Arm-wrestling robot and its control method |
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申请号 | JP2008554108 | 申请日 | 2006-03-21 | 公开(公告)号 | JP2009526559A | 公开(公告)日 | 2009-07-23 |
申请人 | チョルグ カン; | 发明人 | チョルグ カン; | ||||
摘要 | 本発明は、腕 力 生成の機構(10)と、試合の初期にユーザの最大の腕力を検出し、毎回違うゲームシナリオを生成して、そのシナリオ実現のための力フィードバック制御を実行する制御システム(100)で構成されている腕相撲ロボットに関するものである。 | ||||||
权利要求 | 電気モータ(11)、位置/速度センサ(12)、トルクセンサ(15)、および腕部材(A)を含む腕力生成機構(10)と、 試合初期にユーザの最大の腕力を検出し、毎回違うゲームシナリオを生成して、力フィードバック制御ロジックを実行し、シナリオを実現するモータ制御入力信号を生成する制御システム(100)とを備えていることを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項1において、 上記制御システム(100)は、力フィードバック制御ロジックを用い腕部材の力と運動を制御し、任意の力増加分と力持続時間とを持つサブシナリオに応じてトルク指令値を自動的に生成することを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項1において、 上記腕力生成機構(10)は、 上記制御システム(100)から計算されたモータ制御入力信号に応じて必要となるトルクを提供する電気モータ(11)と、 上記電気モータ(11)の角度位置および角速度を検出して角運動に関するフィードバック信号を制御システムに供給する位置/速度センサ(12)と、 上記電気モータ(11)に接続され、該電気モータの回転速度を減速してトルクを増加させる減速手段(13)と、 腕相撲をするために、ユーザが握る手を有する腕部材と、 上記減速手段と腕部材との間に設けられ該腕部材に作用するトルクを検出するトルクセンサ(15)と、 上記減速手段(13)と腕部材との間に設けられてユーザの安全のために腕部材の運動範囲を制限する機械的ストッパー(14)を装備しているアダプタ(16)とを有していることを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項1において、 上記制御システム(100)は、 上記トルクセンサ(15)からの低電圧信号を増幅して信号処理する増幅部(110)と、 上記位置/速度センサ(12)からのフィードバック信号を処理する論理回路部(130)と、 モータ制御入力信号に応じて上記モータを駆動するモータ駆動部(140)と、 音声出力手段(20b)と映像出力手段(20a)とを駆動する出力手段(150)と、 制御ロジックを含む制御プログラム(200)を格納する記憶部(160)と、 上記制御プログラムと上記フィードバック信号とを用いて上記モータ制御入力信号を生成し、該モータ制御入力信号を上記モータ駆動部(140)に送信すると共に、音声及び映像信号を生成してそれらを上記出力手段(150)に送信する制御部(170)とを有していることを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項3において、 上記機械的ストッパ(14)は、 上記電気モータ(11)を低速制御することによって上記腕部材(A)の初期角度を設定するために用いられることを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項3において、 上記腕力生成機構(10)は、 上記アダプタに設けられて、上記腕部材(A)の初期角度を設定するための複数のインクリノメータ(19)をさらに有することを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項4において、 上記制御システム(100)は、 腕相撲ロボットに接近するユーザを検出するための複数の超音波センサ(30a、30b)と、 