球技用ボール

申请号 JP2013553727 申请日 2013-05-13 公开(公告)号 JPWO2013172015A1 公开(公告)日 2016-01-12
申请人 横浜ゴム株式会社; 发明人 剛史 北崎; 剛史 北崎; 三枝 宏; 宏 三枝;
摘要 打ち出し条件の計測や弾道計測を的確にかつ正確に行う上で有利な球技用ボールを提供する。ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。交差面22は、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差し、交差面22は導電性を有する導電性交差面26として形成されている。球面24は、球体20の直径よりも小さい直径で形成され、導電性交差面26は、球面24の径方向外側に形成されている。交差面22は、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差しており、交差面22は導電性を有する導電性交差面26として形成されている。導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成され、したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。
权利要求

球体と、 前記球体の中心を中心とした球面に対して交差し前記球体の外表面の内側に位置する交差面とを有し、 前記交差面は導電性を有する導電性交差面として形成されている、 ことを特徴とする球技用ボール。前記導電性交差面は、前記球面の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の球技用ボール。前記球面は、前記球体の直径よりも小さい直径で形成され、 前記導電性交差面は、前記球面の径方向外側に形成されている、 ことを特徴とする請求項1または2記載の球技用ボール。前記球面の全域は、導電性を有する導電性球面として形成されている、 ことを特徴とする請求項3記載の球技用ボール。前記球面の中心を通る平面と交差する前記球面の全周に導電性を有する材料からなる第1の環状体が突出形成され、 前記導電性交差面は、前記第1の環状体の両側の側面で形成されている、 ことを特徴とする請求項1〜4に何れか1項記載の球技用ボール。前記球面の中心を通り前記平面と直交する少なくとも1つ以上の平面と交差する前記球面の全周に導電性を有する材料からなる少なくとも1つ以上の第2の環状体が突出形成され、 前記導電性交差面は、それら第1、第2の環状体の両側の側面で形成されている、 ことを特徴とする請求項5記載の球技用ボール。前記球面は、前記球体の直径よりも小さい直径で形成され、 前記導電性交差面は、前記球面の径方向内側に形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の球技用ボール。前記球面の中心を通る平面と交差する前記球面の全周に第1の凹溝が形成され、 前記凹溝に導電性材料が埋め込まれることで第1の環状体が形成され、 前記導電性交差面は、前記第1の環状体の両側の側面で形成されている、 ことを特徴とする請求項1、2、7に何れか1項記載の球技用ボール。前記球面の中心を通り前記平面と直交する少なくとも1つ以上の平面と交差する前記球面の全周に第2の凹溝が形成され、 前記第2の凹溝に導電性材料が埋め込まれることで少なくとも1つ以上の第2の環状体が形成され、 前記導電性交差面は、それら第1、第2の環状体の両側の側面で形成されている、 ことを特徴とする請求項8記載の球技用ボール。前記球体は、該球体の中心に位置する球状のコア層と、前記コア層を覆う1層以上のカバー層とで構成され、 前記球面は、前記コア層の表面または前記1層以上のカバー層のうちの何れか1つ層の表面である、 ことを特徴とする請求項1〜9に何れか1項記載の球技用ボール。前記導電性交差面は、前記球面の周方向に間隔をおいて複数形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の球技用ボール。前記球面は、前記球体の直径よりも小さい直径で形成され、 前記導電性交差面は、前記球面の径方向外側に形成されている、 ことを特徴とする請求項11記載の球技用ボール。前記球面の全域は、導電性を有する導電性球面として形成されている、 ことを特徴とする請求項12記載の球技用ボール。前記球面は、前記球体の直径よりも小さい直径で形成され、 前記導電性交差面は、前記球面の径方向内側に形成されている、 ことを特徴とする請求項11記載の球技用ボール。前記球体は、該球体の中心に位置する球状のコア層と、前記コア層を覆う1層以上のカバー層とで構成され、 前記球面は、前記コア層の表面または前記1層以上のカバー層のうちの何れか1つ層の表面である、 ことを特徴とする請求項11〜14に何れか1項記載の球技用ボール。前記球面に複数の凹部が形成され、 前記凹部の側面に導電性を有する材料が形成され、 前記導電性交差面は、前記凹部の側面に形成した導電性を有する材料によって形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の球技用ボール。前記球面に複数の凹部が形成され、 前記凹部に導電性を有する材料が充填され、 前記導電性交差面は、前記充填された材料の側面によって形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の球技用ボール。前記球面に複数の凸部が形成され、 前記凸部の側面に導電性を有する材料が形成され、 前記導電性交差面は、前記凸部の側面に形成された導電性を有する材料によって形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の球技用ボール。前記球面に導電性を有する材料からなる複数の凸部が形成され、 前記導電性交差面は、前記凸部の側面によって形成されている、 ことを特徴とする請求項1記載の球技用ボール。前記導電性交差面は、前記球体の中心を通る平面上に位置している、 ことを特徴とする請求項1〜19に何れか1項記載の球技用ボール。前記導電性交差面は、前記球体の半径方向に沿った高さが好ましくは200μm以上、より好ましくは400μm以上である、 ことを特徴とする請求項1〜20に何れか1項記載の球技用ボール。

