判断基準は、挿入部材がストリングの端を固定するのに十分な強度を備えなければならないということである。 材料の選択は、主に挿入部材が必要とする重量および柔軟性による。

    質量、バランス、極および質量慣性モーメント、剛性、振動および衝撃吸収を含む、ラケットの多くの競技特性を、プレーヤーが容易に変更できるようにする限りにおいて、挿入部材の使用は、ラケットの競技特性をカスタマイズすることに柔軟性を与える。 プレーヤーは、その競技特性を変更するために、ストリングベッドのストリングの間隔を互いに変えることもできる。 このように、プレーヤーは、ラケットを自分の競技能力や好みに合うように容易にカスタマイズできる。

    この発明により、例えば、異なった色や異なった外部デザインを有する挿入部材を用いることにより、プレーヤーは、さらにラケットの外観を変更することができるようになる。
    また、この発明により、ストリング穴を成形することや、ラケットが成形された後に個々のストリング穴をドリルで開けることが不要になるので、フレームを構成する工程を簡素化できる。 また、塗装工程も簡素化できるので生産コストを減少させることが可能になる。

    好ましくは、個々の挿入部材は、複数の隣接するストリングポート穴を含む。 挿入部材は、1つ以上の従来のストリング穴を含み得る。
    フレームの対向する側面にあるストリングポート穴は、ラケットの一方の側面のストリングポート穴の上面に支えられるストリングが、ストリングベッドを横切った後、ラケットの対向する側面のポートの下面に支えられるように、(存在するなら、先端とスロートブリッジにある対向するストリングポート穴も同様に)互いにオフセットされる。

    ストリングポート穴は、どのような適切な形状を有していてもよく、楕円形、円形、多形、曲線状、凸状、凹状または不規則な形であってもよい。 ストリングポート穴を用いることにより、ラケットの総重量を減少させることができ且つストリング張りが容易になる。 適切なストリングポート穴の例がWO2004/075996号に開示されており、この開示は、参照により取り込まれる。

    好ましくは、ストリング端の全ては、挿入部材のストリング穴に固定される。 好ましくは、外側のメインストリングが側面挿入部材のストリング穴に向かってスロートブリッジを通り抜けられるように、スロートブリッジは、ストリングベッド平面に開口部を形成する、分岐した端を有する。 このように、この実施形態において開口部および挿入部材は、スロートブリッジの端の下にある箇所まで、ラケットフレームの下方に広がっている。

    1つの実施形態において、米国特許出願公開(US Published Patent Application)NO. US2003/0162613号(この開示は、参照により取り込まれる)で広く開示された工程に従って、ラケットは、プレプレグ材料の2つのチューブを成形することにより形成される。 前述の公報に記載されたプロセスにおいて、2つのチューブは、フレームの上部フレーム半分と下部フレーム半分を個々に形成する。 従来サイズのストリング穴は、成形工程の前に上部チューブと下部チューブとの対向する壁の間に複数の金属ピンを配置することにより、2つのチューブの共有する壁の間に形成される。 次に、ピンは、フレームが成形された後に取り外され、成形されたストリング穴が残される。

    この場合において、ピンの代わりに切り抜きの形状をした金型要素(molding elements)が、成形前に上部チューブと下部チューブとの間に配置される。
    このように、切り抜きは、間隔が開けられ、また、汚れやが浸入しないように閉じられた2つのチューブ状部分により形成される (Thus, the cutouts are formed by the two space apart, closed tubular portions to keep out dirt and water.)。

    (実施形態)
    この発明の他の特徴および利点は、添付図面に関連した以下の好ましい実施形態の記載から明らかになる。

    図1は、部分的にストリングが張られたテニスラケットフレーム10を示す。 フレームは、ヘッド部(head portion)12を含み、ヘッド部の内側に向いた面が、ストリングベッドの広がる領域13を形成する。 ヘッド部は、ストリング張り領域13の下側部分を囲むスロートブリッジ(throat bridge)14を含む。 ヘッド部は、一対の収束する(converging)シャフト部材(shaft members)16によってフレームのハンドル部(handle portion)15と結合される。

