表示方法、スイング解析装置、スイング解析システム、スイング解析プログラム、および記録媒体

申请号 JP2016005850 申请日 2016-01-15 公开(公告)号 JP2017124079A 公开(公告)日 2017-07-20
申请人 セイコーエプソン株式会社; 发明人 伊藤 剛; 小平 健也;
摘要 【課題】スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能な解析結果の表示方法を提供する。 【解決手段】運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出 力 に基づいて、得られたスイング軌跡30に、前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の 位置 における前記運動器具に係るオブジェクト31,32,33,34,35を重ねて表示する表示方法。 【選択図】図16
权利要求

運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出に基づいて、 得られたスイング軌跡に、 前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて表示する表示方法。請求項1において、 前記オブジェクトのいずれかを指定し、 前記指定されたオブジェクトに係る前記タイミングの解析情報を表示する表示方法。請求項2において、 前記指定は、前記オブジェクトが表示されている表示部に対して指示して行う表示方法。請求項2または請求項3において、 前記指定されたオブジェクトを、強調表示する表示方法。請求項2ないし請求項4のいずれか一項において、 前記解析情報は、前記運動器具の姿勢情報である表示方法。請求項5において、 前記姿勢情報は、予め識別データが割り振られている複数の領域に対して、前記運動器具の位置が属する前記領域を表示する表示方法。請求項6において、 前記領域は、少なくとも一つの仮想面との関係に基づいて設定されている表示方法。請求項2ないし請求項4のいずれか一項において、 前記解析情報は、前記運動器具の打撃部の姿勢情報である表示方法。請求項8において、 前記姿勢情報は、前記打撃部の打撃面の向きである表示方法。請求項2ないし請求項4のいずれか一項において、 前記解析情報は、前記運動器具の回転である表示方法。請求項1ないし請求項10のいずれか一項において、 前記スイングは、ゴルフクラブのスイングであり、 前記複数のタイミングは、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトの少なくとも二つを含む表示方法。運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出力を用いて前記スイングに係る解析データを生成し、前記解析データに基づくスイング軌跡および解析情報を出力する処理部と、 前記スイング軌跡および前記解析情報を表示する表示部と、 を含み、 前記スイング軌跡に、 前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて、前記表示部に表示するスイング解析装置。請求項12において、 前記オブジェクトのいずれかを指定する操作部を含み、 前記指定されたオブジェクトに係る前記解析情報を表示するスイング解析装置。請求項13において、 前記操作部は、前記表示部に設けられており、 前記指定は、前記表示部に対して行うスイング解析装置。請求項13または請求項14において、 前記指定されたオブジェクトは、強調表示されるスイング解析装置。請求項13ないし請求項15のいずれか一項において、 前記解析情報は、前記運動器具の姿勢情報であるスイング解析装置。請求項16において、 前記姿勢情報は、予め識別データが割り振られている複数の領域に対して、前記運動器具の位置が属する前記領域が表示されるスイング解析装置。請求項17において、 前記領域は、少なくとも一つの仮想面との関係に基づいて設定されているスイング解析装置。請求項13ないし請求項15のいずれか一項において、 前記解析情報は、前記運動器具の打撃部の姿勢情報であるスイング解析装置。請求項19において、 前記姿勢情報は、前記打撃部の打撃面の向きであるスイング解析装置。請求項13ないし請求項15のいずれか一項において、 前記解析情報は、前記運動器具の回転角であるスイング解析装置。請求項12ないし請求項21のいずれか一項において、 前記スイングは、ゴルフクラブのスイングであり、 前記複数のタイミングは、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトの少なくとも二つを含んでいるスイング解析装置。請求項12ないし請求項22のいずれか一項に記載のスイング解析装置と、 慣性センサーと、を含むスイング解析システム。運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出力に基づいて、スイング軌跡および解析情報を生成する工程と、 前記スイング軌跡および前記解析情報を出力する工程と、 前記スイング軌跡に、前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて表示する工程と、 をコンピューターに実行させるスイング解析プログラム。運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出力に基づいて、スイング軌跡および解析情報を生成する工程と、 前記スイング軌跡および前記解析情報を出力する工程と、 前記スイング軌跡に、前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて表示する工程と、 をコンピューターに実行させるプログラムが記録されている記録媒体。

说明书全文

本発明は、表示方法、スイング解析装置、スイング解析システム、スイング解析プログラム、および記録媒体に関する。

従来、ゴルフ、テニス、野球などのスポーツにおいて、運動器具としてのゴルフクラブ、ラケット、バットなどのスイングの軌跡を解析し、その軌跡を改善することで競技を向上させる手段が知られている。このような手段の一例として、例えば特許文献1には、スイングをビデオカメラによって撮影し、撮影された動画を用いて解析を行う技術が開示されている。また、例えば特許文献2には、連続的に撮像されたスイングの一連の画像を重畳合成したマルチモーション画像に基づいて、スイングの解析を行う技術が開示されている。また、例えば特許文献3には、モーションセンサーを用いて、スイング中のボールの打撃によりインパクトのタイミングを検出して、スイング解析を行う技術が開示されている。

特開2015−123206号公報

特開2014−64125号公報

特開2014−100341号公報

しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されている技術では、動画や連続画像(マルチモーション画像)を撮影(撮像)する装置が大掛かりになってしまうため、ユーザーが容易にスイング解析を行い難いという課題がある。一方、特許文献3に記載されている技術では、運動器具(ゴルフクラブ)に搭載されたモーションセンサーを用いることにより、スイング解析を容易に行うことができるが、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識し難いという課題があった。

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。

[適用例1]本適用例に係る表示方法は、運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出力に基づいて、得られたスイング軌跡に、前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて表示する。

本適用例の表示方法によれば、スイング軌跡と、スイング中の複数のタイミングにおける運動器具の各々の位置の、該運動器具に係るオブジェクトと、を重ねて表示することにより、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。また、慣性センサーの出力に基づいてスイング軌跡などの解析データを生成して表示するため、大掛かりな撮影装置などを用いることが不要となり、ユーザーが容易にスイング解析を行うことが可能となる。

[適用例2]上記適用例に記載の表示方法において、前記オブジェクトのいずれかを指定し、前記指定されたオブジェクトに係る前記タイミングの解析情報を表示することが好ましい。

本適用例によれば、表示されているオブジェクトのうち、解析情報が必要と判断したオブジェクトを指定することによって、指定されたオブジェクトに係るタイミングの解析情報が表示されるため、効率よく解析情報を得ることができる。また、必要な解析情報を集中して得ることができるため、解析効率を高めることができる。

[適用例3]上記適用例に記載の表示方法において、前記指定は、前記オブジェクトが表示されている表示部に対して指示して行うことが好ましい。

本適用例によれば、オブジェクトの指定を、オブジェクトが表示されている表示部に対して、例えば表示部に触れる(画面タッチ)などによって行う。したがって、直接的にオブジェクトを指定することができ、確実に、且つ容易に指定を行うことができる。

[適用例4]上記適用例に記載の表示方法において、前記指定されたオブジェクトを、強調表示することが好ましい。

本適用例によれば、指定されたオブジェクトが強調表示されることから、指定されたオブジェクトの認識・覚知を、より行い易くすることができる。

[適用例5]上記適用例に記載の表示方法において、前記解析情報は、前記運動器具の姿勢情報であることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の姿勢情報を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の姿勢を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例6]上記適用例に記載の表示方法において、前記姿勢情報は、予め識別データが割り振られている複数の領域に対して、前記運動器具の位置が属する前記領域を表示することが好ましい。

本適用例によれば、どの領域に運動器具の位置が属しているのかを、識別データによって検認することができる。これにより、各タイミングにおける運動器具の位置の良否判定を行い易くすることが可能となる。

[適用例7]上記適用例に記載の表示方法において、前記領域は、少なくとも一つの仮想面との関係に基づいて設定されていることが好ましい。

本適用例によれば、仮想面と、スイング中の所望のタイミングでの運動器具の位置に係る識別データとの関係に基づいて、スイングの特徴をレベル化して明示することが可能となる。

[適用例8]上記適用例に記載の表示方法において、前記解析情報は、前記運動器具の打撃部の姿勢情報であることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の打撃部の姿勢情報を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の打撃部における姿勢を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例9]上記適用例に記載の表示方法において、前記姿勢情報は、前記打撃部の打撃面の向きであることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の打撃部の向きの姿勢情報を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の打撃部の向きに係る姿勢を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例10]上記適用例に記載の表示方法において、前記解析情報は、前記運動器具の回転であることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の回転角を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の回転角を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例11]上記適用例に記載の表示方法において、前記スイングは、ゴルフクラブのスイングであり、前記複数のタイミングは、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトの少なくとも二つを含むことが好ましい。

本適用例によれば、ゴルフクラブのスイングとして重要なタイミングである、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトのタイミングの少なくとも二つを表示することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例12]本適用例に係るスイング解析装置は、運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出力を用いて前記スイングに係る解析データを生成し、前記解析データに基づくスイング軌跡および解析情報を出力する処理部と、前記スイング軌跡および前記解析情報を表示する表示部と、を含み、前記スイング軌跡に、前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて、前記表示部に表示する。

本適用例のスイング解析装置によれば、スイング軌跡と、スイング中の複数のタイミングにおける運動器具の各々の位置の、該運動器具に係るオブジェクトと、を表示部に重ねて表示することにより、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。また、慣性センサーの出力に基づいてスイング軌跡などの解析データが生成される。このように慣性センサーを用いることにより、大掛かりな撮影装置などを用いることが不要となり、ユーザーが容易にスイング解析を行うことが可能となる。

[適用例13]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記オブジェクトのいずれかを指定する操作部を含み、前記指定されたオブジェクトに係る前記解析情報を表示することが好ましい。

本適用例によれば、表示されているオブジェクトのうち、解析情報が必要と判断したオブジェクトを操作部により指定することによって、指定されたオブジェクトに係るタイミングの解析情報を表示することができるため、効率よく解析情報を得ることができる。また、必要な解析情報をまとめて得ることができるため、解析効率を高めることができる。

[適用例14]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記操作部は、前記表示部に設けられており、前記指定は、前記表示部に対して行うことが好ましい。

本適用例によれば、オブジェクトの指定を、表示部に設けられた操作部に対して、例えば表示部に触れる(画面タッチ)などによって行うことができる。したがって、直接的にオブジェクトを指定することができ、確実に、且つ容易に指定を行うことができる。

[適用例15]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記指定されたオブジェクトは、強調表示されることが好ましい。

本適用例によれば、指定されたオブジェクトが強調表示されることから、指定されたオブジェクトの認識・覚知を、より行い易くすることができる。

[適用例16]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記解析情報は、前記運動器具の姿勢情報であることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の姿勢情報を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の姿勢を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例17]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記姿勢情報は、予め識別データが割り振られている複数の領域に対して、前記運動器具の位置が属する前記領域が表示されることが好ましい。

本適用例によれば、どの領域に運動器具の位置が属しているのかを、識別データによって検認することができる。これにより、各タイミングにおける運動器具の位置の良否判定を行い易くすることが可能となる。

[適用例18]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記領域は、少なくとも一つの仮想面との関係に基づいて設定されていることが好ましい。

本適用例によれば、仮想面と、スイング中の所望のタイミングでの運動器具の位置に係る識別データとの関係に基づいて、スイングの特徴をレベル化して明示することが可能となる。