说明书全文

本発明は球技用ボールに関する。

近年、球技用ボール、特にゴルフボールの打ち出し条件(ゴルフボールの初速、打ち出し度、スピン量)の計測や弾道計測を行う計測装置としてドップラーレーダを用いた装置が使用されている。 上記装置では、アンテナからゴルフボールに向けてマイクロ波からなる送信波を発射し、ゴルフボールで反射された反射波を計測し、送信波と反射波から得られるドップラー信号に基づいて移動速度やスピン量を求める。 この場合、移動速度やスピン量を安定して確実に計測するためには、反射波を効率よく得ることが重要である。言い換えると、反射波を効率よく得ることが計測距離を確保する上で有利となる。

一方、外観性やデザイン性を高めるために金属材料を含む層や膜をボールの表面全体にわたって設ける技術が提案されている(特許文献1、2、3参照)。 また、反発性を確保するために、ボールのコア層とカバーの間に球面状の金属層を設ける技術が提案されている(特許文献4参照)。

特開2007−021204号公報

特開2004−166719号公報

特開2007−175492号公報

特開平11−076458号公報

本発明者らの実験によれば、金属材料を含む層や膜がボールの表面全体に球面状に形成されていると、電波反射特性を確保する上では有利となるものの、ボールのスピン量に関しては計測距離を確保する上で不十分なものであった。 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、打ち出し条件の計測や弾道計測を的確にかつ正確に行う上で有利な球技用ボールおよびその製造方法を提供することにある。

上記目的を達成するために、本発明の球技用ボールは、球体と、前記球体の中心を中心とした球面に対して交差し前記球体の外表面の内側に位置する交差面とを有し、前記交差面は導電性を有する導電性交差面として形成されていることを特徴とする。

本発明によれば、ドップラーレーダを用いた計測装置のアンテナから発射された送信波が球技用ボールの回転と共に移動する導電性交差面によって効率よく反射されるので、ドップラー信号におけるスピン量を検出するために必要な周波数分布の信号強度を確保することができ、スピン量の検出を安定して確実に行うことができ、打ち出し条件の計測や弾道計測を的確にかつ正確に行う上で有利となる。

ドップラーレーダを用いた球技用ボールの計測原理を説明するブロック図である。

ゴルフボールのスピン量を検出する原理の説明図である。

打撃された打ち出されたゴルフボールをドップラーレーダ10で計測した場合におけるドップラー信号Sdをウェーブレット解析した結果を単純化して示す説明図である。

図3における時点t1におけるドップラー信号Sdを周波数解析することによって得た、周波数ごとの信号強度の分布を示す信号強度分布データPを示す説明図である。

第1の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第2の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第3の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第4の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第5の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第6の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第7の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第8の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第9の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第10の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第11の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第12の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第13の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第14の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

第15の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。

(A)〜(D)は導電性交差面26の変形例を示すゴルフボール2の断面図である。

(A)〜(B)は実施例1の実験例1〜3における信号強度分布データPsを示す図である。

実施例2におけるゴルフボール2の各部の寸法を説明する断面図である。

実施例2における実験例10〜16の実験結果を示す図である。

(第1の実施の形態) 本発明の球技用ボールの実施の形態について説明する前に、ドップラーレーダを用いた球技用ボールの移動速度およびスピン量の測定原理について説明する。 図1に示すように、ドップラーレーダ10は、アンテナ12と、ドップラーセンサ14とを備える。 なお、図1において符号2は球技用ボールとしてのゴルフボール、4はゴルフクラブヘッド、6はシャフト、8はゴルフクラブを示す。

アンテナ12は、ドップラーセンサ14から供給される送信信号に基づいて送信波W1としてのマイクロ波をゴルフボール2に向けて送信すると共に、ゴルフボール2で反射された反射波W2を受信して受信信号をドップラーセンサ14に供給するものである。

ドップラーセンサ14は、アンテナ12に送信信号を供給するものである。また、アンテナ12から供給される受信信号に基づいてドップラー周波数Fdを有するドップラー信号Sdを時系列データとして生成するものである。 ドップラー信号Sdとは、前記送信信号の周波数F1と前記受信信号の周波数F2との差分の周波数F1−F2で定義されるドップラー周波数Fdを有する信号である。 ドップラーセンサ14は、市販されている種々のものが使用可能である。 なお、前記の送信信号としては、例えば、24GHzのマイクロ波が使用可能であり、ドップラー信号Sdを得られるものであれば送信信号の周波数は限定されない。

次に、ゴルフボール2の速度およびスピン量の計測原理について説明する。 従来から知られているように、ドップラー周波数Fdは式(1)で表される。 Fd=F1−F2=2・V・F1/c (1) ただし、V:ゴルフボール2の速度、c:光速(3・108m/s) したがって、式(1)をVについて解くと、式(2)となる。 V=c・Fd/(2・F1) (2) すなわち、ゴルフボール2の速度Vは、ドップラー周波数Fdに比例することになる。 したがって、ドップラー信号Sdからドップラー周波数Fdの周波数成分を検出し、検出したドップラー周波数成分から式(2)に基づいてゴルフボール2の速度Vを求めることができる。

図2はゴルフボールのスピン量を検出する原理の説明図である。 ゴルフボール2の表面のうち、送信波W1の送信方向となす角度が90度に近い表面の部分である第1部分Aでは送信波W1が効率よく反射され、したがって、第1部分Aでは反射波W2の強度が高い。 一方、ゴルフボールの表面のうち、送信波W1の送信方向となす角度が0度に近い表面の部分である第2部分B、第3部分Cでは送信波W1が効率よく反射されず、したがって、第2、第3部分B、Cでは反射波W2の強度が低い。 第2部分Bは、ゴルフボール2のスピンによって回転する方向とゴルフボールの移動方向とが反対向きとなる部分である。 第3部分Cは、ゴルフボール2のスピンによって回転する方向とゴルフボールの移動方向とが同じ向きとなる部分である。