    図2に示されるように、フレームのヘッド部12は、細長い切り抜き部(cutout portions)18、18aを含む。 切り抜き部18は、ヘッド部12のそれぞれの側面に沿って形成される。 第3切り抜き部18aは、先端に形成される。

    それぞれの切り抜き部18、18aは、ストリングベッドの平面においてフレーム10を貫通して延びる細穴(slot)20と、細穴20を囲み外側に面しているショルダー(shoulder)24を含む。 支持面として機能するショルダー24は、フレーム10の外面25に対してくぼんでおり、フレーム上の各位置において、フレームに出入りしているストリングの方向に垂直であることが好ましい。 代わりに、ショルダー24は、垂直以外の角度であり得る。 例えば、ショルダー24は、ストリングベッドに向かって内側に先細り(taper)にすることができる。
    所望により、1つ以上のサポートポスト(support posts)29が、切り抜き部18、18aを形成する上部フレーム部分と下部フレーム部分とをつないでもよい。

    挿入部材30、30a、30bは、切り抜き部18、18aに受け入れられる。 それぞれの挿入部材30、30aの下面は、ショルダー24に支えられる。
    好ましい実施形態において、挿入部材30、30a、30bは、それらの外面31がフレームの外面25と概ね同一平面になるような厚みを有している。 しかしながら、所望により、挿入部材の外面31は、フレームの外面25よりも上側または下側で広がり得る。 ストリングがフレームを通り抜ける方向にショルダー24が垂直になっている例において、挿入部材の対応する支持面18、18aは、平坦になっている。 ショルダー24が先細り、または、それ以外の形状である場合、対応する挿入部材の支持面は、先細りになっているか、または対応する形状を有し得る。 いずれの場合においても、支持面の機能は、ストリングに張力が加えられるときに、挿入部材18、18aが引っ張られてフレームを通り抜けないようにすることである。

    それぞれの挿入部材30、30a、30bは、複数のストリングポート穴32および複数の従来のストリング穴33を含む。 ストリングポート穴32、32aのそれぞれは、2つの隣接するメインストリング片または2つの隣接するクロスストリング片に通路を提供し、2つの隣接するストリング片の間の所望の間隔と等しい寸法を有する。 ここで用いられる「ストリング片(string segment)」という用語は、フレーム上の対向するストリング穴の間に延びるストリングの長さを指す。

    好ましくは、スロートブリッジ14の中心領域は、複数のストリングポート穴32a等を含むように成形され、スロートブリッジの両端35は、ストリングベッドの平面に、外側のメインストリング40が通過するための開口部36を形成するように分岐している。

    ラケットフレームの対向する側面(opposite sides)にあるストリングポート穴(string port holes)32は、1つのストリングポート穴32の1つの側面から延びるストリングが織り合わされたストリングベッドを横切った後にラケットの向かい合った側面にあるストリングポート穴32の反対側の側面に沿って延びるように互いにオフセットされている。
    先端領域およびスロートブリッジのストリングポート穴に関しても同様である。

    図1〜3の例において、側面に沿った挿入部材30、30aは、従来のストリング穴33に加えて、7つのストリングポート穴32を含んでいる。 先端にある挿入部材30bは、従来のストリング穴33に加えて、6つのストリングポート穴32を含んでいる。 しかしながら、図1〜3は、単に例示的なものに過ぎず、ストリングポート穴32および従来のストリング穴33の配置や数は、変更可能である。

    図1〜3の例において、ストリングポート穴32は、矩形である。 しかしながら、ストリングポート穴は、どのような適切な形、例えば、WO2004/075996号に示されるいかなる形にすることもできる。 フレームの異なるデザインパターンを創造するために、または、生産設備または生産にかかる費用の最小化といった他の理由のために、ストリングポート穴の形を変更することは、可能である。

    好ましくは、少なくともストリング平面内において、ストリングポート穴の外側の縁は、丸くなっており、ストリングは、穴を出入りする際に鋭い縁に接触することはなく、また、外側の縁は、ストリングの端を固定するガイド(guide)を形成する。