超音波センサ(30a、30b)に必要となるパルス信号を生成するパルス生成部(120)と、 ユーザが椅子(C)に着席したことを検出するための光電センサ(30c)とをさらに有していることを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項4において、 上記制御システム(100)は、 上記制御部(170)から初期化完了信号を受信し、これに相応する出力信号をメカニカルリレーに出力するソリッドステートリレー(182)と、上記ソリッドステートリレー(182)の出力信号に応じて上記モータ駆動部(140)と電源とを接続するメカニカルリレー(184)とを含むモータ電源制御部(180)をさらに有していることを特徴とする腕相撲ロボット。 請求項1乃至8に記載の腕相撲ロボットを制御する方法であって、 腕力生成機構(10)及び制御システム(100)を初期化し、腕部材(A)の初期角度を設定する第1工程と、 トルクセンサ(15)からの信号に基づいて、所定時間の間、ユーザの最大腕力を測定する第2工程と、 腕相撲シナリオを実行するために力フィードバック制御により腕力生成機構(10)を作動させる第3工程とを含むことを特徴とする腕相撲ロボットの制御方法。 請求項9において、 ユーザが腕相撲ロボットに接近したことを超音波センサ(30a、30b)によって検出すると共に、ユーザが椅子に着席したことを光電センサ(30c)によって検出する工程を、第1工程と第2工程との間にさらに含むことを特徴とする腕相撲ロボットの制御方法。 請求項9において、 上記第1工程は、 上記腕力生成機構(10)及び制御システム(100)を初期化する第1−1段階と、 モータ電源制御部(180)に初期化完了信号を送り、モータ駆動部(140)に0のモータ制御入力信号を送信する第1−2段階と、 モータ電源制御部(180)が初期化完了信号を受信した後に、上記モータ駆動部(140)に電源(P)を印加する第1−3段階と、 腕部材(A)の初期絶対角度を設定する第1−4段階とを含むことを特徴とする腕相撲ロボットの制御方法。 請求項9において、 上記第2工程は、 腕部材(A)に作用するトルクを所定の大きさまで増加させる第2−1段階と、 腕部材(A)の速度が正か負かを判定する第2−2段階と、 上記速度が正の場合は、腕部材(A)に作用するトルクの大きさを決められた規則に応じて増加させる第2−3段階と、 上記第2−2段階における上記速度が負の場合は、腕部材(A)に作用するトルクの大きさを決められた規則に応じて減少させる第2−4段階と、 所定期間の間、上記第2−2段階から第2−4段階までを繰り返して、ユーザの最大腕力を決める第2−5段階とを含むことを特徴とする腕相撲ロボットの制御方法。 請求項9において、 上記第3工程は、 勝ち、引き分け、負けサブシナリオの中から1つのサブシナリオを選択する第3−1段階と、 選択されたサブシナリオが行われている間、ユーザの平均腕力から意志力指数を算出する第3−2段階と、 算出された意志力指数に従って、複数の上記サブシナリオの中から1つのサブシナリオを選択する第3−3段階と、 選択されたサブシナリオが、勝ち、引き分け、負けのどれに該当するのかを判定する第3−4段階と、 判定されたサブシナリオが引き分けのサブシナリオなら、引き分けサブシナリオに相当する力フィードバック制御を実行して第3−2段階に戻る第3−5段階と、 判定されたサブシナリオが勝ちのサブシナリオなら、勝ちサブシナリオに相当する力フィードバック制御を実行して試合を終了する第3−6段階と、 判定されたサブシナリオが負けのサブシナリオなら、負けサブシナリオに相当する力フィードバック制御を実行して試合を終了する第3−7段階とを含むことを特徴とする腕相撲ロボットの制御方法。 請求項9において、 上記第3工程は、上記第2工程で判定した最大腕力を調整する第3−1段階と、 維持値を無作為に決める第3−2段階と、 任意の力増加分、任意の上昇時間、任意の維持時間を持つサブシナリオを生成する第3−3段階と、 第3−3段階で生成されたサブシナリオを実行する第3−4段階と、 ユーザが勝ったか否かをチェックし、勝てば試合を終了する第3−5段階と、 ユーザが負けたか否かをチェックし、負ければ試合を終了する第3−6段階と、 サブシナリオが完了したか否かをチェックし、完了していなければ第3−4段階から第3−7段階を繰り返す第3−7段階と、 維持値が0であるかをチェックして、0ではないなら第3−9段階に進み、0なら第3−10段階に進むようにする第3−8段階と、 維持値を1だけ減らして第3−3段階に戻る第3−9段階と、 決められた方法で最大腕力を減少させ第3−2段階に戻る第3−10段階とを含むことを特徴とする腕相撲ロボットの制御方法。 |