第1部分Aで反射される反射波W2に基づいて検出される速度を第1部分速度Va、第2部分Bで反射される反射波W2に基づいて検出される速度を第2部分速度Vb、第3部分Cで反射される反射波W2に基づいて検出される速度を第3部分速度Vcとする。 すると、以下の式が成立する。 Va=Vα (3) Vb=Va−ωr (4) Vc=Va+ωr (5) (ただし、Vαはゴルフボール2の移動速度、ωは角速度(rad/s)、rはゴルフボール2の半径) したがって、原理的には、式(3)に基づいて第1部分速度Vaからゴルフボール2の移動速度Vαを算出でき、式(4)または式(5)に基づいて、第2、第3部分速度Vb、Vcから角速度ωが求められるので、角速度ωからスピン量を算出できることになる。 しかしながら、ドップラーレーダは、上記の式に基づいて移動速度Vα、スピン量を算出するのではなく、以下に説明するように、ドップラー信号Sdを周波数解析することによって周波数ごとの信号強度の分布を示す信号強度分布データPを生成し、この信号強度分布データPから移動速度Vα、スピン量を求めることが可能である。

図3は、打撃された打ち出されたゴルフボールをドップラーレーダ10で計測した場合におけるドップラー信号Sdをウェーブレット解析した結果を単純化して示す説明図である。 横軸は時間t(ms)、縦軸はドップラー周波数Fd(kHz)およびゴルフボール2の速度V(m/s)を示す。 このような線図は、例えば、ドップラー信号Sdをサンプリングしてデジタルオシロスコープに取り込んでデジタルデータに変換し、該デジタルデータをパーソナルコンピュータなどを用いてウェーブレット解析、あるいは、連続FFT解析することで得られる。

図3に示す周波数分布において、ハッチングで示した部分はドップラー信号Sdの強度が大きく、実線で示した部分はドップラー信号Sdの強度がハッチングで示した部分よりも小さいことを示している。 したがって、符号DAで示す周波数分布は、信号強度が強く、第1部分速度Vaに対応する部分である。 符号DBで示す周波数分布は、周波数分布DAよりも信号強度が低く、第2部分速度Vbに対応する部分である。 符号DCで示す周波数分布は、周波数分布DAよりも信号強度が低く、第3部分速度Vcに対応する部分である。

図4は図3における時点t1におけるドップラー信号Sdを周波数解析することによって得た、周波数ごとの信号強度の分布を示す信号強度分布データPを示す説明図である。 図4において横軸は速度V(m/s)、縦軸は信号強度Ps(任意単位)である。なお、横軸の速度Vはドップラー信号Sdの周波数に比例している。 図中細線は信号強度分布データPの実測値を表わし、太線は信号強度分布データPの実測値の移動平均を示す。 すなわち、信号強度分布データPの実測値は、スピンの影響を受けて大きく変動しているため、移動平均をとることによってデータを安定させ、後の信号処理がしやすい信号強度分布データPを得ている。

以下移動平均によって表わされた信号強度分布データPについて説明する。 図4から明らかなように、信号強度分布データPは、信号強度Psが最大となる1つの最大値を有し、最大値から離れるほど信号強度が次第に低下しやがてゼロとなる単一の山形を呈している。 ここで、信号強度分布データPの山、すなわち、信号強度Psの最大値Dmaxが第1部分速度Vaの値に対応している。言い換えると、信号強度Psの最大値Dmaxが対応するドップラー周波数の値が第1部分速度Vaの値に対応している。 したがって、最大値Dmaxに対応するドップラー周波数が高いほど、第1部分速度Va、すなわち、ゴルフボール2の移動速度が速いことになる。 また、信号強度分布データPの山の幅は、第2部分速度Vbと第3部分速度Vcの差分ΔV(速度幅)に比例する。 したがって、第2部分速度Vbと第3部分速度Vcの差分ΔVが小さいほどスピン量が少なく、したがって、この差分ΔVがゼロならばスピン量もゼロとなる。また、第2部分速度Vbと第3部分速度Vcの差分ΔVが大きいほどスピン量が多いことになる。

ここで、第2部分速度Vbと第3部分速度Vcの差分ΔVは、式(4)、式(5)からわかるように以下の式(6)で示され、すなわち、角速度ωに比例した値となる。 ΔV=Vc−Vb=(Va+ωr)−(Va−ωr)=2ωr (6) したがって、(6)式から明らかなように、信号強度分布データPの山の幅に基づいてスピン量を算出することができる。 ここで、山の幅は次のように定義することができる。 すなわち、信号強度分布データPの山の幅は、信号強度信号強度Psの閾値DtをDmax・N(ただし0