[適用例19]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記解析情報は、前記運動器具の打撃部の姿勢情報であることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の打撃部の姿勢情報を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の打撃部における姿勢を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例20]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記姿勢情報は、前記打撃部の打撃面の向きであることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の打撃部の向きの姿勢情報を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の打撃部に向きに係る姿勢を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例21]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記解析情報は、前記運動器具の回転角であることが好ましい。

本適用例によれば、解析情報として運動器具の回転角を得ることができ、特定のタイミングにおける運動器具の回転角を客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例22]上記適用例に記載のスイング解析装置において、前記スイングは、ゴルフクラブのスイングであり、前記複数のタイミングは、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトの少なくとも二つを含んでいることが好ましい。

本適用例によれば、ゴルフクラブのスイングとして重要なタイミングである、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトのタイミングの少なくとも二つを表示することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

[適用例23]本適用例に係るスイング解析システムは、上記適用例のいずれか一例に記載のスイング解析装置と、慣性センサーと、を含む。

本適用例のスイング解析システムによれば、小型である慣性センサーの出力に基づいてスイング軌跡などの解析データが生成される。そして、該解析データに基づいて、スイング軌跡と、スイング中の複数のタイミングにおける運動器具の各々の位置の、該運動器具に係るオブジェクトと、を表示部に重ねて表示することにより、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。また、小型の慣性センサーを用いることにより、スイング解析装置を小型・軽量化することができる。したがって、大掛かりな撮影装置などを用いることが不要となり、ユーザーが容易にスイング解析を行うことが可能となる。

[適用例24]本適用例に係るスイング解析プログラムは、運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出力に基づいて、スイング軌跡および解析情報を生成する工程と、前記スイング軌跡および前記解析情報を出力する工程と、前記スイング軌跡に、前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて表示する工程と、をコンピューターに実行させる。

本適用例のスイング解析プログラムによれば、慣性センサーの出力に基づいてスイング軌跡などの解析データが生成され、該解析データに基づいて、スイング軌跡と、スイング中の複数のタイミングにおける運動器具の各々の位置の、該運動器具に係るオブジェクトと、を重ねて表示するように、コンピューターに実行させる。これにより、ユーザーは、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。

[適用例25]本適用例に係る記録媒体は、運動器具のスイングを計測する慣性センサーの出力に基づいて、スイング軌跡および解析情報を生成する工程と、前記スイング軌跡および前記解析情報を出力する工程と、前記スイング軌跡に、前記スイング中の複数のタイミングの前記運動器具の各々の位置における前記運動器具に係るオブジェクトを重ねて表示する工程と、をコンピューターに実行させるプログラムが記録されている。

本適用例の記録媒体によれば、記録されているプログラムに基づいてコンピューターを実行させることにより、慣性センサーの出力に基づいてスイング軌跡などの解析データが生成され、該解析データに基づいて、スイング軌跡と、スイング中の複数のタイミングにおける運動器具の各々の位置の、該運動器具に係るオブジェクトと、が重ねて表示される。これにより、ユーザーは、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。

スイング解析システムの概要の説明図。

センサーユニットの装着位置および向きの一例を示す図。

スイング動作についての説明図。

スイング解析システムの構成例を示す図。

ユーザーの静止時におけるゴルフクラブとセンサーユニットをX軸の負側から視た平面図。

3軸角速度の時間変化の一例を示すグラフ。

3軸角速度の合成値の時間変化を示すグラフ。

合成値の微分の時間変化を示すグラフ。

シャフトプレーンおよびホーガンプレーンを示す図。

シャフトプレーンをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図。

ホーガンプレーンをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図。

フェース角とクラブパス(入射角)を説明するための図。

スイング開始(バックスイング開始)からインパクトまでのシャフト軸回転角の時間変化の一例を示す図。

シャフトプレーンおよびホーガンプレーンと複数の領域との関係の一例を示す図。

スイング解析システムの動作手順(解析結果の表示方法)を示すフローチャート。

スイング情報の表示例1を示す図。

スイングの解析情報の表示例のシャフト回転軸の推移を示す図。

スイング情報の表示例2を示す図。

スイング情報の表示例3を示す図。

スイング情報の表示に係る応用例1を示す図。

スイング情報の表示に係る応用例2を示す図。

運動解析表示装置の一例の、ヘッドマウントディスプレイを示す斜視図。

ウェアラブル型の一例の、腕装着型の運動解析表示装置を示す斜視図。

以下、本発明の好適な実施形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。

スイング解析(運動解析)システム 1−1.スイング解析(運動解析)システムの概要 図1は、本実施形態のスイング解析システムの概要について説明するための図である。図2は、センサーユニットの装着位置および向きの一例を示す図である。図3は、一連のスイング動作についての説明図である。図4は、スイング解析システムの構成例を示す図である。

図1に示すように、本実施形態のスイング解析システム1は、センサーユニット10(慣性センサーの一例)、およびスイング解析装置としての運動解析表示装置20を含んで構成されている。スイング解析システム1では、ユーザー(被験者)2が、ターゲットとしてのゴルフボール4を打球するために行う、ゴルフクラブ3のスイング(以下、ゴルフスイングとも言う)を解析する。本実施形態では、ゴルフスイングの解析を行うスイング解析装置を例に挙げて説明するが、本発明のスイング解析装置は、テニス、バドミントン、卓球などのラケット、野球やソフトボールに用いるバットなど、スイングに用いられる様々な運動器具のスイング解析に適用することができる。

計測部としてのセンサーユニット10は、備えられた慣性センサー(図4に示す加速度センサー12および角速度センサー14)によって、3軸の各軸方向に生じる加速度と、3軸の各軸回りに生じる角速度とを計測可能であり、本形態ではゴルフクラブ3(運動器具の一例)に装着されている。

本実施形態では、図2に示すように、計測部としてのセンサーユニット10は、3つの検出軸(x軸,y軸,z軸)のうちの1軸、例えばy軸をシャフトの長手方向に合わせて、ゴルフクラブ3のシャフトの一部に取り付けられる。望ましくは、センサーユニット10は、打球時の衝撃が伝わりにくく、スイング時に遠心力がかかりにくいグリップに近い位置に取り付けられる。シャフトは、ゴルフクラブ3のヘッド3aを除いた柄の部分であり、グリップも含まれる。ただし、センサーユニット10は、被験者であるユーザー2の部位(例えば、手やグローブなど)に取り付けられてもよいし、腕時計などのアクセサリーに取り付けられてもよい。

なお、本形態ではゴルフクラブ3のスイングを一例としたスイング解析(運動解析)を例示している。ゴルフスイングは、例えば、図3に示すような一連のスイング動作が行われる。具体的には、図3に示すように、静止状態であるアドレスの位置からスイング(バックスイング)を開始した後、バックスイング中にゴルフクラブ3のシャフトが平になるハーフウェイバック、バックスイングからダウンスイングに切り替わるトップ、ダウンスイング中にゴルフクラブ3のシャフトが水平になるハーフウェイダウンの各状態を経て、ゴルフボール4を打球するインパクトに至る動作を含んでいる。インパクト後は、図示していないフォロースルーに至り、一連のスイング動作が終了する。

1−2.スイング解析(運動解析)システムの構成 図4は、本実施形態のスイング解析(運動解析)システム1の構成例(センサーユニット10、および運動解析表示装置20の構成例)を示す図である。図4に示すように、本実施形態では、センサーユニット10は、慣性センサーとしての加速度センサー12および角速度センサー14と、信号処理部16と、通信部18と、を含んで構成されている。

慣性センサーとしての加速度センサー12は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸方向の各々に生じる加速度を計測し、計測した3軸加速度の大きさおよび向きに応じたデジタル信号(加速度データ)を出力する。

慣性センサーとしての角速度センサー14は、互いに交差する(理想的には直交する)3軸の各々の軸回りに生じる角速度を計測し、計測した3軸角速度の大きさおよび向きに応じたデジタル信号(角速度データ)を出力する。

信号処理部16は、加速度センサー12および角速度センサー14から、それぞれ加速度データおよび角速度データ(計測データ)を受け取って時刻情報を付して不図示の記憶手段に記憶し、記憶した計測データ(姿勢または位置の情報の一例)に時刻情報を付して通信用のフォーマットに合わせたパケットデータを生成し、通信部18に出力する。

加速度センサー12および角速度センサー14は、それぞれ3軸が、センサーユニット10に対して定義される直交座標系(センサー座標系)の3軸(x軸、y軸、z軸)と一致するようにセンサーユニット10に取り付けられるのが理想的だが、実際には取り付け角の誤差が生じる。そこで、信号処理部16は、取り付け角誤差に応じてあらかじめ算出された補正パラメーターを用いて、加速度データおよび角速度データをxyz座標系のデータに変換する処理を行う。

さらに、信号処理部16は、加速度センサー12および角速度センサー14の温度補正処理を行ってもよい。あるいは、加速度センサー12および角速度センサー14に温度補正の機能が組み込まれていてもよい。

なお、加速度センサー12と角速度センサー14は、アナログ信号を出力するものであってもよく、この場合は、信号処理部16が、加速度センサー12の出力信号と角速度センサー14の出力信号をそれぞれA/D変換して計測データ(加速度データと角速度データ)を生成し、これらを用いて通信用のパケットデータを生成すればよい。

センサーユニット10の通信部18は、信号処理部16から受け取ったパケットデータを運動解析表示装置20に送信する処理や、運動解析表示装置20から制御コマンドを受信して信号処理部16に送る処理等を行う。信号処理部16は、制御コマンドに応じた各種処理を行う。

運動解析表示装置20は、例えば、スマートフォン、パーソナルコンピューター、後述するヘッドマウントディスプレイ(HMD)500、および後述する腕装着型の解析表示装置600等の情報端末(クライアント端末)で実現される。運動解析表示装置(表示装置)20は、処理部21(処理部の一例)、通信部22、操作部23、記憶部24、表示部25、音出力部26、および撮影部27を含んで構成されている。

運動解析表示装置20の通信部22は、センサーユニット10から送信されたパケットデータを受信し、処理部21に送る処理や、処理部21からの制御コマンドをセンサーユニット10に送信する処理等を行う。

入力部としての操作部23は、ユーザー(被験者)2からの操作データを取得し、処理部21に送る処理を行う。操作部23は、例えば、タッチパネル型ディスプレイ、ボタン、キー、マイクなどであってもよい。換言すれば、操作部23は、操作データなどを入力することができる入力部として機能する。そして、ユーザー(被験者)2は、操作部23から、所望の操作データを入力することができる。なお、操作部23から取得されるデータには、例えば、スイングの時刻(日時)、ユーザー識別情報(ユーザーID)、ユーザー2の性別、ゴルフクラブ情報242、ユーザー2の身体情報244、センサーユニット10の位置情報であるセンサー装着位置情報246などを含むことができる。

また、操作部23から取得されるデータには、解析終了後に提示(画像表示や音声報知など)する解析情報を選択し、入力された解析情報の指標を含むことができる。これにより、スイングの解析情報のうちで、提示(画像表示や音声報知など)する解析情報を選択し、予め設定しておくことができるため、スイング終了時にユーザー2の手を煩わせることなく、所望の提示(画像表示や音声報知など)を自動的に行うことができるなど、使い勝手を向上させることができる。

記憶部24は、例えば、ROM(Read Only Memory)やフラッシュROM、RAM(Random Access Memory)等の各種ICメモリーやハードディスクやメモリーカードなどの記録媒体等により構成される。