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说明书全文 | 本発明は、サービスロボット、又はエンタテイメントロボットに属していて、より具体的には人の腕相撲をシミュレートする腕相撲ロボットに関するものである。 従来の腕相撲装置は、ユーザの腕力に対する反力を供給する手段及び方式によって、大きく3つの形式に大別される。 1つ目の形式は、バネの弾性力を利用しているものであって、特許文献1に開示している。 この腕相撲運動装置は、図1aに示したように、調整可能な剛性を有するらせん状のコイルバネで構成されている。 また、この種の別の例として、特許文献2、3、4、5、6、7に開示されているものがあり、さらに、この1つ目の形式と類似している形態として、錘で負荷を与えるものが特許文献8に開示されている。 2つ目の形式は、空気圧、または、油圧シリンダを用いている。 これは、力の操作性の観点から、上記1つ目のバネの形態より優れている。 しかし、空気圧、または、油圧発生装置を付属的に備えなければならないという点から、システムが複雑になり大きくなるという短所を持っている。 この種の装置としては、図1bに示しているような特許文献9に開示されたものや、図1cに示しているような特許文献10に開示されているものがある。 また、この種の別の例として、特許文献11、12、13、14に開示されているものがある。 3つ目の形式は、ユーザに対する反力を生成する手段として、バネ又は空圧・油圧シリンダの代わりに電気モータを用いるものがあり、最近の腕相撲装置はおおむねこの種に属している。 この種の例として、図1dに示しているような特許文献15に開示されているものがある。 この先行特許では、力を生成するためにトルクモータを用い、腕の速度を検出するためにセンサプレートと光電センサを用いている。 この種の別の例として、特許文献16に開示されているものがある。 しかし、上記従来の腕相撲装置はいずれもボタン、または、別の手段により一定の力のレベルを選択し、その一定のレベルの力を生成するようにすることで、単純な腕相撲ゲームを行うか、腕力訓練をするように考案されている。 よって、人が腕相撲装置より大きい力を出せば人が勝ち、そうでなければ負ける単純装置であった。 そのため、ユーザは、この腕相撲装置を何回か試すとすぐ飽きてしまうという短所を持っている。 したがって、本発明の主たる目的は、単純ではなく、飽き難い腕相撲ロボットとその制御方法を提供するところにある。 より具体的には、試合の初期にユーザの最大の腕力を検出し、ユーザが予め力のパターンを予測できないように、毎回違う腕相撲のシナリオを、自動、かつ、ランダムに生成して、その生成されたシナリオを実現するように、腕部材の運動に関るフィードバック信号を用い、力フィードバック制御を遂行することによって、力の大きさを調節するボタンや他の手段などの操作をすることなく、力の強いユーザや弱いユーザが同時に楽しむことが出来るようにしているものである。 また、本発明の別の目的は、ユーザの勝とうとする意志が試合の勝率に影響するようにすることで、腕相撲の楽しさを増加し、さらに、保持できる腕相撲ロボットとその制御方法を提供するところにある。 本発明の特徴及び利点は、図面と共に以下の本発明に対する詳細な説明からより明らかになる。 本発明は、基本的には、腕力生成機構(10)と、これを制御する制御システム(100)で構成される腕相撲ロボットである(括弧の中の数字は図2a、図2b、図2cと図3に示す数字)。 腕力生成機構(10)は、基本的に、電気モータ(11)と、位置/速度センサ(12)、トルクセンサ(15)及び腕部材(A)とで構成されている。 