    挿入部材の外側面は、ストリング穴の間でストリングを案内する助けとなるストリング張り溝(stringing groove)48を含み、穴にあるストリング片の端を固定する。 好ましくは、ストリングが通り抜ける際にストリングが支えられる、ストリングポート穴の面は、図1および3で示されるように平面であり、また、ストリングベッドに対して垂直であり、ストリング端がストリングポート穴を通り抜ける方向と平行になるように向けられる。 これには2つの利点がある。 1つ目は、ボールがストリングベッドに衝突するときに、ストリング片の端がフレームの外側に沿ってのみ動きを抑えられるので、ストリング片は、フレームの外側を支点として旋回し(pivot from the outside of the frame)、これによりストリングの有効長(effective length)を増加させる。 2つ目は、ボールがストリングベッドを離れた後、ストリング片の端は、ストリングポート穴の面に擦れ、これによりストリング振動が減衰する。

    ストリングポート穴は、例えば、ラケットのバランスや競技特性を変えるために、フレームの質量分布(mass distribution)を変更するためのプラスチック部品、および/または、制振要素(vibration damping elements)および/または、重りを挿入するための、台座(seats)としても用いられ得る。

    図1は、何故ストリングポート穴が互いにオフセットされる必要があるのかを説明するために、部分的にストリング張りがされたラケットを示す。
    図示のように、先端挿入部材30bの外面に巻きついた後、メインストリング片40aは、ストリングポート穴32aの右手側を通り抜けてスロートブリッジ14に向かって延びている。 ストリング片40aは、ストリングポート穴32bの左手側を通り抜けてスロートブリッジ14に入り、スロートブリッジ14の外面に巻きつく。 次のストリング片40bは、ストリングポート穴32cの右手側を通り抜けた後、スロートブリッジ14から、挿入部材30bにあるストリングポート穴32aの左手側を通り抜けて延び、挿入部材30bの外面に巻きつき、次のストリングポート穴32dの右手側を通り抜けて延びる。

    数個の外側のメインストリング片40cは、スロートブリッジ14の分岐開口部(forked opening)36を通り抜けて、挿入部材30、30aにあるストリング穴に向かって延びる。 図示のように、分岐開口部36のサドル形状の基部38は、ストリング片40dの一つのための台座(seat)を備えている。

    図4〜8は、この発明の第2実施形態を示す。 フレーム10aのヘッド部12aの対向する両側面は、切り抜き部(cutout portions)18'を含み、また、先端領域は、切り抜き部18a'を含み、それぞれの切り抜き部は、挿入部材を受け止めるためにある。 さらに、スロートブリッジ14aは、他の挿入部材を受け止めるための切り抜き部(cutout portion)18bを含んでいる。 図示のように、切り抜き部18'、18a'は、図1〜3の切り抜き部18、18aほど長くはなく、ストリング穴のいくつかは、フレーム10aの切り抜き部と切り抜き部の間の領域にドリルで開けられ、または形成される。 図7は、挿入部材30'が切り抜き部18'の一つに受け止められる別の例を示す。 この例では、類似の挿入部材は、他の切り抜き部に受け止められる。

    図9〜10は、切り抜き部18''の内側に面する壁50が挿入部材を受け止めるために波状の形状(undulating shape)に設計されている、第3の実施形態を示す。 図10に示されるように、挿入部材30''は、切り抜き部18''にフィットするように、波状の側壁(undulating side walls)52を有する。

    図11〜12は、この発明の更に2つの実施形態を示し、ヘッド部12cおよび12dの両側面(sides)と先端のそれぞれが、1つ以上の切り抜き部18'''および18''''を有する。 図11の場合、切り抜き部18'''の内側に面する壁50cは、滑らかであり、一方、図12の場合、壁50dは、波状(undulating)である。