記憶部24は、処理部21が各種の計算処理や制御処理を行うためのプログラムや、アプリケーション機能を実現するための各種プログラムやデータ等を記憶している。特に、本実施形態では、記憶部24には、処理部21によって読み出され、スイング解析処理を実行するためのスイング解析プログラム(運動解析プログラム)240が記憶されている。スイング解析プログラム240はあらかじめ不揮発性の記録媒体(記録媒体の一例)に記憶されていてもよいし、処理部21がネットワークを介してサーバーからスイング解析プログラム240を受信して記憶部24に記憶させてもよい。

記憶部24には、スイング解析処理に用いられる情報として、ゴルフクラブ情報242、身体情報244、センサーユニット10の位置情報であるセンサー装着位置情報246などが記憶される。

ゴルフクラブ情報242は、ユーザー2が使用するゴルフクラブ3の仕様を示す情報である。例えば、ユーザー2が、操作部23を操作して、使用するゴルフクラブ3のゴルフクラブの情報を入力し、入力されたゴルフクラブの情報をゴルフクラブ情報242としてもよい。あるいは、ユーザー2が、後述する図15に示すステップS100において、ゴルフクラブ3の型番を入力(あるいは、型番リストから選択)し、記憶部24にあらかじめ記憶されている型番毎の仕様情報(例えば、シャフトの長さ、重心の位置、ライ角、フェース角、ロフト角等の情報など)のうち、入力された型番の仕様情報をゴルフクラブ情報242としてもよい。

身体情報244は、ユーザー2の体格(腰の高さ、首の高さ、腕の長さなど)を示す情報である。例えば、ユーザー2が、操作部23を操作して身体の情報を入力し、入力された身体の情報を身体情報244としてもよい。

センサー装着位置情報246は、ゴルフクラブ3におけるセンサーユニット10の装着位置を示す情報である。例えば、図15に示すステップS100において、ユーザー2が操作部23を操作してセンサーユニット10の装着位置とゴルフクラブ3のグリップとの間の距離を入力し、入力された距離の情報をセンサー装着位置情報246としてもよい。あるいは、センサーユニット10を決められた所定位置(例えば、グリップから20cmの距離など)に装着するものとして、当該所定位置の情報がセンサー装着位置情報246としてあらかじめ記憶されていてもよい。

記憶部24は、処理部21の作業領域として用いられ、操作部23から入力されたデータ、処理部21が各種プログラムに従って実行した演算結果等を一時的に記憶する。さらに、記憶部24は、処理部21の処理により生成されたデータのうち、長期的な保存が必要なデータを記憶してもよい。

表示部25は、処理部21の処理結果を文字、グラフ、表、アニメーション、その他の画像として表示するものである。表示部25は、例えば、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)などを用いてもよい。なお、1つのタッチパネル型ディスプレイで操作部23と表示部25の機能を実現するようにしてもよい。

なお、表示部25における操作部23の機能としては、表示部25に表示されるオブジェクト31〜35(後述の図16、図18参照)のうちで、解析表示するタイミングの指定を、表示部25に触れる(画面タッチ)などによって行うことができる。このように、解析表示するオブジェクト31〜35のいずれかの指定を、表示部25の有する操作部23に対して行う、例えば表示部25に触れる(画面タッチ)などによって行うことができる。したがって、直接的にオブジェクト31〜35のいずれかを指定することができ、確実に、且つ容易に指定を行うことができる。

音出力部26は、処理部21の処理結果(解析情報)を音声やブザー音等の音として提示するために出力するものである。音出力部26は、例えば、スピーカーやブザーなどであってもよい。

撮影部27は、図示しない光学レンズ(撮像光学系)やCCD(Charge-Coupled Device)等を含む受光ユニット(不図示)を含んでいる。撮影部27は、被写体像(ユーザー2)を撮影し、撮影データを記憶部24に記憶させたり、撮影データを画像データ生成部216に送り、画像データ生成部216によって生成された画像データを表示部25に表示させたりすることができる。

処理部21は、各種プログラムに従って、センサーユニット10に制御コマンドを送信する処理や、センサーユニット10から通信部22を介して受信したデータに対する各種の計算処理や、その他の各種の制御処理を行う。処理部21は、センサーユニット10から受信したスイングのデータを用いて、当該スイングを解析した解析データを生成し、その解析データに基づいて、スイング軌跡30(図16、図18参照)、および解析情報の表示データを形成し、出力することができる。処理部21は、スイング解析プログラム(運動解析プログラム)240を実行することにより、データ取得部210、スイング診断部211、スイング解析部215、画像データ生成部216、記憶処理部217、表示処理部218および音出力処理部219として機能する。

データ取得部210は、通信部22がセンサーユニット10から受信したパケットデータを受け取り、受け取ったパケットデータから時刻情報および計測データを取得し、記憶処理部217に送る処理を行う。

スイング診断部211は、スイング解析部215によって算出されるスイングの指標に基づいて、当該スイングの良否について診断する。具体的な手法は後述するが、ハーフウェイバック時とハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が、それぞれ、スイング解析部215によって算出されるシャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)に基づいて決定される複数の領域A〜Dのうちのどの領域に属するかによって判定を行う手法を用いている。この表示では、運動解析表示装置20において、予め識別データが割り振られている複数の領域A〜Dが表示され、複数の領域A〜Dに対して、一連のスイングにおけるゴルフクラブ3のヘッド3aの位置が属する領域A〜Dを判断することができる。

スイング解析部215は、センサーユニット10が出力する計測データ(記憶部24に記憶されている計測データ)や操作部23からのデータなどを用いて、ユーザー2のスイング運動を解析し、スイングが行われた時刻(日時)、ユーザー2の識別情報や性別、ゴルフクラブ3の種類、スイング動作の解析結果の情報を含むスイング解析データ248を生成する処理を行う。特に、本実施形態では、スイング解析部215は、スイング動作の解析結果の情報の少なくとも一部として、スイングの各指標の値を算出する。

スイング解析部215は、スイングの指標として、少なくとも1つの仮想面を算出してもよい。例えば、少なくとも1つの仮想面は、後述する、シャフトプレーンSP(第1仮想面)と、シャフトプレーンSPと所定の角度をなすホーガンプレーンHP(第2仮想面)とを含み、スイング解析部215は、この指標として、「シャフトプレーンSP」と「ホーガンプレーンHP」とを算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、バックスイング中の第1のタイミングでのゴルフクラブ3のヘッド3aの位置を算出してもよい。例えば、第1のタイミングは、バックスイング中にゴルフクラブ3の長手方向が水平方向に沿う方向となるハーフウェイバックのときであり、スイング解析部215は、この指標として、後述する「ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置」を算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、ダウンスイング中の第2のタイミングでのゴルフクラブ3のヘッド3aの位置を算出してもよい。例えば、第2のタイミングは、ダウンスイング中にゴルフクラブ3の長手方向が水平方向に沿う方向となるハーフウェイダウンのときであり、スイング解析部215は、この指標として、後述する「ハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置」を算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、インパクト(打球時)におけるゴルフクラブ3のヘッド3aの入射角に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部215は、この指標として、後述する「クラブパス(入射角)ψ」を算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、インパクト(打球時)におけるゴルフクラブ3のヘッド3aの傾きに基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部215は、この指標として、後述する「(絶対)フェース角φ」や「相対フェース角η」を算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、インパクト(打球時)におけるゴルフクラブ3の速度に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部215は、この指標として、後述する「ヘッドスピード」を算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、シャフトの長手方向を回転軸として、バックスイングの開始時からインパクト(打球時)までの間の所定のタイミングにおけるゴルフクラブ3のシャフトの回転軸回り(以下、長軸回りと称す)の回転角に基づく指標を算出してもよい。ゴルフクラブ3の長軸回りの回転角は、基準となるタイミングから当該所定のタイミングまでにゴルフクラブ3が長軸回りに回転した角度であってもよい。基準となるタイミングは、バックスイングの開始時であってもよいし、アドレス時であってもよい。また、所定のタイミングは、バックスイングからダウンスイングに移行するとき(トップのとき)であってもよい。例えば、スイング解析部215は、この指標として、後述する「トップ時のシャフト軸回転角θtop」を算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、ダウンスイングにおけるゴルフクラブ3のグリップの減速量に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部215は、この指標として、後述する「グリップ減速率RV」を算出してもよい。

また、スイング解析部215は、スイングの指標として、ダウンスイングにおけるゴルフクラブ3のグリップの減速期間に基づく指標を算出してもよい。例えば、スイング解析部215は、この指標として、後述する「グリップ減速時間率RT」を算出してもよい。

ただし、スイング解析部215は、適宜、これらの指標の一部の値を算出しなくてもよいし、その他の指標の値を算出してもよい。

画像データ生成部216は、表示部25に表示される画像に対応する画像データを生成する処理を行う。例えば、画像データ生成部216は、データ取得部210が受け取った各種の情報に基づき、種々の画面に対応する画像データを生成する。

記憶処理部217は、データ取得部210から時刻情報と計測データを受け取り、これらを対応づけて記憶部24に記憶させる処理を行う。また、記憶処理部217は、記憶部24に対する各種プログラムや各種データのリード/ライト処理を行う。記憶処理部217は、データ取得部210から受け取った時刻情報と計測データを対応づけて記憶部24に記憶させる処理の他、スイング解析部215が生成した判定結果情報等を記憶部24に記憶させる処理も行う。

表示処理部218は、表示部25に対して各種の画像(画像データ生成部216が生成した画像データに対応する画像の他、文字や記号等も含む)を表示させる処理を行う。例えば、表示処理部218は、ユーザー2のスイング運動が終了した後、当該スイングのスイング軌跡(スイング軌跡画像)30(図16、図18参照)、およびスイング中の複数のタイミングにおけるゴルフクラブ3(ヘッド3a)の各々の位置を示すオブジェクト31〜35(図16、図18参照)を表示部25に重ねて表示させる。

また、表示処理部218は、表示されているオブジェクト31〜35のうちで、ユーザー2によって指定されたオブジェクト32に係るタイミングの解析情報を表示部25に表示することができる。このとき表示される解析情報は、スイング軌跡30やオブジェクト31〜35と同じ画面に重畳表示してもよいし、所定のタイミングで画面を切り換えて解析情報の表示としてもよい。このように、ユーザー2において解析情報が必要と判断したオブジェクト(本例ではオブジェクト32)を指定することによって、指定されたオブジェクト32に係るタイミングの解析情報が表示されるため、効率よく解析情報を得ることができる。また、必要な解析情報を集中して得ることができるため、解析効率を高めることができる。

このとき、表示処理部218は、ユーザー2によって指定されたオブジェクト32を、その色調を変えたり(濃くする)、オブジェクト32のサイズを変えたり(大きくする)して強調表示することが好ましい。このような強調表示とすることにより、指定されたオブジェクト(本例ではオブジェクト32(図16、図18参照))の認識・覚知を行い易くすることができる。

表示処理部218によって、このような表示が表示部25になされることにより、ユーザー2は、当該スイングの一連の動作が、どのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。

このように、表示処理部218は、自動的に、あるいは、ユーザー2の入力操作により選択された指標に応じて画像データ生成部216が生成した画像データに対応する画像やスイング解析部215による判定結果を示す文字等を表示部25に表示させる。あるいは、センサーユニット10に表示部(不図示)を設けたり、他の表示装置(不図示)を設けたりしておいて、表示処理部218は、通信部22を介してセンサーユニット10や他の表示装置に画像データを送信し、センサーユニット10の表示部や他の表示装置に各種の画像や文字等を表示させてもよい。