制御システム(100)は、試合の初期にユーザの最大腕力を検出し、毎回違うゲームシナリオを生成して、力のフィードバック制御ロジックを実行し、位置/速度センサ(12)からの腕部材(A)の運動に関するフィードバック信号とトルクセンサ(15)からの腕部材(A)に作用するトルクに関するフィードバック信号とを用いて前記シナリオを遂行するためのモータ制御入力信号を生成する。 より具体的には、図2aに、設置環境を含む、本発明による腕相撲ロボット(以下、「腕相撲ロボット」)を示す。 そこには、テーブル(T)と、テーブル(T)上面に配置される、人間の上半身を模倣した胴体(B)と、右腕部(無論、左腕部に設定することも可能である)に設けられている腕力生成機構(10)と、上記胴体(B)に結合され、ユーザに所定の案内メッセージを映像で出力する映像出力手段(20a)と、テーブルの前方の椅子(C)と、ユーザのテーブル前面に設けられた超音波センサ(30a、30b)と、テーブルの下に設けられた光電センサ(30c)とが示されている。 また、図2aには示していないが、テーブルの下の制御システム(100)と、ユーザに案内メッセージを出力する音声出力手段(20b)とが含まれている。 2つの超音波センサ(30a、30b)(1つ、又は、多数の超音波センサも可能)は、テーブル前面の両側に設けられ、腕相撲ロボットに近づいて来る人を所定の角度範囲内で検出する。 超音波センサは、他のタイプのセンサに比べ、一般にノイズの影響が少ないというメリットがあり、如何なる状況でも人が近づいて来るのを容易に検出することが出来ることとなる。 光電センサ(30c)は赤外線を利用するセンサで、人が椅子(C)に座るのを検出できる。 このセンサは、他のタイプのセンサと比較して狭い角度の範囲で物体を検出する。 ユーザを案内するために、映像出力手段(20a)及び/または、音声出力手段(図3の20b)が備えられていて、音声出力手段は、映像出力手段に一体化されていてもよいし、または、別々にテーブル(T)上の適切な場所に設けられていてもよい。 上記腕力生成機構(10)は、図2(b)においてさらに詳細に示すように、制御システム(100)から算出されるモータ制御入力信号に基づいてトルク(回転)を供給するモータ(11)と、該モータの角度位置と角速度を検出して角速度に関するフィードバック信号を制御システム(100)に供給する位置/速度センサ(12)と、モータ(11)に連結され、モータ(11)の回転速度を減速してトルクを増加させる減速手段(13)と、腕相撲をするためにユーザが握る手が付いている腕部材(A)と、上記減速手段(13)と腕部材(A)との間に設けられ腕部材(A)に作用するトルクを検出するトルクセンサ(15)と、上記減速手段(13)と腕部材(A)の間に設けられ、人間の安全を図るために機械的に上記腕部材(A)の回転角を制限する機械的ストッパー(14)が付いているアダプタ(16)と、モータ(11)とストッパーシートブロック(18)を支持し、かつテーブル(T)に固定される底板部材(17)とが含まれている。 腕力生成機構(10)は、モータ(11)からトルクにより腕部材(A)を時計回り(CW)、または、反時計周り(CCW)に回動させる。 なお、位置/速度センサ(12)としては、高精度のためにインクリメンタルエンコーダー(incremental encoder)を採用するのが望ましい(また、別のタイプの位置/速度センサも可能)。 一般的な減速器はバックラッシュ(backlash)が大きくトルクの制御性能が悪いため、減速手段(13)としては、ハーモニックドライブ(harmonic drive)を採用するのが望ましい。 また、機械的ストッパー(14)を備えるアダプタ(16)は、モータの低速制御による腕部材(A)の初期絶対角の位置合わせに用いられる。 ストッパー(14)を用いた絶対角の初期設定に関しては後述する。 絶対角の初期設定は、機械的ストッパー(14)の替わりに、図2(c)に示すように、多数のインクリノメーター(19)を用いることができる。 減速手段(13)と腕部材(A)の間に設けられているトルクセンサ(15)は、適切な力制御性能を得るために適切な分解能を持つことが好ましい。 また、底板部材(17)は、多数の固定ホール(H)が形成されていて、ナットやボルトなどの固定手段により腕力生成機構(10)と上述のテーブル(T)との締結を可能にする。 