    好ましくは、ラケットフレームは、ここで参照により取り込まれる米国特許出願公開(US published patent application)No.US2003/0162613号に記載されているものと同様の工程に従って形成される。 図13で概略的に示されるように、未硬化(uncured)コンポジット材料の一対の中空プレプレグチューブ(hollow prepreg tubes)60、61は、閉じられたときにラケットフレームの形状をした金型キャビティ(mold cavity)を内側に形成する、金型の上半分および下半分62、64の間に配置される。 膨張式(inflatable)ブラダー部材(bladder member)65は、それぞれのプレプレグチューブを通り抜けて広がっている。
    それぞれのブラダー部材65は、金型が閉じられたときに金型から突き出る一対の端を有する。

    金型を閉じる前に、切り抜き部の所望の形状をした金型部材(mold members)66は、切り抜き部の所望とされる位置の、上部および下部チューブ60、61の間に配置される。 その後金型は、閉じられ、ブラダー部材65は、プレプレグチューブ60、61が金型および挿入部材(insert members)66の形状をとるように膨張させられる。 同時に、金型は、コンポジット材料を硬化させるために加熱される。

    成形の間、上部および下部チューブ60、61の隣接する壁(the abutting walls)は、金型部材66が壁を互いに分離させている箇所を除いて、融合してストリングベッド平面に共有内部壁を形成する。 成形の後、金型部材66は、切り抜き部を残してフレームから引き抜かれる。

    また、この発明によるラケットは、米国特許第6,071,203号に記載された方法によって製造することも可能である。
    このようなラケットフレームも、チューブの上半分および下半分の対で形成される。 しかしながら、チューブ状フレームの上半分および下半分は、個々に成形され、その後、互いに接着される。

    所望により、この発明によるラケットは、他の方法により製造することが可能である。
    例えば、従来の膨張成形工程と同様の膨張成形工程を用いて、プレプレグ材料の単一のチューブ(single tube)からフレームを成形することができる。
    従来の工程のように、膨張式ブラダーは、プレプレグチューブに挿入され、チューブは、フレームの所望の形状を有する金型に挿入される。 その後、チューブは、プレプレグ材料が硬化されるときに、膨張させられ金型の形状に従う。

    図14〜16で参照されるように、この発明によるラケットを製造するために、内部に膨張式ブラダー(inflation bladder)71を有する中空プレプレグチューブ70は、挿入物を受け止めるための切り抜きの形状をした側壁(side walls)75により切り抜きブランク(cutout blanks)74を形成する形状の金型に置かれる。 図示のように、切り抜きブランク74は、成形工程の間にプレプレグチューブ70の対向する面が溶融されて一体化された箇所に形成される底壁(bottom wall)76を有する。 ラケットフレームが金型から取り外された後、完成した切り抜き部80を形成するために細穴(slots)78がドリルで開けられる。 細穴78は、挿入部材(図示せず)のための支持面を形成可能であり且つ外側に面したショルダー82を残すようにドリルで開けられる。

    代わりに、他の公知の工程に従って、フレームは、短く切られた繊維を含むコンポジット材料の射出成形(injection molding)により、形成され得る。 これにより成形後にブロッキング壁(blocking wall)を取り外すことを必要とせずに、切り抜きが直接成形されるようになる。 金属製のラケットの場合には、例えば、フレームを押出成形して(extruding)、その後ストリング穴をドリルで開けて、そしてストリング穴を拡大するという従来の手法でフレームが形成され得る。

    最後に、フレームは、所望により2つのブラダー(double bladder)を用いて作られ得る。 切り抜きが存在する領域において、プレプレグチューブは、それぞれのブラダー(bladder)のまわりに形成される。 フレームの他の部分では、両方のブラダーは、共通のチューブの内部を通り抜けて延びる。 切り抜きが形成されるところで、挿入金型部材が2つのプレプレグチューブ部分の間に挿入され、その後フレームは、従来手法の膨張成形(inflation molding)により形成される。

    ここで用いられる「側面(side)」という用語は、一般に上部および下部のコーナーの間のラケットヘッドの領域を指し、「先端(tip)」とは、一般に上部コーナーの間のヘッドの領域を指す。 しかしながら、これらの用語は、技術用語(terms of art)ではないので、ここで用いられる「側面」および「先端」には、側面または先端のいずれの部分が含まれてもよく、コーナーとみなされる部分さえ含まれ得る。