図4では、Dt=Dmax・10%と、Dt=Dmax・50%とを例示しているが、閾値Dtは山の幅を安定して計測できる値に設定すればよい。 したがって、図4に示すように、ドップラー信号Sdの信号強度分布データPを求めることにより、この信号強度分布データPから移動速度Vα、スピン量Spを容易に求めることが可能となる。 例えば、ゴルフボールを実際に打撃して最大値Dmaxと移動速度Vαのデータを実測すると共に、信号強度分布データPの山の幅とスピン量Spのデータを実測する。 そして、これら実測結果から最大値Dmaxと移動速度Vαの相関マップと、信号強度分布データPの山の幅とスピン量Spの相関マップとを作成する。 これら相関マップを用いることにより、最大値Dmaxから移動速度Vαを得ることができ、信号強度分布データPの山の幅からスピン量Spを得ることができる。 したがって、このような測定原理を用いて移動速度Vαを得るにあたっては最大値Dmaxを確実に計測することが重要である。 また、スピン量Spを得るにあたっては、信号強度分布データPの山の幅を確実に計測することが重要である。 しかしながら、打撃されたゴルフボール2がアンテナ12から離間するほど(時間が経過するほど)、アンテナ12で受信される反射波W2の信号強度が低下し、各周波数分布DA、DB、DCの信号強度はそれぞれ低下する。 この際、図3に示すドップラー信号Sdの周波数分布DB、DCの信号強度は周波数分布DAの信号強度に比較して元々弱いため、周波数分布DB、DCの信号強度を安定して計測する上で不利がある。また、アンテナ12で受信可能な周波数分布DB、DCの信号強度は、周波数分布DAの信号強度よりも短時間で受信できなくなってしまうため、周波数分布DB、DCの信号強度の計測可能な時間はごく限られた期間となる不利もある。 このような理由から、信号強度分布データPの山の幅を確実に計測することが難しく、正確なスピン量Spを得る上で不利がある。 したがって、ゴルフボール2で反射される反射波W2のうちの周波数分布DB、DCの信号強度を確実に安定してアンテナ12で受信できるようなゴルフボール2が望まれている。

次に本実施の形態のゴルフボール2について説明する。 図5は第1の実施の形態におけるゴルフボール2の断面図である。 図5に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 交差面22は、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差し球体20の外表面の内側に位置し、交差面22は導電性を有する導電性交差面26として形成されている。 球面24は、球体20の直径よりも小さい直径で形成され、導電性交差面26は、球面24の径方向外側に形成されている。

本実施の形態では、球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる環状体28(第1の環状体)が突出形成されている。 導電性を有する材料としては、導電樹脂、導電エラストマー、導電布、導電繊維など従来公知の様々な材料が使用可能である。 本実施の形態では、環状体28の断面は矩形状を呈している。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成され、したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。

導電性交差面26は、導電性を有するため高い電波反射特性を有しており、電波(マイクロ波)を効率よく反射する。 導電性交差面26は、反射波W2の強度を十分に確保することができればよく、例えば、次に示す従来公知の関係式を用いることによって、導電性交差面26の表面抵抗として必要な範囲を求めることができる。 すなわち、電波反射率:Γ、表面抵抗:Rとしたとき、式(10)、式(12)が成立する。 Γ=(377−R)/(377+R) (10) R=(377(1−Γ))/(1+Γ) (12) Γ=1は全反射、Γ=0は無反射を示し、377は空気の特性インピーダンスを示す。 したがって、式(12)より Γ=1のときR=0 Γ=0のときR=377 ここで、Γ=0.5とすると、R=377(0.5/1.5)≒130となる。 したがって、電波反射率Γとして十分な値をΓ=0.5(50%)以上とすると、表面抵抗Rは130Ω/sq.以下とすることが必要となる。 また、電波反射率Γが0.9(90%)以上であり、したがって、表面抵抗Rが20Ω/sq.以下であることが、反射波W2の強度を確保する上でより好ましい。 なお、電波反射率Γは、導波管法や自由空間法など従来公知方法によって測定することができるものである。

より詳細に説明すると、ゴルフボール2は、球状で中実のコア層30と、コア層30を覆うカバー層32とを備えている。 本実施の形態では、球体20は、コア層30およびカバー層32で構成され、球面24は、コア層30の表面(外面)である。 本実施の形態ではコア層30は、合成ゴムなどの従来公知の材料で構成されている。コア層30は単一のコア層30で構成されていても、あるいは、2層以上のコア層30で構成されていてもよいことは無論である。 カバー層32は、従来公知のさまざまな合成樹脂などを使用することができる。 カバー層32の表面には多数のディンプルが形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面はカバー層32の表面に露出している。

次に本実施の形態のゴルフボール2の作用効果について説明する。 本実施の形態では、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差する交差面22が導電性を有する導電性交差面26として形成されている。 したがって、ドップラーレーダ10のアンテナ12から発射された送信波W1がゴルフボール2の回転と共に移動する導電性交差面26によって反射される。そのため、反射波W2の電波強度を確保する上で有利となる。 すなわち、導電性交差面26が、図2に示すように送信波W1の送信方向となす角度が0度に近い表面の部分である第2部分B、第3部分Cに対応する箇所に位置したときに、送信波W1が導電性交差面26によって効率よく反射されるため、反射波W2の強度を確保することができる。 そのため、打撃されたゴルフボール2がアンテナ12から離間してアンテナ12で受信される反射波W2の信号強度が低下しても、各周波数分布DB、DCの信号強度を確保することができる。 すなわち、ドップラー信号におけるスピン量Spを検出するために必要な周波数分布DB、DCの信号強度を確保することができ、スピン量Spの検出を安定して確実に行う上で有利となる。 したがって、より長い期間にわたってスピン量Spの計測を安定して行うことができる。 また、ドップラーレーダ10が室内に設置されるゴルフシミュレータ装置に適用されるものであった場合には、送信波W1の出が低くても、S/N比が十分得られなくても、十分な信号強度を有する周波数分布DB、DCを得ることができる。 そのため、ゴルフシミュレータ装置によって、ゴルフボール2の初速や打ち出し角に加えてスピン量Spに基づいて球筋や飛距離を正確に算出することができ、スピン量Spを反映させたより正確なシミュレーションを行うことができる。 具体的には、スピン量Spを反映させることにより、飛距離をより正確にシミュレーションすることができる。

