Alloy blend of polyurethane and rubber

申请号 JP2006507269 申请日 2004-03-17 公开(公告)号 JP2006522200A 公开(公告)日 2006-09-28
申请人 インヴィスタ テクノロジー エスアエルエル; 发明人 エル.マキニス エドウィン; アラン サンダスキー ドナルド;
摘要 本発明は、特にテニスボールに適用できるように、空気のようなガスの通過に抵抗する、膨張式スポーツボールまたは自転車チューブのような、バリア物品を製造するのに好適なゴム配合物、より具体的には天然および/または合成ゴムとアロイ化された実質的に非晶質の混練できるポリウレタンを含有するゴム配合物に関する。
权利要求
  • ゴムとアロイ化された実質的に非晶質の混練できるポリウレタンを含むことを特徴とするガス透過バリア物品を形成するのに好適な組成物。
  • 前記ゴムが約50%以下の粘土と混合されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  • 25℃で、約5.5cm cm/cm 秒パスカル10 −13以下の酸素透過度を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  • 前記混練できるポリウレタンがポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルエーテルグリコール、およびポリプロピレンエーテルグリコールよりなる群から選択されるエーテルグリコールを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  • 前記ゴムがポリイソプレン、ポリブタジエン、およびそれらのブレンドよりなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  • 前記ゴムがポリイソプレンであることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  • 前記ポリイソプレンが天然物または合成品であることを特徴とする請求項5に記載の組成物。
  • 少なくとも10重量パーセントの混練できるポリウレタンを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  • 少なくとも40重量パーセントの混練できるポリウレタンを含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  • カオリン粘土増量剤、硫酸バリウム密度フィラー、二酸化ケイ素硬化剤、フタル酸エステル・プロセスオイル、酸化亜鉛硬化、硫黄硬化剤、N−第三−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド硬化助剤、ジフェニルグアニジン促進剤、二塩基性ステアリン酸亜鉛硬化助剤、ベンゾチアジルジスルフィド促進剤、および塩化亜鉛/MBTS錯体硬化活性化剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  • ゴムとアロイ化された実質的に非晶質の混練できるポリウレタンを含むことを特徴とする膨張式製品。
  • 前記ゴムが約50%以下の粘土と混合されることを特徴とする請求項11に記載の膨張式製品。
  • 前記組成物が25℃で、約5.5cm cm/cm 秒パスカル10 −13以下の酸素透過度を有することを特徴とする請求項11に記載の膨張式製品。
  • 前記混練できるポリウレタンがポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルエーテルグリコール、およびポリプロピレンエーテルグリコールよりなる群から選択されるエーテルグリコールを含むことを特徴とする請求項11に記載の膨張式製品。
  • 前記ゴムがポリイソプレン、ポリブタジエン、およびそれらのブレンドよりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の膨張式製品。
  • 前記ゴムがポリイソプレンであることを特徴とする請求項15に記載の膨張式製品。
  • 前記ポリイソプレンが天然物または合成品であることを特徴とする請求項15に記載の膨張式製品。
  • 前記組成物が少なくとも10重量パーセントの混練できるポリウレタンを含むことを特徴とする請求項15に記載の膨張式製品。
  • 前記組成物が少なくとも40重量パーセントの混練できるポリウレタンを含むことを特徴とする請求項11に記載の膨張式製品。
  • カオリン粘土増量剤、硫酸バリウム密度フィラー、二酸化ケイ素硬化剤、フタル酸エステル・プロセスオイル、酸化亜鉛硬化、硫黄硬化剤、N−第三−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド硬化助剤、ジフェニルグアニジン促進剤、二塩基性ステアリン酸亜鉛硬化助剤、ベンゾチアジルジスルフィド促進剤、および塩化亜鉛/MBTS錯体硬化活性化剤をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の膨張式製品。
  • ボール、インナーチューブ、およびチューブレスタイヤよりなる群から選択されることを特徴とする請求項11に記載の膨張式製品。
  • 前記インナーチューブが自転車インナーチューブであることを特徴とする請求項11に記載の膨張式製品。
  • ゴムとアロイ化された実質的に非晶質の混練できるポリウレタンを含むことを特徴とするテニスボール。
  • 前記ゴムが約50%以下の粘土と混合されることを特徴とする請求項23に記載のテニスボール。
  • 前記アロイが25℃で、約5.5cm cm/cm 秒パスカル10 −13以下の酸素透過度を有することを特徴とする請求項23に記載のテニスボール。
  • 前記混練できるポリウレタンがポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルエーテルグリコール、およびポリプロピレンエーテルグリコールよりなる群から選択されるエーテルグリコールを含むことを特徴とする請求項23に記載のテニスボール。
  • 前記ゴムがポリイソプレン、ポリブタジエン、およびそれらのブレンドよりなる群から選択されることを特徴とする請求項23に記載のテニスボール。
  • 前記ゴムがポリイソプレンであることを特徴とする請求項27に記載のテニスボール。
  • 前記ポリイソプレンが天然物または合成品であることを特徴とする請求項28に記載のテニスボール。
  • 前記アロイが少なくとも10重量パーセントの混練できるポリウレタンを含むことを特徴とする請求項23に記載のテニスボール。
  • 前記アロイが少なくとも40重量パーセントの混練できるポリウレタンを含むことを特徴とする請求項23に記載のテニスボール。
  • N330カーボンブラック、ジブトキシエトキシエチルアジペート(DBEEA)可塑剤、ステアリン酸亜鉛促進剤、ステアリン酸加工助剤、ナフテン系プロセスオイル、ベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)促進剤、2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)促進剤、硫黄およびテトラメチルチウラム(TMTD)ジスルフィド促進剤をさらに含むことを特徴とする請求項23に記載のテニスボール。
  • 说明书全文

