Pressurizing muscular strength enhancement apparatus, control device and method executed in control device

申请号 JP2003174813 申请日 2003-06-19 公开(公告)号 JP2005006921A 公开(公告)日 2005-01-13
申请人 Japan Manned Space Systems Corp; Satou Sports Plaza:Kk; 有人宇宙システム株式会社; 株式会社 サトウスポーツプラザ; 发明人 SATO YOSHIAKI; YAMAZAKI YOSHIHISA;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a pressurizing muscular strength enhancement apparatus precisely adjusting the extent of blocking of the blood flow when executing a pressurizing muscular strength enhancement method. SOLUTION: This pressurizing muscular strength enhancement apparatus is provided with a tightening device 100, a pressure setting device 200, a measuring device 300, and a control device 400. The tightening device 100 is wound around a predetermined position of the four limbs. The tightening device 100 is provided with an airtight gas bag and changes the tightening force applied to the four limbs by taking air therein/thereout. The pressure setting device 200 controls take-in/out of the air relative to the gas bag. The measuring device 300 is attached with the terminal side of the four limbs where the tightening device 100 is wound around and measures the value of the measurement object changing according to the increase/decrease in the tightening force. The control device 400 controls the pressure setting device 200 based on the value of the measurement object. The pressurizing muscular strength enhancement device thus automatically controls the tightening force based on the value of the measurement object. COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • 四肢のいずれかの筋肉の所定の部位に巻き付けることのできる長さとされたベルト、前記ベルトを前記筋肉の所定の部位に巻き付けた状態で固定する固定手段、前記筋肉の所定の部位に巻き付けられた前記ベルトが、前記固定手段により固定された状態で、その内部に気体を充填することにより、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与える、前記ベルトに設けられたガス袋、を有する緊締具と、
    前記ガス袋に気体を送り込めるとともに、前記ガス袋から気体を抜くことのできる圧力設定手段と、
    前記締め付け力を変化させるために、前記圧力設定手段を制御する制御手段と、
    前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定手段と、
    を備えており、
    前記制御手段は、前記測定対象値に基づいて、前記圧力設定手段を制御するようになっている、
    加圧筋力増強装置。
  • 前記測定手段が、現時点における前記測定対象値を測定するようになっているとともに、
    前記制御手段は、現時点における測定対象値に基づいて、経時的に前記圧力設定手段を制御するようになっている、
    請求項1記載の加圧筋力増強装置。
  • 理想的な測定対象値についての理想データを記録した記録手段を備えており、
    前記制御手段は、現時点における測定対象値と、前記記録手段から読み出した理想データが示す理想的な測定対象値とを対比し、現時点における測定対象値を前記理想的な測定対象値に近づけるような制御を行うように前記圧力設定手段を制御するようになっている、
    請求項2記載の加圧筋力増強装置。
  • 前記緊締具は、複数であり、
    前記測定手段は、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられているとともに、そのそれぞれが対応する緊締具が巻き付けられた四肢の末端側の前記測定対象値を測定するものとされており、
    前記圧力設定手段は、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられているとともに、
    前記制御手段は、前記測定対象値のそれぞれに基づいて、それら測定対象値の測定された前記測定手段と対応付けられた緊締具と対応付けられた前記圧力設定手段のそれぞれを、別個に制御するようになっている、
    請求項1〜3のいずれかに記載の加圧筋力増強装置。
  • 前記測定対象値は、コロトコフ音、スワン音、脈派の少なくとも一つである、
    請求項1〜4のいずれかに記載の加圧筋力増強装置。
  • 前記制御手段は、現時点における前記測定対象値が、次の1)〜3)の少なくとも一つに該当する場合には、前記ガス袋から気体を抜くように前記圧力設定手段を制御するようになっている、請求項2記載の加圧筋力増強装置。
    1)現時点における心拍数が、予め定めた心拍数を超えたことを示す場合2)現時点における血圧が、予め定めた血圧よりも低くなったことを示す場合3)現時点における脈拍に異状が発生していることを示す場合
  • 四肢のいずれかの筋肉の所定の部位に巻き付けることのできる長さとされたベルト、前記ベルトを前記筋肉の所定の部位に巻き付けた状態で固定する固定手段、前記筋肉の所定の部位に巻き付けられた前記ベルトが、前記固定手段により固定された状態で、その内部に気体を充填することにより、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与える、前記ベルトに設けられたガス袋、を有する緊締具と、
    前記ガス袋に気体を送り込めるとともに、前記ガス袋から気体を抜くことのできる圧力設定装置と、
    前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、
    組み合わせて用いられる制御装置であって、