音出力処理部219は、音出力部26に対して各種の音(音声データによる音声やブザー音等も含む)を出力させる処理を行う。なお、音出力処理部219は、所定の入力操作が行われたときに、記憶部24に記憶されている各種の情報を読み出して音出力部26にスイング解析用の音や音声を出力させてもよい。あるいは、センサーユニット10に音出力部26を設けておいて、音出力処理部219は、通信部22を介してセンサーユニット10に各種の音データや音声データを送信し、センサーユニット10の音出力部に各種の音や音声を出力させてもよい。

1−3.構成要素の位置および姿勢などの算出、スイング動作の各タイミングの検出 以下、構成要素(例えば、センサーユニット10)の位置および姿勢、スイング動作の各タイミングの検出、シャフトプレーンおよびホーガンプレーンの算出、フェース角およびクラブパス(入射角)の算出、シャフト軸回転角の算出、などの具体的な方法について、図5ないし図13を用いて説明する。

[センサーユニット10の位置および姿勢の算出] ユーザー2が後述するステップS103(図15参照)の動作(アドレス時の静止動作)を行うと、まず、スイング解析部215は、加速度センサー12が計測した加速度データの変化量が所定時間継続して閾値を超えない場合に、ユーザー2がアドレス姿勢で静止していると判定する。次に、スイング解析部215は、当該所定時間内の計測データ(加速度データおよび角速度データ)を用いて、計測データに含まれるオフセット量を計算する。次に、スイング解析部215は、計測データからオフセット量を減算してバイアス補正し、バイアス補正された計測データを用いて、ユーザー2のスイング動作中(図15のステップS106)のセンサーユニット10の位置および姿勢を計算する。

具体的には、まず、スイング解析部215は、加速度センサー12が計測した加速度データ、ゴルフクラブ情報242およびセンサー装着位置情報246を用いて、XYZ座標系(グローバル座標系)におけるユーザー2の静止時(アドレス時)のセンサーユニット10の位置(初期位置)を計算する。

図5は、ユーザー2の静止時(アドレス時)におけるゴルフクラブ3とセンサーユニット10をX軸の負側から視た平面図である。ゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61が原点O(0,0,0)であり、グリップエンドの位置62の座標は(0,GY,GZ)である。ユーザー2は、アドレス時の静止動作(図15のステップS103)を行うので、グリップエンドの位置62やセンサーユニット10の初期位置は、そのX座標が0であり、YZ平面上に存在する。図5に示すように、ユーザー2の静止時にセンサーユニット10には重力加速度1Gがかかるので、センサーユニット10が計測するy軸加速度y(0)とゴルフクラブ3のシャフトの傾斜角(シャフトの長手方向と水平面(XY平面)とのなす角)αとの関係は式(1)で表される。

従って、スイング解析部215は、アドレス時(静止時)の任意の時刻間内の任意の加速度データを用いて、式(1)より、傾斜角αを算出することができる。

次に、スイング解析部215は、ゴルフクラブ情報242に含まれるシャフトの長さL1からセンサー装着位置情報246に含まれるセンサーユニット10とグリップエンドの位置62との距離を減算して、センサーユニット10とヘッド3aとの距離LSHを求める。さらに、スイング解析部215は、シャフトの傾斜角αにより特定される方向(センサーユニット10のy軸の負の方向)にヘッド3aの位置61(原点O)から距離LSHの位置をセンサーユニット10の初期位置とする。

そして、スイング解析部215は、その後の加速度データを積分してセンサーユニット10の初期位置からの位置の座標を時系列に計算する。

また、スイング解析部215は、加速度センサー12が計測した加速度データを用いて、XYZ座標系(グローバル座標系)におけるユーザー2の静止時(アドレス時)のセンサーユニット10の姿勢(初期姿勢)を計算する。ユーザー2は、アドレス時の静止動作(図15のステップS103)を行うので、ユーザー2のアドレス時(静止時)には、センサーユニット10のx軸はXYZ座標系のX軸と方向が一致し、かつ、センサーユニット10のy軸はYZ平面上にあるため、スイング解析部215は、ゴルフクラブ3のシャフトの傾斜角αより、センサーユニット10の初期姿勢を特定することができる。

そして、スイング解析部215は、その後の角速度センサー14が計測した角速度データを用いた回転演算を行ってセンサーユニット10の初期姿勢からの姿勢の変化を時系列に計算する。センサーユニット10の姿勢は、例えば、X軸、Y軸、Z軸回りの回転角(ロール角、ピッチ角、ヨー角)、クオータニオン(四元数)などで表現することができる。

なお、センサーユニット10の信号処理部16が、計測データのオフセット量を計算し、計測データのバイアス補正を行うようにしてもよいし、加速度センサー12および角速度センサー14にバイアス補正の機能が組み込まれていてもよい。これらの場合は、スイング解析部215による計測データのバイアス補正が不要となる。

[スイング開始、トップおよびインパクトのタイミングの検出] スイング解析部215は、まず、計測データを用いて、ユーザー2が打球したタイミング(インパクトのタイミング)を検出する。例えば、スイング解析部215は、計測データ(加速度データまたは角速度データ)の合成値を計算し、当該合成値に基づいてインパクトのタイミング(時刻)を検出してもよい。

具体的には、まず、スイング解析部215は、角速度データ(時刻t毎のバイアス補正された角速度データ)を用いて、各時刻tでの角速度の合成値n0(t)の値を計算する。例えば、時刻tでの角速度データをx(t)、y(t)、z(t)とすると、スイング解析部215は、次の式(2)により、角速度の合成値n0(t)を計算する。

次に、スイング解析部215は、各時刻tでの角速度の合成値n0(t)を所定範囲に正規化(スケール変換)した合成値n(t)に変換する。例えば、計測データの取得期間における角速度の合成値の最大値をmax(n0)とすると、スイング解析部215は、次の式(3)により、角速度の合成値n0(t)を0〜100の範囲に正規化した合成値n(t)に変換する。

次に、スイング解析部215は、各時刻tでの正規化後の合成値n(t)の微分dn(t)を計算する。例えば、3軸角速度データの計測周期をΔtとすると、スイング解析部215は、次の式(4)により、時刻tでの角速度の合成値の微分(差分)dn(t)を計算する。

図6は、ユーザー2がスイングを行ってゴルフボール4を打ったときの3軸角速度データx(t)、y(t)、z(t)の一例を示す。図6において、横軸は時間(msec)、縦軸は角速度(dps)である。

図7は、図6の3軸角速度データx(t),y(t),z(t)から3軸角速度の合成値n0(t)を式(2)に従って計算した後に式(3)に従って0〜100に正規化した合成値n(t)をグラフ表示した図である。図7において、横軸は時間(msec)、縦軸は角速度の合成値である。

図8は、図7の3軸角速度の合成値n(t)からその微分dn(t)を式(4)に従って計算し、グラフ表示した図である。図8において、横軸は時間(msec)、縦軸は3軸角速度の合成値の微分値である。なお、図6および図7では横軸を0〜5秒で表示しているが、図8では、インパクトの前後の微分値の変化がわかるように、横軸を2秒〜2.8秒で表示している。

次に、スイング解析部215は、合成値の微分dn(t)の値が最大となる時刻と最小となる時刻のうち、先の時刻をインパクトの時刻timpact(インパクトのタイミング)として検出する(図8参照)。通常のゴルフスイングでは、インパクトの瞬間にスイング速度が最大になると考えられる。そして、スイング速度に応じて角速度の合成値の値も変化すると考えられるので、スイング解析部215は、一連のスイング動作の中で角速度の合成値の微分値が最大または最小となるタイミング(すなわち、角速度の合成値の微分値が正の最大値または負の最小値になるタイミング)をインパクトのタイミングとして捉えることができる。なお、インパクトによりゴルフクラブ3が振動するため、角速度の合成値の微分値が最大となるタイミングと最小となるタイミングが対になって生じると考えられるが、そのうちの先のタイミングがインパクトの瞬間と考えられる。

次に、スイング解析部215は、インパクトの時刻timpactよりも前で合成値n(t)が0に近づく極小点の時刻をトップの時刻ttop(トップのタイミング)として検出する(図7参照)。通常のゴルフスイングでは、スイング開始後、トップで一旦動作が止まり、その後、徐々にスイング速度が大きくなってインパクトに至ると考えられる。従って、スイング解析部215は、インパクトのタイミングより前で角速度の合成値が0に近づき極小となるタイミングをトップのタイミングとして捉えることができる。

次に、スイング解析部215は、トップの時刻ttopの前後で合成値n(t)が所定の閾値以下の区間をトップ区間とし、トップ区間の開始時刻より前で合成値n(t)が所定の閾値以下となる最後の時刻をスイング開始(バックスイング開始)の時刻tstartとして検出する(図7参照)。通常のゴルフスイングでは、静止した状態からスイング動作を開始し、トップまでにスイング動作が止まることは考えにくい。従って、スイング解析部215は、トップ区間より前で角速度の合成値が所定の閾値以下となる最後のタイミングをスイング動作の開始のタイミングとして捉えることができる。なお、スイング解析部215は、トップの時刻ttopよりも前で、合成値n(t)が0に近づく極小点の時刻をスイング開始の時刻tstartとして検出してもよい。

なお、スイング解析部215は、3軸加速度データを用いても、同様に、スイング開始、トップ、インパクトの各タイミングを検出することができる。

[シャフトプレーンおよびホーガンプレーンの算出] シャフトプレーンSPは、ユーザー2のスイング開始前のアドレス時(静止状態)において、ターゲットライン(打球の目標方向)とゴルフクラブ3のシャフトの長手方向とで特定される第1仮想面である。また、ホーガンプレーンHPは、ユーザー2のアドレス時において、ユーザー2の肩付近(肩や首の付け根など)とゴルフクラブのヘッド3a(あるいは、ゴルフボール4)を結ぶ仮想線とターゲットライン(打球の目標方向)とで特定される第2仮想面である。

図9は、シャフトプレーンおよびホーガンプレーンを示す図である。図9には、XYZ座標系(グローバル座標系)のX軸、Y軸、Z軸も表記されている。

図9に示すように、本実施形態では、打球の目標方向に沿った第1線分51と、ゴルフクラブ3のシャフトの長手方向に沿った第2線分52と、を含み、U1,U2,S1,S2を4つの頂点とする仮想平面をシャフトプレーンSP(第1仮想面)とする。本実施形態では、アドレス時のゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61をXYZ座標系の原点O(0,0,0)とし、第2線分52は、ゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61(原点O)とグリップエンドの位置62とを結ぶ線分である。また、第1線分51は、X軸上のU1,U2を両端として原点Oを中点とする長さULの線分である。ユーザー2がアドレス時に静止動作(図15のステップS103)を行うことでゴルフクラブ3のシャフトがターゲットライン(X軸)に対して垂直となるので、第1線分51は、ゴルフクラブ3のシャフトの長手方向と直交する線分、すなわち第2線分52と直交する線分である。スイング解析部215は、シャフトプレーンSPとして、XYZ座標系における4つの頂点U1,U2,S1,S2の各座標を算出する。

具体的には、まず、スイング解析部215は、傾斜角αとゴルフクラブ情報242に含まれるシャフトの長さL1とを用いて、ゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62の座標(0,GY,GZ)を計算する。図5に示すように、スイング解析部215は、シャフトの長さL1と傾斜角αを用いて、式(5)および式(6)により、GY,GZをそれぞれ計算することができる。

次に、スイング解析部215は、ゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62の座標(0,GY,GZ)にスケールファクターSを乗算し、シャフトプレーンSPの頂点S1と頂点S2の中点S3の座標(0,SY,SZ)を計算する。すなわち、スイング解析部215は、式(7)および式(8)により、SYおよびSZをそれぞれ計算する。