図3は、トルクセンサ(15)から出力される低電圧信号を増幅して信号処理する増幅部(110)と、位置/速度センサ(12)からのフィードバック信号を処理する論理回路部(130)と、超音波センサ(30a、30b)に必要なパルス信号を生成するパルス生成部(120)と、モータ制御入力信号に基いてモータ(11)を駆動するモータ駆動部(140)と、映像出力手段(20a)および音声出力手段(20b)を駆動する出力手段(150)と、制御ロジックおよびシナリオを含む制御プログラム(200)を格納するメモリ部(160)と、制御プログラム(200)とフィードバック信号を用いてモータ制御入力信号を生成し、該信号をモータ駆動部(140)に転送し、かつ、映像および音声信号を生成して出力手段(150)に転送する制御部(170)とからなる制御システム(100)を示している。 増幅部(110)と制御部(170)との間には、制御部(170)が認識できるようアナログ信号をデジタル信号に換えるA/Dコンバーター(101a)が含まれていて、また、インクリノメーター(19)と制御部(170)との間、超音波センサ(30a、30b)と制御部(170)との間、および、光電センサ(30c)と制御部(170)との間にもA/Dコンバーター(101b、101c、101d)が設けられている。 制御部(170)とモータ駆動部(140)との間には、デジタル信号をアナログ信号に換えるD/Aコンバーター(101e)が設けられている。 図3に示すように、制御システム(100)は、モータ電源制御部(180)をさらに有している。 モータ電源制御部(180)は、制御部(170)から初期化完了信号を受けメカニカルリレー(184)に相応の出力信号を送るソリッドステートリレー(182)と、ソリッドステートリレー(182)の出力信号に応じて、電源(P)とモータ駆動部(140)とを接続するメカニカルリレー(184)と、制御部(170)で初期化が完了した時のみモータ(11)に電源(P)を供給するために電源ラインに設けられているモータ動力スイッチ(MS)とを備えている。 制御部(170)が何らかの理由によってダウン状態になった時、D/Aコンバーター(101e)は、ダウン前の最終モータ制御入力信号を送り続ける可能性があり、この状態でモータ(11)に電源を再度入れると危ない状況になる恐れがある。 このような不具合を解決するために、上記制御部(170)は、初期化が完了すると(メインスイッチ(113)が押された時に初期化を開始する)、初期化完了信号をD/Aコンバーター(101f)または、デジタル出力端子を介してモータ電源制御部(180)に転送すると共に、D/Aコンバーター(101e)を介してモータ駆動部(140)に0値を転送する。 すると、モータ電源制御部(180)は、初期化完了信号により順に駆動されるソリッドステートリレー(SSR,182)の出力信号に従って電源(P)をモータ駆動部(140)に供給するようにメカニカルリレー(MR,184)をオンする。 これにより、制御システム(100)の初期化が完了していない状態で、または、制御システム(100)が異常の状態で、モータスイッチ(MS)がオンしても、電源は供給されないためユーザの安全は保障される。 制御システム(100)は、力フィードバック制御ロジックを用い腕部材(A)の力及び運動を制御する。 なお、トルク指令値は、サブシナリオによって生成される。 あるサブシナリオ力の実行が完了すると、直ちに、力の増加分とその持続時間がランダムな特性を有する次のサブシナリオが用意される。 このサブシナリオは、その瞬間にオンラインで生成することも、予め用意されたいくつのサブシナリオの中から選んで用いることもできる。 腕相撲のシナリオは、このような複数のサブシナリオで構成されている。 シナリオに対するより詳しい説明は、後述する。 力制御性能は、主に、センサからのフィードバック信号の正確さと、サンプリング時間の正確さを含むリアルタイム制御性能と、力フィードバック制御ロジック自体にかかっている。 図5aは、ユーザが腕相撲ロボットと腕相撲をする時の、トルク指令値(点線)と実際のトルク(実線)の一例を表す例示図である。 図5aでは、横軸が時間[sec]を縦軸がトルク[Nm]を表す。 力フィードバック制御は、腕相撲ロボットの腕相撲において核心的役割を果たし、そして、位置フィードバック制御は、腕部材(A)を開始位置に移動させ、腕部材(A)を初期絶対角度に設定するために必要となる。 