    前記測定装置のそれぞれから測定対象値についてのデータを受付ける受付け手段と、
    受付けたその測定対象値についてのデータに基づいて、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する制御データ生成手段と、
    前記制御データを前記圧力設定装置に送る送出手段と、
    を備えてなる、
    制御装置。
  • 前記測定装置が、現時点における前記測定対象値を測定するようになっている場合に、
    前記受付け手段は、経時的に前記測定対象値を受付けるようにされており、
    前記制御データ生成手段は、経時的に前記制御データを生成するようにされており、
    前記送出手段は、経時的に前記制御データを前記圧力設定装置に送るようにされている、
    請求項7記載の制御装置。
  • 理想的な測定対象値についての理想データを記録した記録手段を備えており、
    前記制御データ生成手段は、前記記録手段から読み出した理想データと、前記測定対象値データとを対比し、現時点における測定対象値データを前記理想データに近づけるような制御を前記圧力設定装置に行わせるものとして、前記制御データを生成するようになっている、
    請求項8記載の制御装置。
  • 前記緊締具が、複数であり、
    前記測定装置が、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられているとともに、そのそれぞれが対応する緊締具が巻き付けられた四肢の末端側の前記測定対象値を測定するものとされており、
    前記圧力設定装置は、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられている場合に、
    前記受付け手段は、前記測定装置のそれぞれから経時的に前記測定対象値を受付けるようにされており、
    前記制御データ生成手段は、前記測定対象値のそれぞれに基づいて、それら測定対象値の測定された前記測定装置と対応付けられた緊締具と対応付けられた前記圧力設定装置のそれぞれを、別個に制御するようになっている、
    請求項7〜9のいずれかに記載の制御装置。
  • 前記測定対象値は、コロトコフ音、スワン音、脈派の少なくとも一つである、
    請求項7〜10のいずれかに記載の制御装置。
  • 前記制御データ生成装置は、現時点における前記測定対象値が、次の1)〜3)の少なくとも一つに該当する場合には、前記ガス袋から気体を抜くように前記圧力設定手段を制御するための制御データを生成するようになっている、請求項8記載の制御装置。
    1)現時点における心拍数が、予め定めた心拍数を超えたことを示す場合2)現時点における血圧が、予め定めた血圧よりも低くなったことを示す場合3)現時点における脈拍が異状であることを示す場合
  • 四肢のいずれかの筋肉の所定の部位に巻き付けることのできる長さとされたベルト、前記ベルトを前記筋肉の所定の部位に巻き付けた状態で固定する固定手段、前記筋肉の所定の部位に巻き付けられた前記ベルトが、前記固定手段により固定された状態で、その内部に気体を充填することにより、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与える、前記ベルトに設けられたガス袋、を有する緊締具と、
    前記ガス袋に気体を送り込めるとともに、前記ガス袋から気体を抜くことのできる圧力設定装置と、
    前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、
    組み合わせて用いられる制御装置にて実行される方法であって、
    前記測定装置のそれぞれから測定対象値データを受付ける過程と、
    受付けたその測定対象値データに基づいて、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する過程と、
    前記制御データを前記圧力設定装置に送る過程と、
    を含む方法。
  • 四肢のいずれかの筋肉の所定の部位の外周を囲むものであり、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与えるものであり、且つ前記締め付け力を変化させられるようにされた緊締具と、
    前記緊締具の締め付け力を制御する圧力設定手段と、
    前記締め付け力を変化させるために、前記圧力設定手段を制御する制御手段と、
    前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定手段と、
    を備えており、
    前記制御手段は、前記測定対象値に基づいて、前記圧力設定手段を制御するようになっている、
    加圧筋力増強装置。
  • 四肢のいずれかの筋肉の所定の部位の外周を囲むものであり、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与えるものであり、且つ前記締め付け力を変化させられるようにされた緊締具と、
    前記緊締具の締め付け力を制御する圧力設定装置と、
    前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、
    組み合わせて用いられる制御装置であって、
    前記測定装置のそれぞれから測定対象値についてのデータを受付ける受付け手段と、
    受付けたその測定対象値についてのデータに基づいて、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する制御データ生成手段と、
    前記制御データを前記圧力設定装置に送る送出手段と、
    を備えてなる、
    制御装置。
  • 四肢のいずれかの筋肉の所定の部位の外周を囲むものであり、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与えるものであり、且つ前記締め付け力を変化させられるようにされた緊締具と、
    前記緊締具の締め付け力を制御する圧力設定装置と、
    前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、
    組み合わせて用いられる制御装置にて実行される方法であって、
    前記測定装置のそれぞれから測定対象値データを受付ける過程と、
    受付けたその測定対象値データに基づいて、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する過程と、
    前記制御データを前記圧力設定装置に送る過程と、
    を含む方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、筋肉の増強に用いる筋増強装置に関し、健常者のみならず運動機能に障害を有する者でも効率よく筋力増強を図れるようにする加圧筋力増強方法を実行するのに適した筋力増強装置に関する。
    【0002】
    【発明の背景】
    本願発明者のうちの一人は、筋肉の増強を、容易に、安全に、且つ効率よく行えるようにする筋力増強方法を開発すべく、兼ねてから研究を行っており、その成果として平成5年特許願第313949号の特許出願を行い、特許第2670421号を受けるに至っている。
    【0003】
    この特許に係る筋力増強方法は、加圧を用いて行う従来にはない特徴的なものである。 この筋力増強方法は、以下のような理論に基づいている。