    本発明は、特にテニスボールに適用できるように、空気のようなガスの通過に抵抗する膨張式スポーツボールまたは自転車チューブのような、バリア物品を製造するのに好適なゴム配合物、より具体的には天然および/または合成ゴムとアロイ化された実質的に非晶質の混練できるポリウレタンを含有するゴム配合物に関する。

    (関連出願の相互参照)
    本件出願は2003年3月18日出願の仮特許出願第60/455,674号の優先権の利益を主張するものである。

    中空コアテニスボール、またはサッカーボール、バレーボール、バスケットボールもしくは自転車インナーチューブ用の空気袋のような、加圧スポーツ物品を製造するためのゴム組成物には、加硫性の天然ゴムまたは合成ブチルゴムおよびそれらの組合せが一般に使用される。 これらの硬化ゴム成分は従来のゴム混練および成形法で製造され、幾つかの特性では十分であるが空気保持率か弾性特性かのいずれかで典型的には不十分である製品を形成する。

    天然ゴムでできている空気袋、または「コア」は、不十分なガスバリア性能、望ましくもなく高いゴム老化、および望ましくないゴム・ヒステリシス特質に悩まされ得る。 天然ゴムは時間と共に時効硬化することが知られ、ゴムがその伸長前の弾性特性を容易には回復しないという高いヒステリシスに悩まされる。 さらに、天然ゴムの不十分なガスバリア性能のために、加圧された内側と周囲外側との間の圧勾配は、空気が天然ゴムでできたボールから徐々に拡散するようにさせる。 空気の損失は究極的にはこれらのボールをプレイに不適なものにする。 望ましくないゴム老化および不満足なゴム・ヒステリシス特性の結果として、これらのボールの跳ね返りおよび感触は普通の使用時間枠内に実質的に衰える傾向がある。

    対照的に、従来の合成ブチルゴム・コアのボールは優れた空気保持特性を有する傾向がある。 しかしながら、それらは回復性の点で著しく不十分であり、それはそれらの跳ね返り、コントロール、および感触に負の影響を及ぼす。 回復性の欠如は、インナーチューブのような物品のパンク損傷への脆弱性を悪化させる。

    ゴムコアの回復性および内部空気圧はテニスボールに跳ね返りを与え、それはテニスボールがインパクト後にその球形状を速やかに回復するようにさせる。 テニスボールは非常に劇的に変形し、そのコアは非常に厚いので、内部ガス圧保持率およびゴムコア弾性特性の両方の信頼性が同時に重要になる。