図5bは、腕相撲ロボットの位置フィードバック制御の結果のグラフを例示する。 図5bにおいて、実線は目標位置を、点線は実際の位置を示す。 図5bの右側のグラフは、左側のグラフの6.5秒付近を拡大したグラフである。 位置/速度センサ(12)としてインクリメンタルエンコーダを用いる場合には、腕部材(A)の絶対0度位置を初期に設定することが必要となる。 この0度位置の設定は、メカニカルストッパー(14)と速度フィードバック制御によってできる。 具体的には、制御部(170)が、モータ(11)を位置フィードバック制御によって低速に時計回り(CW)又は反時計回り(CCW)に駆動しながらトルクセンサ(15)のトルク値を測定する。 この測定されたトルク値が所定値より大きいと、制御部(170)は、上記ストッパー(14)がストッパーシーツブロック(18)に接触していることを示すので、この時の角度を絶対角度0度に設定する。 また、初期角度設定は、メカニカルストッパー(14)を用いないで、複数のインクリノメータ(19)を用いることもできるが、この場合、腕力生成機構(10)がより複雑になりコストが高くなる。 次に、腕相撲ロボットの制御方法について説明する。 図6に示すように、この制御方法は、基本的に3つのステップで構成されている。 第1ステップ(S110)においては、腕力生成機構(10)と制御システム(100)とが初期化され、腕部材(A)の初期角度を設定する。 第2ステップ(S130)においては、所定時間の間、トルクセンサ(15)からのフィードバック信号に基いて、ユーザの最大腕力を測定する。 第3ステップ(S140)においては、腕相撲のシナリオを実行するために力フィードバック制御により腕力生成機構が駆動される。 また、この制御方法は、第1ステップ(S110)と第2ステップ(S130)との間にもう一つのステップ(S120)を加えて構成することもできる。 このステップ(S120)は、複数の超音波センサ(30a、30b)などを用いてユーザが腕相撲ロボットに近づいて来るのを検出し、光電センサ(30c)などを用いてユーザか椅子(C)に座るのを検出する。 上記第1ステップ(S110)は、図7に示すように、腕力生成機構(10)および制御システム(100)を初期化する第1−1ステップ(S111)、モータ電源制御部(180)に初期化完了信号を送信し、モータ駆動部(140)にトルク指令値0に応じたモータ制御入力信号を送信する第1−2段階(S112)、モータ電源制御部(180)が初期化完了信号を受信した後、モータ駆動部(140)に電源(P)を印加する第1−3段階(S113)、そして、腕部材(A)の初期角度を設定する第1−4段階(S114)からなる。 上記ステップ(S120)は、図8に示すように、音波センサ(30a、30b)などによりユーザの接近を検出する段階(S121)、ユーザの接近を検出するとユーザに腕相撲を案内する音声及び映像のメッセージを出力し、そうでなければ段階(S121)を繰り返す段階(S122)、ユーザが椅子(C)に着席したか否かを検出する段階(S123)、そしてユーザが椅子(C)に着席したならば、ユーザに音声及び映像の案内メッセージを出力し、そうでなければ段階(S123)を繰り返す段階(S124)からなる。 段階(S122)と段階(S124)の案内メッセージは、例えば、「こんにちは!腕相撲を行うのであれば着席してください。」、「準備が出来ましたら、始めるために腕を持ってください。」などの音声を出力するか、様々な顔の表情を形状化したアバター(avatar)また/及び所定の文句を出力するなどの形態に想定することが出来る。 ここでは、詳細な案内メッセージの出力は、付加的な機能なので省略することができ、また、本発明の目的を外れない程度に多様に変形することができる。 第2ステップ(S130)は、図9に示すように、腕部材(A)に印加されるトルクを特定の大きさまで増加させる第2−1段階(S131)、腕部材(A)の速度が正数か負数かを判定する第2−2段階(S132)、速度が正なら腕部材(A)に印加されるトルクの大きさを特定の規則に沿って増加させる第2−3段階(S133)、速度が負なら腕部材(A)に印加されるトルクの大きさを特定の規則に沿って減少させる第2−4段階(S134)、そして、所定時間の間第2−2段階(S132)から第2−4段階(S134)を繰り返してユーザの最大腕力を決める第2−5段階からなる。 