    筋肉には、遅筋と速筋とがあるが、遅筋はほとんど大きくなることがないため、筋肉を増強するには、遅筋と速筋のうち、速筋を活動させる必要がある。 速筋が活動することによって生じる乳酸の筋肉への蓄積がきっかけとなって脳下垂体から分泌される成長ホルモンには、筋肉をつくり、体脂肪を分解する等の効果があるから、速筋を活動させ疲労させてやれば、速筋の、ひいては筋肉の増強が行われることになる。
    ところで、遅筋と速筋には、前者が、酸素を消費して活動するものであり、また、軽い負荷の運動を行えば活動を開始するのに対し、後者が、酸素がなくても活動するものであり、また、かなり大きな負荷をかけた場合に遅筋に遅れて活動を開始するという違いがある。 したがって、速筋を活動させるには、先に活動を開始する遅筋を早く疲労させる必要がある。
    従来の筋力増強方法では、バーベルなどを用いた激しい運動を行わせることによって遅筋をまず疲労させ、次いで速筋を活動させることとしている。 このようにして速筋を活動させるには、大きな運動量が必要であるから、長い時間がかかり、また、筋肉及び関節への負担が大きくなりがちである。
    他方、筋肉の四肢の付根付近の所定の部位を締め付けて加圧し、そこに流れる血流を制限した状態で筋肉に運動を行わせると、そこの筋肉に供給される酸素が少なくなるので、活動のために酸素を必要とする遅筋がすぐに疲労する。 したがって、加圧により血流を制限した状態で筋肉に運動を行わせると、大きな運動量を必要とせずに、速筋を活動させることができるようになる。
    また、加圧によって血流が制限されていることで、筋肉内で生成された乳酸が筋肉の外に出にくくなるため、血流が制限されていない場合に比べて、乳酸値が上昇しやすく、成長ホルモンの分泌量が格段に上昇する。
    このような理論により、筋肉における血流を阻害することによって、筋肉の飛躍的な増強を図ることができるようになる。
    【0004】
    上記特許に係る筋力増強方法は、この血流阻害による筋力増強の理論を応用したものである。 より詳細に言えば、増強を図ろうとする筋肉に対して近接する心臓に近い部位、即ちその筋肉に対して近接する上位部位に、血流を阻害させる締め付け力を与え、その締め付け力を調整することによって筋肉に血流阻害による適切な負荷を与え、それによって筋肉に疲労を生じさせ、もって筋肉の効率のよい増強を図るというものである。
    この筋力増強方法は、血流阻害による負荷を筋肉に与えることにより筋肉の増強を行うものであるため、筋肉を増強するにあたって運動を行わなくてもよくなるという大きな特徴を有する。 また、この筋力増強方法は、血流阻害による負荷を筋肉に与えることにより筋肉に与える負荷の総量を補償することができるので、運動と組み合わせる場合には、運動による負荷を従来よりも減らせるという利点をもっている。 この利点は、筋肉に行わせる運動量を減少させることにより、関節や筋肉の損傷のおそれを減少させられる、トレーニング期間を短縮できるようになる、といった効果を生む。
    【0005】
    ところで、この筋力増強方法を実行するには、増強を図ろうとする筋肉に流れる血流を阻害することが可能であり、また、血流の阻害の程度を正確に調節できる筋力増強器具、装置が不可欠である。 特に、筋肉において行われている血流の阻害の程度を正確に調節できる機能は、加圧筋力増強方法によって得られる効果を高めるため、また、加圧筋力増強方法の安全性を高めるために非常に重要である。
    【0006】
    本願発明者の一人は、筋力増強器具について研究を重ね、その過程で、平成8年特許願第248317号に記載の筋力増強器具の発明を行った。 この発明による筋肉増強器具は、袋状にされたベルトである緊締具の内部にゴム製のチューブを配した構造であり、緊締具を筋肉の所定の部位に巻き付けて固定した状態でチューブに気体を送り込むことで筋肉を締め付け、所望の加圧力を筋肉に与えるものとなっている。
    【0007】
    かかる気体による加圧を行うタイプの筋力増強器具は、気体の圧力を計測することによりきめ細かい加圧力の制御を行えるという利点を持つものであるが、改良すべき点がないわけではない。
    かかる筋力増強器具は、上述のチューブ内での気体の圧力を測ることで筋肉に対して筋力増強器具が与えている締め付け力を測定できるものとされている。 気体の圧力を測定することによって測定される筋肉に与えられている締め付け力は、筋肉において行われている血流阻害の程度を予測するための情報となる。 上述の筋力増強器具では、この予測に基づいてチューブ内での気体の圧力を変化させることで、血流阻害の程度を適正なものとするようにしている。
    しかしながら、人間には個人差や、体重の増減などの経時的な変化があり、一定の締め付け力が必ずしも同一の血流阻害の程度を生むとは限らないから、かかる予測には困難がある。
    したがって、かかる筋力増強器具を用いる場合には、筋力増強器具の使用方法を指導する加圧筋力増強方法についての知識、経験が豊富な者が不可欠であり、実際、加圧筋力増強方法は、そのような指導を行える者の管理下で実施されることがほとんどである。
    また、加圧筋力増強方法は、近年問題となることの多い無重力の宇宙船内に長時間滞在した宇宙飛行士の筋力の減衰や骨密度の減少を防ぐことに利用できる可能性があるが、無重力状態では、体内における血液の分布が地上とは変化するため、地上で培われた加圧筋力増強方法についての知識、経験に基づいて締め付け力を選択したとしても、それによって生じる血流阻害の程度が適切なものとなるかどうかは、予測が非常に難しい。
    【0008】
    【発明が解決しようとする課題】
    本発明は、かかる問題を解決するものであり、血流の阻害の程度を正確に調節できる筋力増強装置を実現するための技術を提供することを、その課題とするものである。
    【0009】
    【課題を解決するための手段】
    上述の課題を解決するために、本願発明者は、以下の発明を提案する。
    本発明は、四肢のいずれかの筋肉の所定の部位の外周を囲むものであり、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与えるものであり、且つ(例えば、四肢のいずれかの外周を囲む部分の内周の長さを変化させることで)前記締め付け力を変化させられるようにされた緊締具と、前記緊締具の締め付け力を制御する圧力設定手段と、前記締め付け力を変化させるために、前記圧力設定手段を制御する制御手段と、前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定手段と、を備えている加圧筋力増強装置である。
    そして、この加圧筋力増強装置における前記制御手段は、前記測定対象値に基づいて、前記圧力設定手段を制御するようになっている。
    この発明の加圧筋力増強装置では、圧力設定手段が、緊締具が筋肉の所定の部位を締め付ける締め付け力を制御するようになっており、また、この圧力設定手段は、制御手段によって測定対象値に基づいて制御されるようになっている。 つまり、上述の締め付け力は、圧力設定手段、制御手段を介して、測定対象値に基づいて制御されるのである。
    ここで、測定対象値は、加圧筋力増強方法が実行されている四肢の緊締具が取付けられている部位よりも末端側で測定される、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連するものであるから、本発明の加圧筋力増強装置は、実際に行われている血流阻害の程度によって、直接的に締め付け力を変化させられるものとなる。 したがって、この加圧筋力増強装置には、膨大な知識、経験を必要とした従来の加圧筋力増強器具とは異なり、たとえ無重力状態で加圧筋力増強方法を使用する場合であったとしても、血流の阻害の程度を正確に調節できるものとなる。