図10は、図9のシャフトプレーンSPをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図である。図10に示すように、頂点S1(図9参照)と頂点S2(図9参照)の中点S3と原点Oとを結ぶ線分の長さ(シャフトプレーンSPのX軸と直交する方向の幅)は、第2線分52の長さL1のS倍となる。このスケールファクターSは、ユーザー2のスイング動作中のゴルフクラブ3の軌跡がシャフトプレーンSPに収まるような値に設定される。例えば、ユーザー2の腕の長さをL2(図11参照)とすると、シャフトプレーンSPのX軸と直交する方向の幅S×L1が、シャフトの長さL1と腕の長さL2の和の2倍となるように、スケールファクターSを式(9)のように設定してもよい。

また、ユーザー2の腕の長さL2は、ユーザー2の身長L0(不図示)と相関があり、統計情報に基づき、例えば、ユーザー2が男性の場合は式(10)のような相関式で表され、ユーザー2が女性の場合は式(11)のような相関式で表される。

従って、スイング解析部215は、身体情報244に含まれるユーザー2の身長L0と性別とを用いて、式(10)または式(11)により、ユーザーの腕の長さL2を算出することができる。

次に、スイング解析部215は、中点S3の座標(0,SY,SZ)およびシャフトプレーンSPのX軸方向の幅(第1線分51の長さ)ULを用いて、シャフトプレーンSPの頂点U1の座標(−UL/2,0,0)、頂点U2の座標(UL/2,0,0)、頂点S1の座標(−UL/2,SY,SZ)、S2の座標(UL/2,SY,SZ)を計算する。X軸方向の幅ULは、ユーザー2のスイング動作中のゴルフクラブ3の軌跡がシャフトプレーンSPに収まるような値に設定される。例えば、X軸方向の幅ULを、X軸と直交する方向の幅S×L1と同じ、すなわち、シャフトの長さL1と腕の長さL2の和の2倍に設定してもよい。

このようにして、スイング解析部215は、シャフトプレーンSPの4つの頂点U1,U2,S1,S2の座標を算出することができる。

また、図9に示すように、本実施形態では、第1線分51と、第3線分53と、を含み、U1,U2,H1,H2を4つの頂点とする仮想平面をホーガンプレーンHP(第2仮想面)とする。第3線分53は、ユーザー2の両肩を結ぶ線分付近にある所定位置63とゴルフクラブ3のヘッド3aの位置61とを結ぶ線分である。ただし、第3線分53は、所定位置63とゴルフボール4の位置とを結ぶ線分であってもよい。スイング解析部215は、ホーガンプレーンHPとして、XYZ座標系における4つの頂点U1,U2,H1,H2の各座標を算出する。

具体的には、まず、スイング解析部215は、アドレス時(静止時)におけるゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62の座標(0,GY,GZ)と、身体情報244に基づくユーザー2の腕の長さL2とを用いて、所定位置63を推定し、その座標(AX,AY,AZ)を計算する。

図11は、図9のホーガンプレーンHPをYZ平面で切った断面図をX軸の負側から視た図である。図11では、ユーザー2の両肩を結ぶ線分の中点を所定位置63としており、所定位置63はYZ平面上に存在する。従って、所定位置63のX座標AXは0である。そして、図11に示すように、スイング解析部215は、ゴルフクラブ3のグリップエンドの位置62をZ軸の正方向にユーザー2の腕の長さL2だけ移動させた位置が所定位置63であると推定する。従って、スイング解析部215は、所定位置63のY座標AYをグリップエンドの位置62のY座標GYと同じ値とする。また、スイング解析部215は、所定位置63のZ座標AZを、式(12)のように、グリップエンドの位置62のZ座標GZとユーザー2の腕の長さL2の和として計算する。

次に、スイング解析部215は、所定位置63のY座標AYおよびZ座標AZにそれぞれスケールファクターHを乗算し、ホーガンプレーンHPの頂点H1と頂点H2の中点H3の座標(0,HY,HZ)を計算する。すなわち、スイング解析部215は、式(13)および式(14)により、HYおよびHZをそれぞれ計算する。

図11に示すように、頂点H1(図9参照)と頂点H2(図9参照)の中点H3と原点Oとを結ぶ線分の長さ(ホーガンプレーンHPのX軸と直交する方向の幅)は、第3線分53の長さL3のH倍となる。このスケールファクターHは、ユーザー2のスイング動作中のゴルフクラブ3の軌跡がホーガンプレーンHPに収まるような値に設定される。例えば、ホーガンプレーンHPは、シャフトプレーンSPと同じ形および大きさとしてもよい。この場合、ホーガンプレーンHPのX軸と直交する方向の幅H×L3が、シャフトプレーンSPのX軸と直交する方向の幅S×L1と一致し、ゴルフクラブ3のシャフトの長さL1とユーザー2の腕の長さL2の和の2倍となる。従って、スイング解析部215は、スケールファクターHを式(15)により、計算することができる。

また、スイング解析部215は、所定位置63のY座標AYおよびZ座標AZを用いて、式(13)により、第3線分53の長さL3を計算することができる。

次に、処理部21は、中点H3の座標(0,HY,HZ)およびホーガンプレーンHPのX軸方向の幅(第1線分51の長さ)ULを用いて、ホーガンプレーンHPの頂点H1の座標(−UL/2,HY,HZ)、H2の座標(UL/2,HY,HZ)を計算する。なお、ホーガンプレーンHPの2つの頂点U1,U2はシャフトプレーンSPと共通するため、スイング解析部215は、ホーガンプレーンHPの頂点U1,U2の座標をあらためて計算する必要はない。

このようにして、スイング解析部215は、ホーガンプレーンHPの4つの頂点U1,U2,H1,H2の座標を算出することができる。

シャフトプレーンSP(第1仮想面)とホーガンプレーンHP(第2仮想面)により挟まれる領域は「Vゾーン」と呼ばれ、バックスイング中やダウンスイング中のゴルフクラブ3のヘッド3aの位置とVゾーンとの関係により、打球の軌道(球筋)をある程度推測することができる。例えば、バックスイングあるいはダウンスイング中の所定のタイミングでゴルフクラブ3のヘッド3aがVゾーンよりも低い空間に存在する場合はフック系の打球となりやすい。また、バックスイングあるいはダウンスイング中の所定のタイミングでゴルフクラブ3のヘッド3aがVゾーンよりも高い空間に存在する場合はスライス系の打球となりやすい。本実施形態では、図11から明らかなように、シャフトプレーンSPとホーガンプレーンHPとのなす第1角度βは、ゴルフクラブ3のシャフトの長さL1とユーザー2の腕の長さL2に応じて決定される。すなわち、第1角度βは、固定値ではなく、ゴルフクラブ3の種類やユーザー2の身体に応じて決まるので、ユーザー2のスイングを診断する指標としてより適切なシャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)が算出される。

[フェース角およびクラブパス(入射角)の算出] フェース角は、インパクトにおけるゴルフクラブ3のヘッド3aの傾きに基づく指標であり、クラブパス(入射角)は、インパクトにおけるゴルフクラブ3のヘッド3aの軌道に基づく指標である。

図12は、フェース角とクラブパス(入射角)を説明するための図である。図12には、XYZ座標系でZ軸の正側から視たXY平面上でのゴルフクラブ3(ヘッド3aのみ図示)が示されている。図12には、ゴルフクラブ3は、フェース面(打撃面)74、打球点75、打球の目標方向を示すターゲットライン70、ターゲットライン70に直交する平面71、ゴルフクラブ3のヘッド3aの軌跡を表す曲線76、および曲線76に対する打球点75での接線72が例示されている。図12において、フェース角φは平面71とフェース面74とのなす角であり、換言すれば、フェース面74と直交する直線73とターゲットライン70とのなす角である。また、クラブパス(入射角)ψは接線72(XY平面におけるヘッド3aが打球点75を通過する方向)とターゲットライン70とのなす角である。

例えば、スイング解析部215は、ヘッド3aのフェース面74とx軸方向(図2参照)とのなす角度が常に一定である(例えば、直交する)ものとして、インパクトの時刻timpactにおけるセンサーユニット10の姿勢から、フェース面74に直交する直線の向きを計算する。そして、スイング解析部215は、当該直線の向きのZ軸成分を0としたものを直線73の向きとし、直線73とターゲットライン70とのなす角(フェース角)φを計算する。

また、例えば、スイング解析部215は、インパクトの時刻timpactにおけるヘッド3aの速度のZ軸成分を0とした速度(すなわち、XY平面におけるヘッド3aの速度)の向きを接線72の向きとし、接線72とターゲットライン70とのなす角(クラブパス(入射角))ψを計算する。

なお、フェース角φは、ヘッド3aの打球点75への入射方向と関係なく向きが固定されているターゲットライン70を基準とするフェース面74の傾きを表すため、絶対フェース角とも呼ばれる。これに対して、直線73と接線72とのなす角ηは、ヘッド3aの打球点75への入射方向を基準とするフェース面74の傾きを表すため、相対フェース角と呼ばれる。相対フェース角ηは、(絶対)フェース角φからクラブパス(入射角)ψを減算した角度である。

[トップ時のシャフト軸回転角の算出] トップ時のシャフト軸回転角θtop(不図示)は、基準となるタイミングからトップのタイミングまでにゴルフクラブ3がシャフト軸回りに回転した角度(相対回転角)である。基準となるタイミングは、例えば、バックスイング開始時またはアドレス時である。本実施形態では、ユーザー2が右打ちの場合は、ゴルフクラブ3のヘッド3a側に先端を向けた右ねじの締め方向(グリップエンド側からヘッド3a側を視たときに時計回りの方向)をシャフト軸回転角θtopの正方向とする。逆に、ユーザー2が左打ちの場合は、ゴルフクラブ3のヘッド3a側に先端を向けた左ねじの締め方向(グリップエンド側からヘッド3a側を視たときに反時計回りの方向)をシャフト軸回転角θtopの正方向とする。

図13は、スイング開始(バックスイング開始)からインパクトまでのシャフト軸回転角の時間変化の一例を示す図である。図13において、横軸は時間(s)、縦軸はシャフト軸回転角(deg)である。図13には、スイング開始時(バックスイング開始時)を基準のタイミング(シャフト軸回転角が0°)としたトップ時のシャフト軸回転角θtopが示されている。

本実施形態では、図2に示したように、センサーユニット10のy軸がゴルフクラブ3のシャフトの長手方向(ゴルフクラブ3の長手方向)にほぼ一致している。従って、例えば、スイング解析部215は、スイング開始の時刻tstart(バックスイング開始時)またはアドレス時からトップの時刻ttop(トップ時)まで、角速度データに含まれるy軸角速度を時間積分することで、シャフト軸回転角θtopを計算する。

1−4.スイング解析における診断処理 本実施形態では、スイングの解析の診断手法の一例として、ハーフウェイバック時とハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が、それぞれ、スイング解析部215によって算出されるシャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)に基づいて決定される複数の領域のうちのどの領域に属するかによって判定を行う手法を用いている。以下、図14を参照して、この手法について説明する。

スイング診断部211は、例えば、ハーフウェイバック時とハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が、それぞれ、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)に基づいて決定される複数の領域のうちのどの領域に属するかを求める。