(第2の実施の形態) 次に第2の実施の形態について説明する。 図6は第2の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第2の実施の形態は、第1の実施の形態の変形例であり、環状体が2つ設けられている点が第1の実施の形態と異なり、それ以外は第1の実施の形態と同様である。なお、以下の実施の形態において第1の実施の形態と同様の部分、部材には同一の符号を付してその説明を省略する。 図6に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る第1の平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる第1の環状体28Aが突出形成されている。 球面24の中心を通り第1の平面と直交する第2の平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる第2の環状体28Bが突出形成されている。 導電性交差面26は、第1の環状体28および第2の環状体28Bの両側の側面で形成されている。 したがって、第1の実施の形態と同様に、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの断面は矩形状を呈し、球体20の半径方向外側に位置する第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの先端面はカバー層32の表面に露出している。 このような第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。 また、第2の実施の形態では、導電性交差面26の数が第1の実施の形態よりも多いため、反射波W2が発生する頻度を第1の実施の形態よりも増加させることができる。したがって、反射波W2の受信をより安定して行うことができ、スピン量Spの検出を安定して確実に行う上でより有利となり、長い期間にわたってスピン量Spの計測を安定して行う上でより一層有利となる。

(第3の実施の形態) 次に第3の実施の形態について説明する。 図7は第3の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第3の実施の形態は、導電性交差面26が設けられている箇所が第1の実施の形態と異なっている。 図7に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 交差面22は、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差し、交差面22は導電性を有する導電性交差面26として形成されている。 球面24は、球体20の直径よりも小さい直径で形成され、導電性交差面26は、球面24の径方向内側に形成されている。 球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に凹溝25(第1の凹溝)が形成されている。 凹溝25に導電性材料が埋め込まれることで環状体28(第1の環状体)が形成されている。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成され、したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は矩形状を呈している。 より詳細に説明すると、ゴルフボール2は、球状で中実のコア層30と、コア層30を覆うカバー層32とを備え、球体20は、コア層30で構成され、球面24は、コア層30の表面(外面)である。 球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面はコア層30の表面に露出している。 このような第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第4の実施の形態) 次に第4の実施の形態について説明する。 図8は第2の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第4の実施の形態は、第3の実施の形態の変形例であり、環状体が2つ設けられている点が第3の実施の形態と異なり、それ以外は第3の実施の形態と同様である。 図8に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る第1の平面と交差する球面24の全周に第1の凹溝25Aが形成されている。 第1の凹溝25Aに導電性材料が埋め込まれることで第1の環状体28Aが形成されている。 球面24の中心を通り第1の平面と直交する第2の平面と交差する球面24の全周に第2の凹溝25Bが形成されている。 第2の凹溝25Bに導電性材料が埋め込まれることで第2の環状体28Bが形成されている。 導電性交差面26は、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの両側の側面で形成されている。 したがって、第2の実施の形態と同様に、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの断面は矩形状を呈し、球体20の半径方向外側に位置する第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの先端面はコア層30の表面に露出している。 このような第4の実施の形態においても第3の実施の形態と同様の効果が奏される。 また、第4の実施の形態では、導電性交差面26の数が第3の実施の形態よりも多いため、反射波W2が発生する頻度を第3の実施の形態よりも増加させることができる。したがって、反射波W2の受信をより安定して行うことができ、スピン量Spの検出を安定して確実に行う上でより有利となり、長い期間にわたってスピン量Spの計測を安定して行う上でより一層有利となる。

(第5の実施の形態) 次に第5の実施の形態について説明する。 図9は第5の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第5の実施の形態は、導電性交差面26が設けられている箇所が第1の実施の形態と異なっている。 図9に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 交差面22は、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差し、交差面22は導電性を有する導電性交差面26として形成されている。 球面24は、球体20の直径よりも小さい直径で形成され、導電性交差面26は、球面24の径方向外側に形成されている。 球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる環状体28が突出形成されている。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成され、したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は矩形状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成されている。 本実施の形態では、第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bがコア層30を覆う複数の層を構成している。 第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bは、導電性交差面26による電波の反射がなされるように、電波の通過を許容する材料で形成されている。 第2のカバー層32Bの表面には多数のディンプルが形成されている。 球面24は第1のカバー層32Aの表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面は第2のカバー層32Bの表面に露出している。 このような第5の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第6の実施の形態) 次に第6の実施の形態について説明する。 図10は第6の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第6の実施の形態は、第5の実施の形態の変形例であり、環状体が2つ設けられている点が第5の実施の形態と異なり、それ以外は第5の実施の形態と同様である。 図10に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る第1の平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる第1の環状体28Aが突出形成されている。 球面24の中心を通り第1の平面と直交する第2の平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる第2の環状体28Bが突出形成されている。 導電性交差面26は、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの断面は矩形状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成されている。 第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bは、導電性交差面26による電波の反射がなされるように、電波の通過を許容する材料で形成されている。 球面24は第1のカバー層32Aの表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの先端面は第2のカバー層32Bの表面に露出している。 このような第6の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。 また、第6の実施の形態では、導電性交差面26の数が第5の実施の形態よりも多いため、反射波W2が発生する頻度を第5の実施の形態よりも増加させることができる。したがって、反射波W2の受信をより安定して行うことができ、スピン量Spの検出を安定して確実に行う上でより有利となり、長い期間にわたってスピン量Spの計測を安定して行う上でより一層有利となる。