    なお、上述の制御手段は、圧力設定手段の制御を自動的に行うものとなっているので、この加圧筋力増強装置を用いて加圧筋力増強方法を実行する者は、締め付け力を調節する際に生じる手間から解放される。 圧力設定手段の制御を自動的に行うようになっていることは、また、更なる利点を生む。 加圧筋力増強方法は、寝たきりになっているなど運動を行えない者であっても、筋肉に対する加圧を行うだけで筋力の増強を見込めるという理由から、リハビリテーションの用途への応用への期待が高い。 しかしながら、このような者は、締め付け力の調節を行う作業すらも負担になることが多いことが予想され、それが加圧筋力増強方法のリハビリテーションの用途への普及を妨げるおそれがある。 しかしながら、本発明の如く、圧力設定手段の自動的な制御を行えるものであれば、そのような負担を生じることがないため、リハビリテーションの用途へと加圧筋力増強方法の応用が、容易になる。
    緊締具は、構造の詳細を問わないが、例えば、四肢のいずれかの筋肉の所定の部位に巻き付けることのできる長さとされたベルト、前記ベルトを前記筋肉の所定の部位に巻き付けた状態で固定する固定手段、前記筋肉の所定の部位に巻き付けられた前記ベルトが、前記固定手段により固定された状態で、その内部に気体を充填することにより、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与える、前記ベルトに設けられたガス袋、を有するものとすることができる。
    このような緊締具と、前記ガス袋に気体を送り込めるとともに、前記ガス袋から気体を抜くことのできる圧力設定手段と、前記締め付け力を変化させるために、前記圧力設定手段を制御する制御手段と、前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定手段と、を備えた加圧筋力増強装置でも、上述の場合と同様の作用効果を得られる。
    この加圧筋力増強装置における緊締具は、ガス袋を備えるものである。 このガス袋に、気体を送り込み、又は気体を抜くことで、それが筋肉に与える締め付け力を変化させるようになっている。
    【0010】
    なお、本発明における測定対象値は、上述したとおり、加圧筋力増強方法が実行されている四肢の緊締具が取付けられている部位よりも末端側で測定される、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連するものであればどのようなものでもよい。 たとえば、測定対象値は、コロトコフ音、スワン音、脈派の少なくとも一つとすることができる。 これらは、いずれも血流の状態を示すパラメータであり、これらを測定対象値とすることで、血流阻害の状態を正確に測定できるようになる。
    これらの点については、後述する制御装置の場合も同様である。
    【0011】
    本発明の測定手段は、現時点における前記測定対象値を(時間的に連続であるか、所定の時間間隔毎かは問わないが)測定するようになっていてもよい。 そして、この場合における制御手段は、現時点における測定対象値に基づいて、(時間的に連続であるか、所定の時間間隔毎かは問わないが)経時的に前記圧力設定手段を制御するようになっていてもよい。
    このような加圧筋力増強装置は、血流の阻害が適切である時間をより長く取れるようになるため、加圧筋力増強方法実施の効果をより高く得られると同時に、加圧筋力増強方法実施時の安全性をより高められるようになる。 特に、測定対象値の測定を時間的に連続に行い、圧力設定手段の制御を実時間で行うようにすれば、加圧筋力増強方法実施の効果を更に高いレベルで得られると同時に、加圧筋力増強方法実施時の安全性を更に高められるようになる。
    【0012】
    本発明の制御手段は、上述のように、測定対象値に基づいて、前記圧力設定手段を制御するようなものであれば具体的な構成を問わない。
    本発明の加圧筋力増強装置が、理想的な測定対象値についての理想データを記録した前記記録手段を備えているのであれば、前記制御装置は、現時点における測定対象値と、記録手段から読み出した理想データが示す理想的な測定対象値とを対比し、現時点における測定対象値を前記理想的な測定対象値に近づけるような制御を行うように前記圧力設定手段を制御するようになっていればよい。
    理想的な測定対象値は、時間と関連付けて定められることもある。 また、記録手段は、制御手段の内部に設けられることもあれば、外部に設けられることもある。
    【0013】
    本発明の加圧筋力増強装置における緊締具は、単数でも、複数でもよい。
    緊締具が複数である場合における測定手段は、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられているとともに、そのそれぞれが対応する緊締具が巻き付けられた四肢の末端側の前記測定対象値を測定するものとされていてもよい。 また、この場合における前記圧力設定手段は、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられていてもよい。 この場合における制御手段は、前記測定対象値のそれぞれに基づいて、それら測定対象値の測定された前記測定手段と対応付けられた緊締具と対応付けられた前記圧力設定手段のそれぞれを、別個に制御するようなものとできる。
    緊締具が複数である場合には、加圧筋力増強方法を実行する一人の者の四肢の複数に締め付け力を与えること、或いは、加圧筋力増強方法を複数人に同時に実行することができる。 そして、この場合において必要とされる締め付け力は緊締具毎に異なる場合がある。 上述の如き加圧筋力増強装置であれば、複数の緊締具によってそれぞれの四肢に与えられる締め付け力を個別に制御できるため、このような場合にも対処できるようになる。
    【0014】
    上述の制御手段は、現時点における前記測定対象値が、次の1)〜3)の少なくとも一つに該当する場合には、前記ガス袋から気体を抜くように前記圧力設定手段を制御するような機能を備えていてもよい。
    1)現時点における心拍数が、予め定めた心拍数を超えたことを示す場合2)現時点における血圧が、予め定めた血圧よりも低くなったことを示す場合3)現時点における脈拍に異状が発生していることを示す場合これにより、加圧筋力増強方法の安全性を、より一層高めることができるようになる。
    このような制御手段を持つ加圧筋力増強装置であれば、加圧筋力増強方法実施時の安全性をより高められるようになる。
    【0015】
    本発明は、以下のような制御装置も提案する。
    本発明の制御装置は、四肢のいずれかの筋肉の所定の部位の外周を囲むものであり、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与えるものであり、且つ前記締め付け力を変化させられるようにされた緊締具と、前記緊締具の締め付け力を制御する圧力設定装置と、前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、組み合わせて用いられるものである。
    そして、この制御装置は、前記測定装置のそれぞれから測定対象値についてのデータを受付ける受付け手段と、受付けたその測定対象値についてのデータに基づいて、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する制御データ生成手段と、前記制御データを前記圧力設定装置に送る送出手段と、を備えてなる。