    テニスボールは、それに永久に接着されたフェルトカバー付きの中空ゴムコアを従来含む。 1920年代初期以来、ほとんどのテニスボールは約2気圧絶対に加圧されてきた。 しかしながら、コア内側と外側との間の圧力差のために、空気は徐々に外側に拡散し、良好な跳ね返りおよびプレイ性の損失をもたらすボールの「軟化」を引き起こす。 従って、少なくともプレイの開始までボール中の内部圧力を維持するために、気密な加圧缶中にテニスボールをパックすることは一般的な方法である。

    しかしながら、いったんテニスボールがその加圧缶から取り出されると、空気圧損失が始まり、それによってボールの軟化が再開し、プレイの一貫性は悪化し続ける。 結果として、テニスボールはたったの数ゲーム後にしばしば捨てられる。

    天然ゴム空気袋とブチルゴム空気袋との差についての説明に役立つ実例は、最先端ブチル・サッカーボールおよび最先端天然ゴム・サッカーボールで観察される。 ブチルゴムの優れた空気保持率が天然ゴム・サッカーボールの優れたプレイ性よりも概して高く評価されるので、ブチル・サッカーボールは天然ゴム・サッカーボールよりはるかに一層一般的である。 一方、高級性能サッカーボールでは、天然ラテックスゴム空気袋が空気保持率でかなり不利であるが優れた足速度およびコントロールのために用いられる。 天然ゴム・サッカーボールの不満足な空気保持率は、長い暑い夏の日にさらにより大きな問題になる。

    幾つかのアプローチがテニスボールからの空気漏洩を減らすために用いられてきた。 米国特許公報(特許文献1)は、コアがゴムおよびエチレンと1つまたは複数のアルケンとの共重合体と定義されるプラストマーを含有するコンパウンドから形成されている圧力なしテニスボールを記載している。 米国特許公報(特許文献2)は、コアが特別のポリブタジエン組成物を含有するゴム・コンパウンドから形成されている別の圧力なし中空ボールを記載している。 別の米国特許公報(特許文献3)は、天然ゴム、シス−1,4−ポリブタジエン、およびエチレンの共重合体を含むエラストマー組成物をベースとするさらに別の圧力なし中空ボールを記載している。 しかしながら、これらの空気なしテニスボールは、加圧ボールと同じ「感触」および跳ね返りを持たず、それ故これらの圧力なしボールはテニスプロによって採用されてこなかった。

    アプローチを適用するための別の困難は、空気袋またはコア半分の内側に吹き付け被覆された柔軟なバリアを用いることである。

    別のアプローチは、空気よりもっとゆっくりゴムを透過するガスを使用することである。 2つのかかるガスは窒素および六フッ化硫黄である。 しかしながら、これらのそれぞれは高価であり、使用するのが面倒である。 六フッ化硫黄のケースでは、内部圧力は、分圧勾配によって駆動される、および六フッ化硫黄の比較的遅い透過性によって制限されるボールの外側からボールの内側への空気分子の空気ポンピングのために時間と共に実際に増加する。 (米国特許公報(特許文献4)に記載されている)。

    テニスボール中の空気圧をコントロールするためにある研究者によって採られた別のアプローチは、米国特許公報(特許文献5)に記載されているように、そこからテニスボールがプレイ場所で加圧されるバルブをテニスボール中へ挿入することであった。 概念上は、その場空気ポンプを使ってボールを空気で頻繁に加圧することを想像することができる。 これは、プレイ中に行うのに便利な操作とは見られない。 さらに、天然ゴムまたは人造ゴムのようなエラストマー材料の成形球状殻でできているこれらのテニスボールは、ポンピング事象の間に空気漏洩によるボールの同じ軟化に悩まされる。

    米国特許第6,030,304号明細書

    米国特許第5,225,258号明細書

    米国特許第4,145,045号明細書

    米国特許第4,340,626号明細書

    米国特許第4,327,912号明細書

    米国特許第5,558,325号明細書

    トーマス エル. ジャブロノフスキー(Thomas L.Jablonowski)著、「ポリウレタンゴムの従来型ゴムとのブレンド(Blends of Polyurethane Rubbers with Conventional Rubbers)」、ゴム部門、米国化学会、論文(Rubber Division,American Chemical Society,Paper)、46(1999年4月)、13〜19ページ