(第7の実施の形態) 次に第7の実施の形態について説明する。 図11は第7の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第7の実施の形態は、第6の実施の形態の変形例であり、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bが第2のカバー層32Bで覆われている点が第6の実施の形態と異なり、それ以外は第6の実施の形態と同様である。 すなわち、本実施の形態では、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの断面は矩形状を呈し、球体20の半径方向外側に位置する第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの先端面は第2のカバー層32Bで覆われている。 このような第7の実施の形態においても第6の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第8の実施の形態) 次に第8の実施の形態について説明する。 図12は第8の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第8の実施の形態は、第5の実施の形態の変形例であり、導電性交差面26が設けられている箇所が第5の実施の形態と異なっている。 図12に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 交差面22は、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差し、交差面22は導電性を有する導電性交差面26として形成されている。 球面24は、球体20の直径よりも小さい直径で形成され、導電性交差面26は、球面24の径方向外側に形成されている。 球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる環状体28が突出形成されている。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成され、したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は矩形状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成されている。 球面24はコア層30の表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面は第1のカバー層32Aの表面に露出し、第2のカバー層32Bで覆われている。 このような第8の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第9の実施の形態) 次に第9の実施の形態について説明する。 図13は第9の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第9の実施の形態は、第8の実施の形態の変形例であり、環状体が2つ設けられている点が第8の実施の形態と異なり、それ以外は第8の実施の形態と同様である。 図13に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る第1の平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる第1の環状体28Aが突出形成されている。 球面24の中心を通り第1の平面と直交する第2の平面と交差する球面24の全周に導電性を有する材料からなる第2の環状体28Bが突出形成されている。 導電性交差面26は、第1の環状体28および第2の環状体28Bの両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの断面は矩形状を呈し、球体20の半径方向外側に位置する第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの先端面は第1のカバー層32Aの表面に露出し、第2のカバー層32Bで覆われている。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24はコア層30の表面で形成されている。 このような第9の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。 また、第9の実施の形態では、導電性交差面26の数が第8の実施の形態よりも多いため、反射波W2が発生する頻度を第8の実施の形態よりも増加させることができる。したがって、反射波W2の受信をより安定して行うことができ、スピン量Spの検出を安定して確実に行う上でより有利となり、長い期間にわたってスピン量Spの計測を安定して行う上でより一層有利となる。

(第10の実施の形態) 次に第10の実施の形態について説明する。 図14は第10の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第10の実施の形態は、第9の実施の形態の変形例であり、導電性交差面26が設けられている箇所が第9の実施の形態と異なっている。 図14に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る第1の平面と交差する球面24の全周に第1の凹溝25Aが形成されている。 第1の凹溝25Aに導電性材料が埋め込まれることで第1の環状体28Aが形成されている。 球面24の中心を通り第1の平面と直交する第2の平面と交差する球面24の全周に第2の凹溝25Bが形成されている。 第2の凹溝25Bに導電性材料が埋め込まれることで第2の環状体28Bが形成されている。 導電性交差面26は、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの断面は矩形状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24は第1のカバー層32Aの表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの先端面は第1のカバー層32Aの表面に露出し、第2のカバー層32Bで覆われている。 このような第10の実施の形態においても第9の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第11の実施の形態) 次に第11の実施の形態について説明する。 図15は第11の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第11の実施の形態は、導電性交差面26が設けられている箇所が第1の実施の形態と異なっている。 図15に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に凹溝25が形成されている。 凹溝25に導電性材料が埋め込まれることで環状体28(第1の環状体)が形成されている。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は矩形状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24はコア層30の表面で形成されている。 第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bは、導電性交差面26による電波の反射がなされるように、電波の通過を許容する材料で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面はコア層30の表面に露出し、第1のカバー層32Aで覆われている。 このような第11の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第12の実施の形態) 次に第12の実施の形態について説明する。 図16は第12の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第12の実施の形態は、第11の実施の形態の変形例であり、環状体が2つ設けられている点が第10の実施の形態と異なり、それ以外は第10の実施の形態と同様である。 図16に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る第1の平面と交差する球面24の全周に第1の凹溝25Aが形成されている。 第1の凹溝25Aに導電性材料が埋め込まれることで第1の環状体28Aが形成されている。 球面24の中心を通り第1の平面と直交する第2の平面と交差する球面24の全周に第2の凹溝25Bが形成されている。 第2の凹溝25Bに導電性材料が埋め込まれることで第2の環状体28Bが形成されている。 導電性交差面26は、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は矩形状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24はコア層30の表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの先端面はコア層30の表面に露出し、第1のカバー層32Aで覆われている。 このような第12の実施の形態においても第11の実施の形態と同様の効果が奏される。 また、第12の実施の形態では、導電性交差面26の数が第11の実施の形態よりも多いため、反射波W2が発生する頻度を第11の実施の形態よりも増加させることができる。したがって、反射波W2の受信をより安定して行うことができ、スピン量Spの検出を安定して確実に行う上でより有利となり、長い期間にわたってスピン量Spの計測を安定して行う上でより一層有利となる。