図9bは、上記第2ステップ(S130)により20代の青年8名から実際測定した最大腕力に関する表である。 この表で1番目と3番目の列は試行番号を、2番目と4番目の列は測定した最大腕力(単位:Nm)を表している。 第3ステップ(S140)は、図10aに示すように、複数の勝ち、引き分け、負けのサブシナリオの中から一つを選択する第3−1段階(S141)、選択されたサブシナリオが実行されている間にトルクセンサ(15)により測定したユーザの平均腕力と第2ステップ(S130)により得られたユーザの最大腕力とから、ユーザの意志力指数(will point)を算出する第3−2段階(S142)、第3−2段階(S142)で算出された意志力指数によって複数のサブシナリオの中から次のサブシナリオを選択する第3−3段階(S143)、選択されたサブシナリオが、勝ち、引き分け、負けの内何れに当たるのかを判断する第3−4段階(S144)、第3−4段階(S144)で判断したサブシナリオが引き分けのサブシナリオなら、引き分けのサブシナリオに該当する力フィードバック制御を行ってから第3−2段階(S142)に戻る第3−5段階(S145)、第3−4段階(S144)で判断したサブシナリオが勝ちのサブシナリオなら、勝ちのサブシナリオに該当する力フィードバック制御を行ってから試合を終了する第3−6段階(S146)、第3−4段階(S144)で判断したサブシナリオが負けのサブシナリオなら、負けのサブシナリオに該当する力フィードバック制御を行ってから試合を終了する第3−7段階(S147)からなる。 本発明で用いる用語として、1つの試合は、いくつかのサブシナリオの組み合わせで行われていて、一つの腕相撲シナリオ(又は単にシナリオ)は、多数のサブシナリオの集合で構成される。 勝ちのサブシナリオは、トルク指令値を大きく減少させることを意味し、負けのサブシナリオは、トルク指令値を大きく増加させることを意味している。 引き分けのサブシナリオは、トルク指令値をやや増加、または、やや減少、若しくは、現在の値を維持することを意味している。 複数のサブシナリオは、予め決められている区間によって分けられている。 しかし、勝ちのサブシナリオ、負けのサブシナリオ、及び引き分けのサブシナリオの分類は、現在の腕部材(A)の角度によって決まり、これは、所定の規則を用いて達成される。 図10bは、現在の角度が10度の一実施例で、−150度と50度との間を10度間隔で分けてサブシナリオが設けられている。 例えば、図10bの表の第8〜第15のサブシナリオは、現在の角度において、ユーザが勝つサブシナリオに分類される。 第3−2段階(S142)で意志力指数は、以下の式から決まる。 意志力指数=(1サブシナリオ間の平均腕力)/(最大腕力)×100 第3ステップは、図10aとは違う別の方法で実現することもできる。 つまり、第3ステップは、図10bのように、力増加分、上昇時間、維持時間で特徴付けられるサブシナリオをオンラインで生成することによって実現できる。 3つ全ての値は任意に決定される。 図10dにおいて、横軸は時間、縦軸はトルクを示す。 サブシナリオにおける力の増加又は減少は、ロボットアームを滑らかに運動させるべく、図10dに示すような多項式曲線、直線又はその他の曲線によって実現される。 図10eは、この別の第3ステップ(S150)であり、第2ステップ(S130)で決められた最大腕力を調整する第3−1段階(S151)、維持値変数をランダムに決定する第3−2段階(S152)、任意の力増加分、任意の上昇時間、任意の維持時間を持つ一つのサブシナリオを生成する第3−3段階(S153)、生成されたサブシナリオを実行する第3−4段階(S154)、ユーザが勝ったのかをチェックし、勝ったら試合を終了する第3−5段階(S155)、ユーザが負けたのかをチェックし、負けたら試合を終了する第3−6段階(S156)、サブシナリオが完了したかをチェックし、完了していなければ第3−4段階(S154)から第3−7段階(S157)までを繰り返す第3−7段階(S157)、サステインバリューが0であるかをチェックして、0ではなければ第3−9段階(S159)に進み、0だったら第3−10段階(S160)に進む第3−8段階(S158)、サステインバリューを1減少して第3−3段階(S153)に戻す第3−9段階(S159)、そして、決められた方法で最大腕力を減らして第3−2段階(S152)に戻す第3−10段階(S160)からなる。 