図14は、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)と複数の領域との関係の一例を示す図である。図14は、X軸の負側から視た(YZ平面に投影した)場合の、シャフトプレーンSP、ホーガンプレーンHPおよび5つの領域A〜Eの関係を示している。領域Bは、ホーガンプレーンHPを含む所定の空間であり、領域Dは、シャフトプレーンSPを含む所定の空間である。領域Cは、領域Bと領域Dとに挟まれている空間(領域Bとの境界面SBCと領域Dとの境界面SCDとの間の空間)である。領域Aは、領域Cと反対側の境界面SABで領域Bと接する空間である。領域Eは、領域Cと反対側の境界面SDEで領域Dと接する空間である。なお、後述する本実施形態の表示例では、領域A〜領域Dを用いた例により説明する。

境界面SAB、境界面SBC、境界面SCDおよび境界面SDEの設定方法は、種々考えられる。一例を挙げると、YZ平面上において、ホーガンプレーンHPが境界面SABと境界面SBCのちょうど真ん中になり、かつ、シャフトプレーンSPが境界面SCDと境界面SDEのちょうど真ん中になり、かつ、領域B、領域C、領域Dの原点O(X軸)周りの角度が等しくなるように設定することができる。すなわち、シャフトプレーンSPとホーガンプレーンHPとのなす第1角度βに対して、ホーガンプレーンHPと境界面SABおよび境界面SBCとのなす角をそれぞれβ/4に設定し、シャフトプレーンSPと境界面SCDおよび境界面SDEとのなす角をそれぞれβ/4に設定すれば、領域B、領域C、領域Dの角度がともにβ/2に設定される。

なお、ハーフウェイバック時やハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置のY座標が負となるようなスイングは想定できないので、図14では、領域Aの境界面SABと反対側の境界面はXZ平面に設定されている。同様に、ハーフウェイバック時やハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置のZ座標が負となるようなスイングは想定できないので、領域Eの境界面SDEと反対側の境界面はXY平面に設定されている。もちろん、領域Aや領域Eの原点O(X軸)周りの角度も領域B、領域C、領域Dと等しくなるように、領域Aや領域Eの境界面を設定してもよい。

具体的には、まず、スイング診断部211は、スイングに関するデータ(選択されたスイング解析データ248)に含まれるシャフトプレーンSPの4つの頂点U1,U2,S1,S2の各座標およびホーガンプレーンHPの4つの頂点U1,U2,H1,H2の各座標に基づき、領域A〜Eの各境界面SAB、境界面SBC、境界面SCDおよび境界面SDEを設定する。次に、スイング診断部211は、スイングに関するデータ(選択されたスイング解析データ248)に含まれるハーフウェイバック時のヘッド3aの位置の座標およびハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置の座標がそれぞれ領域A〜Eのいずれに属するかを判定する。

この判定結果の情報は、画像データ生成部216や表示処理部218に送信され、後述する解析結果の画面に用いられる。後述の図18に示す本実施形態における表示例においては、予め識別データとして(A〜D)が割り振られている複数の領域A〜Dが表示され、複数の領域A〜Dに対して、ゴルフクラブ3の位置が属する領域A〜Dが表示される。このような表示とすることにより、どの領域(領域A〜Dのいずれか)にゴルフクラブ3の位置が属しているのかを、識別データ(A〜D)によって検認することができる。これにより、各タイミングにおけるゴルフクラブ3の位置の良否判定を行い易くすることが可能となる。

また、運動解析表示装置20に表示される領域A〜Dが、少なくとも一つの仮想面(シャフトプレーンSP、およびホーガンプレーンHP)を示す線分SPL,HPL(図18参照)との関係に基づいて設定されていることが好ましい。これにより、仮想面(シャフトプレーンSP、およびホーガンプレーンHP)と、スイング中の所望のタイミングでのゴルフクラブ3の位置に係る識別データ(A〜D)との関係に基づいて、スイングの特徴をレベル化して明示することが可能となる。

その後、スイング診断部211は、予め設定されているスイングに関するデータに含まれる「ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置の属する領域」および「ハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置の属する領域」などの情報を参照して判定を行う。具体的には、ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置が属する領域とハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が属する領域との組み合わせ毎の点数、例えば、ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置が領域Aに属し、かつ、ハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が領域Aに属する場合の点数を求め、その高低によって判定する。

スイング診断部211は、シャフトプレーンSPと、ホーガンプレーンHPと、ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置と、ハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置との関係に基づいて予測される打球が曲がりやすいほど低い点数を算出してもよい。「曲がりやすい」とは、打球後の軌道が曲がりやすい(スライスやフックとなりやすい)ことでもよいし、打球の方向が目標方向(ターゲットライン)から逸れやすいことでもよい。あるいは、スイング診断部211は、打球がまっすぐ飛びやすいほど高い点数を算出してもよい。「まっすぐ飛びやすい」とは、打球後の軌道が曲がりにくい(ストレートとなりやすい)ことでもよいし、打球の方向が目標方向(ターゲットライン)から逸れにくいことでもよい。

例えば、ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置が領域Eに属し、かつ、ハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が領域Aに属する場合は、打球が曲がりやすいと予想されるため、スイング診断部211は、相対的に低い点数を算出する。また、例えば、ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置とハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置がともに領域Cに属する場合は、打球がまっすぐ飛びやすいと予想されるため、スイング診断部211は、相対的に高い点数を算出する。

また、例えば、ハーフウェイバック時のヘッド3aの位置とハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置がともに領域Cに属する場合は、打球がまっすぐ飛びやすいと予想されるため、スイング診断部211は、相対的に高い点数を算出する。

スイング診断部211は、トップ時のシャフト軸回転角θtopとフェース角φがそれぞれ複数の範囲のうちのどの範囲に属するかによって、「回転」の項目を評価することができる。具体的には、まず、スイング診断部211は、スイングに関するデータ(診断対象の入力データ)に含まれるトップ時のシャフト軸回転角θtop(不図示)とフェース角φ(図12参照)がそれぞれどの範囲に属するかを判定する。次に、スイング診断部211は、回転点数表(不図示)を参照し、判定結果に対応する点数を算出する。

スイング診断部211は、トップ時のシャフト軸回転角θtopとフェース角φとの関係に基づいて予測される打球が曲がりやすいほど低い点数を算出してもよい。例えば、トップ時のシャフト軸回転角θtopが極端に大きい状態は、ゴルフクラブ3のフェース面(打撃面)74(図12参照)が極度に開いた状態であるため、インパクトのときにフェース面がスクウェアまで戻りきらずに打球が曲がりやすいと予想される。また、フェース角φが極端に大きい状態はインパクトのときのフェース面が極度に開いた状態(オープン)であり、フェース角φが極端に小さい状態(絶対値が大きい負の状態)はインパクトのときのフェース面が極度に閉じた状態(クローズ)であり、いずれの状態でも打球が曲がりやすいと予想される。このような場合、スイング診断部211は、相対的に低い点数を算出する。

また、例えば、トップ時のシャフト軸回転角θtopが小さければ、インパクトのときにフェース面がスクウェアまで戻りきり、打球がまっすぐ飛びやすいと予想される。また、フェース角φが0°に近い状態はインパクトのときのフェース面がスクウェアに近いため、打球がまっすぐ飛びやすいと予想される。このような場合、スイング診断部211は、相対的に高い点数を算出する。

上述したスイング解析システム1によれば、ユーザー(被験者)2のスイングが、センサーユニット10の慣性センサー(加速度センサー12および角速度センサー14)が計測する。そして、計測結果の出力に基づいて、スイング解析装置としての運動解析表示装置20によってユーザー(被験者)2のスイングが解析され、解析情報やスイング軌跡を示す画像として、スイング解析装置としての運動解析表示装置20の表示部25に表示される。このように、大掛かりな撮影装置などを用いることが不要となり、ユーザー2が容易にスイング解析を行うことが可能となる。

また、スイング解析装置としての運動解析表示装置20によれば、スイング軌跡30と、スイング中の複数のタイミングにおける運動器具としてのゴルフクラブ3の各々の位置の、ゴルフクラブ3に係るオブジェクト31〜35とが、表示部25に重ねて表示される。これにより、ユーザー2のスイングの一連の動作の遷移を客観的に認識することが可能となり、効率的なスイング解析を行うことができる。

また、運動解析表示装置20に表示される解析情報が、ゴルフクラブ3の、例えば、ヘッド3a(打撃部)の姿勢情報、ヘッド3aの打撃面の向き、およびゴルフクラブ3の回転角のいずれかである。これにより、特定のタイミングにおけるゴルフクラブ3のヘッド3aの姿勢情報、ヘッド3aの打撃面の向き、およびゴルフクラブ3の回転角などの状態を、客観的、且つ容易に判断することができ、解析精度や解析効率を高めることができる。

また、運動解析表示装置20に表示される領域A〜Dが、少なくとも一つの仮想面(シャフトプレーンSP、およびホーガンプレーンHP)を示す線分SPL,HPL(図18参照)との関係に基づいて設定されている。これにより、仮想面(シャフトプレーンSP、およびホーガンプレーンHP)と、スイング中の所望のタイミングでのゴルフクラブ3の位置に係る識別データ(A〜D)との関係に基づいて、スイングの特徴をレベル化して明示することが可能となる。

また、運動解析表示装置20に表示される複数のタイミングに、ゴルフクラブ3のスイングとして重要なタイミングである、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトが含まれているため、解析精度や解析効率を高めることができる。なお、表示される複数のタイミングに、ハーフウェイバック、トップ、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトの少なくとも二つが含まれていることがさらに好ましく、これにより解析精度や解析効率をさらに高めることができる。

1−5.スイング解析(運動解析)システムの動作手順 次に、スイング解析(運動解析)システム1、およびユーザー2のスイング動作の動作手順(解析結果の表示方法)について図15を参照して説明する。ユーザー(被験者)2は、あらかじめ決められた手順に従って、ゴルフボール4を打球する一連のスイング動作を行う。図15は、ユーザー2のスイング動作、およびスイング解析(運動解析)システム1が行うスイング解析の手順を示すフローチャートである。

なお、以下の手順の説明では、前述したスイング解析(運動解析)システム1の構成に用いた符号を用いる。また、以下の動作手順では、スイング解析プログラム(運動解析プログラム)240を、スイング解析システム1においてコンピューターに実行させることにより、実現することができる。

図15に示すように、ユーザー2は、まず、運動解析表示装置20を介してユーザー2の身体情報244とユーザー2が使用するゴルフクラブ3に関する情報などの入力操作を行う(ステップS100)。身体情報244は、ユーザー2の身長、腕の長さ、および脚の長さの少なくとも1つの情報を含み、さらに性別の情報やその他の情報を含んでもよい。ゴルフクラブ情報242は、ゴルフクラブ3の長さ(クラブ長)の情報、およびゴルフクラブ3の種類(番手)の少なくとも一方の情報を含む。

ステップS100において、ユーザー2は、身長、性別、年齢、国籍などの身体の情報を身体情報244として入力し、クラブ長、番手などのゴルフクラブに関する情報をゴルフクラブ情報242として入力する。なお、身体情報244に含まれる情報は、これに限られず、例えば、身体情報は、身長に代えてまたは身長とともに腕の長さおよび脚の長さの少なくとも一方の情報を含んでもよい。同様に、ゴルフクラブ情報242に含まれる情報は、これに限られず、例えば、ゴルフクラブ情報は、クラブ長と番手のいずれか一方の情報を含まなくてもよいし、他の情報を含んでもよい。

次に、ユーザー2は、運動解析表示装置20を介して計測開始操作(センサーユニット10に計測を開始させるための操作)を行う(ステップS101)。ステップS101において、ユーザー2が、計測開始操作を行うと、センサーユニット10(慣性センサーとしての加速度センサー12および角速度センサー14)は、所定周期(例えば1ms)で3軸加速度と3軸角速度を計測し、計測したデータを順次、運動解析表示装置20に送信する。センサーユニット10と運動解析表示装置20との間の通信は、無線通信でもよいし、有線通信でもよい。このデータは、センサーユニット10の位置や姿勢、ひいてはゴルフクラブ3の各部の位置や姿勢を表す。