    テニス業界は、テニスボール寿命およびプレイの一貫性のための効果的な低コストの改善を長い間求めてきた。 本発明は、テニス業界に効果的な解決策を届けるものである。

    本発明の態様は、実質的に改善されたバリア性を有するテニスボール、バスケットバール、バレーボール、サッカーボール、インナーチューブ、およびタイヤのような、中空のまたは膨張式ゴム物品のための新規な配合物を提供する。

    本発明の態様は、回復性、強度などのような他の機械的性質の良好なバランスに加えて高バリア性を与える新規な混練できるポリウレタン(MPU)/ゴムアロイを提供する。

    本発明のさらなる態様は、新たな製造装置またはプロセスラインを必要とすることなくバリア物品を製造するために使用することができる新規なMPU/ゴム配合物を提供する。

    本発明の態様は、ゴムとアロイ化された混練できるポリウレタン(MPU)を含む組成物を提供する。 さらなる態様は実質的に非晶質であるMPUを提供する。

    本発明の態様は、25℃で約(5.5cm cm/cm ・秒・Pa)10 −13以下の酸素透過度を有する組成物を提供する。

    本発明の態様は、混練できるポリウレタンがポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルエーテルグリコール、およびポリプロピレンエーテルグリコールよりなる群から選択されるエーテルグリコールを含むMPU/ゴムアロイを提供する。 さらなる態様は、天然または合成のポリイソプレン、ポリブタジエン、およびそれらのブレンドであるゴムを提供する。

    本発明の態様は、3MPaより大きい引張強度、10%より大きい回復性および1.5未満のタンジェントデルタで特徴づけられるヒステリシス応答に加えて少なくとも2〜3倍大きい空気保持率を驚くべきことにも有するゴム配合物を提供する。

    さらに、本新規配合物のアロイは、部分MPU組成の関数としての酸素透過度の曲線において、約40重量%の混練できるポリウレタン/60重量%の天然または合成ゴムで変曲点を示す。

    本発明のさらなる態様、利点、特徴、特性、および関係のより良い理解は、下に添付される追加の詳細な説明および実施例で得られるであろう。

    本発明の範囲を完全に理解するのを助けるために、各用語の意味が明確になるように定義および詳細な説明が本明細書で提供される。

    ポリウレタンは、典型的には3クラスの前駆体サブユニット:(1)1つまたは複数の長鎖ポリオール、(2)1つまたは複数のポリイソシアネート、および(3)1つまたは複数の連鎖延長剤(イソシアネート基と反応することができる2つ以上の活性素含有基を含有する短鎖分子)を化合させることによって典型的に製造されるクラスの材料である。

    長鎖ポリオール(1)は、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネート、またはそれらの混合物から誘導されたポリヒドロキシ化合物である。 好適なポリエーテルには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、またはこれらの材料の共重合体が含まれる。 好適なポリエステルは、2〜12個の炭素原子を有するジカルボン酸と分子当たり2つ以上の活性ヒドロキシル基を含有する2〜10個の炭素を含有する多価アルコールとから製造されてもよい。

    ポリイソシアネート(2)は、分子当たり2つ以上の反応性イソシアネート基を含有する、トリまたはより多価イソシアネートだけでなく、ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのような脂肪族、脂環式、または芳香族であってもよい。

    連鎖延長剤(3)は、イソシアネート基と反応することができる2つ以上の活性水素化合物を含有する短鎖分子である。 連鎖延長剤の例には、グリセロールモノアリルエーテル、トリメチレングリコールモノアリルエーテル、グリセロールモノリネオレート、および類似の化合物が挙げられるが、それらに限定されない。 様々なサブユニットが当該技術で公知である方法で順次にまたは同時に化合させられてもよい。

    ポリウレタンは当該技術に慣習的なものであり、それによりタイプ1、2、および3の化合物が温度および混合のコントロールされた条件下に化合させられる多数の公知手順によって合成されてもよい。 ポリウレタンは、3つのサブユニット・タイプの性質および相対的割合により実質的に結晶質であっても、半結晶質であっても、または実質的に非晶質であってもよい。