    この制御装置によっても、上述した加圧筋力増強装置と同様に、知識、経験を必要とした従来の加圧筋力増強器具と比較して、たとえ無重力状態で加圧筋力増強方法を使用する場合であったとしても、血流の阻害の程度を正確に調節できるものとなるという効果、加圧筋力増強方法を実行する者が、締め付け力を調節する際に生じる手間から解放されるという効果、リハビリテーションの用途への応用が容易になるという効果、を得られる。
    本発明の制御装置における緊締具は、上述のように、四肢のいずれかの筋肉の所定の部位に巻き付けることのできる長さとされたベルト、前記ベルトを前記筋肉の所定の部位に巻き付けた状態で固定する固定手段、前記筋肉の所定の部位に巻き付けられた前記ベルトが、前記固定手段により固定された状態で、その内部に気体を充填することにより、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与える、前記ベルトに設けられたガス袋、を有するものとすることができる。
    このような緊締具と、前記ガス袋に気体を送り込めるとともに、前記ガス袋から気体を抜くことのできる圧力設定装置と、前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、組み合わせて用いられるものであり、前記測定装置のそれぞれから測定対象値についての測定対象値データを受付ける受付け手段と、測定対象値についてのデータに基づいて、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する制御データ生成手段と、前記制御データを前記圧力設定装置に送る送出手段と、を備えてなる制御装置でも、上記制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
    【0016】
    測定装置は、現時点における前記測定対象値を(時間的に連続であるか、所定の時間間隔毎かは問わないが)測定するようになっている場合がある。
    この場合において、前記受付け手段は、経時的に前記測定対象値を受付けるようにされていてもよく、前記制御データ生成手段は、経時的に前記制御データを生成するようにされていてもよく、前記送出手段は、経時的に前記制御データを前記圧力設定装置に送るようにされていてもよい。
    このような制御装置であれば、血流の阻害が適切である時間をより長く取れるようになるため、加圧筋力増強方法実施の効果をより高く得られると同時に、加圧筋力増強方法実施時の安全性をより高められるようになる。 特に、測定対象値の測定を時間的に連続に行い、圧力設定装置の制御を実時間で行うような制御装置を採用すれば、加圧筋力増強方法実施の効果を更に高いレベルで得られると同時に、加圧筋力増強方法実施時の安全性を更に高められるようになる。
    【0017】
    制御データ生成装置は、上述のようなものであれば、その具体的な構成を問わない。
    制御装置は、理想的な測定対象値についての理想データを記録した記録手段を備えていてもよい。 制御装置が、もしそのようになっているのであれば、前記制御データ生成手段は、前記記録手段から読み出した理想データと、前記測定対象値データとを対比し、現時点における測定対象値データを前記理想データに近づけるような制御を前記圧力設定装置に行わせるものとして、前記制御データを生成するようになっていてもよい。
    【0018】
    上述の緊締具は、複数である場合がある。 その場合、前記測定装置が、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられているとともに、そのそれぞれが対応する緊締具が巻き付けられた四肢の末端側の前記測定対象値を測定するものとされており、前記圧力設定装置は、前記緊締具と同数であり、且つそのそれぞれが前記緊締具のそれぞれと対応付けられていることがある。
    このような場合における制御装置における前記受付け手段は、前記測定装置のそれぞれから経時的に前記測定対象値を受付けるようにされており、前記制御データ生成手段は、前記測定対象値のそれぞれに基づいて、それら測定対象値の測定された前記測定装置と対応付けられた緊締具と対応付けられた前記圧力設定装置のそれぞれを、別個に制御するようになっているものとすることができる。
    このような制御装置であれば、複数の緊締具によって1人あるいは複数人の四肢のそれぞれに与えられる締め付け力を個別に制御できるため便利である。
    【0019】
    制御装置における制御データ生成手段は、現時点における前記測定対象値が、次の1)〜3)の少なくとも一つに該当する場合には、前記ガス袋から気体を抜くように前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成するようになっていてもよい。
    1)現時点における心拍数が、予め定めた心拍数を超えたことを示す場合2)現時点における血圧が、予め定めた血圧よりも低くなったことを示す場合3)現時点における脈拍が異状であることを示す場合このような制御装置であれば、加圧筋力増強方法実施時の安全性をより高められるようになる。
    【0020】
    本発明は、また、以下の方法を提供する。
    この方法は、四肢のいずれかの筋肉の所定の部位の外周を囲むものであり、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与えるものであり、且つ前記締め付け力を変化させられるようにされた緊締具と、前記緊締具の締め付け力を制御する圧力設定装置と、前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、組み合わせて用いられる制御装置にて実行される。 そして、制御装置が、前記測定装置のそれぞれから測定対象値データを受付ける過程と、受付けたその測定対象値データに基づいて、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する過程と、 前記制御データを前記圧力設定装置に送る過程と、を実行する。
    この方法によっても、上述した加圧筋力増強装置と同様に、知識、経験を必要とした従来の加圧筋力増強器具と比較して、たとえ無重力状態で加圧筋力増強方法を使用する場合であったとしても、血流の阻害の程度を正確に調節できるものとなるという効果、加圧筋力増強方法を実行する者が、締め付け力を調節する際に生じる手間から解放されるという効果、リハビリテーションの用途への応用が容易になるという効果、を得られる。
    この方法で用いる緊締具は、四肢のいずれかの筋肉の所定の部位に巻き付けることのできる長さとされたベルト、前記ベルトを前記筋肉の所定の部位に巻き付けた状態で固定する固定手段、前記筋肉の所定の部位に巻き付けられた前記ベルトが、前記固定手段により固定された状態で、その内部に気体を充填することにより、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与える、前記ベルトに設けられたガス袋、を有する、上述のようなものとすることができる。
    そして、このような緊締具と、前記ガス袋に気体を送り込めるとともに、前記ガス袋から気体を抜くことのできる圧力設定装置と、前記筋肉の所定の部位よりも四肢の末端側で、前記締め付け力に基づいて変化する血流の状態と関連する測定対象値を測定する測定装置と、組み合わせて用いられる制御装置にて実行される方法であって、制御装置が、前記測定装置のそれぞれから測定対象値データを受付ける過程と、受付けたその測定対象値について、前記締め付け力を変化させるために前記圧力設定装置を制御するための制御データを生成する過程と、前記制御データを前記圧力設定装置に送る過程と、を実行する方法であっても、上述の方法と同様の作用効果を得ることができる。