次に、ユーザー2は、運動解析表示装置20からアドレス姿勢(運動開始前の基本姿勢)をとるように指示する通知(例えば、音声による通知)を受けた後(ステップS102のYes)、ゴルフクラブ3のシャフトの長手方向の軸がターゲットライン(打球の目標方向)に対して垂直となるようにアドレスの姿勢をとり、所定の時間以上となるように静止する(ステップS103)。ここで、運動解析表示装置20は、センサーユニット10が出力する計測データを用いて、静止時におけるユーザー2の手元2aの姿勢情報を生成(取得)する(ステップS104)。なお、運動解析表示装置20からアドレス姿勢(運動開始前の基本姿勢)をとるように指示する通知(例えば、音声による通知)を受けていない場合(ステップS102のNo)は、通知されるまで待機する。

次に、ユーザー2は、運動解析表示装置20からスイングを許可する通知(例えば、音声による通知)を受けた後(ステップS105のYes)、スイング動作を行い、ターゲットのゴルフボール4を打球する(ステップS106)。なお、運動解析表示装置20からスイングを許可する通知(例えば、音声による通知)の無い場合(ステップS105のNo)は、スイングを許可する通知がされるまで、スイング動作を待機する。

次に、運動解析表示装置20は、ユーザー2のスイングを計測したセンサーユニット10からの計測データに基づき、一連のスイングにおける各タイミング(例えばハーフウェイバック、ナチュラルアンコック、ハーフウェイダウン、およびインパクトなど)を検出する(ステップS107)。具体的には、前述の1−3項で説明した、構成要素の位置および姿勢などの算出、スイング動作の各タイミングの検出に詳述されている。

次に、運動解析表示装置20は、センサーユニット10からの計測データに基づき、検出した各タイミングの、ゴルフクラブ3(図3参照)のヘッド3aの位置、および打撃面としてのフェース面74(図12参照)の向きを計算する(ステップS108)。併せて、運動解析表示装置20は、ゴルフクラブ3のシャフト軸回転角θ(不図示)とフェース角φなどを計算する(ステップS109)。

次に、運動解析表示装置20のスイング解析部215は、求められた一連のスイングの位置、および姿勢や動作データに基づき、スイング軌跡データ(スイング軌跡情報)を生成(取得)する(ステップS110)。

次に、運動解析表示装置20のスイング診断部211は、一連のスイングに係る種々の解析を行う(ステップS111)。ここでの解析は、前述の1−4.スイング解析における診断処理において説明した各種診断が行われる。解析(診断)結果の情報(スイングの解析情報)は、画像データ生成部216や表示処理部218に送信される。

次に、運動解析表示装置20は、ステップS110で生成されたスイング軌跡情報やステップS111で行われた一連のスイングに係る種々の解析結果などに基づき、スイング解析結果情報として、表示部25に画像情報として表示する(ステップS113)。以上により一連の工程を終了する。

以下、ステップS113において表示部25に表示される具体的な表示例について、図16ないし図21を参照して説明する。図16〜図19は、スイング情報の表示例を示し、図16は表示例1を示す図であり、図17はスイングの解析情報の表示例のシャフト回転軸の推移を示す図であり、図18は表示例2を示す図であり、図19は表示例3を示す図である。また、図20はスイング情報の表示に係る応用例1、図21はスイング情報の表示に係る応用例1を示す図である。

(表示例1) 先ず、図16を参照して、表示部25に表示される表示例1について説明する。運動解析表示装置20は、スイングの終了を検知した後、所定の時間を経過したタイミングで表示部25に、スイング情報(スイング解析情報)を表示する。表示例1に係る表示は、図16に示されているように、スイング動作を近似するスイング軌跡30を表示する。

図16に示すように表示部25には、ユーザー2の一連のスイング動作を、スイング軌跡30として表示している。本例におけるスイング軌跡30の表示は、ゴルフクラブ3(図1参照)のヘッド3a(図1参照)における、ゴルフボール4(図1参照)の打球面に交差する方向からの正面視の内、ゴルフボール4側と反対側から見た場合である後方からの画像として表示されている。また、この視認方向を示す標示としてマーク36が表示されている。なお、この表示方向は、ゴルフボール4側から見た場合として表示することも可能である。

また、本例のスイング軌跡30の表示では、スイング軌跡30と、各タイミング(時刻)のゴルフクラブの位置を示す複数のオブジェクト31〜35と、を表示部25に重ねて表示する。なお、図16において、オブジェクト31はアドレス時(静止時)またはインパクトのタイミング、オブジェクト35はハーフウェイバックのタイミング、オブジェクト34はトップのタイミング、オブジェクト33はナチュラルアンコックのタイミング、オブジェクト32はハーフウェイダウンのタイミングを示している。ここで、ナチュラルアンコックのタイミングとは、ダウンスイングでコックをリリースする際、ゴルフクラブ3のグリップ側を減速させ、ゴルフクラブ3のヘッド3aが加速される動きのタイミングである。なお、表示部25の一部(本例では画面右下部分)には、他の解析情報を示す表示窓37を表示してもよい。

また、本例のスイング軌跡30の表示では、表示部25に表示されているオブジェクト31〜35のうちで、解析の詳細情報を表示させたいタイミングを、ユーザー2が選択し指示することによって、表示を行うことができる。この場合、ユーザー2による指示は、例えば、ユーザー2の指を表示部25に触れさせる(画面タッチ)などによって行うことができる。本例では、オブジェクト32(ハーフウェイダウンのタイミング)を選択し、指示した例を示しており、指示されたオブジェクト32は、指示の判別を行い易くするため、色調を濃く、且つサイズを大きくした強調表示がなされている。なお、強調表示は、色調の変化、サイズの変化の双方の適用に限らず、強調されていることが判別可能であれば、いずれか一方を適用する構成であってもよい。また、他の強調表示であってもよい。

なお、ユーザー2が指示して表示させる解析の詳細情報(解析情報)は、ゴルフクラブ3の姿勢情報を含み、例えばゴルフクラブ3のヘッド3aの位置、ヘッド3aの打撃面としてのフェース面74(図12参照)の向き、ゴルフクラブ3のシャフト軸回転角θ(不図示)とフェース角φ(図12参照)などを例示することができる。

ここで表示させる解析の詳細情報(解析情報)は、スイング軌跡30やオブジェクト31〜35と同じ画面に重畳表示する(例えば表示窓37)、または所定のタイミングで画面を切り換えて、例えば図17に示すように、詳細情報(解析情報)としてのバックスイング時のシャフト回転軸の推移を示すグラフを表示することができる。なお、図17に示すグラフでは、シャフト回転軸の推移を、所望されるタイミング範囲である静止時からトップのタイミングまでの区間に限って表示している。これにより、回転軸の表示をより重要な区間である静止時からトップのタイミングに絞って行うことにより、より判断を行い易くすることができ、練習効率を高めることが可能となる。

表示例1に係る表示方法によれば、スイング軌跡30と、スイング中の複数のタイミングにおけるゴルフクラブ3の各々の位置の、ゴルフクラブ3に係るオブジェクト31〜35と、を表示部25に重ねて表示することにより、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。また、ユーザー2において解析情報が必要と判断したオブジェクト(本例ではオブジェクト32)を指定することによって、指定されたオブジェクト32に係るタイミングの解析情報が表示されるため、効率よく解析情報を得ることができる。また、必要な解析情報を集中して得ることができるため、解析効率を高めることができる。このとき、表示処理部218は、ユーザー2によって指定されたオブジェクト32の色調やサイズを変えるなどして強調表示することが好ましい。このような強調表示とすることにより、指定されたオブジェクト(本例ではオブジェクト32の認識・覚知を行い易くすることができる。

(表示例2) 次に、図18を参照して、表示部25に表示される表示例2について説明する。表示例2は、上述の表示例1と同様のタイミングで表示部25に表示される。なお、表示例2の説明では、上述の表示例1と同様な内容ついての説明を省略する。

表示例2に係る表示は、図18に示されているように、表示例1と同様のスイング軌跡30、および各タイミング(時刻)のゴルフクラブの位置を示す複数のオブジェクト31〜35に加えて、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHPによるVゾーンを示す線分SPL,HPLが表示されている。なお、線分SPLは、仮想面としてのシャフトプレーンSPを示し、線分HPLは、仮想面としてのホーガンプレーンHPを近似している。また、表示例2では、上述のシャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)に基づいて決定される複数の領域を示す識別マークA〜Dが表示されている。

表示例2に係る表示方法によれば、例えば、ハーフウェイバック時およびハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が、それぞれ、シャフトプレーンSPおよびホーガンプレーンHP(Vゾーン)のうちに位置するか否かを視認することができ、これによってスイングの特徴を判定することができる。また、スイング中の所望のタイミングでのヘッド3aの位置、例えばハーフウェイバック時およびハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が、識別データ(A〜D)で表示される領域A〜Dのどの領域に有るかによって、スイングの特徴を視認することができる。または、スイング中の所望のタイミングでのヘッド3aの位置、例えばハーフウェイバック時およびハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が識別データ(A〜D)で表示される領域A〜Dのどの領域に有るかによって、スイングの特徴を判定(診断)することが可能となる。このように、スイングの状態を客観的、且つ容易に判定(診断)できるため、練習効率を高めることが可能となる。

(表示例3) 次に、図19を参照して、表示部25に表示される表示例3について説明する。表示例3は、上述の表示例1と同様のタイミングで表示部25に表示される。なお、表示例3の説明では、上述の表示例1と同様な内容ついての説明を省略する。

表示例3に係る表示は、図19に示されているように、スイング軌跡30、および各タイミング(時刻)のゴルフクラブの位置を示す複数のオブジェクト31〜35が表示されている。上述の表示例1とは、スイング軌跡30を視認する方向が異なっている。本例におけるスイング軌跡30の表示は、ゴルフクラブ3(図1参照)のヘッド3a(図1参照)における、ゴルフボール4(図1参照)の打球面に沿った方向からの正面視の内、ゴルフボール4側から見た場合であるユーザー2の正面からの画像として表示されている。また、この視認方向を示す標示としてマーク36aが表示されている。なお、この表示方向は、ゴルフボール4側と反対側(ユーザー2の後ろ面側)から見た場合として表示することも可能である。

表示例3に係る表示方法によれば、上述の表示例1と同様な効果を奏することができる。具体的には、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。また、ユーザー2によって指定されたオブジェクト32が強調表示され、指定されたオブジェクト32に係るタイミングの解析情報が表示されるため、効率よく解析情報を得ることができる。

次に、図20および図21を参照して、スイング情報の表示に係る応用例について説明する。なお、以下説明する応用例1および応用例2は、前述した表示例2を応用した表示例である。したがって、表示例2と同様な構成および内容については、その説明を省略する。

(応用例1) スイング情報の表示に係る応用例1は、図20に示すように、表示例1と同様のスイング軌跡30、および各タイミング(時刻)のゴルフクラブの位置を示す複数のオブジェクト31〜35に加えて、線分SPL2,HPL2、および線分SPL2,HPL2と並行する三つの仮想線RL1,RL2,RL3が表示されている。さらに、応用例1の表示には、三つの仮想線RL1,RL2,RL3に基づいて決定される複数の領域A〜Dを示す識別マーク(A〜D)が表示されている。