    同等に「ソフトセグメント」または「ソフトブロック」として知られる、「非晶質」領域は、長鎖ポリオール(1)によって寄与される。 同等に「ハードセグメント」または「ハードブロック」として知られる、「結晶質」領域は、ポリイソシアネート(2)と連鎖延長剤(3)との結合によって寄与される。

    ポリウレタンはエラストマーとしてまたは堅いハードな熱可塑性樹脂として挙動することができる。 ポリマーの堅さおよび硬直さは、ハードブロック単位の相対百分率が増えるにつれて典型的に増加する。 さらに、ハードブロック単位の対称性および直線性が増えるにつれて、これらの単位がソフトブロックとは別個の領域を形成する傾向が増加する。 ハードブロック領域は、強い分子内引力によって特徴づけられ、それらをバラバラにするためには熱が必要であるので、結晶質と言われる。 ハードブロック領域は明確な温度範囲より上で溶解して解離し、それらは示差走査熱量測定法(DSC)のような技法を用いて特徴づけられる。 サンプルは融解転移を通って加熱されるので、ピークが熱流曲線に観察される。 このピークのサイズはサンプルの結晶質含有率に比例する。 ピークの実質的な欠如は、ポリウレタンが非晶質であること、最小量だけの、約5重量%未満の結晶化度が存在することの目安と取ることができる。

    用語「実質的に非晶質のポリウレタン」は、DSCまたは類似の技法で測定されるように約5重量%未満の結晶化度を有するポリウレタンを包含する。 さらに、該用語は、本質的に何の極性または対称の連鎖延長剤(3)も使用しないで合成されたポリウレタンを包含する。

    用語「混練できるポリウレタン」(MPU)は、従来のゴム装置で加工することができる(しばしば「混練性」と言われる)ポリウレタン材料を包含し、MPUは非晶質であるか、DSCによってまたは同等の技法によって測定されるように、約0〜5重量%の範囲の結晶化度を有するかのどちらかであってもよい。

    混練できる非晶質ポリウレタンは、それによって混練できるポリウレタン(MPU)ゴムが形成され、その後架橋され、カーボン、粘土、シリカまたは当業界で公知の類似のフィラーで充填される方法によって典型的には製造される。 MPUは一般に分子量が典型的なポリウレタンより低い(約30,000対60,000〜100,000グラム/モル)。 MPUはまた、従来のゴム加工で典型的に使用される硬化剤および促進剤と反応することができる化学基を含有する。 典型的なMPU組成物は、少量だけの短鎖ジオール(3)と共にポリオール(1)およびポリイソシアネート(2)よりなる。 典型的には、短鎖ジオールは非対称であり、ゴム架橋剤との反応に好適な化学基を含有する。 使用される典型的な化合物はグリセロールモノアリルエーテル(GAE)である。

    分子量を制限し、従来のゴム加工装置でゴムを加工可能にするのに十分なほど最終MPUの粘度を下げるために、ポリオールプラス短鎖グリコール対ポリイソシアネートの比は1より大きい(すなわち、[(1)+(3)]/(2)>1)。 かかるモノマー比は、最終MPU中に殆どまたは何の対称ハードブロックの形成ももたらさない。 そのように形成されたエラストマーは、本質的に、または実質的に非晶質である。 MPUは、DSCスペクトルでハードセグメント融解転移の実質的欠如によって明らかなように、約5重量%未満の結晶化度を含有する。

    本質的に非晶質の混練できるポリウレタン(MPU)は、ポリテトラメチレンエーテル(PTMEG;テラサン(Terathane)(登録商標)、イー・アイ・デュポン・ドゥ・ヌムール・アンド・カンパニー、デラウェア州ウィルミントン(E.I.du Pont de Nemours and Company、Wilmington,DE)のようなグリコール(ポリオール1)を反応容器中でジイソシアネート(2)および短鎖官能性ジオール(3)と混合することに製造される。混合物は約30,000gm/モルの分子量に重合され、放冷され、硬化する。好適な、しかし限定されないポリオール(1)には、ポリエステルエーテルグリコール、ポリプロピレンエーテルグリコール、および混練できるポリウレタンを生じる任意の他のグリコールが含まれる。