    【0021】
    【発明の実施の形態】
    以下、図面を参照して、本発明の好ましい一実施形態について説明する。
    【0022】
    図1に、本発明の一実施形態による加圧筋力増強装置の全体構成を示す。 図1は、本発明の一実施形態による加圧筋力増強装置の全体構成を概略的に示す図である。
    【0023】
    図1に示したように、この実施形態の加圧筋力増強装置は、緊締具100と、圧力設定装置200と、測定装置300と、制御装置400とを備えて構成される。
    【0024】
    この実施形態における緊締具100は、図2、図3、図4に示したように、構成されている。 図2は緊締具100の一実施形態を示す斜視図であり、図3、及び図4は緊締具100の使用形態を示す斜視図である。
    なお、この実施形態における緊締具100は、図1に示したように複数、より詳細には4つとされている。 緊締具100が4つとなっているのは、加圧筋力増強方法を実施する者の両手、両足に対して加圧を行えるようにするためである。 この実施形態における、緊締具100のうち、緊締具100Aは腕用(腕に巻きつけて腕を加圧するためのもの。)、緊締具100Bは脚用(脚に巻きつけて脚を加圧するためのもの)である。 なお、緊締具100の数は必ずしも4つである必要はなく、一つ以上であれば幾つでも構わない。 また、腕用の緊締具100Aと脚用の緊締具100Bは、必ずしも同数である必要はない。
    【0025】
    この実施形態における緊締具100は、四肢のいずれかの筋肉の所定の部位の外周を囲むものであり、前記筋肉の所定の部位を締め付けることで、前記筋肉の所定の部位に所定の締め付け力を与えるものであり、且つ前記締め付け力を変化させられるようにされている。 この緊締具100は、この実施形態では、基本的に、ベルト110、ガス袋120及び固定部材130からなる。
    ベルトは、緊締具100が巻き付けられる所定の部位(所定の部位は、一般的には、腕の付け根の近辺又は脚の付け根近辺のうち、外部から締め付けを行うことで血流の阻害を起こすに適切な位置である。以下、これを「締め付け部位」という。)に巻き付けられるようなものであれば、その詳細を問わない。
    この実施形態におけるベルト110は、必ずしもそうである必要性はないが、伸縮性を備えた素材からなる。 より詳細には、ネオプレンゴムにより構成されている。
    この実施形態によるベルト110の長さは、加圧筋力増強方法を実施する者の緊締具100の締め付け部位の外周の長さに応じて決定すればよい。 ベルト110の長さは締め付け部位の外周の長さより長ければよいが、この実施形態におけるベルト110の長さは、締め付け部位の外周の長さの2倍以上となるようにされている。 この実施形態による腕用の緊締具100Aのベルト110の長さは、腕の締め付け部位の外周の長さが26cmであることを考慮して決定してあり、具体的には90cmとされている。 また、脚用の緊締具100Bのベルト110の長さは、脚の締め付け部位の外周の長さが45cmであることを考慮して決定してあり、具体的には145cmとされている。
    この実施形態によるベルト110の幅は、緊締具100の締め付け部位の別に応じて適宜決定すればよい。 例えば、腕用の緊締具100Aのベルト110であれば幅3cm程度、脚用の緊締具100Bのベルト110であれば幅5cm程度とすればよい。
    【0026】
    ガス袋120は、ベルト110に取付けられている。 この実施形態におけるガス袋120は、ベルト110の一方の面に取付けられている。 もっとも、ガス袋120のベルト110への取付け方はこれには限られず、袋状に構成したベルト110の内部に、ガス袋120を設けるなどしてもよい。
    ガス袋120は、また、かならずしもそうである必要はないが、その一端部がベルト110の一端部(図2では、ベルト110の下端部。)と一致するようにして設けられている。 ガス袋120は、気密性を有する素材で形成された気密な袋である。 この実施形態におけるガス袋120は、例えばマンシェフトに用いられるゴム袋と同様の伸縮性を備えたゴムからなる。 尚、ガス袋120の素材はこれに限定されず、気密性を保てる素材を適宜選択すれば足りる。
    ガス袋120の長さは、必ずしもそうする必要はないが、この実施形態では、締め付け部位の外周の長さとほぼ同じくされている。 この実施形態では、腕用の緊締具100Aのガス袋120の長さは、25cmであり、脚用の緊締具100Bのガス袋120の長さは45cmとされている。
    また、ガス袋120の幅は、緊締具100の締め付け部位の別に応じて適宜決定すればよい。 この実施形態では、必ずしもそうする必要はないが、腕用の緊締具100Aにおけるガス袋120の幅を3cm程度、脚用の緊締具100Bのガス袋120の幅を5cm程度としてある。
    なお、ガス袋120には、ガス袋120内部と連通する接続口121が設けられており、例えば、ゴムチューブにより構成される接続管500を介して、圧力設定装置200と接続できるようになっている。 後述するように、この接続口121を通して、ガス袋120の中に気体(この実施形態では空気)が送り込まれ、またはガス袋120の中の気体が外部へ抜かれることになる。
    固定部材130は、締め付け部位に巻き付けた状態で、その状態を保つようにベルト110を固定するものである。 この実施形態における固定部材130は、ベルト110におけるガス袋120が設けられている面のベルト110の他端部(図1では、ベルト110の上端部。)に設けられた面ファスナーである。 この固定部材130は、ガス袋120が設けられていない側のベルト110の全面のどこにでも自在に固定できるようになっている。
    ベルト110を締め付け部位に巻き付け、固定部材130にてベルト110を固定した状態でガス袋120へ空気が送り込まれると、緊締具100が筋肉を締め付け、加圧力を与えるのである。 逆に、その状態でガス袋120内の空気が抜かれれば、緊締具100が筋肉に与える加圧力が小さくなる。
    【0027】
    圧力設定装置200は、ガス袋120に気体を送り込めるとともに、ガス袋120から気体を抜くことのできるものであればよい。 ガス袋120に気体を送り込めるとともに、ガス袋120から気体を抜くことのできるものであれば、圧力設定装置200の構成はどのようなものでもよい。
    一例となる圧力設定装置200の構成を概略的に示したのが、図5である。 図5に示したように、圧力設定装置200は、4つのポンプ210と、ポンプ制御機構220とを備えて構成されている。 なお、4つのポンプ210は、4つの緊締具100とそれぞれ対応付けられている。
    ポンプ210は、その周囲にある気体(この実施形態では、空気)を取り込み、これを後述のポンプ接続口211外部へ送る機能を備えているとともに、図示せぬ弁を備えており、弁を開放することで、ポンプ210内部の気体を外部へ排出できるようになっている。 4つのポンプ210はともに、ポンプ接続口211を備えており、これに接続された接続管500と、接続口121を介して、ガス袋120へと接続されている。 ポンプ210が気体を送れば、ガス袋120に気体が送り込まれ、ポンプ210が弁を開放すればガス袋120から気体を抜くことができる。
    【0028】
    測定装置300は、緊締具100が四肢の所定の締め付け部位に取付けられたときに、その四肢の末端側で、緊締具100が四肢の所定の部位に与える締め付け力に基づいて変化する、当該四肢に流れる血流の状態と関連する測定対象値を測定するものである。