第3ステップ(S150)において、サステインバリューの変数は、時間が経つにつれて、ロボットの平均腕力の減少率をランダムに作成するために必要とされる。 図11は、勝とうとする意志の強い人と弱い人の2人のユーザが試合を行った実験結果(S140)を例示している。 図11において、上側の実線は、ユーザの意志力指数を表し、下側の実線は腕部材(A)の角度変化を表している。 これらの結果は、試合中に意志力指数は変化していることを、そして、勝とうとする強い意志が人間の勝つ確率を高めるということを示している。 図12は、本発明の一実施例を示し、ユーザと腕相撲ロボットとが腕相撲をしている場面を例示している。 図13は、図12の腕相撲ロボットで同様のパターンの力を出すユーザによって行われた2回の試合を行ったデータ(S140使用)を示している。 図13は、ユーザが同様のパターンの力を出しても試合の結果は異なりうることを示している。 図13(a)のグラフはユーザが勝った場合、(b)のグラフはユーザが負けた場合を示す。 なお、このグラフ(a),(b)において、上側の実線はユーザの意志力指数を、下側の実線は腕部材(A)の角度を表している。 図14aは、本発明の別の実施例(S150使用)を示し、72歳の老女が腕相撲ロボットと試合をしている場面である。 図14bは、その結果を示すグラフである。 図14bのグラフ(a)、(b)は、トルク指令値(青色の実線)、実際のトルク(灰色の実線)、角速度(赤色の実線)及び腕部材の角度(灰色の点線)を示している。 図14bにおいて、左側のグラフは老女が勝った場合、右側のグラフは老女が負けた場合のデータである。 このグラフから明らかなように同一人物が試合をしても、腕相撲ロボットにより生成される力パターンと腕相撲の所要時間は試合毎に異なりうることが分かる。 図15aは、図14aの腕相撲ロボットを用いて25歳の青年が試合をしている場面とその結果を示す例示図である。 図15bは、10歳の子どもが試合をしている場面とその結果を示す例示図である。 青年が図15aの試合を終えるとすぐに子ともが図15bの試合を行った。 25歳の青年が出した力は約50N・mで、10歳の子どもが出した力は約20N・mであるが、腕相撲ロボットを何ら変更することなく腕相撲が円滑に行われた。 つまり、本発明による腕相撲ロボットは、ユーザ腕力の大きさに応じた適切な力を自動的に生成する機能を持っている。 図16aの表は、図14aの腕相撲ロボットで一人のユーザが26回の試合をした場合の試合あたり所要時間と、ユーザの勝ち負けを示している。 図16aの表から、試合時間及び試合結果は毎回異なることが分かり、腕相撲の楽しみを長く維持できることが分かる。 図16bは、2人のユーザが図14aの腕相撲ロボットと各々26回の試合をした場合の結果をまとめた表である。 図16bの表において、1番目のユーザは、人間の勝率が63%であり、2番目のユーザは人間の勝率が75%である。 以上、本発明の技術的思想を例示するための好ましい実施例に基いて説明及び示して来たが、本発明は、このように図示および説明した通りの構成および作用に限られるのではなく、技術的思想の範囲を脱することなく本発明に対して多数の変更および修正が可能であることは、当業者なら理解できることであろう。 従って、それら全ての適宜変更及び修正と均等物も本発明の範囲に属するものとして見なすべきである。 本発明の腕相撲ロボットの主な機能的特徴は、(i)腕相撲ロボット人の腕力大きさを検出してその人ごとに適する大きさの力を自動で生成するため、腕力の強い人でも弱い人でも、一緒に腕相撲を楽しむことができる、(ii)生成された力パターンが毎試合毎異なるため、同一人物が飽きることなく長い時間ロボットとの腕相撲を楽しむことができる、(iii)試合の初期に勝率をランダムで設定するが、試合中にユーザの勝とうとする意志を勝率に反映することである。 このような特徴に基いて、本発明は、娯楽用、または、老人健康増進用、若しくは、学生等の好奇心を引き起こす教育用として有用である。 |