    本発明のMPUのジイソシアネート(2)前駆体は好ましくはジフェニルメタンジイソシアネートおよびトルエンジイソシアネートであるが、それらに限定されない。 好適なジイソシアネートには、ヘキサンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ビスシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネートが含まれるが、それらに限定されない。

    本発明のMPUの短鎖官能性ジオール(連鎖延長剤3)前駆体は好ましくはグリセロールモノアリルエーテルおよびトリメチロールプロパンモノアリルエーテルであるが、それらに限定されない。 好適な短鎖ジオールには、ジエチレングリコール、トリプロピレングリコール、および1,3−ブタンジオールが含まれるが、それらに限定されない。 しかしながら、ハードセグメントを導入する傾向がある、極性の連鎖延長剤は本質的には本合成から除外される。

    ゴムとアロイ化された少なくとも10〜40重量%のMPUを含有する改善されたゴム配合物から製造された場合に、空気膨張式スポーツボールまたはチューブのようなバリア物品が他の望ましい機械的性質だけでなく少なくとも2〜3倍良好な空気保持率を明示するという予期せぬ観察のために、本発明の配合物は実質的に非晶質のMPUを含む。 さらに、実質的な結晶化度を含有するポリウレタンは、ミル加工可能ではなく、より高い空気透過度を有する。 さらに、MPUを使用する本発明の配合物は、スポーツボール業界の長い間満たされなかった要求を満たす。

    用語「ゴム」は、天然および合成ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ハロゲン化ポリブチルゴム、およびポリエチレンプロピレンジエンモノマーゴムを包含する。 好ましいゴムはポリイソプレンである。

    本明細書で用いるところでは、用語ゴムは、約50%粘土および他の添加剤入りのゴムをさらに包含する。 好ましい粘土はスプレックス(Suprex)(登録商標)として販売されているカオリンである。 他の添加剤には、高密度化フィラーとしての硫酸バリウム;硬化剤としての二酸化ケイ素、酸化亜鉛、ステアリン酸亜鉛、硫黄およびN−第三−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド;フタル酸エステル・プロセスオイル;ジフェニルグアニジンおよびベンゾチアジルジスルフィド、促進剤;ならびに硬化活性化剤としてのセインキュア(Thanecure)(登録商標)ZM、塩化亜鉛/MBTS錯体が含まれるが、それらに限定されない。

    本発明のアロイは、90〜10重量%のMPUおよび10〜90重量%のゴム、好ましくは60〜40重量%のMPUおよび40〜60重量%のゴムを含む。 最も好ましくは、MPUの百分率は、アロイ材料のコストをできる限り低く保つために、図1で変曲点の左側の急勾配の線によって描かれる範囲に、具体的には、10〜40%(重量%)の範囲に入るべきである。 用語「アロイ」は、ポリウレタンとゴムとを含む相互貫入ポリマー・ネットワークを包含する。 本発明のアロイは、MPUを従来のゴム(天然または合成)と組み合わせ、さらに添加剤、硬化剤、およびフィラーを配合することによって製造される。

    MPUおよびゴムは、バンバリー(Banbury)または他の好適な業界標準ミキサーで所望の割合で混合される。 混合物は、良好な一様なブレンドを得るためにかみ砕かれ、次にカレンダー加工される、またはある他の業界標準混合技法によって処理される。 所望の硬化剤、添加剤、およびフィラーはカレンダー加工の間にブレンドされる。 様々な成分は、ゴムの硬化を防ぐのに十分に低い温度で混合される。 混合物は、後続の成形機による使用に好適な一貫性を得るのに十分な時間カレンダー加工される。

    用語「ヒステリシス」は、エラストマーを屈折させるまたは変形させるために用いられたエネルギーを可逆的に吸収する、貯蔵する、および返す材料の能力を包含する。 ヒステリシスは、動的機械分析および繰り返し応力−歪みサイクリングをはじめとする技法によって典型的には測定される。

    用語「特性のバランス」は、スポーツボール、例えば、テニスボールのプレイ性および性能がたわみ、跳ね返り、空気圧、重量、およびサイズに関してUSTA規格に適合することに影響を及ぼす強度、弾性率、伸び、硬度、回復性、およびガラス転移温度のような材料特性を包含する。