    前述のものは、この発明の好ましい実施形態を表すものである。 バリエーション(variations)や変更(modifications)は、ここに開示される発明的概念から外れることなく、当業者(persons skilled in the art)にとって明らかであろう。
    例えば、好ましい実施形態において、挿入部材のための台座(seat)を形成するショルダー24は、ストリングに対して垂直であるが、他の形状も用いられ得る。 例えば、切り抜き部は、ストリングベッドの向きに先細り(taper)になる壁を有し、挿入部材もまた先細りになる壁を有し得る。 張力が加えられたときのストリングの力により、挿入部材を切り抜き部に堅固に保持することが確実になる。

    別の可能性は、金型に置かれた予備形成された挿入物(pre-formed inserts)と共に、ラケットの炭素繊維フレームを形成することである。 この実施形態において、挿入物は、フレームから取り外されない。 しかしながら、この実施形態では、フレームが挿入物の形状に適応するので、フレーム開口部にぴったり納まることを保証する公差で挿入物を形成するための高価な設備が必要とされない。 プラスチック、金属、炭素繊維コンポジット、木材、セラミック等で作られ得る挿入物は、プレプレグチューブと共に、金型の所望の位置に置かれる。 プレプレグチューブが加熱および膨張させられるとき、エポキシ樹脂または熱可塑性樹脂(thermoplastic resin)は、挿入物にしっかりと接着し、挿入物を永続的に所定位置に保持する。

    挿入物の特性は、材料の選択に基づいて選択可能である。 挿入物がプラスチックである場合、減衰(damping)、ソフトな当たりの感触(soft hitting feeling)などの特徴を実現することができる。 挿入物が他の材料である場合、弾力性(elasticity)など、異なった特性となり得る。 すべてのこのような変更とバリエーションは、特許請求の範囲(claims)で定義される発明の範囲に含まれることが意図される。

    この発明の第1実施形態による部分的にストリングが張られたテニスラケットの斜視図である。

    ストリング張り前の、図1のテニスラケットフレームおよび挿入部分の斜視図、分解組立図である。

    ストリング張り後の、図1のフレームの部分の平断面図である。

    この発明の第2実施形態によるラケットフレームの斜視図である。

    図4のフレームの縦断面図である。

    図4のラケットフレームの側面図である。

    図4〜6に示される、ラケットフレームに用いる挿入部材の斜視図である。

    図4と同様であるが、挿入部材を併せて示した図である。

    この発明の第3実施形態によるラケットフレームの斜視図である。

    図9のフレームに用いる挿入部材の斜視図である。

    この発明の第4実施形態によるラケットフレームの斜視図である。

    この発明の第5実施形態によるラケットフレームの斜視図である。

    この発明によるラケットを形成するための成形工程の略図である。

    代替成形工程により製造されたラケットフレームの一部の側面図である。

    代替成形工程により製造されたラケットフレームの一部の横断面図である。

    切り抜き部の形成が完了した後の図14〜15のラケットフレームを示す。

    符号の説明

    10・・・チューブ状フレーム 12・・・ヘッド部 13・・・ストリング範囲 14・・・スロートブリッジ 15・・・ハンドル部 18,18' ,18'' ,18''' ,18'''' ,18a,18a',18b,80・・・切り抜き部 20,78・・・細穴 24,82・・・ショルダー 29・・・サポートポスト 30,30' ,30'' ,30a,30b・・・挿入部材 31・・・挿入部材の外面 32,32a,32b,32c,32d・・・ストリングポート 33・・・ストリング穴 35・・・スロートブリッジの両端 36・・・分岐開口部 40・・・メインストリング 40a,40b,40c,40d・・・ストリング片 48・・・溝 60,61,70・・・プレプレグチューブ 62・・・金型の上半分 64・・・金型の下半分 65・・・ブラダー部材 66・・・金型部材 71・・・膨張式ブラダー 74・・・切抜きブランク

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