    測定装置300は、この実施形態では、緊締具100と同じく4つとされている。 また、4つの測定装置300は、緊締具100のいずれかとそれぞれ対応付けられている。 つまり、この実施形態の加圧筋力増強装置は、緊締具100と測定装置300の組を4組持っているのである。
    この実施形態における測定装置300は、コロトコフ音、スワン音、脈波の少なくとも一つを測定できるものとなっている。 コロトコフ音、スワン音はいずれも血管音(血管内を流れる血流の音)であり、したがって、こられを測定する装置としては、たとえば、マイクロフォンを用いることができる。 マイクロフォンを血管音を測定するに適切な場所(例えば、内腕部)に取付けることで、コロトコフ音、スワン音を測定することができる。 また、脈波とは、身体組織のある部分への血液の流入によって生じる容積変化を体表面から波形としてとらえたものである。 脈派を測定できる装置としては、脈波計が知られており、脈波を測定するのであれば、測定装置300としてこれを使用することができる。
    この実施形態における測定装置300は、必ずしもそうである必要はないが、測定対象値を経時的に測定できるようなものとなっている。 つまり、時々刻々と変化することのある測定対象値を、測定装置300は測定できるようになっているのである。 測定装置300は、時間的に連続して測定対象値を測定できるようになっていてもよいが、この実施形態では、30秒に一度毎に、測定対象値を測定するようになっている。
    4つの測定装置300はともに、上述の測定対象値を測定し、測定対象値についての測定対象値データを生成して、これを制御装置400へと送るようになっている。 これを可能とするために、測定装置300は、出力端子310(図1参照)を備えており、これを制御装置400へと送るようになっている。 この実施形態では、出力端子310は、当該出力端子310にその一端を接続され、且つその他端を制御装置400に接続されたケーブル700を介して制御装置400へ測定対象値データを送るようになっている。 もっとも、測定対象値データを送るための構成はこれに限定されるものではなく、例えば、光を用いて無線によってデータを送るような仕組みになっていても構わない。 この実施形態では、測定対象値が、上述のように、30秒おきに測定されるようになっている。 測定対象値データは測定対象値が測定されると略同時に生成され、生成された測定対象値データは、測定対象値データが生成されたのと略同時に、30秒おきに制御装置400へと送られるようになっている。
    【0029】
    制御装置400は、測定装置300から受取った測定対象値に基づいて、圧力設定装置200を制御するものである。
    制御装置400の内部構成図を概略で図6に示す。 制御装置400は、コンピュータを内蔵しており、CPU401、ROM402、RAM403、インタフェイス404を、バス405で接続してなる。
    CPU401は中央処理部であり、制御装置400全体の制御を行うものである。 ROM402は、この制御装置400で実行される後述の処理を行うに必要なプログラム、データを記録しており、CPU401は、このプログラムに基づいて処理の実行を行うようになっている。 このROM402は、フラッシュROMやハードディスクなどによって構成できる。 RAM403は、上述のプログラムを実行するための作業領域を提供するものである。 インタフェイス404は、外部とのデータ交換を行うための装置である。 インタフェイス404は、圧力設定装置200とその一端を接続されるケーブル600の他端と接続可能な図示を省略の接続端子4つと、ケーブル700の他端と接続可能な図示を省略の接続端子4つと、それぞれ接続されている。 測定装置300からの上述した測定対象値データは、ケーブル700を介してインタフェイス404によって受付けられ、また、後述する制御データは、インタフェイス404からケーブル600を介して圧力設定装置200へと送られる。
    【0030】
    CPU401が上述のプログラムを実行することにより、制御装置400の内部には、図7に示した如き機能ブロックが生成される。
    制御装置400には、入力情報解析部411、制御データ生成部412、理想データ記録部413、停止条件データ記録部414が含まれている。
    入力情報解析部411は、測定対象値データをインタフェイス404から受付け、その内容を解析するものである。 入力情報解析部411が解析した内容についてのデータは制御データ生成部412へと送られるようになっている。
    【0031】
    制御データ生成部412は、圧力設定装置200を制御するための制御データを、入力情報解析部411から受付けたデータに基づいて生成するものである。 制御データ生成部412は、生成した制御データをインタフェイス404へ出力するようになっている。 制御データ生成部412は、制御データを生成する際に、理想データ記録部413に記録されている理想データと、停止条件データ記録部414に記録されている停止条件データとを利用する。
    理想データは、理想的な測定対象値についてのデータである。 この実施形態の理想データは、これには限られないが、加圧筋力増強方法を実施する場合に、開始から経過した時間と、そのときに理想的と考えられる測定対象値とを関連付けたデータとされている。 つまり、開始からこのくらいの時間が経ったときにおける締め付け力はこのくらいであるべきであり、その場合の測定対象値はこのくらいであるべきであるという情報についてのデータが、理想データとして、理想データ記録部413に記録されているのである。
    他方、停止条件データは、実行中の加圧筋力増強方法を停止すべき条件についていのデータである。 この実施形態における加圧筋力増強方法を停止すべき条件は、1)測定対象値が示す現時点における心拍数が、予め定めた心拍数を超えたことを示す場合、2)測定対象値が示す現時点における血圧が、予め定めた血圧よりも低くなったことを示す場合、3)測定対象値が示す現時点における脈拍が異状であることを示す場合の3つである。
    【0032】
    制御データ生成部412で行われる処理について、説明する。
    上述したように、制御装置400は、測定装置300から30秒おきに測定対象値データを受付ける。 この測定対象値データは、インタフェイス404を介して入力情報解析部411へ入力され、そこで生成された情報が制御データ生成部412へ送られる。
    これを受付けた制御データ生成部412は、そのときに受付けた測定対象値データが、加圧筋力増強方法の実施開始から何秒経過後のものであるかを判断するとともに、理想データ記録部413から読み出した理想データと比較して、その時間に受付けたデータとしてその測定対象値データが適正なものであるか否か判断する。 なお、これを可能とするために、制御データ生成部412には、加圧筋力増強方法の実施開始からの時間を計測する図示せぬタイマーを備えている。