なお、線分SPL2は、仮想面としてのシャフトプレーンSPを示し、線分HPL2は、仮想面としてのホーガンプレーンHPを近似している。また、本例における仮想線RL1は、ユーザー2の脇部を通り、線分SPL2,HPL2に並行する線分に近似し、仮想線RL2は、ユーザー2の頭部を通り、線分SPL2,HPL2に並行する線分に近似し、仮想線RL3は、ユーザー2の大腿部を通り、線分SPL2,HPL2に並行する線分に近似している。また、領域Aは、仮想線RL2の外側に位置し、領域Bは、仮想線RL1と仮想線RL2との間に位置し、領域Cは、仮想線RL1と仮想線RL3との間に位置し、領域Dは、仮想線RL3の外側に位置している。

(応用例2) スイング情報の表示に係る応用例2は、図21に示すように、応用例1と同様に、スイング軌跡30、および各タイミング(時刻)のゴルフクラブの位置を示す複数のオブジェクト31〜35、線分SPL3,HPL3、および線分SPL3,HPL3に沿った方向に延びる三つの仮想線RL1,RL2,RL3が表示されている。さらに、三つの仮想線RL1,RL2,RL3に基づいて決定される複数の領域A〜Dを示す識別マーク(A〜D)が表示されている。

なお、線分SPL3は、仮想面としてのシャフトプレーンSPを示し、線分HPL3は、仮想面としてのホーガンプレーンHPを近似している。また、本例における仮想線RL1は、ユーザー2の腹部を通り、線分SPL3,HPL3に並行する線分に近似した線分である。また、仮想線RL2は、ユーザー2の肩部を通り、線分HPL3に対して、オブジェクト31の方向に開くように傾いた線分である。また、仮想線RL3は、ユーザー2の膝部を通り、線分SP3Lに対して、オブジェクト31の方向に開くように傾いた線分である。また、領域Aは、仮想線RL2の外側に位置し、領域Bは、仮想線RL1と仮想線RL2との間に位置し、領域Cは、仮想線RL1と仮想線RL3との間に位置し、領域Dは、仮想線RL3の外側に位置している。

スイング情報の表示に係る応用例1および応用例2の表示方法によれば、上述の表示例2と同様な効果を奏することができる。例えば、スイング中の所望のタイミングでのヘッド3aの位置、例えばハーフウェイバック時およびハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が、識別データ(A〜D)で表示される領域A〜Dのどの領域に有るかによって、スイングの特徴を視認することができる。または、スイング中の所望のタイミングでのヘッド3aの位置、例えばハーフウェイバック時およびハーフウェイダウン時のヘッド3aの位置が識別データ(A〜D)で表示される領域A〜Dのどの領域に有るかによって、スイングの特徴を判定(診断)することが可能となる。このように、スイングの状態を客観的、且つ容易に判定(診断)できるため、練習効率を高めることが可能となる。

以上説明したスイング解析(運動解析)システム1、およびユーザー2のスイング動作の動作手順(解析結果の表示方法)によれば、センサーユニット10を構成する慣性センサーとしての加速度センサー12および角速度センサー14の出力に基づいてスイング軌跡30などの解析データを生成する。したがって、大掛かりな撮影装置などを用いることが不要となり、ユーザー2が容易にスイング解析を行うことが可能となる。また、スイング軌跡30と、スイング中の複数のタイミングにおけるゴルフクラブ3の各々の位置の、ゴルフクラブ3に係るオブジェクト31〜35と、を表示部25に重ねて表示することにより、スイングの一連の動作がどのように遷移したかを客観的に認識することが可能となる。

また、表示されているオブジェクト31〜35のうち、解析情報が必要と判断したオブジェクトをユーザー2が指定することによって、指定されたオブジェクト(上述の例ではオブジェクト32)に係るタイミングの解析情報が表示されるため、効率よく解析情報を得ることができる。また、必要な解析情報を集中して得ることができるため、解析効率を高めることができる。

1−6.運動解析表示装置の他の構成 (ヘッドマウントディスプレイ(HMD)) 次に、図22を参照して、運動解析表示装置20として、頭部装着型のヘッドマウントディスプレイ(HMD)を用いた例を説明する。図22は、運動解析表示装置としての、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)の一例を示す斜視図である。

図22に示すように、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)500は、ユーザー2の頭部に装着される眼鏡本体501を有する。眼鏡本体501には、表示部502が設けられている。表示部502は、画像表示部503から射出した光束を、外界からユーザー2の眼に向かう光束に統合することで、ユーザー2から見た外界の実像に画像表示部503の虚像を重畳させる。

表示部502には、例えば、LCD(液晶ディスプレー)等の画像表示部503と、第1ビームスプリッター504と、第2ビームスプリッター505と、第1凹状反射ミラー506と、第2凹状反射ミラー507と、シャッター508と、凸状レンズ509とが備えられる。

第1ビームスプリッター504は、ユーザー2の左眼の正面に配置され、画像表示部503から射出した光を、部分透過および部分反射させる。また、第2ビームスプリッター505は、ユーザー2の右眼の正面に配置され、第1ビームスプリッター504からの部分透過光を、部分透過および部分反射させる。

第1凹状反射ミラー506は、第1ビームスプリッター504の正面に配置され、第1ビームスプリッター504の部分反射光を部分反射させて、第1ビームスプリッター504を透過させてユーザー2の左眼に導く。また、第2凹状反射ミラー507は、第2ビームスプリッター505の正面に配置され、第2ビームスプリッター505の部分反射光を部分反射させて、第2ビームスプリッター505を透過させてユーザー2の右眼に導く。

凸状レンズ509は、シャッター508が開放された時に第2ビームスプリッター505の部分透過光を、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)500の外部に導く。

このようなヘッドマウントディスプレイ(HMD)500には、前述の表示例に示されているような、ユーザー2の一連のスイング動作における解析情報(図16、図18参照)、スイング動作を近似するスイング軌跡30(図16、図18参照)などのスイング情報などが表示される。なお、表示内容については、前述の表示例と同様であるので詳細な説明は省略する。

以上のヘッドマウントディスプレイ(HMD)500によれば、頭部に装着されて表示が行われるため、ユーザー2は、自分のスイング情報や手元2aの姿勢(位置)情報を、情報の表示される表示部25を備えた運動解析表示装置20などを手で持つことなく確認することができる。

なお、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)500は、運動解析表示装置20の機能を備え、センサーユニット10の計測データに基づいたスイング解析やスイング情報の表示を行ってもよいし、別体の運動解析表示装置20から送信された画像データを表示する表示部として用いてもよい。なお、運動解析表示装置(表示装置)20の機能とは、前述したような、処理部21(処理部の一例)、通信部22、操作部23、記憶部24、表示部25、音出力部26、および撮影部27を含む。

(腕装着型の解析表示装置) 次に、図23を参照して、運動解析表示装置として、ウェアラブル型(身体装着型)の一例として腕装着型の解析表示装置を用いた例を説明する。図23は、ウェアラブル型の一例としての腕装着型の運動解析表示装置を示す斜視図である。

図23に示すように、ウェアラブル型(腕装着型)の解析表示装置600は、ユーザー(被験者)2(図1参照)の所与の部位(本例では、手首)に装着され、センサーユニット10(図1参照)の計測データに基づいたスイング解析やスイング情報の表示を行う。解析表示装置600は、ユーザー2に装着されてスイング解析やユーザー2の手元2a(図1参照)の姿勢情報などのスイング解析情報を表示する機器本体610と、機器本体610に取り付けられ機器本体610をユーザー2に装着するためのバンド部615と、を有する。

解析表示装置600の機器本体610は、ユーザー2への装着側にボトムケース613が配置され、ユーザー2への装着側と反対側には、トップケース611が配置されている。機器本体610のトップ側(トップケース611)には、ベゼル618が設けられるとともに、このベゼル618の内側に配置されて内部構造を保護する天板部分(外壁)としてのガラス板619が設けられている。また、ボトムケース613の両側には、バンド部615との接続部である一対のバンド装着部617が設けられている。

機器本体610は、ガラス板619の直下に、液晶ディスプレイ(LCD634)などの表示部を備えている。ユーザー2は、ガラス板619を介して、液晶ディスプレイ(LCD634)などに表示されたスイング解析情報やユーザー2の手元2aの姿勢情報などを閲覧することができる。また、機器本体610は、図4を参照して前述した実施形態の運動解析表示装置20と同様に、処理部21、通信部22、操作部23、記憶部24、表示部25、音出力部26、および撮影部27を含むことができる。なお、表示部25が、本例の液晶ディスプレイ(LCD634)などの表示部に相当する。

液晶ディスプレイ(LCD634)の表示部には、前述の表示例に示されているような、ユーザー2の一連のスイング動作における解析情報(図16、図18参照)、スイング動作を近似するスイング軌跡30(図16、図18参照)などのスイング情報などが表示される。なお、表示内容については、前述の表示例と同様であるので詳細な説明は省略する。

また、液晶ディスプレイ(LCD634)の表示部には、スイング解析結果に基づく他のアドバイス情報、例えば、ユーザー2のスイングタイプを表すテキストイメージやユーザー2のスイングタイプに適したアドバイス(練習方法など)を表すテキストイメージなどを表示してもよい。また、液晶ディスプレイ(LCD634)の表示部には、ビデオ映像として動画を表示することとしてもよい。

なお、上述では、機器本体610の天板部分をガラス板619により実現する例を示したが、LCD634を閲覧可能な透明部材であり、LCD634などのトップケース611とボトムケース613の内部に含まれる構成を保護可能な程度の強度を有する部材であれば、透明のプラスチック等、ガラス以外の材料により天板部分を構成することが可能である。また、ベゼル618が設けられた構成例を示したが、ベゼル618の設けられていない構成であってもよい。

以上のウェアラブル型(腕装着型)の解析表示装置600によれば、腕部に装着されて表示が行われるため、ユーザー2は、自分のスイング情報や手元2aの姿勢(位置)情報などの必要な情報を、情報の表示される表示部(液晶ディスプレイ(LCD634))を、手で持つことなく確認することができる。

なお、ウェアラブル型(腕装着型)の解析表示装置600は、前述の運動解析表示装置20の機能を備え、センサーユニット10の計測データに基づいたスイング解析やスイング情報の表示を行ってもよいし、別体の運動解析表示装置20から送信された画像データを表示する表示部として用いてもよい。なお、運動解析表示装置(表示装置)20の機能とは、前述の実施形態の運動解析表示装置20で説明したような、処理部21(処理部の一例)、通信部22、操作部23、記憶部24、表示部25、音出力部26、および撮影部27を含む。

本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成、または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

1…スイング解析システム、2…被験者としてのユーザー、2a…ユーザーの手元、3…ゴルフクラブ、3a…ヘッド、4…ターゲットとしてのゴルフボール、10…計測部としてのセンサーユニット、12…慣性センサーとしての加速度センサー、14…慣性センサーとしての角速度センサー、16…信号処理部、18…通信部、20…運動解析表示装置(表示装置)、21…処理部、22…通信部、23…入力部としての操作部、24…記憶部、25…表示部、26…音出力部、27…撮影部、30…スイング軌跡、31,32,33,34,35…オブジェクト、36…マーク、37…表示窓、210…データ取得部、211…スイング診断部、215…スイング解析部、216…画像データ生成部、217…記憶処理部、218…表示処理部、219…音出力処理部、240…スイング解析プログラム、242…ゴルフクラブ情報、244…身体情報、246…センサー装着位置情報、500…ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、600…ウェアラブル型(腕装着型)の解析表示装置。

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