(第13の実施の形態) 次に第13の実施の形態について説明する。 図17は第13の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第13の実施の形態は、図12に示す、第8の実施の形態の変形例であり、環状体28の断面形状が第8の実施の形態と異なり、それ以外は第8の実施の形態と同様である。 図17に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に凹溝25が形成されている。 凹溝25に導電性材料が埋め込まれることで環状体28(第1の環状体)が形成されている。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は球体20の半径方向外側に至るほど幅が狭くなる台形状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24は第1のカバー層32Aの表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面は第1のカバー層32Aの表面に露出し、第2のカバー層32Bで覆われている。 このような第13の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第14の実施の形態) 次に第14の実施の形態について説明する。 図18は第14の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第14の実施の形態は、第13の実施の形態の変形例であり、環状体28の断面形状が第13の実施の形態と異なり、それ以外は第13の実施の形態と同様である。 図18に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に凹溝25が形成されている。 凹溝25に導電性材料が埋め込まれることで環状体28が形成されている。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は球体20の半径方向に長軸を一致させた楕円状を呈している。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24は第1のカバー層32Aの表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面は第1のカバー層32Aの表面に露出し、第2のカバー層32Bで覆われている。 このような第14の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

(第15の実施の形態) 次に第15の実施の形態について説明する。 図19は第15の実施の形態のゴルフボール2の断面図である。 第15の実施の形態は、第13の実施の形態の変形例であり、環状体28の断面形状が第13の実施の形態と異なり、それ以外は第13の実施の形態と同様である。 図19に示すように、ゴルフボール2は、球体20と、交差面22とを備えている。 球面24の中心を通る平面と交差する球面24の全周に凹溝25が形成されている。 凹溝25に導電性材料が埋め込まれることで環状体28が形成されている。 導電性交差面26は、環状体28の両側の側面で形成されている。 したがって、導電性交差面26は、球面24の周方向の全周の全長にわたって連続形成されている。 本実施の形態では、環状体28の断面は球体20の半径方向外側に至るほど幅が広くなる台形状を呈し、導電性交差面26が球体20の中心を通る平面上に位置するように形成されている。 より詳細には、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24は第1のカバー層32Aの表面で形成されている。 本実施の形態では、球体20の半径方向外側に位置する環状体28の先端面は第1のカバー層32Aの表面に露出し、第2のカバー層32Bで覆われている。 このような第15の実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

また、導電性交差面26が球体20の中心を通る平面上に位置するように形成されている。そのため、図2で示したように、導電性交差面26が送信波W1の送信方向に対して直交することで、導電性交差面26の最も速い回転速度を、最も効率良く反射した反射波W2が得られる。 そのため、図2で示した第2部分速度Vbと第3部分速度Vcとの速度差が大きくなり、反射波W2の周波数成分をより広く得ることができ、図4における信号強度分布データPを安定して算出でき、したがって、スピン量の算出をより正確に行なう上で有利となる。

(実施例1) 次にゴルフボール2の実験結果について説明する。なお、以下では、第1の実施の形態のゴルフボール2について実験を行った。 実施例について説明する。 実験条件は次のとおりである。 実験例1は、ゴルフボール2に導電性交差面26が形成されていないものである。 実験例2は、ゴルフボール2に導電性交差面26が形成され、導電性交差面26の球体20の半径方向に沿った高さが0.3mmであるものである。 実験例3は、ゴルフボール2に導電性交差面26が形成され、導電性交差面26の球体20の半径方向に沿った高さが0.5mmであるものである。 このように構成された各ゴルフボール2をゴルフボール打ち出し装置(ランチャー)によって打ち出してドップラーレーダ10を使用した計測装置を用いて計測を行い、ドップラー信号Sdを周波数解析することによって得た、周波数ごとの信号強度の分布を示す信号強度分布データPを得た。 ゴルフボール打ち出し装置によってゴルフボール2に与えるスピン量は5000rpmとした。 図21(A)〜(B)は実験例1〜3における信号強度分布データPsを示す図である。

図21(B)、(C)は、図21(A)に比較して、信号強度分布データPsの波形の山の幅を大きく確保している。 また、図21(C)は図21(B)に比較して信号強度分布データPsの波形の山の幅がより大きい。 したがって、導電性交差面26を形成することがスピン量を正確に計測する上で有利であり、導電性交差面26の面積が大きいほどスピン量を正確に計測する上でより有利となることが明らかである。

なお、実施の形態では、導電性交差面26が球面24の周方向の全周に沿って形成されている場合について説明したが、導電性交差面26は、球面24の周方向に間隔をおいて複数形成されていてもよい。 また、導電性交差面26は、球面24の周方向に沿って形成される必要はなく、不規則に形成されていてもよい。

また、実施の形態では、導電性を有する材料からなる環状体28を設け、環状体28の両側の側面で導電性交差面26を形成する場合について説明した。 しかしながら、導電性交差面26は、球体20の中心を中心とした球面24に対して交差していればよいのであり、本発明は、導電性を有する材料からなる環状体28を用いて導電性交差面26を形成する構成に限定されるものではない。 例えば、以下のような構成としてもよい。 1)球面24上に導電性を有さない材料からなる環状体28を突出形成し、環状体28の両側の側面で交差面22を形成し、これら交差面22の表面に金属粉末を含む塗料を塗布することで導電性交差面26を形成する。 2)上記交差面22の表面に金属箔、導電樹脂、導電エラストマー、導電布、導電繊維を接着することで導電性交差面26を形成する。 3)上記交差面22の表面に導電性を有する材料を蒸着することで導電性交差面26を形成する。