    例えば、受付けた測定対象値データが、その時間に受付けるべき理想データが示す測定対象値と一致する内容を示すものであれば、或いは理想データの測定対象値からのずれが予め定めた所定の値の範囲内であれば、この実施形態における制御データ生成部412は、ポンプ210を駆動させないようにポンプ制御機構220を制御するような制御データを生成する。 また、受付けた測定対象値データが、その時間に受付けるべき理想データが示す測定対象値から上方向にずれており、且つそのずれが予め定めた所定の値の範囲を超える場合には、この実施形態における制御データ生成部412は、測定装置300で測定される測定対象値を下げるようにガス袋120内の圧が変化するような駆動をポンプ制御機構220がポンプ210に行わせるための制御データを生成する。 また、受付けた測定対象値データが、その時間に受付けるべき理想データが示す測定対象値から下方向にずれており、且つそのずれが予め定めた所定の値の範囲を超える場合、この実施形態における制御データ生成部412は、測定装置300で測定される測定対象値を上げるようにガス袋120内の圧が変化するような駆動をポンプ制御機構220がポンプ210に行わせるための制御データを生成する。 即ち、締め付け力が足りないのであれば、ポンプ210にガス袋120への空気の送り込みを行わせるような制御をポンプ制御機構220に行わせるような制御データが生成され、締め付け力が過剰なのであれば弁を開いてガス袋120から空気を抜くようにポンプ210を駆動するような制御をポンプ制御機構220に行わせる制御データが生成されることになる。 制御データ生成部412がこのように制御データを生成することで、ガス袋120内の圧は、測定装置300で測定される測定対象値が、理想データが示す測定対象値と一致するような範囲で維持されることになる。
    なお、制御データ生成部412が行う以上で述べた制御データの生成は、測定装置300、及び圧力設定装置200の組毎に個別に行われる。 つまり、この実施形態における上述の制御データの生成は、測定装置300、及び圧力設定装置200の組に対応して、4セットずつ行われる。 ポンプ制御機構220は、受付けた制御データがどのポンプ210に対応するものか判断し、それに基づいて、適切なポンプ210を制御するようになっている。 これを可能とするため、この実施形態の制御データには、それがどのポンプ210と(或いは、緊締具100と)対応するものであるかを示すデータが含まれている。
    また、制御データの生成を上述の如く4セットずつ行うことを可能とするために、理想データ記録部413には、測定装置300、及び圧力設定装置200の組に対応した4つの理想データが記録されている。 なお、これら理想データはすべて同じものであってもよく、また、それぞれ異なるものであってもよい。 また、これら理想データは、外部から書き換え可能にされていてもよい。 また、これら理想データは、制御装置400内の記録媒体に記録されている必要はなく、例えばCD−ROMなどの外部記録媒体に記録されており必要な場合に制御装置400に読み込まれるようになっていてもよい。
    また、制御データ生成部412は、受付けた測定対象値データが示す現時点における測定対象値に、加圧筋力増強方法を停止すべき上述の条件が含まれているか否かを判断する。 1)測定対象値が示す現時点における心拍数が、予め定めた心拍数を超えたことを示す場合、2)測定対象値が示す現時点における血圧が、予め定めた血圧よりも低くなったことを示す場合、3)測定対象値が示す現時点における脈拍が異状であることを示す場合のいずれかに該当する場合には、この実施形態における制御データ生成部412は、弁を開いてガス袋120から空気を抜くようにポンプ210を駆動するようなポンプ210の制御をポンプ制御機構220に行わせるような制御データを生成する。 なお、1)〜3)の条件は、1)〜3)それぞれの状態が予め定めた所定の時間以上維持された場合にのみ成立するようにすることもできる。
    なお、制御データ生成部412は、上述のように制御データを生成するが、この実施形態における制御データ生成部412は、加圧筋力増強方法を停止すべき条件が存在する場合には、現時点における測定対象値データが示す測定対象値と現時点における理想データが示す理想的な測定対象値の関係によらず、弁を開いてガス袋120から空気を抜くようにポンプ210を駆動するようなポンプ210の制御をポンプ制御機構220に行わせる制御データを生成する。
    【0033】
    以上に示した制御データの生成は、測定対象値データが制御データ生成部412に入力される度に略実時間で行われ、生成された制御データは、圧力設定装置200へ略実時間で行われる。 これにより、圧力設定装置200、及び緊締具100のガス袋120は、測定装置300で測定された測定対象値に基づいて、略実時間で制御されることになる。
    【0034】
    次に、この加圧筋力増強装置の使用方法について簡単に説明する。
    まず、4つの緊締具100を加圧筋力増強方法を実行する者の四肢の締め付け部位に巻き付ける。 腕用の緊締具100A2つを両腕に、脚用の緊締具100B2つを両脚に、それぞれ取付ける。 具体的にはガス袋120が締め付け部位の周囲を1周すると共に、余剰長さ分のベルト110がその周りを更に2周ほどさせてから固定部材130によってベルト110先端部を固定する。
    次いで、4つの緊締具100が取付けられた腕、脚の末端側に4つの測定装置300を、それぞれ取付ける。 このとき、4つの緊締具100のそれぞれと対応付けられた測定装置300を、それら緊締具100が取付けられた腕、脚の末端側に取付けることとする。
    次いで、4つの緊締具100を、圧力設定装置200と接続管500でそれぞれ結ぶ。 また、4つの測定装置300を、制御装置400とケーブル700でそれぞれ結ぶ。 また、制御装置400と圧力設定装置200とをケーブル600で結ぶ。
    その状態で、加圧筋力増強方法が開始される。 ガス袋120内の圧の変化により、緊締具100が四肢の締め付け部位に与える加圧力は変化する。 それに基づいて変化する測定対象値は経時的に各測定装置300によって測定される。 測定対象値についての測定対象値データは各測定装置300から制御装置400に送られる。 制御装置400は、上述したように制御データを生成し、圧力設定装置200に送られる。 圧力設定装置200は、制御装置400から送られた制御データによって制御されながらその中のポンプ210をそれぞれ駆動させ、各緊締具100のガス袋120に空気を送り込み、また空気を抜く。
    以上の圧の調節は自動で行われる。
    加圧筋力増強方法を実行する者は、その状態で運動を行ってもよいし、運動を行わず安静を保ってもよい。 前者の方が筋力増強を高いレベルで行うことができるが、後者の場合でも筋力増強が図られる。
    【0035】
    【発明の効果】
    本発明は、以上のようなものなので、加圧筋力増強方法を実行するときに、血流の阻害の程度を正確に調節できるようになる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明の一実施形態の加圧筋力増強装置の全体構成を概略的に示す図。
    【図2】図1に示した加圧筋力増強装置に含まれる緊締具を示す斜視図。
    【図3】図1に示した加圧筋力増強装置に含まれる腕用の緊締具の使用状態を示す図。
    【図4】図1に示した加圧筋力増強装置に含まれる脚用の緊締具の使用状態を示す図。
    【図5】図1に示した加圧筋力増強装置に含まれる圧力設定装置の内部構成を概略で示す図。
    【図6】図1に示した加圧筋力増強装置に含まれる制御装置のハードウエア構成図。
    【図7】図1に示した加圧筋力増強装置に含まれる制御装置の内部に生成される機能ブロックを示す図。
    【符号の説明】
    100 緊締具110 ベルト120 ガス袋121 接続口130 固定部材200 圧力設定装置210 ポンプ220 ポンプ制御機構300 測定装置400 制御装置411 入力情報解析部412 制御データ生成部413 理想データ記録部414 停止条件データ記録部500 接続管600 ケーブル700 ケーブル

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