    酸素透過度は、米国材料試験協会(ASTM)D1434に従って測定され、規格(5.0cm cm/cm ・秒・Pa)10 −13未満は、比較例A、C、およびEでGP−1、GP−2、およびGP−4で測定されるように最先端テニスボール・コアの測定によって規定された基準に基づいて規定された。

    テニスボール、他の空気膨張式スポーツボール、チューブ、およびタイヤのようなバリア物品は、圧縮成形、トランスファー成形、カレンダー加工などのようなゴム物品を形成するのに好適な幾つかの技法の任意を用いて本発明のアロイを所望の形状へ成形することによって製造される。 バリア物品は、本発明のMPU/ゴムアロイを従来の成形装置で硬化させることによって形成される。 テニスボールのカートンを顧客またはプロ−ショップに発送する前のフェルトでのゴムボールのラッピング、過剰材料の切断、研磨包装などのような、テニスボールを形成するために必要なその後の従来の下流加工は、米国特許公報(特許文献1)、米国特許公報(特許文献2)および米国特許公報(特許文献6)に教示されている。

    ポリエステル−ベースの非晶質ポリウレタンは、PTMEG−ベースの材料がしたよりもさらにガス透過度および温度依存性を低下させた。 しかしながら、ポリエステル−ベースの材料はテニスボールに好適な特性のバランスを助長しなかった。 類似の結果がポリプロピレンエーテル−ベースの非晶質ポリウレタンに予期されてもよい。 その結果として、PTMEG−ベースのMPUはよく調整された便益を提供し、本発明での使用に好ましい。 しかしながら、ポリエステルまたはポリプロピレンエーテルグリコールをベースとするMPUで見いだされた欠陥の幾つかを軽減する、ポリブタジエンをアロイに添加することができる。

    本発明は具体的な方法または添加剤に限定されない。 下に述べられる実施例は当該技術で一般に用いられる方法および添加剤を用いる。 ゴム商品を製造するために当該技術で典型的に用いられる加工方法、硬化および添加剤パッケージは(非特許文献1)に記載されている。 該参考文献は、N330カーボンブラック、ジブトキシエトキシエチルアジペート(DBEEA)可塑剤、ステアリン酸亜鉛促進剤、ステアリン酸加工助剤、ナフテン系プロセスオイル、ベンゾチアジルジスルフィド(MBTS)促進剤、MBT2−メルカプトベンゾチアゾール促進剤、硫黄およびテトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)促進剤を含む典型的な添加剤のセットを記載している。

    本発明の例示的な実施形態は、PTMEG−ベースのポリウレタン、アジプレン(Adiprene)(登録商標)CM(ACM)およびミラセイン(Millathane)(登録商標)E−34(ME34)、ならびにポリエステル・ベースのポリウレタン、ミラセイン(登録商標)M76(MM76)を使用した(アジプレンおよびミラセインはTSEインダストリーズ社(TSE Industries,Inc.)の商標である)。 これらのポリウレタンをゴムと組み合わせて本発明のアロイを製造する。 典型的には、天然ゴムおよびMPUを、上述のような所望の一貫性を達成するために十分に混合するまで、例えばバンバリーミキサー中で添加剤および硬化剤と一緒にブレンドする。 使用する天然ゴムは、従来のスポーツボールで典型的に使用されるイソプレン材料である。

    (実施例1〜12)
    アロイを、アジプレン(登録商標)CM(ACM)、ミラセイン(登録商標)E−34(ME34)、またはミラセイン(登録商標)M76(MM76)のいずれかをGP2またはGP4と称される天然ゴム成分と下の表に示す割合で混合することによって形成した。 MPU組成物は約50重量%粘土および他の添加剤を含んだ。 先に指摘したように、GP2およびGP4ゴムも同様に約50%重量粘土および他の添加剤を含んだ。 透過度試験の結果を下の表に示す。 実施例アロイは、天然ゴム配合物をACM、ME34、またはMM76配合物のいずれかと一緒に粉にすることによって製造した。 様々なアロイを硬化させ、透過度について試験した。 下の表1は硬化したサンプルの特性を示す。 表2は透過度値および試験条件を示す。 従来のゴム配合物についての透過度結果を比較例として提供する。 データは、新規アロイが許容できるほど高い回復性および強度と共に改善されたガス保持率を有することを示す。 これらのデータはMPUおよびゴムの各50重量%を含むアロイの存在下で採取した。 しかしながら、MPU対ゴムの比は具体的な用途に適合するように変えてもよい。