また、導電性交差面26の構成は、図20(A)〜(D)に示す構成としてもよい。この場合、球体20は、球状で中実のコア層30と、このコア層30を覆う第1のカバー層32Aおよび第2のカバー層32Bとで形成され、球面24は第1のカバー層32Aの表面で形成されている。なお、球面24の位置は、第2のカバー層32Bの表面であっても、コア層30の表面であってもよい。 1)図20(A)に示すように、球面24に1個以上の凹部40を設けると共に、凹部40の側面に導電性を有する材料46を形成し、凹部40の側面に形成した導電性を有する材料46によって導電性交差面26を構成してもよい。この場合、導電性交差面26を除く凹部40の部分は、導電性交差面26による送信波W1の反射を妨げなければどのような構成であってもよい。例えば、導電性交差面26を除く凹部40の部分に、第1のカバー層32Aと同じ材料が充填されていても、第2のカバー層32Bと同じ材料が充填されていてもよい。 2)図20(B)に示すように、球面24に1個以上の凹部40を設けると共に、凹部40に導電性を有する材料46を充填、充填された材料46の側面によって導電性交差面26を構成してもよい。 3)図20(C)に示すように、球面24に1個以上の凸部42を設けると共に、凸部42の側面に導電性を有する材料46を形成し、凸部42の側面に形成した導電性を有する材料46によって導電性交差面26を構成してもよい。 4)図20(D)に示すように、球面24に導電性を有する材料46からなる1個以上の凸部42を設けると共に、凸部42の側面によって導電性交差面26を構成してもよい。 このような変形例においても第1の実施の形態と同様の効果が奏される。

(実施例2) 次にゴルフボール2の他の実験結果について説明する。 なお、以下では、図22に示す構造のゴルフボール2について実験を行った。このゴルフボール2の構造は図20(D)に示すものと同一である。 この場合、図22に示すように、導電性を有する材料46からなる凸部42と第2のカバー層32Bの表面との球体20の半径方向に沿った距離aは1.3mmである。 凸部42の幅(対向する2つの導電性交差面26の間隔)bは5mmである。 図23に示すように、実験例10は、比較例に相当するものであり、ゴルフボール2に導電性交差面26が形成されていないものである。 実験例11は、導電性交差面26の球体20の半径方向に沿った高さhを20μmとした。20μmは、一般的な金属箔の厚さに相当する。 実験例12は、高さhを150μmとした。150μmは、比較的厚い塗膜の厚さに相当する。 実験例13〜16は、高さhを300μm、500μm、900μm、1500μmとした。 このように構成された各ゴルフボール2をゴルフボール打ち出し装置(ランチャー)によりボール回転数5000rpm(毎分5000回転)に調整して飛翔させ、各実験例毎にドップラーレーダを用いてスピン量を100回計測し、スピン量の標準偏差を求めた。 そして、実験例11の標準偏差を100として、各実験例の標準偏差を逆比例させて指数表示した。 つまり実験例11の標準偏差の1/2の標準偏差であれば、指数は200となる。指数が200以上の場合は200を上限として記載した。 なお、導電性交差面26が形成されていない実験例10は、スピン量を計測するに足る信号強度分布データPsが得られないため、図23において指数が記載されていない。

図23に示すように、導電性交差面26の球体20の半径方向に沿った高さhが150μm以上でスピン量のバラツキ指数が113以上となり、高さhが300μm以上でスピン量のバラツキ指数が200以上となる。 したがって、導電性交差面26の球体20の半径方向に沿った高さhは、好ましくは200μm以上、より好ましくは400μm以上といえる。 なお、導電性交差面26の球体20の半径方向に沿った高さhの上限は、各種ボールの外径により適宜定められるものである。例えば、ゴルフボールの場合は外径が43mm程度であり、この外径によって導電性交差面26の球体20の半径方向に沿った高さhの上限が適宜定められることになる。 その際、導電性交差面26の配置や面積などは、当該ボールに要求される飛翔特性、対称性などの特性を考慮して適宜定めることができる。

また、図5、図6、図9、図10、図11、図12、図13に示すように、球面24が球体20の直径よりも小さい直径で形成され、導電性交差面26が球面24の径方向外側に形成されている構成においては、導電性交差面26を除く球面24の全域を、導電性をもたせた導電性球面としてもよい。 この場合には、導電性球面における反射波W2の強度を高めることができるため、図3に示す周波数分布DAの信号強度を確保する上で有利となる。すなわち、図4に示すように、信号強度分布データPの山(信号強度Psの最大値Dmax)をより大きく計測することができる。 したがって、より長い期間にわたってゴルフボール2の移動速度の計測を安定して行う上で有利となる。

また、実施の形態では、単一の環状体28を設ける場合、あるいは、第1の環状体28Aおよび第2の環状体28Bの2つの環状体を設ける場合について説明したが、環状体の数は3つ以上でもよい。 また、実施の形態では、単一の凹溝25を設ける場合、あるいは、第1の凹溝25Aおよび第2の凹溝25Bの2つの凹溝を設ける場合について説明したが、凹溝の数は3つ以上でもよい。

また、実施の形態では、球技用ボールがゴルフボール2である場合について説明したが、本発明はゴルフボール2に限定されるものではなく、硬式野球用ボール、軟式野球用ボール、テニスボール、サッカーボールなど従来公知の様々な球技用ボールに広く適用可能である。

W1……送信波、W2……反射波、2……ゴルフボール(球技用ボール)、4……ゴルフクラブヘッド、6……シャフト、8……ゴルフクラブ、10……ドップラーレーダ、12……アンテナ、14……ドップラーセンサ、20……球体、22……交差面、24……球面、25……凹溝、25A……第1の凹溝、25B……第2の凹溝、26……導電性交差面、28……環状体、28A……第1の環状体、28B……第2の環状体、30……コア層、32……カバー層、32A……第1のカバー層、32B……第2のカバー層。

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