    硬度試験はASTM D2240に従って行った。 回復性試験はASTM D2632に従って行った。 引張特性についての試験はASTM D412に従って行った。 透過度試験はASTM D1434に従って行った。

    (実施例13〜24)
    MPUとGP1、約50重量%粘土および他の添加剤を含む天然ゴムとのアロイは、対照GP2およびGP4と比べて改善された透過度を与え、温度と透過度との強い相関関係を示した。 材料は実施例1〜12でのように製造したが、シート例として試験した。 実施例EはGP1から製造したシート例である。

    (実施例25〜26)
    実施例25〜26は、コア半球へ成形し、かつ、かなり大きな壁厚さで試験したことを除いて、実施例13〜24と同等であった。 図1は、GP1従来型ゴムテニスボール・コア配合物とアロイ化された増加する重量パーセントMPUの関数として酸素透過度を例示する。 表4のデータをMPU濃度の関数としてプロットする。 透過度は25℃および35%相対湿度で測定した。 様々なアロイの透過度は、増加するMPU濃度と共に二相漸近的な低下を示す。 変曲が30〜40重量パーセントMPUの近くで観察される。 変曲の左側の曲線は、増加するコスト−便益比およびより低いコスト・アロイを表す。 使用できる混合物を形成するために必要とされる混練時間はMPU濃度の関数として増加する。 良好な混合物を形成するために必要とされる分単位の混練時間を標示「10」、「15」および「25」で明示する。

    (実施例27〜28)
    これらの実施例ならびに比較例FおよびGは、テニスボールの形での天然ゴムGP1とのアロイの特性を実証する。 材料は実施例13〜24でのように製造した。 アロイは60%GP1と共に40%ACMまたはME34を含んだ。 テニスボールの様々な特性についての老化研究の結果を表5〜7に示す。 比較例Fは、テニスのプロ向けにデザインされ、市販されている高級ブランドの商業的に入手可能なテニスボールの形での最先端のものを表す。 比較例Gはゴム配合物GP1から製造したテニスボールを表す。

    実施例27および28で本発明の材料から製造したテニスボールは両方とも、長期にわたって跳ね返り、たわみおよび空気圧特質のバランスで良好な一貫性を示す。 コア・サンプルの破壊評価は、損傷した空気保持率をもたらす継目接着の欠陥を明らかにした。 跳ね返りおよびたわみはインチ単位で測定した。 空気圧は、米国特許公報(特許文献6)に記載されている標準破壊法を用いて平方インチ当たりのポンド(psi)単位で測定した。

    他の膨張式スポーツ商品をこれらの本発明のアロイで製造する。 テニスボール製造と同様に、バスケットボール、バレーボール、サッカーボールなどは、ミルにかけたゴムを調製し、それをプリフォームにし、次に内部圧力下に金型中で加硫することによって製造する。 これらの薄い壁付き膨張式ボールでの重要な差違は、膨張乳頭が利用されることである。 プリフォームを硬化中に中空空洞内で膨らませる。 次に空気袋を強化繊維巻線および/または積層レザー、合成レザーもしくはゴム骨組でカバーする。 これらのボールのすべてで、類似のアロイを使用する。 別の膨張式ゴム物品、バイク・タイヤ・インナーチューブは、再び、膨張バルブ付きだが、繊維巻線または骨組覆いなしで、類似の方法で製造される。 別の膨張式ゴム物品、チューブレス自転車チューブは多層成形によって構築され、その成形で新規アロイは、同様に車輪システム転がり抵抗への有益な効果と共に低い空気透過度と低い粘性加熱との機能付与バランスを提供すると期待される。

    パーセントMPUの関数として酸素透過度の依存性を例示するグラフである。

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